2014年05月04日

弁護士が語る 3等海佐が「告発」決意した自衛隊の隠蔽体質

弁護士が語る
3等海佐が「告発」決意した自衛隊の隠蔽体質
2014年5月2日 日刊ゲンダイ掲載

海自いじめ裁判  

海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」の乗組員だった1等海士の男性(当時21)の自殺をめぐる裁判で先月23日、東京高裁は国側に約7300万円の損害賠償を命じた。

1審から大きく進展したウラには3等海佐の告発があった。

1審では自衛隊側の「指定代理人」をしていた3佐の心を動かしたのは、自衛隊の隠蔽(いんぺい)体質だ。

岡田尚弁護団長が振り返る。
「裁判の依頼を受けたときに考えたのは、最大の課題は自衛隊側からどれだけの情報を入手できるかでした。
普通の民間対民間の裁判と違って、原告と被告のスタート地点が違う。
自衛隊側が圧倒的に情報を独占していた。

それで、2006年5月31日の第1回裁判以前に『証拠保全』の申し立てなどをしたのですが、裁判所は『自衛隊が証拠を隠したり、改ざんしたりするということは考えられません』とあっさり棄却したのです」

 1審の横浜地裁では「自殺の予見可能性」を認められず、440万円の支払い命令にとどまった。

「がっくりしていたところ、1週間もしないうちに3等海佐から手紙が来たのです。

正直、国のスパイかなと思ったし、向こうもそう思われるでしょうねと。

私は1年以上、告発の事実を内緒にしていました。
彼が免職になるんじゃないかと考えて、報道関係者や裁判所にも明かせず、私が法廷で彼の告発をもとに話していました」  

12年4月18日の控訴審第5回裁判で、3佐が「海自が文書を隠している」と陳述書を提出。
隊内の「公益通報窓口」への訴えが退けられた上での決断だった。

このことが報道で公になり、同年6月に海上幕僚長が記者会見で謝罪。勝訴への転機となった。

■内部告発を萎縮させる秘密保護法

「一方で、13年6月には3等海佐を懲戒処分の対象にするという手続きがはじまった。
しかし、彼は弱音を吐くこともなかったし、公務員は国民のために働くものだと一貫してました。
勇気ある行動だと思います」

 だが、「特定秘密保護法」の施行で、3佐のように告発する人はいなくなるかもしれない。

「『アンケートは防衛秘密じゃないから、特定秘密保護法とは関係ないじゃないか』というのは誤りです。
今回はアンケートの中身がわかったからそう言えるだけ。

もし、特定秘密保護法に違反したと刑事裁判で起訴されたとしても、そこに何が書いてあるか具体的には、少なくとも弁護士や被告側に見せちゃいけないことになっている。
だから、皆、罰を恐れて内部告発をしなくなるでしょう。

第1回裁判の直前のこちらの申し立てに対し、自衛隊側は『国家の安全等に該当する情報』と言って出し渋ったんですが、実はそれが『いじめアンケート』だったんです」

 これだけでも、秘密保護法がいかに危ない法律かがわかるというものだ。
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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