2019年06月16日

"老後2000万円"で解る安倍政権の不誠実

"老後2000万円"で解る安倍政権の不誠実
2019年06月15日 PRESIDENT Online
ジャーナリスト鴎 一歩

■「年金だけでは不十分」は世間の常識だ
老後の資産形成について「2000万円必要になる」とまとめた金融庁の報告書をめぐって与野党の攻防が続いている。
沙鴎一歩はこの報告書は、金融庁の本心から出た内容だと考えている。
つまり老後に豊かな生活を送るためには、年金だけでは不十分だということだ。

しかしそんなことは金融庁に言われるまでもなく、これまで散々指摘されてきたことだ。
なぜ安倍政権はこの報告書について「受け取らない」などといっているのか。
報告書は「高齢社会における資産形成・管理」と題し、首相の諮問機関の金融審議会の作業部会が6月3日に公表した。

金融庁が金融審議会の事務局を務める。
金融庁審議会のもとに設けられた有識者会議のひとつである、
市場ワーキング・グループ(大学教授や金融機関の代表者ら21人の委員で構成)が昨年9月から12回、議論を重ねた後、金融庁内部の了承を得てまとめ上げた。
高齢化が進むなか、個人が備えるべき資産や必要な金融サービスについて安定的に資産を築けるようにすることが審議会の狙いだった。

与野党が問題にしているのは、報告書が「収入が年金中心の高齢夫婦の世帯は、収入よりも支出が上回るため、平均で毎月5万円の赤字になる。
老後30年間これが続くと、2000万円が必要になる」と試算し、「赤字分は貯蓄などの金融資産から取り崩す必要がある。
現役世代から長期の投資を行い、資産形成を進めるべきだ」と指摘している部分である。

■「年金こそが老後の生活設計の柱だと思っている」
この部分に対し、野党から「国民の不安をあおっている。
年金の『100年安心』はうそだったのか」と反発の声が上がった。
諮問して報告書を求めた麻生太郎・副総理兼金融担当相は公表直後の4日の記者会見では「100歳まで生きる前提で自分なりにいろんなことを考えていかないと駄目だ」と話して報告書の中身を肯定していた。

しかし、参院選の争点にする野党の動きが出てくると、麻生氏は7日の記者会見で「貯蓄や退職金を活用していることを、あたかも赤字ではないかと表現したのは不適切だった。
一定の前提で割り振った単純な試算だった」と修正した。

菅義偉官房長官も7日午後の記者会見で「家計調査の平均値に基づいて単純計算したものとはいえ、誤解や不安を招く表現であり、不適切だった。
政府としては将来にわたり持続可能な公的年金の制度を構築しているので、年金こそが老後の生活設計の柱だと思っている」と話し、「100年安心の年金」を強調した。

■100年安心は「年金額が変わらない」という意味ではない
麻生氏も菅氏もよくそこまでうそが言えると、沙鴎一歩は感心する。
支える現役世代が減り、支えられる引退組がますます増える少子高齢化現象が原因でこの先、年金財政が苦しくなることは目に見えている。
それを少しでも食い止めようと、安倍政権は年金支給の繰り下げを国民に呼びかけ、70歳支給という繰り下げの選択肢が出てきたのである。
小泉政権下の15年前の2004年、「安心プラン」と銘打った年金改革によって、厚生労働省は現役世代の所得に対する年金支給額の比率を毎年、切り下げるシステムを作り上げ、それを着実に実行している。

年金が「100年安心の年金」というのも、年金の制度が長く続けられるという「安心」であって、もらえる年金額が変わらずに100年続くという「安心」ではない。
そう説明すればいいのに、なぜか「年金こそが老後の生活設計の柱」という言葉が出てきてしまう。
国民が年金をどう考えているかを、理解していない証拠だ。

■金融庁の報告書には「一部、目を通しただけ」
麻生氏は10日の参院決算委員会で立憲民主党の蓮舫参院幹事長に「報告書を読んだのか」と質問され、こんなすっとんきょうな答弁をしている。
「冒頭部分に一部、目を通しただけで、全体を読んでいるわけではない」
麻生氏はまるで庶民の気持ちを理解していない。

趣味で好きな漫画本を読む時間があるのになぜ、仕事上の重要な報告書に目を通す時間がないのか。
しかも報告書は自分が諮問したその答えのではないのか。

参院決算委員会終了後、蓮舫氏は記者団のインタビューに答えて「5分で読める報告書を読んでいなかったことに驚いた。
報告書のどこにも『豊かな生活の額だ』とは書いていない。
読んでいない人がめちゃくちゃなことを言っている。
生活が苦しく、非正規雇用で頑張っている人たちに『お金をためろ』と上から目線で言うことができるのか」と強く反発する映像がテレビのニュース番組で流れたが、まさに彼女の指摘の通りだ。

さらに驚いたことに、麻生氏は11日、記者会見で「正式な報告書としては受け取らない」と述べた。
審議会の報告書を担当の大臣が受け取らないというのは、聞いたことがない。
異例である。これはどういう意味なのか。

■「報告書がなくなったので、論点になりようがない」
麻生氏のこの発言を受け、自民党の森山裕国会対策委員長は11日の記者会見で、まず野党の求めている予算委員会の集中審議の開催について「報告書そのものがなくなった」として応じない考えを示した。
さらに森山氏は参議院選挙への影響について「正式な報告書として受け取らない決定をしており、論点になりようがない」と答えた。
与党自らが勝手に「受け取らない」とし、その結果「報告書がなくなった」とか「論点になりようがない」と言うのは、何ともとぼけた話である。
開いた口がふさがらない。

10日の参院決算委員会での安倍晋三首相の答弁も、年金の受給を受ける国民の目から見て納得のいかないものだった。

■年金問題は安倍政権にとって鬼門
野党が「『年金制度は100年安心だと言っていたのはうそだったのか』と国民は憤っている」と攻撃すると、安倍首相は「不正確であり、誤解を与える内容だった」と釈明し、こう答弁していた。
『年金100年安心がうそだった』という指摘には、『そうではない』と言っておきたい。
今年度の年金は0.1%の増額改定となり、現在の受給者、将来世代の双方にとってプラスとなるものだ。
公的年金の信頼性はより強固なものとなったと考えている」 わずかな増額改訂を示し、「先細りが確実だ」と懸念される今後の年金制度に対する具体的解決策は示そうとしない。

それでいて「公的年金の信頼は強固」と言うのだから、つじつまが合わない。
野党が怒るのも無理はない。
なぜ、安倍政権は年金制度の問題を追及されるのを嫌がるのか。

第1次安倍政権の2007年に年金の杜撰管理問題が発覚し、自民党はこの年の参院選で大敗し、この大敗が尾を引いて安倍政権は退陣に追い込まれた。
有権者の関心が高い、年金問題は安倍政権にとって鬼門なのである。
年金管理問題は深刻で、いまだに2000万件もの年金記録の持ち主が不明で、宙に浮いた状態が続いている。

■「不適切な表現だった」と問題をすり替えるのは間違っている
朝日新聞は6月11日付と13日付の2回、今回の年金報告書問題を社説に取り上げ、安倍政権を批判している。
11日付の見出しは「『年金』論戦 まずは政府が説明を」だ。
「安倍首相と全閣僚が出席する参院決算委員会がきのう開かれた」と書き出し、こう主張する。
「『年金は〈100年安心〉はうそだったのか』
『勤め上げて2千万円ないと生活が行き詰まる、そんな国なのか』。
野党の追及に、首相や麻生財務相は「誤解や不安を広げる不適切な表現だった』との釈明に終始したが、『表現』の問題にすり替えるのは間違っている」

「表現の問題へのすり替え」。
その通りである。
夏の参院選への影響を気にするあまり、お得意の答弁が出てしまったのだろう。
「制度の持続性の確保と十分な給付の保障という相反する二つのバランスをどうとるのか。
本来、その議論こそ与野党が深めるべきものだ」 どの指摘ももっともだ。

真に安心できる年金制度を構築するためには、経済が推移する節目節目で、「給付の保障」と「制度の維持」に対する柔軟な改革が求められる。
その改革を実行するのが政治家だ。

■政府の役割は、正確な情報を提示することだ
後半で朝日社説は書く。
「年金の給付水準の長期的な見通しを示す財政検証は、5年前の前回は6月初めに公表された。
野党は今回、政府が参院選後に先送りするのではないかと警戒し、早期に明らかにするよう求めたが、首相は『政治的に出す、出さないということではなく、厚労省でしっかり作業が進められている』と言質を与えなかった」

参院選に圧勝して憲法改正にこぎ着けるという安倍首相のもくろみが透けて見える答弁である。
その辺りを朝日社説も見破り、「年金の将来不安を放置したままでは、個人消費を抑え、経済の行方にも悪影響を及ぼしかねない。
財政検証を含め、年金をめぐる議論の土台となる正確な情報を提示するのは、まずは政府の役割である」と主張する。
正論である。

■議論を頼んでおきながら、風向きが悪くなると背を向ける
朝日社説の13日付の見出しも、麻生氏の報告書拒否表明を受け「議論避ける小心と傲慢」と手厳しい。
「報告書は、学者や金融業界関係者らが昨秋来12回の会合を重ねてまとめられた。
金融庁が事務局を務め、会合は公開、資料や議事録も公表されている。

そもそも麻生氏の諮問を受けて設けられた作業部会だ。
議論を頼んでおきながら、風向きが悪くなると背を向けるのでは、行政の責任者の資格はない

報告書は民間で活躍する有識者らが作り上げたものだ。
最初、金融庁も麻生氏も支持した。
それに突然「背を向ける」のはこれこそ、手のひらを返す以外の何ものでもない。

さらに朝日社説は主張する。
「麻生氏は『これまでの政府の政策スタンスとも異なっている』という。
異論があるなら、受け取ったうえで反論すればいい。
不正確なところがあるのなら、より正確なデータや解釈を示すべきだ」

正式な報告書として受け取らなければ、議論が始まらない。
報告書に問題があるのなら、受け取ってうえで指摘すればいい。
そうすれば突っ込んだ議論ができる。
深い議論は、年金制度を維持しながら受給者への的確な年金額を決めていくうえで欠かせない。

■国民は年金制度の厳しさから目を背けてはいない
朝日社説とは反対に安倍政権擁護に回るのが、産経新聞の12日付の社説(主張)である。
まず「老後『2千万円』 厳しい現実に目を背けるな」という見出しだ。
この社説を書いた論説委員は違和感がないのか。
厳しい現実が分かるから、国民は憤っているのである。
その現実を隠そうとした安倍政権に怒っているのだ。
有権者の怒りが参院選で爆発すると惨敗する。
そう自民党はこれまでの経験から判断し、報告書の存在をなきものにしようとした。

国民は年金制度の厳しさから目を背けようとはしてないからこそ、麻生氏らの答弁に怒りを感じたのである。
産経社説の見出しは上から目線で読者をこき下ろす。
産経ファンを欺く、悲しい主張である。
産経社説は序盤でこう書く。

■老後資金の全てを賄えないことは誰もが理解している
「だが野党は、ことさらに公的年金と豊かな老後を送るための余裕資金を混同させ、不安をあおってはいないか。
これが参院選を控えた戦術であるとすれば、あまりに不毛だ。
これでは少子高齢化が加速する中で、国民の利益につながる老後のあり方について、建設的な論議など望みようがない」

野党が参院選を乗り切るために有権者の不安をあおっている。
産経社説はそう言いたいのだろうが、報告書をまとめさせたにもかかわらず、それを受け取ることを拒否したことが今回の問題である。
最初に参院選への影響を気にしたのは与党自民党の方だ。
それを見て野党が攻撃材料に利用した。
野党であれば当然の行為だろう。
決して「不毛」には当たらない。

産経社説はこうも書く。 「野党は報告書について『〈100年安心〉は嘘だったのか』と揚げ足取りに終始している。
だが公的年金は元来、老後資金の全てを賄う設計とはなっていない。
この大原則は民主党政権時も同様で、知らないはずはない」
「老後に必要な資金額を紹介し、自助努力を促すことは本来、当然のことである」

老後資金の全てを賄えないことは誰もが理解している。
しかし「自助努力を促す」という書き方にはうなずけない。
今回の産経社説の書きぶりは、安倍政権の代弁者のようで情けない。
たとえ安倍政権であっても、「おかしい」と批判するのが、産経社説のいいところだった。
読者はそんな醍醐味を味わいたくて産経社説を読むのだ。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月15日

エアコンを買えない生活保護受給者の猛暑サバイバル、今年は大丈夫か

エアコンを買えない生活保護受給者の猛暑サバイバル、今年は大丈夫か
2019.6.14 ダイヤモンドonlin

みわよしこ:フリーランス・ライター

2018年6月に認められた 「保護費でエアコン」のその後
 生活保護で暮らす当事者たちと周辺の人々にとって、夏は文字通り「サバイバル」の季節だ。
酷暑の夏となった2018年7月には、札幌市で60代の女性が熱中症で死亡した。
女性の部屋には冷房装置があったものの、電気料金滞納により電力供給が停止されており、使用されていなかった。
その日、札幌市の最高気温は31度に達していた。

 2018年は酷暑の見通しがあったため、厚労省は6月27日、生活保護世帯に対し、保護費から冷房器具の設置を認める通知を発行していた。
この通知は、さまざまな意味で画期的であった。
 まず、暖房器具と冷房器具の併給が認められ、冷涼なはずの地域の酷暑・温暖なはずの地域の厳寒にも対応できるようになったこと。
また、対象は「熱中症予防が特に必要とされる者」となっているが、年齢や状態による区分はなく、福祉事務所の総合的な勘案と判断を求めていることだ。

 とはいえ対象となるのは、2018年4月1日以降に新たに生活保護で暮らし始めたり、生活保護のもとで転居したりするなど、「2018年度以降に、生活保護のもとで新生活を始めた」と考えられる世帯のみだ。

 エアコンの本体価格の上限は5万円となっている。
この価格で実際に購入できるエアコンと在庫を調べてみたところ、機種はおおむね2013年から2017年のモデルだった。
実際の使用に関して、大きな問題はないであろう。
 しかしながら、残っている商品が極めて少ない。
また、本体費用に加えて設置費用は別途認められるものの、電気料金は考慮されない。
エアコンがあっても使用できないのなら、熱中症で死亡した札幌市の女性と同じシチュエーションだ。

 2019年の夏、生活保護世帯とエアコンに関して「令和」効果の風は吹くだろうか。
対象者は誰なのか
昨夏の猛暑で「出遅れた」人はNG?

 最も気になるのは、昨年4月1日以降に生活保護のもとで新生活を始めたものの、昨年はエアコン設置費用の申請をしなかった場合の取り扱いだ。
昨年の夏は、酷暑のあまり気力も体力も失い、制度を知らせても「申請するために動くなんて無理」という当事者が数名いた。
 当該の厚労省通知には、「当該被保護世帯に属する被保護者に熱中症予防が特に必要とされる者がいる場合であって、それ以降、初めて到来する熱中症予防が必要となる時期を迎えるに当たり、最低生活に直接必要な冷房器具の持ち合わせがない場合」という記述がある。

「熱中症予防が特に必要とされる者」は別途、高齢者・障害者・傷病者・難病患者・子どもなどのように列挙されている。「健常者はどうでもいいのか」とツッコミたくはなるが、考え方は理解できる。

 では、「初めて到来する熱中症予防が必要となる時期」とは何なのか。
常識的に考えれば、「生活保護のもとで新生活を開始してから初めての夏」となり、2回目の夏は対象にならないことになるが、そのような解釈でいいのだろうか。

厚労省の社会・援護局保護課に、直接問い合わせて確認した。
 回答は、「生活保護のもとで新生活を開始してから初めての夏」であった。
たとえば、2018年4月に生活保護での新生活を関東で開始した場合、初めての夏が訪れる2018年7月には、いまだ貯蓄の余地がない。
そこで、家具什器費としてのエアコン購入費用が認められる。
この年の熱中症シーズンが終わるまでに申請しなかった場合、翌年夏には新生活開始から1年以上が経過しており、やりくりによる貯蓄の余地があるはずなので、この通知の対象とはならない。
 この場合には、社会福祉協議会(社協)から生活福祉資金の貸付によってエアコンを購入する方法が残されているとはいえ、返済は保護費からの「天引き」で行う原則なので、「健康で文化的な最低限度」が損なわれるという問題がある。
エアコンを稼働させるには、電気料金も必要になる。

 ともあれ現在、厚労省の画期的な通知が多数の人々を救う可能性は、あまり期待できない。
では、生活保護で暮らす人々を含め、これから今年の日本の夏を迎える人々は、熱中症をどの程度恐れればよいのだろうか。

今夏の暑さは「平年並み」 しかし安心はできない
 今年は5月に、夏の暑さの思いやられる高気温の日があった。
しかし気象庁によれば、2019年の夏の暑さは「平年並み」と予測されている。
 気象庁の予報で用いられる「平年並み」は、過去30年間の観測値から求められる。

気温の場合、低い方から高い方へと並べて3分の1ずつに分割し、真ん中の3分の1に当たる場合に「気温は平年並み」となる。
 気象庁が今年5月24日に発表した「向こう3ヵ月の天候の見通し」によれば、6月から8月の平均気温は、沖縄・奄美で「平年並みか高い」、その他全国では「ほぼ平年並み」となっている。
もともと夏の厳しい沖縄・奄美での気温の「高い」見込みは、心配になる。

「ほぼ平年並み」の他地域も、安心するわけには行かない。
「ほぼ平年並み」は、あくまで「平均」気温の話だからだ。
現在、8月の東京の平年気温は、最高31度・最低24度となっている。
8月に最高気温が38度の日と最低気温が17度の日が1日ずつある場合、他の日が「平年並み」ならば、8月の「平均」気温は変わらない。

「6月と8月は気温が若干低めだったけれど、7月は酷暑」というパターンの場合も、3ヵ月の「平均」気温は「平年並み」になり得る。

 気候は、世界中で不安定になっている。
平均がどうあれ、何が起こるかを正確に予測することは難しい。
ひと夏にたった1日だけ、人間の生存を脅かす酷暑の日があれば、体力の乏しい人々は簡単に生命を奪われたり、健康に深いダメージを受けたりする。
救急車出動1回と入院1週間の費用は、少なくともエアコン数台分に達するはずだ。

私には、「エアコンと電気代で医療費を節約したほうが、厚労省にとって、さらに財務省にとって“トク”なのでは?」と思えてならない。

 エアコンの有無が生存に関わるのは、誰に対しても同じことだ。
昨年夏の酷暑を受けて、東京都荒川区と福島県相馬市は独自に、低所得世帯を対象としたエアコン設置助成を行った。
このような制度は、全国で恒久的に実施されてほしいところだ。

日本全国では、すでにエアコンの設置率は90%を超えている。
残る10%未満の世帯が対象なのだから、巨額の予算が必要になるわけではない。
 とはいえ、住宅は基本的に「国交省マター」だ。
生活保護の「住」の相当部分が「厚労省マター」となっている背景には多様な歴史的経緯があるのだが、人間の生存に適さない居住環境に対しては、エアコンや断熱性能を含めて国交省が「テコ入れ」するのが本来の姿であろう。
そうなるまでは、生活保護とその延長線上にある「厚労省マター」としての充実を期待するしかない。

ケースワーカーの 「知らないふり」は許されるのか
 生活保護とエアコンに関して、2018年6月に厚労省が発した通知は画期的だった。
しかし対象は、当初から「2018年4月1日以降に生活保護のもとで新生活を開始した世帯」に限定されていた。
それだけではなく、「ケースワーカーによるエアコン設置の妨害か」と勘ぐりたくなる事例もあった。

 その2018年、通知について知った当事者が勇気をふるって福祉事務所に申し出たところ、ケースワーカーの返事は「そんな制度はない」という一言だったという。
その後、厚労省は周知を図ったが、「エアコンが必要な事情の説明をさせない」という形で実質的に申請を拒まれたという事例もあった。
 2018年の夏がそのまま過ぎてしまうと、生活保護費でエアコンを設置する道は絶たれることになる。
社協の貸付の利用や個人のやりくりは、いつでも誰でも可能とは限らない。

残る“便法”は、多大なリスクを伴う「いったん生活保護を脱却して、再度申請する」といった方法か、実行が事実上不可能であることも多い「転居する」といった方法だ。

 生活保護世帯の大人たちは、高齢者や障害者や傷病者であったりする。
そこに学齢期の子どもがいて暮らしと育ちと学びに配慮する必要があるのなら、さらに選択肢は少なくなる。
 いずれにしても、住まいの中で熱中症に倒れたり寒さに凍えたりする場面は、誰に対してもあってはならないはずだ。
生活保護世帯にだけ、特別な配慮が必要というわけではない。

生活保護を象徴として、人間として当然の「誰もが、健康で文化的な生活を送る」という願いを、改めて噛み締めよう。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月14日

携帯電話“2年縛り”消滅で「料金値上げ地獄」が利用者を襲う?

携帯電話“2年縛り”消滅で
「料金値上げ地獄」が利用者を襲う?
2019年06月13日 アサ芸Biz(小林洋三)

 総務省が、携帯電話の2年契約、いわゆる“2年縛り”を途中で解約した際の違約金の上限を1000円とする規制を検討していることが、6月8日に判明した。
現在、携帯大手3社(NTTドコモ・KDDI〈au〉・ソフトバンク)の違約金は9500円となっているので、大幅な引き下げとなるのだが、これがかえって我々利用者の首を絞める可能性が指摘されている。

  「秋に施行される改正電気通信事業法により顧客の過度な囲い込みが禁じられるため、2年縛りの違約金が値下げされることは予想されていましたが、まさか1000円になるとは驚きました。
これにより、利用者が携帯会社を乗り換えやすくなり、値下げ競争も活発になることが期待されています」(社会部記者)

 ネット上でもこれに《1000円でも払いたくないが、ひとまず総務省グッジョブ》などと歓迎する声が多く上がっているが、こんな話もある。

  「総務省も価格競争による料金の値下げを狙っているようですが、真逆の結果を生み出す可能性もあります。

現在、大手3社が出している携帯プランの料金は“2年縛りありき”で設定されているもの。
そのため簡単に乗り換えられるのであれば、いっそのこと料金プランを値上げしようという流れになる。
違約金の値下げまで時間もないことから、その損失を埋めるには通話・通信料金を値上げするのが最も手っ取り早いですからね」(ITジャーナリスト)

 お役所が首を突っ込みすぎるとロクなことが起きない? 
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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