2014年12月20日

円安による含み益は10兆円以上ではないか 

円安による含み益は10兆円以上ではないか
  外為特会活用で国民に還元を
2014.12.19 zakzak

連載:「日本」の解き方
元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一

 政府は2015年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)赤字半減、20年度の均衡化達成という目標を掲げている。
消費増税先送りで達成は難しくなったという論調もあるが、果たして本当なのだろうか。

 まず、財政再建に必要なのは、増税ではなく増収だ
安倍晋三首相も何度も「増税して景気の腰を折って増収できなくなったら元も子ない」と言っていた。

今年4月からの消費増税によって、それまで2%以上だった実質経済成長がマイナスにまで低下した。
このため、年率換算で国内総生産(GDP)は15兆円ほど失われた。
これによる逸失税収は国と地方合わせて3兆円にものぼる。
財政再建のために増税したはずが、逆に遠回りになったわけだ。

 プライマリーバランスは、前年度の経済成長率でほとんど決まるので、消費増税先送りで財政再建計画の達成が難しくなったのではなく、消費増税をしたので難しくなったというのが本当のところだ。

 消費増税によってGDPギャップ(需要と供給の差)も15兆円ほど生じてしまった。
景気を成長軌道に乗せるために景気対策が必要になったので、この意味でも財政再建計画を遅らせる要因になっている。

 ただし、小泉純一郎政権と第1次安倍晋三政権において、増税なしでほぼ財政再建したことは財務省に気兼ねしているマスコミが報じない「不都合な事実」だ。

 当時を経験した筆者としては、20年度のプライマリーバランスの均衡化達成はそれほどハードルが高いとはいえない。
名目4%程度の成長軌道に乗せれば、無駄を少しカットしただけで財政再建は容易だ。

 景気対策などで財政支出を惜しんではいけない。
別に国債発行に頼ることもない。
いわゆる「埋蔵金」を活用すればいいのだ。

今の段階なら、円安で含み益が10兆円以上あると思われる外国為替資金特別会計(外為特会)の活用がいい
もちろん、外為資金百数十兆円すべてが埋蔵金ではなく、あくまで含み益の部分である。

 円安は日本経済にはプラスであるが、政府部門の外為特会がため込んで、一部の国民が苦労しているというのでは、円安メリットを還元できず国民に申し訳ないだろう。

 先進国では変動相場制が基本なので、原則として巨額の外貨準備を持つ必要はない。
為替はマネタリーアプローチ理論から、2国間でそれぞれしっかりとしたインフレ目標があれば、介入は不要になるからだ。
この際、外為特会の含み益を活用し、同時に外為特会のスリム化を図ることは、外貨準備の国際常識にも合致するとともに、目に見える形での円安効果の国民への還元にもなる。

 外為特会のスリム化は、利権に群がる金融機関にとっては都合が悪い。
特に、「財務省のポチ」として増税を主張し、そのご褒美として外為利権を受けてきたところにとっては痛いだろう。

しかし、消費増税という間違った主張の結果、経済に悪影響を与えた報いを受けるのは当然である。 
posted by 小だぬき at 00:00 | Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする