2013年05月19日

余録:あなたが無実の罪で逮捕され…

余録:あなたが無実の罪で逮捕され…
毎日新聞 2013年05月19日 00時05分

  あなたが無実の罪で逮捕されたとしよう。
裁判で無罪を勝ち取るためには何が必要か。

郵便不正事件で逮捕され164日勾留され、無罪となった厚生労働省局長の村木厚子(むらきあつこ)さんは弁護士からこう言われた

▲まず被告にとって「事件のスジ」が良いこと。
捜査当局のストーリーに無理があり、立証を崩せそうな手掛かりがあることだ。
2番目はタマ(被告のキャラクター)が良いこと。
裁判官の心証は重要だ。
見るからに人の良いおばさん風の村木さんはこの条件を満たしていた

3番目は検事の能力が低いこと。
4番目は裁判官が良いこと。
もちろん弁護士のやる気や能力も重要だ。
これだけ条件がそろえば無罪は確実と思われるだろうが、有罪率99%の日本の刑事司法は甘くない

▲この話、本紙「くらしの明日」の筆者である大熊由紀子(おおくまゆきこ)さんが主宰する「縁(えにし)を結ぶ会」で一昨年村木さんが語ったものだ。

毎年、プログラム発表と同時に参加申し込みが殺到する超人気の会で、今年は公職選挙法違反に問われた秋田県鷹巣(たかのす)町(現北秋田(きたあきた)市)の元町長、岩川徹(いわかわてつ)さんがえん罪を訴えた

▲村木さんのえん罪事件と似ているのだが、先駆的な高齢者福祉を実現した元町長は刑事裁判の被告席に座らされ続け、最高裁で有罪判決が確定した。
会場には政治家や官僚や医療・福祉関係者にまじって検察改革に取り組んでいる検察庁幹部もいて、岩川さんの話を聞いていた

▲村木さんの言う「無罪の条件」はもう一つある。数々の無罪判決を勝ち取った弁護士が挙げたのは「運が良いこと」。
どれだけ条件がそろっても、よほど運が良くなければ無罪判決は出ない、ということか。
posted by 小だぬき at 01:03 | Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする