2025年02月14日

手取りを増やすどころかこっそり減らされている…荻原博子「現役世代を苦しめる"すり替え課税"の正体」

手取りを増やすどころかこっそり減らされている…荻原博子「現役世代を苦しめる"すり替え課税"の正体」
2/13(木) プレジデントオンライン

政府は「手取りを増やす政策」を掲げているが、本当に実現するのか。
経済ジャーナリストの荻原博子さんは「政府は一度手にした税金を手放したくない。実は現役世代の手取りをこっそり減らす増税が進行している」という――。

■「手取りを増やす」の裏で「こっそり増税」

 103万円の非課税枠を178万円まで引き上げることで「手取りを増やす」という国民民主党の主張に多くの人が賛同し、昨年の衆議院選挙では同党は大きく議席を伸ばしました。

 ただ、国民民主党、公明党、自民党で三党合意したはずの「手取りを増やす政策」は、合意文書の中に「178万円をめざす」とあったために、「めざしましたが、127万円が精一杯でした」という言い訳ができるようになっており、それ以上に上げる議論は、いまだに出てきていません。

 その一方で、「手取りを増やす」どころか、「手取りを減らす」ことになる増税のほうは、国民の見えないところで粛々と進んでいます。

 そこで、一般の人々が気づかないまま、実質増税されている“ステルス増税”や、これから増やされそうなものは何があるのか見てみましょう。

■「インボイス制度」は、消費税増税への布石

 前岸田政権は「増税はしない」と国民に言いながら、2023年10月から「インボイス制度」を導入しました。
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インボイス制度とは

複数税率に対応した仕入税額控除の方式を言い、買い手が、この「仕入税額控除」を適用するためには、インボイスの入手と保存が必要となる。売り手がインボイスを交付するためには、事前にインボイス発行事業者の登録を受ける必要がある。
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 この「インボイス制度」が導入されたことで、買い手側は、インボイス登録をしていない業者との商取引を行うと「仕入税額控除」が認められず、買い手が負担する消費税が増えてしまうのです。
そのため、これまで年間売上が1000万円に満たなかったために免税となっていた業者や個人事業主は、そのままでは商取引が困難になるため、インボイス登録を行うことになり、必然的に納税しなくてはならなくなりました。

 ただ釈然としないのは、一定額以下の売り上げの業者が免税になるというのは、消費税を導入した時点の約束だったこと。消費税の導入には反対が多く、その対策として国は、年間売上げ3000万円以下の事業者を免税対象にしました。
それでなんとかみんなをなだめ、消費税をスタートさせたのです。
ただ、その時点ではあまりにも免税事業者が多かったため、透明性の高いヨーロッパの国々のような「インボイス制度」は導入できませんでした。

 では、なぜ30年も経って「インボイス制度」を導入したのでしょうか。
消費税は、スタート時点の3%から現在の10%まで引き上げられましたが、国はこの先も15%、20%と税率を引き上げていきたい。
そのためには、ヨーロッパの国々のような複数税率ができる「インボイス制度」を導入せざるを得なくなったということでしょう。

 2023年10月、自民党政府は多くの野党の反対を押し切って「インボイス制度」を導入。
そのため、これまで免税だった事業者も、消費税を納めることになりました。

 ただ、急に全額払えといわれても対応できない事業者も多いので、国は2026年9月までは免税業者の仕入れの80%までを控除可能とし、2029年9月までは50%を控除可能としました。

 つまり、対象の事業者は、2026年と2029年までの間に、2段階で実質増税になるということです。

 しかも「インボイス制度」の導入で、この先、消費税がまだまだ上がっていく可能性が出てきたのですから、私たち国民も十分に用心すべきでしょう。

■「復興特別税」は10年で終わるはずが終わらない

 日本を襲った未曾有の災害である東日本大震災から復興するため、その財源確保としてつくられたのが「復興特別税」です。
所得税、住民税、法人税に上乗せするという形で、復興のための税金が徴収される仕組みです。

 このうち住民税は、2014年から年間1000円を10年間負担してきました。所得税は2013年から2037年まで、税額に2.1%を上乗せするという形で税金が徴収されています。
法人税については、2012年から2014年まで事業所に課税されて、すでに終わっています。

 だとすれば、当然ですが期間が10年と決まっていた住民税も、2023年には徴収を終わってしかるべきです。

 ところが政府は、2024年6月から、日本国内に住む個人全員の住民税に、年1000円の「森林環境税」を課すことを決めたのです。
「復興特別税」としての住民税徴収は終わるはずでしたが、そのまま「森林環境税」と名前を変えて徴収し続けられているのです。

 明らかに、一度手にした税金は名目を変えてでも手放したくないという、政府の思惑が透けて見えます。

 すでに自治体では、環境保全を名目にした税金を導入しているところが多くあります。
たとえば、横浜市民は2007年から神奈川県が決めた森林確保のための「水源環境保全税」を払い、これとは別に横浜市独自の「横浜みどり税」を2009年から徴収されています。
ここに、さらに国から「森林環境税」を取られるとなれば、環境を名目に三重に課税されるということ。

 それぞれ使い道は違うといいますが「復興」のための税金を「環境」にすり替えるのには、かなり無理があると言わざるを得ません。

■「防衛費」のために、ステルス増税

 前述した「復興特別税」の所得税については、5年間で計43兆円という巨額な費用を捻出しなくてはならない「防衛増税」のために使われます。

 そのため、復興のため上乗せしてきた税率を1%下げる代わりに、新たに1%分を防衛費に回すという、わけのわからないことになっています。

 しかも、この税金の徴収は2037年には終わるはずだったのに、課税期間も大幅に延長されて、最大14年から20年にしようという案が検討されています。

 まさにこれは、「復興」を口実としたステルス増税でしかありません。

 さらに、「防衛費」のために増税されるのは、所得税だけではありません。

 政府は、「防衛費」のために、2026年4月から法人税に「防衛特別法人税」という名で4%の付加税を課し、たばこ税なども順次引き上げていく方針を打ち出しています。

 「法人税」が上がると、それだけ会社の利益が減りますから、社員の福利厚生や給料にも響きかねません。

 「たばこ税」については、2025年度の与党税制大綱では、法人税同様に2026年4月から実施するとしています。紙巻きたばこより税額が低い加熱式たばこを2026年の4月と10月に増税し、たばこ全体の増税は2027年から29年に行われる予定で、1箱30円程度の増税になりそうです。

 こうした増税は、岸田文雄前首相が防衛費のGDP(国内総生産)比を従来の1%程度から2%に引き上げたため、2027年度まで累計総額43兆円の防衛費を捻り出さなくてはならないために行われるもので、ほかにも隙あらば増税ということになりそうです。

 怖いのは、アメリカのトランプ新大統領が、防衛費はGDPの2%ではなく3%と言い出すこと。
そうなるとアメリカに逆らえない日本は、さらに庶民への増税を強めていくことになるでしょう。

■シニアを狙った、隠れ増税

 今、日本で一番金持ちなのは、シニア世代です。ですから、シニアを狙った増税も当然行われています。

 2024年1月から、生前贈与をする場合には7年経過しないと、相続税に“持ち戻し”されることになりました。

 子どもや孫などに贈与しても、年間110万円までは基礎控除として税金がかかりません。
なぜかと言うと、贈与税が非課税となる「暦年課税制度」があるからです。
そのため、この制度を利用して死後に相続税がかかりそうな現金を分け与える「生前贈与」を選ぶ高齢者は、実際にかなりいるようです。

 この「暦年課税制度」では、これまでは亡くなる前3年間に相続した分については、「持ち戻し」といって相続する財産にカウントすることになっていました。これが、2024年から7年になっています。

 たとえば、子どもに毎年110万円ずつ無税贈与していた父親が死亡したとします。
この場合、2023年までは持ち戻しが3年だったので、3年分の330万円を相続する財産に加えればよかったのですが、2024年からは7年になっているので、7年分の770万円を相続する財産に加えなくてはならない。
つまり、相続する財産が440万円増え、課税額が増える=増税になるということです。

■長く勤めた人ほど損をする⁉

 さらに、退職金にも増税しようという案が出ています。
現在、勤続年数が20年までだと、1年につき退職所得(退職金)から40万円が控除され、20年を超えて勤めた人は、控除が1年あたり70万円になっています。これを、一律40万円にして、長く勤めた人に増税しようという案です。

 2024年の税制改正では、結果的に先送りになりましたが、退職金にかかる所得税を増税する案は、今後も検討されていくでしょう。

 これらの負担増は、直接税金に関わる増税ですが、実は、税金と同じような役割を果たしている社会保険料の負担を増やすのも、ある意味「ステルス増税」と同じで、次々と出てきています。

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荻原 博子(おぎわら・ひろこ)
経済ジャーナリスト

大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。
家計経済のパイオニアとして、経済の仕組みを生活に根ざして平易に解説して活躍中。著書多数。
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2025年02月13日

”上”の意向に沿わない裁判官は冷や飯を食べている…ぬぐい切れない司法への「不信感」と「本来あるべき姿」

”上”の意向に沿わない裁判官は冷や飯を食べている…ぬぐい切れない司法への「不信感」と「本来あるべき姿」
2/12(水) 現代ビジネス

「裁判官」という言葉からどんなイメージを思い浮かべるだろうか?
 ごく普通の市民であれば、少し冷たいけれども公正、中立、誠実で、優秀な人々を想起し、またそのような裁判官によって行われる裁判についても、信頼できると考えているのではないだろうか。

残念ながら、日本の裁判官、少なくともその多数派はそのような人々ではない。
彼らの関心は、端的にいえば「事件処理」に尽きている。
とにかく、早く、そつなく、事件を「処理」しさえすればそれでよい。
庶民のどうでもいいような紛争などは淡々と処理するに越したことはなく、多少の冤罪事件など特に気にしない。
それよりも権力や政治家、大企業等の意向に沿った秩序維持、社会防衛のほうが大切なのだ。

裁判官を33年間務め、多数の著書をもつ大学教授として法学の権威でもある瀬木氏が初めて社会に衝撃を与えた名著『絶望の裁判所』 (講談社現代新書)から、「民を愚かに保ち続け、支配し続ける」ことに固執する日本の裁判所の恐ろしい実態をお届けしていこう。

『絶望の裁判所』 連載第57回
『日本のメディアが作り出した「ステレオタイプ」に騙されるな!…元判事が暴く「裁判官のリアル」』より続く

司法本来のあるべき姿

最後に、日本の裁判所のあり方、現状について、総括的なまとめの考察をしておきたい。

私は、日本の国民、市民は、裁判所が、三権分立の一翼を担って、国会や内閣のあり方を常時監視し、憲法上の問題があればすみやかにただし、また、人々の人権を守り、強者の力を抑制して弱者や社会的なマイノリティーを助けるという、司法本来のあるべき力を十分に発揮する様を、まだ、本当の意味では、一度としてみたことがないのではないかと考える。

これは、私だけの意見ではない。
海外の学者や知識人が日本の社会や政治のダイナミクスを分析するときには、おおむねこのような意見が述べられている。
もちろん、左派の人々に限らない。リベラルあるいは中立的な政治思想の持主のみならず、保守的な人々でさえ同じような分析を行っている。アメリカで私が聴いたアジア法専科の大学院生たちの分析も同様であった。

日本の裁判所、裁判官は、これまでは、広い意味における社会秩序の維持や利害の調整という側面において、それなりの貢献をしてきた。
だから、国民、市民の裁判所、裁判官に対する評価は、たとえば政治家や行政官僚に対する評価よりは高い。
にもかかわらず、人々の間には、司法のあり方、裁判のあり方に対する不満や不信がくすぶり続けている。

日本を震撼させた衝撃の名著『絶望の裁判所』から10年。
元エリート判事にして法学の権威として知られる瀬木比呂志氏の新作、『現代日本人の法意識』が刊行され、たちまち増刷されました。

「同性婚は認められるべきか?」「共同親権は適切か?」「冤罪を生み続ける『人質司法』はこのままでよいのか?」「死刑制度は許されるのか?」「なぜ、日本の政治と制度は、こんなにもひどいままなのか?」「なぜ、日本は、長期の停滞と混迷から抜け出せないのか?」

これら難問を解き明かす共通の「鍵」は、日本人が意識していない自らの「法意識」にあります。
法と社会、理論と実務を知り尽くした瀬木氏が日本人の深層心理に迫ります。

裁判官は最高裁事務総局の言いなり!?

それはなぜだろうか?

その理由について、この書物では、私の33年間の裁判官経験、それよりは10年ほど短い研究者、学者としての経験に基づき、さまざまな分析を行ってきた。

先の不満や不信については、前近代から超近代までが隣り合わせに雑居しているという日本社会の独特のあり方や、人々の意識のもち方にも一つの原因はあるだろう。
しかし、そうした部分、つまり誤解に基づく部分を捨象してもなお、人々の不満や不信には理由があると私は思う。
それは、前記のとおり、人々が、まだ、司法のあるべき姿を本当の意味では一度もみていないからであり、だからこそ、人々は、よくはわからないが何だか変だ、憲法に書いてあることや学校で学んだことと実際の裁判のあり方とはどこかが違う、と感じているのではないだろうか?

法科大学院の学生たちと話してみて私が驚いたことの一つは、多くの普通の学生が、裁判官は判決の内容によって左遷されるなどの不利益を被ることがあるのではないかという疑いを抱いていることであった。
「最高裁や事務総局の意向に沿わない裁判官が冷や飯を食っているって本当ですか?」と尋ねる学生が、何人もいるのである。
「どこでそういうことを聞いたの?」と私が尋ねると、「どこで聞いたのかなあ? はっきりどこで聞いたかってことは覚えてないけど、でも、みんなそう言ってますよ。ねえ……」と言って、仲間の顔を見る。すると、仲間も、こっくりとうなずく。

これが、法科大学院のごく普通の学生たちの一般的な認識なのであり、また、おそらくは、日本の知識人、控え目にいってもその多数の、一般的な認識、少なくとも疑問なのではないだろうか?

そして、私は、学生たちの質問に対して、胸を張って「いや、そんなことは全然ないよ」とは、到底答えられないのである。

また、司法制度改革が行われ、弁護士数も裁判官数も増加しているにもかかわらず、前記のとおり、地裁における民事新受事件の数が全体として減少傾向にある事実にも留意すべきであろう。
こうした現象は、はしがきにも記したような国民、市民の司法に対する失望が何ら改善していないことをうかがわせるものではないだろうか?
一体何のための司法制度改革、裁判所・裁判官制度改革であったのかが、問われなければならないであろう。

『裁判官の「不祥事」は驚くほど多い!…痴漢、児童買春、ストーカー…「法の番人」である裁判官たちの不祥事は「司法の危険信号」!』へ続く

日本を震撼させた衝撃の名著『絶望の裁判所』から10年。元エリート判事にして法学の権威として知られる瀬木比呂志氏の新作、『現代日本人の法意識』が刊行され、たちまち増刷されました。

「同性婚は認められるべきか?」「共同親権は適切か?」「冤罪を生み続ける『人質司法』はこのままでよいのか?」「死刑制度は許されるのか?」「なぜ、日本の政治と制度は、こんなにもひどいままなのか?」「なぜ、日本は、長期の停滞と混迷から抜け出せないのか?」

これら難問を解き明かす共通の「鍵」は、日本人が意識していない自らの「法意識」にあります。法と社会、理論と実務を知り尽くした瀬木氏が日本人の深層心理に迫ります。

瀬木 比呂志(明治大学教授・元裁判官)

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「これはもう人間のやることじゃない」“鬼畜”の所業に三崎優太氏怒り「次に犠牲になるのは…」

「これはもう人間のやることじゃない」“鬼畜”の所業に三崎優太氏怒り「次に犠牲になるのは…」
2/11(火) 日刊スポーツ

 元「青汁王子」こと実業家の三崎優太氏が11日、X(旧ツイッター)を更新。
ウサギを暴行した容疑で男が逮捕された件をめぐり、怒りとともに私見をつづった。

 広島県・大久野島で、ウサギ2匹を蹴って死なせたり、別のウサギ2匹の口にハサミを差し込んで傷つけるなど暴行を加えるなどしたとして、広島県警竹原署は25歳の会社員の男を動物愛護法違反の疑いで10日、再逮捕した。
男は容疑を認めているという。
男は1月21日、ウサギを蹴っているところを同法違反の疑いで現行犯逮捕されていた。
環境省によると同島では昨年11月以降、計99匹のウサギが死んでいるのが確認されており、警察では関連を調べている。

 三崎氏はこの件をうけ「ウサギの口にハサミを突っ込み、蹴り殺し、99匹の動物を虐殺した鬼畜が逮捕された。
これはもう人間のやることじゃない」と記述。
そして「でも、愛護動物殺傷罪の最高刑は『たった懲役5年』と軽い。もっと厳罰化しなければ、次に犠牲になるのは人間かもしれない」と記した。

 この投稿に対し「本当にそうですよね!」「厳罰化賛成です」「マジで許せない」「本当に人間のすることじゃないですよね」「過去こういった犯罪は次は人がターゲットになっている」「悲しすぎます」などとさまざまな声が寄せられている。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする