2013年03月01日

発信箱:お年を考えると=青野由利(論説室)

発信箱:お年を考えると=青野由利(論説室)
毎日新聞 2013年03月01日 00時27分


 1月半ほど前、突然、目の隅に影が見えるようになった。
受診した近所の総合病院で若い女医さんが何度も繰り返したのは、「お年を考えると」という言葉。

「はいはい、老化だっていいたいんですね」と心の中でつぶやきつつ、ふと、頭に浮かんだのは再生医療だ。


 iPS細胞を使った再生医療1号と目されるのは加齢黄斑変性。
名前の通り加齢に伴う目の病気だが、失明の恐れもあるというから考えると、「お年を考えると」、ではすまない。

これ以外にも、脊髄(せきずい)損傷や心筋梗塞(こうそく)など深刻な病気の治療への期待は高い。


 一方で、加齢に伴うさまざまな不調を「再生医療でなんとか」と願う人も増えていくはず。
とすると問題は、どこまでを「治療」の対象とし、どこから「老化」と納得してあきらめるのか。

思い出すのは、10年前に米国の大統領諮問委員会がまとめた報告書「治療を超えて」だ。

 白熱教室のサンデル先生も委員で、「不老の体」をバイオ技術で実現することの倫理を検討していた。
「老化遅延」は歓迎されても、世代交代への意欲が減るかもしれない。
老化は治療されるべきかも問われるようになるだろう、と分析している。


 考えてみれば、卵子提供による妊娠・出産も同じ問題をはらむ。
最近登場した国内初の卵子あっせん団体は、対象を40歳未満の早期閉経や染色体異常の人に限るというが、40代、50代に卵子をあっせんする組織は海外にたくさんある。
技術と人間の欲望の切っても切れない関係を改めて思う。


 私の担当医の診断では異常は見あたらず。「治らないけど、慣れます」ときっぱり。本当にそうだといいんですが。

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2013年03月02日

施政方針演説 弱者切り捨てでは困る

施政方針演説 弱者切り捨てでは困る
2013年3月1日 東京新聞社説



安倍晋三首相による施政方針演説は「自立」に貫かれた。

その大事さは理解するが、自立したくてもかなわない弱者にこそ手を差し伸べるのが政治の姿である。
基本を忘れてもらっては困る。

この国会二度目の首相演説である。
冒頭、福沢諭吉の「学問のすゝめ」から「一身独立して一国独立する」を引き、「誰かに寄り掛かる心を捨て、それぞれの持ち場で自らの運命を切り開く意志を持たない限り、私たちの未来は開けない」と訴えた。


 長期の経済低迷と巨額の財政赤字、本格的な少子高齢化社会の到来、東日本大震災と福島第一原発事故による甚大な被害、周辺諸国の日本領域への挑戦など、日
本が直面する課題は多く、深刻だ。

それらを克服するにはどうすればよいのか。
自立して懸命に生きる人同士が苦楽を共にして助け合う。
被災地での支え合いに感銘を受けた首相は、そうした姿こそが「強い日本」復活の原動力になると訴えたかったのだろう。


 自立心を持つことも、支え合って生きていくことも大事なことである。それ自体に異存はない。


 ただ危惧するのは自立を強調するあまり、自立できない人が置き去りにされてしまうことだ。
苦楽を共にできない人が支え合いの輪の外に置かれてしまうことだ。


 首相も演説で「どんなに意欲を持っていても、病気や加齢などで思い通りにならない方々がいる」と指摘した。
頑張りたくてもかなわない、立場の弱い人々を支えるのが、政治本来の役割である。そのことを忘れてほしくはない。


 社会保障と税の「一体」改革は消費税増税だけが決まり、社会保障制度改革は後回しだ。
有識者の国民会議は始動したが、議論の遅れも指摘される。
社会保障制度は今のままで、消費税増税だけが強行される事態は見たくない。
政治の覚悟が問われる場面だ。


 社会保障の在り方について、首相は「自助・自立を第一に、共助と公助を組み合わせ、弱い立場の人にはしっかりと援助の手を差し伸べる」と主張し、民主党は先の党大会で決めた新しい綱領に「個人の自立を尊重しつつ、同時に弱い立場に置かれた人々とともに歩む」と明記した。


ニュアンスの違いはあろうが、個人の自立を重んじ、弱者を支えることでは同じではないか
ならば、社会保障のあるべき姿の議論を急ぎ、夏の参院選前に結論を出し、堂々と国民に問うべきだ。それが政治の責任でもある。
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「維新の会」内輪モメ激化 橋下市長が切られる日

「維新の会」内輪モメ激化 橋下市長が切られる日
2013年3月2日 日刊ゲンダイ掲載

<旧太陽系に乗っ取られた>

 日銀総裁人事をめぐってスッタモンダした日本維新の会。
国会議員団から「口を出すな」と言われて激怒した共同代表の橋下大阪市長は、「これから口は出さないが、以後、維新の会にはかかわらない。
どうぞお好きにやってください」とブチ切れメールを議員団に送りつけた。

この件について、橋下は28日、「解決した」と話し、表向きは収束したことになっている。だが、実際は溝が深まる一方だという。

「維新の国会議員団は、衆参で57人。
その内訳は、橋下代表代行に近い“大阪系”が40人、旧『太陽の党』の石原慎太郎代表ら“太陽系”が17人。
意見が対立しても、多数決で大阪系の声が大きくなるとみられていました。

ところが、いざ国会が始まってみると、老獪(ろうかい)なベテラン議員が多い太陽系が完全に主導権を握ってコトを進めている。
新人議員もずいぶん取り込まれ、いま多数決を取れば半々か、ヘタしたら太陽系の方が多くなりそうなのです」(維新の会関係者)

 党の役員を見ても、石原慎太郎代表、平沼赳夫国会議員団代表、片山虎之助政調会長、藤井孝男選対委員長兼総務会長と、主要な役職を旧太陽系が押さえている。
いくら大阪の橋下が共同代表といっても、国会の現場にいないのだから、旧太陽のペースになるのは当然だ。
おかげで、橋下の影響力は日に日に低下。
大阪以外ではテレビで取り上げられる機会も激減している。

 旧太陽系のある議員は、橋下についてこう言った。

「橋下さんには国民世論を味方につける発信力がある。
参院選で勝つには、橋下さんの人気が絶対に必要です。
しかし、国政のことは、やはり国会議員にしか分からない。
裏で握ったり、阿吽(あうん)の呼吸で落としどころを探ったり、長年の間に培われてきた政治手法がある。政治というのは、一方的なメールで済ませられるようなものじゃないんだよ」

 つまり、参院選でそこそこ議席を取れたら、もう橋下は用済みということ。
選挙には利用するが、橋下に政治の何が分かるのかと、完全に見下している。

旧太陽が維新を完全に乗っ取り、参院選後には橋下を追い出す日が来そうだ」。
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2013年03月03日

自由診療は何が自由なのか

日野原重明の100歳からの人生

自由診療は何が自由なのか
2013年2月27日 読売新聞

 最近は、医療の内容が非常に進歩してきました。
どんなに高額な医療費でも、それを払える富裕な階層の人には好都合とはいえても、一般の人たちには関係のないことなのかといった声をよく耳にします。


 そこで、「自由診療」について解説することにしましょう。

診療には、大きく分けると保険診療と自由診療の2つがあります。

みなさんが病気をしたり、けがをしたりした時には、みなさんの誰もが持っている健康保険証を病院や診療所の窓口に出せば、一部負担で、診療や検査をしてもらったり、処方された薬をもらうことができます。

この場合、経済的な事情で医療費を支払えない人は、生活保護の認定を受ければ、無料で診療も受けられますし、入院することもできます。 


 これに対し、自由診療は、保険診療では認められていない最先端の検査や治療を自費でうけることをいいます。

どのような治療法が自由診療かというと、まぶたを二重にすることや隆鼻術などの美容整形があります。
歯科では、抜歯や入れ歯や歯周病の治療は保険診療になりますが、入れ歯の代わりにインプラントという人工歯をあごの骨に埋め込む処置はすべて自費で、いわゆる自由診療となります。


 がんの粒子線療法という高額な治療は自費です。
患者の血液からリンパ球を採血して、それを加工して再び体内に注入する免疫療法も、保険の対象外です。

 幹細胞治療については、最近、問題になっているものは保険診療としては認められていません。


 お金を払ってでも自由診療を受けたいと願うのであれば、内容や効果、そして危険性について、その方面の専門医に相談して、診療を受けるかどうかを十分に話し合うことが必要です。

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2013年03月04日

社説:混合診療 全面解禁には反対だ

社説:混合診療 全面解禁には反対だ
毎日新聞 2013年03月04日 02時32分
 
 政府の規制改革会議や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に関する議論で混合診療が注目されている。
混合診療の一部は現在も認められており、必要性に応じて慎重に広げるべきだが、患者の安全や負担の面から全面解禁には反対だ。


 病気で治療を受けると公的医療保険から治療代や薬代が支払われる。

どの治療や薬を保険適用とするかは値段も含めて国が決めており、それ以外の自由診療は患者の自己負担となる。

合診療とは保険適用の治療と自由診療を併用することで、この場合は保険適用分も含めてすべて患者が負担しなければならない。重い自己負担を課すことで、質的に自由診療を制限しているのだ。


 海外で使われているのに国内では未承認の医薬品、先進的な医療技術を用いることに意欲のある医師は少なくない。
希望する患者も多いはずだ。
自由診療の拡大は製薬企業や医療機器メーカーだけでなく民間保険会社も歓迎するだろう。


 しかし、一般の商品やサービスと医療は違う。
消費者の立場である患者より医師の方が圧倒的に専門知識がある「情報の非対称性」、医療が本質的に持つ不確実性を考えねばならない。

もしも大事な家族が病気となり、未承認で費用もかかるが効くかもしれない治療法があると医師に言われたら、借金をしても頼みたくなるのが人情ではないか。

有効性や安全性の判断は最終的に医師に委ねるしかなく、効果や副作用を後で患者が検証することも容易ではない。


 国内外で承認された薬でさえ不適切な使用で多くの副作用被害を出した例はいくらでもある。
市販後に新たな副作用や不具合が確認された薬や医療機器も珍しくない。そのために公的な審査機関で何重ものチェックをしているのだ。


 現在、100種類以上の高度先進医療が混合診療を認められているが、国が指定する医療機関で行われ、有効性や安全性が確認されれば保険適用となり、そうでなければ混合診療から外される。
その枠を広げることは検討すべきだが、個々の医師の判断にすべてを任せるのは無謀だ。
最高裁も安全面などを考慮し現行制度を認める判決を出している。


 高齢化や医療技術の革新に伴って公的医療費は年々増えている。
医療費抑制への圧力が強まる中で混合診療を解禁したら、患者負担の自由診療が広がるのは目に見えている。

毎日多数の患者を診察して疲弊している現場の医師にとっても高収益の自由診療は魅力的なはずだ。
今でさえ医師不足や医療崩壊が叫ばれているのだ。
保険診療しか受けられない患者は医師探しに苦労することになりはしないか。

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2013年03月05日

いつの間にか「原発再稼働」が前提となっている気持ち悪さ

いつの間にか「原発再稼働」が前提となっている気持ち悪さ
2013.3.4 21:14  NEWSポストセブン  谷川 茂

メルトダウンを起こし、広範囲に放射能を撒き散らした福島第1原発の事故から2年が経とうとしている。

事故直後から、世論は脱原発の方向へ舵を切った。
民主党政権は、世論に配慮しながらも、2012年7月には福井県の大飯原発を再稼働させた。
私たちは、自民党と政府、そして電力会社の「原子力発電所は安全です」という言葉を信じたが、福島第1原発事故でその言葉は裏切られた。
 

事故の検証は、いまだ完璧に行われたとは言えない。
そんな中で大飯原発の再稼働に踏み切った民主党政権に幻滅した読者も多いと思われる。

そして、政権が自民党に代わってみると、原発の再稼働が前提となる議論が、堂々となされるようになっている。


安倍晋三首相は、2013年2月28日の施政方針演説で、原子力政策では「安全が確認された原発は再稼働する」と明言した(産経新聞、同日付)。

同紙の記事によると、「エネルギーの安定供給とエネルギーコストの低減に向けて責任ある政策を構築」し、福島第1原発事故の反省を踏まえた上で「原子力規制委員会の下で妥協することなく安全性を高める新たな安全文化をつくる」と首相は説明した。

そうして、原発の再稼働を促そうとしている。まさに「喉元過ぎれば熱さを忘れる」である。


ずさんな安全基準で建設を促進し、その結果として原発は取り返しのつかない事故を起こした。
事故当時、たまたま民主党が政権を握っていたが、原発の安全基準がずさんであったことの責任は、主に自民党と、自民党が過去に運営してきた政府にあるのは自明のことであろう。


首相の「安全文化」という言葉が、筆者には「原子力発電所は安全です」と言う、かつて私たちをだました自民党の言葉と同じに聞こえるのは、筆者だけであろうか。

エネルギーの安定供給は重要な課題ではある。だが、安定供給が必要だから原発を再稼働するというのは、問題をすり替えていると言わざるをえない。


原発の再稼働がありえるのは、その安全性が完璧に確認され、国民がその安全性に納得いった場合に限定される。
どれだけエネルギーが不足しても、どれだけエネルギーの供給コストが高まっても、その原理原則を崩さないことが、福島第1原発事故を経験した私たちの「学び」なのだと筆者は思う。(谷川 茂)


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2013年03月06日

主権者である国民が国家権力に歯止めをかけるための役割が憲法

主権者である国民が国家権力に歯止めをかけるための役割が憲法
2013.3.6   東京新聞「筆洗」

天皇や摂政、国務大臣、国会議員、裁判官、国家公務員、地方公務員…。
憲法を尊重し擁護する義務を負う、と憲法九九条で規定されている人たちだ。
なぜ、国民はその義務を負わなくてよいのか、と不思議に思ったことがある

主権者である国民が、国家権力に歯止めをかけるための割がである
近代の立憲主義の理念では、国民は国政を担う人たちが憲法に反して暴走しないように「監視役」と位置づけられている。
それ故に、国民には憲法尊重擁護義務はないと学んだ

▼憲法は法律の親玉ではない。
理想とする国家像や伝統、価値観を政党が押しつけたり、ましてや国民に義務を課したりする規範ではない。
自民党の憲法改正草案を読めば、憲法の本質を理解していない人たちが考えたことが分かる

▼昨年末の衆院選に対する一票の格差訴訟の一審判決(二審制)がきょうの東京高裁を皮切りに、全国の高裁・支部で今月二十七日までに相次いで言い渡される。

▼異例のスピード審理の裏側は、最高裁から「違憲状態」と指摘されながら、制度を放置し続けた国会へのいら立ちもありそうだ。
違憲判決どころか、選挙の無効まで踏み込んだ判断が出る可能性があるという

違憲状態の選挙制度で選ばれた国会議員が憲法改正を訴えるのは、ブラックジョークに聞こえる
やるべきことをしてから、言ってもらいたい。
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2013年03月07日

香山リカのココロの万華鏡:ピュアすぎる引きこもり

香山リカのココロの万華鏡:ピュアすぎる引きこもり 
毎日新聞 2013年03月05日 東京地方版

大阪市で30年間、引きこもりを続けた40代の男性が、生活を支えてくれた姉を逆恨みして刺殺するという事件があった。

地裁は、男性が発達障害であることを理由に「社会に受け皿がない」として、求刑の懲役16年を上回る懲役20年の判決を宣告した。

しかし控訴審では一転、「出所後は公的機関の支援があり受け皿はある。
量刑は重すぎて不当」と求刑を下回る懲役14年が言い渡された。


 発達障害があることで刑を重くしたり減刑したりしてよいのかという問題もあるが、10代の息子が引きこもりぎみと相談に来た女性は、「30年間の引きこもりですか。ウチもそうなるのでしょうか」と暗い顔をした。


 実際、診察室には、引きこもり歴35年とか40年の子どもを持つ親も来ている。
“子ども”とはいってもすでに50代、両親は80代というケースもある。
しかも、「いつか立ち直るはず」と見守り続け、つい最近になってからいよいよ自分たちも高齢になったので、とはじめて相談に来るという例もしばしばだ。


 そんな“引きこもりのベテラン”たちと実際に会ったり、メールのやり取りをしたりする機会もある。
そこで感じるのは、「親が心配しているほど社会性がないわけではない」ということだ。
多くの人はたくさんの本を読み、テレビやラジオ、インターネットからいろいろな情報や知識を得ている。
小説を書いている人もいれば、抜群のユーモア感覚を持っている人もいる。

無責任な意見かもしれないが、「この人の30年はムダじゃなかったんだ」と思うことも多い。


 ただ、この人たちの能力や知識は、すぐに職業や収入に結びつくものではない。

仕事となると毎日、同じ時間に同じ場所に通う体力や、気の合わない同僚ともうまくつき合う要領の良さなども必要となるからだ。
自分の世界で好きなことをやり続けてきた人にとって、満員電車での通勤や職場での作り笑顔は意味がなく、不純なことのように見えてしまう。
つまり、彼らはピュアすぎるのだ。

10代のピュアな心のまま、40代、50代になった引きこもりの人たち。

 社会は彼らがそのまま自分の能力を生かせる場を用意すべきなのか、それとも、彼ら自身に「もっと世俗的になれ」と指導すべきなのか。

診察室でいつも頭を抱えてしまうが、高齢の両親には「これがただの気休めに終わりませんように」と祈りながら、こう伝える。

「息子さんには見どころはあるのです。それをうまく生かしきれないまま、ここに至ったのです」

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2013年03月08日

衆議院選は「違憲」 もう異常事態はゆるされぬ

衆議院選は「違憲」、もう異常事態は許されぬ
2013.3.7   東京新聞社説

 昨年の衆院選を違憲と東京高裁が判断した。
最大二・四三倍もの格差で選挙をしたからだ。
限りなく平等な一票にすべく、早く政治は動かねばならない。


 「(最高裁判決で)強い警鐘が鳴らされたにもかかわらず、是正が早急に行われないままに選挙されるに至った経過は、看過することができない」


 東京高裁の論理は単純だ。最高裁は二〇一一年に、最大格差が二・三〇倍だった衆院選を「違憲状態」とし、選挙区割りの見直しを迫っていた。
だが、今回の選挙は、それを無視し、従前の区割りのまま行われた。
「違憲」は当然の帰結といえる。

◆レッドカードで芝生に

 ただし、原告が求めた「選挙無効」の訴えは、退けられた。
昨年十一月に小選挙区定数を「〇増五減」するなどの是正策を成立させたことを評価したのだ。

無効としたときの政治的混乱を配慮した結果でもあるのは間違いない。


 だが、この裁判所の配慮こそ、国会を甘やかし続けたのではないか。
違憲判決を突きつけるだけで、政治が敏感に動くかどうか疑問を覚えるのもその点だ。

 衆院選では、過去に最高裁で二度の違憲判決があるが、選挙無効は回避された。格差是正は図られてきたが、どれも弥縫(びほう)策ばかり…。
国会の怠慢が、選挙があるたびに一票の格差訴訟が起きる状態を招いているのだ。


 「違憲」はサッカーならレッドカードだ。
退場、すなわち「選挙無効」−。
そうしないと、国会は動かず、司法の権威と国民の納得が得られない。


 だが、無効となった場合、どうするかという方策が何も決まっていない。
国会の怠慢と、司法の消極姿勢が、レッドカードを受けた選手たちを芝生の上で走り回らせる−、そんな滑稽な光景を招いているのではないか。

◆同じ民主主義国なのに

 「一票の格差」を米国では、どうとらえているだろうか。
実は日米の間では、雲泥の差がある。


 米下院議員選挙で、ニュージャージー州の選挙区割りを違憲とした、一九八三年の米連邦最高裁判決がある。
ある選挙区の投票価値を「一」とした場合、ある選挙区は「一・〇〇七」だった。
わずか一・〇〇七倍の格差でさえ、連邦地裁は違憲と判断し、連邦最高裁もそれを支持したのだ。


 ペンシルベニア州の判決も極めて興味深い。
最大人口の選挙区と最小人口の差は、わずかに十九人だった。
一票の格差は、一・〇〇〇〇二九倍にすぎないのに、連邦地裁に提訴された。

 裁判所は州議会に対して、三週間以内に新たな区割り法を制定し、裁判所に提出するよう命じた。
〇二年のことだ。
そして、州議会は新たな区割り法をつくった。
その結果は驚くべき内容だった。最大人口の選挙区と最小人口の選挙区の人口差は、たった一人になったのだ。


 これらの事柄は今回の原告が、裁判所に提出した書面で明らかにしたことだ。
同じ民主主義国家でありながら、「一票」の価値に対する意識も実態も、まるで異なっているわけだ。


 代議制民主主義は、
(1)主権者は国民であること
(2)正当な選挙が行われること
(3)国会議員の多数決−の三つから成り立っている。

国民の多数意思は、正確に国会議員の多数決に結び付かねばならない。
そのためには、正当な選挙が行われることが大前提であるはずだ。


 憲法前文の冒頭は、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し(以下略)」で始まる。

正当な選挙こそ、民主主義の根本である。
そうでないと、国会議員の多数決の結果は、国民の意思の多数決と矛盾する事態を招くからだ。


 米国での徹底ぶりをみると、われわれも一票について、もっと真剣に見つめ直さねばならない。
一票の格差とは、住んでいる土地によって、一票の価値が変わる、住所差別の問題であるからだ。


 男性が一票で、女性が〇・五票しかなかったら、間違いなく、違憲・無効の判決が出る。
住所で一票の価値がない人も、寛容でいられるはずがない。


 与野党それぞれで、選挙制度改革に乗り出している。
だが、比例選の定数削減は、格差問題とは無関係だ。
むしろ小選挙区の区割りで、限りなく平等な一票にすべく早く是正策を講じるべきだ。

◆“違憲議員”の正当性は

 全国の十六の高裁・高裁支部で起こされた訴訟で、初の判決だった。
今後、一つも無効判決は出ないのだろうか。

ただし、違憲判断が続出し、最高裁で確定したら…。
議員の正当性も、“違憲議員”がつくる法律の正当性にも疑問符が付くことに他ならない。
これこそ国家の異常事態だ。

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2013年03月09日

社説:再審開始認めず 疑問を抱かせる判断だ

社説:再審開始認めず 疑問を抱かせる判断だ
毎日新聞 2013年03月09日02時30分

1986年に福井市で起きた女子中学生殺害事件で、有罪が確定した前川彰司さんの再審開始決定を名古屋高裁が取り消した。

過去の裁判で開示されなかった証拠を精査して裁判のやり直しを認めた決定を覆すもので、再審制度にも適用される疑わしきは被告の利益に」という刑事裁判の原則に沿って検討されたのかどうか疑問の残る判断だ。


 前川さんと犯行を結びつける物証や目撃証言はなく、前川さんの関与を示唆する知人らの証言が唯一の証拠だった。
その証言の信用性を巡り、1審無罪、2審有罪と判断が分かれ、最高裁で懲役7年が確定した。
服役後の再審請求で名古屋高裁金沢支部が11年に再審開始を決めると、検察側が異議を申し立てた。


 再審請求審で検察側は、裁判所の勧告に従い、関係者の供述調書や解剖写真などを初めて開示した。

裁判所は、これらの新証拠を確定判決の根拠となった証拠と併せて検討し、現場に残されたものと違う凶器が使われた可能性や犯行後に前川さんが乗ったとされる車から血液反応が出なかった不自然さから、前川さんを犯人とするには「合理的な疑いがある」と結論づけた。


 最高裁は75年、「疑わしきは被告の利益に」の原則が再審にも適用されるという「白鳥決定」を出し、冤罪(えんざい)事件に再審の扉を開いた。

足利事件や東京電力女性社員殺害事件などで再審無罪が続き、その原則を適用する流れは明確になっている。

今回もDNA鑑定のような決定的証拠はないとはいえ、確定判決に疑問を抱かせる新証拠が示された以上、再審開始の決定は妥当と言えよう。


 ところが名古屋高裁は、これらを無罪にすべき明らかな証拠と認めなかった。
知人の証言が変遷した理由にも合理性があり信用できるとし、捜査による誘導の疑いも否定した。

日本弁護士連合会が「白鳥決定を無視し、不当極まりない」と会長声明を出したが、証拠に対する評価がこれほど異なると、司法の信頼性を疑われても仕方ないだろう。


 大阪市平野区の母子殺害事件の最高裁判決(10年)は、状況証拠のみで有罪認定するには「被告が犯人でなければ合理的に説明できない事実関係が含まれていなければならないとして、反証的な姿勢で厳しく証拠を吟味するよう求めた。

今回の決定で弁護側は最高裁に特別抗告するが、慎重な審理を望みたい。


 裁判員裁判が始まり、最高裁は、1審の判断を控訴審で覆すためには「論理則や経験則に照らして事実認定が不合理であることを具体的に示す必要がある」との見解を明らかにしている。
これは再審にも求められる原則ではないか。




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2013年03月10日

東京大空襲も忘れないで!!

「小だぬきのつれづれ日記」2012.3.10一部手直し

太平洋戦争時 アメリカの戦略空軍は 国際法規を無視した 軍事関連施設以外の無差別爆撃をして一般国民の大量殺りくをしました。

東京・神戸・横浜・北九州・那覇をはじめ 全国に渡って B-29爆撃機による焼夷弾(油をまき点火する 日本の木造家屋を念頭にした爆弾)爆撃です。
記録を読むと 日本の陸・海軍の防空戦闘も米軍パイロットに恐怖を与えるほど奮戦し 数百機の損害・撃墜を記録しているのですが、被害の甚大さを止めるにはいたりませんでした。

昭和20年3月9日の深夜から10日未明にかけての 東京下町地域に行われた大空襲では 数百機が大量の焼夷弾を地上の火災が円形になるよう爆撃し 住民の避難が出来ない状態を意図的に作りだして 20万以上の焼死者を出した悲惨な「戦争犯罪」爆撃でした。

一昨年の3.11の東日本大震災の米軍の「ともだち作戦」には 感謝するものの、67年前に敗戦が誰の目にも明らかになっていた日本本土に対しての無差別爆撃をされた事実は 決して風化させてはなりません。

「勝てば官軍」「不幸な過去を乗り越えて」などと 許したり忘却のかなたに消し去ることは 絶対にあってはなりません。

欧米の植民地政策、日本に対する無差別爆撃・一般市民への機銃掃射・火炎放射器使用・原子爆弾などを 問題にしなかった「東京裁判」の問題点なども しっかりと認識する必要があります。

戦争犯罪は 敗戦国だけではないはずです。

明日のマスコミが 3.11の「トモダチ作戦」に配慮して 太平洋戦争時の米軍の戦争犯罪を直視しないものになるのなら 独立国の報道機関とは言えないし、自国の歴史も事実を積み上げて客観的に評価する立場をも投げ捨てるものになります。

よく戦史は 勝者によって作られると言われますが、歴史を学ぶことは 現在の在り方をも決めるものです。

世界に唯一つ首都圏に 米軍が広大な基地を持ち、しかも戦後の委託統治期間(占領期間)に軍政の元 ブルドーザーで農地を踏みにじり設営した 世界一危険な沖縄普天間基地などに 主権国として対等な交渉が出来ない政府。

今の自衛隊を解釈改憲で防衛省設置までしたのなら、かって小沢一郎氏が述べたように 日本の国は自国の自衛隊が第一義的防衛をする。
米軍は 国内から退去し 第7艦隊で有事の場合支援してくれればいいと 国益にそった主張をした時に 日米安全保障条約の欺瞞・アメリカの世界戦略のためのものと浮き彫りになるでしょう・・・。

田中角栄元首相のロッキード事件失脚も アメリカの世界戦略を無視して 中国との平和条約締結をしたためによる アメリカ謀略説が消えません。

私たちは 3.11とともに 3.10という日も 風化させてはならない日です。

フィリッピンという国は十数年前 米軍駐留にNo!と毅然たる態度を示しました。それによって不利益があったでしょうか・・・。

最近 うつ症状がぶり返していて 思考がまとまらないことをお許しください。

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2013年03月11日

3・11から2年 人は必ず立ち直る

3・11から2年 人は必ず立ち直る
2013年3月10日  東京新聞社説

 二年がたちました。
だが、復興への充実の二年だったとは言えないでしょう。
原発事故の福島はこれからです。そして、それでも人は立ち直るのです。


 昨年の今ごろ、福島の地元紙福島民報の論説責任者は、こんなふうに言っていました。

 「福島の人口が減っているのですよ。
二百万県民が、原発事故後に三万人も減ったのです」

 人口が減るという恐怖は、外からはなかなか分かりません。何か身の細るような、知らないうちに大事なものが消えてゆくような怖さなのでしょう。
人口は、昨年も続けて減りました。

◆働き盛りが流出する

 総務省の人口移動報告では、昨年の福島県の転出から転入を引いた転出超過は一万三千八百四十三人。
前年の約半分。
しかし、十四歳以下の子供と、その親世代に当たる二十五〜四十四歳が計約七千人を占めた。
福島の未来を支えるべき人たちです。
人口減は全国最多、住民票を移さずに県外避難している人も多数います。


 原発の事故前、少子化などで毎年五千人ぐらいずつ減っていたのですが、今の理由はもちろん放射線量です。

 その怖さは住む者にしかおそらくは分からないでしょう。
正しく怖がる、などというのは机上のことかもしれません。


 福島市から太平洋へ至る県道を、車でよく通る住人に会いました。こう言いました。

 「走っていると、涙が出てくるんです。かわいそうで」
同じ道を車で走りました。


 緩やかな峠を越え、飯舘村に入ると景色の印象は一変します。

 道沿いの田は無人の枯れ野、家々の縁側の大きなガラス戸には一様にカーテンが引かれている。
庭に駐車場に車はない。
理髪店も薬局もスーパーも閉まっている。

◆人の権利が侵される

 いるべき人がいない。
そういう姿を見て、住人は同じ県民として涙がわいてくるというのです。


 そこにいるはずの人が避難を強いられ、狭い住宅に住み、慣れない土地で暮らしている。
そんな無理と不公平は、本来は人間の権利にかかわるべき事柄です。
憲法でいう人権や幸福追求権が奪われてしまっている状態です。
我慢は強いられているのです。


 昨年来、「仮の町」という言葉をよく聞きます。

 放射線量が高いので町に住めない。
だから一時的に別の場所に町をつくるというのです。

 人口約一万五千人の富岡町は県内避難が一万一千人、県外に四千五百人。
いわき市と郡山市の両市に仮の町をつくり、やがては本来の富岡町の低線量地区に町を戻そうとしています。
大熊や双葉、浪江の町も計画しています。
人は町とともに、町は人とともに生きるのです。


 旧ソ連のチェルノブイリ原発事故では、住民は強制移住させられました。
共産主義国家では土地は国家のものだから、移住は国家の意思でなされます。
住民に選択の余地はありません。

 日本では、もちろんそうはゆきません。国民には一定の権利があるのです。


 飯舘村役場は現在、福島市に間借りしています。その臨時の役場で菅野典雄村長はこんなふうに言いました。


 「国は机の上で計算しているばかりだ。実態はここに来てみないと分からない。
例えば許容放射線量だって、厳密な数字ばかりでは測れない部分がある。
人の暮らしを大事にせねばならないところだって出てくるのです」

村長が言いたいのは人間を優先してほしいということです。それが政治の原点だということです。
 人の生き方はさまざまです。考え方も人それぞれです。


 福島では、福島に残ろうとする人がいて、同時に仕方なく去ろうとする人がいる。
その両方ともそれぞれに考え抜いた選択であり、そのどちらにも責められることなどあるはずもない。

憎むべきは、そのどちらにも抱かれかねない外部
からの差別です。
差別とは人間の最も卑しむべき感情です。

◆前よりずっと強くなる

 責められるべきは繰り返しますが、実態を知らず、支援を不十分なままにしている国などでしょう。
今の事態は人間の本然的な権利が侵された状態なのです。


 復興は歯がゆいほど遅れています。
岩手や宮城の津波被災地でも高台移転の合意などは容易ではありません。

しかし希望を見いだすのなら、住民の結束はより増し、住民の自治意識、デモクラシーはより強くなったのだと思いたい。


 二年がたちました。

被災者、また私たちは前よりずっと強くなったのではないでしょうか。
つまり人は必ず立ち直るのです。

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2013年03月12日

3月10日までは いい日だったね

3月10日までは いい日だったね
2012.3.11    東京新聞「筆洗」

<お母さんがいたら、いろんなことができたね。
ケーキとかつくったりできたよね。
保育園から帰ると、お母さんが作ったおやつを食べさせてくれたね。
3月10日まではいい日だったね>と、岩手の小学三年の女の子は書いた

▼『3月10日まではいい日だったね』は、震災遺児らを支援する「あしなが育英会」が出した作文集だ。
表紙は、あの一本松の絵。
お父さんが行方不明になった九歳の少年が描いた

▼彼は天に伸びる勢いの松を描いて、言葉を添えた。
<がんばれ一本松 ぼくのお父さん どこにいるか みえないかな。
 みえたら おしえて 一本松 おねがいするよ>

▼東日本大震災で親を失った子どもは千五百人を超える。
あしながの作文集を読めば、この千五百の心が抱えるだろう想(おも)いが、脈を打ち伝わってくる

▼宮城の小三の女の子はあの日、母さんとけんかして、謝りもせず学校に行った。「母はもう怒ってないだろうな」と思いながら家へ帰る途中、地震が起きた。
学校に戻り夜を明かした。
みんなには迎えが来たのに、母さんは来なかった。
死んでしまった

▼二年前のきょうは金曜日だった。少女は、書く。
<私はお母さんが見つかってから金曜日の2時46分に、ベルを鳴らしています。
そしてお母さんに「ゴメンネ」を送っています。
ちゃんと聞こえていたらいいです>。

きっと、聞こえているよ。
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2013年03月13日

香山リカのココロの万華鏡:明るい話題の陰で 

香山リカのココロの万華鏡:明るい話題の陰で 
毎日新聞 2013年03月12日 東京地方版


 「株価がリーマン・ショック前を超えた」といった明るい話題が報じられるたびに、「これを見て喜べる人とそうでない人との割合は、どれくらいなのだろうか」と考えてしまう。


 自分の体調が悪いとか家庭に悩みごとがあるなど、個人的に深刻な問題を抱えていれば、いくら社会で明るい話題が出たとしても、とても喜ぶことはできないだろう
診察室にはそういう人たちが大勢、やって来る。


