2014年12月03日

政治参加あきらめないで 

香山リカのココロの万華鏡:
政治参加あきらめないで
毎日新聞 2014年12月02日 首都圏版

 精神科の診察室では症状とは直接関係ない雑談も大切な要素だ。

「そろそろ冬ですね」「最近は釣りに行ってますか」。
何気ない会話で周囲への関心や生活の様子がわかり、そこから心のコンディションがうかがえる。

 以前は患者さんの口から時事問題が語られることも多かった。
「飛行機事故に驚きました」「また日本からノーベル賞が出ましたね」。

選挙の前後には当然、その話題が出ることもあった。

 ところがここ数年、とくに政治や経済の問題が診察室の雑談として語られることが、ほとんどなくなった。

こちらに気持ちのゆとりがなくなったからかと思い、あえて「もうすぐ選挙ですね」などと持ちかけてみたこともあったが、「はあ、まあ」「あまり関心ないんで」といった答えばかり返ってくる。

 もともと無関心だったのだろうか。そんなことはない。
新聞やテレビのニュースをよく見るという人もいる。
ただ、政治や経済の世界があまりに遠く感じられているのだ。

その理由は、自分が今うつ病などで療養中だから、だけではないだろう。
「政治って、私とはまったく関係のないところで決まったり何かが行われたりしているんでしょう」と思っているのだ。

経済についても、「私は株も持っていないし、いくら震災の頃から2倍になったと言われても関係ない」と距離を感じている。

「考えてもムダ」とあきらめきっているようにも見える。

 もちろん、これは診察室内での私の印象にすぎない。
これがただの思いすごしにすぎず、ほかの人たちは政治家は有権者が選ぶものとして民主主義の可能性を信じ、来る総選挙に向けて政権公約をチェックしたり自分の考えをまとめたりしているのであれば、そうあってほしい。

しかし、メディアの調査でも総選挙に関心がある人の割合は、そう高くない。
投票率も低迷が続いている。

 政治や選挙に無関心な人の中には、「このままで何も問題ないから」という人もいるだろう。

ただ、診察室で私が感じているように「どうせ自分の意見なんて通らない」「何を言っても決めるのは向こう」と政治との距離を感じ、参加をあきらめている人もいるのではないだろうか。  

誰が有権者に政治参加をあきらめさせたのか。
それをここで追及しても仕方ないし、診察室ではその人たちに指示的なことは言えないが、この場ではぜひ言いたい。

選挙による政治参加をあきらめないで、と。
            (精神科医)  
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posted by 小だぬき at 14:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「最近の老人たちは」と公共の場で若者が眉ひそめる例が増加

「最近の老人たちは」と
公共の場で若者が眉ひそめる例が増加
2014.12.01 16:00 NEWSポストセブン

 人生の手本であったはずの高齢者にどうも「異変」が見られる。

金融機関に勤める30代会社員A氏は外回りの途中、東京を東西に貫く中央線で運よく座ることができた。
次の取引先訪問に備えて資料をカバンから取り出して読み始めたが、その席が悪かった。


「60代後半か70代と思われる女性グループが、私の横や向かい側に点在して座っていて、大声で喋っていたんです。
目の前の通路には立っている人も何人かいるのに、それを飛び越えるように話していて……。
しかも会話の内容も嫁の悪口や近所の噂話で、聞くに堪えませんでした」

 電車内で携帯電話を使って大声で話す、ドアの脇を占拠して人が乗り降りしようとしているのに一歩も動かない、そんなマナー違反を目撃することも増えたように感じる。

 少し前は、公共の場で配慮ができない存在といえば「若者」が定番だった。

「最近の若いもんは」とはいつの時代も年配者が若者の姿を憂えていう言葉だったが、いまは分別をわきまえているはずのシニア世代が「最近の老人たちは」と若者から眉をひそめられる。

「目撃談」が圧倒的に多いのは、冒頭のように公共交通機関でのマナー違反だ。

20代の電子部品メーカー社員の男性は、朝のラッシュ時にこんな経験をした。
「駆け込み乗車してきたおじいさんが、電車のドアに挟まったんです。
痛そうだったので最初は心配していたのですが、ドアが開いたとたんに、後ろにいた友達と思しきおじいさんに『今なら乗れるぞ!』と声をかけた。
すると今度は2人目がドアに挟まったんです」

 出勤を急ぐ周囲のサラリーマンたちは冷ややかな視線を浴びせていたが、当人たちは「乗れてよかった」と満足げだったという。

※週刊ポスト2014年12月12日号
posted by 小だぬき at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(1) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする