2012年05月07日

予言は人をもてあそぶ

書店員に聞く 占師になる方法
朝日新聞「文]保科龍朗  [掲載]2012年05月05日

 占いの館へようこそ。お望み通りの予言をしてさしあげましょう。
なんですって? 自称占師にだまされていないか知りたいとおっしゃる。
ならば私もこっそり読んでいる、こちらの本をお求めになられたほうが身のためですぞ。


■八重洲ブックセンター八重洲本店 
野口絵里さんのおすすめ

(1)人間この信じやすきもの [著]トーマス・ギロビッチ
(2)スピリチュアル市場の研究 [著]有元裕美子
(3)透視術―予言と占いの歴史 [著]ジョゼフ・デスアール、アニク・デスアール
 ▽記者のお薦め
(4)タイタンの妖女 [著]カート・ヴォネガット・ジュニア

■予言は人をもてあそぶ

 予言にしたがえば、2012年はまさに暗たんたる終末のシナリオのむごたらしい結末を迎えるはずだ。

 中米に栄えたマヤ文明の暦をよりどころとした「2012年人類滅亡説」がそれである。

人心をおののかせる度合いは「ノストラダムスの大予言」の足元にもおよばないが、心の片すみに引っかかったら外せなくなる不安の針は隠し持っている。

 野口さんが「今回のテーマで真っさきに思い浮かんだ社会心理学のロングセラー」だという

  (1)『人間この信じやすきもの』では、人がおちいる誤信や迷信のしくみを米国の認知心理学者が解きあかしている。

 著者はまず、「人間の本性は『真空』を嫌う」と論じる。人は予期できなかったり無意味だったりする現象に我慢がならない。
そのために混沌(こんとん)とした外界に一定の秩序やパターンを見いだそうとするのである。
 この本性は、ほどよく働いていれば科学の新発見などに役立つが、歯止めがきかなくなると、ありえない観念へ迷いこんでしまう。

 たちの悪い例が、「自己成就的予言」だ。銀行が破産するというデマを信じこんだ人びとがパニックを増幅させ、現実には起こるはずのなかった破産へ追いこんでしまうことがある。人は自分の信念や仮説に見合う情報しか見ようとしなかったり、過大評価したりするものなのだ。

 (2)『スピリチュアル市場の研究』は占いや癒やしなど、精神世界に根ざすビジネスの全容のリポートだ。
 1970年代に誕生したスピリチュアル(霊的)・ビジネスは前世紀末から急成長をとげ、いまや推定市場規模は1兆円という。

「スピリチュアル本は驚くほどよく売れる。どんな読者なのかと興味を持っていたが、『信じやすく』『自信のない』人びとがこの市場の消費者なのだと分析されている」(野口さん)。

 (3)『透視術―予言と占いの歴史』は、タロット、占星術、交霊術などさまざまな占い術を解説した西洋オカルト学の入門書。著者のジョゼフ・デスアール自身、パリで開業する透視術師である。

 記者が薦める(4)『タイタンの妖女』は、カート・ヴォネガットがまだ無名のころの長編2作目のSF小説だ。主人公は全米一の大富豪コンスタント。
彼はある日、宇宙旅行で全知全能の神のごとき存在となった男ラムファードから過酷な未来を予言され、その通りに富も記憶も奪われ、太陽系を放浪する身となる。
しかも、予言にもてあそばれているのは彼ひとりだけでなく、人類全体の歴史が、あるとんでもない目的のために操られていたのである。

 運命にあらがおうとする自由意思がいとおしくなる破天荒な物語だ。(保科龍朗)
    ◇
■〈見るなら〉NEXT―ネクスト―

 「あらやだ、ハリウッドのモト冬樹よ」「その言いかた、おかしいでしょ!? ニコラス・ケイジだってば。
この映画、フィリップ・K・ディックの短編小説を原作にしたハード・コアなSFなのよ」「冬樹はどんな役なの?」「さだまさしから松山千春への爆笑ものまねメドレー……って、違うでしょ! 

 主人公には予知能力があるんだけど、自分自身にかかわる2分先の未来が見えるの」「2分だけってショボいわね」「でも、その能力を察知したFBIは、テロリストがロサンゼルスを核兵器で壊滅させようとしている陰謀を阻止するのに彼を利用するわけ」
」「そんなこと、できっこないじゃん」
「見ればわかるけど、結局、体を張ったら、なんとかなるもんなのよ。あんたなんか2秒先も真っ暗闇なくせに」「そんな先のことまで考えてたら、オカマなんてやってらんないわ!」(龍)
 ブルーレイ発売元はギャガ、販売元はハピネット、4935円。

posted by 小だぬき at 08:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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