2015年03月01日

中1殺害逮捕 届かなかったかSOS

中1殺害逮捕 届かなかったかSOS
2015年2月28日 東京新聞「社説」

 川崎市の多摩川河川敷で遺体で見つかった中学一年上村遼太(うえむらりょうた)さん(13)は、早くから“SOS”を発していた。
救えた命だったのではと悔やまれる。

子どもの異変に、大人はもっと敏感でなければ。

 傷やあざだらけになって、事切れている上村さんが見つかったのは二十日の早朝。
近くの公園のトイレでは、服や靴が燃える火事があった。
身元を隠す工作だったのだろうか、悪質極まりない。

 殺人の疑いで逮捕されたのは、上村さんの知り合いだった十八歳と十七歳の三人。
容疑を認めていないというが、加害者までも少年だったとすれば、周りの大人の責任はあまりにも重い。

 真相究明は警察に委ねるとしても、学校や教育委員会、家庭、地域は一致協力し、なぜ凶悪犯罪を食い止められなかったのか徹底的に検証するべきだ。

上村さんの変化を読み解き、手を差し伸べることに失敗した原因である。

 バスケットボール部で頑張っていたはずなのに、昨年夏ごろから部活に参加しなくなった。
年明けから不登校になった。
担任の先生が家庭に電話をしたり、訪問したりしても、本人にまつわる確たる情報がなかなか得られない。

 これだけでも重大な事態だ。
不登校生の一人と軽くみて、学校は担任に対応を任せきりにしていなかったか。
少年非行や犯罪被害を防ぐための学校警察連絡協議会が情報をうまく共有できていないのではないか。
疑問は尽きない。

 上村さんは小学六年だった一昨年夏、島根県・隠岐諸島の西ノ島から川崎に引っ越してきた。大人をふくめ約七十人が別れのフェリーを盛大に見送ったという。

 地域の結びつきが強い小さな町から人間関係が希薄な大都会に移り住み、戸惑ったに違いない。
中学校に進めば、教育環境も様変わりする。
学校や家庭で孤立感を深めていたのかもしれない。

 友人らは、上村さんの異変について豊富な情報を持っていた。

 昨年十一月ごろに少年らの仲間に加わり、ショッピングセンターや公園などで遊んでいたこと。
万引を強要され、断ったら殴られたり、学校に行くなと命じられたりしていたこと。
仲間から抜けようとして暴力を振るわれ、命の危険におびえていたことも。

 こうした重要情報は大人に伝わらなかったのか。
地域ぐるみで子どもや若者を見守り、声を掛ける取り組みが大切だ。

上村さんは西ノ島のような暮らしを川崎に求め、裏切られたのかもしれない。
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2015年03月02日

少年の世界は「暴力」が支配している

少年の世界は「暴力」が支配している
2015年3月1日 東京新聞「筆洗」

 少年の世界は「暴力」が支配している。
過言ではない。

大人の男は程度の差はあれ、経験しているはずなのだが、忘れてしまう。
たぶん、記憶にとどめたくない経験なのだろう。
忘れたがっている。
自分はそんなことはなかったという方もいるか。
それは運が良かっただけなのだ

▼川崎市の中学一年生の上村遼太君が殺された。
上村君が付き合いをやめたがっていたグループの少年三人が逮捕された。
事実解明を待たねばならないが、首を刺された揚げ句、寒空に衣服を脱がされ放置されたという新聞記事の文字が目に、胸に突き刺さる

▼現場となった河川敷。
被害者とは縁もゆかりもない方も足を運んでいる。
大人として救えなかったことが申し訳なく、苦しいのであろう

暴力があふれる少年期に、運の悪い子は餌食にされ、孤独な戦いを強いられる。
誰にも相談できない。
報復も怖い。
勇気とは自分で解決することと勘違いもする。
親や友人も心配させたくない。
優しい子ほど、黙り込んでしまう

▼少年期の野蛮な行為にわれわれは寛容すぎたのではないか。
「やんちゃな時期」などというふざけた言葉に免罪符は絶対にやれぬ

あらゆる暴力から子どもを守る。
大人の責任である。
少年期に誰かによって、殺されることなく生き延びた大人は暴力や脅迫に怯(おび)えた日を思い出すべきである。
上村君はあの時の私やあなたである。
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認知症と身体拘束 介護の専門性を高めよ

認知症と身体拘束 介護の専門性を高めよ
毎日新聞「社説」 2015年03月02日 02時30分

認知症の介護で疲弊する家族は多い。

特別養護老人ホームなどの介護施設は受け入れを嫌がる傾向が強く、医療機関が認知症の受け皿になっている例は少なくない。

精神科病院だけで5万人以上の認知症の人が入院している。

 ベッドから落ちないよう縛る。
柵でベッドを囲んで行動を制限する。
そうした身体拘束を高齢者に行っていたとして、東京都北区の介護事業所が都から改善勧告を受けた。

近くの民間マンション3棟で暮らす高齢者に食事やおむつ交換などの介護サービスを提供しており、130人程度に拘束をしていたという。

 「医師の指導で行った」と介護事業所は主張したというが、それが本当であれば、医師の指導の妥当性や経緯についても都は調べるべきだ。

 身体拘束は高齢者の心身に深刻な影響を及ぼす虐待行為である。

徘徊(はいかい)などによる事故を防ぐためとも言われるが、実際は人手不足や支援技術の乏しさが原因であることが多い。

 高齢者が長期間身体拘束をされていると、食欲の低下や脱水症状を起こし、関節が硬くなり筋力が低下して寝たきりになりやすくなるという。
精神的にもストレスが高じてさらに「問題行動」がひどくなり、生きる意欲を失っていく人も多い。

介護保険施設の運営基準で、緊急やむを得ない場合を除いて身体拘束が禁止されているのはそのためだ。


 高齢者虐待防止法は家庭内と介護施設内での虐待が対象で、医療機関は調査の対象になっていない。
このため、介護に手のかかるタイプの高齢者が医療機関に集まっているとの指摘が以前からあった。

 最近は、厚生労働省が精神科病院への認知症の入院基準を厳しくしたこともあり、民間マンションなどで認知症の人を受け入れ、外部の介護事業所がヘルパーを派遣して生活を支える、というやり方が都市部を中心に増えている。

介護施設ではないことからチェックの目が届きにくいとも指摘される。

 医師や医療機関が介護事業所の経営に関与する例も少なくない。

高齢者は複数の持病がある人が多く、医療と緊密に連携を取ることができれば、家族も安心だろう。
だが、医療は患者を治療する機能を担っているのであり、認知症の人の生活を支える介護とは本質的に異なる。
介護サービスに医療の感覚を安易に持ち込むと、たとえ悪意はなくても、過剰な治療や管理を招きかねない。

 身体拘束せずに認知症のケアを実践し、穏やかな生活を支えている介護現場はいくらでもある。
これから都市部を中心に認知症の人が激増していく。今こそ介護の専門性を構築しないといけない。
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2015年03月03日

医師が推薦!「花粉症予防」に今すぐ取り入れたい5つの食品

医師が推薦!
「花粉症予防」に
今すぐ取り入れたい5つの食品
2015/03/02 08:00 by 相馬佳(WooRis)

厳しい寒さの冬ももうすぐ終わり、温かい春がやってきます。

小鳥のさえずりや、緑に芽吹く木々……。

そんな素晴らしい光景とともに訪れるのが、全然素晴らしくない“花粉症”にほかなりません!

多くの人々を毎年悩ます、くしゃみ、鼻水・鼻づまり、目のかゆみ、呼吸の問題など、アレルギー症状を起こす花粉症。

「春はしょうがないわね」と諦め、家に閉じこもるなど、せっかくの春を“残念な季節”にしていませんか?
春真っ盛りになる前に、対策を始めましょう!
 そこで今回は、海外の健康系サイト『everyday HEALTH』の記事を参考に、医師が勧める“花粉症などのアレルギー症状を防ぐ”食品をご紹介します!

■1:ヨーグルト

米国のアレルギー専門医によると、ヨーグルトに含まれる“プロバイオティクス”は、花粉症などによるアレルギー症状や炎症を鎮静する効果を持つそうです!

善玉菌をたくさん含む無糖のプレーンヨーグルトを選んで食べれば、腸内環境が整い、アレルギー体質の元となる毒素の排出にも効果があるとか。
ほかの病気予防もできて一石二鳥ですね!

■2:ビタミンCを多く含む野菜や果物

苦しいアレルギーのもととなる物質は“ヒスタミン”。
この物質のせいで、痒みや炎症などが発生することが多いそうですので、そのヒスタミンを抑制するビタミンCを多く含む食品を摂取しましょう。

ビタミンCは、リンゴやイチゴを含むベリー類、スイカなどに多く含まれます。

■3:アーモンド

上記と同じく、アレルギー物質の“ヒスタミン”を抑える栄養素が“マグネシウム”。
そのマグネシウムをたくさん含む食品といえばアーモンドです。

アーモンドにはほかにも、ダイエットやアンチエイジング、美肌にも効果のあるビタミンEや食物繊維、ミネラル、不飽和脂肪酸などの栄養素も含んでいます。
マグネシウムは、気管支の筋肉を落ち着け、炎症を防ぐ役割も果たすそうです。

■4:ケルセチンを含む食品

医師によると、花粉症による鼻炎など、アレルギーのもととなる前述の“ヒスタミン”は“マスト細胞”というものから放出されるそうです。

このマスト細胞からヒスタミンの放出を抑制する働きをするのが、“バイオフラボノイド”と呼ばれる物質。
ケルセチンはこのバイオフラボノイドの中で最も強力な物質だそう。

ケルセチンは、玉ネギに多く含まれるそうですが、そのほかにもリンゴやケール、赤ワイン、お茶などにも含まれるそうです。
積極的に摂取したいですね。

■5:魚類

「はくしょん!」とくしゃみを連発しているときに、魚を食べようという気分にはならないかも……。
しかし、医師によると、鮭やイワシ、サバなどの魚に含まれるオメガ3脂肪酸は、アレルギー症状が原因で起こる炎症などを抑える働きを持つそうです!
 海の幸で予防しましょう。


以上、花粉症によるアレルギー症状の予防を助けてくれる食品をご紹介しましたが、いかがでしたか?
もちろん、1度食べればすぐ治るというわけではありません!
 これらの食品をうまく毎日の健康的な食生活に取り入れ、アレルギーに強い体作りを心がけることが大事です。

上記の食品自体にアレルギーを持つという場合は、もちろん食べちゃいけませんよ!
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2015年03月04日

派遣を「モノ」呼ばわり 逃げ回る厚労省エリート課長の往生際

派遣を「モノ」呼ばわり
逃げ回る厚労省エリート課長の往生際
2015年3月3日 日刊ゲンダイ

「これまで派遣労働というのが、期間がきたら使い捨てだったというふうな『モノ扱い』だった

「生涯ハケン法」といわれる労働者派遣法の改悪審議が続く中、厚労省の法案担当課長の妄言が国会で大問題となっている。

1月27日に「日本人材派遣協会」の賀詞交歓会に出席した、厚労省の富田望・需給調整事業課長のあいさつの言葉である。

 法の改悪に現場の派遣社員から「モノ扱いするな」と怨嗟の声が渦巻く中、役所の“本音”が思わず漏れたのだろう。

 2日午後、民主党が国会内で開いた「派遣労働を考える分科会」であらためて富田課長に真意を聞こうとすると、驚くことに当の本人は出席予定だった会合を急きょ、ドタキャン。
 前代未聞の事態に呆れた分科会メンバーの山井和則衆院議員が携帯電話で出席を直談判し、ようやく45分遅れで登場する始末だった。

 それでも富田課長は往生際の悪いこと。発言したこと自体は認めつつも、「(野党が発言を問題視する衆院予算委の)理事会で協議するので(今は)何も言えない」とノラリクラリ。

参考人として出席した現役の派遣社員から「毎日、仕事があるのかどうか不安なのはモノだからか
「派遣はモノか。富田課長答えて」と叱責されてもシレッとしたもの。

いやはや、これじゃあ、不遇を訴える派遣社員の待遇改善などまるで念頭にないのだろう
いかなる人物なのか。

■現場主義

「91年に旧労働省に入省後、労働基準局監督課や岡山県職業安定課長、経済協力開発機構日本政府代表部一等書記官、人事課人事企画官などエリート街道を順調に歩いてきた。
『霞が関は現場の声が遠くなっている』というのが口癖で、普段は現場を大事にする人なのですが……。

今回、重視した現場はヒトではなく、派遣業界だったようです」(厚労省担当記者)

 山井議員がこう言う。
「今回の『モノ扱い』発言には2つの問題があります。

ひとつは派遣法というのは厚労省が30年近く推進してきた政策です。
それを今さら『モノ扱い』というのは、担当課が自ら失策を認めたようなもの。
1960万人もの派遣社員を生み出しておいて、今さら、何を言っているのか。
2つ目は、今回の改正法案では、派遣期間も対象業務も拡大します。
つまり、“モノ”から人間になる機会が永遠に奪われるわけです。
それを分かっていて推進するなんて許せませんよ

 そもそも派遣法の改悪案は昨年、2回も廃案になっている。

性懲りもなく、再々提出してくること自体、タチが悪い。

法案提出は絶対阻止しないとダメだ。
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国保見直し 医療「最後の砦」守れ

国保見直し 医療「最後の砦」守れ
2015年3月4日 東京新聞「社説」

 政府は三日、医療保険制度改革関連法案を閣議決定し、国会に提出した。

国民健康保険は、非正規労働者や会社退職後の無職者などにとって「最後の砦(とりで)」だ。財政を強化し、この制度を守るべきだ。

 改革の柱は、市町村が運営する国民健康保険(国保)の財政運営を都道府県に移管することだ。

 国保は財政難に苦しんでおり、運営する市町村の五割超が一般会計から繰り入れして、赤字を埋めている。
二〇一三年度の赤字総額は三千五百億円。

 かつては、農林水産業者と自営業者が加入者の六割を占めていたが、今は非正規労働者と会社退職後の無職者などが七割を超える。

低所得者が多い上に、医療費がかかる高齢者が増えているのが赤字の要因だ。
加入者一人あたりの平均所得は一二年度で国保が年八十三万円なのに対し、大企業サラリーマンなどの健康保険組合(健保組合)は二・四倍の同二百万円。

国保は保険料格差も大きく、全国で見るとその差は五倍以上だ。

 改革では、都道府県に財政責任を負わせた上で、三千四百億円の公費を投入し、財政基盤を強化する。
都道府県は市町村ごとに「標準保険料率」を定める。
保険料の格差が是正されることも期待される。
一八年度の実施を目指す。

 当面の財政は安定するとしても、国保に低所得者や高齢者が増えているという構造は変わらない。

高齢化が進む中、さらなる改革が必要だ。
国保の保険料は割高だ。
平均の保険料負担率は所得の9・9%と、健保組合の倍近い。

健保組合など被用者保険は、扶養家族の保険料は徴収しないが、国保の場合は子どもを含めた家族の人数に応じて加算される。

国保の保険料滞納世帯は一四年で17%に上っている。

 非正規労働者の被用者保険への加入条件緩和をさらに進め、保険料の軽減を図るべきだ。

一六年秋に一定程度緩和され、約二十五万人の非正規が新たに被用者保険に加入するが、まだまだ不十分だ。

 また、厚生労働省は併せて、七十五歳以上の高齢者の保険料軽減特例を一七年度から段階的に廃止するとしている。

夫婦二人世帯で、それぞれの年金収入が八十万円以下の場合、月七百四十円の保険料が二千二百円余と、三倍になる。
入院時の食事代自己負担も一食二百六十円から四百六十円に引き上げる。

消費税増税に加え、物価は上がり、公的年金は実質目減りしていく。
低所得者へのきめ細かい配慮が求められる。 
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2015年03月05日

「良寛さん候補」存在大切

香山リカのココロの万華鏡
「良寛さん候補」存在大切
毎日新聞 2015年03月03日 首都圏版

 川崎市の河原で中学1年男子生徒が遺体で発見された事件にかかわった容疑で、少年3人が逮捕された。

 被害生徒は、その少年らが作る遊び仲間に加わっていたと言われている。

ところが実際には、年長の少年らから暴行を受けたり学校に行くなと脅かされたりしていたことが、同級生らの証言から明らかになりつつある。

 こういう事件が起きると、必ず「なぜ親や教師が気づかないのか」という声が上がる。
たしかに、いちばん身近にいるおとなが異変に気づき、声をかけ、場合によっては何か行動を起こせば、ここまでの大事には至らなかったかもしれない。

 とはいえ、私がこれまでかかわってきた子どものいじめや少年仲間のトラブルのケースでも、ほとんどの場合で親は「気づかなかった」と語っていた。

 子どもに無関心な親ばかりではない。
むしろ、教育熱心な両親であればあるほど、子どもは親の前で自分が問題に巻き込まれていることを隠そうとする傾向があった。

「心配をかけたくない」「ダメな子だと親に思われたくない」というのがその理由だ。

 また、子どもにはおとな以上に「隠す力」がある

自室では無料通信アプリで「もう死にたい」などと友人にメッセージを送りながら、家族と食卓を囲むときには明るい子を演じていた、というケースもあった。

 たとえ親や教師が何かに気づき、「悩みがあるんじゃない?」ときいても、「大丈夫だよ」と答えられれば、それ以上、踏み込むのをためらってしまうかもしれない。

 では、どうすればよいのか。
私は以前から「あまり近すぎない距離にいるおとな」の存在が大切だ、と考えている。

理想を言えば、近所の子どもと遊ぶのが好きだったという江戸時代の僧侶、良寛和尚のような人になるだろうか。

 「現代の良寛さん候補」は、近所の世話好きのおばさん、親戚の誰か、塾やならいごとの先生などになるが、必ずしもそういう人がいるとは限らない。

だとしたら、その学校の保健室の養護教諭やスクールカウンセラーでもよいだろう。

近すぎない相手のほうが、子どもは意外に本音をさらけ出せるものだ。

 ただ、そこには大きな壁もある。
よく知らないおとなが「私になんでも話してごらん」と近づいても、いまの時代、逆に警戒されてしまうだけだ

誰がどのように「現代の良寛さん」になればよいのか。悩ましい問題がまた増えた。
            (精神科医)
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2015年03月06日

ヤバッどうしよう…職場でありがちな「ピンチを乗り切る」ワザ3つ

ヤバッどうしよう…
         職場でありがちな
「ピンチを乗り切る」ワザ3つ
2015/03/05 19:00 by 西山美紀(WooRis)

そろそろ春。入社&異動シーズンがやってきますね。

フレッシャーズのみなさんはもちろん、ベテランの人も異動などにより初めての仕事をすることになるかもしれません。
初めての仕事だと、さまざまな“うっかり”が発生してしまうかもしれません。
その際、どのように乗り越えるかで、あなたの力量が問われるものです。

そこで今回は、弁護士・石井琢磨さんの著書『めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法』から、“仕事でうっかり”な3つのシチュエーションでうまく乗り切る技を紹介します。

■1:アポをすっぽかしてしまった場合

アポがあったのにうっかり忘れていた……さてどうしよう。
相手は、自分が軽く見られていると思って怒っている。

そんな時、とっさに「御社の企画を詰めていまして」などと言い訳をするのはNGだそう。

<相手をどれだけ重視しようが、連絡なくすっぽかす理由にはならない。
企画を詰めようが何をしようが、通常は予定変更の連絡くらい入れられるだろう。
まともな理由を説明できていない。
言い訳を考える時間があるなら、信頼を取り返す方に労力を使った方がいい。
(中略)
言い訳を考える暇があったら「申し訳ございません、取り返します」と相手に貢献することを考えたい。>

緊急事態になると、焦って言い訳を考えてしまいがち。
それをグッと飲みこんで、自分に非があることを認めてしっかり謝り、挽回する気持ちがあることを伝えたいですね。

■2:大手の名前を出して説得された時

何かを契約する際に、相手から大手の名前を出されて「A社さんもやっているんですよ」などという口説き文句を言われたら?

 うっかり「そうか、A社さんもか……」などと、影響を受けそうになってしまうと判断を誤ってしまいます。
ここでも一呼吸おきましょう。

<あなたのいる会社とA社さんとでは、状況は違うはずだ。
本来、関係ない情報である。
あえて気にするなら、「何でA社さんは始めたんですかね」と情報を集め、自分の状況と比較する材料をもらえばいい。
そのうえで、A社さんが加入した事情が自分にとっても役立つと判断したならば、その時点で真似すればいいのだ。>

「有名なB社さんも! なんでB社さんは始めたんですかね?」などと、一歩突っ込んで話を聞いてから、冷静に判断したいものです。

■3:SNSで職場の微妙な人から申請がきた時

フェイスブックやLINEなどのSNSは、プライベートで使っている人も多いもの。

ところが上司など、あまりつながりたくない微妙な関係の人から申請がきたら、どうしたらいいのでしょう? 

「上司からだし…」とうっかり承認してしまうとSNSで発信しづらくなり、後悔しそうですよね。

自分「だけ」が外されているのではなく、公平なルールの運用だということで、不公平感が解消されれば上司も納得しやすくなる。
「同期しかつながっていないので」
「情報収集が目的なので」
「100記事以上アップしている人だけ」など、微妙な相手をうまく除外できるマイルールを考えておけばいい。>

ただし、「同期しかつながっていないので」と言いつつ、他の上司とつながっていたら、相手を怒らせてしまうかも。
相手が納得できるルールを考えておきたいですね。

以上、“仕事でうっかり”なシチュエーションをかわす方法について3つお伝えしましたが、いかがでしたか?
 しっかり心構えがあれば、いざという時でも上手に乗り切れるかもしれません。
ぜひチェックしておいてくださいね。
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ヤクザを排除しても「より悪いものしか出てこない」理由

ヤクザを排除しても
「より悪いものしか出てこない」理由
2015.03.05 日刊SPA!

最近の暴力団排除は、本人や妻の金融機関の口座や各種保険の解約だけではなく、子どもが保育園に通えなくなったり、高校入学を取り消されたりと家族にまで及んでいるという。

過剰な暴排や最近の取り締まりについてヤクザに本音を聞いてまとめた『現代ヤクザの意気地と修羅場 現役任侠100人の本音』(双葉社)を上梓した作家の宮崎学氏に聞いた。

――強硬な暴力団排除の実態が語られる一方で、「生まれ変わってもヤクザになる」と考えているヤクザが少なくないこともわかります。
執筆のきっかけはどのようなことだったのでしょうか?

宮崎:
2011年秋までに全国の都道府県と一部の市町村が暴排条例を施行しました。
内容は自治体ごとに若干異なりますが、基本的には同じです。

市民に「暴力団と付き合うな」「排除しろ」と命令するものです。
すなわち暴排条例は暴対法と異なり、ヤクザではなく市民が取り締まるものなのです。

ビジネスはもちろん一緒にゴルフをしたり、酒を飲んだりすれば「密接交際者」とされて、名前が公表される場合もあります。
これでは、ヤクザが普通の日常生活を営むことができなくなります。

実際に知り合いのヤクザに聞いてみると、名前が公表されたことで会社の経営が破綻したり、「お父さんの名前が報道されたので、もう来ないでほしい」と子どもが通う幼稚園から通告を受けたりしています。
明らかに人権侵害であり、憲法違反です。
本書の執筆は、こうしたことがきっかけです。

――排除が嫌ならばヤクザをやめればいいのではないでしょうか?

宮崎:
やりたくてヤクザをやっている人は少数です。
多くは欠損家庭に生まれ育ち、学歴も職もなく、行き場がなくてヤクザになります。
ですから、仮にやめたとしても生活できません。

また、条例では「ヤクザをやめてから5年を経過しない者」は「元暴力団員」として排除の対象にしています。
この5年間をどう生きろというのでしょうか。
また、仮に5年を経ても、警察やメディアは「元組員」として扱います。
やめたところで一生ついて回るのです。

最近は、危険ドラッグを扱ったり、オレオレ詐欺や強盗、さらにはキセル乗車など「ヤクザらしからぬ」罪で逮捕されるヤクザも少なくないですが、それは正業を奪われて生活できないからです
以前は、ほとんどのヤクザは建設関連業やサービス業などの正業を持っていました。
それができなければ違法なこともせざるをえません。

「今は覚醒剤や危険ドラッグを扱っていないヤクザはいない」とも聞いていますが、いい悪いの問題ではなく、そうしなければ生きていけないのです。
追い詰められたヤクザがどうなるか。

警察幹部はそんなことはわかっていながら、目先の欲に目がくらんで暴排を進めているのです。

――これからのヤクザはどうなるとお考えですか?

宮崎:
以前に比べて、表面的には変化が出てきていると思います。
たとえば2013年秋にはみずほ銀行グループの信販大手オリエントコーポレーション(オリコ)を通じた中古車などのローンで「暴力団員」に融資していたことが問題になりました。

しかし、書類が揃っていれば貸すのは当然ですし、ローンの途中で無理に解約させて回収不能にするよりも、完済させた方がビジネス的にもまっとうです。

そこで、最近では民事暴力対策関係の弁護士もこの手法を取っていると聞いています。
「暴力団員」の資金を減らすことができる上に、会社の負担にならないので、トラブルがない限りは解約しない方がいいという考えですね。
自動車保険も同様です。保険に入っていないと、交通事故が発生した場合に被害者が泣き寝入りすることになるという理由で、解約はさせないことになりました。

こうした例が増えていくことで、極端だった暴排が少し緩むことになるかとは思います。

しかし、もはやヤクザはかつてのような存在ではありません。

そこで、危険ドラッグはますます蔓延し、海外マフィアが多数流入する社会となっていきます。

かつてのように縄張りを荒す違法な薬物を売る者や海外マフィアを排除する力が、今のヤクザにないからです。ヤクザを排除したところで、「より悪いもの」しか出てきません。

ヤクザは歓迎される存在ではありませんが、ここまで追い込むことはなかったと考えています。

【宮崎学氏】 みやざきまなぶ
・1945年京都生まれ。権力批判や社会の周縁の取材を続ける。
近著は他に『突破者 外伝――私が生きた70年と戦後共同体』
『談合文化 日本を支えてきたもの』(ともに祥伝社)など

                               取材・文/上野蓮
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2015年03月07日

入浴中の気持ちのいいウトウト 実は危険!「失神寸前」ケースも

入浴中の気持ちのいいウトウト 
実は危険!「失神寸前」ケースも
2015/3/ 6 19:11 J-CASTニュース

1日の疲れを癒す入浴は、まさに至福のひと時だ。

湯船でリラックスするうちにウトウトし、気が付けば眠ってしまっていた...という経験がある人も少なくないだろう。
だが、この「眠気」、実は通常の眠気とは異なる場合があり、危ないのだ。

「入浴中に気持ち良くウトウトするのは、実は眠気ではなく、失神寸前の状態なんです」

血圧低下で脳が血流不足に
眠くなったら湯船から出るなど工夫を

2015年3月3日放送の「中居正広のミになる図書館」(テレビ朝日系)では、国際医療福祉大学の前田眞治教授がこう説明。

「ウトウト」に心当たりのある視聴者も多かったようで、放送後にはインターネット上でも
「毎回ウトウトしてるんだけど!」
「何度かお風呂で寝てた事あったな。生きてて良かった...」
「1分だけって思っても気づいたら意識飛んでる」などと大きな反響を呼んだ。

一体どういうことなのか。前田教授に詳しく解説してもらった。

「胸までお風呂に入ると、数秒後から血圧が急に下がり、その後、数分でさらにじわじわと下がり始めます。
この血圧低下によって脳に血流が十分に行き届かなくなった場合、『眠気』として感じられるのですが、実際は失神一歩手前の状態になっているのです」

前田教授によれば、数秒後に起きる血圧低下は水圧による心臓圧迫で、

「湯船に胸まで浸かると心臓はぎゅっと強く抱きしめられたような状態になり、通常時よりも拡がらなくなる。
すると心臓に入ってくる血液も少なくなり、力強く鼓動できなくなります」。

その後の数分後に下がる血圧低下は湯船に長く浸かっていることで起きる皮膚の血管の拡張だ。血液が皮膚に集まり、脳に行く血液が少なくなるという。

これによって脳が血流不足となると、脳活動が低下してしまうそうだ。

40〜41度のお湯に10分程度が好ましい

もっとも、大半の人は入浴中に血圧が下がっても脳血流は保たれるという。
つまりウトウトしているすべての人が「失神寸前の状態」というわけではなく、「そうしたケースは一部であり、多くはリラックスして(副交感神経が優位になって)ウトウトしている」と前田教授は指摘する。

ただし見た目だけでは、どちらなのかは区別がつかないそうだ。

脳の血流不足によって、実際に失神に至ってしまうこともある。
これが原因とみられる入浴中の溺死事故も少なくなく、油断は禁物だ。

一般的な失神時には、めまいなどの「前触れ」のあるケースが多いが、前田教授によれば、入浴中の場合はめまいよりも意識低下が先に起きると考えられるという。

本人も変化に気づきにくいだけに、注意する必要がある。

眠気を催した場合は、すぐに浴槽から出ることを心がけるといいだろう。
湯船に沈み込まないよう浴槽につかえを入れたり、顔の下までふたを閉めたりするのも有効かもしれない。

前田教授によれば「40〜41度のお湯に10〜15分程度」が入浴の目安だという。
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2015年03月08日

日本人は「戦争とは何か」知らぬまま戦争に向かおうとしている

日本人は「戦争とは何か」知らぬまま
戦争に向かおうとしてる
2015.03.07 16:00 NEWSポストセブン

 過激派組織「イスラム国」による日本人殺害を受けて、安倍晋三首相が表明した「罪を償わせる」という言葉は、米ニューヨーク・タイムズが「異例な発言」、英BBCも「尋常ではないほど強い言葉」と驚くほどの表現だった。

にもかかわらず、日本国内では好意的に受け取る人が多かった。

実際にこの人質事件後、各社の世論調査では安倍政権の支持率が軒並み上がっている。

「罪を償わせる」という表現は、事務方がつくった声明に安倍首相自ら付け加えたものだという(日経新聞2月2日付)。

もちろんその具体的な方法は当面、「対イスラム国陣営」への人道支援や後方支援となるわけだが、国際社会において、この発言が「軍事的報復」を連想させるのは間違いない。

 そうした政権の空気を、メディアも後押しする。

朝日新聞までが社説で〈人命をここまで残忍に扱う犯罪集団を許す余地はない〉
〈組織に対する包囲網強化に動かねばならない〉(2月5日付)と勇ましく書き綴るなど、一様に強硬論が目立つ。

なかでも感情を露わにしていたのが産経新聞の1面コラム「産経抄」(2月7日付)だった。
〈仇をとってやらねばならぬ、というのは人間として当たり前の話である。
第一、「日本にとっての悪夢の始まりだ」と脅すならず者集団を放っておけば、第二、第三の後藤さんが明日にも出てこよう〉

 文章は、〈命の危険にさらされた日本人を救えないような憲法なんて、もういらない〉と結ばれている。
まるで、報復のための武力行使を煽っているかのようだ。

 NHKの世論調査で、自衛隊の海外における日本人の救出活動の在り方について、「武器を使って救出活動を行えるようにしたほうがよいと思うか」という質問に、「したほうがよい」が25%にも上った。

依然として反対が33%いるとは言え、国民の4分の1が自衛隊の海外における武力行使に賛成しているのである。

 この国はいま、大きな転換点を迎えようとしている。
本誌はこれまで、国防の重要性、それに伴う憲法改正論議の必要性を訴えてきた。
だからこそ、あえて問いたい。
私たちは、「戦争とは何か」をまるで知らないまま、そして知らぬが故に、戦争に向かおうとしているのではないか、と。

※SAPIO2015年4月号
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憂楽帳:音楽がある平和

憂楽帳:音楽がある平和
毎日新聞 2015年03月07日 大阪夕刊

 「最近『反戦』と言うと変わり者扱いされ、『左』だと言われる。
私がおかしいのか、世の中がおかしいのか」

 兵庫県尼崎市のローゼンビート音楽館を拠点に反戦を訴え続けた音楽家、浜渦(はまうず)章盛さんに約10年前に聞いた言葉だ。

旧満州(現中国東北部)で生まれ、引き揚げ時の栄養失調のせいか晩年、視力を失った浜渦さんは、平和をテーマにした曲やオペラを多数作り、戦争の愚かさを訴えた。

2011年に病のため65歳で亡くなったが、その活動は教え子や家族が受け継いでいる。

音楽の魅力を広く伝えるために浜渦さんが1977年から毎月開いた無料のモナートコンサートは昨秋400回を数えた。

浜渦さんの勧めでピアニストの妻理代さんが86年に始めたローズサロンコンサートは、プロの演奏家をゲストに招いて毎月開かれ、14日で300回を迎える。

「天国から褒めてくれていると思います」と理代さん。
 浜渦さんは「音楽が奏でられる空間は平和な空間。命ある限り奏で続けたい」と話していた。

この10年で世の中はさらにおかしくなってはいないか、平和な空間で考えてみたい。
                                       【脇田顕辞】
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2015年03月09日

現実になった?ミスター・スポックの超能力

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
現実になった?ミスター・スポックの超能力
2015年3月6日 読売新聞

 ミスター・スポックが死にました。
正確に言うと、アメリカのSFドラマ「スター・トレック」でヴァルカン人と地球人のハーフでエンタープライズ号技術主任兼副長のミスター・スポックを演じたレナード・ニモイさんが83歳で亡くなったというニュースです。

 スター・トレックは1966年に、ドラマとして放送開始され、ドラマ版が5シリーズ、映画が12本作られています。

最初のドラマシリーズの舞台は2260年代です。
子供の頃、宇宙を舞台にする夢のような世界で、楽しく見ていた記憶があります。

その当時は、ビデオレコーダーなどはなく、生放送か、再放送を見るしか視聴の機会はなかったのですが、時間が合えば楽しく見ていた記憶があります。

頭をあけず脳の病気を治す

 ミスター・スポックは地球人にはない能力を持っていました。
そのひとつが、僕の覚えている限りでは、頭の中にある病気を、手をかざして治療してしまう光景です。
記憶が定かではないのですが、地球の技術では、頭をあける手術(開頭手術)になってしまうところを、なんと頭を開けずに超能力のような手段で治してしまったというシーンです。

 アポロ11号による人類最初の月面着陸が1969年です。
1961年はケネディ大統領が上下両院の合同会議で「10年以内に、人間を月に着陸させ、無事に帰還させる」と演説をした年です。

そんな1960年代に始まった宇宙ドラマです。

ガンマーナイフが実践

 宇宙開発の技術も進歩し続けています。
そして医療も同じく進歩しているのです。

僕はいつも、いつも、「医療は今正しいと思うことを精一杯やっている」と言っています。

つまり「今施されている医療が本当に正しいかどうかはわからない」というメッセージです。

でも着実に進化しています。
1世代前と比べると間違いなく進歩しています。
20から30年前に比べれば確実に前進しているのです。

子供の頃の僕に絵空事に思えたミスター・スポックの超能力のような治療、つまり開頭せずに治療するという技術は、今はガンマーナイフという装置で実践されています。

ガンマーナイフとは放射線治療のひとつで、転移性の脳腫瘍などを主なターゲットにして活躍しています。

知り合いの脳外科手術の名医は、「僕が転移性脳腫瘍になったら、まずガンマーナイフの治療をしてもらう」と即答していましたので、相当素晴らしいものなのでしょう。

 脳はそれぞれの部分が、それぞれの役割を持っています。

一方、肝臓や腎臓、肺などは、どの部分も同じような役割を担っています。
ですから、ある程度の量の肝臓や、腎臓、そして肺などを切除しても、あまり日常生活に問題はありません。
残っている臓器の量が、日常生活を支えるには十分であればということです。

ところが脳は、それぞれの部分が、それぞれの役割を担っているので、脳を取り除くと、その切除量に無関係に、取り除いた部分の障害が起こるのです。

ですから、放射線治療で対応することが、開頭手術を避けること以上に魅力的なのです。
なぜなら、正常な脳のダメージが少ないからです。

 スター・トレックでミスター・スポックが披露した治療が現実になりました。
これからもますます、医療は進歩していきます。

そしてそれを願って、臨床医や基礎の医学者は新しい治療法の開発、新しい手術手技の考案、そしてよりよい日常生活の提案を行っています。

どっちがよいか、答えは未来に

 今行われている医療が本当に正しいかは、その医療でどんな結果がもたらされたかを検討すると判明します。

「開頭しない」という視点だけで言えば、もちろん、開頭手術よりもガンマーナイフに軍配が上がります。

でも、将来的にどちらが正しいか、つまりその後のよりよい生活やその後の寿命などに関しては、それぞれの治療を受けた人の人生を顧みることによってやっとわかるのです。

だからこそ、長期的視点で考える必要がある要素を含む場合は、ある医療行為が本当に正しいかの判断には、1世代、つまり20から30年かかると僕は思っているのです。

 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。
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2015年03月10日

東日本大震災四年 福島の苦しみ正面から

東日本大震災四年 福島の苦しみ正面から
2015年3月9日 東京新聞「社説」

 原発事故という未曽有の災禍によって日常を壊された福島の人に十分な賠償や支援がされてきたとは言い難い。
福島の苦悩を忘れてしまってはいないか。

 原発事故収束のメドすら立たない福島県では、いまだ十二万人が県内外での避難生活を余儀なくされている。
五年で二六・三兆円の復興予算の多くは道路や港湾などのインフラ整備が中心だ。
目に見える部分の復興は進んでも、肝心な人々の生活の復興・再建は大幅に遅れている。

◆賠償責任果たす義務

 古里に帰れず、先の暮らしを見通せない人々の苦悩は、時の経過とともに逆に深まっている。  

新たな土地で生活の基盤を築くにはきちんとした賠償が必要となる。
しかし、東京電力はこの間、賠償に誠実だったとは言えない。
国の指導もしかりだ。

 町の大半が帰還困難区域に指定された浪江町では二〇一三年春、町民一万五千人が月十万円の精神的慰謝料の増額を求める集団申し立てを原発ADR(裁判外紛争解決手続き)で行い、一律五万円増の和解案が示された。

だが和解案には強制力がなく、東電は受け入れを拒み続けている。

 申立人には高齢者も多く、すでに大勢の人が亡くなっている。

 原発ADRは被災者に裁判という重い負担を負わせず、早期に賠償問題を解決するために導入されたものだ。
その趣旨に照らして出された和解案だ。

東電はこれ以上解決を遅らせてはならないし、国はADRの仲介に強制力を持たせる仕組みを作るべきだ。
 ADRだけでは金銭賠償の解決が期待できないと、裁判所に訴える動きも相次ぐようになった。
 「生業(なりわい)訴訟」と呼ばれる集団訴訟がそのひとつ。
「故郷を返せ!生活を返せ!」と、北海道から福岡まで十七地裁・支部で精神的慰謝料の支払いが訴えられている。

◆広がる生業訴訟

 「かながわ訴訟」の原告は、南相馬市小高区から横浜に避難した村田弘団長(72)ら百七十四人。
七割は国が避難指示区域に指定した地域の人だが、三割は福島市や郡山市など避難指示区域外からの、いわゆる「自主避難者」だ。

 国の線引きによらず、自らの判断で避難を決めたこの人たちには、たとえ被害の実態が同じでも避難指示区域の人に支払われる精神的慰謝料はない。

避難生活費は自己負担、夫は福島に残り妻子が避難する二重生活者が多い。

 賠償も慰謝料もなく、経済的に追い詰められる人々を「自らの選択だ」といって放置していいのか。
村田さんらは自主避難者も含めた一律賠償を求めている。

 「原発事故の時、どこに住んでいたかで国は賠償に差をつけた。
でも日常生活や地域のつながりを突然奪われた痛みはみな同じ。
被災者を分断してはならない

 国が定めた五年の集中復興期間の終了に歩調を合わせるように、東電は商工業者に対して支払う営業損害賠償も来年二月に打ち切る方針を示した。

だが、避難指示区域にある事業者のうち、業務再開できたのは約半分。事故前の水準に戻ったのは皆無だ。
原発禍からの回復の困難さは想像を絶する。

 国や東電は一刻も早く賠償を終わらせ、復興の実績を作りたいようだが、一定の時間がたったというだけで賠償を打ち切るのは、現実を見ていない。

被災者の切り捨てというほかない。

 復興庁が発表した住民意向調査では、大熊、双葉、富岡、浪江の原発周辺四町で、避難指示解除後に「地元に戻りたい」と考えている人は一〜二割にとどまった。
飯舘村でも三割だ。

 古里に帰りたいと願う高齢者の思いは尊重すべきでも、除染に限界があることもわかった。
放射線量はどこまで下がるのか。
仕事はあるのか。
人口減少した町で経済、医療、教育は成り立つのか。不安な場に戻ることは、子育て世代には考えられなくなってもいる。「帰還ありき」の復興計画にこだわるには無理がある。

 今立ち返るべきなのは、大震災の一年後に全国会議員の賛成で成立した「子ども・被災者支援法」の理念だ。

◆「避難する権利」こそ

 チェルノブイリ法をお手本にした同法は「避難する権利」を認めていた。
地元を離れて移住した人にも、個別のニーズに沿って、生活や医療、教育、就労などの支援を行うことを求めていた。

 仕事がなくて働く意欲を失ったり、妻子との別居で夫婦の不仲や離婚に直面する人も多い。
子どもの心も傷ついている。

 苦境を乗り越え、みんなが安心して暮らせるようになった日が福島の復興の日だ。

一人一人の生活再建を息長く見守る覚悟がいる。
私たちはそのことを忘れてはならないはずだ。
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東京大空襲 きょう70年  黒焦げの骸 鎮魂の一句

東京大空襲 きょう70年
  黒焦げの骸 鎮魂の一句
2015年3月10日 東京新聞

三月十日南無十万の火の柱
      古谷治(91)千葉県我孫子市

 太平洋戦争末期の一九四五年三月、下町を中心に甚大な被害が出た東京大空襲から、十日で七十年。

十日には、犠牲者らの遺骨を安置した東京都慰霊堂(墨田区)で法要が営まれる。

条例でこの日を「平和の日」と定めている都も記念式典を都庁(新宿区)で開くほか、都内各地で追悼行事や集会が予定されている。

 東京大空襲は、米軍のB29爆撃機約三百機が建造物などを焼き払うことを目的に、現在の東京都江東区、台東区、墨田区などに焼夷(しょうい)弾を無差別に投下し、大規模な火災が発生。推定約十万人が死亡し、約二十七万戸が焼失したとされる。  
       *
 台東区の上野公園周辺では九日、大空襲で家族を失ったエッセイスト海老名香葉子さんらが「時忘れじの集い」を開催。
千二百人が参列し、向島区(現墨田区)で被災した無職三輪明さん(75)=千葉県船橋市=は「体験を若い世代に継いでいかなくては」と話した。

 三月十日。
一晩で十万もの人々が炎に焼かれたとされる東京大空襲から七十年のこの日、「平和の俳句」に選ばれたのは、焼け野原でがれきの撤去にあたった古谷治さん(91)=千葉県我孫子市=だ。  

中央大学の学生だった一九四五年一月、学徒動員で東京都北多摩郡小平町(現小平市)の陸軍経理学校に幹部候補生として入学。
軍の食料調達などを担う道に就いたばかりだった。

 三月十日未明。「起床!」の非常呼集(こしゅう)で飛び起きると、暗闇の中、都心方面の南東の空は真っ赤に焼け、おびただしい数の火柱が立っていた。

トラックの荷台に乗り込み、直ちに出動。

下町の北千住から日暮里一帯の幹線道路を覆うがれきの撤去を命じられた。

 残り火がくすぶる中、黒焦げの遺体があちこちに転がり、骸(むくろ)は山積みになった。「地獄絵を見る思いだった」。

ぼうぜんと立ち尽くす人には掛ける言葉もなかった。
自分も泣くわけにはいかない。ただただ手を合わせた。

 俳句に詠んだ「南無(なむ)」とは、仏などへの帰依(きえ)を意味する。
「おのれをなくして神仏に従い、すがるしかない」。

当時は言葉にできなかった思いを、七十年後に形にした。

 古谷さんは戦後、中央官庁の役人として働き、政治家を間近で見てきた。

今、戦争を知らない世代の政治家たちが国を動かすことに「坂道を転げ落ちていくような」不安を覚える。

 「私たち世代にも失敗はあった。かといって、戦争を知っているわれわれが、暴走しがちな『歯車』を歯を食いしばって止めないとどうなるのか。その使命の重大さ、平和のありがたさをかみしめて、鎮魂の一句をささげた」 
              (矢島智子)
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2015年03月11日

「言葉だけの震災復興なんて要らない」

「言葉だけの震災復興なんて要らない」
現役金融マンぐっちー氏  2014.03.31 日刊SPA

東日本大震災から3 4年がたち、少しずつではあるが被災地は復興への歩みを進めていっている。そんななか、ぐっちーさんはあえて今の復興に苦言を呈する。

本当の意味での復興を勘違いするな、という言葉の本意とはいったい!?

◆言葉だけの震災復興なんて本当の復興ではありません! (現役金融マン ぐっちーさん)

 あの大震災から3 4年がたちました。
私はご縁があり、震災前から岩手県紫波町で仕事をさせていただき、「オガール紫波」というプロジェクトを立ち上げました。

最初は「無理だ」の「アホだ」の言われましたが、おかげさまで年間70万人もの来客数を誇る施設となり、紫波町は岩手県で土地の値段が上がった唯一の場所となっています。

 この時期になると震災復興という言葉ばかりが先行しますが、今回あえて喧嘩を売ります。

忘れてほしくないのは、東北のみなさんが本当に将来安心して暮らせ、きちんとお金を稼ぐことができ、子供たちに安定した雇用があることこそが本当の復興だということなのです。

 鎮魂や文化なんてものは、お金をきちんと稼ぐことができる、ということが達成されていなければまったく意味がなく、ただ東京人の発想で鎮魂の森をつくろうなどというのは現場の事情や苦労を知らない人の発想です。

そういう人に限って地元にお金を落とさずに自分は被災地のためにこれだけやっているのだ、と自己宣伝に使う。

 さらにそれをメディアが取り上げるので始末が悪い。

彼らは震災に名を借りた売名行為をしているだけです。

東京からたくさん来ているNPOも同様で、「三陸カフェ」など妙なものをたくさんつくりましたが、初めからビジネスとして成り立つかどうかの検証がなされた形跡はなく、結局寄付や補助金がなくなった途端に倒産する、という事態を招いています。

  今や「自民党バブル」で、必要のない建物が震災復興の名を借りて次々と建設されようとしています。

原資はもちろんみなさまが払っている震災復興税。

例えば……、ある市では、収容人数600人の公民館が津波に流され、現在それを拡大して収容人数1200人の新しい公民館をつくろうとしています。

これが東京にいる「有名な」建築家が持ち込んだ震災復興のアイデアで、地元の人たちの「癒し」の場をつくるのだそうです。

 しかし、震災前の600人収容の公民館は建築後過去15年にわたって満員になったことが一度もない。
それはデータがはっきり残っています。
高齢化が進む被災地で倍の人数の公民館を新設することに意味があるのか?という問いには彼らは答えないのです。

 というのも、彼らは建設・設計に携わってしまえば後は終わり。

自分たちは「ボランティア」で一銭ももらっていない、と言えば聞こえはいいですが、そんな妙な「墓石」をつくられてしまって、その後のメンテナンスをするコストはすべて地元の負担になるのですよ。

その負担を押し付けて自分たちだけ偉そうな顔をしてそれが「復興に貢献した」なんてよく言えるなと思います。

 大事なのは地元の貴重な土地に立てた建物がお金を生み続けるかどうかなのです。

これがお金を生み続けるなら修繕費も出ますし、税金も納められる。

そして最終的には人が集まってお金を落とす施設として雇用も生み、納税も果たし、周辺の土地価格が上がる。これこそが本当の震災復興なのです。

【今週の数字】
現在の震災避難者数 約28万人
当初約47万人いると言われた避難者は現在約28万人となっている。しかし、ほとんどがまだ仮設住宅に入居した状態が続いており、本当の復興への道はまだ険しい
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2015年03月12日

核シェルターに住民の半分しか入れないまま原発再稼働!? 【玄海原発の現状】

核シェルターに住民の半分しか
入れないまま原発再稼働!?
【玄海原発の現状】
2015.03.11 日刊SPA

 万が一、原発でのテロや事故が起きた場合、いかに住民の安全を確保するかが大きな問題となる。
だが、その準備もまだまだ進んでいないようだ。

 山口祥義・佐賀県知事は就任早々の1月29日、玄海原発(佐賀県玄海町)が目の前に迫る唐津市の離島「向島」「馬渡島」「松島」を訪問。

馬渡島では、原発事故時の避難用シェルターのある小中学校の体育館を訪れた。
そこで「約400人の島民の約半分しか避難用シェルターに入れない」という現場を目の当たりにした。

この島で生まれ育ったお婆さんは覚悟を決めていた。

「『核シェルターを造りました』というのは名目だけ。
優先的に入るのは、学生と先生でしょう。

海が荒れていたら島外に行けないし、(玄海原発から島に向かって)北風が吹いていたら死ぬ覚悟をしとかんといけない」

 馬渡島では知事を囲む車座集会も開かれたが、ここでも避難計画への不安が島民から出た。

「どの港からどういう船に乗ってどこに逃げるのかわからない」
「(定期船が停まる)名護屋港に逃げるとしたら、もっと玄海原発に近いので、放射能が濃いほうに逃げないといけないことになる」

 視察後、山口知事は「安全性の確保が最優先で、しっかりと取り組んでいきたい」と答えた。  

一方、唐津市の担当者は「島民全員分のシェルター設置には鉄筋コンクリート製の建物の新設が必要で、最低3年はかかる」と話す。

 元経産官僚の古賀茂明氏は「米国で避難計画が不十分で原発の稼動はできなくなったことがある。
ニューヨーク州ロングアイランドの原発では島民の確実な避難方法が提示できず、運転開始直前に廃炉が決まった」と指摘する。

「日本の安全審査基準は世界一厳しい」というが、米国並みの基準を適用すると、島民分のシェルターが確保される3年後までは、原発再稼働が不可能となる。

日本の原発はずさんな避難計画・安全基準のまま、再稼働に突き進んでいる。
                      <取材・文/横田 一>
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2015年03月13日

勇気出し「声」かけを 

香山リカのココロの万華鏡:
勇気出し「声」かけを
 毎日新聞 2015年03月10日 首都圏版

 ラジオでリスナーからのメール相談にこたえる番組をしている。
もちろん、病気に関する医療相談ではなく、あくまで日常の範囲のいわゆる“お悩み相談”だ。

女性をターゲットにした番組だが、男性からのメールも少なくない。
 あるときスタッフと相談メールをチェックしていて、「えっ」と声をあげたことがあった。

「これまで一度も女性と交際したことがない」というメールが3通、続いたのだ。
「これ、みんな同一の男性からかな?」と確認したが、どうもそうではないようだった。

 どのメールも文面は丁寧で、やさしさが感じられた。
「大学時代、期待して入ったサークルから女子学生が次々に去って行き」などと悲しい体験をユーモアも交えて書いている人もいて、思わずクスッと笑ってしまうものもあった。

 おそらくこの男性たちはまじめで控えめ、決してセクハラとかDVとかはしないような「女性の良き味方」だと思われる。

ただ、いまひとつ積極性に欠けるために、なかなか出会いのチャンスがなかったのだ。
そして、気になる女性がいたとしても、話しかけられずにいるうちに、社交的で強引な男性が先に近づいてしまう。

そんなことを繰り返すうちに人生の半ばになってしまったのかもしれない。

 しかし、心やさしき男性たちは悲観することはない。
女性は気づきつつあるからだ。
強くてたのもしいように見えても女性を理解しようとせず、支配したがる男性よりも、恋人や妻であってもひとりの人間として尊重してくれる男性のほうがずっと自分にとってプラスになる、ということを。

 少しくらい線が細い、声が小さい、スポーツが苦手、などということでコンプレックスを感じる必要はない。

引っ込み思案の男性たちは少しの勇気を振りしぼり、職場や趣味のサークルなどでがんばっている女性たちに声をかけてあげてほしい。
「いつもがんばってますね、すごいと思います」。

それは多くの女性にとっては、「カワイイね」「スタイル抜群だね」などと外見をほめられるより、ずっと心に響くことばなのだ。

 ちなみにそのラジオ番組には、女性からは「仕事で疲れている」「どこまで努力してよいかわからない」といった相談が多い。

私はいつも、「ああ、これがリアルなら、私が仲人となって、この“走り続ける女性”を“やさしく物静かな男性”に紹介してあげるのにな」などと思うのである。
            (精神科医)
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川崎の殺人事件 目に余るネット情報

川崎の殺人事件 目に余るネット情報
2015年3月13日 東京新聞「社説」

 川崎市の中学生殺害事件で、インターネットにあふれる容疑者とみられる少年らの個人情報が目に余る。

好奇心や義憤に駆られた面があるかもしれないが、人権侵害の恐れが強い投稿は慎むべきだ。  

少年三人が逮捕されたこの事件では、二月の発生直後から犯人を割り出したと称して、幾人もの個人情報が誹謗(ひぼう)中傷の言葉と共にネットで広がった。

 犯人と決めつけて少年らの名前や顔写真、家族構成、住所などが投稿され、転載が繰り返された。さらに事件とは無関係の少年らの情報も飛び交った。

 リーダー格の少年の自宅前とされる場所から生中継する子どもまで現れた。
家の表札や家族とみられる人たちの出入り、車のナンバーが写り込んだ動画を修整せずに配信したのには驚かされる。

 今でもこれらの情報はネット空間に残ったままだ。
コピーが重ねられ、完全な削除は難しい。

 パソコンやスマートフォンが普及し、誰でもメディアの一員になれる時代だ

だからこそ、他人の尊厳や名誉に対しては一層の注意を払わなくてはならない。

 簡単に言えば、他人の私生活をみだりに暴き立てればプライバシーの侵害に、社会的な評価をおとしめれば名誉毀損(きそん)になり得る。

 とりわけ事実無根の情報を流せば、民事、刑事両面で責任を追及されるリスクが高いことを自覚すべきだ。
匿名での書き込みや転載であっても発信元の調べはつく。

 二〇一一年の大津市の中学生いじめ自殺事件では、加害者の親族と間違われ、うその書き込みや顔写真が投稿されたとする訴えが相次いだ。
興味本位の軽はずみな行動には制裁も待っている。

 言うまでもなく、罪に問われた未成年者の身元の特定に結びつくような報道は、将来の立ち直りや社会復帰を妨げかねないとして少年法で禁じられている。

 法の趣旨に照らせば、ネットでの情報の拡散も例外ではない。

たとえ事実であっても、責任を問われ得るとの見方が強い。

 昨年の長崎県佐世保市や名古屋市での殺人事件でも、容疑者とみられる女子高生や女子大生の個人情報が蓄積されている。

人権軽視の事態が放置され、ネット規制の動きが強まっては困る。

 凶悪犯罪であるほど処罰感情が高ぶるのは人情だが、法治国家では私刑は認められない。

ネットを暴力装置として悪用する風潮を食い止めるためにも、情報モラルを立て直す自浄努力が欠かせない。

*************************
小だぬき
日本はいつから 刑事司法での「推定無罪」の原則がくずれたのか!!
特に 被害者・被疑者本人と家族のプライバシーが 裁判前に公開されてしまう。
週刊誌や新聞・TVの報道は 「人権侵害」「名誉棄損」ではないだろうか??
三億円事件・松本サリン事件や多くの冤罪被害者が 無実・無関係とわかっても 初期報道の「犯人視」の汚名は なかなか消えない。
報道は 「事件の事実のみ報道」に限定し、判決後の総括で詳しく報じればいい。
警察の逮捕の段階では まだ「被疑者」にすぎない。
今回の事件での 被害者・被疑者のプライバシー暴露は 大手マスコミほど酷い。
週刊新潮の「顔写真・実名」報道は 人民裁判で 裁判前に「犯人」と断定するものであり「推定無罪」の原則からして ゆるされるものではないと思います。

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2015年03月14日

ささいなことに腹が立つのは「虫の居所がわるい」からだし…

ささいなことに腹が立つのは
「虫の居所がわるい」からだし…
毎日新聞 2015年03月13日 「余録」

 ささいなことに腹が立つのは「虫の居所がわるい」からだし、何となく気に入らないのは「虫が好かない」からだ。

虫が納まる」とは怒りがとけることだし、昔は短気のことを「虫が早い」、びっくりすることを「虫が動じる」とも言った

▲人の体の中には虫がいて、心身にさまざまな影響を及ぼすという考え方は、中国の道教の「三尸(さんし)の虫」に由来するらしい。

この3匹の虫は人の体内にすみ、行動を監視している。
庚(かのえ)申(さる)の夜には人が寝ている間に体を抜け出し、天の神にその悪事を報告するというのだ

▲庚申の夜は眠らぬ風習
「庚申待(こうしんまち)」は虫の報告を阻むためである。
この身中の虫がそれとなく当人に未来の凶事を教えてくれる場合は「虫の知らせ」という。

もし神様より先に当人の悪いところを告げてくれればありがたい

▲もともと体内に寄生した線虫が未発見の胃がんに集まっていたことから研究が進められたという。
体長約1ミリの線虫ががん患者とそうでない人の尿のにおいを識別できることが分かったという九州大学などのチームの研究である。
虫は患者の尿に好んで近寄るという

▲実験に用いた線虫は犬と同程度のにおいの受容体をもち、判別は尿1滴あればいい。

結果、24人のがん患者のうち23人を識別し、うち5人は採尿前にがんは未発見だった。
がん検診への実用化にはなお課題も残るが、体に負担をかけぬ早期がん発見への期待はつのる

▲見た目は気味悪い線虫だ。
しかし人の危難をいち早く教えてくれる「虫の知らせ」の研究を聞けば、けなげにも、かわいくも思えてくる。
身勝手といわれようが、「虫がいい」のは人間の常である。 
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2015年03月15日

政権の「耳」は病んでいるようだ

政権の「耳」は病んでいるようだ
2015年3月14日 東京新聞「筆洗」

 「私たちには耳は二つあるのに、口は一つしかないのはなぜか。
それは、より多く聞き、話すのはより少なくするためだ」と、古代ギリシャの哲学者は語ったという

▼まことに味わい深い警句だが、耳が二つあるおかげで、私たちは音がどこから来たのかが分かる。
俗に耳と呼ばれる耳介が、これほどデコボコと複雑な形をしているのも、音源が上下どちらの方向にあるかを探るのに役立っているそうだ

▼まさに造物の妙。
高性能の集音装置が私たちには備わっているわけだが、どうも政権幹部のみなさんには、特定の方向からの音が聞こえていないようだ

▼沖縄の普天間飛行場の辺野古移設をめぐっては、移設反対派が、地元名護の市長選でも県知事選でも勝った。
総選挙では沖縄の全選挙区で自民党候補が敗れた

▼沖縄の人たちが議会制民主主義の枠組みで目いっぱい反対の声を上げているのに、政府は海底掘削調査の再開に踏み切った。

名護市長が「政府は全く聞く耳を持たない」と憤るのも無理はなかろう

▼『図解 感覚器の進化』(岩堀修明(のぶはる)著、講談社)によれば、私たちの耳は、平衡感覚を保つための器官に、音を感じる機能が加わってできたそうだ。

自分たちに都合のいい声は聞こえるが、
そうでない民意は聞こえぬというのは、為政者にとりわけ大切なバランス感覚の麻痺(まひ)だろう。
政権の「耳」は病んでいるようだ。
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2015年03月16日

憂楽帳:予兆

憂楽帳:予兆
毎日新聞 2015年03月14日 西部夕刊

 沖縄県で米軍機からの部品落下が相次いでいる。

昨年は9件。
今年は1月に米軍普天間飛行場(宜野湾市)所属のヘリが重さ約200キロのミサイル発射装置の部品を落とすなど既に4件が起きている。

けが人は確認されていないが、いずれも「一つ間違えば」という事故であることは否めない。  

「米軍の士気が緩んでいる。
しょっちゅう物を落とすのは大事故の予兆ですよ」。

稲嶺恵一県政時代に県政策参与を務めた比嘉良彦さん(73)はそう指摘する。

「警告」には理由がある。
 普天間飛行場に隣接する沖縄国際大に米軍ヘリが墜落したのは2004年8月13日だった。その日、比嘉さんは沖縄本島中部であった研修会で講演をしていた。

当時も米軍機の部品落下が多く、比嘉さんはその講演で「これは予兆。必ず落ちますよ」と話したばかり。

携帯電話が鳴って墜落事故を知らされたのは、その講演の休憩時間だった。

 昨年から沖縄で暮らし始めた。爆音が聞こえると空を見上げて機影を追うのが癖になった。比嘉さんの言葉を思い出す。

「大事故が起きていないほうが奇跡なんですよ」
                                 【佐藤敬一】
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心ざわざわ、ことしも

心ざわざわ、ことしも
2015年3月16日 東京新聞「私説・論説室」

「この時期は心がざわざわします」。
福島原発告訴団の事務局長、地脇美和さん(44)が言う。

原発事故から四年。
古里での生活を奪われ、放射能との闘いに疲れた人々の苦しみに向き合ってきた地脇さんにも、「3・11」の節目には、いろんな感情が押し寄せてくる。

 「ざわざわ」の胸騒ぎは今春、これまでにも増して強くなっている。
被災者への世間の風当たりが強くなってきたと感じるせいだ。

 地脇さんは二十年前の阪神淡路大震災も経験している。
あのときも震災三年を過ぎると、「被災者はいつまで甘えているのか」という声を聞くようになった。
同じ空気が福島の人々を包もうとしていないか。

 「ざわざわ」のもう一つの理由は、東電の勝俣恒久元会長らに原発事故の刑事責任を問う運動が、最終局面を迎えていることだ。

 東京地検は、告訴した元会長ら三十三人全員を不起訴としたが、検察審査会は元会長ら三人には「起訴相当」という議決をした。

再捜査の結果、再び不起訴とした検察庁の判断が正しかったのか

今、二度目の審査会が開かれている。
法廷で裁くことができるのか、できないのか、被災者の運動は正念場である。

 復興へ、という威勢のいい掛け声の裏側で、原発事故を忘却へ追いやろうとする力が働いている。
原発事故の責任が明確になり、一人一人が暮らしを復興できない限り、地脇さんの「ざわざわ」は消えない。 (佐藤直子)
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2015年03月17日

新聞が「黙れ!」と言う

牧太郎の大きな声では言えないが…:
新聞が「黙れ!」と言う
毎日新聞 2015年03月16日 東京夕刊

 新聞は「宗教」に似ている。
そんな気がしてならない。

 「格差」が広がる昨今。
それでも「ぜいたくはできないが、新聞だけはやめない」という人が多い。
ありがたい。
毎朝毎晩、お題目を唱えるように読んでくれる。
しかも「何十年も、毎日新聞しか読まない」。
 どこか「宗教」に似ている。

 人類の歩みは「格差」の歴史。
権力の集中と富の偏在で成立している。

世界遺産を見れば分かる。
時の権力者が“巨大な富”を背景に創り上げたものばかりだ。

「知」「美」「想像力」……すべてに「格差」。

民主主義でも、共産主義でも「格差」が生まれる。
 でも、宗教は反格差……仏教もキリスト教も、ほとんどの「教え」が「格差」を否定するところから出発している。

(もっとも、今では、宗教「格差」が生まれ、有名寺院の経済力は途方もなく巨大になっているが)ともかく「格差のない社会」実現を目指した。
家内安全、商売繁盛……お題目を唱えれば「格差」がなくなる。

 新聞も、どこか似ている。
新聞を読めば「格差」がなくなる!
 そんな期待感を漂わせる。

 「新聞の教え」は間違いない!と読者は思い込む。
まして、何十年も同じ新聞を読むと「……新聞教」の信者?になってしまう。

 さしずめ、僕などは、芸能面が充実して「平和主義」を貫く東京新聞を何年も読み続けているから「信者」のような存在だ。

 ところが、困ったことに新聞は「お説教」を連発する。
あれもダメ!これも反社会的!と主張する。

 3月3日の東京新聞朝刊「記者の眼」欄に掲載された「横綱白鵬の審判部批判」という署名記事には「お説教」が過ぎる、と思った。

 「白鵬の振る舞い」を批判しているのだが、その結びが「元横綱の大相撲解説者、北の富士勝昭さんは話した。
『大鵬さんは、余計なことをしゃべらなかった』。

その大鵬を超えた白鵬の春場所を注視したい」とあった。

 余計なことはしゃべるな!というのか? 
   自由な発言を保障するのが新聞。

「宗教」と違うところだが……黙れ!というのか。

 確かに、人生、黙っていた方が得なケースが多いとは思うが……
あの新聞までが……
偽りの「寡黙の美学」に加担するなんて……
世も末ではないか?

                             (客員編集委員)
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オウム犠牲 学ばぬ国 事件知らない若者入信

オウム犠牲 
学ばぬ国 事件知らない若者入信
2015年3月17日 東京新聞

 春の日差しが暖かい東京・小菅の東京拘置所に十三日朝、一人の米国の化学者が訪れた。

毒物学の世界的権威で、松本サリン事件の捜査に協力したコロラド州立大のアンソニー・トゥー名誉教授(84)。
オウム真理教元幹部の中川智正死刑囚(52)に会うためだ。
無差別テロの真相に迫るための面会は七回を数える。

 「貧者の核兵器」と呼ばれるサリンが使われた一九九五年三月二十日の地下鉄サリン事件は世界に衝撃を与えた。

トゥー博士だけではない。
米大統領にテロ防止対策を助言するシンクタンクの会長リチャード・ダンチック氏(元海軍長官)らは二〇〇八年以降、サリン製造に関わった中川死刑囚や土谷正実死刑囚(50)らに十数回会った。

米国のテロ対策関係者にとって、地下鉄サリン事件は過去の事件ではないのだ。

 約三千人が犠牲になった〇一年の米中枢同時テロ。
米議会に設立された独立調査委員会は一年八カ月にわたって検証した結果を発生から三年後に五百七十五ページの報告書にまとめた。

中央情報局(CIA)などがアルカイダのテロを防ぐ機会を十回も見逃した、と結論付け、「政府はテロから国民を守ることに失敗した」と批判した。

 失敗から教訓をくみ取ろうとする国がある。

無差別テロを防げなかった事実に日本の治安当局はどう向き合ってきたのだろうか。
捜査対象として教団が最初に浮上したのは坂本堤弁護士一家が一九八九年十一月に行方不明になった時だ。

神奈川県警は自宅に残された教団バッジや血痕を重視せず、初動捜査を誤った。

 九四年六月、長野県松本市で八人が死亡した事件にサリンが使用された。
捜査の過程で教団施設の付近の土壌からサリン分解物を検出しながら、首都で再びサリンが使用される事態を許してしまった。

防げなかった責任が国会などで厳しく追及されたことはない。

 大きな犠牲から何かを学び取ろうという謙虚さが日本の行政組織には欠落している。

それは、敗戦直後、戦犯追及を逃れるために機密資料を徹底的に燃やした軍や行政機関の官僚主義体質と通底しているように思えてならない。

 オウムの後継団体はアレフとひかりの輪に分裂。
事件を知らない若者がいまも入信している。

アレフは最大の拠点である東京都足立区の施設など十三都道府県二十四カ所の施設を持ち、信者は約千四百五十人。
幹部による合同会議を意思決定機関に位置付け、麻原彰晃死刑囚(60)=本名・松本智津夫=への帰依を示している。

ひかりの輪は元幹部の上祐史浩氏(52)が代表を務め、会員は約二百人。
拠点は宮城から福岡まで八都府県に八施設がある。

 刑事裁判には限界がある。
であるなら、なぜ事件を防げなかったのか、なぜ真面目な若者たちが麻原死刑囚によって人生を狂わされたのか、行政やマスメディアには問題はなかったのか−という根源的な問いに、さまざまな角度から光を当てる検証作業を国の責任で始めるべきだろう。

オウム真理教は戦後の日本社会から生み出されたのである。

         ◇
   死者十三人、重軽傷者六千二百人以上を出した地下鉄サリン事件から二十日で二十年。
いまも大勢の遺族や被害者が苦しんでいる。
事件の検証が不十分なまま、オウム真理教の後継団体は若者を集め続けている。
「暗雲」はまだ、消えていない。
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2015年03月18日

止まった時間、ゆっくりと 

今日は 彼岸の入り。
明日は、弟の命日、明後日は 父の月命日
彼岸の入りの今日、菩提寺のある水戸へ「墓参り」したいと思います。
コメント返しなど 遅くなることを ご了承ください。
**************************
香山リカのココロの万華鏡:
止まった時間、ゆっくりと 
毎日新聞 2015年03月17日 首都圏版

 東日本大震災から4年が経過した。

2万人を超える死者、行方不明者に加え、その後の避難生活での体調悪化や過労など間接的な原因で亡くなった「震災関連死」も3000人を超えた。

 誰かが亡くなると、必然的に「遺族」と呼ばれる人が生じる。
4人家族で1人が亡くなれば3人は遺族となる。

その計算を単純にあてはめると、大震災では7万人が「遺族」となったと考えられる。
7万人といえば、ちょっとした地方都市の人口に匹敵する。
 その人たちはどんな4年間をすごしてきて、いまどんな気持ちなのだろう。

私は大震災の少し前に父を亡くしたのだが、4年もたてば記憶も悲しみも薄れるわけではないと実感している。

さすがに直後の痛みのような悲しさではないものの、季節の変わり目などにふとこの時期をともにすごした思い出がよみがえり、「もういない」とリアルに感じることもある。

老いた父を病で失ってさえそうなのだから、夫や妻、子どもを突然、奪われた人の苦しみ、悲しみはどれほどか。

 今回の大震災によってではないが、わが子を失った経験を持つ女性が、3月に診察室でこんな話をしてくれたことがあった。

 「この時期がいちばんつらいんです。子どもの同級生はどんどん成長して進学したり、就職したりするでしょう。
町も新生活を控えて買い物する人などであふれています。
そんな中、自分だけが前に進めない。
新しい洋服もスマホも買う気になれないから、いつまでも時代遅れのファッション、昔の携帯電話のままなのです」

 大切な人を亡くしたときに時間が止まり、周囲の目まぐるしい変化をひとごとのように眺めている。
これは大きな喪失体験をした人によく起きる心の反応だ。

本人は「私だけ取り残されている、遅れてしまう」とあせりを感じるかもしれないが、私はよくこう話す。

「それは遅れなどではなく、いつまでも愛するお子さんといっしょにいたい、というあなたのやさしさのあらわれですよ」

 世の中には「前進は善、停滞は悪」という考え方があり、悲しみを抱えている人にも「さあ、いつまでも泣いてないで、前を向いて元気に歩き出そう」と励ます人がいるが、それは違うと思う。

とくに愛する家族を失った遺族が、思い出とともに足踏みし、停滞を続けるのはあたりまえのことだ。
「ゆっくりね、待ってるよ」とまわりは温かく見守りたい。
           (精神科医)
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2015年03月19日

首相の「自由」のはき違え=与良正男

熱血!与良政談:
首相の「自由」のはき違え=与良正男
毎日新聞 2015年03月18日 東京夕刊

 何が問題なのか、根本的なところが通じない。

安倍晋三首相が国会で「私が自分の考えを述べるのは言論の自由だ」と語るのを聞いていてそう思った。

 改めて経過を記そう。
昨年11月18日、首相は衆院解散を表明し、その夜、TBSの番組に出演した。
番組ではアベノミクスに批判的な街の声が多く取り上げられた。
そこで首相は「(声を恣意(しい)的に)選んでいる」等々と不快感を示して反論した。

 自民党が街の声の扱い方や番組のゲスト出演者やテーマ選定など細かく項目をあげ、公正な選挙報道を要請する文書を在京テレビ局に渡したのはその2日後。

そして今月3日の衆院予算委員会で民主党議員がこれらの動きを批判したら、首相は「言論の自由」を持ち出したのだ。

 国会中継をテレビで見ていた私はあぜんとした。

そもそもなぜ憲法に「言論の自由」がうたわれているのか。

近代、憲法は国家権力の横暴を防ぐため、つまり国民でなく権力側を縛るためにできたと私は学んできた。
言論や表現の自由も権力側がむやみに国民を制限してはいけないという趣旨だ。

ところが権力者自らが「私の自由だ」と胸を張るとは。

 問題点を整理したい。
首相が番組で反論するのは(私は「批判に謙虚に耳を傾けたい」と言ってほしかったが)、首相の自由かもしれない。

ただし昨年来私が批判してきたのは自民党がかつてない圧力的な文書を出した点だ。

 狙いは批判封じであり、それは力の行使に本来抑制的であるべき政権党として行き過ぎだと思ったからだ。

憲法改正論議の前に、これはまず憲法とは何か、立憲主義とは何かの議論から始めないといけない。

 先週の衆院予算委で民主党の細野豪志政調会長が私と同じ趣旨で追及したが、焦点がぼやけてしまったのは残念だった。

首相はこう答えた。
「私の疑問を国民に投げかけた。
それが正しいかどうかも含め選挙で審判を受けた」。

それもこれもすべて衆院選で支持されたというわけである。

そして「番組の人たちが、それくらいで萎縮してしまうのは情けない」とまで付け加えた。  

「情けない」のくだりだけは首相の言う通り。
だから私はこれからも批判すべきことは、きちんと批判しようと思っている。
                                 (専門編集委員)
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障害年金をもらうための四つのハードル

原記者の「医療・福祉のツボ」
障害年金をもらうための四つのハードル
2015年3月6日 読売新聞

 障害年金は、国民年金(障害基礎年金)しかない人でも1級で年間96万円、2級で77万円、厚生年金加入者だけに設けられている3級でも最低57万円を受け取れます。

状態が変わらなければ毎年、給付が続くのですから、経済的メリットの大きい制度です。

 しかし、受給するための要件がけっこう厳格に定められており、4点のハードルをクリアしないといけません。
一般的には「3要件」と呼ばれますが、3要件のすべてに関係する初診日の証明を独立させ、4点として説明します。

1 初診日の証明

 障害の原因となった病気やけがで最初に医療機関にかかった日が「初診日」になります(発症時期ではない)。

最初の医療機関で診断がつかなかったり、誤診されたりしていても、その日が初診日です。

健康診断で異常を指摘された場合は、健診を受けた日が初診日になります。

 初診日は、原則として「日」まで特定する必要があります。
医療機関に頼んで「受診状況等証明書」を発行してもらいます。

 問題は、初診の時期が古い場合です。
大きな病院はカルテ(診療録)を長い年月にわたって保存していますが、医師法によるカルテの保存義務は5年。
中小の医療機関ではカルテが廃棄されていることもあるし、医療機関自体がなくなっていることもあるからです。

医療機関から廃棄したと言われても、正式にカルテ開示請求をすると見つかったケースもあるので、そこまで試みましょう。
 それでも無理な場合、過去の診断書、身体障害者手帳、交通事故証明、労災事故証明、事業所の健康診断記録、医療情報サマリー、救急搬送記録、紹介状、診察券、領収書、次の医療機関の記録など、他の資料で初診日を証明できればよいのですが、それもないと請求をあきらめざるをえないことがあります(保険料の納付状況によっては「月」「年」までの特定でも認められる)。

だから、できるだけ早く障害年金のための作業にかかるべきなのです。

 糖尿病による網膜症・腎障害・足切断など、因果関係のあるとされる場合は、障害が生じた時ではなく、最初の病気やけがによる受診時が初診日になります。
 生まれつきの知的障害は、後で説明するように、初診日の証明なしでも請求できます。

2 初診日に、その年金制度の加入者だった(例外あり)

 「加入要件」と呼ばれます。
初診日に加入していなければ、公的年金制度による障害年金は、基本的には、もらえません(労災保険による年金は別)。

 だから、「体調が悪いけど、退職して時間ができてから医者にかかろう」というのは大間違い。
勤めている時に受診しないと、障害厚生年金をもらえずに大損するかもしれません。

 加入状況は年金手帳で一応わかりますが、念のため、基礎年金番号をもとに確認しましょう。

基礎年金番号は、国民年金、厚生年金、共済組合といった、すべての公的年金制度に共通で、一人に一つの番号です。
ネットでも照会は可能です。

・ねんきんネッ ト

 日本年金機構の年金事務所または年金相談センターに出向いても、照会してもらえます。
国民年金だけとわかっているなら、市町村の年金担当課でもかまいません。

<20歳前の障害

 国民年金の加入対象は20歳以上〜60歳未満で国内に住所がある人です(2012年7月9日以降は、日本に3か月を超えて合法的に在留する外国人を含む)。

 初診日が20歳より前だった場合は、どうなるのでしょうか。
国民年金に未加入で、保険料を納めていないわけですが、20歳になった後に請求して、1級・2級の障害にあてはまれば、障害基礎年金が支給されます。

障害者が無年金になるのを防ぐための福祉的な支給です(本人の所得が一定額より多い場合は半額または全額の支給停止)。

 先天性の知的障害は、生まれた日が初診日とされます。

一方、発達障害も生まれつきですが、こちらもなぜか、実際に診療を受けた初診日の証明が求められます(初診が20歳より後なら通常の保険加入に基づく障害年金になる)。

その他の先天性障害・難病や幼少時の病気・けがも、実際の初診日の証明が必要です。

子どもの時から年数がたって、書類による初診日の証明が難しいことも多いので、親族以外の複数の人の証言で20歳前の受診が認定されることもあります。

 一方、初診日に20歳未満でも、すでに勤めていて厚生年金に加入していれば、成人と同様に障害厚生年金が支給されます(1級・2級は障害基礎年金もセット)。

<60歳以上の障害>

 初診日が60歳以上65歳未満のときは、国民年金の加入者とみなされます。
70歳未満で国民年金に任意加入している時も加入要件を満たし、障害基礎年金の請求は可能です。
ただし、老齢基礎年金の受給権を得ていないことと、初診日に国内に住所があることが受給の条件です。

 また、厚生年金保険は、適用事業所の常用労働者なら、70歳未満まで強制加入なので、初診日が70歳より前なら、通常と同様に障害年金を請求できます。
もし老齢基礎年金の受給権を得ている場合は、上乗せ部分の障害厚生年金だけを請求できます。

3 保険料の未納期間が一定以下である

 「納付要件」と呼ばれます。
これが問われるのは国民年金の部分ですが、クリアしないと障害厚生年金ももらえません。
2種類のパターンのどちらかを満たせば、大丈夫です。

<初診の前々月までの加入期間のうち、保険料の未納期間が3分の1未満>

 逆に言うと、保険料の納付期間と免除期間が合わせて3分の2以上あればよいのです。
納付期間には、厚生年金や共済の加入期間が含まれます。

免除期間には、低所得などによる法定免除・申請免除のほか、学生納付特例、若年者猶予(30歳未満)の期間も含まれます(ただし1991年3月までの学生期間は任意加入だったので、分母からも分子からも除外して計算する)。

<65歳未満で、初診日の前々月までの直前1年間に未納がない>

 最初のパターンをクリアできないときの救済措置として設けられている方式です。
納付期間・免除期間の考え方は、先ほどと同じです。

 どちらの納付要件を用いる場合でも、「初診日の前日」にクリアしている必要があります。
つまり、病気やけがで受診した後に、あわてて過去の保険料を納めても、障害年金はもらえません。
現在の制度上は、後の祭りです。
だから、保険料を未納にしていると、まずいのです。

4 初診日の1年6か月後、またはその前の症状固定日に、障害等級にあてはまる状態だった  

「障害状態要件」と呼ばれます。
一般的には、初診日の1年6か月後が「障害認定日」になり、その時点で障害等級にあてはまるかどうかが判定されます。

体の一部を失ったとき、体内に一定の機器を入れたときは、症状固定が明らかなので、その時点。
人工透析は受け始めて3か月を過ぎると、障害認定日になります。

 どちらも障害認定日から3か月以内の状態について、医師の診断書が必要です。
認定されるような書き方をしてもらうことが、重要なポイントです。

 障害年金の受給権は、障害認定日から有効です。

厚生年金保険の加入者なら、健康保険による傷病手当金の支給が最長1年6か月なので、その後を障害年金につなげるわけです。
請求から支給まで3か月以上かかるので、先に障害年金を請求しましょう。

<遡及そきゅう請求>

 請求は、5年前の分までさかのぼってできます。

障害認定日から1年を過ぎて請求する場合は、現在の状態の診断書も必要です。
障害認定日より5年以上遅れると、古い分から毎月、時効になっていくので、早めに手続きをしましょう。

<事後重症の請求>

 当初は症状が軽く、後から障害等級にあてはまる状態になった場合も請求できます。
重症になった時点から3か月以内の診断書を添えます。
この場合も初診日の証明は必要です。

また、事後重症の場合は過去にさかのぼった請求ができず、年金の支給は請求の翌月分からになります。 

<別の障害が加わって支給対象になる>

 最初の障害の程度が軽く、後から別の種類の障害が加わって、両方を合わせると年金支給対象の障害等級になるときは、後発の障害(基準傷病)の初診日、障害認定日をもとに請求します。

この場合も過去にさかのぼった給付は行われず、年金の支給は請求の翌月分からです。

ややこしそうなときは社労士に依頼する

 障害年金を請求できるのは基本的に65歳未満です。
「ひとりの年金は1種類」が原則なので、障害、老齢、遺族の複数の年金を請求できるときは、いずれかを選択します(障害基礎年金+老齢厚生年金といった組み合わせは可能)。

 以上の説明は、現行法の対象になる場合(障害認定日が1986年度以降)です。
それより前は適用される制度が違ってきます。

 基本的なことでわからない点は、年金機構の電話相談を利用しましょう。

・年金相談ダイヤル 
           0570・05・1165  
(050で始まる電話からは03・6700・1165)

 実際の請求には「病歴・就労状況等申立書」なども必要で、手続きはやっかいです。
医療機関や福祉事業所によっては、ソーシャルワーカーがやってくれますが、昔にさかのぼる請求や等級の認定が微妙と思われるときなどは、障害年金に詳しい社会保険労務士に依頼するほうが賢いでしょう。
費用は、着手金が数万円または無料、交通費などは実費、成功報酬が年金の2か月分、または遡及請求で支給された総額の10%といった設定が多いようです。

 年金機構の決定に不満があれば、行政不服申し立て(審査請求、再審査請求)や行政訴訟もできます。
再審査請求までは社労士が代理できます。
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2015年03月20日

愛想笑いとずるい言葉=近藤勝重

しあわせのトンボ:
愛想笑いとずるい言葉=近藤勝重
毎日新聞 2015年03月19日 東京夕刊

 本心を隠したり、偽ったりせずに生きている人がいるだろうか。
おそらくいないだろう。
と、断定的に言うのも、例えば人間は愛想笑いを浮かべることができるからだ。

 養老孟司氏が監修したリタ・カーター著「ビジュアル版 脳と心の地形図」によると、愛想笑いについてこう記している。

 「怪しげなこの能力は、人間しか持っていない。ほかの動物は顔の表情をコントロールできない」

 意識しての愛想笑いと、無意識の自発的な笑いは、使われる筋肉もそれをコントロールする脳の回路も、まったく別なのだそうだ。

 長年記者を続けてきたぼくなど、一体どれほど愛想笑いを浮かべてきたことか。

取材先が気をつかう相手であればあるほど、怪しげな笑みを口元に作っていたはずだ。

 そんなことを思いつつ記者生活を振り返ると、ふと自己嫌悪に似た感情を覚える一方で、だから記者をやってこられたのだという思いもある。

さらに愛想笑いにこだわれば、ずるい言葉とセットになっていることに気付かされ、今なお忘れ難い映画の名セリフが頭をかすめる。

織田作之助原作の「夫婦善哉」で、問屋のドラ息子、柳吉(森繁久弥)が芸者の蝶子(淡島千景)に冗談めかして言うこの一言である。
 「頼りにしてまっせ、おばはん」

 寄りかかる男心と共に発せられた言葉は大阪弁の語感とも相わたり、女心を動かさずにはおかなかった。

 ついでながら、同じ大阪弁川柳で、どなたの作であったか、ずるい言い方だなあと思わせる一句があるので紹介しておこう。

 ええ男やけどなあとくさしているらしい  と書いてきて、気になるのは政治とカネにまつわる政治家諸氏の答弁である。

時に意味不明の笑いを浮かべつつ、ずるいというよりずる賢い物言いに徹して、のらりくらりと追及をかわしてみせる。

政治とはそんなものだと思われる向きもあろうが、ぼくが恐れるのは先に紹介した2種類の笑い、すなわち意識しての愛想笑いと無意識の反射的な笑いに倣って言うと、もはや政治家の都合のよい釈明は、無意識の反射的なものに感じられることだ。
 当の政治家がその自覚さえもなくしているとしたら……いや、心配だ。
                              (客員編集委員)
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地下鉄サリン20年 凶行の中に人間の弱さ

地下鉄サリン20年 凶行の中に人間の弱さ
2015年3月20日 東京新聞「社説」

 オウム真理教による地下鉄サリン事件からきょうで二十年。
薄れがちな記憶を手繰り寄せ、あらためて教訓を刻みたい。
悲劇の再来を招かないために。

 「残念ながら人間社会は不完全だし、学歴が高かろうが低かろうが、人間は非常に弱い存在だ。そういう人間の集合体がまた何かをしでかすことは、かなりの確度で起こりうる
  先週、東京都内で開かれた事件を考える集会で、弁護士の山室恵さんが述べた言葉がずしりと響いた。
サリンをまいた元幹部の林郁夫受刑者に、無期懲役刑を告げたかつての東京地裁の裁判長だ。

◆「また起こりうる」

 いくつもの罪と罰に向き合ってきた経験から鳴らされた警鐘は重い。
この“予言”が現実のものとならないよう一人一人が事件を見つめ直さねばならないだろう。  

一九九五年三月二十日。
化学テロは十三人の命を奪い、六千人超を負傷させる大惨事を招いた。

 被害者や遺族は、いまだに心身に残された深い爪痕に苦しめられている。
過去の事件ではない。

 そして、オウム真理教もまた生き延びた。
宗教法人格を失ったのに解散せず、跡を継いだアレフと分裂したひかりの輪が公安調査庁の監視下で活動を続けている。

 双方とも、元代表の麻原彰晃死刑囚の影響を受けているとされる。
にもかかわらず、若者らの入信は後を絶たない。
今や信者は合わせて千六百人を上回る。

 アレフの内実は麻原死刑囚への帰依だ。
オウムの後継団体であることを伏せ、インターネットや書店、街角でヨガや料理のサークルなどを装って勧誘している。
 どの宗教を選び、信じるかで人の一生は左右されかねない。
正体を隠しての活動は看過できない。

◆成長と苦悩と宗教と

 振り返ってみたい。

 麻原死刑囚がオウムの母体となるヨガ道場をつくり、宗教団体に衣替えして勢力を広げだしたのは一九八〇年代だった。
日本はバブル景気に沸いていた。

 二度の石油危機に見舞われた七〇年代を境に、人々の求めるものは物の豊かさから心の豊かさに向くようになった。

 内閣府の最新調査でも、物志向の31%に対して心志向は63・1%と二倍に上る。

 しかし、政治も、経済も、社会も成長を追い求めることをやめなかった。
あくせく働き、あくせく消費する。

その循環を永遠に繰り返す閉塞(へいそく)社会にも映る。

 なぜ生きるのか。それで幸福になれるのか。
重い病にかかったときにどう向き合うか。
そうした素朴な疑問や問いに直面し、苦悩する人々が増えたとしても当然だ。

 統計数理研究所の二年前の調査では、七割近くは宗教心は大切だと答えている。
多くの人が理屈では割り切れない課題と不安を抱えている証左ではないか。

 生きがいや居場所を見つけられない。
切り捨てられた。
そうやって隘路(あいろ)に迷い込んでしまうと、どんな宗教であれ、すがりたくなっても不思議ではない。

 「生きとし生けるものの救済という理念に引かれた」と、入信の動機を打ち明けた元オウム信者もいる。

幸せや生きる意味を実感できず、変身願望を募らせて門をたたく人もいるという。

 事件に関わった元幹部らには理系エリートが目立った。
頭脳明晰(めいせき)で真面目だからこそ、悩みも人一倍深かったのかもしれない。

 しかし、マインドコントロールであれ、思考停止であれ、どんな事情があったにせよ、凶行に手を染めたことは絶対に許されない。

 若い世代へ向け、山室さんは林受刑者に言い渡した判決の一部をゆっくりと読み上げて紹介した。
 「なまじ純粋な気持ちと善意の心を持っていただけに、かえって『真理』や『救済』の美名に惑わされ、視野狭窄(きょうさく)に陥って、麻原(死刑囚)の欺瞞(ぎまん)性、虚偽性を見抜けなかった」

 美しいものを正面から見てものめり込まない。
引いて見る。
斜めから見る。
いわば裏側を疑ってみる姿勢の大切さを説いた。

 人の純真さが美しいものを介し、凶器へと豹変(ひょうへん)した事例を幾度も見聞きしてきたのだろう。
世代を問わず肝に銘じたい。

◆美しいものの裏側を

 前代未聞の事件の風化を防ぎ、再発を食い止める努力をしなくてはならない。
もちろん、警察や行政、司法、報道といったそれぞれの役割と責務があるはずだ。

 破壊的カルトへと人々を追い込まないような手だても、私たちは地域や学校、企業、家庭などで考えられないか。

 疎外されたり、孤立したりしていないか見守る努力は欠かせまい。

弱い人間を見つめることが風化を防ぐ一つではないか
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2015年03月21日

発信箱:大幅賃上げ?=福本容子(論説委員)

発信箱:
大幅賃上げ?=福本容子(論説委員)
毎日新聞 2015年03月20日 00時05分

 春闘が熱い。
トヨタ自動車が、過去最高水準という「大幅賃上げ」に踏み切ると、日産自動車、ホンダ、そして電機メーカーが次々と後に続く。
ついにアベノミクス開花か!?

 海の外から眺めると、かなり様子が違うみたい。
イギリス系金融グループ、バークレイズが今月初めに出したリポートによると、日本人の賃金はアベノミクス前の半分に激減したって! ドルに換算して比べたのだ。

第一の矢である日銀の大規模金融緩和、つまり円の超大量生産により、ドルに対する円の価値がほぼ半減した結果である。

 野田佳彦前首相が、衆議院の解散を口にした2012年11月半ばに、アベノミクス相場は事実上始まった。

1ドル=約80円だった為替相場は今、約120円だ。

例えば当時、1日の収入が8000円という人がいたとする。100ドルの買い物をするのに1日働けばよかったのが、今だと1万2000円要るので、1日半、働く必要がある。

 1日の収入だけで100ドルの物を買うには、この間、賃金が50%アップしていなくてはならない。

年率2〜3%程度の賃上げで感動している場合ではないのだ。
しかも、圧倒的多数の日本人は、2〜3%の賃上げさえ授かっていないのである。

 もちろん、私たちはドルではなく円で暮らしている。
だから気付きにくいけれど、日本人の労働の国際的値段が下がり、せっかくの原油安の恩恵も取りこぼした。

外国人観光客が割安の日本を楽しむ中、日本人は海外旅行がしづらくなった。

 ドルベースでの大幅賃下げが、消費の足を引っ張った、とバークレイズのリポート。

「強い日本を取り戻す」のなら、日本人労働者を貧乏にする「弱い円」政策は変えた方がいい。
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なんとなくダル〜い 寒暖差で体調崩す「春バテ」対策法

なんとなくダル〜い
寒暖差で体調崩す「春バテ」対策法
2015年3月21日 日刊ゲンダイ

 17日は各地で気温が20度を超え、18日も東京都心は21度まで気温が上がり、今シーズンで最高気温となった。

ところが、週明けの東京は、予想最低気温が1度と、「寒の戻り」でグッと寒くなる。

 毎年この時季になると、寒暖差で体調を崩す人が多い。

その上、なぜか気分まで落ち込み、通勤するのもおっくう――そんな「春バテ」状態について、医学博士で作家の左門新氏がこう解説する。

自律神経が乱れることが春バテの原因です。

自律神経には、日中優位になる交感神経と、睡眠時に優位になる副交感神経があります。

気温が低い時は、体温を保つため血管を収縮させる必要がある。
この働きをつかさどるのが交感神経です。

逆に、暑い時は、内臓の働きをコントロールする副交感神経が発汗を促進する。

普通は季節に合わせて徐々に自律神経が順応していくのですが、こうも暖かい日と寒い日が交互すると、切り替えが難しくなるのです。

その上、3月は異動や入社など、環境の変化でストレスをためやすい。
ストレスが副交感神経の働きを阻害し、睡眠の質が下がることも春バテの原因だと考えられます」

 どんな対策をすればいいのか。

「面倒でも寒い日は厚着、暖かい日は薄着と、変化に対応することが基本です。
また、毎日、起床時刻と就寝時刻を一定にし、自律神経の働きをコントロールする必要があります。
就寝前には徹底的にリラックスして、副交感神経の働きを優位にする。
逆に、起床時はラジオ体操などで体を動かし、交感神経の働きを活発にさせることです。

ストレスをため込まないために、ストレス発散法を見つけることも肝要です。

適度な飲酒などが有効ですが、自分に合ったものを探した方がいいでしょう」(左門新氏)

 どうしても仕事で帰宅が遅くなってしまう向きは、遅いなら遅いで就寝時刻や食事の時間を一定にするべきだという。
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老いた体と上手に付き合う

老いた体と上手に付き合う
2015年3月19日 読売新聞

山本紘子・藤田保健衛生大名誉教授

 健康長寿を願うなら若い時からの摂生が大切です、と前回書きました。

では、既に高齢となり、あちこちに支障をきたしている人はどうしたらよいでしょうか?

 長年の酷使で、内臓や骨、関節に生じた不具合は、すっきりとは治らず、少しずつ進行することも多いのです。

私は80歳の方であれば、「あなたは築80年の家です。家に不具合が起きたら、もう古いから、仕方がないとあきらめ、ちょっと手を入れて上手に住むか、新しく建て直すでしょう。
あなたの身体も同じで、新築のようにはできないので、上手に付き合っていきましょう」と話しています。

 上手に付き合うというのは、身体を酷使せず、大事にし過ぎもせず、毎日同じ調子を保って生活をすることです。

ついつい運動をさぼったり、食べ過ぎたりするなど規則正しく生活することは容易ではありません。

同じように生活していても、年を重ねれば、新しい不具合が生じてきます。
昨日までできた動作が、今日はスムーズにできないと、病気じゃないかと考えがちですが、加齢現象かもしれません。

私は、「今日が一番若く、明日は未知との遭遇です」と伝え、年を重ねる自分を客観的に見つめるようすすめています。

 90歳になった方が敬老の日にいただいたお祝い金を老後のために貯金されたという話を聞いたことがあります。

自分が生涯のどの辺りにいるかは意外に意識されていないようです。

 私が医師になった頃は、「もう年だから」と言われる患者さんが多かったのですが、今は老化は克服できるという風潮が強く、年と言われると拒否反応が起きます。

いつまでも若々しいことは素晴らしいことですが、楽観的過ぎず悲観的過ぎず、改めてほどほどを認識したいものです。
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2015年03月22日

「デブ」は病気なのか?

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
「デブ」は病気なのか?
2015年3月20日 読売新聞

 今週、気になった医療記事は、「『肥満は病気』提唱…日本のメタボ対策海外へ」というものです。
 いろいろな見方が好きな僕です。
いろいろな考え方があることをいつも提唱している僕です。
医療は人それぞれの要素が強いといつもメッセージを送っている僕です。
そんな僕的視点から今日はお話が始まります。

「肥満者=病気」には条件がある

 このタイトルだけをみると、「肥満は必ず病気」と思えます。
しかし、記事のなかで、「肥満は病気」を提唱している日本肥満学会の春日雅人理事長のコメントには、「肥満は世界的に増えているが、外国ではリスク要因とは捉えても、一定の条件にあてはまれば病気だという発想がない。

糖尿病や高血圧の治療は行っても、肥満の治療を行わないから根本的解決にならない」とあります。

つまり、肥満で一定の条件にあてはまれば病気なのです。
肥満者が全員病気とは言っていません。

一定の条件にあてはまらなければ、病気ではありません。
その点がとても大切に思えます。

 では、一定の基準とはなんでしょう。
厚生労働省のホームページをみると詳細に、わかりやすく書いてあります。

 その出だしはこうです。「BMIで肥満と判定されても、すぐに治療を始めるわけではありません。
医学的に減量を必要とする肥満を『肥満症』といいますが、肥満症は、次の二つの場合です。」とあります。

ひとつめは、BMIが25以上で、肥満に原因があるか肥満に関連していて、減量を必要とする健康障害を伴うものです。
BMIは体重(キロ・グラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル)です。

 そして肥満に関連する健康障害は、

1.耐糖能異常・2型糖尿病
2.脂質代謝異常
3.高血圧
4.高尿酸血症・痛風
5.脂肪肝
6.冠動脈疾患
7.脳梗塞
8.骨・関節疾患
9.睡眠時無呼吸症候群・Pickwick症候群
10.月経異常
11.肥満妊婦
12.心理的サポートが必要な肥満症  です。

今病気があって、減量すればその病気から解放される、または相当軽くなる症状が並んでいますので、これらの疾患を有する肥満は、病気であると考えるのは当然ですね。

「健康デブ」の判断基準

 さて、「肥満症」のふたつめです。
「BMIが25以上で、上記のような健康障害はなくても、検査によって内臓脂肪型肥満症と診断されたもの」とあります。

そして、それを知るためのスクリーニング方法が、立って息を吐いたときのへその周囲のサイズが、男性では85センチ・メートル以上で、女性では90センチ・メートル以上です。

そして確定診断は、CTスキャンによる測定で、へその断面積で、内臓脂肪が100平方センチ・メートル以上です。

 するとBMIが25以上でも、上記二つにあてはまらなければ、肥満症という病気ではありません。
ここが何より大切です。

つまり、今、肥満による病気がなくて、そしてCTスキャンによる内臓脂肪の量が100平方センチ・メートル未満であれば、病気ではないのですよ。
つまり「健康デブ」ということになります。

 二つめの基準は、メダボリックシンドロームの最初の一歩の基準と同じです。

 そしてこれを満たすと、2番目の診断基準に進みます。

そして脂質異常、高血圧、高血糖の項目でふたつ以上が異常値になるとメタボリックシンドロームとなります。
ここで高血圧と高血糖は、通常よりもきつめの設定になっています。

最初の一歩の正確な診断はCTスキャンです。
 僕は肥満を一生懸命研究している先生方が間違っているとは思っていません。

かれらのメッセージが正しく反映されていません。
つまり、へその周囲径だけで、メタボリックシンドロームと思っている人は、ぜひCTスキャンで正確な内臓脂肪の測定をして下さい。

そして、内臓脂肪が100平方センチ・メートル未満であれば、まずメタボリックシンドロームではありません。

そして、肥満による病気がなければ「肥満症」でもないのです。

つまり「健康デブ」なのですよ。

長生きは「ちょい健康デブ」

 実際に、国立がん研究センターの男性16万人を平均11年間追跡した調査では、全死因でもっとも死亡率が少なかったのは、なんとBMIが25から26.9のグループです。
このグループは肥満に該当するグループなのです。

 つまりこの結果からは、男性では「ちょい健康デブ」がもっとも長生きということになります。

 もっと知りたい方は僕の本「長生きしたけりゃデブがいい」(ソフトバンク新書)を読んでください。

そしてこの本を上梓じょうししてから、肥満の患者さんが僕の外来に急増し、愛誠病院(東京都板橋区加賀)に肥満合併症解消入院を導入しました。

2週間の入院です。
この入院の目的は、肥満による病気のチェックと指導、そして肥満自体への対応は内臓脂肪を100平方センチ・メートル未満にすることに主眼が置かれています。

もちろん病気なのですから医療保険が利きますよ。
 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。

◆ 新見正則(にいみ まさのり)
      帝京大医学部准教授
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2015年03月23日

「自信と理想を失った日本人、神風特攻隊を美化」

自信と理想を失った日本人、
                  神風特攻隊を美化
2015年3月22日 7時8分 朝鮮日報

 第2次大戦末期、旧日本軍が行った自爆攻撃を意味する「神風特攻隊」。

このために投入された戦闘機「零戦」が最近、日本の大衆文化のサブカルチャーのアイテムとなっている。

1970年代にパプアニューギニアのジャングルで発見された零戦を、2008年に日本の企業関係者が購入し、現地で6年間保管した後、昨年日本に持ち込んだ。

翌月には実際に飛ばすと主張し、ウェブサイトを開設して募金イベントを行った。
「日本人の零戦、再び日本の空へ」と銘打ったイベントには先月までに1018人が参加し、2344万円を寄付した。
現在、専門業者による整備が行われており、その現況は随時サイトで公開されている。

 このようなブームの背景には、神風特攻隊を描いた映画『永遠の0』がある。
この映画は先月、日本アカデミー賞の作品賞など8部門を総なめにした。

原作者の百田尚樹氏(59)は、安倍晋三首相(60)と親交のある右派の小説家だ。

原作で百田氏は、一人一人の日本兵がどれだけ純粋な心をもって戦ったのかということをたびたび強調した。
小説の中の特攻隊員たちは「さわやかな笑みを浮かべ」米軍の艦艇に向かって突撃した。

(広島と長崎への)原子爆弾投下の知らせを聞いても「死んで祖国を守ることができるのなら、潔く死ぬ」と誓った。
そこに侵略戦争に対する反省はない。

テレビ東京が先月、この小説を基に開局50周年記念ドラマを放送した。
視聴率は10%に迫った。

 神風特攻隊研究の第一人者である米国ウィスコンシン大学の大貫恵美子教授は5日、本紙とのインタビューで「危険な現象だ」と指摘した。

「百田氏は全く美しくなかった現実を、あたかも美しかったものであるかのように描写した。

神風特攻隊は敗戦が確実な状況で意味のない任務を強要したものだ。
生存者たちは『まるで犬みたいな待遇だった』と証言した。

零戦を再び飛ばそうというのは時代錯誤だ。
そんなことに金を出した人たちが、戦争の歴史をきちんと知っているのか疑問だ

 大貫氏は10年以上にわたり、特攻隊員の日記や手紙などを分析し、遺族に対するインタビューを行った。

その多くの人たちが名門大学の出身だった。
心の中では軍国主義を批判していたが、敗戦直前のなすすべのない状況の中で召集された。

京都大学出身の?尹夫は、兵営で日記に「祖国愛の感情はもはやない」とつづった。

林尹夫は日本が降伏する21日前、搭乗していた戦闘機が米軍に撃墜され戦死した。

 同じく京都大出身の林市造も、降伏の4カ月前に戦死した。
すでに父親を亡くしていた林市造は特攻隊員として出撃する前、母親に宛てて「悲しいときは泣いてください」という手紙を書いた。

母親は息子の死後「大西(瀧治郎)中将(神風特攻隊作戦の立案者)は死ななければならない」と言い、88歳で死去するまで軍部を許さなかった。

 特攻隊員たちの多くは、天皇のために出撃したわけではなかった。

「どうせ出口が見えないのなら死んでしまおう」と、諦めを背景に死を覚悟したのだった。
心の奥底では「一体何のために死ぬのか」という苦悩があった。

そんな神風特攻隊がなぜ今注目されているのか。

大貫教授は「右傾化という言葉だけで全てを説明するのは困難だ」とした上で「日本の多くの国民が自信や理想を失ったことに原因がある」と指摘した。

 「日本社会は豊かだが、エネルギーがない。何か仕事をしようという計画はあっても、何か価値を追求しようという理想はない。

長期間の不況によって自信も失った。
生きる目標を失った若者たちにとって零戦は『日本が強かった時代』の象徴であり、神風特攻隊は『個人の枠を越え、もっと大きな何かを追い求めた人たち』の象徴のように感じられる。

このような象徴が存在するのは危険だ。

『犠牲になることは美しい』と主張し、その裏で敵を悪魔のように見なし、弱者を抑圧するからだ」

 日本社会にはこのような批判に共感する人たちが多い。

日本アニメ界の巨匠として知られる宮崎駿監督(74)も2013年、零戦を開発した堀越二郎の青春時代を描いた『風立ちぬ』を制作した。

だが、「永遠の0」は特攻隊員が青空に向かって飛んでいくシーンで終わるのに対し、宮崎監督は日本の敗戦や主人公の悔恨まで描いている。

宮崎監督は日本メディアのインタビューで「百田氏は神話をでっち上げている」と主張した。

日本で『風立ちぬ』に共感した人(売り上げ120億2000万円、2013年の興行収入1位)は、『永遠の0』に熱狂した人(同87億6000万円、14年の興行収入1位)よりも、現時点ではまだ多い。
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2015年03月24日

原発廃炉 再稼働の口実にするな

原発廃炉 再稼働の口実にするな
2015年3月23日 東京新聞「社説」

 関西電力美浜原発1、2号機(福井県)など、運転開始から四十年を迎える小型原発五基の廃炉が決まった。

再稼働ラッシュや大型炉新設の口実にしてはならない。
原発ゼロへの道は踏み外せない。

 政治主導の廃炉である。

 昨年十月、当時の経済産業相が、電気事業連合会に、運転開始から四十年を迎える原発の早期廃炉を決断するよう促した。

 四十年寿命、廃炉は法が求める当然の措置である。

だが背景には政権の思惑がにじんでいる。

 新たなエネルギー基本計画は、原発を重要電源と位置付け、基準に適合した原発の再稼働を進めるとした。

一方で原発への依存度を可能な限り低減するともうたっている。

依存度低減を演出しつつ、大型炉の再稼働を円滑に進めるために、廃炉によって老朽化した小型(三十五万〜五十五万キロワット)の数をいくつか減らす必要がある。

 事業者側がこれを受け入れやすくするために、政府は十三日、原発の廃炉に伴う損失を十年間に分割し、電気料金に上乗せできる新たな会計制度を施行した。

 事業者側には計算がある。

 法律は、最長二十年の運転期間延長を、一回だけ認めている。

だが、特別点検の対策費がかさむ。
それより、採算に合わない小型炉を廃棄して、効率よく利益を生む大型炉に置き換え(リプレース)たいというのも本音だろう。

 政治や経済の都合を優先させて、原発依存度低減をうやむやにしてはいけない。
あくまでも、住民、国民の安心安全が最優先、どんなエネルギーをどのように使うかは国民が決めるべきである。

 廃炉を決めた。
だがそれは長い道のりの始まりだ。
課題も多い。

 廃棄物をどうするか。
安全確保は。費用は誰が負担するのか。
何より立地地域の振興は。

 茨城県東海村の東海原発は、廃炉から十四年。
原子炉の解体作業には至っていない。
解体ごみの受け入れ場所がないからだ。

 廃炉により、交付税収入が断たれる立地自治体の不安も深刻だ。

 福井県の西川一誠知事は廃炉事業による雇用確保を電力側に要請した。
しかし、それだけでは、地域は再生・自立しない。
原発依存を抜け出せない。

 たとえば既存の送電網を活用した再生可能エネルギービジネスなど、地域発の新事業育成のために、交付税を付け替えるなど、国策として原発を推進してきた国の強力な支援が必要だ。
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2015年03月25日

袴田事件釈放1年:立場は「死刑囚」のまま 選挙権なく

袴田事件釈放1年:
立場は「死刑囚」のまま 選挙権なく
毎日新聞 2015年03月24日 17時45分

 1966年に旧清水市(現静岡市清水区)で起きた強盗殺人事件で、死刑が確定した袴田巌さんが釈放されて27日で1年。

東京高裁で続く再審請求は審理終結のめどが立たない中、釈放後の生活には制度の壁が立ちはだかり、半世紀近くたって開示される捜査側の証拠も相次ぐ。

刑事事件を巡る重い課題の現状を追った。【荒木涼子】

 ◇年金受給資格も刑事補償もない

  49年ぶりに塀の外で迎えた誕生日翌日の11日、袴田巌元被告(79)は姉秀子さん
(82)から「またボクシング見に行こうか」と話しかけられると、「ああ。女のボクシングはスピードがあって無理がないな」と応じた。

 浜松市の秀子さん宅にある南向きの部屋。
会話はまだかみ合わないが、年間を通じて差し込む陽光で袴田さんは収監中より日焼けし血色もいい。

出所後しばらくは室内を延々と歩き続ける不思議な行動が目立ったが、今は腰を落ち着け、趣味の将棋を客相手に指す。

 精神科医として東京拘置所で死刑囚を診察していた加賀乙彦さん(85)は「将棋などのゲームに興じるのは拘禁症状からの回復の兆し。
完治には親しい人に理解してもらいながらゆっくりと話し合うことが必要」と話す。

 袴田さんは自宅で多くを過ごすが、姉と連れだって散歩や食事にも出かけ、長かった拘束生活に比べれば自由を取り戻している。

 だが釈放後のこの1年間、浮かび上がってきたのは“見えない壁”だった。

「死刑囚のままだということを嫌という程思い知らされた」。
支援者の一人は唇をかむ。

 公選法は「禁錮刑以上の受刑者は選挙権を有しない」と定めており、無罪が確定しない以上、投票できない。

昨年末の衆院選、投票所入場券が送付されることはなく、袴田さんは秀子さんの投票について行っただけ。

来月の統一地方選は浜松市長選などにも一票を投じることができない。

 大阪高裁は2013年9月、「受刑者の選挙権の一律制限は違憲」とする初判断を示し確定した(東京高裁は同12月に「合憲」判断)。

倉田玲(あきら)・立命館大教授(憲法学)は「憲法改正の国民投票は受刑者を除外しておらず、今まで不明確だった選挙権制限範囲を議論する必要がある」と指摘する。

 無罪が確定しない以上、拘束期間に応じて支払われる刑事補償がないばかりか、元死刑囚が未納の保険料を納めれば年金が受給できる特例法の対象からも外れてしまう。

 昨年3月27日の静岡地裁の再審開始決定は、証拠は捜査機関によって捏造(ねつぞう)された疑いがあり、これ以上の拘束が「耐え難いほど正義に反する」と断じて袴田さんは釈放された。

弁護団は「異例の釈放につながった決定は、無罪に限りなく近い重みを持つ。

取り返しのつかない時間が今も刻々と過ぎており、市民としての権利回復のため手を打っていきたい」と話している。
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PTA改革のススメ=山本浩資(東京社会部)

記者の目
PTA改革のススメ=山本浩資(東京社会部)
毎日新聞 2015年03月25日 東京朝刊

 ◇義務感排し自発的に

 東京都の大田区立嶺町小学校(児童数約730人)では、PTAをPTOと呼ぶ。

「Parent(親)Teacher(先生)」までは同じだが、「Association」(協会)ではなく、「Organization」(団体)の略語を使う。

嫌々やるイメージの「A(えー)」ではなく、楽しむ学校応援団の「O(おー)」の意味もある。

権威的な印象の「役員会」は「ボランティアセンター(ボラセン)」に、
「会長」は「団長」と名称を変えた。

義務的なPTAの概念は捨てることができる。
私がPTO団長として3年間、仲間と一緒に進めた組織のイノベーションを紹介したい。

 ◇「もしドラ」参考、まずは意見収集

 新学期を控え、運営に頭を悩ませているPTAは多い。
いくつか他校のPTAから相談を受けたが、悩みは同じ。

「役員や委員のなり手がいない」
「前例踏襲の活動が続いている」
「改革するにはどうすればいいか?」。

何かを変えようとするとき、リーダーは孤独だ。
私も最初そうだった。

改革の旗を揚げても、変えることへの抵抗や、失敗したときの責任を気にする人がいて、はじめの一歩が踏み出せない。

「心の壁」を取り払い、理念を共有する仲間集めこそが、改革を進める大切なポイントとなる。  

私は、人気小説「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海著)を参考に、「もしドラPTA」と題して、ドラッカーの言葉を使って改革の必要性や背景を説明した。

「会員のマーケティング調査が必要」と、アンケートを数回実施。
就任半年後のアンケート(回収率96%)には、「悲痛な叫び」が寄せられた。

 「お金を払うからやめさせてほしい」は、会社を休み1点1円のベルマーク集計を行った母の声。
また、子供が在籍する6年間に1回は全員が役職につくルールがあり、別の育休中の母は「乳児を背負って資源回収に参加した」。

 かつてPTA活動の担い手は、専業主婦や自営業の人が中心だった。
共働き世帯が増え、前出のアンケート(大半は母親が回答)結果では、フルタイム勤務、パート勤務、専業主婦の割合が3分の1ずつで同じ。

なり手が減った結果、活動継続のため全員参加の強制力は強まっていた。

 「ボランティアをしたことがある人はいますか?」  学校で開いた「もしドラPTA」説明会で尋ねると、手を挙げたのは参加者80人のうち10人。
「PTA委員を経験したことがある人」は、ほぼ全員が手を挙げた。

「PTAはボランティア」と一般的に言われているものの、ボランティアだと思って参加した人は、ほとんどいなかった。

 PTAは任意加入のボランティア団体だ。

文部科学省によると、PTAの設置を義務づける法律はなく、社会教育法による社会教育関係団体に位置づけられる。
ボーイスカウトなどと同じで、本来は参加するかしないかを自由に決められる団体だが、「PTA参加は全ての保護者に課せられた平等の義務」と理解されるケースが多い。

 ◇前例とらわれず、支え合って行動

 世間一般のPTAに対するマイナスイメージの原因は、「平等の義務」の概念から派生する「3本の『や』」にある。

「やらないといけない=義務感」
「やらされている=強制感」
「やらない人がいる=不公平感」。

「3本の『や』がなくなれば、PTAはハッピーになる」。

そう説くと、共感する保護者の輪が広がった。

校長をはじめ、学校側の理解も大きかった。

 「平等の義務」を廃し、前例踏襲の活動をすべて見直した。
六つあった委員会はすべて解体。

昨年4月、完全ボランティア制のPTOに変え、必要な活動ごとに参加者を募った。

運営側と参加者側の負担を軽減するため、「嶺小PTO」ホームページを開設し、ネット上で双方向の情報伝達を可能にした。

 あくまでも自発的な活動で、義務でも強制でもない。

個人の自由な意思で考え、発想し、行動する。

自由参加のボランティアと定義づけたことで保護者の参加意識が変わり、アイデアしだいで活動に人が集まるようになった。
父親の参加も増えた。

 お祭り、防災訓練、パトロールなど、PTOになった1年間の参加ボランティアは延べ450人。
運営で苦労する時もあるが、従来のPTAの概念を捨てたことで、前例にとらわれず互いに支え合って行動する環境ができた。

「役員」改め「ボラセンスタッフ」には、活動のコーディネーター(つなぎ役)の意識が芽生えた。
自ら行動する大人を見て、子供は「ボランティアとは何か」を学ぶ機会にもなる。

 こうしたボランティアの輪は、地域社会の中で役立つ時がきっとある。
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2015年03月26日

企業の顕彰 正しい経営を広めよう

企業の顕彰 正しい経営を広めよう
2015年3月25日 東京新聞「社説」

 長時間労働、非正規社員の増大、会社都合の人員整理など人を大切にしない経営を変えたい。
そんな目的の企業表彰式が先週、あった。

「正しい経営」が広まれば、この国はもっと良くなるはずだ。

 私立大の大ホールを埋めた約五百人の聴衆は水を打ったように静まり返った。

九十歳の女性経営者の訥々(とつとつ)とした言葉に集中した。
 福島市の体育着製造「クラロン」の田中須美子会長は亡夫が創業した会社を十三年前に継ぎ、遺志である障害者雇用拡大に尽くしてきた。
障害者雇用率は法定の約2%を大きく上回る35%超で希望すれば生涯雇い続ける。

 「夫を亡くし沈み込んでいた私を立ち直らせてくれたのが、障害があるK君でした。
彼のやさしさに涙し、自立を目指して頑張る姿に励まされた。
そんな彼らが退職したらどうなるのか、親を支えている子もいる。
だから雇い続ける責任がある」と静かに訴えた。

 女性や高齢者の雇用にも積極的だ。
最年長の女性営業課長は七十八歳。
寿退社した社員が子育てを終えた五十三歳の時に再雇用したり、
五十八歳で入社し亡くなる七十八歳まで勤めた例も。
常識外れのような経営をさも当然のように話す使命感に聴衆は心打たれた。

 今年で五回目を数えた「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」の授賞式の様子である。
学者や経営者らでつくる「人を大切にする経営学会」の主催。
正しい経営を続ける企業を顕彰することで、一社でも多くそういった会社を増やしていく狙いだ。
強調しているのが、人を大切にする経営は結果的に業績も良いという事実である。

 アベノミクスは「世界で一番企業が活躍しやすい国」といった経営者寄りの経済政策をとり、株価や業績重視の経営が主流となっている。
その陰で、成果を求められる社員や、その家族が犠牲となる。
幸せも豊かさも感じられないのであれば、いくら企業業績が良くても意味はないのではないか。  

業績や株価は経営の結果であって目的ではない。
しかし、それらを目的とする「間違った経営」をするから不幸が生まれるといえる。

 この表彰の応募資格は厳しい。
過去五年間にわたり、会社都合の人員整理や仕入れ先へのコストダウン強制をしていないこと、法定雇用率を上回る障害者雇用、そして黒字経営である。

今回は四十七件の応募があり、十三社を表彰した。
世の中を良くするのは正しい経営である。
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2015年03月27日

引き下げ決定で波紋広がる 「施設から在宅へ」移行促進 事業者の経営不安も[介護報酬]

引き下げ決定で波紋広がる
「施設から在宅へ」移行促進
 事業者の経営不安も[介護報酬]
2015年3月15日 6時0分 現代ビジネス

介護報酬の改定率を引き下げて、サービスの質は保てるのか――。

2月にまとまった介護サービスの公定価格となる2015〜17年度の「介護報酬改定」が波紋を広げている。

訪問介護や「みとり」を充実する事業者への報酬を厚くして「施設から在宅へ」の移行を促す半面、
利益率が大きいとされる特別養護老人ホーム(特養)やデイサービス(通所介護)の事業者には大幅な基本料引き下げを決めた。

人材不足改善に向けて、介護職員給与を月額1万2000円上積みするが、現場からはそもそも経営自体が赤字に陥る可能性もあるとの懸念の声が出ている。

特養や訪問介護など介護サービスごとの基本料などが公定価格で決まる介護報酬は、原則3年に1度改定される。

年明けの15年度予算編成過程でサービス単価を平均2・27%減と06年以来9年ぶりの引き下げが決まっていたため、2月6日の配分決定では、ほぼ全てのサービスで基本料が削減された。

特に特養は平均6%弱の削減。

みとりや認知症対策に取り組み加算を算定できなければ減収は避けられない仕組みだ。

介護報酬は09年度以降、介護職員の賃金改善を踏まえてプラス改定が続いていた。

全国老人福祉施設協議会(老施協)は改定後に見解を表明し、特養の人件費比率は平均63・7%にも及び、報酬減で人件費抑制やサービスの質や量の低下の懸念があるとして、「6割の特養ホームが赤字に転落する」と強調。

「負のスパイラルを生み出した歴史的改悪となる」と強く厚生労働省を批判した。

だが、今回は改定論議の早い段階からマイナス改定の流れが固まっていたのが実情だ。

口火を切ったのは、毎年1兆円規模で増える社会保障費の伸びの抑制を図りたい財務省だ。
現在の介護費は約10兆円だが、団塊世代が全員75歳以上になる25年度には20兆円超まで膨らむ見込み。

その中で、国・地方の税金と40歳以上の保険料や利用者負担(原則1割)で賄われる介護報酬は、1%カットで税金約520億円が浮かせられ、国民負担も軽減できる。

財務省は昨年10月、「特養は平均8・7%の収支差率を上げ、中小企業の2・2%を上回っている」などとして、過去最大の3%程度の大幅削減を迫った。

特養など主な運営主体である社会福祉法人を狙い撃ちし、1施設当たり約2億円弱の内部留保があると「もうけ過ぎ」を指摘した。

厚労省も経営難やサービス低下の懸念から反論したが、処遇改善に充てられるはずだった消費税10%財源が増税延期でなくなったことや、介護費適正化の必要性などからもプラス改定までは困難と判断。
焦点は早々とマイナス幅のせめぎ合いに移った。

■全体の改定率2・27%減

ただ、03年の2・3%減を上回る「過去最大のマイナス幅」となると福祉軽視とのメッセージと受け取られ、春の統一地方選に悪影響が出かねない。

最後は官邸が財務・厚労両省の仲介に乗り出し、政治的リスクを回避するギリギリの2・27%減で決着させていた。

その結果、ほぼ全ての介護サービスで基本料がカットされる報酬配分が決定。

特に基本料が平均6%弱も削減される特養では、1部屋4人の相部屋では住民税課税世帯の入居者には8月から室料分の1日470円(月1万4100円)が自己負担で求められる。

同時に事業者報酬もその分5%程度切り込まれる。

日帰り入浴などをする通所介護でも、利用者300人以下の「小規模事業所」ではサービス料が割高だった実態を踏まえて10%弱も減る。

他方、4月から特養入居が原則要介護3以上の中重度者に限られることも踏まえ、「施設から在宅へ」の誘導は強化する改定だ。

例えば、訪問介護では、中重度者を積極的に受け入れて基準以上の職員配置なら事業所報酬を上増す。

24時間体制の小規模多機能型居宅介護では、死期が近い人のケアをする「みとり介護」体制を評価する加算も新設した。

特に、ホームヘルパーらが24時間いつでも自宅に駆けつける「定期巡回・随時対応サービス」では、在宅介護を推し進める12年改定の目玉とされながら参入が伸び悩んでいた。
しかし、今回は高齢者が利用可能な介護保険限度額を減らせる加算の仕組みを作り、算定しやすくした。

とは言え、難題は人材不足が深刻な介護職員の賃金アップなど処遇改善への対応だ。

高齢化により、25年度に必要とされる介護職員は約250万人で、現状では約30万人が不足すると見られている。

政府は09年度以降の措置で月3万円上積みできたと語るが、介護職員賃金は平均月額約22万円で、全産業平均(13年時、32万4000円)の7割未満と低水準にとどまる。

厚労省は今回、「処遇改善加算」の上乗せ評価を新設し、算定すれば月1万2000円アップできるよう別枠で手を打った。

賃金改善計画の提出や実績報告などで実効性も担保すると強調する。

しかし、加算対象は介護職員のみで、看護職員やケアマネジャーなどの賃上げには別途対応が必要となる。

老施協は今回の改定で、1施設当たり平均で年間約1500万円の減収にも達すると試算。

厚労省は、みとりや認知症加算など各種上積みされた加算を算定すれば減収分の補塡は可能とみるが、すべての施設が対応できるとは限らないのが実態だ。

介護業界の強い反発に、与党の厚労関係議員は「まずは改定が現場認識と合っているか見極める」と検証の必要性を語るが、「みとりやリハビリなど、現場の意識改革を促す改定でもある」との認識も持ち合わす。

「理事長が黒塗りの高級車に乗っている」など批判を受ける特養もあった介護業界。
神奈川県のある社会福祉法人の理事長は「各経営者が努力しないと、業界全体がそっぽを向かれてしまう」と危機感を口にする。
介護業界の一層の自助努力もまた求められている。
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世の中から希望を奪う政権の「賃下げ」政策

日本経済一歩先の真相/高橋乗宣
世の中から希望を奪う政権の「賃下げ」政策
2015年3月27 日 日刊ゲンダイ

 この先、日本の労働賃金が上がることはないのではないか。
そんな思いすらよぎってくる。

 連合がまとめた今年の春闘の1回目の回答集計によると、ベアと定昇を合わせた賃上げ率の平均は2.43%と、昨年4月の消費増税分にも満たなかった。

回を追うごとに中小企業の割合が増え、最終的な賃上げ率はさらに下がる。

これでは19カ月連続マイナスの実質賃金を押し上げる効果は、全く期待できない。

 2.7兆円と空前の営業利益を上げる見込みのトヨタでさえ、組合員の平均賃上げ率は3.2%に過ぎない。
円安メリットを最大限に享受する輸出大企業でも、この程度しか従業員に還元できないのだ。
その背景には経済のグローバル化による産業構造の変化、国際価格競争を理由とした人件費の抑制などさまざまな事情が横たわっているのだが、安倍政権はさらなる「賃下げ路線」に舵を切ろうとしている。

 今国会での成立を目指す「残業代ゼロ法案」(労働基準法改正案)は、日本人の働く価値を根本からネジ曲げ、間違いなく収入減をもたらす。

法案の中身で特に問題なのは、企業の営業・管理部門まで「残業代ゼロ」の裁量労働制の対象業務にし、大半の従業員を成果主義の網にかけようとしていることだ。

 一概に「成果」といっても、その評価基準は曖昧だ。
課せられるノルマは個別企業の営業実績や、極端に言えば上司のさじ加減ひとつで変わる。

人事評価の客観的な基準がないまま、多くの従業員は成果主義の荒波にいきなり放り込まれてしまう。

上司に命じられたノルマを達成できなければ即、残業代ゼロ。
これからのサラリーマンは経済学の常識だった「労働時間」という明確なモノサシを失い、今までもらえた収入を一方的に削られ、働きづめの毎日を強いられかねないのである。

 安倍政権は今国会で“生涯ハケン”の若者を激増させる「派遣労働法改正案」の成立ももくろんでいる。

経営サイドから見れば、これまで以上に労働力を低賃金の派遣に依存でき、「脱時間外労働」で正社員の賃金も抑えられる。

経営側にとっては安倍政権の「賃下げ路線」は万々歳だろうが、こんな社会で若い人たちは何を求めて仕事に就けばいいのか。
高い理想を掲げ、自分は将来こうなりたいという目標を立てられなくなるのだ。

 2つの悪法から透けて見えるのは、安倍政権が全労働者の働く価値を不当に貶め、買い叩くことに必死な姿だ。

これが「日本を取り戻す」をスローガンに掲げた政権のやることなのか。

安倍政権は日本の経済や雇用、いや、日本人の生き方そのものまでメチャクチャに壊す方向へと向かっている。
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2015年03月28日

沖縄・座間味村 地上戦から70年「集団自決」遺族ら「平和之塔」に献花

沖縄・座間味村 地上戦から70年
「集団自決」遺族ら「平和之塔」に献花
2015年3月27日(金) しんぶん赤旗

 アジア・太平洋戦争の末期、沖縄県の慶良間(けらま)諸島に米軍が上陸して沖縄で地上戦が始まった1945年3月26日から70年を迎えた同日、最初の米軍上陸の地となった座間味(ざまみ)村で村主催の「慰霊祭」が営まれました。

 70年前の3月23日、米軍は慶良間諸島に激しい砲撃を行い、26日に座間味村の島々、27日に渡嘉敷(とかしき)村の島々に上陸しました。

多くの住民が犠牲となり、日本軍が強制し、家族が殺し合う「集団自決(強制集団死)」も起きました。

 遺族代表としてあいさつした平田文雄さん(85)は「70年前の今日この地において苛烈なる戦闘が行われ、多くの村民、私たちの親兄弟、親族も残念ながらこの地で命を絶たれる運命となりました。
私たち残された遺族もこの地の歴史を子や孫に伝え、歴史が風化しないように努め、次の平和へつなげていきたい」と述べました。

 中学生3人が「受け継がれた命を大切にし、この美しい島々で起きた戦争の悲劇を次の世代に語り継ぎ、平和で住みよい村づくりを目指します」と平和宣言しました。

参列した遺族らは「平和之塔」に献花・焼香しました。

 翁長雄志(おなが・たけし)知事が「私たち県民が沖縄戦で身をもって学んだ多くの教訓を胸に刻みつつ平和を愛する沖縄の心を発信し続けていかなければなりません」と電報を寄せました。
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川崎事件 中高生が「酒買え」「いくら払う?」と記者に要求

川崎事件 中高生が
「酒買え」「いくら払う?」と記者に要求
2015年3月27日 7時0分 NEWSポストセブン

「テレビ局から10万円もらった仲間がいる。
それくらいの金額は出せるんだろ、お宅はいくら払えんの?」
「話聞きたいの? いくら?」

 神奈川県・川崎市の中学1年・上村遼太君が殺害された事件で本誌記者が上村君や逮捕された少年らを知る中高生を取材しようとすると、彼らは揃ってそんなことを口にした。

最初に謝礼を求めるような“情報源”に信頼できる話はないのが常識だ。

お金が取材の前提ではない旨を伝えると、「じゃあ(チューハイの)『氷結』買ってこいよ」という始末。

 被害者は中学1年生、主犯格だった少年は18歳、一緒に逮捕された2人も17歳という事件だっただけに、取材対象が中高生になるのは当然だ。
メディアの取材攻勢の結果、加害者、被害者と関係する少年たちを囲い込むべく“札束合戦”が繰り広げられた。

ブロック紙記者がこう語る。
「ウチは東京にいる記者の人数が少ないから出遅れてしまって、取材に行ったときにはすでにテレビ局が取材したあとでした。
事件現場周辺にいた少年たちに話を聞こうとすると、『俺たちは○○テレビにしか話さねぇから』という。
お金を受け取ったから、他には口を割らないというのです。
しかし一方で、『それで、お宅はいくらくれるの?』と聞いてくる。
完全に増長していますよ

 被害者が顔を「青アザ」で腫らした写真を入手すべく、カネをバラ撒いたテレビ局もあったという。

 過去には1997年の神戸連続児童殺傷事件でも同様のことが起きた。
当時、酒鬼薔薇聖斗を名乗る犯人の少年(当時14歳)と同じ中学校の少年はメディアの名刺を束で持ち歩き、それを見せながら「ここはいくら払ってくれた」と嘯いた。

 事件現場近くに住む少年がこう口走った。
「カネをくれるどころか、タバコ1カートンしか買ってくれなかったケチなメディアがいたな。いろいろとしゃべってやったのによ」

 少年同士の殺人というショッキングな事件は、子供社会の暗部を浮き彫りにすると同時に、カネとモノで子供を支配すればいいという大メディアの浅ましさを露わにした。

※週刊ポスト2015年4月3日号
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2015年03月29日

沖縄戦70年 再び捨て石にはできぬ

沖縄戦70年 再び捨て石にはできぬ
2015年3月28日 東京新聞「社説」

 沖縄の反基地闘争が知事を先頭に空前の高まりを見せている。
本土の捨て石になった沖縄戦から七十年。
再び犠牲を強いてはならない。

 名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前。
新基地の建設に反対して座り込む人々の中に八十五歳の島袋文子さんがいる。

 地元の集落に一人で暮らす島袋さんは昨年夏から、雨の日も風の日も休まずに朝から座り込みに加わる。
島袋さんにとって辺野古は、日本を再び「戦争のできる国」にしない闘いの最前線という。

◆血の泥水すする15歳

 ジュゴンが生息するサンゴ礁の大浦湾に沖縄防衛局の船が物々しく停泊する。
その光景は、島袋さんに沖縄戦を思い起こさせる。

 先の大戦で沖縄は米国との本土決戦を遅らせる“捨て石”だった。

 一九四五年三月二十六日、米軍艦隊は沖縄本島西の慶良間諸島に上陸。
猛攻撃によって、日本軍が組織的戦闘を終える六月二十三日までに全土を壊滅状態にした。

 日本軍は住民に軍と一体となった戦いを強いながら、スパイ行為を疑って方言を禁じた。
手りゅう弾を配り、捕虜になるよりも「自決」を促した。
肉親同士が手をかけての集団自決は沖縄戦の壮絶さを象徴する。

餓死、病死者を含め、県民の四人に一人、約十五万人が犠牲になった。

 十五歳だった島袋さんの古里、糸満市も激戦地となった。
累々と死体が横たわる戦場を目の不自由な母の手を引き、十歳の弟を連れて逃げた。
昼は木陰に隠れ、夜に移動した。
のどが渇き夢中で水たまりの泥水をすすった。

 翌朝、その水たまりには血だらけの死体が横たわっていた。
 親子で身を潜めていた壕(ごう)を米軍に火炎放射で焼かれ、全身に大やけどを負った。
捕虜となって命を取り留めたが、生涯足を引きずる傷が残った。

◆琉球処分の総仕上げ

 沖縄の戦後はこの悲惨な体験に報いるものではなかった。
本土と異なる戦争が継続する島だった。

 一九七二年の施政権返還まで戦後二十七年間、米軍施政権下に置かれた。

基地周辺ではレイプなど米軍犯罪が頻発。
本土復帰後も治外法権は変わらず、平和や人権の憲法よりも日米安保条約や日米地位協定が優先された。

ベトナム戦争ではB52爆撃機の出撃基地になり、湾岸、イラク戦争では海兵隊が沖縄から出撃していった。

 狭い県土に広大な基地がある。
フェンスの向こうには迷彩服で銃を構える兵士の姿がある。
沖縄には常に戦争が隣り合わせていた。

 宜野湾市の米海兵隊普天間飛行場の移設先として、辺野古に造られようとしているのは、二百年は使える最新鋭の基地だ。

オスプレイを搭載する強襲揚陸艦が接岸できる軍港機能も備え、沖縄の軍事基地化はより強固になるだろう。

 沖縄に新たな基地負担を強いる計画に県民の怒りは頂点にある。

 仲井真弘多前知事を公約を翻して建設を認めたのは無効だと、昨秋の県知事選で落選させた。

衆院選では全選挙区で反基地派を当選させた。

翁長雄志新知事は作業停止を指示した。

 安倍晋三首相や官房長官は新知事に一度も会わず、掘削調査を強行する。
沖縄の怒りに鈍感すぎないか。
かつて自民党の幹部には沖縄への罪責感から思いを寄せる人が少なくなかった。

 野中広務元官房長官はたびたび沖縄を訪れ「沖縄を忘れることは、第二次大戦を忘れること。

戦争の恐ろしさを忘れないためにも沖縄を絶対に忘れてはいけない」と語り、遺骨の一部を慰霊塔に納めてほしいと望んだ。
そんな自民の心はどこにいったか。

 集団的自衛権の閣議決定と安保法制の整備によって、安倍政権は戦争のできる国に進んでいるようにみえる。
辺野古に何がなんでも新基地を造る姿勢だ。

 那覇市在住の作家大城立裕さんは語る。
「日本政府は沖縄の歴史に対する反省もなく、沖縄を軍事植民地のように扱い続ける。
社会的差別は薄らいでも、政治に差別が残っている。
辺野古の新基地は、明治以来の琉球処分の総仕上げだ」。

百五十年続く差別と犠牲の歴史。
基地の県外、国外移転が真剣に考えられてもいいのではないか。

◆両手を上げて抵抗

 沖縄戦で無念に死んでいった人や子孫の未来を思いながら、島袋さんは今日も座り込みに連なる。

「国を守るだなんて言う人は、血の泥水をすすってから言ってごらん。

自衛隊を戦場に行かせて、格好いいのか、面白いのか。
その目で見てから辺野古に基地を造ると言ってごらん」

 沖縄戦で島袋さんは、大やけどを負った両手を上げて壕から投降した。
今、その両手を上げ、基地建設のトラックの前に立ちはだかる。

それは七十年前、十五歳の少女にかなわなかった抵抗の姿だ。
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2015年03月30日

消費税8%1年 実質賃金目減り、特売には長い列 家計負担、なお重く

クローズアップ2015:
消費税8%1年 実質賃金目減り、
特売には長い列 家計負担、なお重く
毎日新聞 2015年03月29日 東京朝刊

 昨年4月に消費税率が8%に引き上げられてから、まもなく1年。
増税と物価上昇の負担は、いまだに家計に重くのしかかっている。

昨年秋以降は原油価格の下落で物価上昇は和らぎ、消費は持ち直しつつあるものの、力強さを欠いたまま。

円安や輸出増で大企業の業績が好調な一方、中小企業や地方への波及は道半ばだ。

安倍政権は2017年4月に消費税率を10%にする方針。
企業に賃金の引き上げを促し、消費を底上げしようとしているが、再増税に耐えられる経済環境を果たしてつくれるか。
【小倉祥徳、神崎修一、山口知、竹地広憲】

 「増税後、お客さんの価格への関心が高まった。
安くて良いものを買おうと、遠くから来店する人が増えた」。

東京都練馬区の食品スーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長は、買い物客の変化を口にする。
特に驚くのが、特売に並ぶ行列の長さだ。
毎週日曜日は1パック88円の卵が目玉だが、商品を求める行列が今冬は100人を超え、以前より30人ほど増えた。

円安で輸入の冷凍食品や食用油などが値上がりし、同区内の主婦(63)は「節約しないといけないので、少しでも安い店を利用する」と話す。

 日経平均株価が2万円に近づくなど株価上昇を背景に、株を持つ富裕層などの消費は回復しつつある。

そごう・西武では高級時計の売り上げが2月までの3カ月間で前年比20%の大幅増。
3月下旬に西武池袋本店(東京都豊島区)を訪れた都内の主婦(42)は「良いものなら高くても買う」とブランド品を物色した。
同社の婦人雑貨担当者は「百貨店らしい上質な商品や新商品はよく売れる」と一定の手応えを感じている。

 2月の全国百貨店売上高は既存店ベースで前年同月比1・1%増と、増税後初めてプラスに転じた。
だが、押し上げたのは中国の春節(旧正月)で来日した中国人観光客の「爆買い」で、その恩恵が届かない地方店の苦戦は続く。

東北地方のある百貨店では14年度の売上高が前年度と比べて1割程度落ち込む見込み。
売り場担当者は「特に婦人服などの売れ行きが悪い。

(株高など)アベノミクス効果の実感はない」と肩を落とす。

 消費回復の広がりを欠くのは自動車の販売現場も同じだ。
日本自動車工業会は14年度の国内新車販売台数が前年度比7・3%減となり、15年度も同5・4%のマイナスが続くと予想。

今年2月の販売台数が自動車8社中唯一プラスだった富士重工業のディーラーでも「車種ごとで売れ行きの差が大きく、顧客の見る目は厳しい」(都内店の店長)というのが現状だ。

 消費回復の動きが鈍いのは、増税と円安による物価上昇で、実質的な賃金が目減りしているためだ。

政府統計では1月の実質賃金は前年同月比1・5%減で、19カ月連続のマイナス。
賃金の目減りが重しとなり、家計の消費支出や住宅建設は10カ月以上、マイナスが続いている。

国内証券アナリストは「ガソリン価格が下落しても、家計の財布のヒモは固い。
冬のボーナスの後も賃上げの実感は広がっていない」と指摘する。

 この間の消費低迷の影響は大きく、昨年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)は「政府にとっても予想外」(内閣府幹部)の2四半期連続のマイナス成長。
これを受け、安倍晋三首相は15年10月に予定していた消費再増税の先送りを決めたが、増税を悲願とする財務省の幹部でさえ、「予定通りの再増税は難しかった」とあきらめ顔だった。  

円安や輸出増などを背景に大企業では業績の改善も目立ち、10〜12月期のGDPはプラス成長に復帰した。
だが、中小企業の業績改善の動きはまだ鈍い。

東京都大田区の金型製造会社「並木金型」では、売上高はピークだった07年ごろの半分程度。

並木正夫会長は「大企業がもっと(設備投資などで)国内回帰しないと、中小まで仕事が回ってこない」と語る。
地方の小売りの現場でも「地元には賃金が上がるような大企業は少なく、販売増は見込めない」との声が漏れる。  

◇再増税へ 中小企業の賃上げ促す政府
    カギ握る民間需要の拡大

 「景気の好循環実現でカギを握るのは、なんと言っても賃上げだ。
中小、小規模事業者の皆様も思い切って賃上げに踏み込んでほしい」。

3月19日に東京都内で開かれた日本商工会議所の会合で、安倍首相は経済界に対し、改めて賃上げを広げるよう訴えた。

 政府は昨年12月、経済界と労働界の代表を集めた「政労使会議」を開き、2年連続の賃上げを要請。

15年春闘では前年を上回る賃上げに踏み切る大企業が相次いだ。

甘利明経済再生担当相は3月18日、「賃上げの力強い動きは評価できる」と強調。
4月2日に政労使会議を再開し、中小企業にも賃上げを訴える方針だ。

 政府が賃上げを改めて重視する背景には、経済政策「アベノミクス」効果の限界がある。

12年12月に発足した安倍政権は、日銀による大規模な金融緩和と機動的な財政出動などを柱とする「三本の矢」を推進し、円安・株高が進行。

それでも消費増税後、マイナス成長に陥った。

最近では「財政健全化を強く求める日銀の黒田東彦総裁と、経済成長を重視する安倍首相との関係が悪化し、政府・日銀の連携に陰りがみられる」との見方まで浮上した。

 経済官庁幹部は「金融と財政で景気をふかすのには限界がある。
今回の増税の教訓は、賃金を上げていかないと経済は良くならないということだ」と話す。

 政府は賃上げの動きを広げて「個人消費の回復」を促し、「企業の生産・設備投資の拡大」→「企業収益の向上」→「さらなる賃上げ」という経済の好循環を実現したい考え。

今年は増税がなく、原油安で物価上昇も和らいでおり、「賃上げ分はそのまま家計のゆとりにつながるのではないか」(証券アナリスト)との見方も多い。

安倍首相は17年4月に消費税率を10%に引き上げる方針を示している。

日本経済が再増税に耐えられるようになるには、賃上げが民間需要の拡大につながるかがカギを握る。

 一方、政府は、借金に頼らずに政策経費を賄えているかを示す「基礎的財政収支」について、20年度までに黒字化する目標を掲げる。

「目標達成には消費税率を10%超にすることが必要」との見方があるが、安倍首相は国会審議で「考えていない」と説明。

経済成長を重視した、税収増による財政健全化の可否を占う上でも、経済運営は正念場を迎えることになりそうだ。
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「主権在民」を蹴散らす安倍政権の「国権的法治主義」

永田町の裏を読む/高野孟
「主権在民」を蹴散らす
安倍政権の「国権的法治主義」
2015年3月26日 日刊ゲンダイ

 沖縄県の翁長雄志知事が、ついに日米両政府に対して公然と反旗を翻した。

沖縄防衛局に対して辺野古の「海底面の現状を変更する行為」を停止するよう指示し、従わない場合は海を埋め立てて海兵隊基地を建設するのに不可欠の「岩礁破砕許可」を取り消す考えを明らかにした。

そしてその際に同知事は、それでも国が工事を強行すれば「日本の民主主義が問われる」と述べた。

これに対して菅義偉官房長官は「手続きに瑕疵はない。法律、法令、規則に従って実施しているので引き続き工事を進めたい。
日本は法治国家だ」と言い放った。

 この問題を原理的なところから考える場合、キーワードは「自己決定権」である。

 昨年9月のスコットランドの独立住民投票を受けて、琉球新報は同20日付社説で「この地域の将来像を決める権利を持つのは言うまでもなくその住民だけである。

……沖縄もこの経験に深く学び、自己決定権確立につなげたい」と書いた。

そして11月、翁長圧勝を伝える社説では、約10万票の大差は「県民が『沖縄のことは沖縄が決める』との自己決定権を行使し、辺野古移設拒否を政府に突き付けた」と述べた。

 私は、「主権在民」とうたい、民が主であるはずの「民主主義」の国では、個人だけでなく家族、共同体、地域が自分たちの命や生き方や暮らしぶりに関わる大切なことを自分たちで決めるのが当たり前で、それが「民意」というものだと思うのだが、それが通用しないのがこの国である。

基地に限らず、原発再稼働でも中間処理場でも何でも、国家の一大事を決めるのは政府であり、その決定と実施が法的・手続き的に瑕疵がない限りは地域住民ごときが文句を言うのは許されないというのが安倍政権の立場である。

「法治主義」は確かに民主主義の要件のひとつではあるが、私が大昔に聞いた講釈では、法治主義は本来、人治主義に対する言葉で、王様や独裁者が法に則ることなく勝手な決定をしてはならないという権力に対する縛りを意味していた。

ところが、近代官僚政治の横行と共にそれが形骸化し、逆に、法的手続きさえ整っていれば民意など蹴散らしても構わないという権力の恣意・放埒の隠れみのになってしまった。

「そこのけ、そこのけ、お上のお通りだ」という菅長官の国権的法治主義に対して、我々はいつまでも下々として畏まっているだけなのか。
翁長が今回の重大決断を通じて問いかけているのはそのことである。

▽〈たかの・はじめ〉
1944年生まれ。
「インサイダー」「THE JOURNAL」などを主宰。
「沖縄に海兵隊はいらない!」ほか著書多数。
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2015年03月31日

自衛隊を軍というなら

【私説・論説室から】
自衛隊を軍というなら
2015年3月30日 東京新聞

 安倍晋三首相が国会答弁で、自衛隊を「わが軍」と呼んだことが波紋を広げている。

直後に「自衛隊」と言い直しているから、言い間違いの類いだろうが、首相は憲法改正による自衛隊の軍隊化を目指しているので、つい本音が出てしまったのだろう。

 政府見解によると自衛隊は軍隊ではない。
憲法九条は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と定めているが、自衛のための必要最小限度の実力は戦力に該当せず、自衛隊は軍隊に当たらない、という論法だ。

 軍隊がない前提だから、日本の法律には米軍など外国軍や旧軍を除き、軍隊という記述がほぼ見当たらない。
唯一、出てくる海上保安庁法二五条も、海上保安庁と職員が軍隊の機能を営むことを禁じる条項である。

 日本への武力攻撃や緊急事態が発生し、自衛隊が出動する際、防衛相は海上保安庁を統制下に置き、指揮できる旨が自衛隊法で定められている。

自衛隊が軍隊でないという前提があるからで、軍隊と認めれば、有事でも防衛相の指揮下に入れない恐れが出てくる。

 「わが軍」発言が意図的であれば、自衛隊を合憲とする政府の憲法解釈や、それに基づく法体系を覆す重大な発言である。
野党側には速やかに、首相の意図を確かめ、こう切り返してほしかった。
「自衛隊を軍隊と言うのなら、憲法を改正する必要なんてないんじゃないですか」と。 
             (豊田洋一)
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診察にも悪影響!医師から嫌われる「こじらせ患者」のヤバい特徴5つ

診察にも悪影響!医師から嫌われる
「こじらせ患者」のヤバい特徴5つ
2015/03/31 09:00 by 並木まき WooRis

体調を崩すと病院を受診しますが、医師とのコミュニケーションは、上手にとれていますか?

ひょっとすると、「どうも、かかりつけ医との相性が悪い……」と、感じている人もいるかもしれませんね。

病院においては、“患者=お客様”という認識の人もいますが、実際のところ、医師といえども人間ですから、診察時に相手を困らせる患者さんになってしまうと、上手なコミュニケーションも、とれなくなってしまいます。

そこで、医師専用サイト『MedPeer(メドピア)』が発表した調査情報をもとに、医師から嫌われる“こじらせ患者”のヤバい特徴を、5つお伝えしましょう。

■1:暴力・暴言を吐く

「モンスターペイシェントが増えている」(30代、腎臓内科)という声もあり、正当な主張や意見ではなく、文句や暴言にしか聞こえないような言動をしてしまえば、コミュニケーションは難しくなってしまいます。
「患者さんにされて最も困る事は?」の調査では、スタッフへの暴力・暴言に困る医師が最も多いという結果に。
病気で不安な気持ちはわかりますが、高圧的にならない態度を、心がけたいものですよね。

■2:自己都合で治療を中断

病院でもらった薬を途中でやめたり、勝手に市販薬に変えてしまったり……と、自己判断で治療を中断する患者も、医師を困らせます。

同調査では、困る患者の2位にランクインしていますが、「自己判断で中止して、悪化する例が多い」(50代、一般内科)、「患者自身が自分の体調が良くなったと思い、処方した内服薬を自己中断し、検査結果が増悪した経験があります」(30代、腎臓内科)というコメントが寄せられました。
自己判断の結果、かえって病状が悪化するケースもあるようです。

■3:処方した薬を正しく使用しない

処方したお薬をきちんと服用していただけないと治療効果の判定も出来ません」(50代、一般内科)という意見でもわかるように、処方通りに薬を飲まず症状が悪化したといわれても、医師としては困惑してしまうでしょう。

「血圧が高いからといって、自己判断で降圧薬を余分に飲んでいた患者さんがいらっしゃったが、血圧が下がりすぎたら困るので、医師に相談してからにして頂きたい」(20代、その他)という例もあるので、処方薬が出ている間に別の薬を飲むときには、必ず医師に相談するべきですよね。

■4:無理な要求

「検査、診断、処方を自分の思い通りにするよう主張されることが多々ある」(40代、一般内科)、「診察を受けずに薬だけ欲しいと要求を止めない患者がいた」(40代、精神科)のように、診察を受ける立場なのに、自分の要求ばかり通そうとする言動も、困惑される患者の特徴のようです。
なかには、「救急車で来たから早くしろといって、風邪なのに救急車で来る」(40代、小児科)という残念な実態もあるようですが、救急車は適正利用も、改めて注意したいところです。

■5:コンビニ(時間外)受診

昼間は仕事があるから……と、安易に夜間受診ばかりしていませんか?

救急はやはり緊急性のある方がかかるべきであり、日中仕事をしていて忙しいからというのはやはりやめてほしい」(20代、その他)という切実な意見もあり、安易な夜間受診は避けるべきでしょう。
「夜間のコンビニ受診、過度なお客様扱いの要求は本当に困ります。
夜間開いているといっても、コンビニのように24時間同じサービスをすることを目的としているのではなく、夜間にどうしても治療が必要な人のためにあります」(30代、産婦人科)。

このようなコメントもありますので、本来の夜間診療の位置付けを、忘れないようにしたいものですよね。


以上、医師から嫌われる“こじらせ患者”のヤバい特徴5つをお伝えしましたが、いかがでしたか?
このほかにも、「テレビで特集をされるとすぐに自分に当てはめて受診する患者さんが多い」(50代、一般内科)、
「ネット情報やTV情報を真実だと信じて疑わない」(30代、一般内科)のような患者にも、医師たちは戸惑いを感じるようです。

病気で不安だからと、医師を疑いすぎて自己判断に頼ると、かえって悪化することにも。

医師とコミュニケーションがとれない上に、病状までこじらせかねない、いろんな意味での“こじらせ患者”には、絶対にならないようにしたいですね。
posted by 小だぬき at 11:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする