2012年03月20日

香山リカのココロの万華鏡:よりそいホットライン

香山リカのココロの万華鏡:よりそいホットライン 
毎日新聞 2012年3月20日 東京地方版

精神科の診察室で行われることは、「心のケア」だけではない。

とくに最近は、うつ症状や不眠の背景に「仕事」「お金」「暴力被害」など具体的な問題が隠れていることが多く、そういう場合はほかの専門家の手も借りなければならない。

私もいつも「相談窓口リスト」を持っていて、「ここの福祉課に電話して」「女性センターで相談しましょう、曜日は……」と必要に応じて紹介する。診療というより、「窓口あっせん所」という感じだ。


 そんな私に、また心強い味方ができた。これまで大震災の被災3県で暮らしの悩み相談を一括して電話で受けてきた「よりそいホットライン」が、全国規模に拡大されることになったのだ。とりあえず3月末までは24時間、電話相談を受け付けるという。


 このホットラインの最大の特徴は、「悩みのテーマは問いません」とうたっていることだ。
生活や仕事のこと、家庭内の暴力や同性愛に関すること、「生きていたくない」といった心の相談、なんでもオーケーということになっている。
しかも、外国語による相談も受け付けるという。もちろん、若い人、高齢者など年齢の制限もない。


 これは相談するほうにとっては、何よりありがたい。

悩んでいる人の最大の悩みは、まず「どこに相談に行ってよいかわからない」ということだと思う。
また、悩みの項目ごとに別の専門家や窓口を尋ねなければならず、そこで「それはウチの担当ではないです」と断られたりたらい回しにされることもある。

そうなると、ただでさえ気持ちが落ち込んでいる人たちは、「もういいです」と相談そのものをあきらめてしまいかねない。


 もちろん「よりそいホットライン」の電話の受け手もすべての問題に精通しているわけではないだろうから、一度で適切なアドバイスができるかどうかはわからない。

ただ「どこに相談してよいのやら」と途方に暮れる人にとっては、「まずはここに」

という電話先ができただけでもどれだけ心強いことか。

 ただ、心配なのは受け手たちが24時間態勢でさまざまな相談を受け続け、すり減って倒れてしまわないか、ということだ。

社会全体でこの画期的な取り組みをバックアップしたい。

私は、診察室に来る人に、あまりにすぐに「あ、それは“よりそいホットライン”に相談してみては?」と言いすぎないようにしなければ。

実はもう、何人もの患者さんに番号を教えてしまった。コールセンターのみなさん、仕事を増やしてごめんなさい。でも、期待してます!

posted by 小だぬき at 13:22| Comment(2) | TrackBack(0) | うつ病について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「中高年フリーター」50万人の老後

【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
「中高年フリーター」50万人の老後
2012年3月16日 日刊ゲンダイ掲載

20年後は暴動頻発!?

 フリーターの高齢化が進んでいるそうだ。
15日の日経夕刊は、アルバイトやパートで生計を立てている35〜44歳が50万人(2011年平均)に上り、過去最高になったと伝えた。

就職氷河期に高校や大学を卒業した人たちが40歳前後になった影響としている。みんな20年前後もフリーター生活を続けているということだ。

 企業はどんどん海外に出て行き、国内は仕事が減っている。
雇用環境が改善する見込みは薄い。
大学を卒業しても、働くのが難しい時代に入っている。

 新卒者は中国、ベトナム、タイ、インドネシアといった国の人たちとスクラッチで競争だ。
高い給料をもらって働くには、何らかの技術や能力が必要。学歴だけでは、どうにもならなくなっている。

 日本は終身雇用で、一度就職すると、なかなか辞めない。

最近は少し状況が変わってきたが、万人が活発に転職する社会ではないし、それまでに積み上げた知識や技能がピカピカに光っている人材は企業にとっても大切だろう。しかし、それで雇用が硬直化すれば、若い人たちの機会が失われる。

 パート暮らしは老後も厳しい。
現在は主に自営業者向けの国民年金に加入している人が大半だろうが、毎月6万円程度の給付では大変だ。

小生は厚生年金と私学共済を受け取っているが、それでも電気やガス、水道など、生活に欠かせないライフラインの負担などでおおむね消える。
日々の食費は妻の年金で賄っているのが実情だ。

 給料が安いフリーターは、蓄えもないだろう。これから、さらに20年後、50万人の中高年フリーターが60歳前後を迎えるとき、満足に暮らせなくなる恐れは強いのだ。

もしかしたら、老人たちの暴動により、社会は非常に不安定になるかもしれない。

 野田首相は今年1月、連合の古賀会長らを官邸に招いた際、「分厚い中間層の復活を理念に掲げている」と強調。「非正規雇用対策の充実を期した法案を提出する」と話した。

今国会にフリーターの年金対策を盛り込んだ法案も提出する。
しかし、厚生年金などに加入できるようになる非正規労働者の数は、当初の370万人から45万人に縮小された。

 やるべきことは増税だけではない。

posted by 小だぬき at 07:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
モッピー!お金がたまるポイントサイト