2013年06月01日

 死刑囚にとって、地獄の連日

 死刑囚にとって、平日の昼食は、単なる食事ではない
2013年6月1日  東京新聞「筆洗」


 死刑囚にとって、平日の昼食は、単なる食事ではない。
死刑は、午前中に執行される。
だから、昼食が配られるということは、その日は絞首台に上らずに済むということだ

▼一九六一年に五人が死亡した名張毒ぶどう酒事件で、半世紀余もの間、無罪を叫び続けている奥西勝死刑囚(87)は、八十歳を前に出した再審請求の意見書で訴えた

<よく人は地獄を見たとか言いますが、私は確定判決以来、地獄の連日で、この三十三年間の生活は…午前中に処刑や獄死を二桁余りも見送るという目にあいました…
昼食の配給があるとホッとし、それ以外の時間帯は、地獄の中で生きているようなものです>

▼奥西死刑囚はその安堵(あんど)の昼食すら、もうまともにはとれない。
一年前に肺炎を患ってからは食べ物がのどを通らず、経管栄養に頼る。
先月初めには痰(たん)がのどに詰まって窒息し、危篤に陥った。
持ち直したのは奇跡的という

▼命はかろうじてつながれたが、酸素吸入の管を挿入する手術を受けたため、話せなくなっているという。
自分はやっていない」と訴え続けてきた、その声を失ったのだ

▼有罪の根拠とされた数々の物証を突き崩してきた弁護団は、裁判のやり直しを速やかに決めるよう最高裁に求めている。
再審とは、冤罪(えんざい)の人だけでなく、過ちを犯した司法をも救いうる機会。その機会が永久に失われるかもしれない。
posted by 小だぬき at 10:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月02日

ワタミ会長が参議院選挙に・・。

ワタミグループは、長時間・サービス残業などで 自殺者もだしている企業と記憶しています。
下記の記事をみると さも健全企業のように主張していますが、正規雇用と非正規雇用の割合、待遇の違いなど本質的な所の反論にはなっていないと思います。
この人や芸能人・著名人は、専門分野ではプロかもしれませんが、政治家として適性があるかは別問題。
自民党は単なる「数」として立候補者を選択しているのであれば、国民・有権者をバカにしているとしか思えない。
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ワタミ会長「ブラック企業じゃない」 批判に大反論!
2013.06.01   zakzak(夕刊フジ)

 夏の参院選で自民党から比例代表で立候補する飲食チェーン・ワタミ会長の渡辺美樹氏(53)が、自らのホームページで、一部から同社に向けられる「ブラック企業」との批判に大反論した。
安倍晋三首相が進めるアベノミクスに経営者の視点を取り込むために白羽の矢が立ったとみられるが、この問題は選挙戦にどう影響するのか。

 「私が創業し、取締役会長をつとめるワタミグループが一部で『ブラック企業』と呼ばれることについて、一度きちんと皆様にお話させて頂きたいと思っていました」

 渡辺氏は出馬会見を行った5月31日、HPでこう切り出した。

 1984年に居酒屋「和民」を展開するワタミを創業、居酒屋以外にも介護事業などを手がけ、学校理事長なども務めてきた渡辺氏。

2011年4月の東京都知事選に立候補し3位で落選したものの、約101万票を獲得した。
自民党は渡辺氏の経験と集票力を期待しているとみられる。
その一方で、ワタミにはネットを中心に「ブラック企業」との批判があり、これに反論したのだ。

 
ブラック企業とは、低賃金、長時間労働など社員に過酷な負担を強いる企業の総称をいう。

 自民党にはブラック企業の企業名を公表する動きがあるが、渡辺氏はこれに「大賛成」とした。
また、自らのブラック企業の判定基準について
(1)離職率(2)年収(3)時間外労働時間(4)メンタルヘルス不調による休業・退職の人数−を列挙し、自社の外食産業の実態を説明した。

 (1)については、「離職率(平成24年4月入社社員の3年以内離職率42・8%)は、厚生労働省公表(平成23年統計、以下同じ)の宿泊業・飲食サービス業の離職率(同48・5%)を下回っています」と説明した。
「飲食サービス業の離職率は、全産業(同28・8%)と比べると高い水準」として、「単純に、ほかの産業と横並びで論じることは、適切ではありません」とした。

 (2)については、「年収は、平成24年度において433万円であり、厚生労働省公表の宿泊・飲食サービス業平均年収370万円を上回っています」と述べ、(3)は「平成24年度月平均は38・1時間。これは、36協定で定めた上限45時間を下回っています」。
(4)も低水準だと主張している。

 そのうえで、ブラック企業批判を「到底、受け入れられるものではありません」としている。

 ブラック企業は大きな社会問題となっており、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、朝日新聞のインタビューで、自社へのブラック企業との批判を「誤解だ」と否定している。

 政治評論家の浅川博忠氏は渡辺氏の行動について、「今度こそ当選したいという強い意欲の表れだ。反論することで、かえって若者の反発を招く恐れもあるが、先入観を持っている人たちのうち、一定数の認識を改めさせる効果はあるだろう」と話している。
posted by 小だぬき at 09:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

人気とりに走る「みんなの党」

 暑さに負けて、ウトウトしていて、PCの電源をいれたら  下記のような「みんなの党」の政策案の骨子が目に入り 一気に目が覚めてしまいました。
支持できる点は、「消費税値上げ反対」のみ。

支持できない最大のものは、公務員制度を改悪し 事実上の「ブラック国家労働者」にすることです。
幹事長の江田憲司さんのキャリア公務員だった発想でしょうか?

問題点をいくつか指摘します。

@国家・地方公務員には、雇用保険(失業給付)の制度がありません。
リストラ即 完全失業者で無収入になります。

また、キャリアの高級官僚と 課長補佐までいけたら大出世のノンキャリアの身分制も残ったままです。
ノンキャリアの全国移動は 入国管理・航空管制・国税・海上保安庁・自衛官など 職務で異動するので、キャリアの昇格のための異動とは 訳が違います。
「国家公務員」制度・身分保障があるから 可能な勤務形態なのです。 

A収入は本当に高いのか?
私の経験から、人事院勧告は いつも民間水準より低めの答申がされます。
民間水準の悪化で「公務員の一過性名目賃金」が高いときにバッシングがあるのですが、バブルの時、景気が良い時には「公務員は「全体の奉仕者」だからと 給与表の大幅改定はありませんでした。
たしかに中小企業の方々からみれば高いと言えるのですが、@のように失業手当がない現状では 待遇面で著しく恵まれているとはいえません。


Bストライキ権の付与なし 労使交渉では意味がない
国家・地方公務員の団体交渉権で「賃上げ」はほぼ不可能です。
みんなの党は徹底した行政改革という限り、「賃上げ財源予備費」を認めるハズがありません。
その弊害が 現在アメリカ・イギリス・フランス・韓国などのように 大規模ストライキになっています。
どの程度の「予備費」を準備できるか、労働組合に労働条件悪化への抵抗権もなければなりません。
ストライキ権は 現業・事務公務労働者の最後のよりどころです。

C労働組合衰退化の現状で・・・
今、職場で過半数を組織している「組合」があるのでしょうか??
社会党(当時)・旧民社党系・共産党系と 政党の方針対立で 連合・全労連・全労協などに大分裂させてしまった総括をして 労働組合の再生統一がなければ 公務・民間を問わず 就業者の権利や待遇改善など望めません。
大企業の横暴に対するため 「中小企業者の経営者と労働者」も団結できる組織にする必要があります。
私は 管理職組合とかパート・バイトも個人で加入できる一般合同労組など可能性を大いに追究する必要があると思っています。

<憲法改悪の問題>

私は、未だ一度も「日本国憲法」の理念を 政権が誠実に遵守したことがないと思います。
解釈改憲と 憲法理念の形骸化に一番熱心だったのが 「政権与党」だったとおもっています。

96条の改正規定の緩和を望むまえに 
現憲法の理念を誠実に追究するか 反対かの「国民投票」こそ先と考えます。
実質、現憲法の理想・理念が政権によって 追究されるより 空洞化の歴史だったことは明らかです。
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国家公務員を5万人削減、みんな参院選公約
2013年6月2日(日)8時54分配信 読売新聞


 みんなの党の参院選公約の原案が明らかになった。


 行財政改革のため5万人の国家公務員を削減するとしつつ、消費税増税には反対を続ける考えを打ち出した。
憲法改正の発議要件を定めた96条見直しも盛り込む方向だ。
4日の党役員会で決定する。


 原案では、公務員に労働基本権を付与するとした。
公務員の身分保障は撤廃し、降格やリストラを可能にする。「国家公務員の数を5万人削減し、給与、退職金、年金を民間水準に引き下げ、総人件費は2割削減する」とも明記した。


 消費税率引き上げ関連法は廃止し、「財政の健全化は、埋蔵金の活用および経済成長を通じた税収の拡大を通じて行う」とした。

国会議員は衆院で180人、参院で142人削減する。

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2013年06月03日

労組も守ってくれない 過重な残業「見ないふり」

労組も守ってくれない 過重な残業「見ないふり」
2013年6月3日 06時59分   東京新聞

 「すかいらーくの組合はもう労働組合として機能していない。会社のご用聞きだ


 外食大手「すかいらーく」の店長だった中島富雄さん=当時(48)=は二〇〇四年八月に過労死する直前、妻の晴香さん(57)に、こう漏らした。


 かつて労組幹部だった中島さんはサービス残業の改善を訴えたが、古巣の労組は冷たかった。
失望し、外部の個人加盟ユニオンに相談。
倒れたのは訴訟準備の最中だった。
晴香さんは夫の遺志を継ぎ、ユニオンの支援を受けながら、会社に職場の改善を約束させた。


 中島さんの労災が労働基準監督署に認められた二カ月後の〇五年五月に発行された業界専門誌に晴香さんは目を疑った。すかいらーく労組の委員長がインタビューに答えていた。
「店長は忙しさも半端ではありません。
しかし、本当にできる店長は、その中でも休みが取れるのです」


 夫の過労死が自己責任だと言いたいのか。
晴香さんは〇七年七月、「過重労働に見て見ぬふりをしてきた」として、労組にも過労死の責任があったことを認めるよう求め、武蔵野簡易裁判所に調停を申し立てた。


 労働基準法は一日の労働時間を八時間などと定める。ただ三六条は残業時間の上限について、労使間で協定(三六協定)を結んで労基署に届け出れば、残業させられるとしている。
すかいらーく労組は晴香さんの訴えを否定し、協定書の開示さえ拒もうとした。協議は決裂し、調停は成立しなかった。


 すかいらーく労組の山崎大輔事務局長は取材に「過重労働防止にはきちんと取り組んでいる」と反論する。


 当時のすかいらーく社長は初代労組委員長。歴代委員長も後に会社幹部になった。
晴香さんは憤る。「経営者の方しか向いていない労組なんて要らない


 厚生労働省は通達でおおむね月八十時間を超える残業を過労死との因果関係が強い「過労死ライン」とし、長時間労働の抑制を指導している。

しかし、大手百社に対する昨年七月の本紙調査では、七割の企業が八十時間以上の残業を容認。三六協定は労使合意が前提で、労組側は過重な残業を拒否できる建前だが、実際は防波堤の役割を果たしていない。


 労組の総本山の「日本労働組合総連合会(連合)」。
新谷信幸総合局長は「健全な労使関係がある企業は、三六協定の上限は高く設定していても、それとは別に規定を設け、長時間労働にならないようにしている」と説明。
その上で、「そもそも八十時間を超える協定を、なぜ労基署は受理するのか」と批判の矛先を行政に向ける。


 サービス残業や不当解雇など個別の労働紛争で、一一年度に全国の労働局に寄せられた相談は過去最多の二十五万件。
一方、労組の組織率は20%を切っている。

労使協調路線が趨勢(すうせい)となり、ストライキなどが減った上、労働者が抱える個々の問題に労組は関与せず、労組に加入する意義が薄れているとの指摘もある。


 独立行政法人「労働政策研究・研修機構」(東京)の〇七年の調査では、労組に期待しないと回答した労働者は47・5%。
理由のトップは「会社と同じ対応しかできない」(36・8%)で、「(労組に相談すると)会社から不利益を受ける恐れがある」(20・1%)との回答もあった。


 労組問題に詳しい甲南大学の熊沢誠名誉教授は「一人のために労働者が連帯すれば職場は変わる。働き過ぎやメンタルなど個人の受難に寄り添うことが、労組の復権につながる」と訴える。

    ■

 安倍政権の「成長戦略」が月内にも取りまとめられる。
「世界で一番企業が活動しやすい国」を目指し、労働分野の規制緩和も視野に入れる。
労働環境が急速に悪化する中、規制緩和で、働く人の健康や命を守るセーフティーネットは機能するのか。働く現場に迫る。 (中沢誠)


<労働組合> 憲法は、労働者が団結し、会社と団体交渉したり、行動(争議)したりする権利を保障している。
国内では企業ごとに組織する企業別労働組合が主流。
昨年6月末で、組合員約989万人のうち企業別組合の所属は約829万人。
全労働者に占める組合員の割合は1949年の55.8%をピークに年々低下し、昨年は過去最低の17.9%。
個別労働紛争の増加などで、近年は個人でも加入できる労働組合「ユニオン」が増えている。

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2013年06月04日

「カルトは恐怖心で人を支配する」

脱マインドコントロールのスペシャリストが警告!
「カルトは恐怖心で人を支配する」
2013年6月4日(火)6時0分配信 週プレNEWS


 マインドコントロールを利用した詐欺や悪徳商法も許せないが、より深刻なのが人生を台なしにしかねないカルト系の宗教や団体だ。
数多くのカルトを相手に信者や財産を奪還してきた紀藤正樹弁護士に、その実態を聞く。


■カルトをやめても「自分が悪い」と言う


マインドコントロールとは、他者の働きかけによって人格が変わってしまった状態のことをいいます。マインドコントロールにかかっているか否かは、客観的事実から判断するしかありません。


そうした視点で元オセロの中島知子さんの一件を見ると、マインドコントロールされた状態だったといえるでしょう。
推定年収が数千万円あったはずの人が家賃を払えない状況になり、社交的だった人が引きこもりのようになっていた。
これは明らかに人格の変化があったわけです。

そもそもマインドコントロールは人の心を動かすためのテクニックで、一般社会でも普通に使われています。
ですから、カルトと敏腕セールスマンの手法は、すごく共通点があるんですね。


中島さんの場合は占い師と同居していましたが、理性のない人がマインドコントロールの手法を使ったところが最大の問題でした。
当時の中島さんのように占い師に相談するような状態の人が、従属心と依存心を持つのは当たり前。
それを利用して相談者の財産を収奪するなんて、明らかに職業倫理に反しています。


残念ながら、世の中には肩書に関係なく悪い人がいる。
そうした人から身を守るためにも、世の中には悪いヤツがいると常に認識しておいてください。


マインドコントロールは一対一でも、カルトなどの集団でも使えます。
カルトが恐ろしいのは、社会規範に反し、法規範を逸脱していく過程で信者の人格を破壊していくからです。


1990年代後半から2000年代後半にかけて、X JapanのToshlさんがマインドコントロールされたホームオブハート事件がありました。
団体の事実上の主宰者は、「上場企業の役員の座も社会も捨てて、那須の自然とともに生きる」などと言っていたにもかかわらず、Toshlさんから吸い上げたお金で高級車を買いそろえていった。


その行為を見てToshlさんもあぜんとするわけですが、「おかしい」という葛藤が精神の限界を超えると病気になる人がいます。
Toshlさんは歌えなくなるほどの精神状態に追い込まれて入院し、自分を取り戻すまでに数ヵ月かかりました。


カルトをやめた人の多くは最初、「自分が悪い」と言います。
Toshlさんもそうでした。金銭を収奪されているのに「自分が悪い」というのは変な話ですが、「教えについていけなかった自分が悪い」と思わせられる。
マインドコントロールにはそうした離脱困難性があります。
単に人をコントロールするだけではなく、そのコントロール状態から離れられなくするところに恐ろしさがあるのです。


■正体のわからないミニカルトが増加中


数々の事件を起こしたオウム真理教では、多くのエリートがマインドコントロールによって支配されました。
それはオウム側から標的にされたからで、カルトも組織である以上、優秀な人材を狙うのは当然です。

一方、オウムに入ったエリートたちの側は、インスタント志向を強く持っていました。
理系の学生が大学院や企業の研究者として人の上に立つまでには、最低でも10年はかかるでしょう。
でも、オウムにハマった科学者や医師は「今すぐトップになりたい」という人ばかりで、そうした心のスキを突かれたわけです。


もちろん、カルトが狙うのはエリートばかりではありません。
お金持ちや、バリバリ働ける体力のある人も組織としてメリットがあるのでターゲットになります。


カルトについてハッキリ言えるのは、どんな団体も、勧誘の際に言っていたことと、入ってからやらされることに雲泥の差があること。
正体を名乗らない勧誘や、サークルの偽装活動には要注意。
冷静に考えたら、勧誘の際に名前を隠す集団はおかしいですよね? 

  発言や活動にウソや矛盾を少しでも感じたら、ノーと言うこと。
彼らのマインドコントロールの手法に染められると、もう気づけなくなってしまいます。
初期段階で気づくしか逃げる方法はありません。


ウソや偽装勧誘より怖い、恐怖支配というものもあります。


オウムでは麻原彰晃の教えに背くと無間地獄に落ち、未来永劫抜け出せないといわれていました。ウジ虫などに生まれ変わるのではなく、生まれ変わることすらできない。
そうした地獄を映像や音声で現実感のあるイメージとして恐怖心を植えつけ、やめられなくする。
まず最初に恐怖を感じた時点で、すぐ逃げるべきです。


オウム真理教事件が起きて以降の特徴として、日本ではミニカルト化が進みました。
麻原彰晃を含めて13人の死刑が確定しているオウムは現在、アレフとひかりの輪に分かれて存続し、アレフは信者の数が増えています。

地下鉄サリン事件を知りながらも入信する理由は、集団的な生活や、誰かに従属しないと生きられない人がいるからです。
ただし、以前のオウムは求心力と成長力を備えていましたが、今のアレフには求心力はあっても、成長力はありません。


しかし、成長力のない団体が安全かといえば、別の問題。
求心力だけの宗教はどんどん孤立するので、どこかで社会と折り合いがつかなくなる可能性がある。
その結果、いずれ暴発する危険をはらみ、現在、強い懸念が生じています。
アレフはここ数年、マスコミの取材に応じなくなっており、社会からの孤立化が進んでいます。


現代社会は悩みを抱える人が減らないので、カルトのニーズもなくなりません。
最近、目につくのはいわゆる“オフ会”からの広がりです。
悩みを抱えた者同士がネットなどで知り合い、周りの数人とちょっとした集団を形成して、次第にカルト的な色彩を示す傾向が強まっています。


私たちにとってこれが困りものなのは、相手の素性がわからないこと。
信者が何万人もいる団体ならば、脱会した信者がどこかにいるので聞き取り調査をすることができます。
しかし、個人で主宰しているものは実態をつかみづらい。
被害者からの聞き取りしか情報源がありません。
小さいカルト団体は、私たちも数年かけて交渉しないと本質が見えてこない。


規模の大小に違いはあっても、私たちのすぐそばに危険なカルトが数多く潜んでいる状況は昔も今も変わらないのです。

(取材・文/宮崎俊哉 中島大輔 渋谷 淳 撮影/伊藤晴世)


●紀藤正樹(きとう・まさき)

リンク総合法律事務所所長。
弁護士(第二東京弁護士会所属)。
1992年から日本弁護士連合会消費者問題対策委員会幹事を務め、宗教や霊感商法、インターネットにまつわる消費者問題、被害者救済などに精力的に取り組んでいる。
『マインド・コントロール』(アスコム)など著書多数

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2013年06月05日

名ばかり管理職今も 拡大解釈サービス残業助長

過労社会<中>
名ばかり管理職今も 拡大解釈サービス残業助長
2013年6月4日 朝刊   東京新聞

 十三カ月で休みは三日。残業代はなし。

 茨城県笠間市の和菓子メーカー萩原製菓の男性社員=当時(30)=は二〇一一年八月、帰宅後に倒れ、心室細動で亡くなった。

死亡直前の残業は月百時間を超え、昨年三月に労災が認められた。
会社は、残業に必要な労使協定を結んでいなかった。
会社は「労働基準法の労働時間規制の適用を除外される管理監督者だった」と水戸労働基準監督署に強弁した。


 労基署によると、男性は肩書こそ製造本部長だったが、仕事は出荷管理で、自ら菓子店に卸すこともあった。
労基署は権限も裁量もない「名ばかり管理職」だったとして、昨年十月、労基法違反の疑いで、会長と社長を書類送検した。


 名ばかり管理職は〇八年一月、東京地裁が日本マクドナルドの店長を「管理監督者に当たらない」と認めた判決で世間の注目を集めた。
残業代を削るために、実態が伴わなくとも「管理職」の肩書を与える−。
判決から五年余がたつ今も、個人加盟の労働組合「東京管理職ユニオン」には名ばかり管理職への相談が後を絶たない。


 中ノ郷信用組合(東京都墨田区)の元社員小池正明さん(60)も、相談者の一人だ。
得意先の中小零細企業を大手銀行に奪われ、信組も融資が伸び悩む。組織のスリム化で課が統合、小池さんは七年前、経理課長から部下のいない平社員に降格された。
だが、給与ランクは七等級のまま。
七等級以上は一律に管理監督者とされ、役職手当の代わりに残業代は出ない。
決算前の残業は月百時間を超えたが、小池さんに残業代は出なかった。
 小池さんの役職手当は最低の月二万五千円、〇八年度の年収は約六百八十万円。
残業代が出る一ランク下の社員十八人のうち十一人が小池さんの年収を上回り、最大で約百万円の開きがあった。


 信組は、マクドナルド判決後も労働条件を改めなかった。
 小池さんは一一年五月、未払い残業代の支払いを求めて東京地裁に提訴。
昨年七月、信組が二百九十五万円を支払うことで和解が成立した。
信組は本紙の取材に「給与待遇を見直したい」と答えた。

 小池さんは「収益確保のために制度を悪用して人件費を削る。従業員の弱みにつけ込む会社は結果的に駄目になる」と憤る。


 昨年、上場企業二百二十四社に行った民間調査では、51・0%の企業が課長代理クラスに残業代を支払っていなかった。
厳格に審査されれば、課長代理は名ばかり管理職の可能性が高い。


 神戸大法学部の大内伸哉教授は「国の管理監督者の要件があいまいで、法の趣旨に反した拡大解釈を生み、違法行為を助長している」と指摘。

残業時間の上限を定める三六協定のように、事業所ごとに労使間で具体的に管理監督者の適用範囲を決め、労基署に届け出る制度を提案する。



 名ばかり管理職の問題を放置したまま、安倍政権は、労働時間規制のもう一つの例外ルールである「裁量労働制」の適用拡大ももくろむ。
就業時間など働き方を労働者に任せる代わりに、一定時間働いたとみなして残業代を支給しない。

東京管理職ユニオンの鈴木剛書記長は「経営者に都合のいい制度にしようとしている。さらに長時間労働をまん延させかねない」と規制緩和に待ったをかける。


 <管理監督者> 労働基準法の労働時間(1日8時間、1週間40時間)規制の適用から除外され、残業代の支払いが免除される。
厚生労働省は通達で「経営者と一体的な立場にあり、人事や労働条件の決定権限が与えられている」「出退勤が自由」「一般の従業員より賃金が高い」といった要件を提示。
未払い残業代請求をめぐり管理監督者に当たるかどうかが争われた裁判では、管理職であっても管理監督者とは認めず、経営側に厳しい判断が相次いでいる。

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希望押しつけ無責任 若者に身を守る知識を

過労社会<下>
希望押しつけ無責任 若者に身を守る知識を
2013年6月5日   東京新聞

 「職場で理不尽な待遇を受けても、仕方ないとあきらめてしまう。かつての自分もそうだった」


 ウェブデザイナーの山口猛さん(32)=仮名=は振り返る。
東京都港区のIT企業で働いていた三年前、サービス残業を強いられた揚げ句、リーマン・ショックのあおりを受けて解雇された。


 残業代が出なくても当たり前だと思っていた。
これが会社なんだと。
同僚は月の労働時間が四百時間に及び、うつになった。


 泣き寝入りしなかったのは、後から転職してきた上司の存在があった。
上司はかつて個人加盟ユニオンで働いていたこともあり、労働知識が豊富だった。


 「これは違法だ。出退勤の記録を残しておけば残業代は取り返せる」。
上司のアドバイスに、在職中からタイムカードをコピーしたり、勤務時間をメモしたりして証拠を集めた。
雇用契約の書類は捨てずに残しておいた。
解雇後、上司の紹介でユニオンに駆け込み、未払いの残業代を取り戻した。


 山口さんは「労働の知識やトラブルの対処法を知っておくことの大切さを身をもって感じた」と話す。


 しかし、学校や職場で労働者の権利や制度を学ぶ機会は極めて少ない。

文部科学省が提唱するのは「働くことはこんなに素晴らしい」といった働く意欲を育むことに主眼を置いたキャリア教育だ。
学生のインターンシップ(就業体験)は盛んだが、そこで、入社後に実際直面する可能性のあるトラブルへの対処法を学ぶことはほとんどない。


 最近では無知につけこみ、過酷な働かせ方で若者を使い捨てにする「ブラック企業」の存在が問題視されている。
働くルールや権利を知らないまま、社会に放り出される若者はブラック企業の前に、あまりに無防備だ。


 厚生労働省の調査によると、二〇〇九年三月の大卒者で入社後三年以内に仕事を辞めた人は28・8%に上る。


 国は昨年、若者の雇用環境を改善しようと「若者雇用戦略」をまとめた。
ここでも議論の中心は、キャリア教育の充実や学生の大手企業志向と求人のミスマッチ解消ばかり。
根底にある過重労働やサービス残業など、働く現場の問題にまで踏み込むことはなかった。


 昨年五月、若者雇用戦略の最後の作業部会の席上、メンバーの上西充子・法政大学キャリアデザイン学部教授は、事務局が用意した原案に異を唱えた。
「厳しい環境はしょうがないという前提で、骨太の若者を育てるという雇用戦略がまとめられるのは、非常に大きな問題を感じる」


 上西教授は「労働法教育の普及に程遠い現状の中で、ブラック企業に入るのは自己責任であるかのように若者を追い込むのは酷だ」と訴える。


 社会保険労務士らでつくるNPO法人「あったかサポート」(京都)は、〇六年から大学や高校で労働法教育の出前授業を行っている。
労働条件を知るための求人票の見方など実践的な労働知識を教えるほか、困ったときの対処法や相談窓口を紹介している。


 あったかサポートの笹尾達朗常務理事は、偏ったキャリア教育に疑問を投げかける。
「これだけ若者の雇用が悪化しているのに、希望や夢だけ教えるのは無責任。
学校教育の中で、身を守るすべや働くリスクまで教えるべきだ」


 <キャリア教育> 
勤労観を身に付けるとともに、主体的に進路を選択する能力や態度を育てるための教育。
1999年の中央教育審議会の答申で初めて登場した。
若者のフリーターやニートの増加などから、学校での教育の必要性が叫ばれるようになった。
代表的な取り組みは中高での職業体験や、大学でのインターンシップ。
2011年度からは大学設置基準で、キャリア教育へ取り組むことが義務化された。

 (中沢誠が担当しました)
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年相応」の生活楽しんで 

香山リカのココロの万華鏡:「年相応」の生活楽しんで 
毎日新聞 2013年06月04日 東京地方版

 80歳でエベレスト登頂を果たした三浦雄一郎さん。帰国早々の記者会見では「次は8000メートル級の山でスキーを」と、新たな夢を語っていた。


 最近の80代、90代の「元気っぷり」はすごい。

書店に行くと80代の作家の本がベストセラーになっていたり、90代のピアニスト、写真家の自叙伝が出ていたり。
私の知人で70代になってから語学留学を決意して友人に相談したら、「それ『グランママ留学』って言うんでしょ? 孫の世話が一段落した祖母たちの間ではやっているんですって」と言われ、拍子抜けしてしまったという女性がいた。
今や70代で新しいことを始めても、誰も驚かない時代になったのだ。


 とはいえ、誰もが健康に恵まれ好奇心も旺盛のまま、高齢になるわけではない。

「日常生活に制限のない期間」を「健康寿命」と呼ぶことがあるが、2010年度の日本の調査では男性の平均がおよそ70歳、女性は74歳。

「バレエを習い始めた82歳」や「毎週、山歩きを続ける91歳」というのは、例外中の例外ということがわかる。


 かつて、私の診察室に「何もやる気になれなくて。うつ病じゃないでしょうか」と訴える80代の女性が来たことがあった。
その人は夫に先立たれ、今は息子一家と同居しているのだが、慢性の腰痛などの持病を抱えていた。
しかし、話の内容はしっかりしているし、見た目も80代とは思えない。
今のところ、特に支障なく生活できているようだった。


 「うつ病とは思えませんよ。
あまり心配なさらずに、音楽を聴いたり友だちと電話したり、好きなようにすごせばいいんじゃないですか」とアドバイスをしたのだが、それでも納得のいかない顔をしている。
その人の頭の中にある80代とは、「はつらつと社会貢献をしたり、新しい夢に向かって走り続ける」イメージのようなのだ。


 もちろん、仕事にせよ趣味にせよ、現役のままで80代、90代を迎えるのは素晴らしい。
やりたいことがあれば「年だから」と遠慮せずに挑戦してほしいもの。
でも、誰もがエベレストに登ったりベストセラーを出版したりする必要はない。
そういう人はとても珍しいからこそ、世間から注目されるのだ。

「年相応」というのは近ごろはなんだか否定的な言葉にも聞こえるが、その年なりの病や老いとも向き合いつつ、静かにすごす高齢ライフがあってもいいはずだ。

楽しむけれど、無理はしすぎない。そんな生活を楽しんで、と人生の先輩たちには伝えたい。

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2013年06月06日

「末期がん」を宣告された日

サンデー時評:「末期がん」を宣告された日
2013年06月05日   サンデー毎日

◇岩見隆夫
いわみ・たかお=毎日新聞客員編集委員)

 高齢期に入って、自分の寿命はいつごろまでだろうか、と考えたことのない人は多分いない。


「そんなこと……」

 と思いたがる人はいても、頭のどこかにある。


 しかし、だれにもわからないのが、寿命問題の幻妙なところだ。

手のひらの生命線を見る手相見が結構繁盛するのを見てもわかる。
私の生命線は長い。若いころ、ほろ酔い加減で道端の手相見に見せたところ、
「おお、これは、これは、ご長命……」と驚かれたことがあった。

だが、何歳ぐらいとは決して言わない。
いい加減なものだと思いはしたが、悪い気はしないのである。
仲間が集まれば、
「長寿でなくてもいい。ピンピンコロリがいちばんだなどと笑い合うのが普通になったが、コロリはいいとして、その時期はやはり気になるのだ。長寿願望はいつの世も同じである。


 ところで、先日、私は寿命を直視しなければならない場面に突然ぶつかった。
がん宣告である。
私事にわたることで恐縮だが、同病者も少なくないと思われるので、ご参考までに記してみたい−−。


 この一カ月ほど、私は体調不良だった。倦怠感が続いている。
好きな酒も進まない。右腹部の鈍痛がとれない。
しかし、
〈がん〉の予感はまったくなかった。

自宅近くの大学病院でお世話になっている心臓病と糖尿病の医師に減量をすすめられ、約一カ月で五キロ近く体重を下げたが、
「一カ月の減量は二キロが限度。
やりすぎるとパワーダウンするなど体調がおかしくなる」
と言う人もいて、ああ、それだ、といったんは思い込んでしまった。


 だが、どうもおかしい。私は長年親しくしている東京都下公立病院のKベテラン内科医師に電話を入れた。

「ああ、洗いざらい全部調べましょう。あすいらっしゃい」と快諾してくださった。


 それが五月二十二日、新聞社時代の気の合った後輩とどういう加減かめずらしく痛飲して帰宅した夜だった。


 翌二十三日、私は後期高齢者の医療保険証と財布、たばこを持っただけで病院に出向いた。
待ち構えていたK医師は、
「とにかく検査を全部やります。血液検査、レントゲン、心電図……、ヨード造影剤を使用したCT検査、ちょっとその前におなかを触らせてください」と言いながら、しばらく触診していたが、「ぼくの指先に何か触る。あるんですよ」とつぶやいた。

検査場に向かおうとすると、
「もう一度お願いします」と再び腹部を押したあと、「やっぱり触る。予感がするなあ」と言って私を送り出した。


 手術のあと、女房が、
「先生、ゴールドフィンガーですね」と感激したのは、この時の二度の触診のことだ。

◇「アルコール性ですな」に声をあげて笑ってしまった

検査時間は約二時間。
終わるころ現れたK医師は、私に
「全部わかりましたよ。あとで私の部屋に来てください」とニコリともせずに告げたのだ。
これは吉報か凶報か。勘の鈍い男にはさっぱりわからない。


 部屋でK医師と向き合った。

「肝臓がんです。それも相当重い」
「……」


 肝臓だけは強い、と思い込んでいたのだが、ついに来る時が来たか、ぐっとくるものがあったが、私は沈黙していた。


 CT検査で腹部を輪切り撮影した写真を並べて、K医師は、
「右葉肝、左葉肝とも白く丸くなっているところがあるでしょ。全部腫瘍、がんです。
七つか八つ、一番の問題は、右葉に大きいのがあって、そこから出血している。
まずこれを止めなきゃならん。
再出血、大量出血となったら、失血死に直結しますよ。
ですから、きょうはお帰りいただくわけにはいかない。緊急入院です」

「末期がんということで……」


「ええ、まあ、末期ですかねえ。肝がんの場合、ステージが1から4までありますが、岩見さんのは3ですね」


 満州時代の子供のころ、よく使ったメイファーズ(中国語の「仕方ない」)を思い出していた。
そんな気分になりかけていた。

「あとどれくらい生きられるのでしょう」
「それはピンキリで……」
「原因は何です」

「肝臓がんはB型にしろC型にしろ、血液から移ってくるのがほとんどですが、検査の結果それはありません。
まあアルコール性、お酒ですな」


 ここで、礼を失するという自覚も乏しく、私は声をあげて笑ってしまったのだ。
納得、という言葉が、心のどこかでひらめいたらしい、とあとで理屈をつけてみたが、真剣に取り組んでくださっているK医師には、何とも不作法なことだった。


 医師は少々けげんな顔をして、
「私なら頭真っ白なんですがねえ。そうでもない?」と質問されてしまった。

返答のしようがない。
真っ白でないはずはないのだが、なにしろ約六十年間、ほとんど一日のすき間もなくアルコールを注ぎ込んできた人生の帰結、というあきらめみたいなものはどこかで働いていたのだろう。
そんな雰囲気を察知したのかどうか、
「きょうから酒とたばこはだめです」ときっぱり通告された。


 急拠、医師団が編成され、翌二十四日緊急手術。その後のことはまた書く機会があるかもしれない。

とりあえず、すべての仕事を休止した。
なかでもシアター・テレビジョンで一年半続いた中曽根康弘元首相との対談(月一回)の最終回が手術日と重なり、中止のやむなきに至った。
大勲位にお詫びのしようもない。
ただ「サンデー時評」だけは、病室で気軽に書き続けたいとお願いし、潟永編集長のお許しを得た。


<今週のひと言> 

 慰安婦以外に、もっと上質の政治ニュースはないのか。
(サンデー毎日2013年6月16日号)
posted by 小だぬき at 09:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

室井佑月氏 「ずいぶん舐められたもんだ」と憤る

室井佑月氏 「ずいぶん舐められたもんだ」と憤る
※週刊朝日 2013年6月14日号
(更新 2013/6/ 6 11:30)

 福島第一原発事故から2年過ぎた今でも、地元に戻ることのできない避難者たち。彼らの避難先の一部では、地元住民との不和が浮かび上がっているが、作家の室井佑月氏は、その矛先は違う場所にあると言及する。

*  *  *
 5月24日付の毎日新聞に、「共生遮る誤解の連鎖」という記事が載っていた。
福島第一原発事故後、多くの避難者を受け入れているいわき市の現状だ。
いわき市民と避難者との軋轢(あつれき)は、悪化の一途を辿っているという。

 もともといた住民が、市に苦情を送った件数は今年2月で約390件。
苦情の具体的な内容は、「賠償金をもらっている避難者で、働いていない人もいる。一方、いわき市民は賠償も少額で、みんな働いている。
公園や道路、公共施設などは避難者も使っているのに、税金が公平に取られないのはおかしい。
住民が増えたため、スーパーや病院が混雑している。
避難者は医療費が無料になっているのも混雑の一因ではないか」というものだった。

 べつに良い子ぶるわけじゃないけど、避難者と、もともといる住民、どっちの気持ちもわかる。

あたしが避難者だったら、べつにここに来たくて来たんではない、賠償金なんてどうでもいいから、事故前の生活に戻してくれよ、そう思う。

 地元民からしたら、いついつまでにこうするという期限もない中、避難してきた人たちに対し、徐々に心の余裕がなくなっていくのも当たり前な気がする。

 そうなんだよ。
結局さ、国が、「いついつまでに、こうする」と明言できないから悪いんだ。
いや、意見は出てきているらしい。
が、遅いし、弱い。
わざとかもね。
ほら、年金問題も、放射能汚染食品の話も、おなじようにして国民vs.国民の争いに持っていったじゃん。

 年金問題は、若者vs.年寄りに、
放射能汚染食品は、消費者vs.生産者に。
国民同士が揉めると、問題の根本、どこが腐っていたからこういう問題になったのか、という部分が誤魔化(ごまか)される。
本物の加害者は責任逃れをする。

 どうか、いわき市の地元民と、いわきに逃げた避難者は、喧嘩しないで欲しい。
怒りや不満のぶつけ先を、間違わないで欲しい。

なぜ、こういうことになったのか。それを考えれば、
いわきの地元民も、避難者も、怒りの矛先は一つじゃないか。
もちろん、あなたたちだけじゃない。
あなたたちの後ろには大勢の人間がいる。

 そうそう、毎日新聞に、「共生遮る誤解の連鎖」という記事が載った日、朝日新聞にはこんな記事が出ていた。「自民公約 あいまい」という記事だ。

 自民党は参議院選の公約の原案をまとめた。
憲法改正の姿勢を目立たせず、原発再稼働も、消費税にも触れない、あいまいな公約にしたそうだ。
沖縄の基地問題もはっきりしないしな。

 うちら国民はずいぶん舐められたもんだ。
はっきりさせると、それに伴う弊害があるもんね。
責任問題とかさ。
んでもって、最後は国民同士を喧嘩させ、いろいろ誤魔化す作戦か。
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2013年06月07日

今夏の値上げ「衣・食・住」ばかりか行政サービスにも拡大中

今夏の値上げ「衣・食・住」ばかりか行政サービスにも拡大中
2013.06.06 16:00 
※週刊ポスト2013年6月14日号


 この夏、電気・ガスなど公共料金から食品、外食産業、靴や鞄、家具にトイレットペーパーまで、これでもかと「大幅値上げされる。

いずれも円安による原材料費、燃料費、飼料代や物流コストの上昇が原因で、
「食」については、食パンなどは3〜6%、マーガリンは5〜10%、コーヒーも10%値上がりする。


「衣」や「住」は「食」より値上げ幅がさらに大きい。

海外ブランドはルイ・ヴィトンが2月に過去最大の平均12%値上げしたのをはじめ、カルティエやティファニーなど各社が円安で値上げに踏み切っているが、サラリーマンの必需品でも、アサヒシューズはビジネスマン向け「通勤快足」をこの秋から約10%値上げし、スーツケース類も平均6%値上げされている。


「住」では、大塚家具がこの4〜5月に輸入家具を平均4.8%値上げしたばかりだが、さらに6〜7月には輸入品4400品目を平均5.9%アップする。


 それ以上の上昇率を見せているのが建設資材だ。鋼材価格は前年比2割アップ、外壁用コンクリート、断熱材など軒並み大幅値上がり中なのだ。


 一級建築士で女子美術大学講師の佐川旭氏は、「今後、住宅・マンションの建設費は大きく上がる」と見る。

「鋼材やコンクリート材に加えて、壁紙やキッチンなどの内装材に多く使われるポリウレタンなど石油化学製品価格も高騰している。
さらに深刻なのは職人不足です。
リーマン・ショック後の建設不況で型枠大工などの職人が減ったうえに、震災の復興事業で東北に集中している。
職人不足で人件費は1割上がっています。
トータルでは建設費が15〜20%アップする。そうなると販売価格も値上げせざるを得ない」


 政府は来年4月からの消費税引き上げで住宅価格への課税が重くなることから、「今年9月までに注文住宅やマンションなどを契約すれば、完成が来年4月以降になっても支払う消費税を5%に据え置く」という特例措置をとることになったが、これほど資材価格が上がれば、その程度の“おまけ税率”など焼け石に水ではないか。


 その他、パソコンや車のタイヤからバイオリンなどの弦(ガット)まで一斉に上がり、トイレットペーパーや石、紙おむつ、生理用品などの日用品も今後の値上げ候補である。


 驚くべきは、値上げが行政にまで広がりを見せていることだ。
千葉県市川市は「行財政改革」すなわち財源確保を理由に、住民票や印鑑証明の発行手数料から動植物園や体育館、市民プールの入場料や斎場の使用料まで値上げを検討している。

実施すれば他の自治体にも波及していくことが予想されるが、これは円安とも原材料費上昇とも関係がない明らかな「アベノミクス便乗値上げ」だろう。


 まさに国民は「揺りかご(紙おむつ)から墓場(斎場)」まで値上げ攻勢にさらされている

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2013年06月08日

おにぎりは「手の菌をなすりつけてる」?

おにぎりは「手の菌をなすりつけてる」?
※AERA  2013年6月3日号
更新 2013/6/ 7 07:00

  蒸し暑い梅雨の時期に入り、食品の衛生管理にも気を遣わなければならなくなってきた。
賞味期限内だから大丈夫、と思っていても製造過程で菌が混入し、食中毒を起こしたという事例もある。

 だが、賞味期限が目安に過ぎないのなら、気になるのは、本当の“デッドライン”。どの家庭でも、賞味期限切れ食品を抱えているはず。
食べても大丈夫なのか、ゴミ箱行きなのか、判断する目安はあるのだろうか。
特に、納豆やヨーグルトなど、発酵食品は、かなり古くなっても大丈夫では?と思ってしまうが……。

「発酵と腐敗は違います。納豆菌や乳酸菌も生き物なので、なんらかの原因で死滅してしまうことがある。
腐敗菌は、食品によっても異なりますが、増殖するときに独特の刺激臭や色素、ガス、ネトという粘り気のある物質を出します。五感を研ぎ澄まし、違和感を感じたら、絶対に口にしないで下さい」(食品衛生が専門の小西良子・麻布大学教授)

 食の安全に詳しい有路昌彦・近畿大学准教授は、もっともリスクが大きいのは“家庭の味”だと指摘する。

「ジャムなど、家庭で保存食を作る場合、慣れているからといって、容器や調理器具の滅菌を怠ってはいけません。
多くの人が、自分の手が汚いということにあまりにも無自覚です。
おにぎりを素手で握るというのは、手の常在菌をなすりつけているようなものですから、長時間持ち歩く場合は、よく手を洗ってラップを巻いて握るなどの工夫が必要でしょう」

 有路さんは、ビン詰め食品を取り分ける時はアルコール消毒したスプーンで、調理後は毎回流しを洗い、アルコール消毒するなど、こまめな滅菌を心がけている。

 家族や自分の健康のために、良かれと思った選択が食中毒のリスクを高めることも。有路さんによれば、スーパーやコンビニにあふれる「無添加食品」も注意が必要だという。

「合成保存料や化学調味料は健康によくない、と敬遠されがちですが、無添加食品は、適切に保存料を使っている食品よりも早く腐敗するため、食中毒の危険だけでなく、廃棄率も高いのです」(有路さん)
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手取りアップと直結しない。肝心の点を首相は説明していない

手取りアップと直結しない。その肝心の点を首相は説明していない
2013年 6月 8 日(土)付   朝日新聞「天声人語」

 「爆発」というキーワードにいささか驚かされた。
安倍首相の5日の成長戦略第3弾スピーチである。
岡本太郎の懐かしい叫び、「芸術は爆発だ!」を引用し、芸術論を成長論につなげた

▼首相の言葉は高ぶる。
「一人ひとりが、それぞれの持ち場で、全身全霊をぶつける」「今こそ、日本人も、日本企業も、あらん限りの力で『爆発』すべき時です」。
景気は気から、とよくいう。
首相が人心を鼓舞しようとしているのはわかる

問題は、爆発した先の日本がどんな姿になっているのかだ。
首相はいくつかの将来像を数字を挙げて示したが、なかでも一番重要だとしたのは、聞き慣れない指標だった。

1人あたりの国民総所得(GNI)」という。
これが、10年後には今より150万円以上増えるのだそうだ

▼GNIを増やすことにより、働く人々の「手取り」が増え、「家計」が潤う。
首相はそういう。
とすると4人家族だと600万円も年収が増えるのか。ほんとうかね、というのが大方の反応ではないか

▼国民総所得の「所得」とは、一人ひとりの年収とは違う。
そこには日本企業の海外での稼ぎも入っている。
GNIが増えたとしても、会社がその儲(もう)けを出し惜しめば、給料は上がらず、家計も潤わない

GNIは手取りアップと直結しない。
その肝心の点を首相は説明していない。
だから、熱弁にも冷める。朝日川柳に〈倍増と言わないだけの思慮はあり〉とあった。
爆発せよと号令しても、された火薬の方は湿気(しけ)ている。
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2013年06月09日

大きすぎる「内部告発」のリスクとは

大きすぎる「内部告発」のリスクとは
(PRESIDENT Online ) 
                   2013年6月8日(土)配信

  食品メーカーの賞味期限の改ざん、不当表示など企業の不祥事がいくつも明らかになって以来、「内部告発」の重要性が叫ばれている。
しかし、そんなことをしたらクビが危ないのではないか。

2006年に施行された公益通報者保護法は、会社の違法行為を内部告発した社員が不当な扱いを受けないようにするための法律だ。

ところが、法律には内部告発(法律では「公益通報」)の定義や告発のルートについて厳しい条件がつけられており、実際には機能しない場合があるという。
まず、通報内容は犯罪行為に関わる事例でなければならない。

「たとえば、社長が愛人を秘書にして公私混同の経営をしているとします。
しかしこれは直接犯罪行為に結びつくわけではないので、告発しても法律の保護を受けられません」

神戸大学大学院教授(労働法)の大内伸哉氏が説明する。

また、社内への通報は保護を受けやすいが、監督官庁に通報するときは保護の条件が狭まり、報道機関など外部への通報の場合は要件がさらに厳格になる。

外部への通報が保護されるには、社内に通報すればほぼ確実に報復されるとか、証拠隠滅のおそれがある、社内通報では相手にされなかった、生命・身体に危害を加えられる急迫した危険がある、といった条件が必要だ。

一方で、内部告発を行った社員に対して「会社の名誉・信用を毀損した」という理由から会社側が懲戒処分を科すことも珍しくない。

たとえば、予備校の講師が理事長の不正経理問題に関して記者会見を開き解雇されたケース。

この裁判では、1審は解雇処分を無効としたが、2審は講師の行動を「雇用関係の信頼を踏みにじる行為」とし、解雇は有効と判断した。

判例を見るかぎり、まずは内部通報をするなど企業内部での解決を図っていない場合は、会社側の処分が有効となる可能性は十分にある」と大内教授はいう。

また、公益通報者保護法が禁じているのは、通報者への解雇や降格、減給といった、あくまでも目に見える形での報復処分。
仮に査定や昇進で不利な扱いをされても、それが不当であるかどうかは判断しにくい。

現状では、万全の保護を受けられるわけではないのである。

----------
神戸大学大学院 法学研究科教授 大内伸哉
1963年生まれ。東京大学法学部を卒業後、同大学院修了。
『労働条件変更法理の再構成』『どこまでやったらクビになるか』など著書多数。
近著『君は雇用社会を生き延びられるか』。
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久保田正志=構成
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2013年06月10日

老年期の意味=目標なく生きる重要性

時代の風:老年期の意味=京都大教授・山極寿一
毎日新聞 2013年06月09日 東京朝刊

◇目標なく生きる重要性−−山極寿一(やまぎわ・じゅいち)


 還暦を過ぎて感じることがある。
老いの時間は子どもの時間と違うということだ。
子どもたちと同じように、老年期の人間は何か差し迫った必要性を感じて時間を組み立てはしない。
時の流れとともに出合う出来事をそのまま受け止めている。

成長にかかる時間は子どもたちにほぼ一様に訪れる。
小学生のまま成長が止まることはないし、すぐに大学生になれるわけではない。
子どもたちは、同年齢の友だちが同じように成長していく姿を自分と比較しながら、自分の将来の姿を夢見ることができるのだ。


 一方、老いは一様にやってくるわけではない。足腰の衰えが先にくる人もいれば、急にボケが始まる人もいる。
急速に老けこんでいく人もいれば、年齢の割には若く見える人もいる。
病で早く亡くなる人もいれば、長寿を全うする人もいる。
自分があとどのくらい生きられるのかはっきりしたことはわからない。

子どもたちが将来の目標をもって
生きるのに対し、老人たちの視線は不確かな霧の中へ注がれているのだ。


 しかも、老いの受け止め方も千差万別だ。
物忘れや記憶違いが多くなってあわてる人もいれば、それをいいことにしてひょうひょうと生きる人もいる。
周囲から相手にされなくなって孤独に悩む人もいるし、これまでの人間関係を断ち切って新しい仲間を求める人もいる。
これまでの仕事にさらに磨きをかける人、全く違うことを始める人というように、老年期の過ごし方は人それぞれに異なっている。
それは老いの内容がそれまでの人生の過ごし方によって大きく異なるからだ。
老人は個性的な存在である。子どもたちと同じように、老人たちを集団で扱うことはできない。


 人類の進化史の中で、老年期の延長は比較的新しい特質だと思う。
ゴリラやチンパンジーなど人類に近い類人猿に比べると、人類は多産、長い成長期、長い老年期という特徴をもっている。

多産はおそらく古い時代に獲得した形質だ。
人類の祖先が安全で食物の豊富な熱帯雨林から出て、肉食動物の多い草原へと足を踏み出した頃、幼児死亡率の増加に対処するために発達させたと考えられる。

成長期の延長は脳の増大と関連がある。
ゴリラの3倍の脳を完成させるため、人間の子どもたちはまず脳の成長にエネルギーを注ぎ、体の成長を後回しにするよう進化したのである。
脳が現代人並みに大きくなるのは約60万年前だから、その頃すでに多産と長い成長期は定着していたに違いない。

しかし、遺跡に明確な高齢者の化石が登場するのは数万年前で、ずっと最近のことだ。
これは、体が不自由になっても生きられる環境が整わなかったからだと思う。
定住し余剰の食料をもち、何より老人をいたわる社会的感性が発達しなければ、老人が生き残ることはできなかったであろう。
家畜や農産物の生産がその環境整備に重要な役割を果たしたことは疑いない。


 ではなぜ、人類は老年期を延長させたのか。
高齢者の登場は人類の生産力が高まり、人口が急速に増えていく時代だ。

人類はそれまで経験しなかった新しい環境に進出し、人口の増加に伴った新しい組織や社会関係を作り始めた。
さまざまな軋轢(あつれき)や葛藤が生じ、思いもかけなかった事態が数多く出現しただろう。
それを乗り切るために、老人たちの存在が必要になった。

人類が言葉を獲得したのもこの時代だ。
言葉によって過去の経験が生かされるようになったことが、老人の存在価値を高めたのだろう。


 しかし、老人たちは知識や経験を伝えるためだけにいるのではない。
青年や壮年とは違う時間を生きる姿が、社会に大きなインパクトを与えることにこそ大きな価値がある。

人類の右肩上がりの経済成長は食料生産によって始まったが、その明確な目的意識はときとして人類を追い詰める。

目標を立て、それを達成するために時間に沿って計画を組み、個人の時間を犠牲にして集団で歩みをそろえる。
危険や困難が伴えば命を落とす者も出てくる。

目的が過剰になれば、命も時間も価値が下がる。
その行き過ぎをとがめるために、別の時間を生きる老年期の存在が必要だったに違いない。
老人たちはただ存在することで、人間を目的的な強い束縛から救ってきたのではないだろうか。その意味が現代にこそ重要になっていると思う。=毎週日曜日に掲載

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2013年06月11日

反骨「老人党」貫徹 なだいなださん死去 作家、精神科医

反骨「老人党」貫徹 なだいなださん死去 作家、精神科医
2013年6月10日   東京新聞夕刊

 「パパのおくりもの」や「老人党宣言」などユーモアと風刺に富んだ著作で知られる作家で精神科医のなだいなだ(本名・堀内秀(ほりうちしげる))さんが六日死去していたことが分かった。八十三歳。東京都出身。自宅は神奈川県鎌倉市。


 一九五三年に慶応大医学部を卒業。
医師として病院に勤める傍ら、幅広い文筆活動を展開した。
ペンネームは、スペイン語で「何もないと、何もない」を意味する。


 同人誌「文芸首都」に参加。「海」や「トンネル」などで計六回芥川賞候補となったが受賞は逃す。
六五年のエッセー「パパのおくりもの」で注目された。
独自の平和論を展開した「権威と権力」、医師としてアルコール依存症の問題を扱った「アルコール中毒−社会的人間としての病気」など、多くの著書を残した。


 二〇〇三年、インターネット上の仮想政党「老人党」を結成。
「老人はばかにされている。政治へ怒りを率直にぶつけ、選挙を面白くしよう」と呼び掛け、話題を集めた。

党結成の精神を著作「老人党宣言」に記した。


 エッセー「娘の学校」で婦人公論読者賞、評論「お医者さん」で毎日出版文化賞。明治学院大教授を務めた。
他の作品に「人間、この非人間的なもの」など。


 雑誌「中央公論」六月号に「人生の終楽章だからこそ“逃げずに”生きたい」と題する文章を掲載し、膵臓(すいぞう)がんであることを告白していた。
自身のブログは六日未明まで更新を続けた。

◆ユーモアで世直し 旗振り


<評伝> 「怒れる老人」は、亡くなる直前まで誰からも束縛されず、病に屈することもなく、ただ自分が自分であることを主張し続けた。
現代社会に向ける鋭い視線は、古今東西の哲学や歴史に裏打ちされ、本質を見抜いた。
自由と理性を体現した言論人だった。


 十年前、神奈川県鎌倉市の自宅で初めて会った。
小泉政権が米国のイラク戦争を支援し、市場経済主義で弱肉強食、格差拡大政策を進めていたころだ。


 「老人や弱者いじめの政治にもう我慢ならん」と、インターネット上でバーチャル(仮想)政党の「老人党」を立ち上げた。
自民党政権を許した責任は老人にある。
政権交代で官僚支配、米国依存を打破する。
失うものが何もない老人が世直しの声を上げようと、旗を振ったのだ。本紙は特報面で「世直し!老人党」を連載した。


 「本当に困っている人を助けるのが政治」と言い切った。
政権交代は六年がかりで実現したが、民主党政権のばらまき政策を「政治哲学がない」と批判。
政権交代がふつうになれば「投票する老人や弱者の声を政治家は無視できなくなる」と言い続けた。
原発脱却や環境保護、護憲活動でも気を吐いた。株優先のアベノミクスを欺瞞(ぎまん)と喝破し、与野党に「強い国ではなく、賢い国にしよう」と注文した。


 一九六五年の著書第一作「パパのおくりもの」は、自身の子供に語りかけるエッセーの手法をとりながら、文明や社会を批評。
政治家への苦言はいまでも永田町に通用する内容だ。
軽妙でエスプリに満ちた文章はその後の評論、小説、エッセーなど幅広い著作に一貫していた。
ラジオの「全国こども電話相談室」の相談員も務めた。


 思想を優しい言葉で伝える独自路線を切り開いた。
精神科医を現役引退した後も、社会問題に正面から向き合い、執筆活動のかたわら市民団体の招きであちこちを講演して回った。
なださんを追い続けるうち、怒りの裏側に深い人間愛と失敗を許す寛容さ、違いを認める包容力を感じ、うつになりがちな心がいやされた。


 二〇一一年に前立腺がんを発症。手術不可能と告知された後も、ブログで「痛みを和らげながら知的活動を維持していく」と宣言。
亡くなった六日も家族や世直しへの思いをつづっていた。
とりあえず主義を標ぼうし、「完璧を求めず、とにかくやってみて、ダメなら直せばいいさ」が口癖だった。 (立尾良二)
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公のためという名の下で、いかに公のためにならぬことがなされたか

情報収集の実態
2013年6月11日    東京新聞「筆洗」


 私たちは、服を着て歩く。
自分のすべてをさらけ出し街に出たりはしない。
貴重なものは大事にしまっておく。
それを身ぐるみ剥がすのは、強盗の所業。被害に遭えば、当然気づく

が、インターネットの世界は違う。
知らぬうちに裸にされ、すべてを盗まれかねない。
米政府の情報収集力を知るIT技術者は、こう言っている

▼「すべて手に入る。電子メール、パスワードに通話記録、クレジットカードの情報でも何でもだ」
「その恐るべき力の前に、防御策などありはしない」

▼発言の主は、米中央情報局(CIA)などで働いてきたエドワード・スノーデン氏(29)。
その証言から米政府による情報収集の実態を暴いた英紙ガーディアンによれば、イラク戦争が起きると、彼は軍に入った。
「圧政に苦しむ人を助けるのは人としての義務」と思ってのことだ

▼現実は違った。「教官らの多くはだれかを助けるというより、アラブ人を殺すことに熱中しているようだった」。
幻滅は情報機関で仕事を重ねるにつれ、政府への不信となっていった。
公のためという名の下で、いかに公のためにならぬことがなされたか。公にしなければ

▼彼はいま、香港のホテルの一室にこもって、世界の人々が告発をどう受け止めたか、注視しているという。
盗聴と盗撮におびえ、布をすっぽりと被(かぶ)り、パソコンに向かっているそうだ。
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2013年06月12日

香山リカのココロの万華鏡:家族のことから離れよう 

香山リカのココロの万華鏡:家族のことから離れよう 
毎日新聞 2013年06月11日 東京地方版


 「梅雨時(つゆどき)って毎年、調子が悪くて」


 診察室でそんな話を聴く時期になった。
雨が多くて湿度も高いこの季節、気分も体調もすぐれないのは当然、という気もするが、ただの「気の持ちよう」ではないらしい。

温度、気圧などの気候が人間の健康や病気にどう影響を与えるかを研究する「気象医学」によれば、梅雨時は前線の通過で急激に気圧が変わることから、頭痛や息苦しさが出やすいそうなのだ。


 このように、「気の持ちよう」と思われていた具合の悪さが、その後の研究あるいは検査の見直しから「やっぱり体の問題から来る症状でした」と判明するケースは、実は少なくない。


 その一つとして、いま注目を集めているのが慢性疲労症候群
突然、激しい全身倦怠(けんたい)感に襲われ、それから長期にわたって疲労感や微熱、頭痛、もの忘れや気分の落ち込みが続く。

血液検査などをしても何も異常が見つからず、医師からは「気の持ちようかストレスでしょう」などと言われることが多いのだが、1988年に米国の疾病対策センターが「慢性疲労症候群」という全身性の疾患の可能性があると報告した。


 それ以来、各国で同様の報告が相次ぎ、世界の医師たちが「免疫の病気か、はたまたホルモンの異常か」などと、この病の正体を突きとめようとしているが、いまだにこれといった決め手が見つかっていない。

ただ、「確かにこういった症状に苦しむ人はいる」ということ。
そして「うつ病などの心の病でもなければ、気の持ちようでもない」ということだけは確かなようだ。


 私もこれまで診察室で、心の病でもなければ、はっきりした体の病気も見つからず、ただ休んでも休んでも取れず、体の底にこびりついているような疲れだけを訴え続ける患者さんに何度か出会った。
その人たちには抗うつ薬も効かなければ、カウンセリングをしても、これといった問題が見えてこない。


 「これ、慢性疲労症候群かもしれませんね」と、病名を伝えることはできるが、だからといって治療法が確立しているわけでもないので、その後が続かない。
「漢方薬が効くという論文もあるから……。
使ってみますか」と、こちらの声もつい自信なさげになり、「これでは患者さんも余計に不安になってしまう」と、反省することもある。


 「病も気から」も真実だが、なんでも「気の持ちよう」ですませるのも危険。自分にもいつも、そう言い聞かせている。

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医師と作家の複眼思考で得られた視点

医師と作家の複眼思考で得られた視点
2013年6月12日   東京新聞「筆洗」

 「酒も飲めない医者に、酒飲みの気持ちが分かるか?」。
下戸だったなだいなださんは、精神科医としてアルコール依存症の治療にかかわった時、患者からよく言われたそうだ

▼当然、酒飲みの気持ちは分からない。
その体験から、災害で被災した人のPTSD(心的外傷後ストレス障害)を専門家が治療したり、支えたりできるとは思わなかった

▼遠くから来た専門家が、家族や友人を失った人たちにせめて言えることは、これから災害に遭う人のために役に立つかもしれないから勉強させてください、ということだと東日本大震災後の講演で語っていた。
医師と作家の複眼思考で得られた視点だろう

▼政治や社会への異議申し立てをユーモアを交えて分かりやすく伝えてきたなださんが亡くなった

▼小泉政権下、インターネット上の仮想政党「老人党」を結成、世直しの声を上げたことは記憶に新しい。
憲法や平和に関する発言には説得力があった。
靖国問題で語っていた言葉が今も強く印象に残っている

▼「神様は人間を超えたものとして信じられるから、意味があるのです。
ところが、靖国では神様の資格を、国が決めるのです。国がつくった宗教です
それを、国が信仰の自由のもとにあるという宗教として承認する。
これが常識となって矛盾を感じないでしょうか」。
また一人、リベラルな言論人が世を去った。
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2013年06月13日

耳障りの良い言葉には注意しなきゃ

室井佑月氏 耳障りの良い言葉「限定正社員」には注意しなきゃ
※週刊朝日 2013年6月21日号
(更新 2013/6/12 07:00)

  今春、政府の規制改革会議でルール整備が提案された「限定正社員」制度。作家の室井佑月氏は、疑問を投げかける。

*  *  *
 最近、耳慣れない言葉を聞いた。
「限定正社員」だ。「限定正社員」とは、「勤務地や仕事内容、労働時間が限定された形で働く正社員」のことだという。

 政府の規制改革会議が、その「限定正社員」の制度化について話し合っているようだ。
 毎日新聞によれば、雇用のルールについて2013年度中に検討を開始し、2014年度に結論を出したいみたい。
非正規社員の正社員化を促すのが狙いだという。

 でも、新聞にはこうも書かれてあったぞ。
「(限定正社員のルールとして)一方で、工場や店舗閉鎖などの際、限定正社員を通常の正社員より解雇しやすいことも明確にするよう求めた」。

ん? ってことは、「限定正社員」はその会社で、仕事がなくなったら、それで終わりってこと? それじゃ、あたしたちが考える正社員じゃ、ぜんぜんない。

 非正規社員の生活は安定しない。
たとえば、労働者派遣制度の現行ルールでは、派遣労働者の受け入れ期間を最長3年に制限しているからね。
だから、みんな正社員になりたいのだ。
いちばん大切なのはそこ。
正社員とはいっても仕事がなくなったらそれでおしまいの「限定正社員」では、生活は安定しそうもない。
なら、「限定正社員」という身分を作ることにどんな意味があるというんだ。
政府が頑張り、非正規社員が少なくなって、正社員が増えた! そんな数字を出したいからか。

 なんかあたしは、2005年にできた「障害者自立支援法」(現・障害者総合支援法)を思い出した。
名前だけ聞けば、障害者を助け、健常者と同じように暮らしていける優しい社会を目指すのかと思う。
しかし、違った。
多くの障害者の福祉サービスに対する自己負担金が上がっただけ。

 この国を動かしている人たちの中には、天才的なコピーライターがいるようだ。
「限定正社員」や「障害者自立支援法」といった名前だけ聞けば、我々国民にとって、良いことのような気がしてしまう。

 けど、耳障りの良い言葉には注意しなきゃ。我々の不安や不満や怒りの根本を、どうにかするつもりがないから、わざわざ誤摩化(ごまか)すために耳障りの良い言葉を持ってくるんだもん。

「限定正社員」が決定したとして、きっと世の中ではこういう会話がなされる。
「この間、合コンで会ったあの人、××企業に勤めてるっていっていたのに、限定だったのよ!」
「正社員にはなれなかったから、とりあえず限定で食べてるんだ」というような。
でもって職場では、限定とそうじゃない者の格差問題が起こり……。

 だとしたら、今となにも変わらない。
新たに「限定正社員」を作ったところで、今の非正規雇用の問題が解決されるわけじゃない。
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2013年06月14日

「理由なき解雇」は違法

<はたらく>試用期間中 突然の通告… 
                       「理由なき解雇」は違法
2013年6月14日   東京新聞

 「試用期間中に突然、理由も告げられず解雇を通告された」との声が、本紙生活部に届いた。

たとえ試用期間でも、雇用主は合理的な理由なしに解雇できない。
納得がいかない場合は、きちんと理由を問いただし、労働組合や労働基準監督署などに相談し、地位保全を求めることもできる。(田辺利奈)


 愛知県の女性(23)は、二月中旬から県内の社会保険労務士事務所で、正社員として事務の仕事に就いた。
地元のハローワークで求人を見つけ、面接を受けて数日で採用された。
当初、試用期間は三カ月とされたが、「場合によっては、もっと長くなるかもしれない」と言われ、了承した。


 ところが、四月末の給与支給日に「試用期間満了の五月十七日を退職日とする」という書面を渡された。理由は書かれてなかった。
当日は雇用主がいなかったので後日、理由を聞くと、「求める人材と相違があったため」と回答した。


 女性は「解雇されるような原因は思い当たらない」と振り返る。
無断欠勤や大きなミスもなかった。
口頭での説明もないまま、「紙一枚で突然退職を告げられるなんて」とショックを隠さない。
雇用主は事務所に不在のことが多く、話し合う機会はなかったという。
納得はしていなかったが、期日が来てしまい、やむなく退職することになった。

     ◇

 労働者が合理的な理由なしに解雇されない権利は、労働契約法に規定されている。
労働問題に詳しい旬報法律事務所(東京都千代田区)の棗(なつめ)一郎弁護士は、「試用期間中の解雇は、本採用後より、やや緩く裁量権を与えられているが、実質的にはほとんど変わらない」という。


 試用期間を設けるかどうかや、その期間を定めた法律はないが、期間は六カ月以内で、二〜三カ月というのが一般的。
棗弁護士によると、試用期間でも、既に労働契約は成立しているという。


 解雇できる場合は、「無断欠勤が多い」「見習いレベルの仕事に対して能力が大きく不足し、指導しても改善されない」などと、具体的な理由が必要。
雇用主は、解雇理由証明書や退職証明書などで、その理由をはっきり示さなくてはいけない。


 また、従業員が常時十人以上の事業所は就業規則を作る義務がある。
規則には解雇時の条項があるので、理由があいまいな場合は、条文のどの項目に反したのか確認したい。
試用期間の延長は「一般的に一回なら許容される」(棗弁護士)という。
何度も繰り返し延長される場合は、違法性が認定されることもある。


 この女性のように、あいまいな理由での解雇は違法であり、本来は社員としての地位保全を求めることが重要。
しかし、万が一退職することになった場合、十四日を超えて勤務していれば、本採用後と同様、労働基準法に従った手続きを取ることになる。


 具体的には、事業主は三十日前までに解雇予告するか、三十日分以上の手当を払わなくてはいけない。
今回の事例は労基法にも違反していると思われる。


 試用期間中に不当に解雇された場合は、会社の労働組合や連合などの組織、弁護士などに相談することだ。
地域の労働基準監督署も相談窓口を設けている。この女性は今後、退職した事務所に何らかの補償を求めていく考えという。


 棗弁護士は「試用期間であっても、解雇権は乱用されてはいけない。納得いかない場合は声を上げて」とアドバイスしている。


 試用期間 本採用の前に、その人の勤務態度や能力などを評価し、雇うのに適した人材かどうかを、判断するための期間。
基本的には、労働条件や権利義務は本採用の社員と同じ。
その期間は就業規則などで事前に示されるが、短縮や延長されることもある

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暴言官僚 更迭

暴言官僚 「アニソン」「ゆるキャラ」趣味の意外
2013年6月14日 ゲンダイネット掲載

 要するに霞が関官僚の頭の中は、被災地の復興なんてナ〜ンも考えていないということだ。
ツイッターに繰り返し「暴言」を書き込んでいた復興庁の水野靖久参事官(45)が13日、更迭された。
日々の業務に追われ、疲れがたまっていたとしても、ネットに悪口を書いてウサ晴らしなんて幼稚すぎる。

〈左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に出席。
感じるのは相手の知性の欠如に対する哀れみのみ〉――。

 官僚の中には、「オレたちは日本の頭脳」と上から目線の勘違い野郎がいる。
水野氏もそういうやからだったのか。

 自分の意にそぐわない国会議員の行動も許せないらしい。

ツイッターでは、社民党の福島瑞穂党首に対して〈20分の質問時間しかないのに29問も通告してくる某党代表の見識を問う〉と批判したり、共産党の高橋千鶴子衆院議員に〈通告出していないのはアンタだけ〉とブチ切れたり。

タクシー運転手からの釣り銭が多かったことをネットで明かした、みどりの風の谷岡郁子代表を〈釣り銭詐欺〉と呼び、自民党の森雅子・少子化担当大臣を〈我が社の大臣の功績を平然と『自分の手柄』としてしまう某大臣の虚言癖に頭がクラクラ〉とメッタ切りしている。

「ポッチャリ系の見た目通り、おっとりした人で、腰が低かった。
あんな毒を吐くようなタイプに見えなかったから、庁内が一番驚いています。
13日も普段通り出勤していました」(復興庁関係者)

 91年に旧総務庁に入庁し、情報公開法や個人情報保護法制度などに携わった水野氏。10年から約2年間、千葉・船橋市に出向し、副市長に就いている。

「ネットに詳しく、若い市議とネットを活用した議会運営などについて頻繁に意見交換していましたね。
傲慢なところは特段、感じませんでした。
今回のことを知って驚くと同時に、当時を思い出し、『議員の意見を穏やかに聞いていたが、ハラの中はバカにしていたんだろうなあ』と。
新年会でアニメソングを歌っていたのが印象的です」(船橋市議)

 クマのキャラクター「リラックマ」が好きで、ツイッターのアイコンや携帯ストラップに使っていたという水野氏。
いっそのこと、ネットやキャラクターに囲まれる職場に転職した方がいいのではないか。
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2013年06月15日

一度の過ちで人を見限る非寛容な社会

AKB48の正義の話を(大西隆)
2013年6月12日    東京新聞「私設・論説室より」


 中学生の娘が怒り心頭なのである。
アイドルグループAKB48の三十二枚目のシングルを歌うメンバーをファン投票で決める選抜総選挙で、さしこが首位の座を射止めたからだ。


 さしここと指原莉乃(さしはらりの)さんは、熱愛話が発覚して福岡・博多のHKT48に“左遷”された身だ。
まゆゆこと渡辺麻友さん支持の娘にとって、恋愛禁止のおきてを破ったさしこの戴冠が我慢ならないようだ。


 政治家を選ぶ公職選挙とは違い、カネ持ちファンは好きなだけ投票権を買い占められるシステムだ。
商業主義の芸能パフォーマンスに公平性やら透明性やらを期待する方がおかしい。


 それに、騒ぎは大きければ大きいほど宣伝効果が高まる。
順位の妥当性はどうであれ、ギョーカイはほくそ笑んでいるに違いない。


 にしても、不平等にも程があると言いたいらしい。
個々のメンバーの顔触れはもちろん、歌と踊りの実力を熟知していると称する娘は「誰かが裏で手を回したはずだ」といぶかる。


 地獄の沙汰もカネ次第とか、正直者がばかを見るとか。
善かれあしかれ、そんな社会の実相を学び取った雰囲気ではある。


 でも、反省して頑張ってきたさしこのけなげさが評価された可能性だって大きい。一度の過ちで人を見限る非寛容な社会への抗議の表れだったかもしれない。

 家庭で学校で、選抜総選挙が問いかけた正義の話をしてみては。 
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集団分極化による極端な論の噴出

2013年 6月 15 日(土)付 朝日新聞「天声人語」

 こんな経験はないだろうか。
あるテーマについて、同じような意見を持つ何人かで話し合いをする。
すると、みんなの意見がだんだんと極端な論に傾いていく

▼たとえば、歩道を走る自転車を取り締まるべきだと思っている人々が集まって「そうだ、そうだ」と言い合ううちに、「断固、厳罰に処せ」の大合唱になる。
こうした現象を「集団分極化」というそうだ

▼ネット上でもしばしば起こる。
たしかに激しい攻撃や差別、憎悪の噴出をよく目にする。
ネットの匿名性はこの傾向を強めやすい。ネットは「過激主義の温床になっている」(キャス・サンスティーン『インターネットは民主主義の敵か』)

▼こうした負の側面への警戒もあって長く実現しなかったネット選挙が、やっと7月の参院選から解禁になる。
立候補予定者らはすでに臨戦態勢である。
ツイッターやフェイスブックなどをどう使いこなすか、手探りしながらの知恵比べになる

▼発信すれば反応はある。
ただ、それがどれだけ票に結びつくかはわからない。
少なからぬ予定者の実感のようである。
むろん従来型の選挙運動も続く。
自民党の石破茂幹事長はおととい釘を刺した。
「握った手の数しか、歩いた数しか票は出ない、というのはこれから先も真理だ」

▼選ばれる側だけではない。選ぶ側にとっても初めてのことだ。
品定めのための情報は増える。有権者から発信もできるようになる。
ネットの負の側面を抑え、利点をどう生かすか。私たちも知恵が問われる。

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2013年06月16日

与党多数より 監視役の野党躍進を!!

東京都議選告示 首都の良識を示したい
2013年6月15日  東京新聞社説

 東京都議選が十四日に告示された。
七月の参院選の前哨戦として、各政党は一路邁進(まいしん)の様相だ。
有権者は国政の動きをにらみつつ足元の課題を考えたい。
首都決戦での一票は全国的な重みを持つ。


 十三年半ぶりに知事が交代して初めての都議選だ。
石原慎太郎前知事の陰に隠れ、見えにくい存在だった議会の仕事ぶりを厳しくチェックする好機と捉えたい。


 議員としての資質を備えているか。
この四年間に議員の提案で制定された政策条例はわずかに一件。
議員報酬と政務活動費だけでおよそ二千四百万円が毎年支給されているのにだ。


 先の知事選で、四百三十四万票近くを集めた猪瀬直樹知事の人気を前に、議会はほぼ“オール与党化”の傾向を強めている。


 十二兆円を超す本年度予算案は、選挙戦で猪瀬知事を支えた自民、公明、日本維新の会の三党に加え、自主投票で臨んだ民主党さえ賛成して難なく成立した。


 新銀行東京の経営や築地市場の移転、東京五輪の招致といったかつてのような明確な対立軸は見えてこない。
政策論争が下火だけに投票率の低下が気がかりだ。


 とはいえ、身の回りには喫緊の課題が山積している。
待機児童の解消や高齢者施設の充実、首都直下地震への備えなどは急務だ。
民主主義を鍛える道具として常設型の住民投票条例も必要だ。


 知事の政策を追認するばかりの議会では、二元代表制を土台とする地方自治が機能不全に陥りかねない。

より良い行政づくりに向けて知事と緊張関係を保ち、切磋琢磨(せっさたくま)できる議員を送り込みたい。


 都議選での政党の浮沈は直後の国政選を占う指標となる。


 前回は自民党が大敗し、民主党が第一党に躍り出た。
翌月の衆院選での政権交代を先取りした形となった。
今回は自民党が第一党に復帰し、公明党と共に与党として過半数を制するかが焦点だ。


 安倍晋三政権が発足して初めての大型選挙でもある。
都議選の結果は参院選に跳ね返り、衆参ねじれ国会の行方をも左右し得るのだ。


 だからこそ、有権者は国政が抱える重要課題も併せてしっかり考えねばならない。


 憲法九六条改正は必要か。
脱原発・エネルギー政策をどう描くか。
アベノミクスに生活を委ねて大丈夫か。
安倍政権の信を問う役割をも担っていると自覚したい。


 東京を変える。そして東京から国を変える。そんな実力を持った候補者を見抜いて投票しよう。

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次官内定の村木氏、本当に悲劇のヒロインなのか

次官内定の村木氏、本当に悲劇のヒロインなのか
2013年06月15日 21:55 ゲンダイネット更新

 政府は14日、厚労省の金子順一次官を退任させ、後任に村木厚子社会・援護局長を充てる人事を固めた。
女性の事務次官就任は、97年の松原亘子・旧労働事務次官以来2人目。

村木氏といえば、09年の郵便不正事件で大阪地検特捜部に逮捕、起訴されたものの、後に証拠品が改ざんされていたことが発覚。裁判で無罪が確定した。

 新聞テレビは、村木次官誕生について「女性の登用」を掲げる安倍政権の象徴のように報じているが、果たしてそうなのか。
村木氏は、冤罪事件の被害者ということで、霞が関でも“アンタッチャブル”の存在だが、そこは高級官僚でもある。
これまでも財政難を錦の御旗に数々の「弱者イジメ」政策に携わってきた猛女なのだ。

「05年に成立した悪名高き『障害者自立支援法』はその代表例です。
社会保障費を抑えるために導入された法律で、障害者に応益負担の原則を求める内容です。
中心になって関わったのが、当時、社会・援護局障害保健福祉部企画課長だった村木氏。
この法律の問題は、障害者に提供されるサービスを社会保障ではなく、保険と考えていること。
つまり、サービスを利用するなら相応のカネを払え――ということです。

 しかし、生まれつきや不慮の事故、病気などで障害者になった人の多くは働くことができず、無収入です。
『応益負担』など無理な話で、本来、そういう社会弱者に対する社会保障制度を充実させるのが国の役目。
それなのに村木氏は正反対の法律を作ったのです」(障害者団体関係者)

◆裏にシタタカな政府の深謀

 障害者自立支援法は08年から09年にかけて全国で違憲訴訟が続出。
10年に原告と政府・与党の間で「和解」となったものの、結局、法律の「一部改正」でウヤムヤに。
そのころ、村木氏は逮捕→無罪で「時の人」になったが、職場復帰すると社会・援護局長に就き、これまた「改悪」と批判噴出の「生活保護法改正」に走り回っている。

「今国会で審議された法案の中でも、改正生活保護法は侃々諤々(かんかんがくがく)となった。
露骨な弱者切りだからです。

この法案は村木さんが作ったのではなく、たまたま国会審議中に局長になって、答弁の役回りになっただけのこと。
とはいえ、“アンタッチャブル”な存在の村木氏を登用し、野党や国民からの反発をかわそうという下心は見えます。
今回の事務次官起用人事も、今後の焦点となる社会保障費抑制の世論からの批判を避けたい狙いがあるのではないか」(野党国会議員)

 いつまでも悲劇のヒロイン扱いしていると、国民は痛い目に遭うかもしれない。
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2013年06月17日

安倍さん、「左翼」って何ですか?

安倍さん、「左翼」って何ですか? 
2013年6月16日   朝日新聞デジタル 
(政治断簡)論説委員・松下秀雄

 安倍晋三首相のフェイスブックをみて驚いた。
東京都議選告示前の9日、渋谷で行った街頭演説について、首相はこう書いていた。


 「聴衆の中に左翼の人達が入って来ていて、マイクと太鼓で憎しみ込めて(笑)がなって一生懸命演説妨害してました」。
さらに、その「左翼の人達」を「恥ずかしい大人の代表」と断じている。


 一国の首相としては、ずいぶん激しい言葉だ。


 何があったのか。ネットで映像を探してみる。

 ハチ公前を埋め尽くす聴衆の傍らで、TPP(環太平洋経済連携協定)反対、自民はうそつき、などと抗議する人たち。首相は車の上から「選挙妨害」「恥ずかしい行為」と難じている。
    *

 抗議の声の主は「TPPを断固拒否する国民行動」。
呼びかけた都内の会社員、小吹伸一さん(44)に聞いてみた。
市民に訴えようと以前から告知していた演説会で、当日、そこに首相が来るとは思ってもいなかったという。


 あなたがたは左翼ですか?

 「左翼じゃありません。参加者はサラリーマンや主婦、非正規雇用の人、職人、レゲエのDJといった雑多な人たちです」


 ゆきすぎたグローバル化反対、といった主張は保守に通じるところもあるようにみえます。


 「『日本を守ろう』と唱えているのだから、その意味では保守的かな。ぼくたちが共通して思っているのは、弱肉強食の競争社会にすべきではないということです


 安倍首相をどう思います?

 「偽物の保守だと思う。
中国や韓国にはタカ派のポーズをとっても、米国には自分から譲る。
日本を守る人の行動じゃない


 聞いていると、どっちが保守かわからなくなる。
「行動」の映像には、日の丸を手に愛国の意味を説く参加者も映っている。

    *
 いまの時代、左右を分けて論じることに、どれほどの意味があるだろう。


 朝日新聞を左翼と呼ぶ人もいるが、私は共産主義者でも社会主義者でもない。
国やふるさとを愛するのも、人に無理強いするのでなければ、すてきなことだと思う。歴史を直視しようと唱える人は自民党にもいる。左右の境界はぼやけている。


 私が注目するのは「愛国」の実態だ。
それは自国への愛情か、隣国や隣人への憎悪か。
どちらに傾くかで、社会の健全さがわかる気がするからだ。


 フェイスブックの話に戻ろう。
首相の激しい言葉のあと、何百もの市民の投稿が続く。
隣国や在日韓国・朝鮮人、「左翼」への憎悪の表現がなんと多いことか。

 負の感情を生みやすい「生きづらさ」を緩める。
対立をあおらない。社会を癒やし、亀裂を埋めるのが政治の役割ではないのか。

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2013年06月18日

安倍首相 異常で異様な言論弾圧

安倍首相 異常で異様な言論弾圧
2013年6月15日 :ゲンダイネット掲載

野党はなぜ黙っているのか!?

<元外交官の論評に逆ギレ>

 コイツ、大丈夫なのか。
誰もが唖然としたのが安倍首相のフェイスブックだ。
元外務審議官の田中均氏のインタビュー記事(12日付毎日新聞)に激高し、フェイスブックに「彼に外交を語る資格はありません」と書き込んだ一件である。

 田中均氏といえば、2002年の小泉訪朝の際に、北とのパイプ役になった人物だ。
北との融和路線を模索し、日朝共同宣言を後押しした。
強硬路線だった安倍とは当時から対立しているのだが、それにしたって、安倍の過剰反応にはビックリしてしまう。
田中氏が語ったのはごくごく当たり前の論評だからだ。

「安倍晋三首相の侵略の定義や河野談話、村山談話をそのまま継承するわけではないという発言や、麻生副総理らの靖国参拝、日本維新の会の橋下徹共同代表の従軍慰安婦についての発言などで、(日本は)いわゆる右傾化が進んでいると思われだしている」

「飯島さんの訪朝がスタンドプレーだとは言わないが、そう見られてはいけない」

「日本が自己中心的な、偏狭なナショナリズムによって動く国だというレッテルを貼られかねない」

 別に田中氏の肩を持つわけじゃないが、主張はいちいち、もっともだし、的外れであったとしても、言論の自由だ。
なのに、安倍は「外交を語る資格がない」と田中の言論活動そのものを否定した。「外交官として決定的判断ミス(をした)」とも書き込み、ヒステリックに騒いだ。これはどう考えたって異常だ。

「安倍さんは興奮すると、抑えられなくなってしまう。とくに中国、北朝鮮にはナーバスで、“脅しに屈しない”などと騒いだりする。今度も、そんな危うさが見えてしまった」

 与党関係者ですら、こう言っているのだ。
当の田中氏にコメントを求めると、「この件では取材に対応しないことにしている」とスタッフが答えた。

元外交官の天木直人氏はこう言った。
「言論を否定するような書き込みは論外ですが、安倍首相にしてみれば、痛いところを突かれたのも間違いない。
本当は飯島訪朝で拉致問題を進展させたかったのに米国に釘を刺されて、動けなくなった。
そこをよりによって拉致問題で対立してきた田中氏に突かれたものだから、余計に冷静さを失ったのでしょう」

 いずれにしたって、安倍の書き込みは致命傷だ。
世界はますます、奇異の目で見るだろうし、野党は国会で徹底追及し、平気で言論弾圧する最高権力者を追放しなければウソである。
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安倍首相にささやかれる“もう一つの病”

安倍首相にささやかれる“もう一つの病”
2013年6月17日 日刊ゲンダイ掲載

こりゃ鑑定した方がいい

 安倍首相に対して不安の声が広がっている。
よほど余裕を失っているのか、ちょっと批判されただけで、相手構わず、片っ端から反論攻撃しはじめているからだ。
精神を病んでいるのではないか――。
そんな声まで上がりはじめている。

「聴衆の中に左翼の人達が入って来ていて、マイクと太鼓で憎しみ込めて(笑)がなって一生懸命演説妨害してました」――。
今月9日、安倍晋三首相が自身のフェイスブックにこう書き込んだ一件が注目されている。
渋谷駅前で街頭演説を行ったところ、現場にいたTPP反対のグループに批判されたため、ネットで反撃したのだ。

 首相が批判への反撃に躍起になったのはこれだけではない。
先週、元外務審議官の田中均氏に外交政策を批判された際は、11年前の田中氏の言動を持ち出して「外交官として決定的判断ミス」
「彼に外交を語る資格はありません」とこき下ろした。

 NHKにイチャモンをつけたこともあった。
「メキシコの様な親日的な国との首脳会談は、NHKも報道しないので、フェイスブックでお知らせします」と投稿。
ところがすでに報じていたことが分かり、「失礼しました」と訂正して赤っ恥をかいたのだ。

首相がどうかしているのは、事実関係も確認せずに相手を攻撃していることです。

たとえば首相は自分の演説を妨害するために左翼集団が渋谷まで来たと思ったようですが、市民団体の集会はもともと予定されていたもので、首相の方が後から乗り込んできたのが実情です。
それに彼らは左翼集団でもない。
メキシコの件だってNHKはきちんと報じている。
被害者意識が強すぎます」(政界関係者)

<気に入らない相手、ちょっとした批判にムキになって反論攻撃>

 この人の頭の中はどうなっているのか。
「北朝鮮のトップと同じ精神構造。
一種の攻撃型パーソナリティー障害です」と分析するのは明大講師の関修氏(心理学)だ。

「安倍さんの中には善と悪の2つしかないのです。
自分は正義を行う善、逆らう人は『左翼』という名の悪という考え。中間はいません。


北朝鮮が周辺諸国を威圧するように、安倍さんも反対勢力をすべて『左翼』とみなして攻撃し続けないと不安でしょうがない。
なぜなら今の人気が脆弱(ぜいじゃく)であることを知っているからです。
だから独裁政権にしたい。
そのためには今後も左翼呼ばわりはやめませんよ」

 北朝鮮を目の敵にしてきた印象の強い安倍首相が、実は金正恩と同じメンタリティーとは皮肉な話ではないか。

安倍さんはもともと自分に自信を持てず、気持ちに余裕がないのです。
だからほかの政治家みたいに批判的な意見に静かに耳を傾けることができない。
打たれ弱い性格なので、政策がつまずき支持率が落ちたら、また政権を放り投げるでしょう。
粘り腰で努力して責任を取ることはできないタイプ。
国民より、自分がかわいいからです」(関修氏)

 こんな人物に60%もの支持率。日本人は破滅の道を突っ走っているのか。
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2013年06月19日

「ありがとう」は疲れ癒やす 

香山リカのココロの万華鏡:「ありがとう」は疲れ癒やす
毎日新聞 2013年06月18日 東京地方版

 医療の仕事は大変だが、とても幸せな仕事だと思う。
それは「安定しているから」とか「収入が高いから」ではなくて、「患者さんや家族から直接『ありがとう』と言われるから」である。


 例えば、患者さんに「頭が痛くて」と言われ、診察の後に鎮痛薬を処方して、それがよく効いたとしよう。
そして、次の診察でその患者さんが「あのクスリで頭痛がピタリと治まった。
先生、ありがとう」と感謝を伝えてくれたとする。
こちらはいい気分になり、「私も腕が上がったな」などとひそかに悦に入るかもしれない。


 しかし、私は処方箋を書いただけで、一番感謝されるべきは「鎮痛薬を開発した人」だろう。
あるいは、その薬を製造した工場の人や薬局まで運んだドライバー、薬局で袋に詰めて患者さんに渡した薬剤師ら、関わっている人は他にも大勢いる。

その人たちも本来は「頭痛がよくなり助かりました」と感謝の言葉を伝えられてもいいはずだが、そういう機会はまずないだろう。


 「ありがとう」と言われるのと言われないのとで、そんなに違いがあるの、と思う人もいるかもしれないが、それが大違いなのだ。
同じストレスを受けても「お疲れさま」「よくやりましたね」と言われる場合と、まったく言われない場合とでは、その後の心身の回復には大きな差があるという医学的な仮説もある。
もっとわかりやすく言えば、「感謝は疲れを癒やす」のである。


 医師、看護師など直接、患者さんに向き合う仕事は、どんなに疲れていても「ありがとう、ラクになりました」と言われれば、心が満足感でいっぱいになり、「明日もがんばろう」という気にもなる。

だから、とても幸せな仕事だと言えるのだ。
そして、他の仕事や家事、介護に携わる人たちも、もっともっと「ありがとう」「いつもお疲れさま」「あなたの仕事で助かってますよ」と言われる機会が増えればいいのに、と思う。


 その前に私自身も反省しなければならない。
私は患者さんたちから感謝の言葉を伝えられるが、毎日、いろいろな仕事の人たちに「ありがとう」と言ったり、感謝の思いを持ったりしているだろうか。
決してそうとは言い切れない。
世の中には無数の仕事があって、そこで働く人たちがいるから私たちは毎日、こうして快適に生活できている。

それを忘れずに誰もが「みなさん、ありがとう」とつぶやきながら暮らせたら、もっと世の中のストレスも減るはずだ。

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右翼と言えない弱者いじめ

【右翼と言えない弱者いじめ】
<ヘイトスピーチ>法規制は言論の萎縮に 
       民族派団体「一水会」代表・木村三浩氏

(共同通信)2013/06/17 17:33

東京・新大久保などでの排外主義デモは「ネット右翼」が行っていると理解されているが。


 「領土問題を持ち出して韓国を批判するという点では『右翼的』と言えるが、その行動原理は右翼とは全く言えない。
例えば、右翼は日教組という組織を『偏向教育をやめろ』と具体的に批判して抗議活動をする。
しかし、『在日特権を許さない市民の会』(在特会)などがやっているのは、無差別に韓国人が多い地域の街頭で『死ね』『出て行け』といった言葉を放つことだけ。

世の不条理や既成権力と正面から向き合うという覚悟もなく、弱い者いじめの言動に終始している」


―デモでは日の丸も掲げられる。


 「日本には『和をもって貴しとなす』との精神があり、日の丸はその象徴。
そうした日の丸の前でヘイトスピーチ(憎悪発言)を行うのは、品位を著しく欠いた不届き者の行為だ。
そこには大義もなく、右翼思想としての鍛錬もない。
他人から認められたいという矮小(わいしょう)化された身勝手な承認願望だけが浮かび上がる。
本当に日の丸を掲げ、背負っていくだけの資格があるのか」


―日本と韓国、北朝鮮との現在の緊張関係を反映しているのか。


 「口汚くののしり、騒ぎ立てればいいという軽い発想しか感じ取れない。
韓国や北朝鮮との政治的対立について、それを批判すること自体は何の問題もない。
しかし『良い朝鮮人も悪い朝鮮人も皆殺し』などといった発言に対し、いったいどれだけの共感が得られるというのか。
大部分の人は不快感しか抱かない。

ネットの普及により、第三者の評価を受けずに自己の感情をそのまま表現できる場が生まれ、言論の質や内容が著しく低下した。
それを、そのまま路上で行っているのがヘイトスピーチだ」


―ネット右翼と呼ぶより単にレイシスト(人種差別主義者)と呼ぶべきか。


 「右翼の名に値しないおぞましい集団だが、本物のレイシストは、もっと理論武装して冷徹な行動をとる。
表面的に人種差別的な行動はとっていても、本質的にはレイシストではなく、いわば疑似レイシストだと考えている」


―ヘイトスピーチに法規制は必要か。


 「そうした意見が出てくるのは理解できるが、反対だ。
法律を掲げて国家権力が出張ってくれば、むしろ言論を萎縮させることにもつながる。
拡大解釈によって、政治家への抗議活動も規制されるようなことにもなりかねない。
また、法律をあえて破り、規制をかいくぐった陰湿な攻撃を仕掛けてくる集団が出てくるかもしれない。
結局はマイナス効果の方が大きいのではないか


―欧米などでは法規制がある。
ドイツなどでは憎悪犯罪としてただちに処罰される。


 「法規制のある国は、そもそも日本とは比べものにならないほど根深い人種間の対立がある。
社会の出発点と現在の状況が大きく異なるので、単純な比較はできない」


―では、どう対処すべきか

  「在特会などの主張がいかに荒唐無稽で恥ずべきものかを、社会全体で知らしめることが重要だ。
『こんな行動をとっても無意味で無駄だ』という自覚を促す。
徹底的に無視するのも一つの手段だろう。
そうなれば、自然と消滅していくのではないか」

   ×   ×

 きむら・みつひろ
 56年東京都生まれ。慶応大卒。
反米愛国などを掲げた新右翼「統一戦線義勇軍」初代議長などを経て2000年から現職。
著書に「右翼はおわってねぇぞ!」など。

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2013年06月20日

批判を受けた時こそ…

批判を受けた時こそ…
2013年6月19日 東京新聞「私設・論説室から」

 なぜ、こんな言い方しかできないのだろう。
なぜ、多くの人々の心に伝わるような話し方をしないのだろう。
問題が起きて当事者が釈明する会見を聞いていると、しばしばそう思う。

批判を受けて苦しいのはわかるが、最初からけんか腰になったり、切り口上で建前を繰り返すだけでは、かえって不信を増幅するばかりではないか。


 統一球問題が表に出て日本野球機構が開いた会見もそうだった。

現場で一部始終を見守っていたのだが、加藤良三コミッショナーは終始険しい表情、とがった声音を変えず、まるで吐き捨てるような調子で発言していた。
「私は知らなかった」「これは不祥事ではない」という主張もさることながら、そもそもそんな対応では真剣に耳を傾けようとする気もうせてしまう。
ファンや関係者に対して誠実に説明する義務を負う立場なのだ。
責任あるトップのとるべき態度とは到底言えない。


 全日本柔道連盟の上村春樹会長にもそれを感じる。
不祥事が相次ぐ中で会長の座にとどまり続けるのはなぜなのか。
こちらの会見でも、当然の疑問に真摯(しんし)にこたえようという様子は見えないように思う。

 もっとも、こんな見方もできるかもしれない。
批判を受けた時こそ、その人物の器量がわかる。
責任ある組織の長としてふさわしいかどうか、それこそ一目瞭然なのだ。
 

  (佐藤 次郎)
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沖縄にとって「6月23日」とは?

なるほど:沖縄にとって「6月23日」とは?
毎日小学生新聞 2013年06月20日

 23日(にち)は「沖縄慰霊(おきなわいれい)の日(ひ)」です。
この日(ひ)には毎年(まいとし)、沖縄県糸満市摩文仁(おきなわけんいとまんしまぶに)にある平和祈念公園(へいわきねんこうえん)にたくさんの人(ひと)が集(あつ)まって式典(しきてん)が開(ひら)かれます。
一体何(いったいなに)があった日(ひ)で、みんな何(なん)のために祈(いの)っているのでしょうか。
【文(ぶん)・竹花周(たけはなしゅう))】

◇ポイント

<1>沖縄戦(おきなわせん)で組織的(そしきてき)な戦(たたか)いが終(お)わった日(ひ)
<2>20万人(まんにん)を超(こ)える人(ひと)が亡(な)くなった
<3>死者(ししゃ)の半数近(はんすうちか)くが一般(いっぱん)の島民(とうみん)だった
<4>毎年(まいとし)、追悼(ついとう)の式典(しきてん)が開(ひら)かれている

◇沖縄(おきなわ)で組織的(そしきてき)な戦(たたか)いが終(お)わった日(ひ)

 太平洋戦争(たいへいようせんそう)が終(お)わる直前(ちょくぜん)、1945年(ねん)3月(がつ)26日(にち)にアメリカ軍(ぐん)が沖縄本島西側(おきなわほんとうにしがわ)の慶良間列島(けらまれっとう)に上陸(じょうりく)して沖縄戦(おきなわせん)が始(はじ)まりました。

島民(とうみん)を巻(ま)き込(こ)んだ3か月近(げつちか)い激戦(げきせん)の末(すえ)、旧日本軍(きゅうにほんぐん)を指揮(しき)していた牛島満中将(うしじまみつるちゅうじょう)が1945年(ねん)6月(がつ)23日未明(にちみめい)、摩文仁(まぶに)の洞窟(どうくつ)で自決(じけつ)(自殺(じさつ))しました。

沖縄(おきなわ)ではこの日(ひ)を旧日本軍(きゅうにほんぐん)の組織的(そしきてき)な戦(たたか)いが終(お)わった節目(ふしめ)ととらえ、戦争(せんそう)で亡(な)くなった人(ひと)の霊(れい)を慰(なぐさ)め平和(へいわ)を祈(いの)るための特別(とくべつ)な日(ひ)としてきたのです。

沖縄(おきなわ)がアメリカに占領(せんりょう)されている間(あいだ)は琉球政府(りゅうきゅうせいふ)が休日(きゅうじつ)と定(さだ)め、72年(ねん)に日本(にっぽん)に返還(へんかん)されてからも、学校(がっこう)はもちろん、県(けん)や市町村(しちょうそん)の役所(やくしょ)も休(やす)みになっています。91年(ねん)には、県(けん)が独自(どくじ)に条例(じょうれい)で休日(きゅうじつ)と定(さだ)めました。

◇沖縄戦(おきなわせん)では20万人(まんにん)も亡(な)くなった

 もっとも牛島中将(うしじまちゅうじょう)は自決(じけつ)する前(まえ)、部下(ぶか)に「最後(さいご)まで戦(たたか)え」と命(めい)じていたので、実際(じっさい)には戦(たたか)いはその後(ご)も続(つづ)きました。

「降参(こうさん)します」という文書(ぶんしょ)に沖縄(おきなわ)の旧日本軍(きゅうにほんぐん)がサインしたのは、終戦(しゅうせん)(8月(がつ)15日(にち))後の9月7日(がつなのか)。
(その間(かん)も、数多(かずおお)くの命(いのち)が失(うしな)われていったのです。

沖縄県(おきなわけん)の調(しら)べでは、沖縄戦(おきなわせん)で亡(な)くなったのはアメリカ兵(へい)も含(ふく)め約(やく)20万人(まんにん)。

うち沖縄出身者(おきなわしゅっしんしゃ)は、半数(はんすう)を超(こ)える約(やく)12万人(まんにん)にのぼります。
しかも、なんとその7割以上(わりいじょう)にあたる約(やく)9万(まん)4000人(にん)が、軍人(ぐんじん)ではない一般島民(いっぱんとうみん)でした。

◇悲惨(ひさん)な集団自決(しゅうだんじけつ)が繰(く)り返(かえ)された

 アメリカ軍(ぐん)は沖縄(おきなわ)の地形(ちけい)が変(か)わるほどすさまじく砲弾(ほうだん)を撃(う)ち込(こ)んだので、その様子(ようす)は「鉄(てつ)の暴風(ぼうふう)」と言(い)われました。

焼(や)け出(だ)された多(おお)くの住民(じゅうみん)は、ガマと呼(よ)ばれる洞窟(どうくつ)に逃(に)げ込(こ)んで隠(かく)れて暮(く)らすしかありませんでした。

でも後(あと)から来(き)た旧日本軍(きゅうにほんぐん)に追(お)い出(だ)されたり、アメリカ軍(ぐん)に追(お)い立(た)てられたりして逃(に)げ惑(まど)い、最後(さいご)は行(い)き場(ば)がなくなって手投(てな)げ弾(だん)などで集団自決(しゅうだんじけつ)するケースが後(あと)を絶(た)ちませんでした。

集団自決(しゅうだんじけつ)で亡(な)くなった人(ひと)の数(かず)は、諸説(しょせつ)ありますが、沖縄戦(おきなわせん)での一般島民死者(いっぱんとうみんししゃ)の1%あまりにあたる1000人以上(にんいじょう)と主張(しゅちょう)する人(ひと)もいます。

◇式典(しきてん)ではすべての死者(ししゃ)の霊(れい)を悼(いた)む

 毎年(まいとし)この日(ひ)は、激戦場(げきせんじょう)だった摩文仁(まぶに)に作(つく)られた平和祈念公園(へいわきねんこうえん)で、県(けん)などが「沖縄全戦没者追悼式(おきなわぜんせんぼつしゃついとうしき)」を午前(ごぜん)11時(じ)50分(ぷん)から開(ひら)きます。

公園(こうえん)には「平和(へいわ)の礎(いしじ)」と呼(よ)ばれる石碑(せきひ)が並(なら)び、そこには国籍(こくせき)や軍人(ぐんじん)、民間人(みんかんじん)の区別(くべつ)なく、沖縄戦(おきなわせん)などで命(いのち)を落(お)としたすべての人(ひと)の名前(なまえ)が刻(きざ)まれています。

その数(かず)は昨年(さくねん)の式典(しきてん)の時点(じてん)で24万(まん)1167人(にん)。
今(いま)も増(ふ)え続(つづ)けています。

式典(しきてん)では正午(しょうご)から、世界(せかい)の平和(へいわ)を願(ねが)って1分間(ぷんかん)の黙(もく)とうがささげられます。
今年(ことし)は皆(みな)さんも、少(すこ)しでいいから沖縄(おきなわ)のことを考(かんが)えながら一緒(いっしょ)に祈(いの)ってみませんか。


●ひめゆり
学徒隊(がくとたい


 沖縄戦(おきなわせん)の際(さい)、看護師役(かんごしやく)として沖縄陸戦病院(おきなわりくせんびょういん)に動員(どういん)された、沖縄師範学校女子部(おきなわしはんがっこうじょしぶ)と県立第一高等女学校(けんりつだいいちこうとうじょがっこう)の生徒(せいと)222人(にん)(15〜19歳(さい))と教員(きょういん)18人(にん)のことをひめゆり学徒隊(がくとたい)と呼(よ)びます。

兵士(へいし)らとともに南(みなみ)へと移動(いどう)していき、戦(たたか)いが劣勢(れっせい)になった1945年(ねん)6月(がつ)18日(にち)に解散命令(かいさんめいれい)が出(で)ましたが、半数以上(はんすういじょう)が亡(な)くなりました。
翌年(よくとし)、糸満市(いとまんし)に慰霊塔(いれいとう)の「ひめゆりの塔(とう)」が建立(こんりゅう)され、沖縄戦(おきなわせん)の悲劇(ひげき)の象徴(しょうちょう)として映画(えいが)や小説(しょうせつ)の題材(だいざい)となりました。


●アメリカ
世(ゆー


 太平洋戦争(たいへいようせんそう)が終(お)わった後(あと)も、沖縄(おきなわ)は長(なが)くアメリカの占領支配下(せんりょうしはいか)に置(お)かれました。

アメリカは沖縄(おきなわ)に琉球政府(りゅうきゅうせいふ)を置(お)いて統治(とうち)しましたが、朝鮮戦争(ちょうせんせんそう)やベトナム戦争(せんそう)などで沖縄(おきなわ)の重要性(じゅうようせい)が増(ま)し、アメリカ軍(ぐん)が農地(のうち)を無理(むり)やり軍事基地(ぐんじきち)に変(か)えていったため、住民(じゅうみん)と対立(たいりつ)することもしばしばでした。

1969年(ねん)の日本(にっぽん)とアメリカの話(はな)し合(あ)いにより、72年(ねん)に日本(にっぽん)に返還(へんかん)されました。
沖縄(おきなわ)では、この27年間(ねんかん)の統治時代(とうちじだい)を「アメリカ世(ゆー)」と呼(よ)びます。

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2013年06月21日

生活保護法改正(改悪)案

生活保護法改正案
記者の目:遠藤拓(東京社会部)
毎日新聞 2013年06月19日 10時39分

◇現場の不安に向き合え


 新しい「最後のセーフティーネット」は、各地で相次ぐ餓死や孤立死といった悲劇を未然に防げるのだろうか。


 1950年の施行以来初となる生活保護法の抜本改正案が、終盤を迎えた国会で審議されている。
働く受給者への支援を手厚くして生活保護からの脱却を促す一方、親族の扶養義務を強調する内容だ。

厚生労働省は「必要な人に確実に保護を実施する考えを維持しつつ、制度が国民の信頼に応えられるようにする」と説明するが、改正案は受給者への締め付けを強めたような印象を受ける。
必要とする人が受けやすくなったとは言い難いのではないだろうか。

◇バッシング受け、受給者引き締め

 改正案の中身はこうだ。
就労による自立を促すため、生活保護から脱却した時点で支給する給付金を創設する。
保護の申請時には、扶養義務がある親族の状況を記した書面の提出を義務付ける。
自治体については、親族に扶養状況の報告を求めることを可能とし、親族の財産や収入に関する調査権限も拡大する−−。


 民法の規定により、両親や祖父母、子ども、孫といった直系血族と兄弟・姉妹には、互いの暮らしを助ける義務がある。

保護の要件ではないが、改正案ではこの扶養義務が大幅に強調されることになった。
また、改正案は受給者に健康保持や家計管理の努力義務を課し、安価な後発医薬品(ジェネリック)の利用を促すとともに、不正受給に対する罰則を引き上げている。


 受給者側を引き締める条文が並んだ背景には、昨春から続く「生活保護バッシング」があるのだろう。
芸能人が生活保護を受ける母親への扶養義務を果たさなかったことが、不正受給であるかのように批判され、自民党も生活保護に厳しい姿勢を打ち出した。
厚労省は法改正が締め付け一辺倒とならないよう模索してきたが、流れを変えるものにはならなかった。


 これに対し、当事者や支援団体の声は一様に切実だ。
「国は『最後のセーフティーネット』を刑務所に任せようとしているのか」。

改正案が閣議決定された5月17日、ドメスティックバイオレンス(DV)被害にあった元受給者の女性は首相官邸前で抗議した。
改正が実現すれば、DVから逃げた自分のような女性は、元夫との接点ができることをおそれて受給をあきらめ、食べるのに困って犯罪に手を染めてしまうかもしれないという趣旨だった。

「法改正により、窓口で申請を門前払いする『水際作戦』が強化される」。
多くの支援団体はそう指摘する。

厚労省は否定するが、私もNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の協力で、何度か生活保護の申請に同行した経験から、同じ危惧を抱く。
生きる糧を失った人々にとって、自治体のケースワーカーは生殺与奪の権を握った「絶対権力者」だ。
悪意はなくても、彼らが扶養義務を強調すれば、家族との関係がこじれた人に申請を自粛させるのはそう難しくない。

◇「弱者だけ排除」担当者も懸念

 意外なことに、自治体関係者も、改正案を必ずしも肯定的にはとらえていない。
「就労による自立促進は評価できるが、扶養義務に関して調べることが増え、ただでさえ人手が足りない職場をさらに忙しくする」。
ケースワーカーを指導する立場にある中核市の査察指導員の感想だ。

東京都区部のワーカー経験者は「悪意のある不正受給を察知できないまま、立場の弱い申請者だけが排除されるおそれがある」と警鐘を鳴らす。

ある県の関係者は「しゃくし定規に運用すれば、間違いなく水際作戦の強化につながる」と認めた。


 立場こそ違うが、受給者側と自治体側は法改正の影響をもろに受けることになる。だから思う。

厚労省は本当に、こうした現場からの声を法改正に生かそうとしたのか、と。

振り返れば受給者も自治体の実務担当者も、制度見直しを議論する社会保障審議会(厚労相の諮問機関)特別部会の委員に含まれていなかった。
制度の抜本見直しにはそれで事足りると判断したならば、残念だというほかない。


 生活保護受給者は3月時点で216万人超と過去最多を更新し続けている。
改正案とセットで国会審議が続く「生活困窮者自立支援法案」が成立し、一歩手前で踏みとどまる仕組みが整っても、生活保護の重要性は変わらない。


 厚労省は改正案成立をゴールと思わず現場の不安や懸念に向き合ってほしい。
張り替えた安全網が機能不全を起こすのを見たくはない。

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2013年06月22日

いじめ防止法 学校は真に変われるか

いじめ防止法 学校は真に変われるか
毎日新聞 2013年06月22日 02時32分「社説」

 いじめ防止対策推進法が成立した。
いじめは個別の特異な現象ではない。
誰にでも、どこにでも起きることと改めて肝に銘じ、取り組みを学校教育の活性化にも生かしたい。


 大津市の男子中学生の自殺など、学校現場で深刻ないじめと、その救済機能が十分働かない実態が相次いで明らかになり、対策が法制化されることになった。


 重大ないじめは学校から自治体首長らへの報告を義務づける。
学校は調査組織や相談体制を整え、法務局や警察とも連携する。調査には第三者の目を入れる。いじめた子には必要に応じて出席停止処分もする。


 こうしたことなどを挙げ、被害者の救済と教育を受ける権利の保障の視点から、学校、教育委員会、自治体、国などの責任の明確化と速やかな対処を強調する。


 ただ、いうまでもないが、この法がなかったから過去いじめ問題が相次いだというわけではない。

 これまでのいじめ、あるいは体罰問題では、見て見ぬふりや、悪ふざけ程度にしかとらえない安易なきめつけ、あるいはマイナス評価を恐れての隠蔽(いんぺい)など、制度以前に問われる過ちが各地で表面化した。


 一方、懸命に取り組む教員が要員不足や多忙事務にもはさまれて、孤立無援の状況に陥ることもある。


 隠蔽の場合、よく指摘されるのは「物言えぬ風土」という背景だ。

 法は学校に遅滞ない報告を義務づけるほか、いじめが起きても後の対処を「適正に評価」するとして報告を促す。


 だが、隠蔽的な体質はいじめに限定されて出るものではない。


 それは、学校運営のさまざまな面で、コミュニケーションや連携がうまくとれていないことの表れではないか。そうした視点も持ちたい。


 いじめ問題に取り組み、改善していくことは、学校教育全体のありようを考えさせることにもなる。


 たとえば信頼関係だ。
被害に苦しんでいたり、傍観者である自分に悩んでいたりする児童・生徒。その様子を見抜き、相談を受けてきちんと実情を聞き取るには、制度の前にふだんの信頼関係が必要だ。
被害、加害双方の側の保護者との関係でも同様だろう。


 こうした法や制度の本来の主眼は、総がかりで問題に当たる姿勢や仕組みでいじめを未然に防ぎ、初期に芽をつむことにある。


 文部科学省は今後、法に基づき「いじめ防止基本方針」を定め、地方自治体はこれを参考に「地方いじめ防止基本方針」を定める。


 細々とした規定より、取り組みやすい現場の態勢づくり、協力や情報共有の仕組みづくりにまず力点を置くべきではないか。

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室井佑月「安倍首相よ、女房の声に耳を傾けてみたら?

室井佑月「安倍首相よ、女房の声に耳を傾けてみたら?
※週刊朝日 2013年6月28日号
(更新 2013/6/21 11:30)

  福島第一原発事故を契機に注目度が高まった、
日本のエネルギー問題。
いまだ解決の道筋は見えないが、作家の室井佑月氏は安倍晋三首相に言いたいことがあるという。

*  *  *
 MSN産経ニュースによると、安倍晋三首相の昭恵夫人が6日に都内で講演し、「私は原発反対だ。(首相が)外に行って原発を売り込んでいるのに心が痛む」と語ったんだという。
なんだかあたしは、少し安心しちゃったな。
安倍首相のまわりにも、ちゃんとこういう意見の人がいるんだと思って。

 今の政府は、インドやトルコなどに日本の原発を売ろうとしている。
日本は2年前の東日本大震災で原発事故を起こし、その収束もうやむやなままなのに。
使用済み核燃料はどうする? 最終処分場は? てか、放射能はまだ漏れてるじゃん。

 福島の子供はこれまでに12人が甲状腺がんと診断され、さらに疑いのある子供が15人も出た。
通常、小児甲状腺がんが見つかるのは100万人に1〜2人程度。
福島の子供が甲状腺がんになる確率は、通常の85〜170倍だとする見方もある。

関東の鬼怒川支流で1万3300ベクレルの放射性物質を検出した、というのもニュースでやってた。
これについて、国土の20%が汚染されてしまったといっている人もいる。

 海外に原発を売るとき、こういう話はされているんだろうか。
それによって大金は手に入るだろうが、将来なにかがあったとき、責任は負えるんだろうか。

 その責任は今、行動を起こした人間が負うものじゃないかもしれない。
遠い将来、あたしたちの子供たちが背負わされるものかもしれない。
いいんだろうか。

 こういう話をすると、今、金を儲けなければ子供の将来も危うい、という人もいる。けれど昭恵夫人はこうもつづけた。
「(原発は)日本の大事な技術だと思う。
それは認めるが、原発に使っているお金の一部を新しいエネルギーの開発に使い、日本発のクリーンエネルギーを海外に売り込んだらもっといい
」と。

 女性らしい、すばらしい意見だと思った。
女は子供を産む性だから、今、そのときで将来を考えない。
将来とはあたしたちの子供、そのまた子供のことなのだと考える。
昭恵さんは子宝に恵まれなかったが、立派にこの国のお母さんだよ。

 安倍首相、最前線で今を戦っているのはわかるけど、女房の声にも耳を傾けてみたら?

 福島県漁業協同組合連合会と東京電力などの間で、福島第一原発の敷地内の地下水を海に放出するかどうかの話し合いがつづいている。
県漁連の組合長会議をネットで観たが、漁師さんたちの集まりだからか、男の人ばかりだった。
東電の説明者も男ばかりだし。両者とも家で女房に、「おまえはどう思う?」と聞いてみておくれ。賢明な答えが返ってくる気がする。

 いいや、この話は、東電や県漁連など一部だけでされてること自体がおかしいのであった。
海はつづいている。みんなのもの。子供だって知ってるさ。
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2013年06月23日

沖縄「慰霊の日:「命令とはいえ…」 元日本兵、「始末」を後悔

沖縄戦
命令とはいえ…」 元日本兵、「始末」を後悔
毎日新聞2013年06月22日10時59分
(最終更新 06月22日 13時00分)

   「全部始末せよ」。
上官の命令は絶対だった。
沖縄戦末期、米軍の激しい攻撃で追い込まれた旧日本軍の陣地。

陸軍の通信兵だった片山省(しょう)さん(90)=兵庫県洲本市=は負傷兵が休む小屋に手投げ弾を投げ込んだ。
米軍の捕虜となれば秘密が保てないと、信じて取った行動だった。

20万人の犠牲を出した沖縄戦の組織的戦闘が終わった23日、沖縄は「慰霊の日」を迎える

「命令とはいえ、えらいことをした」。
卒寿を迎えた今も、片山さんには68年前の出来事が心に重くのしかかる。


 「4月になれば『米軍が上陸したな』。
6月と聞くと『沖縄戦の終結やな』。
そりゃ、毎年そう思います」。
沖縄から遠く離れた淡路島。
片山さんは6年前に妻に先立たれ、独りで暮らす。


 1944年1月、徴兵で満州の陸軍部隊に入り、訓練を受けた。
9月、送られた先は沖縄。上官は「お前たちは玉砕要員だ」と言った。


 翌年4月、米軍が沖縄本島に上陸。
雨のように降り注ぐ砲弾の中、連絡文を手に部隊間を走った。
「毎日何十人と死んでいった。
ああ、今日は命があったと。
生きた心地がせんかった」


 6月中旬、本島南部に追い込まれた部隊に総攻撃の指示が下った。
「通信兵のお前らは全てを始末して撤退」。
それが上官の命令だった。


 「俺は歩けない。涼しい所に連れて行ってくれ」。
壕(ごう)に残った同じ隊の兵に頼まれた。
太ももを撃たれていた。壕を出て約50メートル引きずり、道端で手投げ弾を手渡した。


 壕の中の無線機や暗号機は全て破壊した。
近くには負傷兵を収容した小屋があった。
「生きてるのか、亡くなってるのか、何人いたかも分からない。
とにかく爆破せねばと」。手投げ弾を投げ入れた。
「爆発音は聞いていません。米軍がドンドン撃ってくるから。砲弾の嵐でした」


 糸満市の摩文仁(まぶに)の集落に着くと、敗走兵が集まっていた。
米軍が迫る。断崖で数日過ごし、考えた。
自決か、戦うか、投降か。

「司令官が自決したという話もあり、戦闘はもう終わったと感じた。
捕虜になるのは恥だが、今さら死ねんと思った」。
崖を降り、投降した。


 戦後、淡路島に戻り、定年まで中学校の教師を勤め上げた。
孫もできた。

定年後、沖縄を訪れ、「始末」を命じられた地に立ち、思った。
「あの時、みんな一緒に出て行って、捕虜になっていれば……。
むごいことをした。戦争はもう二度としちゃいかん」

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「島守」と慕われた(沖縄県)知事

週のはじめに考える「島守」と慕われた知事
2013年6月23日  東京新聞社説

 きょうは沖縄県の慰霊の日です。

激烈な地上戦で強いられた県民の犠牲を思うとき、「島守(しまもり)」と今も慕われる一人の知事を思い出さずにはいられません。


 島田叡(あきら)さん。
太平洋戦争末期、国内で唯一、住民を巻き込んだ大規模地上戦となった沖縄戦で散った、沖縄県最後の官選知事です。


 神戸市出身で東京帝国大学から内務省に入省した島田さんは主に警察畑を歩みます。
愛知県警察部長(現在の県警本部長に相当)、大阪府内政部長を経て、沖縄県知事就任の打診を受けます。
当時の知事は住民による選挙ではなく任命制でした。

◆死を覚悟した赴任

 一九四五年一月のことです。
すでに敗色は濃く、県庁のある那覇市も前年十月の大空襲で、市街地の大半が焼失していました。


 本土への進攻の途上、いずれ米軍が上陸し、地上戦の舞台となることが予想される、緊迫した戦況下での打診です。
死をも覚悟しなければなりません。


 いくら戦時中とはいえ断ることもできたでしょう。
しかし、大学野球のスター選手でスポーツマンだった島田さんには、逃げるに等しい選択肢はありませんでした。


 島田さんは赴任を即決し、その月の終わりには単身、沖縄県入りして、執務を開始します。

 戦時の知事として最も力を注いだのは県民の犠牲を最小限に食い止めることでした。
米軍の激しい攻撃にさらされながらも、県民の疎開と食糧の確保に尽力します。


 その仕事ぶりと人がらで、沖縄の人たちの信頼を得るまでに時間はかからなかったようです。


 四月に入ると米軍は沖縄本島への上陸を始め、日本の沖縄守備軍との間で激しい地上戦が展開されました。
しかし、物量に勝る米軍です。
守備軍は徐々に追い詰められ、南部へ撤退します。

◆「特別ノ御高配ヲ」

 島田さんも少数の県職員らとともに地下壕(ごう)を転々としながら南部に移動しますが、もはや県政の執行は困難です。
六月九日、県組織の解散を命じました。
命を無駄に投げ出さないように、と訓示して。


 沖縄戦では、海軍陸戦部隊を率いる大田実少将による海軍次官あて「沖縄県民斯(カ)ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」の打電が知られています。

 これは、本来報告すべき県組織がすでに通信手段を失っていたため、代わりに打電したものでした。

大田少将と島田さんとは「肝胆相照らす仲」だったといいます。
沖縄県民に対して後世特別の配慮を、というのは島田さんの願いでもあったのでしょう


 そして六月二十三日。
本島南部の摩文仁(現糸満市)に追い詰められた守備軍司令官の牛島満中将が自決し、日本軍の組織的戦闘は終わります。

島田さんもこの時期に摩文仁で最期を迎えたとみられますが、遺骨は見つかっていません。
四十三歳という若さでした。


 沖縄は、焦土と化した日本の中でも、原爆投下の広島、長崎とともに、特に大きな犠牲を強いられました。
約六十万県民の四分の一が亡くなったといわれています。


 日本の独立回復後も沖縄は七二年まで米軍統治下です。
「銃剣とブルドーザー」で土地が強制収用され、基地が造られていきます。


 本土復帰から四十年余りがたつ今も在日米軍基地の74%が沖縄に残り、県民は騒音や事故、米兵による事件など重い基地負担に苦しんでいます。

基本的人権の尊重をうたう日本国憲法よりも米兵らの法的特権を認めた日米地位協定が優先され、県民の人権が軽んじられるのが現状です。


 こうした状況の抜本的改善なくして、沖縄に本当の意味での「戦後」「復帰」は来ないのです。


 きょう、摩文仁の平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が開かれ、安倍晋三首相が出席します。
今年は外相、防衛相も初の参列です。


 沖縄に寄り添う姿勢を示し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への「県内移設」に県民の理解を得たいのでしょう。
でも、県内で基地をたらい回ししても、基地負担は減りません。

◆犠牲を強いる構図

 米軍基地の重い負担を沖縄に押し付け、平和という果実を本土が享受する構図は、本土防衛の時間稼ぎのために沖縄を「捨て石」にした先の大戦と同じです。


 摩文仁には戦後、島田さんや県職員を慰霊する「島守の塔」が建立されました。
島田さんは沖縄のために尽力した「島守」と、今も県民に慕われています。 


 その島田さんが、沖縄の現状を見たら、何と思うでしょう。

 すべての国民が、沖縄の痛みを自分のこととしてとらえ、その改善に少しでも前進しなければなりません。
それが、死を覚悟して沖縄に赴任した島田さんの思いに応えることになると思うのです。

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2013年06月24日

「首相は憲法哲学を」古賀誠氏インタビュー

首相は憲法哲学を」古賀誠氏インタビュー
2013年6月23日 琉球新報
(聞き手 沖田有吾)

 23日の沖縄全戦没者追悼式に出席するため来県している日本遺族会顧問の古賀誠自民党元幹事長(72)が22日、琉球新報のインタビューに応じた。

派閥の領袖を務め、昨年引退した党の重鎮だが、父をフィリピン・レイテ島で亡くした戦争遺族としても知られる。
2日付の共産党機関紙のインタビューに応じ、憲法改正の発議要件を緩和する96条改正に反対したことが話題を呼んだ。
改憲問題や沖縄への思いについて聞いた。

 −なぜ96条改正に反対するのか。

 「国政に携わる人が憲法をきちんと勉強し、研究するのは当たり前のことだ。
しかし改憲の発議要件を過半数にするなど、ルールを勝手に変更するのはあり得ないことだ。
最高法規のハードルが高いのは当然で、一般法と同じようにする必要は何もない

 「戦後の廃虚から今の日本になったのは平和憲法が根底にあったからだ。
主権在民、平和主義、基本的人権の尊重という三つの精神を絶対に忘れてはいけないというのが私の哲学だ。
日本には立派な憲法があり、他国が何十回改憲していようと関係ない」

 −沖縄戦の慰霊祭に参列する意味は。

 「レイテ島を2000年に初めて訪れた。
父の無念さと憤りの声なき声を聞いたような気がした。
毎年沖縄で6月23日を迎えると、同じようにあの戦争はなんだったのかという気持ちになる。
国民を犠牲にするのは政治の最大の貧困だ。
平和の大切さを忘れないよう命ある限り毎年来たい」

 −戦争記憶の風化が課題となっているが。

 「ナショナリズム的なことに国民は格好良さを感じるところはあるが、我慢して耐えて耐えて次の世代にこの国に平和を残していくために何が大切かを発信する必要がある。
戦争を知らない人たちにきちんと伝えないといけない」

 「安倍晋三首相は右傾化しているとか軍国主義だとか言われるが、批判するのではなく、われわれが発信することで、安倍さんに国や憲法に対する哲学をつくってもらえればと思う。
大事な時だから、言うことは言わないといけない
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精神疾患労災が過去最多

精神疾患労災が過去最多】
過労死防止法求める声 遺族訴え、議連結成も
共同通信  2013/06/24 14:53

 職場での対人関係やハラスメントなどが原因の精神疾患の労災認定が2012年度は過去最多となった。
専門家は「近年、若い世代の精神疾患が増えている」と指摘。
職場環境の悪化を背景に、過労死も後を絶たない。
遺族を中心に「過労死防止基本法」の制定を求める声が強まっており、国会議員が議連を結成する動きも出てきた。


 ▽若年層


 「どういう育ち方をしてきたんだ」「人間として腐っている」。
飲食店を展開する会社の社員で、東京都内のカフェで働く20代前半の女性は店長から何度も長時間 叱責 された。
客の前で、お盆で殴られたこともあった。


 昨年7月に入社。
接客の仕事は今でも好きだが、度重なる店長のパワーハラスメントで不眠になり勤務中に体調を崩すようになった。
「周りに迷惑がかかる」と我慢して働き続けたが、今年5月に入って心療内科で「適応障害」と診断され、6月休職に追い込まれた。


 厚生労働省の集計で12年度、心の病で労災認定されたのは前年度比150人増の475人。
申請も1275人と高止まり状態だ。
「嫌がらせやいじめ」「上司とのトラブル」「セクハラ」といったハラスメントが急増。
労働局の個別労働紛争解決制度への相談件数も、12年度はパワハラ関連が最多を記録した。


 今年で活動25年の「過労死110番」に携わってきた 川人博 弁護士は「近年は精神疾患の相談が半分以上で、20〜30代が多い」と明かす。
いわゆる「ブラック企業」で長時間労働や残業代不払いなど劣悪な環境にさらされ、あげく退職を迫られる若者たち。


 関西大の 森岡孝二教授(企業社会論)は「正社員の労働時間はバブル時から減っていない。
職場に余裕がなくなり、新入社員も即戦力として長時間労働を強いられている」と話す。


 ▽次の犠牲


 精神疾患による過労自殺(未遂を含む)の認定も過去最多の93人。
脳・心臓疾患による過労死も123人と依然多い。


 「もう夫は帰ってこないが、次の犠牲を出さないようにすることはできる」。
6月6日、東京・永田町で開かれた過労死防止基本法制定を求める集会。
介護施設勤務の夫を亡くした女性が切々と訴えた。


 遺族グループや弁護士、学者らが作成した法案に「過労死はあってはならない」と明記。
国に対し、職場での過労やストレスの実態を把握するための調査研究を求めた。


 昨年、住宅メーカー勤務で恒常的な長時間労働だった35歳の長男を亡くし、労災申請中の 安井敏一 さん(63)=大阪府藤井寺市=は「基本法は企業への一定の圧力になるはずだ」と強調する。


 ▽超党派


 遺族の訴えは、国際社会にも届いた。
国連の社会権規約委員会は今年5月、過労死や過労自殺の多発に「懸念」を表明、日本政府に防止のための立法や規制措置を取るよう勧告したのだ。


 国会議員も動き始めた。
6日の集会には代理の秘書も含め約50人が出席。
6月中旬に、自民、公明、民主など与野党9党の議員らが集まり、議連結成に向けメンバーを募る方針を確認した。


 中心的に関わっている民主党の泉健太衆院議員は「経済界の反発はあるかもしれない。
しかし過労死防止に焦点を絞り、超党派でもって理解を得たい」と話す。
早ければ今秋の臨時国会に法案を提出する考えだ。

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2013年06月25日

25日は朝鮮戦争の開戦から63年

余録:あす25日は朝鮮戦争の開戦から…
毎日新聞 2013年06月24日 02時00分

 あす25日は朝鮮戦争の開戦から63年になる日だ。
米軍占領下の日本の運命を激変させたこの戦争のことをもっと若者たちに知ってほしいが、近現代史教育の実情を見れば容易ではあるまい

▲戦場になった韓国での教育にはまた別の困難があるようだ。
先週、インターネットで見つけたニュースには仰天した。
ソウル新聞が高校生506人を対象に実施した調査で、約7割の生徒がこの戦争を「北侵」と回答したというのだ

▲これでは韓国が北朝鮮を先制攻撃したという話になってしまう。
実際にはソ連の支援を受けた北朝鮮軍の「南侵」だったことがソ連崩壊後の資料公開で確認済みなのに、史実に反する7割もの「北侵」回答はなぜなのか

▲この件で朴槿恵大統領は、左派系学者の影響があるとも言われる教育現場への不信がにじむ発言をした。
だが在京の韓国人記者やソウルの知人に尋ねると、違う種類の反応があった

▲「今どきの高校生は北侵、南侵なんて知らないのでは?」「言葉の意味が紛らわしくて、大人でも戸惑ったりする」「韓国史を入試の必修科目にしている大学はソウル大だけだ。
選択科目に選ぶ受験生も少ない」「先制攻撃したのは北か南かという設問なら大半は正答だったろう」

▲こんな話を聞けば韓国の高校生たちの「7割誤答」にもさほどの違和感がない。
もっとも朴大統領の見方も杞憂とは限らない。
北朝鮮はさっそく朴大統領を呼び捨てにした論評を発表し、大統領の発言を「民族反逆行為」などと非難した。
依然として朝鮮戦争は米国と結んだ韓国側からの「北侵」だったと強弁している。ため息が出るばかりだ。
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参議院戦、自公はどこまで減るか・・

私は今のマスコミ報道の 自公勝利などあり得ないと信じます。

彼らの傲慢さと民主主義の破壊勢力であることが 昨日・今日の参議院委員会ボイコットということで証明されました。

あと数日の会期なのに 「平田議長解任決議」の先行審議が先だと 屁理屈で委員会に出席しませんでした。

参議院厚生委員会委員長は、再三 与党と政府に出席要請をしましたが 応じませんでした。

今回私は、年金・障害者支援・生活保護・待機児童対策など重要課題が山積しているため 衆参の厚生委員会は 殆どネット中継でみていました。

政府委員がいなくても審議できる「丸川珠代厚生政務官」の労働者派遣会社のCM発言での「問責決議」を成立させたことが 良識の府の抵抗でしょう。

立憲民主主義・三権分立を蔑ろにした安部政権

参議院の自民党・公明党の出席拒否は 百歩ゆずって国会対策として黙認するとしても、行政府の内閣が 国会の出席要求を拒否することは、三権分立の立場からも認めるわけにはいきません。

どうせ 批判や問題点を追究されるのであれば 参議院の要請など無視して、衆議院で「みなし否決」→「再可決」でよいとでも居直っているのでしょうか・・・

与党がどうであれ、政府・行政は 真摯に委員会質疑に応じるべきなのです。
これは ファシズムともいえる危険な国会軽視です。

参議院選挙で大勝すればいい?

確かに世論調査やマスコミは 自公大勝としています。
今から 当落を 世論調査やマスコミ・御用学者などに予想されて、「有権者を馬鹿にするな!!」という気持ちになりませんか・・・・

自民党に何度も裏切られてきた支援団体の皆さん、今回も同じ過ちをするのですか。
創価学会の皆さん、「個人の苦難は 本尊への信心がたりない」と突き放され、弱者福祉の党ではなく 権力維持の手段と化した公明党を なぜ支持しなければならないのですか??

選挙権を放棄していた棄権者の方へ、私達の「国民主権」を実現する機会は 選挙権行使でしかできません。

本当の意味で 主権者として 議員・政党を選ぼうではありませんか?

今度の参議院議員選挙を 権力の監視のための良識の府「参議院」を守る上で みなさん一人一人に「国民主権」を行使していただきたいと思うのです。 

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2013年06月26日

内閣の憲法違反・疑義について

「最も恐れるべき罪は憲法に抵触すること」
みどりの会代表 谷岡郁子氏
2013年6月25日21時5分 朝日新聞デジタル

■谷岡郁子・みどりの風代表


 安倍晋三首相も私たち国会議員も、憲法99条によって憲法の擁護義務を課せられている。
私たちが最も恐れるべき罪は憲法に抵触すること。

(首相や閣僚が委員会審議に出席しないという)憲法違反、もしくはその疑義を看過するわけにはいかない。


 これを許すことによって憲法違反のハードルが低くなってしまえば、日本の立憲主義も法治主義もむちゃくちゃになる。

専制や人治主義の到来になってしまう。
これを国会会期末だから、と不問に付したら歴史の汚点になる。
(首相問責決議案を参院に提出後の記者会見で)



小だぬきみどりの風の議員の当選が危ぶまれています。
本来は 共産党の任務であるはずの 政策での共同行動を積み上げ、反TPPなどでの与野党の議員連盟結成の活動に大活躍。
民主党離党女子4名でスタートしました。
与党議員時代から「おかしいことはおかしい」「ダメなものはダメ」と切れ味のいい質問の数々。
大切に育てたい「みどりの風」です。

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衆参ねじれで働く「民主主義」

私は、今日の参議院本会議を見て 「平田議長不信任」案 否決、「安部首相問責決議」案 可決で
久しぶりに 参議院が「権力の暴走を食い止める防波堤」の役割を担ったと思います。

自公の与党議員は、マスコミのいう 「風」だとか「世論調査」で 優位だから 7月の参議院議員選挙で勝てると 選挙後の横暴の予行訓練を 参議院審議拒否・政府出席拒否でしたのでしょうが、
自公以外の 全野党を敵にしてしまい 野党議員にマスコミ予想を跳ね返し 選挙で勝つとの闘志に灯をつけてしまったのは誤算だったでしょう。

有権者の「考える仲間」のみなさん。参議院を衆議院のコピーにしてはなりません。

与野党のねじれ現象が、権力の横暴を阻止して 妥協点を探る「民主主義」の第一歩になるのです。マスコミ予想を 主権者の権利行使でハズさせようでは ありませんか・・・。

今、御用マスコミ・評論家・学者 総動員で 国政の安定のために「ねじれ解消」などと 大洗脳作戦にでていますが、安定・スピーディというのは 行政の思うがままの政治と同義語です。

「民主主義」は 少数意見や有権者の生活を守るためにも 話し合い妥協点を探す「時間」が必要な制度であることを忘れないようにしたいものです。(小だぬき)

**************************
また公認取り消し 自民党のユルすぎる“身体検査”

2013年6月26日 ゲンダイネット掲載

 26日で通常国会が閉じ、永田町は参院選モード全開。
そんな中、自民党にとっては幸先の悪いニュースだ。
安倍首相夫人の「アッキー案件」とされる候補者のひとりが、公認取り消しになることが分かった。
参院選の比例代表に立候補予定だったドッグトレーナーの田辺久人氏だ。

「昭恵夫人の関係ということで安易に公認してしまったのですが、週刊誌で教え子に対するパワハラやセクハラが報じられた。

過去には暴力団との交際もあったとされる。
党が調査したところ“どう考えてもアウト”ということになり、出馬辞退を勧告しました。
ところが本人がどうしても応じないため、公認を取り消すことになったのです」(自民党関係者)

 自民党は、つい先日も比例候補の田島みわ氏が出馬を取りやめたばかり。
暴力団関係者との交際報道が原因だった。
参院選まで1カ月を切ったこの時期になって、マル暴がらみで2人も公認取り消しなんて異例の事態だ。

 政治アナリストの伊藤惇夫氏が言う。
「それだけ
タガが緩んでいるということです。
高支持率に浮かれて何でもかんでも擁立し、身体検査もろくにしていないから、今になって公認取り消しなんてことが起こる。
昔の自民党でも、ここまでヒドイ公認候補選びはありませんでした。
有権者をナメているとしか思えませんね

 25日の閣議後会見では、「(都議選に)勝って兜の緒を締めよという気持ちが重要」(古屋拉致担当相)、「そのまま参院選に行くほど選挙は甘くない」(麻生財務相)、「即座に参院選の圧勝に結びつくわけではないので気を引き締めないといけない」(田村厚労相)などと
慢心を警戒する発言が相次いだ。
裏を返せば、それだけ党内が浮かれているということだ。

<党内は派閥争い>

 自民党の中堅議員が言う。

「党内は『参院選で勝つのは当たり前、それより選挙後の主導権争い』という雰囲気です。
秋の党役員人事や内閣改造をにらんで、派閥の綱引きが始まっている。
麻生派と大島派は合流を模索しているし、谷垣さんも自分のグループを立ち上げた。

参院選では新人議員の大幅増も予想されるため、各派は公認候補の囲い込みに躍起です。
中でも強引なのが二階派。『国土強靭化計画』の公共事業バラマキをエサに衆院1年生を取り込み、所帯は29人にまで増えています。
参院選の比例候補に田島みわ氏をゴリ押ししたのも二階さんだし、比例区の70歳定年制も無視して71歳の大日本猟友会会長を公認候補にネジ込みました」

 守れないなら何のためのルールなのかという話で、さすがに党内からも批判の声が上がったが、二階は素知らぬ顔。
内輪の会合では「トシが1つ多いくらい何なのか。本当にバカバカしい」「敵は党内にいる」などと拳を振り上げていたという。

「結局、
自民党は何ひとつ変わっていないということです。すっかり昔の派閥政治が復活し、くだらない派閥争いを始めている。
公認取り消しや定年制の形骸化で分かるように、自民党の参院選戦略だって内実はガタガタなのです。
それでも、
野党が分裂したままでは自民党が勝ってしまう。
それで痛い目に遭うのは国民ですよ
(伊藤惇夫氏=前出)

 
こんな党に参院選で大勝させて本当にいいのか。有権者はよーく考えた方がいい。
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2013年06月27日

被災者置き去りを許すな!!

被災者置き去りで「20年東京五輪」
            に突っ走る政治家と大マスコミ
2013年6月26日  ゲンダイネット掲載

ブラジルは「W杯よりインフラ整備を!」と100万人デモ

<招致費用75億円>

 サッカーのコンフェデ杯が行われているブラジルが揺れている。
ワールドカップ(W杯)優勝は史上最多の5度。そのサッカー王国では今、1年後のビッグイベントを控え、100万人規模の反政府デモの嵐が吹き荒れている。

 今回のデモは、サンパウロのバスや地下鉄運賃の値上げに端を発したものだが、政府が来年のW杯に150億ドル(約1兆4700億円)もの巨費をつぎ込むことに対し「税金の無駄遣いだ」「もっと病院や教育施設に使え」と激怒しているのだ。

 政治家の汚職や福祉の遅れなどへの不満も募らせているとはいえ、ブラジルの人たちは、「W杯よりインフラ整備を」と言って立ち上がり、死者まで出している。

この現状を、東京に五輪を招致しようと躍起になっている人たちはどう見ているのだろうか。

 わが国は2年前の東日本大震災により、死者、行方不明者は2万人を超えた。
原発事故の影響などもあり、今も31万人以上の人たちが仮設住宅などで避難生活を強いられ、福島県内の除染も遅れている。
家も職も命までも奪われた被災者の惨状には目をつぶり、国や都は75億円もの大金をつぎ込んで「東京に五輪を呼ぼう」と必死だ。

 スポーツライターの工藤健策氏が言う。
「震災直後は日本中が東北のことを考え、たくさんの人が募金したり、ボランティアをしたりした。
時間とともに波が引くように現地の人たちへの関心は薄れていった。
そもそも東京電力の福島原発は関東圏に電力を供給するためのもの。
せめて東京近郊に住んでいる人たちだけでも、被災者に関心を持ち続けるべきではないか。
自宅で何ら不自由のない生活をしながら『東京五輪に賛成』というのはない。
石原前都知事は16年東京五輪実現を目指し、150億円の費用を使った。
猪瀬現知事はその石原都政を継承し、20年五輪の招致に税金を使い続けている。今やるべきことは五輪を呼ぶことより、被災者の環境整備です。
そういう声が大きくならないのが不思議でならない」

<五輪よりカネを使うことが山ほどある>

 東京農大客員教授でスポーツファンの松野弘氏は、「国民が黙っているのはメディアの責任も大きい」と言う。

今のメディアは権力と癒着している。
政府批判をすべき大手メディアが国民の立場に立っていないから、政策批判をしない。
朝日、読売、毎日などの大手新聞、テレビは政府の広報機関になっている。

五輪よりカネを使うべきことは山ほどあるのに、東京五輪が実現すればメディアもおいしい思いができるから推進派になっている。

昔は学生運動が政策批判をしたものですが、今の日本人は政府ベッタリのメディアに去勢されてしまった」

 25日、国際オリンピック委員会(IOC)は、20年五輪招致を目指す東京、イスタンブール、マドリードの「評価報告書」を公表。
東京は選手村から半径8キロ圏内に会場の8割以上を配したコンパクトな計画や輸送、財政などで良好な評価を受けた。

 ちなみに、20年五輪が東京に決まれば、競技会場や選手村などの建設費だけでも約3900億円かかるそうだ。
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2013年06月28日

立候補する人々 ぼくらはみんな「泡沫」だ 

(論壇時評)作家・高橋源一郎 
映画「立候補」
立候補する人々 ぼくらはみんな「泡沫」だ
 
2013年6月27日  朝日デジタル

 映画の試写が終わり、テーマ曲が流れ出した。
あれ?と思ったら、涙が出て止まらない。
こんなの何年ぶりだろう。


 「立候補」は、いわゆる「泡沫(ほうまつ)候補」たちを扱ったドキュメンタリーだ。
彼らは、奇矯な格好で登場し、時には演説や政見放送で、突拍子もないことを言って、失笑されるだけの存在だ。
正直にいって、ぼくも、そんな風に思っていた。

だが、彼らの選挙運動を追いかけたこの映画を見て、ぼくの浅はかな考えは打ち砕かれた。
彼ら「泡沫候補」の方が、映画の中に出てくる「有力政治家」の橋下徹や安倍晋三よりずっとまともに見えたのだ。

 
登場人物のひとり、マック赤坂はこう書いている。

 「『泡沫』候補なんて、選挙にはいない! みんながそれぞれ確かな信念と政策を持って、命がけで立候補している」

 ラスト近く、総選挙投票前夜の秋葉原、マック赤坂は、安倍晋三の登場を待つ万余の群衆の前に現れる。
そして、すさまじい罵声や「帰れ!」コールを浴びながら、たった一人で踊り続ける。その姿を見ながら、ぼくは気づいた。
あそこで「ゴミ!」と群衆から罵倒されているのは、ぼくたち自身ではなかったろうか。


 ぼくたちは、この世界は変わるべきだと考える。
だが、自らが選挙に出ようとは思わない。
それは誰か他の人がやることだ、と思っているからだ。

いや、もしどんな組織にも属さないぼくたちが選挙に出たら「泡沫」と呼ばれ、バカにされることを知っているからだ。
そんなぼくたちの代わりに、彼らは選挙に出る。そして、侮蔑され、無視され、罵倒されるのである。


 想田和弘との対談で、都知事選にも出馬した宇都宮健児は「制度として、市民自らが政治に参加しようにも参加できない仕組みが構造化されている」と言い、たとえば、「世界一高い供託金」のルーツは1925年に制定された普通選挙法に行き着くが、それは「当時の無産政党の国政進出を阻むため」だったのだ、と指摘する。

市民団体が政治に進出しようとすれば供託金の問題に直面し、逆に、既成政党は多額の政党交付金を受ける。

いまの政治制度が誰のために存在しているかは一目瞭然だろう。

    *
 参議院選挙が近づいているせいなのか、首相の安倍晋三が、さまざまなマスコミに顔を出し、発言している。


 たとえば、「少子化、人口減少にどう取り組みますか?」という田原総一朗の質問に対し「『女性が輝く日本』、仕事と育児が両立でき、生き生きと活躍できる社会の構築を打ち出しました」と安倍は答える。
そして、それを読んだぼくは、なんだかひどく憂鬱(ゆううつ)になる。
本気かどうか疑わしいから? ちがう。
この人に代表される「政治家」のことばが、よそよそしく聞こえるからだ。


 半世紀以上前、作家の武田泰淳は、ある政治家のことばに触れ、こんなことを書いている。

 「叱っている彼から、叱られているぼくらへ一本の路が通っているばかりで、叱られる者から彼への路は、全くとざされている。
この断絶のはなはだしさは、たんに彼ばかりでなく、ある種の政治家の文章が、たえずぼくらの頭上におっかぶせる暗さ、重くるしさである。


 『どうしてこのような、悲しむべき断絶が、人間と人間のあいだに起りうるのであろうか。
そして、まだまだこのような断絶から、ぼくらはしばらく、解放されそうにない』と言う、あきらめに似た不透明な霧のようなものが、ぼくらを包んでいる」


 既成の政治(家)への「あきらめに似た不透明な霧のようなもの」に包まれて、棄権票は不気味に増えている。
では、ぼくたちはどうすればいいのか。


 「オッサンくさい政治はもう飽きた」といって結成された「全日本おばちゃん党」は、いわゆる政党ではなく、インターネット上に存在するグループだ。

「大阪維新の会が出した『維新八策』の生活感のなさにあきれ」、対案として(果物のハッサクをあしらったイラストをつけて)「はっさく」を発表。
そこでは、「力の弱いもん、声が小さいもんが大切にされる社会がええねん」と主張されている。
橋下大阪市長の「従軍慰安婦」発言にも敏感に反応し、彼の発言を素早く各国語に翻訳し公開した。

怒りではなくユーモアを尊び、「ふつう」の人たちの感覚から離れない。
けれども、彼女たちの活動も、世間の「常識」からは「泡沫」といわれるのだろう。

    *

 最後に、先頃亡くなった、なだいなださんのことを書く。
なださんとは、同じ審議会の委員として月に一度、お会いする間柄だった。
深い経験に裏打ちされたなださんが話された後では、他の人たちの話が(ぼくも含めて)すべて薄っぺらに聞こえて困った。
そのなださんは、晩年、インターネット上に「老人党」を作り、平易なことばで、発言を続けた。
なださんは、絶筆の一つで、手術のできない癌(がん)にかかっていると告白した後、こう書いている。


 「正直言うと、どうせ死ぬんだから、ふがいない政治、今の社会をいっそ見放してしまえ、と冷めた気持ちになることもないとは言えません。
だけど私はやはり、生きている間は社会に責任があると思っています」


 なださんは「泡沫」がやがて大きな「波」になることを夢見つつ亡くなられた。
さようなら。お疲れさまでした。

    *
 〈1〉映画「立候補」(藤岡利充監督、29日〜公開)
 〈2〉マック赤坂『何度踏みつけられても「最後に笑う人」になる88の絶対法則』(6月刊行)
 〈3〉宇都宮健児・想田和弘 対談「政治を変えるために『選挙』を変える」(世界7月号)
 〈4〉安倍晋三インタビュー「憲法改正、靖国参拝 今日は本音で語ります」(聞き手・田原総一朗、中央公論7月号)
 〈5〉武田泰淳「二人のロシア通」(『政治家の文章』所収)
 〈6〉出田阿生「愛と勇気とおばちゃんが世界を救う!」(世界7月号、全日本おばちゃん党のサイトはhttps://www.facebook.com/obachanparty)
 〈7〉なだいなだ「人生の終楽章だからこそ“逃げずに”生きたい」(中央公論6月号)
    ◇

 たかはし・げんいちろう 
1951年生まれ。明治学院大学教授。
近刊は小説『銀河鉄道の彼方(かなた)に』。

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「天」が うつ病退職を与えてくれた・・??

何か「天」が 鬱退職を与えてくれたような感謝の日々だと 今は思います。

退職を本気で考えたのは、休職中に精神障害2級の障害者手帳と障害年金2級が決まったこと。

休職前から 仕事(当時 支援級担任)と弟の所沢の防衛医大救急搬送で、川口と所沢、川崎の介助の日々による疲労蓄積、
どう理性的に受け取ろうとしてもパワ―ハラスメントとしか思えない校長の言動。

最初の精神科受診で主治医の管理職にたいする宣言「今 休ませないと自殺に走る恐れがある」ととった休職。
平気で教育委員会学務課の説明と違う手紙を校長は送り付け、ストレス対策で学務課が私と直通連絡をするようになる。

退職してから、弟の入院と転院・死、父の手術・入院・介助、母の腰椎骨折の介護と今日のような救急搬送。

今日は、母のディケアーの日だったことが幸いし 施設管理者には救急車手配などでお世話になりました。
施設で30分ほどリハビリしていたら 腹痛を訴え 血圧も安定せず 低下したとのこと。

原因は、脱水と宿便と夜から朝の食事の取り過ぎということで 心臓・血液検査では異常なし。

(トイレへ行くのが多くても便秘ぎみだったのと、朝父親の食欲がないというので 大き目のクロワッサン2個(両親用)を差し入れしていたのですが、それを夜 トイレに行くたびに2つとも食べ、その上 ディケアーに行く前に 食パンとおかずもたべたとのこと・・)

付き添い・母の自宅までの介助、薬局、また借りた入院着の返却と バタバタ。
どんなに憎まれ口を叩かれても 生きて欲しいと救急救命室をでるまで不安でした。

父の通院介助を妹に頼み、母の様子観察。

今は 早期退職して本当に良かったと思いました。

いつも疲れの反動は大きいのですが、何かあっても 他の人・家族のためなら 動ける自分を発見できるのは 一歩前進かな? と思います。
posted by 小だぬき at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | うつ病について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月29日

無風・しらけてはいられない参議院議員選挙

下記のような記事のように 私たち一人一人の有権者が「決意」すれば、自公勝利、参議院の衆議院コピー化を防ぐことができるのです。
「地殻変動は 可能なハズ」です。

共産党だけでなく 生活の党・みどりの風・みんなの党の現職は 絶対に参議院に戻したい。
生活の党の「森 ゆう子」新潟選挙区などは 是非 勝って欲しい。
みどりの風も 勝たせたい・・・・。

マスコミの洗脳「無風選挙」ではなく、「熱い選挙」にしましょう。

*************************
共産党 参院選も「大金星」の仰天情勢
2013年6月28日 日刊ゲンダイ掲載

選挙区で3議席獲得の可能性

 都議選で議席を8から17に倍増させた共産党。
満面の笑みの志位委員長は「自共対決の時代」と鼻息が荒い。

だが、さすがに都政と国政は違う。
小選挙区制の衆院選はもちろんのこと、参院選でも2001年を最後に共産党は選挙区で議席を獲得できていない。
今回もムリだろうと思ったら、想像以上の“地殻変動”が起きていた。

「参院選も都議選のような低投票率になりそうですから、共産党は選挙区でも3議席程度を獲得する可能性が出てきています。

自民党が行った最新の世論調査では、共産候補は東京(改選5議席)では4番目、大阪(改選4議席)でも4番目に入っていたそうです」(永田町関係者)

 東京と大阪に加えて、京都でもいい勝負になるという。

「東京では、現職を2人擁立する民主党が共倒れする可能性があり、みんなと維新の新人候補者は一定の知名度があるもののパッとしない。
票が分散し、共産が漁夫の利を得そうです。

自民、公明、維新、民主、共産の主要5党で4議席を争うことになる大阪でも、低迷する民主の間隙を縫って共産が浮上してきました。
改選2議席の京都はこれまで自民と民主で仲良く議席を分け合い、共産は圏外でしたが、今回はみんなと維新がそれぞれ候補を擁立したため大混戦。
当選ラインが大幅に下がりそうです。

京都は、過去に共産党府知事が出たほど、元来、共産が強い土地柄ですから、分かりませんよ」(前出の永田町関係者)

 民主が消費増税を先導し、維新やみんなは憲法96条改正に賛成。
安倍悪政と足並みを揃えているから、有権者にはこの3党は“対立軸”に見えない。で、共産党が批判票の受け皿になってしまうという構図なのだ。
政治評論家の野上忠興氏もこう言う。

「都議選を分析すると、組織票の戦いだったことがよく分かります。
自民は過去7回の国政選挙(比例)の平均の169万票より少ない163万票でした。公明も74万票に対し、10万票少ない64万票。
ところが共産は54万票に対し62万票でした。
つまり組織票にプラスアルファの自公批判票や民主批判票が上乗せされたと考えられます。
参院選でも同じことが起こるでしょう」

 自公圧勝予想に公示前からシラケムードの参院選。
驚きのニュースが共産の“大金星”ぐらいなら寂しすぎる。

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2013年06月30日

復興予算 デタラメ流用1兆円超

これを許していいのか お人好しの国民
2013年6月29日 日刊ゲンダイ掲載

<大震災復興のためと称して増税された所得税、住民税が官僚とヤクザに山分けされている>

 復興予算の流用がまた発覚した。
今度は電力会社の優遇策に消えていた。
28日付の朝日新聞がスッパ抜いたもので、原発停止による負担増の穴埋め策として、約100億円の復興予算を「基金」にプール。
電力会社が原発の代わりに火力発電所を稼働させる際、基金が新たな借り入れの利子分を肩代わりしていた。

 被災者を救うはずの税金を被災地をズタズタにした電力会社のために流用するとは、デタラメの極み。
原発事故の避難住民だけじゃなく、全国の納税者もこれを許していたらダメだ。

 復興予算の大半は臨時増税で賄われる。
今年1月から25年間もの長い間、所得税に税額の2.1%分が上乗せされ、さらに来年6月から10年間は住民税にも年1000円が加えられる。
震災復興のためと称して搾取されたカネを、こんな使い方をされたら腹の虫が治まらない。

 だいたい、政府は昨年秋に復興予算を「被災地以外では使わない」と決めたばかりだ。
自民党も野党時代には、沖縄の国道整備や反捕鯨団体の対策費などへの流用を批判していた。

 政権交代後に安倍政権は「5年で19兆円」という復興予算の枠を取り払って24兆円まで拡大。
根本復興相は「厳しく精査を行っている」と語ったが、その後も新たな流用はゾロゾロ。
復興予算のうち実に1兆1570億円が天下り法人や自治体が管理する「基金」に配られ、被災地以外で野放図に使われていた。

「特にヒドイのが、被災地以外の38都道府県の基金に渡った『震災等緊急雇用対応事業』です。
被災地向けの『緊急雇用』のはずが、雇われた被災者は全体の3%。
仕事の中身もゆるキャラやご当地アイドルのPR活動に、ウミガメを数える監視など、復興と無縁のものばかり。
こんなインチキ事業に約1085億円の復興予算が使われたのです」(野党関係者)

 安倍政権はこの問題で5月に参院決算委から警告決議を突きつけられた。
慌てて基金を運営する自治体や公益法人に、予算の執行停止と国庫への返還を指示したが、すでに手遅れ。
大半はすっかり使い切られ、わずかに残った金も「業者と契約済み」などと返還を渋られた。

 結局、戻ったのは1000億円ちょっとで、1兆円を超える復興予算がウヤムヤに消えてしまった。

「なぜ流用がまかり通るのか。
実態を明るみに出し、原因を徹底究明するのが納税者への務めです。

なのに安倍政権は今も流用実態にフタをし、ロクに調査も指示していません。
これでは流用を後押しするようなもの。
ただでさえ、基金に税金をプールされると、毎年の決算を免れ、チェックが届きにくい。
今後もひそかに流用される恐れは強いのです。

ここまでチェックが甘いと、目ざとい連中がかぎつけ、基金に巣くいかねません。
過去にも暴力団が基金を資金源として悪用した事件は多数あります」(流用問題を追及するジャーナリストの福場ひとみ氏)

 被災地のための血税を官僚とヤクザが山分けなんて冗談じゃない。
安倍は福島で参院選の第一声に臨む意向だが、「どのツラ下げて」と思えてくる。
posted by 小だぬき at 11:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする