2012年07月23日

憂楽帳:「矛盾」してていい

憂楽帳:「矛盾」してていい
毎日新聞 2012年07月23日 12時37分

あまりに暑いので台所のクーラーをつけたところ、21歳の長男が汗だくで帰ってきた。
「わあ、やっぱり涼しいね」と感動しながらも、こんなことを言う。
「お父さん、脱原発なのに、こういうの使って、矛盾してない?」


 それを「矛盾」ととるなら、矛盾でいい。
いくら電力を使いまくっても、脱原発は主張できる。
原発関係の企業や省庁に勤めていても同じだ。

問われているのは、福島のような放射線汚染は未来永劫(えいごう)二度と起きないと言えるのか、ということだからだ。
あるいは、最終処分場も決めず、見知らぬ未来の人々に核廃棄物を託してもいいのか、ということだ。

エネルギー論というより個人の倫理が問われている。


 意見とは本来そうだし、特に倫理について語る場合、地位や経歴、立場、ふるまい、過去との一貫性にとらわれず、どこまでも自由であっていい。

だから「電気自動車のCMに出ている坂本龍一が脱原発を語れるのか」「テクノポップで電気を使ってきた」という非難は、問われている問題の本質をぼやかすだけだ。【藤原章生】

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『週刊ダイヤモンド』7月28日号の特集「不眠・不安・疲労 職場と家庭のうつ全対策」

眠れていますか? 不安を抱えていませんか?
不眠、不安、疲労、うつ――。
職場と家庭の“心”の健康に迫る

12/7/28号】 2012年7月23日
 週刊ダイヤモンド編集部

連日3時まで眠れず
大事な書類でエラー

 時計の針は午前3時を回ろうとしていた。「駄目だ!眠れない!」。
橋本武彦さん(仮名・44歳)は空のグラスに手を伸ばし、ウイスキーを注いだ。
すでに4杯目。祈るようにして一気に飲み干した。


 酒の力でようやく眠りに落ちたのもつかの間、悪夢にうなされて何度も目が覚めた。仕事で大きなミスをして首になるという空恐ろしい夢だった。
ぐっすり眠れないまま目覚まし音が無情に鳴った。


 商社マンの橋本さんは1年前に課長に昇進した。
複数のプロジェクトと部下の管理も任されて業務の負荷は一気に増えた。
大きなプロジェクトがちょうどヤマ場を迎えていたこともあり、終電で帰宅する日々が続いた。
帰宅しても寝付けなかったり、途中で目が覚める日が増えるようになった。


 ある時期からは、ほぼ毎日寝付けなくなった。
ちょうどこのころ、大きなプロジェクトの取引先の部長から理不尽な注文や嫌みを浴びせられることが悩みの種になっていた。

 布団に入るとその部長の顔が浮かんでイライラする。
寝酒を飲むようになったが、1杯では眠れなくなり、日を追って2杯、3杯と量が増えた。
朝になっても疲れが取れず、疲労感を引きずって出社した。


 連日寝付けなくなってから3ヵ月目、上司に怒鳴られた。
大事な書類の数字を1桁間違って記入していたのだ。
上司に「体調でも悪いのか」と尋ねられ、状況を打ち明けた。

上司の言葉に従って受診すると、「不眠症」と診断された。
まず酒をやめるよう指導され、睡眠薬が処方された。
上司の計らいで業務量が少し抑えられ、残業を減らした。
休日は仕事を持ち込まず、軽めの運動でストレスを発散するようにした。


 生活を整えることで気持ちにゆとりができ、仕事の効率は上がった。
取引先の部長の嫌みもさほど気にならないようになった。


 主治医である林田健一・スリープ&ストレス クリニック院長によると、橋本さんの場合、仕事のプレッシャーが増えて不眠がちのところに、取引先との人間関係が2つ目のストレスとして加わり発症。「睡眠の質を悪くする酒に頼ったのがよくなかった」という。

過労が不眠症を招き
不眠症がうつ病を引き起こす

 都内のコンサルティング会社に勤務する伊藤浩さん(仮名・30代)は4年前にうつ病を発症した。
新卒で就職したIT会社では、同僚が次々に過労で倒れていった。
身の危険を感じてシステムエンジニア(SE)からコンサルタントへ転身した。


 ところが転職先でも激務は続いた。
疲れているのに寝付けない不眠の症状に苦しんだ後、うつ病になった。


 伊藤さんは、うつ病患者として最悪なる“王道”を進んでしまった。最初の一歩は「過労」だった。
SEとコンサルタントといえば、うつ病になる人が多い職種として、つとに有名。彼らが発症に至る原因の多くは長時間勤務による過労だ。
厚生労働省の調査によると、職場ストレスの上位に「職場の人間関係」とともに「仕事の量」が挙がっている。

 次の一歩は「不眠症」、それに「うつ病」が続いた。不眠症の段階で治療すればよかったが、多くの不眠症患者が陥っているように、放置してうつ病を引き起こしてしまった。

厚生労働省は2011年末、労働安全衛生法の改正案を国会に提出し、すべての事業者に対して全従業員へ毎年ストレスチェックを行うよう義務付ける内容を盛り込んだ。
施行は早くても来年以降になるとみられるが、背景にはストレスの多い職場環境がうつ病患者、ひいては自殺者を増やしていることがある。


 11年の自殺者数は14年連続で3万人を突破し、その自殺原因のトップはうつ病だ。うつ病を含む気分障害は増加を続け、すでに100万人を突破している。

プレッシャーに苦しむ「昇進うつ」
環境変化がストレスに

 “心の病”に陥る罠はそこらじゅうに転がっている。
まず、勤務する会社に合併や買収、リストラといった大きな変化が起こったときにストレスは生じやすい。

 さらに、入社や異動、転勤、昇進、定年など、勤め人であれば当たり前のように通過する小さな環境変化も心の病に陥る大きな原因となり得る。
本人が感じるストレスの大小は変化の大きさとは比例しないものだ。


 例えば、本来は喜ばしいことであるはずの「昇進」がきっかけで陥るのが「昇進うつ」だ。
新しいポストで負う責任の重さを過剰に感じてしまったり、上司と部下の板挟みとなって人間関係が苦痛になる。
周囲の期待と羨望を込めた視線もプレッシャーになってしまう。


 昇進うつとは逆に、昇進したくてもできないことがストレスとなるのが「上昇停止症候群」である。
ライバルや同期、あるいは後輩や部下が自分よりも先に昇進していく中で「自分はこれ以上出世できない」と行き詰まりを感じ、不安が大きくなってしまうのだ。
上昇志向が強く、仕事一筋でやってきた人ほど、このときのストレスは大きく、仕事への熱意が消えてしまう。


 こうしたストレスが原因となって、不眠症やうつ病が引き起こされるのである。
夜に布団へ入っても寝付けない「不眠症」、
やる気に溢れて疲労感に気付かない「隠れ疲労」、
頭痛にうつ症状が隠れている「仮面うつ病」、
上司と部下との板挟みになってストレスを抱える「サンドイッチ症候群」、
あがり症でプレゼンテーションが苦手な「社交(社会)不安障害」──。どれこれもビジネス マンに多い病気や症状です。

なかでも不眠は日本人の5人に1人がかかっている国民病。自分や周囲に心当たりはないでしょうか。


『週刊ダイヤモンド』7月28日号特集「不眠・不安・疲労 職場と家庭のうつ全対策」では、「不眠」「不安・うつ」「疲労」の最適な治療法や対処法を全58ページに詰め込みました。


「快適な夜を演出する睡眠グッズ集」
「睡眠薬と抗うつ薬の最新事情」
「予防や部下育成にも活用できる認知行動療法」
「駄目な医師を見抜く秘訣」
「紹介状がなくても教授・准教授級が診てくれるクリニックの一覧」
「妻、子ども、老親を襲う心の病への対処法」など盛りだくさん。
『ツレがうつになりまして。』の著者、細川貂々氏に学ぶ「うつ病の夫・恋人を上手に支える7ヵ条」も必見です。


 忙しかったり、疲れている人ほど、「自分は大丈夫」と軽視しがち。しかし、早期の発見と対処は最強の自己防衛術です。

ストレス職場を舞台にした「疲労・不眠・不安・うつ」の事例集と自己診断シートも盛り込んだ本特集で、心と体をセルフチェックしませんか?

(『週刊ダイヤモンド』副編集長 臼井真粧美)
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多消費から持続可能へ

週のはじめに考える 多消費から持続可能へ
2012年7月22日   東京新聞

原発の問題は、エネルギーの問題であり、エネルギー消費の問題でもある。
今当たり前の大量消費文化に私たちが別れを告げられるかということです。


 今春、ショックを覚えたことがありました。

日本への永住を決め、国籍も取得した文学者ドナルド・キーンさんの言葉でした。
記者会見でこう言いました。

 「率直にいうとがっかりしています。東京は(電気照明がこうこうと灯(とも)り)明るい。必要のない看板がたくさんある。東京だけではありません」

◆キーン先生から叱責

 この叱声を耳痛く聞いた日本人は、おそらくいっぱいいたのだと思います。
昨年の夏はあれほど節電していたのに、のどもと過ぎれば熱さを忘れるというようなことになっていたのですから。


 外国から来ると、よくわかるのでしょう。もう少し言えば被災地との痛みの分かち合いはどうしたのですか、ということでもあったでしょう。


 節約、節制は、口で言うのはやすく実行はむずかしいものです。
洋の東西を問わず、人間の弱点、性癖のようなものです。

 まして大量消費という暮らしに慣れきってしまえば、抜け出すのは容易でない
敵はわが身に潜む欲望であり大量消費社会とは、その
欲望をかき立てるからです。


 それが全部悪いとまでは言いません。
便利なこと、豊かなこと、楽しいこともあります。
しかし、時には立ち止まり考え直すことも必要でしょう。
昨年の3・11とは不幸にしてその機会を与えてくれたのに相違ありません。


 そういう機会は以前にもありました。一九七三年の第四次中東戦争に端を発した第一次石油危機です。アラブ産の石油が反アラブ国には禁輸とされ、世界がパニックになりました。

◆小さくてすばらしい

 実際には日本などには非アラブ産の石油が回され、極端な輸入低下はなかったのですが、資源小国の日本は将来を心配しました。

原子力は国策としてさらに重要になったのです。


 同じ年、たまたま世界的ベストセラーになった本がありました。
英国で出版された「スモール・イズ・ビューティフル(邦題・小さいことはすばらしい)」です。
資源の適正な利用を訴え、石油危機を予想していたのです。


 著者はドイツ出身の英国の経済学者エルンスト・シューマッハー(一九一一〜七七年)。
経済学の泰斗ケインズも認めた学者で、英国石炭公社の顧問を二十年間務めている。
戦後欧州の復興は石炭がかぎであるとしながら、石炭も石油、ガス、ウランも限りのある資源と見ていた。

戦略的、投機的対象にもなる。彼によれば石油危機は来るべくして来たわけです。


 地球規模では経済成長の限界を予測し、人間単位では欲求を小さくして、満足を深くすることが必要だと訴えていました。
人間中心の経済学と呼ばれました。


 それが本の題の「小さいことはすばらしい」です。
彼はミスター・スモールと愛称され、米国の講演旅行では行く先々で立ち見が出たそうです。

 世界が彼を熱く迎えたのは、石油危機の直後ということもあったのでしょうが、充実感のある仕事やぜいたくでなくとも静かな幸福と、残念だがそうではない現実との間に埋めがたい溝が生じていたからかもしれません。

経済成長のかたわらで人が置き去りになっているような光景です。


 しかし、彼の考えは広がらなかった。賛同者は多数にはなりませんでした。

 幸福や満足感は人ごとです。
石油危機は資源輸入の分散、産業の省エネルギーや効率化をぐんと進めました。
豊かさは維持されました。それは尊重すべきことです。


 しかし、今のままでいいのか、その豊かさは果たして持続可能かと問われれば、答えに詰まるかもしれません。
答えるにはシューマッハーの思想も参考になるし、他にも種々の考え方はあります。


 節電の夏といいます。企業活動や生活には大きな影響があります。
中東戦争が引き金の第一次石油危機、またイラン革命で起きた第二次石油危機に次ぐ、新しいエネルギー危機の下での夏です。

◆原子力に頼らぬとは

 前の二つは政治と経済成長で乗り切れましたが、今度の危機の克服には私たち自身の改革が大きな要素になりそうです。
少なくとも冒頭のキーン先生のいうような無駄遣いは慎みたいし、それ以外にも自分の意思で実行してみたい。


 原発に頼らないとは、大量の、また過剰かもしれない消費を見直そうという国民や企業が増えることでもあるのです。
国がやらないのなら、私たち自身がやるしかないのです。

posted by 小だぬき at 07:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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