2014年11月03日

公設民営学校 委託先の厳格な審査が必要だ

公設民営学校
 委託先の厳格な審査が必要だ
2014年11月02日 01時21分 読売新聞「社説」

公立学校の管理運営を民間に委託する「公設民営学校」が解禁される見通しになった。
新たな仕組みの導入だけに、十分な議論が欠かせない。

 政府が、公設民営学校の開設を自治体に特例で認める国家戦略特区法改正案を国会に提出した。
今国会中の成立を目指している。

 対象は、国際人の養成や外国語教育などに力を入れる中高一貫校や高校だ。
国家戦略特区に指定された自治体が用地や校舎を用意する一方で、管理運営は学校法人やNPO法人など非営利の団体に委ねる構想である。

 公立学校にはない民間のノウハウを活用できれば、公立並みの学費で、私立並みの柔軟で特色のある教育を生徒に提供することが可能になるかもしれない。

 具体的に公設民営学校の設置を目指しているのは大阪市だ。

 海外の大学入学資格を付与する教育プログラム「国際バカロレア」を実践する学校や、理科や数学を英語で学べるコースを持つ学校の創設を想定している。

 公立学校では外国人は校長などの管理職になれないが、公設民営学校では可能になる。
英語の授業ができる外国人を採用しやすくなるメリットはあるのだろう。

 だが、公設民営学校には問題点が少なくない。

 学校運営では、レベルの高い授業を行うのはもちろんのこと、いじめ対策など生徒指導の充実も求められる。
そうした管理能力を備えていない民間の団体が参入しないかが心配だ。

 責任の所在があいまいになることも懸念される。

 教師の身分は民間人であるため、例えば、体罰など不適切な行為があった場合、地方公務員法の懲戒処分の対象にはならず、措置は委託先の法人に委ねられる。

 改正案には、教育委員会が委託先の法人に対し、調査を行える規定が盛り込まれた。

学校で重大な問題が生じた際、委託先に対応を丸投げせず、教委が責任を持って、運営の適正化を図るべきだ。

 委託先が、安定的な運営を担えるだけの経営基盤を持っているかどうかも問われる。
運営の継続が途中で困難になるような事態に陥れば、在校生に影響が及ぶことは避けられまい。  

改正案が自治体に対し、委託先の指定手続きを条例で定め、指定の際は議会の承認を得るよう義務づけたのは当然である。
学校運営を任せるにふさわしいか、委託先の資質を自治体がしっかりチェックすることが何より重要だ。
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 教育・学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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