 たとえば「がんの疑いがあります」と言われて検査を進めているときに、「オリンピック候補地、東京が有力か」などというニュースを見たとしても、「いいぞ!」と心をときめかせたりはできないと思う。
そういう人はテレビを見るのもつらい。


 そうだとしたら東日本大震災の被災地の人たちはどうなのだろう、と気になる。
家族や住まい、職場を失って大きな喪失感を抱えたままの人が大勢、生活を営んでいる。
「時間が止まったまま」という人も少なくないはずだ。


 しかし、当然のことながら、被災地でもテレビをつければ「景気が回復してます」「東京で新しい施設がオープン」といった明るい話題も流れてくる。

それを見ながら「世の中は私とは関係ないところで、前へ前へと進んでいるんだ」と孤立感を強めている人はいないだろうか。

 
 もちろん、被災地の人たちも日本中の人がいつまでも悲しみ、暗い顔をしていてほしい、と思っているわけではないだろう。

たとえ自分とは関係ない話ではあっても、がんばっている人の姿や業績をあげた企業の姿を見て励まされ、自分を奮い立たせている被災者も大勢いる。


 ただ、私たちはどんなときも忘れてはいけない。
自分やまわりが楽しかったりハッピーだったりするときにも、どこかで悲しみに暮れたり重い悩みで苦しんだりしている人がいる、ということを。


 楽しむな、というわけではないが、悲しんでいる人に寄り添う準備はいつもしておくべきだ。
「社会は前に進んでいるんだから、あなたも早く笑顔になって追いついて」などと強制してはいけないことは、言うまでもない。


 自分がうれしいとき、楽しいときこそ、そうでない人たちにも心配りができるか、その人の真価が問われる。

経済に明るい兆しが見えてきた日本も同じ、今こそ被災地の人たちの深い悲しみに心を寄せたい。

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2013年03月14日

心にふたをすると、中はうみでぐちゃぐちゃに

「心にふたをすると、中はうみで・・・」
2013.3.13   東京新聞「筆洗」
 

「心にふたをすると、中はうみでぐちゃぐちゃになる。
うみを出して縫い合わせる作業が必要なんです」。
宮城県名取市の心療内科医桑山紀彦さんには、被災者の多くはまだ津波に向き合えていない、という思いがある

▼開業していたクリニックが被災。
自家発電機を回して救援に当たった桑山さんは、ユーゴ紛争やスマトラ沖大地震などの医療支援にかかわり、被災者らに寄り添ってきた

▼命の危険を感じた人が心の傷を放置すれば、やがて心的外傷後ストレス障害(PTSD)という魔物になり心を蝕(むしば)む。
そんな現場を見てきた医師が引き受けたのは、住民の一割以上が犠牲になった閖上地区の子どもたちの心のケアだ

▼震災前の街並みや目撃した津波の光景を紙粘土などで再現してもらい、短編映画の制作などを通じ、埋もれた記憶を整理する手助けをしてきた。
「あの日」と向き合えるようになると、未来を描がく力湧く。
心配なのは大人なのかもしれない

▼「つらくて忘れたいのは当然。
でも、いつかふたを開け、あの日のことを吐き出さなければならないのに、忘れれば楽になる、と思っている被災者が多い」と桑山さんは心配する

▼記者に話をすることで、つらい記憶が整理される人もいるという。
被災者の言葉にひたすら耳を傾け、伝えてゆく。
地道な積み重ねが、風化を防ぐことにつながると信じている。

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2013年03月15日

石井苗子健康術:傾聴するなら仕事くれ!!

石井苗子の健康術
2013年3月12日  読売新聞

(本音なんでしょうが、びっくりしました)


 傾聴とは心理学の専門で「耳を傾けるようにしてその人の話をじっと聞く」という意味です。


 先日、「被災地の環境復興」に貢献しているボランティア活動者たちのフォーラムがあったので参加してきました。


 傍聴席に座っていて周囲を見たら、みなさん宮城県の活動者ばかりでしたので、パンフレットを見ると「宮城県の支援グループの集まり」だったようで、私はいつものように早合点してしまったのですが、福島県で活動しているのは私ひとりだけなので、よい機会だと思ってずっと座っていました。


 最初のスライドが「町民を社会資源化して取り組む被災者支援」となっていたので、「ほ〜、どうやるんだろう」と興味をもちました。


 そこでは、ボランティアリーダーの方々が、毎朝集まって早朝企画会議を開き、地域の状態を把握し、引きこもりがちになっているご夫婦の訪問などを、仕事がない元気なお年寄りの誰にしていただくかを相談して決め、「孤独死」を予防しているのだそうです。

老老介護の活動のアイデアでした。
ところが多くの「引きこもり」の方から、「話を聞きに来られては気が引ける。それより何かうまい仕事の話を持ってきてくれ」と言われてしまうのだそうです。

それだけ働きたい中高年が多い。また、無職の若者からも特にそう言われるらしく、「話を聞きにこられるのはたくさんだ。都会に出て仕事がしたい」といわれると。
まさしく「傾聴するなら仕事くれ!」若い方はご存じないでしょうが、これは女優・安達祐実さんの主演ドラマ中のセリフで「同情するなら金をくれ!」という当時流行った言葉をもじったものです)なのだそうです。
これには驚きました。

福島県の医療支援を震災当時からやっている私としては「傾聴」という言葉は一番大切だと教わりました。
しかし、その難しさが今、身にしみて分かったような気がしました。傾聴なんかしてられないと言われることもあるのだと。


 参加者の中で、ある若いお父さんが、「自分の娘からどうしてこんなつまらない町で私を産んだんだ」と言われて愕然となりました

と、悲痛な顔をして発言していらっしゃいました。被災したこの町をなんとか魅力的な町に変えてほしいとおっしゃっていましたが、そのプランが、街角にコンビニエンスストアが何軒も出来て、ソーラーエナジーを設置することで東京から人を呼び現地の雇用を増やし、電柱を家の裏に立て替え、そのうしろに畑をと、夢は大きいのですが、先の困難さを感じました。


 かつては農業や漁業が中心の地域ではありましたが、津波がくる以前から決して若者が定着していた町ではありません。

人口が都会へ流れていき少子高齢化のいきおいが激しくなってきていたところに、地震と津波に襲われた。
そこが前と同じような町として栄えるということは非常に難しいと思います。

地元特産の海産物をなんとか高値で売りたい。
農業や漁業を復活させたい。
でもその労働人口は集まってきません。

除染の仕事や土木の仕事で大手の会社がいっぱいやってきて、ホテルは満杯、繁華街は繁盛していると聞いているが、その利益はどこに流れていっているのだろうという不満も出ていました。


 あらゆるボランティア活動を行っている人たちが「もう傾聴はいいから、早く仕事をくれ」と言われるとは、誰が思ったでしょうね。
月日がたつのは早く、人の気持ちもうつろうものです。


 医療従事者数は全く足りず、高齢者数が増えてきているのもさることながら、病気ではないのだが家の電球が取り替えられなかったり、トイレットぺーパーがなくなったときにすぐに持ってきてくれるような人がいなかったりという独り暮らしが多くなっている
いわゆるかゆいところに手が届くことを24時間やってくれるのは有料サービスということになります。
こうしたことにボランティア活動員を揃えるのにもお金が必要です。

そのフォーラムでも最後には募金のお願いをしていました。どこも同じなのだなあと思って帰ってきました。

いつも思うことがあります。
それは被災地に行くと「ここに住んで常駐サービスをしてほしい」という現地の要望です。
「この町に住んで私たちの仲間となって一緒に働いてください」。
これはなかなかかないません。

私たちの「きぼうときずな」の活動も3年目に入りましたが、地元出身の保健師さんを東京で探して、福島県で短期間地元の保険センターの保健師さんと協力して働いてもらい、その下部組織として東京から派遣保健師や看護師を送るという作戦に変えつつあります。

ボランティア組織も事業化しなければ個人のモチべーションだけではやっていけません。
予算も企画に基づいて福島県庁とかけあっています。

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2013年03月16日

年金のマクロ経済スライドは高齢者にとってお先真っ暗な制度

年金のマクロ経済スライドは高齢者にとってお先真っ暗な制度
2013.03.16 07:00 NEWSポストセブン

 年金は“お上のお慈悲”ではない。
国民が保険料を支払った結果として得る当然の権利である。
国は国民からお金を借りているといっていい。


 しかし、国民に返済すべき借金は踏みにじられ続けてきた。
年金制度開始以来、保険料が値上げされ続ける一方、1986年改正ではサラリーマンの給付額が25%カットされた。
2001年には年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられた。


 その建前は高齢化、少子化、経済停滞、財政危機……。
だが、それらはすべて年金改悪を正当化するための方便だ。

年金官僚はまともな年金資金の運用を怠った上に、「年金財源は自分のカネ」とばかりに湯水のように流用してきた。
全国に大規模リゾートを建設し、豪華官舎や専用のゴルフ練習場をつくるなど勝手放題。その総額は6兆8000億円に上る。


 その結果、年金財政は破綻寸前まで追い込まれた。
そこで年金官僚は必死に悪知恵を巡らせた。
“どうしたら国民に知られることなく、年金支給を減らし、自分たちの財布を守れるか”──。
その結果考え出されたのが、2004年の年金改正で導入が決まった『マクロ経済スライド』というややこしい年金の計算方法だ。


 ごく簡単にいうと、『マクロ経済スライド』とは、インフレになった際に毎年毎年受給額を目減りさせる仕掛けだ。


「年金博士」こと、北村庄吾氏(社会保険労務士)が怒る。


「急激なインフレになっても年金生活者が困らないように、物価や賃金の上昇率に応じて受給額を毎年増やしていく『物価スライド』は年金制度には必要不可欠な仕組みです。
民間の個人年金や保険では不可能なことであり、だからこそ公的年金は高齢者の生活を守るセーフティネットとして機能してきました。


 しかし、2004年に『マクロ経済スライド』が導入されたことにより、それまでの物価スライドが放棄されました。
世界ではスウェーデンにだけ制度がありますが、適用されたことはありません。
インフレになってこの悪魔のような仕組みが発動されれば、日本の高齢者の生活はお先真っ暗です」


『マクロ経済スライド』はインフレ率から「スライド調整率(厚労省は0.9〜1.4%を見込む)」を引いた改定率を毎年適用して、年金額を決めるというルールだ。
スライド調整率は、年金財政を支える現役世代の減少率と平均余命の伸び率から導き出すことになっている。


 たとえば、物価が上昇し、インフレ率が2%、スライド調整率が1%であった場合、それまでの制度であれば2%増えたはずの年金額が、インフレ率からスライド調整率を引いた1%しか増えないことになる。


 さすがに狡猾な年金官僚だけのことはある。
ただでさえ複雑な年金システムを、一段と複雑怪奇な計算式で包み込み、物価が上がっても受給額はできるだけ低く抑え込むという、いわば「年金自動引き下げ装置」を発明したのである。


※週刊ポスト2013年3月22日号

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2013年03月17日

彼岸の入り:墓参り、聞くことを躊躇わない

震災の影響の残る水戸の菩提寺に「墓参り」にいきます。

贅沢にも スーパーひたちグリーン往復割引切符です

JRからいろいろなイベント切符が出ています、知らないと 高い切符を買うことになります。
駅員や案内係は「イベント・企画切符は ないですか?」の問い合わせが合ったら 教えるという姿勢のようです。

旅行や帰省の際、自販機でなく 窓口で 聞く習慣が必要です。

親子3人なら 回数券使用の方がお得になります。

行政も「申請主義」といって、役所も申請しなければ 福祉や減税などの適用がなされません。
身近な例ですと 「年金」「就学援助」「準用援助」・・・など多岐にわたります。

市民ガイドや市政ニュース、市のお知らせなどは、読むことを習慣にしてください。

受けられるサービスを受けるのは「権利」です。
知らないこと・わからないことがあれば、行政機関や民間窓口で聞きましょうね。

*今日のご挨拶は 17時過ぎになると思います。お許しください。
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2013年03月18日

検証できないニッポン

週のはじめに考える 検証できないニッポン
2013年3月17日  東京新聞 社説

イラク戦争の開戦から十年。
誤った戦争へと、なぜ突入したのか。
米英など各国は検証作業を進めましたが、日本は例外です。
それでいいのでしょうか。


 あの日から十年がたとうとしています。
二〇〇三年三月二十日。

日本時間で正午前、ペルシャ湾岸地域に二十八万人の兵力を展開していた米英軍が、イラクの首都バグダッドなどへの空爆を始めました。
イラク戦争の始まりです。


 当時のブッシュ米大統領が掲げた戦争の大義は、生物・化学などの大量破壊兵器を開発・保有するイラクの脅威から、米国や国際社会を守るというものでした。

◆誤った大義で開戦

 しかし、どれだけ探しても、大量破壊兵器は見つかりません。

 大統領は翌年二月、開戦前に得た大量破壊兵器の情報が正しかったのか否かを調べるため、前上院議員や元連邦判事らによる超党派の独立委員会の設置に応じます。
この委員会は一年以上かけて、米情報機関の情報収集・分析の在り方を検証しました。

 そして、開戦から二年後の〇五年三月、大統領に提出した最終報告書で、中央情報局(CIA)などの情報分析が「完全な誤り」だったことを指摘します。

大量破壊兵器などなかったのです。


 誤った大義で始まった戦争は多くの犠牲者を出しました


 非政府組織(NGO)「イラク・ボディー・カウント」によるとイラク戦争の開戦から、一一年十二月、米軍のイラク撤収までの死者は約十六万二千人。
このうち約八割が民間人で、約四千人は子どもの犠牲者です。


 有志連合として参戦し、二百人近い犠牲を出した英国、大規模戦闘終了後、治安維持目的で派兵したオランダでも、独立の調査委員会がつくられ、派兵の是非をめぐる検証作業が行われました。

◆米英では首脳聴取

 小泉純一郎元首相は米英両軍のイラク攻撃を支持し、復興支援を名目に自衛隊を派遣しました。
その判断は妥当だったのか。


 日本でも検証を求める動きはあります。
世界平和アピール七人委員会のメンバーで、翻訳家の池田香代子さんらが呼び掛け人となった「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」です。
政府に対して第三者検証委員会の設置を求める活動を、〇九年から始めました。


 イラク開戦にも反対した池田さんは「日本には執拗(しつよう)に追及する文がない。
名古屋高裁は航空自衛隊のイラクでの活動を違憲と判断した。
深刻に検証すべきだ。
水に流してはならない」と話します。


 国会にも検証が必要だと考えていた議員がいました。
その一人が民主党の斎藤勁(つよし)さんです。


 「自衛隊の海外活動、国際貢献の在り方が問われる時代、それを検証する国こそが、国際的に認知される国になると思う」

 こう語る斎藤さんは一〇年、第三者検証委員会の設置を求める議員連盟の会長に就きました。
英国にも調査に赴きます。


 実は、国会では〇七年にイラクへの自衛隊派遣を二年間延長する際、衆院特別委員会が、開戦支持の判断を検証するよう政府に求める付帯決議案を可決しています。
ただ、〇九年までの自民党政権時代、この決議は履行されません。


 政府側に動きがあったのが、民主党政権下の一一年八月末です。当時の松本剛明外相の指示で「検証」作業が始まったのです。

 しかし、この作業は外務省内の文書調査や職員の聞き取りだけでした。
報告書も要旨が発表されただけで全文は非公表です。
大統領や首相も聴取対象にして報告書なども公開している海外の検証とは大違いです。
外務省のそれは、とても検証と呼べない。


 しかも要旨の発表は昨年十二月二十一日。
衆院選で民主党が敗れた直後の政権交代期です。
当時、内閣官房副長官だった斎藤さんにも説明はなく、寝耳に水でした。


 斎藤さんは「官邸の中にいて、何もできなかった。忸怩(じくじ)たる思いはある」と話し、こう付け加えます。
「政党が非力だった。官僚が悪いというよりは、政党の側がしっかりしなければならない」

◆歴史に対する責任

 政府が動かないのなら、国会の出番です。
福島第一原発事故では憲政史上初の国会事故調査委員会がつくられ、原子力行政機構の機能不全などを指弾しました。
当時の菅直人首相らからも聴取し、報告書はすべて公表されています。

イラク戦争も同様に検証できないか。
政策判断の誤りを繰り返さないよう後世に引き継ぐ。
今を生きる者の、歴史への責任です。

 政府の開戦支持に同調したメディアがある中、本紙は反対を貫きました。
しかし、政府の支持表明や自衛隊派遣を止められなかった事実は重い。
私たち新聞も検証の責任から逃れてはならないのです
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2013年03月19日

来年4月の消費増税は橋本増税の二の舞・・

森永卓郎氏 来年4月の増税は橋本増税の二の舞演じると警鐘
2013.3.19  07:00   NEWSポストセブン


 来年4月から消費税が5%から8%に引き上げられる予定だ。

かつて橋本龍太郎内閣は阪神・淡路大震災の復興需要で景気が上向きかけた時(1997年)に消費税率を3%から5%に引き上げ、減税廃止、健康保険の窓口負担引き上げなど年間9兆円もの国民負担を増やした。

それをきっかけに景気は一気に落ち込み、日本経済は現在まで続くデフレに入った。


 経済アナリストの森永卓郎・獨協大学経済学部教授は「橋本増税の二の舞を演じようとしている」と警鐘を鳴らす。


「安倍晋三首相が予定通り来年4月に消費税を上げれば同じことが起きるはずです。
現在の日本経済は震災後の莫大な復興予算に支えられているが、それでも景気は低迷してきた。
安倍政権は新たに13兆円の景気対策を組んだものの、来年4月はその景気対策の効果が薄れ、復興予算も使い果たす最悪のタイミングなのです。

 安倍首相はそのことをわかっていて、それでも税率を上げるつもりでしょう。
アベノミクス金融政策政出動も、7月の参院選を乗り切り、増税を確実に実現するためのものなのです。

ちなみに消費税アップに加えて年少扶養控除といった減税廃止、厚生年金保険料のアップなど国民負担増が相次いでいることも橋本内閣当時と似ている。


 政府(内閣官房社会保障改革担当室)の試算によると、年収500万円の夫婦と小学生2人の4人世帯は、増税や控除廃止などを合わせると2016年には年間33万8000円もの負担増となる。
サラリーマンの手取り収入が7%アップしないとカバーできない金額だ。


 安倍首相は経団連はじめ経営者団体に対して、アベノミクスで業績が回復している企業の賃上げを要請し、麻生太郎財務相も、「連合に代わって給料を上げてもらう交渉をしている。

この10年間労働分配率は下がり、物価以上に給与が下がった。
企業の一番上の方々に決断していただく」と胸を張った。


 だが、経団連は春闘の指針で「ベースアップを実施する余地はない」としており、春闘の妥結内容を見ると、円安の恩恵を受ける輸出企業でさえボーナスが少し上乗せされた程度だ。


※週刊ポスト2013年3月29日号

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2013年03月20日

香山リカのココロの万華鏡:組織の構図、見直して

香山リカのココロの万華鏡:組織の構図、見直して 
毎日新聞 2013年03月19日 東京地方版

 この1カ月、全日本柔道連盟(全柔連)の暴力問題に関する第三者委員会委員として、調査や意見書作成に追われていた。
そして、委員全員が総力をあげて取り組んだ結果、なんとか意見書が完成して全柔連にわたした直後に、スポーツ振興センターからの助成金の不正徴収の問題が発覚した。

第三者委員会は、今回の問題はあくまで柔道の強化、指導をめぐる問題と考え、「どうすれば選手がのびのびと柔道に打ち込み、人生を充実させていけるか」という観点から聴き取りを行い、提言をまとめた。
私自身も、連盟幹部たちの語る「選手を勝たせたかった」との言葉にはウソはないと信じ、
すべての決定事項が上意下達で伝えられ、組織内のコミュニケーションが不足していたことが問題の原因と考えた。

まさか、そこにお金の問題までが絡んでいるとは思っていなかったのである。
もちろん、委員会の意見書にも「経理を明確にすること」とか「監査を入れること」といった文言はない。
あくまで選手が苦情を申し出られる窓口を設置するとか女性の指導者を育成するといった“スポーツ組織のお手本”を目指す形の意見書だ。

 しかし、今となっては「この意見書でよかったのか」と一抹のむなしさを感じている。いくら相談窓口を作ったり女性理事や指導者が数人、就任したりしても、組織が勝手にお金をプールして一部の人たちのために使う、といったいいかげんなことが当然のように行われている限りは、変化は見せかけだけのレベルで終わってしまうだろう。

「私たちのやった調査に意味はあったのか」と落ち込んでいたら、知人がこう言った
。「どの組織も、多かれ少なかれ同じようなものですよ。私がいる業界なんてもっとひどくて、上に立つ人の一存ですべてが決まり、セクハラ、パワハラも日常茶飯事。被害を受けた人はそっとやめるしかないんですから」

なぐさめのつもりでかけてくれた言葉だろうが、それを聞いてさらにめいってきた。

「柔道の世界だけがあまりに異常」ではなくて、本当に「どこの組織も同じようなもの」なのだろうか。
上にいる一部の人が権力や利益をひとり占めし、まじめにがんばっている人たちは尊厳を踏みにじられながら、ひたすら働かなければならない。
そんな理不尽な組織がほかにもあるとしたら、日本の社会の未来は暗いと言わざるをえないだろう。
この機会にぜひ、どの組織、どの企業も「ウチはどうだろう」と我が身を振り返ってみてほしい。
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一人の悪意が99人の善意より強烈なのはなぜ?

1人の悪意が99人の善意より強烈なのはなぜ?
2013.3.18   読売新聞  yomi.Dr  海原純子

 「あの人さえいなければ職場はどんなに過ごしやすいか!」
 「あの人さえいなければご近所は住みやすいのに。あの1人なのよね」


 私たちはよくこんな言葉を耳にしたり口にしたりします。
そうなんです。
「あのたった1人のために・・・」嫌な思いをしたり悩んだりすることがいかに多いか。皆さんも経験があるのではないでしょうか。


 私はこんな相談を受けると、「それは人間関係の完璧主義のせいでしょうね」などと答えたものです。

「すべての人とうまくいきたい。すべての人に好かれたい」
願望だから、人間関係完璧主義はやめましょうよ、と提案し、「全員に好かれ、全員とうまくいく人なんていませんよね
ということで、この嫌な気分を乗り切ろうとしてきました。


 それにしても1人の悪意はなぜこれほど強烈なのでしょう。

私にしても、例えば、講義をしていてたった1人あくびをしている学生がいると、たった1人なのに不快になることがありますし、書いた原稿や述べた意見に対して、たった1人不適切な反論をされるとその反論が全く根拠のないものであっても嫌な気分になったりします。


 
時々出かけるスポーツクラブで、とても感じが悪い人が1人いるというAさんは、その他の人たちとはうまくいっているにもかかわらず、その1人のためにスポーツクラブに行くのをやめようと思っているとさえ言っています。


 「それは1人のことなのだ」「人間関係完璧主義をよそう」と思っても、やはり「その1人」によって嫌な思いにさせられるのです。


 最近見つけたダニエル・カーネマン(認知心理学者・心理学者にもかかわらずノーベル経済学賞を受賞しています)の著書「ファスト&スロー」で、「怒った顔は大勢のニコニコ顔の中から飛び出して見える」という実験の一説を読みました。

動物の脳は、悪いニュースを優先的に見つけ、処理するメカニズムが組み込まれ、危険をはらむ言葉や出来事に敏感に反応するのだという。


 怒った顔がたくさんいるところから1人のニコニコ顔を見つけるのは大変なのに、怒った1人の顔をすぐに察知するのは、生物学的なメカニズムなのだ、と納得。


 つまり、私たちは危険にすぐに対処しようとして「1人の悪意」に反応するメカニズムを持っている。
だからこのメカニズムに気づきつつ、心をいい方向に向けていくトレーニングが心のケアには必要ということなのでしょう。


海原 純子(うみはら じゅんこ)

 1976年東京慈恵会医科大学卒業。白鷗大学教授。医学博士。
2000−2010年、ハーバード大学及びDana−Farber研究所・客員研究員。
現在はハーバード大学ヘルスコミュニケーション研究室と連携をとりながら研究活動を行っている。

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2013年03月21日

脱プチうつ!沈んだ気分をハッピーにする魔法の言葉4個

脱プチにする魔法うつ沈んだ気分をハッピーの言葉4個
2013.03.20 16:00 NEWSポストセブン

めっきり春らしい陽気な日が続きますが、おだやかな天気とはうらはらに、気持ちがドーンと沈んでいるなんてことはありませんか?

大好きな彼に振られた、仕事でありえないミスをした、とにかく花粉症が辛い……等々、気が滅入ることがたび重なると、「自分には人生の春なんて絶対に訪れない!」なんて自暴自棄にもなってしまいますよね。

そんなネガティブ全開のあなたがハッピーの糸口を見つけるにはどうすればいいのか? 昔から“口癖はその人を形作る”なんて伝えられているように、いつも口にするフレーズによって、人の運不運は左右されるともいえます。

イヤなことがあると、つい愚痴や泣き言ばかりになってしまいますが、だまされたと思ってまずはポジティブな言葉を口癖にしてみませんか?

当記事では、セラピストの紀野真衣子さんから教えてもらった“気分が沈んだときにハッピーになれる魔法の言葉”4個を紹介したいと思います。

■1:「ラッキー」

「イヤな出来事があった場合、ただ落ち込んだり自己嫌悪したりするのではなく、それをポジティブに変換してみましょう。
たとえば、寝坊した場合は、“ゆっくり寝られて疲れがとれた! ラッキー”と変換。
好きな人に振られたら、“もっと私にぴったりな人と付き合える! ラッキー”といった感じです。
無理やりな変換の場合でも、その無理やり具合が面白く感じてしまうかもしれません」

■2:「私にできることは何?」

「八方ふさがりの状態で“私なんかに何もできない……”と否定的な考えかたをしていると、脳の機能も低下してしまいます。

まず、“何ができるだろう?”と問いかけることが大事。
すると、無意識のうちにあなたの脳が“できること”を探そうとするので、自然とハッピーなことや自信が回復できることが起こりやすくなるでしょう」

■3:「
ありがとう」

「どんな出来事もあなたの学びのために起こります。イヤな出来事はあなたが成長するために起こってくれたのだと感謝しましょう」

■4:「私ってなんてかわいそうなの!」

「これまで紹介してきた3つのフレーズについて、“うーん、どの言葉も気分が乗らないなぁ。ていうか嘘っぽいし……”と思うあなたにはこれ。

思いきり芝居がかった声で言ってみてください。悲劇のヒロインぶっている自分を客観視することができます。
そうすることで、一生懸命ドラマに浸っていた自分をほほえましく思い、励ますことができるでしょう。

大事なのはネガティブな気持ちを抑圧するのではなく解放すること。
本当に辛いときにはポジティブな言葉を口にする前に、大声で泣いたり、叫んだりして感情を
解放
してくださいね」

以上、気分が沈んだときにハッピーになれる魔法の言葉4個をお届けしましたがいかがでしたか?
 紀野さんによれば、これ以外にも自分オリジナルの“切り替えワード”を決めておくのもオススメとのこと。
元気の出る名言、あるいは、これまで誰かに言われて嬉しかったフレーズなど、あなたにぴったりの“切り替えワード”をぜひ探してみましょう!

【取材協力】

紀野真衣子・・・カウンセラー・セラピスト。
「自由なヒロインになって思い通りの人生を創る」がコンセプトの“ヒロインセラピー”を行う。
潜在意識に働きかけ、思考パターンを書き換えることを得意とする。
ブログでは“ヒロイン思考を手に入れるヒント”など、潜在意識についての記事が満載。



掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。

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2013年03月22日

発信箱:生き残るために=滝野隆浩(社会部)

発信箱:生き残るために=滝野隆浩(社会部)
毎日新聞 2013年03月20日 00時09分


 先週末、陸上自衛隊幹部の退官記念パーティーが神奈川県横須賀市のホテルで行われた。
東部方面混成団長の二見弘幸さん(55)。

陸自はこの20年、日本を取り巻く国際情勢に合わせて体質を変えてきた。その変容を最前線で体現した指揮官である。


 東日本大震災でも原発事故対処に当たった中央即応集団の幕僚長として司令官を支えたが、一番輝いたのは10年ほど前の第40普通科連隊(小倉)の連隊長時代。
初めて戦地・イラクに陸自派遣が決まる前後だった。
二見さんは「戦場のリアル」にこだわった。
想定されていた着上陸侵攻より、市街戦が起こる確率が高いのに教範も装備も訓練計画も乏しい。
ならば自分たちで考えるしかない、と。


 駐屯地内に市街地戦闘訓練場をつくり度肝を抜いた。
部外インストラクターを平気で招く。
最新装備の情報を熱心に集めた。
根性とか精神主義を一番嫌った。
隊員たちは小遣いをやりくりしてモデルガンを買った。
常に手にして射撃がうまくなりたいから。
うわさを耳にして海空自衛官や警察、海保の隊員たちまで集まってきた。
ひたむきに、納得できるまで合同の訓練は続いた。
終われば、当然酒席。知らぬ間に他の機関との連携ができていた。


 トップの意志で組織は変わる、劇的に変わる。
小倉に通いながら、そう実感した。

冷戦が終わったものの東アジアの戦略環境は厳しくなり、自衛隊に「リアル」が求められていた。
そのとき、保守的な陸自という組織の大変化は末端から始まっていた。

「私はただ、任務を達成して生き残る隊員を育てたかっただけ」。
二見さんは控えめだ。
パーティーには40連隊の仲間も多く集まり、あのころと同じ、うまい酒を飲み交わした。


毎日jp掲載の記無断転事・写真・図表など載を禁止します。著作権は毎日新聞社またはその情報提供者に属します。

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2013年03月23日

茶色に染まり始めた朝

茶色に染まり始めた朝
2013.3.20   東京新聞「私説・論説室」久原 穏

 「事なかれ主義」がファシズム台頭を許すと警鐘を鳴らし、フランスでベストセラー、多くの国でも翻訳された短編寓話(ぐうわ)『茶色の朝』。

作者のフランク・パブロフ氏を仏グルノーブル市の自宅に訪ねたのは、邦訳が出版された九年前のこと。欧州で移民排斥など右傾化の嵐が吹き荒れ、日本も教科書検定問題など息苦しさが漂う時期だった。


 “茶色”とはナチスの象徴の色だ。
あらすじはこうだった。
ある日、毛が茶色以外のペットは法律で禁止された。
これを批判した新聞が廃刊となり、本や服装、政党名に茶色が強制されていく。

しかし、不自由のない日々だからと声を上げないでいると、過去に茶色以外のペットを飼った者まで逮捕される法律ができ、主人公に危険が迫る…。

 パブロフ氏は諭すように解説してくれた。
民主主義を花瓶に例えて「少しだけ欠けたのをほっておくと、ひびはだんだん大きくなる。
まあいいかと思っていると、いつの間にか割れてしまう」。
毎朝起きたら注意を払い時には行動しないと守れないものだ、と。

 夏の参議院選まではタカ派色を隠し、「国のかたち」を変えにかかるのは選挙後だろうと油断していると…。

武器輸出三原則は例外の積み重ねですでに骨抜きに。
集団的自衛権行使を模索する動きも、自衛隊の国防軍への改編や交戦権を認める新憲法づくりも、この国ではもう相当に前のめりなのだ。(久原穏)

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2013年03月24日

体罰容認はブラック企業を生み出す土壌である

体罰容認はブラック企業を生み出す土壌である
(SPA! ) 2013年3月22日(金)配信

◆体罰肯定論は、ブラック企業肯定論!

 言葉の暴力だけにとどまらず、連日のように社内で繰り広げられる残虐な暴力行為の数々。
労働問題の相談・サポートを行うNPO法人POSSE代表の今野晴貴氏は、「体罰そのものの質が変化している」と語る。

「これまでも“育てるための体罰”が伝統のように行われるような風潮がありました。しかし、それは終身雇用制度が主流だった時代の話。

現在の体罰は“相手を潰すためだけの体罰”です。
育てる体罰も日本の悪しき伝統ですが、ノルマを達成させるための脅しや恐怖を与える手段にすぎず、事態はより深刻になっています」

 当法人への体罰と呼べる暴力行為の相談件数は年に10件前後。大半の被害者は声を上げることもできずにもがき苦しんでいるという。

「被害者は『暴力を振るうような企業と争うのは怖い』『もう関わりたくない』と泣き寝入りしてしまうことが多いので、体罰自体あまり表沙汰にならないのが現状です」

 また、実際に「辞めたくても取り合ってもらえない」「社内の第三者に相談したことで、会社ぐるみの嫌がらせを受けるようになってしまった」という例もある。

「会社の規模にかかわらず、体罰に対して企業自体が無関心というところも少なくありません。
中には『辞めたら損害賠償を請求する』と脅されたという事例もありますが、法的な根拠はまったくありません」

 訴える際、いかに暴力の“証拠”を残しておくかが重要になる。

決して許される行為ではないのだ。

【今野晴貴氏】
NPO法人POSSE代表。2006年、学生・若手社会人を中心に「若者主体のNPO」を設立し、1000件以上の労働相談に関わる。近著に『ブラック企業日本を食いつぶす妖怪』(文春新書)

取材・文/青柳直弥・大貫未来(清談社) 青山由佳 吉岡 俊 八木康晴(本誌) 取材/藤村はるな 福田 悠 撮影/水野嘉之

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2013年03月25日

さあこれからだ:共生社会のスタート=鎌田實

さあこれからだ:共生社会のスタート=鎌田實
毎日新聞 2013年03月23日 東京朝刊

  2020年東京五輪の招致活動でにぎわった1月から2月にかけて「もう一つの五輪」が開かれていたのをご存じだろうか。

13年スペシャルオリンピックス冬季世界大会・ピョンチャンである。
111カ国から、3000人以上の知的障害のある選手団と、約7800人のボランティアが参加し、韓国のピョンチャン(平昌)などで熱戦を展開。
日本からも選手団84人が参加した。


 スペシャルオリンピックスは、知的障害のある人たちがスポーツを通して体力増進を図り、自立への意識と自信を高めながら、地域社会と交流することを目指している。


 日本でも05年、長野で冬季世界大会が開かれた。
閉会式であいさつしたのは、当時スペシャルオリンピックス日本の理事長だった細川佳代子さん。
第79代首相・細川護熙さんの夫人である。


 「今日はゴールではございません。スタートです
「10年後の2015年までに、障害の有無などに関係なく、すべての人が地域社会で生き生きと助け合い、共生できる社会にしたい」

 力強い宣言だった。


 この人の馬力は途方もない。スペシャルオリンピックスの理事長を元マラソン選手の有森裕子さんにバトンタッチすると、障害者理解のための教育や就労支援に取り組むNPO法人「勇気の翼インクルージョン2015」を設立。
もっと多くの人にスポーツの素晴らしさを体験してほしいと考え、フロアホッケーの普及に努めている。


 フロアホッケーは、障害の有無にかかわらず、みんなで一緒に楽しめるスポーツだ。
11〜16人のチームに知的障害の人が3人以上いて、必ず全員1回は出場しないといけないルールだ。
今は全国に広がり、熊本、山形、長野には県連ができたという。


 長野県の鉢盛中学では、1学級が障害のある人とともにフロアホッケーを始めた。その後、毎年4時間ずつ、障害者理解の授業を行っている。

その結果、生徒たちは障害がある人とどうかかわればいいかを真剣に考えて行動したり、いじめが減ったり、助け合うことの大切さを実感したりするなど、いい効果が生まれているという。


 細川さんは、障害を持つ子どもの職場体験「ぷれジョブ」にも取り組んでいる。


 特別支援学校の卒業生は、働きたい気持ちを持っていても、約7割は就労できない。
そこで、在学中に仕事体験を通じて活躍の場をつくり、地域の絆をつくるのが「ぷれジョブ」の狙いだ。
岡山県倉敷市の支援学校の西幸代教諭が考案した。

 生徒たちは「ジョブサポーター」という地域ボランティアの付き添いのもと、放課後に週1回1時間程度、ガソリンスタンドやコンビニ、食堂、魚屋さんなどで仕事体験をする。
最長で6カ月ごとに仕事の体験場所を変える。
賃金は支払われないが、いろいろな仕事を体験することで、その子にどんな能力があるかを見つけることができる。
「ぷれジョブ中」という腕章を巻いて仕事体験をしていると、お客さんから「えらいわね」などと声をかけられることもある。
生徒たちが生き生きとしてくる。


 生徒たちを受け入れた側も、その一生懸命さに心を動かされ、ぷれジョブの日を楽しみにしてくれるようになった。
職場の空気も和み、かえって生産性が上がったところもあったという。

こうした経験の積み重ねが、やがて障害者への偏見をなくし、障害者とともに働き、暮らす社会へとつながっていくのだろう。


 ボランティア活動に「ハードルが高い」と感じる人も多い。
しかし、細川さんはそのハードルを下げて、多くの人に扉を開いている。


 細川さんが理事長をしている「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」は「僕のルール・私の理由」という独自の方法で寄付を募っている。


 プロ野球ソフトバンク(当時)の和田毅投手が「投球1球につきワクチン10本、勝利投手になったら20本、完封したら40本のワクチンを送る」と決めた「僕のルール」は、当時大きな反響を呼んだ。

以来、建設業の人が「トンネルを1メートル掘ったらワクチン2本」とか、保険会社の社員が「契約1本につきワクチン10本」とか、「本を1冊読むごとにワクチン1本」など、それぞれのルールを決めて世界の子どもたちを守る運動に加わる人が続々現れた。


 ぼくもルールを決めた。

 諏訪中央病院には医学生や研修医、看護学生などが年間百数十人、研修や視察に来てくれる。
ぼくは、研修や視察に来た医師や看護師の卵1人につき、20本のワクチンを寄付することにした。
   研修や視察に来てくれた医師や看護師の卵たちは、知らないうちに世界の子どもの命を守る活動に貢献しているのだ。


 細川さんは今、自ら設立したNPOの活動で国内外を走り回っている。
「夫の世話は焼けてないの。夫が弱くなったら、尽くします。しばらくは弱い人のために生きます」


 人とお金を集めるパワーはどこから来ているのかを聞いてみた。

 「1歳の時から、朝起きるとリウマチで寝ている隣のおばあさんの布団に入って過ごしたの」人が喜ぶ顔を見るのが大好き。これが私のボランティアの始まり」


 それが70歳の現在まで続いているのだ。
脱帽。

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2013年03月26日

たやすく負けない存在は・・・

名大関とは横綱になれなかった力士・・
天声人語 2013.3.25 朝日新聞

いささか意地悪く言えば、名大関とは横綱になれなかった力士である。
だが、なったものの「へぼ横綱」と腐(くさ)されるよりは名大関の方が味わい深い。むろん最高位である横綱に「名」や「大」がつけば、土俵入りにも後光がさす。
この人の存在は、いまやゆるぎない

▼荒れた春場所、白鵬は他を引き離して13日目に優勝を決めた。
通算24回は史上4位タイで北の湖に肩を並べる。
憎らしいほど強いといわれ、負けると喝采がわいた昭和の大横綱である

▼これで37場所連続の2桁勝利となり、歴代1位の北の湖にここでも並んだ。
中日(なかび)の勝ち越しは26度目で、最多だった横綱千代の富士を抜いた。
めったに取りこぼさぬ強さは揺るがぬ山を思わせる

▼千秋楽でも偉業を果たした。9度目の全勝優勝は、極めつきの大横綱、双葉山と大鵬を超えて1位になる。
白鵬が敬愛してやまない両力士である。
「2人の上に立つことは、恐縮ですけど光栄です」。
上気した顔から謙虚な喜びが口をついた

▼74年前、69連勝の双葉山を負かした安芸ノ海は「オカアサン、カチマシタ」と郷里に電報を打ったという。
平幕が横綱を破る金星の、誇らしさの極みだろう。
金星の歓喜は横綱の強さに比例する。
たやすく負けない存在は、下位の力士にどれほど励みになることか

▼〈やはらかに人分け行くや勝角力(かちずもう)〉几董(きとう)。
きのう花道を引きあげる白鵬は、春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)として、肩に散りかかる桜を見るような思いがした。
孤高の強さを脅かす若手を、あとは待ちたい。
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2013年03月27日

香山リカのココロの万華鏡:膝を打つネーミング 

香山リカのココロの万華鏡:膝を打つネーミング
毎日新聞 2013年03月26日 東京地方版

 名前はとても大事だ。

 警視庁はこのほど、高齢者などからお金をだまし取る「振り込め詐欺」にかわる新しい名前を募集する、と発表した。

最近では、犯人が被害者の家などに出向いて、直接、現金を受け取るケースが増えており「振り込め詐欺」では実態にあわなくなっている。
いつまでもこの名称だと「振り込むように言われていないから、これは詐欺じゃないよね」とだまされてしまう人もいそうなので、もっとピンとくる名前にかえよう、というのだ


 実は、精神医療の世界でも、病気の名前の変更が行われたことがあった。
それは今から10年以上前の2002年のことなのだが、それまで長く「精神分裂病」と呼ばれていた病気の名前を、より軽めの印象を与える「統合失調症」にかえることにしたのだ


 この病気は、かつては原因も治療法もはっきりせず、幻聴や妄想といった症状が長く続き、その後も重い後遺症に苦しむ人が少なくなかった。
学校や仕事を辞めなければならない人も多く、本人にとっても家族にとっても恐ろしい病気、それが昔の「精神分裂病」だったのだ。


 その後、この病気は心の病ではなく、「脳・神経の障害」ということがはっきりしてきて、同時に薬物療法やリハビリも著しく進歩した。

早い段階できちんと治療をすれば、社会生活も続けられるし、後遺症も防げる“ふつうの病”になったのだ。
「『精神分裂病』などという強烈な名称はもはや実態に見合わなくなった」という声が上がり、検討を重ねた結果、「統合失調症」という名称にかわったというわけだ。


 10年が経過した頃、大がかりな調査が行われ、一般の人たちも「この名前のほうが、自分や身近な人がなった場合でも抵抗なく使える」とこの変更を評価していることがわかった。

昔のように「恥ずかしい、受け入れられない」という声も減り、「統合失調症と診断されたらすぐに治療をしたい」と答える人が増えた。
やはり名前は大事なのだ。


 「統合失調症」の場合は強烈なものから軽めのものへの変更だったが、

「振り込め詐欺」はその逆だ。
「詐欺には振り込むものと振り込まないものとがある」という意味を含み、なおかつわかりやすいネーミング。

一般の人たちから応募される中に、ぴったりの名前があるだろうか。
警視庁は例として「息子ピンチ詐欺」「母さん助けて詐欺」などをあげているが、もっと「なるほど!」と膝を打つ名前に決まればいいななどと考えている。
 

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「先生は僕を殴るとクビになるんでしょ」と挑発の小学生存在

「先生は僕を殴るとクビになるんでしょ」と挑発の小学生存在
2013.03.26 16:00   NEWSポストセブン

 今、新聞、テレビなど大手メディアの大半は体罰全否定論に傾いている。
だが、体罰を必要とする場面は本当にないのか。
現場を知る教師からは正直な異論も出ている。


 体罰は学校教育法第11条によって禁止され、さらに2007年、文科省が全国の教育委員会教育長らに出した「通知」で、「殴る」「蹴る」ばかりか、「正座・直立等特定の姿勢を長時間にわたって保持させる等」も体罰に該当し、「いかなる場合においても行ってはならない」とされた。


 また、昔と違って親も家庭のしつけで体罰を施すことが少なくなった。
そうしたことから教師はいっそう体罰を施しにくくなったという。

あるベテランの現役小学校教師が嘆く。

「ゲンコツで頭を叩くと、理由の如何を問わず親から抗議されるようになり、教師は萎縮し、自己規制するようになりました。
『児童に厳しく注意する時には、間違っても手を出さないよう手を後ろに組む』と言う教師もいます。
それに対して、高学年になると教師の弱みを知っていて、『先生は僕を殴るとクビになるんでしょ』『殴れる?』と挑発する児童もいますからね」


 まして中学生、高校生ともなれば、もっと教師を見くびることもある。
今回の一連の事件を受けてメディアの間に体罰厳禁論がさらに強まり、教師は以前にもまして萎縮している。
 
「文科省は授業中、教室内で生徒を起立させることは体罰には当たらないと解釈していますが、それすらやめようという空気が生まれています。
これでは教師が生徒と深く関わるのは難しい」(前出・小学校教師)


 「日教組系の先生が今回の事態をチャンスと捉えているのか、私のいる現場では、厳しい言葉で叱責することも『生徒を言葉で傷つける』という理由で禁じようとしています」(現役中学校教師)


※SAPIO2013年4月号


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2013年03月28日

謝る時の潔さもこの人の魅力なのかもしれない、と書こうと・・

謝る時の潔さもこの人の魅力なのかもしれない、と書こうと思っていたら
2013年3月27日 東京新聞「筆洗」

 謝る時の潔さもこの人の魅力なのかもしれない、と書こうと思っていたら、夜になったら前言を撤回していた。
まさに朝令暮改
なんとも感情的に流れる人である。
大阪市の橋下徹市長のことだ

▼大阪市が昨年二月、全職員を対象に実施した「思想調査」に対し、大阪府労働委員会が「組合活動に対する支配介入だった」と判断したのは一昨日(25日)の午前中だった。
今後このような行為を繰り返さない、とする誓約文を組合側に渡すよう命令した

▼府労委の決定は至極、当たり前の結論だ。
組合活動の詳細を根掘り葉掘り問うアンケートを市長の業務命令として実施、記名回答を拒否すれば処分の対象になると脅したのだから

▼「大変申し訳なく思っている。異議はなく、組合に対し謝罪しなければならない。
法に基づいた行政運営をしていく」。

橋下市長は神妙に謝罪し、不服申し立てをしない意向を明らかにしていた

▼ところが夜になって豹変(ひょうへん)した。
記者会見で組合側と弁護士が市長を厳しく批判したことに激怒。
組合と全面対決し府労委に再審査を申し立てるという

▼かつて小欄で「いくら問題の多い役所としても、密告を奨励するアンケートを強行する人権感覚には慄然(りつぜん)とする」と書いたが、その意見は変わらない。

潔く謝ったのは演技だったのだろう。
批判されて乱れるような安っぽい演技なら、しないほうがよかった。
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2013年03月29日

自分で考える力が必要!将来出世する子どもの育て方3つ

自分で考える力が必要!将来出世する子どもの育て方3つ
2013.03.28 23:00   NEWSポストセブン

景気の先行きが不透明で、終身雇用もなくなり、税金はアップ。
まさに激動の時代です。
お子さんがいる方は、お子さんが大きくなったころはどうなっているんだろう……と心配していらっしゃるかもしれません。


親御さんが経験してきた時代とは、また違う時代を進むことになる可能性が高いため、親御さんの成功談や失敗談をそっくりそのまま伝えて同じようにさせてしまうと、お子さんが大人になったときに通用しない危険性があります。


そこで、青山社中株式会社筆頭代表(CEO)である朝比奈一郎さんの著書『やりすぎる力』を参考にしながら、これからの時代で活躍できる人にするために、お子さんにさせておくと良さそうなことを3つあげてみました。


■1:ディスカッションをしてみる


<わが国の教育に何が欠けてしまっているのか。
それは、私見では、一言でいえば、「議論」(ディスカッション)ということになる。
(中略)「やり過ぎる」ためには、志を同じくする人同士での団結がひとつの鍵になるところ、これではそうした動きは望むべくもない。
互いに率直に議論し合ってこそ、ともに行動に向けて歩み出すことができるというものである。

という指摘にもあるように、”話し合い”をする機会は非常に重要だと思われます。

親が四六時中「○○しなさい」「○○はそういうものだから、つべこべ言わないの!」などと一方的に考え方や行動を押し付けていると、お子さんは与えられたことしかできなくなってしまうかもしれません。


「なんでそれが必要だと思う?」「どうすればいいと思う?」などと、話し合いする機会を持って、自分で考える力をつけさせてあげたいですね。


■2:偉人の”伝記”を読んであげる


<方法論だけでは、「次代を切り開くリーダー」になるノウハウは得られないのが現実だ。
「やり過ぎる力」を得るには、リーダーとしての理論だけでなく、実践面での話が必要なのだ。
それも切り取られた「逸話」程度ではなく、全体像が。
いわば、人生の「ケーススタディ」である。
すなわち、「伝記」だ。過去の偉人の「生き様」を一緒に学ぶことで、「理論」が活きてくる。

とありますように、何もないところに飛び込み、偉業を成し遂げた人の”伝記”を子どもに読んであげることも良さそうです。
偉人の言動や考え方に触れることで、ゼロから作り上げることのケーススタディをなんとなく心にとめてくれるはずです。


■3:何か疑問が出たら、それを突き詰めさせてみる


<何か社会のあり方や組織のあり方を「オカシイ」と思う力である。
(中略)今の日本社会を見ても、「なんだかんだ言ったって、まあ、多くの人は食えているし、あえて何かアクションを起こさなくても」と思っている人がほとんどであろう。そうした中で心からやりたいことを見つけて「やり過ぎる」ことは一般的には困難だ。>

子どもは様々なことを疑問に思います。
「なんで○○なの?」と聞かれたとき、「そういうものなのよ」などと適当に返事をしていると、だんだん自分で考えないようになってしまうでしょう。


「なぜだろう?」と疑問がわいたことにたいして、
「なんでだと思う?」「どうしたらいい?」「何を変えたらよくなる?」などと、
時間が許す限り、考えさせるクセをつけることも、 重要と言えそうです。


いかがでしたでしょうか? お子さんが社会に出たときに、さまざまな困難に自分で打ち勝つために、精神力や思考力を小さいうちから磨いておいてあげることも重要ですね
よろしかったらぜひ、参考にしてみてくださいね。



【取材協力】

※ 朝比奈一郎・・・青山社中株式会社 筆頭代表CEO/中央大学(公共政策研究科)客員教授。1973年東京都生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大行政大学院修了(修士)。経済産業省でエネルギー政策、インフラ輸出政策などを担当。2010年11月15日、青山社中株式会社設立。著書に『やり過ぎる力』(ディスカヴァー・トゥウェンティワン)、共著に『霞ヶ関構造改革・プロジェクトK』(東洋経済新報社)、『霞ヶ関維新』(英治出版)など。

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2013年03月30日

うつ病のサインを見逃さず

うつ病のサインを見逃さず
2013.3.29   読売新聞「生き生き快適生活」

かかりつけ医に まず相談


 誰もがなる恐れのある「うつ病」。
高齢者は体の衰えなどもあり、とくにかかりやすいとされる。
予防を心がけるとともに、本人だけでなく、家族など周囲も発症のサインを見逃さず早期発見につなげたい。


 東京都西東京市で14日、高齢者のうつ病について学ぶ講演会が開かれた。
精神科医の百瀬千春さんが、具体的な症例に基づいて、高齢者のうつ病の特徴などを説明した。


 ある70代の女性は、夫や息子と死別し、娘の家で同居を始めたところ、しきりに頭痛や息苦しさなどを訴えるようになった。

しかし身体に問題はなく、心療内科で診察したところ、うつ病だとわかった。
「この女性は、肉親を失ったこと、生活環境が大きく変わったことが、うつ病の引き金になったと思われます」と百瀬さん。


 慶応大教授の三村将さん(老年精神医学)によると、高齢者の場合、

〈1〉夫や妻、親しい友人と死別する
〈2〉定年で仕事や社会的役割を失う
〈3〉老化とともに健康が損なわれる
――といった「喪失感」が、うつ病を招くことが多いという。

「退職して人と会う機会が減ったり、本人が年齢的な衰えと思っていたりして、発見が遅れる傾向もあります」


 厚生労働省の2011年の患者調査によると、うつ病(そううつ病を含む)の総患者数は95万8000人。
このうち、65歳以上は27万8000人とほぼ3割を占める。

三村さんは「職場で受診を促される会社員などと違い、高齢者は、うつ病でも医師の診察を受けていない人も多く、実際の患者数はこれよりかなり多いと思われます」と推測する。


 高齢者のうつ病の場合、一般的なうつ病の特徴である「抑うつ気分」が必ずしもみられないことも、早期発見を難しくしている。
物忘れが激しくなって認知症かと思われたが、実はうつ病のため集中力が低下していた、ということもある。


 一方、高齢者のうつ病には、体の不調を繰り返し訴えたり、漠然とした不安や焦りで、むやみにイライラしたり、といった特徴がある。
「周りに迷惑をかけている」などと、根拠のない考えにとらわれるケースもみられるという。


 高齢者のうつ病は、悪化すると家族の負担も大きくなる。
ただ、早い段階で発見できれば、治療によって改善しやすい。

寝付きが悪くなったり夜中に目が覚めたりといった不眠、食欲不振、疲れやすく常に体がだるいという自覚症状が2週間以上続いた場合は、他の病気とともに、うつ病も疑ってみる。
周囲も、最近やせてきた、口数が少なくなった、外出が減って家に閉じこもるようになった、飲酒量が増えた、といったサインに気づくことが大切だ。


 こうした兆候があった場合は、精神科や心療内科で診てもらうのが望ましい。ただ、高齢者には、精神科の受診に抵抗がある人も少なくない。
百瀬さんは「まず、かかりつけの医師に相談してみましょう。各地の地域包括支援センターに話してみるなど、本人や家族だけにとどめないでください」と話している。


高齢者のうつ病を防ぐ生活習慣
・規則正しい食事や睡眠など、生活のリズムを守る
・気が向いた時はなるべく外出し、日光を浴びる
・無理のない範囲で、適度に体を動かす
・趣味や孫の世話などの「生きがい」を持つ
・地域活動への参加など、積極的に人づきあいする
 (百瀬さん、三村さんの話をもとに作成)
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2013年03月31日

値上げ:相次ぐ春 ガス・電気・食品…円安で原材料価格上昇

値上げ:相次ぐ春 ガス・電気・食品…円安で原材料価格上昇
毎日新聞 2013年03月30日 東京朝刊
 

安倍政権の経済政策「アベノミクス」を受けた円安進行で、輸入品の価格が上昇し、家計や企業活動にも影響を与え始めている。

4月以降、ガス・電気料金や食料品などの値上げが相次ぐ見通しで、賃金が上がらなければ生活は苦しくなり、消費や景気にも悪影響を与えそうだ【柳原美砂子】 

「役員報酬や従業員の給与をカットしても、値上げは避けられない」。
ツナ缶「シーチキン」16品を5月1日から、2・2〜6・1%するはごろもフーズの広報担当者は苦渋の表情を浮かべた。

原料のマグロが世界的な需要拡大で高騰する中、生産効率の向上や経費削減で価格を5年半据え置いてきた。

しかし、円安で原材料価格はさらに上昇。4月から役員報酬を15〜30%、従業員の給与も5〜10%削減するが、値上げは避けられないと判断した。

 日清オイリオグループとJ−オイルミルズは4月1日から、家庭用食用油を1キログラム当たり30円以上、値上げする。

原料の輸入大豆や菜種の価格が天候不順などで高止まりしており、円安が追い打ちをかけた。
 製粉最大手の日清製粉や日本製粉は6月20日出荷分から、パンやラーメン用の強力粉を25キロ当たり145円するなど、業務用小麦粉の価格を上げる。

海外での不作に急激な円安が重なり、政府が4月1日から、製粉会社に売り渡す輸入小麦の価格を平均9・7%引き上げるためだ。

今後、幅広い食品や外食の値段に跳ね返る可能性がある。

 家庭用のガス・電気料金は、原油や液化天然ガス(LNG)の輸入価格上昇を受け、4月、5月と連続して上がる。
全国の電力10社は、4月の電気料金を標準家庭で前月比24〜131円、5月は同67〜221円

5月は再生可能エネルギーの普及のための上乗せ額も加わるためだ。

関西電力と九州電力は政府の認可を経て、5月にも本格的な値上げ
に踏み切るため、家計負担はさらに増す。


 ガソリン価格も高止まり。資源エネルギー庁によると、25日のレギュラーガソリン価格(全国平均)は1リットル155・5円。
3週連続で小幅に値下がりしたが、円安が進み始めた昨年11月末と比べると10円高い水準だ。

このほか、新日鉄住金は建材などに使う薄鋼板を4月出荷分から12〜18%
値上げする方針。
輸入している鉄鉱石や石炭の価格が上昇しているためだ。

日本製紙クレシアも「原料のパルプの価格が円安で値上がりした」として、ティッシュペーパーやトイレットペーパーを15%以上値上げする方針を取引先に伝えた。

量販店の安売り競争が激しいため、「すぐに店頭価格へ反映されることはない」(製紙業界)との見方が多いが、じわじわと家計に響いてくる可能性がある。 

◇消費者・企業に戸惑い

  「手取りの収入が増えている実感はないのに、食品や電気代が値上がりするのは困る」。
東京都内の主婦(40)は顔をしかめる。
 円安は、短期的には原材料の輸入価格を押し上げ、企業や家計の負担増という副作用をもたらす。

安倍晋三首相自らが経済界に賃上げを要請したこともあり、今年の春闘では自動車メーカーなどを中心に一時金増額が相次いだ。

しかし、業種や企業の規模などによって差があるのが現状で、賃金を抑えて原材料価格の値上がりを吸収するケースすらある。

うどん店などをチェーン展開する企業の幹部は「低価格競争が激しくて
 「アベノミクスを期待だけに終わらせないことが重要だ」と指摘する。
 
第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは、「生活必需品の値上がりは家計にマイナスだが、株価上昇による資産効果もある」と語り、消費が回復して景気が上向くことに期待を示した。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする