2015年06月01日

教育機会の保障 多様化の利点を生かせ

教育機会の保障 多様化の利点を生かせ
毎日新聞「社説」 2015年05月31日 02時35分

 義務教育でも、学びの多様なかたちや学び直しの機会は、広く保障されるべきだ。

 超党派の国会議員が立法準備を進めている「多様な教育機会確保法」(仮称)案は、そうした考えに立っている。

学校教育法の学校に該当しないフリースクールなど、不登校の子供らが選択した学びの場を制度的に認め、支援も行うという。
 不登校の小中学生らが通うフリースクールは全国に約400、学ぶ子供は約2000人ともいわれるが、文部科学省もまだ把握しきれていない。

一方、2013年度の不登校小中学生は約12万人に達している。
公的支援がないため、フリースクールに通うにも学費などの経済的負担は小さくない。

 また、夜間中学に多い、学齢期を超過したが学び直したいという人たちへの機会保障も課題だ。
 この議員立法は基本的な理念と国の責務などを骨格にし、成立すれば、文科省が具体的な制度設計をした後、学校教育法改正を経て、17年度施行を目指している。

 実現すれば、学習指導要領を軸に固定された「単線型」の義務教育制が、多様な「複線型」に幅を広げるともいえ、大きな転換だ。

 案では、フリースクールや自宅など、学校外での学びを選ぶ場合、保護者は子供との話し合いやスクールなどの助言を踏まえ「個別学習計画」を作成、市町村教育委員会に申請する。
教委が認めて計画が実行されれば、修了とみなす想定だ。

 また教委の指導やスクールソーシャルワーカーらの訪問などで学習の質を保証し、財政支援も図る。
 だが、懸念もぬぐえない。

 教委の関与が条件を狭めたり、一定の型にはめたりするおそれはないか。
審査や認定はどんな手法で行うのか。
フリースクールなどには定型化されない多様性や個性を特徴とする面もあり、メリットでもあろう。

 それらの難しい課題をどういう仕組みで解決していくか。
学校教育改革の弾みにしていくためにも、細心の設計が必要だ。

 かつて例外的な問題とみなされがちだった不登校は、1990年代には「どの子にも起こりうる」と認識を改められた。

その選択する学びの場やかたちが制度的にも「例外」ではないとされれば、教育機会の保障だけではなく、学校教育を豊かにする効果も期待できよう。

 また忘れてはならないのは、深刻な貧困率や境遇の格差、虐待、放置などといった問題で就学の機会を奪われた子供たちだ。

 今回の改革をそうした実態にも扉を開き、改善へつながる手立ての一つともしたい。
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2015年06月02日

憂楽帳:多角的な視点

憂楽帳:多角的な視点
毎日新聞 2015年06月01日 西部夕刊

 安全保障関連法案が国会で審議中だ。

法案が成立すれば、自衛隊の海外での活動範囲は広がり、米軍との一体化が進む。
法案の狙いやデメリットを巡る国会論戦を注視している。

 ところで先日、元自民党重鎮の持論を聞いて「一理ある」と思った。
こう論じた。
米国に守ってもらう代わりに、これまで米軍に基地を提供してきた。
だが法案が通って日米が一緒に戦うようになるなら、米側に基地返還も求めていいはずだ。
でも、なぜかその方向の声が政府から出てこない」

 実はその数日前、自民党沖縄県連関係者から似た意見を聞いた。

米軍基地が集中する沖縄は米兵の事件事故が後を絶たない。
しかし米軍に法的特権を与えた不平等な日米地位協定が存在し、警察の捜査に支障を来している。
関係者は「安保法案の議論は重要だと思うが、政府には米国に地位協定の改定こそ求めてほしい」と語った。

 日米同盟が大切なのは分かる。
ただ政府は「関係強化が必要」と強調するばかりで、一方で米国に言うべきことを言っていない印象を受ける。
同盟はどうあるべきか。多角的な視点が改めて必要だ。
                                       【井本義親】
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年金個人情報 125万件流出 年金機構。氏名・基礎番号などマイナンバー実施の前提崩れる

年金個人情報 125万件流出
年金機構 氏名・基礎番号など
マイナンバー実施の前提崩れる
2015年6月2日(火) しんぶん赤旗

 日本年金機構は1日、年金の個人情報を管理しているシステムがウイルスメールによる不正アクセスを受け、加入者の氏名や年金番号など約125万件にのぼる個人情報が流出したと発表しました。

 公的年金の個人情報の大量流出は、公的機関の個人情報管理のぜい弱性と絶対安全などないことを示しており、10月に番号通知を開始する共通番号(マイナンバー)制度の前提が崩れていることを浮き彫りにしています。

 同制度は、今回流出した年金情報を含む社会保障と税などの膨大な個人情報を行政が一元的に把握・活用するもので、10月から番号通知、来年1月から利用を始める計画です。

 しかも安倍政権は、まだ施行もしていないのに、国民の預貯金や健康診断情報など民間機関が扱う情報にも拡大する法案の今国会成立をねらっています。

さらにカルテや診療報酬明細(レセプト)など医療情報、戸籍や旅券、自動車登録など次々と拡大する方針を打ち出しています。

 マイナンバーは、税金や社会保険料などの徴収強化と社会保障などの給付抑制をねらうものである上に、ひとたび流出すればはかりしれない被害を招く致命的欠陥制度です。

実施は中止・撤回し、個人情報の分散管理と徹底した個人情報保護対策こそ必要です。
          (深山直人)
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2015年06月03日

香山リカのココロの万華鏡:「患者さん」に救われた 

香山リカのココロの万華鏡:
「患者さん」に救われた 
毎日新聞 2015年06月02日 首都圏版

 先日、外来診療中に地震があった。東京は震度4、携帯電話の緊急地震速報があちこちでけたたましく鳴り響いた。

 私は思わず、「あ、地震。けっこう大きいですね」と椅子から立ち上がりかけてしまった。  

診察室にいたのは、そのとき診療中だった男性の患者さん。

彼はまったく動じることなく、
「先生、大丈夫ですよ。私は建設現場で長らく仕事をしていたのでわかりますが、これくらいの地震じゃこの建物はびくともしません」と笑顔で話してくれたのだ。

 その言葉に私もほっとして、「そうですか、よかった」と腰を落ち着けることができた。

それからひとしきり、その男性の患者さんは「昔、高い足場の上にいるときに地震が来たことがあって」などと昔ばなしをユーモアを交えて披露してくれた。
おそらくまだ私の顔が青ざめていたので、気をつかってくれたのだろう。

 その男性の気配りのおかげで、その後の診察も滞りなく終えることができた。
看護師さんたちに「お疲れさまでした」と告げて病院を出るとき、私は「今日はあの人に救われたな」としみじみ思った。

 思い返してみると、地震が起きるまではその男性の患者さんが体の不調をあれこれ訴えて、私のほうが
「困りましたね。ちょっと外出のトレーニングなどをしてはどうですか」などとアドバイスする立場だったのだ。

それが、あの揺れの瞬間、立場が逆転して、私のほうがオロオロして、彼が私をやさしくなだめてくれた。
人間としてはその人のほうがよほど落ち着いている、と言ってもよいだろう。

 もちろん、私は職業として医者をやっているだけで、決して人格的にすぐれているわけではないことは言うまでもない。
しかし、いつも「先生」と呼ばれ、助言したり薬を出したりしているといつの間にか自分でもカン違いし、どこかで「私はしっかりした人間だ」などと思い込んでいる可能性もある。

 そして同時に、日ごろは体調不良や気持ちの落ち込みに悩み、“患者さん”と呼ばれる立場にいる人も、当然のことだがもともとのやさしさ、強さなどまで失っているわけではないことにも改めて気づいた。

 いくら病に陥っていても、その人はその人。
持ち前の良さはそのままなのだ。
地震の一件は、私にいろいろなことを考えさせてくれた。
           (精神科医)
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5月病より危ない「6月病」。連休明けで祝日なし、ジメジメした気候が原因で…

5月病より危ない「6月病」。
連休明けで祝日なし、
ジメジメした気候が原因で…
2015.06.02 R-30<取材・文/週刊SPA!編集部>

 長い連休が明け、いざ本格始動、と分かっていても、どうにも気が乗らない。

頭が重く、体の節々も痛む。
周囲にボヤけば、「今さら5月病?」と一笑に付されてしまう。
そんな悩みをお持ちの読者はまず、下記の6項目に目を通して頂きたい。
この中に当てはまるものがあれば、あなたは「6月病」を発症している可能性がある。

<こんな人は6月病になっているかも……>
(1)責任が増えて不安を感じる
(2)なかなか職場に馴染めない
(3)連休明けの疲れが取れない
(4)休みのない日が続いている
(5)仕事にうまく集中できない
(6)イライラすることが多い

◆春先の環境の変化が積み重なりうつ状態に

「昨年の春に昇進し、大きなプロジェクトを任されることになったんです。
やり甲斐がある反面、周りのプレッシャーもあり、大きな溜息を吐くことが増えて……。

6月は休みがなく疲れているはずなのに、毎日1、2時間しか眠れません。
食欲も失せ、無理に食べればお腹を下す。
気づけば体重は5キロ近く減っていました……」というのはIT企業に勤める吉田博志さん(仮名・34歳)。

 彼は部署の異動や役職へのプレッシャーでまんまと6月病になってしまったケースだ。

 なぜこの6月に心身の異変として表れやすいのだろうか?

 精神科医の春日武彦氏は次のように分析する。
6月はGWの休み明けで、季節の変わり目、このダブルパンチで誰もが嫌にはなるのは当然。ニュースで最終日に成田空港に到着した日本人のお父さんが、『スッキリしたんで明日からがんばります!』とか言うけど、絶対辛いと思いますよ(笑)。

マジメな人ほど、『俺はダメな奴だ……』と、余計に自分を責めてしまいがちです。

この昇進した男性も、上司に守られてきたのに、急に風上に立たされたプレッシャーが心身に影響して、まず不眠として6月に表れているのではないでしょうか。

これは新人だけの話ではありません。
ベテランでも寝つきが悪い、熟睡感がない、朝起きられないなどは、精神が落ち着いていない証です

 連休明け、祝日なし、季節の変わり目、ムシムシと湿気が増す季節……。

環境の変化で生じた5月病がより悪化してしまうのがこの季節なのだ。

 6/2発売の週刊SPA!「[6月病]が危ない」では、精神面での不調のみならず、この季節特有のカビや埃による悪影響まで「6月」という季節が持つ「病のタネ」に焦点を当てている。
    <取材・文/週刊SPA!編集部>
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2015年06月04日

メディアも片棒…自転車「罰金制度」の裏に警察の“巨大利権”

メディアも片棒…
自転車「罰金制度」の裏に
    警察の“巨大利権”
2015年6月2日 日刊ゲンダイ

 1日から、道路交通法が改正され、自転車の交通ルールが大きく変わった。

信号無視、酒酔い運転、スマホの“ながら運転”など14項目が「危険運転」に指定され、14歳以上の運転者が、3年間に2回以上、「危険運転」で摘発されると、3時間で5700円の講習の受講を命じられる。
受講しないと、5万円以下の罰金となる。

この日、警視庁や大阪府警は大規模な取り締まりを実施した。

 しかし、この「罰金制度」は、警察が巨大利権を得るために導入したのは明らかだ。
その片棒を担がされたのが、大手メディアだ。

交通違反を32年にわたって取材しているジャーナリストの今井亮一氏がこう言う。
今回の自転車ルールの厳罰化は、新聞とテレビによる“悪質な”自転車利用者への批判報道と無縁ではありません。
たしかに、スピードを出して運転する人は一部にいますが、メディアの報道は過剰でした。
自転車をもっと規制すべき』という警察の世論喚起に利用されたのです

 それは統計の数字からも明らかだ。09年に73万7628件あった全国の自転車事故件数は、13年までに10万8600件以上減っている。
ところが検挙件数だけが急増している。

毎年210〜300件程度で推移していた検挙件数は、06年からグングン増え、2014年は8070件に増えた。

 警察庁の大号令で検挙件数だけが増え、巧妙な世論誘導によって“自転車違反金制度”が導入されたといっていい。

今回の道交法改正は、今後、警察組織の巨大な徴収システムとなるのは間違いありません。
まず手始めに、原付自転車の反則金のように、警察官の違反現認だけでサクッと徴収できる制度に変更されると思います。

『反則金』は自治体に交付されるため、国庫に直行する『罰金』と違い、警察組織の利権になります。
それが実現したら、駐車監視員ならぬ『自転車監視員』が創設されるはずです。
今も自治体がやっていますが、もっと巨大組織ができて、民間委託される可能性が高い。

そこが警察官僚の新たな天下り先になるという算段です」(今井亮一氏)
 日本の官僚組織は、利権のためなら、ホント、知恵が働く。
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2015年06月05日

9条体制 根底から覆す、憲法研究者173人 戦争法案反対の声明

9条体制 根底から覆す
憲法研究者173人戦争法案反対の声明
2015年6月4日(木) しんぶん赤旗

 戦争法案(安保関連法案)に反対する憲法研究者らが3日、東京・参院議員会館で会見し、同法案のすみやかな廃案を求める声明を発表しました。

 記者会見で呼びかけ人の小沢隆一東京慈恵会医科大学教授は、3日午後までの1週間の取り組みで173人からの賛同(うち呼びかけ人38人、賛同者135人)が寄せられ、今後も増える状況だと説明。

清水雅彦日本体育大学教授が「短期間ながら、全国の憲法研究者が強い危機感を抱き、これだけの人が名前を出していただいた」と話しました。

 声明は、同法案について「これまで政府が憲法9条の下では違憲としてきた集団的自衛権の行使を可能とし、米国などの軍隊による様々な場合での武力行使に、自衛隊が地理的限定なく緊密に協力するなど、憲法9条が定めた戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認の体制を根底からくつがえすものである」と批判

「戦争法案と呼ばれていることには、十分な根拠がある」と指摘しています。

 さらに、昨年7月の集団的自衛権行使容認の「閣議決定」や日米ガイドラインの改定など、法案策定までの一連の手続きも「立憲主義、国民主権、議会制民主主義に反する」と強調。

国会に同法案のすみやかな廃案を、政府に「閣議決定」と日米ガイドラインの撤回を求めています。

 会見には、呼びかけ人の永山茂樹東海大法科大学院教授、浦田一郎明治大学教授、石川裕一郎聖学院大学教授、徳永貴志和光大学准教授も出席しました。
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「戦争法案」と若者、「殺し殺される」は許されない

「戦争法案」と若者
「殺し殺される」は許されない
2015年6月5日(金) しんぶん赤旗「主張」

 若い世代のなかで、「戦争法案」への不安と怒りが、急速に高まっています。

安倍晋三首相を追いつめた日本共産党の志位和夫委員長の国会質問がインターネットで話題になり、「『戦争法案』というのがよく分かった」
「政府の無責任ぶりに怒りがわいた」などの若者の声があふれています。

 自分たちの命と未来を守るために何とかしたいとの思いを強める若者とともに、「戦争法案」を許さないたたかいを広げるときです。
戦場に送られるのは 「戦争法案」によって真っ先に犠牲にされるのは、未来ある若者です。

志位委員長は国会質問で、若者が殺し、殺されかねない危険性を浮き彫りにしながら、「若者を戦場に送るわけにはいかない」と追及しました。

 安倍首相は、この追及をうけ、これまで行けなかった「戦闘地域」にまで自衛隊を送り、米軍を支援すること、攻撃されたら武器を使って反撃することを認めました。

これは、憲法が禁じた武力行使そのものであり、自衛隊員をさらに過酷な状況へと追い込むものです。
 「非戦闘地域」での活動とされたイラクやインド洋でのこれまでの活動でも、いつ攻撃されるか分からない状況のもとで多くの隊員が心の不調をきたし、54人もが帰国後自ら命をたちました。

「戦争法案」が強行され、「戦闘地域」でも活動するようになれば、殺し、殺される危険性は格段に高まり、多くの隊員が犠牲になるのは必至です。

若い自衛隊員から「災害救助にあこがれて入ったのに…。
人殺しはしたくない」との痛切な訴えがよせられるのは当然です。

 いま街頭で「戦争法案」反対をよびかけると、どこでも若者から熱い反応があります。
高校生が群がって反対署名したり、「いつか自分たちが戦場に送られてしまうのでは」「戦争だけは嫌だ」と対話が弾んだりします。

 無党派の学生らが国会前の抗議行動やデモを連続的によびかけるなど、黙っていられずに立ち上がる若者も生まれています。

民青同盟も、街頭に出て対話をくり広げ、若者とともに各地でデモをおこなっています。

 志位委員長の国会質問では、アメリカの無法な戦争に一度も反対したことがない、自民党政治の対米追随ぶりが浮き彫りになりました。

安倍首相がすすめる「戦争法案」は、日本がアメリカといっしょに「海外で戦争できる国」へと大転換し、いっそう危険な対米追随の道にふみこむものです。

こうした政治に、若者の未来を託すことはできません。
若者憲法集会成功を  今月14日に東京都内で開かれる若者憲法集会&デモ(同実行委員会主催)は、声をあげ始めた若者が、戦争法案反対の一点で全国から合流し、連帯を築く画期です。これをはずみに、国会前でも全国でも無数に、波状的に行動をすすめ、若者のたたかいと共同を大きく発展させましょう。

 過半数をこえる国民が、安倍首相がすすめる「戦争法案」への疑問をいだき、批判をつよめています。
若者憲法集会を成功させ、若いみなさんとともに草の根のたたかいで安倍政権を包囲することで、廃案へと追い込みましょう。

日本共産党は、若いみなさんと連帯して総力をあげる決意です。
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2015年06月06日

精神科医に聞く、「彼氏がうつ病かもしれない」と思ったらどうすればいい?

精神科医に聞く、
「彼氏がうつ病かもしれない」と思ったら
どうすればいい?
2015年6月5日(金)17時0分配信 マイナビニュース

恋人や配偶者など大切な人が、もしかしたらうつ病かもしれない――。
そう感じたときはどうすればいいのだろうか。
「ゆうメンタルクリニック」総院長で、精神科医・心理研究家のゆうきゆうさんに聞いた。
* * * * *
もしも「あなたのパートナーがうつ病かもしれない」と感じたら、まずはよく相手の話を聞いてあげてください。
相手の状態を知る意味でも、相手の受け口になるという意味でも、「聞く」ということはとても大切です。

○焦って何とかしようとすることが彼の負担にも

自分にとて大切な存在が「うつかもしれない」と感じた時、多くの人は動揺します。
そして、なんとか解決しようと評判のいい病院を勧めたり、民間療法などでも良いと言われることを実践したりしようとします。

それらは決して悪いことではないのですが、残念なことにうつになった本人の状態や気持ちを置き去りにしてしまっていることが多いようです。


どうしてそういったことが起きるのでしょう?
それは「相手の状態を異常だ」と感じ、そのことに不安や恐怖を感じ、動揺して「なんとか元に戻そう」としてしまうからです。

解決策を探そうとすることはとてもいいことですし、心の動揺も人として自然なことです。
しかし自分に余裕がないため、相手の状態をよく見ずに動揺した自分の気持ちだけで行動してしまいがちです。

そんな風に周囲が焦って何とかしようとするほど、「うつになった自分が悪い」「申し訳ない」と負担をかけてしまうことがとても多いものです。


また、うつの方がふさぎ込んでしまう原因のひとつに、「理解してもらえない」「受け入れてもらえない」と感じてしまうことがあります。

自分自身でもうつの状態を受け入れられないのですが、周囲からも受け入れてもらえないと感じることで身の置き場が無くなってしまい、さらに心理的な負担が増してしまうことが多くあります。

○まずは彼の話をよく聞いて

だから、まずは相手の話を聞いてください。
相手が話し始めるまで待って、相手が本当に話し終わるまで、ただ聞いてあげてください。

自分の状態の受け入れ先があるだけで、人はずいぶんホッとするものなんですよ。
だからまずは、「ただ、聞く」ということを実践してみてほしいのです。
否定せず、さえぎらず、途中で切り上げたりもしません。
そこで原因を探そうとするのではなく、相手の言葉や表情・そこから読み取れる感情を受け止めてあげてください。

パートナーであるあなたもショックかもしれませんが、相手だって自分の状態に戸惑っているはずですし、つらい気持ちを感じているはずです。

そこになるべく同化せず、相手に関心を持って気持ちを受け止める練習をしていってみてください。
また、治療は長期化することがありますから、支える側の焦りは禁物です。

「励ましてはいけない」というのはよく知られるようになりましたが、これは相手に焦りを感じさせたり、「もっと頑張らなければ」と思わせてしまったりするためです。

しばらくは見守るつもりで「少しずつよくなってるよ」
「人間は気分にムラがあって当たり前なんだから、そんなに重く受け止めないようにしよう」など、前向きな言葉をかけていけるといいですね。

もし支えている自分も「危ないな」と感じたら、迷わず受診しましょう。

共倒れにならないよう自分自身をこれまで以上にいたわることも、とても大切なことですよ。
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2015年06月07日

安保転換を問う 「違憲法案」見解

安保転換を問う 「違憲法案」見解
毎日新聞「社説」 2015年06月06日 02時31分

◇根本的な矛盾あらわに  

 集団的自衛権の行使は、憲法上「許されない」としてきた解釈を「許容される」へと逆転させる。

こんな解釈改憲を認めれば、憲法の規範性は損なわれ、憲法に対する国民の信頼は失われかねない。
安全保障関連法案がもつ根本的矛盾が改めて突きつけられたと言えよう。

 衆院憲法審査会で、与野党の推薦により参考人として出席した憲法学者3人がそろって、集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法案は「憲法違反」との見解を示した。

 とりわけ自民党が推薦した長谷部恭男・早稲田大教授までもが違憲と断じたことを、政府は重く受け止めるべきだ。
長谷部氏は「従来の政府見解の基本的論理の枠内では説明がつかないし、法的安定性を大きく揺るがす」と強い懸念を示した。

 この機会に今一度、憲法と集団的自衛権の関係を整理しておきたい。

 憲法9条は、戦争を放棄し、戦力を持たず、交戦権を認めないと定めている。
ただ、憲法前文の平和的生存権と13条の幸福追求権から、自衛のための必要最小限度の武力行使は認められると解釈される。

一方、日本が直接攻撃されていないのに、他国への攻撃に反撃する集団的自衛権の行使は、必要最小限度の範囲を超え、憲法上許されない−−。

歴代政権はこのように解釈してきた。

 ところが安倍政権は、自衛のための必要最小限度の武力行使は認められるという考え方は維持しつつ、安全保障環境が変わったため、その中に集団的自衛権の行使も一部、含まれると、解釈を変更した。

 憲法学者からの「違憲」との指摘に対し、菅義偉官房長官は「憲法解釈として法的安定性や論理的整合性は確保されている。
違憲という指摘はあたらない」と語った。

中谷元防衛相も「行政府の憲法解釈の裁量の範囲内だ」と述べた。

 だが、安全保障環境の変化という抽象的理由で結論を正反対に変える憲法解釈変更について、法的安定性は維持されていると強弁しても説得力はあるまい。

 憲法審査会では、自衛隊による他国軍への後方支援も議論になった。

 長谷部氏は、関連法案で後方支援の範囲が広がることについて「武力行使と一体化する恐れが極めて強い」と違憲の恐れを指摘した。
 
 小林節・慶応大名誉教授も「後方支援は日本の特殊概念で、戦場に後ろから参戦するだけだ」と語った。

 関連法案の根幹をなす集団的自衛権と後方支援の2分野で、重大な違憲の疑義が示された。
与野党は、憲法との関係について、集中審議を開くなど徹底的に議論すべきだ。
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2015年06月08日

許されるのか 年金情報流出の“後始末”に国民負担「年50億円」

許されるのか
年金情報流出の“後始末”に
国民負担「年50億円」
2015年6月7日 日刊ゲンダイ

 こんなフザケた話があっていいのか。

日本年金機構から約125万件の個人情報が流出した「漏れた年金」問題。
その“後始末”で莫大な費用が発生している。
その額はなんと“年間50億円”。
情報が流出した上、その対策費用まで国民が負担する――。
こんな事態を許すわけにはいかない。

■電話オペレーター増員、お詫び文書送付

 全国各地で不審な電話が相次ぐ中、日本年金機構には問い合わせが殺到。
機構では3日から、電話回線を約10倍に増やした。
通常、オペレーターは100人規模だが、現在は約1000人が休日返上で対応にあたっているという。

 求人情報に出ている機構のオペレーターの時給は1050円。
現在は午前8時30分から午後9時まで対応中で、1日の労働時間は12時間半。単純計算すると1日当たり、1000人×1050円×12・5時間=1312万5000円のコストが発生していることになる。

「1000人態勢は当分の間、続ける」(機構の経営企画部広報室)というから大変だ。

1カ月間だけでも、約4億円ものカネが電話対応に費やされてしまう。

 流出した対象者への「お詫び文書」代もバカにならない。
すでに、約1万5000人に文書が送付されているが、その郵送料は約120万円だと、塩崎恭久厚労相が国会で答弁している。
仮に125万人に送付すれば、その額は1億円を超える。

ちなみに、この文書は年金機構のホームページで見ることができるから、心底アホらしくなってくる。
 このまま混乱が続けば、電話対応で年間48億円、お詫び文書を含めると、年間50億円の費用が発生することになる。

そのほかにも、流出した「基礎年金番号」の変更や、コンピューターのシステム変更なども考慮に入れると、かかる費用は未知数に膨みかねない。

 こうした費用は誰が負担するのか。塩崎大臣は「財源については検証を始めようとしているところ」とはぐらかしたが、年金保険料か機構の運営費、つまり税金でまかなうことになるに決まっている。
いずれにしても国民の負担となるのである。

 5日の厚生労働委員会で「塩崎厚労相が(費用を)出すべきだ」と叫んだ民主党の山井和則衆院議員はこう言う。

「厚労省としては『自分たちは被害者だ』という理屈で、年金保険料で費用をまかなおうとしている。
とんでもない話です。
年金加入者にとっては、情報が流出した上、その対策費用まで負担する“二重被害”です。

安倍首相と塩崎厚労相は8年前の『消えた年金』コンビでもある。
年金機構や旧社保庁がダメだということを骨身にしみているはずなのに、その時の教訓が全く生かされていない。
2人の“監督責任”は重いです」

 資産公開によると、塩崎厚労相の資産は3728万円で、保有株を含めると総資産は軽く1億円を超える。また、委員会でのらりくらりと答弁する日本年金機構の水島藤一郎理事長の年収は1600万円超だ。
 国民に押し付ける前に、まずは自らの身銭で責任を取るのがスジだろう。
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2015年06月09日

作家・半藤一利さん この国はどこへ行こうとしているのか 「平和」の名の下に

特集ワイド:
この国はどこへ行こうとしているのか 
「平和」の名の下に 作家・半藤一利さん
毎日新聞 2015年06月08日 東京夕刊

 ◇「非国民」にされる空気

 1年前と同じ喫茶店の同じ席で、作家、半藤一利さん(85)は「あれから、まだ1年しかたっていないんですね」と小さく笑った。

 この人の指を何度思い返しただろう。
昨年5月のインタビューで、安倍晋三政権が集団的自衛権を行使可能にする憲法解釈の変更に踏み出したのを受けて「私たちにできること」を問うた時、半藤さんは何度も指で空をつまむ仕草を繰り返し、言った。
戦争の芽を一つ一つつぶしてかかるしかない。こんなふうに、自分の手で」

 あの日、この指の力強さを忘れまい、と思ったのだった。

 「この1年で国は随分変わりましたね。
『戦争の芽』は指ではもうつぶせないくらいに育ってしまったようだ。
戦後70年の間で、今ほど国会で『戦争』が論じられた日が過去にあったでしょうか。
70年間、常に平和を論じてきたはずなのに」

 再び会いたくなったのには理由がある。
海外での自衛隊の活動の拡大を図る安全保障関連法案が閣議決定された5月14日夜、安倍首相は記者会見で「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にない」と断言した。
迷いのない言葉を聞いて、ふと、「絶対」という言葉を使わない作家の存在を思い出したのだ。  

東京大空襲の焼け跡で14歳だった半藤少年は「絶対に日本は正しいとか、絶対に神風は吹くとか、すべてうそだ」と思い知った。
それ以来「絶対」という言葉を使わないと決めた。
そんな半藤さんは安倍首相の「絶対」をどう聞いたのだろう。

 「絶対、などとなぜ言い切れるのか。あの言葉に心から安心できた人がいたのでしょうか」。

そう言いながら小さな紙切れを見せてくれた。
国会で審議中の自衛隊法改正案など11の安保関連法案の一覧や、武力行使できる新旧「3要件」の相違点が書かれていた。

「要点がわかりにくいのでメモを持ち歩いているんです。
国会中継を見ていても、武力行使と武器使用は違うとか、後方支援は武力行使に当たらないとか議論がよく分からない」

 「分かりにくさ」は意図されたものだ、という。

「安倍さんが語るのは理念だけ。
集団的自衛権の行使が可能となる『存立危機事態』を説明するのにも、具体的な『仮想敵国』一つ挙げない」。
確かに、国会で議論になっている具体的な地域といえば「中東のホルムズ海峡」や「南シナ海」しか思い出せない。

 「朝鮮半島や日本近海での有事を語らない。
国民が戦争を具体的にイメージし、恐怖や不安を感じ始めるのを巧妙に避けているかのようじゃないですか」

 分かりにくい理由のもう一つは、安保法案の一括審議だ。

 「麻生太郎副総理が2年前、改憲について『ナチスの手口に学んだら』と発言したことで、立法権を国会が政府に委任した『全権委任法』が話題になりました。
しかし実は、同法より前、ヒトラーは国会決議を経ない閣議決定で大統領緊急令を発令させ、ワイマール憲法を空洞化し、幾つかの法を一束にしてまとめて変え、国民の自由を制限しました」  

メモや資料を順々に示していた細く長い指が急に止まる。
半藤さんは視線を上げると静かに言った。

「安保法制の進め方にも似ていませんか?」
 昨夏から新しい連載を書いている。隔月刊雑誌「こころ」(平凡社)の「B面昭和史」だ。

「政治家や軍人が刻んだ歴史がA面だとすれば、人々の暮らしや風俗から読み取れるのがB面の歴史。
私たち民衆がかつてどんなふうに政府にだまされ、あるいは同調し、戦争に向かったのかをどうしても書き残しておきたいのです」と話す。

 戦前の民衆の暮らしがじわりじわりと変わる様子が描かれる。
昭和2、3年ごろは盛り場をモダンガールと歩いた男性が、7、8年後には官憲から「非常時にイチャイチャするとは何事だ」と批判される。

軍縮や対中国強硬論反対をぶっていたはずの新聞が読者の期待に沿うように<勝利につぐ勝利の報道>へとかじを切り、これがさらに読者の熱狂をあおる。
「銃後」の言葉の下、女たちが自主的に兵士の見送りや慰問を始める……。

決して流されているつもりはなくて、いつか流されていた>。
そんな一文にドキリとした。

 「昭和の最初、米英批判は極端な意見に過ぎなかった。
ところが人々がそれに慣れ、受け入れるうちに主流になった。
リベラリストが排除され、打倒米英を本気で唱える社会となっていった。
国定教科書改訂で『修身』が忠君愛国の精神を強調した数年後には『日本臣民』が続々と世に増えました」

 あのころだって日本には、ヒトラーのような圧倒的な独裁者がいたわけではなかった。

 「むしろ政治家は、民衆のうちにある感情を受容し、反映する形で民衆を左右した。
最初は政治家が世論を先導しているようでも、途中から民衆の方が熱くなり、時に世論が政治家を駆り立てたんです」

 では私たちはどうすれば、と問うたら、半藤さん、「隣組を作らないこと、でしょうか」。

意外な答えに不意を突かれた。

 「この国に今すぐ戦前のような隣組ができるとは思いません。
でも今回の安保法案が成立すれば『非常時だ、存立危機事態だ』と人々の暮らしが規制され、できるかもしれませんよ、隣組」と笑顔のまま、怖いことを言う。

 こんな例を挙げた。「仮に自衛隊が海外派遣されるとする。
『私たちのために戦いに行く彼らを見送ろう』と声が上がる。
見送りすることは悪いことではないから批判しづらい。

しかし見送りに参加しなければ『非国民』呼ばわりされかねない空気が段々と醸成されていく。ありえると思いませんか」

 やっと分かった。だから“歴史探偵”はB面の歴史をつづり始めたのではないか。
私たちが同じ失敗を繰り返さないように。当事者として歴史から学べるように−−。

 半藤さんは今、異なる言論に対する許容度が極端に落ちていることも深く懸念する。

「閉鎖的同調社会になりつつあるのではないでしょうか。
似た考えの仲間だけで同調し合い、集団化し、その外側にいる者に圧力をかける。
外側にいる者は集団からの圧力を感じ取り、無意識に自分の価値観を変化させ、集団の意見と同調していく。
その方が楽に生きられるから」。
隣組はすぐその先だ。

 「今はまだ大丈夫。こうして私たちが好き勝手なことを話し、書けているうちはね」。
半藤さんは朗らかな声で私を励ました後、ゆっくりと言い添えた。

 「だから異なる考えを持つ人と語り合い、意見が違っても語り合えるだけの人間関係を築きましょう。
物言えば唇寒し、と自分を縛らず、率直に意見を述べ合い、書いていきましょう

 テーブルの上に置かれた半藤さんの手を再び見つめた。言葉を紡ぐことを諦めないこの手こそが、戦争の芽をつむのだ、きっと。【小国綾子】
==============  
■人物略歴
 ◇はんどう・かずとし
 1930年東京生まれ。東大文学部卒。
「文芸春秋」編集長を経て作家に。
「昭和史」で毎日出版文化賞特別賞。
近著は「日露戦争史」1〜3巻。
近く「十二月八日と八月十五日」(文春文庫)を出版。
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2015年06月10日

政治学者、C・ダグラス・ラミスさん、この国はどこへ行こうとしているのか 「平和」の名の下に

特集ワイド:
この国はどこへ行こうとしているのか
「平和」の名の下に
政治学者、C・ダグラス・ラミスさん
毎日新聞 2015年06月09日 東京夕刊

◇自衛隊が人を殺す日

 「日本国憲法の語り部」は、渋みのかかった緑色のかりゆし姿で現れた。
沖縄・那覇空港から車で約40分、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)近くにあるキリスト教団体のセミナーハウス。

1960年代に米国でベトナム戦争反対運動に関わったのを機に憲法9条の大切さを知り、70年代から日本で平和を訴える活動を続けている。

安倍晋三政権が進める海外での自衛隊活動の拡大を図る安全保障関連法案に対する考えを問うと、単語一つ一つをかみしめるように、日本語でこう語り出した。

 「私の知る限り、自衛隊はこれまで、海外で誰一人、人を殺していません。
憲法9条2項で『国の交戦権は、これを認めない』と定めているからです」

 私は大学時代、彼が主催する「平和学」をテーマにしたゼミに参加していた。
二十数年ぶりの再会。
顔や腕はすっかり日焼けしていた。
大学を退職後、2000年から那覇市で暮らす。

今年1月からは週2回、普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に反対し、辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前の座り込み運動に参加している。

 交戦権は「兵士が戦争で人を殺しても殺人罪に問われない特権で、軍事行動が犯罪にならないよう、国家に与えられた権利」と解釈する。

安保法制を巡る国会では議論されていないが、問題の焦点だという。

 「9条2項は実質的に生きています。自衛隊の海外活動を認めた国連平和維持活動(PKO)協力法や周辺事態法では、武力行使は、刑法36条の正当防衛、37条の緊急避難以外は禁じています。
国際法は先制攻撃を認めていません。
それを前提に考えれば交戦権を放棄した日本は自衛の戦争を含め、軍事行動はできません

 安保関連法案が成立すれば、自衛隊は米軍の後方支援が可能になる。
活動範囲は「現に戦闘行為を行っている現場」以外というが、敵対勢力と撃ち合う危険性が懸念されている。
「血を流す覚悟」
隊員のリスクを語る時に使われるフレーズだ。

だが「語り部」は「隊員が殺された後」より「殺した後」の対応が、日本の分岐点と指摘する。  

「米軍の後方支援活動中、自衛隊が他国軍に反撃して兵士の命を奪っても、日本の警察や検察によって逮捕、起訴されなければ事実上の交戦権の復活です。
憲法に違反して国家の命令による人殺しを合法的に認め、日本が『戦争ができる国』として実質的な一歩を踏み出すことになるのです」

 70年間続いている平和国家が変わることを国民は許すのだろうか。
この疑問に対する答えを悲しそうな表情を浮かべて話した。

「マイノリティー(少数派)の平和主義者が声を上げるでしょうが結局、日本社会は交戦権を認めてしまうのでは。
日本人は軍隊は人を殺す組織という認識が低いのかもしれません」

 そして沈んだ声で「兵士」だった時代を語り出した。

 米カリフォルニア大バークリー校を卒業した後、志願して58〜61年の3年間、海兵隊にいた。
米国は第二次世界大戦後も朝鮮戦争、ベトナム戦争……イラク戦争と戦争が途絶えたことがない国。
戦場を経験した身近な大人は、帰国するとたたえられていた。
「国を守るには軍隊が必要。ならば自分も志願すべきだ」との結論に至るまで何も疑問に思わなかった。

 入隊直後、東部バージニア州の基地で受けた基礎訓練が今でも忘れられない。
わら人形を敵兵に見立て、銃剣で刺す−−というものだ。
人を殺す抵抗感をなくす心理的訓練でした

 訓練では上官が「銃剣は何のためにある?」と隊員に大声で問い続ける。その度に隊員は「To kill(殺すためだ)」と一斉に叫ぶ。
銃剣を何度も刺しながら。隊員の興奮が高まってくると、朝鮮戦争を経験した先輩隊員はアジア人を侮蔑する言葉を叫んだ。

「私には、ばかばかしいゲームにしか思えなかったけど」。
冷めた目で、銃剣を突き出す動作を見せた。

 3年目の赴任地は沖縄。
四輪駆動車に積んだ大砲の射撃訓練を毎日行った。
「当時、沖縄住民とどう交流していたのか」と聞くと、急に言葉が重くなった。

絞り出すように短い言葉を発した。
「そもそも基地の外で、健全な人間関係は作れないよ……」。

戦闘モードにある自分が、基地の外で民間人を傷つけてしまうことを恐れ、自制していたのだろうか。
任務期間中、戦場に行くことはなく、除隊した。

 海兵隊では新兵が戦場で敵兵を殺した時は泣き出したり、吐いたりするなど精神が乱れると聞いたという。
 後方支援といえども自衛隊員が襲撃を受け、敵に銃を向ける可能性がある。
自衛隊員が敵を殺し、錯乱したら、米国兵士はこう慰めるはずと予想する。

「最初はみんなつらい。でも大丈夫だ。すぐに慣れるから」。

海兵隊でベテラン軍人が新兵に掛ける言葉と同じだ。

 海外活動によって自衛隊だけが変わるわけではない、と元海兵隊員は指摘する。
戦争は人殺しに勲章を与え、敵への憎しみ、そして過剰な愛国心を作り出します。

多くの若者が政治に無関心でいられるのは、平和だからこそ持てる『権利』なのです。
それもなくなるでしょう」

 憲法の危機を約40年間切れ目なく訴えてきた。
06年8月に出版した著作「憲法は、政府に対する命令である。」の冒頭では、その危機をイソップ童話に出てくるオオカミに例えた。

 <憲法を守ろうとする人たちは、何十年も前から「憲法が危ない」と叫んできた。
それは、いたずらではなかった。
憲法を食べようとしている狼(おおかみ)は実際にいて、本当に少しずつ食べていた。
しかし現在、叫びは陳腐なものとなり、心配して慌てて飛んでくる人は少なくなった>

 「『オオカミはずっと来ない』と人々が思い込んだ時、憲法の危機は来る」という警鐘だった。

では、現状を尋ねると、指揮者のように手を振り上げて指さした。
自衛隊が海外で人を殺し、交戦権が復活した時、はっきりします。オオカミが来た!と」  

04年に普天間飛行場のヘリコプターが墜落した沖縄国際大の現場を案内してもらった。

ヘリがぶつかった建物は壊され、隣に立っていた木が、焼け焦げた痛々しい姿で残っている。
米軍は事故直後、現場を占拠し、拳銃を持った兵士が警護した。
沖縄の警察や消防は、現場検証もできなかった。

 「米国は基地を守るためには、基地のすぐ外で暮らす住民や当局者にも銃を向けるのです。
米国にとって基地を守ることが最優先。
米国はこれからも独自の論理で戦争するでしょう。

それなのに、日本はどこまでも付き合うのですか」

 木は、添え木に支えられながらも根をふんばっていた。崩れそうな今の憲法と重なって見えた。【堀山明子】

=「この国はどこへ」は随時掲載 == 

■人物略歴  
◇Charles Douglas Lummis
 1936年、米サンフランシスコ生まれ。
専門は、政治思想史、比較文化論。
80〜2000年に津田塾大教授。
「要石:沖縄と憲法9条」「ラディカルな日本国憲法」「憲法と戦争」など著作多数。
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2015年06月11日

【私説・論説室から】血税の原義と戦争法案

【私説・論説室から】
血税の原義と戦争法案
2015年6月10日 東京新聞

「血税投入は七百億円」−。

 消費税増税の先送りを問うためとか、アベノミクスが争点だと言っておきながら大勝した途端、国防軍(わが軍?)創設を含む安保法制整備に「国民の支持を得た」と言ってのけた昨年末の総選挙に要した費用である。

 今さら七百億円が党利党略に使われたとか、民主主義のコストとして高いなどというつもりはない。

正々堂々と安保法制の是非を問わない姑息(こそく)な政治手法や、勝てば何をやっても良いとの勘違いを正そうというのでもない。

「血税」という言葉の本来の意味も知らずに使ってきた不明を恥じているのだ。

 確かに「重税感に耐え、血のにじむ思いで納めた貴重な税金」という使い方は今では一般的だ。

だが、血税の原義は全く違う。
明治憲法下、お金を提供する義務が税金で血を提供つまり兵役が血税だった。
主権者である天皇に徴兵制に基づき血を納めたのである。

 今は平和憲法下だが、「戦争法案」が現実味を増してきて不安を抱く自衛隊員や家族は少なくないだろう。
しかし「自衛隊員のリスクばかり言うのは木を見て森を見ない議論だ」と切り捨てる首相に「思い」は届くまい。

 格差を放置どころか拡大させる政策ばかり見せられると、貧困の若者らが食うために志願兵にならざるを得ない「疑似徴兵制」ともいえる米国の兵士大量生産システムを後追いするのかと思えてくるのだ。 
           (久原穏)
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2015年06月12日

底ナシ年金問題…厚労省担当係長「欠勤」で逃げる“異常事態”

底ナシ年金問題…
厚労省担当係長「欠勤」で逃げる“異常事態”
2015年6月11日 日刊ゲンダイ

 デタラメは底ナシだ。
約125万件の個人情報を流出させた上、その後もズサンな対応が相次いでいる日本年金機構にカンカンなのが、会計検査院だろう。

昨秋の監査で機構の内部統制システムの改善を求めたにもかかわらず、“完全無視”だったからだ。
一方、問題を担当した厚労省担当係長の“職場放棄”も発覚し、事態は悪化の一途をたどっている。

■会計検査院の指摘を無視した年金機構

 会計検査院が「日本年金機構等の取組に関する報告書」を出したのは昨年10月だ。
「消えた年金」問題の再発防止に向けた体制について、その“不備”を指摘。
07年に総務省に設置された「年金記録問題検証委員会」の検証結果を踏まえて、機構のIT対応の問題点について「事務処理の誤りが継続して発生するなど、体制整備等を必要とする事態が見受けられる」と分析していた。

これに対し機構は「システム部門職員を対象とした人材育成研修」等の対応を取ってきた――などと説明していたが、今回の「漏れた年金」問題では、機構の職員がウイルスメールを不用意に開封したことが発端になった。

結局、体制は何ひとつ改善されておらず、検査院からの指摘も全く役に立たなかった。

「会計検査院は呆れ果てているでしょうね。何をやってるのかって。
そもそも『消えた年金問題』を二度と起こすな、という意味で監査が行われたのに、当事者の機構にその意識が全くなかったということですよ」(厚労省担当記者)

 機構は論外だが、監督官庁の厚労省も同じ穴のムジナだ。

5月8日のウイルス感染から17日間、問題を担当してきた係長が、今月8日から欠勤しているというのだ。
 この係長は、先月25日まで機構とのやりとりをひとりで行い、課長ら上司には何も報告していなかったという。

民主党は、課長と係長の机は約3メートルしか離れておらず、課長らが知らないはずはないと主張。
部会への出席を求めていたのだが、9日になって欠勤が発覚。

厚労省は「精神的なもの」なんて説明していたが、責任逃れの“職場放棄”と受け取られても仕方がないだろう。

「係長がひとりで担当していたなんて、完全にウソですよ。
警視庁への相談を上司に報告していないなんて組織上、考えられません。

厚労省の“危機管理マニュアル”で、大事件の際には担当係長しか知らなかったことにしているのではないか。

係長なら、国会などの公の場での説明責任を逃れられる。
係長ひとりにすべて罪をかぶせれば上司はおとがめなし。

まさに“トカゲの尻尾切り”です」(前出の厚労省担当記者)


 機構や厚労省の対応を見ていると、国民のために「漏れた年金」問題を解決しようとする気概が全く感じられない。
我々の年金を預けておいて本当に大丈夫なのか。
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<派遣法改正案>「絶対に許さない」労働者ら抗議

<派遣法改正案>
「絶対に許さない」労働者ら抗議
毎日新聞 6月12日(金)22時41分配信

 企業が派遣労働者を受け入れる期限を事実上撤廃する労働者派遣法改正案は12日、衆院厚生労働委員会で審議が終わった。

委員会を傍聴した派遣労働者らは危機感を募らせ、連合は東京都内で抗議集会を開いた。

 改正案は働く期間に制限がなかった通訳や秘書など専門26業務を廃止して受け入れ期限を一律3年にする一方、人を代えれば受け入れ先は派遣を使い続けることができる内容。

 改正されれば3年を超えて同じ職場にいられなくなる秘書業務をしてきた40代女性は厚生労働省で記者会見し「安い時給で、賃金を見直してくれと派遣会社に求めたら雇い止めにされた。

派遣を増やし、弱い立場に追いやられる改正には反対だ」と涙ながらに訴えた。

 連合の抗議集会は午後6時半に日比谷野外音楽堂で始まり、3725人(主催者発表)が参加した。古賀伸明会長は「派遣法改正案は世界に類を見ない悪法だ。
一生派遣を強いる改正を絶対に許さない」と訴えた。
                               【東海林智】
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2015年06月13日

労働者派遣法改悪、問題山積、それでも強行なのか

労働者派遣法改悪 問題山積、
それでも強行なのか
2015年6月12日(金) しんぶん赤旗「主張」

 安倍晋三政権が「戦争法案」とともに今国会で成立を狙っている労働者派遣法改悪案について、自民、公明の与党が維新を巻き込んで、きょうの衆院厚生労働委員会で採決を強行しようとしています(注・審議打ち切り、採決は来週に)。

労働者派遣法改悪案は「正社員ゼロ」「生涯ハケン」を押し付ける悪法で、審議をすればするほど問題点が明らかになっています。

しかも厚生労働行政をめぐっては年金情報流出問題が発覚し、その問題の優先的な解明が求められています。
法案に対する反対の声や年金問題での早急な対応を求める世論を無視した採決の強行は、絶対に許すことができません。

人さえかえれば無期限に

 労働者派遣法改悪案は、専門的な26業務を除いて原則1年、最長3年となっている、企業が派遣労働者を受け入れることができる現在の期間制限をなくし、働き手さえかえれば、無期限で派遣労働者を受け入れることができるようにする法案です。

改悪法案の国会提出は3回目ですが、これまで立て続けに廃案になった法案をそのまま出し続けること自体、国会審議を軽視したものです

 今国会での改悪法案の審議は5月半ばに始まったばかりですが、短い期間にも法案の問題点が浮き彫りになっています。

派遣労働者の受け入れ期間が制限されていれば、企業は期限が来てもその業務を続けたい場合は、派遣労働者に直接雇用を申し出なければなりません。

ところが期間制限がなくなれば、企業は労働組合の意見を聞くだけで、人を入れ替えたり部署をかえたりして派遣労働者を使い続けることができます。

まさに派遣労働者から直接雇用や正社員への道を奪うものです。

 今回の改悪法案の提出に当たって政府は、条文に派遣は「臨時的一時的なもの」であるとの原則を「考慮する」などを盛り込みました。
しかし派遣の期間制限をなくし正社員への道を奪っておいて、「考慮する」だけではなんの歯止めにもなりません。

派遣労働者にとっても正社員にとっても、改悪法案は百害あって一利なしです。

 しかも法案審議のなかでは、企業が派遣労働受け入れ期間に違反した場合は派遣労働者に労働契約を申し入れたものと「みなす」規定が今年10月から実施予定になっているのに、改悪法案がその前の9月から施行されれば、その意味がなくなることも重大問題として浮上しました。

文字通り違法企業が大歓迎するこうした改悪を、厚労省が改悪法案の成立を急ぐ理由として一部の党に説明していたことも明らかになりました。

まさに派遣労働者を守るどころか企業の利益優先の厚労省の姿勢が、きびしく問われるのは当然です。

別の法案では解決しない

 改悪法案では現在は派遣の期間制限がない26業務の指定も廃止されるため、専門的な派遣労働者が大量に解雇されるのではないかという不安が広がっています。
こうした不安に応えるためにも正社員化を進め、「正社員が当たり前」の働き方を確立すべきです。

 自民、公明が維新と合意した「同一労働同一賃金推進法案」を修正の上成立させるというのは、派遣法改悪の問題点を何一つ解決するものではありません。
いま重要なのは派遣法改悪について徹底審議し、改悪法案は国民が望む通り、今国会でも廃案にすることです。
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2015年06月14日

派遣法審議打ち切りで加速する安倍政権の「労働者イジメ」

派遣法審議打ち切りで
加速する安倍政権の「労働者イジメ」
2015年6月13日 日刊ゲンダイ

別名「正社員ゼロ法案」の“改悪”派遣法は、12日、民主と共産が反対する中、委員長(自民党)が強権で衆院での審議終了を宣言。
来週の強行採決が確実となった。

 民主党議員が委員長の入室を制止し、もみ合いになるなど、きのうの委員会は冒頭から大混乱。
民主や共産を無視して審議を進める委員長や答弁のため出席していた安倍首相に対し、傍聴席から「派遣労働者は反対です」「国民の声を聞いて下さい」と切実な声が飛んでいた。

「日本の歴史で、労働法案の審議打ち切りを強行され、採決されたことは過去に一度もありません。

労働者の命に関わることなので、労使合意の上でやってきたのです。
強行採決は国会史上、初の暴挙です」(民主党・山井和則衆院議員)

■今後も“乱発”される強行採決

 現場では、すでに法案成立を見越した「解雇準備」の動きが出ている。

法改正により、派遣期間が無期限の「専門26業種」も最長3年の有期に変わり、これで40万人が解雇の危機にさらされる。

山井議員に相談してきた40代の派遣女性は、早くも派遣会社からこう宣告されたという。
〈9月1日に派遣の法律が変わる。3年後には雇い止めになり、今の派遣先にはいられなくなる。
今の3カ月更新だと、7月からの契約は9月までとなるが、(3年後の)切れ目を考えて、今回は7月、8月の2カ月更新にしてもらう〉

 血も涙もない悪法だが、これは安倍政権の労働者イジメのスタートにすぎない。

雇用という労働者の“命綱”を重く見て、強行採決を避けてきた自民党も、一度やってしまえばタガが外れる。

労働時間の制限をなくす「残業代ゼロ法案」、カネを払えばクビにできる「金銭解雇法案」も強行採決で成立させるのは確実だ。

「安倍政権は『残業代ゼロ法案』も今国会で成立させるつもりです。

『金銭解雇』は、あらためて成長戦略の原案に盛り込まれました。
これはカネさえ払えば不当解雇すら可能になるとんでもない制度ですが、来年の通常国会に法案が提出されることになるでしょう」(山井和則議員)
 こんな暴挙を許してはいけない。
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2015年06月15日

これが世界の現実…戦後の戦争すべて「集団的自衛権」口実に

これが世界の現実…
戦後の戦争すべて「集団的自衛権」口実に
2015年6月13日 日刊ゲンダイ

憲法学者3人から「安保法案は憲法違反だ」と批判された安倍自民党が、「集団的自衛権は国連憲章も認めている」とムキになって反論しはじめている。

しかし、戦後の悲惨な戦争は、ほとんど「集団的自衛権」を口実にして行われている。
自民党はどこまで「集団的自衛権」の実情を理解しているのか。

■民主化の弾圧、旧植民地の利権、冷戦の代理戦争…

 戦後の「集団的自衛権」の実情について、衆院事務局に33年間勤めていた平野貞夫氏(元参院議員)が、衆院調査局が作成した「報告書」を参考に、最新号のメルマガ(日本一新)で詳細に分析している。

 戦後、国連の安保理に報告された「集団的自衛権行使」の代表例は、ざっと14あるという。

直近は2001年のアフガン戦争だ。
9・11同時多発テロを受けたアメリカが反撃する時、同盟国のイギリスやフランスなどが一緒に戦った。
行使された14の「集団的自衛権」は、〈民主化の弾圧〉〈冷戦の代理戦争〉〈旧植民地の利権確保〉〈内乱への関与〉の4つに分類されるという。

 たとえば、1956年のソ連による「ハンガリー政府支援」は、〈民主化運動の弾圧〉だ。
アメリカによる「南ベトナムに対する支援」(1964年)は、〈冷戦の代理戦争〉である。
ただし、1990年の「湾岸戦争」と、2001年の「アフガン戦争」は、国連の集団安全保障に近いという。

 要するに、国家の私利私欲のために「集団的自衛権」が行使されてきたのが実情なのだ。

なのに、「集団的自衛権は国連憲章も認めている」と反論している自民党議員は、戦後の歴史をほとんど知らないのだろう。

「戦後レジームからの脱却」を唱えながら、戦後レジームの出発点である「ポツダム宣言」を読んでいなかった安倍首相と同じだ。

「集団的自衛権」の歴史について平野貞夫氏がこう言う。
国連憲章は1945年に決定されています。
当初の憲章案には、集団的自衛権はなかった。
戦争の原因になるという判断があったからです。
ところが、冷戦がはじまるという予兆もあり、アメリカの要求によって入れられることになった。

当時は、異論を唱える国際法の学者もかなりいました。
実際、昭和24年、外務省の条約局長は衆院外務委員会で『集団的自衛権というものは、国際法上、認められるかどうか、学者の間に議論が多い』と答弁している。

集団的自衛権について、多くの学者が疑問を持っていたのです。
なのに『国連憲章も認めている』と鬼の首でも取ったように訴えている自民党議員は、集団的自衛権の歴史も実情も勉強していないのだと思います」

 安倍自民党は「国連憲章」を持ち出せば国民をだませると考えているのだろうが、簡単にだませると思ったら大間違いである。
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2015年06月16日

“改憲派”亀井静香が説く 「今の日本人に憲法改正の資格なし」

“改憲派”亀井静香が説く
「今の日本人に憲法改正の資格なし」
2015年6月15日 日刊ゲンダイ

 運輸大臣や建設大臣を歴任し、自民党の政調会長も務めた亀井静香衆院議員(78)は、バリバリの改憲派だ。
ところが、今の日本人には、その資格がないと説く。

自民党の中枢にいながら、自説を貫いて離党した保守政治家の主張はクリアだ。

 今の憲法が米国の占領政策で作られたものであるのは明々白々です。
 もちろん、いい面もありますよ。
基本的人権の尊重とか平和主義とか、明治憲法にない思想を明確に規定していますからね。

日本にも、そんな精神がなかったわけじゃない。
ただ、薩長が権力を行使しやすくするために作った旧憲法には盛り込まれなかったんです。

 それでも、現在の憲法は改正すべきなんです。
英文を日本語に訳しただけだから、日本人の精神性が織り込まれていない。
民族の魂がこもっていない基本法なんて、あってはならないんです。

日本人はみんなで相談し、みんなで助け合って生きてきた。
そうした日本人の本来の暮らし方、考え方を反映した憲法を作る必要があるんです。

 ただし、今の我々には憲法を作り変える資格はありません。
今の日本人は、人間としての最低の気持ちを忘れかけています。
カネよカネよ、で自分のことばかり。
性根が腐っている。

そんな我々が、子々孫々に対して「これが国家の基本だ」「国家のありようはこうだ」と提示するなんてとんでもないこと。
健全な日本人の心を取り戻した上でやるべきなんです。

 憲法改正のための集会で、中曽根元総理や平沼赳夫さんの目の前でも、同じことを言いました。
不思議なことに、ヤジひとつ出なかった。みんな分かっているんです。

■解釈改憲は憲政の常道を外れている

 ところが、今また急に憲法改正が出てきた。
それも、「普通の国にならないと国際社会で生きていけない」という理屈からです。

自衛隊を外国に出して、米国やほかの国と一緒に戦争をやるのが普通の国だと。
安倍総理もそういう立場に立っちゃっている。

 日本は、普通の国じゃないんですよ。
外国に自衛隊を出して戦争はしないんです。
それを国是としている。
世界と平和的に協調するのが、本来の日本人の姿。

普通の国になるのを後押ししている新聞の世論調査を見ても、海外での戦争は「ノー」ですよ。

そんな声も無視して、「普通の国になりたい」と言うような人に、憲法改正を提示する資格はないんです。

 まして憲法改正の手続きを抜きにして、解釈改憲でやっていこうとするなんてのは、憲政の常道を外れています。

人間はワニやサメを制御できません。
浅瀬ばかりを通ってルビコン川を渡ろうとしても、襲われるときは襲われる。

自衛隊を外国に送り出せば、戦死者や傷病者が出るんです。
内閣が危ない道を選択するというのなら、当然、国民の意思を問わなければならない。

内閣の見解だけで法律もどんどん作ってしまえというのは、子供が考えてもおかしな話でしょう。

 今のようなやり方には自民党の議員も賛成できないはずですよ。
でも、機嫌を損ねると大臣や副大臣になれないから黙っている。
声を上げているのは、村上誠一郎さんぐらいですよ。

みんな選挙で公認をもらえなくなるのを恐れている。
度胸がないんです。

 国民も鈍感ですね。五寸釘をばんばん打たれているのに、マスコミが「ハリ治療」と報じるもんだから、いつ効いてくるのかとのんきに構えている。
心臓にズドンと突っ込まれない限り、気がつかないんでしょう。

徴兵制で連れて行かれ、戦死する直前にならないと、目が覚めないのかもしれないですね。

 ひどい未来は決して歓迎できません。でも、そんな状況になれば、ようやく日本人も立ち直るはず。
まともに戻る時代がやってくるでしょう。
それまでは憲法を改正すべきじゃないんですよ。
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2015年06月17日

憲法の権威が再反論「平和守りたいなら学者の意見聞くべき」

憲法の権威が再反論
「平和守りたいなら学者の意見聞くべき」
2015年6月16日 日刊ゲンダイ

 安倍政権よ、学者の意見を聞け――。

国会で安保法案は「憲法違反だ」と批判した長谷部恭男早大教授と小林節慶大名誉教授が15日、日本記者クラブで会見。

「法理」より「感情」優先で「合憲」と言い張る安倍政権に“再反論”し、安保法制のデタラメぶりを、改めて世界に訴えた。

 まず、外国人記者からの質疑時間で反論の火ブタを切ったのは長谷部氏だ。

「憲法学者の言う通りにしていたら、日本の平和と安全は守れない」と強弁する自民党の高村正彦副総裁について聞かれると、こう答えた。

今回の安全保障法案は日本の安全を、むしろ危うくすると考えております。日本の安全を確実に守りたいのであれば、ぜひ学者の意見を聞くべきだと思っています」

 学者をコケにし続ける高村に、普通ならブチ切れてもよさそうだが、長谷部、小林両氏は冷静だった。

特に長谷部氏は、4日の「憲法審査会」に、自民党の参考人として出席したにもかかわらず、後から「人選ミスだ」とメチャクチャなイチャモンをつけられている。

このことについても、長谷部氏はこう応じた。
「事務局が私を選んで、自民党が受け入れたと私は伺っています。
コンスティテューショナリズム(立憲主義)の専門家で呼ばれたが、その人間がたまたま憲法9条について発言したのが、『けしからん』ということなのでしょう。
しかし、私は質問があれば、自分の思っていることを答えるだけだと思います」

 あくまで自分は真実を話すだけ――。

会見で長谷部氏はクールな態度を貫いた。
子供のケンカのように幼稚な論理をふっかける安倍政権と、同じ土俵に立つつもりはないのだろう。

安倍首相が米上下両院合同会議で行った英語スピーチとは違い、長谷部氏の流暢な英語に外国人記者は何度もうなずいていた。

 小林氏も時折、ジョークを交えながら安倍政権を痛烈に批判。
仮に安保法制が成立した場合、「平和を傷つけられた」として政府を相手に訴訟の準備をしていることを明言した上で、こう話した。

恐ろしいのは、安保法制のような憲法違反がまかり通ると、憲法に従って政治を行うというルールがなくなり、北朝鮮のような国になってしまうことです。
キム家と安倍家が一緒になっちゃう。
それは絶対阻止しなければいけない。

安倍さんのいうとおりにしたら、日本の自衛隊はアメリカの軍隊の“二軍”になるだけで、何ひとついいことはない。

だから、安保法制は撤回すべきで、撤回しないならば選挙で倒すべきです」


 両氏によると、95%もの憲法学者が安保法制は「違憲だ」としているという。
菅義偉官房長官は「違憲ではないという学者もいっぱいいる」と言った後、「数の問題ではない」と取り繕ったが、「95%」という数字は大問題だろう。

憲法学の権威である2人の再反論に安倍政権はグウの音も出ないんじゃないか。
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2015年06月18日

「漏れた年金」機構側の責任者は旧社保庁の“A級戦犯”だった

「漏れた年金」機構側の責任者は
旧社保庁の“A級戦犯”だった
2015年6月17日 日刊ゲンダイ

 問題解決まで気が遠くなるような時間がかかりそうだ。
「漏れた年金」問題で、事務方のトップとして年金機構サイドの説明を担当している副理事長の薄井康紀氏(61)。

民主党の「漏れた年金情報調査対策本部」のヒアリングでは、「現在、調査している最中です」と、のらりくらりと追及をかわしている。

 実は、この薄井氏、厚労省のエリート官僚から旧社保庁の幹部になった人物。
年金行政の中枢を渡り歩いてきた。
日本の年金をおかしくしたA級戦犯のひとりなのだ。

「彼は社保庁からの“生き残り”です。
個人情報漏洩などずさんな運営が問題になった04年には、社保庁の運営部長を務めていた。
その後、内閣府の官房審議官などを経て、08年には社保庁の総務部長に就任。
09年に社保庁が解体された後、年金機構の最初の副理事長になっています。

薄井氏は60歳の定年前に役員公募に応募し、現在まで居座っているんです」(厚労省担当記者)

 東大法学部卒の薄井氏。“官僚らしく”言を左右に追及をかわす答弁は一級品だ。

 16日行われた民主党の対策本部のヒアリングでも、要領を得ない答弁でア然とさせた。
少しでも具体的な話になると、「捜査上、セキュリティー上、具体的に申し上げることはできない」を連発。

一切真相を明らかにしようとしないのだ。

「委員会やヒアリングでどれだけ聞いても、具体的な数字を言わないんです。
『調査中でわからない』という割には、メディアにはどんどん情報が出ている。

125万件の流出のうち、実際に何人の情報が漏れたのかを国民は一番知りたいはずです。

すでに朝日新聞が『50万人超』と報道しているのに、何も答えない。
派遣法改正案の採決が19日にありますが、それが終わるまで明かさないつもりなのでしょう。

そうなると、完全な組織ぐるみの“隠蔽”です。
この問題で理事長が辞めるのは既定路線ですが、副理事長の薄井氏は辞める気持ちはサラサラない。
まだまだ年金行政を牛耳るつもりでしょう」(民主党関係者)

「消えた年金」では、1年間で110回のヒアリングを重ね、ようやく問題があぶりだされたという。
年金機構も解体しないとダメなのか。
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2015年06月19日

うつ状態の深刻化を医師が指摘 「朝型勤務」はこんな危険

うつ状態の深刻化を医師が指摘
「朝型勤務」はこんな危険
2015年6月18日 日刊ゲンダイ

 仕事を効率的に片付けるために、1、2時間早めに出勤するサラリーマンは少なくない。
こうした「朝型勤務」は健康的なイメージがあるが、そこに一石を投じる民事訴訟が行われている。

関西在住の女性(45)が10年前に自殺した夫の元勤務先を訴えているのだ。
 夫は金融機関に勤め、連日午前6〜7時台に出勤。
時間外労働が最長で109時間に及び、過労自殺した。

女性は夫の勤務先に賠償を求める裁判を起こし、1審では勝訴したが、2審で敗訴。
現在上告中だ。

 夏になると早めに仕事に取りかかろうというサラリーマンが増えるが、そこには落とし穴が待ち構えている。

「医療法人社団すずき病院」理事長で精神科医の坂本博子氏が言う。
朝型勤務で仕事がはかどる人がいる一方で、うつ状態に陥り、命を絶つという悲劇も起きています。
原因の多くは睡眠不足。
早朝から働き始めながら夜も残業に追われる“残業サンドイッチ”になった結果、“このきつい状態がずっと続くのか”“自分は生きる価値がない”と絶望的になってしまうのです。
会社を辞めればいいのだけど、精神的に追い詰められた人は“退職したら家族に迷惑がかかる”と我慢し、最悪の結末を迎えてしまいます

 もともと早起きが苦手な人は朝型勤務をしないほうがいいかも。

健康的な人でも早朝は脳内伝達物質のセロトニンの分泌が少ないため、頭が冴えず体がうまく動かないものです。
ましてや、うつの人にとって早起きはつらく、病気が深刻化してしまいます。
『モーニングデプレッション』と呼ばれる現象です。
朝型勤務が健康にいいと安易に考えるべきではありません」(医学博士の米山公啓氏)

 日本企業は“朝型勤務”の導入を始めているが、本当に大丈夫なのか。

厚労省は1日に6時間は眠るよう呼びかけている。
睡眠不足を甘く見てはならない。
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2015年06月20日

「生活が…」泣き崩れる傍聴者 派遣法改正案 衆院通過へ

「生活が…」泣き崩れる傍聴者 
派遣法改正案 衆院通過へ
2015年6月19日  東京新聞夕刊  

 働く人を交代させれば企業が派遣労働者を使い続けられる労働者派遣法改正案は十九日午前、衆院厚生労働委員会で採決され、自民、公明両党の賛成多数で可決された。

民主、維新、共産の三党は反対した。

与党は同日午後の衆院本会議に緊急上程して衆院通過させ、参院に送る方針。
政府・与党は今国会中に成立させ、九月一日施行を目指す。

 厚労委では自民、公明、維新三党が提出した「同一労働同一賃金推進法案」の修正案も三党の賛成多数で可決された。

共産党は反対し、民主党は採決に応じず退席した。

 厚労委で、安倍晋三首相は派遣法改正案について「時代は多様な働き方を求めている。
正社員化への支援を行い、派遣を選ぶ人には待遇の改善を進める」と理解を求めた。

 改正案は、現在派遣期間が最長三年の製造業や一般事務などの派遣労働者について、受け入れ企業が労働組合などから意見を聞き、働く人を代えれば、派遣労働者を同じ職場で働かせ続けられる。
派遣期間の制限を事実上撤廃する。
契約更新すれば無期限で雇える通訳や秘書などの「専門二十六業務」は、その区分をなくす。  

三年を迎えた労働者の雇用を守るため、派遣会社には、受け入れ企業に直接雇用を求める

▽派遣会社で無期雇用する
▽新しい派遣先を紹介する
▽これら以外で雇用安定の対策を取る−のいずれかの実施を義務付けた。

受け入れ企業にも正社員募集などの情報提供を義務付けた。

 同一労働同一賃金推進法案修正案は、同じ仕事なら受け入れ企業の正社員と派遣労働者らの待遇の格差是正を目的とする法案。
だが、両者の待遇格差を残す余地がある文言が盛り込まれたため、同じ処遇が実現するかは不透明だ。
 当初案は維新のほか民主、生活の三党が共同提出したが、維新が労働者派遣法改正案の採決に加わることを条件に、修正案を自民、公明と提案することで合意した。
 当初案は均等待遇実現を図るとしたが、修正案は均等待遇にこだわらない内容に後退した。

◆専門職に「3年後辞めて」

 十九日の衆院厚生労働委員会を傍聴した都内の派遣社員の女性(56)は「三年後には辞めてもらうと言われている。

一人一人の生活がかかっていることを、賛成した議員はどう考えているのか」と話し、泣き崩れた。


 この女性は専門業務で十五年同じ職場で働いているが、改正案では、現在は派遣期間制限がない専門業務の人も、同じ職場で最長三年しか働けなくなる。

 傍聴席には法案に反対の派遣労働者や弁護士、労働組合関係者らが詰め掛け、民主、共産両党の反対討論の後、改正案が賛成多数で可決されると「派遣労働者のためになる法案ではない」と口々に話した。
 「雇用が途切れないよう派遣先企業や他の企業で働けるようにする」。
安倍晋三首相は、改正案に盛り込んだ派遣労働者の雇用安定措置の意義を繰り返し強調したが、野党からは「実効性がない」などと批判の声が上がった。

 委員会室は時折、与野党議員の大声のやじに包まれた。
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2015年06月21日

瀬戸内寂聴氏「すぐ後ろに軍靴の音が聞こえる」

瀬戸内寂聴
「すぐ後ろに軍靴の音が聞こえる」
ハンギョレ新聞 6月20日(土)7時1分配信

安倍首相が進める集団的自衛権行使のための安保法制改正の動きを批判

 「最近の状況は寝ていられないほど心を痛めていた。
どうせ死ぬなら、(日本に)本当に怖いことが起きているぞと申し出て、死にたい

 18日午後6時30分、東京・千代田区の衆議院第2会館前。
すぐにでも豪雨が降りそうな曇り空の下、黒い僧服に身を包んだ瀬戸内寂聴氏(93)の車椅子が姿を現した。

日本の安倍晋三首相が進める「集団的自衛権」行使のための安全保障法制の改正作業を阻止するために、座り込みを続けていた市民2000人が温かい拍手で彼女を迎えた。

尼僧の瀬戸内氏は、日本の古代小説『源氏物語』を現代語に訳したミリオンセラー作家として、平和と反戦のための様々な社会活動を行ってきた。
彼女の本は韓国語にも翻訳されて紹介された。

 車椅子からかろうじて立ち上がった瀬戸内氏が伝えたのは、自分が身をもって体験した凄惨な戦争経験と、その経験から染み出た平和と反戦の声だった。
少しずつ戦争に近づいている日本社会に向けた瀬戸内氏の鋭い“警覚策励”は、朝日新聞など日本の主要紙の1面を飾った。

暴走する安倍政権による改憲にむけての動きが、国内の抵抗にぶつかっているという代表的な象徴だった。

 ミリオンセラー作家で平和活動家
 安倍首相進める「集団的自衛権」批判
 車椅子に乗って自ら経験した戦争告発も
「日本に本当に怖いことが起きている」

 瀬戸内氏は1922年に生まれた。彼女はこの日、「私は戦争の真っただ中に青春を過ごし、北京で終戦を迎えた。
帰ってきたら、故郷の徳島は焼け野原だった」と振り返った。

彼女は続いて「それまでの教育で、この戦争は天皇陛下のため、日本の将来のため、東洋平和のためと教えられた。
戦争にいい戦争は絶対にない。戦争はすべてが人殺しだ。殺さなければ殺される。
このようなこと(戦争)は、人間の最も悪いとこ」と強調した。

 彼女は安倍首相が導いている日本の現実に対して、「最近の状況を見ていると、怖い戦争に近づいてきているような気がする。
(戦争に反対する)このような気持ちを他の人、特に若い人たちに伝え、若者たちの将来が幸せになるような方向に(日本社会が)いってほしい」と述べた。

 瀬戸内氏は第2次大戦当時、空襲で祖父と母親を失った。
そのため、現在日本社会に残り少ない「戦前世帯」(戦争を直接経験した世代)の代表的な人物とされる。
彼女は反戦と平和に対する自分の信念を実践するために、1991年の湾岸戦争が勃発した時は「停戦」を祈って断食を行い、後にイラクを訪問し薬品や牛乳などの救援物資を届けた。

2001年のアフガン戦争と2003年のイラク戦争の際には戦争反対を訴える新聞広告も出した。  

朝日新聞は19日、瀬戸内氏が「このままでは子供や孫が戦争に引っ張りだされてしまう」と2日前に集会に出席を決めたと伝えた。

彼女は昨年、背骨を圧迫骨折したうえ、胆嚢がんまで患っており、京都で療養中だった。
 瀬戸内氏は集会が終わった後も周辺に集まった記者たちに戦争の危険を警告することを忘れなかった。
彼女は、
「(現在の日本は)表面上は平和に見えますが、すぐ後ろに軍靴の音が聞こえている。
安倍首相のやり方は、憲法9条を壊して、日本を再び戦争できる国にしようとしている。
これを防ぐために、最後の力を振り絞って反対運動をするつもりだ」と述べた。

東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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2015年06月22日

慢性疲労症候群 脳の炎症も関係…客観的な診断法に期待

慢性疲労症候群 脳の炎症も関係
…客観的な診断法に期待
2015年6月19日 読売新聞

 頭痛や微熱、筋肉痛など様々な症状とともに、激しい疲労感に襲われるようになり、生活に長く支障をきたす「慢性疲労症候群」。

休めば回復する単なる疲れではなく、脳の炎症も関わる全身性の病気と分かってきた。

客観的な診断法や治療法の開発が期待されている。

 慢性疲労症候群が一つの病気と認識されるきっかけは、1984年に米国で原因不明の激しい疲労や痛み、思考力低下などを訴える患者が集団発生し、本格的な研究が始まったこと。
その後、各国で同様の患者が報告された。

 全身の倦怠けんたい感があり、体を動かす、ものを考える、感情を動かされるなど、普通の人なら負担にならない活動でも疲れは増す。
感染症や免疫力の低下が原因とみられているが、はっきりしない。

 国内の推定患者数は24万〜38万人。月に数日、自宅で休むことが必要な程度から、寝たきり状態まで症状には幅がある。
最近の厚生労働省の実態調査では約3割がほぼ寝たきりだった。

 慢性疲労症候群という病名では、病気の深刻さが伝わらないことから、筋痛性脳脊髄炎という病名が使われることが多い。
だが、筋肉の痛み以外に様々な症状があり、不適切との意見もある。

 米国では今年2月、多くの医師がこの病気に適切に対応できるように、専門家の委員会が9000以上の文献を調べ、新たな病名と診断基準を提案した。

 新病名は「SEID」。
日本語訳は未定だが、直訳すれば「全身性労作不耐疾患」。
体や脳の活動が、極度の疲労を中心とする全身の不調を引き起こすという意味だ。

 SEIDの診断基準は、

〈1〉活動レベルの大幅低下が半年以上続き、休んでも回復しない疲労がある
〈2〉運動や作業後に悪化する極度の倦怠感
〈3〉睡眠障害――の三つの症状があることに加え、

〈1〉認知機能の低下
〈2〉めまいなどで立っているのが困難――の少なくとも一つがあるとした。

 日本でも米国の動きをふまえて来年3月、厚労省研究班が新たな診断基準を発表する。
代表研究者の倉恒弘彦・関西福祉科学大学教授によると、従来の診断は症状の把握に頼っていたが、今回は最新の研究をふまえて客観的な診断指標も取り入れる予定だ。

 理化学研究所などは昨年、この病気の患者の認知機能障害、痛み、抑うつ症状などの程度が、脳の特定部位の炎症と相関していることを明らかにした。
脳の炎症に伴って増える血中たんぱく質も見つかっており、血液検査で疑わしい人を絞って脳の詳しい検査を行えば、客観的な診断ができる可能性がある。

 治療は、漢方薬やビタミンCで体力や免疫力を上げたり、必要に応じて抗うつ薬の治療が行われたりするが、効果は確実でない。
倉恒教授は「脳の炎症を直接抑える薬ができれば、根本的な治療になるかもしれない」と話す。  

最近、患者団体が期待を寄せるのが和温療法。
15分の低温サウナの後、体を30分保温して深部体温を上げ、血流を促す。
慢性心不全に対する先進医療だが慢性疲労症候群にも有効との報告がある。
 慢性疲労症候群患者に和温療法を行っている静風荘病院(埼玉県新座市)の天野恵子医師は、和温療法による患者の脳の変化を調べる共同研究を計画している。
                                  (藤田勝)
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日米安保破棄唱える共産党以外は集団的自衛権にNOと言えない

日米安保破棄唱える共産党以外は
集団的自衛権にNOと言えない
2015.06.22 16:00 NEWSポストセブン
※週刊ポスト2015年7月3日号

 安全保障法制の見直しをめぐる論議はなぜ迷走しているのか。
憲法学者が違憲と断じたと言っても、それは安倍晋三政権が昨年7月に安保法制見直しの閣議決定をしたときから出ていた話だ。
国民から見たら、同じ話の蒸し返しでまったくつまらない。

 そこで、今回はもっと根本的な話を書く。
日本は集団的自衛権を認めてこなかったのか。
そんなことはない。
実はとっくの昔から認めていた。

どういうことかといえば、そもそも日米安保条約は集団的自衛権を前提にしているのだ。
最初に結ばれた1951年の条約前文にこうある。

「日本は主権国として集団的安全保障取極を締結する権利を有し、国連憲章はすべての国が個別的および集団的自衛の固有の権利を有することを承認している。
これらの権利の行使として、日本は日本国内に米国が軍隊を維持することを希望する(要約)」  

1960年に改定された現在の条約も同様に前文で、日米両国が「個別的および集団的自衛の固有の権利」を確認したうえで、日本が米国の基地使用を認めている。

 つまり、日本は米国に基地を使わせることで国を守ってもらっている。
これは集団的自衛の構造そのものだ。

条約を改定した岸信介元首相は国会で「他国に基地を貸して自国のそれと協同して自国を守るようなことは従来、集団的自衛権として解釈されており、日本として持っている」と述べている。  

それどころか、米国は日本だけでなく極東(韓国、台湾、フィリピン)も守っている。
朝鮮半島危機が起きれば、米軍は韓国防衛のために沖縄や横田の基地から出撃する。
けっして遠いハワイやグアムからではない。

 そのとき日本は米国と事前協議するが、あくまで建前にすぎない。
2010年に暴露された外務省の密約文書によれば、米国は日本と事前協議しなくても韓国に出撃できる約束になっていた。
当時は民主党政権(*注)だったから、民主党は事情を知っているはずだ。
*注:鳩山内閣が設置した「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」が2010年3月に調査報告書を公表した。それまで公然の秘密だった「日米密約」の存在を政府が認めた

 もしも「米国が日本防衛に集団的自衛権を発動するのは勝手だが、日本の集団的自衛権行使は違憲だから、極東防衛に日本の基地は使わせない」と日本が言ったら、どうなるか。

 それだと安保条約は成立しなかった。
沖縄だって日本に戻ってこなかった。
いま、それを言い出したらどうなるか。
極東防衛を書き込んだ条約第6条が違憲であり間違い、という話になる。

 同盟破棄を唱える日本共産党はともかく、民主党は「安保条約は間違いだから改定すべきだ」と言うつもりなのか。
それは言えないだろう。
 民主党だって、実は米軍への基地提供によって日本と極東を守る集団的自衛体制に同意しているからだ。
自らそういう事情は説明しないだろうが。
そんな論点を詰めていったら、党が分裂してしまう。

 以上が集団的自衛権の核心である。

野党は米軍基地と集団的自衛権の本質をめぐる議論から逃げ、政府与党も説明を避けてきた。
深入りすると、野党は集団的自衛権を容認せざるをえず対案を提示できない。
一方、政府与党も国会紛糾を避けたいからだ。

 結局、いまの混乱は政治家が集団的自衛権を前提にした日米同盟の本質を語らず、その場しのぎに終始してきたツケが回ってきたようなものだ。
それでもまだ憲法がどうのこうの、と憲法学者に責任を押し付けている。

 まったくばかばかしい。
中国、北朝鮮の脅威が現実になる中、平和ボケをいつまで続けるつもりなのか。

■文・長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ)
:東京新聞・中日新聞論説副主幹。
1953年生まれ。
ジョンズ・ホプキンス大学大学院卒。
規制改革会議委員。
近著に『2020年新聞は生き残れるか』(講談社)
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2015年06月23日

沖縄戦、敵味方に分かれた兄弟 命救った説得

沖縄戦
敵味方に分かれた兄弟 命救った説得
沖縄タイムス 6月22日(月)13時56分配信

 沖縄戦で米軍通訳兵として従軍したフランク・ヒガシさん(96)=米カリフォルニア州在住=が、23日の慰霊の日に合わせて来沖している。

70年前の6月、フランクさんは本島北部の山中に隠れる自分の家族を捜した。
「敵」の鉄血勤皇隊員で弟の東江康治さん(元名桜大学学長)のことも、必死の説得で救出した。

21日、フランクさんは、ことし4月に86歳で他界した康治さん宅を訪れ、遺影と対面。
「もう一度会いたかった。それだけが唯一の心残りだ」と声を震わせた。
                               (島袋晋作)

 フランクさんは、両親が移住していた米国で生まれた。
その後、家族で沖縄に戻るが、19歳の時に働き口を求めて単身渡米した。

 1941年に徴兵され、米軍に入隊。
配属先の情報部では沖縄行きを志願した。
サイパン陥落のニュースを見て、沖縄にいる家族の身を案じたからだ。
45年4月末に沖縄へ上陸し、5月15日、家族が住んでいた本島北部に向かった。

 米軍が沖縄全島をほぼ制圧した6月中旬、山の中にいた父や康治さんの元に「自分たちのことを方言で聞き回っている米兵がいる」との知らせが届く。
 父はフランクさんだと確信した。

康治さんたちを残して山を下り、命懸けで米軍の歩哨線に踏み込んだ。
片言の英語で米兵を説得し、奇跡的にフランクさんとの再会を果たした。

 その時、米軍は掃討作戦を始めようとしていた。
護衛の米兵とともに山に向かったフランクさんと父は、康治さんらを必死で説得し、投降させたという。

 遊撃隊(護郷隊)に配属され、その場に居合わせた弟の平之さん(84)は「康治は胸を撃たれ、重傷を負っていた。
フランクが来なかったらみんな助かっていたかどうか…」と振り返る。

 この日、康治さんの仏壇の前に立ったフランクさんは、「お互い、いろいろな意味で大変な人生を送ってきましたね」と語り掛け、冥福を祈った。

 「沖縄に来るのは最後かもしれない」と語るフランクさん。
23日、一時期通った県立第三中学校出身の戦没者をまつった南燈慰霊之塔(名護市)の慰霊祭に、平之さんらと参列する予定だ。
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沖縄知事の平和宣言全文

沖縄知事の平和宣言全文
2015年06月23日 17時41分 読売新聞

70年目の6月23日を迎えました。
 私たちの郷土沖縄では、かつて、史上稀まれに見る熾烈しれつな地上戦が行われました。
20万人余りの尊い命が犠牲となり、家族や友人など愛する人々を失った悲しみを、私たちは永遠に忘れることができません。

 それは、私たち沖縄県民が、その目や耳、肌に戦さのもたらす悲惨さを鮮明に記憶しているからであり、戦争の犠牲になられた方々の安らかであることを心から願い、恒久平和を切望しているからです。

 戦後、私たちは、この思いを忘れることなく、復興と発展の道を力強く歩んでまいりました。  

しかしながら、国土面積の0・6%にすぎない本県に、日米安全保障体制を担う米軍専用施設の73・8%が集中し、依然として過重な基地負担が県民生活や本県の振興開発に様々な影響を与え続けています。

米軍再編に基づく普天間飛行場の辺野古への移設をはじめ、嘉手納飛行場より南の米軍基地の整理縮小がなされても、専用施設面積の全国に占める割合はわずか0・7%しか縮小されず、返還時期も含め、基地負担の軽減とはほど遠いものであります。

 沖縄の米軍基地問題は、我が国の安全保障の問題であり、国民全体で負担すべき重要な課題であります。

 特に、普天間飛行場の辺野古移設については、昨年の選挙で反対の民意が示されており、辺野古に新基地を建設することは困難であります。

 そもそも、私たち県民の思いとは全く別に、強制接収された世界一危険といわれる普天間飛行場の固定化は許されず、「その危険性除去のため辺野古に移設する。」、「嫌なら沖縄が代替案を出しなさい。」との考えは、到底県民には許容できるものではありません。

 国民の自由、平等、人権、民主主義が等しく保障されずして、平和の礎を築くことはできないのであります。
 政府においては、固定観念に縛られず、普天間基地を辺野古へ移設する作業の中止を決断され、沖縄の基地負担を軽減する政策を再度見直されることを強く求めます。

 一方、私たちを取り巻く世界情勢は、地域紛争やテロ、差別や貧困がもととなり、多くの人が命を落としたり、人間としての尊厳が蹂躙じゅうりんされるなど悲劇が今なお繰り返されています。

 このような現実にしっかりと向き合い、平和を脅かす様々な問題を解決するには、一人一人が積極的に平和を求める強い意志を持つことが重要であります。

 戦後70年を迎え、アジアの国々をつなぐ架け橋として活躍した先人達の「万国津梁ばんこくしんりょう」の精神を胸に刻み、これからも私たちは、アジア・太平洋地域の発展と、平和の実現に向けて努力してまいります。

 未来を担う子や孫のために、誇りある豊かさを創りあげ、時を超えて、いつまでも子ども達の笑顔が絶えない豊かな沖縄を目指します。

 慰霊の日に当たり、戦没者のみ霊たまに心から哀悼の誠を捧げるとともに、沖縄が恒久平和の発信地として輝かしい未来の構築に向けて、全力で取り組んでいく決意をここに宣言します。  

平成27年6月23日
 沖縄県知事 翁長雄志

2015年06月23日 17時41分 Copyright コピーライトマーク The Yomiuri Shimbun
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2015年06月24日

「違憲」の安保法制 撤回・廃案を決断せよ

「違憲」の安保法制 
 撤回・廃案を決断せよ
2015年6月23日 東京新聞「社説」

 国会が約三カ月間延長されたが、「憲法違反」と指摘される安全保障法制関連法案をこのまま成立させてはならない。
法案の撤回、廃案を決断すべきだ。

 今月二十四日に会期末を迎える今の通常国会の会期がきのう、九月二十七日まで九十五日間延長された。
鈴木善幸内閣の九十四日間を抜いて現行憲法下で最も長い会期延長は、安倍内閣が提出した安保法制関連法案を確実に成立させるためにほかならない。

◆憲法学者の重い指摘

 安保法案は五月二十六日に衆院本会議で審議入りし、現在、衆院平和安全法制特別委員会で審議されている。
衆院を通過した後、仮に参院での審議が遅れても、衆院で再び可決し、成立させられる日程を、大幅延長は想定している。

 安倍晋三首相は今年四月、米連邦議会での演説で、集団的自衛権の行使に道を開く安保法案を「夏まで」に成立させると語った。

 しかし、この法案は、どんなに審議を重ねても、成立させるわけにはいかない。
憲法違反である可能性が否定できないからだ。

 歴代内閣は、集団的自衛権の行使を「違憲」とする憲法解釈を堅持してきたが、昨年七月、この解釈を変更して行使容認に転じたのが、安倍内閣である。

 従来の憲法解釈は、国会での長年の議論の積み重ねを経て確立されたものであり、
一内閣の判断で解釈を正反対に変える暴挙はそもそも許されない。

 衆院特別委ではきのう参考人質疑が行われ、歴代内閣法制局長官のうち二人が、安保法案の違憲性を指摘した。今月四日の衆院憲法審査会では、自民党が推薦した参考人を含めて三人の憲法学者全員が、安保法案を違憲と断じた。

 三人以外にも、全国の憲法学者二百人以上が安保法案に反対する声明を出している事実は重い。

◆過ち繰り返す危険性

 菅義偉官房長官は「数ではない」と防戦に躍起だが、憲法学の主流の意見を故意に無視し、法案成立を強引に進めることが、賢明な政治であるはずがない。

 元法制局長官が安保法案を違憲と批判したことに対し、安倍首相はきのう参院決算委員会で「政治家は常に、必要な自衛の措置とは何かを考え抜く責任がある」と語った。
その通りではある。
 ただし、憲法の枠内で、との限定が付いていることも、政治家は常にわきまえなければならない。

 憲法の枠組みを無視し、もしくは確立した憲法解釈を勝手に変えて、思うがままに安保政策を組み立てるというのなら、国家権力を憲法で縛る立憲主義は形骸化し、海外で武力の行使をしない専守防衛の歯止めは意味を失う。

 自存自衛を名目に、近隣諸国を侵略していった過去の戦争の過ちを繰り返す危険性すら高くなる。
戦後日本の平和国家としての歩みにふさわしいとは到底言えない。

 安倍内閣は違憲批判を受けて、集団的自衛権の行使容認を正当化するために、最高裁による一九五九年の「砂川事件判決」を再び持ち出した。

 しかし、この判決は旧日米安全保障条約に基づく米軍駐留の合憲性が問われた裁判であり、裁判で議論もされず、判決でも触れていない集団的自衛権の行使容認について、この判決を論拠とするのは無理がある。

 そもそも、なぜ今、集団的自衛権の行使容認が必要なのか、安倍内閣は国会論戦を通じても、その根拠を明確に示せてはいない。


 首相は先週の党首討論で「全体として国際社会の変化を申し上げている」と述べ、ホルムズ海峡での機雷掃海や朝鮮半島有事の際、警戒監視に当たる米艦船の防護を行使例に挙げたが、憲法の解釈を変更してでも、すぐに可能にしなければならない切迫性はない。

 安倍内閣は法案成立に向けて、独自の対案をまとめる予定の維新の党との修正協議に前向きだ。

 しかし、法案が修正されても、集団的自衛権の行使に道を開いたり、戦闘現場近くで外国軍を後方支援できるようにする根幹部分が変わらなければ、法案がもたらす危うさに変わりはない。

◆国民を畏れなければ

 共同通信社が実施した直近の全国電話世論調査によると安保法案が「憲法に違反していると思う」との答えは56・7%に上り、法案への反対も前回五月の調査より10ポイント以上増え、58・7%に達した。

 安保法案は専守防衛を逸脱し、おびただしい犠牲の上に、二度と戦争はしないと誓った戦後日本の平和主義に禍根を残す内容だ。

 与党が衆参両院で多数を占めていても、民意を無視して法案を強引に成立させていいわけがない。
 国民を畏れ、政府自らが法案撤回を決断するか、国会が良識に基づいて廃案とすることを、会期延長に当たって強く求めたい。
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2015年06月25日

香山リカ、『絶歌』から「元少年A」の脳の機能不全を読み解く

香山リカ、『絶歌』から
「元少年A」の脳の機能不全を読み解く
2015.06.24 日刊SPAニュース

 話題の書『絶歌』を読んだ。
出版自体の倫理を問う声もあるが、何らかの精神的な病理を抱え、それが犯行にも関与しているはずの元少年のこの手記を読まないわけにはいかない。

 世間の感想とはかなり違うと思うが、私は一読して「痛々しい」と思った。
当時は精神鑑定で「行為障害」という診断名を与えられたが、元少年は当時もいまも感情のない世界を生きている。
おそらくその原因は、男性の脳の構造や機能の特徴というか、機能不全に由来するものだろう。  

それは本質的には変わっていないし、そのことを本当の意味で異常だとは実感できないままだ。

だから、こんな手記を書いてしまったのだろう。
というより、彼にはこれしか書けなかったのだ。
世間の人が言うような、自己陶酔でも自己顕示でもないと思う。

彼なりに少年院やその後の生活で一生懸命、「感情とは何か」ということを“学習”し、それなりの成果はあげている。
これはその発表なのだが、世間の基準からはいまだかなりずれており、奇妙というより嫌悪感を抱かせるものにしかなっていない。

「これを発表するとこんな反応が返ってくるよ」と誰かが懇切丁寧に説明しなかったのだろうか。
あるいは、せめて誰か専門家が「なぜ男性はこのような書き方をするのか」と精神医学や脳科学見地から解説を加えたほうがよかったのではないか。

 それにしても、世間からの逆風は凄まじい。
遺族への連絡もないまま出版された本書を、販売しない、と決めた大手書店もあり、有識者らもこぞって出版や内容を非難した。

遺族が抗議を申し出るのは当然と思われるが、ネットを中心に「買いません」「見たくもない」という声が渦巻いている。

 また、その内容についても「自己陶酔的な書き方で不愉快でしかない」「謝罪や反省の言葉がほとんど見られない」「文学作品からの引用をちりばめた卑怯な自己正当化」といった酷評がほとんどで、発行部数10万部を超える“ベストセラー”となったことから、多額の印税のゆくえへの疑義を訴える声もある。

 しかし、ちょっと待ってほしい。
 冒頭で触れたように、本書は“読み方”に注意して読む必要がある本だと思う。

一般常識に照らし合わせて読み、「反省の色が足りない」などと評するのは、もちろん自然な感想ではあるが、実はあまり意味がないのではないだろうか。

繰り返しになるが、なぜなら、おそらく元少年A(同手記にならって、ここからはその名前を使うことにしよう)は「感情の存在しない世界」でしか生きられない、というある種の障害を抱えていると思われるからだ。
そして、それは「心の闇」といった心理的な問題ではなく、何らかの脳の機能不全に基づいていると考えられる。

 その状態にあえて名前をつければ、やはり「サイコパス」ということになるだろう。
「サイコパス」はかつて「精神病質」といわれ、その後、差別的なレッテルだということでガイドラインから消えたが、最近、脳科学の発展とともに再び復活の兆しがある診断名だ。

現在は「反社会性パーソナリティ障害」という診断名に吸収された形になっているが、前者は単に「ルールを守れない人、道徳心が欠如した人」を指すとすると、後者は情動障害つまり適切な感情が持てない、他者の感情が理解できないという側面がより強い。

 元少年Aには逮捕の後、精神鑑定が行われ、「行為障害」と「性障害(性的サディズム)」という診断名が与えられた。

「行為障害」はわかりやすく言えば「18歳以下の反社会性パーソナリティ障害」を指す。
パーソナリティ障害という診断名は18歳以上に与えられるものだからだ。

そしてやや複雑な話だが、「行為障害」は現在の精神医学では「素行障害」と呼ばれている(英語の「condut disorder」に対する訳語の変更)。

 素行障害の特徴は、ひとことで言えば「他者の権利の侵害と攻撃性」。

年齢相応の社会的規範や規則を守れず、複数の分野にわたる問題行動が起きて、その結果として他者の重大な権利の侵害を招くような「反復し持続する行動様式」とされる。

つまり、ルール違反も一度か二度では「素行障害」とはならない。

「じゃ、いわゆる不良やウソつき、万引き常習犯か」という話になるはずだが、元少年Aはそのどれにもあてはまらない。
2013年に発表された最新の精神障害ガイドライン(DSM-5)には、この素行障害に「冷淡で非情緒的特性型」というサブタイプが加わった。

これは「感情的体験の欠如、傲慢で他者を操作しがち、自己愛的、衝動的で無責任」を特徴とする素行障害で、まさに元少年Aを思わせるものである。

 さて、この素行障害が大人になったものが反社会性パーソナリティ障害、と先ほど述べたが、この新しいタイプ「冷淡で非情緒的特性型」も大人になるとそうなるのだろうか。

このあたりは専門的な話になって恐縮だが、どうもそうとは言い切れないのだ。

 というか、現在のガイドラインでは反社会性パーソナリティ障害としか診断できない人たちの中に、「ちょっとほかとは違う」というタイプがいる。

つまり、「ただのワルや詐欺師(の大人)」というのではなく、一見、知的で人あたりも良いのだが、実は心の中が冷え冷えとして一切の良心を持ち合わせていないような人たちだ。

これこそ「サイコパス」で、この人たちは従来の「反社会性パーソナリティ障害」から区別すべきだ、というのが最近の議論なのだ。

 話が込み入ってしまったが、私は元少年Aはこの「サイコパス」に相当しており、それが犯行当時には「素行障害(非情緒的特性タイプ)」と診断されたのではないか、と考えている。

「サイコパス」は医学的、臨床心理学的かかわりでその攻撃性や衝動性をコントルールすることはできるはずだが、本質的な意味で「完全に治る」ということはない。

 脳の研究は、その動きをリアルタイムで画像検査することができるような装置ができて、画期的に進んだ。
最新の研究では、自分の感情にも鈍感で他者に共感することができないサイコパスの人たちでは、その脳の奥まったところにある帯状の組織
(傍辺縁系と呼ばれるひとまとまりの馬蹄形の部分。
眼窩前頭前野、前帯状回、後帯状回、島、側頭葉極、扁桃身体という部分からなる)がうまく機能していていないことが明らかになりつつある。

この組織は、情動のキャッチや調整、衝動の抑制、社会的規範の認識などに重要な役割を果たしている。
ある論文には、これが「サイコパスの脳の画像検査では、この傍辺縁系組織が顕著に薄くなっていることがわかっており、弱い筋肉と同じように脳のこの部分が十分に発達していない」とわかりやすく説明されていた。

 しかし、元少年Aの場合、完全なサイコパスかといえばそれも違う気がする。
彼は自分の中に「魔物」が住んでいると当時の作文に記し、今回の手記にも「本当は誰よりも自分で自分の異常性に気付いていたのではないか?」と書いている。

また、サイコパスは自分の感情にも他人の感情にも気づけないはずだが、元少年Aは少なくとも祖母や飼い犬とは情緒的な交流ができていた。
また母親に対しても「自分のやったことを、母親に対してだけは知られたくなかった」と述べている。

さらに、少年院で勧められるがままに古今東西の文学作品を読み漁ったのも、自分には感情や他者への共感に関するセンサーが欠けており、何とかそれを取り戻さなければという気持ちはあったのだろう。
完全なサイコパスであれば、いくら感情に無自覚でも不安になったりあせりを感じたりもないのだ。

 おそらく今回の手記は、彼なりの情緒に関する“学習の成果”なのだろう。
生来の生真面目さもあって彼は一生懸命、本を読み、近くにいた人たちを観察し、「人の痛みを感じるとはこんなこと」と学んで、それを手記に書いたのだ。

しかし、そんな努力をしなくても生まれつき「かわいそう」「かわいい」「わあ、喜んでくれてうれしい」といった情緒を持っている人たちから見ると、不自然さだけが前面に出た世にも奇妙な回想であり説明でしかなかった、というわけだ……。

 そういう意味で私は、今回の本にはやはり専門家の解説をつけるべきだったのではないか、と思う。
彼がなぜこういう手記を書こうと思ったのか。
そして、なぜこのような内容になったのか。
それは彼の脳の問題やそれに由来する情動障害という問題を抜きにしては、理解できないだろう。

 私が彼に脳の機能不全がある、と確信している理由はもうひとつある。

 それは、これも当時の精神鑑定にある「直観像素質」という映像記憶の能力だ。
彼は見たものをそのまま記憶し、正確に再現してみせる能力があると言われており、それもまた今回の手記では「反省していないから詳細に記憶しているのだ」と批判の対象になっている。
しかし、これも脳機能の問題である発達障害の人の中に、この特殊な記憶の能力を持つ人がいる。
元少年Aは発達障害の枠内では考えられないケースだとは思うが、彼の脳機能に何らかの特殊性があったことを示すサインである。
 もちろん、脳に機能不全があるから何をしてもよい、何を書いてもよい、ということではない。
また「サイコパス」という呼び名じたいがレッテル貼り、差別だとして一時、使われなくなった時期もあり、私も今回、その名前を使うのをためらった。

しかし、脳研究の進歩によりサイコパスの実態が科学的にわかるようになってきて、同時に彼らに有効な心理療法の可能性も出てきたのだ。
そのため今回は、あえてその単語を使った。

 ただ残念ながら、現在の医学ではサイコパスの脳の機能不全を、本質的な意味で治療する方法はない。
集中的な心理療法を行っても、社会のルールを逸脱したり犯罪を起こさないよう衝動をコントロールできるようになるだけで、完全に他者の気持ちに配慮したり共感したりできるようにはならないだろう。
そういう意味で加害男性は「治っていない」と言えるかもしれない。

 男性はもともと高い知的能力があり、冒頭でも触れたように、心理療法での“学習”はかなり成功した、と考えられる。
また、彼に残っていた祖母や愛犬との情緒的交流の記憶が、その後の回復に一定の役割を果たしていることも事実だ。

しかし、本書を通して読むと、とくに前半の子ども時代の残虐行為の詳細で客観的な記述のあたりからは、「ああ、本当の意味では同情、憐憫、共感などの感情は持てないままなんだな」と思わざるをえない。

 私が気になるのは、社会で生活しているこの男性は、いま何らかの心理的サポートや医療のケアを受けているのかどうか、ということだ。
もちろん、これだけの事件なのだから何もフォローがないとは思えないが、手記にはその記述が一切ないのがやや気がかりだ。

 また、これは研究者としての関心なのだが、彼は脳の画像検査や機能検査をどれほど受けたのだろう。
もちろんプライバシーの問題もありそれをつまびらかにするのはむずかしいのかもしれないが、手記まで発表して何らかの社会的貢献をしたいと考えているのであれば、ここはいっそのこと、研究者とともに自らの心理テストの所見、脳画像検査の所見なども発表する、という手もあったと思う。

 これはぜひ強調したいのだが、もちろんサイコパスにも生きる権利はあると私は考えており、強力なサポートがあれば彼らが社会の中でほかの人たちと共存したり、少しずつでもいわゆる“人間らしさ”と一般的に言われるものを獲得していったりすることも不可能ではない、と私は自らの臨床経験や先行研究の調査などを通じて確信している。
 そのためにもぜひ、この男性にはサイコパスへの教育プログラム作りに積極的に協力する、くらいのことはしてもらいたいと考える。

 いずれにしても、程度の差こそあれ、「素行障害(非情緒的特性タイプ)」の子どもや少年は確実に一定数、存在しており、より効果的(社会にとっても本人にとっても)なプログラムの開発が早急に望まれる。
犠牲になった方々や遺族のためにも、少年法に守られ、いまは社会で暮らす元少年A自身そして今回の手記が、せめてプログラム作りの一助になることを願いたい。              
         <文/香山リカ>
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2015年06月26日

幕引きは許されない「漏れた年金問題」まだ残る“6つ”の疑惑

幕引きは許されない
「漏れた年金問題」まだ残る“6つ”の疑惑
2015年6月25日 日刊ゲンダイ

 流出した個人情報が計101万人分だったことを明らかにした日本年金機構。
全国各地の流出対象者数も公表し、該当者の年金番号変更、新たな年金手帳の送付も始めるという。
どうやら機構は、これで前代未聞の「漏れた年金」問題にケリをつけるつもりのようだが、まだまだ疑惑は尽きない。
幕引きは許されない。

(1)名ばかりの検証委

 厚労省が情報流出の原因究明と再発防止策を検討する「日本年金機構不正アクセス事案検証委員会」を設置したのが、今月4日のこと。
3週間近く経ってもなお、いつまでにどんな対策を打ち出すのか、時期を全く明言していない。本気で検証するつもりがあるのか。

(2)お粗末な謝罪文

   機構が送付した謝罪文も問題アリだ。
22日に送付した謝罪文は、「基礎年金番号」「氏名」「生年月日」「住所」のうち、「住所」を除く3情報もしくは2情報が流出した計約100万人が対象。

ところが、機構は謝罪文で〈(流出が確認された情報は)お客様の「基礎年金番号」「お名前」「生年月日」「住所」〉と明記した。

漏れてもいない住所を漏れたといい、対象者の不安をいたずらにあおってしまった。
 機構は最初に出した謝罪文でも、〈改めてご連絡申し上げます〉と書き、電話詐欺の“アシスト”をしたと批判を浴びたばかり。
「機構の水島理事長と塩崎厚労相も事前に謝罪文を読み『OK』を出している。
監督官庁である厚労省すらもこの体たらくなのです」(民主党の山井和則議員)
 機構内はいまだガバナンスが利いていないのではないか。

(3)返答できない“窓口”

 機構は対象者の相談窓口としてコールセンターを設置している。
ところが、詳細を問い合わせても“答えない”という。その理由は、「どの情報が流出したか整理できていない」から。
“窓口”設置は「仕事しています」という見せかけか。

(4)担当係長“消息不明”

 何より不可解なのは、先月8日に情報流出が発覚してから、17日間にわたって、上司に相談もせず、たったひとりで問題に対処したという厚労省担当係長の存在だ。
これまで一度も公の場に姿を現していない。
「厚労省の説明は何度聞いても不自然です。
事実を隠蔽したいがために、係長ひとりに罪をかぶせ、表には出さないつもりなのではないでしょうか」(山井議員)

(5)流出拡大の可能性

 流出した125万件とは別に、機構から海外のサーバーに大量にデータが送信されていた疑いはその後、どうなったのか。
機構に問い合わせるも、「警察の捜査に関わるので返答できない」(広報担当)と答えるのみ。情報流出拡大の可能性は消えていない。

(6)公表のタイミング

「対象者101万人」という事実の発表がなぜ22日だったのか。
「機構は22日に謝罪文を発送しています。

つまり、実際はもっと早い時期から対象者の詳細を把握していたはずです。
100万通もの文書や封筒などを2、3日で用意できるとは思えません。
この日は国会の会期延長や日韓国交正常化50周年など、大きなニュースが報じられていた。
自分たちのニュースが小さい扱いになる時を見極めていたとしか思えません」(山井議員)

 一刻も早く公表すべき事実を、保身のために遅らせていたのか。
「漏れた年金」問題の闇はますます深まっている。
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2015年06月27日

愚かな法案のために…95日会期延長で「税金200億円」ムダ使い

愚かな法案のために…95日会期延長で
「税金200億円」ムダ使い
2015年6月26日 日刊ゲンダイ

壮大なムダ遣いだ。
会期が戦後最長の95日間延長された国会だが、会期中、ほとんどの国会議員は“開店休業”状態になりそうだという。

安倍政権が通したい4つの“悪法”の委員会以外、ほとんど委員会も開かれないでしょう。
野党が他の委員会の審議を要求しても、与党は応じる気がないし、審議する法案もない。

仮に安保法案など、安倍政権が成立させたい“4法案”が衆院を通過してしまえば、衆院議員は何もすることがなくなる。
みんな地元に帰るに決まっています。

国会会期中でも、永田町から国会議員はいなくなるでしょう」(国対関係者)

 4つの“悪法”とは、
「安保法案」(平和安全特別委員会)、
「農協法改正案」(農林水産委員会)、
「残業代ゼロ法案」(厚生労働委員会)、
「盗聴法案」(法務委員会)。

安保法案はいわずもがなだが、他の法案も極めて悪質だ。

 残業代ゼロ法案は、年収1075万円以上の労働者を対象にしているが、将来あらゆる業種に広がる可能性が高く、過労死や自殺を誘発するとされる。

盗聴法案も、捜査機関が電話の会話を聞き取る通信傍受の対象を拡大するなど、プライバシーが不当に侵害される危険があるのだ。

 国会を1日開いた場合、かかる費用は約2億円。
単純計算すると、2億円×95日間で190億円もの税金が、今回の延長に使われることになる。

こんな大金をかけて、成立させるだけの価値がある法案はどこにもない。


「多くの議員にとっては、実質“閉会”なんです。
でも、国会は開いているので、官僚や議員秘書らは永田町にいなければならない。
夏休みも取れないので、大ブーイングが起こってます。
果たして、こんな延長をやる必要があるのか。
安保法案を通したい安倍首相のワガママでしかありません」(衆院議員秘書)

 愚かな法案を通すために、無駄な税金を使って開かれた国会には、議員はおらず、官僚がプラプラしているだけ。
まさに愚の骨頂だ。
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自民の報道批判 民主主義への挑戦だ

自民の報道批判 
民主主義への挑戦だ
2015年6月27日 東京新聞「社説」

 自民党議員からまた「暴言」が飛び出した。
広告主に働き掛けて自分たちの意に沿わない報道機関を懲らしめるのだという。
民主主義の根幹をなす言論の自由への重大な挑戦であり、看過できない。

 その発言は二十五日、安倍晋三首相に近い自民党若手議員が党本部で開いた勉強会であった。

出席議員が、安全保障法制を批判する報道機関について「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい。
文化人、民間の方々が経団連に働き掛けてほしい」などと、講師として招いた作家の百田尚樹氏に呼び掛けたのだ。

 勉強会は冒頭以外は非公開だったが、本紙を含めた報道を受けて安保法制関連法案を審議する衆院特別委員会でも問題視された。
浜田靖一委員長が発言はあったと確認し、「甚だ遺憾」と述べた。

 発言の背景には安保法案への反対が依然、国民の多数を占めることへのいら立ちがあるのだろう。
 しかし、「憲法違反」と指摘される法案を国民に理解しろということ自体、無理がある。

法案に批判的な報道機関に責任転嫁するような愚を犯すのではなく、なぜ自らの非を認めようとしないのか。
 報道機関の重要な収入源である広告の出稿を、広告主に要請して止めれば、報道側が音を上げ、権力が意のままに操れる。
そう考えているのなら勘違いも甚だしい。

 表現や言論、報道の自由は民主主義社会の根幹をなす。
権力による言論統制や言論弾圧が日本を破滅的な戦争へと導いたことを忘れてはなるまい。
自民党に限らず、政治に携わる者すべてが歴史を学び直すべきである。

 首相は遺憾の意を示したが、発言があったのは「党の正式な会合ではない」とも釈明した。  

そもそも国会議員は全国民を代表する公人であり、勉強会も党本部という公の場で開かれた。
正式な会合でないから、何を発言しても許されるわけではあるまい。
認識が甘すぎるのではないか。

 勉強会では百田氏が、米軍普天間飛行場の「県内移設」に反対する沖縄県の地元紙、琉球新報と沖縄タイムスを「つぶさないといけない」とも述べた。
冗談では済まない。
一作家の発言だが、反論しなかったのなら同意したと受け取られても仕方があるまい。

 報道の自由に対する挑発、挑戦である。
平和国家として歩み続けてきた戦後日本が重大な岐路に立たされている今だからこそ、沖縄の二紙のみならず、報道機関全体で抗議すべきことである。
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2015年06月28日

「言論弾圧の発想そのもの」 沖縄2紙 百田氏に反発

「言論弾圧の発想そのもの」 
沖縄2紙 百田氏に反発
2015年6月27日  東京新聞朝刊

 自民党若手議員の勉強会で百田尚樹氏は、米軍普天間飛行場に関し「飛行場の周りに行けば商売になるということで(人が)住みだした。
そこを選んで住んだのは誰なのかと言いたくなる」と語っていた。

「飛行場の地主は年収何千万円だ。
六本木ヒルズとかに住んでいる」とも指摘。
「ですから基地が移転したら、えらいことになる」と述べた。

 百田氏から「つぶさないといけない」と批判された沖縄の二紙は、二十六日付朝刊でこの問題を大きく報じた。

 沖縄タイムスは一面と社会面に記事を掲載。
 住宅地にある米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の成り立ちを、百田氏は「基地の周りに行けば商売になると住みだした」と語ったことに触れ、「土地は強制的に接収され、人口増加に伴い周辺に住まざるを得なかった」と事実誤認であると指摘している。  

編集局の石川達也次長は
「問題は、安倍首相に近いメンバーが出席していたこと。
出席議員から百田氏への反論はなかった。
自民には容認する土壌があるのではないか」とみる。

 琉球新報は社会面に掲載。
勉強会の代表を務める木原稔衆院議員や、有識者二人のコメントも紹介した。
編集局の松元剛次長は「政権の意に沿わない民意があり、それを土台にした報道に圧力をかけるのは、県民を軽んじているといえる」と指摘した。

 自民党関係者はこれまでも沖縄のメディアを批判していた。
元防衛相の小池百合子氏は二〇一三年三月、党国防部会で「沖縄メディアの言っていることが、本当に県民をすべて代表しているとは思わない。
(沖縄選出議員が)戦っているのは沖縄メディア」と断じた。

今年五月、海上保安庁の佐藤雄二長官が記者会見で、辺野古(へのこ)沿岸部の過剰な海上警備を報じる二紙に「誇張されている部分があると感じている」と述べた。

 沖縄タイムスの石川次長は「自民政権から圧力的な意見が多くなっていると感じるが、報道の視点に変わりはない」と強調した。

◆2紙編集局長による共同抗議声明全文
 沖縄二紙編集局長の共同抗議声明全文は次の通り。(原文のまま)
   ×   ×
 百田氏発言をめぐる共同抗議声明

 沖縄タイムス編集局長・武富和彦
 琉球新報編集局長・潮平(しおひら)芳和

 百田尚樹氏の「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」という発言は、政権の意に沿わない報道は許さないという“言論弾圧”の発想そのものであり、民主主義の根幹である表現の自由、報道の自由を否定する暴論にほかならない。

 百田氏の発言は自由だが、政権与党である自民党の国会議員が党本部で開いた会合の席上であり、むしろ出席した議員側が沖縄の地元紙への批判を展開し、百田氏の発言を引き出している。

その経緯も含め、看過できるものではない。

 さらに「(米軍普天間飛行場は)もともと田んぼの中にあった。
基地の周りに行けば商売になるということで人が住みだした」とも述べた。

戦前の宜野湾村役場は現在の滑走路近くにあり、琉球王国以来、地域の中心地だった。

沖縄の基地問題をめぐる最たる誤解が自民党内で振りまかれたことは重大だ。
その訂正も求めたい。

 戦後、沖縄の新聞は戦争に加担した新聞人の反省から出発した。
戦争につながるような報道は二度としないという考えが、報道姿勢のベースにある。

 政府に批判的な報道は、権力監視の役割を担うメディアにとって当然であり、批判的な報道ができる社会こそが健全だと考える。

にもかかわらず、批判的だからつぶすべきだ−という短絡的な発想は極めて危険であり、沖縄の2つの新聞に限らず、いずれ全国のマスコミに向けられる恐れのある危険きわまりないものだと思う。
沖縄タイムス・琉球新報は、今後も言論の自由、表現の自由を弾圧するかのような動きには断固として反対する。
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2015年06月29日

「今の世の中に夢や希望を持てない人」につけるクスリ

「今の世の中に夢や希望を持てない人」
                               につけるクスリ
2015年06月28日 ライフハック・キャリア

【石原壮一郎の名言に訊け】〜のび太の巻

Q:
これからの日本は、ますます高齢化社会や格差社会が進んでいくのは確実だ。
経済成長も頭打ちだし、凶悪な犯罪だって増える一方だろう。
勤勉さや思いやりといった日本人の良さは、どんどん失われている。
こんなろくでもない世の中に生まれた自分は、本当に運が悪い。
高度経済成長をぬくぬく生きてきた大人の奴らは、何かというと「もっと夢を抱け」「未来に希望を持て」みたいなことを言うけど、どう持てばいいんだ。
終戦直後みたいな混乱した世の中のほうが、可能性がたくさんあったし夢や希望も抱きやすかったに違いない。
ああ、そっちに生まれたかった。
(東京都・26歳・フリーター) 絶望する男

A:
おやおや、絵に描いたようなおバカさんな相談が来ましたね。
絵じゃなくて文字ですけど。
ただ、ここまで極端じゃなくても、「今の世の中」を呪っている人は少なくなさそうです。

喫茶「いしはら」のカウンターでは、大家さんの息子で超しっかりしている小学6年生のしんちゃんが宿題をしているので、こういう大人をどう思うか聞いてみましょう。

 ああ、いるよね、こういう人。
僕は、今の日本に生まれて、すごくラッキーだと思ってるけどね。
そりゃ、悪いところを探せばキリがないけど、安全だし平和だし便利だし食べるものにも困らない。
理想的な世の中だよね。
なのに文句ばっかり言ってる大人って何なの?
 何が欲しいの?
 文句言うのが偉いと思ってんの?

 小学生に言われたくないだろうけど、この人ほど今の世の中に生まれてラッキーだった人はいないんじゃないかなあ。
もし終戦直後に生まれていたら、夢や希望どころか、たぶん生きていられないよね。
生きていられたとしても、きっと夢や希望なんて抱かないし、可能性を求めて努力したりもしないよね。
だって、こんなに誰にでも可能性が与えられている世の中に生まれているのに、ないものねだりばっかりしてるんだもん。

 僕の大好きな『ドラえもん』の中で、のび太がこんなことを言ってるよ。
「今の時代が気にいらないとこぼしてるだけじゃなんにもならない。ぼくらのすんでるこの時代を少しでもよくするためがんばらなくちゃ」

 クラスにもいてさあ。
「○組の担任の先生はハズレだ」とか「ウチの学校は環境に恵まれていない」とか言っているヤツらが。
お母さんがそう言ってるんだと思うけど、そういうヤツってクラスの雰囲気を悪くするばっかりで、自分じゃ何にもしようとしないんだよね。

そういうことを子どもに吹き込むお母さんも含めて、お前らがいることがこそがハズレで、お前らこそが環境を悪くしている原因だよ。
ごめん、ちょっと言い過ぎちゃった。

 この人、本当は世の中じゃなくて自分に幻滅してるんじゃないかな。
慰めになるかどうかわからないけど、のび太はこうも言っているよ。
「一番いけないのは、自分なんかだめだと思い込むことだよ」って。

のび太だってがんばってるんだから、おにいさんもがんばってよ。

【今回の大人メソッド】

夢や希望や理想は「今できること」の先にある
 夢や希望を抱いたり理想を語ったりするのは、まあ簡単です。
しかし、一足飛びにそれをつかむ方法はありません。

とりあえず、今の自分にできるのは「今できること」だけです。
何をやるかは十分に考えるとして、「今できること」を一生懸命にやって、少しずつ自分を成長させたり環境を変えていったりしましょう。
焦りは禁物ですが、諦めも禁物です。
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月30日

拒否しても2週間で契約成立 NHK受信料めぐる判決に「納得できない」と反発の声

拒否しても2週間で契約成立 
NHK受信料めぐる判決に
納得できない」と反発の声
2015/6/29 19:41 J-CASTニュース

NHKの受信料をめぐる判決に、視聴者から「納得できない」という不満の声が上がっている。

堺簡易裁判所が受信契約に応じていなくても、NHKが契約締結を求めてから2週間がたてば「契約が成立しているというべきだ」という判断を示したからだ。

ネットでは「こんな一方的な契約聞いた事ない」と反発が広がっている。

同様の判決は各地でも

2015年6月26日、NHKが受信契約に応じない世帯に対し、契約締結と受信料の支払いを求めていた裁判で、堺簡裁は、
“「受信契約に応じない場合でもNHKが契約締結を求めて2週間たてば契約が成立しているというべきだ」 という判断を示した。

NHKによると、テレビの設置が確認された後の05年6月から15年3月までの受信料27万円あまりの支払いを命じたという。
この判決を受け、ツイッターなどネットには「こんな一方的な契約聞いた事ない」という声が上がる。

“「2週間後に勝手に契約成立とかどういう事なの?」
「押し売りよりひどい」
「こんな一方的で高圧的な契約は無効だ」 と不満が相次いだ。

実は同様の判決はすでに各地の裁判所でも言い渡されている。

東京高裁は13年10月、受信者が拒んだとしても通知から2週間がたてば契約は成立する、との判断を示し、神奈川県内の世帯にテレビを設置した日にさかのぼって受信料の支払いを命じた。

札幌簡裁では15年6月、道内の未契約世帯に対し、契約締結と未払い受信料の支払いを命じる判決をしている。

「双方の意思がなければ受信契約は成立しない」という判断も

たしかに放送法は「協会(編注:NHK)の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」(第64条1項)と定めている。

NHKもこの条文を受信料支払いの法的根拠の1つにしている。

とはいえ裁判所の判断も必ずしも一致している訳ではない。
東京高裁の別の裁判長は13年11月、「NHKからの契約申し込みと、受信者による承諾という双方の意思がなければ受信契約は成立しない」という判断を示した。

契約を結ぶ義務があることは否定せず、受信料の支払いを命じてはいるが、同年10月の裁判とは判断が分かれた形だ。

現時点で最高裁はこの問題で判断を示していない。
なお、NHKが6月23日に発表した14年度決算で、受信料は過去最高の6493億円だった。
支払い率は前年から2ポイント増の76%になった。
posted by 小だぬき at 05:36| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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