2012年09月09日

余録:「あのころの人、どこへ行ったのかなあ」…

余録:「あのころの人、どこへ行ったのかなあ」…
毎日新聞 2012年09月09日 00時34分

 「あのころの人、どこへ行ったのかなあと静岡県熱海市で土産物店を営む幼なじみが言う。
昭和30〜40年代は旅館も土産物店も繁盛し、住み込みで働く単身女性がたくさんいた。
狭いアパートの部屋で暮らす母子家庭も珍しくなかった

▲当時の高校進学率はせいぜい5割。
学歴や資格がないのは当たり前だった。
子や孫に囲まれて幸せな老後を送っている人もいるだろうが、その日を生きるのに精いっぱいで結婚に縁の薄かった人も多いはずだ。
給料も少なく、年金制度に入っていたのかどうかもわからない

▲平らな土地が少ない熱海は急傾斜の坂の上に市営住宅がいくつもある。
老朽化した部屋で独居のお年寄りたちが暮らしている。
かつて旅館や土産物店で働いていた人もいるだろう。
商店のある海岸通りまで下りてくることができず、週に数回やってくる移動販売車が命綱だ

▲「世代間格差」とは、高齢者ほど払った分より多い年金を受給できるが、若い世代は払う保険料が多いという意味でよく使われる。
年金には改革すべき点が多々あるが、そう言われたら年金に加入しない若者がますます増えそうだ

▲しかし、年金の多寡で公平度を測れるほど人生は単純なものではない。
ほとんどの人が高校に進学し、インターネットで好きな情報を得られる時代になった。世界のおいしいワインやチーズも食べられる。
外国にも気軽に行ける

▲格差をあおり世代間の断裂を広げてどうする。
どの時代に生まれてくるのかは誰にも選べないが、どのように生きるのか、望ましい社会を実現するためにどのような政治にするのかを選ぶことはできるはずだ
posted by 小だぬき at 09:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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