2017年01月21日

現役医師が実践する風邪予防法、手を洗うまで顔を触らない

現役医師が実践する風邪予防法、
手を洗うまで顔を触らない
2017年01月21日 07時00分 NEWSポストセブン

 風邪大流行の季節だが、皆さんはどのような風邪予防策を講じているだろうか。
病気のプロ、現役医師はどんな予防法を行っているか聞いてみた。
今回話を聞いたすべての医師が、うがい・手洗いをしっかり実行。
これは基本中の基本だ。

 池袋大谷クリニック院長の大谷義夫さんは1日数回、コップ2杯の水で5、6回に分けてうがいをする。
「風邪の予防は水、風邪を引いたらヨードうがい液が有効です」

 秋津医院院長の秋津壽男さんは、ひとつまみの塩を入れたお茶を利用する。
「お茶は必ず1度沸騰させているので殺菌されているし、そこに塩が加わると、のどへの刺激が少なくなります。お茶は出がらしで充分です」

 手洗いも徹底。

おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎さんは、診察後には必ずアルコール消毒液で手を洗っている。
「ウイルスのついた手で顔を触ると感染の可能性があるので、手を洗うまでは顔を触りません」  

池谷医院院長の池谷敏郎さんは「電車のつり革を握ったら、その手では絶対に顔を触らないようにします」と言う徹底ぶり。
顔に触れる前には必ず手洗い、を習慣化しよう。

 服でも体を温めることができる。
秋津さんは「3つの首を温めることが重要」と言う。
3つの首とは、首、手首、足首。皮膚表面に近いところに動脈があるので、ここを冷やすと体力を落としやすいのです。
ですから、寒いときにはレッグウオーマーとマフラーが欠かせません」

 芝大門いまづクリニック院長の今津嘉宏さんは首を温めるためにできるだけハイネックの服を選択。
シャツの時にはネクタイで二重にガードする。
女性ならストール使いのおしゃれを定番化したいところだ。
 ただ、ここまで紹介したのはすべて予防の話。

風邪を引いてしまったら別の対策が必要となる。
過度な厚着はNGだ。
「風邪を引いたら汗をかくことで、体温が下がります。
ところが、厚着をして布団にくるまって寝ると汗が蒸発しにくくなり、熱がこもって寝苦しさの原因となったり、脱水症状を起こすこともありますからご用心ください。
スポーツウエアなど速乾性の衣類を身につけ、こまめに着替えるようにしましょう」(池谷さん)

 引く前はがっちり、引いてしまったらちょいユルと覚えておこう。
            ※女性セブン2017年2月2日号
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「教育困難校」妊娠事件に凝縮された日本の闇

「教育困難校」
妊娠事件に凝縮された日本の闇
東洋経済オンライン 1/20(金) 15:00配信

朝比奈なを

「教育困難校」という言葉をご存じだろうか。
さまざまな背景や問題を抱えた子どもが集まり、教育活動が成立しない高校のことだ。
大学受験は社会の関心を集めるものの、高校受験は、人生にとっての意味の大きさに反して、あまり注目されていない。
しかし、この高校受験こそ、実は人生前半の最大の分岐点という意味を持つものである。
高校という学校段階は、子どもの学力や、家庭環境などの「格差」が改善される場ではなく、加速される場になってしまっているというのが現実だ。
本連載では、「教育困難校」の実態について、現場での経験を踏まえ、お伝えしていく。

■受験校との決定的な意識の違い
 自分の将来を考えずに、今つかんでいる「恋愛」を信じ込み、妊娠→高校中退→結婚・出産と足早に進む高校生は、「教育困難校」では決して少なくない。
一方で、いわゆる「進学校」や「中堅校」ではこのような生徒はほとんど見られない。
これらの高校に通う生徒たちには、恋愛状態になっても、そこで起こす行動と結果が自分の将来にとって損か得かを考える知恵があるのだ。
受験校出身の読者の中には、気になる異性がいても、「お互いの受験が終わるまでは何もしない」と行動を自制していたことを、ほろ苦く思い出す人もいるだろう。

 もちろん、日本では小学校高学年以来、中学、高校と性教育の授業が行われ、その中では妊娠のメカニズムや予防法だけでなく、相手を尊重する人権教育や、キャリア教育の観点も含まれている。
しかし、熱い感情の前では、授業で得た知識は吹き飛んでしまうようだ。
高校生の恋愛では、妊娠する可能性のある女子高生のほうが、当然リスクは大きい。
 また、女子高生という立場をもてはやす現在の風潮と、それに便乗して次々と生み出されるJKビジネスなどを通して、異性と接する機会が多いのも女子のほうだ。
だが、恋愛から高校中退までの行動を起こさせる相手は、同じ高校の先輩や同級生、友達の友達、バイト先や遊びに行った先で知り合った若者など、同年齢か数歳年上の若者がほとんどである。

筆者が忘れられない女子生徒
 筆者には忘れられない女子高生がいる。
彼女はその「教育困難校」では抜群に能力が高かった。
父子家庭に育ち、小学生の頃から弟・妹の面倒を見ていた。
家では落ち着いて勉強ができず、学習塾にも通えなかったので、だんだん成績が悪くなり「教育困難校」に入学したのである。

小柄で眼鏡をかけ、ややふっくらした体形。
化粧っ気はまったくなく、アニメが好きで、お気に入りの作品の主人公をまねて自身を「僕」と称し、クラスの男子生徒とも気取らずに話し友達になれる、およそ「女子力」の低そうな生徒だった。
 事件は2年の2学期に起こった。
彼女は1年生から生徒会役員を務めていたが、1つ上の先輩と恋愛関係になり、妊娠が発覚したのである。
ほかの役員生徒が文化祭準備にほとんど協力せず、責任感のある2人が共同作業をするうちに恋愛に発展したのだ。
相手の生徒も、おとなしい性格の優等生で、男女ともにそのような事件の当事者になるとは教員はまったく予想していなかった。
妊娠が発覚したときはすでに中絶できる時期ではなく、学校を休んで産むことになった。
女子生徒は相手との結婚を望んだが、男子生徒の母親が猛烈に反対し、結局、生まれた子どもは児童養護施設に預けられ、2人の仲も引き裂かれた。

■強烈な愛情渇望症を抱えていた女子生徒
 不適切な男女交際を行ったということで男女別々に生徒指導の対象となり、彼女の指導の際には筆者も同席した。
生徒指導担当教員の話をうつむいて聞いていた彼女だが、「今後、高校生のうちは2度とこのような付き合いはしないように、いいね?」と言われたとき、一瞬顔を上げ、鋭い目つきで何か言いたそうになった。
しかし、次の瞬間、またうつむき、小声で「はい」と答えた。
 日頃見せている明るい表情の裏に、彼女は強烈な愛情渇望症を抱えていたのだろう。
彼女はこの「恋愛」で物心ついてから初めて自分に向けられる愛情を感じ、自分が大切な存在と信じることができ、この「恋愛」を貫く気持ちでいたに違いない。
筆者にはあの一瞬の鋭い視線は、彼女の幸福を壊した周囲の大人を憎む、彼女の気持ちの発露だと思えた。
そして、筆者自身が、まるで「教育困難校」版「ロミオとジュリエット」の悪役の1人のようにも感じた。
相手の男子生徒が卒業した後、彼女は学校に復帰したが、それからの1年は、誰ともほとんど話さず、教員とは目を合わせようとすらしない、寡黙な生徒に変わってしまった。

 子どもの頃に親からの愛を十分に受けられず、その後の人生で人間関係が苦手になることを、心理学では「愛着障害」と呼ぶ。
親の愛情を信じられず愛情渇望状態にあり、それを埋めたいがために恋愛至上主義者となった「教育困難校」の生徒たちは、まさに「愛着障害」の実例と言える。

早い時期に「家庭」を作ろうとするのも「愛着障害」のなせる業なのだろう。
こうして結ばれた若い夫婦は、子どもの数が愛情のバロメーターであるかのように、経済力を顧みず次々と子どもを作る。

「愛着障害」という問題  
「愛着障害」のある彼らは、心の底からわが子を愛したい、伴侶を愛したいと強く思っている。しかしながら、愛されたことのない者には愛し方がわからない。
大人、子どもを問わず、人と人が一緒に生活していくうちには、思いがけない感情の行き違いやトラブルが起こるものだ。
そのような際に、たとえ相互に一時的な感情の爆発が起こっても、相手との人間関係の基盤として愛情と信頼を持ち続けることができれば問題は解決できるが、そうしたことは特に苦手のようである。

 男女ともに若いうちに結婚すれば、経済基盤が弱い中での新生活のスタートとなる。
そして、今の日本社会では子育てに多額のおカネがかかるため、子どもが増えると家計は一気に厳しくなる。
懸命に働き、加えて児童手当や子育て支援を受けても生活は苦しくなる一方で、あまりの忙しさに精神的余裕を失う。

十分な愛情はあっても、子どもにそれを形で示すことが難しくなっていく。
極端な場合には、子どもへの虐待やネグレクトを起こしてしまう。
その結果、再び、子どもの頃の自分同様に、親の愛情を知らない愛情渇望症の子どもを作り出していくことになってしまうのだ。

■信頼関係の構築を体得していない
 また、思うようにならない家庭生活は、夫婦の人間関係にも亀裂を生む。
先述したように、相手に対して愛情と信頼を持ち続けることが苦手な「愛着障害」を持つ2人であれば、ほとんどの場合、離婚に至るだろう。
離婚した夫婦に対して「最近の人は我慢が足りない」と訳知り顔に言う年配者がいるが、我慢ではなく、夫婦とも愛情や信頼関係の構築を体得していないから、離婚するのではないだろうか。  

温かい「家庭」に強くあこがれながら、自身の作った「家庭」を短期間で失い、愛情の渇望感を埋めるために、また次の「家庭」を築こうとする。
このようにして、「家庭」を次々に変え、一生愛情を求めてさまよう人もいる。
いずれにせよ、1人親家庭になれば、相対的貧困状態は一気に加速し、新たに社会保障の必要性がある人が出現することになる。

 晩婚化や労働環境の問題で少子化が改善されない日本社会にとって、若くして結婚し子どもを産む傾向にある「教育困難校」出身者たちはありがたい存在と思えるかもしれない。
しかし、そこで生まれた子どもたちが、親のような「愛着障害」を起こすことなく成長できるようにしなければ、その子にとっても日本社会にとっても将来は楽観視できなくなる。
だが、何の手も打たれないまま、「教育困難校」には恋愛至上主義となってしまった若者たちが、適切なアドバイスを受けることもなく、放置されてしまっているのが現実だ。
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2017年01月20日

生保行政に蔓延する違法行為 小田原の事件は氷山の一角に過ぎない

生保行政に蔓延する違法行為 
小田原の事件は氷山の一角に過ぎない
1/19(木) 15:48

今野晴貴  
| NPO法人POSSE代表。
雇用・労働政策研究者。

神奈川県小田原市の生活保護担当職員が、「保護なめんな」「不正受給はクズだ」などの文言が入ったジャンパーを勤務中に着用し、着用したまま受給者宅を訪問するケースもあったということが、17日、市の発表で明らかになった。
今回、市はジャンパーの使用を禁止し、担当部長ら7人を厳重注意処分としたようだが、ジャンパーは2007年以降使用されており、10年間にわたって問題は放置されていたということだ。
実は、これまでも生活保護行政による違法行為・人権侵害はずっと繰り返されてきた。

私たちは生活困窮者からの生活相談活動に従事してきたが、その現場は凄惨なものだ。
とりわけ2012年に芸能人の母親の「不正受給」報道に端を発する「生活保護バッシング」以降は、厚生労働省や都道府県の指導も無視して「暴走」する自治体まで現れている。

問題がなかなか明るみにならないのは、違法行為・生活保護受給者は、被害を告発すれば保護を打ち切られるかもしれないという、圧倒的に弱い立場に置かれているために、何も言うことができないからだ。

行政の違法行為・人権侵害は、
(1)水際作戦、
(2)命を脅かすパワーハラスメント、
(3)貧困ビジネスとの連携、の三点に要約できる。
以下ではそれぞれの類型について、事例を交えて紹介したい。

(1)水際作戦
「水際作戦」とは、生活保護を申請しようとする生活困窮者を、行政が窓口で追い返すことである。
これは全国各地で日常的に行われている。
私が代表を務めるNPO法人POSSEに寄せられる相談の中でも、所持金が数百円、数十円しかない方、幼い子どもを抱えた女性や病気・障害で働けない方の被害は、命にも関わる深刻な問題である。
そのやり方は、「若いから働ける」「家族に養ってもらえ」「住所がないと受けられない」などの理由をつけて「申請書を渡さない」という方法が主流だが、「申請書を受け取らない」という、より悪質な手法もある。
例えば、私たちが対応した舞鶴市の事例では、子どもを3人抱えるシングルマザーの女性が生活保護を申請しようとしたところ、所持金が600円しかなかったにもかかわらず、窓口で追い返された。
本人が「申請をしたい」と何度訴えても申請書を渡さず、「帰ってください」「業務の邪魔になる」などと言って対応しなかった上、自作の申請書(※)を窓口に置いて帰ろうとした際には「忘れ物ですよ!」と言って突き返そうとしたのだ。
※生活保護制度では、所定の事項を記載すれば自作の申請書でも申請が認められる。
しかも、申請をしたからといって生活保護が必ず支給されるわけではない。
当然、申請後に行政から審査が行われ、必要だと認められた場合に限って支給が始まるのだ。

そもそも申請をさせないという行為は、生活状況の審査すらも拒否する行為である。
水際作戦が、不正受給とはまったく無関係の違法行為であり、決して正当化されないことは明らかだろう。

(2)命を脅かすパワーハラスメント
「命を脅かすパワーハラスメント」とは、生活保護受給者に対し、行政が「保護の打ち切り」をちらつかせて、時に死の恐怖を味わわせながら圧迫する行為である。
生活保護を受給した後の支援を行う職員であるケースワーカーは、受給者の生活に全面的に介入することになる。
自治体ごとに運営は異なっているが、受給者がただお金だけをもらっているというイメージは誤りで、細かい生活指導が行われているのだ。

問題は、生活保護受給者に対しては、通常は認められないような住民の生活に介入する権限が、行政側に与えられてしまっているということだ。
具体的には、保護受給者のプライバシーに侵入する権限をも持っている。
金銭の使用や生活実態などが細かに調査される。
被保護者の生活に行政が関与するのは当然のことであるとしても、その「やり方」を間違えば、ひどい精神的苦痛を与えることになることが容易に想像される。
そして、さらに恐ろしいのは、行政の指導に従わなかった場合に制裁として保護を打ち切られる可能性があるのだ。
このような、受給者とケースワーカーの絶対的に非対称な関係を背景に、受給後のパワーハラスメントが横行する。
例えば、異性との交際について執拗に調査し、交際禁止の指導をするといったことが行われる。京都府宇治市では、母子家庭の生活保護の申請者に対し、異性と生活することを禁じたり、妊娠出産した場合には生活保護打ち切りを強いる誓約書に署名させていたことが発覚している。
また、大阪市天王寺区では、心臓病で働けない受給者が居候先から引っ越しをする際に、法制度上認められた引っ越し費用を支給せず、転居できなかった。
それにもかかわらず、「転居する予定だったアパートに居住実態がない」ことを理由として保護が打ち切られた。
その際、ケースワーカーらは不正受給摘発チームを作り、受給者を尾行したり、アパートの電気やガスのメーターや、郵便ポストの中身までチェックしていたのである。

(3)貧困ビジネスとの連携
貧困ビジネスとの連携とは、行政がヤクザ的な企業・法人や、生活保護受給者をビジネスの対象とする企業・法人(「貧困ビジネス」)の運営する施設に、受給者を半強制的に入所させることだ。
住居を失った生活困窮者が窓口を訪れると、必ずと言ってよいほど「施設に入らなければ申請させない」と言われる。
そして、実際に入所するとその居住環境は劣悪であることが少なくない。
6畳間に4〜5人が詰め込まれたり、個室があったとしても6畳1間をベニヤ板で二つに仕切っているだけである場合が多い。
風呂は週に3回、食事も1日2回、布団や畳に虫が湧いていることもある。
このような居住環境でも、保護費のほとんどを施設側に徴収され、手元にはごくわずかしか残らない。
貧困ビジネスで印象的な事例は、病気を患っている患者と同居している入所者からの相談だ。
彼は、公衆電話から連絡してきた。
同室の老人が、「重い病気なのに病院に行かせてもらえない」。
24時間監視され、自分自身も外出が難しい。
就職活動をすることも許されないという。


こうした行政とヤクザ的ともいえる貧困ビジネスとの連携は、双方の利害が一致した結果、推進されてきた。
行政にとっては、住居喪失者向けの公的宿泊施設を用意するコストを削減できる。
また、貧困ビジネスが受給者を1ヶ所に集めて管理をしてくれれば、人手不足に悩む福祉事務所の管理コストも減らすことができる。
他方、貧困ビジネスにとっては、公的なお金を安定的に吸い上げることができるわけだ。
恐ろしいことは、貧困ビジネスは被保護者の福祉や社会復帰にまったく興味を持っていない場合も珍しくはないということだ。

先ほどの事例のように、あえて病院を受診させない行為(病気が発覚すれば入院することになり、保護費を搾取できなくなる)や、就職活動すら妨害する行為がその典型である。

おわりに
今回の小田原市の事件は、金額ベースで約0.4パーセントしかない生活保護の「不正受給」をフレームアップし、生活保護受給者の全体を「犯罪者予備軍」であるかのように扱い、彼らを威圧している点で、看過できない深刻な人権侵害である。

だがすでに見てきたように、小田原市に限らず、全国の生活保護行政が多かれ少なかれ問題を抱えている。
この事件の真相究明を機に、職員に対する教育など、再発防止に向けた実効性のある措置が広まることを期待したい。
尚、ここで挙げた事例は拙著『生活保護 知られざる恐怖の現場』(ちくま新書)で詳しく紹介している。

生活困窮に関する無料相談窓口 NPO法人POSSE
03−6693−6313
*社会福祉士ら専門家によって、全国からの相談を受け付けています。
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2017年01月19日

マイナンバー運用/なし崩し拡大はあまりに危険

マイナンバー運用
なし崩し拡大はあまりに危険
2017年1月18日(水)しんぶん赤旗「主張」

 日本に住民票を持つ全員に12桁の番号を割り振り、国が税や社会保障の情報を管理するマイナンバー制度で、住民にたいするマイナンバー(個人番号)カードの交付が始まってから今月で1年になります。
安倍晋三政権はカードの“利便性”の宣伝に力を入れ普及を促しますが、希望者数はほとんど頭打ちです。
この仕組みが、住民にとって不必要で、不安が強いものであることを浮き彫りにしています。
それなのに、政府はマイナンバーを使える対象を広げることばかりに熱を上げています。
国民を置き去りにした前のめり姿勢は、きわめて問題です。

普及促進へ税金を次々と
 マイナンバー制度は2015年10月に施行され、住民に番号を通知する紙製のカードが約5900万世帯に向けて発送されました。

16年1月から本格運用が始まり、税の手続きの際などに使えるようにしたほか、取得を希望する人には個人番号、顔写真、氏名、住所、生年月日などが記載されたプラスチック製のマイナンバーカードが発行されるようになりました。
 しかし、さまざまな事情で住民登録した住所に不在だったなどの理由で、番号が通知されていない世帯が100万件以上残されたままです。

マイナンバーの発行業務でも全国的に管理・運営するシステムのトラブルがたびたび発生し、実務を担う地方自治体の窓口では混乱したところも少なくありません。
多額の税金を投じたシステムが動きだした途端、不調に陥ったこと自体、マイナンバーの仕組みへの疑念を深めるものです。
 カードの希望者も政府の思惑通りに広がりません。
16年度末までに3000万枚の発行を見込みましたが、カードを取得した人は3分の1にも届かず、国内人口の8%程度と低迷しています。
マイナンバーカードは身分証明の他にほとんど使い道はありません。
それどころか、他人に見せてはならない個人番号と顔写真などが一つになったカードを持ち歩くことの方が、個人情報を保護する点からすれば、かえって危険です。
カード申請が頭打ちなのは、国民が制度の利便性を感じず、むしろ不安が大きいことの反映といえます。

 しかし、安倍政権は推進へテコ入ればかりに熱心です。
17年度予算案では、総務省がカード500万枚の追加発行など「利活用推進」へ約230億円も計上しました。
厚生労働省も、マイナンバーを医療分野で利用することをにらんだシステム構築などで240億円余を盛り込みました。
不安にこたえずに、理解や納得もないまま、次々と税金をつぎ込み、なし崩し的にカードの利用分野を広げることは、国民の願いに逆らうものです。

国民への押し付けやめよ
 一昨年125万件の個人情報が漏れて大問題になった日本年金機構でも、1月からマイナンバーが使われるようになったことに国民は危惧を抱いています。
住民税の徴収事務をめぐり地方自治体が事業所に従業員のマイナンバーを知らせるやり方にも自治体・住民の双方から情報漏えいのリスクを指摘する声が上がっています。

 マイナンバーは、徴税強化と社会保障費抑制の手段にしたい国・財界の都合で導入されたものです。
国民に弊害ばかりもたらすマイナンバーは中止し、廃止へ向け見直すことが必要です。
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2017年01月18日

まるで戦時体制 自民が提出「家庭教育支援法」本当の狙い

まるで戦時体制
自民が提出
「家庭教育支援法」本当の狙い
2017年1月18日 日刊ゲンダイ

 戦争準備は共謀罪だけじゃない――。
今月20日に召集される通常国会で、自民党が議員立法で提出する予定の「家庭教育支援法案」。
核家族化など家族をめぐる環境変化での公的支援のためというが、とんでもない。
狙いは国民を“イエスマン”に仕立て上げ、戦争でも何でもできるような体制づくりだ。

安倍政権は天皇退位や共謀罪を尻目にコッソリ通そうとしている。
〈保護者が子に社会との関わりを自覚させ、人格形成の基礎を培い、国家と社会の形成者として必要な資質を備えさせる環境を整備する〉

 自民党の支援法案が描く社会は戦時体制そのものだ。
戦時中の1942年、国民を戦争に総動員するため、「戦時家庭教育指導要綱」が発令された。「家生活は常に国家活動の源泉」として、子どもの“健全育成”を親に要求。
“相互扶助”という名目で「隣組制度」がつくられ、地域住民は各家庭で国家が求める“教育”が徹底されているかを見張り合ったのだ。

■国家に従順な子を育てよ
 今回提出される法案も当時とソックリ。
地域住民について、〈国と地方公共団体が実施する家庭教育支援に関する施策に協力するよう努める〉とあり、さらにそれは「責務」というのだ。

政治評論家の山口朝雄氏が言う。
家庭教育支援というなら、奨学金や育児のインフラ整備など教育しやすい環境を整えるのが政府の仕事です。
そういう必要な支援はせず、親に委ねられるべき教育の中身に政府が介入し、国家にとって都合の良い人材育成を親に押し付けている。
つまり、支援法は国家が家庭内教育をコントロールして、国家に都合が悪い人材をできるだけつくり出さないためのものなのです。
家庭教育支援法案と共謀罪は従順な国民づくりのための両輪といえるでしょう。

仮に両法案が成立すれば、戦時体制で政府が持っていた治安維持のための法的ツールをすべて安倍政権に与えてしまうことになります」

 これが安倍政権が考える「1億総活躍社会」の正体だ。
何としても阻止する必要がある。
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