2012年12月07日

人権守る話聞こえない 野宿者の排除進める中、選挙カー素通り

人権守る話聞こえない 野宿者の排除進める中、選挙カー素通り

2012年12月7日 東京新聞朝刊

衆院選と東京都知事選のダブル選挙のさなか、江東区が亀戸駅近くの竪川河川敷公園周辺で野宿する人たちの排除を進めている。
「どんな暮らしをしていても、生きる権利は平等なはず」。
選挙権も行使できない人たちのもどかしさは募る。 (小林由比)


  「これはいじめじゃないか」。
冬の冷え込みとなった五日朝。
首都高の高架下にある公園に、ヘルメット姿の区職員やガードマンが大挙し、公園の入り口を封鎖した。
野宿者たちのテントがある川堤との間に、高さ二メートルの鋼板が次々と取り付けられていった。


野宿者と支援者が区職員らともみ合っているわきを、選挙カーが通ったが、そのまま通り過ぎた。「地元で起きていることなのに、降りてもこない」。
一年半ほど暮らす男性(54)が吐き捨てるように言った。 」。


 公園の再整備を機に、区は三年ほど前から立ち退きを強く求めるようになった。
今は追い出された十人ほどが公園のわきで暮らすが、この日の「隔離」で、トイレや水道が使えなくなった。
郡司春彦さん(53)は「おれたちに人権はないのか」と悔しがった


二十年ほど前まで、横浜で荷役をしていた。
「そのころ区議選の投票をしたのが最後だな」。
以来、住所が定まらない生活をしてきた郡司さんの元には投票券は届かない。
「投票はしたい。でも、今は今日、明日の自分と仲間のことを考えるので精いっぱい」。
ラジオで選挙のニュースはよく聴いている。
「原発とかTPPも大事。でも根っこの話で、人権を守るのが大事ってことを言う人がほとんどいないもんな」


 仕事に就けなかったり、低賃金で貧困にあえぐ人がいる一方で、過労死するような働き方を強いられていることにも矛盾を感じる。
「少し賃金が下がってもさ、仕事を分け合う働き方もあってもいいと思うんだけど」


 公園わきで野宿する人の中には、東日本大震災の津波で母親と家を流された人もいる。
支援を続けている山谷労働者福祉会館の向井健さん(40)は「被災地に寄り添うのと同じ気持ちで、別の理由で家をなくした人々についても寄り添う社会になれば」と願う。
都市が抱える大きな課題に、多くの候補者が触れることがないのが気掛かりだ。
「有権者に関心を持ってもらうためにも話をしてほしい」


<竪川河川敷公園の野宿者への対応>
 江東区は2009年度から4年間の計画で、東西2キロの公園の改修を開始。
工事に支障があるとして、昨年度の工区にあった野宿者のテントに対し立ち退きを求める手続きを進め、今年2月、工区に残ったテント1張りに行政代執行を行った。
その後、工事が終わった場所に移った野宿者に対し再び撤去の手続きを開始。
テント1張りに対し、今月3日から7日に撤去を行政代執行すると警告していた。


 区は現在野宿者たちが暮らす場所も公共用地であるとして立ち退きを要求。
「一般の人が公園を使えるようにするため」として5日、公園に出入りできないよう工事した。

区は一連の手続きについて、「無料アパート提供や生活保護受給の手続きなど支援策は講じてきた。自主的に撤去してもらえずやむを得ない」としている。

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生活保護 埋没ダメ 給付基準下げに危機感

生活保護 埋没ダメ 給付基準下げに危機感
2012年12月6日 東京新聞朝刊 

 生活保護の利用者が、衆院選の行方に危機感を強めている。
門戸を狭める政府の見直しは中断したが、民主や自民など、保護費を抑える政党の主張が目立つからだ。
制度の利用を線引きする基準が下がれば、最低賃金など他の低所得者の制度にも影響するが、ほとんど話題にならない。
利用者らは、「重要な争点なのに」命の最低ラインを下げないで」と訴える。 (橋本誠)

「私たちの声を聞いてください」「最低限の生活を保障しろ」
 五日夜、冷え込む東京・永田町の歩道。
生活保護見直しに反対する利用者や支援者が、国会や首相官邸に向かって声を上げた。
財務省前でも「生活保護基準切り下げ反対」と訴えた。

 今でも、利用者の生活はぎりぎりだ。
先月下旬、東京・永田町で開かれた「全国生活と健康を守る会連合会」と厚生労働省との交渉に出席した毛利吉彦さん(78)=福岡県=は「近所付き合いもできない」と訴えた。
「お茶に誘われても断らなくてはならず、香典も出せない」というのが理由だ。

 家賃三万円のアパートで、病気がちな妻と二人暮らし。
二〇〇四年三月、脳梗塞で倒れ、三十年以上勤めた会社を解雇された。
直後、四十五歳の息子が肺がんで他界。
蓄えを治療につぎ込んでいたため、生活保護に頼るしかなくなった。
小泉改革で月約一万八千円の老齢加算が廃止に。
朝食は食パン一枚という。

 政府の見直し案では、働ける年齢層には「就労支援」の強化が叫ばれている。
札幌市内のシングルマザー(31)は「働きたくても仕事がないんです」と訴える。
二人目の子の妊娠で、生活保護を受給。
産後一カ月で就労指導を受けたが、子どもがいるだけで面接さえ受けられない企業が多かった。

 新宿区の男性(42)は、これまで首相官邸前などの抗議行動に参加した。
五年前、日雇い派遣先の仕事が無くなり、生活保護を受けるようになった
「貧困のことを知っている政治家に頑張ってほしい」と願う。

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