2021年01月28日

露呈した「情報過疎」…“現場”つかめず、いらだつ首相

露呈した「情報過疎」…“現場”つかめず、いらだつ首相
1/27(水) 西日本新聞

 2日間の衆院予算委員会の論戦をひとまず終えた菅義偉首相。
新型コロナウイルス対応を巡るやりとりでは、現場の情報を的確に把握できておらず、自らの指示もスムーズに執行されていない現状に直面させられ、いらだちをにじませる場面が目立った。
官房長官時代から官僚を思うままに動かして政策を実現してきたが、その政治手法に異変が起きている。

 26日の質疑で首相は、コロナ患者の病棟で看護師が清掃まで担っている厳しい現場環境についてただされ、「清掃業者にやってもらえるよう改善している」と胸を張った。
昨年から対応に意欲を示していた課題のはず、だった。
 ところが、直後の厚生労働省担当局長の答弁で首相の「情報過疎」ぶりが露呈する。
昨年末から医療機関への清掃業者の紹介を始めたが、緊急事態宣言下の11都府県の48業者中、病院と契約に至ったのはわずか3業者−。
野党議員から「この数字。ちょっとびっくりしませんか」と切り込まれ、首相は「私も今、率直に数字を聞いた。現実としては申し訳ない思いです」。平謝りするしかなかった。

 前日の25日にはこんな場面も。野党議員が、2兆7千億円の予算を確保した医療機関への支援金の執行率が4割弱にとどまっている点を突き、「総理がやっぱりバーンと指示、命令しないと」と挑発。
これに対し、首相は「これだけ(予算を)積んでなぜ回らないんだということを、関係大臣に強く指示している」と不機嫌そうな顔を隠さなかった。

 官僚以外の民間人とも頻繁に面会して「生」情報を直接吸い上げ、政策執行に生かしてきたのが首相のスタイル。
人事も効果的に行って官僚組織を従わせ、自らが考える「あしき慣例」「縦割り行政」を打破してきた。

 ところが、新型コロナ対応では、政府内で「情報」と「指示」の目詰まりが起こっている一端が質疑で明らかとなった。
ウイルス収束への道筋を付けるため一刻の猶予も許されない中、首相の本来の持ち味は復活するのだろうか。 (一ノ宮史成)
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2021年01月27日

「労働」とは何か

「労働」とは何か
2021年01月26日 NHKテキストビュー

都会であくせく働く人と、南の島の漁師の会話の小噺(こばなし)をきいたことはありませんか。
「そんなに必死に働いて、貯めたお金で何をするの?」
「引退したら昼寝しながら、のんびり魚釣りでもして暮らしたいからね」
「ぼくはもうそれをしているよ」──。

私たちはいったい何のために働いているのでしょうか。
小噺に登場する漁師は「働いていない」のでしょうか。
本稿では、経済思想家、大阪市立大学准教授の斎藤幸平(さいとう・こうへい)さんと共に「労働」について考えてみたいと思います。
*   *   *
人間は、他の生き物と同様に、絶えず自然に働きかけ、様々な物を生み出しながら、この地球上で生を営んできました。
家、洋服、食べ物などを得るために、人間は積極的に自然に働きかけ、自然を変容し、自らの欲求を満たしていきます。
こうした自然と人間との循環的な過程を、マルクスは生理学の用語を用いて、「物質代謝」と呼びました。
そして、自然を規制し、制御する行為こそが、「労働」だとマルクスは考えたのです。

マルクスが『資本論』に託したメッセージの核心に迫る上で、特に重要なのが、第一巻・第五章第一節「労働過程」で展開されるこの「物質代謝論」です。
これを理論的土台として『資本論』を読み進めていきましょう。

労働は、まずもって、人間と自然とのあいだの一過程、すなわち、人間が自然との物質代謝を自らの行為によって媒介し、規制し、制御する一過程である。
(193) 都市で暮らしていると忘れてしまいがちですが、インスタントラーメンもパソコンも、自然に働きかけることなしに作ることはできません。
自然との物質代謝は、人間の生活にとって「永遠の自然的条件」だとマルクスは述べています(198)。

つまり、自然との物質代謝を離れて生きることはけっしてできない、ということです。
もちろん、人間だけでなく、地球上のあらゆる生き物が、自然との物質代謝を行いながら生きています。
人間が森から木を伐り出して家を作るように、熱帯地域のシロアリは人間も真似をするような、内部の温度をほぼ一定に保つ空調の仕組みも整った立派なアリ塚を作ります。

けれども、人間と他の生き物との間には、決定的な違いがある、とマルクスは述べます。
それは、人間だけが、明確な目的を持った、意識的な「労働」を介して自然との物質代謝を行っているということです。
人間は、単に本能に従って自然と関わっているのではありません。
本能を満たすための工夫は他の動物でも行います。

ハキリアリはキノコを育てるし、道具を使う動物もいます。
しかし、暖をとるだけなら服を作れば十分ですが、人間は「よりきれいな服にする」目的のために、染料で服を染めます。
食事をするための土器なら器があれば十分ですが、祭事や遊びなど本能以外の目的のために人形を作ったりしてきました。

「労働」という行為によって、人間だけがほかの生き物よりもはるかに多様でダイナミックな“自然への働きかけ”ができるのです。
その際、人間と自然との物質代謝は循環的で、一方通行で終わるものではありません。
自然に還らないゴミを大量に出し続ければ、例えばマイクロ・プラスチックを食べた魚が私たちの食卓に戻ってきます。
核のゴミも問題ですし、化石燃料の大量消費による二酸化炭素排出も、深刻な気候危機を引き起こしています。

私たちの暮らしや社会は、私たちが自然に対してどのような働きかけをしたかで決まる。
これがマルクスの、資本主義社会を分析する際の基本的視座です。
つまり、マルクスは、人間の意識的かつ合目的的な活動である労働が資本主義のもとでどのように営まれているかを考察することで、人間と自然の関係がどう変わったかを明らかにし、そこから資本主義社会の歴史的特殊性に迫ろうとしたのです。

■『NHK100分de名著 カール・マルクス 資本論』より
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2021年01月26日

コロナ患者「退院後12.3%死亡」の衝撃!回復しても3割が再入院

コロナ患者「退院後12.3%死亡」の衝撃!回復しても3割が再入院
1/25(月)  日刊ゲンダイ

 回復したからといって安心ではない――。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く英国で衝撃の研究結果が発表された。
退院した新型コロナ患者の3人に1人が5カ月以内に再入院し、うち8人に1人が亡くなっているというのだ。
 ◇   ◇   ◇
 研究論文を発表したのは、英レスター大と国家統計局から構成される研究チーム。
昨年1月から8月末までに入院していた英国内の新型コロナ患者を対象に追跡調査を行い、コロナに感染していないグループと再入院の割合や死亡率を比較した。

 査読をまだ受けていない論文ではあるものの、研究結果によると、治療を受けて退院しても、短期間に再入院や死亡する割合が高いというから驚きだ。
 論文によると、退院した元コロナ患者4万7780人のうち29.4%が退院後140日以内に再入院。
さらには、全対象者のうちナント、12.3%が死亡したという。
しかも、コロナ感染していないグループと比較すると、再入院は3.5倍、死亡率は7倍も高かった。

 西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)がこう言う。
「回復したにもかかわらず、1割以上の人が亡くなるとは、感染症では考えられません。
普通なら『治ったら終わり』ですからね。
例えば、糖尿病や心臓病など、持病のある高齢者がコロナ感染によって体力を削られ、回復しても亡くなってしまう、ということは考えられます。
高齢者だけに限って調査しているわけでもないので、いずれにしても、なかなか説明のつかない数字です。
コロナウイルスとの因果関係が認められるのか、英国だけの現象なのかなど、さらに精査する必要があるでしょう」

■高齢者や民族集団に限定されるものではない
 回復後の死亡リスクが論文の数字通りに高いのであれば、「治ったから安心」なんて考えは通用しない。
研究グループは論文で、コロナ回復後の患者に生じた意図しない症状や病気などの「有害事象」はコロナに感染していないグループに比べ、呼吸器障害や糖尿病、心疾患や腎臓病の割合が高いと指摘。こう結論付けている。

〈コロナ感染後に退院した患者は死亡や再入院、多臓器不全の割合が高く、そうしたリスクの増加は高齢者や民族集団に限定されるものではない〉
〈回復後の症状に関するリスク要因をさらに理解するため、緊急の調査が必要であり、そうすることで、統計的にも臨床的にもリスクにさらされている集団に、より適切な治療を提供できるだろう〉

 コロナ感染の後遺症で倦怠感や味覚・嗅覚障害などに悩まされている人もいる。
 注意してもし過ぎることはない。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(1) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする