2012年10月22日

テレビと孤独死

憂楽帳:テレビと孤独死 
毎日新聞 2012年10月20日 西部夕刊

 新聞社の編集局にある複数のテレビはどれも一日中つけっ放しだ。
いつ地震速報などが流れるか分からないからだ


北九州市の市営団地で一人暮らしの男性(70)は全く別の理由で夜、テレビをつけっ放しにしている。
団地の大半は独居高齢者。
車通りからは少し離れ、日が落ちると深い静寂に包まれる。
「しーんとなると孤独感に押しつぶれそうになる」。
つまらない番組しかない時は音を消し、ムード音楽を流す。
それでもテレビのスイッチは消さない。目はテレビ画面を追い続ける。
「“人”を感じていたいんです」


 団地では6年前、孤独死事案があった。
4カ月だれも気付かなかった。
男性は、皮と骨だけになった遺体を直接この目で見た。
自分だっていつこうなるか分からない……。
時々そんな不安に襲われるという。


 夜の団地を歩いてみた。
カーテン越しにちらちらと光が動くのが見え、テレビの前で座る高齢者の姿が思い浮かぶ。
ふと思った。
テレビがなかった時代は、お年寄りが一人で暮らすこともほとんどなかったろうし、孤独死もなかったろうな、と。
                            【三木陽介】

posted by 小だぬき at 04:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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