2012年12月01日

子どもの低体温が増加…対策は「早寝早起き」「運動」「水分補給」

子どもの低体温が増加…対策は「早寝早起き」「運動」「水分補給」
2012年11月30日(金)12時31分配信 リセマム

 キリンMCダノンウォーターズは、全国の小児科医107名に対し実施した「子どもの低体温傾向とその対策に関する調査」の結果を発表した。
調査結果から、
低体温の子どもが増えていると感じている小児科医が8割近くおり、その対策として規則正しい生活や適度な運動、そして水分補給が有効と考えられていることがわかった。
 調査によると近年、低体温の子どもが「増えている」(2.8%)、「やや増えている」(75.7%)と、合わせて約8割の医師が増加傾向にあると答え、小児科医の多くが実感していることが明らかになった。

また低体温の子どもが増えてきたのは、ここ数年(3年前まで)と感じている医師が40.5%、5年前くらいからが36.9%、10年前からが20.2%で、98%以上の医師がここ10年の間に変化が起きたと考えている。

 低体温の子どもに共通する特徴について尋ねたところ、もっとも多く寄せられたのが「やせ気味」(49.5%)と「疲れやすい」(38.3%)。
さらに「集中力がない」(16.7%)、「動きが緩慢」(17.8%)、「食欲にムラがある」(16.8%)などの回答も多く、どれも今後の学校生活を送るうえで大切な物が失われる可能性が大きい。

 これらの理由としては「代謝の低下」(58.9%)をあげる医師がもっとも多く、ついで「睡眠不足」と「就寝時刻が遅い」(それぞれ45.8%)、「食生活の乱れ」(42.1%)、「冷暖房の使用による体温調節機能の低下」(41.1%)、「運動不足」(35.5%)が続いており、生活習慣の乱れは低体温に結びつきやすいと考えられていることがわかった。

 ここで大切なのはその対策だ。
低体温を防ぐために、医師が勧めていることとしては「適度な運動」(72.9%)、「十分な睡眠」(65.4%)、「食生活の改善」(57.9%)「水分補給」(72.9%)だ。

 「適度な運動」の度合いとしては「ジョギングや鬼ごっこなどの軽く汗をかく程度」をあげた医師が71.8%がもっとも多く、ついで「ウォーキング、体操、お遊戯等の軽い運動」が52.6%で、軽い運動で十分だと考えられる。

また、十分な睡眠の目安は「8時間以上」が9割を占めたが、早く就寝することが大切と考える医師が半数近く(47.7%)いたことから、単に睡眠時間数を増やすだけでなく、「早寝早起きをする」などの生活習慣を正すことも大切だ。

水分補給の方法は「少量をこまめに」と回答した医師が9割近くにのぼる一方、「たくさんの量を飲む」という回答はゼロ。
さらに温めて飲むよりも「常温を飲む」をあげた医師のほうが倍以上多く、こまめに常温での水分摂取を心掛けたい。

 なお、10歳前後の子どもが必要な1日の水分量は「1.5リットル」と考える医師が40.2%で最多。
ほか、1リットル程度が32.7%、2リットル程度が21.5%と続き、9割以上の医師が1日に「1〜2リットルの水分補給」を推奨している。
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師走 「天声人語」

天声人語

2012年12月1日(土)付  朝日新聞

めくり忘れて痛い思いをしたわけではないが、日めくりの暦(こよみ)がどうも苦手である。
馬齢のせいか、目に見えて「残り日」が減るのが面白くない。
愛用者も多いけれど、24時間すごせる回数券を日々ちぎるような、デジタル的な喪失感がきつい

▼他方、ひと月ごとのカレンダーは、きょうとあすの間の余白に味がある。
アナログの安らぎとでもいおうか、消えていく時が見えにくいのがいい。
ただし月の変わり目には、喪失感がまとめてやってくる

▼壁のカレンダーがあと一枚になった。
「師も走る」とされる月だから、我々がせわしいのは無理もない。
賀状の準備に大掃除、忘年会。
今年は選挙も重なり、ざわついた年の瀬になろう

▼罪なのは年末ジャンボだ。
1等4億円が68本、前後賞を合わせ6億円と史上最高の賞金である。
その額に目がくらみ、買ってもいないのに胸が躍る自分がおかしい。
かくして、自治体の台所はささやかに潤う

▼鹿児島県に住む40代の女性が今年、「宝くじに当選させる」という電話を真に受け、何者かに計4千万円を振り込んだそうだ。
だます方が悪いに決まっているが、うますぎる話を聞いた時は途中で耳を塞ぎたい

▼見果てぬ夢を、くじではなく、真新しい手帳や日記に託す人もおられよう。
365日分の回数券がそこにある。
白いページの、なんとまぶしいことか――師走につられて先走りすぎたようだ。
まずは残る31枚を惜しんで使いたい。
「忙忙(ぼうぼう)」と吹きすさぶ北風に、心まで飛ばされぬよう。

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がん生存率に根拠なし 人生不良の方が長生きすると医師指摘

がん生存率に根拠なし 人生不良の方が長生きすると医師指摘
2012.11.30 07:00   NEWSポストセブン

国民の2人に1人ががんを患う時代。
医学の進歩により、がんを克服したり、がんを抱えながら長生きしたりする事例は無数に溢れているものの、多くのがん患者は「あと何年生きられるのか?」といったネガティブ思考から抜け出せないのが現実だ。


10月に全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)がネット上で公表した「5年生存率」も、一時アクセスしづらくなるほど大きな反響を呼んだ。

がん治療を行う31施設から収集した胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの10万症例(2001年〜2003年)を生存率で割り出したデータである。


 結果だけを見ると、全症例の3人に2人は5年生存していることになり、「がんは怖くない」との安心材料にもなろう。

だが、「あくまで参考程度にしかならない」と話すのは、順天堂大学医学部特任教授の奥村康氏である。


「いまだに日本人の死因はがんが圧倒的に多く、その数は年々増え続けています。がんは治る病気になったと言われる一方で、亡くなる人が減らないのは明らかに矛盾していますよね。

結局、このがんにはこの治療法が絶対に効くという正解がありません。だから、次々と発表される『生存率』や『臨床実験』のデータも鵜呑みにできないのです」


例えば、年間約8万人が発症し、6〜7万人が死亡している肺がんの5年生存率は平均で40.6%。
乳がんの90%と比べれば治りにくいがんであることはうかがえる。

しかし、より数値を細かく見ると、施設間で24.8%〜58.1%と大きな隔たりがあった。
これを「生存率の高い病院は治療水準が高い」と捉えるのは早計だと、奥村氏はいう。


「調査したがん患者の年齢が高ければがん細胞も弱いので生存率は上がりますし、若くても早期に発見されれば治癒率は上がるはずです。

でも、いくら最先端の手術と放射線、抗がん剤治療でがん細胞を完全にやっつけても、体を痛めつけ過ぎたために人間が持っている免疫力や自然治癒力を破壊して、
後に亡くなられる方だってたくさんいます」(前出・奥村氏)


 5年生存したからといって、誰もが“がんの3大治療”に納得しているとは限らない。ならば、日頃から免疫力を高めて「がんに負けない体」を作ることのほうが先決だと、免疫学の権威である奥村氏は唱える。

リンパ球の一種「NK(ナチュラルキラー)細胞」を活性化させることで、あらゆる病気の予防やがん細胞までも遠ざけてしまおうというのだ。


 そんな強力な働きをするNK細胞ゆえに、活性化させるのも容易ではないと構えてしまうのだが、意外にも拍子抜けするほどシンプルな方法でそれが可能になる。


「好きなことをしてストレスフリーになればいいだけ。
NK活性の働きを司るのはホルモンで、これは理性ではコントロールできずに感情に支配されます。

いつもピリピリ神経質、またはクヨクヨ悲観的なマジメ人間は交感神経が緊張しっ放しでストレスホルモン(コルチゾール)が分泌されます。
この状態が長く続くほどNK活性は弱まり、ウイルスにもがん細胞にもつけこまれてしまうのです」(奥村氏)


 では、具体的にどうすればNK細胞を増やすことができるのか。

キーワードはずばり“不良”になることだという。


「好きなものを食べて、好きなたばこや酒を嗜んで、好きな友達と他人の悪口でもいいからワイワイ盛り上がってゲラゲラ笑う。NK活性はこれに尽きます。

かつてフィンランド政府が行った追跡調査でも、酒やたばこ、塩分を抑制されたグループが後にがんや心臓血管系の病気にかかる人が多く、自殺者まで出ました。

片や健康診断さえ受けない不良グループのほうが明るく長生きしたという結果が出ています」(奥村氏)


「健康」「長寿」の鉄則とばかりに、やたらと「〜ねばならない」と我慢を強いる世の中。しかし、禁欲の押しつけこそ病魔を呼び寄せる一因になって寿命を縮めると説く奥村氏の理論を聞いて、溜飲を下げる人も少なくないはずだ。

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2012年12月02日

冬本番「天声人語」

天声人語
2012年12月2日(日)  朝日新聞

すっかり冬になってしまえば腹も据(す)わるのだが、冬にさしかかる時期はどこか、太陽が遠くなった心細さがある。
日ごとに寒く、夕暮れは早い。
紅葉(もみじ)のあとの山野はすがれて、時雨(しぐれ)が通れば趣よりも寂しさがまさる

▼冬の入り口は土地土地で違う。
駆け出し記者時代に暮らした北陸は、鉛色の空から降る冷雨に雪がまじった。
「いっそ早く真冬になってほしい」と仲間うちでぼやき合ったものだ。
片や東京は、乾いた空から吹く季節風が、ビルの 谷間でひゅうと鳴る

▼その木枯らしに急(せ)かされるように、木々はいま落葉がしきりだ。風に散って舗道を這(は)う光景には落魄(らくはく)のイメージが重なる。
しかしよく見ると、裸になったコブシなど、ビロードに包まれたような花芽をおびただしく光らせている

▼秋の落葉こそが「始まり」だと、チェコの国民的な作家チャペックが書いていた。
かんしゃく玉のような小さな新しい芽が、枝という枝にぎっしりばらまかれていて、あくる年、それらのはぜる爆音とともに春がおどり出るのだと

▼「自然が休養をする、とわたしたちは言う。
そのじつ、自然は死にもの狂いで突貫しているのだ」(『園芸家12カ月』中公文庫)。枯れて黙したような身の内に、木々は深く春を抱くのである

▼この週末、天気図は冬の曲線を描いて、北日本は雪景色が広がった。
〈寒波急日本は細くなりしまま〉阿波野青畝(あわのせいほ)。
はしりから本番へ、今年の冬はきっぱりやって来たようだ。
生姜湯(しょうがゆ)でもすすって、腹を据えるとする。
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争点「復興」どこへ 衆院選・議論の外…被災地怒りと失望

争点「復興」どこへ 衆院選・議論の外…被災地怒りと失望
2012年12月02日日曜日 河北新報

東日本大震災後、初めてとなる衆院選(4日公示、16日投開票)で、政治が優先的に取り組むべき「震災からの復興」が争点からかすんでいる。

11月30日の党首討論会でも、被災地については議論が交わされずじまい。
国政の主要な課題に隠れ、埋没した感すらある。
「見捨てられた思い」「震災を忘れたのか」。
被災地に怒りと失望、落胆が渦巻く。


 岩手県釜石市平田の平田第6仮設団地の自治会長を務める森谷勲さん(70)は「被災地の復興は置き去りにされているようだ」と政治不信を募らせる。

 240戸ある同市最大の仮設団地には、野田佳彦首相をはじめ政府・与党の幹部が訪れた。
森谷さんはその都度、早期復興を訴えた。

 「社会保障も国の財政もしっかりしないと復興はままならない。だから、消費税の増税も賛成だ」と話す。
そうした被災者の覚悟とは裏腹に、各政党は「被災地の将来」を語らず、離合集散ばかりを繰り広げる。「エゴ、保身にしか映らない」

 福島第1原発事故で福島県南相馬市から宮城県亘理町のみなし仮設住宅に避難する女性(58)は憤る。

「古里を追われた 私たちに、政治は真剣に向き合わない。見捨てられた思いだ」

 民主党は「復興が最重点」、自民党は「まず、復興」、日本維新の会は「復興のための体制づくり」、公明党は「復興日本」とうたう。
共産党や社民党は復興予算の「流用」阻止を掲げる。

 しかし、各党が意見を戦わせるのは専ら、エネルギー政策としての原発、環太平洋連携協定(TPP)、経済政策だ。

 宮城県東松島市商工会の橋本孝一会長(64)は「選挙が近づくにつれ、復興が話題に上らなくなった。被災地がないがしろにされている」と言う。

 資材やマンパワーの不足、雇用の場の創出、復興予算の無駄遣い−と課題は残されたままだ。
橋本さんは「いずれも政治が解決すべき問題ではないのか」と訴える。

 自治体の首長からも注文が付く。奥山恵美子仙台市長は会見で、復興の議論が不足していると苦言を呈した。

 菅原茂気仙沼市長も「これからでも構わない。立候補者が被災地の直面する課題の解決方法を明確に示し、選挙戦に臨んでほしい」と話す。
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2012年12月03日

中央道トンネル崩落 後手に回った対応

クローズアップ2012:中央道トンネル崩落 後手に回った対応
毎日新聞 2012年12月03日 東京朝刊

◇老朽化対策、先月から 「経年劣化」の指摘も−−高速3社

天井板の崩落事故が発生した山梨県の中央自動車道・笹子トンネルは、供用開始から35年が経過しており、中日本高速道路など高速3社は先月、道路全般の老朽化対策について検討を始めたばかりだった。

専門家からは経年劣化の可能性が指摘されるとともに、点検方法の見直しや早期の原因究明を求める声が上がった。

 中日本高速道路によると、笹子トンネルは中央道の起点・高井戸インターチェンジ(東京都杉並区)から82・7キロの地点にあり、全長4784メートルで77年12月20日開通。
崩落した天井板はプレキャストコンクリート(PC)板と呼ばれ、板1枚は幅5メートル、奥行き1・2メートル、厚さ8〜9センチ、重さ約1・2〜1・4トン。
これを左右に1枚ずつ並べ、両端はトンネルの壁に固定し、中央部分はトンネル最上部からつり金具で固定していた。


 つり金具は板の奥行きと同じ1・2メートル間隔で設けられ、金具と金具の間には隔壁がある。

隔壁は天井の上の空間を左右に分け、片方はトンネル内の車の排ガスを換気機を使って排出する排気用、もう片方は外部の新鮮な空気を取り入れる送気用として利用しており、これは「横流(おうりゅう)換気方式」と呼ばれる。

 このトンネルの天井が約130メートルにわたり崩壊。
つり金具部分も落ちる一方、天井板の両端はトンネルに固定されたままで、V字形になった。
施工は76年8月から77年9月に大成建設と大林組の共同企業体が行い、点検は中日本高速グループの中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京(東京都新宿区)が担当していた。


 同社によると、天井の点検は技術者の目視と専用のハンマーを使った打音で行われ水門直仁・経営企画課長は「技術者はたたいた時の反発や音で劣化の有無についてある程度目安はつく。
一番信頼性が高い方法で、他のトンネルや業者でも同様だ」と説明した。

 一方、近年は天井がなく、ジェットファンや車の流れでトンネルの出入り口で換気する「縦流(じゅうりゅう)換気方式」が主流とされる。
横流方式には構造物が多くコストがかかる一方、縦流方式は安価なため普及したという。


 中日本高速は「トンネルの更新計画はなかったが、経済性や、天井板があると圧迫感があるので縦流方式の方が好ましいと考えていた。
でも工事には長期間の通行止めが必要なので、簡単ではない」と説明した。
【池田知広、神足俊輔】

 ◇建設30年以上、高速道36%

中日本、東日本、西日本の高速3社の管理する全国の高速道路は総延長(約8700キロ)の36%にあたる3200キロの区間が建設から30年以上たつ。
利用台数量は1日当たり約700万台、大型車の通行台数も約200万台に上り、老朽化や交通の多さから橋脚の鉄筋の腐食など急速に傷みが進み、補修が追いついていない状況だ。


 このため高速3社は先月、土木工学などの専門家による技術検討委員会を発足。
道路の大規模な修繕など老朽化対策について検討を始めたばかり。
ただし、具体的な検討は「これから入るところだった」(中日本の吉川良一保全・サービス事業本部長)という。


 また、笹子トンネルは70年代、会計検査院が高速3社の前身で当時の日本道路公団に対し、強度不足を指摘していたという。

吉川本部長は「指摘は承知している。土が軟弱で建設に苦労したトンネルだったが、指摘を受けて補強した。
今回の原因と直接結びつくとは考えていない」と述べた。


 建設省(現国土交通省)は74年、トンネルの建設や維持管理の基準として「道路トンネル技術基準」を策定。

日本道路協会が93年にまとめた基準の指針「道路トンネル維持管理便覧」は、高速道トンネルの定期点検頻度を2〜5年に1回程度とし、天井板については変形や破損、漏水がないか点検するなどの基準を示す。

実際の点検は各社がそれぞれ策定した要領に従って実施。
国交省は各社に、天井板の材質や構造について耐久性や維持管理可能な設計を求めているが、具体的な指導や監督はない。
【桐野耕一、樋岡徹也、石山絵歩】

==============
◇天井板が設置されているトンネル

 ※中日本高速道路の発表による


 <東日本高速道路>

 (1)圏央道   菅生トンネル(東京都)
 
  <中日本高速道路>

 (2)中央道   笹子トンネル(山梨県)
 (3)中央道   恵那山トンネル(長野−岐阜県)
 (4)東名高速  都夫良野トンネル(神奈川県)
 (5)新東名高速 富士川トンネル(静岡県)


 <西日本高速道路>

 (6)第2京阪道 京田辺トンネル(京都府)
 (7)第2京阪道 長尾東トンネル(大阪府)
 (8)第2京阪道 長尾台トンネル(同)
 (9)山陽道   志和トンネル(広島県)
(10)山陽道   安芸トンネル(同)
(11)山陽道   武田山トンネル(同)
(12)国道2号  関門トンネル(山口−福岡県)

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近事片々:安全神話の“経年劣化”

近事片々:安全神話の“経年劣化”
毎日新聞 2012年12月03日 12時59分

 トンネル最上部の結合部分、安全確認「目視」で。透視術のあらばこそ。

 重大事故が起きてから一斉緊急点検。
既視感がある、この風景。
安全神話の“経年劣化”は至るところに。

    ◇    ◇

 猫の目原発政策発言。互いにふらふらしながら、自分は不動で相手が揺れた、ぶれた、と言い募る奇観。
足元を固め、票の行方より、日本の行方を語れ。

    ◇    ◇

 北の揺さぶり「ミサイル外交」再稼働。
空より地を見よ、足元を、と説けど、いや足元が大変なので、みなの視線を空へ、といういつもながらの策か。

    ◇    ◇
 <みな黙りしときや枯葉の裏がへる>加藤楸邨(しゅうそん)
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2012年12月04日

衆院選きょう公示 悩み抜いた一票が力に

衆院選きょう公示 悩み抜いた一票が力に
2012年12月4日   東京新聞社説

 どの政党、候補者に政権を託すのか、実に悩ましい選択です。
でも、これだけは信じたい。悩み抜いた一票一票の積み重ねが政治を変える力になる、と。


 衆院選はきょう公示されます。
投開票は十六日です。
十二日間の選挙運動期間中、街頭も、われわれ新聞やテレビなどのメディアも多少騒々しくなりますが、私たちの今と将来を選択する機会です。
民主主義の「コスト」と思って、耳目を傾けることにしましょう。

 でも、自宅に届いた投票所整理券を見て、考え込んでしまいました。
どの政党、候補者に票を投じればいいのだろう、と。

◆民主の業績評価は

 初めて投票所に足を運んだ三十年近く前から、何回か国政選挙で投票しましたが、今回ほど悩ましい選挙はありません。
特定の支持政党や支持候補を持たない「無党派」有権者の多くが同じ思いをしているのではないでしょうか。


 その最大の原因は民主党にあります。三年前の衆院選で有権者は閉塞(へいそく)状況にあった自民党政治からの転換を民主党に委ねました。


 もちろん、この三年間にある程度前進したものもあります。子どもを社会全体で育てる理念や外交文書などの行政情報公開です。


 しかし、国民が期待する「政治家主導の政治」実現には程遠く、東日本大震災や原発事故では政権運営の未熟さも指摘されました。


 そして行き着いたのが、マニフェスト破りの消費税増税です。
国民の多くが増税はいずれ避けられないと覚悟していても、「一体」としていた社会保障の抜本改革は先送りされ、行政や国会の無駄遣い根絶もほとんど手付かずです。

 衆院選は政権政党にとって業績評価投票でもあります。続けて政権を託そうと考える有権者が少ないだろうことは、報道各社の世論調査結果が示しています。

◆原発排除せぬ自民

 では、自民党政権に戻せば、有権者の期待に応える政治が実現するのでしょうか。そう言いきれないところが悩ましいところです。


 例えば原発・エネルギー政策。
本紙の最新全国世論調査では原発稼働ゼロを求める意見は半数を超え、政府の討論型世論調査でも二〇三〇年の原発比率「0%」を評価する人が46%と最も多かった。

 政府が新エネルギー政策の策定に向けて実施したパブリックコメント(意見公募)でも約九割が原発ゼロを支持しています。
もはや原発ゼロは「国民の声」です。


 
人命を危うくし、故郷を奪う原発は、生きとし生けるものの命や生まれ育った故郷を大事にする日本人の精神構造と相いれません。

 自民党の政権公約は、原発再稼働の可否について三年以内の結論を目指し、十年以内に「電源構成のベストミックスを確立する」としています。
つまり原発稼働継続の選択肢を排除していません。


 ふるさとを大事にする保守を自任してきた自民党が、なぜ人々からふるさとを奪う可能性のある原発継続の道を残すのでしょう。


 原発は各党が公約しています。民主党が「三〇年代の原発ゼロ」、日本維新の会が「脱原発依存体制の構築」、日本未来の党が「十年以内の完全廃炉」などです。


 掛け声だけで脱原発は実現しません。省エネルギー推進や再生可能エネルギーの開発・普及、発送電分離など電力システム改革、使用済み核燃料問題など課題は山積です。
どの党の公約に実現性があるのか、見極める有権者の目も試されます。


 もう一点、気掛かりなのは憲法です。安倍晋三総裁の路線なのでしょう。
自民党は政府の憲法解釈で違憲とされる「集団的自衛権の行使」を認め、憲法改正で自衛隊を国防軍とすることを公約に掲げました。


 しかし、戦争放棄を定めた九条の解釈変更や改正は日本が戦後、平和国家として歩んできた「国のかたち」を変え、国益を著しく損なう可能性があると考えます。


 米国の誤ったイラク戦争に深入りすることを阻んだ憲法解釈を変えたり、国民に定着し、国際的にも認められた自衛隊を、国防軍にしたりする必要があるのか。


 憲法改正論議は突き詰めれば九条をどうするかに行き着きます。「改憲」か「護憲」か。古いようで実は、新しい争点なのです。

◆真贋を見極めたい


 社会保障、景気・雇用対策、消費税増税にも高い関心が集まります。
乱立する政党、候補の公約の真贋(しんがん)を見極めるのは大変な作業です。
投票日までは自分たちの生活と子どもたちの将来を考える期間と割り切ったらどうでしょう。


 ポピュリズム(大衆迎合)批判は声高ですが、主権者は日本国民たる私たちです。主権者の意に反する政治は民主主義ではありません。
われわれ新聞も読者とともに悩み、考えます。月並みですが、それが政治を変える、と信じて。

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2012年12月05日

距離感つかめる人選び

香山リカのココロの万華鏡:距離感つかめる人選び
毎日新聞 2012年12月04日 東京地方版

北海道でひとり暮らしの母親に電話をしたら、「今年は寒いし雪も早い」と言っていた。
風雪により大規模停電が起きて、寒い中、暖房器具も使えずに夜を送った人たちもいたようだ。
母も「近所のコンビニまで行くのもたいへんなのよ」と言っていた。
自然の猛威がすぐに“死活問題”にまで発展するのだ。

東京にいると、テレビのニュースでそんな北海道の映像を見ても、なかなかピンとこない。
私も母親がいなければ、「へー、たいへんね」という以上の関心も持たなかったかもしれない。

つまり、私たちにとって、自分に直接、関係のないできごとを理解したり気持ちを寄せたりするのは、とてもむずかしいことなのだ。
「人ごとだよね」と積極的に冷たい態度
を取らなかったとしてもどこかで「自分には関係ない」とそれ以上、考えるのをシャットアウトしてしまう。

しかし、これは私たちが自分を守るための知恵でもある。
遠い国や地域で起きている災害や紛争、事故にいちいち「もし私だったらどうなるだろう」「この人たちはどんな思いなのだろう」と感情を移入していたら、身が持たないからだ。
自分に直接、かかわらないことにはある程度、距離を置き、「私にはあまり関係ない」と言い聞かせることで、ちょっと安心することができる。

 自分以外のことに、どれくらいの距離を置くのか。
そして、どれくらい「この人たちはどんな気持ちなんだろう」と思いを寄せるのか。
このバランスは、それぞれが頭で考えて、自分で決めなければならない。

精神科の診察室で患者さんを診るということは、常にこの「距離の置き方」のバランスを考えるということでもある。
あまりにも接近しすぎて自分も動揺しないように、でも逆に距離を置きすぎて理解できなくならないように。

 さて、もうすぐ公示される選挙ではどうなのだろう。
それぞれの候補者たちは、有権者とどんな距離の置き方をするのだろう。
ひとりひとりの生活者たちとの距離を失って感情的になりすぎる人も困るが、とはいえあまりに高みから見下ろすような人も困る。

その「距離の置き方のバランス」が絶妙の人を探したいな、と思いながら、各党から立候補が予想される人たちの顔ぶれを見ている。


 「これぞ」という人が見つかりそうかどうか、それはここではあえて書かずにおくが、バランス感覚のある人探しは簡単ではないということは、誰にもわかるのではないだろうか。

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たくさんの人が「意味を勘違い」して使っている言葉

たくさんの人が「意味を勘違い」して使っている言葉
2012年12月5日(水)18時0分配信 美レンジャー

年賀状を書く時期になってきましたね。
口語や文語、敬語の使い分け。
日本語の難しさは公の機会があるたびに迷ってしまうもの。


通例化してしている言葉の中に、間違った日本語が使われているのをよく目にします。
今回は彼氏や友人の前でも使わないように気をつけたい、ありがちな
思い込みを再検討です。


■意外と気付かない重複語の落とし穴


ひとつの言葉で意味が通じるのに、つい使ってしまうのが重複表現です。わかりやすいものを以下にあげてみました。


(1)お中元/お歳暮のギフト
お中元とお歳暮は、お世話になった方への贈り物という意味です。”ギフト”と重複していますね。
(2)一番最初/最後”
最も”がつく単語に”一番”をつけると同じ意味を繰り返すことに。

(3)後で後悔する
”後悔”とは必ず”後”にするものですよね。
(4)過半数を超える
過半数はすでに半分を超えていることです。
(5)余分な贅肉
余計な脂肪という意味ならば”贅肉”のひとことで伝わります。
(6)今現在
まさに”今”ということを強調したいのかもしれませんが、これも重複表現です。
(7)元旦の朝
元旦とは元日の朝のことです。
(8)クリスマスイブの夜
イブは前夜という意味ですよね。


実はこうした言葉はアナウンサーも間違ったまま発言していることも! ビジネスシーンなどでは特に気をつけたいところです。


■勘違いしやすい言葉の使い方


友人がしているちょっとした勘違いを正すのも気が引けますよね。
せめて自分だけは意識してみましょう。以下に、大人でも多い勘違いを紹介します。


(1)的を得た
的は射るものなので、”得る”ものではありません。
(2)熱にうなされる
夢にはうなされますが、熱には浮かされる、が正解です。
(3)合いの手を打つ
打つのは相づちです。正しくは”合いの手を入れる”。
(4)愛想をふりまく
正しくは”愛嬌をふりまく”。愛想は態度のことなので、振りまくことはできません。
(5)体調を壊す
体調は壊せないものなので、”体調を崩す”なら正解です。
(6)取りつく暇もない
多忙で暇がない、という意味ではありません。正しくは”取りつく島もない”で、冷たい態度をとられて会話のきっかけさえ掴めないことです。


グレーゾーンになっている言葉のひとつに”ご存知”があります。”知る”の謙譲語である”存じ上げる”が語源なので、”ご存じ”が正しいかたちですが、今では慣例によりどちらでも許される風潮に。


ひょっとしたら間違いに気付いている人も、聞き流してくれているのかもしれませんね!? 
他人の間違いにもあまり厳しくしないであげてみてくださいね

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2012年12月06日

松葉づえ通勤で見えたこと=元村有希子

記者の目:松葉づえ通勤で見えたこと=元村有希子
毎日新聞 2012年12月06日 01時14分

 ◇せめて優先席は空けておこう

 右足を骨折し、退院後も松葉づえの生活を送った。
つえから解放されるまでの約3週間、地下鉄で通勤したが、席を譲られることはまれだった。
知人や同僚は「信じられない」「東京の人は冷たい」と憤慨してくれたが、私は譲らなかった人を責めることができない。自分も同じようなものだったと、けがをして初めて実感したからだ。


 復帰初日の帰路。車内に空席はなく、私はドアの横に立った。
右足はつま先しか地面につけられず、松葉づえだけだと揺れる車内で立っていられない。
左手に2本の松葉づえ、右手で金属製の手すりを握り、片足で立った。正面に座っていたのは30歳前後の男性。
眠っていた。5駅目で彼が降りた後、席に座るまでの約15分間、私は誰からも席を譲られなかった。


 翌日は優先席に近いドアから乗った。
優先席には既に先客がいた。
20代と見られる背広の男性はスマートフォンに熱中。
うたた寝していた中年男性は、一度起きて私と目があったが、すぐに視線をそらし、再び寝た。


 混雑する車内では、座っている人の視界はいろんなものに遮られ、困っている人が見えにくい。
それが譲られない主な理由だった。
混雑していなくても、多くの人が寝るかうつむいている。
結局、3週間で電車に46回乗り、席を譲られたのは5回だった。

 ◇悪気なき“占拠”ルール違反では

 インターネット調査会社のマクロミルが08年に公表した、交通機関のマナー実態調査結果によると、電車やバスの中で「寝る」人は51%、「携帯メールをする」人は47%(複数回答)。

実際に観察してみると、ある日は6人がけの座席の全員がスマートフォンや携帯音楽プレーヤーで何かを聴いたり、携帯電話でゲームやメールに熱中していた。


 「座っている自分の前に松葉づえの人とかお年寄りが立ったら、『今日は運が悪い』と思う」とは知人の弁。
そういう時どうするか聞いたら「こっちも疲れている。ごめんなさい、と心の中でつぶやいて寝たふりをする」。多くの乗客の本音かもしれない。


 松葉づえは、それだけで「席を譲ってほしい」というプレッシャーと「嫌な感じ」を与えているのだろうか。
私はなるべく優先席スペースに立つようにした。
とはいえ、優先席スペースも通勤時間帯は疲れた通勤客で埋まる。
ゲームやメールやうたた寝に忙しく、周囲を見回す様子はない。


 もとより優先席スペースでは「携帯電話(スマートフォンも)はOFF」がルールである。
なのにそれすら守られないのはおかしな話だ。
怒ったりあきれたりしながら、骨折する前の自分だって空いていれば優先席に座り、時にはうとうとしていたことを思い出した。

 だから「優先席には座らないようにしませんか」と提案したい。
松葉づえという分かりやすい目印があってもこの状況ならば、目印のない不自由を抱えている人はどれだけ困っているだろう。存在に気づかないまま優先席に座り続けることは、悪気がなくてもルール違反だと私は思う。


 優先席は1970年代、障害者の雇用を進める法律の改正を機に広がった。
障害者と高齢者を想定し「シルバーシート」と呼ばれたが、最近は「優先席」「思いやりシート」などと名前が変わっている。
若くても病気を抱える人や妊婦、赤ちゃん連れの人などに対象が拡大したためだ。

 ◇見えない不自由知らせるマーク

 東京都は10月末、人工関節や義足、内部障害など、外見からは分からない不自由を抱える人がかばんにつける「ヘルプマーク」を作った。
都営地下鉄大江戸線だけで試験的に導入し、3週間で希望者に4000個を配った。「マタニティマークのように広がってほしい」と、担当者は期待する。

「マタニティマーク」は06年、鉄道16社が一斉に導入。出産間際まで仕事を頑張りたい女性たちの通勤を支え、全国に普及した。


 優先席はその名の通り、配慮が必要な人のためのものだ。
03年に「全席優先席制」を導入し、全席で譲り合いを奨励した横浜市営地下鉄は今年、乗客の要望で優先席を復活させた。
都営地下鉄は全路線で優先席を倍増させた。善意だけに頼っては解決しない、という対応だが、さまざまな人が共存する都会では現実的な方法だろう。


 けがをして、多くの人の親切が身にしみた。
建物のドアを開けて待ってくれていた人。
空席に向かって歩いている私を見つけて反射的に立ち上がった人。
人には善意がある。
その善意を生かせる仕組みで、もっと電車は使いやすくなるはずだ。

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2012年12月07日

生活保護 埋没ダメ 給付基準下げに危機感

生活保護 埋没ダメ 給付基準下げに危機感
2012年12月6日 東京新聞朝刊 

 生活保護の利用者が、衆院選の行方に危機感を強めている。
門戸を狭める政府の見直しは中断したが、民主や自民など、保護費を抑える政党の主張が目立つからだ。
制度の利用を線引きする基準が下がれば、最低賃金など他の低所得者の制度にも影響するが、ほとんど話題にならない。
利用者らは、「重要な争点なのに」命の最低ラインを下げないで」と訴える。 (橋本誠)

「私たちの声を聞いてください」「最低限の生活を保障しろ」
 五日夜、冷え込む東京・永田町の歩道。
生活保護見直しに反対する利用者や支援者が、国会や首相官邸に向かって声を上げた。
財務省前でも「生活保護基準切り下げ反対」と訴えた。

 今でも、利用者の生活はぎりぎりだ。
先月下旬、東京・永田町で開かれた「全国生活と健康を守る会連合会」と厚生労働省との交渉に出席した毛利吉彦さん(78)=福岡県=は「近所付き合いもできない」と訴えた。
「お茶に誘われても断らなくてはならず、香典も出せない」というのが理由だ。

 家賃三万円のアパートで、病気がちな妻と二人暮らし。
二〇〇四年三月、脳梗塞で倒れ、三十年以上勤めた会社を解雇された。
直後、四十五歳の息子が肺がんで他界。
蓄えを治療につぎ込んでいたため、生活保護に頼るしかなくなった。
小泉改革で月約一万八千円の老齢加算が廃止に。
朝食は食パン一枚という。

 政府の見直し案では、働ける年齢層には「就労支援」の強化が叫ばれている。
札幌市内のシングルマザー(31)は「働きたくても仕事がないんです」と訴える。
二人目の子の妊娠で、生活保護を受給。
産後一カ月で就労指導を受けたが、子どもがいるだけで面接さえ受けられない企業が多かった。

 新宿区の男性(42)は、これまで首相官邸前などの抗議行動に参加した。
五年前、日雇い派遣先の仕事が無くなり、生活保護を受けるようになった
「貧困のことを知っている政治家に頑張ってほしい」と願う。

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人権守る話聞こえない 野宿者の排除進める中、選挙カー素通り

人権守る話聞こえない 野宿者の排除進める中、選挙カー素通り

2012年12月7日 東京新聞朝刊

衆院選と東京都知事選のダブル選挙のさなか、江東区が亀戸駅近くの竪川河川敷公園周辺で野宿する人たちの排除を進めている。
「どんな暮らしをしていても、生きる権利は平等なはず」。
選挙権も行使できない人たちのもどかしさは募る。 (小林由比)


  「これはいじめじゃないか」。
冬の冷え込みとなった五日朝。
首都高の高架下にある公園に、ヘルメット姿の区職員やガードマンが大挙し、公園の入り口を封鎖した。
野宿者たちのテントがある川堤との間に、高さ二メートルの鋼板が次々と取り付けられていった。


野宿者と支援者が区職員らともみ合っているわきを、選挙カーが通ったが、そのまま通り過ぎた。「地元で起きていることなのに、降りてもこない」。
一年半ほど暮らす男性(54)が吐き捨てるように言った。 」。


 公園の再整備を機に、区は三年ほど前から立ち退きを強く求めるようになった。
今は追い出された十人ほどが公園のわきで暮らすが、この日の「隔離」で、トイレや水道が使えなくなった。
郡司春彦さん(53)は「おれたちに人権はないのか」と悔しがった


二十年ほど前まで、横浜で荷役をしていた。
「そのころ区議選の投票をしたのが最後だな」。
以来、住所が定まらない生活をしてきた郡司さんの元には投票券は届かない。
「投票はしたい。でも、今は今日、明日の自分と仲間のことを考えるので精いっぱい」。
ラジオで選挙のニュースはよく聴いている。
「原発とかTPPも大事。でも根っこの話で、人権を守るのが大事ってことを言う人がほとんどいないもんな」


 仕事に就けなかったり、低賃金で貧困にあえぐ人がいる一方で、過労死するような働き方を強いられていることにも矛盾を感じる。
「少し賃金が下がってもさ、仕事を分け合う働き方もあってもいいと思うんだけど」


 公園わきで野宿する人の中には、東日本大震災の津波で母親と家を流された人もいる。
支援を続けている山谷労働者福祉会館の向井健さん(40)は「被災地に寄り添うのと同じ気持ちで、別の理由で家をなくした人々についても寄り添う社会になれば」と願う。
都市が抱える大きな課題に、多くの候補者が触れることがないのが気掛かりだ。
「有権者に関心を持ってもらうためにも話をしてほしい」


<竪川河川敷公園の野宿者への対応>
 江東区は2009年度から4年間の計画で、東西2キロの公園の改修を開始。
工事に支障があるとして、昨年度の工区にあった野宿者のテントに対し立ち退きを求める手続きを進め、今年2月、工区に残ったテント1張りに行政代執行を行った。
その後、工事が終わった場所に移った野宿者に対し再び撤去の手続きを開始。
テント1張りに対し、今月3日から7日に撤去を行政代執行すると警告していた。


 区は現在野宿者たちが暮らす場所も公共用地であるとして立ち退きを要求。
「一般の人が公園を使えるようにするため」として5日、公園に出入りできないよう工事した。

区は一連の手続きについて、「無料アパート提供や生活保護受給の手続きなど支援策は講じてきた。自主的に撤去してもらえずやむを得ない」としている。

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2012年12月08日

余録:1941年の対米英開戦の前…

余録:1941年の対米英開戦の前…
毎日新聞 2012年12月08日 00時18分

1941年の対米英開戦の前、政権を投げ出した近衛文麿(このえ・ふみまろ)の後継首相に東条英機を指名したのは内大臣の木戸幸一だった。
彼は戦後30年を経て「どう考えても僕にはあれしかなかった」
「東条推薦は失敗だというのは結果論だ」と語った

▲「結果論」といわれても、300万の国民とそれを上回る他国民の生命を奪うという途方もない「結果」だった。
およそ政治は結果責任がすべてならば、そこに政治
はなかった。
勝田龍夫著「重臣たちの昭和史」によると、木戸自身は次のように当時を回想している

▲「もう選択の余地がなくなっちゃったんだ。政治家はみんなどこかに隠れてしまって」
「東条は生真面目だ。政治家でもないんですよ、あの人は、軍人ですよ」「おそらく他の大臣を持って来ても戦争は始まったでしょう」「戦争すれば負けると思ったんだ、僕は」

▲こう見ると開戦必至で、敗戦は不可避だから東条にやらせたとも受け取れる物言いである。
何も今さら木戸の責任をあげつらいたいのではない。
「政治」というものの底が抜けた国がどんな運命をたどるか−−衆院選さなかの開戦の日を前にそれを思い起こしたのだ

▲現代の首相を選ぶのは内大臣ではなく、衆院選の有権者である。
では政治の求心力が失われ、責任の所在もはっきりしない国の迷走が続くというのは、はて昔の話か今のことか。
辛うじて、その先の運命を選べる私たちだ

▲「選ぶ政治家がいない」「誰がやっても同じ」「どうせ世の中は良くならない」。
どこかで聞いた嘆きをもらす向きもあろうが「結果」は自らにふりかかる。
まず政治の底を固める有権者の1票だ。
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真珠湾から71年 96歳の誓い 元ゼロ戦兵 非戦語る

真珠湾から71年 96歳の誓い 元ゼロ戦兵 非戦語る
2012年12月8日 東京新聞夕刊

太平洋戦争が開戦した七十一年前のきょう、長野市の原田要(かなめ)さん(96)は、零式艦上戦闘機(ゼロ戦)のパイロットとして旧日本軍によるハワイの真珠湾奇襲に参加した。
いまは語り部として講演で実体験を伝え、平和を守ることの尊さを訴えている。 
(森若奈)

「米国有数の軍港の攻撃に出られるとは、男冥利(みょうり)に尽きる」

 一九四一年十二月八日、二十五歳だった原田さんは武者震いしたという。
だが、与えられた任務は攻撃隊の上空護衛で戦闘の機会はなく、戦果を挙げて帰還した戦友が英雄視される姿を見て悔しさが込み上げた。


 翌年四月、英国軍の基地があったセイロン島(現スリランカ)の戦闘で初めて空中戦を経験。
敵機の一撃をかわして後方につき、仲間と一緒に五機を撃墜した。
瞬間は「自分がやられなくて良かった」という安堵(あんど)と「うまく当たった」という思いが広がった。
その後に、最期を悟った敵パイロットの恨めしそうな顔がよみがえった。


 その後も激戦を生き延びたが、ガダルカナル島の戦闘で撃墜されジャングルを二日間さまよって生還。
終戦は日本内地で迎えた。

今も「人を殺してしまった感覚は一生抜けない」という。


 戦後は地元に幼稚園を設立し、二年前まで園長を務めた。
「人をあやめた罪を償うとともに、平和を大事にする大人を育てたい」という願いからだ。


 「言うと思い出すから」としばらくは多くを語らなかったが、一九九一年の湾岸戦争が沈黙を破るきっかけになった。

 米軍の空爆映像を「テレビゲームみたい」と表現した日本の若者に「あの先で一番弱い人間が犠牲になっていることを分かっているのか」と危機感を覚えた。
以来、長野県内を中心に講演し、自らの厳しい体験を語り続けている。


 最近危惧するのは、対中関係悪化などで威勢のよい「ナショナリズム」を叫ぶ風潮が高まっていること。「武器を持てば、私がやったようなことになってしまう」と、非戦を貫く大切さをこれからも伝えたいという。
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2012年12月09日

政党紙配布判決 言論を封殺せぬように

政党紙配布判決 言論を封殺せぬように
2012年12月8日 東京新聞社説

 政党紙を配布した国家公務員二人に最高裁が、無罪と有罪の分かれた判決を出した。
ビラ配布を相次いで摘発した日本政府に国連が「懸念」を表明していた。
自由な言論が封殺されぬことを望む。

「憲法九条は日本国民の宝」

 そんな内容の新聞を配布しただけで、男性は逮捕された。
共産党の機関紙「赤旗」で、男性が旧社会保険庁の職員だったから公務員の政治的中立を求めた国家公務員法違反に問われた。


 逮捕は二〇〇四年だ。最高裁で「無罪」となるまで、実に八年間も要した。あきれるほど長い。


 捜査自体も異様だったといえる。
男性は二十九日間も尾行された。
多い時は十一人もの捜査員を繰り出し、四台の捜査車両を使い、六台のビデオカメラを回した。
そんな人員と税金を投入するほど、重大な事件なのだろうか。


 当時は、自衛隊のイラク派遣に「反対」と書いたビラを配布した市民団体や、政党ビラを配った僧侶らも相次いで摘発された。
いずれも政府批判の言論ばかりが、狙い撃ちされた印象だった


 国連の自由権規約委員会は〇八年に「懸念」を表明し、日本政府に表現の自由への不合理な制限を撤廃すべきだと勧告した。


 欧米などの先進諸国は、勤務時間外や勤務場所以外の政治活動は自由である。

公務と私生活を区別せず、全面的に政治活動を禁止し、反すると刑事罰を与えているのは、日本だけといわれる。

今回の無罪判決は、国家公務員法の「政治的行為の制限」に風穴をあけた意味を持つ。

 二人の裁判は「政治的中立性を損なう恐れが実質的に認められるか」が、判断の分かれ目だった。

厚生労働省の元課長補佐の場合は、その地位を重くみて、「行政の中立的運営に影響を及ぼす」とされ、有罪となった。


 だが、反対意見も付いている。
被告が「一市民として行動している」と考え、「無罪とすべきだだ。」と述べたのだ

同じ政党紙配布という行為でありながら、無罪・有罪と食い違ったのは、説得力に乏しい。


 そもそも公務員を完全に政治的中立とすること自体が、“虚構”の上に成り立っていないか。法改正も検討するべきだ。


 言論ビラの配布は、表現の自由の一手段だ。
政府への批判は、民主主義の“栄養分”である。国の行方が見えぬ時代こそ、モノを言う自由を大事にしたい。

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2012年12月10日

道路だけじゃない 老朽化原発にもアンカーボルトはワンサカある

道路だけじゃない 老朽化原発にもアンカーボルトはワンサカある
2012年12月6日  日刊ゲンダイ掲載


台湾では金属疲労で大騒ぎ

人が亡くなった中央道「笹子トンネル」の天井板崩落事故は、劣化した構造物のモロさと怖さをあらためて感じさせた。

中日本高速道路は、事故後、トンネル最上部と天井板をつっていた「つり金具」を固定するアンカーボルト(23センチ)が抜け落ちていた事実を明かし、これが事故の原因につながった可能性が高い。

 4日に崩落現場を視察した国交省の調査検討委員会によると、ボルト自体に目立った腐食は見られなかったといい、今後はボルトの埋め込みに使われた接着剤の劣化などを含めて詳細な調査を行う。

 アンカーボルトはトンネルに限らず、橋梁(きょうりょう)やビルなど、ありとあらゆる構造物に使われている。いわば「基礎」そのものだ。
基礎」を失った構造物がいかにヤワで壊れやすいか。今回の事故で、それがよく分かった。

 となると、当然、あの重大施設に使われているボルトの劣化が不安になってくる。老朽化した「原子力発電所」である。

40年近くにわたって原発問題に取り組んでいるNPO法人「原子力資料情報室」も原発で使われているボルトの耐久性について警鐘を鳴らす。

「笹子トンネルと同タイプではないにしても、タンクや配管、鉄塔などの固定にアンカーボルトは多く使われています。強度は計算されているでしょうが、地震が続けば耐久性が持つのかどうかは分かりません」

 原発施設で使用されているボルト劣化の懸念は決して大げさじゃない。実際、台湾第2原発では、3月にアンカーボルト7本の破損が判明して大騒ぎになった。台湾電力の調査で、原因は「金属疲労」だった

 日本では77年の笹子トンネル開通よりも前に運転を開始した老朽化原発がゴロゴロある。

事故を起こした「福島原発」や「敦賀原発」「美浜原発」「高浜原発」「玄海原発」などだ。
これらの施設に使われているボルトが原発稼働中に一斉に外れたら……なんて、考えただけでゾッとする。
やっぱり「廃炉」しかない
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私の視点 読者から 景気回復願う切実な声 衆院選

私の視点 読者から 景気回復願う切実な声 衆院選
産経新聞 12月8日(土)14時49分配信

■離合集散 政治家の姿勢に疑問符

多くの政党が、それぞれの争点を掲げて支持を訴える今回の衆院選。
有権者の方々に「私の視点」を募集したところ、多くの意見が寄せられた。
景気・雇用、原発、社会保障など個別の政策に加え、政治家の姿勢についても厳しい意見が相次いだ。

景気対策については、切実な声が相次いだ。

 「自分の勤めている会社は大企業からの受注で成り立っていて、景気の影響を受けやすい。景気が上がれば税収も増えるので、景気をよくする政策を打ち出す政党に期待している」と景気回復を願うのは千葉市美浜区の会社員、赤木久(ひさし)さん(58)。
 「景気対策が一番。景気の上昇に答えが出そうな政党に一票を託したい」という大阪市中央区の建築士、青木善雄さん(76)は「多くの党が卒、脱原発を発信しているが、雇用問題や操業短縮を強いられている製造工場などを検証した上での発言か首をひねりたくなる」。

京都市北区の大学生、山本佑子さん(20)は「原発がなくても安定的に電力が確保できるか不安。厳しい批判にさらされても原発を推進すべきだと主張する政党を応援したい」と、脱原発政策が景気や雇用に影響を及ぼすことを懸念する声が寄せられた。
一方、水戸市の鍼灸(しんきゅう)師、葛野隆紹(たかつぐ)さん(61)からは「開発費用や燃料費だけでなく、使用済み燃料の処理や事故後の除染などの費用も含め検討してほしい」と原発停止を求める意見も。

暮らしに密着する問題では、「働きながら3人目の子供を妊娠中」という名古屋市千種区の非常勤講師、加藤加奈子さん(31)から、「保育園の拡充や男性の育児休暇の取得など働く女性が子育てをしやすい環境を整えてくれる政党に期待したい」という声が届いた。

 社会保障については大阪府東大阪市の主婦、宮本恵子さん(72)が「戦後の日本を築いたのは私たちの年代。
辛抱を美徳としてひたむきに頑張ってきた。
今の政治家たちには私たちの気持ちは全く分かっていない」と高齢者の立場から政治家を批判。

支える世代の東京都世田谷区、会社員、持木瑛宏(もちき・あきひろ)さん(29)は「消費増税の賛否だけではなく、財源を確保して問題を解決するため現実的な計画が立てられているかを見極めたい」と持続可能な制度づくりを求める意見を寄せた。

 公示直前に政党が離合集散した今回の衆院選では、政治家の姿勢を問う意見も多く寄せられた。

 大阪市天王寺区の無職、宇田川美奈子さん(45)は「小泉チルドレンから始まり、わけの分からない人が国会議員になりすぎだ。もっと勉強した人がなるべきだ」。

同市東淀川区の自営業、川西英二さん(55)は「選挙では、どちらにつけば有利かなどしか考えていないのではないかと不信感が募っている」と、政治家の力量や姿勢に疑問を投げかける。

 政党が数多く名を連ねる状況には、同市住吉区の会社役員、熊佐恭造(くまさ・きょうぞう)さん(63)から「政党には党の目指すべき綱領を発表させることが必要。選挙目当てや政党助成金ほしさに徒党を組む政党を許してはならない」と野合を懸念する意見が寄せられた。

 一方で、新しい政治の動きに期待する声も届く。
京都市中京区の会社役員、田附剛士(たづけ・たけし)さん(63)は「(政党や政治家は)信念が確固たるものであればよい。

党や政策の下に集まっても、一人一人意見が違うのは当たり前。
心の底から信念を持って政策を述べているのならば、それで良いではないか」と、意見の対立を乗り越えて問題を解決していく政治家の出現を期待した。
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2012年12月11日

すっかり総理になったつもり ユルユル安倍総裁“選挙違反”騒動

すっかり総理になったつもり ユルユル安倍総裁“選挙違反”騒動
2012年12月10日  日刊ゲンダイ掲載


すっかりソノ気だ。すでに勝つ気で日米首脳会談を打診 

自民党の安倍晋三総裁が、来年1月中旬の訪米を米側に打診したという。
政権復帰を前提にしているとはいえ、オバマ大統領と「首脳会談」を行う方向で検討しているというから、おいおい、ちょっと待てよ、だろう。

「大マスコミが序盤から『自民党優勢』と報じたもんだから、安倍さんは『踊らされ、惑わされ、有頂天になるな』なんて文書を、公認候補全員に送ったんです。
それなのに当の本人がすでに総理気取りでは、引き締められるわけがない」(自民党関係者)
「過半数確保」を予測する大マスコミも複数あるし、「『安倍総理』誕生決定的!」なんて報じる週刊誌もある。

 安倍の頬がさらに緩むのも仕方がないが、世論調査とは打って変わって自民党が惨敗した98年参院選の例もある。

 投票まで残り1週間。00年の森元首相の「神の国発言」みたいに失言しないとも限らないのに、安倍は「緊張感が薄れているとしか思えません」(前出の関係者)。

それを象徴するような騒動が持ち上がっている。
10日発売の文芸春秋1月号。
「新しい国へ」と題した安倍の署名原稿が10ページにわたり掲載されている。

経済対策から日中関係、集団的自衛権など“政権構想”を展開しているのだ

もう勝った気なのだろうが、
このタイミングで詳細な政権構想を出すことに、はネットで「選挙違反じゃないか?」という声もある。

 「公選法では法定のはがきやビラ、パンフレット、書籍など以外の文書を選挙運動に使用することを禁じています。
だから個人のホームページの更新もダメなわけで、今回の安倍氏の寄稿も『法定外文書の頒布に当たるんじゃないか』という疑念です」(永田町事情通)

総務省は「内容を読んでいないのでなんとも言えない」と言っていたが、ま、これも浮かれすぎの安倍への批判と受け止めた方がいい。

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2012年12月12日

香山リカのココロの万華鏡:12月が身にしみる

香山リカのココロの万華鏡:12月が身にしみる
毎日新聞 2012年12月11日 東京地方版

 クリスマスや年末が近くなり、楽しい気分の人もいるかもしれないが、そうではないという人も多いだろう。

 とくに診察室にいると、「忘年会にパーティーでウキウキします」などという人に会うことはまずない。

クリスマスソングを耳にすると孤独が身にしみると涙ぐむシングルの女性、
人前に出ると緊張するのに取引先の忘年会に出なければならずにつらいと訴える会社員、
年賀状に「今年も無職です」と書くのかと苦笑する青年、
夫の実家への帰省を考えるだけで頭痛がしてくると顔をしかめる主婦。
みんな「12月なんてなければいいのに」とため息をつく。


 実は私も12月は好きではない。
「今年もできないことのほうが多かった」と自己嫌悪に陥るからだ。

しかし、診察室で肩を落とす人たちには、必ずこんな話をすることにしている。
「この季節、きらいですか。でも12月になったということは、今年もなんとか乗りきったということじゃないですか」


 これは慰めで口にしているわけではない。
私のような年齢になると、毎年、身のまわりでたくさんの知人や親族が病気になったりこの世を去ったりする。
「いよいよ仕事が立ち回らなくなったので、実家に帰ってひっそり暮らす。
もう連絡することはないと思う」などと言って、突然メールアドレスを変える友人もいる。

とにかくなんとか無事に1年を乗りきり、この季節までたどり着き、「今年もクリスマスか。
あまり楽しくないな」などとつぶやけるのは、実はとても幸せなことなのではないだろうか。


そんな幸福とも呼べないようなささやかな 「生きる喜び」を味わわなければならない私たちにとっては、「議席が何百まで伸びるか」「選挙後は連立で強大な政権を」といった“景気のいい話”にはあまり現実味が感じられない。


 ノーベル賞の授賞式のためにスウェーデンを訪れた山中伸弥教授は、「ずっと夢の中にいるよう」と語っていた。
もちろんこれは「いい夢」だが、大震災以降、いやそれよりかなり前から、日本にいる人たちの多くは「ずっと悪い夢の中にいるよう」と感じているのではないか。
ささやかな喜び、幸せを見つけなければ、私たちは生きていけない


でも、その中でも、満面の笑みをたたえた候補者を乗せた選挙カーが、「あと一歩です!」と大声を残しながら走り去る師走の街並みの中で、自分はどんどんテンションが下がっていくのを感じてしまった。

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2012年12月13日

子育て、雇用忘れないで=身近な争点、埋没懸念―働く女性、求職者ら【12衆院選】

子育て、雇用忘れないで=身近な争点、埋没懸念―働く女性、求職者ら【12衆院選】
2012年12月13日(木)5 時26分配信 時事通信 

約2万5000人に上る待機児童、厳しさが続く雇用情勢に過去最多の生活保護受給者…。
暮らしを左右する身近な争点が、原発の是非や大盤振る舞いの景気浮揚策などに隠れがちだ。

働く母親や失業者らは見極めの視線を厳しくしている。

 埼玉県草加市の女性(31)は「1歳の長女を私立保育園に預けているが、給料の半分が飛んでしまう」とこぼし、増税で恩恵が感じられない
子供手当より、保育園を小学校に上がるまで安く使えるようにしてほしい」と望む。

東京都杉並区の鍼灸(しんきゅう)師の女性(30)も「区から待機児童が200人以上いると言われた」とあきらめ顔。
「未来の子供に借金するような給付金でなく、制度を整備してほしい」と注文した。

 3歳の長女を持つ目黒区の主婦(40)は「少子化と言う割に子育てに優しくない世の中だ」と指摘。
「3歳未満の保育所利用拡大は幼児教育無償化より女性の社会復帰に役立ちそう」と各党の公約を注視する。

 渋谷区のハローワーク。区内の男性(41)は「書類選考すら通らず厳しい」と肩を落とす。
「脱原発の主張ばかりだが、経済が後退してしまうのでは」と雇用環境悪化を懸念した。
今年4月にリストラされ、ようやく再就職が決まったという世田谷区の男性(57)は「まだ働ける。自分たちの年代の能力を生かせる受け皿を作って」と話した。 
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2012年12月14日

「国民よ、茶番選挙にもっと怒れ!!」

未来の党 小沢一郎激白「国民よ、茶番選挙にもっと怒れ!!
2012年12月11日  日刊ゲンダイ掲載

維新の会は“新選組”に過ぎない

 大マスコミの選挙予測ではあまり伸びていない「日本未来の党」だが、今度の選挙戦での役割は重要だ。

談合3兄弟といわれる民自公に石原・維新も連携をにおわせ、選挙後には超タカ派連合の“大政翼賛会”ができそうだからだ。

それを阻止すべく、旗揚げしたのが「未来の党」なのである。その立役者、小沢一郎に現状の分析、今後の戦い方、これからの日本の政治の行方を聞いてみた。
 小沢は10日、都内6カ所で街頭に立った。
「久しぶりのことだよ」と笑ったが、危機感の裏返しだろう。

危機感とは、「未来」の行方もさることながら、このまま新聞が報じるような自民圧勝の選挙結果になったら、日本がとんでもないことになってしまう
そんな危機感が小沢を突き動かしたのも間違いない。

「前回選挙も政権交代ということで、日本の議会制民主主義においては大事な選挙でした。しかし、今回は特別です。このままでは昭和史の大政翼賛会のようになりますよ」
と、いう小沢は「今の政治家は常識では考えられない」と切り捨てた。

「まず、野田政権がなぜ、解散したのかが不可解です。
ほぼ負けるって分かっているわけでしょ。
多くの同志が討ち死にする。野田さんはもちろん総辞職です。
何を目指して、解散したのか。そうしたら、一部の幹部が生き残って、また自民党と政権をつくるって。
(茶番選挙?)そうですよ。
よく分からんよ、単純な頭には。
とにかく、常識では考えられないようなことが起こっている。
民主党というのは驚くべき政党になっちゃったね。
何でもあり。どうでもいい。とにかく、自分の保身だけ。
それと自民党はいっしょになってんだから。
国民を愚弄していますよ。国民はもっと怒らなければいけない」

 だから、小沢は民主党と決別したのだ。小沢が与党を出るのは2度目だ。
「昔は派閥を出るのだって大変といわれたくらいです。私は応援してくれる人がいるが、同志は大変な決断をしてくれた。そのことを国民にはもっと知ってほしい」

 ただ政権与党にいたい。そんな保身目当ての民主党のメンメンとは違うのである。

 本来であれば、そんなデタラメ既成政党に対抗すべく、第三極を一本化するのが理想だった。
「一本化すれば、間違いなく勝てた。しかし、一・五極みたいになっちゃった。
維新の会は誤算でしたね。
もともと自民党的体質だということは分かっていたが、石原慎太郎氏と組むとは思っていなかった。
だって、筋論、論理からすると考えられないんですよ。
石原さんっていうのは旧体制の人だからね。
維新というのは革命を指す言葉なのに幕府の補完勢力になるんじゃ、新選組じゃないかって言っているんです。 もう少し(橋下さんは)自分の論理を押し通す人だと思っていた」

 そんな連中がこぞって、「核武装」みたいなことを言っているのだから、ゾッとするのだ。

<あてにならない世論調査>

「安倍晋三さんは核武装の議論をしなきゃいけないと言っていました。
石原ナニガシもまた核武装の話をしている。
野田さんも核武装を言ったことがある。
こういう人たちが一緒になって、日本はどうするんですか。
非常に心配ですね。
中国は政権が代わった。
北朝鮮もそうです。世界不況が長引く中、経済的な問題は即、政治的問題になる。そんなとき、対応する能力やプランのない政権がただ威勢のいい話ばかりして、対立をあおれば、事態を悪化させるだけです。
中国と戦争するんですか。とんでもない話です」

 だからこそ、「未来の党」に期待がかかるのだが、小沢は意外にも「手ごたえを感じる」と言った。

「新聞テレビの調査はあてにならないんですよ。
(2000年の総選挙でも選挙前)自由党の支持率は2%くらいだったが、比例で600万票を取った。
前回の政権交代のときも民主党は直前まで自民党にリードを許していた。あのときほどの熱気はないにせよ、今回もここにきて、非常に反応がいいという報告が来ています。
僕がやった街頭も事前に何の予告もせず、いきなり行って、人っ子一人いないところで始めたんですが、次第に50人、100人くらい集まってきた。
中野や板橋など、人通りの少ないところで、あれだけの人が集まるのは相当な割合です。
(選挙情勢は)新聞が書くほど悪くないと思っていますし、自民党の圧勝予測だって、別に自民党が変わったわけじゃなくて、消極的なあきらめでしょ? その結果、翼賛体制になってもいいのか。
自分の判断で投票して欲しいと思います」

 小沢がそう期待するのは、もうひとつ、理由がある。国民の成熟度。これが変わってきたという。


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ネットを捨てれば心の病が治る?

ネットを捨てれば心の病が治る?
2012.12.14 17:00   R25編集部

“夜回り先生”こと水谷修氏が、7日の公式ブログで、心を病んでいるたくさんの人からの相談に対し、「心の病を簡単に治す方法」を紹介し、ネット上で話題をよんでいる。

夜回り先生によると、心の病を簡単に治す方法は、たった2つ。

1)昼間、ともかく徹底してからだを動かす。
10キロ以上は、歩き、美しいものにふれる。
ともかく、昼間くたくたになるまで、からだを疲れさせる。
そして、三食をきちんと食べる。

2)すぐに、インターネットや携帯電話、メールの機器を、捨てる
というもので、ネット上で注目を集めている。

まず、2ちゃんねるでは、特にこの2)の“ネットを捨てる”という部分に反応しているユーザーが多い様子。
2ちゃんねるのニュース速報板に立ったスレッド「夜回り先生 『心の病を簡単に治す方法があります。
1体を動かす 2インターネットや携帯電話を捨てる』」では、「これはホントだ」「ぐぬぬ正論だわ…」と納得する人がいる一方で、
「あたってるけどそれが難しい」
「正論だけどそれが簡単に出来ないから治らないんだけどね」
「その通りなんだが、一時的に全部止めて健康的になっても その後にそれらをコントロールできるかが問題なんだな」と、賛同しながらもネットから離れらることの難しさを説く人もいた。

また、「ネットあるから、こうやってオマエラともたわいもない雑談出来るのがすごくイイ気晴らしにもなるんだがな」
「今ネット捨てたら逆に鬱になりそう」
と、ネットの利点を強調する人も。

一方、ツイッターでは、水谷氏の意見のなかで「運動」についての言及が目立つ。
例えば、
「これ、ほんとだと思う。欝気味だったのがジョギング始めたらかなり消えた」
「ネットやメールは捨てる必要はないと思いますが、体を動かしたほうが良いのは私の経験上もそう思います。

ただ、鬱がひどい時は、体なんて 動かせません。そういう場合は、体の一部だけでも良いので日光に当てて、寝ていて下さい」という経験者の声
また、「夜回り先生の言ってることは間違ってはいませんが、本当に鬱の時は、クタクタになるほど体を動かすなんて無理です」

「健全な精神は健全な肉体に宿る、という言葉は完璧な人を褒め讃える言葉であって、どちらかに欠点、弱点がある人にはマイナスでしかないと思う」と、
「一概には言えないのでは?」といった指摘もあがっている。

個々人によっての“程度問題”であるため、いちがいに言い切るのは難しいだろうが、ネットと運動について改めて考えさせられた人が多かったのは間違いないようだ。
(R25編集部)
※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、web R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております
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2012年12月15日

勝谷誠彦氏「今こそ無知の知を自覚し、善い投票をしよう」

勝谷誠彦氏「今こそ無知の知を自覚し、善い投票をしよう」
2012.12.15 07:00     NEWSポストセブン

 投票を前に、あるいはもう国民の義務を済ませた向きには振り返るべきこととして、私は民主主義の祖国で偉大なる哲学者が語ったことを記しておきたい。


「自分自身が無知であることを知っている人は、自分自身が無知であることを知らない人よりも賢い」あるいは「真なる智への探求は、自己の無知を自覚することから始まるのだ」。

私がもっとも尊敬する先哲のひとり、ソクラテスの言葉だ。
彼の「ただ生きるな、善く生きよ」という警句は、私が座右としていることでもある。
そして、これらはすべて同じことを言っているのだと私は思う。
私なりの稚拙な解釈によれば「自分が何を見ているのか自覚せよ。呆然として流されることなかれ」ではないのか。


 今回の総選挙について、大マスコミは「複雑だ」「投票先がわからない」などとしきりに書き立てる。
普段ならばただの「あんたらにはわからないだろうね」という上から目線なのだが、今回に限っては、メディアもまた行方を読みきれずにいる。
あるいは、いた。結果が出たあとにこれをお読みの方が、そう感じてくれるかどうかはわからないが。


 先の二度の総選挙は「わかりやすい」選挙だった。
いや「わかりやすい」構造をメディアが作った。
郵政民営化、賛成か反対か。政権交代、賛成か、反対か。
結果、チルドレンと呼ばれるバッタものが大量に生産され、有権者はおおいに後悔することになった。


 だが本当に「わかりやすい選挙」だったのだろうか。
郵政民営化がされるとどういうことが起きるのかを、有権者ひとりひとりが正確に把握していただろうか。
民主党の党内ガバナンスがどの程度のものなのかを、わかって政権を任せたのだろうか。


 そうではなかったと私は思う。
煽り立てたメディアは確かに「第四の権力」として節操がなかった。
だが、彼らもたかが商売なのだ。
ひどい店でバッタものをつかまされたならば、買った方にも半分は責任がある。


 ソクラテスの言うところの「無知の知」を私たちはどこまで自覚していたか。
「そんなものは知らないよ」ですませ、「みんながあっちに行ったから、遅れないようについていこう」ではなかったか。
謙虚に「私はモノを知らない有権者だから、勉強しよう」と考えて投票所に行った人がどれほどいるのか。


 これは選挙に限ったことではない、この国はあらゆる場所で国民を甘やかしすぎてきた。
選挙でいえば有権者に「あんたはモノを知らないからもっと勉強して来い」などという勇気は政治家にはなかった。
いや、私が知る何人かの政治家はそうだったが、「傲慢だ」というレッテルを貼られ、不勉強を叱られた大マスコミはそろって叩きのめした。

実はこの国の失敗は「無知に甘かったこと」なのである
「子日わく、民は之に由らしむべし。之を知らしむべからず」と言った孔子が生まれた国は、まさに今もその通りの古代の闇の中を生きているが、私たちだって笑えたものではない。
長く続いた自民党一党独裁というのは、まさにそんな政治だった。


 しかし、私が名付けた利権談合共産主義が壊れ、大ボス小ボスから「利権のカケラをあげるかわりにここに投票してね」と言われなくなると、多くの有権者は呆然と立ちすくんだ。
そのとき必要なのは「お勉強」だったのだ。
この国の構造について学び、政治家ひとりひとりについて識り、国家の誇りとは何かを自覚する。
これは誰も教えてくれないことだ。あなたや、あなたが学ぶしかないのだ。


 せっかく「自立した個人としての有権者」として解放されながらも「誰かが教えてくれる」とキョロキョロしている間に、この国は二十年ほどもの歳月を失ってしまった。
もう、あとはない。今こそ覚醒するしかない。


 公示日の朝日新聞の一面に、政治部長が興味深いコラムを書いていた。
<わかりにくい衆院選である>と書き出される。
これまでであればそれを「賢い」朝日新聞が解説してみせるのだが、記事の半ばにはこんな記述があって私は驚いた。


<ブームを追いかけ、ときにあおり、物事を単純化しすぎた選挙報道をあらためるときだ。今回、世間が先に気がついた。>


 今さら何を言っているのかと批判することはたやすい。
しかし最後の一節は、私は現場を知るものの正直な認識だと思う。

少なくとも、人々は「無知の知」に気づきつつあるのだ。
ザバン、ザバンと揺すった盥の中の水のような「民意」がどれほど危険であるかを、この十年あまりで思い知ったのだ。


 一年を振り返って面白い現象が、師走になって報じられた。
今年は100 万部を超えるベストセラーがなかったと言うのだ。
多くの報道は書籍不況のせいにしているが、私はそれだけではないと感じている。
モノ書きの端くれとして「小泉劇場」のころからこのかた「なんでこんな本がこんなに売れるのか」と感じることが多かった。
本当に、買った人は読んでいるのか、とも。
なぜならば、それらの内容を受けての論議や社会現象につながっていっていなかったからだ。


 人々が立ち止まって「思考を開始した」ことと、このミリオンセラーの消滅とは、かなり近い現象のように私には思われる。だとすれば、出版社には申し訳ないが、決して悪いことではない。


 さあ、立ち止まり「無知なる有権者」の自覚のもとに、せいいっぱい考えよう。「ただ投票する」のではなく「善い投票」をしよう。自分のため、日本国のために。


 その意識をもって投じられた一票は、たとえ結果に繋がらなくとも、あなたや、あなたの中の財産として残るはずだ。
それはやがては政治に対する興味にもつながり、この国を動かしていく。


 投票行動とは民主主義によって与えられた学習機会である。それをきちんとこなすことが、タフな日本国民を育て長く惰眠をむさぼってきた「おまかせ民主主義」からの卒業証書をようやく貰えることになる。

※『メルマガNEWSポストセブンVol.44』
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2012年12月16日

衆院選投票日に考える 歴史に学ぶ「明日」を

衆院選投票日に考える 歴史に学ぶ「明日」を

2012年12月16日  東京新聞社説

 私たちの立ち位置、日本の将来、世界への貢献。
「震災後」初の国政選挙では、未来の日本人から有権者の選択が凝視されている気がしてなりません。


 「この国のかく醜くもなりぬれば捧(ささ)げし命ただ惜しまるる」


 先の大戦で夫を亡くした九十二歳の女性の歌。

今回の選挙戦で、この歌を随所で披歴したのは石原慎太郎日本維新の会代表ですが、維新の会や自民党が「改憲」「国防軍」などを公約に掲げたことに中国、韓国だけでなく米国からも懸念の声があがりました。


 生きていたら歌の女性より三歳年下の旧陸軍特別攻撃隊員・上原良司氏は六十七年前の「遺書」に次のように書いています。

◆自由主義こそが本性

 「私は明確に云(い)えば、自由主義に憧れていました。日本が真に永久に続くためには自由主義が必要であると思ったからです。
これは、馬鹿(ばか)な事に聞えるかも知れません。(中略)しかし、真に大きな眼を開き、人間の本性を考えた時、自由主義こそ合理的なる主義だと思います」(岩波文庫新版「きけわだつみのこえ」)

 一九四三年、上原氏は慶応大学生から特攻隊員になり、東京・調布飛行場で短期の訓練を受け、四五年五月、沖縄沖で米機動部隊に突入して戦死。
二十二歳でした。


 昨年、調布市内で開催された「上原良司と特攻隊」展で辞世の句(春雨や思ひすてたる身も散るる)とともに展示された「訓練ノート」を見ました。

「自分は全体主義ではない。自由主義を信奉する」との記述に、検閲した上官が「全体主義の重要性」を朱筆で細かく書き加えています。
鉄拳を加えられたか、間もなく出撃だからと大目に見られたかは分かりません。

 彼が自由主義を信奉したのはイタリアの哲学者・歴史学者ベネデット・クローチェ(一八六六〜一九五二)の影響でした。

◆未来に託した「散華」

 クローチェは同国上院議員に当選した頃はムソリーニ支持でしたが、次第に反ファシズムに転じムソリーニ攻撃を強めます。
「自由な心が欠如していれば、どんな制度も役に立たない。
自由な心が存在すれば、どんな制度もそれぞれの時代と場所に応じて立派に役立つ」
と強調しました。


 三九年に出版された「クロォチェ」(羽仁五郎著、河出書房)に上原青年は、もう一つの願いを託しました。
本のところどころに鉛筆で付けた○印の活字をたどると「きょうこちゃん 僕はきみがすきだった」と読めるのです。


 早稲田大学生から学徒出陣で陸軍に入営、四四年にフィリピン海上で戦死した吉村友男氏(二十二歳)もクローチェの影響を受けていました。
「クロォチェは批判ということを一番大切にしました。
歴史の正しい批判を現実に活(い)かすことによって、人々が幸福になれるのだと考えていました。
これは(中略)私たちの生活にも言えると思いますがりました。」(「きけわだつみのこえ」から)


 若者たちは「自由」「愛」「批判」などが尊重される社会を自らの命と引き換えに実現することを夢見て散華していきました。
「愛する日本を偉大ならしめられん事を、国民の方々にお願いするのみです」(上原氏の「所感」)


 昨年の東日本大震災は、敗戦以来の大変革期が来たことを私たちに告げました。エネルギー革命の主役だった原発が震災で制御不能に陥り「技術万能」神話が崩壊しました。

少子高齢化に伴う人口構造の劇的変化は、戦後の高度成長をもたらした「三種の神器」(終身雇用、年功序列賃金、企業別労組)では乗り切れないことを教えます。
国・地方の財政赤字は三年前の政権交代で減少するどころか、結局は増税で国民に付け回しという事態に直面しています。


 尖閣諸島など領土問題で近隣国との緊張が高まり、打開の糸口すら見えません。最近の右傾化ムードは日本を覆う閉塞(へいそく)感の打破を狙った焦りとも受け取れます。
大震災を機にもろもろの弱点や硬直した体質が一気に露呈し、政党政治が的確な対応能力を失っている状態です。
今回の多党化選挙も政党政治の劣化現象の一端を映し出しています。


 だが歴史が教えるように政党政治を見捨てては、もっと悲劇的になるでしょう。四〇年、斎藤隆夫氏(民政党)の反軍演説を境に各政党が軍部の前に膝を折り、解党して大政翼賛会という全体主義に突っ走った苦い経験を再現してはなりません。

◆立ち位置を考えながら

 過去を振り向けば将来の予測に役立つのと同様に、五年後、十年後、二十年後の日本に自らの身を置いてみて、いま日本が立つべき位置はどこかを冷徹に考えながら投票所に向かいましょう。

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2012年12月17日

国民をよく畏れよ 自民圧勝、政権交代へ

国民をよく畏れよ 自民圧勝、政権交代へ
2012年12月17日   東京新聞社説

三年前、民主党への歴史的な政権交代を成し遂げた民意は今回、野田佳彦首相に退場を迫った。


衆院選マニフェストに反する消費税増税の決定を強行し、国民を裏切ったからには当然だ。
「政治家主導の政治」「緊密で対等な日米同盟関係」など国民との約束も果たせずに終わった。

 かといって、民意はかつてのような自民党政治への回帰を積極的に支持したわけでもなかろう。
自民党が野党の三年間で自己変革を成し遂げ、磨き上げた政策への圧倒的な支持で政権復帰を果たしたわけではないからだ。


◆民主への懲罰投票 

今回、再び政権交代に至った要因に挙げられるのはまず、公約を破り、誠実さを欠く政権運営を続けた民主党には投票しない「懲罰的投票」が多かったことだ。


 同時に、民主党分裂や日本維新の会など第三極の候補者擁立で、この懲罰的投票としての民主党批判票が分散し、結果として自民党が「漁夫の利」を得た。


共産党が小選挙区で候補者を絞り込み、反自民票の多くが民主党に流れた前回衆院選とは逆のことが起こったのだ。


しかし、政権交代というの節目を迎えたにもかかわらず、三年前のような高揚感に乏しい。
そのことは、政党支持の指標となる比例代表の獲得議席数を見れば明らかである。
 例えば、自民党が圧勝した二〇〇五年衆院選の比例獲得議席は七十七、〇九年の民主党は八十七だったが、今回、自民党の比例獲得はそれらに及ばなかった。
自民党はまず、この厳しい現実を直視すべきである。

◆脱原発は引き継げ それでも勝利は勝利だ。


自民党内では投票日前から、安倍晋三「首相」の年明け訪米に向けた調整や、安倍「内閣」の閣僚就任を目指した猟官運動も始まっていた、という。


 円滑な政権移行には事前準備が必要だとしても、それ以前に考えておくべきことがある。
政権をどう運営し、政策を実現するかだ。


安倍氏は十六日、自公連立の上で「理念・政策が一致する党に協力をお願いする」と、政策課題ごとに野党と協力する「部分連合」で対応する考えを表明した。

 自公両党が衆院で三分の二以上の議席を得ても、参院では過半数に届かない「ねじれ国会」であることを考えれば妥当だろう。

国民が政治に期待するのは、生活がよりよくなるような政策を一つでも多く実現することである。


 これまでのねじれ国会では予算関連法案を人質にしたり、野党多数の参院で首相や閣僚の問責決議を乱発して政権を追い込んだりする手法が横行した。
党利党略による不毛な対立は見るに堪えない。


 民自両党がともに与野党双方の立場を経験して迎えた今回の政権交代を機に、悪弊を断ちきることができれば、日本の民主政治にとって一歩前進だろう。


 安倍自民党は勝利におごらず、野党の主張に耳を傾けて丁寧な国会運営に努め、地に足のついた政権運営を心掛ける必要がある。


集団的自衛権の行使容認など、党の主張は一時棚上げすべきではないか。
政治を機能させるための忍耐は、恥ずべきことではない。


野党側も不毛な政権攻撃を繰り返すだけでなく、建設的な提案と合意形成に努めるべきである。


 民主党は敗北したが、次期政権が引き継ぐべきものがある。それは原発ゼロを目指す方針だ。

 「脱原発」勢力は半数に達しなかったが、自民党も原発稼働継続を堂々と掲げて勝利したわけではない。
党内にも原発ゼロを目指すべきだとの意見もある。

そもそも、時期はともかく原発稼働ゼロは各種世論調査で常に半数前後を占める「国民の声」だ。
 野田内閣は「三〇年代の原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」との戦略を踏まえ、エネルギー・環境政策を進めることを閣議決定した。
原発ゼロを実現するには十分ではないが、閣議決定であり、特段の状況変化がない限り、後継内閣が方針を引き継ぐのは当然だ。

◆課題処理こそ試練
 巨額の財政赤字や、ずさんな原子力行政など「自民党は今の日本の課題を作り上げた張本人」(同党の小泉進次郎氏)でもある。

民主党の稚拙な政権運営に落胆した国民は、自民党がこれらの課題処理に政権担当能力をどう発揮するかにこそ注視している。
今回の政権交代は、政治は国民の手にあることを再び証明した。このことを自民党はもちろん、すべての議員が畏れるべきである。
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2012年12月18日

記者の目:安倍政権と歴史問題=西川恵(外信部)

 記者の目:安倍政権と歴史問題=西川恵(外信部)
毎日新聞 2012年12月18日 00時15分

 日本の右傾化が内外で話題となる中、その空気を体現するように党内右派の安倍晋三氏率いる自民党が総選挙で圧勝した。
安倍新首相の外交における重要なポイントは、前回と同様、歴史問題をどう管理するかだと思われる。

◇国際的公共益を念頭に外交を

 右こそ右を抑えられるといわれるといわれるように、首相時代(2006年9月〜07年9月)、安倍氏は信念の靖国神社参拝を自制し、小泉純一郎政権下で悪化した中韓との関係改善を果たした。

今回、領土問題で再び中韓、特に中国との関係が最悪に陥る中で再登板するめぐり合わせとなった。


 前回のように巧みにさばいてほしいが、衆議院で公明党と合わせ3分の2を超える議席を獲得し、独自色を打ち出すチャンスと安倍氏が捉える可能性もある。
ここで歴史問題全般に触れる余裕はないので、私が一つの懸念材料とみている従軍慰安婦問題を取り上げる。

◇河野談話見直し表明した安倍氏

安倍氏は、この問題で「おわびと反省」を述べた河野(洋平)官房長官談話(1993年)を見直す考えを明らかにしている。

「狭義の強制(いやがる女性を無理やり連行したこと)はなかった」とし、「これを正さないと将来の日本の人々に申し訳ない」という趣旨のことを述べた。


 私は以前、オランダで従軍慰安婦問題をかなり深く取材した。
日本軍がオランダの植民地だったインドネシアを占領した際、オランダ人女性を慰安婦にした問題だ。


 安倍氏は従軍慰安婦に対して不特定多数を相手にした公娼(こうしょう)所にいた女性のイメージを抱いていて、貧しさなどから働くようになった人もいて「狭義の強制はなかった」と言いたいのだろう。


 しかし、女性たち全員が公娼所のようなところにいたわけではない。

河野談話に基づいて95年に設立されたアジア女性基金は、韓国、台湾、フィリピン、
オランダを対象に従軍慰安婦への償い事業を行った。

オランダでは女性75人を従軍慰安婦と認定したが、中には日本人将校の愛人にされた人妻や、13歳の時に日本人将校に愛人にされ、子供を産んだ女性もいる。

 また当時、日本兵のホモセクシュアルの相手をさせられたオランダ人少年4人がいた。
アジア女性基金はこの4人も従軍慰安婦のカテゴリーに認定し、女性と同様に福祉・医療費支援を行った。
つまり従軍慰安婦といってもさまざまで、少女や少年もいた状況にあって、狭義か広義かの区分は意味をなさない。


 「愛人にされた女性は本来の従軍慰安婦ではない」との反論もあろう。
しかし今日、欧米は従軍慰安婦問題をすぐれて女性の人権にかかわる問題として捉えている。
強制連行があったかどうかに関係なく、女性を嫌悪すべき状況に置いたこと自体を人権違反と捉えている。


◇独りよがりでは日本は孤立する

 すでに07年、米下院本会議で日本に対し、慰安婦問題で謝罪を要求する決議案が採択された。
オランダ、カナダ、欧州連合(EU)も続き、同種の決議が議会で採択された。

領土問題で国際社会の支持とりつけに走り回っている日本外交にとって、この二の舞いは大きな打撃である。

 最近の右傾最化の空気で私が危惧するのは、国際社会の共通認識や価値観と乖離(かいり)したところで、独りよがりともいえる議論が時折、目につくことだ。
これは個人的な心情や倫理観を位相の異なる政治の場で扱おうとする態度にもつながっている。

 米国のある識者は「右傾化によって、日本は短絡的な見方しか持てなくなっているように感じる」と指摘した。

反中感情があおられ、長期的ビジョンを練る余裕がなくなっているというのだ。


 戦争の惨禍をアジアに及ぼした日本は二度と排他的利益を求めず、国際的な公共益に沿ったところで自国の国益を追求していくことを課せられていると思う。
ドイツが機会あるごとに「ドイツの欧州にはしない。欧州のドイツになる」と言うのと同じ脈絡だ。

 政府開発援助(ODA)や国連平和維持活動(PKO)はまさに国際的な公共益に貢献しつつ、日本の国益を広げてきた格好の政策である。
国際社会が日本に抱く好印象と高い期待も、国際的公共益を常に念頭においてやってきたことの結果といえるだろう。

 先の従軍慰安婦問題も女性の人権という公共益の中に位置付け、日本が主導権をとる形で解決できるはずだ。

アジア女性基金というノウハウも持っている。
国際的な公共益に背を向けるような「狭義の強制はない」といった主張は、日本を孤立させかねない。

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2012年12月19日

非正規教員11万人超 公立小中校 正規は1万人減

非正規教員11万人超 公立小中校 正規は1万人減
2012年12月16日 東京新聞朝刊

全国の公立小中学校で臨時採用などの非正規ので臨時採用などの非正規の教員が増え、二〇一二年度は教員全体の16%に当たる十一万三千人となったことが十五日、文部科学省の調査で分かった。

一方で正規教員が減少しており、

同省は十分な研修を受けていない非正規教員の増加は教育の質向上の面で問題があるとして、正規採用を計画的に増やす考えだ。


非正規教員は、産休や育休の代替を含む臨時採用の常勤講師と、非常勤講師。年々増え、八万四千人だった〇五年度から約三万人増えた。
半面、正規教員は〇五年度の五十九万七千人から一二年度は五十八万七千人に減った。


教員定数に占める割合でみても、正規教員は94・8%から92・7%に下がった。
都道府県別では沖縄が83・8%で最も低い一方、財政力のある東京は101・8%で定数を上回って採用しているなど地域間格差もみられた。


 こうした背景には、教員を複数年にわたって増やす国の「定数改善計画」が、財政難などを理由に〇六年度以降策定されていない事情がある。
このため各自治体は国が予算編成で教員増の予算を計上するかどうか年末まで見極めなければならず、十分な採用期間を確保できないのが現状だ。


 文科省は今年九月、正規教員の増員と少人数学級の推進を図るため、一三〜一七年度で二万七千八百人の増員を盛り込んだ定数改善計画案をまとめた。
しかし財務省は少子化を理由に五年間で一万人削減できると主張しており、来年度予算編成の焦点となりそうだ。
*********************
「年収170万円」の聖職
クローズアップ現代
(2008年11月6日放送)

教員の世界でとんでもないことがおこっている。
予算削減で教員を減らし、その穴を非正規教員で埋めているのだ。
産業界は、派遣社員でもっているようなものだが、教員の世界までもそうなのか。
 非正規教員とは、教員免許はもっているが、教員採用試験に合格していない教師のことだ。
収入も正規教員の半分。
雇用も不安定で最長でも1年契約で、年度の途中で打ち切られることもある。
国谷裕子は、「正確な数はわからないが、公立の小中学校で少なくとも9万人、全体の14%にのぼる」といった。

「学習塾でバイト」しないと食べていけない


小泉首相の三位一体改革で、国は自治体に公務員削減を求め、一方で少人数学級などきめ細かな教育も求めた。
この矛盾を切り抜ける手段が非正規教員だという。


広島市内・公立中学の非常勤講師松浦佑紀(23)は、昨(2007)年大学を卒業したが、まだ採用試験に合格していない。
給料は時間単位、ひとコマ2500円。
ボーナスや手当もないので、年収は正規教員の半分の170万円だ。

この学校では44人の教員のうち13人が非正規だ。

広島県は財政事情から全国に先駆けて教員削減を進め、2002―07年の間に1200人を減らし、代わりに非正規教員を700人増やした。
一方国が求める教育改革で、広島市では習熟度別授業でクラスを2つに分け、先生1人に生徒20人態勢を進めようとしている。
それに必要な教員200人はすべて非正規をあてる方針だ。
松浦佑紀もその1人というわけだ。


しかし、彼は授業が終わると早々に学校を後にする。
学習塾でのアルバイトをしないと食べていけないからだ。
帰宅してからも、学校でのテストの採点などをするが、手当はつかない。
「生徒たちと一日中一緒にいたいが、できないのが寂しい」という。

「国が責任を持って負担すべきだ」

取材したNHK広島の戸来久雄記者は、「パートタイムで4つの学校を行ったり来たりの人もいた。
しかし、みな正規採用を目指しているが、やめていく人も多い」という。
国谷は、「非正規教員がふえて、教育の質は保たれるのか?」と藤田英典・国際基督教大学教授に聞いた。


藤田教授は、「質の低下はありうる」として、
(1)非正規教員は研修の機会もなく、力量があっても発揮できない、
(2)他の教師との連携が弱い、
(3)専任教師の負担が重くなる、などをあげた。

元をたどれば財政問題だ。

三位一体改革では、義務教育への国庫負担が2分の1から3分の1に減らされ、減った分は交付税として自治体にいってはいるのだが、非正規教員で浮いた予算を他にまわすというのが実情だという。

現に広島県内で、病気で欠けた理科教師の代わりが見つからず、自習を続けたあげく中間試験を見送った学校。
数学の教師の穴を保健体育の教師が埋めた話があった。
一方東京・杉並区は、区独自に教員研修を行って採用。
プラスの配置で30人学級を増やしたりしている。
財政力によるとんでもない格差……。


藤田教授は、「義務教育はライフライン。
予算は国が責任を持って負担すべきだ。
金も人手もかけずでは、質が保てまい」という。


教育改革は、安倍首相(当時)がイギリスのサッチャー改革を範として進めたものだ。が、サッチャーの政策は教育現場を荒廃させたとして、ブレア首相(当時)が建て直しに着手した。決め手は巨額の予算投入だった。
*NHKクローズアップ現代(2008年11月6日放送)

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「官製ワーキングプア」の実態 国や市町村の臨時職員の給料

「官製ワーキングプア」の実態 国や市町村の臨時職員の給料
2012年12月17日(月)16時50分配信  キャリコネ

 正社員なみにフルタイムで働いても、収入が生活保護の水準にさえ達せず、最低限の生活さえおぼつかない人たちがいる。
いわゆる「ワーキングプア」と呼ばれる就労層で、日本語にするなら「働く貧困層」だ。


 このワーキングプアが、民間企業に限らず、公共部門にまで広がっている。
自治体や省庁などで非正規職員として働く人たちが、著しい低賃金労働に置かれているのだ。


 こうした「官製ワーキングプア」の実態について、学問的なアプローチで実態解明に取り組んだ研究書が出版された。
それが「国・地方自治体の非正規職員」(早川征一カ・松尾孝一著、旬報社)だ。


 早川氏は法政大学の名誉教授で、公務員の賃金に関する研究者。「公務員の賃金」「公務員の制度と賃金」などの著書がある。
また、松尾氏は青山学院大学経済学部の教授で、公共部門の労使関係などを研究してきた。2人は言う。


 「国の非常勤職員の賃金に関しては、実はいかなる政府統計も存在しない」

 つまり、公共部門の非常勤職員が置かれている労働条件の厳しさについて、しっかりとして資料がないのである。本書は、この問題を、独自調査や各種の資料で克服しようと試みている。そこで明らかになった非正規職員の賃金や手当の実態はどんなものなのか、見てみよう。


1年間フル出勤しても年収は238万円

 まずは非正規職員の賃金の実態だ。著者らが例としてあげるのは、国土交通省における事務補助職員のケースだ。


 基本賃金は、人事院「給与指針」が規定する日額表によって定められる。地域手当を考慮しない場合の日額は、最低6080円だ。


 そして、1カ月に22日をフル出勤したとして、月額は13万3760円。ほかに、期末手当(1.75カ月×0.8)があり、これが18万7260円。年収にすると180万円になる。

 また、勤務地が東京になると、これに地域手当が付いて日額は7930円に上がる。しかし、フル出勤をしても月額17万4460円だ。期末手当が24万4240円としても、年収は238万円にしかならない。


 実際は、1年間を通じてフルに22日間を出勤することは難しいだろう。
そうなると、年収はこれよりも少なくなる。


 ほかの省でも同様だ。著者たちは法務省のデータもあげているが、地方勤務の場合は年収158万円。
公務員の同様の勤務をしていながら、年収200万円に満たないケースが普通に存在するわけだ。


150団体が時給700円以下 臨時職員の給与は正規の半分


 一方で地方自治体はどうだろうか。これについては総務省の「臨時・非常勤職員に関する調査」(2008年)がある。


 この調査によると、全国の自治体で臨時的任用職員の時給は平均808円。
フルタイムで働いて、平均月額は14万0056円だ。
しかも、時給700円以下という低賃金の自治体が、1212団体中150団体あるという。

 労働組合側のデータもある。自治労の「臨時・非常勤職員の実態調査」(2009年)によると、月給は14〜16万円がもっとも多い一方で、12万円未満の割合が15.9%もある。


 ちなみに一般行政職の正規職員の平均給与は月額31万1580円。
つまり、臨時職員の給与はこの半分以下に抑えられていることになるのだ。


自治体職員や研究者でつくる民間団体「官製ワーキングプア研究会」は、こうした厳しい状況の改善運動に取り組んでいる。同会はこう訴えている。


 「国に約15万人、地方自治体に約60万人の非正規公務員が働いているが、その多くが『働いてもなお貧しい』ワーキングプア層だ。
国、自治体自らがワーキングプアを生み出している」

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2012年12月20日

香山リカのココロの万華鏡:高齢者も若者も大変

香山リカのココロの万華鏡:高齢者も若者も大変
毎日新聞 2012年12月18日 東京地方版

 選挙が終わり、「さて私たちの暮らしはどうなる」と気になっている人も多いのではないか。


 選挙戦では「高齢者が安心して暮らせる社会を」と言う候補者もいれば、「若い人にツケを回してはいけない」と主張する候補者もいて、なんだか高齢者と若者、どちらに肩入れするかを選ばせようとしているようにも見えた。

実際には「高齢者も若者もどちらもたいへん」ということなのだが。


 しかも、この「たいへんさ」がもう目の前に迫っているところも、実は高齢者も若者も同じだ。

診察室にいると「高齢の親が入院中だが、病院からすぐ転院させて、と言われ行き場所がない」といった“介護難民”の家族からも、「ブラック企業でうつ病になり、退職したら再就職先もなく、生活保護も断られた」という“就職難民”というより“生活難民”の若者からも相談が寄せられる。

いずれも「今日、なんとかしないと」と切羽詰まった話ばかり。「さて、この国の未来はどうなる」などと悠長なことなど言っていられない。


 「この部屋を出たら次に行くところがない」と診察室で泣き崩れる人に「まずは役所に相談に行ってみて」などと退室を促しながら、なんだか自分がどんどん人間性を失っていくような気になる。
「私がなんとかしてあげる」と言いたいのだが、自分にはその度量も能力も心のゆとりもない。

「なんのために精神科医をやっているのか」と自己嫌悪に陥るのは患者さんたちのためにもよくないとわかっていても、どうにもならない。
かといってそこで立ち止まっては次の仕事にさしつかえるので、「これ以上、考えても仕方ない」とどこかで考えをストップせざるをえない。


 困難に直面している人に出会う。「なんとかしてあげたい」と思うが、自分にはどうにもできない。
無力感にさいなまれ、結局は「見なかったことにしよう」と切り捨ててしまう。


 こんなことを繰り返しているのは、私だけではないはずだ。
そして、そんな繰り返しの中で心がどんどんすり減るのを感じているのも、私に限ったことではないだろう。

今年の漢字は「金」だそうだが、自分の心にはそんな輝きはどこにも見つからない。

来年こそは「私の心にも金メダル!」と堂々と胸を張れる年になってほしいと心から願うが、今回、選挙で選ばれた人たちにはこの思いがどれだけ伝わっているだろうか。

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2012年12月21日

発信箱:7.9%=福本容子

発信箱:7.9%=福本容子
毎日新聞 2012年12月21日 00時51分

 アフリカのナイジェリアで、女性が政治家になるのは、まだとても難しい。
だから、国連開発計画(UNDP)が、候補希望者の教育とか、社会の意識改革とか、応援してあげている。
そのホームページにこうあった。「国会議員に占める女性の比率は、やっと全体の8%程度」。
あれ? 8%は今回の選挙で当選した日本の女性議員といっしょじゃない?

女性の衆院当選者は3年前の前回総選挙で11%と、初めて2ケタになった。
それが今回、16人も減り38人(7.9%)に。
10月末時点の各国比較(下院に相当する院)では、127位にあたる。
出生率の低さとか不名誉な国際ランクでよく肩を並べる韓国でさえ、15.7%だ。

女性大統領が誕生したから、「韓国でさえ」はいくら何でも不適切かな。失礼!

その韓国だけど、比例代表の候補者名簿で奇数の順位を全部女性にするよう法律で義務づけている。
日本よりずっと努力していた。
女性も、半端でない頑張りを続けている。
「世界ではる多くの女性が政治と経済を仕切っているのに、私たちだけ偏見によって女性の能力を腐らせていてはいけない」。
初の女性大統領となった朴槿恵(パク・クネ)さんの自伝にある言葉だ。


 自分のことを「○○ベイビーズ」なんて呼んでるようでは仕方ない。
一方、風の吹いている時だけ使っては捨て、も困る。
閣僚や首相になれる人材を育てるには、息の長い、意識的な工夫と努力が要る。


 内閣府の世論調査で、「女性がもっと増える方がいい職業や役職」の1位に「議員」がなった。
その議員の女性比率を2020年までに3割以上、という政府目標がある。
もう8年ない。
国連も助けてはくれない。
安倍さん、こういうので韓国と張り合うのは大いにアリですよ。

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2012年12月22日

ノロウイルス 対策はまず敵を知ろう

ノロウイルス 対策はまず敵を知ろう
2012年12月22日  東京新聞社説

ノロウイルスとみられる感染性胃腸炎が流行している。
子どもから高齢者まで感染は拡大の一途だ。強い感染力のあるウイルスを封じ込めるには、まず敵の特徴や具体的な対策を知ることである。


 ノロウイルスは冬に多く発生する食中毒の原因だ。
食事などを介して感染すると小腸で増殖する。
一〜二日の潜伏期間の後、猛烈な嘔吐(おうと)や下痢に繰り返し襲われる。
重症だと一日十回以上にわたって苦しめられる。
治療薬はなく対症療法しかない。


 体力が低下した高齢者は感染すると深刻化する場合がある。
今月、大分県内の病院に入院中の男性患者(84
)がノロウイルスによる感染性胃腸炎で死亡した。
介護施設などのほか小学校や保育所などでも被害が出ている。


 感染は世代を問わない。千葉県内のホテルに宿泊中の中学生らが症状を訴え、六十人以上が病院に搬送された。
広島県内の海上自衛隊基地でも隊員ら四十八人が下痢や発熱などの症状を訴え、一部の人からノロウイルスが検出された。

国立感染症研究所によると、最近一週間に全国約三千の小児科の医療機関が報告した感染性胃腸炎患者数は六万一千人を超えた。
この十年間では二〇〇六年に次ぐ猛威だ。
患者発生のピークは例年十二月で引き続き警戒が要る。

ノロウイルスの特徴はその強力な感染力だ
感染拡大を防ぐには手洗いや、家族間のタオルの共有を避けるなどインフルエンザと同じ対策に加え、さらに注意点がある


まずそれを具体的に知ることが大切だ。

患者の嘔吐物には大量のウイルスが含まれる。
〇六年にホテルでカーペットに付いた患者の嘔吐物の消毒が不十分で、乾燥したウイルスが空気中に浮遊して三百人超が発症したケースもある。

嘔吐物の処理には使い捨てのエプロン、マスク、手袋を着用する。
拭き取った後の床などは塩素系薬剤で消毒する。
拭き取りに使ったペーパータオルなどはビニール袋に入れ密閉して廃棄する。

便にもウイルスが混じっているのでトイレのドアノブを消毒したり、患者の汚れた衣服は熱湯消毒するなど細心の注意が必要だ。

 感染が疑われたら医療機関で治療を受け、感染経路を調べて拡大を防ぐことも重要になる。
インフルエンザも流行期に入った。年末年始は多くの人が移動し感染を広げやすい。正しい知識で防ぎたい。

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2012年12月23日

特集ワイド:原発の呪縛・日本よ! 作家・澤地久枝さん

特集ワイド:原発の呪縛・日本よ! 作家・澤地久枝さん
毎日新聞 2012年12月21日 東京夕刊

<この国はどこへ行こうとしているのか>

◇「絶望した」言うまい−−澤地久枝さん(82)

 東日本大震災後初の衆院選だったにもかかわらず、「脱原発」は第三極の離合集散に埋没して争点から外れ、既存の革新政党は存続さえ危うい結果となった。
旧来型政治にノーを突きつけ政権交代を導いた09年の「民意」は、首相官邸前を埋め尽くした「市民」は、何だったのか−−。

 戸惑いを抱えたまま東京・恵比寿の自宅を訪ねた。澤地さんは久留米絣(がすり)の紺の着物姿、りんと背筋を伸ばして迎え入れてくれた。

16日の夜、何時ごろかしらね、大勢を知ってがっかりしましたよ。
憲法9条、脱原発……一生懸命に訴えてきたつもりだったけど、有権者は目の前の利益を守るために投票所に行ったんだなって。
しかも今の憲法になり、誰もが投票できるようになってから最低の投票率。
恥ずかしいことです。4割の人は政治に無関心というのか、飽き飽きしちゃったんですね」

不思議にも声の張りはみじんも失われていない。
「だって、こんな結果になったからこそ、いつまでもがっかりしてはいられないでしょう。
16日に全部が消えたわけじゃない。私は何があっても『絶望した』とは言いたくないの」

文壇きっての反骨の人は早くも「反攻ののろし」を上げようとしている。

2・26事件、ミッドウェー海戦、そして自ら情報公開訴訟の原告を務める沖縄返還を巡る日米密約文書……。
昭和史の中の声なき人の声を掘り起こし、歴史の真相を語り継ぐことを使命としてきた。
原点は、14歳で経験した中国大陸での敗戦と残留生活の辛酸。
戦争がどれだけ暮らしを踏みにじるか、国家がいかにやすやすと個人を見捨てるかを目の当たりにした。
戦争放棄、平和主義を定めた憲法を守ろうと訴える「九条の会」の呼びかけ人も務める。

そんな作家にとって、福島第1原発事故の被害と向き合うのは必然だった。
「雇用や補助金というしがらみにがんじがらめにされ、日本全体が抱える問題のツケを押しつけられる。
米軍基地を抱える沖縄と原発が立地する地域がダブって見えるんです」

 事故で放出された放射性物質は町の境、県の境を越え、さらに海を通じて他国にまで影響を及ぼそうとしている。
「原発事故の対応は一国だけにとどまるものではありません。他国で起きた場合もしかり。原発問題については視野を広げ、地球規模で考えないと。
その時に重要なのは他国との信頼関係であり、その根本となるのは、国際社会とともに生きると誓った平和憲法です。今こそ、その原点に立ち戻るべきなのです

その行動力は、とても80歳を超えた人とは思えない。
全国運動の「さようなら原発1000万人アクション」の呼びかけ人となり、作家の瀬戸内寂聴さん(90)らとともに経済産業省の敷地内で大飯原発再稼働阻止のためのハンガーストライキに参加。
「九条の会」の同志で作家の大江健三郎さん(77)らと首相官邸に行き、野田佳彦首相に脱原発を求める751万人分の署名の一部を渡した。

 実は今回の衆院選で、活動をともにする仲間内から、信頼できる独自候補を出そうという声もあった。
原発ゼロと福島の人たちの生活場所と仕事の確保をスローガンに掲げることまで煮詰めたが、準備期間や意見の違いで実現しなかった。
やれることは全てやればよかったかもしれない」と振り返る。

全国の集会にも足を運び、脱原発を訴え続ける。「集まって話を聞いてくれる人たちからエネルギーを受け取り、その力が私をまた次の場所に向かわせるの。人の気持ちが人を動かすのです

人を動かすのは人の気持ち−−そのことを教えてくれた一人が、07年に75歳で亡くなった作家の小田実さんだ。
「彼が今生きていたら何を言うかしらと、常に自問しています。例えばこの選挙結果」。
強い口調だった。「『前回、同じ選挙制度で政権交代させたんだから、新しい政権を厳重に監視して、また次に奪還すればいいんや』って、きっとそう言うでしょうね。
世の中を変えるのは大きな力を持つ人間じゃない、同じ志を持った小さな人間たちなんだというのが口癖だったから

 その「監視」すべき新政権は26日に誕生する。
自民党の安倍晋三総裁は国防軍構想を打ち出し「憲法を変える」と明言している。「前回政権担当時にも増して、日本を戦争のできる国に持って行こうとしていますね」。
原発については公明党との政策協議で「依存を減らす」としたが、脱原発への動きは鈍い。

 希望はある。
昨年の震災を経て、この国の市民社会は明らかに変わったという実感があるからだ。「分で考え、自分の意見を持ち、自分で動こうという人たちが一人一人立ち上がって官邸前に向かった。ああ、日本は変わると思いました
選挙の結果には結びつかなかったかもしれないけれど、政治家には非常な脅威だったはずですよ」

 街頭で見かけた若者たちが脳裏に刻まれている。
一人は奇抜なファッションで楽器を演奏しているが、よく見ると傍らに立つ別の一人が候補者の名前を書いた小さな紙片を持っている。
やがて少し離れた場所にその候補者が現れ街頭演説を始めたが、演奏はやまず、候補者が車で去った後も続いた。
はっと気付いて胸が熱くなった。「既存の選挙運動の外で、自分たちのやりたい方法でメッセージを伝えている。すごいことよね」

 満身創痍(そうい)の人でもある。
昨夏、自宅で転んでひざを骨折し、2カ月入院。年末には脳梗塞(こうそく)で倒れた。今年に入っても、経産省ハンスト後に受けた心臓ペースメーカーの検査結果が思わしくなく緊急入院した。
「この選挙中、少し無理したら体がむくみ、数日で体重が2キロも増えていたのね。もう思うようには動けない。でも、こんな選挙結果を突きつけられると、私のような病の身でさえ何かやらなきゃいけないと思います。
私だけじゃない、そう思う人たちが運動の核になればいい。その周りに人は増えていく。核になれる人はあちこちに、いや日本中にいますよ」

 このインタビューの前々日には日比谷であった脱原発デモに顔を出した後、避難生活中の震災遺族の話を聞く会に参加。
前日には言論の自由を考えるシンポジウムに出席した。
「動ける限りは動こうと思うの。病院からも毎回、なんとか生きて帰ってきている。あまり先のことは考えないんです。人はね、必要な間は生きているんですよ」。そう言って、ふふ、と笑った。

 立ち上る炎のような強さを感じた。出会い、言葉を交わした人すべてに思いは流れ込んでいく。人の気持ちが人を動かす。
            【藤田祐子】

==============
◇さわち・ひさえ
 1930年東京生まれ。4歳で家族と旧満州(中国東北部)に渡り、46年帰国。中央公論社に勤務しながら早大第2文学部を卒業。63年退社後、ノンフィクション作家に。「滄海(うみ)よ眠れ」など。

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2012年12月24日

社説:社会保障政策 医療・介護の改革を急げ

社説:社会保障政策 医療・介護の改革を急げ
毎日新聞 2012年12月24日 02時31分

 有権者の投票行動にどのくらい影響を与えたのかわからないが、今回の総選挙は「自立・自助」の自民党、「公助」路線の民主党という社会保障の理念をめぐる明確な争点があった。

自民が圧勝したことで、民主の金看板だった「最低保障年金」創設、「後期高齢者医療制度」抜本改革の挫折が決定的になった。


 もともと民主の社会保障政策は財源の裏付けがなく、実際に制度設計してみると現役世代に過重なしわ寄せがくることも判明した。
野田政権の「中間層を分厚くする」という方針とも矛盾するものであり、白紙に戻すのは当然だろう。
ただ、これらの政策はさまざまな社会的格差、貧困層の広がりに対する国民の不満を受けて掲げたものであり、その課題は今なお残っている。新政権がどのように取り組むのか注目したい。


 自民の公約で際立っているのが生活保護の1割削減だ。
民主のバラマキとの違いを鮮明にし、責任政党として持続可能な社会保障のために厳しい政策を掲げた意味は小さくない。

ただ、孤立や貧困に陥っている人に自立・自助を求めるだけでは、格差はますます広がり、貧困層はさらに苦境に追い込まれるだろう。
高齢者で生活保護を受給している人の割合はほかの世代に比べて著しく高い。
働くことができず、家族もいない高齢の貧困層をどうするのか、財源も含めて具体的に示すべきだ。


 子ども手当導入に伴って廃止された年少扶養控除の復活や多世代同居を進めるともいう。
戦後、大家族から核家族へ、さらに独居や夫婦2人だけの世帯が増えてきた。
都市に人口が集中し働く女性の増加に伴って人々のライフスタイルも変化してきた。伝統的な家族主義を志向する政策と現代人の意識はどのように折り合っていくのだろうか。
社会を支える側を立て直す点では、子育てや少子化対策は最重要の課題でもある。


 税と社会保障の一体改革に基づき、消費税は社会保障に全額を使うという方針は歓迎したい。
一体改革では手が付けられなかったのが医療と介護だ。
高齢になるほど疾病にかかる人は多くなり、1人当たりの医療費も高くなる。
来年は最も人口が多い団塊世代の大半が高齢者の仲間入りをする。
専門ごとに細分化している医療の供給体制を抜本的に変え、介護福祉との役割分担を大胆に進めないといけない。
高齢者の生活の質がおざなりになったのでは、何のための負担増かわからない。

 終末期をどのように過ごすのかはとりわけ重要だ。
終末期を迎える人は年々増えていく。
みとりの体制を充実させるとともに、私たち自身も深く考えないといけない
国民的課題として取り組むべきである。

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2012年12月25日

おばちゃんの逆襲

おばちゃんの逆襲
2012年12月19日   東京新聞「私説・論説室」

 各党の政策で最も合点がいったのは「全日本おばちゃん党」の「はっさく」だ。維新八策ではない。


 オッサン政治に反発して大阪のおばちゃんが中心となりネット上につくった市民団体である。


 その「はっさく」。一番目の政策は「うちの子もよその子も戦争には出さん!」。

 護憲とは言わない。
もっと心のど真ん中な訴え。これは国民が政治に求める最大の要求だろう。
二児の父親としては思わず「そういうこっちゃ」と慣れない関西弁?で頷(うなず)いてしまった。


 尖閣諸島問題への勇ましい主張を聞いて、オッサンなんぞに任せられないという危機感がひしひしと伝わってくる。


 「子育てや介護をみんなで助け合っていきたいねん。そんな仕組み、しっかり作ってや」と社会保障改革も掲げる。
目指すは支え合い社会。育児や介護に日々直面している実感がある。


 原発事故で放射能汚染に敏感に反応したのは、「子どもを守りたい」と切実に感じた女性たちだ。
「はっさく」も「核のごみはいらん。放射能を子どもに浴びさせたくないからや」と共鳴する。


 政治に当事者意識を持ち始めたおばちゃんの思いは、社会の根っこに確実に広がる民意だろう。
空中戦好きでどこかふわふわしたオッサンの主張より腹が据わっているようにみえる。
選挙は終わったが、本当の第三極はおばちゃんだったりしないか。 
               (鈴木 穣)

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2012年12月26日

香山リカのココロの万華鏡:簡単ではない“人間支援”

香山リカのココロの万華鏡:簡単ではない“人間支援” 
毎日新聞 2012年12月25日 東京地方版

とてもおもしろい本を読んだ。
文章表現インストラクターというユニークな活動を続ける山田ズーニーさんの「おかんの昼ごはん」。
親の老いに直面したときの戸惑いを記した本、といった新聞広告を見たので、その問題に切実に関心のある私はすぐに買った。


老いた親とどう向き合うかというパートもとてもリアルだったのだが、それよりもこの本は「仕事をどう選び、どう決めるか」という問題に多くが割かれていた。
当初の期待とは違ったのだが、それがおもしろかったのだ。

 読んでいて、自分の名前が出てきてギョッとした。
教育分野で仕事をしてきたズーニーさんは、大震災のときにこう思ったというのだ。「『生きてるだけでいいんです!』という精神科医の香山リカさんの言葉が、どんなにかっこよく感じたか」。

つまり、「医療」の現場にいる私は、「病気を治し、命を救う」ということをゴールとしているから「生きていればオッケー!」と力強く言えるが、
教育の場にいるズーニーさんは、「命はある」という前提で、そこから「より良く」「さらに先に」と導かなければならない、だから大震災のときには自分の無力さを感じた、というのだ。

実は、「生きてるだけでいいんです」は、この連載をまとめた本のタイトルだ。
それがたまたま大震災の直後に出版されたのだ。
たしかに私は震災とは関係なく、日ごろから診察室で「生きていて今日も診察日にここに来れた。それだけでもすばらしいじゃない」などと言っていた。
それは私が個人的に本当にそう思っているからだと信じていたのだが、ズーニーさんの指摘を読みながら「やっぱりこれは“医者ならでは”の発想なのか」と考え直した。

 とはいえ、人はなかなか「生きてるだけでオッケー」などとは思えない存在、ということもよくわかる。

診察室でも、本当にその人を救うのは「誰かの役に立った」「以前、できなかったことができるようになった」といった「より良く」「さらに先に」だからだ。

悟りを開いた修行者でもなければ、「何もしなくても自分に満点」などとは思えないだろう。


 まず「あなたはそのままでいい」とその人の存在そのものを認め、それから「でも、もう一歩、先に行けるよね」と背中を押し、自分の中にある力を花開かせる手伝いをする。
医療、福祉、教育が一体となった“人間支援”ができるようになるのがいちばんだが、それはもちろん言うほど簡単ではない。

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2012年12月27日

休職教員:「心の病」 仕事量増加、同僚の支えなく 現場、ゆとり失う

休職教員:「心の病」 仕事量増加、同僚の支えなく 現場、ゆとり失う

毎日新聞 2012年12月25日 東京朝刊


 文部科学省が24日公表した、昨年度に「心の病」で休職した5200人余りの教員たち。
休まざるを得なくなった教員の体験からは、子供の荒れや保護者への対応、増える一方の事務に追われる中で、真面目な人が追い詰められていく現場の実情が浮かび上がる。


 大阪府内の中学に勤める40代の女性教諭は1年半前、うつ病で休職した。
学力や生活上の課題を抱える生徒が多く、保護者との関わり方に神経を使う学校だった。
「成果がはっきり見えない仕事だけに教員同士で支え合って子供のためになることを話し合うべきなのに、そのゆとりがなくなってきている」という。


 府内の小学校で教諭だった60代女性も10年前、休職に追い込まれた。
多動で授業中に他の子供の邪魔をする児童がクラスに2人いたが、管理職に「あんたの責任」と突き放された。


 「2本しか手がないのにどうやって2人に目を配りながら、他の子たちを世話するのか」。悩むうちに家から出られなくなり、最終的に辞職した。


 東京都教職員互助会が運営する三楽病院(千代田区)精神神経科の真金薫子(まがねかおるこ)部長は「学校全体で仕事量が増え、みんな余裕がなくなっている。仕事量を調整する必要がある」と指摘する。


 真金部長は教職員の精神疾患が専門。同病院では相談件数が年々増加し、電話で臨床心理士が応対した場合も含む昨年の相談件数は約2500件で、今年も同様の水準だ。【林田七恵、苅田伸宏】

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総理大臣になると、見えなくなるものが三つある

筆洗 総理大臣になると見えなくなる・・
2012年12月27日  東京新聞

「総理大臣になると、見えなくなるものが三つある」。
二・二六事件で首相官邸を襲撃され、義弟が身代わりとなって、辛うじて難を逃れた岡田啓介首相が語っていた

▼何が首相の目をふさぐのか一つは「カネ」だ。
権力を手にすることで金には不自由をしなくなるという。
次に見えなくなるのは「人間」だ
取り入る側近に囲まれ、本当の人材を見失う。
そして最後には国民が見えなくなる」という(アスペクト編『総理の名言』)

▼自民党の安倍晋三内閣がきのう、発足した。
首相の再登板は戦後では吉田茂以来二人目。実に六十四年ぶりだ。
閣僚には、麻生太郎元首相、谷垣禎一前総裁ら実力者を起用し、挙党態勢への配慮をにじませた

▼来夏の参院選で衆参のねじれを解消するまで、憲法改正などのタカ派色は抑え、デフレ脱却などの経済政策に専念するとみられるが、気になるのは石原伸晃前幹事長を環境・原子力防災担当相で起用したことだ

▼総裁選で国会議員から多くの支持を得ながら相次ぐ失言で失速した。閣僚の失言がどれだけ政権の体力を奪うのか、これまで十分に学んできたのではないか

▼日米開戦後、東条内閣の倒閣を水面下で主導した岡田啓介の「国民が見えなくなる」という述懐は重く響く。
再登板する安倍首相は六十五代前の先達の言葉を胸に刻み、国民の声に謙虚に耳を傾けてほしい。
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2012年12月28日

原発維持方針 3・11をもう忘れたか

原発維持方針 3・11をもう忘れたか
2012年12月28日   東京新聞社説

 3・11は世界を変えた。ところが第二次安倍政権。
発足早々、何の議論もないままに、原発の早期再稼働はおろか、新増設にも含みを持たすとは。
福島の被害は続くのに、もうあの衝撃を忘れたか。


 あまりにも乱暴すぎる転換だ。自民党は何ら変わってはいないのではないか、そう思われても仕方ない。


 言いたいことは三つある。


 一つ目は、世界有数の地震国日本に原子力を持ち込んで、五十基を超す原発を立地したのは、ほかならぬ自民党政権だったということだ。
核のごみの後始末も考えないままに、である。

 自民党が進めた国策という土壌の中で原子力ムラが醸成され、安全神話が誕生し、福島の惨事につながったのではなかったか。
 福島の苦悩は終わっていない。多くの県民が仮設住宅で、二度目の新年を迎えることになる。

 半世紀以上に及ぶ自らの原子力推進政策への検証と反省もないうちに、拙速な再稼働を考えるのは危険であり、それこそ無責任ではなすか。

日本原子力発電敦賀原発は、原子力規制委員会が活断層の存在を確認し、大地震の影響を受ける恐れがあるとした場所だ。


 その敦賀原発にさえ増設の含みを残すとすれば、規制委員会の科学的判断と独立性を脅かす意図すらあるということか。


 次は、国民の多くは原発推進を支持していないという点だ。

 自民党は、先の衆院選には大勝した。
しかし、原発の是非を争点にするのを避けたのか、公約では「再稼働の是非は三年以内に結論を出す」と言葉を濁し、推進を打ち出してはいない。
国民の多数は原発推進を選択してはいない。

 一方、民主党の「二〇三〇年代原発ゼロ」は、各種世論調査でも国民の過半が支持した政策だ。
それを軽々しく覆すことこそ、背信といえるだろう。


 三つ目は、いま強引な再稼働を企てる前に、現実的な方策を示せということだ。
 核のごみは行き場がなく、使用済み燃料を再利用する核燃サイクルもままならない。
核不拡散など米国との交渉が必要というのなら、まず国民に向かって説明してほしい。
危険と隣り合わせにいるのは国民なのである。


 福島事故の収拾、被災者の早期救済、あるいは自然エネルギーの開発促進はもとより、立地地域の新たな雇用創出などこそ、最優先されるべきではないか。

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2012年12月29日

長期休暇で起こる“正月うつ”に注意 予防には「朝日と1日3食」

長期休暇で起こる“正月うつ”に注意 予防には「朝日と1日3食」
2012.12.28    zakzak

 さあ、年末年始の連休。羽を伸ばして旅行に出る人は6年ぶりに3000万人を突破する勢いだ。
しかし、すっかり楽しんだ連休明けに、突然、出勤拒否症となってしまい、五月病ならぬ「正月病」に陥る人がいるという。専門医に実情を聞いた。

 【休日落ち込み症候群】

 もともと日照時間の短い冬場は、うつ状態になりやすいといわれる。
しかも、年末年始の休みで、生活リズムが乱れると、その状況に拍車がかかりがち。
日頃から特に趣味もなく、仕事中心の日々を過ごしている人は要注意だ。

 『週末うつ』(青春出版社刊)の著書がある杏林大学医学部精神神経科学教室の古賀良彦教授が説明する。

 「生活リズムというのは、心身の健康を維持するのにとても重要です。
仕事中心の生活を送っている人は、仕事、帰宅、早朝起きて出勤、仕事というリズムに身体が慣れています。
このリズムが休日に乱れてしまう。
加えて、日常会話も客先ではなく家族に変わるため、週末のリズムをつかみにくい。特に連休が長いと、うつ状態に陥りやすいので注意してください」

 仕事人間の人は、仕事がないとリズムが乱れ、週末だけでもうつ状態に陥ることがある。
大型連休はなおさらだ。
その状態が長引くと「うつ病」へと移行する可能性があるのでご用心。

 
長期旅行でもうつに

 正月休みに海外旅行などを楽しむ人にも、影が落ちる。
帰国後の翌日に、いつものように朝刊を読み、出勤しようとしたその瞬間、玄関で靴を履く気力が出ない。
自分では履こうとするのだが、なぜか履けない。
足を靴の中に入れることができないまま欠勤。
家族からすれば見た目は元気なのに、「どうしちゃったの?」と思うのだが、それがうつの恐ろしい魔の手だ。

 「一般的に、楽しい休日の翌日に出勤したくないと思うのは、決して珍しい話ではないでしょう。
しかし、海外旅行の時差で生体リズムが乱れていると、その状態に拍車がかかってしまう。
穏やかでニコニコして、一見うつとは思えないよう人でも、うつ病を発症することがあるのです」と古賀教授が警鐘を鳴らす。

 仕事人間は休日に落ち込み、そうでない人は休み明けに気分がダウン。
大型連休後は、誰もがうつ病へ移行する落とし穴があるのだ。

 【初日の出を見る】

 連休のうつ状態を防ぐには、生活リズムを整えることが大切。
しかし、大みそかは除夜の鐘を聞き、真夜中に初詣に行く人もいるだろう。
元日は昼まで熟睡。その乱れがよくないといわれても…。

 「うつ予防は、
(1)朝日を浴びる(2)1日3食(3)人とのコミュニケーションをとることにあります。

年末年始は(1)や(2)が乱れがちです。
それを防ぐには、除夜の鐘を聞いたら一度寝て、初日の出を見ることが大切。
雨や雪でも早朝に玄関から一歩外に出て、空を見上げてください」(古賀教授)

 時差のある海外旅行に出掛ける人は、帰国後に2日間は休みを取って、「時差ボケ」を治すことがポイントという。
連休を目いっぱい旅行に使ってしまうと、時差ボケが解消されないまま、「正月病」に突入しやすい。
せっかくの楽しい思い出も、暗転しまうのだ。

 「たった1日でもうつになります。
それを防ぐために、生活リズムを意識してください。
もちろん、うつになったと感じたら、早めに専門医に相談することも心掛けましょう」と古賀教授はアドバイスする。
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2012年12月30日

年のおわりに考える 「未定」で生きている

年のおわりに考える 「未定」で生きている
2012年12月30日   東京新聞社説

 東日本大震災から二度目の年の瀬です。
復旧復興はままならず、生活再建に遠い厳冬です。
被災者たちの「希望」の声に政治は応えねばなりません。


 浜辺にある巨大な白い漆喰(しっくい)壁は、山を背に、青い海に向かっています。氷点下の風が鳴り、打ち寄せる波が轟音(ごうおん)を立てます。

石巻市雄勝町(宮城)にある「希望のキャンバス」は、高さ四メートル、長さ四十メートルもあります。
がれきの木材などを骨格にして、地元の土が塗られています。
岐阜県の左官職人・挟土(はさど)秀平さんらが今月初めに作りました。


 <父さん 大波 小波に負けず頑張ります><じいちゃんから学んだこと(中略)生きる姿勢 継いでいきます>


 きっと家族を亡くした人なのでしょう。被災者たちの思いの言葉が墨で書かれています。

宮城県の左官業・今野等さん(45)も手伝いました。
石巻市にあった自宅は、大津波に流され、母親を亡くしました。
大勢の児童が犠牲になった大川小学校から約五百メートルの距離でした。


 「津波の後、船を出したら、周りは遺体ばかりでした。
中にはまだ生きている子どももいて、おんぶして、搬送しました」


 仙台や石巻のアパートから妻と子で、同県内の家に移ったのは今年五月です。父親はまだ仮設住宅に住んでいます。


 「約百四十人いた地区住民の半分は亡くなりました。
仮設の人の望みは何といっても、住む所です。
自立したいのに、代替地がない。
何年、待ったらいいのか…。海の人たちは強く、前向きですが、今は足踏み状態です。ストレスがたまっています」

 

◆心が「難民」の状態で

 今野さんは「みんな『予定』がなくなり、『未定』になった」と言います。

確かにわれわれは「予定」の世界で生きています。学校を卒業したら、結婚したら、定年を迎えたら…。将来を描き、予定を立て、日々を営んでいます。


 大震災はそんな「予定」をぶち壊し、先の読めない「未定」の世界に放り込んでしまったのです。


 福島第一原発の被災者たちも同じです。原発のある福島県大熊町の人々の96%は「帰還困難区域」に家があります。

「ほとんどの人は家に帰るのは、もう無理だと思っています」と語るのは、同町でただ一人の司法書士・菅波佳子さん(42)です。
各地に散りぢりになった町民の相談にのっています。


 相続登記や賠償金の案件が多いそうです。
不動産の所有者が誰かはっきりしないと、賠償金の支払いが受けられないからです。

 「問題は今後、自分がどこに落ち着いたらいいのか、わからないことです。
多くは役場機能にくっついて、会津若松(福島)やいわき(同)の仮設住宅に入っているだけです」


 大熊町の役場は出張所が会津若松市、連絡事務所がいわき市にあります。
でも、そこが自分の場所とは考えられないのです。


 「心が『難民』の状態なのです」とも菅波さんは言いました。
「自立したくとも、見つかる仕事は多くはアルバイト程度です。先が見えません。
これからどう生きていっていいのか、誰もが心が定まらないのです」


 原発被害の精神的損害への賠償がなされています。
その五年分を一括払いし、不動産も事故前の公示価格で買い取る案があります。
でも、「町民は誰も納得していない」と聞きました。

「なぜ公示価格なのか」「町ごと買い取ってほしい」などの声が上がっているそうです。根本はお金の問題ではありません。
むしろ、「今までの生活に戻してほしい」という気持ちが強いのです。


 原発事故の恐ろしさは、生活も環境もすべて根こそぎ壊したことです。
古里を喪失した理不尽さから逃れられないまま、「仮設」という中ぶらりんの空間で暮らしています。
だから、心が「難民」状態なのでしょう。

 菅波さんは「私自身も心が定まりません」とこぼします。

◆浜辺に書かれた古里

雄勝町の浜辺にある漆喰壁には、こんな言葉もありました。

 <ふるさと とわに>
 <現在・過去・未来。いつも いつでも 故郷はここ雄勝>

 お正月はとりわけ古里が恋しい季節です。
でも、大震災と原発事故は、古里の風景も、「予定」も奪いました。
いまだに避難者は約三十二万一千人もおり、約十一万四千人が仮設住宅で生活しています。
住宅や雇用、教育…。「未定」という空白を急いで埋める政策こそ、希望につながる道です。

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2012年12月31日

被害者の怒り渦巻く 来年は変わるのか?

被害者の怒り渦巻く 来年は変わるのか?
2012.12.28   読売新聞「精神医療ルネッサンス」佐藤光典
 「ならずもの医療」編の連載中だが、2回目は年明けの掲載とし、今回はこの1年を振り返ってみたい。

2012年、最も反響をよんだ記事のテーマは、「抗不安薬・睡眠薬依存」だった。
新聞とこのコーナーで繰り返し取り上げ、12月も朝刊連載「医療ルネサンス」で、治療に取り組む病院などを紹介した。
そこでも書いたが、今や、病院で専門治療を受ける薬物依存症患者の2割が、処方薬依存の患者となっている

特に、女性患者は処方薬依存の割合が高く、入院する薬物依存症患者の4割を占める病院もある。
タガが外れた漫然投薬によって、被害が急速に拡大しているのだ。


 厚生労働省も、処方薬依存の深刻さを認識し始めている。
11月から定期的に開かれている「依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会」では、私だけでなく、医師や当事者ら複数の構成員から、処方薬依存の早急な実態調査と対策を求める声が上がった。
被害者もさらに声を上げ、及び腰の医療関係者を動かしていく必要があるだろう。

精神科医の暴言特集も、朝刊記事やこのコーナーで大きな反響を呼んだ。
患者に対する蔑視が感じられるこうした実態に対し、「精神医療を変えたい」と第一線で努力する精神科医が漏らした言葉が忘れられない。

 「精神科医はこれまで統合失調症患者に甘え過ぎた」

 統合失調症患者を「内向的で、思いやりがあり、やさしい人たち」とみる精神科医は多い。
病気で一時的に乱れる事はあっても、統合失調症患者は総じて「控えめ」だという。「最近は話していて疲れる患者が多いので、統合失調症患者が来るとほっとする」と語る精神科医もいる。
そうした、いわば「羊」のような人たちを相手に、精神医療は成り立ってきた。


 ところがこの10数年、精神医療の対象がどんどん拡大した。社会の第一線で働く人たちが、「うつ病」「不安障害」「双極性障害」などと診断される時代。
おかしいものを、はっきりと「おかしい!」と言う人たちが、精神科の患者になったのだ

そうした人々が、精神科の診察室や病棟で目にしたのは、驚きの実態だった。

 「精神科医の言動が変だ」「どちらが病気なのか分からない」「主治医に処方薬依存の記事を見せたら急に怒り出した」「インクのシミの見え方(ロールシャッハテスト)だけで人格に問題があると決めつけられた」「初診で抗不安薬が2剤と睡眠薬が3剤出た」「担当医が変わる度に診断名が変わる。私は一体なんなのでしょうか」……。

そうした類のメールが、数え切れないほど届いた。
会社員、会社役員、主婦、大学生、国家公務員、地方公務員、医師、看護師、薬剤師、精神保健福祉士、教師など、さまざまな立場の人たちが、精神医療への怒りをぶちまけた。

自分自身や家族が、不適切な精神医療で被害を受けた人も多い。


 ネットの特性で、海外からのメールもよく届く。
国外に出ると、当たり前と思っていた日本の医療技術や医療システムが、実はとても良かったことに気付かされるものだが、」精神医療に限っては「日本の異常さを思い知ったとする声が多い。

「海外赴任をきっかけに、子どもを誤診と過剰投薬から救うことができた」というメールもあった。
精神医療の問題は、諸外国でも数多く指摘されているが、それでも日本よりはマシということなのだろうか。


 最後に、メールをひとつ紹介しよう。こうした患者の訴えを、「極端だ」と聞き流していては何も改善しない。精神医療を変えるには、精神科医が患者や家族の声を真摯に受け止め、変わるしかない。来年こそは、その兆しが各地で見られることを期待したい。


 精神医療が、あたり前のようにまかり通っている世の中が嫌でたまりません。患者の心を救うはずの向精神薬の中には、依存性の高い、言わば麻薬の様な薬もあります。それなのに、精神科医は平気でそんな薬を処方する。

 どんなに薬の事を精神科医に話しても、「ネットの情報は見るな!」「薬の本は見るな!」と言う。しかも、私が通院する病院の医師や看護師、精神保健福祉士、作業療法士はみな、言葉が横柄。一番、患者を傷付けてはいけないそんな医療スタッフが、平気で患者を傷つけるありさまなのです。

 医師にそれを訴えたところで、改善されるどころか薬を増やし、あろう事か「うっぷんがたまっていますね。カウンセリングを受けた方がよい」と言う。「は?」。意味がわからない。

 しょせん患者は金のなる木。私が通う病院も、こんな時代に病棟が新しくなる。患者の為の治療ではない。平気で患者を薬漬けにし、スタッフの暴言で患者を追い詰め(実際に自殺した患者までいる)ている。国はもっと、日本の精神医療のあり方をしっかり考えて欲しい。患者がどんなにこの現状を訴えたところで、何も変わらないのが私は悲しい。

2012年12月28日 読売新聞)
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