2013年09月17日

ひとりを生きる:「終の住まい」将来、誰がお墓を見るのか=池田敏史子

ひとりを生きる:「終の住まい」
将来、誰がお墓を見るのか=池田敏史子
毎日新聞 2013年09月13日 東京地方版 

究極の「終(つい)の住まい」は、お墓かもしれない。
生前の住まい探しと同様に、亡くなった後の落ち着き先は大きなテーマになっている。


 先日、東京都立小平霊園で、樹林墓地の抽選があった。
その模様はさながら大学受験の合格発表のようで、喜ぶ人、落胆する人の表情がテレビで映し出されていた。
今年で2回目だが、今回も10倍の応募があったようだ。
生前に本人が埋葬を申し込むタイプがあり人気が高い。
お墓も自分で決めておく時代になった。


 一方で地方出身者が多い都市部住民は田舎に先祖の墓を抱えている。
将来誰も見る人がいなくなる墓地をどうするのか、悩む人も多いと思う。

我が家も千曲川を見下ろす長野の山の斜面に墓地がある。
半年は雪に埋もれ、夏場に行くとススキやハギ、ワレモコウなどに覆われ墓石は見えない。
それを刈り取りながら、景色はよいが、人影のないこの場所を終の住まいとするには寂しいと思う。
知らない先祖との同居にも遠慮があり、都市部で暮らす子供たちの負担も大きい。
かといって都市部にお墓を移せば、かなりの費用がかかるらしい。どうしたものか、まだ結論は出ていない。


 お墓に対する考え方も大きく変貌してきた。
今や一族の時代ではなく個の時代に入っている。
夫婦でも別々のお墓を希望する人も当たり前のようになった。
老後の暮らしと同様に、自分らしく生き、自分らしく葬られたいということだろう

 従って、遺骨の処理もさまざまで、お墓なしで散骨を希望する人も年々増えているようだ。
また、関西には納められた遺骨で10年ごとに仏様を一体つくる寺があり、毎日遺骨を抱えた人の行列ができているそうだ。

共同墓地のスタイルもさまざまで、埋葬希望者が生前に交流を深める女性専用の墓地もある。
共同墓地は毎日のように参拝者があることや経済的な側面も魅力の一つになっており、高齢者の住まいの多様化同様、最後の落ち着き先もさまざまだ。


 ちなみに、福祉施設や有料老人ホームでも共同墓地を持っているところが多い。
福祉施設の場合は、引き取る家族が誰もいないなど条件はあるが、民間ホームでは元気な間に契約をしておけば、ホームで永代供養もしてくれる。

<シニアライフ情報センター代表理事・池田敏史子>

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余録:おなじみの「シルバー川柳」で…

余録:おなじみの「シルバー川柳」で…
毎日新聞 2013年09月16日 00時03分

  おなじみの「シルバー川柳」である。
暑いのでリモコン入れるとテレビつく」(75歳女性)、
お医者様パソコン見ずにオレを診(み)て」(74歳男性)。
わかるわかるとうなずく方も多かろう。
この川柳、公益社団法人全国有料老人ホーム協会が毎年募集し「敬老の日」に向けて入選作を発表している

▲右の2作は今回と過去の入選作など約90句を収めて今月刊行された「シルバー川柳3」(ポプラ社)から採った。
この本の表紙を飾ったのは56歳の女性の作で
来世も一緒になろうと犬に言い」。
言う人が男性か女性かは不明ながら、老いのさびしさは男女を問うまい

▲そんなお年寄りの孤独を癒(い)やし、言語・身体の障害改善にも役立っているのがセラピー犬だ。
国際セラピードッグ協会の大木トオル代表(62)は、訓練した犬たちを連れて高齢者らの施設を訪問している。
多くは殺処分寸前で引き取った犬たちだ

▲ブルースシンガーとして滞米経験が長い大木さんは米国で「動物介在療法」を学んだ。
日本に導入すると、自力歩行をあきらめた高齢者が犬と一緒の訓練で歩けるようになり、腕を動かせない人が犬をなでようと努めるうちに一人で食事ができるまでに回復した

▲「人は犬に心を開く。犬のすごさです。
なじみのセラピー犬を枕元に呼び、『ありがとう』と言って亡くなった人もいます」。
そう語る大木さんは犬たちを連れて福島へ通う。
仮設住宅で孤立した高齢者の自殺が目立つという

▲川柳では表現しがたい過酷な現実。
一度は人に殺されかけた犬たちが、今は人を慰め、死のふちから救おうと頑張っている。
私たちも負けてはいられない。
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする