2012年05月16日

憂楽帳:唯一の場所 (タワーの景観)

憂楽帳:唯一の場所
毎日新聞 05月16日 13時31分

東京スカイツリーが来週、開業する。高さ634メートルの世界一の自立式電波塔。

浅草周辺の景観を損ねると一部で建設に反対する声もあったが、東京の新観光名所としての期待は大きい。


 私が勤務する茨城県には、意外にも各分野で日本一の巨像がある。
大子町の大子地蔵尊、那珂市の一乗院毘沙門天、水戸市の埴輪(はにわ)像・はに丸タワー……。
牛久市の牛久大仏は青銅製大仏で世界一だ。高さ120メートル。奈良の大仏が手のひらに乗るほどの巨大さだ。


 緑豊かな地方都市にはやや違和感がある。
背後から体内へ。エレベーターで地上85メートルまで上がると、西側小窓脇にスカイツリー方面を示す真新しい案内板。富士山と並ぶ写真も掲示され、人気にちゃっかり便乗している感も。


 私の出身地・京都市の京都タワー(131メートル)は1964年の開業前、「景観を守るために東寺の塔より高い物は建てない」という不文律を破ると猛反対があった。

 だが私を含む一部の京都人はタワーからの眺望を好む。
なぜならそこは「京都で唯一、タワーが見えない場所」だからだ。
【堀井泰孝】

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香山リカのココロの万華鏡:リハビリは一歩ずつ 

香山リカのココロの万華鏡:リハビリは一歩ずつ 
毎日新聞 2012年05月15日 東京地方版

 さて、ここでクイズです。

「うつ病で仕事を休んでいる人が復職するときには、からだの故障と同じようにリハビリが必要」。これはマルかバツか?


 今や多くの人が、「マルだよ、常識でしょう」と答えるだろう。
そう、うつ病が良くなってきて主治医が「そろそろ復職も考えましょうか」と言っても、「じゃ、来週から」とフルタイムの勤務に戻るのはおすすめできない。

たとえブランクがそう長くなくても、通勤や会社でのあいさつ、メールのチェックなども思いのほか、エネルギーを使うもの。

「まずは電車に乗る練習」「次は会社に入ってあいさつだけして、すぐに帰る」「なれてきたら朝礼に出て1時間だけパソコンに向き合う」というように、段階的に復職するほうが結果的にはスムーズに仕事に戻れ、再発も少ないことがわかっている。


 とはいえ、実際に勤務している会社を使ってリハビリができるところは、まだそう多くない。「ほかの社員の手前もあるし、午前中だけ働いて帰る人がいるのはどうも」「リハビリ期間も休職扱いでしょう? じゃ電話を取ってもらうこともできないし」と難色を示される場合もある。

そういう人たちのために、病院やクリニックで復職支援プログラムを提供するところも増えた。
会議室のようなところを「模擬会社」に見立て、そこを使って資料の整理をしたり通所者とミーティングをしたりして、“お仕事モード”に慣れていってもらうのだ。
だが、いくら設備が整っていても、そこはやはりホンモノの会社ではない。集まっている人たちも勤務先や職種もバラバラ、戻るべき職場とはやはり違う。


 また、近くにはそういうプログラムを行っている施設がない、という人は、自分ひとりで自主リハビリをしなければならない。

朝起きて図書館に行く、コンビニに行って新聞を買ってきて記事をまとめてパソコンに入力、などそれぞれが工夫して仕事のペースを取り戻していかなければならないが、やっぱりちょっとたいへんだ。


 さらに主婦や学生の場合は「段階的な育児復帰」や「リハビリ学習」といった制度などないので、ある日、いきなり「さあ、今日から元通りにがんばって!」ということになる。

 ケガをしたプロ野球選手も、回復してきたらまずは肩ならしから始め、ファームなどで少しずつ実戦になれてから、晴れて1軍復帰となる。

うつ病などの心の病でもそれは同じ。時間をかけて元の場所に戻ればいいんだよ、とみんなが考え、ゆっくりリハビリできるシステムや施設がもっと増えてほしい。

posted by 小だぬき at 09:38| Comment(0) | TrackBack(0) | うつ病について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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