2013年04月01日

生活扶助費 削りすぎ デフレ恩恵 保護世帯は少ないのに

生活扶助費 削りすぎ デフレ恩恵 保護世帯は少ないのに
2013年3月31日 東京新聞朝刊

 生活保護世帯の生活費として国が支給する生活扶助費が八月から引き下げられる問題で、下げ幅を決める基準になった消費者物価指数(CPI)の下落率が保護世帯の実態より大きく計算された可能性の高いことが分かった。

保護世帯が何にどういう割合で金を使っているかを厚生労働省が把握せず、一般世帯の消費支出割合を当てはめて指数を算出したため、扶助費が大きく引き下げられる形だ。 (白井康彦)


 本紙と日本福祉大(愛知県美浜町)の山田壮志郎准教授(公的扶助論)の調べで明らかになった。
野党も国会で追及する構えを見せている。


 厚労省は扶助費引き下げの最大の理由を、デフレによる物価の下落と説明する。その下落率を示すため、保護世帯のCPIを計算。
二〇〇八年から一一年までに4・78%下がったとの結果を出していた。


 計算に当たって厚労省は、CPI対象品目に対して保護世帯がどのくらい金を使っているかの割合を調べず、一般世帯の消費支出割合を使った。


 保護世帯は一般世帯よりも食料費の割合が高く、教養娯楽費が低いという消費傾向は、厚労省が一〇年に行った社会保障生計調査などで分かっている。

この傾向の違いをCPI計算で全く考慮しなかったことに、山田准教授は「今回のCPIは保護世帯の生活実態を正しく反映していない」と批判。

特に教養娯楽費に含まれるテレビやパソコンといった電気製品の影響が大きいと指摘する。

 〇八年から一一年にかけて値段が下がったCPI対象品目のうちの上位にはデスクトップパソコン(マイナス75%)、ノートパソコン(同73%)、ビデオレコーダー(同68%)など電気製品が並ぶ。


 生活扶助費の受給者らは「生活に余裕がなく、値下がりしてもパソコンやテレビはあまり買えない」と実情を訴えるが、CPIは一般家庭と同じ割合で購入するものとして計算された。


 山田准教授は「電気製品の購入割合などを数々のデータから推測すると、生活扶助受給世帯のCPI下落率はかなり圧縮される」と話し、本紙とともに行ったさまざまな試算では2%台以下になったものもある。

◆下落率の計算妥当

<厚労省社会・援護局保護課の話> 広く国民に定着しているCPIを用いており、今回の手法は妥当なものと考えている。

生活実態調査.jpg

画像クリックで原寸大に。
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2013年04月02日

止まらない若者の流出

止まらない若者の流出
2013年4月1日 東京新聞「私説・論説室」

 介護の現場から、去るのは若者ばかりだ。


 東日本大震災から二年がたったのに、被災地からの人材流出が止まらない。

 福島県老人保健施設協会の調査結果を見て気が重くなった。


 県内六十八の介護老人保健施設に状況を聞いている。
避難を理由にした退職者は、震災から昨夏まで百四人いたが、その後現在までさらに十七人いる。

 その八割以上が二十〜三十代だ。
若者が辞める傾向は続いている。


 本間達也会長は「やはり放射線への不安です。
特に若い人は将来を考え不安が募っている」と話す。


 子どもの小・中学校への入学を機に県外に転居する女性職員が少なくない。
二年先の子どもの入学に合わせ転居を考える人もいる。


 除染は進むが同じ地区でも線量はバラバラ。
どこに高線量が潜むか分からない不安が絶えずつきまとう。


 本間会長の施設では被災直後から、職員が分担して施設や自宅周辺の線量を測り続けている。
職員たちは数値の変化に敏感になっているという。
「みんな先の見えない不安を抱えている」と担当者は言う。

 人材養成施設では定員割れ、求人にも応募がない。


 原発事故は続いている。

 被災地では建設分野に多額の復興予算が投入されている。
一方で、介護職員は給与が低く離職者が多い。
「復興のためせめて給与を上げられないか」との思いは切実に思う。 
              (鈴木 穣)

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長嶋氏と松井氏 師弟の国民栄誉賞を祝いたい

長嶋氏と松井氏 師弟の国民栄誉賞を祝いたい
2013年4月2日01時21分  読売新聞 社説

 「ミスタープロ野球」と「ゴジラ」のダブル受賞だ。  球春にふさわしい朗報である。
 政府は、プロ野球の長嶋茂雄・読売巨人軍終身名誉監督と、巨人や米大リーグ・ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏に国民栄誉賞を贈ることを決めた。


 両氏は輝かしい実績を残し、プロ野球の隆盛に大きく貢献した。
多くの国民から愛されている。
こうした点が高く評価されての受賞には、誰もが納得するだろう。

 栄えある受賞を祝福したい。


 プロ野球界では過去に、王貞治氏と衣笠祥雄氏に国民栄誉賞が贈られている。

 長嶋氏の受賞により、日本の球界を支えたONがそろって賞の歴史に名を連ねることになる。


 長嶋氏は言うまでもなく、プロ野球を国民的スポーツに発展させた最大の功労者である。
1959年の天覧試合でのサヨナラ本塁打をはじめ、記憶に残るプレーでファンを魅了した。


 背番号「3」に憧れ、野球を始めた子どもたちは多い。
絶大な人気を誇ってきたのは、持ち前の明るさによるところも大きい。

 「わが巨人軍は永久に不滅です」との言葉を残した74年の引退セレモニーは、今でも語り草だ。
 2度にわたる巨人の監督時代には、リーグ優勝5回、うち2回は日本一に輝いた。


 2004年に脳梗塞で倒れ、今も懸命のリハビリを続けている。
長嶋氏は、東日本大震災の後、「被災地の方に比べれば、僕の病気なんて小さなことだと思う」と語っている。

 常に前向きの姿勢は、多くの人の励みとなっているだろう。


 こうした長嶋氏を師と仰ぐのが松井氏だ。巨人在籍時には、本塁打王と打点王を各3回、首位打者を1回獲得するなど、日本を代表する強打者として活躍した。

 野球に取り組む真摯(しんし)な姿が印象的だった。

 03年、ヤンキースに移籍し、09年のワールドシリーズでは、日本人初のMVPという快挙を成し遂げた。  
 これにより、日本野球の評価が米国で一層、高まったことは間違いない。

 現役を引退した松井氏にはこれから先、指導者として、自らの優れた打撃術を受け継ぐ選手を育ててもらいたい。


 両氏の受賞は、ペナントレースが開幕したばかりのプロ野球界全体にとっても誇りとなるだろう。
国民に根付いたプロ野球のさらなる盛り上がりにつなげたい。

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2013年04月03日

香山リカのココロの万華鏡:学生もハラスメント!? 

香山リカのココロの万華鏡:学生もハラスメント!?
毎日新聞 2013年04月02日 東京地方版

 いよいよ4月。
大学では「人権・ハラスメント対策委員」の私は、例年、新入生オリエンテーションなどで学生たちに「ハラスメントを受けない、しない」というガイダンスを行う。


 パワハラ、セクハラというと会社の話だと思う人もいるかもしれないが、残念ながら大学にもさまざまなハラスメントがあり、まとめて「アカデミックハラスメント」、通称アカハラと呼ばれることもある。

たとえば、教員が「明日の朝までに3冊、本を読んでこなければ単位はやらないぞ!」などとムチャなことを言ったり、サークルの先輩が後輩をこき使ったりするのもアカハラ。


 そして最近、最も問題になっているのは「授業中の学生どうしの私語」というアカハラだ。
ちょっとしたおしゃべりはどこの大学にもあるかもしれないが、度を越すと「他の学生が授業を受ける権利と、教員が授業を行う権利を侵害するハラスメント」になる。

毎年、学生にアンケートを取ると、「私語がひどくて先生の説明が聞こえない」「ノートを取りたいのにうるさくて気が散ってしまう」という苦情がけっこうあるのだ。


 また、後輩から先輩、学生から教員へのハラスメントもある。
「バアサンのくせに」「オヤジはダサイ」といった年齢を理由にした中傷、エージハラスメントがそうだ。

もちろん外見や方言などを笑いのタネにするのは、大学の中でなくても人格の侵害といえよう。
さらに、恋人どうしで相手を必要以上に束縛し合い、学生としての活動を妨げるのは「デートDV」と呼ばれる特殊なハラスメントだ。


 学生の中には、「そんなこと言われたら、ギャグも言えなくなっちゃう」という声もある。
ゼミなどで議論を戦わすだけで「それってアカハラ」と言われたら、自由な発言もできなくなる。
ただ、やはり直接、相手の人間性を傷つけたり、不快感を与えたりすることはハラスメント、という原則を忘れてはならないだろう。


 大学で人権やハラスメントの意識をしっかり身につけた学生は、社会に出てからもきっと新入社員や異性の同僚たちともうまくやって行けると思う。
また、自分が被害にあいそうなときに、堂々と「それはノーですよ」と指摘することができるはずだ。


 新入生たち、「ハラスメント対策委員っていちいちウルサイな」などと言わずに、私の話をしっかり聞いてもらいたい。

もちろん、そこで「なに、あのオバハン」などと言うのは立派なハラスメントということをお忘れなく。 

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2013年04月04日

有名進学校、競争激化で“生徒リストラ”拡大 華々しい成果に潜む闇…

有名進学校、競争激化で“生徒リストラ”拡大 華々しい成果に潜む闇…
2013.04.03   zaKzaK(夕刊フジ)

  教育現場では新学期がスタートした。
東大、京大や早慶など難関大学の高校別合格者ランキングが確定するなか、華々しい成果の裏に潜む“闇”が浮かび上がった。

一部の高校が進学実績のアップへ走るあまり、手間のかかる成績不振の生徒に退学を促しているというのだ。
民間の支援団体への相談件数は増加傾向にあり、東大合格者ランクで上位常連校の生徒も含まれるという。
有名進学校の競争激化が思わぬ問題を引き起こしている。

 学校側の決まり文句は「環境を変えた方がいいですね」。
三者面談で保護者と子供が聞くこのセリフこそ、紛れもない「退学勧告」だ。
今、こうした経緯で行き場を失った高校生が増えている。

 不登校や高校中退の問題に取り組む「NPO高卒支援会」(東京)によると、2012年に同会へ寄せられた相談は約300件にのぼる。
前年比で20%増加した。
主な相談の事例をみると、目立つのが有名進学校で勉強についていけずに留年が確定したケース。
留年を受け入れるのはまれで、ほとんどの生徒が在籍した学校を去っていく。

 相談者に配慮して学校の実名は避けるが、創立100年を超える伝統校では、男子生徒が成績不振によって留年が確定し、転校先選びなどで同会に救いの手を求めてきた。
また、東大合格者ランクの上位常連校では、男子生徒が学力不足で進級できず、学校側から「他の学校へ移るように」と促されたという。

 成績不振が原因ではないが、近年、進学指導に熱を入れる私立高では学力による差別があったとされる。
不祥事を起こした男子生徒3人のうち成績優秀な1人だけおとがめなしという露骨な策がとられたというのだ。

 高卒支援会の杉浦孝宣代表が、問題の背景を解説する。

 「少子化が進む中で各高校はとにかく生徒を集めたい。
高校にとって唯一の生き残り策は、大学への進学実績を上げること。
難関大学で多くの合格者を出せればなおよい。

競争が激化するなか、できない子をできるようにするための補習が、できる子をよりできるようにするものへと変わった。
できない子は排除、弱者は切り捨てられている」

 進学実績を上げているなかには「面倒見のよい」と評される学校が多い。
「毎朝の小テスト、夜遅くまで行う補習にしても、目的は難関大学への合格者を増やして学校の評価を上げること。
学校に貢献できない生徒には冷たい。高校の予備校化が著しい」(進学塾講師と、苦しむ生徒たちへの「面倒見」は置き去りにされている。

 学校から見捨てられた後、再スタートを切るのは難しい。
前出の杉浦氏は「地方では公立高校の転校に家族全員が学校の近くへ引っ越さなければならないなど、厳しい条件をクリアしなければならない。
救いの手を求める子供が増えるなかで、国や自治体の支援態勢は極めて不十分」と訴える。

 「尾木ママ」の愛称で知られる教育評論家の尾木直樹氏は「入学試験の選抜を経て預かった生徒なのだから、ちゃんと補習を行ってでも卒業させるのが筋。
それが学校の愛、教育だと思う。
ただ、受験勉強が中心の学校では成績だけが評価の基準になり、子供が居づらくなるケースもある。環境を変えるよう促すのは、あながち切り捨てだけではない側面もある」とみている。

 また、「夜回り先生」として知られる教育評論家の水谷修氏は「高校は義務教育ではない。
特に私立高校ならその学校を選んだ保護者と本人の責任もある。
だが、受験対策で特定の生徒だけ成績を無理に伸ばそうとするゆがんだ学校は、いずれ滅びると覚悟した方がよい」と警告した。

子供が独り立ちできるよう見守り、支える。それが学校のあるべき姿ではないのか。
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発信箱:ある心理実験=榊原雅晴

発信箱:ある心理実験=榊原雅晴
毎日新聞 2013年04月04日 大阪朝刊

  こんな心理実験が海外であったそうだ。


 まず女子大生を何人か集める。
その中から1人を選び、ある問題を与える。


 残りの学生はモニター画面を通して、その模様を別室で観察するのである。

 ひどい話だが、与えられた問題に正解を出せないと被験者に電気ショックが与えられる。


 苦痛にゆがむ女子学生の表情や叫び声に他学生は初め動転し、「仲間が不当な苦しみを受けている」と感じる。
だがしばらくすると同情は薄れ、課題をうまくこなせない仲間を逆に侮辱するようになった。
苦痛が大きくなるほど軽蔑の度合いが大きくなったというから、冷たいものだ。


 次は京都の小学校であったいじめの例である。


 運動会の練習で失敗したのをきっかけに被害児童が「うざい」「きもい」などと悪口を浴びせられるようになった。
そのうちにトイレ掃除のブラシを顔に押し付けられたり、殴る蹴るの暴力へと日増しにエスカレートしていったという。


 同じ仲間なのに「一段低く見てよい存在」とひとたび認定すると、いわれなき差別に歯止めがかからなくなる。
人間とはそんな生き物らしい。


 生活保護などの受給者がパチンコや競輪で浪費することを禁じ、市民に通報義務を負わせる条例が兵庫県小野市で成立した。
ギャンブルにうつつを抜かすことは好ましくないし、それを「市民が見守る」という理屈はもっともらしく響く。


 だが私は不安だ。
苦痛を叫ぶ仲間を一段低く見る。
そんな非情が人間の心には潜んでいる。


 貧しい身なりの男性がパチンコ店で周りから小突き回されている。
おぞましい光景が、つい頭に浮かんでしまうのだ。

posted by 小だぬき at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月05日

特集ワイド:殺伐とした時代だからこそ、雑談力 あなたはある?

特集ワイド:殺伐とした時代だからこそ、雑談力 あなたはある?
毎日新聞 2013年04月04日 東京夕刊

 人間関係の潤滑油、上達法に注目

 新しい職場や電車、バスの中などで、初対面やあまり親しくない人に、どう声をかけたらいいのか。
雑談力の上達法が今、注目されている。
かつては「しゃべってないで仕事しろ!」と上司に叱られたものだが、今はビジネスにも有益との考えが広がっている。
雑談力が重視される時代とは? 【大槻英二】


 観光シーズンの箱根。乗り合いバスは超満員だった。
バス停では、降りようとする人が無言のまま肩をいからせ、通路に立つ人を手で押しのけ出口に向かう。車内には冷ややかな空気が広がる。


 出口に近い通路に立っていた臨床心理士の武藤清栄(せいえい)さん(61)は次のバス停で止まったとき、車内後方に声をかけた。
ちょっぴり声のトーンを落とし、にこやかな表情で「あの〜、すみませ〜ん。降りる方がいらっしゃいましたら、ひとつ声をかけていただければ、私はうれしいんですが〜」。
すると後方にいたおばちゃんが「は〜い、私、降りま〜す」。応えるように通路に立っていた人たちが自然と道をあけた。


 これは一声かけるだけでその場の空気がいかに変わるかの例。
雑談力の応用編だ。武藤さんは「今、日本人は見知らぬ人に声をかけることが非常に苦手になっています」と指摘する。
「言葉には用件を伝える『事実言葉』と、あいさつや気候などのちょっとした話で人間関係をつくったり、関係を調整したりする『関係言葉』があるんですが、最近は関係言葉が使えない人が増えています」という。


 そのせいなのか、通勤ラッシュ時の駅では、ぶつかっても無言で立ち去る人が多くなった。
「同じ空間にいながら、人々の心はここにあらずの乖離(かいり)社会。
効率が求められ、自分にとって利害があることや興味関心があること以外には手を出さない、口を出さない『見ざる』『言わざる』『聞かざる』に『関わらざる』という四つの
サルが増えている。
大地震などの非常時にしか、見知らぬ人とコミュニケーションが取れないなんてちょっと寂しくありませんか」と武藤さんは問いかける。

   ■

 10年4月に出版された「雑談力が上がる話し方」が今なお大手書店のビジネス書ランキングで上位に入る明治大教授(コミュニケーション論)の斎藤孝さん(52)。「世の中、無駄なものが省かれすぎて殺伐とした感じになってきた。

人間関係の潤滑油が欲しい時代なのに、用件だけを伝えて、雑談をするのは苦手という人が増えています。
ところが、ビジネスの現場などでこれまで無駄と思われていた雑談に意外と問題解決のカギがあると認識されてきたのでは」と話す。
同著は20万部を超えている。

「東日本大震災の影響かはわかりませんが、昨年ミリオンセラーになった阿川佐和子さんの『聞く力』のように、今は人と気持ちを通わせることが大事だと思われるようになってきています。

実は雑談は一方的な話ではなく、気持ちを通い合わせることそのものなんです」


 著書では雑談のルールについて「『中身がない』ことに意味がある」「『結論』はいらない」「訓練すれば誰でもうまくなる」などと提唱。大学では学生を2列に並ばせ、各自目の前にいる相手と雑談させて、30秒たったら相手を変えてまた雑談させるといった雑談力養成ゲームを講義に取り入れている。
最初は戸惑っていた学生も次第に「人慣れ」し、効果テキメンという。


 「雑談の極意は相手本位です。初対面でも話題を二、三振ってみて、関心のありそうな話を見つける。
お互いに好きなものとか日本の運命とか共通の基盤のある話が盛り上がりやすいですね」と斎藤さん。
「『ノー雑談、ノーライフ』。雑談のない人生なんて考えられない。
昔の雑談は気心が知れ合っている人同士が腰を据えて話すものでしたが、今は人間関係がより広く浅くなっており、すれ違ったときなどに30秒程度ササッとするスタイルがフィットします。
より高度な雑談力が求められているんです」

   ■

 ビジネスではどう役立つのか。
名古屋市の自営業、野本ゆうきさん(35)は営業職だった会社員時代、商品の知識を徹底的に仕込んだが、営業成績は振るわなかった。
あるとき先輩に「商品知識より大事なものがお前に欠けている。
それは仕事以外の話で心と心を通わせることだ」とアドバイスされた。

人と接するのが苦手で雑談は無駄だと思っていたが、以来、商品説明に入る前に、天気や昨晩のプロ野球結果などの雑談から始めてみたところ、険しい表情だった相手が笑顔になり、契約に至るケースが増えた。


 もっと雑談力をつけたいと本を読みあさり、試行錯誤を繰り返す中で体得したテクニックを自ら開設したウェブサイト「雑談力のきいろわ」で公開している。
「きいろわ」には幸福の黄色と、人の輪をつくってほしいという願いを込めたといい、1日に約5000件ものアクセスがある。
野本さんは「本やサイトに書いてあることをそのまま実践しても、相手によって反応が違うので最初はうまくいきません。
根気よく続けていくうちに空気を読めるようになるんです」と上達のコツを説く。

   ■
冒頭の武藤さんが所長を務め、職場のメンタルヘルス研修への講師派遣などを行っている「東京メンタルヘルス」では、まずは自らの社内のコミュニケーションを図ろうと、昨年10月から2週間に1回、午後7時から2時間、会議室で飲食しながらスタッフ同士で雑談を交わす会を始めた。
「話題はちょっといい出来事や持ち寄った料理についてなど。
各自が業務上抱えている課題も自然に相談でき、手応えを感じています」(担当の熊崎正樹さん)

 「顔を知っているだけと、ちょっとでも雑談したことがある関係はまったく違います。雑談したということは人間関係があたたまった状態になっているということ」と斎藤さん。
「人生の喜びというのは人と関わって気持ちが通じ合うことだと思うんです。雑談できる相手が身の回りに何人かいて過ごせれば、それは幸せな人生なんじゃないかな」としみじみ話す。

 雑談に結論はいらず、突然終わっていいらしい。ならば、この記事もこう締めくくろう。
 「じゃあまた!」
==============

 ◇雑談力チェックシート

 次の項目についてどの程度当てはまりますか?
 かなり当てはまる(2点)、まあ当てはまる(1点)、当てはまらない(0点)


 1)その場の雰囲気や非言語のメッセージを読める

 2)素直に自分の気持ちや本音を言葉にできる
 3)話のネタや引き出しが豊富である
 4)ユーモア、冗談、だじゃれなどをとばす
 5)人と向き合うのが好きである
 6)臨機応変に対応できる
 7)自分と違う考え方や価値観も認められる
 8)自分の失敗談も話せる
 9)相手の話を聞くのも楽しい
10)話の間や沈黙が苦にならない


 合計7〜11点は「雑談力がある」、12点以上は「雑談力がかなりある」

※東京メンタルヘルスの資料をもとに作成
==============

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2013年04月06日

余録:「今どんな夢を見ていたのか」と問いつめられ…

余録:「今どんな夢を見ていたのか」と問いつめられ…
毎日新聞 2013年04月06日 02時21分

  「今どんな夢を見ていたのか」と問いつめられるのが落語の「天狗(てんぐ)裁き」である。
寝言を言っていた八五郎が女房に起こされ、どんな夢だったかと聞かれる。
思い出せない八五郎は「夢なんか見てない」といったので大げんかになった

▲かけつけた隣人も八五郎の夢が気になり問いつめる。
またけんかとなり間に入った大家、次には奉行にも夢を聞かれ、ついに天狗にさらわれ山中へ。
天狗も夢を問いつめるが、答えられず「助けて」と叫んだところで目覚めた。すると女房が「どんな夢を見てたの」

▲まあ、夢ばかりは人の究極的な個人体験である。
どんなに問いつめられても口をつぐんでいれば他人に知られない。
だが、やがて人の夢もテレビのようなもので他人が見られるようになるのだろうか。
そんな未来すら予感させる驚きの「夢の解読」の研究結果である

▲寝ている人の脳の活動を計測し、見ている夢の内容を読み取ることに成功したのは国際電気通信基礎技術研究所などの研究チームだ。
実験では3人の男性が眠っては起き、どんな夢を見たかという報告を200回以上も繰り返したそうだから八五郎もびっくりである

▲この夢の内容を「車」「本」「女性」など約60種類に分類し、その画像を見た時の脳の活動のパターンと睡眠中のそれを比較した。
すると15種類の夢では約7割の確率でパターンが一致したという。
つまり見ている夢の内容が脳活動のパターンで推測できたのである

▲この分だと将来は見たい夢を見ることができ、悪夢は見なくてすむ時代が来るのか。
八五郎なら大歓迎だろうが、夢をあらかじめ知る人生もちょっと味気ない。
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2013年04月07日

低気圧発達:春の暴風雨、首都圏を直撃

低気圧発達:春の暴風雨、首都圏を直撃
毎日新聞 2013年04月07日 00時36分
         (最終更新 04月07日 01時12分)

  日本列島は6日、発達中の低気圧の影響で西日本から関東地方にかけて春の嵐が吹き荒れ、深夜から7日未明にかけ首都圏も「厳戒状態」となった。

神奈川県平塚市では約1万5000世帯に避難勧告が出された他、東京消防庁などによると、東京都町田市や神奈川県海老名市では浸水した車両に一時人が閉じ込められるなどの被害が相次いだ。
7日も広い範囲で大荒れとなるとみられる。飯田和樹、斎川瞳】

 ◇海老名1時間に102ミリ

 気象庁によると、海老名市では6日午後11時に1時間雨量が102ミリ、宮崎県青島でも同日午前11時に92ミリとなり、いずれも観測史上最多を記録した。


 海老名市では午後11時ごろ、浸水した2台の車両に人が一時閉じ込められた。
町田市つくし野などでも午後11時前後に計4件、車両に閉じ込められたり用水路に人が流されたりしたが、いずれも救助するなどされ無事とみられる。


 町田市南つくし野4の農業、久保田功さん(70)は6日午後10時過ぎ、「ゴー」という猛烈な雨音が気になり外を見た。
道路には水があふれ川のようになりマンホールを30センチほど突き上げるように水が噴き出していた。
すり鉢状の地形で一番低い所を用水路が流れており、消防車のサイレン音が鳴り響いて騒然となったという。
「年1回は大雨で水浸しになるが、ものすごい降り方で寝ていられなかった」と驚いた様子で話した。


 都内では東海道新幹線が新横浜−小田原間で一時運転を見合わせた影響で帰宅や乗り継ぎができない乗客が出たため、東京駅で車両が「列車ホテル」として宿泊用に開放された。
JR東海によると約100人が一夜を過ごすという。


 静岡県牧之原市では同日夜、萩間川、坂口谷川、勝間田川の3河川が氾濫する恐れがあるため、流域の約1200世帯3600人に避難勧告を出した。
市によると、住民約40人が一時近くの公民館などに避難。
同県島田市では国道1号バイパス上り線ののり面の土砂が崩れ、県警は一部区間を通行止めにした。
けが人は確認されていない。


 東京電力千葉支店によると、千葉県では強風で電線が切れるなどした影響で、旭市や山武市、千葉市美浜区で一時、計約1100世帯が停電した。

6日は四国・九州を中心に最大瞬間風速25メートルを超える地点が相次いだが、
7日も西日本や北日本で非常に強い風が吹くとみられ、

予想される陸上の最大風速は▽西日本、北日本20メートル▽東日本23メートルで、最大瞬間風速はいずれも35メートルの見込み。北陸、北日本では8日まで暴風が続く恐れがある。


 また、7日も全国的に太平洋側を中心に大気の状態が不安定となり、1時間に50ミリを超える非常に激しい雨が降るところがある。

7日午後6時までの24時間の予想降水量は多いところで▽北海道、東海200ミリ▽東北、関東甲信150ミリ▽近畿80ミリ。


 低気圧の中心気圧は6日午前9時時点で992ヘクトパスカル。
7日午前9時に日本海上で970ヘクトパスカルまで発達する見込み。

昨年4月に全国で被害をもたらした低気圧は、24時間で中心気圧が1006ヘクトパスカルから964ヘクトパスカルへと42ヘクトパスカルも発達したが、同庁は「今回はそれほどではない」とみる。

しかし別の低気圧と前線が本州の南岸を東北東に進み、8日朝までに北海道付近で一つにまとまりさらに発達する見込みのため、引き続き暴風、河川の増水、土砂災害などへ警戒が必要という。

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女子大生「阿呆なことしたらあかん」2000円で自殺志願男救う

女子大生「阿呆なことしたらあかん」2000円で自殺志願男救う
2013.04.07 07:01   NEWSポストセブン
 
 14年連続して3万人を超えていた日本の自殺者数が、平成24年は久しぶりに3万人を切る見込みだと警察庁は発表した。
しかし、いまだ交通事故死者の7倍という多くの人が自ら死んでゆく。
和歌山県白浜で、死のうとする人を保護する活動を15年続ける白浜バプテストキリスト教会の藤藪庸一牧師を、作家の山藤章一郎氏がたずね、リポートする。

 * * *
「いまどちらにおられますか」
「三段壁の公衆電話です」

〈いのちの電話〉を受けた白浜バプテストキリスト教会の藤藪庸一牧師は、深夜でも駆けつける。

 牧師はここに〈白浜レスキューネットワーク〉を置く。
この15年間で約660人を保護した。


 死にに来た人は、おしなべて、帰る家がない、おカネがない、仕事がない、家族がいない。
思いとどまらせるだけでは不備である。〈保護〉とは、ふたたび社会復帰できるまでの〈生活〉をいう。


 いまは、教会の長椅子をベッドに、隣りのアパートに、隣りの家にと、5人が分かれて共同生活をしている。多い時で、26人いた。


 朝、ゴミ出し、ミーティングののち、それぞれの仕事に出る。
旅館の厨房、配膳、弁当屋の皿洗い、警備。
仕事のない者は、自転車で1時間のハローワークに通う。
牧師はいう。

「しんどいけど、自立の第一歩の自転車通いです」


 食事はみなで一緒につくる。牧師の家族も、ともにいただく。
テレビはない。
互いに話し合ったり、新聞や漫画を読み、消灯10時。費用はNPOの寄付による。
5人で月に20万円。


「三段壁に来たひとは、もう誰もおらんという孤独感に打ちのめされています。
一方で、あの人に迷惑をかけた、この人に嫌われてしまったと、不安でしょうがない。
さらに、『頑張れ』といわんでくれという気持ちも強い。


 なんでそう頑張ったのかと、こちらが訊き返した人もいます。悪循環でもがいて死にに来たのです」


●65歳。元・製造業社長。

 連帯保証で多額の返済金がのしかかった。
債務者本人は逃げた。
追い詰められて、三段壁に来た。
だが、飛び込む勇気はない。
ここで野垂れ死ぬしかない。
弁当、カップ麺を買うカネもない。
〈いのちの電話〉の看板近くの公衆トイレの水だけを飲んで、三段壁に坐りつづけた。

真夏の炎天下、意識が朦朧としてくる。
もう水を飲みに行けない。頭は灼け、顔は変色し、唇は腫れてきた。
4日めの夜、女子大生のグループが自分の前を通り過ぎた。
ひとりが戻ってきた。

「おっちゃん、阿呆なことしたらあかんで。死んだらあかんで」


 朝になって気づいた。
手に2000円を握らされていた。
それでよろよろと土産物屋の食堂で食い、〈いのちの電話〉をした。


 共同生活を経て、ハローワークでホテル清掃兼ナイトフロントの仕事を見つけ、7年間働き、脳梗塞に罹り、がんを発症して死の病床についた。
だんだん無くなってきた力をしぼり、声を這わせた。


「センセ、わし、生きてきてよかった。
戻って2000円握らせてくれたあの子のおかげや。
人生を助けられた。死んだらあかん」


※週刊ポスト2013年4月12日号

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2013年04月08日

「1票の格差」で戦後初の選挙無効判決 筏津裁判長の染まらぬ正義

特集ワイド:続報真相 
「1票の格差」で戦後初の選挙無効判決 筏津裁判長の染まらぬ正義
毎日新聞 2013年04月05日 東京夕刊

 ◇船着き場も現場検証

 「保守的な司法界でこれだけ勇気のある判決が聞けるとは」と原告側弁護士は言った。
「可能性はあると思っていたが、まさか本当に出してくるとは」。
政府関係者はそうため息をついた。
選挙を無効とする−−。2012年衆院選の1票の格差をめぐる全国の裁判で、最高裁の警告を無視し続けた国会に司法の一撃が下された。
3月25日、戦後初の選挙無効判決を言い渡したのは広島高裁の筏津(いかだづ)順子裁判長(62)だ。
黒の法衣に包まれた人物像を探った。

◇キーワードは公平・熱意・誠実

 判決は小選挙区の区割りを違憲と判断し、広島1区と2区の選挙を無効とした。
ただ、混乱回避のために猶予期間がある「将来効判決」を採用し、新たな区割り作業開始から1年となる今年11月26日を過ぎて、無効の効果が発生するとした。

 「法廷では素人の主張を一つ一つ丁寧に聞いてくれました。
よく調べ、勝っても負けても納得のいく公平できめ細かな判決を書いてくれました」


 こう話すのは岐阜県山県(やまがた)市議の寺町知正さん(59)。
1990年代から50件近くの行政訴訟を弁護士に頼まずに本人訴訟で争ってきた。筏津さんとは、岐阜地裁の裁判官と原告として04年から3年間にわたって毎月のようにラウンドテーブル(円卓法廷)で向かい合った。


 「裁判官もいろいろです。
提出した書類の誤字脱字を叱責口調で指摘する人や、行政を訴える市民に偏見を持つ人もいました。
要するに上から目線の人が多い。でも筏津さんは違った」

  ■

 運営実態のない渡し船に県から委託料が支払われている−−。
長良川河口堰(ぜき)建設に反対していた寺町さんに匿名の告発があり、情報公開条例を使って調べた。
県道の代替として渡し船を運営する同県海津市と渡船組合に委託費が毎年支払われていた。
でも船着き場は荒れ放題、渡し船はボロボロ、船頭は何年も客を乗せたことがないという。


 寺町さんら住民10人は、海津市などに約2200万円を県に返還するよう求め、「船着き場を見れば、運営実態は一目瞭然」と現場検証を求めた。
だが裁判官はなかなか首を縦に振らない。
提訴から5年目、3人目の裁判官として筏津さんが着任した。


 「『それでは現場を見てみましょうか』と当然のように認めてくれました。数多くの訴訟を起こしてきましたが、現場検証が認められたのはこの一度だけです」

 結果は勝訴。
その後、高裁、最高裁を経て10年6月に勝訴が確定した。
地裁で筏津裁判長が認定した基本的な事実関係が上級審で覆されることはなかった。

「選挙無効判決のニュースをみてすぐ、ああ、あの人だと思いました」。
中華航空機墜落事故(94年)の民事訴訟で、遺族側代理人を務めた海渡雄一弁護士(57)はそう話す。
筏津さんは03年、名古屋地裁の裁判長として、中華航空に総額50億円余りの損害賠償を命じる判決を出した。


 「遺族感情に配慮し、非常に熱心に和解を勧めてくれたのが印象に残っています。結局、判決を出すことになったのですが、あの一件は筏津さんの判決と努力で解決したようなものです」。
解決を目指す筏津さんの「熱意」が印象に残った。


 筏津さんは3年前に那覇家庭裁判所長に就任した際、仕事観を問われて答えている。
「裁判所が扱う事件は、必ず当事者がいて見解の対立がある。裁判所は双方の言い分をよく聞いて公正な立場で判断する立場にいる。まずは聞くところから誠実に対応しなければならない」(10年1月14日付・琉球新報)

 「公平」「熱意」「誠実」。筏津さんの仕事ぶりを表現する言葉だ。

◇女性差別がひどかった30期

 筏津さんは名古屋大学法学部を卒業し、大学院修士課程2年目の75年に司法試験に合格した。
第1次石油ショック(73年)で高度成長が終わって「狂乱物価」や公害問題に日本社会が直面した時代。
司法修習(30期)をスタートした76年4月には、最高裁大法廷で1票の格差をめぐる戦後初の違憲判決が出ている。

それから37年。裁判所が選挙無効判決に踏み込むまでにかかった歳月は筏津さんの社会人生活とぴったり重なる。


 75年の司法試験合格者は男性436人に対し女性は36人で、全体の7・6%。
2年間の司法修習を終えて78年に裁判官に任官した女性は筏津さんを含めわずか6人だ。
当時の最高裁には、はっきり言って問題があった。


 「裁判官になろう、弁護士になろうなどと思わず、世間によく評価される奥さんになることが女性の一番の幸せだ。
日本民族の血を受け継ぐということは重要なことだとは思いませんか」。
発言の主は30期を担当した最高裁司法研修所の教官だ。
見学旅行の車中で、女性3人をひとりずつ呼び、30分前後をかけて説得したという。


 別の教官はソフトボール大会後の懇親会で「女子修習生は研修が終わったら、家庭に入って2年間の研修で得た能力をくさらせるのが女として最も幸福だ。
2年間が終わったら、結婚して家庭に入ってしまいなさい」と発言したといわれる。
当時、これらの発言について日本女性法律家協会が抗議声明を出している。

同期で東京経済大学教授の村千鶴子弁護士が証言する。
「30期は女性差別が一番ひどかったんです。
私は実務修習が名古屋で筏津さんと一緒でしたが、彼女の評価は高かった。
あの時代にあって、彼女は男女の性別を超えて評価されるほど優秀だったのです」。やはりただものではなかったようだ。


 修習中は外泊も許可が必要。
そんな窮屈な環境でも筏津さんはのびのびしていた。
休日には大学院の同窓で将来の夫となる安恕(やすひろ)さんと一緒にスキーに。
その後、安恕さんは母校の教授になり、筏津さんは裁判官として全国を転々。
05年に安恕さんが55歳で亡くなるまで年1度のヨーロッパ旅行を趣味にする仲の良い夫婦だった。


 研修所で同じクラスだった鴨田哲郎弁護士は「彼女は真面目でおとなしい人でした。
話をしたことはなかったと思います。
もっとも私は青法協で活動し、周囲にちょっと警戒されていましたが」と苦笑いする。青法協(青年法律家協会)とは、54年に護憲と平和・民主、人権を掲げて設立された若手法律家たちの組織。
司法研修所の官僚体質に極めて批判的だった。


 「彼女は裁判官になってから骨のある判決を結構出してね。
こんな芯のある人だったんだ、と後から印象を持ちました」と鴨田さんはいう。
若いころの彼女を知る男性の多くが同じような感想を語る。
長尾龍一東大名誉教授(法哲学)は「新婚のころ、ご主人と一緒に名古屋で食事をしました。
おとなしい感じの方だった気がします。
あんな豪胆な判決を出す方だとは」と驚く。

  ■

 昨年の衆院選をめぐる選挙無効の全国訴訟は14高裁・高裁支部で計16件の判断が出そろった。
「違憲状態」が2件、「違憲・有効」が12件で、広島高裁と同高裁岡山支部の2件が「違憲・無効」だった。

一般市民からはむしろ当然にも思える「無効」の判断だが、冒頭に紹介した原告側弁護士の「勇気ある判決」発言に見られるように、横並びの裁判所の体質を知る専門家からは驚きをもって受け止められている。
「変わった裁判官だ」「女性のスタンドプレーでは」。
そんな批判も報じられた。
一方、「将来効判決」を絶妙のバランス感覚と評価する声は多い。


 同期の村弁護士は言う。
「慎重な筏津さんですら、選挙無効の判断をせざるをえないほど問題が深刻になっていた、と重く受け止めるべきだと思います。
それに判決は3人の裁判官の合議。女性だからとか、スタンドプレーとか、そういうふうに受け止めたら時代を見誤ってしまいます

そして、こう続けた。
「違憲判決が少ないと言われる日本の裁判所にあって、裁判官として、現状に対して法的な正義を慎重に検討した上の誠実な結論だったのではないでしょうか」


 裁判官が着る黒い法衣は独立して職権を行う裁判官の象徴だ。黒は何色にも染まらないから。
染まらずに生きる、裁判官の正義が勇気ある判決につながった。【浦松丈二、小国綾子】

 ◇筏津順子さんの略歴

愛知県豊田市出身。
76年 司法修習生(30期)
78年 京都地裁判事補
88年 津地・家裁判事
92年 名古屋地・簡裁判事
97年 東京高裁判事
99年 名古屋地裁部総括判事
04年 岐阜地・家裁部総括判事
10年 那覇家裁所長
11年 広島高裁部総括判事
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2013年04月09日

またダダ漏れ!貯水槽から消えた120トンの行方

またダダ漏れ!貯水槽から消えた120トンの行方
2013年4月8日  日刊ゲンダイ掲載


東電 姑息な汚染水処理作戦
<敷地内に井戸、地下水脈に逆流>
 いよいよシャレにならない事態になってきた。
福島原発の放射能汚染水が地下貯水槽からダダ漏れしていた問題だ。

 6日までに120トン、7100億ベクレルもの汚染水が漏洩していたことが分かったが、7日、新たに別の貯水槽からも汚染水が漏れ出していたことが発覚した。
貯水槽の構造自体に問題がある恐れも高まり、さらなる“流出ドミノ”が懸念されている。

 それでなくても、汚染水は毎日400トンずつ増え続けている。
原発敷地内に並べた1000基の貯水タンクもパンク寸前だ。
梅雨のシーズンを控え、文字通り“背水の陣”なのに、東電は会見で「ない袖は振れない」とお手上げ状態。とことんフザケた連中である。

 気になるのはダダ漏れ汚染水の行方だ。
東電によると、「今のところ海洋への流出はない」という。
だったら、汚染水はどこへ消えたのか。

 疑いの余地がないのが地下水への流入だ。
それも、恐ろしい事態が起こりつつある。
先月7日の衆院予算委員会で、民主党の海江田万里代表がこんな指摘をしていた。

「東京電力は(原子炉建屋内に地下水が入らないよう、敷地内に)井戸を掘っている。
しかし、あまりたくさん水を汲み出すと、今度は(地下水の)水圧が低くなり、建屋の汚染された水が地下水に流れ込んでしまう恐れがある」

 補足すると、東電は先月までに敷地内に12本の井戸を掘っている。
地下水が建屋に入り込んで汚染される前にガンガン汲み上げてしまえ、というわけだ。

 確かにそれで汚染水は減るかもしれないが、何のことはない、実際は大量の汚染水を地下水に逆流させるだけ。
とんでもないインチキだ。加えて、地下貯水槽もダダ漏れだから最悪なのだ。

 環境ジャーナリストの天笠啓祐氏が言う。

「汚染水がいったん地下水に入ってしまうと、放射性物質の除去は困難になります。地下水脈を通じて汚染が拡大し、めぐりめぐって、どこからどういう形で影響が出てくるかも分からない。
当然、海にも流れ出すでしょう。問題は敷地内の汚染水を減らすことだけではない。放射性物質を環境中に出さないことが重要なのです。政府と東電はそこが分かっていないから、原発事故は終わったなどと言えるのです」

 汚染水ひとつとってもこのテイタラクなのに、安倍政権はもう原発再稼働に前のめりだ。
本当にどうかしている。
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2013年04月10日

香山リカのココロの万華鏡:「よくやったじゃない」

香山リカのココロの万華鏡:「よくやったじゃない」
毎日新聞 2013年04月09日 東京地方版

 小説家の佐藤亜有子さんが、43歳の若さで亡くなっていたことがわかった。
アルコールと睡眠薬を併用したことによる急性薬物中毒だそうだ。
どちらかを大量摂取してしまったのだ。とても残念だ。


 佐藤さんは、女子大生が自分の体をモノのように扱い、契約で他人に提供する「ボディ・レンタル」という作品でデビュー。 
08年発表の「花々の墓標」では、幼い頃に受けた肉親からの性的虐待というトラウマと闘う女性を描くなど、どのテーマも衝撃的だが、現代を語る上で切り離せないものだった。

 作品の多くは、実体験をもとにしているとも言われた。
そうだとしたら、小説家として社会で認められることで、
少しでも「私は私、これでいいんだ」と自分を認められるようになりつつあるのだろうか、と思っていた。

 佐藤さんに限らず、「子どもの頃に親から愛されなかった」「虐待を受けていた」という心の傷が、大人になってからも癒えない人は少なくない。

それが原因で友人や恋人をなかなか信頼できず、わざと相手の愛情を試すようなことをしてしまって関係が破綻する例もある。

逆に「この人なら」と思う相手にもたれかかりすぎて「重すぎる」と思われる場合もある。「相手の自分への関心が薄れないように」と、必要以上にサービス精神を発揮し、その結果、疲れ果ててうつ状態に陥る人もいる。

 いま子育て中の人には理由や条件抜きで、子どもに「世界一かわいいわね」「こんなにお利口さんはいない」と、声をかけてあげてもらいたい。

「私が私であれば大丈夫」という基本的な自信を、子どものうちに与えてあげてもらいたいのだ。


 そんな自信を身につけないまま、大人になってしまった人はどうすればいいのだろう。
私は、その自信は10代、20代になっても自分で身につけられるはず、と信じている。
家事をする。
本を読む。
散歩に出かけるなど、日常のことをこなすたびに、自分で「よくやったじゃない」「ほら、大丈夫だよ」と軽く声をかける。
誰かから「あなたの歌、上手ですね」などとほめられたら、疑わずに「そうですか」と信じてみる。

そんな小さな積み重ねが、いつか必ず「きっと何とかなるよ」と、自分をゆったりと信じる力にかわるはずだ。
もちろん、カウンセラーなどもその助けをしてくれるだろう。


 不幸な子ども時代をすごした人にこそ、
自分や他者を信じて、笑顔いっぱいの人生を歩んでほしい、と心から願っている。

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2013年04月11日

憂楽帳:風化させない努力

憂楽帳:風化させない努力
毎日新聞 2013年04月10日 大阪夕刊

  2万人の犠牲者を出した東日本大震災の発生2年を大きく伝えた先月11日の毎日新聞朝刊(東京本社発行)に、東京都墨田区で前日に営まれた東京大空襲68年追悼法要の記事が小さく載っていた。


 1945年3月10日の米国による東京下町への空爆で、10万人の市民の命が奪われた。
震災犠牲者遺族の悲しみを伝える記事が載った紙面だけに、戦災の過酷さも思わずにはいられなかった。


 10年前のきょう、2003年4月10日の毎日新聞夕刊は、米国の先制攻撃で始まった戦争でイラクのフセイン政権が崩壊し、当時の小泉純一郎首相の歓迎する声を紹介している。

だが、
戦争は泥沼化。
開戦理由の誤りもその後判明する。
誤った戦争の結果、テロによる犠牲を含め10万人以上の市民の命が奪われた。


 この間、英国やオランダではイラク戦争が厳しく検証されてきた。
一方、兵員や物資輸送などで米軍に協力した日本政府は、外務省が「適切な対応だった」との簡単な報告書を公表しただけだ。


 戦災は人間の力で防止できる災禍だ。震災同様、いや、それ以上に風化させない努力が欠かせない。【湯谷茂樹】

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2013年04月12日

老いる大都市圏 介護の担い手をどう確保する

私は今日が 「50歳代」最終日。
昔なら 明日「還暦」で 老人の仲間入りですが
今は 老人とは 65歳の「年金受給開始」から老人扱いされるとのこと。
あと5年は「老人準備期間」なのか・・・。
政府の福祉政策の貧困で まだ若いとされる微妙な年齢に・・・
下記の記事は 身近な問題になってきました。

********************************
老いる大都市圏 介護の担い手をどう確保する
2013年4月12日(金)1時42分配信 読売新聞

大都市圏で急増していく医療・介護のニーズにどう対応するか。
 社会保障政策の重い課題だ。


 東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知――。
2010年から30年間で、65歳以上の人口が増える比率の高い都県だ。
国立社会保障・人口問題研究所がまとめた「地域別将来推計人口」で明らかになった。


 中でも埼玉、神奈川両県では、医療や介護の必要性が高まる75歳以上の人口が倍増する。


 都市部の高齢化は、高度成長期に職を求めて地方から都会に出てきた世代が高齢期を迎えるためだ。
過疎化の進む農村部で先行していた地域社会の高齢化の波が、大都市圏にも押し寄せる。


 特別養護老人ホームなど高齢者施設の拡充が欠かせない。
限られた介護職員で多数の入所者をケアできるというメリットがある。

 ただ、地価が高い都市部で施設の新設は容易でない。施設不足は今後一段と深刻になるだろう。
 各自治体は、廃校になった校舎を活用するなど、施設整備に知恵を絞ってもらいたい。


 在宅で十分な医療・介護を受けられるようにすることも重要だ。
政府が昨年始めた「24時間型訪問介護サービス」への期待は大きい。
介護職員や看護師が高齢者宅を1日数回訪問し、緊急の呼び出しにも応じる仕組みだ。

 ところが、このサービスは普及していない。
導入した自治体は全体の1割に満たない。
夜間の呼び出しなどが負担で事業者が敬遠している。
参入条件である看護師の確保が難しいのも一因という。


 厚生労働省は、参入条件の緩和などを検討すべきだ。


 介護職員の確保も重要である。介護のノウハウを持っていても、結婚や出産で辞める人は多い。
保育所の待機児童の解消など、子育てをしながら働き続けられる環境を整えねばならない。

 他の産業に比べ低い賃金水準を改善する必要もある。


 都市部では今後、独り暮らしの高齢男性が女性以上に急増することが大きな問題となろう。
収入が低い非正規雇用の増加などで、現在30〜40歳代の男性の未婚率が上昇していることが要因だ。


 単身者は家族による介護が期待できない。近隣との結びつきが乏しく、孤立しがちだ。

 都市部の高齢化問題については雇用や賃金制度、さらに国民の負担のあり方も含めて検討することが欠かせない。

政府の社会保障制度改革国民会議は、こうした視点からも議論を深めてほしい。

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2013年04月13日

トラブル回避言い換え うるさい→元気、まずい→個性的な味

今日から 60歳のスタート。
残念ながら、共済(厚生)年金は 今年から61歳支給となります。
今日の 言い換え言葉は 文部省の通信簿などに否定的な言葉はつかわないとの指導の下、通信簿・指導要録に使われている言葉とほぼ一致します。
私が 現役の教員の時、新年度の子供の特徴と指導要録を見て、苦労して「読み替えたものだ」と苦笑すること多々だったことを懐かしく思い出します。

********************************
トラブル回避言い換え うるさい→元気、まずい→個性的な味
2013.04.12 16:01   NEWSポストセブン

 同じ意味を伝える場合でも、どんな言葉を使うかによって相手に与える印象は全く異なる。
選んだ言葉ひとつで大きなトラブルに発展することも珍しくなく、適切な言葉に言い換えることも重要だ。


 たとえば「太っている」には「ふくよか」、
「しつこい」に「粘り強い」など、見方を変えればプラス表現が可能なものある。


「うるさい」であれば「元気」と言い換えることが可能。

さらに細かく分けると、大きな声で騒々しく話したり、おしゃべりな人には「元気」。
持ち上げるなら「盛り上げ上手」も。


 逆に、「おとなしい」なら「協調性がある」という表現も。
どこにいるのかわからないほど影の薄い人でも、「協調性がある」なら周囲に溶け込むことができるというニュアンスに。


 また「気が小さい」なら、周囲を気にしすぎる人は、周りを気づかう「謙虚」で、細かいことにも「慎重」な人ともいえる。

「せっかち」なら、落ち着きなく動く人は「頭の回転が速い」「スピーディー」。

そそっかしい場合には、「行動が素早い」など。


 そして、とても難しいのが「まずい」だが、「個性的な味」「初めての味」「最先端の味」ならマイナス評価には聞こえない。


※女性セブン2013年4月25日号


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2013年04月14日

「動物農場」に学ぶ「世論」の危うさ、恐怖支配に永遠はない

恐怖支配に永遠はない
2013年 4月 13 日(土)付 朝日新聞「天声人語」
 
  ジョージ・オーウェルの『動物農場』は、豚をはじめとする動物たちが人間に反乱を起こして、解放される物語である。
だが、やがて豚が特権階級となって専制支配を敷き、他の動物は屈従を強いられる……。
作家が寓話(ぐうわ)に込めたのは旧ソ連のスターリン体制への批判だった

▼独裁権力の下では、政治が万事、大げさになりがちである。
言葉遣いから物腰まで、時に異様、時に滑稽と映る。
動物農場の豚は小難しい言葉を使いたがり、その頭領は自分で自分に「動物英雄勲一等」を授ける

▼そうした傾向が北朝鮮で極まっていることは、伝えられる映像などでおなじみだろう。
金正恩(キムジョンウン)第1書記が後継者として登場した時、「新世紀の偉大な太陽」「人民愛の最高の化身」などと表現された。
いま、その「卓越した知略と先軍指導」が世界中に迷惑をかけている

▼独裁体制とはどんなからくりで維持されるのか。
18世紀英国の哲学者ヒュームによれば、民衆がやすやすと支配されているという現象は驚きではあるが、実は指導者が頼みとしているのはつまるところ「世論」だけである。
このことは、最も専制的で最も軍事的な政府にもあてはまる
(「統治の第一原理について」)

▼たしかにソ連は消え、「アラブの春」は起こった。
世論、つまり人々の意識が変わり、独裁を葬り去った。
「王様は裸だ」という声はいつかは上がる

▼情報を遮断され、飢えや暴政に苦しむ北の人々に届かないのがもどかしい。
それでも恐怖支配に永遠はない。

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2013年04月15日

中国での猛威の鳥インフル 日本発生なら死者64万人の予測

中国での猛威の鳥インフル 日本発生なら死者64万人の予測
2013.04.14   zakzak

 中国で鳥インフルエンザ『H7N9』が猛威をふるっている。
中国の報道では、2人が死亡。
そのうち、87才の男性は2月19日に発病して3月4日に亡くなっている。
しかし、それが発表されたのは3月31日。
つまり、死亡から1か月近く経ってからの発表だったわけで、この“空白の1か月”で、ウイルスがすでに日本に上陸している可能性があるというのだ。

 日本と中国を行き来する人は年間約500万人超。
1か月で実に40万人以上が往来する。
さらに中国は4月4日から6日まで「清明節」に伴う3連休だった。
この間、約100万人が上海駅を利用するなど、中国各地が多くの人でごった返し、中国人の観光客や邦人の一時帰国などで日本への渡航者は激増していた。

 感染症学と公衆衛生学に詳しい医学博士の中原英臣氏が語る。

 「これだけ感染源の国と行き来があれば、感染者が日本に入り込んでいても不思議ではありません」

 外務省も「清明節による人の移動でウイルス感染が拡大する恐れがある」と注意を喚起しており、現地の日本企業でも対応に追われた。

 上海に拠点を持つ家電大手のシャープは「市場では鳥に触ったり近づいたりしない。
外出する際はマスクを着用すること」と社員に呼びかけた。
中国で幅広く展開するセブン&アイ・ホールディングスでも社員が体調を崩したら速やかな検査を奨励している。

 緊迫が増す中で、さらに懸念されるのは、中国当局の情報隠蔽だ。

 「今回の鳥インフルエンザ騒動では、中国当局は国内メディアに対し、独自報道を禁止する報道統制を行っています。
2003年に新型肺炎SARSが大流行したときも当局は情報を隠蔽し、被害が拡大しました。
今回もすでに、報道以上に感染が拡大していることは充分に考えられます。すでに、ウイルスが人から人への感染力を持っている可能性だって否定できないんです」(中国の報道関係者)

 仮にウイルスが「人→人」感染に変異していたとしたら、被害規模はどのくらいになるのか。

 厚労省は2008年、日本で強毒性の新型インフルエンザが発生したときのシミュレーションを発表している。
それによると、人口の4分の1である3200万人が感染し、200万人が入院。死者は最大で64万人に達するという。

 これは決して大げさな数字ではない。
過去のパンデミックでいえば、1918年に世界中で大流行したスペイン風邪も鳥インフルエンザから変異したもので、このときはなんと世界で6億人が感染し、死者は5000万人に達している。

 WHOは、『H7N9型』の治療に既存の抗インフルエンザ薬「タミフル」「リレンザ」が有効であるとの見解を発表し、現在は、予防用の新たなワクチン製造に着手している。
しかし、新型ワクチンの製造には半年近くかかる。

 「ワクチンが完成するまでは、基本的な予防策を徹底して被害を最小限に食い止めるしかないんです」(前出・中原氏)

 予防策は通常のインフルエンザと同じ。

 ●調理の前後、食事の前、トイレの後は手洗いをする

 ●肉類はしっかりと加熱してから食べる

 ●外出時はマスクをする

 ●外出先から戻ったときは、うがいと手洗いをする

 ●人ごみを避ける

 もしも疑わしい症状が出たら、自己判断せず、すぐに病院で診断してもらおう。

 ※女性セブン2013年4月25日号
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2013年04月16日

週3回以上は注意?「こむら返り」に潜む病気とは

週3回以上は注意?「こむら返り」に潜む病気とは
2013.04.15 20:00   NEWSポストセブン

 ちょっと体勢を変えた時や運動しているとき、足がつってしまうことってないですか? 
足がつるのは“こむら返り”とも言われ、足の筋肉が縮んでしまって伸びなくなった状態なのです。 つった時は、立っていられない程の痛みですが、すぐに治まるので、あまり気にしない方も多いと思いますが、このこむら返りには重要な病気が潜んでいることもあるのです。
■つりやすいのはミネラル不足
つってしまう原因は様々なのですが、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルバランスが崩れた時や、水分不足、ミネラル不足の時に起こりやすいのです。


運動の時につりやすいのは、汗をかくため体内の水分、塩分バランスが崩れ、つりやすくなるのです。
汗をかくような運動をするときはミネラルウォーターやスポーツドリンクを飲みながら行いましょう。

■睡眠中につるのは“疲れ”

ミネラルバランス以外にもつることがあります。
寝ている時につる場合は筋肉疲労が考えられるのです。
筋肉疲労により筋肉と神経とのつながりがうまくとれなくなった場合に起こりやすいのです。
よく歩いた日や立ちっぱなしなど、筋肉をよく使った時は、お風呂や寝る前にマッサージをするのがおすすめです。

■1週間に3回以上つる人は……

お酒を飲むと体内のミネラルバランスが壊れやすいので、つりやすくなってしまいます。
“つる”ことは、アルコール依存の離脱症状の1つでもあるのです。

飲酒習慣がある人で、1週間に3回以上つる場合は、お酒の飲み過ぎによるミネラルバランスが崩れている可能性があります。
■よくつるのは病気の可能性も!

片方の足がつりやすい、痛む、歩くと比較的短い距離でも足が痛くなったりつったりするけれど、休むとまた歩けるようになる、という場合状態のときは”閉塞性動脈硬化症”という病気のこともあります。
動脈が細くなり、血流が悪くなってしまう病気なのです。

その他にも、妊婦さんは胎児に栄養を補給しているので、つりやすくなります。
つっている状態は、筋肉が収縮してしまっているので、筋肉をほぐしてあげるようにします。
ただ、頻繁につるようならば、早めに病院で相談してくださいね。

【取材協力】

※ 一原亮・・・医学博士。
美容皮膚科 横浜銀座クリニックにて院長、小田原銀座クリニックにて特別顧問を勤める。
消化器・内科全般が専門で、内側(体内)からのアンチエイジングをクリニックで展開している。

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2013年04月17日

香山リカのココロの万華鏡:家族のことから離れよう 

香山リカのココロの万華鏡:家族のことから離れよう]
毎日新聞 2013年04月16日 東京地方版


 4月に入り、診察室の中でも外でも、相談の件数が増えた気がする。
「長く悩んできたけれど、新年度こそは何とかしたい」と思う人が多いのだろう。


 中でも目立つのは父親のアルコール依存症、母親のうつ病、弟の引きこもり、妹の拒食症など、家族の問題を何とかしたいという相談が後を絶たない。

特に、「長女」にあたる人が相談に来るケースが多い。
実際の長女ではないが、「長女役を果たしている誰か」という場合もある。
責任感も使命感も強い彼女たちは、「父を何とかするのは私の役目」
「悩んでいる姉を身捨てるわけには」と自分の事のように苦しみ、自分が動くことで何とかしたいと真剣だ。


 しかし、実際にはいくら健気で賢明な娘たちががんばっても、本人がやる気を持たなければ問題は解決に向かわない。
また、他の家族の協力も不可欠だ。


 そういう中で、最初は「私さえしっかりすれば」と意気込み、希望を胸にやって来た娘たちは、次第に自分の前に立ちはだかる壁に気づいて焦りや不安を感じ始める。

「やっぱり問題のお父さん本人にも来ていただきたいですね。
できればお母さんもいっしょに」と繰り返す私に、「やってみます!」と元気で答えていた娘たちの声が、面接を重ねるうちに小さくなってくる。
「どうしてオレが精神科なんかに行かなきゃならないんだ、と怒鳴られました……」


 疲れた顔を見せる娘に、私は言う。
「ところで、自分の時間も大切にしてますか? 楽しみやストレス解消は?」。
すると、ほとんどは「それどころじゃないですよ」と首を振る。

私はすかさず、「そう思うのであればあるほど、むしろ息抜きや発散も必要ですよ。ちょっと家族のことから離れて、友だちと会ったり旅行に出かけたりしてみるのはどうでしょう」と勧める。


 そう、誰だって家族に悩んでいる人や、病と考えられる人がいれば心が重くなるし、できれば自分が何とかしてあげたいと思うだろう。
しかし、家族全体とは別に、そこにいる一人一人の人生も続いている。
もちろん、その感心な娘たちにも自分自身の人生があり、それ自体は家族の問題とは別のものであるはずだ。


 「あなたは十分よくやっています。でも、一人で全部を解決するには限界もあるよね。それよりも自分の人生、見直してみませんか」。

家族のために孤軍奮闘する娘たちは「この春こそ」と、やる気と焦りを感じているかもしれないが、私はあえてそう伝えたい。

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衆院、空転…0増5減巡り野党が審議拒否

衆院、空転…0増5減巡り野党が審議拒否
2013年4月17日12時19分  読売新聞

  衆院は17日、共産党を除く野党5党が審議を拒否して空転した。

野党が、衆院小選挙区定数の「0増5減」を実現する区割り法案(公職選挙法改正案)の特別委員会への付託を与党が賛成多数で16日に決めたことに反発し、9委員会で審議を拒否。
与党は19日に同法案を特別委で採決する方針で、後半国会は与野党対立が強まっている


 衆院は、内閣、法務、外務、文部科学、厚生労働、経済産業、国土交通の7常任委員会と、青少年問題、拉致問題の両特別委員会で野党側の欠席により、審議ができなかった。


 共産党を除く野党5党は17日午前、国会内で国会対策委員長らが会談し、同日午後の党首討論には参加するものの、討論で安倍首相(自民党総裁)が野党も含めた選挙制度改革の協議の場の設置に応じる考えを示すことを、審議復帰の条件とする方針を確認した。
会談後、民主党の高木義明国対委員長は記者団に、「不正常な状況を作ったのは与党だ。反省を求めなければいけない」と指摘した。


 これに対し、与党は17日朝、東京都内で幹事長や国対委員長が会談し、19日までに区割り法案を衆院政治倫理確立・公職選挙法改正特別委で採決する方針を確認した。
定数削減を含む衆院選挙制度改革の与野党協議を18日にも行うよう野党に呼びかけることも決めた。
会談後、自民党の石破幹事長は記者団に「非常にシンプルな法案なので、そんなに(審議)時間はかからないと思う。
今週中にメドはつけなければならない」と強調した。

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2013年04月18日

追悼・三國連太郎さん:徴兵忌避の信念を貫いた

追悼・三國連太郎さん:徴兵忌避の信念を貫いた
2013年04月15日  毎日新聞
(特集ワイド「この人と」1999年8月掲載)

 徴兵を忌避して逃げたものの、見つかって連れ戻され、中国戦線へ。
しかし人は殺したくない。
知恵を絞って前線から遠のき、一発も銃を撃つことなく帰ってきた兵士がいる。
俳優・三國連太郎さんは、息苦しかったあの時代でも、ひょうひょうと己を貫いた。終戦記念日を前に、戦中戦後を振り返ってもらった。【山本紀子】


 −−とにかく軍隊に入るのがいやだったんですね。


 ▼暴力や人の勇気が生理的に嫌いでした。
子供のころ、けんかしてよく殴られたが、仕返ししようとは思わない。
競争するのもいや。
旧制中学で入っていた柔道部や水泳部でも、練習では強いのに、本番となると震えがきてしまう。全く試合にならない。
それから選抜競技に出るのをやめました。


 −−どうやって徴兵忌避を?


 ▼徴兵検査を受けさせられ、甲種合格になってしまった。
入隊通知がきて「どうしよう」と悩みました。
中学校の時に、家出して朝鮮半島から中国大陸に渡って、駅弁売りなどをしながら生きていたことがある。
「外地にいけばなんとかなる」と思って、九州の港に向かったのです。
ところが途中で、実家に出した手紙があだとなって捕まってしまったのです。


 「心配しているかもしれませんが、自分は無事です」という文面です。
岡山あたりで出したと思う。
たぶん投かんスタンプから居場所がわかったのでしょう。
佐賀県の唐津で特高らしき人に尾行され、つれ戻されてしまいました。


 −−家族が通報した、ということでしょうか。


 ▼母あての手紙でした。
でも母を責める気にはなれません。
徴兵忌避をした家は、ひどく白い目で見られる。
村八分にされる。
おそらく、逃げている当事者よりつらいはず。
たとえいやでも、我が子を送り出さざるを得なかった。
戦中の女はつらかったと思います。

 ◇牢に入れられるより、人を殺すのがいやだった

 −−兵役を逃れると「非国民」とされ、どんな罰があるかわからない。
大変な決意でしたね。


 ▼徴兵を逃れ、牢獄(ろうごく)に入れられても、いつか出てこられるだろうと思っていました。
それよりも、鉄砲を撃ってかかわりのない人を殺すのがいやでした。
もともと楽観的ではあるけれど、(徴兵忌避を)平然とやってしまったのですね。
人を殺せば自分も殺されるという恐怖感があった。


 −−いやいや入ったという軍隊生活はどうでした?

▼よく殴られました。突然、非常呼集がかかって、背の高い順から並ばされる。
ところが僕は動作が遅くて、いつも遅れてしまう。
殴られすぎてじきに快感になるくらい。
演習に出ると、鉄砲をかついで行軍します。
勇ましい歌を絶唱しながら駆け足したり、それはいやなものです。
背が高いので大きな砲身をかつがされました。
腰が痛くなってしまって。
そこで仮病を装ったんです。


 −−どんなふうに?


 ▼毛布で体温計の水銀の部分をこすると、温度が上がるでしょう。
38度ぐらいまでになる。
当時、医者が足りなくて前線には獣医が勤務していました。
だからだまされてしまう。
療養の命令をもらって休んだ。
また原隊復帰しなくてはいけない時に、偶然救われたのです。
兵たん基地のあった漢口(今の湖北省武漢市)に、アルコール工場を経営している日本人社長がいた。
軍に力をもっていたその社長さんが僕を「貸してほしい」と軍に頼んだのです。
僕はかつて放浪生活をしていた時、特許局から出ている本を読んで、醸造のための化学式をなぜか暗記していました。
軍から出向してその工場に住み込み、1年数カ月の間、手伝いをしていた。
そうして終戦になり一発も銃を撃たずにすんだのです。


 −−毛布で体温計をこするとは、原始的な方法ですね。


 ▼もっとすごい人もいました。
そのへんを走っているネズミのしっぽをつかまえてぶらぶらさせたかと思うと、食べてしまう。
「気が狂っている」と病院に入れられましたが、今ではその人、社長さんですから。


 −−前線から逃げるため、死にもの狂いだったのですね。


 ▼出身中学からいまだに名簿が届きますが、僕に勉強を教えてくれた優しい生徒も戦死していて……。
僕は助かった命を大切にしたいと思う。そう考えるのは非国民でしょうか。


 −−三國さんのお父様も、軍隊の経験があるそうですね。


 ▼はい。シベリアに志願して出征しました。
うちは代々、棺おけ作りの職人をしていました。
でも差別があってそこから抜け出ることができない。
別の職業につくには、軍隊に志願しなくてはならない。
子供ができて生活を安定させるため、やらざるを得なかったのでしょう。
出征した印となる軍人記章を、おやじはなぜだか天井裏に置いていた。
小さいころ僕はよく、こっそり取り出してながめていました。


 −−なぜ天井裏に置いていたのでしょう。


 ▼権力に抵抗する人でしたからね。
いつだったか下田の家の近くの鉱山で、大規模なストがあって、労働運動のリーダーみたいな人を警察がひっこ抜いていったのです。
おやじはつかまりそうな人を倉庫にかくまっていた。
おふくろはその人たちのために小さなおむすびを作っていました。
またいつだったか、気に入らないことがあったのでしょう、おやじは駐在所の電気を切ったりしていた。
頑固で曲がったことの嫌いな人でした。


 −−シベリアから帰ってから、どんな職業に?


 ▼架線工事をする電気職人になりました。
お弟子さんもできた。
おやじは、太平洋戦争で弟子が出征する時、決して見送らなかった。
普通は日の丸を振って、みんなでバンザイするんですが。
ぼくの時も、ただ家の中でさよならしただけ。
でも「必ず生きて帰ってこい」といっていました。


 −−反骨の方ですね。


 ▼自分になかった学歴を息子につけようと必死でした。
僕がいい中学に合格した時はとても喜んでいた。
ところが僕が授業をさぼり、家出して、金を作るため、たんすの着物を売り払ったりしたから、すっかり怒ってしまって。
ペンチで頭を殴りつけられたり、火バシを太ももに刺されたりしました。
今でも傷跡が残っています。
15歳ぐらいで勘当され、それから一緒に暮らしたことはありません。


 −−終戦後はどんな生活を?


 ▼食料不足でよく米が盗まれ、復員兵が疑われました。
台所まで警察官が入って捜しにくる。
一方で、今まで鬼畜米英とみていたアメリカ人にチョコレートをねだっている。
みんなころっと変わる。
国家というのは虚構のもとに存在するんですね。
君が代の君だって、もっと不特定多数の君なのではないか。
それを無視して祖国愛を持て、といわれてもね。


 −−これからどんな映画を作りたいと思いますか。


 ▼日本の民族史みたいなものを作りたい。
時代は戦中戦後。象徴的なのは沖縄だと思います。
でも戦いそのものは描きたくない。
その時代を生きた人間をとりまく環境のようなものを描こうと思う。
アメリカの戦争映画も見ますが、あれは戦意高揚のためあるような気がします。
反戦の旗を振っているようにみえて、勇気を奮い起こそうと呼びかけている。

 ◇国家とは不条理なものだ

 三國さんは名前を表記する時、必ず旧字の「國」を用いる。
「国」は王様の「王」の字が使われているのがいやだ、という。
「国というものの秘密が、そこにあるような気がして」


 「国家というのは、とても不条理なものだと思う」と三國さんはいう。
確かにいつも、国にほんろうされてきた。
代々続いた身分差別からすべてが始まっている。
棺おけ作りの職業にとめおかれていた父親は、全く本意ではなかったろうが、シベリア出兵に志願して国のために戦った。
そうして初めて、違う職業につくことを許された。
この父との確執が、三國さんの人生を方向づけていく。


 学歴で苦労した父は、息子がいい学校に入ることを望んだ。
しかし期待の長男・連太郎さんは地元の名門中学に合格したまではよかったが、すぐドロップアウトしていく。
三國さんは「優秀な家庭の優秀な子供がいて、その中に交じっているのがいやだった。自信がなかった」という。


 時代も悪かった。
中学には配属将校といわれる職業軍人がいた。ゲートルを巻いての登校を義務づけられ、軍事教練もあった。

 学校も家も息苦しい。
だから家出した。中学2年のことだ。
東京で、デパートの売り子と仲良くなって泊めてもらったこともある。
中学は中退してしまう。
父は激怒した。中国の放浪から帰ってきた時、勘当された。
家の近くのほら穴で「物もらいと一緒に寝起きした」という。
道ですれ違おうものなら、父は鬼のような形相で追いかけてきた。


 その後、三國さんが試みた徴兵忌避は、不条理な国に対する最大の抵抗だった。後ろめたさはない。

圧倒的多数が軍国主義に巻き込まれていく中、染まらずにすんだのは、「殺したくない」という素朴な願いを持ち続けたためである。


 「国とは何なのか、死ぬまでに認識したい。
今はまだわからないが、いつもそれを頭に置いて芝居を作っている」と三國さんは話している。

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差別への怒り、芝居に迫力 三国連太郎さんを悼む

差別への怒り、芝居に迫力 三国連太郎さんを悼む
2013年04月17日    朝日新聞デジタル

 14日亡くなった俳優の三国連太郎さんは90年の人生を、差別や不条理が存在する社会への怒りをもって生き抜いた。
その怒りが、俳優としての破格の大きさになって結実していた。


 「三国さんは自分たち俳優を遊芸民と称していた」。
民俗学者の沖浦和光さん(86)は振り返る。
中世以降、芸能に携わる人々は、何も生産しない民としてしばしば差別を受けていた。


 長年親しかった三国さんとは「『芸能と差別』の深層」(ちくま文庫)という対談集を出している。
「観客を魅了したあの名演技は、闇の部分が多い複雑な実人生の投影であることが分かります」監督やプロデューサーに俳優として意見を言うと「あの河原者風情が」との陰口が耳に入ったという。


 この本の中で三国さんは、「親父(おやじ)の田舎」の由緒について触れている。


 「中学の頃からなぜ自分がのけ者にされるのか理不尽に感じていたと話していた
役者になってから、柳田国男や折口信夫をはじめ観阿弥・世阿弥など芸能史について幅広く勉強されていました」


 三国さんの思い入れが特に強かった映画は、今村昌平監督の「神々の深き欲望」(1968年)だったという。
「沖縄の土着的な文化と近代化の間に起こる差別を、初めてまともに描いた作品だと思う。
三国さんは、監督が完璧主義で納得いくまでOKを出さず、撮影に1年半かかった、と話していた」


 戦時下に日本へ強制連行された朝鮮人に扮した95年の「三たびの海峡」も三国さんらしい映画の一本だ。
神山征二郎監督(71)は言う。
「皇民化教育の時代に育ち、青春を送った人だから、戦争に対する憎悪はすさまじいものがあった。
抑圧されている者の怒りが、単に役柄を演じている以上の迫力でひしひしと感じられた」


 脚本の読み込みも尋常ではなかった。
「撮影のある日は毎朝、赤鉛筆で直した台本を見せられた。
そこまでこだわる俳優は、ほかに会ったことがない。
若い頃の苦労が俳優としての生き方の強いバネになっていたのでは」


 神山監督は、日本にはいないタイプの器の大きな俳優だったとも話す。
なぜ戦争が駄目なのか、という大きな思想をきちんと語れる方だった
マーロン・ブランドをほうふつさせる」


 ブランドの持つ存在感や威厳は、確かに三国さんに近いものがある。
「ゴッドファーザー」でアカデミー賞主演男優賞に決まりながら受賞を拒否したが、その理由は「ハリウッドの少数民族への差別」だった。

 「三国さんがもっと活躍できる幅の広さを今の日本映画が持てていなかった」と神山さんは残念がった。(石飛徳樹)
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2013年04月19日

サラリーマンは全員アルバイトになる 首切り法案 戦慄の中身と進行状況

サラリーマンは全員アルバイトになる 首切り法案 戦慄の中身と進行状況
2013年4月16日  日刊ゲンダイ掲載 

 閣僚答弁を信じちゃいけない

 高支持率に浮かれている安倍内閣がとうとう、悪魔のような正体をあらわにしてきた。
サラリーマンいじめの首切り法案が着々、進行中なのである。

カネで首を切る「金銭的解決」だけでなく、
いわゆる解雇の4要件、
(1)経営上の必要性
(2)解雇回避に向けた努力
(3)合理的選定基準
(4)労使協議の必要性――もなし崩しにしようという動きが急ピッチで進んでいる。こんなものを見逃していたら、サラリーマンは全員、アルバイトにされて、経営者の下僕にされてしまう。

 15日の衆院予算委員会の分科会。
首切り法案を徹底追及する山井和則衆院議員(民主党)が30分間にわたって甘利経済再生相を攻め立てた。

 この間、山井がしつこく聞いたのは「安倍内閣は解雇4要件の見直しを成長戦略の中に入れる可能性があるのではないか」ということだ。
産業競争力会議や規制改革会議で、こうした解雇ルールの見直しが公然と議論されているからである。

 甘利は国会答弁で「使用者側の勝手な都合で金銭の支払いによって解雇することは検討しない」と言っているが、いつもこうやって、「使用者側の勝手な都合で……」みたいな“条件”付きで答える。
果たして、15日も明確な否定答弁はなかったのだが、その裏では、えらいスピードで首切り法案の議論が進んでいる。

 それが資料で裏付けられている。

例えば、第4回、産業競争力会議で配られたペーパーにはこうある。

〈現状では大企業が人材を抱え込み、「人材の過剰在庫」が顕在化している。
大企業で活躍の機会を得られなくても、他の会社に移動すれば活躍できるという人材も少なからずいるはずであり、「牛後となるより鶏口となれ」という意識改革の下、人材の流動化が不可欠である〉

〈雇用維持型の解雇ルールを世界標準の労働移動型ルールに転換するため、再就職支援金、最終的な金銭解決を含め、解雇の手続きを労働契約法で明確に規定する〉

 労働者を「過剰在庫」呼ばわりだから、ヒドイ話だが、規制改革会議のペーパーも露骨だ。

〈勤務地や職種が限定されている労働者についての雇用ルールの整備〉が「優先的検討事項」として書かれているのだ。

 正社員ではなく、限定社員という新概念を導入しようというものなのだが、「雇用ルールの整備」と言いながら、この文章のタイトルはズバリ、「解雇ルールのあり方」とある。
つまり、正社員を限定社員にして、首切りをしやすくしようというたくらみなのだ

 15日明らかになった規制改革会議の雇用ワーキンググループの第1回会合の議事録にもあきれ返った。

 3月28日の会議の議事録が今頃出てくること自体がフザケているのだが、中身を見たら民間の委員が「解雇規制のあり方とか、こういう表現でいいのか。
労働契約のあり方とか働き方のあり方とかと変えて出した方がいい」なんて言っていて、要するに最初から「首切り法案をいかに、ごまかすか」に腐心していたのである

「結局、この内閣は大企業のための内閣なのですよ。
産業競争力会議に入っているのは経営者だけですからね。
甘利大臣は労働問題を話し合うときは労働者の代表を入れるべきだ、と言っていましたが、だったら、すぐにやって欲しい。
それをやらずに解雇のルールづくりを話し合っている。
いまは慎重答弁ですが、参院選が終わったら、首切り自由な国になってしまう可能性があります」(山井和則衆院議員)

 庶民も株高に浮かれ、安穏としていると、とんでもないことになる。
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しあわせのトンボ:問題意識=近藤勝重

しあわせのトンボ:問題意識=近藤勝重
毎日新聞 2013年04月19日 14時44分

   夕刊編集部に在籍して、特集の企画案を毎週提出している。
今、何が問題か、と考えての提案だが、そういう作業を通して改めて気付くのは、この国の問題の多さと問題の深刻さである。

無邪気に喜んだり、悲しんだりして気楽に過ごしていた日々が遠のいたことを思い知らされるばかりか、将来への不安に気もふさぐ。

巨大地震、未収束の原発事故、近隣諸国との不測の事態……と多々案じられ、祈りに似た思いがこもる時もある。


 いや実際、長い記者生活でもこんな気分に見舞われたことはあまりない。
記者になってしばらくは、目の前の事件に追われ、殺人事件なら犯人は?汚職事件なら黒い役人は?とその答えを追い求めていた。
どなたかの言い回しと思うが「人間の問題」より「問題の人間」が問題であったわけで、週刊誌に移ってからも、「問題の人間」が最大の関心事であった。


 その後、夕刊編集部での仕事に就いてからは「人間の問題」への関心も増し、「この国はどこへ行こうとしているのか」の特集を同僚と企画したのも、そんな問題意識の表れであったように思う。


 ところでぼくらの問題意識は、「問題だ」と一声発して募っていく。
しかし昨今、問題の判断基準が何だかぼやけてしまった印象だ。
かつてなら問題になったであろう政治家の過激発言も、今では頼もしさを感じる向きもあると知ってか、本人はどこ吹く風だ。
逆に過激な主張は控えて、穏やかさを演出する政治家もいたりするからややこしい。


 それで思うのだが、メディアがタカ派的持論を抑えた安倍晋三政権を「安全運転」などと評しているのはどうなんだろう。
参院選を前に本当はどんな運転をする政権なのか、みんな知りたいはずなのに、「安全運転」だなんて、と思ってしまう。


 ついでながら、次の川柳は毎日新聞(大阪)の「健康川柳」で紹介した作品だ。


 祖母が聞くアベノミクスは美味(うま)いんか


 祖母の口を借りての皮肉の句とも受け取れるが、ともあれアベノミクスなるものも本当のところは、と大いに気になる。
                     (専門編集委員)

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2013年04月20日

今の日本人 デフレのトラウマでインフレの怖さを忘れている

今の日本人 デフレのトラウマでインフレの怖さを忘れている
2013.04.19 16:00  NEWSポストセブン

  アベノミクスによって円安が進めば株価が上がる。
株価が上がれば景気が上向く──まさに「円安バンザイ」ムード一色だが、今こそ考えておくべきは「このまま円安が進んでいった場合に何が起きるか」である。


 円安による最悪のシナリオは、1ドル=120円を軽々と突破し、急激に暴落してしまうことだ。


 そこで思い出すのが、ベストセラー『日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日』(ベンジャミン・フルフォード著)だ。
この本は、「日本の未来が2002年に通貨危機を迎えたアルゼンチンのような状態になる」と書いて大きな波紋を呼んだ。


 かつてのアルゼンチンは国民1人当たりのGDPが世界4位と、南米トップの経済力を誇った。
だが、インフレ政策の麻薬にはまる。
カネを無計画に刷ってバラマキ政策を重ねた結果、1999年には500%のハイパーインフレと累積債務問題に直面。
2001年に政府支出を大幅に削ったことで労働組合がゼネストを敢行し、通貨と国債の暴落が発生した。


 まさに、安倍政権がアベノミクスによる財政出動に際して「国土強靱化」を掲げてハコ物建設を推進している一方で、財務省は消費増税に代表される財政健全化をこの機に乗じて実現しようと狙っている。
基礎的な国力の違いはあるにせよ、ジャブジャブにした後でいきなり蛇口を締めるという政策は、アルゼンチンと同じ道を辿る危険を内包しているといえるかもしれない。


 経済アナリストの朝倉慶氏は危機感を募らせる。

「相場は勢いがつきますから、120円を超えるような展開になると一気に円安に弾みがつきます。
そうなると160円、200円と思わぬ展開が訪れても不思議はない。
現にユーロはリーマンショック後に、1ユーロ=170円から110円近くまで一気に暴落しました。
主要通貨のユーロがこのような動きをしたのですから円でも似たような変動が十分に起こり得るのです。


 今の日本人は、デフレのデメリットばかりがトラウマとなり、インフレの怖さを忘れている
物価上昇が異常な段階に突入しても、それを察知する能力を失ってしまっています」


 朝倉氏は、安倍政権が明示する2%の物価高が実現した時が、円安の危険水域突破の始まりだと示した。


「政府や日銀をしても制御は不可能でしょう。
市場に介入するにしても、ドルを売って円を買わなきゃならない。
だけど、日本は米国債でしかドルをもっていないわけで、これを売るには米国の許可が必要です」


 アルゼンチンは2001年に対外債務の返済不履行宣言(デフォルト)を発する事態に陥っている。失業率は20%を超え、医療や食糧物資の深刻な困窮、銀行の預金封鎖、国民の海外流出……国力の低下は眼を覆うばかりとなってしまった。

※週刊ポスト2013年4月26日号

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新入生がカルト集団の餌食に…大学や駅で声かけ 予備校生も標的に

新入生がカルト集団の餌食に…大学や駅で声かけ 予備校生も標的に
2013.04.18   zakzak(夕刊フジ)


  新学期がスタートし、多くの学生が期待に胸を膨らませて大学の門をくぐった。
そんななか、大学関係者が頭を悩ませているのが、新入学生を狙うカルト集団の存在だ。

  教祖が信者への暴行で逮捕された団体やオウム真理教の後継団体「Aleph(アレフ)」などが手ぐすね引いて待ち受ける。
専門家も「最近は手口が巧妙になっている」と警戒心をあらわにしている。

 入学シーズンのこの時期、大学関係者はキャンパス内に紛れ込む侵入者がいないか、目を光らせる。
正体を隠しながらカルト団体が学生に近づき言葉巧みに入会させるからだ。

 「洗脳した上で教祖への絶対的な服従を強いたり、お布施の納付や物品の購入を強要したりする。

団体運営のために違法行為や反社会的行為を働かせることもいとわないだけに注意が必要だ」
 公安関係者はカルト団体の恐ろしさを説く。

 大学関係者によると、トラブルなどの相談が多いのは、教祖が女性信者への暴行容疑で逮捕された韓国発祥のキリスト教系組織「摂理」や霊感商法が問題になった統一教会系の組織、「アレフ』も増えている」と指摘する。

 公安調査庁の調査では近年、北海道でアレフが信者数を急増させた。
社会を震撼させたオウム事件を知らない若い世代の入信が多く、「ヨガサークルや親睦団体を装って学生を勧誘するケースが目立つ」(先の公安関係者)。

 被害学生を1人でも減らそうと4年前、「全国カルト対策大学ネットワーク」が立ち上がり、現在、全国162校の大学が加盟し、情報交換などを続けている。

 横浜市に学舎を構える横浜国立大学の学生支援課職員は「毎年、勧誘トラブルの報告を受ける。

注意喚起するチラシをキャンパス内に張ったり、ガイダンスで気をつけるように呼びかけるなどの対策をとっている」。
慶応義塾大学でも、文系学部の1年生が学ぶ横浜市の日吉キャンパスで『偽装勧誘・ダミーサークルに注意!』などの張り紙を掲示。
入学手続きの書類にチラシを同封するなどした。

 それでも勧誘・入信をめぐる事件、トラブルは後を絶たない。

 恵泉女学園大の川島堅二学長兼教授(宗教学)は「これまでは、キャンパス内でサークル勧誘に紛れ込むのがポピュラーだったが、最近は見回りが強化されて難しくなった。

それで大学の外や最寄り駅などでの声かけが目立っている」と危ぶむ。
“危険スポット”はキャンパスから駅前の喫茶店やファストフード店に移り、たむろする大学生を捕まえては「友だちになろう」「一緒にスポーツしよう」などと大学生信者が新入生を誘い出すという。

 「大学受験前の高校生や予備校生もターゲットにされている。
見るからに受験勉強している子に『受験勉強もいいけれど、たまには身体を動かした方がいい』などと誘いかける」と川島氏。

 都内に拠点を構えるあるキリスト教系のカルト団体はサークルに化けて勧誘中で、信者獲得のマニュアルを作成。
教団関係者は「信者同士で新規信者の獲得数を競わせ、目標に達しなければ木刀でお尻をたたくなどの体罰を与えている」と明かす。

 自分を変えてみたくはありませんか…。
こんな誘い文句に安易に乗ると救われるどころか、足をすくわれる。
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2013年04月21日

サブリミナル効果は真っ赤なウソだった!? 偽科学・珍学説の数々

サブリミナル 効果は真っ赤なウソだった!? 偽科学・珍学説の数々
2013年4月19日(金)11時50分配信 ダ・ヴィンチ電子ナビ

 「サブリミナル効果」。

人が知覚する意識と、知覚しえない潜在意識の境界領域より下に刺激を与えることで表れるとされている効果のことで、映像などで人が認識するかしないかのギリギリの瞬間に意図的なメッセージなどを挟み込むという方法がよく知られている。
しかし、なんとこれ、科学的確証のない、いわゆる偽科学らしいのだ。

 そんな情報や、
いまだに信じられている珍学説などの情報満載の本が、3月に出版された。それが『図説偽科学・珍学説読本』(グレイム ドナルド:著、花田知恵:訳/原書房)だ。

 たとえば、前述したサブリミナル効果について。
これを広めたのは市場調査の専門家ジェイムズ・ヴィカリー。

彼は1957年のニュージャージー州フォトリーの映画館において密かに行なった実験で
、すばらしい結果が出たと発表した。

その実験が、いわゆる「サブリミナル効果」そのもので、観客に「コカ・コーラを飲め」「ポップコーンを食べろ」と指示するフラッシュ映像を混ぜた映画を見せ、その結果、映画館のロビーでコカ・コーラとポップコーンの売り上げがグンと伸びたと、広告業界の大物や製造業者などに伝えたらしい。
ここまでは、有名な話である。

しかし、本書によれば、1962年にヴィカリーは「サブリミナル効果」はペテンで、破綻しそうな自分のコンサルタント業を救済するためにでっちあげた、と認めたという。

 アメリカ式ならばReally!? 日本式ならば本気(マジ)で!? という声をあげたいところ。
というより、そんなに早くから「嘘」だと認めているのに、なぜ未だにみんな信じているのだろうか。

なんとじつは、ヴィカリーのその声は無視されたというのだ。
その理由としては単純で、「サブリミナル効果」があまりにも、人々の間に広がりすぎていたからだという。

ひとりの声は、多数の前では黙殺されるという、なんとも怖い例である。

ちなみに2006年の調査によると、アメリカ人の約80%が未だに「サブリミナル効果」の不気味な力を信じているらしい。
 でも、なぜそんなにも、人は偽科学を信じてしまうのだろう。

興味深い話が本書に載せられている。
 今や地球は球体だということが当たり前になっているが、昔の人々は「地球? 平面だろ」と本気で信じていた。
いわゆる「地球平面説」である。

その信者のひとりにマルティン・ルターがいる。
ドイツの宗教改革者で、歴史に残る、超重要人物のひとりだ。
そんな彼が、地球平面説を信じた根拠、それは「全人類は最後の審判の日にキリストの再臨を目撃することになっているのに、もし万が一世界が球体だったら、世界の半数以上がそれを見られないではないか」というものだった。

 
もうなんというか、たいしたソースでもないのに、こんな偉い人に血走った目で、前述したようなことをまくしたてられたら、だれでも信じてしまうのではないだろうか。

きっとそんな感じで、偽科学や珍学説が広まり、それを信じてしまう人が後を絶たないのかもしれない。
 しかし、そんな偽科学もときには最悪の事態を引き起すこともある。

本書によれば、その偽科学とは「骨相学」。

その創始者ともいわれるフランツ・ヨーゼフ・ガルの理論によると、脳は27個の部位の集まりで、それぞれが特定の機能、気質、性格に関わっているという。
そしてそれらは使えば使うほど肥大化する、ちょうど筋肉を鍛えると太くなるといった具合にだ。

ここまではまだ的外れでもないらしいのだが、彼の過ちはここからさらに理論を飛躍させたことにあるという。

それは、活用頻度の高い器官が頭骨を押し上げるため、頭の凹凸を調べれば性格がわかるというもの。
これは20世紀以降では否定された理論であるのだが、ルワンダにおいて、最悪なかたちで利用されることになる。

その発端となったのが、骨相学者でありルワンダを支配していたベルギーの国民的著名人であったポール・ボウツ。

彼は国中の監獄や病院を訪問し、手製の器具を使って、患者や囚人の頭を調べたという。
その結果をもとに誰が正常で、だれがそうでないかについて怪しげなレポートを提出したというのだ。

彼の器具は、ルワンダにおいて
、ベルギー植民地局の手で使用される、そこで、頭の凹凸をちょちょっと調べただけでツチ族がフツ族より優れた種族であると判断してしまい、優劣の差をつけてしまった。

そしてそれが「ルワンダ大虐殺」に繋がったらしいのだ。
この事件による被害者はおよそ50万人から100万人の間といわれている。なんとも恐ろしい話である。

 ほかにも、コカインやアヘンはかつて万能薬としてもてはやされ、赤ん坊にも大量処方されていたなどという話から16世紀初めから19世紀にかけて欧州ではタバコの煙による浣腸が流行していたという話、さらには地球空洞説やミッシングリンクなどのオカルトな話にも言及されているので、これらの言葉に反応してしまう人はぜひ手にとってみてはいかがだろうか。

(ダ・ヴィンチ電子ナビより)
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2013年04月22日

年金払う気ない?日本年金機構の仰天業務実態

年金払う気ない?日本年金機構の仰天業務実態
★嫌われ記者?比護義則が行く
2013.04.20   zakzak

 どうやら日本年金機構は国民にちゃんと年金を給付する気がないようだ。

年金受給権の時効を撤廃し、過去の記録ミスによる支給漏れ分を支払う「時効特例給付」が行われず、なんと約1300件、計約10億円の未払いが発覚した。

驚いたことに機構は職員から指摘があったにもかかわらず約1年も放置し無為無策のまま業務を継続。
年金未払いを引き起こした理由について「準備期間が短かった」「運用が正しいと思っていた」と子供じみた言い訳に終始している。
無責任極まる態度にあきれるばかりだ。

 平成19年2月、9年の基礎年金番号導入時に複数の番号を持つ人の記録を統合しなかったため5000万件の未統合の記録があることが判明。
国民から猛反発を受けた。

社会保険庁(日本年金機構の前身)や監督責任がある厚生労働省は猛省を促され、平成22年には装いも新たに日本年金機構が発足し、国民に信頼される年金給付を誓ったばかりだった。

 今回の年金未払い問題の原因の一つに、機構職員間で横行していた「事なかれ主義」がある。
未払い案件として昭和32年9月までに会社を辞めた経歴がある受給者の旧台帳の処理に絡み特例給付の対象としていないケースなどが発覚。
審査担当職員が平成24年1月、上司に指摘した。

 ところが、是正しないまま審査業務は約10カ月も続いた。
しびれを切らした審査担当職員が同年11月7日、総務省の年金業務監視委員会に告発。
厚労省年金局が事態を知ったのは、さらにその数日後だったというが公式見解だ。問題発覚を恐れた機構が事態の矮小(わいしょう)化を図り、同省への報告をためらったととられても仕方ない。

今年1月になって機構は弁護士らによる調査委員会を設置。
ここで初めて告発に基づく未払い年金の検証作業が始まった。
審査担当職員の指摘から実に1年が経過していた。
結果、約8万8千件に誤りがある可能性が分かり、うち8千件分の調査で今回の未払いが判明した。

 審査担当職員が外部に告発すれば問題が表面化し、いずれは組織として非を認めざるを得ない。
それでも、そのまま平然と業務を続けてきた機構職員に恐ろしささえ感じる。
不手際を認め正確な年金支給を実施することに、最後の最後まで抵抗する特異な文化が機構内で蔓延(まんえん)しているのだ。

 こんな状態だから、給付判断で迷うケースについて統一マニュアルが存在せず、判断が難しいケースの采配は個々の職員に委ねられることになった。
これでは年金受給者間で不公平が生じてしまう。
こんなずさんな業務を放置していた機構幹部はもちろん、監督責任がある厚労省幹部の責任は大きい。

 実は、こうした組織運営に危機感を覚えた同省の金子順一事務次官は昨年12月、内部通報制度について「ことが深刻な事態になるのを防ぐという意味で大事な仕組みだ」とするメッセージをひそかに厚労省職員に伝え、密告を推奨していた。
ただ無責任体質が染みこんでいる機構には、そう簡単に次官の気持ちは届かない。年金受給者には改めて年金の支給漏れがないかどうか自身でチェックすることを勧めたい。
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2013年04月23日

発信箱:「通報者たれ」=小国綾子(夕刊編集部)

発信箱:「通報者たれ」=小国綾子(夕刊編集部)
毎日新聞 2013年04月23日 00時32分

  いじめ研究者、内藤朝雄・明治大准教授の近著「いじめ加害者を厳罰にせよ」を読んでいて、「いじめの『仲裁者』ではなく『通報者』になれ」という主張にはっとさせられた。

欧州との比較研究で、日本は他国よりいじめ傍観者が多いと指摘されてきた。
教育現場では「いじめの『傍観者』は『加害者』も同じ。
『仲裁者』たれ」という考え方が根強い。


 しかし内藤さんは「暴力団の暴行を目撃した時、警察に通報するだけではなく命がけで仲裁に入らないと『暴力団と同じ』と批判されるのか」と反論する

「傍観者=加害者」という考え方自体が「学校社会特有のいじめをまんえんさせる強制ベタベタ主義」「一人一人の間に個人主義的な距離があってはいけないというおかしな考え方」だと。

下手に仲裁に入れば新たないじめのターゲットになりかねないのだから、「『通報者』たれ、と子どもに呼びかける方が現実的」と提言するのだ。


 米国の公立高でスクールカウンセラーをする友人の言葉を思い出した。
「米国でもいじめの仲裁をできる子などあまりいない。だから通報して、と呼びかける。
通報を受けた時が肝心。
教師は『私から聞いたと言わないで』と頼み込む通報者を受け止め、守りながら、いじめ解決に全力を注ぐ姿を生徒たちに見せなきゃいけない。
そこで信頼を得られなければ次の通報はもうないから」


 厚生労働省の全国家庭児童調査(09年度)によると、いじめを先生に知らせる生徒の割合は小学校高学年、中学、高校と年齢が上がるにつれ40、25、15%と減っていく。
私たちの誰もが子どもにとって「信頼できる大人」であろうと努めなければ、子どもは「通報」してくれない。

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2013年04月24日

香山リカのココロの万華鏡:歯を食いしばらない 

香山リカのココロの万華鏡:歯を食いしばらない 
毎日新聞 2013年04月23日 東京地方版

 歯や歯ぐきが痛くて歯科を受診したときのこと。
レントゲンを撮ったり、口の中の状態を見たりして、歯医者さんはこう言った。
「これ、歯の食いしばりが原因ですね。知らない間に随分力を入れてかみしめているみたいですよ」


 私は驚いた。
特に奥歯をガッチリ食いしばり、顎(がく)関節が痛くなったり空気を飲み込んで胸が苦しくなったりする人がいることは知っていたが、まさか自分がそうなるとは。

しかも、かみしめはストレスが原因とも聞いている。
私は焦って歯医者さんに聞いた。


 「先生、私ストレスとは無縁の生活なんですよ! いったいどうすればいいのですか。食いしばり防止のマウスピースがあると聞きましたが、それを作ればいいのでしょうか」


 すると、歯医者さんは少々あきれたような顔をしながら、こう答えたのだ。
「ストレスがなくてもかみしめちゃう人もいます。いきなりマウスピースを作らなくても、『食いしばっている』と気づいたら、ちょっと緩めて上と下の歯を離すだけで効果ありますよ」


 なるほど、そのつど力を抜くだけでいいのか。
それから意識して口の中を緩
めるようになった。
すると、確かに歯の痛みは消えた。


 その経験をして以来、診察室で患者さんの顔を見ると、「歯を食いしばっていないかな。
顔に力が入りすぎていないかな」と気になるようになってきた。

精神科の診察室に来る人は深刻な表情をしている場合が多いが、中でも額にしわを寄せ、頬やあごにグッと力が込められているのがわかる人がいる。


 そういう人には、「ちょっと顔や口の中を緩め、だらーんとしてみては?」と促してみる。
「ほら、ちょっとポカンと口を開け、ほわっとため息をついて……。
そうそう、顔が緩んだでしょう」と、「にわか講師」になってリラックス法を指導
することもある。


 私たちは日ごろ、緊張の連続で知らない間に顔全体に力がこもり、グッと歯を食いしばっているという人も少なくないだろう。

そういう人にはぜひ、顔の力をフッと抜くだけで楽になる「顔緩め健康法」を勧めたい。
「顔を緩めるだけで健康になれるんですか?」と聞かれたら、「いや、まだデータは集めてなくて」と正直に言うしかないのだが、簡単にできるリラックス法としてはなかなかいいのでは、と思っている。


 さあ、皆さんも一、二の三で、顔をだらーんと緩めてホッとため息。ガチガチの体とココロが少しほぐれるはずです。

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2013年04月25日

社説:不起訴不当議決 にじみ出た検察不信

社説:不起訴不当議決 にじみ出た検察不信
毎日新聞 2013年04月24日 02時30分

  無罪が確定した小沢一郎・「生活の党」代表の陸山会事件で、虚偽捜査報告書作成の元検事に対し、市民から選ばれた検察審査会が不起訴不当を議決した。

起訴相当ではないため、最高検が再捜査の結果、再び不起訴処分とすれば捜査は終結する。


 ただし、議決書の内容からは、検察の恣意(しい)的な捜査や処分に対する市民の根強い不信が見えてくる。
最高検は再捜査を尽くして処分を決め、説明責任も果たすべきだ。


 経緯を振り返りたい。

 検察審査会が小沢代表について起訴相当と1度目の議決をした後、元秘書の石川知裕衆院議員を東京地検特捜部の元検事が再聴取した。


 元検事が作成した捜査報告書には「ヤクザの手下が親分を守るためにうそをつくのと同じようなことをしたら選挙民を裏切ることになると検事から言われた。
これが効いた」と、石川議員の供述が記載された。


 この報告書も検討したうえで、改めて検察審査会が起訴議決をし、小沢代表は強制起訴された。


 ところがその後、石川議員がそんな供述をしていなかったことが判明した。石川議員がICレコーダーで取り調べを録音していたのだ。


 最高検は昨年6月、「勾留中の取り調べと再聴取の記憶が混同した」との元検事の説明を受け入れ、「思い違いの可能性が否定できない。
意図的ではなかった」などとして、虚偽有印公文書作成容疑などでの告発について不起訴処分とした。


 だが、審査会はこの結論に異議をとなえた。
記憶の混同は納得し難いとし、「意図をもって改ざんしたことがうかがえる」と、当時の審査会誘導の疑念を強くにじませたのだ。


 さらに報告書が2度目の審査に与えた影響に触れ、「実際の弊害として公文書の内容に対する公共的信用を害した」と結論づけた。
検察の刑事処分に対しても「ことさら不起訴にするために、故意がないとしている」と、返す刀で批判した。


 小沢代表の裁判で、東京地裁も元検事の説明を「信用できない」と一蹴した。
「故意がなかった」とあっさり結論づけた処分は、やはり説得力を欠く。
元検事の認識について、突っ込んだ捜査をすべきだ。


 検察不信はいまだに根深い。
ひとたびターゲットを決めたら、公文書を捏造(ねつぞう)しても起訴に持ち込もうとする。
起訴する権限を手前勝手に行使することもいとわない−−。
市民はそう見ている。

検察は自ら定めた倫理規定で検察権の行使について「独善に陥ることなく謙虚な姿勢を保つべきだ」と強調した。
ならば審査会の「より謙虚に更なる捜査を遂げるべきだ」との指摘を真正面から受け止める時だ。

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話し上手に聞き上手、世の中には様々な「上手」がいる

話し上手に聞き上手、世の中には様々な「上手」がいる
2013年 4月 25 日(木)付  朝日新聞「天声人語」

 話し上手に聞き上手、世の中には様々な「上手」がいる。
変わったところをあげれば「叱られ上手」か。
叱責(しっせき)や小言をうまく吸い取る。
〈うつむいてしかられぶりのよい女房〉という古い川柳がある。
火に油を注ぐような態度は、しないのが賢い

▼「叱り上手」もいる。
これも江戸の句に〈異見巧者(いけんごうしゃ)の蔵へ呼び込み〉とある。
叱り上手は人前で面罵して恥をかかせたりはしない。
蔵へ呼んで、人払いをして意見する。
うちの課長もそうだったら――。
ぼやく人もおいでだろうか

▼もっとも昨今は、パワハラを恐れて上司が萎縮ぎみという。
「鬼」と呼ばれる管理職は、もはや昭和が薫る骨董品(こっとうひん)らしい。
原稿を破り捨てて「書き直し!」と怒鳴る鬼デスクも、新聞社では絶滅した模様である

▼骨董品を弁護するなら、実に上手に「雷を落とす」人もいた。
そんな上司は、ほめ上手でもあった。
ほめるから、叱られて省(かえり)み、叱るから、ほめられて喜ぶ。
太陽と雨で木が育つのに、どこか似ている

▼先のアエラ誌によれば、「ほめる」と「叱る」の理想比は7対3から8対2の辺りらしい。
太陽だけでは干からび、雨ばかりでは根が腐る。
照って、降って。
その塩梅(あんばい)と上手下手が人づくりを左右する

▼さて、今月入社した新人諸氏も、勤めてひと月が近い。
少し慣れたか、まだ緊張が解けないか。
まわりで先輩風を吹かせている面々も、みな1年目があった。
仕事は人に風格を与える。
叱られ、ほめられ、一日一日、枝を伸ばしていってほしい。
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2013年04月26日

どうして春になると眠くなるの?

どうして春になると眠くなるの?
マイナビニュース 4月25日(木)21時10分配信

春になると眠くなったり、倦怠(けんたい)感におそわれる人が多くなります。
これは気のせいではなく、人間の生理学的な反応です。

「原因の一つには、陽気の変化による体内の変化にあります」とベルリン・シャリテー病院のDr.アレクサンダー・ブラウ氏。

冬の間、私たちの体温は夏に比べ低いのですが、春の到来と共に気温も上昇。その変化に体が合わせようとして血管が広がります。
その結果、血圧が低下し眠気やだるさを招くのです。

「もう一つの原因はホルモンにもあるでしょう」
人間の体内では「冬眠」を経て、睡眠を促すホルモンであるメラトニンがなかなか減少せず、眠気を招くのです。

この春の眠気を追い払うには何をすれば良いのでしょうか?ブラウ氏はこう言います。

・外へ出て、動くこと
・体を暖かい気温に慣れさせるため、軽い散歩などは効果的。
・日光を浴びること
・日光を浴びるとセラトニンという幸せホルモンが増産される。
   このセラトニンがメラトニンを減少させる働きを持っている。

体が春の陽気に慣れるには4週間ほどかかるそう。
何だか眠いから病気ではないかと思う方もいるかもしれませんが、これは人間の生理現象のため病欠の理由にはなりません。

※当記事は、ハイブリッド翻訳のワールドジャンパー()の協力により執筆されました。

[マイナビニュース]最終更新:4月25日(木)21時10分
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2013年04月27日

しあわせのトンボ:イエスかノーか=近藤勝重

しあわせのトンボ:イエスかノーか=近藤勝重
毎日新聞 2013年04月26日 13時44分

 大学のクラスの同窓会があった。
時の話題も話題になり、一人がアベノミクスについて「やってみなくちゃわからない。やってみなくちゃ」と声を上げた。
「そりゃそうだ」と笑って応じる声もある。

やってみたものの……となってからでは遅い気もするが
、議論にはならず、話はそれぞれの病気自慢に移っていった。


 帰途、学生時代を思い起こした。
ベトナム戦争、あるいは授業料値上げ反対のスト突入などをめぐって、キャンパスや教室ではすぐに議論の輪ができた。
しかし最後は「要するにどっちなんだ」と問い詰めるようなやりとりになった。
思い出してほろ苦くなるのは、議論でむしろ学生間の対立が深まったからだろう。


 今、年を重ねて自覚するのは、イエスかノーの答えが簡単に出せるほど物事は単純ではないということだ。

実際、世の中がいろいろわかってくるにつれ、是非善悪の判断一つも難しく思えてくる。
AかBかと迫られてはなおさらだ。
Aだと答えて、それが多数になると、Bの側の人は切り捨てられてしまう。

本来、Aの人もBの人も同等の権利を持っているはずなのに、と思うと、A、Bともに大事なのでは、と思ってみたりする。


 以前にこれとよく似た趣旨のコラムを書いて、ある弁護士さんからファクスをいただいた。その中にこんな言葉があった。


 <「味方と敵」「勝ちと負け」のある仕事を30年近くやってきてわかったのは、「勝つこと」より「解決すること」の大切さ


 コラムより深い理解に恐縮したが、その時、ふと思い浮かんだのは憲法だった。
弁護士さんの言葉には前文や9条の理念にどこか通じるものがあると思ったのである。


 付記しておくが、二者択一でも答えられるテーマが幾つかある。
憲法もその一つで、護憲か改憲かと問われれば、迷わず護憲と答えるだろう。
学生時代のゼミの論文に「憲法がある限り希望を持って生きられる」と書いた覚えがある。


 未収束の原発事故をはじめ、いろいろとひどい国である。
これで憲法がヘンなことになったら、どんな国になるのだろう。
案じられてならない。(専門編集委員)

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2013年04月28日

メーデー、背水の連合 問われる存在価値

メーデー、背水の連合 問われる存在価値
2013年04月27日22時55分   朝日新聞デジタル

【久保智、佐藤徳仁】労働組合の中央組織・連合にとって、27日は支持政党の民主党が下野して初のメーデーだった。
お祭りムードとは裏腹に、連合の存在感はいま一つ。「アベノミクス」で物価があがっても、賃金があがらなければ生活を直撃する。連合のあり方が問われている。


■「
賃上げ」奪われたお株


 「
デフレ脱却のために政府がやるべきは、国民の暮らしの底上げだ。行動しなければ社会は変わらない」


 27日、東京・
代々木公園であったメーデー中央大会で、連合の古賀伸明会長は呼びかけた。
東京の集会は例年、組合員が参加しやすいように大型連休の初日に開催している。
今年はさらに「
仮面ライダーウィザード」のショーを初めて企画。家族連れも目立ち、来場者は昨年を約5千人上回る約4万人にのぼった。


 だが、働く人に占める連合の組合員の割合は減り、いまや1割ほど。
団塊世代の正社員が定年で抜ける一方、パートなど非正規の働き手をつかめていない。
働き手のうち非正規の割合は3割超なのに、連合では非正規は約1割にとどまる。


 支援する
民主党が与党の間に腰が重くなり、「集会やデモで社会に訴える力が弱くなった」(連合関係者)との反省もある。
いまはNPOなどと連携して
草の根の活動に力を入れる。
格差をなくそうと訴える街頭キャンペーンも始めた。


 ただ、最大の見せ場は
賃上げ交渉。
なのに今
春闘で連合のメンツは丸つぶれだった。
4年続けて統一
賃上げ要求を見送ったが、安倍晋三首相の賃上げ要請に一部企業が反応したからだ。


 
春闘全体でも、「実績は昨年をわずかに上回る程度。
満足できるものではない」(古賀会長)。
中小企業での成果は大手より小さい。企業業績は上向き、これから物価も上がるかもしれない。
来年の
春闘で結果を出せないと、さらに求心力を失いかねない。


■進む民主離れ、自民は冷淡


 「我々は労働規制の改悪と戦う。
アベノミクスというよりアベノリスクだ」。
来賓あいさつで、
民主党海江田万里代表は、自民党政権との違いを強調した。


 その前日、都内のホテルで、古賀会長は海江田代表らに
アベノミクスへの対抗策をただしていた。
「期待は膨らんでいるが、生活は苦しい。対策を打ち出してほしい」。
支持率安倍政権への危機感が強いためだ。


 野党に転落した
民主党の低迷ぶりを前に、連合内では着実に「民主離れ」が進んでいる。

25日には連合傘下の「
全国ユニオン」の前会長が、「民主党は働く人の立場にたっていない」と、7月の参院選社民党からの出馬を表明した。

 一方で連合自身も政策への意見反映に向け、自民党に秋波を送る。
古賀会長は3月末に
石破茂幹事長を訪ね、首相と会談する政労会見の復活などを要請した。


 だが、
参院選を控えて民主党との対決姿勢を強調したい首相官邸の反応は冷たい。
首相に要請したトップ会談の見通しは立っておらず、メーデーへの首相出席も断られた。
ある
自民党議員は「連合が非自民の旗を降ろさなければ、関係修復は進まない」と突き放す。

 古賀会長は周辺にこう漏らす。「我々が民主から手を引く選択肢はない。次の政権交代まで10年はかかることを覚悟しないといけない」
     ◇
【メーデー参加者の声は?】
●公務系・男性(23)
 仮面ライダーショーで人集めとは、いかにもせこい。本質とずれている
●運輸系・男性(49)
 20年以上、参加してきた。形骸化が進み、形だけで労働者の結束を確認している印象
●サービス系・男性(34)
 動員のためのショーもいいと思う。人が集まれば、それが声にもつながっていく
●情報系・男性(43)
 デモ行進をするなら、代々木公園周辺ではなく、永田町霞が関でやるべきではないか
●農業系・女性(20代)
 ショーで集客するのは理解できる。来ないことには労組の活動を知ってもらえない
●サービス系・女性(39)
 いま労組専従。組合は中に入れば必要性が分かるが、外から見ると理解されづらい
●運輸系・男性(59)
 30年来ている。労組は大所帯になりすぎて働き手から遠い存在になった。もっと闘わないと
●メーカー社員・女性(20代)
 通りかかってビールを飲みに来た。メーデー? 知らない。組合? 入っていない
●通信系・男性(34)
 労働運動もメーデーも必要と思う。自主的に参加したが、家族サービス優先で式典は見ない
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日本の真の独立を思う

週のはじめに考える 日本の真の独立を思う
2013年4月28日 東京新聞「社説」

 きょう二十八日は主権回復の日。
天皇、皇后両陛下も出席されての初の式典開催ですが、沖縄の当然ともいえる反発があっては虚心にはなれません。 

 サンフランシスコ講和条約が発効した一九五二年四月二十八日はどんな日だったか。
データベースを検索して当時の新聞各紙を読み比べると、歓喜と不安が交錯する日だったことがわかります。



 六年八カ月の軍事占領からの解放。中日新聞(当時中部日本新聞)は一面に「雲ひらく」と題した横山大観画伯の大きな多色刷り富士山頂図を奮発しています。

◆歓喜と不安交錯の記念日

 朝日新聞は天声人語の「二つの日本に分割されなかった幸い」や「有史以来初の主権在民の独立国になったのである」に高揚感を漂わせます。
「自主独立が外交の基本」−夕刊紙だった東京新聞はこの朝の吉田茂首相と内閣記者団との一問一答を掲載しています。


 不安は東西冷戦に由来します。五〇年六月、北朝鮮軍の砲撃から始まった朝鮮戦争は、死者四百万〜五百万人、その大半が一般市民という凄惨(せいさん)な事態となりますが、まだ休戦に至っていません。
講和も旧ソ連や大陸の中国との締結のない単独講和でした。


 中日新聞に「独立に想(おも)う」を寄稿した社会学の清水幾太郎は「アメリカのソ連包囲網の一環になったまでのこと。
新しい大戦の危険は大きい」と不気味な予言。
「八千五百万人の日本人が独立の気力をもって現実に働きかければ」と期待しました。
「共産主義が歴史の必然」ともいわれた時代。世界の行方などわからないものです。


 講和条約と同時に発効した日米安全保障条約によって、西側陣営に立ち、反共の砦(とりで)の役割を担うことになった日本。
戦後社会をけん引したのは吉田首相の軽武装・経済重視の「吉田ドクトリン」路線でしたが、最近の昭和史研究や豊下楢彦前関西学院大教授の「昭和天皇・マッカーサー会見」(岩波現代文庫)は、外交、防衛、安全保障面で昭和天皇の果たした役割の大きさを明らかにしています。
昭和天皇の沖縄メッセージや講和条約交渉への天皇の介入は、沖縄の運命や日本の防衛や安全保障に決定的だったように見えます。

◆沖縄の犠牲に支えられて

 沖縄メッセージは四七年九月、天皇御用掛の寺崎英成氏が連合国マッカーサー総司令部に伝えた極秘メッセージ。
天皇が米軍の沖縄占領継続を希望し、占領は長期租借(二十五年ないし五十年、あるいはそれ以上)で−などの内容。
七九年の文書発掘は沖縄に衝撃を与え、その後、入江侍従長の日記で内容がほぼ事実と確認されたことで、沖縄の人々は大きく傷ついたといわれます。


 豊下前教授はダレス米国務省顧問を相手にした講和条約、安保条約交渉でも、吉田首相と昭和天皇の二重外交があったことを論証しています。

当時の天皇にとっての脅威は朝鮮半島にまで迫った共産主義でした。
共産主義から天皇制を守ることは日本を守ることでもあったのでしょう。
戦争放棄の憲法と非武装となった日本で天皇が頼ったのは米軍、それが沖縄占領継続の希望や基地提供でした。


 そこにはパワーポリティクスや外交的駆け引きの余地はなく、

ダレスに対日交渉での当初からの目論見(もくろみ
「望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間だけ駐留させる権利の確保」を勝ち取らせることになってしまいました。
およそ独立にふさわしくないこの条約は、今も日米地位協定の不平等のなかに潜まされ、変えられていません。


 講和条約三条で沖縄は本土から分離され米国の施政権下に移されました。
講和条約や安保条約の成立過程の検証は、本土の独立が沖縄の一方的犠牲の上に築かれていることを教えます。


 沖縄への理不尽は、世界一危険な普天間飛行場移転問題に集約的に現れます。沖縄の四十一全市町村長の反対にもかかわらず、政府は県内の辺野古移転を変えません。
米軍の移転候補基地の比較衡量で満点は「本土の自衛隊基地」。
辺野古への固執は本土移転回避の政治的理由としか思えません。


 日米安保の重要性は否定できません。
それなら負担は国民が等しく、本土でも米軍基地を引き受けていくべきです。
憲法改正に声高な政府や政治家が日米地位協定改定には及び腰なのはなぜか。

国民のために当たり前のことを主張し要求していくのが独立国の政府、
正しいことに勇気をもって立ち向かうのが独立国の国民。

◆日本全体で考える

 昭和を継いだ今上天皇の沖縄への思いはことに深いようです。
昨年十二月の七十九歳の誕生日のお言葉は「日本全体の人が沖縄の人々の苦労を考えていくことが大事」でした。
沖縄こそ真の主権回復の一歩にしたいものです。

posted by 小だぬき at 18:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月29日

主権回復式典:沖縄「がってぃんならん」

主権回復式典:沖縄「がってぃんならん」
毎日新聞 2013年04月28日 22時08分
          (最終更新 04月28日 22時59分)

  政府が東京で主権回復を記念する式典を開催した28日、沖縄では、式典への抗議集会に1万人(主催者発表)が駆けつけた。

本土独立後も20年、米国統治が続き、復帰から41年たった今なお、全国の米軍専用施設の74%があり、米兵の事件事故が絶えない
「政府の式典は私たちへの侮辱」「沖縄には主権はない」「がってぃんならん(合点がいかない)」。
会場に、政府や本土への不信と悲しみが渦巻いた。【平川哲也、井本義親】

沖縄県宜野湾(ぎのわん)市の海浜公園屋外劇場であった「4・28政府式典に抗議する『屈辱の日』沖縄大会」は、席につけない立ち見の参加者の輪が二重三重にできた。


 「政府式典は、沖縄戦と、米軍による統治を強いられた私たちへの侮辱ですよ」。集会に参加した名護(なご)市の自営業、具志堅勝子さん(74)は言った。


 1945年の沖縄戦終結時は小学生。
校舎を米軍に接収され、地面をノート代わりに学んだ。
本土に復帰した時は喜びもあったが、その後も基地問題は変わらず「だまされた」。

名護市は日米両政府が米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾市)の移設先にしている。
基地を押しつけるばかりで私たちには主権もない」。
具志堅さんは語気を強めた。


 「政治家は歴史を学ぶべきだ」。舞台に立った名護市の稲嶺進市長の演説に、那覇市の大田朝成(ちょうせい)さん(85)はうなずいた。


 16歳で旧海軍予科練に志願して沖縄を離れた。
戦後間もなく帰郷する船から見た夜の古里は、米軍施設だけが光っていた。
「もう少しの我慢で米軍は出て行く」と考えていたが、サンフランシスコ講和条約発効で沖縄は切り離された。
そして今年、政府は沖縄分離の日に式典を開いた。
「歴史の受け止め方の違いも気付かない。
政府は沖縄の怒りをあおり独立させたいのではないでしょうか」といぶかった。


 会場には若い世代の姿も。
宜野湾市の高校1年、田原初(うい)さん(15)が3月まで通った中学は、米軍垂直離着陸輸送機オスプレイが配備された普天間飛行場の近くだった。

「屈辱の日」はテレビで初めて知ったといい「中学では米軍機が飛ぶと爆音で授業が中断することもあった。
そんな沖縄に主権はないと思う」と話した。

posted by 小だぬき at 05:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「権力の犠牲者」を「英霊」と美化する目くらまし

【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
「権力の犠牲者」を「英霊」と美化する目くらまし
2013年4月26日 ゲンダイネット掲載

危うい教育の中立性

 安倍内閣の閣僚や国会議員の靖国参拝が、また、中韓両国に日本批判の材料を与えている。

 安倍首相は「どんな脅かしにも屈しない」と強気だが、わざわざ両国との対立を激化させる必要はないだろう。
毎年、同じ問題で関係を冷えさせるのは知恵がない。
そろそろ問題の解決に向けて動くべきだ。

 これを恒例行事にするのは、愚かなことである。

 安倍首相の言い分も理解できない。

 24日の参院予算委で、「英霊に冥福を祈ることを批判されても痛痒(つうよう)を感じず、おかしいと思わないのがおかしい」と強調したが、靖国神社に祀(まつ)られているのは権力の犠牲者にほかならない。
強権力によって戦争に動員され、命を落とした人たちである。

それを英霊と呼び、英雄視するのは、権力の暴走を美化する目くらましだ。日本の近代史を塗り替える発言である。

 日清戦争、日露戦争、太平洋戦争は、いずれも他国の侵略に対抗するための防衛戦争ではない。
日本が海外に打って出た戦争だ。

 それを主導した連中によって亡くなった犠牲者を英霊とあがめるのは、国を危うくした政治指導者の間違った行為を正当化するものである。

到底受け入れられないし、靖国神社には、過ちを犯した指導者も一緒に祀られているのだからなおさらだ。

 教育再生実行会議は先日、首長に教育長の任命(罷免)の権限を与え、教育行政の責任者を合議制の教育委員会から教育長に移す改革案をまとめた。

 軍部が介入した戦前の反省から、政治からの独立性や中立性を重んじてきた教育制度が、根底から覆ろうとしている。
道徳の教科化も検討されているし、教科書検定のあり方にもメスが入る公算は大
きい。

 こうした教育改革が、近代の日本の戦争を反省せず、当時の政治指導者も否定しない首相の下で進められようとしている。

 果たして、その行き着く先はどうなるのか。
歴史を塗り替えて過去を正当化するために、戦争まで再チャレンジなんてことになりかねない。

 昨年の衆院選で自民党は、「日本を取り戻す」と訴えた。
これが意味するところは何だったのか。
戦前回帰だったとしたら恐ろしい。
【高橋乗宣】
posted by 小だぬき at 12:50| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月30日

記者ノート:見張るより見守る

記者ノート:見張るより見守る
毎日新聞 2013年04月29日 東京朝刊

 「あー、髪切った? かわいい」。
夕暮れ時の駅前。
たむろしていた女子高校生のうちの一人が、そう言いながら年配の女性に駆け寄った。
女性は防犯パトロール中の岐阜県土岐(とき)市の保護司、出口満知子さん(64)。

他の生徒も出口さんの周りに集まり、学校生活の話やアルバイトの相談で盛り上がった。


 出口さんは月に2回ほど駅周辺をパトロールする。所属する土岐保護司会の活動の一環だが、非行に目を光らせるというのではなく、帰宅途中の少年少女を笑顔で迎えるといった雰囲気だ。


 土岐保護司会は子供たちに積極的に関わる活動で知られる。
中学校で開く生徒との座談会では、少人数で「地域のどんなところが好き?」といったテーマで話し合う。
担任教師を入れないのがミソ。
子供から率直(そっちょく)な意見を聞き出せる。
「見張るんじゃなく、見守っているというメッセージを送り続けたい」と保護司会メンバーは言う。


 学校は閉ざされた空間になりがちだ。
地域の大人が学校を訪れたり子供に声を掛けたりすることで、いじめや校内暴力の問題行動は起きにくくなるのではないか。問題が起きても、頼ることができる第三者がいるのは心強いはずだ。
学校には地域からの「温かい目」がもっと必要だと思う。
                      【加藤沙波】

posted by 小だぬき at 06:28| Comment(4) | TrackBack(0) | 教育・学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする