2021年09月22日

「一人で車を運転していてもマスクをする」日本人の幸福度が世界62位に沈む本当の理由

「一人で車を運転していてもマスクをする」日本人の幸福度が世界62位に沈む本当の理由
2021年09月21日   PRESIDENT Online

2020年の世界幸福度ランキングで、スイスは3位で日本は62位だった。
『Think Clearly』(サンマーク出版)著者でスイス在住の作家、ロルフ・ドベリ氏は「日本人はマスクを着用する必要がない状況でも、周りからの目を気にして誰もがつけている。
これが日本人の幸福度が低い原因ではないか」という――。
※本稿は、大野和基インタビュー・編『自由の奪還 全体主義、非科学の暴走を止められるか』(PHP新書)の一部を再編集したものです。

■やみくもに努力するより自分の得意分野を伸ばせ ??
 日本には「災い転じて福となす」ということわざがあり、「コロナ禍を社会変革のきっかけにしよう」という議論も生まれています。
しかし、あなたは『Think Smart』(サンマーク出版)のなかで「危機から無理にプラスの要素を見出さなくてもよい」と述べていますね。

○ただやみくもに頑張るべきではありません。
ウォーレン・バフェットの例を挙げるならば、我々は「circle of competence(能力の輪:自分がよく理解できている得意な分野)」をもつべきです。
能力が世界レベルであれば理想的ですが、そこまでいかなくても、自分の「能力の輪」の内側であればあなたの能力は平均より秀でているわけですから、成功する可能性は格段に高まります。
いろいろな分野に手を出すのではなく、輪の規模が小さかろうが大きかろうが、とにかく一つの輪の中に留まるべきです。

パンデミックではない常時でも、まったく同じことです。
よく「内なる声に耳を傾けよ」と言われますが、それだけでは駄目です。
自分から出てくる声は、往々にして希望的観測を孕んでいるからです。
まずあなたの過去10年、20年の実績を見て、平均より優れている分野を探すべきです。
それはあなたが楽しんできた分野である可能性が高いでしょう。
でなければ、平均より秀でることなどできませんから。 得意分野を見つけたら、能力の向上に集中しなければなりません。

パンデミックの真っ只中にある現在でも、できることはいくらでもあります。
「能力の輪」を深めに深め、自分の専門性を高めましょう。
同書ではさらに、「自分の失敗を受け入れて現実を視るべき」と説いています。
しかし、自分の失敗を素直に認めるのは非常に難しいことです。

私たちはどのようなステップを踏むべきでしょうか。

○それはすばらしい質問です。
まず言えるのは、我々が学ぶのは成功からではなく、失敗からであること。
成功は一見、自分の努力によって得ることができたものと勘違いしがちですが、実際にはたんなる偶然である場合が多い。
よって成功から学べることは何もない。
でも失敗したときは、どこでどう間違ったのかを具体的に指摘できます。
これは他人の経験においてもそうで、誰かの成功物語よりも失敗からのほうがはるかに密度の高い情報を得られます。

我々はまず、失敗はすべての人が人生で経験するもので、それは人生の一部であって何も恥じるべきではないことを認識するべきです。
そう捉えるだけでも、気持ちが楽になります。

次に自分のこれまでの失敗を書き出し、失敗が起きた原因を細かく分析します。
そうすれば、同じ間違いを犯すことはなくなるでしょう。
また失敗を一定期間書き留めていると、自分の弱点のパターンがわかってきます。
すると弱点をカバーするために長所を磨いたり、他の人の力を借りたりして、失敗を減らすことができると同時に、「自分は自身が思うほど偉大な存在ではない」と謙虚になることができるのです。

■自分が影響を与えられないニュースは見るな ??
コロナ禍により、我々が時事的な情報に触れる機会は増えています。
しかしあなたは、ニュースを見る量を減らすことを薦めていますね。なぜでしょうか。
○○一般の人は、ニュースを見ると世界について何かを学ぶことができる、公私ともに人生のより良い決断につながると考えている。
しかし、その発想は大きな間違いだといわざるをえない。

人はニュースをずっと見ていると、「知識の錯覚」に陥ります。
知識を得ているのではなく、不必要な雑音に振り回されているのです。
ではどうすればいいかというと、先ほど述べた「能力の輪」を確立させ、その中に納まる情報だけを集めればいい。
どこかの国で飛行機が墜落したとか、ある国の大統領が他国の指導者と握手したところで、率直に言ってあなたには何の関係もありません。
すぐ実行に移すのは難しいかもしれませんが、大半のニュースをシャットアウトしたところで、何の問題もないことがやがてわかるでしょう。

西洋には昔から、「自分が影響を与えられないことは気にするべきではない。自分が影響を与えられることだけに集中すべきである」というストア派の哲学があります。
アメリカの大統領にドナルド・トランプが再選するか、ジョー・バイデンが勝利するかについて、私が影響を及ぼすことはできない。
私はアメリカ人ではなく、選挙権もないからです。
ですからアメリカ大統領選の結果に気持ちを乱されることはない。
影響力のない人は、皆それくらい距離を置いたほうがいいのです。

それよりも、自分の「能力の輪」に関する、非常に長くて内容が深い記事や書物を熟読するほうがはるかに大切です。

??またあなたは「人生では修正が大事である」と述べており、事例として各国の憲法改正を挙げています。
○○しかし日本は、戦後一度も憲法を変えていません。
これは異常だといえるでしょうか。
他の国と比べると、たしかに異常ですね(笑)。

ただし私は、日本に憲法改正の「次善策」があるかどうかを知っているほど、日本社会について詳しくはありません。
「次善策」というのはつまり、憲法を改正するのではなく、他の手段で社会様式を実質的に変えるということです。
日本は優秀な海上自衛隊を有していますが、憲法には明記されていませんね。
個人的には国防のために優秀な部隊をもつことには大賛成ですし、憲法にも明記すれば良いと思いますが、憲法になくても自衛隊が強い力をもっているのは、ある意味で憲法を改正しているようなものです。
そのほうがむしろ賢明です。

■政治への大きな発言権と影響力がスイスの幸福の源 ??
あなたは「日本はすばらしい国」と言いましたが、どこが魅力でしょうか。
○○決してお世辞ではなく(笑)、日本に対してネガティブなイメージはありません。
私は過去に2度、日本を訪れたことがありますが、2度とも「こんなに文化的で落ち着いた国はない」と感じました。
人びとは皆フレンドリーで、何よりも、食べ物が世界一美味しい!

 日本には、世界から尊敬される点がたくさんあります。
地政学的に見れば、日本は興味深い位置にあります。
台頭する中国の脅威につねに晒(さら)されており、尖閣諸島などの領有権を守るなど国防面での課題が山積している。
また貿易で他国との交流が盛んな半面、輸入に頼っているので、交易が閉ざされると大きな打撃を受けてしまいます。

??たしかに日本人は基本的にフレンドリーかもしれませんが、一方で社会における同調圧力の強さが指摘されています。
心の奥底では反対していても、表向きは賛同しているふりをして、他人と同じような行動をとりがちです。
たとえばマスクを着用する必要がない状況でも、周りからの目を気にして誰もがつけています。
○○同調圧力は日本だけではなく、アジア諸国のほとんどに存在している気がします。
ヨーロッパには、17世紀後半に始まった啓蒙時代から今日まで、それまで主流とされていた思想や宗教を自己批判する文化が根づいています。
ただ、アジアはそうではありませんよね。
ですから、なかなか変えられるものではないでしょう。
ただしそれが合理的である場合、同調するのは必ずしも悪いことではありません。
とくにパンデミックのいまは、アジア諸国の同調圧力はいい方向に働いているように思えます。

??スイスで暮らしていて、同調圧力を感じることはありますか?
○○まったくありませんね。
我々が特定の行動をとるのは、他の人全員がしているからではなく、その行動に意味があると思うからです。
私の自宅の近くには中国やトルコ、日本などアジア諸国の大使館がありますが、職員たちは車を1人で運転しているときでさえマスクをつけています。
まったく意味がなく、正直に言って理解できません。
もちろん私も、屋内にいるときや近距離に人がいるときはマスクを着用します。
でもあなたが言うような「必要がない場合でも批判を恐れて行動する」という意味の同調圧力を感じたことはありません。
それがヨーロッパの考え方です。

??2020年3月(当時)に「世界幸福度ランキング」が発表され、あなたの国スイスは3位、日本は62位でした。
日本は「健康寿命」では上位ですが、「人生の選択の自由度」と「他者への寛大さ」では順位が低い。
両国の差は何から生まれているのでしょう。

○私は幸福についての専門家でもありませんので、スイスの経済学者ブルーノ・フライ(チューリッヒ大学教授。著書に『幸福度をはかる経済学』NTT出版)の研究を参考にしましょう。
彼は、幸福度を測る重要な要素の一つは、市民がどれくらい政治や社会に影響をもつことができるかである、と述べています。
スイスでは毎週のように、何かしらの社会問題について住民投票が行なわれます。
たとえば市が路上に花を植える際、橋の向こう側に植えるかこちら側に植えるか、といった事項も住民投票で決定する。
市民が政治に対して、大きな発言権と影響力をもっているのです。
その姿はまるで、「democracy on steroids(ステロイドに依存した民主主義:極端な民主主義)」と言っても過言ではない。
面倒にも思えますが、こうした面倒がスイスの幸福度を高めているのでしょう。

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大野 和基(おおの・かずもと)
国際ジャーナリスト 1955年、兵庫県生まれ。
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ロルフ・ドベリ(ろるふ・どべり) 作家、実業家
1966年、スイス生まれ。
スイス、ザンクトガレン大学卒業。
スイス航空会社の子会社数社にて最高財務責任者、最高経営責任者を歴任後、ビジネス書籍の要約を提供する世界最大規模のオンライン・ライブラリー「getAbstract」を設立。
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2021年09月21日

ハイブリッドで日本記録 ロケット打ち上げ成功 神奈川大など

母校の快挙が嬉しい(小だぬき)
ハイブリッドで日本記録 ロケット打ち上げ成功 神奈川大など
9/19(日) jiji.com  

神奈川大航空宇宙構造研究室と同大宇宙ロケット部などは19日、秋田県能代市の海岸で、安全なロケットとして注目されているハイブリッドロケット打ち上げに成功した。
位置情報の信号が途切れ、機体回収には至らなかったが、高度約10.7キロに達したとみられ、2013年に北海道大などが記録した国内記録(推測値8.3キロ)を更新した。

 ハイブリッドロケットは、既存の液体・固体燃料と違い可燃性が低い推進剤で飛ぶため、安価でトラブルが起きても爆発や環境汚染の恐れがほとんどない。
同研究室は、おもちゃなどに使われるABS樹脂を、麻酔ガスに利用される亜酸化窒素で燃焼させる方式を考案した。
 ロケットは全長約4メートル、直径約15センチで重量約32キロの小型。
14年に開発を始め、発射実験は新型コロナウイルス禍などで3年ぶり。
高度6.2キロだった前回から、全長を1メートル伸ばすなど改良した。

防衛大と五輪ボブスレーチームにソリを提供してきた、東京の町工場でつくる「下町ボブスレープロジェクト」が技術協力している。

 ハイブリッド式は、資金力がなくても製作可能な超小型衛星などと相性が良い。
半面、燃焼効率が悪く推力が低いのが弱点だ。
実用化に向け国内外で研究が進んでいる。
 超小型衛星は近年、一般企業や大学も参入しているが、大型衛星を積むロケットの相乗りになることが多く、投入軌道や発射時期に制約があった。
希望に応じた発射が可能になれば、宇宙利用拡大が期待できる。

 同研究室は来年に高度30キロ、24年には宇宙空間の下限到達を目指している
開発を主導する高野敦教授は「信号が途絶した原因を究明し、大型化や飛行制御開発に取り組みたい」と話した。 
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2021年09月20日

去る菅首相がやった仕事「勝手ランキング10選」

去る菅首相がやった仕事「勝手ランキング10選」
コミュニケーション最悪でも「実績」はあげた?
2021/09/19 東洋経済オンライン
かんべえ(吉崎 達彦)チーフエコノミスト : 双日総合研究所

株価が好調だ。
日経平均株価は再び3万円台に乗せて、さらに9月14日には31年ぶりの高値をつけた。
それもこれも政局の転換に期待してのことである。
上昇のピッチを加速させたのは、9月3日に菅義偉首相が自民党総裁選への不出馬を宣言したことがきっかけだ。
それが相場活況の原因と考えれば、ご当人の心境はいささか複雑なものがあるかもしれない。

現職不出馬時の自民総裁選は「必ず盛り上がる」 とはいえ、それ以前の市場の読み筋は、「自民党総裁選挙は不人気な菅さんが楽勝するけれども、その後の総選挙では自民党が大敗し、議席数を大幅に減らす」というものであった。
この場合、菅内閣は日本維新の会など野党に協力を求めつつ、低姿勢の政策運営が続くことが予想された。
大胆な新型コロナウイルス対策や、思い切った経済政策が打てるとは思えないので、相場もさえない展開が続くとみるのが自然であった。
ところが、菅さんは総裁選への不出馬を表明してくれた。
しかもその直前に、これまた不人気な二階俊博幹事長を「道連れ」にしてくれた。
これで一気に情勢が変わった。

9月29日に行われる自民党総裁選で誰が勝つにせよ、新総裁はたぶん菅さんよりは人気が出るだろう。
実際に、ここ2週間のマスメディアは完全に「総裁選モード」であり、野党の存在感が一気に霞んでしまった。
これなら続く総選挙でも、自民党はさほど負けないだろう。
さらに言えば「現職が引いた後の自民党総裁選は盛り上がる」という経験則がある。
@ 1998年には橋本龍太郎首相が辞任し、世に言う「凡人・軍人・変人」の三つ巴決戦となった。この戦いを制した小渕恵三氏は、尻上がりに支持率が上昇した。
小渕首相は惜しくも脳梗塞に倒れるが、それがなければ長期安定政権になっていたかもしれない。
A 森喜朗首相の辞任を受けた2001年の総裁選では4人が立候補した。橋本龍太郎氏優位との事前の観測をひっくり返し、党員票で圧倒的な支持を得た小泉純一郎氏が勝利した。
小泉首相は「聖域なき構造改革」を旗印に、長期政権への道を切り開いた。
B 自民党が野党として迎えた2012年の総裁選では、現職の谷垣禎一氏が再選を目指さなかった。
このときは5人が出馬し、最初の投票で石破茂氏が1位になったものの、決選投票で安倍晋三氏が逆転勝利した。
その3カ月後には衆議院が解散され、年末には第2次安倍内閣が発足する。
そして株式市場は「アベノミクス相場」に沸いたのであった。

ここから連想してみると、2021年総裁選も重要な政策転換の場となり、強力政権の出発点となるのではないかと思えてくる。
株式市場が好感するのも無理がないのである。
いかなる偶然か、このタイミングで新規感染者数も減り始めた。
8月末までのイヤ〜な雰囲気は一気に消え去った。
自民党としても株式市場としても、「ありがとう!菅さん!」と言いたいところだが、あらためてこの1年、菅内閣はどんな仕事を果たしてきたのか。

数え上げてみると、ビックリするほど多いのである。
菅政権の評価はどう行えばよい? 以下は筆者が勝手に10項目を選び出し、ランキングをつけてみたものだ。
1内閣が1年間で成し遂げた仕事とは考えられないほどの量である。
@ ワクチン接種体制の構築
当初、「1日100万回体制」はとても無理ではないかと思われたが、わが国におけるワクチンを2回接種した比率は9月12日時点で全人口の5割を超えた。
アメリカを抜くのはもう時間の問題だ。
A 東京五輪の開催。
いろいろ議論はあったにせよ、また無観客だったにせよ、とにかく大きな事故もなくイベントを終了させた。
「オリパラ」に参加したアスリートたちも、「ありがとう、菅さん」だろう。
B 「2050年カーボンニュートラル」の宣言。
かなり困難な目標となるが、大方針を決したことは歴史に残る仕事。
次期首相はこれを引き継いで、いきなり10月の「G20ローマ会合」や11月の「COP26」グラスゴー会合に出席しなければならない。
C デジタル庁の創設。
甘利明・自民党税制調査会長の言葉を借りれば、わずか1年でスタートにこぎつけたことは「日本新記録」の速さ。
約600人の小さな組織だが、「デジタル敗戦」と言われた過去を否定できるか、これからが勝負。
D 日米豪印による初のクワッド首脳(オンライン)会合、ジョー・バイデン大統領との日米首脳会談、コーンウォールG7会合出席など一連の外交成果。
外交文書に「台湾」という文言を入れることはG7のコミュニケにも踏襲されたが、もとはと言えば日米間で決めたこと。
これで長年の国際政治上のタブーを破った。
E 福島第一原子力発電所から出るトリチウム水の処分方法の決定。
安倍晋三内閣が先送りしてきた課題にメドをつけた。
F 携帯料金の値下げ。
結果的に約4300億円分の負担軽減となり、家計の可処分所得がそれだけ増えたことになる。   
G 最低賃金の引き上げ。
「最低時給1000円」を目指し、2021年は全国平均で28円と過去最高の上げ幅になった。
H 不妊治療への保険適用。
来年4月からスタートの予定だが、さかのぼって今年1月から助成を拡充。
年収730万円未満という所得制限も撤廃へ。
I 過去の積み残し法案の処理。
国民投票法案、種苗法、重要土地取引規制法など。
総じて安倍内閣8年間のやり残しを一掃した1年であった。

変な話、昨年秋にまだ人気が高かった菅内閣が解散に打って出ていれば、こんな形で退陣することはなかっただろう。
しかし菅さんはワーカホリック(いわゆる仕事中毒)首相であった。
仕事がしたくて仕方がなかった。
これらが結果として、上記ランキングにつながったのだと思う。

菅内閣が残した遺産とは?
とはいえ、菅首相はわずか1年で退陣に追い込まれた。
もちろん支持率低下のせいだが、その原因をひとことで言ってしまえば、コロナ対策への国民の不信感であり、この問題をめぐるリスクコミュニケーションの失敗であったように思える。
現在発売中の月刊誌『文芸春秋』10月号に、菅さんのインタビュー記事が掲載されている(菅義偉首相「正面からお答えします」)。
察するに8月下旬くらいに収録されたものとみえて、この記事の中の菅さんはまだまだ意気軒高、みずからの手による解散にも意欲を見せている。
聞き手の船橋洋一氏(アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長)は、インタビューの冒頭、いきなり言いにくいことを尋ねている。
「総理の記者会見については、『言葉が響かない』『聞かれたことに答えていない』などの声も聞かれ、評判は必ずしも芳しいものではありませんが、どのように受け止めていますか」
それに対する菅さんの答えは、「ああ、やっぱり」と感じさせるものであった。
「私自身、もともと能弁ではないし、そもそも政治家は『弁舌よりも結果だ』と。結果を残せばわかってもらえるという政治姿勢で今までずっと来たので、そういう考えが会見の姿勢に出てしまっているのかもしれません」
「どうしたら国民の言葉が届くのか、もう一度一からやり直さないといけないと感じています」

「一からやり直し」という総理発言に対し、船橋氏もかなり面食らった様子であったが、政治家が国民とのコミュニケーションに失敗してしまうと、いくら結果を出しても評価されなくなる、という典型例であろう。
そして菅さんは、(おそらく)このインタビューの数日後に事実上の退陣表明に至るのである。
新型コロナはやはり難物なのだ。
人々は見えない脅威に怯えていて、自分たちの思いが政府に届いているかどうか不安に感じている。
だからこそ政治家の発する言葉は重要になる。

紋切り型の対応や、「棒読み」スタイルではやはりマズいのだ。
ちなみに菅さんはこの後、国連総会のために訪米する。
9月24日には、日米豪印によるクワッド首脳会議に出席するとのこと。
3月に行われたオンラインのクワッド首脳会議に続く、初のリアル会合となる。
任期の最後まで「仕事中毒」を貫かれる覚悟のようで、これはこれでアッパレという気がする。

さて、自民党総裁選挙が始まった。
ここで選ばれた新総裁は、来月早々に召集される臨時国会において首班指名選挙を受け、わが国における第100代内閣総理大臣に就任することになる。
ワクチン接種体制やデジタル庁など、菅内閣が残した遺産を継承しつつ、内外の難題に立ち向かうことになる。
ただし、「コミュニケーションスタイル」という菅さんの負の遺産には、くれぐれもご注意願いたい(本編はここで終了です。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする