2016年12月03日

カジノ法案が審議2日で強行採決! 背後に安倍首相とカジノ利権狙う“パチンコのドン”セガサミー会長の癒着

カジノ法案が審議2日で強行採決!
背後に安倍首相とカジノ利権狙う
“パチンコのドン”セガサミー会長の癒着
2016.12.02 LITERA編集部

 野党の反対を押し切って先月29日に与党が審議入りさせた統合型リゾート(IR)整備推進法案が、早くも本日の衆院内閣委員会で強行採決された。

 IRなどと言い換えて誤魔化しているが、この法案は賭博であるカジノを法的に認める「カジノ解禁法案」だ。
昨日も本サイトで指摘したように、カジノが解禁されれば、ギャンブル依存症患者が増加するのではないかという重大な懸念がある。
それでなくても現在の日本では「病的ギャンブラー」と判断される人は全国に536万人もいると言われているのだ。

 そんな深刻な問題があるにもかかわらず、今国会での審議をまだたったの2日しか行っていない状態で、もう強行採決。
しかも、週明け6日には本会議で可決させ衆院を通過させるつもりだというのだから、安倍政権のやりたい放題ぶりは異常すぎる。
 だが、暴走するのも無理はない。今国会で強行採決してきたTPPや年金カット法案よりも、安倍首相にとってこのカジノ法案は是が非でも成立させたい“悲願の法案”だからだ。

 そもそも安倍首相は、2010年に発足した国際観光産業振興議員連盟、通称「カジノ議連」では最高顧問に就任し、カジノ解禁を「日本の成長戦略の目玉」などと言って猛アピール。
14年、国会で野党から「首相は多重債務や依存症への対策、青少年の健全育成などの総責任者なのに、賭博場解禁の議連の最高顧問であるというのは相反するのではないか」と追及を受けて辞任するまで、その座に居座り続けた。

 なぜ、安倍首相はカジノにこだわり続けてきたのか。
その裏にあるのは、“パチンコ業界のドン”との蜜月関係だ。
 そのドンとは、パチンコ・パチスロ最大手であるセガサミーホールディングス会長で、米経済誌・フォーブスが発表する「世界の富豪」ランキング常連の里見治氏である。

昨年1月には里見会長の自宅に銃弾が撃ち込まれるという発砲事件が起こったが、このときこぞって週刊誌が“カジノ利権の争いが事件の背後にあるのでは”と書き立てている。
 事実、セガサミーは、2012年に韓国のカジノ企業と合弁会社「PARADISE SEGASAMMY」を設立し、来年4月には韓国・仁川に大型カジノリゾートをオープン予定。

他方、13年7月には五輪東京招致のオフィシャルパートナーとなり、政界の“五輪開催のタイミングでカジノ合法化へ”という動きのなかでカジノ利権の主導権を握ろうと存在感を高めてきた。  

そして、カジノ解禁に向けて里見会長が目をつけたのは、安倍首相その人だった。
ふたりの出会いは第一次安倍政権時だと見られ、07年1月30日には赤坂の全日空ホテルで安倍首相と里見会長は会食を行っている。
さらに政権交代によって下野してからは、さらにふたりの関係は密になったという。

 そんな間柄を象徴するのが、13年9月に開かれた、里見会長の愛娘と経産キャリア官僚だった鈴木隼人氏の結婚披露宴だ。
ホテルオークラで開かれたこの披露宴には、森喜朗、小泉純一郎といった首相経験者や、菅義偉官房長官、茂木敏充経産相、甘利明経済再生担当相(ともに当時)といった大物閣僚らが揃って駆けつけたが、そんななかで安倍首相は新婦側の主賓を務めている。
 さらに、安倍首相は主賓挨拶で、「新郎が政界をめざすなら、ぜひこちら(自民党)からお願いします!」と、鈴木氏にラブコール(「FRIDAY」13年10月4日号/講談社)。

実際、翌年12月に行われた解散総選挙で鈴木氏は比例で自民党から立候補するのだが、このとき鈴木氏は初出馬ながら比例上位に選ばれ、当選を果たす。
ここに安倍首相の根回しがあったことは想像に難しくない。
 娘婿という身内まで政界に送り込み、カジノ解禁、そして安倍首相との関係を盤石なものとした里見会長。
しかも、このふたりには、金をめぐるキナ臭い噂も流れている。

 たとえば、「選択」(選択出版)13年9月号の記事では、セガサミーの関係者が「安倍首相は、里見会長の元に直接訪ねてくるほどの間柄」と答えたり、セガサミー社員が〈業界団体の集まりで「安倍首相はウチが落とした」と公言してはばからない〉ことなどを紹介。
その上で、里見会長の側近の一人が「参院選前に、里見会長は安倍首相に五千万円を手渡した」と吹聴している、と伝えている。

 これが事実なのかは定かではないが、しかし、もともと安倍首相はパチンコ企業との癒着が指摘され続けてきた人物。
既報の通り、父・晋太郎の時代から福岡、山口で多くのパチンコ店を経営する七洋物産は地元の有力スポンサーであり、安倍家は下関市の広大な自宅と事務所を同社の子会社であるパチンコ業者・東洋エンタープライズから格安で賃借。
さらに自宅のほうは1990年に所有権が同社から晋太郎に移り、それを安倍首相が相続。
地元では「パチンコ御殿」と呼ばれているというが、里見会長との蜜月の前からパチンコ業界との“下地”はこうしてつくられていたのだ。

 しかも、今回、安倍首相が躍起になっているカジノ法案は、憲法改正とも連動している。
それは、日本維新の会との関係強化だ。
 ご存じの通り、維新はカジノ解禁を訴え、橋下徹は大阪市長時代に「大阪カジノ構想」をぶち上げた。
当然、今回のカジノ法案でも維新の会は自民党との協力態勢に入っている。
そして、やはりというべきか、維新のほうでもセガサミーの陰がちらついている。

というのも、橋下の大学時代からの友人で、松井一郎大阪知事(当時)が13年に大阪府教育長に抜擢した中原徹氏は、部下へのパワハラが発覚し辞職したその1カ月ちょっとで、セガサミーホールディングスの役員に就任しているのだ。
 このように、完全に思惑が一致している安倍首相と維新の会。

昨年6月に安保法制をめぐって維新を抱え込むべく安倍・菅が橋下・松井と会談した際、「菅さんは大阪にカジノをつくると手形を切って説得した」(「週刊ポスト」15年7月3日号/小学館)といわれたが、今回のカジノ法案も、「大阪招致をダシにしたかたちで、安倍政権は維新と憲法改正での協力を取り付けた」(永田町関係者)と囁かれている。

 繰り返すが、カジノ法案はギャンブル依存という重大な問題を孕むだけでなく、反社会的勢力の温床になる危険性も指摘されている。
だいたい、“誰かが必ず金を巻きあげられる”という不公平な仕組みを国が公認し、「成長戦略」にしようと目論むこと自体が社会的公正にもとる行為だ。
 しかし、安倍首相をはじめとする癒着にまみれた政治家たちは、自身の利害にしか目を向けず、ましてや強行採決で法案を押し通したのである。
ここまで政治は腐りきることができるのか──。
安倍政権には、ただただ絶句するしかない。
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2016年12月02日

冬の感染症、連鎖を防げ

くらしナビ・子育て・親子
冬の感染症、連鎖を防げ
毎日新聞2016年11月28日 東京朝刊

 冬の感染症シーズンがやってきた。
子育て家庭にとって特に怖いのは、高熱が出るインフルエンザと嘔吐(おうと)や下痢が苦しいノロウイルスだ。
感染性胃腸炎が増えたため24日、東京都は流行警報を出した。
順天堂大学医学部付属順天堂医院の感染対策室主任感染管理認定看護師、小松崎直美さんに感染を防ぐ注意点を聞いた。  

●インフルエンザ

 インフルエンザは飛沫(ひまつ)、接触感染し、日本で流行するのは12〜3月。
予防接種を考えている人は、そろそろ済ませていいころだ。
家庭に持ち込まないためには人混みや混雑した密閉空間に行くのは避けることだ。
帰宅後と食事前、トイレ後はせっけんを使って手洗いを。
アルコールの手指消毒も効果的。

つり革やエレベーターのスイッチなど、不特定多数の人が触れる場所は感染源になりやすく、その手で鼻や口を触らない習慣づけも必要だ。
外出時は携帯用アルコール消毒薬を持っていると手軽に消毒できる。

 具合が悪いと思ったら早めに医療機関を受診しよう。
小さな子どもは大人に比べ免疫力が低く、幼いと熱を訴えられない場合が多い。
重症化してインフルエンザ脳症や熱性けいれん、中耳炎などの合併症を引き起こす危険性もある。
ただし、インフルエンザの簡易検査キットで特定できるのは発熱から12〜24時間後。
発熱から数時間だと検出できないことが多い。
その時は問診で接触歴、保育園や学校での流行状況、家族の発症状況を伝えて医師の判断をあおごう。
また、アスピリンなどインフルエンザに適さない市販の解熱剤もあるため、医師から処方された薬の使用を勧めたい。

 家庭内のまん延を防ぐために、可能なら、感染者を別の部屋でマスクをつけて過ごさせる。
子どもが嫌がれば看病する人が着用する。
できるだけ看病する人は1人に決め、ケア後は手洗いを忘れずに。

 発熱時、寒がる時は体を温め、体が熱っぽく汗をかいている場合は太い血管が通る脇の下、脚の付け根、膝の裏を冷やす。
食品用の保冷剤を冷凍庫にストックしておき、タオルで巻いたりストッキングに入れたりすると体に固定しやすい。
脱水症状につながる危険性があるため、食欲がなくても水分補給は必要だ。  

●ノロウイルス

 おなかの風邪といえば、原因の代表格はノロウイルス。
ロタウイルス、アデノウイルスなどの場合もあるが、「吐く、下痢、発熱」の3大症状は共通。特効薬はない。
流行状況を踏まえ、医療機関で検査せず「感染性胃腸炎」とだけ告げられることもある。

 感染経路は、主に二枚貝などですでに汚染された食材

▽公共施設のトイレや食器などへの接触
▽患者が吐いた汚染物を触る、吸い込む−−などがある。

便や吐しゃ物1グラムにウイルスが100万〜1億個含まれ、10〜100個程度で感染するという。
乾燥して空気中に漂うと吸い込んで感染することがあり、速やかに処理することが重要だ。

 床やテーブルに吐いた時の処理の手順は、換気→使い捨てのマスクと手袋をつける→ごみ袋を広げる→吐しゃ物をペーパータオルなどで取り除く。
続いてペーパータオルをかぶせ、50〜100倍に薄めた市販の塩素系漂白液を浸すようにかけ、しばらく置いて外す。

漂白液に浸しておいた新しいペーパータオルで外から内に向かって拭き取る(この時、汚れた面でこすると汚染が広がるので常に新しい面を使う)。
吐しゃ物や拭き取ったペーパータオル、手袋、マスクなどはごみ袋に入れて、浸る程度に漂白液を入れて口をしばる。
最後にせっけんで30秒以上かけて手を洗う。
ノロウイルスにはアルコールによる手洗いは効果がない。

 布団やシーツに吐いた時は、同様に身支度して吐しゃ物を片付け、衣類やシーツ類は放置せず漂白液に5〜10分浸し、ほかの物とは別にして普通に洗濯する。
もみ洗いする場合は、ウイルスが飛び散らないよう水の中で作業をする。
85度以上の熱湯に1分以上つけることでもウイルスを不活化できる。
布団はよく乾燥させて乾燥機やスチームアイロンをかける。
 おもちゃやドアノブ、トイレの水洗レバー、便座も塩素系漂白液で拭き上げたい。

 発症から6時間くらいは嘔吐が続くことがあり、無理に飲食させない。
どうしてもほしがる時は、水を1さじずつ与える。
吐き気が止まって3時間くらいして水分補給をする。
食事は水分がとれるようになって、食べられる量の半分くらいから食べさせよう。

 小松崎さんによると病院では各部署に、血液や汚物を処理するのに必要なものをまとめたセット(スピルキット)を常備している。
「家庭でも必要なものをまとめておくと、移動を簡略化できて汚染の拡大防止に役立つでしょう」と話している。
【                     山崎明子】

吐しゃ物処理に便利な道具
・使い捨て手袋
・使い捨てマスク
・キッチンペーパー
・ポリ袋
・0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液(市販の塩素系漂白剤を100倍に薄めたもの。2リットルのペットボトルにキャップ4杯を入れ、いっぱいまで水を入れて薄める) ニュースサイトで読む:
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2016年12月01日

原発避難いじめ 「事件化できない」神奈川県警の存在意義

原発避難いじめ
「事件化できない」
神奈川県警の存在意義
2016年11月30日 日刊ゲンダイ

「事件化はできないと判断した」―
―神奈川県警の言い分に、ネット上の大炎上が止まらない。

福島原発事故で横浜市に自主避難した男子児童が同級生にいじめられ、不登校になった問題。
あらましはこうだ。
 2014年5月、当時小5の男子児童がいじめられ、加害児童3人から約10万円巻き上げられるトラブルが複数回あったと、両親が学校に相談。
同年7月、小学校から報告を受けた神奈川県警は同級生などから聞き取り調査を実施したが、加害児童側が「被害者が自発的に金を渡した」と主張したため、県警は同年11月、学校と保護者側に「事件化はできない」と説明したという。

「男子児童は、日常的に殴る蹴るの暴行を受け、加害児童の3人から遊興費として計150万円を巻き上げられたといいます」(捜査事情通)
 男子児童側は今月15日に、いじめがあった当時の手記を公表。
〈3人から…お金をもってこいと言われた〉
〈ていこうすると またいじめがはじまるとおもってなにもできずに ただこわくてしょうがなかった〉
〈ばいしょう金あるだろうと言われ むかつくし、ていこうできなかったのもくやしい〉

 それなのに県警は今月18日の会見で、「金銭の授受はあったが、いじめの事実は把握できず、事件化はできないと判断した。
当時は適正な処理をしたと考えている」などと釈明したもんだから、ネット住民も「おかしいだろ」とカンカン。
炎上は拡大の一途だ。

■事件化できないのは「県警の怠慢」

 これが事件じゃなければ、何をもって事件化できるのか。
弁護士の山口宏氏もこう言って憤る。
「小学生の間で150万円もの大金がやりとりされていたわけです。
立派な恐喝ですよ。
加害者の一方的な主張をうのみにして事件化できないなんて、やる気がないというか県警の怠慢です。
警察の信頼を失うばかりか、存在意義がなくなる。
しかもいじめが発覚してから、すでに2年以上経っています。
その間、万一のことが起きたら誰が責任を取るのか。

『向こうが勝手に金を払ったから』なんて主張がまかり通るなら、同様のカツアゲが蔓延します。
ほかにつらい思いをしている原発避難児童が、またいじめの被害に遭ったらどうするんですか」  

被害児童は手記で〈しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた〉ともつづっていた。
県警は日刊ゲンダイの取材に「発表事案ではないので回答できません」(広報県民課)とけんもほろろ。
まったくどうかしている。
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2016年11月30日

年金カット強行採決で貧困高齢者が

年金カット法案が
本会議でも強行採決、
70歳以上の医療費も倍額に!
追い詰められる貧困高齢者
2016.11.29 LITERA編集部

 25日の衆院厚生労働委員会につづき、本日、衆院本会議で公的年金改革法案、いわゆる年金カット法案が強行採決された。
25日の同委で安倍首相は野党からの問題指摘に対し「それで民進党の支持率が上がるわけではないんですよ!」と言い放ち、挙げ句、「私が述べたことを理解いただかないなら何時間やっても一緒だ」と独裁者丸出しの暴言を吐いたが、それを反省するでもなく、きょうもまた強行採決。

もはや安倍首相は、反対意見など無視してなんでも強行採決で通してしまうつもりなのだろう。  

しかし、この年金カット法案は、現在、年金を受給する高齢者たちにとっては死活問題だ。
 今回の法案は、物価と賃金で下落幅がより大きいほうに合わせて年金も減額するというもので、民進党の試算では年金支給額は現在よりも5.2%も減少。2014年のデータにこの新たなルールを当てはめると、国民年金は年間約4万円減、厚生年金ではなんと年間約14.2万円も減るという。

 何度もお伝えしているように、安倍政権はこの4年のあいだに公的年金を3.4%も減らし、医療面でも70〜74歳の窓口負担を2割に引き上げるなど高齢者の生活に追い打ちをかけてきた。  

それだけではない。
昨日明らかになった2017年度から予定されている公的医療保険制度の見直し案では、70歳以上の医療費自己負担上限を、住民税を支払う全員を対象に引き上げるとした。
たとえば、約1200万人いる年収約370万円未満の所得層も、外来で月額の自己負担額上限は1万2000円だったが、来年8月からは倍の2万4600円に引き上げる。

しかも、年金が153〜211万円という低所得層への所得に応じた保険料5割軽減という特例も廃止するという。
こうした見直しによって、国は350億円を浮かせるらしい。

 医療費見直しや年金カット法案といった高齢者への社会保障の厳格化は、一体、何をもたらすのか。
NPO法人ほっとプラス代表理事で、『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新書)の著者である藤田孝典氏は、25日の厚労委で参考人として法案反対の立場から、「65歳以上の高齢者の相対的貧困率は18%」という高水準にあること、そしていま、高齢者は「相当、生活が逼迫されている」と説明した。

「年金がこのままもし景気浮揚等なく減らされていくという状況では、まず生活困窮状態にある高齢者はどういうふうな状況に陥っていくのか。
わたしたちのもとに相談に来られる人たちは、病院の受診回数、服薬回数を減らしています。
年金が不十分な人は、なるべく病院に行かない。
ほんとうは受診しないといけないのに、医師の指導に従えない、そういう状況が見られています
「ほんとうは要介護4という介護サービスを入れないと普通の生活がしていけないという状態にある女性も、年金金額が少ないために要介護1ぶんのサービスしか入っていない」
「多くの研究者の方たちも、低所得にある高齢者の人たちがいかに健康を害しているのかという調査(結果)も、すでに多く出されています。

(年金の減額は)その金額だけを見ると、たかが数千円、数万円とわずかなものだと思われがちだと思いますが、この影響は非常に大きい」
 相談に訪れる人のなかには、「自殺や一家心中、介護殺人を考えているというような声がすでに数多くあります」と言う藤田氏。
いま、高齢者が置かれた状況がこうした切迫したものであると知った上で、安倍政権はそれでも年金カット法案を強行採決したのである。
 命にかかわる社会保障費を抑え込み、一方では国家公務員の年収を平均5万1000円増額する改正給与法が参院で成立している。

弱い者は「自己責任」の一言で見捨てられ、見殺しにされていく──安倍政権のままでは、そんな恐ろしい社会がどんどんと進んでいくのだろう。
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2016年11月29日

病気は「自己責任」か 小泉進次郎氏ら自民グループ「健康ゴールド免許」提言の波紋

病気は「自己責任」か 
小泉進次郎氏ら自民グループ
「健康ゴールド免許」提言の波紋
毎日新聞2016年11月28日 東京夕刊

予防に努めれば自己負担軽減→患者は努力しなかった人?

 健康管理をきちんとした人は医療費を割り引きます−−。
小泉進次郎衆院議員が実質的に仕切る自民党小委員会が10月、「健康ゴールド免許」なる新たな制度の導入を提言した。
優良運転者に与えられる「ゴールド免許証」の“医療介護版”というが、患者団体からは「病気は自己責任?」と根本から疑問を投げかける声が出ている。
何が問題なのか−−。
                        【小林祥晃】

 「予防に努力した人と努力しない人を分けて、医療費負担額に差をつける? それでは病気になった人への制裁ですよ」。
「認知症の人と家族の会」代表理事の高見国生さん(73)は、こう言って「健康ゴールド免許には反対です」と話した。
ネット上では、今年9月に「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!」と男性フリーアナウンサーが主張した問題と絡め、「同じ考え方をきれいに表現しただけでは」と指摘する意見も目立った。

 提言したのは、今年2月に設置された自民党の「2020年以降の経済財政構想小委員会」。

茂木敏充政調会長直属の「財政再建特命委員会」の下部組織で、政府の社会保障改革の工程表が射程に入れていない、20年以降の財政のあり方を議論してきた。
若い世代へのアピールを意識し、メンバーの約20人は当選3回以下の若手。
発足時に事務局長を務めた小泉氏(現在は委員長代行)が人選し、提言とりまとめで中心的役割を果たしたとされる。

 健康ゴールド免許は、小委が10月26日に発表した提言「人生100年時代の社会保障へ」の3本柱の一つ。
茂木政調会長は「野心的な内容」と評価しており、政府・与党の政策論議に反映される可能性はある。
 提言が自己責任論と受けとめられ、批判が上がっていることについて小委員会事務局長を務める村井英樹衆院議員は
「自己責任とは全く考えていない。
誤解です。
頑張った人の負担を下げることは、そうでない人にペナルティーを科す意味でもありません。
自助努力が難しい方には配慮が必要だと考えていますし、全体を読めば分かってもらえるはずですが……」と話す。

 しかし、格差社会での受益や負担のあり方を発言している井手英策・慶応大教授(財政学)は「『中流』から転落しないようにと多くの人が必死になっている格差社会では、自己責任論が広がりやすい。
そんな状況で努力した人・しない人と区別する政策は、社会のさらなる分断を招きかねない」と懸念する。

 前出の高見さんも
「病気になるリスクを区分して負担が変わるというのでは民間保険と同じ。
そんな論理を持ち込んだら公的な保険制度が成り立たない」と指摘し「医療保険を運営する側の政府・与党が保険を使っている人と使っていない人を対立させるような提言をするのは疑問」と語る。
 ゴールド免許は「無事故無違反」の実績に対して与えられる。
では、健康ゴールド免許では「健康管理に努力した、しなかった」を、何を基準に判断するのか。
 小委は「あくまで構想段階で、細かな制度設計は導入が決まってからの話」としながらも、例として「健康診断を継続的に受けたり、禁煙を続けたりしていること」などを挙げ「努力した人の負担を現行の3割から、例えば2割にする」と説明している。
また、その前提として「生活習慣病、がん、認知症」は、健康管理次第で「予防や進行の抑制が可能なものも多い」という認識を示している。
提言の説明資料には「健康管理に努力した人が報われる医療介護へ」というキャッチコピーも書かれていた。

 しかし、腎臓病の患者団体の関係者は「同じ食事、同じ生活でも、病気になる人もいればならない人もいる。
仕事で酒の席が多い人もいる。
自己管理ができないから病気になるわけではない」と首をかしげる。


 提言は、膨張し続ける社会保障費に対する現役世代の危機感の表れでもある。
村井議員は「もし医療保険財政が破綻したら、医療を必要とする患者さんが一番困る。
今の医療制度は維持しなければいけない。
そのためにも、今後は皆で病気予防に努めることが重要です。
決して『医療費削減ありき』ではありませんが、自助を促すインセンティブは、医療を守るために必要なのです」と力説する。

 しかし、前出の井手さんは「それでは財政の存在理由がなくなる」と批判し、次のように解説する。
 「財政は、医療や教育、道路や河川の整備、消防、警察など、誰もが受益者となる事業の費用を共同で負担するためにあります。
これらは『自助』では成り立ちません。
それをやるために人間は国家や政府をつくり、財政を発達させてきた。
経済学者の故宇沢弘文さん(東大名誉教授)の言う『社会的共通資本』のためにこそ財政があるのです」

 ノーベル賞に最も近い日本人経済学者と称された宇沢さんは「人間が生きる上での基盤となる医療や教育、司法、自然環境などは市場原理に委ねられない」という「社会的共通資本」という考え方を提唱した。
井手さんは「頑張った分だけ報われる市場原理的な正義は否定しませんが、それは唯一の正義ではありません。
格差が広がり過ぎた時に是正するのも正義です。
二つの正義を両立させ、頑張りたい人は誰もが頑張れるよう、基盤を整えることが大事です」。  

宇沢さんの思想を講演などで伝えている長女で内科医の占部まりさんは、医師の立場から「今は、患者がホームレスであろうとお金持ちであろうと、ほぼ平等に医療を受けられる。
それは医療が社会的共通資本として守られているから。
この制度は破綻させないでほしい」と話す。
その上で「誰もが病気になりたくないと思っていますが、健康にいいことだけをして生きるのも難しい。
ですから、金銭的なインセンティブのみで医療のコストが減らせるとは思えません。
皆が心身ともに健康に暮らせるような施策を進め、医療費が削減されるのが理想です」と語る。  

11月上旬、国会で本会議終了後の小泉氏に健康ゴールド免許に対する批判について尋ねると、即答した。
「最近、社会保障改革は議論が盛り上がっていないよね。
これを機に国民的議論になったらいい。
賛否両論上がるのは大歓迎ですよ」

  では、もっと議論を深めようじゃないか。
国の医療制度維持のために、国民が分断される。
提言はそんな結果を招くのではないか。
*********************************

提言の概要
▽中長期的に医療介護制度の持続可能性を担保するためには、「病気にならないようにする」自助努力を支援していく必要がある。


▽医療介護費用の多くは、生活習慣病、がん、認知症への対応。
これらは、健康管理を徹底すれば、予防や進行の抑制が可能なものも多い。


▽現行制度では、自助を促すインセンティブが十分とは言えない。
今後は、健康診断を徹底し、早い段階から保健指導を受けていただく。
健康維持に取り組んできた方が病気になった場合は自己負担を低くする。

▽運転免許証では優良運転者に「ゴールド免許」が与えられる。
医療介護版の「ゴールド免許」を作り、自己負担額を低く設定することで、自助を支援すべきだ。
もちろん、自助で対応できない方には、きめ細かく対応する必要がある。
自民党「2020年以降の経済財政構想小委員会」の提言より抜粋
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