2014年11月01日

過去から未来へと続く問い掛け

過去から未来へと続く問い掛けに
2014年10月31日 東京新聞「筆洗」

 この問題はもう過ぎ去ったこと、終わったことなのだと言う人もいる。
沖縄の普天間飛行場をどこに移設させるか、本当に名護市の辺野古沖でいいのか。
そういう問題である

▼きのう告示された沖縄県知事選の大きな焦点となる問題だが、菅義偉官房長官はこう言っていた。
「この問題は過去のものだ。争点にはならない」。
昨年末に沖縄の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事は辺野古の埋め立てを承認した。
それで区切りは付いたとの見解だ

▼だが当の知事自身が「まさに今進行中の課題」と言っていた。
仲井真氏を含め出馬した四人全員がきのうの第一声で辺野古の問題を取り上げた。
過去のものとする官邸と、現在進行形のものとして向き合う沖縄の人々。
このずれにこそ、問題の本質はあるのかもしれない

過去を見れば、戦争中に「本土の捨て石」とされて県民の四人に一人が死に、戦後も「基地の島」とされてきた事実がある。

未来に目を向ければ、辺野古の美しい海を我々の代でつぶしていいのか、次の世代に渡さなくていいのかという疑問がある

過去から未来へと続く問い掛けに対して「過去の問題だから、争点にはならない」と言うのは、答えになっているのだろうか

▼先日八十八歳で逝去したドイツの作家ジークフリート・レンツ氏はこんな言葉を残している。<過去は去り行かない。それは現在にあって、我々を試している>
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする