2015年01月01日

特集:2014 重大ニュース

特集:2014 重大ニュース
毎日新聞 2014年12月31日 東京朝刊

 2014年に発生した重大な出来事をまとめました。
※文中の年齢、肩書は当時 海外は現地時間  

◇首相、長期政権へ足場

  安倍晋三首相は11月18日、消費税率10%への引き上げの1年半延期を巡って衆院解散を表明し、12月14日投開票の衆院選で与党の自民、公明両党は衆院の3分の2の議席を維持した。
首相は7月に集団的自衛権の行使容認を閣議決定して強い批判を浴び、政権の「看板」の景気回復は今春の消費税8%への引き上げなどで足踏み。
9月の内閣改造後、閣僚の不祥事も相次いで内閣支持率の低下傾向が続き、じり貧を恐れた首相は解散に打って出て、長期政権へ足場を築いた。

 首相は第1次政権で頓挫した集団的自衛権の行使容認を強硬に求め、自民、公明両党の協議が山場を迎えた6月、閣議決定に「集団的自衛権」の文言を盛り込むよう指示した。

 政府・与党は閣議決定で、従来の「武力行使の3要件」に代わる「新3要件」を設定。
日本が攻撃を受けていなくても「我が国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険」があれば、自衛隊が武力行使できるとした。
さらに「国際法上は集団的自衛権が根拠となる場合もある」と明記、戦後の憲法9条解釈の大転換に踏み切った。
当初は行使容認に反対していた公明党も押し切られ、その後釈明に追われることになった。
 首相は9月3日、政権発足後初の内閣改造を行い、12年末から維持してきた閣僚メンバーを入れ替えた。
人事を巡る自民党の不満を抑える狙いだったが、目玉の女性閣僚のうち2人が「政治とカネ」を巡って10月に辞任した。
 さらに「地方に景気回復の実感がない」と経済運営への批判が出始め、毎日新聞の世論調査で今夏以降、内閣支持率は40%台と伸び悩んだ。

 首相は第2次政権で初めて迎えた「逆境」を打開すべく、衆院解散を決断。
自身の経済政策「アベノミクス」を公約の前面に押し出し、株価上昇などの成果を訴えて、経済問題に争点を集中させた。
首相の思惑通り、与党は衆院の3分の2を維持して勝利すると、12月24日召集の特別国会で安倍氏を首相に再任。
第3次安倍政権が発足した。

 一方、首相は11月10日、民主党政権時代から緊張が続いてきた中国の習近平国家主席との首脳会談を北京で約2年半ぶりに実現させた。
米国など国際社会は、日中の偶発的な衝突が全面戦争へ発展することを懸念していただけに、関係改善の第一歩は「安倍外交」の成果となった。
ただ沖縄・尖閣諸島を巡り日中が対立している問題は事実上先送りされ、今後の火種として残った。【松尾良】  

◇青色LEDにノーベル賞

 2014年のノーベル賞は、物理学賞に、青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇・名城大終身教授(85)、天野浩・名古屋大教授(54)、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)の日本の3氏が輝いた。
平和賞は、教育の重要性を訴えるパキスタン出身のマララ・ユスフザイさん(17)と、児童労働根絶に取り組むインドのカイラシュ・サティヤルティさん(60)が同時受賞した。

 日本のノーベル賞受賞は12年の山中伸弥・京都大教授(医学生理学賞)以来2年ぶり。
日本の受賞者は、米国籍の中村氏と南部陽一郎氏(08年物理学賞)を含め22人となった。  LEDは1960年代に赤と暗い緑が実現。
フルカラーを表現するには青が必要だが、「20世紀中の実現は不可能」とも言われていた。
赤崎、天野両氏は材料の窒化ガリウムの結晶化を成し遂げ、中村氏は実用的な明るさの実現に不可欠な技術などを開発した。
青の誕生によって消費電力の少ない白色LED照明が実現し、地球温暖化対策などに貢献した。3氏は12月10日にスウェーデン・ストックホルムで開かれた授賞式に出席。
個性的な人柄やライバル物語も注目された。  

◇平和賞マララさん

 平和賞では、敵対する印パ両国からの同時受賞は初めて。
12年にイスラム武装勢力パキスタン・タリバン運動(TTP)に銃撃されたマララさんは、全てのノーベル賞を通じて史上最年少の受賞者となった。
12月10日にノルウェー・オスロ市庁舎で授賞式と記念講演があり、マララさんは「学校の教室に誰も生徒がいない時代は私たちで最後にしよう」と呼びかけた。
サティヤルティさんも「子供の夢を否定することは最大の暴力だ」と強調した。
 パキスタンでは12月16日にタリバン運動が学校を襲撃し、生徒ら140人以上が死亡。マララさんは「私たちは絶対に負けない」との声明を出した。【千葉紀和、ニューデリー金子淳】  

◇川内・高浜原発、再稼働へ

  東京電力福島第1原発事故から3年がたち、「原発回帰」が鮮明になった。
 政府は4月に閣議決定した新しいエネルギー基本計画で、原発を「重要なベースロード電源として活用し再稼働を進める」と明確に打ち出した。
使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出して再利用する核燃料サイクルも推進し、ほとんど稼働実績がない高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)も延命した。

 一方、再稼働の前提となる原子力規制委員会の安全審査は長期化した。
14原発21基が審査を申請済みだが、最大の焦点である地震や津波の想定を引き上げるよう規制委が要求し、電力会社と激しく対立したためだ。
規制委は3月、最初に想定をクリアした九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)について、人員を集中して優先的に審査することを決定。
川内原発は9月に審査に合格し、新規制基準に適合した最初の原発になった。
11月には伊藤祐一郎・鹿児島県知事が「やむを得ない」と再稼働に同意した。
川内原発は来年3月以降に再稼働する見通しだ。
 12月には関西電力高浜原発3、4号機(福井県)でも事実上の合格証となる審査書案を規制委が了承。
政府は川内原発をモデルに他の原発の再稼働も進める方針だ。
だが安倍首相が再稼働の要件として「規制委が安全性を確認した原発」と述べる一方、田中俊一規制委員長は「安全とは言わない。
再稼働にはコミットしない」と述べ、事故時の責任の所在は不明確なままだ。
 運転開始から40年を超える老朽原発を巡る議論も加速した。
来年7月までに運転を延長するか廃炉にするかの判断が必要な老朽原発は7基あり、政府は10月、各電力会社に早期の判断を指示。
関電は美浜原発1、2号機(福井県)の廃炉の検討に入る一方、より出力の大きい高浜原発1、2号機(同)では12月、運転延長に向けた「特別点検」を始めた。【酒造唯】

◇秘密保護法施行に懸念  

安全保障に関して国が指定した秘密を漏らした人に厳罰を科す「特定秘密保護法」が12月10日施行された。
政府は法律の整備により、米国などと政府間の迅速な情報共有が可能になると意義を強調する。一方、情報公開や公文書管理制度が未成熟なため、都合の悪い情報が隠されたり、文書が捨てられたりして政策の検証ができなくなる恐れを懸念する声も出ている。
 秘密保護法は
(1)防衛(2)外交(3)スパイ活動などの防止(4)テロ防止−−の4分野の機密情報を漏らした人に最長懲役10年を科す。
秘密を探ろうとして「そそのかし」「あおりたて」「共謀」があったとみなされても最長懲役5年の罰則がある。
 記者の取材や、国会議員らの資料提供要求に対し、公務員が厳罰に萎縮し、情報がこれまで以上に出にくくなると懸念されている。
 秘密の指定期間は5年単位で、最長30年まで延長できる。
「やむを得ない場合」は閣議決定で60年、一部はそれ以上の秘密指定も可能だ。
30年を超えて秘密指定された文書は、期間満了後に国立公文書館などに保管されるが、それ以下の文書は首相の同意を得れば廃棄できる。
 特定秘密の対象情報として55項目が示されたが、明確な線引きは難しい。
「不都合な事実」が指定され、国民に必要な情報が届かなくなる余地は残っている。
 恣意(しい)的な秘密指定を防ぐため、内閣府の「独立公文書管理監」や衆参両院の「情報監視審査会」という監視機関が置かれる。
いずれも違法な秘密の解除を要請できる。
しかし文書の提出を求めても、「安全保障に著しい支障を及ぼす」と省庁側が判断すれば、拒否される。
また、膨大な特定秘密の目録の中から不正をどうやって見抜くのか、効果を疑問視する声もある。【青島顕】

◇STAP細胞の存在否定

 弱酸性による刺激だけでマウスの体細胞から新たな万能細胞「STAP細胞」を作製したとする日米の研究チームによる論文が1月、英科学誌ネイチャーで発表された。
生物学の常識を覆す大発見として注目を集めたが、直後から国内外のネット上で疑義が指摘され始めた。
 理化学研究所の調査委員会は3月末、研究の中心だった小保方晴子(おぼかたはるこ)・理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)研究ユニットリーダーによる画像2件の不正を認定。
その後も新たな疑義の指摘が続き、残された試料などの解析から、STAP細胞が既存の万能細胞のES細胞(胚性幹細胞)だった可能性が高まった。
 論文2本は7月に撤回され、8月には論文のまとめ役だった笹井芳樹・CDB副センター長が自殺。
理研はSTAP細胞の有無を確かめる検証実験に取り組み、小保方氏も参加したが、12月に再現できなかったとして打ち切った。
さらに2度目の調査委が12月26日、STAP論文のほぼ全てを否定し、実験過程でES細胞が混入したとする結果を発表した。
新たに小保方氏の捏造(ねつぞう)2件を認定する一方、誰がES細胞を混入させたかは特定できなかった。【須田桃子】

◇広島、豪雨で土砂災害74人死亡

 広島市北部の安佐南、安佐北両区で8月20日未明、前夜から降り続いた豪雨により、大規模な土石流や土砂崩れが相次いで発生した。
大量の土砂が多数の住宅をのみ込み、死者74人、全半壊396の被害を出す大惨事となった。  広島地方気象台によると、被災地上空では当時、湿った空気が前線に流れ込み、次々と積乱雲が発生する「バックビルディング」と呼ばれる現象が発生。
安佐北区三入地区では20日午前4時半までの3時間雨量が観測史上最大の217・5ミリに達し、平年の8月1カ月雨量(143ミリ)を大きく上回っていた。
広島市は午前4時15分に安佐北区、同4時半に安佐南区の一部地域に避難勧告を出したが、既に人的被害が発生した後で対応の遅れが指摘された。
 一方、被災地では土砂災害の恐れがある警戒区域・特別警戒区域が未指定だったことも問題視された。
これを受けて、警戒区域を指定する前に実施する基礎調査について、都道府県に結果の公表を義務づけた改正土砂災害防止法が11月の臨時国会で成立。
指定が進まない自治体に対し、国が是正を求めることもできるようになった。【吉村周平】
◇危険ドラッグの規制強化

 東京のJR池袋駅付近で6月24日、脱法ドラッグを吸引した男の乗用車が暴走し、歩行者8人が死傷する事故が発生した。
同様の死亡事故は1月と5月に香川県と長野県でも発生し、政府は7月に閣僚会議を開き規制強化を決定。
「危険ドラッグ」に名称変更した。
11月には事業者に個別に出していた販売停止命令の効力を全国一律に広域化する改正医薬品医療機器法(旧薬事法)が成立。
危険ドラッグに絡む殺人や傷害事件も起きており、対策が強く求められている。
 危険ドラッグは、麻薬などと類似した化学物質を植物片に混ぜた「ハーブ製品」などがあり、極めて強い毒性が確認されている。
厚生労働省は有害な化学物質について製造、販売、所持などを禁じる指定薬物に指定し規制しているが、専門家の審議会で指定を決めてから施行まで約4カ月かかり、その間に化学構造を変えた新商品が出回るイタチごっこが続いていた。
 厚労省は8月以降、審議会から施行までの期間を手続きの省略で約3週間に短縮。
販売店に立ち入り検査し、検査命令や販売停止命令を出して販売を阻止する対策を始めた。
警視庁も10月から危険ドラッグを車内に持っていた運転者を最長6カ月の運転免許停止処分にする運用を始めるなど、取り締まり強化を進める。
 厚労省によると指定薬物は現在1437物質。
販売店数は今年3月末の全国215店舗から11月末で35店舗に減った。
改正法では販売停止命令を受けた商品はインターネットでも販売や広告を禁止。プロバイダーが厚労省などの要請で違法な広告サイトを削除しても、広告主への損害賠償責任を負わないとした。命令の規制対象も指定薬物に加え、指定薬物と同等の毒性を持つ疑いのある商品にまで拡大した。【桐野耕一】  

◇袴田さん、48年ぶりに釈放

 1966年に静岡県で起きた強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌(いわお)元被告(78)の第2次再審請求で、静岡地裁は3月27日、再審開始と死刑の執行停止を決定、袴田さんは約48年ぶりに釈放された。
死刑確定事件の再審決定は6例目で、再審確定前の死刑囚釈放は初めてだった。
検察側が即時抗告し東京高裁で審理が続いている。
 決定で地裁は、犯行時の着衣とされ、みそ工場のタンクから見つかった「5点の衣類」について「血痕が袴田さんとも被害者とも不一致」とする弁護側のDNA型鑑定の信用性を認定。
長期間みそに漬けられたのに色合いが薄い不自然さも踏まえて「警察による捏造(ねつぞう)」に言及した。
 袴田さんは5月に浜松市に帰郷し、姉秀子さん(81)宅で暮らす。
だが、長期間の拘束による拘禁症状は続き、会話で意味が通じないことも多い。
弁護団は「自由な生活に少しずつ慣れてもらうしかない」と話す。
 東京高裁での審理で、検察側は弁護側鑑定について「DNA採取に特殊な方法が用いられている」と証拠能力を突き崩したい構え。
鑑定の検証が実施されれば審理がさらに長期化する可能性がある。【荒木涼子】

◇沖縄知事に辺野古移設反対派

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設を最大の争点にした沖縄県知事選は11月16日に投開票され、辺野古移設に反対する前那覇市長の翁長雄志(おながたけし)氏(64)が、移設推進を訴え3選を目指した仲井真弘多(なかいまひろかず)氏(75)ら3氏を破り、初当選した。
次点の仲井真氏に約10万票の大差をつけた。
 日米両政府が普天間飛行場返還に合意した1996年以降の5回の知事選で、辺野古移設反対を明言した候補の当選は初めて。
 選挙戦は元自民党県連幹事長の翁長氏を、共産、社民などの革新勢力と自民党を除名された那覇市議らが支援。
知事選で初めて、保守が分裂し、保革共闘が成立。
翁長氏は「あらゆる手段を駆使して辺野古に新基地は造らせない」と主張し、幅広い支持を得た。
自民推薦の仲井真氏は2010年知事選で「県外移設」を掲げて当選しながら、昨年末に政府の辺野古埋め立て申請を承認したことへの県民の反発が強かった。
 沖縄は12月の衆院選でも全4小選挙区で辺野古移設に反対する候補が自民候補に勝利した。政府は辺野古移設を進める方針だが、曲折が予想される。【佐藤敬一】

◇混乱続くウクライナ

 旧ソ連のウクライナで2月に起きた政変が、ロシアの介入を招き、内戦に発展した。
欧米諸国が対露制裁を打ち出し、ロシアと西側の対立が先鋭化した。
 一連の混乱は、ウクライナのヤヌコビッチ大統領が、欧州連合(EU)との関係強化を図る「連合協定」の署名を見送ったことが原因だ。
ロシアより欧州との関係を優先させたい住民の反発を呼び、反政府デモが激化。
ヤヌコビッチ政権は崩壊した。
 これに、南部クリミア半島のロシア系住民が反発。
覆面姿のロシア軍部隊が議会や空港を制圧する中、ロシアへの編入を問う住民投票が実施され、プーチン露大統領は3月18日、クリミア編入を宣言。
米欧や日本が猛反発し、対露制裁を発動し、主要8カ国(G8)からロシアを追放した。
 混乱は親ロシア派住民が多い東部のドネツク、ルガンスク両州に拡大した。
親露派活動家が州庁舎などを占拠し、政府側との間で戦闘が起きた。
親露派は5月に住民投票を実施、「独立」を宣言した。
 5月25日のウクライナ大統領選では親欧米派のポロシェンコ氏が勝利。
東部の戦闘は、ロシアが親露派へ水面下の軍事支援を続ける中、激化した。
7月17日、マレーシア航空機がドネツク州上空を飛行中に撃墜され、乗員・乗客298人全員が死亡。
ロシア製の地対空ミサイルを使った親露派による攻撃とみられ、EUと米国は対露制裁を経済制裁に拡大した。
 9月上旬、東部での停戦合意が発効したが、戦闘は続いた。
国連の統計では4月からの死者数は約4700人に上った。
経済制裁と原油安の影響で、ロシアでは12月中旬に通貨ルーブルが急落。
ウクライナの混乱は、ロシア国民の生活にも影響を及ぼし始めた。【モスクワ真野森作】

◇イスラム国が勢力急拡大

 イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」が6月、イラクとシリアにまたがる実効支配地域で、イスラム法に基づく新国家樹立を一方的に宣言した。
敵対勢力の大量処刑や拉致した欧米人の殺害、奴隷制度の復活は世界に衝撃を与えた。
急拡大するイスラム国に対して米軍主導の有志国連合は8月に空爆を開始したが、勢力をそぐには至っていない。
 イスラム国は国際テロ組織アルカイダから派生した。
2012年以降に内戦下のシリアで勢力を拡大し、今年6月にイラク第2の都市モスルを制圧。8月にシリアで敵対勢力に同行していた湯川遥菜(ゆかわはるな)さん(42)を拘束した。10月には北海道大学の学生がイスラム国に加わるためにシリア渡航を計画していたことが発覚した。
 支配地域では法制度や教育制度を改変。公開処刑など恐怖支配を敷く。バグダディ指導者は歴史的称号「カリフ」を自称し、各国の過激派が次々と忠誠を誓い、中東や欧州各国から1万人以上の戦闘員らが参加している。
イスラム国は敵対国への攻撃を扇動している。
欧米では帰国したイスラム国戦闘員や支持者によるテロの懸念が高まっている。【カイロ秋山信一】

◇エボラ熱猛威、感染2万人以上

 有効な治療薬や予防ワクチンがなく致死率の高い感染症「エボラ出血熱」が西アフリカのリベリア、シエラレオネ、ギニアで猛威を振るった。
感染者(疑い例を含む)2万人以上、死者7842人と被害は過去最悪。
米国やスペインで2次感染者が出て、アフリカ以外でも不安が広がった。
 過去にもアフリカで発生したが、今回は2013年12月にギニアで始まり今年3月、エボラ熱と確認。
その後、国境を接するリベリアとシエラレオネでも感染が判明。
患者、死者は増え続け、世界保健機関(WHO)は8月に「緊急事態」を宣言した。
国際社会の支援で対策は強化されたが、まだ終息のめどは立っていない。
 エボラ熱は従来、アフリカ中・東部の辺境で流行。
だが、今回は3カ国の首都など都市部にも達したため、感染が爆発的に拡大した。
 特に、長年の内戦を経験したリベリアとシエラレオネは医療インフラが弱いため、初期段階で十分な対応ができなかった。
また、WHOや国際社会の対応が遅かったことが、拡大を阻止できなかった一因との批判もある。【ヨハネスブルク服部正法】

◇御嶽山噴火、死者・不明63人

  長野・岐阜県境の御嶽山(おんたけさん)(3067メートル)が9月27日午前11時52分に突然、噴火した。
行楽日和の土曜の昼時だったため多くの登山者が巻き込まれ、57人が死亡、依然6人が行方不明のままだ。
1991年の雲仙普賢岳(長崎県)火砕流の死者・行方不明者計43人を上回る戦後最悪の火山災害となった。
長野県は来春以降の捜索再開を検討している。
 自衛隊などによる捜索は困難を極めた。
山頂付近に積もった火山灰は泥沼状態。
火山性微動や2度の台風にも阻まれた。
高地での活動に体調不良を訴える隊員も続出。
長野、岐阜両県災害対策本部は初冠雪翌日の10月16日、2次被害の恐れから捜索を打ち切った。
 火山防災のもろさも露呈した。
気象庁は半月前に火山性地震の増加を把握していたが、自治体が登山者に警戒を促すことはなく、噴石から身を守る避難シェルターも未整備だった。
登山届の提出が少なく安否確認が難航した教訓から、岐阜県は火山登山者に提出を義務付ける条例を制定した。
 御嶽山は現在も噴火警戒レベル3のままで、火口から半径4キロ内は入山が規制されている。ふもとの長野県王滝村のスキー場は一部が規制区域内のため営業できず、地域経済は打撃を受けている。
 政府の中央防災会議は、活火山の監視体制や不足する専門家の育成などについて有識者による見直しを進め、今年度中にも提言をまとめる。
噴火発生を迅速に登山者らに伝える火山速報も検討中だ。
一方、同庁は10月以降、宮崎・鹿児島県境の霧島連山・硫黄山や福島市の吾妻山などの火山活動が活発になったとして、警戒レベルを相次いで引き上げた。【稲垣衆史】

◇朝日新聞が誤報認め謝罪

 朝日新聞が、次々に噴出した問題に揺れた。
木村伊量(ただかず)社長は、慰安婦報道の検証紙面で謝罪しなかったこと、東京電力福島第1原発事故報道をめぐる誤報、ジャーナリストの池上彰さんのコラム掲載をいったん取りやめたことの責任を取り、12月5日に辞任した。
 8月5、6日、朝日新聞は過去の慰安婦問題報道を検証する特集を掲載した。
この中で、戦時中に植民地だった朝鮮で「慰安婦狩りをした」と証言した吉田清治氏(故人)について、1982年以降取り上げた記事16本を取り消した(後に2本の取り消しを追加)。
しかし、記事を取り下げたことを謝罪しなかったことで、朝日新聞への批判が噴出した。
 同月末、この問題を取り上げたジャーナリスト、池上彰さんの連載コラム「新聞ななめ読み」の掲載を朝日新聞は見合わせた。
木村社長が難色を示し、実質的に社長の判断で掲載しなかったのだ。
掲載見合わせが発覚すると、朝日新聞は一転してコラムを掲載した。
コラムには「過ちを訂正するなら、謝罪もするべきではないか」と書かれていた。
 5月20日朝刊1面に「所長命令に違反 原発撤退」の見出しで掲載した福島第1原発事故の「吉田調書」報道では、当初、強気な姿勢だった。
優れた報道に贈られる日本新聞協会賞の候補にも申請した。
ノンフィクション作家の門田隆将(りゅうしょう)氏からの批判にも抗議していた。
 しかし、8月に産経新聞と読売新聞が「命令違反はなかった」と相次いで報道したことを受け、社内で検証した結果、「所員が逃げ出したような間違った印象を与える記事」と判断。
9月11日に木村社長が記者会見を開き、誤報を認め謝罪をした。
 朝日新聞は問題の解決を図るため、外部の有識者を入れた三つの委員会を発足させた。
11月に「吉田調書」報道を検証した「報道と人権委員会」が、12月には慰安婦報道を検証した「第三者委員会」がそれぞれ報告書を出し、厳しい意見を述べた。
 もう一つの「信頼回復と再生のための委員会」は年明けに改革案を発表する予定だ。【青島顕】  
◇アベノミクス正念場へ

 2014年の日本経済は、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」によって円安・株高が進んだ一方、4月の消費増税や円安による輸入品の値上がりが個人消費を冷え込ませ、回復の足踏み状態が続いた。
 アベノミクスの「第一の矢」である日銀の大規模な金融緩和を背景に進んだ円安は、今年10月末に日銀が電撃的に追加金融緩和を決めたことを受け、一気に加速。年初に1ドル=104円前後だった円相場は12月、07年7月以来、約7年4カ月ぶりに1ドル=120円台を付けた。
円安に支えられて株価も上昇した。
輸出関連企業を中心に業績改善の期待が広がり、日経平均株価は12月に一時、1万8000円台に乗せ、4月の1万3000円台から大幅に値上がりした。
 しかし、実体経済の回復ペースは鈍い。
政府や日銀は当初、4月の消費増税に伴う駆け込み需要の反動減は夏にかけて徐々に収まり、7〜9月期に回復に向かうとみていた。
ところが、反動減が長引いたうえ、夏場の天候不順も重なり、7〜9月期の国内総生産(GDP)は物価の変動を除いた実質で年率1・9%減。
4〜6月期(年率6・7%減)に続き、2四半期連続で「想定外のマイナス成長」(大手証券アナリスト)だった。
首相は、15年10月に予定していた消費税再増税を1年半先延ばしすることを決めた。
 景気低迷の理由の一つは消費増税や物価上昇に賃金の伸びが追いついていないことだ。
現金給与総額から物価上昇分を差し引いた実質賃金は11月まで17カ月連続でマイナスとなった。
 円安にもかかわらず、輸出が伸び悩んだことも誤算だった。
政府・日銀は輸出の増加で国内生産が増え、雇用や所得が改善して消費が増えるシナリオを描いていたが、輸出数量は緩やかな伸びにとどまっている。
輸出企業が10年ごろの円高局面で生産拠点の海外移転を進めたことや、新興国メーカーなどの競争力向上を受け、円安下でも自動車や家電などの輸出が増えにくくなっているためだ。
 円安は企業が海外で稼いだ収益を円換算で押し上げた。
半面、原材料を輸入に頼る中小企業のコストが増えて経営が圧迫されたり、輸入原材料の高騰で食品などの値上げが相次いで家計の負担が増えたりと、マイナス面も目立っている。
 衆院選翌日、首相は「アベノミクスはまだ道半ば」と述べた。
金融緩和頼みでなく、企業の賃上げや政府の成長戦略による経済の好循環を実現できるのか。15年、アベノミクスは正念場を迎える。【柳原美砂子】
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2015年01月02日

おめでとうございます

おめでとうございます
2015年1月1日 東京新聞「筆洗」

 おめでとうございます。
お雑煮をもう召し上がった方もいらっしゃるか。
<雑煮食うてねむうなりけり勿体(もったい)な>村上鬼城。
穏やかで人間味ある元日がみえる

▼お雑煮の「雑」。
古くから、おめでたい正月には縁起を担いだ食品が供されるが、どうも「雑」の字にはさほどのありがたみを感じない。
正統ではない、という印象を持つ方もいるだろう

▼雑草、雑木、粗雑、混雑、「おまえのコラムは雑だ」−。
磨きが不十分で価値のないという意味の強い「雑」とはいえ、元の字を分解すれば「衣」と「集」。
いろいろな種類の染料が混じることである。
かつて年越しの夜、神様に供えたさまざまな農作物を合わせて、煮たのでお雑煮となる。
雑とはほどよく調和した「集合体」でもあろう

▼二〇一五年で戦後七十年となる。
日本は成長期、安定期を過ぎて「対立期」の迷路にいる、とは縁起にさわるか。
格差、世代差、性差。支持する政策の違いなどもあろう。
日本人が差や立場の違いという深い川をはさんで石を投げ、嘲笑し合っていないか心配する

▼硬直化してはならない。
川中へと一歩出て、話をすれば分かりあえるところもあろう。
知恵も出る。
共感力という日本人の「情」で対立を和らげたい

▼いろんな人といろいろな考え。
その味は残しつつ調和を図る。
目の前のお雑煮のようにである。
本年も小欄、お引き立てのほどを。
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2015年01月03日

何かを見失いそうになった時、きっと助けてくれる「30の言葉」

何かを見失いそうになった時、
きっと助けてくれる「30の言葉」
2015/1/ 1 09:52 J-CASTニュース
            大関暁夫(おおぜき・あけお)

新年あけましておめでとうございます。
新年早々不祝儀話で恐縮ですが、年末近くに訃報があり、銀行時代に大変お世話になった会社の会長さんの葬儀に行って参りました。
94歳の大往生でした。

戦争体験から多くのことを学んだ

会長は東南アジアに派兵された戦争体験から多くのことを学んだと、事あるごとに私にいろいろなお話を聞かせてくれました。
戦争の最前線で所属軍が壊滅状態に瀕する中、戦火をかいくぐって奇跡的に生還されたのです。

戦後、内地に戻った会長は、この先の人生を賜り物として捉え亡き戦友への弔いの意も込め、世のため人のため、人の嫌がることを率先して受けようと無一文から葬祭事業を起こしたのでした。
その際に心に決めたことは、戦地で多くの嫌な思いをぶつけられ、あるいは理不尽に現地の人たちを苦しめてきた日本軍将校の行動を会社経営の反面教師とすることでした。

その考えに沿う形でビジネスを立ち上げ、人材を育て業界のあるべき姿を考え行動される中で、長年にわたり多くの社内外の方々から手本にすべき経営者として慕われてきたのでした。
数年前の新年のことです。ちょうど他の用事で会社の近くを通りがかったので、年初のご挨拶にとうかがいました。
久々にお目にかかる会長の歓待を受け、「せっかくのお正月だから」と一片の書簡を手渡されました。
「会社を元気にする30の言葉」と題されたその書簡は、自分が様々な苦労をしながら会社経営をしてきた中で、とある尊敬すべき方から授かったという30の言葉と、その言葉への思いが記されていました。
お世話になった会長から手渡された書簡 「この30の言葉と出会ったとき、私が戦地の苦境の中で学びとったことの一つひとつを端的に表したものだと感じました。
この言葉を胸に抱いていれば、いつの日も自分や会社を元気にしてくれる素敵なものだなとも思いました。
大関さんのこの先のお仕事が、そして人生が健やかで明るいものでありますよう、これを差し上げましょう。
これらの言葉たちは、何かを見失いそうになった時にきっと助けてくれるでしょう。
ぜひ毎年、年の初めにはこの言葉の一つひとつの意味を噛みしめて、新しい年を惰性で迎えることのないよう気をつけてください」

私はありがたく頂戴し、会長に言われたとおりに以降新しい年を迎えるたびに、この書簡に記された30の言葉をかみしめ、自己を諌めつつ前に進むようにしています。
新しい年の始まりに際して、尊敬すべき亡き会長への弔いの意を表しつつ、この言葉を読者の皆さんにもお読みいただきたいと思います。
次のページで紹介します。
ぜひ御手元に置いて、皆さまの生活にビジネスにお役立ていただければ幸いです。
本年もよろしくお願いいたします。(大関暁夫)

「会社を元気にする30の言葉」

(仕事をすすめる15の言葉)
☆歩き出すと道が見えてくる
☆できるかできないかではなく、やるかやらないかである
☆今までより、今から
☆何をするのかよりも、なぜするのか
☆決意は伝えなくとも伝わる
☆批判に感謝した時、批判は消え去る
☆万策尽きた時、あきらめないという名案がある
☆とことんやると他人と違うものになる
☆どんな時でも手法は百万通りある
☆商品に魂が入ると作品になる
☆大事なものほど身近にある
☆信用とは努力である
☆本当に自信がある時は腹が立たない
☆大変とは、大きく変わることである
☆決意とはいかなる困難をも受け入れることである


(人を育てる15の言葉)
☆罰を与えず、夢を与える
☆できない理由はできる理由
☆明日やるというウソ
☆成長するほど他人の長所が見えてくる
☆他人を変える最良の方法は、自分を変えることである
☆無駄な努力はない、成果は出ずとも成長している
☆安楽な日々は過ぎ去る、充実した日々は積み重る
☆楽を求めるほど苦しくなり、夢に向かうほど楽しくなる
☆苦境に挑む姿が他人を育てる
☆何でもとことんやると自分らしくなる
☆すべては自分で選んだこと
☆限界は自分でしかつくれない
☆謙虚な者ほど大きく見える
☆うまくいかないことを楽しめた時、成果は大きくなる
☆一粒の雨が海になる如く、一粒の汗が未来になる
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2015年01月04日

交流し、共に生きる社会を ハシ先生のメッセージ

交流し、共に生きる社会ヲ 
      ハシ先生のメッセージ
2015年1月3日 東京新聞朝刊

◆「できるか、できないかではなく
        やるか、やらないか」

 「かなわぬ夢を夢見、勝てぬ敵と闘い…」

 昨年十二月下旬。
神奈川県鎌倉市の主婦稲田睦子(むつこ)(71)の自宅に、一枚のファクスが届いた。
文章はこう続く。
「忍びがたい悲しみに耐え、勇者もひるむ土地を馳(か)け…」

 愛と信念を貫く騎士を題材に、一九六五年に米ブロードウェーで初演されたミュージカル「ラ・マンチャの男」。
そのラストで歌われる「見果てぬ夢」を、日赤の元青少年課長の橋本祐子(さちこ)(故人)が邦訳した手書きの歌詞だった。

 「ハシ先生の気持ちそのままだ」
 稲田の脳裏に、六四年の東京パラリンピックがよみがえる。
青山学院大学四年だった二十一歳。
日赤が組織した通訳ボランティア「語学奉仕団」に参加した。

 約二百人のメンバーを率いたのが「ハシ先生」こと橋本。
当時の日本では、下半身まひの身体障害者の多くは病院などで一生を過ごし、接する機会がない。
橋本は大会前、奉仕の精神を学ばせようと、障害児施設などにメンバーを連れ出した。

 「子どもを抱っこしてあげたら?」。
しかし、戸惑い、顔色をうかがう者が多かった。

橋本はこう導いた。
「できるか、できないかじゃない。
やりたいか、やりたくないか。
やるか、やらないのか、なのよ」

 決して「やりなさい」とは言わない。
強制されたら奉仕ではないから。
代わりに数々の名言で背中を押した。

「未来は今日つくられるの」
「苦しみのない喜びは三流品よ」

 それは稲田の心にも染み渡った。
大会本番、車いすのスイス選手団を付ききりで介助した。
買い物や外食にも付き添い、翌年スイスの自宅を訪ねるほど絆が強まった。

 理想に燃える橋本の信条のようなラ・マンチャの訳詞が、元メンバー宅から見つかったのは昨年のこと。
ハシ先生の思い出を共有しようと、仲間が稲田宅にもファクスしてくれた。

 橋本は一九〇九年に中国・上海で生まれた。
四五年の終戦を北京で迎え、日本へ引き揚げる早春。
約百二十キロ離れた港町に向かう汽車は寒くてたまらなかった。
屋根もない石炭用の貨車だったからだ。

 乗り合わせた数十人が、持っていた小さな布を集めた。
縫い合わせて屋根代わりにし、身を寄せ合って風雨をしのいだ。

 赤十字との出合いは帰国の二年後。
友人に誘われ、日赤本社を訪れた時だ。
まだ占領下の配給時代。
ボランティアの準備会合で「奉仕どころではない」と本音を漏らした参加者に、三十八歳の橋本は黙っていられなかった。

 「奉仕って何ですか。余計に持っているものをあげることですか。
違うでしょ。
分け合うことではないのですか」。
引き揚げ体験を切々と訴えた。

 日赤の職員となり、パラリンピックを皮切りに、アビリンピック(全国障害者技能競技大会)やさまざまな国際イベントで若者のボランティアを指導した。
都内にある墓碑には「できるか、できないか…」の語句が刻まれている。

 教え子の稲田は、奉仕団を辞めた後も市民講座や英会話サークルのボランティアを続けた。
古希を過ぎ、二〇二〇年に再び迎える東京パラリンピック。
息子や娘、小学生の孫らにも、外国人や障害者と交流してほしいと願う気持ちが強くなってきた。

 思いついたのがホームステイの受け入れだ。子ども部屋が物置になっている。
そこを片付けよう
友達にも声を掛ければ、高齢化が進む地域の活性化になる。
 ハシ先生は半世紀前、挑戦を、と勇気付けてくれた。稲田は言う。
「やってみるって、すばらしいこと。
へたでも何でも、いいじゃないですか」 (敬称略)
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2015年01月05日

真の強者は弱者に優しい

年のはじめに考える 
真の強者は弱者に優しい
2015年1月4日 東京新聞「社説」

 アベノミクス「再起動」の年となります。
デフレからインフレへの転換を目指すも行き詰まり、むしろ弊害が目立ちます。
根底から軌道修正すべきです。

 昨年末、日本のあるビジネス書が日本と中国で同時出版という珍しいケースがありました。もっとも翻訳作業の関係で中国での出版は少し遅れていますが。
 タイトルは「逆風を追い風に変えた企業」。
副題に「元気印中小企業のターニングポイント」とあります。
円高や構造不況などさまざまな逆境を乗り越えた中小企業十七社の成功例を示していて、そのポイントも分析しています。

◆読まれる徳の経営書

 「中国側からの執筆依頼がきっかけです。
それだけ中国企業の多くがターニングポイント(曲がり角)にあるということです」

 著者を代表する法政大学大学院の坂本光司教授が語ります。
すでに中国でも二冊の著書が出版され、その「人を大切にする経営哲学」は経済成長にまい進する隣国でもよく知られているのです。

 以前にも坂本教授のもとには、北京からこんな話がありました。

 中国のシンクタンクに勤める女性からの訴えです。
「日本に追いつき追い越せと中国の企業は、この数十年がむしゃらに頑張ってきました。
確かに国内総生産(GDP)は増えましたが、企業や地域社会からはぬくもりが消え、まるで砂漠のようになってしまいました。
幸せになりたいから頑張ってきたのに、やたらギスギスしているのです」。

そして中国の経営者組織向けの講演を依頼したのです。

 米国をもしのぎ世界一の経済大国になるであろう中国ですが、経済発展とは裏腹に貧富の格差や都市と農村の落差は同じ国とは思えないほど。
行き過ぎた成長至上主義、拝金主義ゆえのひずみが国を蝕(むしば)んでいる。
反動から日本の徳を勧める経営書が読まれ、代表例は京セラ創業者で日本航空の再建を率いた稲盛和夫氏の著書です。

◆方向違いの三本の矢

 翻ってアベノミクスです。
なぜ行き詰まり、格差拡大などの問題が生じているのでしょうか。

 まず日銀が国債を買いまくって金利を下げる異次元緩和です。
金利が異常な低水準になっても企業の投資や生産は伸びません。
消費が冷え込んだまま、需要が盛り上がらないのだから当然です。

 よってデフレ脱却も怪しい。
想定したシナリオはこうでした。
日銀が「二年で2%の物価上昇を実現する」と約束して緩和すれば、物価が上がるとの予想が広がり、そうなる前にと消費や投資が誘発され、物価が上昇する、と。

 しかし、その通りに進みません。
日銀の物価上昇目標は消費税増税による分(約2%)を除きます。
すると上昇率は1%にも達しない。
一方、賃金上昇は物価上昇より低く、消費は誘発されません。

 四月で「約束の二年」です。
急激な原油安が物価を押し下げた面もあり、物価上昇率や時期の目標を柔軟に修正すべきでしょう。

 次に機動的な財政出動。
公共事業を急増させるも建設現場の人手不足や資材高騰で消化不良に陥りました。
公共事業が民間から仕事を奪う弊害も指摘されます。
そもそも財政は危機的状況だから大盤振る舞いは続けるべきでない。

 最後に成長戦略。
この哲学にこそ問題があります。
「企業が世界で一番活動しやすい国」といって経営者寄りの、目先の利益しか考えないような政策ばかりです。
一時的に株価が上昇しても長続きはしない。

 日本経済にとって必要なのは消費を支え経済社会に安定をもたらす中間層の存在です。
勝ち組と負け組をつくり、二極化する分断社会ではありません。

 アベノミクスに最も欠けている視座は、弱者への配慮であり、再分配政策など格差を縮める努力です。
真の強者は弱者に優しい。
弱者に冷たいのは、ただの弱い者いじめでしかないのです。

 世界のトップクラスになった韓国サムスン電子。その幹部はわざわざソウルから坂本教授の自宅を訪ねてきたそうです。
「かつて世界の羨望(せんぼう)の的であり、我々の目標でもあった日本の著名企業はなぜつまずいたのか、そうならないためにどうすればいいでしょうか」と危機感いっぱいに尋ねました。

◆一番大切なものとは

 対する答えは、こうでした。
 「大切にすべきことをないがしろにすると組織は必ずおかしくなる。
一番大切なのは業績でもシェアでもない。
それらは経営の結果としての現象です。
大切なのは、社員とその家族ら企業に関わるすべての人の幸せづくり。
ご指摘の企業は、残念ながらその視点がいつの間にか欠落してしまったのではないでしょうか」  

アベノミクスは一番大切なものをないがしろにしているのです。
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2015年01月06日

「病院は薬漬け」との批判あるが薬は不要論は無責任と薬剤師

「病院は薬漬け」との批判あるが
薬は不要論は無責任と薬剤師
2015.01.05 11:00 NEWSポストセブン

 病院にかかると何種類も薬を出されることがある。
その量の多さに辟易し、「これって本当に必要なの…?」と疑問に思うことが多いのではないだろうか。

 そうした疑問を持つ人たちにとって“薬はいらない”、“薬をのまないほうが健康になる”という論は注目すべき新説なのかもしれない。
「薬は体の分解酵素を破壊し、副作用で苦しむ人もいる」と危険性を主張されると、薬から足が遠のくのは必然だ。

 だが、薬剤師の堀美智子さんは“薬離れのリスク”を危惧する。
「薬について、総論で『いる』『いらない』の2択にするのは大きな間違いです。
薬は効果があることが実証されています。

 例としてわかりやすいのは高血圧など生活習慣病です。

1948年から開始された米国のフラミンガム地区や1961年から開始された福岡県久山町の人を対象にした血圧などのさまざまな検査や解剖のデータをまとめて解析したものがあります。

 また1966年から1992年にかけて欧米で行われた17の降圧治療をまとめたものによれば実際に薬をのんだ(実薬群)2万3487人と偽薬を投与された(偽薬群)2万3806人が比較されました。
その結果、脳血管障害の発症率(1年間あたり)は実薬群が1000人あたり4.8人に対して、偽薬群は7.5人。実際に薬をのんだ人の方が少ないとわかりました。

心筋梗塞など心血管障害についても、1000人あたり1.4人少なく、死亡率も同1.6人少ないため、薬によって病気の発症率を減らし、死亡率を減らしていることがわかります。

 また、ヨーロッパのスカンジナビア地方でコレステロールが高い高脂血症患者4444人を対象に投薬により治療した群としなかった群を平均5.4年追跡した調査では投薬により治療した群のほうが生存率が高く死亡リスクが約30%低下したとされています」

 堀さんが強調するのは、「その人にとって必要な薬とそうでない薬を整理すること」の重要性だ。
「人の体は個々に違います。
同じ病気になっても、薬が必要な人と不要な人がいるでしょう。
それを自分で判断することは難しい。

勝手に『いらない』とのむのをやめてしまうのは危険な症状に陥る可能性があります。
薬について疑問を持ったら、医師や薬剤師に相談し、そのうえで判断しましょう」

※女性セブン2015年1月8・15日号
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2015年01月07日

原爆の痛ましさ、沖縄戦の生々しさを語り継ぐ

きょうの潮流
2015年1月6日(火) しんぶん赤旗

 年始から戦後を考える企画が目に付くなか、本紙の訃報欄にふたりの語り部が並びました。
原爆の痛ましさを伝えた片岡ツヨさんと、沖縄戦の生々しさを証言してきた宮城喜久子さんです

▼終戦後に米軍が原爆の威力を記録するために撮影したフィルム。
そこに映った顔にケロイドがある女性が片岡さんでした。
長崎の爆心地から1・4キロの兵器工場で被爆。
「顔をぴたぴたとムチでたたかれた」ようになって意識がとびました

▼無我夢中で浦上川まで逃げると、死体やむごく傷ついた人の群れが目の前に。
ふと気付くと、自分の体も焦げていました。
当時24歳だった片岡さんは、残った顔の傷に思い悩み、何度も死を考えたといいます

▼「ひめゆり学徒隊」だった宮城さん。
先生や学友と死の彷徨(ほうこう)を体験しました。
砲弾、銃弾、火炎放射器…。

迫りくる米軍の攻撃に自決を覚悟しながら海岸の岩陰に。
そこで米兵の乱射にあい、すぐそばで次々と倒れ死んでゆく仲間たち。
「地獄そのものでした」

▼ともに忘れてしまいたいあの時を、いつまでも平和な世であってほしいと語り継いできました
そこには次の世代に二度と私たちのようなつらい経験を味わわせたくないという、つよい決意がありました

▼戦後、そして被爆から70年。
こうした被爆地や沖縄の声を一顧だにしない政権が大手を振る日本。

共産党の志位委員長は党旗びらきで呼びかけました。
「極右勢力による政治支配に対して、立場の違いをこえ、理性の声を一つに集めるとき」だと。
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2015年01月08日

「普段の努力」で守る

年のはじめに考える 
「普段の努力」で守る
2015年1月7日 東京新聞「社説」

 安倍晋三首相の悲願は憲法改正です。
衆院では与党が三分の二超の勢力を確保しました。
戦後日本の軌道を変えるのか、まさに正念場になります。

 大阪大学の一千もの一般教養科目の中で、日本国憲法の講義が過去四度、学生の投票で「共通教育賞」を受けています。
いわば“ベストティーチャー賞”です。
教えているのは、大阪国際大の谷口真由美准教授(39)です。
  わかりやすいのが、授業の特徴です。
谷口さんは先月、「日本国憲法 大阪おばちゃん語訳」(文芸春秋)を出版しました。
条文を大阪弁で言い表した内容です。

◆まず「知憲」が出発点

 「護憲とか改憲とかいう前に、『知憲』でっせと声を大にしていうてます」−。

これが谷口さんのスタンスです。
学生が憲法を知らない現実があるからです。

 「『知ってる』とみんな手を挙げても、『何条あるか』と聞くと、学生の手はほとんど挙がりません。
ええも悪いも知らないでいては、同じ素地に立って議論できませんやん

 おばちゃん語訳の憲法前文は、例えばこんな具合です。

 <もう戦争はしやしまへんってきっぱり決めましてん。
(中略)他のお国のお人たちも同じように平和が好きちゃうかって信じてますねん。
そう信じることで、世界の中で私らの安全と生存を確保しようと決めましてん>

 集団的自衛権の行使容認は「ヤンキーのけんか」に例えます。
 「仲良しのツレがやられて、ツレの方がいじめてる側やのにとか関係なく、『ツレやから』という理由でケンカに行くようなもんですわ。

ツレが悪い奴(やつ)やったらというのは、すっ飛ばすんですな」

 憲法九条は「永久」の戦争放棄を宣言しています。
でも、自民党の憲法改正草案からは「永久」の文字が消え、交戦権の否認などの条項も削除されています。

◆権力を縛る立憲主義

 永久とは永久です。
戦後七十年、その年月で世界に向けた平和の宣言を取り消しては、先人たちの決意に背きます。

理想主義的と言われますが、この九条で戦後日本が戦争に巻き込まれなかったことは厳然たる事実です。

 「永久」の文字が付いた条文は他にもあります。

基本的人権は「侵すことのできない永久の権利」と定めています。
「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」とも記しています。

 人類の努力の一つにフランスの人権宣言があります
一六条は「権利の保障が確保されず、権力の分立が規定されないすべての社会は、憲法をもつものでない」と記しています。

ですから、基本的人権は多数決では決められない価値といえます。
 先人たちが未来をも拘束する原理を憲法に埋め込んでいるわけです。

もちろん憲法とは、他の法律と決定的に性格が異なり、国家権力に向けて書かれています。

憲法擁護義務を負うのは国務大臣や国会議員、公務員らと定めてます。
国民とは書いてないですね。
憲法に則(のっと)った政治こそ立憲主義であり、権力を縛る手段なんですわ」(谷口さん)  

この立憲主義の考え方は先進諸国はどこも同じです。

人権を守るために政府に権限を持たせる一方、これだけは守りなさいと権力に約束させたのが憲法です。

 でも、安倍首相は立憲主義について「王権が絶対権力を持っていた時代の主流的考えだ」と述べました。
珍妙な答弁です。
王権が絶対なら縛られてはいません。

 自民党の憲法改正草案は、立憲主義を見失っています。
驚くべきことに、人類普遍の原理である天賦人権説についても、自民党は「改める必要がある」と公言しています。

自由と権利については「責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」と国民に命令しています。

これでは権力を縛る憲法の役目になりません。

 安倍首相は総選挙に大勝し、「公約でも憲法改正に取り組むことを明記している。
歴史的チャレンジと言っていい」と述べました。
やはり目指すは改憲です。

 しかし、「知憲」は、本当に大丈夫でしょうか。

谷口さんは「権力が自由にしたいように勝手な解釈をして、国家のために国民に義務を果たさせるように変えられないやろか」と心配しています。

◆「あっさり奪われる」

 自由と権利を憲法は「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と記します。
 「人権を守るには『不断の努力』と『普段の努力』が必要ですねん。
そうせえへんかったら、あっさり人権なんか奪われていくことを自覚せなあきまへんな」

 憲法の危機には「普段の努力」が欠かせません。
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室井佑月 雑誌特集の「輝く女」に「私達は蛍光灯じゃない」

室井佑月 雑誌特集の「輝く女」に
「私達は蛍光灯じゃない」
2015.01.08 07:00 NEWSポストセブン

安倍政権は、「女性が輝く社会」を掲げ、女性の役員登用や女性国会議員増を目指す。
だが、作家の室井佑月さん(44才)は、それ以前に最低賃金を上げることの重要性を語る
さらには、「輝く女性」については、マスコミ報道のあり方にも異論を投げかける。

 * * *

 マスコミもおかしい。
雑誌の特集で『40代から輝く女になる』とか言ってるけど、あたしたちは蛍光灯じゃないんだから、そんなにいきなりパッと輝いたりできない。

 新聞やテレビで、“育児も仕事も両立する輝く女性”として取り上げられているのは、政府の広告塔になるような女。

男たちが威張っている世界で“うまくやってきた女”をメディアに出してるだけで、困ってる女性の声は全然取り上げられてない。

 最近見て、びっくりした統計がある。
日本の女性の貧困率は12.7%で先進国のなかでは圧倒的に高い。
働く女性の非正規雇用率は56%。
20才から64才の単身女性の3人に1人が貧困で、19才以下の子供がいる母子家庭の貧困率(*)は57%だそう。

 安倍さんがまずやるべきことは、そういう数字をきちんと考えながら、社会の底辺で苦しんでいる女たちに光を当てることだと思います。

*すべての国民を所得順に並べたとき中間の人の半分に満たない人の割合のこと。
※女性セブン2015年1月22日号
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2015年01月09日

子どもが将来マネしちゃう…お金にまつわる「親のNG習慣」4つ

子どもが将来マネしちゃう…
お金にまつわる「親のNG習慣」4つ
2015年1月8日 11時30分 WooRis(ウーリス)

年末年始は大きなイベントやお年玉、冬休みの旅行など、いろいろお金が入用なもの。
こんなときこそしっかり計画を立てて、上手にお金を遣いたいですよね。

でも、「お金ないけど……いいや、遣っちゃえ!」なんて言ってると、見てますよ、あなたの子どもたちが!
子どもに対する金銭的教育は、つい親が怠りがちな科目です。
でも、子どもは絶対的存在である親のマネをして育っていくのですよ。
英語ニュースサイト『U.S. News & World Report』の記事を参考に、子どもが将来マネするかもしれないお金の悪癖を認識しましょう!

■1:ガマンをしない

お金がないのに、アレもコレも欲しいものは即買い。子どもが「アレ買って!」と言っても、「しょうがないわね……」と無理して購入したりしていませんか?

そんなことでは、子どもが“ガマンすること”を学ばず、「お金がないけど、どうしても欲しいから、今クレジットカードで買う」という悪癖を身につけてしまいます。
「NOというのも子どもの将来のため」と心を鬼にして、ダメなときはきちんとそう伝えましょう。

■2:必要なときに何でも買い与える

子どもは毎月お小遣いや労働に対する“賃金”をもらって、そのお金でやりくりをしていますか? それとも、子どもが必要なとき、必要なものを親がその都度買い与えていますか?

欲しいときいつでもお金を与えては、「お金は努力せずともいつでも入ってくる」と思ってしまいます。
家事を手伝わせるなどして賃金を支払い、その中でやりくりさせるようにすれば、お金を稼ぐことの喜びと、お金のありがたさ、やりくりの仕方が備わります。

■3:衝動買いが多い

食料品でも洋服でも、子どもを連れて買い物に行くとき「あっ、コレ欲しい!」と思ったものを衝動的に買うことが多くありませんか?
そんなことをしながら「お金を計画的に遣いなさい!」なんて教えられませんよね。
買い物前に必要なもののリストを作ってから行くと、あっちへこっちへフラフラ……ということも少なくなります。

■4:子どもに教えることを自ら実行しない

子どもは、親の矛盾をびっくりするほどよく観察しているものです。
あなたが「健康にいい野菜を食べなさい」と子どもに言いつつケーキをバクバク食べていたのでは、説得力がありませんよね。

子どもへのお金教育も同じことが言えます。
「お小遣いを無駄遣いしちゃダメ!」と言いつつ、自分が無駄なものを買い込んでいるようでは、子どもはあなたの行動をマネするようになりますよ!

以上、子どもがマネしてしまうお金にまつわるNG習慣をご紹介しましたが、いかがでしょうか?

  新年は、子どもにも新しい習慣を身に付けさせるいい機会。
気分を新たに、親子で2015年のお金の目標を立ててみましょう!
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日テレ女子アナ内定取り消し騒動の根底に「箱入り娘プレイ」

日テレ女子アナ内定取り消し騒動の根底に
          「箱入り娘プレイ」
2015.01.09 07:00 女性セブン2015年1月22日号

 昨年11月、日本テレビのアナウンサー職の内定を獲得していた女子大生が、銀座のホステスのアルバイトをしていたことを自己申告した結果、内定取り消しとなった(その後内定取り消しは撤回)。
この件の根底には何があるのか。1995年にTBSにアナウンサーとして入社した小島慶子さん(42才)が指摘する。
      * * *  
内定取り消し騒動では『高度の清廉性』という言葉が注目されましたが、それを聞いて「局アナが特別に清廉潔白な仕事だとでも?」と白けた気持ちになった人は少なからずいるでしょう。  

お利口で清楚で、だけどおっちょこちょいで親しみやすい…そんな男性視聴者のさまざまな欲望を満たす存在として女子アナは扱われ、ひとつの「マーケット」として成立している。

いってみれば「箱入り娘プレイ」です。

プレイですから、テレビ局側も視聴者も、その存在が作られた「ウソ」であることをわかっていて、お互い暗黙の了解の上で楽しんでいるんです。

 ところが、ホステスというプロの接客業の経歴の持ち主がなってしまったら、「ウソ」が崩れてしまい、そのプレイが成り立たなくなってしまう。
それが今回の騒動の根底にあると思います。

 しかし、「箱入り娘プレイ」がしょせんプレイでしかないことを視聴者は知っているんだから、今さら女子アナにお題目としての「高度な清廉性」を求めなくてもいいのではないか、と思います。

 世間が思う「女子アナ」とは「出たがり会社員」といったところでしょう。
それは本当ですし、ちっとも悪いこととは思いません。
出演者は出たがりでないと務まりません。

ちゃんと原稿が読めていい仕事ができるなら、それでいいじゃないですか。

 自分の身内にするなら箱入り娘を、という“オヤジ”の理屈で人を選ぶのではなく、プロとして箱入り娘を演じ切れる技術があればいい、というほうがよほど現実的です。

 視聴者もとっくに気づいている女子アナの幻想は、それで萌える一部のオヤジのためにあるだけ。
これを機に「もう、このプレイいらなくない?」と言っていいと思う。“いい子を演じ続けるのは誰のため?”って。
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2015年01月10日

争点は「気付いていたかどうか」 多く渡されたお釣り受け取って詐欺容疑で逮捕

争点は「気付いていたかどうか」 
多く渡されたお釣り受け取って詐欺容疑で逮捕
2015/1/ 8 19:20 J-CASTニュース

店員が誤って多く渡したお釣りを申告せずに受け取ったとして、消防士の男(43)が詐欺の疑いで逮捕された。
男は「酒に酔っていて覚えていない」と容疑を否認している。

報道を受け、ネットでは「お釣りもらいすぎると逮捕されるのか...」
「そもそも店員が悪いだろ」と衝撃を受けた人が多い。

店員1万5000円をなぜか6万円と勘違い

事件は2014年12月19日21時45分ごろ、奈良県橿原市のコンビニで起きた。
携帯電話代やたばこ、缶コーヒーなど総額約1万3000円の会計に対し、消防士の男は1万円札1枚と5000円札1枚の計1万5000円を支払った。

本来であればお釣りは千数百円。
しかし、アルバイトの女性店員(当時15)は「忙しくてパニックになったため」6万円を預かったと思い込み、男に約4万6000円のお釣りを渡してしまった。
受け取った男はそのまま店を出た。
その後、店側がお釣りを多く渡したことに気付き、警察に被害届を提出。
15年1月7日、橿原署は男を詐欺の疑いで逮捕した。

上記の事件概要が共同通信などによって報じられると、
「渡す方が悪いし逮捕する必要あるのかな?」
「逮捕?それはやり過ぎでは」
「え?これ犯罪なん!?」といった声がツイッターなどネットにあふれた。

間違って渡されたお釣りを受け取っただけなのに「ちょっと可哀想な気がする」という意見が目立つ。

ただ、事件はそう単純ではないようだ。
橿原署によると、男には何点か不審な点があったという。
レジで4万6000円を受け取る際、店員が1000円札を複数回数えていることを男も一緒に確認するような姿が防犯ビデオに映っている。
また、任意同行で事情聴取を受けた際に「酒に酔っていて覚えていない」と容疑を否認しているが、防犯ビデオからは酩酊する様子は見受けられず、店内にいたほかの店員からも同様の証言があったという。

これらの点から同署は慎重に捜査を進めていた。

数十円でも詐欺罪は成立?

今回の事件で、男には詐欺の容疑がかかっている。
アディーレ法律事務所の鈴木淳也弁護士によると、「今回のケースでは『不作為の詐欺』があてはまる可能性があります」という。
「通常お釣りが多いと気付いた場合は信義則上の申告義務が生じます。

しかし、気づいているのに黙っていたとすると、欺いて利益を得たとして詐欺罪の要件が成立します」という。

厳密に法に照らせば、金額が数十円の場合でも詐欺罪が適用される可能性もないとは言えないそうだ。

今回の事件では4万6000円と高額であるため、裁判になれば「受領した段階で、お釣りが多いことを認識していたかどうか」が争点になるという。
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2015年01月11日

医療 介護 生活保護 選挙終われば安倍暴走 大改悪

医療 介護 生活保護
選挙終われば安倍暴走 大改悪
「充実図る」(公約)どころか
2015年1月10日(土) しんぶん赤旗

 厚生労働省は9日、来年度予算案などに盛り込む医療、介護、生活保護の改定案を三つの審議会にいっせいに示しました。

高齢者から現役世代まで医療負担増を強いるなど社会保障制度を大改悪する内容です。

総選挙では「医療・介護等の充実を図る」(自民党の政策パンフレット)と公約しながら、国民をあざむいて“選挙が終われば改悪”に暴走する安倍政権の姿勢が浮き彫りになっています。

厚労省が改定案  医療では、75歳以上の後期高齢者医療の保険料を最大9割軽減している特例措置を2017年度から廃止。
保険料が2〜10倍に増え高齢者を診療から締め出すものです。

 現役世代に対しては入院給食の自己負担を1食260円から460円程度に引き上げます。

紹介状なしで大病院を受診する患者には、5000〜1万円の定額負担を押し付け、入院・診療ともに締め出しをはかります。

 市町村が運営する国民健康保険は18年度から都道府県に移行。
市町村に保険料の収納目標などを課し、保険料引き上げと徴収強化、医療費削減を押し付けるねらいです。

 介護では、特別養護老人ホーム(特養)や小規模デイサービスなど事業所に支払われる報酬を引き下げます。
介護従事者の待遇悪化を招き、サービス低下につながります。

 「特養」の相部屋入所者から室料として1万5000円を徴収するなど利用者に対しても負担増を盛り込んでおり、低所得者が追い出されかねません。

介護労働者の増員を求める世論に押されて「処遇改善加算」に上乗せを行いますが、労働者全体の処遇底上げにはほど遠い内容です。

 生活保護でも、現在実施している生活扶助費削減に続いて、「住宅扶助」や、暖房費用である「冬季加算」の引き下げを打ち出しました。
切り詰めた生活を強いられている利用者に追い打ちをかけるものです。

 安倍内閣は年金についても、向こう30年間にわたって削減し続ける制度改悪を打ち出そうとしています。

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2015年01月12日

池上彰さんの活躍に思う「マスコミの存在意義」

池上彰さんの活躍に思う「マスコミの存在意義」
2015.01.11 zakSPA 文=鴻上尚史

 選挙が終り、1年が終わりますねえ。
今回も、選挙特番の池上彰さんの活躍はすごかったで。

安倍首相に、大勝の感想インタビューで「憲法改正に向けて一歩一歩進めていくということですね」とずばり聞きましたからね。

 で、安倍首相は「そういうことです」と認めました。
中継が終わった後、池上さんは、「憲法改正の熱意、野望をまったく隠そうとされなかったですね」とまとめました。
 ぞくぞくきますねえ。

 池上さんは何回も「欧米ではジャーナリストが政治家に対して、これぐらいのことを聞くのは当たり前で、自分が特殊ではない」とおっしゃっています。

それがジャーナリストの仕事なんだから、ということです。

当選した政治家に対して「おめでとうございます。
今の心境はいかがですか?」
しか言えないのは、ジャーナリストではなく、ただ、テレビに出ている人、だということです。  

池上さんが選挙特番をするようになって、多くのキャスター達は、意識的な質問をするようになったと僕は思っています(もちろん、激励して、身内だとアピールする人もいますけど)。

ただ、池上さんがすごいのは、ものすごい質問をじつにヒョウヒョウとやることです。
これはなかなかできません。
何人かのキャスターの人達の質問する時の「気合」を感じましたが、質問する時に相手に「気合」を伝えてしまうと、相手は身構えしまうのです。

そうすると、相手も公式答弁とか沈黙とか韜晦に逃げる可能性が高いのです。

それを池上さんはじつにヒョウヒョウとするのです。
本当にすごいです。

 こういう人がいる限り、マスコミの存在意義はあるんだと思います。
これは決して大げさな言い方ではないです。

記者クラブに自動的に所属して、日常的に政治家と接するようになり、やがて、政治家の身内のような感覚になり「自分が政治家を守るために、この記事をやめておこう」なんて意識にまでなってしまうマスコミの中で、池上さんの存在は本当に希望だと思います。

 ■SNSを禁じる大手マスコミ

 最近、大手の新聞社から「マスコミとネット」についてのインタビューを受けました。

「マスゴミ」と言われてしまうマスコミは、「売国奴」だの「反日」だのの言葉を使いながら、ゆっくりと自殺しているんだ、とこの欄に書いたことがきっかけでした。

 驚いたのですが、大手の新聞記者さんは、ツイッターやフェイスブックをすることを、基本的に会社から禁じられている、というのです。
許可された一部の記者だけがやっているそうです。

僕は思わず「そんなあ!」と声を上げてしまいました。

ネットの民は、ネットに溺れながらマスコミを知っている。
けれど、マスコミの人達は、ネットをまったく知らない。
そんなんでネットと戦えるはずないじゃないかと思いました。

 ツイッターやフェイスブックが禁じられている理由は分かります。
大手のマスコミの人間が不用意につぶやいて、「××新聞社の記者がこんなこと言ってる」と炎上したらまずいということでしょう。

肩書を見て、例えば朝日新聞社の記者だと分かれば、スルーする発言も祭にする可能性は十分にあります。
 だから、仕事でどうしても必要な記者以外は禁じてしまえ、という上層部の切実で短絡的な発想も分かります。
分かりますが、それでは、マスコミの死期をどんどん早めてしまうだろうと思います。

 僕は思わず、「会社に怒られるのなら、偽名にしてやればいいじゃないですか」とアドバイスしました。
実際、例えばフェイスブックでは、有名人が何人も名前を変えて僕に「友達申請」してきています。
メッセージでこっそり、自分の本名を名乗るのです。


 表現者やアーティストとして「フェイスブックとはどんなものか」とか「ツイッターの可能性と限界」を体験することは、とても大切なことだと思っています。
ジャーナリストの人達も、もちろんです。

 毎日、仕事としてネットを覗くことは、なかなかに大変なことです。
興味を持って、熱中している人ならともかく、仕事で見ると胸潰れることがたくさんあります。それでも、希望を感じることもたくさんあるのです。

 2015年も、ネットという巨人とつきあっていこうと思います。
ということで、来年もよろしくです。

※SPA! 12/30・1/6合併号から
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2015年01月13日

初めての和式トイレに戸惑う新小学1年生 今や練習する場もない、と親は嘆く

初めての和式トイレに戸惑う新小学1年生
 今や練習する場もない、と親は嘆く
2015年1月12日 11時30分 J-CASTニュース

春の入学シーズンももうすぐだが、小学校に入学した新1年生が最も戸惑う環境の1つが学校内の「和式トイレ」だという。

今や家庭でも公共施設でもほとんどが「洋式トイレ」で、和式を目にする機会すら少ない。

小学校に入学して初めて和式トイレを目にする子供は大半に上るとされており、子供たちや父母らにとっては深刻な問題となっている。


「入学前に和式トイレを使う練習をした方がいいと言われたが、練習する場もない」。
ある母親は困惑した表情で話す。
小学校に入って初めて和式トイレを使い、座る位置さえわからず、トイレを汚してしまう子供も多いという。

小学校全体の約6割が、和式が多いと回答

小林製薬が2014年7月、インターネット上で全国の母親と小学生412組を対象に行った「小学校のトイレ」に関するアンケート調査によると、「すべて和式」は17%、「和式が多い」は42%で、全体の約6割が、和式が多いと回答した。

10年度の同様の調査では、「すべて和式」(26%)と「和式が多い」(52%)の合計は78%を占めており、年々改善しているとはいえるが、いまだに和式トイレが多い状況が大半を占めていることが分かる。

問題は、慣れていない和式トイレを前に、排便したがらない子供が多いことだ。
学校のトイレで排便することへの抵抗感を聞いた調査では、洋式トイレが多い学校では「抵抗を感じる」(30%)、「やや抵抗を感じる」(20%)の合計は50%。

これに対し、和式が多い学校では、「抵抗を感じる」(34%)、「やや抵抗を感じる」(27%)の合計は61%に上った。

排便したがらない理由では、「和式トイレを使うのが苦手」が44%と最も多く、子供たちが和式トイレに戸惑い、悩んでいる姿が浮かび上がった。

排便を我慢すれば体調にも影響し、子供たちの健康への懸念も大きい。

校舎すべてを洋式に改修すればばく大な費用が必要

そもそも、一般家庭では今や9割超が洋式トイレを設置しているという。
公共のホールやショッピングセンターでも洋式トイレは大半を占め、女性トイレで1〜2台設置してある和式トイレなど、大人でさえ誰も使わないのが現状だ。

小学校に上がったばかりの子供たちが和式トイレに大きな負担をおぼえるのも無理はない。
では、なぜ小学校では和式が多くを占めるのか。
最大の理由は予算問題だ。
校舎すべてを洋式に改修すればばく大な費用が必要で、4階建ての校舎なら4000万〜5000万円程度かかるとの試算もある。

東日本大震災後は校舎の耐震化工事が急速に進められており、国や自治体の財政状況が厳しい中、トイレの改修は後回しにされがちという事情もある。

新1年生には厳しい現実だが、しばらくは試練と捉えるしかないのかもしれない。
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2015年01月14日

政府が情報を支配し、新聞がそれに馴(な)らされればどうなるか

筆洗
2015年1月13日 東京新聞

 一九四五年の一月十三日午前三時三十八分、三河地震と呼ばれる震災が起きた。
阪神大震災と同じ内陸直下型地震が、空襲におびえる人々を足元から揺らした

▼被災した人々は、どんな思いで新聞を手にしたろうか。
七十年前の記事を読んでみる。
一月十四日付一面に並ぶのは、<撃破実に一千機>といった記事ばかり。
震災を報じる記事は二面に載っている。
見出しが勇ましい。
<再度の震災も何ぞ/試煉(しれん)に固む特攻魂>

▼<十三日早暁一部電灯線が切断する程度の可成(かなり)の地震が東海地方を襲ったが、(昨年十二月)七日の激震に較(くら)べると震度は遥(はる)かに小さく…若干全半壊の家屋があり死傷者を出しただけで…工場その他の重要施設には殆(ほとん)どこれといふ被害のなかったのは不幸中の幸…>

▼十二月七日の激震とは、千二百人以上の死者を出した東南海地震のこと。
それに比べて「遥かに小さい」と書かれているが、三河地震の最大推定震度は7。
全半壊二万戸以上で、二千三百人余の命が奪われていた

戦時中、政府は厳しい情報統制を敷いていた。
だが当時、現場にいた記者たちはこうも語っていた。
「最初は本当のことを書いても載らないなぁと思っていた。
だがそのうち、どうせ載らないならと取材もあまりしなくなった」

政府が情報を支配し、新聞がそれに馴(な)らされればどうなるか。
七十年前の紙面が、教えてくれる。
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2015年01月15日

雨宮処凛氏 女性は輝きなんか求めていない、欲しいのは安心

雨宮処凛氏 女性は輝きなんか求めていない、
欲しいのは安心
2015.01.14 07:00 NEWSポストセブン

 作家で、「反貧困ネットワーク」副代表を務める雨宮処凛さん(39才)。

若者の生きづらさや、不安定さを強いられる人々「プレカリアート」問題に取り組む彼女に「これだけは言っておかなければ気がすまない!」という女の正論を尋ねた。
 * * *
「女性が輝く日本へ」「2020年までに女性管理職を30%に」という目標を掲げていた安倍政権が、先の総選挙で圧倒的な支持を受けた形になりました。
しかし今の政策ですべての女性が幸せになれるとは、けっして思えません。

 安倍首相が掲げるのは、ほんの一握りの「勝ち組」女性への政策です。
正社員でスキルがあって、結婚にも子育てにも前向きなスーパーウーマン。
大半の女性たちは、そんな人たちではありません。

 総務省統計局の『就業構造基本調査』(2012年)によれば、働く女性の57.7%が非正規社員なのです。

 最近、私が会ったのは、非正規で鉄道会社の売店で働く60才で未婚の女性です。
時給1000円で手取りは月にわずか12万円。

正社員と同一労働をしているにもかかわらず、一方はどんどん昇給していき、彼女は昇給もなければボーナスもない。
自分たち非正規社員がいなければ仕事が回らないのに、あまりにも待遇が差別的で「なんとかしてほしい」と訴えていました。

 シングルマザーも厳しい状況です。
ダブルワーク、トリプルワークは当たり前。

30代半ばのある女性は、夫のDVが原因で離婚しました。
小学生の子供2人を抱えて、昼はお弁当屋で、夜はスナックで働いています。
それでも月収は20万円にも満たない。

 彼女は一度、新しい恋人ができそうになったのですが、その恋は実りませんでした。
電車賃がなくてデートの場所まで行けない。
行き着けても割り勘だとデート代も払えない。
「お金がなくて恋愛もできない」と語っていたのが印象的でした。

 新しい人とうまくいって再婚できたら生活は安定する可能性があるのに、そこまで到達できないのです。

 彼女たちが共通して話すのは「せめて手取りが、あと月に2、3万円多ければなんとかなる」ということ。

国税庁の『民間給与実態統計調査』(2013年分)では、非正規の女性の平均年収は143万円。

日本の貧困線(生活に必要なものを購入できる最低限の収入)は年収122万円です。
貧困のボーダーラインをわずか20万円ほどしか上回っていないレベルで生活せざるをえないことがわかります。

 そういう女性たちは日々の暮らしに手いっぱいで、恋愛や結婚に目を向ける余裕がないのです。
少子化対策が喫緊の課題であるにもかかわらず、安倍首相は待機児童の解消や仕事と育児の両立を声高に唱えるだけ。
底辺の状況が全くわかっていない。

自分は3世のお坊ちゃま育ちで何不自由なく生活してきたから、底辺にいる女性の現実がわからないのだと思います。
そういう人たちの声を直に聞かないで、エリート女性たちの声ばかりを聞いているのです。

 女性活躍推進法案を見て、私たちのためにやってくれた、と思っている人は誰もいないのではないでしょうか。
むしろ同じ女性なのに、そこから排除されて相手にされていないと疎外感を持った人が多い。  安倍首相の「上から目線」も気になります。

声高に「女性活用」を口にしていますが、男性に対しては「男性活用」とは言わない。
女性をわざわざ活用してやるんだ、という物いいです。

多くの女性が求めているのはそんなものではない。
 結婚しないでも、非正規で働いていても、それなりに安心して地に足をつけて暮らしていける社会を求めているのです。

※女性セブン2015年1月22日号
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2015年01月16日

発信箱:STAP後遺症=青野由利

発信箱:STAP後遺症=青野由利
毎日新聞 2015年01月16日 東京朝刊

 自分のコラムに見出しをつけながら、なんだか見覚えがある気がした。
もしかすると、誰かの文章に影響されたのだろうか。

 そんなことが気になるのも、昨年来の研究不正騒動のために違いない。

 「STAP問題の影響で、審査する博士論文をすべて盗用チェックソフトにかけなくてはならなくなった」。
研究者と話すと、そんなぼやきが聞こえてくる。

昨夏、文部科学省が「不正防止ガイドライン」を出したのが一因で、ソフト販売会社に聞くと、確かに導入する大学や研究機関が急増しているらしい。

「ソフトにかけるのはいいけど、既存の論文と何%一致していたら盗作とみなすの?」といった判断基準の悩みも耳にする。

 こうした騒動も、これまで論文のコピペを軽視していたり、学位論文の審査がいいかげんだったりしたのなら、それを正すよいきっかけかもしれない。

一方で、忙しい研究者の時間や資金を不正チェックに投じるより、もっと生産的なことに使えないのかという疑問もわいてくる。

 「捏造(ねつぞう)、改ざん、盗用」を重大な違反と考えるだけでは不十分。

大事なのは研究者としての「責任ある行動」で、その基礎は自然の謎を解き明かす喜びと社会貢献。

昨年末のSTAP論文最終調査報告の指摘はもっともで、科学の本質に立ち返るには盗用チェックソフト以上のものが必要だと感じる。

 気になった見出しは、調べてみると、以前、自分で別のコラムにつけた見出しにそっくりだった。

そういえば、「過去の自分の論文と序論の文章が20%似ているといわれ、書き直したことがある」という研究者もいた。
笑えそうで笑えない話である。(専門編集委員)
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2015年01月17日

介護報酬下げ 現場が崩壊しかねない

介護報酬下げ 現場が崩壊しかねない
2015年1月16日 東京新聞「社説」

 介護保険から個々のサービスに対して事業者に支払われる介護報酬が、四月から全体で2・27%引き下げられる。
人手不足がより深刻になり、介護の現場が崩壊しかねない。

 介護サービスの公定価格である介護報酬は三年に一度、見直されている。
二〇〇〇年度に制度がスタートして以来、五回目の改定となる今回、過去最大規模の下げ幅となった。
制度開始時よりも報酬は実質2・1%下がっている。
三年前と比べ消費者物価は4%超上昇していることを考えても、引き下げは乱暴だ。

 財務省が引き下げの根拠として持ち出してきたのが、特別養護老人ホーム(特養)の内部留保が平均三億円程度あるという数字。
しかし、この中には老朽化した施設の建て替え費や職員の退職金などの積立金が含まれている。現状でも特養の三割近くが赤字であり、経営状況が厳しくなる施設がさらに増えることが予想される。

 介護職員の人手不足は深刻化している。
最大の要因は賃金の低さだ。
常勤のホームヘルパー、施設職員の平均月収は全産業平均よりも約十万円低い。

人手が足りないため過酷な勤務状況にならざるを得ず、離職率も高い。
昨年十一月時点で介護関係職種の有効求人倍率は二・五一倍と、全職業の一・〇四倍を大きく上回っている。

 改定では、介護職員の賃金を一人当たり月一万二千円程度引き上げるため加算制度が充実される。
だが、これに必要な報酬1・65%分はその他の部分を4・48%下げることで賄われる。

特養などの施設サービスの報酬は大幅に引き下げられる。
施設の経営自体が悪化すれば、職員の賃金アップもままならなくなるかもしれない。

 東京都社会福祉協議会が昨年末に実施した調査によると、都内の約半数の特養で介護職員が不足している。
そのため一部事業所を閉鎖するなどの事態が起きている。

 特養の入所待機者数は五十二万人に上っている。
改定は「施設サービスから在宅サービスへ」という政府の基本方針に沿ったものだが、現場のニーズを反映していないのではないか。

 政府は二五年度には、今より介護職員を百万人増員する必要があるとする。
だが、このままでは職員が集まらずサービスの質が低下したり、サービスが必要でも利用できない「介護難民」が増えるのは必至だ。

社会保障を充実させるための消費税8%への引き上げだったはずだ。
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医療も「言論の自由」が大事

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
医療も「言論の自由」が大事
2015年1月16日 読売新聞

 最近の僕的に大きなニュースは、フランスの政治週刊紙「シャルリー・エブド」のパリ本社が銃撃され、12人が殺害された事件です。
逃亡した容疑者が籠城し、射殺されました。
そして、その銃撃テロ事件の犠牲者を追悼する大行進に370万人が参加したとフランス内務省は発表しました。

 襲撃された週刊紙は、ある人たちにとっては行き過ぎとも言える表現があったのかも知れません。
しかし、言論の自由は正しい判断をするためにとても大切なものです。
いろいろな意見があることが正しい判断の源と常々思っていますので、「自分たちの意にそぐわないことを言っているから、そんなとんでもない報道をするやつらは襲撃しよう」という発想には断固反対です。

医療情報は玉石混交

 医療の分野でも、たくさんの意見が出た方がいいのです。

本屋さんの医療コーナーを眺めれば、また医療の記事をネットサーフィンすれば、いろいろな意見を主張する本やHPがあります。
両極端の意見も珍しくありません。

長生きするためには医者に行かない方がいいといった論調から、どんどん医者には行くべきだといったものなどわかりやすい両極端の意見です。
そんないろいろな意見があることが楽しいではないですか。
玉石混交です。

どれが正しいかもわかりません。
明らかに正しいこと、明らかに間違っていることを本にすることはまず無理でしょうから、書籍になっている段階で、ある程度はそれなりの論拠があると思っています。

 ではなぜ、そんなにたくさんの意見が、特に医療の分野にはあるのでしょう。
それは、人はいろいろだからですね。
全員に当てはまらないことは間違っているのでしょう。
でも将来は当てはまると敢あえて言うこともできます。
少なくとも今までに何人かに当てはまっていれば、その意見を葬り去ることは無理です。

人はいろいろということは、各個人に対する医療もいろいろと考える方が腑ふに落ちます。
でもそこまでオーダーメイド化するためのサイエンスは進歩していないのです。
ですから、多くの人にとって有益であろうと思われることを精一杯やっているのが医療です。

そんな目線でいろいろな情報に接することが大切ですね。

信頼できる医師を持とう

 もしもどの医療情報が正しいか解わからないときは、信頼できる医師に相談しましょう。
つまり常日頃から、かかりつけの信頼できる医師を持っておくことが大切です。
信頼できるというのは、「その先生の言うことであれば、もしも間違っていても、もしも自分に当てはまらなくても致し方ない」と思える医師のことです。

僕たち医療関係者も、その人にその医療がどれほど大切かはなかなか解らないのです。
精一杯現在までの情報でいいと思っていることをやっているのです。
だからこそ、僕たち医療サイドも、いろいろな情報の存在を知りたいのです。
そんな玉石混交の情報から、よりよいと思われることを取捨選択するのが、医療のプロの仕事と思っています。

 大きなニュースの陰で、先日医療にとって大切な決定がなされました。
来年度の予算で財務大臣と厚生労働大臣の大臣折衝が行われ「介護報酬」を2015年度から2.27%引き下げる方針となりました。

高齢化社会がどんどんと進行する中で介護の問題を国民全体が考えることはとても大切なことなのです。
僕的には介護報酬は増額が何よりも必要で、減額などはもっての他と思っています。

しかし、介護職員の給与は月1万2000円程度上がるとも報道されています。
そうであれば、労働の割に低賃金と言われている介護職員には朗報です。
「介護報酬」がどのように運用されるのかも、しっかりと見守っていきたいと思っています。

社会保障は国としての大切な問題です。
大切な税金の使い道です。
社会保障に対するいろいろな意見も本やネットでたくさん発言されればいいのです。

 極端な意見があってもいいのです。
それが発言できる世の中が、まず大切なのです。
言論の自由はどんなことがあっても守りたいと思う今日この頃でした。
 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。
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2015年01月18日

阪神大震災20年 忘れまい復興の光と影

阪神大震災20年
 忘れまい復興の光と影
2015年1月17日 東京新聞「社説」

 悲しみを乗り越えて街の姿は蘇(よみがえ)ったが、なお、生活を取り戻せぬ被災者も少なくはない。
阪神大震災から二十年。
復興の教訓を風化させてはならない。

 一九九五年一月十七日朝に起きた阪神大震災は淡路島北部を震源地とする直下型地震だった。

神戸市を中心に死者六千四百人以上、住家の全半壊は約二十四万九千棟に及び、道路、鉄道、あらゆるライフラインが崩壊した。

 廃虚同然となった被災地には二十年後の今、新たなビルが立ち並び、街の姿は、以前にも増して華やかに見えもする。
すでに神戸市では、震災を体験していない世代や転入者が人口の四割を超えている。

◆遠かった生活の再建

 都市崩壊の生々しい記憶が薄れていくことは復興の一つの証しかもしれないが、大きな悲しみを乗り越える中で学んだ教訓まで薄れさせてはなるまい。

 阪神大震災の復興は「創造的復興」を掲げて進められた。

 創造的復興とは、当時の貝原俊民兵庫県知事が用いた言葉で、単に震災前の街の姿に戻すのではなく、二十一世紀の成熟社会にふさわしい姿に復興する、という考え方だった。

 高速道路や鉄道、港湾施設などのインフラの復旧は総じて早かった。
土地区画整理事業、市街地再開発なども次々進められた。
街の再建が目に見えて進んでいくことが人々を大いに勇気づけたのは間違いないだろう。

 その一方、いくら行政主導で創造的復興が進んでも、住民が家を再建し、安らかな生活を取り戻す「人間の復興」は順調に進んだとは言えない。

 例えば、都市計画や住宅政策が専門の塩崎賢明・神戸大名誉教授は「巨大再開発という復興施策がもたらす『復興災害』がいまなお進行中だ」と指摘している。

◆住民戻れぬ再開発

 火災で全焼した神戸市長田区の新長田駅南地区は、商店街が縦横に広がる住宅・商業・工業の混合地域だった。
そこでは、壊滅した地区内のすべての土地を神戸市が買収し、四十四棟のビルを建設する再開発事業が進められた。

 しかし、完成したビルの商業・業務区画の売却・賃貸は進まず、地下や二階は今も軒並みシャッターが下りたままである。

 再開発ビルの住宅も、分譲価格が従前権利の評価額より総じて高くなった。
追加資金を持たない人の入居は難しく、震災前の住民の45%が地区外に転出したとの調査結果もある。

 再開発事業が都市計画決定されたのは震災からわずか二カ月後。
その日その日を生きるのが精いっぱいだった被災住民の声をきちんと聞いた形跡はない。

 コミュニティー復興への目配りが欠けていたのである。

 千七百戸の仮設住宅が並ぶ神戸市西区にプレハブの仮設診療所を開設して被災者を支援し、二〇一二年に亡くなった額田勲医師も、著書『孤独死』(岩波書店)で「人間の復興はあまりにも遅々としている。
見果てぬ夢を追いながら、仮設住宅で生を終えた人たちは、おびただしい数に上るはずである」と振り返っている。

 復興は、建物や道路を取り戻せば終わりではない。暮らしやコミュニティーをいかに復興するか。

 現在進行中の東日本大震災からの復興のみならず、南海トラフ巨大地震や首都直下地震も想定し、阪神の教訓を考えねばなるまい。

 生かすべき経験は、もちろん、影の部分ばかりではない。


 阪神大震災では百六十七万人がボランティアとして活動した。
試行錯誤の連続で、事がスムーズに運んだわけではない。
善意の空回りもあったが、ボランティアの心は社会に根付き、九五年は「ボランティア元年」と呼ばれることになった。


 阪神での経験を契機に、九八年には特定非営利活動促進法(NPO法)が施行された。
今や、大災害のたびに各地からボランティアが集まり、行政が進める事業よりも柔軟に支援活動を展開するのが普通の光景になってきた。

 日本でも無論、古くから相互扶助が行われてきた。
結(ゆい)、講…。
つまり、血縁社会、地縁社会の中で機能していた仕組みである。

◆助け合い、参加する

 ボランティア活動は、地縁、血縁による助け合いに代わる新しい社会の相互扶助の仕組みである。
日本社会の高齢化、人口減が進む中、その重みは増す一方である。

 法人税減税の財源をめぐり、昨年、NPO法人の優遇税制を見直す動きもあったが、社会貢献活動の普及に水を差す逆戻りなど、もっての外である。

 大きな悲しみをきっかけにわたしたちの社会に現れてきた助け合いの心、参加する気持ちである。
より大きく育てていかねば。
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2015年01月19日

契約急がせるのは常套手段 あせらず冷静に、専門家にも相談

連載:本当は教えたくないマンション業界の秘密
契約急がせるのは常套手段 
あせらず冷静に、専門家にも相談
2015.01.18 zakzak 榊淳司

 私はマンション購入に関する相談を有料と無料で行っている。
無料相談はメール。
私のブログからメール形式で寄せられる相談に1回だけ無料でお答えしている。
 有料の場合は事務所においでいただいて面談する。
1時間1万800円だが、まぁ2時間くらいが平均。
追加料金はなく、ご納得いただけるまでお付き合いする。

 いつも思うことは、一般消費者とマンション販売業者の情報非対称性だ。
購入についての基本的な知識がなさすぎる一般消費者と、海千山千の販売業者が、モデルルームという販売側のホームグラウンドで戦っているのだ。
どちらが有利かは自明だろう。

 最近あった相談の事例を紹介する。相談者は40代前半の男性。
奥さんと小さなお子さん2人。
1億円弱の新築マンションを検討していた。

 ところが、自己資金は約600万円。
年収は2000万円未満。
残りを変動0・77%の35年ローンで借りると、月々の返済は25万円弱。
確かに払える。

 しかし、払い終わるのは70代後半。定年後はどうするのですか、とお聞きしたら「どこかで売却を…」という想定。

 明らかに無理がある。
どこかで破綻するのが目に見えている。
しかも検討物件はバブル価格。
駅からも近くない。
10年後には半値に落ちていることが確実視される。

 話を詳しく聞くと、2カ月前には担当営業から頭金は1割が絶対必要と言われていた。
約1000万円だ。
でも、彼は600万円しか用意できない。
それが昨年末に「600万円でも今なら大丈夫です」と豹変。
ただし、「××日までに振り込んでください」と短い期間を切られた。

 そのマンションの竣工は1年半も先。
なぜそんなに急ぐのか。
 契約を急ぐのは不動産営業の常套(じょうとう)手段。
冷静に考える時間を与えると、客が迷いだして買わないケースが多いからだ。

「××日に決めてもらわないと社内の稟議がおりません」
「他に検討しているお客さまが何人もいらっしゃいます」というのがお決まりのトークだ。

 別の相談者は、購入してしまったマンションをすぐに売りたいと考えた。
そのマンションの販売担当者に相談すると「すぐに売りなさい。でないと価格が下がります」。別の仲介業者に聞くと「2〜3カ月住んでからでも、売却価格は変わりませんよ」。

迷って私のところにやってきた。

 これには少し笑えた。販売担当者は、すぐに売ってもらえると自社が仲介することになるから売りと買いの両方から手数料が得られる。

 別の仲介業者は、販売担当者の目論見が見えていたから、「一度住んでから」と勧める。
一度住んでから売るとなると今度は自社で仲介できる可能性が高い。
すると買い側の手数料も得られる可能性が出てくる。
つまり、どちらも単に自分に都合のよい動きを勧めているだけなのだ。

 一般の方が不動産取引で業者と対等に渡り合うのは並大抵ではない。
まず、冷静になること。
時間をかけること。
必要なら専門家に相談することである。  

■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト
www.sakakiatsushi.com
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「去ってほしい社員の条件」掲示が話題 

「去ってほしい社員の条件」掲示が話題 
「経営者の責任転嫁」か
「面白さ追求する余裕の表れ」か
2015/1/19 12:15 J-CASTニュース

古き良き?日本企業の文化の1つに、「社訓」がある。
その存在には賛否両論あるようだが、

パナソニックの「産業人たるの本分に徹し/社会生活の改善と向上を図り/世界文化の進展に寄与せんことを期す」(綱領)、
京セラの「敬天愛人」(社是)など、社外の人からも「素敵だ」と言われているものもある。

一方、中には社外の人が読むと「ドキッ」とする内容も。
先日、ある会社に飾られている「社訓」風の箇条書きがネットで紹介されると、その刺激的(?)な内容からか、ツイッターなどで注目が集まった。

その社とは、「niconico」でおなじみのドワンゴだ。

「言わなければできない社員」など7項目 ネットで紹介したのは、小説執筆など多方面で活躍している天久聖一さんが朝日新聞デジタルで連載している「家庭遺産」だ(2014年12月)。

「ドワンゴ社員」を名乗る人物から寄せられた投稿写真で、川上量生会長が会長室の扉に飾っているという「去ってほしい社員の条件」と書かれた額縁入りの7項目だ。

条件は「知恵のでない社員」
「言わなければできない社員」
「すぐ他人の力に頼る社員」
「すぐ責任を転嫁する社員」
「やる気旺盛でない社員」
「すぐ不平不満を云う社員」
「よく休み よく遅れる社員」というもの。

スタジオジブリの鈴木プロデューサーが落ちていたのを拾ってジブリに飾っていたのを川上氏に譲ったそうで、投稿者によると、川上氏はこういうことを言うタイプではないため、「社員はどちらかといえば面白がって写真を撮ったりしていました」。

「鈴木さんは、『これを飾っていた会社は潰れたんですよ』と言って笑っていたそうです。

でも、ちょっとどきっとする、考えさせられる文章ですよね」という。

天久氏は 「それにしてもこのセンス......。
よく居酒屋のトイレに掲げてある『親父の小言』に通じるものを感じます。
たしかに深い含蓄もある。
でもある意味そんな『俗っぽさ』も含めて面白がる社風。
ひと筋縄ではいかないセンスに、ドワンゴ躍進の理由を垣間見た気がしました」 と評価した。

「無礼な言葉」と反発も

この投稿が、朝日新聞が運営するメディア「withnews」にも紹介された(15年1月2日)ことで、ツイッター上でも話題になった。

「条件」の文面が、社員に対して厳しい印象を与える内容のためか、
「バカな。去ってほしい社長の無礼な言葉」
「ネタでもこれはないわ。不平不満から知恵が生まれるのに矛盾してる」
「入社させたのはお前の責任でもあるだろ?それを去って欲しいとか、責任転嫁してるのはどっちかと」 などと、「面白がって写真を撮って」いた社員とは対照的な反応も目立った。

実はこの額縁は、川上氏が出演した「カンブリア宮殿」(テレビ東京系、12年5月24日放送)にも登場し、「鈴木氏から譲られたもので、『これを飾っていた会社は潰れた』」ということも紹介されていた。

スマイルメディア代表取締役の高橋誠氏は、自身のブログ「点をつなぐ」(12年6月1日、Itmedia オルタナティブ・ブログ)でこれを取り上げた。

鈴木氏からもらったものを飾っているだけ、という川上氏について「こういう人を食ったようなところが面白いですね」と評価し、「飾っていた会社は潰れた」ことについては「この内容の文面がネガティブなので、無意識のうちにそのネガティブさに捕らわれてしまう社員が多かったのではないか」などと指摘。

脳はポジティブとネガティブの区別がつきにくく、たとえば『遅刻をしない』というと『遅刻』にとらわれ逆に遅刻してしまうので、『時間を守る』のように書いたほうがいいということです」 として、「会社に残ってほしい社員の条件」としておけばよかったかもしれない、と書いている。

川上氏の手に渡った経緯や鈴木氏の言葉を踏まえると、ジブリもドワンゴも「逆教訓」としてこれを飾ったのかもしれない。(MM)
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2015年01月20日

猛威をふるうインフルエンザ!

猛威をふるうインフルエンザ!
「うがい薬は逆効果」
「ソープの薬用成分は意味なし」
間違いだらけの予防知識とは?
2015年1月19日(月)0時0分配信 週プレNEWS

今シーズンは例年より3週間早く、12月頭から流行入りしているというインフルエンザ。
1週間の受診者数は約139万人と、昨年同時期の約4倍もの猛威をふるっている。

それだけに、うがい、手洗いなど様々な予防を行なっている人も多いだろうが、果たして本当にそれは正しい行為なのか? 
WHOの感染症対策チームで国際的なインフルエンザ対策に従事した経験をもつ医師、村中璃子氏に聞いてみた。

●うがいは水で十分!

うがいで重要なことは、ウイルスを殺すことではなく、洗い流すこと。

18歳から65歳までの387人を対象に実施した京都大学による二重盲比較試験(※1)によれば、うがい薬(ヨード液)とただの水による予防効果は、水で40%、うがい薬で12%。どちらも効果はありますが、ただの水のほうが効果的だったという結果が出ています。

また、日本で水によるうがいによって得られる経済効果(風邪になった場合にかかる医療費や仕事を休むことによって失われる賃金などの総額)は、年間1人当たり3万1800ドルとの試算もあります。
とはいえ、インフルエンザや風邪の予防にうがいを推奨するのは日本くらいのもの。この安価で効果的な習慣を世界にも紹介したいですね!

●かかってからのうがい薬は逆効果

イソジンなど市販のうがい薬の主成分であるヨードは、外科手術で手洗いに用いるほど効果の高い消毒薬ですが、特に風邪やインフルエンザにかかってからのヨード液によるうがいは、傷に塩をもみ込むようなもの。
炎症を起こした粘膜を刺激し、かえって症状を悪化させます。

同じ理由で、病院でもヨード液による喉の消毒治療はやらなくなりました。
私が産業医を務める企業ではトイレからうがい薬を撤去し、代わりに使い捨ての紙コップを置くことにしました。

●最大の感染源は自分の手

人は気づかないうちに、驚くほど頻繁(ひんぱん)に手で顔を触わっています。
特にパソコンを触る人は顔を触る頻度が高く、5分に1回から3回、一日換算では200回から600回も触るという報告もあります。

最大の感染ルートは一般に、空気中に浮遊するウイルスを吸い込むことと考えられていますが、咳やくしゃみの飛沫(ひまつ)が空気中を浮遊している時間は非常に短く(風流や湿度などによります)、手を通じての感染の頻度のほうが高いという専門家もいます。

アメリカでは新兵の90%が、最初の数ヵ月間でなんらかの呼吸器感染症にかかるそうですが、予防対策として紫外線照射(直射日光に当たるのと同じ効果)、消毒薬散布など様々な方法を試みたところ、一番効果があったのは手洗いだったそうです。
「一日に最低5回手洗いする」という指示で、呼吸器疾患で受診する新兵の数は半減したといいます。

●薬用ソープの「薬用」成分は意味なし

手洗いの基本は、うがいと同じで洗い流すこと。
爪の先や指と指の間まで15秒ほどずつこすってウイルスをしっかり落とすことが重要です。

「薬用」と聞くと消毒効果を期待しますが、いわゆる薬用ソープの主成分トリクロサンは、細菌には有効でもウイルスは殺せません。
インフルエンザも風邪の原因微生物の9割も細菌ではなくウイルスです。
また、固形のせっけんではウイルスが長時間生き続け、逆に感染源となることもあります。
薬用であるなしにかかわらず固形せっけんよりもハンドソープのほうが安全でしょう。

●裏返しマスクに注意!

マスクには予防効果はないという専門家もいますが、目の前の人がした咳やくしゃみをそのまま吸い込んでしまうのを防ぎ、ウイルスがついた手で自分の鼻や口に触れにくくするなど一定の効果はあります。

そして、意外と間違いが多いのがマスクのつけ方。
いろんなタイプのマスクが売られていますが、表面のプリーツ(蛇腹の折り目)が下向きになるようにつけるのが正解です。
逆につけると、プリーツの間にウイルスや細菌がたまりやすくなるので要注意です。

●マスクは使い捨てる!

ところで、通勤の行きで使ったマスクを帰りにも…と、ちょっと使っただけのマスクはまた使いたくなりますね。
でも、マスクは「使い捨て」が原則。

使ったマスクの表面にはウイルスや細菌がついており、外すときにも手にウイルスが付着する可能性があるので、手洗いは「マスクを外してから」が鉄則です。

また、ウイルスは髪の毛やマスクに覆われていなかった部分の顔にも付着するので、髪をタオルで拭き、手だけではなく顔も洗うのも効果的です。

ただし、マスクも日本や大気汚染の激しいアジア諸国でのみ広く受け入れられている習慣です。マスク姿が目立つ冬の日本に来て「毒ガステロ? パンデミック(世界流行)!?」と驚く外国人も多いとか。

●ワクチンを打ってもかかる?

「ワクチンを打ったらインフルエンザになった」と訴える人がいますが、インフルエンザワクチンにインフルエンザウイルスは含まれていないので、ワクチンでインフルエンザになることは絶対にありません。
もちろん、ワクチンの効果は100%ではありません。
しかし、感染の確率を下げ、かかった場合も重症化を防ぎます。
一度打てば半年から一年は効果がありますが、抗体が上がるのに接種から3、4週間はかかるので、シーズン前の12月中旬までに打つのが原則です。

●ワクチンの中身は5月に決まっている!

ちなみに、ワクチンに含まれるウイルス株は重症化しやすいA型2種類とおなかの症状が強いB型1種類の計3種類。
その年、ワクチンに入れるウイルス株は、世界での流行傾向に応じて毎年5月には専門家の意見をもとに決定し、10月末頃には医療機関に供給できるよう夏前から製造が開始されます。
意外に早いでしょ?

◆村中璃子 MURANAKA RIKO 医師・医療ライター。一橋大学社会学部・大学院卒。社会学修士。北海道大学医学部卒。WHO(世界保健機関)の新興・再興感染症対策チームでは、主として国際レベル・地域レベルでのインフルエンザ対策を担当した
■週刊プレイボーイ5号(1月19日発売)「かなり間違いだらけなインフルエンザ予防法」より
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2015年01月21日

復興担う公務員にエール 

香山リカのココロの万華鏡:
復興担う公務員にエール 
毎日新聞 2015年01月20日 首都圏版

 東日本大震災の発生から4年がたとうとしている。
東北の放送局から「自治体職員のストレスについて番組を作るので」と出演依頼があった。
私が被災地自治体職員の心のケア活動を行っていることを知り、その経験を話してほしいということだった。

喜んで応じたが、現地の記者が取材したビデオで、ある自治体で職員の心の健康チェックを行ったところ、15%が「うつ病」に相当した、という調査結果を知り衝撃を受けた。

それでも多くの職員は、「なんとか復興を」といまも必死にがんばっている。

 阪神淡路大震災からは20年がたった。
住民と行政とがぶつかり合いながら進められた神戸の復興の記録をテレビで見た。

当時、都市再生の中心となった元職員が登場し、「住民のための復興だっただろうか」とややつらそうな顔で振り返っていた。
定年になり退職した現在も責任を感じているようだった。

 もちろん、誰もが同じように勤勉というわけではない。
しかし、東日本大震災の被災地で私が出会った行政の人たちはすべて、「自分より住民や地域のために」と身を粉にして働き続けていた。

 「真面目で責任感が強い」というのは仕事の上では欠かせないことだが、すぐに「働きすぎ」につながる。

また、いつまでも「こうしたほうがよかったのではないか」と考え込んだり、「私のせいでは」と自分を責めることにもなりかねない。

それらがさらに進むとうつ病になってしまう場合もある。

 では、真面目な人はどうすればうつ病にならずにすむのだろう。
まずは、がんばり時間と思いきりくつろぐ時間、つまり「オンとオフ」をはっきり分けることだ。

夜は、できなかったことや失敗ではなく、できたことやほめられたことを思い出しながら眠りにつく。
そして、自分に「よくやってるよ」とそっと声をかけ、できれば周囲の同僚たちとも互いに「おつかれさま」「がんばったね」とねぎらい合う。

 最近は何かあるとすぐに「悪いのはあの人のせい」と責任逃れをする人が増えているとも言われるが、まだまだ「私のがんばりが足りなかったのです」と自分を責める人も少なくない。

反省のしすぎから「私はダメだ」と自信を喪失することなく、「気持ちを切り替えて次に行こう」と前向きな気持ちになってもらいたい。
もちろん、被災地で復興のために尽力する人たちにも「がんばり続けている自分に自信と誇りを持ってくださいね」と伝えたい。(精神科医)
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生活保護減額 最低限の水準下げるな

生活保護減額 最低限の水準下げるな
2015年1月21日 東京新聞「社説」

 生活保護のうち家賃にあたる「住宅扶助」と冬場の暖房費などを賄う「冬季加算」が新年度から減額される。
国が保障する健康で文化的な最低限度の生活水準がどんどん引き下げられていく。

 政府は二〇一五年度から住宅扶助を段階的に国費で百九十億円、冬季加算を三十億円減らすことを決めた。
本年度比で、住宅費は3・8%、冬季加算は8・4%の減額で、ともに過去最大。

住宅扶助は地域や世帯人数ごとに上限月額が異なるが、東京二十三区の二人世帯で六千円減の六万四千円、埼玉県熊谷市で同一万円減の五万二千円となる。
名古屋市は同三千円減の四万四千円。
多くの受給者が転居を強いられる。

 不可思議なのはあり方を検討してきた厚生労働省の審議会が取りまとめた最終報告に、引き下げを容認する言葉は見当たらないことだ。

それどころか「生活保護制度での居住水準はあくまで、健康で文化的な最低限度の住生活の保障にある」など引き下げを懸念する記述が多い。

委員からも「住居の転居で高齢者は認知症の悪化につながりかねない。
自分はこの場所に住んでいてよいという安心感がすべての人に必要だ」と否定的な意見が相次いでいた。

 にもかかわらず、政府は総務省発表の家賃物価の全国平均が〇八〜一三年までに2・1%下がっているなどを根拠に決めた。
審議会は何のために議論していたのだ。

 高家賃住宅が増加する一方、低家賃住宅が減っているため、家賃平均額は上昇しているという研究者の報告もある。

また、受給している単身世帯で、国が定める最低居住面積(単身で二十五平方メートル)を達成していない住居が現状でも五割を超える。
審議会報告も「より適切な住環境を確保することが必要」と指摘しているのに、さらに悪化させることになる。

 生活保護の受給者数は二百十七万人近くだが、約一割が十五歳以下の子どもだ。
今回の決定で転校を余儀なくされる子どももいるだろう。
また、長年住み続けた住居を追い出される高齢者は、新居を探すのも難しい。
支援団体やケースワーカーは現在の上限額でも住宅を探すのは困難という。

 住まいは生活の基本であり、劣悪な環境で健康を害したら自立への妨げにもなる。
生活保護では、食費などの生活費に充てる生活扶助費がすでに下げられている。
一方、新年度予算で法人税は軽減される。
安倍政権は弱い人への配慮が欠如している。
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2015年01月22日

戦傷者は「想定外」という、自衛隊の平和ボケ

戦傷者は「想定外」という、自衛隊の平和ボケ
「国内では銃創や火傷は負わない」との前提
2014年09月17日清谷 信一 :軍事ジャーナリスト
東洋経済誌

戦争や紛争で軍隊が戦えば必ず犠牲が生じる。
これは自衛隊であっても例外ではない。

ところが、自衛隊は「戦時には死傷者がつきもの」ということを本気では想定していない。
死傷者を前提としていないために、戦死者や戦傷者を減らす、あるいは被害を最小化するという意識が極めて低い。
大量の死傷者は「想定外」としているのだ。

これは軍隊、特に米軍や英軍のように実戦を多く経験している軍隊とは異なる点だ。
実戦となれば、恐らく自衛隊は衛生軽視のために米軍や他の軍隊の何倍、あるいは一桁も二桁も多い戦死者を出す可能性が極めて大きい。

自衛隊の有事の衛生(医療)体制は軍隊として、欠落している面が多いためだ。
多くの読者は「まさか、そんなはずはない」と疑っているのではないだろうか。

だが、本稿を読めばこれは決して大げさな話ではないことがご理解できるはずだ。

支給品は包帯2本だけだった

戦死者、戦傷者が出ることを意識していないということは、すなわち実戦を想定した準備をしていないということになる。
有り体に言えば平和ボケである。
このような組織がいくら先端兵器を導入しようが、実戦において精強さを発揮できない。

人命を軽視する軍隊は、弱い。

これは多くの戦訓が示すところだ。
実戦に際して軍に対する将兵の信頼は大きく減じ、士気はガタガタに下がる。

米軍にしてもイスラエル軍にしても強い軍隊は損害をミニマイズする努力と費用を惜しまない。

自衛隊の衛生軽視の一例をまず挙げよう。
陸自(陸上自衛隊)の「個人携行救急品」(ファースト・エイド・キット)だ。

陸自は東日本大震災の「戦訓」もあり、平成24(2012)年度予算で個人携行救急品の整備に着手した。
それまでこの種のものが存在せず、包帯を2本支給するだけという、第二次大戦レベルの救急キットしかなかったためだ。

「個人携行救急品」を導入しただけでも大きな進歩だといえる。
だが、この「個人携行救急品」にも問題がある。
防衛省が公開している予算資料では単に「個人携行救急品」と紹介されているが、このセットにはPKOなどを想定した国際用(国外用)と通常用(国内用)との二種類が存在する。

以下にその構成品を紹介する。

国際用・・・救急品袋、救急品袋(砂漠迷彩)、救急包帯、止血帯、人工呼吸用シート、手袋、ハサミ、止血剤、チェストシール

通常用・・・救急品袋、救急品袋(白色)、救急包帯、止血帯

国内用は国外用に比べて、構成品がかなり省略化された簡易型になっていることがわかるだろう。
国内用にはチェストシール、止血剤、人口呼吸シート、手袋、ハサミが入っていない。

デング熱やらマラリア用の薬品や、現地にしか生息しない毒蛇用の血清などであれば国内用の「個人携行救急品」に入っていなくとも不思議はない。

だが、チェストシールは深部銃創・切傷に対応し、創傷の救急閉塞に用いるものであり、止血剤は出血を止め、人口呼吸シートは気道の確保。

ハサミは火傷に際して被服を切り取るのに必要不可な装備で軍用の個人衛生キットとしては必要不可欠なものばかりだ。

応急処置のために必要な止血、呼吸の確保、やけどの処置に必要な最も基本的なアイテムが省略されているのだ。
これでは自衛官は国内では銃創や火傷は負わない、血が出ない、すなわち国内では戦争は起こらない、自衛官は外国で怪我をすると血が出るが、国内の戦闘で怪我をしても血が出ない特異体質だ、と言っているのと同じだ。

それとも自衛官の命は紙よりも安いのだろうか。

国内は病院があるから大丈夫?

  こうした装備は、士気を高めるためにも絶対に必要なのだが・・・・ 筆者は2013年7月11日、防衛省の陸幕長記者会見で君塚陸幕長(当時)に、なぜこのセットの違いがあるのかとの理由を訪ね、後日陸幕広報室より回答を得た。

それによると国内用が簡素化されている理由は以下の通りである。
「国内における隊員負傷後、野戦病院などに後送されるまでに必要な応急処置を、医学的知識がなく、判断力や体力が低下した負傷者自らが実施することを踏まえ、救命上、絶対不可欠なものに限定して選定した」。

対して、「国外用は、国内に比し、後送する病院や医療レベルも不十分である可能性が高いため、各種負傷に際し、自らが措置できるための品目を、国内入れ組に追加して選定した」。

この回答は全く非現実的である。

応急処置は必ずしも怪我をした隊員本人が行うわけではない。
手を吹き飛ばされたり、意識を失ったりした隊員が自分で応急処置ができるわけがない。
仲間同士で互いに処置をすることは自明の理だ。

他国の軍隊ではそのような訓練を熱心に行っている。
また国内は医療レベルが充分というが、前線、例えば島嶼防衛で想定されている南西諸島の戦場の近くにどこに総合病院があるのだろうか。

そもそも応急処置で素早く止血、気道の確保ができなければ出血多量や心肺の停止で本来助かる患者も助からない。
逆に言えば素早く的確な処置を行えば、生命や手足を失う可能性が大きく減る。

また応急処置が適切であれば回復が早く、僅かな期間の療養で前線に復帰できるはずの隊員が、適切な処置をうけなければ不要な出血や感染症などによって重体や死亡する可能性は大きくなる。

いくら設備が整った総合病院に担ぎ込まれても、出血多量や呼吸や心臓が止まって死んだ人間が生き返るわけではない。
陸幕の回答は応急処置の原則を無視したものである。

また、応急処置が不十分なために重い後遺症が残れば、そのことがその後の国の医療費負担を圧迫することになり、社会保障費の増大にもつながる。
ゆえに実戦経験が多い米軍などではファースト・エイド・キットの充実、将兵の救急処置の訓練に力を入れ、常に向上を怠っていない。

米軍はイラクやアフガンで数千名という戦死者、その何倍もの手足や視力を失うなどの犠牲を出したが、これがベトナム戦争当時であればその何倍もの被害が出ていただろう。

陸幕の回答は、「我が国では戦争は起こりません。ですからそんな怪我はしません」と強弁しているようなものである。

高価な装備に予算を重点配分 恐らく、陸幕は予算を惜しんでいるだけだろう。

PKO用ならば少量の調達で済む。
だが国内用のセットは万単位の数が必要だ。
陸自は防衛大綱で戦車の数を現在の実数の約600輌から300輌に減らされているもかかわらず、まだ使える90式戦車340輌を廃棄して新型の10式戦車を調達するという贅沢を行っている。

他国より3倍高額な装甲車輛、8倍高額な小銃を購入するなど、「パレードの際に見栄えのいい火の出る玩具」ばかりに予算を投じてきた。
こうした装備が優先された挙句、地味だが隊員の命や身体を守り、戦力の基盤維持に必要な衛生(医療)関連の予算は軽視されている
これは旧軍以来の悪しき伝統といえるだろう。

筆者はこの「個人携行救急品」の件を、昨年以来、何度も報じてきた。
そのためか、陸自内でも見直しの機運があるという。
また来年度の予算で諸外国の衛生のあり方を調査するための予算も要求されている。

自衛隊内部でも一部の幹部は中国との緊張の高まりに刺激されて、より実戦的な方向に改革しようと努力をしているようだ。
陸自で、諸外国の衛生兵にあたるのは「看護陸曹」である。
だが彼らにできることは衛生兵に比べて極めて限定的だ。

諸外国の衛生兵と異なり、医官(医師)の指示がなければ、原則投薬、注射、縫合などの手術すらできない。
これは「看護陸曹」の資格は看護士に準じており、医師法の縛りがあるからだ。
前線では各小隊、分隊毎に医官(軍医)が配備されているわけではない。
また医官が戦死する場合もあるだろう。
いちいち医官にお伺いを立てに司令部に伝令でも走らせるのか。
医官が戦死すればまさに処置なしだ。
弾は医官を避けてくれるわけではない。
演習ならば問題ないのだろうが、実戦では大問題だ。

つまり諸外国の軍隊ならば衛生兵の手当によって命や手足を救われる将兵が、自衛隊では救われないということだ。
その場合、看護陸曹が自主的な判断で医療行為を行えば(たぶん多くの看護陸曹は職業倫理から救命を行うだろう)、彼らは犯罪者になってしまう。
だからと言って、法を順守するならば、みすみす助かる戦友を見殺しにすることになる。

戦争になれば法を守るか、戦友を守るかという冷酷な、他国の衛生兵ではありえない選択を看護陸曹たちは強いられるのだ。
このようなことは医師法を改正すれば簡単に解決できるが、防衛省は長年この事態を放置したままだ。

2014年になって防衛省内部でも衛生関連の法的規制の見直しが検討されている。
ただ医師会という利権団体が存在するだけに道はかなり険しいだろう。

これらの自衛隊の衛生関連の法律、装備の見直しは先の東日本大震災のような大災害でも役に立つはずだ。
そのためには看護陸曹が隊員に処置を行うための法的な規制の緩和はもちろん、非常時には通常の規制を撤廃して看護陸曹が自主的な判断で民間人にも治療ができるような法改正が必要だ。

陸自は装甲野戦救急車を持っていない

陸自には日本からODAを受けているトルコやパキスタンといった途上国の軍隊ですら保有している装甲野戦救急車が1輌もない。
つまり戦場から患者を搬送するのは非装甲の救急車しかなく、これを戦場で負傷者の移送に使えば途中で被弾して更に被害者を増やすことになる。
これまた戦争を想定していない証左だ。

戦後、フランス軍がアルジェリア戦争で負傷者の後送にヘリを使用して以来、衛生用ヘリを使用することは多い。
だが自衛隊では米軍などと異なり専門のメディバック用のヘリもない。
「ヘリに搭載する衛生キットはありますが、有事では人員や弾薬の輸送で我々にヘリはまわってこないでしょう」。
自衛隊総合病院院長の経験者はかつて筆者に、こう語っている。

先の東日本大震災では多くの遺体が、傷むにまかせて安置されていた。
もし自衛隊が充分な遺体袋を保有し、それを提供していたらよかったのだが、自衛隊は遺体袋もほとんど保有していなかった。

軍隊は死亡した将兵の遺体を保存するために活性炭や防腐剤などを封入した遺体袋を用意している。
これは遺体をできるだけ保存状態をよくして遺族に届けるためと、腐敗した遺体が疫病の原因になることを防ぐためだ。
遺体袋も使用期限があるために一定期間ごとに買い換える必要がある。

自衛隊にとってそれは「無駄な費用」と思っていたのだろう。
だが、さすがに東日本大震災以後、遺体袋の備蓄は増やされているようだ。
陸自は野戦病院を持っているが、小泉政権時の2003年に制定された有事法ができる以前は、病院法によってこれを実際に使用できなかった。

これを使うとモグリの違法病院になるからだ。
つまり実戦において野戦病院は使用できなかったのである。
この話も多くの国民はもちろん、政治家の多くも未だに知らない。

戦闘服の下着にも課題

アフガンやイラクの戦訓から多くの軍隊では戦闘服や下着にFR(耐火繊維)の導入が始まっている。
通常の化繊などが含まれる被服を着たまま火傷を負うと、溶けた繊維が皮膚に付着して皮膚呼吸が困難になり、また被服を除去する際に皮膚まで剥がれて治療が難しくなる。

陸自の戦闘服にFR繊維は使用されていない。
また官給品の下着の質が悪く、多くの隊員がユニクロのクールマックスやヒートテックなどの下着を私物として使用しているが、これらを着て火傷を負うと繊維が溶けて大変なことになる。

そのため、耐火用の下着としてはハイテク繊維ではなく、メリノウールが使われることも多い。当然これらは通常の繊維よりも一桁は高価になる。

陸自にとっては不要な支出と映っているのだろう。
米陸軍が戦闘服用に採用したオランダのテンカート社の開発した難燃繊維「ディフェンダーM」の素材には、帝人のアラミド繊維「トワロン」が使用されているが、日本企業が誇る素材技術の恩恵を、日本の自衛隊は享受できていない。

また多くの軍隊ではボディアーマーの股間、腹部側面、下腹部にも防弾板を装備しているが陸自のボディアーマーには装備されていない。

これらは2015年度予算で初めて要求されている。
他の先進国は1990年代からこのような装備を導入している。
この面でも自衛隊は遅れている。

将兵の命、体を守るためには、極めて多額の投資が必要である。
だが自衛隊は長年それを怠ってきた。

自衛隊の最高指揮官たる安倍首相はこのような、現状を知っているだろうか。
恐らく「ご説明」にくる内局官僚も制服組もこのような自衛隊のお寒い実態を最高司令官に説明していないだろう。
戦争をすれば人間が死に、傷付つくのだ。
これは古今東西不変の事実だ。
現実の戦争はテレビゲームではない。

その当たり前のことを安倍首相、そして政治家たちはどれだけ理解しているだろうか。
戦争ゲームをするような気分で国防を考えるのは極めて危険である。
自衛隊の衛生改革には防衛省、自衛隊は勿論、むしろ政治家の努力が必要である。
かつての有事法制定のような政治的努力無くして改革は実現しない。

地道な努力をせずに、オスプレイ、AAV7、グローバル・ホークなどの高価な新兵器を、検証もせずに防衛省に導入を押し付けることは極めて幼児的であるとしか言いようがない。
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2015年01月23日

安心して治療に専念 患者が医者に聞くべき5つのポイント

安心して治療に専念
患者が医者に聞くべき5つのポイント
2015年1月22日 日刊ゲンダイ

 体調を崩して病院に駆け込み医師の言うがままに治療を受けたものの、なんとなく不安を感じた経験がある人は少なくないだろう。

良質で適切な医療を受けるには、医師とのコミュニケーションが欠かせない。
患者が聞いておくべきポイントは5つある。

 信頼できる医師に安心して治療を受けたい。
そのためには、「質問」が重要だという。

「医者が患者に教えない病気の真実」などの著者で、江田クリニック院長の江田証氏は言う。

「患者さんは、医者に何を聞いていいか分からないから不安になる。
的確な質問ができれば、漠然とした不安を取り除くことにつながります。
医者の方も、患者さんから質問されることで改めてその病気に対する知識や対処を整理できますし、うっかり見落としていたことを気づかされるケースもある。
誤診を防ぐためにも質問は大切です。
患者からあれこれ聞かれるのを煙たがる医者がいるのも事実ですが、そういう医者は自分自身がその病気に対してよく理解できていない証拠。
いいかげんな医者を見分けることにもなります」

 これまで、病院とはほとんど無縁だった50代のAさんが、40度近い高熱に見舞われた。

ただの風邪かと思っていたが、咳と痰がなかなか治まらない。
日に日に息苦しさも増している。
さすがに心配になり、病院で診察を受けたところ「肺炎」だと告げられた。

 医師はサクサク診断・治療を進めていく。
Aさんは不安でたまらなかったが、言われるがままにうなずくことしかできなかった――。
 これでは、安心して治療に専念することは難しい。

それを避けるために「患者が医師に聞いておくべき5つのポイント」を江田院長にまとめてもらった。例えばAさんのケースはこうだ。

【1】診断の根拠
 なぜその病気だと診断したのか、その根拠を尋ねる。
その病気をよく理解できていない医師はしっかり説明できない。
ただ、中には時間経過によって症状がどう変化するかを見てみないと診断がつかない場合や、まず薬を飲んで効果を見て診断する「診断的治療」という方法もあるので、焦らず理解しておく。

「肺炎はレントゲンに写った肺の影を見て診断します。
影の形が不整形で、星形のようにあちこちが尖っている場合、悪性(肺がん)の可能性も出てくる」

【2】他に考えられる病気
 診断する際は、候補になる病気をいくつも挙げることが重要とされている(鑑別診断)。
その候補をひとつひとつ分析し、根拠に基づいて消去していくことで正確な診断に行き着く。 「Aさんの場合、インフルエンザなどのウイルスが原因のウイルス性肺炎、カビなどが原因になる真菌性肺炎、結核、肺がんといった病気を候補に挙げて考えていきます」

【3】治療の選択肢
 どんな治療法があり、それぞれの治療法にリスクと効果がどれぐらいあるのかを尋ねる。
治療しなかった場合はどうなるかも聞いておく。
「細菌性肺炎には抗生物質による治療が行われます。
痰から原因菌を特定するまでに時間がかかるので、病原菌の予想をつけて抗生物質を開始するのが一般的です」

【4】治療効果を示すデータ
 治療にあたっては、効果を客観的に判断するためのデータが重要。
「肺炎はレントゲンの影が改善したかどうかを見ますが、治っても写真が改善するまでには時間的な遅れがある。
そこで、CRP(C反応性タンパク)などの炎症反応が下がっているか、白血球数が正常になってきているかを見ます」

【5】治療の目標
 根治するのか、どのぐらいの期間で治るのか。
治療効果の感触や予想を明確にする。
「肺炎は通常なら1週間程度で根治します。
根治が難しい病気の場合は、病気と上手に付き合っていく方法を考えます」

 5つのポイントを押さえておけば、Aさんも安心して治療に臨める。
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2015年01月24日

WHO、インフルエンザはワクチンで予防不可と結論

WHO、
インフルエンザはワクチンで予防不可と結論
 病院は巨額利益、接種しても感染多数
2015年1月23日 6時0分 ビジネスジャーナル

 インフルエンザが猛威を振るっており、昨年後半から1月16日までに病院で受診した患者は600万人を超えた(厚生労働省調べ)。

 そんなインフルエンザへの感染を避けるため、ワクチンを接種する人も多いが、実はワクチンは感染を防ぐ効果はほとんどないことが判明した。

 厚労省のホームページを見ると、「インフルエンザワクチンの予防接種には、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられます」と書いてあり、ワクチンの効果を「ある程度」認めている。

 しかし、国立感染症研究所の調査によって、昨シーズンA香港型のワクチンを接種した人でも、A香港型のインフルエンザに感染した人が多くいたことが明らかになった。

以前からワクチンの効果について疑問視する声は医師の間から上がっていたが、同研究所は、効果が低かった理由を製造工程にあるとし、見直しを検討している。

 国は、シーズンごとに流行する型を予測し、ワクチンをつくるウイルスを選定する。
ワクチンメーカーは、そのウイルスを鶏の有精卵で培養して免疫成分を取り出す。


 同研究所が調べたところ、実際に流行したA香港型と、ワクチン用に培養したウイルスでは、遺伝子配列が大きく異なっていたという。

卵を使って培養すると、その工程で変質することが知られており、昨シーズンのウイルスは特に大きく変質したことで効果が下がったと同研究所はみている。

●ワクチンには予防効果がない

 その一方で、東京都内で内科医を開業する医師は、ワクチンそのものに疑問を投げかけている。
「世界保健機関(WHO)のホームページを見ても、
『ワクチンで、インフルエンザ感染の予防はできない。また有効とするデータもない』と書いてあります。

そもそも、インフルエンザはA香港型、Aソ連型、B型などと分類しますが、同じ型であってもウイルスは細かく変異を続けているため、ぴったりと当てはまる型のウイルスを事前につくり出すことは事実上不可能です」(内科医)

 つまり、流行するウイルスの型を正確に予測することはできないのに、ワクチンを製造して希望者に接種しているということになる。

「インフルエンザ予防にはワクチンが有効だと考えている人は多いですが、はっきり言って妄想です」(同)

 ではなぜ、効果がないにもかかわらず、ワクチン接種が定着しているのだろうか。
その理由について前出の内科医は次のように述べる。

「ワクチンは毎年約3000万本製造されています。
また、巨額の税金をつぎ込み、輸入もしています。
5年前、国内の在庫が足りずに慌てて輸入したところ、ワクチンが届くころにはインフルエンザが終息し、大量の在庫を抱えたことがありました。
毎年一定量のワクチンを使用することで、備蓄量をコントロールしたいとの政府の思惑も働いていると考えられます。
また、インフルエンザがはやる季節には、ワクチンだけで小さな病院でも数百万円、大病院では数千万円の利益になります。
病院にとってワクチンは安定収入を得る手段になっているのです

 国立公衆衛生院(現・国立保健医療科学院)の疫学部感染症室長を務めたこともある医師の母里啓子氏は、著作『インフルエンザワクチンは打たないで』(双葉社)の中で、衛生研究所の調査によると予防効果はないと断言している。

一部の医師は20〜30%は予防効果があると主張しているが、母里氏はそれすらも否定しているのだ。
また、老人ホームで行った調査で、50〜60%重症化を防ぐ効果があったとするデータがあり、それをワクチン接種の意義と唱える医師も多いが、母里氏は脳症などの重症化を防ぐ効果はまったくないと述べている。

 つまり、ワクチンを打つことの是非は意見が分かれるところだが、予防効果には多少疑問がある。
それどころか、毎年ワクチンの副作用によって死者も出ている。
惰性で接種するのではなく、熟慮の上で判断するようお勧めしたい。
(文=編集部)
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2015年01月25日

間違えても「安全」を保つ…二重、三重のシステムが必要

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
間違えても「安全」を保つ
…二重、三重のシステムが必要
2015年1月23日 読売新聞 yomi Dr.

 88歳高速逆走「どこから乗ったかわからない」という記事が目にとまりました。

 この事故では、死者はいなかったものの、負傷者は数人出ています。
最近は、高齢者の方が高速道路を逆走するという事故がたくさん報告されています。
危険で、迷惑で、とんでもないことですね。
高速を逆走するなんて。

実は僕も逆走してしまいました

 この通常ではあり得ないと思われることを、実は僕自身も20年前のイギリスで経験しています。
それも、自分が道路を逆走してしまったのです。

1993年から英国オックスフォード大学に移植免疫学の大学院生として5年間留学しました。その時の出来事です。
イギリスでは基本的に高速道路は無料です。
そして幹線道路も2車線でまるで高速道路と同じような造りの道路が多数あります。
その田舎道の2車線道路を逆走してしまったのです。

ある村を訪ねるために車を運転していて、道に迷いました。
細い道を進むと丁字路となり、太い道路にぶつかりました。
右折禁止の標識はあったのですが、車がまったく来ないので、これ幸いと、右折したのです。

対向車と何回かすれ違います。
イギリスは欧米の多くの国とは異なり、日本と同じく車は左側通行です。
ですから、左車線を走ります。

家内が「対向車のご婦人がビックリした顔していたよ」と言います。
また他の車とすれ違います。
「運転していた紳士がなんだかすごく怒ってたよ」と言います。
そして、遙はるか前方から僕の真正面に向かって走ってくる車を2台見つけました。
そこで、やっと2車線道路を逆走しているのではないかという一抹の不安が生じました。
路肩に車を止めると、すべての車は僕たちと反対方向に走ります。

少し離れたところに2車線の道路が別に走っていました。
そちらが、本来走るべき道だったのです。運良く命拾いしました。

免許更新の時、判断力を検査しては?

 認知症の方は判断能力が低下します。
ですから、僕が間違えたようなことは、もっと頻繁に起こるのだろうと想像できます。
認知症のドライバーには免許の更新を控えるように指導は行われているそうです。
しかし、僕の母の経験では、長谷川式スケールなどの認知症の試験をしても、母は正常範囲でした。
でも本人自身が、「なんか昔と比べて、変なのよね」と言っていました。
そしてやや遅れて、正真正銘の認知症を患いました。

判断力の低下を早期発見し、そして危険運転の可能性を取り除くことは、これから高齢化社会となる日本では大切な安全管理のひとつです。

 また高齢者だからこそ車が必要だという患者さんも多数います。
まったく認知症がない、判断力の低下のない高齢者も多数います。
一方で、若年で発症する認知症もあります。

運転免許の取得・更新の時点で、判断力の検査を正確に行うシステムが必要と痛感する今日この頃です。

逆走しそうになっても逆走できないように…

 そして、認知症でなくても、僕のように、逆走することもあり得るのです。
本人には実はまったく悪気はないのです。
僕も故意に逆走したわけではありません。

医学的に認知症とは判断されない状態でも判断能力は低下します。
酒酔い運転でも判断能力は低下します。
そして違法薬物でも当然に判断能力は低下します。

高速道路の逆走は重大事故の危険を孕はらむので、逆走事故防止の二重、三重のシステムが必要な時期と思っています。

日本では出口からしか逆走できませんので、出口にゲートを着けるなどが対策となると思います。
もしも逆走しそうになっても、逆走できないシステムの構築が実は大切な安全管理と思っています。
これをフェイルセーフ、つまり誤作動した場合でも安全に保たれるシステムといいます。

 医療はこのフェイルセーフの構築に日々努力しています。

1999年にアメリカの医療の質に関する委員会が“To Err is Human: Building a Safer Health System”(人はだれでも間違える。より安全な医療システムの構築を)と題する報告を出しました。

この報告書では年間4万4000人が医療事故で死亡しているとされています。
その死亡率を減らすために、二重、三重の安全システムを作ることが大切だと提案しているのです。
医療に限らずフェイルセーフのシステムは大切ですね。

 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。
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2015年01月26日

「消費税は逆進性が強い」と言われる…

余録:
「消費税は逆進性が強い」と言われる…
毎日新聞 2015年01月25日 01時30分

 「消費税は逆進性が強い」と言われる。
広く薄く税を納めてもらい、社会保障を充実させようという目的だが、恩恵を受けるはずの低所得層ほど重税に苦しむという指摘である。
生活必需品への出費は同じでも、家計全体の額が小さく、負担率が高くなるからだ

▲「刑罰にも逆進性がある」と説くのは浜井浩一・龍谷大学教授である。
日本の刑事政策は1995年の地下鉄サリン事件を機に厳罰化が進んだ。
「治安が悪化している」との声に応えるためだった。
だが、厳罰化の結果、刑務所への収容が増えたのは凶悪犯ではなく、高齢者や障害者など社会的弱者だという

▲殺人などの凶悪犯罪は戦後ほぼ一貫して減少してきた。
一方、万引きや無銭飲食はあまり起訴されなかったが、厳罰化で起訴の対象が広がり、量刑も引き上げられたため、こうした微罪を繰り返す高齢者らの収容が増えたのだ

▲統計上、多くの国で刑法犯の約7割は若者層が占めるが、日本は若者の刑法犯が減少し、高齢者ばかりが増えている。
世界的にも珍しい現象が犯罪学の分野で注目されているが、それは厳罰化が引き起こした「逆進性」のせいだ

▲消費税の逆進性を緩和するため、生活必需品の税率を下げる「軽減税率」が多くの国で導入されている。
刑罰についても、高齢者が犯す微罪では刑務所に代わる自宅拘禁や、医療や福祉機関による矯正がイタリアをはじめ各国で取り入れられている

▲ひもじくておにぎりを万引きする高齢者に必要なのは福祉や地域の支え合いだ。
警察や裁判所や刑務所が多大な時間と人的コストをかけて厳罰を科す意味はどのくらいあるのだろう。
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辺野古で何が起きている

【私説・論説室から】
辺野古で何が起きている
2015年1月26日 東京新聞

「戦争のできる国」へと向かう改憲はいらないと、赤いファッションの女たちが国会前で人間の鎖を作った十七日。

沖縄から「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代さんと、沖縄戦研究者の宮城晴美さんが駆けつけた。

二人が訴えたのは、今まさに名護市辺野古で起きている“戦争”だった。

 米軍普天間飛行場移設に伴う基地建設準備が進む現地では、反対派市民に海上保安庁などが暴力をふるい、けが人が続出している。

県民は米軍キャンプ・シュワブ前に徹夜で座り込む。
各地と辺野古をつなぐ「島ぐるみ会議バス」も走る。

戦後沖縄で、米軍基地化に抵抗した「島ぐるみ闘争」再来のようだ。

 辺野古に基地を造らせないという県民の意志は固い。
昨年の名護市長選から、同市議選、知事選、衆院沖縄選挙区と、すべての選挙で「ノー」が示された。
それでも安倍首相は辺野古移設を変えない。
米国の戦争に日本も加担できるようにする集団的自衛権の行使容認が直結しているようにみえる。

 沖縄戦から戦後もずっと、基地に苦しめられてきた沖縄は、一度だって「平和憲法」に守られてこなかった。
辺野古に基地が新設されれば、恒久的に被害の島として、加害の島としてあり続けることになる。
 国会開会前日の二十五日、辺野古移設反対の人間の鎖が作られた。
主権者は誰かと問うた青は、沖縄の海の色だった。 
            (佐藤直子)
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日本人人質殺害 許せない冷血の所業だ

日本人人質殺害 許せない冷血の所業だ
毎日新聞「社説」2015年01月26日 02時30分

冷血の所業と言うしかない。

イスラム過激派「イスラム国」とみられる組織の人質として殺害予告を受けていた湯川遥菜さんの遺体とされる写真が24日、インターネット上で公開された。
もう一人の人質、後藤健二さんが遺体の写真を手に持って、「安倍(晋三首相)がハルナ(湯川さん)を殺した」との声明を読み上げ、新たな取引を日本政府に提示したのである。

 もはや2億ドルの身代金は必要でなく、ヨルダン当局が収監している女性死刑囚の釈放と引き換えに後藤さんを解放するというのだ。

 ◇後藤さんの無事解放を

 許せない、という言葉がこみ上げてくる。
残酷で狡猾(こうかつ)である。
むごたらしい遺体の写真で日本人を恐怖に陥れるとともに、中東で「イスラム国」と戦う国々に2億ドルの非軍事支援を表明した安倍首相をあざ笑い、日本の対応を高みの見物で見守りながら、虎視眈々(たんたん)と仲間(死刑囚)を奪還しようとしているのだ。

 この死刑囚は2005年、ヨルダンの首都アンマンの同時テロに関与して捕まった。
多数の死傷者が出た事件だけに簡単には釈放できない人物だろう。
それに加えてヨルダンは「イスラム国」と戦う有志国連合の一員であり、作戦中に墜落して「イスラム国」に拘束された空軍兵士の解放を求める声が強い。

 自国兵士を差し置いて後藤さんと女性死刑囚の交換解放に応じるのは、ヨルダンにとって苦しい選択だろう。
安倍政権も「人命を最優先しつつテロリストには屈しない」という姿勢を貫く難しさがあり、解放交渉は難航必至の情勢だ。

 しかも、誘拐組織の気が変われば直ちに交渉が打ち切られる危うさもある。
交渉の実態も明らかにされていない。
こうした状況下では、政府はあらゆる機会と人脈を生かし、現実的な対応によって人質解放を実現してほしいと言うしかない。

 他方、テロの標的にされた現実を重く受け止め、再発防止の対策を講じなければならない。

従来、「イスラム国」による人質事件は米英など有志国連合の国民が主な標的だった。
軍事作戦に参加していない日本が狙われたのは異例である。

 昔から日本とアラブ諸国は関係が良好とのイメージがあり、日本人は誘拐やテロの対象になりにくいとされていた。

1991年、イランのホメイニ師が作者らに死刑宣告を出した小説「悪魔の詩」の訳者、五十嵐一(ひとし)・筑波大助教授が殺された例はあるにせよ、概してイスラム教と日本の摩擦は生じにくかった。

ただ、世代交代が進む中で日本のイメージがぼやけ、特に2000年代に入ると、テロ組織が必ずしも日本人を特別扱いしなくなった節もある。

01年の米同時多発テロを実行したテロ組織アルカイダの故ウサマ・ビンラディン容疑者は、日本はなぜ広島・長崎に原爆を落とした米国を支持するのかと問い続けた。
アルカイダは日本を米欧と共闘する「十字軍」の一員とみなしている。

 アルカイダ系のテロとしては、04年にイラク・サマワからの自衛隊撤収を求めて日本人旅行者を誘拐、殺害した事件、13年にアルジェリアの天然ガス関連施設が襲われ、日本人10人が犠牲になった事件などが思い浮かぶが、それでもアルカイダは日本に対して、まだ抑制的な態度を保ってきたように思える。

 ◇平和的な中東外交貫け

 これに対し、アルカイダから離反した「イスラム国」が日本人であろうと容赦しないのは明らかだ。
昔のように日本人は安全と思える時代ではない。
林立するテロ組織がテロの過激さと衝撃度を競う今日、日本は既に欧米に匹敵するテロの標的であり、平和路線を志向する国だけに狙われやすいかもしれない、と考えてみる必要もありそうだ。

 かといって日本の姿勢を変える必要はない。
勝手に誤解しているのは過激派の方だ。
日本は長年にわたるアラブ・イスラエル紛争も含めて中東の諸問題に是々非々で臨んできた。

平和的で「公平、公正」な対応を取れることこそ日本の無形の財産だ。
人質殺害に殊更浮足立つことなく、長い歳月をかけて培ってきたものを大事にしなければならない。

 パリで新聞社襲撃事件が起きた時、オランド仏大統領は「事件はイスラム教とは関係がない」と早々と宣言した。
数人のテロリストの行為が世界16億人のイスラム教徒への偏見や憎しみを生み、社会の分断につながることを恐れたのだろう。

 今回の事件にも同じことが言えるが、イスラムに名を借りた野蛮な組織が拡散している現実をどうするか、米国の責任も含めて真剣に考える必要がある。

ブッシュ政権がアフガニスタン、イラクで泥沼にはまり込む中、テロ組織は中東からアフリカなどに拡散した。

二つの戦争の幕引きを優先するオバマ政権は中東の諸問題に及び腰で、「米国は世界の警察官ではない」と明言した。

こうした姿勢が過激派をほくそ笑ませ、「イスラム国」が膨張する大きな要因となったのは確かだろう。

 ブッシュ政権以来の「テロとの戦争」の反省を踏まえつつ、世界中がテロ防止に知恵を絞る時だ。
まずは後藤さんを確実に解放したい。
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2015年01月27日

「自己責任論」が与える私たちの暮らしへの影響 ―社会保障・生活保護を中心に―

「自己責任論」が与える私たちの暮らしへの影響
 ―社会保障・生活保護を中心に―
藤田孝典 | NPO法人ほっとプラス代表理事、社会福祉士
2015年1月26日 16時44分

イスラム国で人質になっている二人の言動がいわゆる「自己責任論」を呼び起こしている。

自分の意思で危険な場所に訪問したのだから、自業自得だというものだ。
また、そのような人々を積極的に救うことや税を投入することにも批判的な意見が散見されている。
これらの動向については、古谷経衡氏の『「自己責任論」で中世に退行する日本』も参照いただきたい。

この「自己責任論」は、厄介な問題で、さまざまな場面で議論を巻き起こす。

特に社会保障を議論する場合には、必ずといっていいほど、出てくる時代錯誤の論点だ。
たとえば、前述の古谷氏も指摘しているが、生活保護制度。

計画性がない生活をしてきた本人は自業自得なのだから救う必要がない。
あるいは救済に値しないのだから、生活保護基準はより低くても構わない。
などなど、生活保護受給者を批判する意見はいくつも指摘されている。

実は、戦後間もない頃の旧生活保護法には、「自己責任論」が含まれていた。
受給要件を満たさない「欠格条項」があり、貧困に至った理由によっては救済がされなかった。

要するに、素行不良で怠惰な者は救わないというものだ。
しかし、これに何をもって素行不良とするのか、恣意的な判断がされるのではないか、などいくつも疑義が指摘された。

結局、生活保護における「欠格条項」は完全廃止され、現行生活保護法が1950年に誕生する。

アルコール依存症、ギャンブル依存症などに罹患し、財産を使い果たしてしまった人も保護をする。
暴力的で家族から見放された場合も保護をする。
とにかく、貧困事由を問わず、困っていたら保護をしたのちに、自立支援をおこない、自立を助長して行くというものだ。
いわゆる無差別平等の原理で保護を行うというものである。

現生活保護法の根幹理念のひとつといってもいいだろう。
なぜこの理念が重要なのかといえば、誰でも生活に困窮した場合に、保護の請求ができる権利を確立したということ。

要するに、誰でも困ることがあり、その際は権利があるのだから、保護を請求することができることを明確化した。

『誰でも』ということがとても重要だ。
皆さんも困ったときに、必要にもかかわらず、ああだこうだと言われ、救済されなかったら死んでしまうかもしれない。
実際には、「親族を頼れ」、「仕事を探せ」など状況を把握しないまま、福祉事務所が対応を誤り、餓死や孤立死に至った事例がいくつもある。
このような事態を防ぐために無差別平等の原理を掲げた。

だから、社会保障や生活保護は、「誰でも困る可能性がある」という事態を事前に想定した先人の知恵である。
歴史的には、「自己責任論」の議論は終結していて、議論の余地はないように思う。

社会保障制度において、危機に瀕した国民を政府は国家責任において保護をする。
しかし、この確立した国民の権利を自分たちから放棄しようとするのが「自己責任論」である。

困った時に救われなくてもいい。
自分はそのようなことにならない。
そんな風に思っているのだったら、大きな間違いである。
多くの生活保護受給者は「生活保護になるとは思わなかった。
生活保護があって本当によかった。」と口にする。


次はあなたの番かもしれない。
そんなイメージをもって、社会保障制度や生活保護を見ながら、「自己責任論」と向き合っていただきたいと思う。
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人質殺害を口実に…安倍首相がNHKで「自衛隊派遣」を示唆

人質殺害を口実に…
安倍首相がNHKで「自衛隊派遣」を示唆
2015年1月27日(火)9時26分配信 日刊ゲンダイ

「最悪の事態」がとうとう現実となった。
過激組織「イスラム国」による日本人人質殺害事件。
こうなったのも、安倍首相が外遊先のカイロで、能天気ヅラして「イスラム国対策にカネを出す」と“宣戦布告”したのが原因だ。

安倍首相は、イスラム国側から「アベ、おまえがハルナ殺した」と名指しされ、さぞ自責の念に駆られているのだろうと思ったら違った。
「反省」どころか、今回のテロ殺害事件を安全保障や集団的自衛権の法改正問題と結び付けて“政治利用”しようとしているから許し難い。

「この(テロ殺害事件)ように海外で邦人が危害に遭ったとき、自衛隊が救出できるための法整備をしっかりする」――。

 25日、NHKの日曜討論に出演した安倍首相。
26日開会の通常国会で、安全保障と集団的自衛権の関連法案の成立に向けた意気込みを問われた際、こう強調していた。
聞き手の島田敏男・解説委員が気心の知れた「寿司仲間」のために気が緩んだのだろうが、これは衝撃発言だ。

 安倍政権は昨年7月に国民の反対を押し切って「集団的自衛権」の行使容認をめぐる解釈改憲を閣議決定した。
その際、武力行使できる新たな要件として、
「日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由と幸福の追求権が根底から覆される明白な危険がある」
「日本の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない」
「必要最小限の実力行使にとどまる」の3つを挙げていたはずだ。

今回のテロ殺害事件と集団的自衛権は何ら関係がないし、新3要件も当てはまらない。

それなのに、安倍首相は今国会で審議される安全保障や集団的自衛権とテロ殺害事件をごちゃ混ぜにして自衛隊派遣に前のめりになっているのだ。

■後方支援は実質的な武力行使

 さらに驚いたのは、イスラム国と戦闘状態にある米英などが主導する「有志国連合」との連携について、慎重姿勢を示しつつも
「我々に求められるのは軍事的な貢献ではない。後方支援は武力行使ではない」と踏み込んだことだ。

日本も「有志国連合」に名を連ねているとはいえ、これまで積極参加の姿勢は示してこなかった。
後方支援とはいえ、日本が自衛隊を派遣して「武力行使」に加われば、自衛隊員が戦闘に巻き込まれたり、報復テロの標的になったりするのは避けられない。

 軍事評論家の神浦元彰氏はこう言う。
後方支援がなければ前線の戦闘は成り立ちません。
つまり、後方支援は紛れもない武力行使です。
安倍首相は自衛隊を派遣したり、特殊部隊を作ったりすれば解決すると考えているようだが、最大の軍事力を持つ米軍でさえも、特殊部隊によるイスラム国襲撃が失敗しているのです。
安倍首相が想定しているのは、しょせんは『戦争ごっこ』。
軍事を何も分かっていない。
そんな日本が『有志国連合』に加わり、自衛隊を派遣して一体何ができるというのでしょうか」

「有志国連合」の軍事作戦に参加しているカナダやオーストラリア、フランスは、イスラム系過激派によるテロが相次いでいる。

安倍首相の暴走を止めないと、日本は「テロの連鎖」の泥沼にはまることになる。
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2015年01月28日

戦後70年談話 反省抜きで未来語れぬ

戦後70年談話 反省抜きで未来語れぬ
2015年1月27日 東京新聞「社説」

 安倍晋三首相は戦後七十年の今年、どんな首相談話を出そうとしているのか。
いくら未来志向の言葉を重ねても、戦争への反省抜きでは、戦後日本の「平和国家」としての歩みを傷つけかねない。

 太平洋戦争の終結から今年で七十年。
日本国民だけで三百十万人もの犠牲を出した先の戦争から十年ごとの節目の年は、日本国民にとっては過去を振り返り、未来への誓いを立てる機会でもある。

 戦後五十年の一九九五年、村山富市首相は八月十五日の終戦記念日に首相談話を閣議決定し、自ら発表した。
いわゆる「村山談話」である。

 この談話の特長は、過去の「植民地支配と侵略」に対して「痛切な反省」と「心からのお詫(わ)びの気持ち」を表明したことだ。
 植民地支配と侵略の歴史を正当化しないこの談話は継承され、日本政府の歴史認識として定着している。

二〇〇五年の小泉純一郎首相による戦後六十年談話にも、同じ文言が盛り込まれた。

 戦後七十年の首相談話を出す方針を明言している安倍首相は、村山、小泉両首相談話を「全体として受け継いでいく考え」を重ねて表明してはいる。


 しかし、二十五日のNHK討論番組では「今まで重ねてきた文言を使うかどうかではなくて、安倍政権として七十年を迎えてどう考えているかという観点から談話を出したい」と述べた。  

村山談話を全体として受け継ぐといっても「植民地支配と侵略」に対する「反省」と「お詫び」という根幹に関わる文言を盛り込まなければ、談話を継承したことにはなるまい。

 首相はかつて「侵略の定義は定まっていない」と国会答弁した。
侵略を正当化する意図を疑われ、国際社会の一部から「歴史修正主義的」と厳しい視線が注がれていることを忘れてはならない。

 首相が指摘するように、アジアや世界の発展に貢献してきた戦後日本の歩みや、どんな国際秩序を目指すのかという未来に対する意思も、談話に盛り込むべき重要な観点ではある。

 しかし、そうした「未来志向」も、植民地支配や侵略という「負の歴史」と向き合う謙虚さがなければ、信頼は得られまい。

 過去の反省に立った平和国家としての歩みこそが、国際社会で高い評価と尊敬を勝ち得てきた。
これをより確固たるものにすることこそが首相の責任だ。いささかの疑念をも生じさせてはならない。
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2015年01月29日

「十人十色」でしょ=中村秀明

水説:「十人十色」でしょ=中村秀明
毎日新聞 2015年01月28日 東京朝刊

 「寛容」を言い聞かせながら、無自覚のまま偏見にとらわれることがある。
ふと「普通だったらさあ……」とか、「普通の人は……」などと口にしてしまうのだ。

 そんな時に、たしなめる友人がいる。彼女は言う。

 「ちょっと、待ってください。
普通とは差別的ではありませんか?
 日本には『人はみな十人十色』という言葉もあるんじゃないですか

 国際結婚で日本に来たイタリア人女性に、流ちょうな日本語で言われタジタジとなる。
3人の娘の前だと、その口調はちょっと強くなる気がする。

多様さを尊重し、ともに生きていく大切さを教えているのだろう。

 異なる文化、価値観の国で暮らしてきた戸惑いや悩みが、そこには込められているようでもある。
彼女も「普通は……」と言われ、居心地の悪さや疎外感をたくさん感じてきたに違いない。  

最近、自らの不寛容の足跡に出くわした。
 かつて同じ取材対象を追いかけた他社の仲間が、「性同一性障害」に悩み、苦しんでいたことを知った。

 23日朝刊の「ひと」欄に「性別を変えた僧侶」として載った柴谷宗叔(しばたにそうしゅく)さんである。
関西の電機・機械業界を担当する経済部記者だった約25年前、当時の松下電器産業や三洋電機、シャープ、ダイキン工業といった企業をともに取材し、抜いた抜かれたの日々をすごした。  

「普通の男性」とは、ちょっと違う柴谷さんの装いや振る舞いを好奇の目で見て、本人がいない場で面白おかしく話題にしたこともある。

「性同一性障害」という言葉のなかった時代とはいえ、異なる価値観を持った存在を色眼鏡で見て差別し、苦しめていたに違いない。

 70年前のきのう、アウシュビッツ強制収容所が解放された。
強制収容所は「ナチス・ドイツの蛮行の象徴」と言われる。
しかし、ナチスに限らず、流れにおされ、小さな積み重ねの末、人は蛮行に手を染め、あるいは加担せざるを得なくなるのかもしれない
そんな象徴と受け止めるべきではないだろうか。

 「ホロコースト 95歳の証人」
(25日朝刊・東京本社版ストーリー)で、生還率2・7%を生き抜いたノルベルト・ロッパーさんが未来に向けて語っていた。

 「若い人には、分け隔てなく人と接してほしい。
一番大切なのは、陽気で間口の広い交流だ。敵意はなく、友情のみが生まれる
 その言葉をしっかり受け止めたい。
                               (論説副委員長)
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あす東京都心で積雪か 交通への影響に注意

あす東京都心で積雪か 交通への影響に注意
ウェザーマップ 1月29日(木)16時33分配信

東京地方では30日明け方から昼頃にかけ雪が降り、積雪となる所がある見込み。
雪や積雪による交通への影響に注意が必要だ。

 前線を伴った低気圧が関東の南海上を通過する影響で、30日は東京地方で雪となる見込み。

30日午後6時までの24時間に予想される降雪量はいずれも多い所で、多摩西部で10センチ、多摩北部・多摩南部・東京23区で5センチとなっている。

 雪は30日昼過ぎから雨に変わる予想だが、気温が低く推移した場合は雪が降り続き、予想よりも雪の量が増えるおそれがある。

気象庁は通勤通学時に雪が降るとして、交通への影響に注意するよう呼びかけている。
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2015年01月30日

PTA役員、やって良かった?後悔した?

PTA役員、やって良かった?後悔した?
2015年1月29日 12時0分 ママスタ☆セレクト

春からスタートする新たな関係に、不安をかかえるママが多くいます。

その心配のタネとなるのが、PTAなどの役員決めではないでしょうか?
 実際に役員になった経験のあるママに、本音を聞いてみましょう。

■1人ぼっち解消の裏ワザ?

とあるママから寄せられたのは「来年度から幼稚園の会計になってしまったけど、人間関係などがこじれないか、とにかく心配」というお悩みです。

噂好きなタイプのママが多いことも不安要素になっているようです。

実際に役員になって「良かった」と思うことはあるのでしょうか?
『幼稚園ではバザー役員を2年連続でやった。
転勤族でポツンだったけど、役員になったおかげでママ友ができたし、楽しかったから、やって良かったよ。』
『バザーの時は金額大きかったから、大変だったなぁ。
その年の役員、全員仲良くて最高に楽しかった。
集まればランチ、なにかイベント終わったら打ち上げと称し、飲み会にカラオケ。
卒園してから6年たって、学校バラバラになったけど時々集まってランチや飲み会してる。
本当にやって良かったよー!』
『小学校のPTA役員やってる。
メンバーに恵まれたみたいで、やって良かった。
皆さんおっしゃる通り、メンバーによると思う!
 ただ、本部役員はものすごく仕事多いし、大変そうだからやりたくない。』

■ドラマのような嫌がらせは本当にある?

一方で、「やっぱり苦労した」という意見も多くあるようです。
一体、どんな経験をしたのでしょう?

『私も強引に押しつけられました。
あと、同じメンバーに意地悪で嫌がらせする人がいて、過去に一時期、私が標的になったことがあります……』
『全員気が強く、話し合いがこじれると喧嘩腰。
会議は多いし長い。
夜中の呼び出しも多く、大きな行事のたびに打ち上げだのなんだのと平日昼から深夜まで飲み会……』
『そのメンバーによるよね。
毎年メンバーが更新になるところは、皆スタートが一緒だからいい。
厄介なのは続けて何年もできる園や学校。
お局グループができててすごくやりにくかった。
先生たちもお局グループには気をつかってる感じだったし。』

経験談に共通したのは「メンバー次第」という言葉。
けれど、どんなメンバーになるかはその年次第のようで、運試しの要素が強いような印象をうけます。

なにが起きても、自分は自分! という、気の持ちようも大事です。

気持ちをきりかえるポジティブさを磨く、いい機会ととらえるのもいいかもしれません!
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「あるがまま」でいい 

香山リカのココロの万華鏡:
「あるがまま」でいい 
毎日新聞 2015年01月27日 首都圏版

 「ありのままで」。
言わずと知れた大ヒットアニメの主題歌タイトル。
昨年、日本中の子どもや女性がこのフレーズを口ずさんだ。

 心の医療の世界にも似た言葉がある。
それは「あるがまま」。
明治生まれの精神科医、森田正馬が生み出した森田療法の基本になる考えだ。

 森田医師は学生時代、今でいうパニック発作の症状で苦しむ。
何ともいえない不安感と動悸(どうき)が突然、襲ってきたという。
あちこちの病院を受診しても治らない。

大学の定期試験が近づき、一度は欠席も考えたが、あるとき「どうにでもなれ」と開き直った気持ちになって受験を決意する。
それから睡眠時間を削って猛勉強をしている間は、不思議なことにパニック発作はまったく出なかった。

 後に森田医師はその経験を振り返り、不安や苦しさを無理に抑え込もうとせず、「あるがまま」と受け入れて今やるべきことに集中したのが、結果的に症状の克服につながったと考えた。そして、その「あるがまま」を軸に、心の分析よりも生活や作業を大切にする治療法、森田療法を作り出したのだ。

 私たちは暮らしの中で、何かと感情や考えをコントロールすることを求められる。
とくに「落ち込む」「悲しむ」「クヨクヨする」といったマイナスの感情は“悪いこと”と見なされ、「もっと前向きになろうよ」と励まされる。
しかし、そう言われてもすぐに明るくなれるわけでもないし、無理に笑顔を作るとその後の疲れが何倍にもなる。

 森田療法は、負の気持ちもそのまま受け入れ、「それに正面から取り組まずに、まず今やらなければならないことをやろう」と呼びかける。

不安を引きずったまま新しいことを始めて失敗したらどうしよう、などと取り越し苦労をしすぎない。
そのときはそのとき、と開き直りも大切だ。

 アニメ主題歌の「ありのままで」には、ひと目を気にしすぎずに今の自分に自信を持とう、というメッセージが込められていた。

森田療法の「あるがまま」はもう一歩進んで、自分を苦しめる不安や恐怖、その他のマイナスの感情も受け入れよう、と言っている。

 もちろん、そう言われてなかなか「どんとこい」「どうなってもいいや」と開き直れるものではない。
ただ、とにかく明るく元気な自分でいなきゃダメなんだ、と思い込んでいる人には、この言葉がやさしく響くのではないだろうか。
「あるがまま」。
今年のお守りの言葉にしてみてはどうだろう。
             (精神科医)
posted by 小だぬき at 20:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月31日

強いられるテロとの戦い ゴミ箱の次は公衆トイレが消える

強いられるテロとの戦い
ゴミ箱の次は公衆トイレが消える
2015年1月30日 日刊ゲンダイ

イスラム国による人質事件を受け、政府はテロ対策を強化する方針を決めた。

地下鉄サリン事件、9.11、ロンドン地下鉄爆破……国内外で大規模テロが起きるたび、撤去されてきたのが街角のゴミ箱だ。

 今や都心の駅構内でゴミ箱を見つけるのは至難のワザ。
かろうじて駅員の目の届く改札前に置いてある程度だ。

 街角からも姿を消し、路上で鼻をかんでもチリ紙の処分に困るほど。
23区内では「自分で出したゴミは持ち帰る」と、わざわざ条例を定めた区も多い。

「世界を見渡しても街中にこれだけゴミ箱のない国は珍しい。
9.11テロに見舞われたニューヨークでさえ、地下鉄構内にゴミ箱はあります。
ただし、テロ防止のため、厚い鉄製の円筒状シールドに包まれ、爆破されても周囲に飛び散らない構造になっている。

予算はかさみますが、欧米社会は『安全はカネで買う』という思想が徹底している。
ところが、この国は『安全のカネを惜しむ』という考えで、ゴミ箱撤去はテロ対策を口実とした経費削減策のように思えます」(青森中央学院大教授・大泉光一氏=危機管理論)

街角からゴミ箱が消え、次のテロ対策の“標的”になりそうなのは公衆トイレだ。

 例えば英国では05年の地下鉄爆破テロから、12年のロンドン五輪開催までの間に公衆トイレの有料化が定着した。
トイレの個室は街角の完全なる死角。
テロのターゲットになりやすい。
不特定多数の人々が「密室」に駆け込むハードルを上げ、テロリストの潜入を未然に防ぐ狙いだ。

■モスクワ市内には爆破しても壊れないトイレ

 チェチェン紛争でテロが続発するロシアも同様だ。
 昨年のソチ冬季五輪直前から、モスクワ市内でテロ対策を施した新型公衆トイレが次々と導入。
コンクリートに特殊繊維を混入して強度を高め、内部で爆破しても壊れない構造だという。

「5年後の東京五輪を控え、都心の公衆トイレもテロ対策を講じる必要はある。
ただ、ゴミ箱撤去の動きを見ると、公衆トイレの使用禁止、あるいは廃止という流れとなりかねません。
一部のゴミ箱のようにテロ対策と称して透明にするわけにもいきませんしね」(大泉光一氏)  

テロとの戦いに巻き込まれた以上、国民は尿意との闘いも覚悟しなければいけないのか。
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年金を実質削減 「マクロ経済スライド」初発動

年金を実質削減
「マクロ経済スライド」初発動
2015年1月31日(土) しんぶん赤旗

 厚生労働省は30日、4月からの年金支給額について、物価や賃金の上昇よりも低く抑える「マクロ経済スライド」を初めて発動することなどによって、伸び率0・9%に抑制し、実質的に引き下げると発表しました。
年金マクロスライド.jpg
アベノミクスによって物価上昇を引き起こしながら耐え難い年金削減を押し付けるものです。  

国民年金は、満額の月額6万4400円から本来の伸び率より約900円程度少ない6万5008円に。

厚生年金は、夫婦2人の標準世帯で、現在の月額21万9066円から本来より約2600円程度少ない22万1507円になります。

 支給額の増額は1999年度以来16年ぶりですが、物価上昇分に及ばないため実質削減となります
6月に支給される4、5月分から適用されます。

 年金の支給額は物価や賃金に応じて決められることになっています。

2014年は物価が2・7%、賃金上昇率は2・3%。これまでなら低いほうの賃金伸び率にあわせて改定するため、2・3%が本来の改定率でした。

 しかし、「マクロ経済スライド」を発動することで0・9%、過去の物価下落時に引き下げなかった分を取り戻すとして0・5%をそれぞれ差し引いた結果、0・9%の引き上げにとどまりました。

 「マクロ経済スライド」は自公政権の2004年に導入。
現役労働者数の減少などにあわせて自動的に支給水準を削減する仕組み。


 物価下落時には発動しないルールですが、安倍内閣は今後、下落時にも発動できるようにして約30年間も削減を続け、国民年金は3割、厚生年金は2割削減をねらっています。
posted by 小だぬき at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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