2013年11月01日

社説:最高裁を軽視ー自民党は思い上がるな

社説:最高裁を軽視
     自民党は思い上がるな
毎日新聞 2013年10月31日

 憲法で保障された最高裁の違憲審査権に異議をとなえ、軽視するかのような自民党の姿勢にあきれる。


 最高裁が9月、結婚していない男女間の子(婚外子)の遺産相続分を結婚した男女間の子の半分とした民法の相続格差規定について、違憲判断を示した。

それを受け、政府は規定を削除し、差別を是正する民法改正案の今国会提出を目指している。
だが、自民党の法務部会が「伝統的な家族制度を崩壊させる」として、法案の提出を了承せず、今国会での是正が不透明な状態になっている。


 憲法14条の「法の下の平等」という国民の基本的人権の擁護に基づく最高裁の結論だ。
三権分立に照らしても、司法の判断をないがしろにすることは許されない。
早急に党内手続きを進め、今国会で法改正を成し遂げねばならない。


 29日の部会での発言を紹介したい。
「国権の最高機関が、司法判断が出たからといって、ハイハイと従うわけにはいかない」
「自民党として最高裁の判断はおかしいというメッセージを発するべきではないか」
「違憲審査権があるからといって、オートマチックには受け入れられない」
「最高裁決定によれば、安心して婚外子を産めるようになってしまう」−−などだ。


 もちろん、個々の議員の意見だ。自民党総体としての考え方ではないだろう。
最高裁の判断に従うべきだとの声も一部であった。
だが、全体として反対意見に押され、部会の結論がまとまっていないのは確かだ。


 自民党よ思い上がるな、と言わざるを得ない。


 日本は法治国家として、憲法の規定で立法、行政、司法の役割や権限を定めている。

三権が互いにチェック機能を働かせる中で、国民主権の実現を目指す仕組みだ。

違憲審査権に基づく最高裁判断を立法府が尊重するのは当然のことだ。
1票の格差問題にも通じるが、三権の一角である司法判断への鈍感さは目に余る。


 自民党の憲法改正草案では、「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。
家族は、互いに助け合わなければならない」との規定を新設する。
そうした考えに基づき、正妻の相続分の引き上げなどを主張する意見も部会で出た。


 法務省にそれを検討させることを条件に、民法改正案を了承しようという動きもある。
だが、交換条件はなじまない。

まず、司法の最終結論を立法府が重く受け止める。
その上で、必要ならば別途検討するのが筋ではないか。

菅義偉官房長官は最高裁の決定後、「厳粛に受け止め、立法的な手当てを早くしたい」と述べていた。
自民党総裁である安倍晋三首相のリーダーシップが問われる。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月02日

NYタイムズ 社説で「日本版NSC」「秘密保護法」断罪の波紋

NYタイムズ 社説で
「日本版NSC」「秘密保護法」断罪の波紋
2013年11月1日 日刊ゲンダイ掲載

日本の新聞より激しい

 安倍首相が成立に躍起になっている「日本版NSC設置法」と「特定秘密保護法」。
言うまでもなく、米国の“猿マネ”だが、その米国のメディアがこの法案を断罪した。
それも記者個人のオピニオンではなく「社説」でだ。

 米ニューヨーク・タイムズ(電子版)の29日の社説のタイトルは「日本の反自由主義的秘密法」。

記事では、<日本政府が準備している秘密法は国民の知る権利を土台から壊す>
<何が秘密なのかのガイドラインがなく、政府は不都合な情報を何でも秘密にできる>
<公務員が秘密を漏らすと禁錮10年の刑になる可能性があるため、公開より秘密にするインセンティブが働く>
<不当な取材をした記者も最高5年の懲役>

<日本の新聞は、記者と公務員の間のコミュニケーションが著しく低下すると危惧している>
<世論はこの法律に懐疑的>――と問題点を列挙している。

 ただ、ここまでは朝日や毎日など日本の一部新聞の主張と同じだが、NYタイムズはさらに踏み込んだ批判を展開。

秘密保護法とセットの「日本版NSC」の事務局である国家安全保障局に「総括」「同盟・友好国」「中国・北朝鮮」「その他(中東など)」「戦略」「情報」の6部門が設置されることを問題視して、こう書くのだ。

<6部門の1つが中国と北朝鮮。
他は同盟国やその他という分類なのに、である。
こうした動きは、安倍政権の中国への対立姿勢やタカ派外交姿勢を反映しており、これが市民の自由を傷つけ、東アジアにおいて日本政府への不信感をさらに高めることになる>

 日本版NSCと秘密保護法がアジアの安定を脅かす可能性にまで言及しているのである。

 米国事情に詳しいジャーナリストの堀田佳男氏がこう言う。

「安倍首相は9月に訪米した際、シンクタンクの講演で
<私のことを右翼の軍国主義者と呼びたいのなら、どうぞ呼んでくれ>と言いました。
あの発言で、米国のリベラル系メディアは、ますます安倍首相を危険視するようになりました。

このまま中国を刺激し続けると、日中間で戦争になってしまうのではないか、と本気で恐れているのです。安倍首相に対する危機意識は相当高まっています」

 安倍の危うさを米メディアの方がよっぽど分かっている。
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月03日

山本議員「手紙」 軽挙慎み脱原発を前へ

山本議員「手紙」   
      軽挙慎み脱原発を前へ
2013年11月2日 東京新聞社説

 脱原発を掲げる山本太郎参院議員が天皇陛下に手紙を渡し、「天皇の政治利用」と批判されている。

儀礼を欠き、脱原発運動に水を差しかねない軽挙だが、批判する側に処分する資格があるのか。


 山本氏が差し出した手紙は、東京電力福島第一原発事故の現状を伝える内容だという。
山本氏は「子どもたちの被ばくや、原発の収束作業員が最悪の労働環境で作業している実情などを知っていただきたかった」と説明した。


 「日本国民統合の象徴」として国民生活の安寧を祈る天皇に、原発を取り巻く厳しい現状を伝えたい気持ちは分からなくもない。


 しかし、山本氏は主権者たる国民の代表である。

「国政に関する機能を有しない」天皇に、高度に政治的なテーマと化している原発問題で何かを期待するのは、日本国憲法の趣旨に反する。


 子どもを被ばくから守り、原発作業員の労働環境を改善し、国のエネルギー政策を脱原発に導くのは山本氏自身の仕事だ。

国民の負託を受けた以上、どんなに困難でも、やり遂げる責任がある。


 原発推進派は早くも「天皇の政治利用」との批判を強め、議員辞職を求める声すらある。

山本氏の行動は、脱原発を求めるうねりに付け入る隙を与え、運動全体にマイナスとなりかねない。慎むべきだった。
まずは自覚を促したい。


 参院議院運営委員会は山本氏から事情を聴いた。
具体的な処分を来週、検討するという。


 ただ、山本氏を批判する自民、民主両党に「天皇の政治利用」を断罪する資格があるのか。


 最近の例だけでも、自民党が衆院選で開催を公約した「主権回復の日」式典への天皇陛下出席、東京五輪招致に向けた国際オリンピック委員会総会への高円宮妃久子さま出席も、天皇・皇族の政治利用ではないか、と指摘された。


 民主党政権時代にも、天皇陛下と習近平中国国家副主席(当時)との会見を急きょねじ込み、同様の批判を浴びたことがある。


 自らの行動を顧みず、無所属議員を追い詰めるのなら、多数派の横暴、との誹(そし)りは免れまい。


 政府と国会に求められているのは、除染や補償を含む原発事故の収束に全力を挙げる、
原発の危険性を認識し、使用済み核燃料の最終処分場のめどもないのに、原発政策を進めることの不合理性に一日も早く気付くことだ。


山本氏の処分問題に政治的エネルギーを浪費している場合ではない。
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

余録:海底に潜む太古の怪獣が水爆実験で目を覚まし…

余録:海底に潜む太古の怪獣が
               水爆実験で目を覚まし…
毎日新聞 2013年11月03日 00時17分

 海底に潜む太古の怪獣が水爆実験で目を覚まし、東京に上陸して町を破壊し尽くす。
ご存じ、映画「ゴジラ」の第1作が封切られたのは1954年11月3日だった。初日、劇場前には長い列ができ、映画は大ヒットとなった

▲この年3月、米国のビキニ環礁(かんしょう)水爆実験で日本の漁船が「死の灰」を浴びて被ばくした第五福竜丸(ふくりゅうまる)事件が起き、これが映画のモチーフとなった。
終戦から10年足らず。広島、長崎の記憶も鮮明だった時代である

監督の本多猪四郎(ほんだ・いしろう)さん(93年死去)は3度軍に召集され、終戦の翌年、帰国した経験を持つ。

中国から船で九州・門司港へ。汽車で東京に向かう途中で原爆で廃虚となった広島を目の当たりにする

▲「広島にはね、草木1本生えてないんだよ」
「俺は何のために戦っていたんだろう」。

妻の本多きみさんが昨年末、出版した「ゴジラのトランク」(宝島社)によると、本多さんはきみさんとの再会直後にこう語り、「ゴジラ」の監督を引き受ける際には「被爆地をこの目で見た者として伝えられることがあるはずだ」と言っていたという

核の恐ろしさと、それを生み出した人間の愚かしさという重いテーマが第1作に貫かれているのはそのためだろう。
後にゴジラは時折愛嬌(あいきょう)もふりまく多少ゆるいキャラに変身していく。
それは私たち日本人が放射能への恐怖を忘れていった歴史とも重なる

▲本多さんは「進みすぎた科学ってやつは人間をどこへ連れていくんだ」とも憂えていたそうだ。
ゴジラ誕生から59年。
本多さんなら福島第1原発の事故をどう語り、どんな映画を作っていただろうかと思わずにはいられない。
posted by 小だぬき at 14:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月04日

「がんで余命3カ月…」医師の告知って本当に信用できる?

「がんで余命3カ月…」
医師の告知って本当に信用できる?
2013.11.03 16:00  NEWSポストセブン

 「がんがかなり進行しています。余命は3カ月から半年……」

テレビドラマではおなじみの余命告知シーン。

あなたも自分自身、あるいは両親などの病状について、いつか余命告知を受ける機会があるかもしれません。


もしもの場合、あなたは余命告知をどのように受け止めますか?
 また、そもそも余命告知はどれくらいの信ぴょう性があるのでしょうか?

 医師、医学博士の岡本裕氏の著書『医者が教える 本当に病気を治す医者の選び方』をもとに、余命告知の実態についてお届けしたいと思います。

■余命告知は天気予報よりも当てにならない!


岡本氏によれば、余命告知は天気予報よりも当てにならないとのこと。
専門家であるお医者さんから告知を受けると、その瞬間から命のカウントダウンが始まったかのように感じられますが、実はそれほど信用できるデータではないのだそうです。


そもそも「余命〜カ月」というのは、どのような根拠があるのでしょうか?

 岡本氏は著書でこう述べています。


「医者はマニュアルにあるとおりに余命のデータを告げているだけなのですが、そのマニュアルそのものが、かなりいい加減なのです。
どうしてかというと、マニュアルに書かれているのは3大療法だけを受けた人のデータで、素直に医者のすすめに従った人たちのことしか載っていないからです」


3大療法というのは、外科手術、抗がん剤、放射線治療の3つ。

これら3大療法は、がんの治療に必要であるものの、患者がどれくらいの期間、生存できるのかというのは、患者の自助努力によっても大きく左右されます

さらに岡本氏はこう続けます。

「たとえば、私のまわりにいるがんからの生還者たちは、医者からさじを投げられながら、自助努力で生還を果たした人たちです。

医者のもっているマニュアルには、この人たちのことはまったく載っていません。
(中略)こういう人たちのことをまったく無視した統計は、これからがんを治そうとしている人にとっては無意味でしょう」


つまり、医者まかせにせず、患者自身が生活習慣や生活環境を見直すなどして、自己治癒力を高めていくことで、「余命3カ月」と告げられた人が10年後もぴんぴんしているなんてことは十分ありうるのです。 

■余命告知をどう受け止めるべきなのか?


余命告知がなされた場合、病状が深刻であることはたしかです。
どんなに本人や家族が努力しても、体質や年齢、病気の進行具合、その他さまざまな条件が重なって、延命を果たせないこともあるでしょう。


ただし、医者は神様ではありません。「余命は3カ月」といった告知がなされても、「3か月以内にあなたは死ぬ運命です」というお告げではなく、例外はいくらでもある、ということをぜひ覚えておきましょう。


余命告知の後、病気を克服した人や、大幅に生きながらえた人の体験談などが参考になるかもしれません。


何よりもよくないのは、余命告知を受けた途端、「自分はもうダメだ」と絶望してしまうこと。

生きる気力を失っては、余計に死期を早めてしまいます。

万一の機会に備えて、余命告知の実態についてぜひ頭の片隅に置いておきましょう。
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月05日

「秘密」は秘密って ばかな話 作家・沢地久枝さん

「秘密」は秘密って ばかな話
             作家・沢地久枝さん
2013年11月4日 東京新聞朝刊

 機密を漏らした公務員らへの罰則を強める特定秘密保護法案に、強い懸念が広がっている。

一九七二年の沖縄返還をめぐる日米密約を、著書で取り上げたノンフィクション作家沢地久枝さん(83)は「この法律が成立したら、密約の当時よりもっとひどいことになる。

憲法がどんなことを定めていても全部吹っ飛ぶのではないか」と憂える。


 「とんでもない法案だとあきれました。
こんなに内容が分からない法案は初めて見た。
具体的な部分で『政令で定める』と書いてある箇所がいくつも出てくる。政令は、政府がいくらでも出せるものです


 特定秘密とは、安全保障に著しい支障を与える恐れがあって特に秘匿する必要のある情報で、防衛相ら行政機関トップが指定する。

「一般の人には、自分が特定秘密に触れているのか分からない。
文章を書く人が取材した後、これは特定秘密だと言われたらアウト。

特定秘密の秘密とは何ですかと聞いても『それは秘密です』なんて、こんなばかな話はない」


 政府は今国会中の成立を目指しているが「戦争中の法律よりひどいのではないか。
当時、軍事機密に触れるようなことは一般の人も予測できた。

今度の場合、想像ですが、何が特定秘密かはだいたい米政府との話し合いで決まるのではないか。
今急いでいる理由は、日米関係を特に軍事面で円滑にするため、日本はこうしますという約束を米国に見せようとしているんだと思いますね」


 沖縄返還の日米密約に迫った新聞記者が逮捕された外務省機密漏えい事件を、著書「密約」で取り上げ、密約の文書開示請求訴訟にも原告として加わった。

「法案が成立すれば警察国家のようになる。
特定秘密の保護措置として警察庁長官はいろんなことができる。
戦争中の日本人は『警察ににらまれたらまずい』と思いながら話していた。
そういう時代に戻る可能性が非常に大きい」


 罰則で、公務員らが特定秘密を漏らすと最高十年の懲役に、漏らすよう働き掛けた場合も五年以下の懲役となる。

「公務員は恐ろしくて何も言わなくなるし、情報提供を受ける側も取材しにくくなる。
おかしいと思うことを調べ、社会のためだと思って発表しても、特定秘密を公にしたと認定されれば罪に問われるかもしれない。

記者やライターがさらし者になり、公務員も被告になるのです。
われわれがこれも特定秘密かと用心深くなっていけば、この国の言論は窒息します。
それが法案の狙いかと思います」


 法案は、平和主義や国民主権、基本的人権の尊重という憲法の基本原理に対する反動とも指摘する
「明らかな憲法違反です。
米国の戦略の中で戦争に向かう約束をしても、秘密といえば分からない。

この法律が通った瞬間に日本は別の国になる。
それほど悪い法律で、憲法を変えなくても何でもできる。
憲法九条や九六条を変えると言えば反論できるが、特定秘密の内容には反論できない」


 安全保障に関する情報を守るのが目的としているが「安全保障自体がはっきりしたものでないから、どれがその情報か分からない。
みんな特定秘密にしてしまえば国は答えなくていいし、憲法も無視できる。こんな法律のある国を、次の世代に渡せますか」。

   ×   ×

 さわち・ひさえ 三〇年東京生まれ。中央公論社を経て「妻たちの二・二六事件」でデビュー。
「火はわが胸中にあり」で日本ノンフィクション賞。
ミッドウェー海戦の克明な調査で菊池寛賞。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月06日

石井苗子の健康術:ストレスがあると分かったら、どうすればいい?

石井苗子の健康術
ストレスがあると分かったら、
                      どうすればいい?
2013年11月5日 読売新聞yomiDr.

 (ストレスをコントロールする余裕がないんです)


 ブログのコメントの中にこれと同じ言葉があったのに驚きました。
研修先の病院の患者さまに、最近よく言われる言葉だからです。

「ストレスをコントロールする余裕がない」


 医師が、「ストレスは逃げるか慣れるかのどちらかです。
逃げることができなければ慣れるためにストレスをコントロールするように」と言われても、「今日は休めないのに、無理して病院に来てるぐらいなんです。

帰れば私の仕事がたまっているだけです。
誰も助けてくれません。
ストレスをコントロールする余裕なんかありません。
仕事を辞めなくては余裕ができません」と言い返されてしまいます。


 「体を壊してまでやる仕事はありません」と言えば、「すでに壊しているからここに来てます」となります。

そして多くの方が治療の途中で退職してしまうか、とりあえず仕事を辞めて勉強や趣味を始めるかになっていきます。
私は8年間、心療内科の研修をしていますが、ここ3年の間にこうした現象が増えてきているような気がします。


 どうすれば、過酷な仕事を続ける若者が心身ともに健康でいられるのでしょうか。


 本来、人間の身体は1日の疲労を1日で取り戻せるようにできているといいますが、そんな生活をしている現代人はほんのわずかしかいない。
老若男女とも、解決できない問題を引きずっていることや、限界を超えた長時間労働で疲労を蓄積していることが多い。


 こうした労働者の自律神経がどのような状態になっているか、つまり自分では気が付かないストレスの状態を測る自律神経測定機が、多くの企業によって開発されるようになりました。


 理想としては静かな部屋で2回測るのがいいのですが、ちょうど血圧を医師が測ると普段より高い結果が出る「白衣症候群」と同じように、自律神経も環境の変化に敏感に左右されます。

しかし、自分の自律神経が環境によってどう影響されているのかの目安ぐらいにはなります。
神経が高ぶっていると交感神経が優位に出ます。
一見落ち着いているように見えても本当はイライラしていれば、副交感神経が働いていない状態だとデータが知らせてきます。
交感神経と副交感神経のどちらも低い値しか出てこないと、自律神経失調症という結果が出されます。

どちらの神経もともに高い値が出れば、集中すべきときに集中し、それが終わればすぐにリラックスできる理想的な生活を送っている、と結果が報告してきます。


 問題は、自分の結果が悪かった場合に「どうやったら良くなるんですか? どうコントロールすればいいのでしょう」という質問に、その個人に合ったコントロール方法を見つけるためのカウンセリングをする時間の余裕がないことです。


 多忙な若者は、暇があったら寝ていたいと思うほど疲れているのが現実だからです。


 先週の心療内科早朝勉強会で、上記の問題解決のひとつとして紹介されたのが、自分で呼吸のリズムを訓練できる小型器材でした。
大きさは携帯電話ぐらいで、左手の人さし指をクリップに差し込むと現在の自分の呼吸のリズムがグラフの山の形になって表示されてきます。
吸うと上がり、吐くと下がり、山の形で表してくれる。

私などは吸ってばっかりで全然山の形になっていませんでした。
しばらくすると、機械のピッピッという音に合わせて「吸って〜、吐いて〜」と音に合わせグラフを見ながら呼吸で山の形をつくり、神経を落ち着かせる訓練をさせられます。
こうしていると、短期間でイライラがおさまって、眩暈(めまい)や血圧のコントロールができるようになるというものです。


 どこでも自分でできるというのが売りなのですが、私は音に合わせて山の形がうまく出て来てくれないとイライラが増してくるという、手に負えない性格をしていることが分かりました。

こういう人間は、何事も自分の思い通りにならないとストイックになんとかしようとするし、失敗すると過度に悔しがるタイプなので、常に交感神経が優位なのです。

ストレスのコントロールには、ヨガの呼吸法がよいとされているのはよく知られていることですが、ヨガも1回やったらそれで良くなるというものではなく、継続していくことで達人になっていくというものです。
そんな余裕がないという若者の意見はよく理解できます。


 先日私は、若者の診察を優先してあげたらどうかと意見しましたところ、猛反対にあいました。

理由は、人権にかかわるからです。
高齢者も若者もひとりの人間であるのだから、たとえ命にかかわる場合であったとしても、その中でも順番は守るべきだと。
風邪の熱なんだから若者を先に診てあげたらどうかはないと。
早くから待っている慢性病の高齢者の順番が先だと。

実際問題として、薬だけでつないでいた若者が、たまたま先生と長く話し込んでいた時に、廊下のイスに座っていた高齢者から、「薬は予約なしの飛び入りだそうですが、あんなに長く話をしているんじゃ診察と同じじゃないですか。

朝からずっと待っている私の時間はどんどん遅くなっていって。
私も今から薬に変えてもらえません? その方が早いなら!」と言われたので医師に相談すると、「どうして暇なのにそう急ぐのかな〜〜、4か月に1日の予約日なのに、待ってくれればいいのに」と苦笑されていました。

そこが人権にかかわりが出てくるところなのでしょう。
高齢者は暇なんだから待っていればいいは通らない。
心療内科は他の科の患者さんよりイライラする方が多いのが特徴ですが、これが急性の内科診療なら譲り合ってくれるだろうかといえば、なかなか実現しないのが現実です。


 高齢者は治療費も少なくて済むし、もし総合病院なら色々な検査をしてくれる。
静かで設備も整っていて、働いている人のほとんどが医療従事者で、便利でかつ安心できる場所です。
時間さえあれば朝から来たくなる気持ちもよくわかります。
そこを、どうやったら地域医療を改善して、高齢者がなるべく病院に行かないようにできるだろうかと、今考えている最中なのですが、医師も商売ですから患者さんが減っては困るのでしょう。


 「高齢になるほどたくさん医療費を払う制度にして若者を守りましょう」なんて公約して当選する政治家もまずいないでしょうし、日本の若者を守るにはどうしたらいいかは、考えても考えても良い案が浮かばない、案があったとしても反対されるという、頭が痛い難問です。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月07日

室井佑月 汚染水問題に「今さら騒いでもしょうがないってこと?」

室井佑月 汚染水問題に
「今さら騒いでもしょうがないってこと?」
2013年11月6日(水)16時0分配信 dot.(ドット)

 福島第一原発の汚染水対策に関して、作家の室井佑月氏は、この問題が延々とつづくことを危惧している。
*  *  *
「今さら騒いだって、しょうがない」

 みなさんはこの台詞を使ったこと、もしくは使われたことがあるだろうか。 あるよね、きっと。普通に生きてりゃ、よく聞く台詞だ。
どういう時に使われる? 駄目駄目な人や物事に対してなんじゃないか。


 大事なテストが近づき、前日まで遊びほうけていた息子に。
酒が大好きで、毎日たくさん飲みすぎて、肝臓を痛め通院することになってしまった親父に。
給料以上に金を使い、多重債務者になってしまった友人に、あたしはいったことがある。


 ちなみにあたしは最近、糖尿病になってしまったのだが、「どうしよ、ヤバいよ」と騒いだら親や友人から、
「今さらだよね。しょうがないじゃん。これまでの生活考えれば」みたいなことをいわれた。


 まあ、そういわれても納得する。
膵臓を摘出し、医者から再三、「糖尿病には気をつけろ」と注意されていたが、酒も食べ物も自重できなかった。自己責任だろう。


 でも、これはどうなの?

 10月25日付の毎日新聞に、民主党の汚染水対策の調査結果に関する報道が載っていた。

『民主党の東京電力福島第1原発対策本部は24日、政権与党当時の汚染水対策の調査結果を発表した。
地下水を食い止める遮水壁の設置が遅れたことをめぐり証言が食い違っていることなどには触れず、公表済みの汚染水対策を列挙するだけの内容となった』


 たしか遮水壁を巡って、原発の陸側と海側双方に設置する案を、東電が金をケチって海側だけにしたと、馬淵澄夫元首相補佐官が告白したんだよな。東電は「事実を確認できない」と誤摩化しているけれど。

 新聞によれば、馬淵氏と東電の主張の違いに関して、「平行線で書いても意味がない」(党幹部)からと盛り込まなかったそうだ。
ええーっ! それって「今さら騒いでもしょうがない」ってこと?


 福島第一原発事故に関しては、なぜ事故が起きたのか、そして事故後の対処は本当に最善を極めたのか、まだまだわかっていないことが多い。
というか、これからも延々とつづくのだ、この問題は。
日本中、世界中の人々が関わる重い問題に、あの台詞を出してきちゃいけないよなぁ。


 20日の豪雨で、汚染水を貯蔵するタンクの周りを囲った堰から汚染水が溢れ出た。
なんでも、気象庁が降雨量を約10ミリと発表していたから、東電は約20ミリの雨量に対応できるよう準備していたんだという。
で、現実では雨量は100ミリを超えてしまった。


 今現在(10月25日)台風27号、28号が近づいているが、対処のしようがないというニュースもあったり。

 あの便利な台詞があるから大丈夫ってか。
それで最後は乗り越えるってか。


※週刊朝日 2013年11月15日号
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月08日

食品偽装40社でも動かず…消費者庁にヤル気はあるのか

食品偽装40社でも動かず…
   消費者庁にヤル気はあるのか
2013年11月6日 日刊ゲンダイ掲載

 後を絶たないメニュー偽装発覚で、「何やってんだよ!」とブーイングなのが、消費者庁だ。

 消費者のための役所なのに、アクションを起こす気配がまるでないからだ。
 阪急阪神ホテルズの偽装発覚時には「本格的な調査に乗り出す」と鼻息荒かったが、まさかこれほどメニュー偽装がゾロゾロ出てくるとは、想像もしていなかったようだ。

「メニュー偽装のホテルやデパートは、北海道から沖縄まで全国で40カ所以上。
消費者庁の現場は人手が圧倒的に足りずテンヤワンヤで、手が回らない状態です」(事情通)

 同庁に調査態勢を問い合わせると、「こちらの手の内を業者側にさらすことになるのでお答えできない」(表示対策課)と、もっともらしいことを口にしたが、本当なのか。

 ネットでは「中途半端」「ザル法だ」とやり玉に挙がる「景品表示法」にも、同庁は問題意識を持っていないようだ。
違反した場合、メニュー表記を差し止めたりするなどの措置命令を出すが、

「業者側から自主的に報告があり、その後の調査で改善が確認されれば、行政処分や措置命令は出さない」(同課)と大甘。

これじゃあ「自首して更生していれば大目に見るよ」と言っているも同然だ。

「期待外れだったのが、昨年8月に就任した阿南久(ひさ)消費者庁長官(63)ですよ。
消費者庁の発足を求めてきた消費者運動出身ですが、いざ長官に就いたら、何もできない。
なにしろ就任時のインタビューでは〈単身で乗り込んでどこまでできるか〉と不安を口にしていたし、東京新聞(10月24日)のインタビューでは、
〈縦割りと闘っています〉
〈課同士の連携もうまくいかず、情報共有ができませんでした。
改善されてきましたが、十分とはいえません〉と、泣きゴトを漏らす始末です」(社会部記者)

 長官は、ボーナスを合わせて年間1900万円も給料をもらっている。
トップがこうでは、いつまでたっても消費者は「誤表示」する側のいいカモだ。
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月10日

事故処理に税金投入 やはり脱原発しかない

事故処理に税金投入 やはり脱原発しかない
毎日新聞「社説」 2013年11月09日 02時30分

 原発を国策として推進しながら、事故が起きたら民間の電力会社がその処理費用をすべて負う。
そんな無理な政策が行き詰まった。

政府は原発政策を早急に見直し、原発に依存しない社会への見取り図を描く必要がある。


 自民、公明両党が近く、東京電力福島第1原発事故からの復旧・復興を加速するよう安倍晋三首相に提言する

汚染土を保管する中間貯蔵施設の建設や除染への国費投入を求める。
政府もその方向で検討する。
事故処理費用を全面的に東電負担としてきた政府方針の転換を意味する。

 ◇「安い電源」は崩壊した

 提言は原発事故被災地の復旧・復興が遅れている現状への強い危機感を示し、汚染水対策や除染などに国費投入を求める。
その規模は数兆円に上るとみられる。


 首相は「福島の復興が最重要課題」と宣言してきた。
しかし政府は、財政負担がどこまで膨らむか見通せないことなどから、東電の陰に隠れ続けてきた。
その結果、汚染水対策は遅れ、被災地の復旧・復興は進んでいない。


 事故の後始末を東電だけに任せておけないことははっきりしている。

国策として原発を推進し、立地や建設費調達が円滑に進むよう支援してきた政府が、責任逃れを続けることは許されない。
国費投入は避けられない選択といえる。


 国民の税金である国費を投入する以上、同じ過ちを繰り返すことがあってはならない。
政府は原発政策の誤りを認め、見直す必要がある。

原子力損害賠償法は原発を運営する電力会社に無限責任を負わせている。

しかし、業界最大手の東電でさえ、その負担に耐えられなかった。
今の仕組みは、現実性のないことがはっきりした。


 だからといって、電力会社の賠償責任に上限を設けても問題は解決しない。
上限を超える被害の救済は、国費でまかなうしかないからだ。
つまり、重大事故が起きれば膨大な国民負担が生じることは避けられないということだ


 全国で、原発の代替電源として火力発電がフル稼働し、天然ガスや石油などの燃料費が年間3兆円以上余計にかかっている。
それだけ原発は割安だ、というのが原発推進論の根拠の一つになっている。

首相の経済政策アベノミクスで、デフレから脱却する兆しが見え始めたばかりの日本経済にとって、足元の経済性は無視できないだろう。


 しかし、それは原発で重大事故は起きないという「安全神話」を前提にして成り立つ話である。
神話が崩壊した以上、経済性でも原発の優位性は崩れたといえる。


 そうであれば、再生可能エネルギーなど代替電源の開発・普及や省エネを進めながら、できるだけ早く脱原発を進めるべきだ。
政府は、その道筋をきちんと描く必要がある。

今回の提言は、国費投入の名目を「福島復興のためのインフラ整備」と位置づけている。
「東電救済」との批判を回避する狙いも透けて見える。
しかし、安全性を軽視して重大な事故を起こした東電の責任は重い。
国費の投入が、東電の安易な救済に終わるようでは国民の理解は得られまい。

 ◇東電破綻回避の説明を

 国費を投入する前提として、東電を破綻処理すべきだとの主張がある。
一般の事業会社であれば、当然そうなるだろう。
株主や、社債や融資で資金を提供している金融機関などの債権者より先に国民が責任を負う道理はないからだ。


 しかし、電力会社の場合は特殊事情がある。
原発などの設備投資を進めるには、社債で巨額の資金を調達する必要があった。
そのために政府は法律で社債の返済が最優先されることにしている。
今回はどこまで債務が膨らむかの見通しもつかない。


 茂木敏充経済産業相は国会で「(社債を保有する)投資家が被害者への賠償や協力会社への支払いよりも優先され、廃炉・汚染水対策が滞る危険もある」と説明した。

提言も東電の存続を前提にしている。


 それでもなお破綻処理を求める声は与党内にも根強い。
身内も説得できないようでは国民の理解は得られまい。
破綻処理を回避するのであれば政府は説明を尽くす必要がある。


 さらに東電に対し、国費投入に国民の理解を得るための経営改革を求めるべきだ。
東電は、政府の認定を受けた現行の再建計画を上回る合理化を実施していると説明する。
しかし会計検査院の指摘では資材調達などにまだまだ無駄が隠れている。資産売却の余地も残る。
徹底した合理化、身を切る努力が一段と強く求められることを自覚する必要がある。


 提言は東電に対し、廃炉事業部門の分社化や独立法人化を選択肢として例示した。
しかし、肝心なのは会社の形ではないはずだ。


 経営改革で目指すべきは、
困難な作業が続く現場の士気を維持して事故処理の確実な進展を図ることや国民負担を少しでも軽くするために安全性を犠牲にしない範囲で合理化を進めること、さらに電力の安定供給を果たすことだ。

 そのために最も合理的な経営形態を検討する必要がある。
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月11日

石井苗子の健康術:ストレスに強い人の秘訣は?

石井苗子の健康術
ストレスに強い人の秘訣は?
2013年11月8日 読売新聞yomiDr.

(どうして過酷な仕事を平常心でこなせるのでしょう?)

 本題に入る前に、私自身の話をさせてください。
楽天ゴールデンイーグルスの優勝についてです。


 私は先週の連休に福島県へ出向いておりました。
2011年の大震災の後、郡山市にある「ビッグパレットふくしま」という大きな避難所の中で、2000人を超える避難住民の方々の医療支援活動のお手伝いをしておりました。
あれから2年7か月が過ぎて、初めて、同じ場所で講演をさせていただくことになりました。


 会場に入った途端に胸が詰まる思いがしました。
すでに建物はきれいに清掃されていて、うそのような静けさなのですが、頭の中で当時の風景が動画のようによみがえってくるような気がしました。


 その日の夜、楽天が巨人に敗れました。


 まさかということがあるものです。「神の子」とまで称賛される投手でも勝利の女神が微笑(ほほえ)まなかった。

「3対3」、私の気持ちはどん底でした。明日がラストチャンスになってしまったと。

次の日は、磐梯山のふもとで講演でした。
集まってくださった人々に配られた私のチラシには「東京都出身」と書いてあるから、きっとジャイアンツファンだと見られているかと思うと、「なんてとこに来ちゃったんだ」です。

ヒヤヒヤしながら壇上にあがっていきました。


 その夜、テレビにかじりつきました。
正直、野球はどうでもいい。
東北の人々が負けた時に落胆する顔を私は見たくない。
なにもここまで登り詰めてから負けなくてもいいじゃないかと、それだけなのです。
私が負けを味わいたくない。
自分自身がくじけてしまうような気がしました。
実に身勝手な性格です。

自分が嫌な思いをしたくないだけで応援しているのですから。
負けたときのマスコミ報道のアレコレまで想像しながら見ている。

こういう悲観的な性格は、イザという時の大勝負に「勝てやしないや」と、われながら情けなく思いました。

「もう1人の自分」を持つ

 驚異的な仕事を成しとげ、どんな精神的な打撃を受けても、いきいきと生活を続けることができる人がいます。

余計な心配をふっきって前に進める人です。


 心療内科の研修先のドクターがいつもおっしゃることに、「ストレスに強い人の秘訣(ひけつ)は、たいてい、1人になれる空間と時間を持っている」があります。

1人になって自分を客観的に見つめ「もう1人の自分」を育てている人は、ストレスに強いというのです。


 自然と触れ合うのもいいでしょうし、部屋にこもって音楽を聴くという人もいます。
しかしこれは、自分の好きな空間や時間じゃなければ意味がありません。


 考えてみればぜいたくなことです。
まず1人になりたいほど、その人は毎日が忙しくなければなりません。
でなければ、断ち切られた空間を持つ価値がないことになります。

いつも1人では、独居という生活だったり、ひきこもりだったりとなってしまう。つまり常に孤独ということです。

しかし、孤独に強い人も中にはいます。
それは、孤独の時間が長くても平気というバランス感覚を持っているということで、決して社会から疎外されていたり、断絶されているわけではありません。


 私のように、1人の時はパソコンに向かって仕事かメールをするかで、テレビを見れば出ている人が気になり、その他の時間はいつも誰かと関わり合って生きているような人間は、1人になれる空間と時間を全くもってないということになります。
従ってストレスに弱い。


 先日、日比谷公園を歩いていたら「ガーデニングショー」というのをやっていました。

東京都知事賞を受賞した作品の前でボーッと見ていると、関係者の方に「お座りになってみてください、また景色が違いますから」と勧められるので座ってみました。

「楽縁」というタイトルがついた作品でしたが、そういえば昔はこんなような縁側という場所が家にありました。
ひとりでじっと小さな庭の花や草を見る。
子どもまでが学校から帰るとランドセルを放り投げて、縁側でひと時の空間と時間を作っていたような気がします。

私のひとつ下の世代が小さかったころにはまだゲームが子どもの最大のオモチャではなかった。

ふと、現代人のひとりになる空間と時間は、地下鉄の座席に座っている時のゲームの時間なのかと思いました。

しかしそれは、自分を見つめ直すことにはならないでしょう。
でも「もうひとりの自分を育てる」の意味では当たっているのかもしれません

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月12日

社説:秘密保護法案を問う テロ・スパイ捜査

社説:秘密保護法案を問う
                   テロ・スパイ捜査
毎日新聞 201311月10日02時35分

◇歯止めが利かぬ懸念


 特定秘密保護法案では、防衛や外交分野だけでなく、テロ活動防止とスパイ活動防止に関する捜査や調査の情報も特定秘密の対象となる。

その指定を担うのは主に警察庁と公安調査庁で、指定の権限を持つ「行政機関の長」は、警察庁長官と公安調査庁長官だ。

両者の判断で特定秘密の指定に加えて5年ごとの延長が決められる。それは内閣の承認が必要となる30年まで続く。


 監視活動が主体の公安捜査はともすれば行き過ぎる傾向にあり、国民の人権上の観点からも看過できない。
両庁の指定は問題が大きい。


 2001年の米同時多発テロ以降、テロ捜査での国際協力が推進され、外国の捜査機関との情報共有が進んだ。
テロ防止に関する情報漏れを防ぐ必要性も強調された。


 08年に当時の自民党政権が、秘密保全法制について検討チームを作った。
具体的な内容を検討する作業チームには、内閣官房や外務、防衛両省のほか、警察庁と公安調査庁のメンバーが加わった。
今回の法案作成に関して、両庁が当初から主導的な役割を担っていたのだ。


 そもそも、テロ・スパイ活動防止のために特定秘密の指定が不可欠なのか。

警視庁公安部の国際テロ捜査に関する内部資料が10年、インターネット上に大量流出した事件があった。
外国情報機関からの提供情報も多数含まれ、警視庁は面目を失った。
だが、内部とみられる犯人の逮捕に至らず、先月時効を迎えた。


 漏えいの罰則を最高懲役10年に引き上げたところで、抑止力になるとは限らない。
情報取扱者の限定と厳重な警戒など、まず部内での情報管理を徹底させる方策に力を入れるのが最優先だ。


 特定秘密を隠れみのに、公安捜査が暴走し、歯止めが利かなくなる恐れはないか。そちらの方が心配だ。


 流出した国際テロ捜査資料には、在日イスラム教徒や捜査協力者約1000人分の名前や住所、顔写真、交友関係などの個人情報も含まれていた。

法案別表の規定によれば、特定秘密への指定が可能だ。
問題なのは、こうして集められた個人情報にテロとは無関係のものが多数含まれていたことだ。
国際結婚したり、イスラム教徒だったりしただけでテロリストと結びつけられた例があった。


 スパイ活動の防止にも同じことが言えるが、人を監視することによって得られる情報は、国民の人権やプライバシーと衝突する危険性をはらむ。

両庁以外の目が入る仕組みがなければ、市民生活が脅かされる。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月13日

香山リカのココロの万華鏡:人間、脳がすべてじゃない 

香山リカのココロの万華鏡:
     人間、脳がすべてじゃない 
毎日新聞 2013年11月12日 東京地方版

 とても夢のある記事を雑誌で読んだ。


 「プラナリア」という生き物がいる。
日本でも水の中などで普通に見られる、ヒルの親戚のような生物だ。

このプラナリアは体を再生する力がとても強くて、細かく切断してもそれぞれに脳や目にあたる器官ができて、元の大きさに戻ることで知られている。


 切られても「倍々ゲーム」のように増える、驚異の生き物プラナリア。
とはいえ、これまでは、元のプラナリアと再生された第2、第3のプラナリアの脳の中身は全く別物、と考えられていた。

考えてみれば当然だが、新しく作られた脳は、元の自分だった時の記憶を持っていないということだ。
もちろん、増えたプラナリア同士が「オレたちって似てるなあ」「もしかして、元は同じだったんじゃない?」などと気づくこともない。


 ところが最近、研究者が大きな発見をした。
それは、プラナリアにエサの場所など簡単なことを学習させてから切断すると、再生したプラナリアも以前、覚えたエサの場所を思い出すようだ、というのだ。


 脳は全く新しく作られたわけだから、エサのことを知っているわけはない。
となると、元の個体の一部、腹や足にあたるところに記憶が残っていて、それが新しい脳に移動したのだろうか。


 なぜこの話に、夢があるのか。
それは「生き物は、脳でだけ考えたり、記憶したりするわけではないのかも」という可能性を示しているからだ。

実は、私たちは日常的に
「腕に仕事のコツが染み込んでいる」とか、
「舌が優れた味を知っている」などと、よく口にする。
「体が考え、覚える」ということを知っているかのように。

 
理屈では「思考や記憶は脳だけの能力」と言っていても、「体だっていろいろなことを記憶できる」と感じているわけだ。


 プラナリアでの今回の発見は、私たちの経験が科学的にも正しいことを明らかにしてくれるかもしれない。


 そして、もしそうだとしたら、私たちは脳にばかりこだわらず、もっと「体の記憶」を大切にしてもいいはずだ。

また、年を取って脳が衰えてきたとしても、「まだまだ体は覚えている」と自分の体に働きかけて、記憶のリハビリもできるのではないだろうか。


 小さなプラナリアが教えてくれた、体で考え、体で覚えること」の大切さ。

人間、脳が全てじゃないよ」とつぶやいてみたら、なんだか私も、ちょっと前向きな気持ちになれた。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「秘密保護法案」を本気で批判しない大メディアの弱腰

「秘密保護法案」を
本気で批判しない大メディアの弱腰
2013年11月12日 日刊ゲンダイ掲載
 
 平成の治安維持法といわれる「特定秘密保護法案」が衆院特別委員会で実質的な審議に入った。

 11日は、捜査の過程で報道機関が家宅捜索の対象になるかが問われ、谷垣禎一法相は「検察で判断すべきもので、一概に申し上げるのは難しい」と答弁、
古屋圭司国家公安委員長も「家宅捜索を含む強制捜査は捜査機関の判断に委ねられる」との認識を示した。

 要するに報道機関だって「ガサ入れ」されるわけだ。
すべて捜査機関の胸三寸。
サジ加減で何でも決まるということである。
戦前の「特高警察」復活は時間の問題だ。

 これに強い危機感を募らせるのが、外国メディアである。

日本外国特派員協会は11日、会長名で
<法案は報道の自由および民主主義の根幹を脅かす悪法であり、撤回、または大幅修正を強く求める>と断固反対の姿勢を表明。

<報道の自由はもはや憲法で保障された権利ではなく、政府高官が『充分な配慮を示すべき』対象に過ぎないものとなっている>

<取材において『不適切な方法』を用いてはならないといった、ジャーナリストに対する具体的な警告文まで含まれている>と断じた。

 米NYタイムズも先月29日(電子版)の社説で、
<ジャーナリストに対する最長5年の懲役刑を脅しとして、政府がより不透明になる>と指摘していた。
ともに報道機関として極めてまっとうな抗議表明だが、対照的なのは日本のメディアだ。

 日本新聞協会は「『特定秘密の保護に関する法律案』に対する意見書」と題し、見解を公表している。
しかし、その中身は
<報道機関の正当な取材が運用次第では漏洩の『教唆』『そそのかし』と判断され、罪に問われかねないという懸念はなくならない>と腰が引けているのだ。
なぜ真正面から「脅しだ」「廃案にしろ」と叫ばないのか。あまりに情けない。

 政治評論家の森田実氏はこう言う。

「新聞、テレビは本格審議の段階になって騒いでいるが、報道機関を標榜するなら、もっと早い段階で反対するべきです。

リアクションが遅いし、その主張も社説などでちょろっとアリバイ程度で書くだけ。
まったくどうかしている。
今の新聞、テレビは完全に政府御用機関と化している。
自分たちも体制側だと勘違いしているのです。
メディアがこんな体たらくだから、日本は戦前のファッショ帝国にまっしぐら。それを海外メディアは相当、警戒しているのです」

 大新聞、テレビは報道機関の看板を下ろすべきだ。
posted by 小だぬき at 13:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月14日

熱血!与良政談:もっとテレビも報道を「特定秘密保護法案」

熱血!与良政談:もっとテレビも報道を
与良正男 論説委員
「特定秘密保護法案」
毎日新聞 2013年11月13日 15時25分

 何でもかんでも「秘密」に指定し、それを未来永劫(えいごう)、保護する法案。

国会で審議が続く特定秘密保護法案を私は最近、テレビやラジオでこう呼んでいる。

それが決して大げさな言い方でないことは、みなさんにも理解をいただき始めていると思う。


 私たち報道に携わる者にとって深刻だというだけではない。
一般市民も巻き込まれる恐れが十分ある。


 よく挙げられる例を一つ。

居酒屋で官僚ら特定秘密の取扱者が特定秘密に関わる会話をしているのをたまたま聞いてしまったとする。

その事実が判明すれば漏らした官僚は恐らく逮捕。
聞いてしまった市民は逮捕されないかもしれないが、警察に事情聴取され、家宅捜索を受けて携帯電話やパソコンを押収される可能性がある。


 一方、万一起訴され裁判になった場合でも特定秘密は明らかにされない。自分がどの情報を聞いたのが罪になるのかさえ分からないのだ。


 秘密の分野が防衛や外交だけでなく「特定有害活動(スパイ活動など)の防止」に拡大したことで、警察当局が日ごろ、私たち市民に対して、どんな情報収集活動をしているのか、ますますチェックしにくくなるという問題もある。


 政府・与党は「日本は情報がダダ漏れで、これでは米国から防衛(=軍事)情報をもらえない」と説明する。

最近は米国の方がダダ漏れだと突っ込みたい気もするが、百歩譲って日本側に問題があるというなら、まずコンピューターなどのセキュリティーシステムの強化にお金をかけるのが先ではないか。

「米国の要請」を錦の御旗(みはた)にして警察当局などが便乗し、秘密の範囲拡大を図ろうとしているとしか私には思えない。


 私も出演したので少し手前みそになるが、TBS系「朝ズバッ!」では週初めの11日、自民党の中谷元氏、民主党の渡辺周氏らを交えてこの法案を特集した。
十分とはいえないが、少なくとも数々の問題点は浮き彫りになったと思っている。


 それにしても他の放送局はなぜ、とりわけ朝の番組であまり取り上げないのだろう。
重要性はないと考えているのか。
難しそうな話だから視聴率が上がらないと考えているのか。

新聞はもちろん、難しそうな話を分かりやすく解説するのがテレビの役割じゃないのか。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月15日

どうすれば安全安心:実は怖い、冬の静電気 

どうすれば安全安心:
実は怖い、冬の静電気 
         火災やアレルギーを誘発
毎日新聞 2013年11月14日 東京夕刊

◇金属触る前に革製品を/
重ね着素材には要注意/特殊素材の靴にも効果


 ドアノブに車のドアハンドル……。
金属に触れるのがイヤな季節がまたやって来た。
そう、バチンとするあの静電気だ。
たかが、と侮るなかれ。
痛いだけならまだしも、時によっては思わぬ災難を招くことがある。
冬本番を前に、専門家に静電気対策の伝授を請うた。
                          【吉井理記】


 分かっているようで実はよく分からない静電気。
その正体をおさらいしておこう。

独立行政法人「労働安全衛生総合研究所」の山隈瑞樹・上席研究員によると、どんな物体も基本的には電気のプラス、マイナスのバランスが保たれている。
しかし、衣服と車のシートなど物体同士がこすれてバランスに偏り(帯電)ができると静電気が生じる。


 帯電した服を着れば人体も同様に帯電する。

指先がドアノブに触れるとバチッと火花が発生するのは、プラス、マイナスのバランスを取り戻そうとドアノブと指先との間で電気が一気に流れるためだ。

夏は電気を逃がしやすい湿気が多く、人体も物体も電気をため込むことは少ないが、冬は乾燥しているから電気が逃げず、体にたまってしまうのだ。

「静電気の電圧は3000ボルト以上に上ります。けれど100万分の1秒以内の出来事で電気の量も少なく、体に直接の悪影響を与えることはありません」(山隈さん)


 ならば大丈夫、と安心した記者を見透かすように山隈さんはこう続けるのだ。
「ところが、この火花が思いもよらない事故を引き起こすことがあるのです」


 まず給油の際の火災だ。

総務省消防庁によると静電気の火花が原因のガソリンスタンド火災は昨年1年間で5件。
車やバイクのガソリンタンクのキャップを外すと、気化したガソリンに、指先などが車のボディーに触れて発生した火花が引火し、燃え上がるのだ。

セルフ式スタンドでは体の電気を逃がす「静電気除去シート」に1秒以上、手を触れ、すぐに給油作業を始めるよう注意を促している。

しかし過去には除去シートに触れた後にすぐに給油せず、車内のごみを片付けるなどして再び静電気をためてしまい、引火事故を招いたケースがあるから要注意だ。

室内にも危険が潜んでいる。
「多いのが噴射剤に可燃性ガスを使ったスプレー缶による事故です。

洗面所やクラブ活動用の部室といった風通しの悪い室内で長時間スプレーを使ったためにガスが充満し、静電気で引火する事故が発生しています」。

1999年2月には福岡県で、男性がベランダで携帯コンロ用ガスボンベのガスを抜く作業中、静電気によると見られる火花で爆発し近くにいた妻が死亡する事故が起きている。


 こうした重大事故はまれだとしても、静電気に驚いて転倒するケースもあるから気を付けたい。


 「体に直接の悪影響はない」と先に書いたが、間接的に災いをなす恐れはある。

日用品メーカー「ライオン」で静電気対策を研究する山縣義文さんは「帯電させた下敷きに髪の毛がくっつく現象と同じように、静電気は空気中の微粒子を体や衣服に吸着させてしまうのです」と話す。

静電気を帯びていれば、アトピー性皮膚炎に害があるとされるハウスダストはもちろん、花粉も引き寄せてしまうため、アレルギー体質の人は症状をさらに悪化させかねないのだ。

中国から日本への飛来が増えているPM2・5(微小粒子状物質)も含有物によっては帯電した物体に吸着されやすいという。
発がん性も指摘されるだけに心配だ。


 では、静電気のリスクにどう立ち向かうべきか。
山隈さんに問うと
「完全な対策はないのです。
生活していれば必ず何らかの摩擦が起き、電気が発生する。
ポイントは電気をためこまない、または火花を出さないよう、ゆっくり電気を逃がしてやることに尽きます」と話す。


 例えば、ドアノブなどの金属に触れる直前に地面やコンクリート、木の壁に手を触れるか、財布やキーケースなどの革製品を1秒ほどドアノブに接触させると電気をゆっくり逃がすことができ、火花は生じない。

車に乗っている時も衣服とシートの摩擦で静電気がたまる。
降りる際にドアの金属部分に触れながらシートを離れれば、体の電気を車に流すことができるそうだ。


 衣服の組み合わせによっても静電気は減らせる。
「マイナスに帯電しやすいアクリルやポリエステルの服に、プラスに帯電しやすいナイロンやウールといった素材のものを重ね着すると静電気が発生しやすい。
どちらか一方だけにするか、帯電しにくい綿や麻を合わせるのが効果的です。
衣服のタグについている素材に注意してください」。
山縣さんはそうアドバイスする。

洗濯時に柔軟剤を使ったり、出かける前に静電気防止スプレーを衣服に吹きかけたりすれば、繊維同士の摩擦が軽減でき、空気中の水分を捕まえる成分も配合されているから効果がある。

結果的に花粉やハウスダストの吸着も防げるが、山縣さんによると「PM2・5にはさまざまな物質があり、効果があるかどうか実験と研究を進めている段階」とのこと。


 インターネット上には静電気をため込まないための健康法や食品も紹介されているが、山隈さんは「専門家の立場から言えば非科学的。

『自分は人より静電気がたまりやすい』と言う人がいますが、体質は無関係です。
静電気の原因は人体そのものではなく、その人が着ている衣服に由来するからです」とバッサリ。

静電気対策グッズについては「効果的なのは電気を通しやすい特殊素材を靴底に使った『静電靴』や、高級紳士靴のように革を底に張った靴。
体の電気を地面に逃がすことができます。
ドアノブに当てて体の電気を抜く器具などもお薦めですが、中には科学的根拠に疑問符が付くようなグッズもあります」と語る。


 春まで続く静電気シーズン、快適かつ安全に過ごしたい。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(5) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月16日

社説:秘密保護法案を問う 報道の自由「配慮」では守れない

社説:秘密保護法案を問う 
報道の自由「配慮」では守れない
毎日新聞 2013年11月15日 東京朝刊

 報道の最大の使命は、国民の「知る権利」に応えることだ。

私たちが取材や報道の自由を訴える根拠も、そこに根ざしている。


 特定秘密保護法案の国会提出直前、「報道や取材の自由への十分な配慮」が条文に加わった。

だが、法案には、捜査当局による捜査手法に限定を加える規定はない。
強制捜査を含め、最終的には捜査側の判断次第なのだ。
「知る権利」を脅かす恐れが強いと指摘せざるを得ない。


 一つ例を挙げたい。
報道機関が特定秘密に指定された情報を入手し、国民に知らせるべきだと判断すれば、報道に踏み切るだろう。
その場合、取材源は明かせない。
取材源を守ることで、国民の信頼を得ることができ、自由な取材も可能になる。


 一方、捜査側はどう対応するか。家宅捜索で記者のパソコンや携帯電話を押収し、漏えいした公務員を割りだそうとする可能性が高い。

そうなれば、多くの取材先に迷惑が及ぶ。
記者や報道機関の信頼は地に落ちる。

たとえ刑事訴追の段階で、法案の配慮規定に従い記者が起訴されなくてもダメージは大きい。
取材先を守れなければ、その後の取材活動は続けられないかもしれない。


 報道機関に家宅捜索が入る可能性が今週の国会審議で取り上げられたが、政府答弁は一貫性に欠けた。

森雅子特定秘密保護法案担当相は当初、配慮規定を理由に「入ることはない」と述べたが、谷垣禎一法相や古屋圭司国家公安委員長は、捜索の可能性を否定しなかった。


 実は捜索をめぐる事件が2005年、ドイツで起きた。
国家秘密とされるテロリストの情報が月刊誌に掲載されたのだ。

ドイツの法律では、記者に証言拒絶権を認めている。
だが、捜索を禁じる規定はなく、当局は捜索を行った。
その是非が争われ、憲法裁判所は違憲と判断した。


 ドイツでは昨年、刑法や刑事訴訟法が改正され、秘密漏えいがあっても記者本来の仕事である情報の入手や公表ならば、刑事責任は問われず、取材源割り出しを目的とした捜索もできないことになった。


 一方、日本では取材源を秘匿するための記者の証言拒絶権や、差し押さえ禁止の規定が刑事法令にない。

そうした状況下で、「そそのかし」のようなあいまいな規定で罰せられる可能性がある。

森担当相は後に、「(取材が)著しく不当な方法と認められない限り、捜索は入らない」と述べたが、不当かどうか捜査当局が決める根っこは変わらない。
やはり法案は問題だ。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(6) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月17日

20代でも脳年齢が50歳!? 脳にダメージを与える10個の悪習慣

20代でも脳年齢が50歳!?
脳にダメージを与える10個の悪習慣
2013.11.16 12:00 NEWSポストセブン

 皆さんは脳に良い事をしていますか?

 脳は身体の中で一番の司令官で、脳が命令を起こさなければ、私達は身体を動かしたり感動したり生きていく事はできません。


実は最近では、早いと20代で脳の委縮やダメージーを受けている人が多いのです。
簡単に言うと、年齢が20代でも脳の年齢が50歳になってしまっている人が、急激に増加しているのです。


更に恐ろしい事に、一度委縮した脳は二度と元に戻る事はありません。

これからお伝えする脳にダメージを与える生活習慣は、誰もが少しは当てはまるのではないでしょうか?

アメリカの情報サイト『Balance』から、脳にダメージを与える10個の習慣を御紹介します。身体を大切にするだけでなく、脳の事を意識して大切にしましょう。
■脳を破壊する10個の習慣


(1)朝食をぬかす

朝食を抜かす事で低血糖になります。
これは、退化を引き起こしている脳に対して栄養が不十分となり、脳にダメージを与えます。


(2)食べ過ぎ

食べすぎると、脳の動脈硬化を引き起こしてしまいます。
そして、精神的にも弱くなっていきます。


(3)タバコを吸う

タバコを吸う事で脳萎縮を引き起こして、アルツハイマー病に至る可能性が高くなります。


(4)大量の糖分摂取

大量の砂糖を摂取すると、脳が栄養失調の状態になります。
つまり、タンパク質や栄養素の吸収が中断される事で、脳の発達を妨げる可能性が高くなります。


(5)大気汚染

脳は体内の中でも一番、酸素を必要とする臓器です。
汚染された空気を吸う事で脳への酸素供給が減少し、脳の効率低下をもたらします。


(6)睡眠不足

脳は常に動いているので、睡眠をとっている間は脳が唯一休息をとれる時です。
しかし、睡眠不足が続く事で、脳細胞が破壊されていきます。


(7)頭まで布団をかぶって眠る

頭を布団でカバーして眠ると、二酸化炭素の濃度を増加させ酸素不足となるため、脳損傷の影響に繋がります。


(8)病気の時に頭を使う事

病気や風邪の時に勉強や仕事などで脳を使ってしまうと、能率が悪くなるだけでなく、脳損傷につながる可能性があります。


(9)刺激不足

考える事は脳にとって必要不可欠です。
考えなければ脳は刺激されずに、どんどんと委縮されていきます。
考える習慣をつけましょう。


(10)あまり人と会話をしない

知的な会話は脳の効率をよくしてくれます。
会話をしていないと、脳は老化してしまうのです。

いかがでしたか? 脳には栄養と酸素が必要不可欠だという事を忘れずに、刺激と休息を交互に与える事で活性化しましょうね。

いつも新たな事に挑戦している方が若々しいのは、きっと脳年齢が若いからなのでしょう。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月18日

消費税もNO アッキー夫人が首相を“痛烈批判”の波紋

消費税もNO アッキー夫人が
      首相を“痛烈批判”の波紋
2013年11月17日(日)
10時26分配信 日刊ゲンダイ

 口を封じられないか――と、首相周辺が困り果てている。
安倍首相(59)の昭恵夫人(51)が、公然と政権批判を始めているからだ

これまでも「私は家庭内野党」と公言していたが、どんどんヒートアップしているのだ。


 12日に行われた北海道新聞主催の講演会では、安倍首相の原発政策を、こう批判している。


〈自分の国の事故が収束していないのに、海外に売り込むことに対し、私は『どうなんだろうな』と思っている〉〈主人にも『いま、売り込むべきではない』と言っているが、聞いてもらえない〉


 さらに、消費税率アップについても、自分が始めた小料理屋の経営の厳しさを挙げて、

主人には『小さいところは大変なので消費税は上げないで下さい』と毎晩言っていた〉


 先月末には衆院議員会館で開かれたフォーラムに参加し、被災地に建設予定の巨大防潮堤について、
〈本当に造っていいのか、本当に美しい日本の復興なのか、考え直して欲しい〉と正面から否定しているのだ。

しかも、近くの居酒屋で行われたフォーラムの打ち上げでは、ボロボロと涙を流して挨拶したという。


 これまで官邸は、昭恵夫人の奔放な言動を「政権にとってマイナスじゃない」と放置してきた。


「首相のブレーキ役と国民には映り、むしろ安心感を与える」
「女房の自由勝手を許す寛大な夫に見える」と、なかば歓迎していた。

昭恵夫人が暴走しないようにと女性キャリア官僚2人をお目付け役としてつけている。
ところが、さすがに、ここにきて頭を抱えはじめているらしい。


「ただでさえ小泉元首相から“総理が決断すれば原発ゼロはできる”と名指しで批判され、安倍首相は困惑しています。

アッキーの発言と結びついて“脱原発”が盛り上がり、首相が批判のターゲットになったらたまらない。

心配なのは、どこまでアッキーをコントロールできるかです。

もともと、2人は仮面夫婦とみられている。
女性記者との女子会でアッキーは、〈夫には『私の存在が邪魔でしたら、どうぞ病院に入れて下さい』と言っているの〉と漏らしています。

要するに、邪魔だったら、いつでも離婚しますよ、ということ。
イザとなったら、夫が困ることを気にせず突っ走る恐れがある。
女性官僚2人のコントロールが利かなくなったときが怖い」(官邸事情通)


 安倍政権が崩壊するなら、昭恵夫人の暴走は大歓迎だ。


(日刊ゲンダイ2013年11月16日掲載)

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月19日

風知草:秘密との、つき合い方=山田孝男

風知草:秘密との、つき合い方=山田孝男
毎日新聞 2013年11月18日 東京朝刊

 敵に漏れれば国の安全が脅かされる情報を、国が秘密にするのは当然のことである。

国を守るため、情報漏れの処罰法を整えるという政府の意図が本質的に暗黒だとは思わない。


 政府が特定秘密保護法案の成立を急ぐ理由の一端は、第1次安倍内閣の2007年に起きたイージス艦情報漏れ事件にある。

出入国管理法違反容疑で神奈川県警に逮捕された中国人の女性(当時33歳)宅からイージス艦の構造図面、レーダーの捕捉距離など最高度の機密を含む外付けハードディスクが見つかった。


 イージス艦は強力なレーダーとミサイルで同時多発の敵襲を迎え撃つ高性能の護衛艦だ。
イージス(Aegis)はギリシャ神話に登場する神の盾。

米海軍にあっては空母の用心棒、海上自衛隊の6隻は日本のミサイル防衛の要である。


 その最高機密が中国へ流れた可能性が浮上、日米両国政府はあわてた。


 情報の流出元は横須賀基地でコンピューターのプログラム管理に携わる3等海佐だった。
先輩に当たる広島県江田島の術科学校(教育機関)教官が、アクセスする資格がないのに3佐に頼んで入手。

教官の部下が無断で大量コピーして仲間に配り、自慢した。
受け取った一人が中国人女性の夫の2等海曹だった。


 スパイ事件ではなく、中国政府に流れたわけではないが、漏らした3佐は逮捕され、懲役2年6月(執行猶予付き)が確定。
3佐を含む3人が懲戒免職という自衛隊史上最悪の情報漏れ事件になった。

イージス艦に守られながら、イージス艦の秘密保持には無頓着という日本の矛盾を、この事件は浮き彫りにした。


 3佐は日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反に問われた。
同法は自衛隊にのみ適用される。
仮に情報が経済産業省(ここも武器を扱う)から漏れても刑事責任は問えない。

 そもそも、法律と規則が整った自衛隊さえ、ゆるフン状態なのである。


 軍事情報史の労作「インテリジェンス」(12年ちくま学芸文庫、小谷賢著)によれば、アメリカも昔はゆるゆるだった。
東西冷戦で鍛えられた。

イギリスの007の伝統は、第一次大戦以来、ドイツとの確執を通じて培われたものである。
日本にも旧軍の伝統が残っていたが、1970年代を境に絶えた。


 これらの歴史を顧みることは時代錯誤だろうか。
イージス艦無用、日米安保無用、渡る地球に敵などいないと考える人々にとってはそうかもしれない。

 私はそうは思わない。
国際社会の波風はますます強く、しかもアメリカが警察官役から退いていく。日本の自立・自衛が問われている。
軍事は邪悪、秘密は暗黒という過度の思い込みを改める必要がある。


 秘密保護法案の最大の論点は、官僚が秘密を乱造し、闇へ葬るという不信だ。
その恐れは十分にある。
アメリカは秘密も多い(多過ぎて流出が続く)が、2500人を擁する国立公文書館の権限が大きく、管理が分権的だ。

日本の公文書館はわずか40人で、霞が関の抵抗を覆す力はない。


 秘密保護法案の問題は多いが、規制が緩いままではかえって社会の安全が脅かされる側面もある。


 日本で活動し、日本を観察した旧ソ連のスパイに警句がある。
「確かに民主主義は開放的な制度だが、民主主義そのものを損なうほど開放的であってはならないのだ−−」(「KGBの見た日本/レフチェンコ回想録」84年)

 味わうべきだと思う。(敬称略)
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

(秘密保護法案)警察・公安情報は除外を 江川紹子氏

(秘密保護法案)
警察・公安情報は除外を 
ジャーナリスト 江川紹子氏
2013年11月18日18時29分 朝日デジタル

 警察や公安調査庁だけでも、特定秘密保護法案の対象から外すべきだ。

防衛省、外務省の秘密は大臣が責任を持つので、政権交代があれば顔ぶれは変わる。

だが、警察庁や公安調査庁の組織の長は官僚。永遠に組織優先の判断がなされる。


 共産党に対する盗聴事件など、警察や公安は違法な捜査も隠せるとなればやる。

私自身、オウムを取材していたときに、盗聴されたと感じることがあった。

五輪を控え、テロ防止が最大の目標になる。
多くの人を盗聴し、メールを盗み見るのではないか。
広く網をかけて絞り込むのが、彼らの手法だから。


 安倍政権を信頼して、恣意(しい)的な運用はないという人には、その人にとって最悪の政権ができたときにこの法律がどう機能するかと聞きたい。
法律はいったんできたら、どう使うかは権力者次第だ。


 中曽根政権の国家秘密法案のころは、戦争体験者がたくさんいて、戦争のにおいがするものに敏感に反応した。

新聞はこぞって批判し、私も神奈川新聞で連載した。
いまはその動きが弱まっている。メディアも動きが遅かった。
論調が違っても共闘できる部分はあるはずだ。


 報道に関して言えば、「出版または報道の業務に従事する者」の取材の自由を保障するとは言っている。
私のように継続的に活動しているフリーランスも報道に従事する者と認定されるようだ。

じゃあ、新人は。ライター志望者が、他の仕事で生計をたてながら潜入ルポをしたら処罰の対象になるのか。
ブログやフェイスブックで情報発信する人もいる。
いまの時代にそぐわない。


 いまの状況で廃案にするのは難しい。
各種世論調査では反対が多数派だが、政権は、これで世論を押し切っても影響はないと思っているだろう。
では、警察も公安調査庁も機密の対象になるような最悪の事態を避けるためにどうするか、という現実路線も必要。
あきらめたら終わり。より悪さを少なくするのも大事だ。
      (聞き手・古田大輔、林幹益)

     ◇

 えがわ・しょうこ
 1958年生まれ。ジャーナリスト。
新聞社勤務を経てフリーに。
坂本弁護士事件などオウム真理教問題の取材で菊池寛賞を受賞。
冤罪(えんざい)問題にも詳しい。

posted by 小だぬき at 02:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月20日

香山リカのココロの万華鏡:ムダな「前置き」大切に

香山リカのココロの万華鏡:ムダな「前置き」大切に
毎日新聞 2013年11月19日 東京地方版

 ちょっと体調を崩して病院を受診し、検査を受けた。
いつもは検査をしたり診断をつけたりする側なのに逆の立場になったわけだ。

診察室に呼ばれ医師の前に座る。
机の上のパソコンモニターに自分のものとおぼしきCT画像が並んでいるのを見ると、さすがに不安になってくる。


 医師はデータを一通りチェックして私のほうに向き直り、柔らかな笑顔でこう言った。
「ご安心くださいね。大きな問題ではありません。これから詳しく説明します」


 「ご安心ください」というその一言で私は気持ちを整え、その後の説明をしっかり聞くことができた。
診察室を出てから「最初の一言って大事なんだな」と、改めて実感した。


 医師には「腕はよいけれど会話は不得意」というタイプも少なくなく、そういう人のために「医療コミュニケーション講座」なども開かれている。

そのテキストにも「患者さんが心の準備をするための言葉が必要」と書かれている。

たとえ良くない結果を伝える時でも、いきなり具体的な病名などを告げるのではなく「申し上げにくい話なのですが」「治療すべき問題が見つかりましたので、これからお話ししますね」といった「前置き」を忘れない。

その後に伝えられる内容が一緒だとしても、患者さんは前置きによって少しでも心の準備をし、医師が誠実に問題に向き合っているのを感じることができる。


 私は診察室でどうだろう、と我が身を振り返った。

精神科の場合血液検査などでいきなり病名を告げることはないのだが、初めての患者さんに対して記入してもらった問診票を見ながら、あいさつなどもなしに「えーと、眠れないんですか? いつから?」などと切り出してはいないか。
また、一通りの診察後に「そううつ病ですね、お話からすると」といきなり診断名を伝えてはいないだろうか。


 「ご心配でしたね」「大丈夫ですよ」「問題はありますが一緒に乗り越えましょう」といった「前置き」やクッションのような一言は、診察室だけに限らず他の仕事の場でも日常生活でも、ともすればムダと省かれてしまう場合もある。
必要な情報だけをやり取りするのが効率のよいコミュニケーション、と考える人もいるようだ。


 しかし、人間は「いきなりデータ」「結果だけ伝える」といったやり取りに耐えられるほど強くはできていない。

私も診察室であいさつ、ねぎらいや慰めの言葉などをもっと大切にしなければ、と改めて思った。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月21日

石井苗子の健康術:悪事に惹かれる人間の心理

石井苗子の健康術
悪事に惹かれる人間の心理
2013年11月19日  読売新聞yomi
Dr.

手早く儲けられたらいい、ばれたら謝る)


 かつて私に
「悪いことでも、ばれなきゃそっちで儲(もう)けた方がいい、ばれたら謝るしかないけど、悪いことはするなとか偉そうなことをいう人間は偽善者だ」、と言った人がいましたが、正直な方だと思いました。

 人間の心の中に誰にでも多少は、悪事に惹(ひ)かれる欲求が存在している。
 今日はその犯罪心理について書きたいと思います。

 あの悪事がうまく回っているうちは、このまま続くのではないかとタカをくくってしまう。
これが人間の恐ろしいところです。


 行く手に何が待ち構えているか分からないほどの悪事でも、魔が差すことがある。
もしかしたら、ずっとできるかもしれないとタカをくくってしまう。


 先週、「悪の法則」という映画を見ました。
内容はどこにも書いてはいけない約束になっていますが、タイトルを見ればおよその想像がつきます。
悪事の末路はどうなるのかという「法則」がある。
それに比べると、どんな善行の行く末も誰にも分からないものです。


 近頃、日本の市場でエビの種類について偽装があったことがニュースになりました。
あとからあとから同じような業界の方が「申し訳ございませんでした」とテレビに出てくる。
共通点は、どなたも必ずしもお金に困ってやっている人とは思えないところです。

やむにやまれずこうなってしまった、という犯罪は情状酌量という言葉が存在しますが、それぞれの弁明を聞いていても、どこがやむにやまれずなのか理解できません。

ばれなければずっと儲けていられたという悪事だったという他に何があるのでしょうか


 人は生活できるお金があっても、もっと儲けたいと思う。
たとえそれが誰かをだましていることになっていたとしても、商売上手と紙一重とさえ言われる業界もあります。
でも、「ごめんなさい」でおさまる悪事ばかりではないことは、誰でも知っています。

謝ってすまないどころか、知り合いから愛する人まで殺されてしまう悪事にかかわっていたことで分かる。
これほどの「後悔先に立たず」という法則が他にあるでしょうか。


 その一方で、殺人事件の裁判でも平然としている被告人もいます。
自分の心の中にある欲求に負け続けているうちに、まるで、悪事に対する判断神経が麻痺(まひ)してしまう病にかかってしまったように、人が変化してしまう。法的証拠がなければ、なんともならないでしょうと平然としている人もいます。
悪事が何なのか自分の心の中で整理がつかなくなってしまうほど、悪事に魅了されつくしてしまった人間の末路でしょう。


 悪事は、異常なほど怪しい魅力を持っているものです。
やってはいけないと言われているものほど、やりたくなる。
もともと人間の欲求が満たされるものだから悪事なのかもしれません。
だから、罰則が存在するのではないかと思うぐらいです。


 誰だって、人生の晩節を汚すようなことにならないようにと願うものです。

お金に限らず、権力もそうでしょうが、そういったものを手に入れてみたいという欲求のストレスから解放されるような生活が早くからあったら、人は本物の幸福感を感じながら生きていけるのだと思います。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月22日

特定秘密保護法案 捜査が暴走し始める

特定秘密保護法案
     捜査が暴走し始める
2013年11月21日 東京新聞「社説」

 普通に生活する町のクリーニング業者が、まさかスパイであるはずがない。でも、米軍の機密情報を入手したとして起訴され、有罪判決を受けるという、信じ難い出来事が過去にあった。


 米海軍の横須賀基地(神奈川)に所属する軍艦の乗組員を相手に商売をしていただけだ。
クリーニング店の支配人は、営業上の必要から、基地に勤務する軍人を料理店でもてなしたりした。
そして、基地に出入りする軍艦の入港予定日や時間などを記したペーパーをもらっていた。


 これが米海軍の機密にあたるとされた。
「不当な方法で、探知し、または収集した」とし、一九五七年に横浜地裁は、懲役八月執行猶予二年の判決を出したのだ。
罪名は日米地位協定に伴う刑事特別法違反である。


 安全保障条約に基づく法律で、機密漏えいばかりでなく、探知も陰謀、教唆、扇動も処罰する。

最高刑は懲役十年である。
陰謀は共謀と同じだ。
骨格が今回の法案とそっくりなのだ。
もてなしも「不当な方法」と認定された。


 特定秘密保護法案は防衛や外交、特定有害活動やテロリズムの防止−の四つの分野を対象にしている。
しかも、「その他の活動」や「その他の重要な情報」など、「その他」の言葉が、三十六回も散乱する。

いかなる解釈もできるよう、官僚が意図して曖昧に書いているのではないだろうか。


 社会の幅広い場面で法律が適用される懸念は大きい。
しかも、何が秘密であるかも秘密にされる。
必然的に、どこまで処罰の範囲が広がっているのか、国民には全く手掛かりがつかめない。


 民間人が秘密に近づく事前行為さえ処罰する。
「話し合い」は共謀であり、「呼び掛け」は扇動となる。

近代刑法は犯罪の実行を要するのに、その前段階で取り締まることが可能なのだ。


 刑事裁判の場合も、秘密は公開されないはずだ。
「外形立証」という、秘密指定の理由や手続きなどの審理だけで、「実質的に秘密に値する」と認める手法だ。


 被告人は内容を知らないまま罪に問われる。
無実の証明は困難になるだろう。
「裁判の適正手続きを侵害する」などと、刑事法学者らも反対の声をあげている。

 捜査当局は新たな“武器”を得るのに等しく、どんな運用をするかもわからない。
歯止めのない法律は、やがて暴走し始める。 
       (論説委員・桐山桂一)

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月23日

〈秘密保護法案〉落合恵子さん:私たち一人ひとりの問題 

〈秘密保護法案〉落合恵子さん
 私たち一人ひとりの問題 
2013年11月21日22時39分 朝日デジタル

 ■作家・落合恵子さん


 3・11後、脱原発運動を続けてきました。
1986年にチェルノブイリ原発事故が起きてささやかな勉強会を開きましたが、長続きしなかった。
そのことへの反省があります。


 いま、同じ思いで特定秘密保護法案の反対を訴えています。

法律ができて言論が弾圧された戦前のような取り返しのつかない状況を迎えた時、どうしてもっと力を尽くさなかったのかと悔いたくはないからです。


 この法案について、近所の人から「(処罰される対象になる)公務員じゃないから大丈夫」と言われたことがあります。
そうでしょうか。

私たちは、東京電力福島第一原発事故で情報の隠蔽(いんぺい)をさんざん経験し、今も味わっています。


 テロ対策を名目に原発に関する情報はますます出なくなると思います。

秘密が広がり、大切な情報が市民に届かなくなる。
そうなれば、一人ひとりが多様で正確な情報に基づき判断するという民主主義の基礎が壊れてしまう。
私たち一人ひとりの問題なのです。


 歴史を振り返れば、いつの時代でも世界のどこでも権力は情報を隠します。
政府が情報をどれだけ開示するかが民主主義の成熟度を示すものですが、日本の情報公開は米国などに比べはるかに遅れています。

政治が取り組むべきは、秘密保護ではなく情報公開です。

 法案の修正ではなく、廃案しかありません。
     ◇

 秘密が増えて私たちの身の回りが息苦しくならないか。
暮らしにはどんな影響が出るのか。
国会での審議が大詰めを迎えている特定秘密保護法案に反対する動きが広まっている。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

藤原紀香だけじゃない! 超美人アナも「秘密保護法」に反対

藤原紀香だけじゃない!
超美人アナも「秘密保護法」に反対
2013年11月22日 日刊ゲンダイ掲載

 女優の藤原紀香がブログで特定秘密保護法案に反対して話題をまいたが、それに続く美人女子アナが現れた。
NHKなどで活躍したフリーアナウンサーの安田真理氏(35)で、今月15、16日、〈「特定秘密保護法案!?」と「西山太吉さん!!」〉と銘打った文章をアップ。
法案に疑問を投げかけた。

 さっそく、安田さんに話を聞いてみると――。

「16日に沖縄密約を暴いた元毎日新聞記者の西山太吉さんの講演を聞きました。
『外務省は密約文書を破棄し、今でも“密約はなかった”と嘘をついている』『秘密保護法案が成立すると、こうした政治犯罪がまかり通る』などと語られ、最後に『(政府を)底辺から突き上げて欲しい』と訴えられました。

まさに私たちが底辺で、何もしない日本人だったのだろうと思い知らされたんです」

 安田さんは鳥越俊太郎氏らが呼びかけたジャーナリストらの反対決起集会にも参加した。

「秘密保護法案について、もっと詳しく知る必要があると思いました。

本当に、スパイ行為などから自国を守るものなのか、それとも、国民を戦争に駆り立てるものなのか。
この法律の下、自分の夫や息子が戦争に駆り出されることになった時に『こんなはずじゃなかった!』と言っても遅いわけですから」

 先日は日経新聞が主催した「日米同盟」をテーマにしたシンポジウムにも参加した。

「日米同盟を強化して日本も武力武装する、自国を守るためには戦争も仕方がないのだという流れを強く感じました。
戦前の軍国主義が復活するような気がして、怖いですね

 キー局のアナウンサーも声を上げるべきだろう。
posted by 小だぬき at 19:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月24日

秘密保護法案―これで採決などできぬ

秘密保護法案―これで採決などできぬ
2013年 11月 23 日(土)付 朝日新聞「社説」

 特定秘密保護法案は、表現の自由という基本的人権にかかわる法案だ。たった2週間あまりの審議ですませるなど、とうてい認められない。


 自民、公明両党と修正案で合意した日本維新の会も含め、野党側は、与党が求める26日の衆院通過に反対している。当然である。


 仮に、採決を1日や2日延ばしたところですむ話ではない。
さらに時間をかけた徹底審議が必要だ。


 与党と維新、みんなの党の4党修正案には、あまりに不可解な点が多い。


 特定秘密の指定期間について、与党は「原則30年」といっていたのが、いつの間にか実質的に60年に延びてしまった。
しかも、60年を超えられる幅広い例外が認められている。


 また、法施行から5年の間に秘密指定をしなかった役所には指定権限をなくすという。
秘密指定ができる役所を絞るためだというが、これでは逆に多くの役所に秘密づくりを奨励するようなものではないか。


 こんな矛盾や疑問を4党はどう説明し、政府はどう運用しようとしているのか。
一つひとつ明らかにしていくだけでも、相当の時間がかかる。


 加えて、民主党が独自の対案を5本も出しているのだ。
時間をかけるのは当たり前だ。


 審議入りから約10日後の民主の対案提出に、与党は「遅すぎる」と批判する。
だが、審議にたえる法案をつくるには時間がかかる。
この批判こそ、与党の性急さをかえって浮き彫りにしているのではないか。


 与党が各党と修正協議をしている間、特別委員会での審議は、たるみ切っていた。


 与党側には空席が目立ち、野党の質問に森雅子担当相は「修正協議の内容にかかわるので控える」と繰り返す。
議場での質疑より密室での取引のほうが大事だと言わんばかりである。


 こんな茶番が続く一方、国会の外ではこの法案に反対する声が強まっている。


 東京・日比谷でおととい開かれた集会には、主催者発表で約1万人が集まり、法案への反対を訴えた。
同様の集会は、大阪、名古屋でもあった。


 この法案が単に取材をめぐる政府と報道機関の関係にとどまらず、市民社会にも大きく影響する問題をはらんでいるとの認識が広まっている表れだ。


 衆院特別委は来週、福島市で公聴会を予定している。
これだけに終わらせず、中央公聴会も開いて一人でも多くの国民の声を聴くべきだ。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月25日

政権による社会的抹殺を助長する特定秘密保護法

高橋乗宣の日本経済一歩先の真相
政権による社会的抹殺を助長する
特定秘密保護法
2013年11月22日 日刊ゲンダイ掲載

都合が悪ければ口封じ

 参院選の争点にもならなかった特定秘密保護法案が、ロクな審議もされないまま成立しそうだ。

この間、多くの国民はアベノミクスの打ち上げ花火に目を奪われていた。

改憲をめぐり、「知らないうちに変わっていたナチスの手法を見習えばいい」と強調したのは麻生副総理。
国民に騒がれないよう静かに進めればいいとの主張だったが、この法案をめぐる動きを見ていると、ナチスのやり方を実践しているようだ。

 メディアでは、「国民の知る権利が損なわれる」といった警戒感が目立つ。それも確かだろう。

法案には、「その他」という表現が36回も出てくるそうだ。

合法的に隠される秘密は無限に広がる恐れが強い
「テロに狙われている」と規定すれば、福島原発の情報も「特定秘密」になる。
「高濃度の放射性物質が漏れている」と公表すれば、懲役を食らうわけだ。知る権利など、お題目に過ぎなくなる。

 それよりも恐いのは、政府に都合の悪い意見を言う人たちが、社会的に抹殺される恐れがあることだ。

 10年以上前、ある経済の専門家が突然メディアに出なくなった。
犯罪を犯したわけでもなければ、自ら引退を決めたわけでもない。
活躍の場を与えられなくなったのだ。
通信社や商工会議所が主催する講演にもお呼びがかからなくなった。
その結果、表舞台からパッタリと消えたのである。

 その人物は、政権を批判するスタンスを取っていた。
どうやらそれが、ときの政権にとって都合が悪いとなったらしい。

 なんでも陰謀で片づけようとするのは好きではないが、知り合いの役人によると、日本には政権批判する勢力をパージする仕組みがあるという
歯に衣着せぬ物言いが目障りになり、活躍の場を奪われた可能性が高いようだ。

 こうした下地がある中で、特定秘密保護法が施行されればどうなるか。
特定秘密によって、勝手に「テロに関わっている」と判断されれば、家族や友人まで監視される。
最終的に地位を失うこともあるだろう。

それによって不利益を被ったとしても、名誉を回復する方法はない。
裁判を起こしたところで、政府が何をやったかは秘密にされるのだ。
60年後に、そうした事実が明らかになったところで、失われた時間を取り戻すことができるわけではない。

 このままでは、自らの考えに基づいて表現したり主張したりして生きていくという民主主義の原点が失われるだろう。
【高橋乗宣】
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月26日

秘密保護法案を問う ツワネ原則

秘密保護法案を問う ツワネ原則
毎日新聞「社説」 2013年11月25日 02時35分

◇世界の流れも知ろう

 国家機密の保護をめぐる規定は各国さまざまだが、一つの指針として今年6月にまとまった50項目の「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」が注目されている。

国連関係者を含む70カ国以上の専門家500人以上が携わり、2年以上かけて作成された。
発表の場が南アフリカの首都プレトリア近郊ツワネ地区だったため「ツワネ原則」と呼ばれる。

人権問題などを協議する欧州評議会の議員会議が10月、この原則を支持する決議を採択した。


 ツワネ原則は、国家機密の必要性を認めながらも、国が持つ情報の公開原則とのバランスに配慮すべきだと勧告している。

公開の規制対象は国防計画、兵器開発、情報機関の作戦や情報源などに限定し、
(1)国際人権・人道法に反する情報は秘密にしてはならない
(2)秘密指定の期限や公開請求手続きを定める
(3)すべての情報にアクセスできる独立監視機関を置く
(4)情報開示による公益が秘密保持による公益を上回る場合には内部告発者は保護される
(5)メディアなど非公務員は処罰の対象外とする−−などを盛り込んだ。


 また、情報を秘密にする正当性を証明するのは政府の責務であり、秘密を漏らした公務員を行政処分にとどめず刑事訴追できるのは、情報が公になったことが国の安全に「現実的で特定できる重大な損害」を引き起こす危険性が大きい場合に限るとしている。


 日本の特定秘密保護法案をめぐる審議に、この新しい国際的議論の成果は反映されていない。


 法案の狙いである違反者への厳罰化も疑問だ。

欧米では敵国に国家機密を渡すスパイ行為は厳罰だが、これに該当しない秘密漏えいの最高刑は英国が禁錮2年、ドイツが同5年までだ。

日本の法案と同じ最高懲役10年の米国は、欧州諸国と比べて厳しすぎるとの指摘がある。


 欧米は近年、むしろ情報公開を重視する方向に進んでいる

米国では2010年、機密指定の有効性を厳格に評価する体制作りなどを定めた「過剰機密削減法」が成立した。
秘密情報が増えすぎて処理能力を超えたことが逆に漏えいリスクを高めているという反省もある。

また英国では3年前、秘密情報公開までの期間が30年から20年に短縮され、議会監視委員会の権限が今年から強化された。

こうした世界の流れから日本は大きくはずれている。

審議中の法案は廃案とし、国家機密保持と情報公開の公益性のバランスについて十分な議論を尽くすべきだ。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月27日

秘密保護法案 不十分な審議、強引な採決は許されぬ

秘密保護法案 
不十分な審議、強引な採決は許されぬ
毎日新聞「社説」 2013年11月26日 02時30分

 政府・与党は、特定秘密保護法案について、みんなの党や日本維新の会との修正協議がまとまったことを受け、26日にも衆院通過を図る可能性がある。緊迫した状況だ

 だが、法案の審議はまだ尽くされていない。
ましてや、修正協議は密室で行われており、国会で十分に議論されたわけではない。


 国民の「知る権利」など、憲法上要請される大切な権利を侵害する恐れのある法案だ。

徹底的に国会で審議を重ねるのは、国民の代表者としての国会議員の責務だ。会期末の近い今国会での成立に突っ走り、強引に採決するのは到底許されない。


 25日に福島市で開かれた衆院特別委員会公聴会では、地元の首長や学識者、弁護士ら7人が意見を述べた。

萎縮効果で情報が流れなくなることや、国民に必要な情報が隠されることへの懸念が示され、「まず情報公開を進める法制を」との声も強かった。
今国会成立への賛成はなく、大半の人が廃案か慎重審議を求めた。


 東京電力福島第1原発事故の際、放射能の影響を予測するSPEEDIが当初非公開だったため、地元住民は避難の方向を誤った。

テロ活動防止の観点から、原発の警備実施状況も特定秘密に指定される可能性が大きい。
それ以外の原発情報も隠されはしないか。
そういった福島の人たちの心配は、もっともだ。


 公聴会の意見を重く受け止めれば、審議に時間をかけるしか道はない。
そうでなければ、意見を聞く場をアリバイ的に設けただけだと批判されてもやむを得ない。

 法案がやっと国民に浸透し始め、反対や疑問の声がじわじわと広がりつつある。
21日夜、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で開かれた反対集会には、主催者発表で約1万人が参加した。
入りきれなかった多くの人が音楽堂を取り囲んだ。

年配の人が目立った。
軍事秘密を守るために過酷な取り締まりをした軍機保護法や治安維持法など戦前戦中の法制と、特定秘密保護法案を重ね合わせる人は少なくない。杞憂(きゆう)というのならば、政府は、もっと丁寧に説明すべきだ。


 ジャーナリストや弁護士会だけではない。NGOや市民団体、学者、作家など、反対の意見表明は日を追うごとに増えている。

世界100カ国以上の作家やジャーナリストで作る「国際ペン」も、「政治家と官僚が、市民の情報と言論の自由を弱体化させようとしている」と、異例の声明を出した。

他の地方や中央での公聴会も開き、謙虚に国民の声を聞くべきだ。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

秘密保護法案 採決強行 秘密 政権意のままに

秘密保護法案 採決強行 
         
秘密 政権意のままに
2013年11月27日 07時07分  東京新聞

 特定秘密保護法案は二十六日夜の衆院本会議で、自民、公明の与党とみんなの党の賛成多数で可決、参院に送付された。

法案は国民の「知る権利」を侵す恐れがあり、違反すれば重い罰則を科される。
法曹界や言論界には廃案を求める声が大きかったが、与党は根幹部分を変えることなく、採決の強行という手段で衆院を通過させた。

法案がこのまま成立すれば、政権が意のままに秘密を指定し、国民に都合の悪い情報を隠せるようになる。


 採決では、民主、共産、生活、社民の四党が反対した。

日本維新の会は与党と修正合意したが、審議が不十分だとして棄権した。

法案への反対を表明していた自民党の村上誠一郎氏は退席。

みんなの党では江田憲司前幹事長が退席し、井出庸生(ようせい)、林宙紀(ひろき)両氏が反対した。


 本会議に先立ち、与党は午前の衆院国家安全保障特別委員会で、質疑を打ち切る緊急動議を提出して採決を強行。

与党とみんなの党の賛成で可決した。
みんなを除く野党は反発。

民主、維新、共産、生活、社民五党の国対委員長が伊吹文明議長に本会議を開かないよう要請するなど抵抗したが、最終的に与党が押し切り、議院運営委員会で本会議開催を決めた。


 本会議の討論では、反対の会派が法案の問題点を追及し、

生活の玉城デニー氏は「国が扱う情報は国民の財産で、公開されるべきだ。
厳罰規定もあり『知る権利』を著しく侵害する」と主張。

共産党の赤嶺政賢氏は「政府によって秘密が勝手に決められ、国民には何が秘密かも知らされない」と批判した。


 法案の衆院通過を受け、参院議院運営委員会は夜の理事会で、二十七日の本会議で趣旨説明と質疑を行うことを与党などの賛成多数で決めた。

(東京新聞)
posted by 小だぬき at 08:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月28日

秘密保護法案衆院通過 民主主義の土台壊すな

秘密保護法案衆院通過 
     民主主義の土台壊すな
毎日新聞「社説」 2013年11月27日 02時30分

 あぜんとする強行劇だった。

 衆院国家安全保障特別委員会で特定秘密保護法案が採決された場に安倍晋三首相の姿はなかった。

首相がいる場で強行する姿を国民に見せてはまずいを与党が選んだという。


 与党すら胸を張れない衆院通過だったのではないか。
採決前日、福島市で行った地方公聴会は、廃案や慎重審議を求める声ばかりだった。
だが、福島第1原発事故の被災地の切実な声は届かなかった。


 審議入りからわずか20日目。
秘密の範囲があいまいなままで、国会や司法のチェックも及ばない。
情報公開のルールは後回しだ。


 国民が国政について自由に情報を得ることは、民主主義社会の基本だ。
法案が成立すれば萎縮によって情報が流れなくなる恐れが強い。
審議が尽くされたどころか、むしろ法案の欠陥が明らかになりつつある。


 この法案について首相はさきの参院選で国民に十分説明せず、今国会の所信表明演説でも触れなかった。

ところが今、成立ありきの強硬路線をひた走っている。
衆参のねじれ状態が解消して4カ月での与党のおごりである。


 一部野党が安易な合意に走ったことも消せぬ汚点だ。

日本維新の会、みんなの党両党との修正合意は法案の根幹を何ら変えていない。
維新の会と「検討する」と合意した秘密指定の妥当性を判断する第三者機関の設置も確約されたとは言えない。


 秘密指定の最長期間が60年となるなど、改悪となりかねない部分すらある。
これではまるで与党の補完勢力ではないか。


 衆院は通過したが、法案の必要性を改めて吟味する必要がある。


 国の安全が脅かされるような情報を国が一定期間、秘密にするのは理解できる。


 情報漏えいを禁じる法律は、国家公務員法、自衛隊法、日米相互防衛援助協定(MDA)秘密保護法があり、懲役の最高刑はそれぞれ1年、5年、10年だ。
一方、政府は、過去15年で公務員による主要な情報漏えい事件が5件あったとの認識を示した。
この三つの法律の枠内で、起訴猶予になったり、最高刑を大幅に下回る刑の言い渡しを受けたりしている。


 現行法の枠内で、情報が漏えいしないような情報管理のシステムを各行政機関内で構築して規律を守ることが先決だ。


 法案では、防衛・外交情報のほか、テロ活動防止などの名目の公安情報も特定秘密の対象となる。
監視活動が中心の公安捜査は、国民の人権を制約する。


 情報を知ろうとする国民が処罰されるような強い副作用を覚悟の上で、新たな法律を今作る必要が本当にあるのか。


 「知る権利」に対する十分な保障がなく、秘密をチェックする仕組みが確立されていないなど問題点や疑問はふくらむばかりだ。

参院では一度立ち止まり、この法案の問題点を徹底的に議論した上で危うさを国民に示すべきだ。


 民主主義の土台を壊すようなこの法案の成立には反対する。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月29日

参院審議入り 賛成政党も「拙速」懸念

参院審議入り
 
賛成政党も「拙速」懸念
2013年11月28日 東京新聞朝刊

 

国民の「知る権利」が侵害される恐れのある特定秘密保護法案は二十七日、参院本会議で審議入りした。

質疑では、与党の自民、公明両党と衆院で賛成したみんなの党の議員が法案への懸念を示し、慎重な審議を求めた。

会期が残り十日に満たない今国会での成立にこだわる政府・与党の異常さを「身内」が批判したものだ。

だが、与党は二十七日、参院国家安全保障特別委員会での審議入りを職権で決定。国会での発言と国会運営がかけ離れる「言行不一致」となった。 (金杉貴雄)


 「成立ありきの拙速な審議とのあらぬそしりを受けぬよう国会論戦をお願いする」

 「国民にいまだ不安や懸念があることを、政府は真摯(しんし)に受け止めなければいけない。
法案が不可欠な理由を説明しきれていない」


 参院で最初に質問に立った自民党の宇都隆史氏は苦言を呈した。
与党自身が多くの野党と合意のないまま衆院で採決し、参院で審議入りさせた姿勢と矛盾するが、国会周辺で法案反対のデモが連日続き、衆院で採決を強行したことへ批判が高まっていることを意識した発言だ。


 宇都氏は法案の必要性を主張する一方で、問題点も指摘。
「政府に都合の悪い情報を恣意(しい)的に指定し、隠蔽(いんぺい)を図る行為は漏えいと同様に罪が重い」と、政府が不正に秘密を指定することへの罰則を設けるよう求めた。


 公明党の矢倉克夫氏も「特定秘密の定義は主観的基準が多い」「過失での漏えいまで処罰される」と法案を批判した。


 みんなの党の真山勇一氏は、衆院での採決強行を「(議論に)水を差した」とし「国民は不安を抱いている。急がず審議を」と慎重審議を求めた。
党内には、十分な成果を得ぬまま与党と修正合意したことに不満を持つ参院議員も少なくない。


 こうした発言は、衆院で可決された法案にこだわらず、参院が「良識の府」として熟議を尽くすべきだと訴えているようにも聞こえる。

だが、政府・与党は民主党など野党との合意を得ずに、強引に特別委での審議を進めようとしている。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月30日

陸自、独断で海外情報活動/首相や防衛相に知らせず/文民統制を逸脱/民主国家の根幹脅かす

陸自、独断で海外情報活動
      首相や防衛相に知らせず
文民統制を逸脱
       民主国家の根幹脅かす

共同通信47ニュース 2013/11/28 14:30

 陸上自衛隊の秘密情報部隊「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」(別班)が、冷戦時代から首相や防衛相(防衛庁長官)に知らせず、独断でロシア、中国、韓国、東欧などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官に情報活動をさせてきたことが27日、分かった。


 陸上幕僚長経験者、防衛省情報本部長経験者ら複数の関係者が共同通信の取材に証言した。


 
自衛隊最高指揮官の首相や防衛相の指揮、監督を受けず、国会のチェックもなく武力組織である自衛隊が海外で活動するのは、文民統制(シビリアンコントロール)を逸脱する。


 衆院を通過した特定秘密保護法案が成立すれば、自衛隊の広範な情報が秘密指定され、国会や国民の監視がさらに困難になるのは必至だ。


 陸幕長経験者の一人は別班の存在を認めた上で、海外での情報活動について「万が一の事態が発生した時、責任を問われないように(詳しく)聞かなかった」と説明。

情報本部長経験者は「首相、防衛相は別班の存在さえ知らない」と述べた。


 防衛省と陸自はこれまで別班の存在を認めておらず、 小野寺五典防衛相は27日夜、「陸幕長に過去と今、そのような機関があるのかという確認をしたが、ないという話があった」と述べた。


 関係者の話を総合すると、別班は「DIT」(防衛情報チームの略)とも呼ばれ、数十人いるメンバー全員が陸自小平学校の「心理戦防護課程」の修了者。
同課程は諜報(ちょうほう)、防諜活動を教育、訓練した旧陸軍中野学校の後継とされる。


 別班の海外展開は冷戦時代に始まり、主に旧ソ連、中国、北朝鮮に関する情報収集を目的に、国や都市を変えながら常時3カ所程度の拠点を維持。
最近はロシア、韓国、ポーランドなどで活動しているという。


 別班員を海外に派遣する際には自衛官の籍を抹消し、他省庁の職員に身分を変えることもあるという。


現地では日本商社の支店などを装い、社員になりすました別班員が協力者を使って軍事、政治、治安情報を収集。
出所を明示せずに陸幕長と情報本部長に情報を上げる仕組みが整っている。
身分偽装までする海外情報活動に法的根拠はなく、資金の予算上の処理などもはっきりしない。


 冷戦時代の別班発足当初は米陸軍の指揮下で活動したとされる。

陸幕運用支援・情報部長の直轄となった現在でも「米軍と密接な関係がある」と指摘する関係者は多い。
    (共同通信編集委員 石井暁)


 【解説】 
陸上自衛隊の秘密情報部隊「別班」が独断で行ってきた海外活動は、
政府や国会が武力組織を統制して暴走を防ぐ文民統制(シビリアンコントロール)を無視するもので、民主主義国家の根幹を脅かす。


 これまで元別班員らが出版などを通じ、冷戦時代の活動の一端を語ったことはあるが、防衛省と陸自は別班の存在すら認めてこなかった。


 今回、陸自トップの陸上幕僚長経験者と、防衛省で軍事情報の収集や分析を統括する情報本部長経験者らが別班の存在を認め、海外展開を初めて明らかにした。


 万が一発覚した場合に備え、陸幕長にも海外の展開先や具体的な活動内容をあえて知らせず、自衛官の身分を離れて民間人などを装った佐官級幹部が現地で指揮する。


 
首相や防衛相が関知しないまま活動する不健全さはインテリジェンス(情報活動)の隠密性とは全く異質で、「国家のためには国民も欺く」という考えがあるとすれば本末転倒も甚だしい。


 関東軍の例を挙げるまでもなく、政治のコントロールを受けず、組織の指揮命令系統から外れた部隊の独走は、国の外交や安全保障を損なう恐れがあり、極めて危うい。


 日米同盟を強化し、機微な情報を共有するには秘密保全が必要だとする政府は、国家安全保障会議(日本版NSC)発足と特定秘密保護法案の成立を急いでおり、その先に米中央情報局(CIA)のような対外情報機関の新設も見据えている。


 
だが、特定秘密保護法案は恣意(しい)的な運用の歯止めがなく、別班のような「不都合な存在」は歴史的経緯も含め、永久に闇に葬られる懸念がある。


 別班に目をつぶったまま、秘密保全や対外情報活動の強化を進めるのは公明正大さを欠く。

政府と国会は別班の実態を徹底的に調べて国民に明らかにし、民主国家の基本原理である文民統制の機能回復を図る責任がある。

posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

(記者有論)自衛隊と秘密 「言ったら懲役」の深刻さ 園田耕司

(記者有論)自衛隊と秘密 
「言ったら懲役」の深刻さ 園田耕司
2013年11月30日05時00分 朝日デジタル

 特定秘密保護法案の審議を見ると、防衛省担当記者として「秘密」の実態が知られていない、と懸念を覚える。


 「そんなこと言ったら懲役を食らっちゃうんですよ! 言えるわけないじゃないですか!」。

電話の向こうから、いつもは温厚な取材相手に、激高した口調でまくし立てられたことがあった。


 今年6月、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えた破壊措置命令の解除をめぐる自衛隊関係者とのやりとりだ。

正当な取材であっても、これを話すと処罰されると、取材相手本人が伝えてきたのだった。
私は初めて問題の深刻さに気付いた。


 この破壊措置命令をめぐる政府の対応は奇妙だった。
過去3回は公表しているのに、「手の内を明かすことはない」(菅義偉官房長官)として命令の発出を一切認めなかった。

防衛省がある東京・市谷のグラウンドには迎撃のためのPAC3部隊が大々的に展開し、本紙を含め、メディアが破壊措置命令が出ていると報じているのに……。

 取材相手を激高させた理由は、破壊措置命令そのものが防衛秘密に次ぐレベルの秘密事項「省秘」に指定されていたからだった。

これが秘密指定されているということを教えるのも秘密漏洩(ろうえい)で、懲役1年以下の罰則がある。

命令の存在が秘密だから、解除時期も含めて秘密。
秘密が新たな秘密を生み、この話題になると関係者は口をつぐむ。
小野寺五典防衛相は「(命令は)あったかなかったかは公にしない」と言う。


 国会で野党が質問しても、安倍晋三首相は「言わない方がいい」と説明を拒む。
解除後も政府の判断や対応が適切だったか議論すら出来ない。
これが秘密の実態だ。


 特定秘密保護法が成立すれば、防衛省が抱える多くの秘密事項が「特定秘密」へ移行する。

法案には将来の情報開示が盛り込まれているが、「政令で定める重要な情報」を例外扱いとしており、開示される保証はない。
なぜ秘密指定したのか、政権に説明責任はなく、外部が妥当性をチェックすることも不可能だ。


 特定秘密漏洩の罰則は懲役10年以下。
「通常の取材行為は処罰対象とならない」(森雅子・同法案担当相)と言われても、取材相手の身の安全が保障されなけば取材そのものが成立せず、国民に事実を伝えることはできない

防衛省の取り組みが他省庁に広がれば、官僚らに与える心理的な萎縮効果は絶大だろう。

 (そのだこうじ 政治部)
posted by 小だぬき at 14:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする