2015年12月29日

きっぱり断っても騙される人は、なぜ騙される?

きっぱり断っても
騙される人は、なぜ騙される
(PRESIDENT Online ) 2015年12月28日(月)配信

■「いらない」と言ったことが逆にアダ?

断っているのだ。
いらないと言っているのだ。
それなのに、結局、金を払ってしまう人がいるーー。
年末年始はワルたちにとって書き入れどきである。
注意が必要だ。

例えば近年、多く発生している詐欺のひとつに「名義を貸してほしい」と頼み込んでくる手口がある。
名義を貸せとは……。
怪しすぎる。
にもかかわらず、引っかかるのはなぜなのか。

ある事例の手口はこうだ。
「老人ホームへ入所する権利の名義を譲ってくれないか」
高齢女性はある業者から電話を受けた。
女性はきっぱりと、「必要ありません」と断った。
業者は「入居を待っている人がいるので、その権利を譲ってほしい」としつこく懇願したが、女性は「結構です」と一切応じずに電話を切った。
女性としては、しっかりと撃退したはずだった。


ところが数日後、別な男から電話がかかってくる。
「あなた名義で老人ホームの入所の権利の申し込みがなされました。
これは、名義貸しという犯罪行為です!
 このままだと裁判になります」 などと畳みかけられて、トラブル解決の名目で、数百万円払ってしまっている。

なぜ、女性は騙されたのか?
理由の1つは、犯人側の一方的な主張で攻められたことにあるだろう。
グルになった詐欺犯らは、女性に対して「あなたは老人ホームへの入居権は『いらない』と言いましたよね」と強く主張したらしい。
そのことで業者は「女性が権利を放棄した。
その権利を譲り受けた」と勝手に判断。
「あなたの名前で老人ホームの入居権の申し込みをした」と強弁するのだ。

電話口で「犯罪行為だ」
「裁判だ」といった高圧的な言葉を浴びせられた女性は冷静ではいられなくなったのだろうか、結局、丸め込まれてしまう。

誰がどう見ても、これは完全な言いがかりだ。
こんな論法では、すべてがまかり通ってしまう。
例えば、店員が2つの服を勝手に出してきて、どちらがよいですか? と尋ねる。
客が「左の赤い服は買いません」と言うと、店員が「それでは、左の赤い服がいらないということは、右の服をご購入するということですね。
お買い上げ、ありがとうございます」などと一方的に言って、服をレジで包み始めるようなものだ。
「おいおい、誰も買うとはいっていないぞ」となるに違いない。

■悪徳業者を「撃退した!」。その油断が危ない

こうした具体的な行動を目にすれば、おかしな言動はわかりやすいが、電話上での話のやりとりだけだと、とんでもない論法を展開されながらも、そのおかしさを指摘できずに、相手の口車に乗せられてしまうことは起こりうるのかもしれない。

騙された理由の2つ目は、詐欺犯らの怪しい勧誘を「きっぱり断った」ことでトラブル回避できたという女性の気の緩みもあったのかもしれない
「防御できた」つもりが、実はできていなかった。
安心感が突如崩されてしまったことでひどく動揺したに違いない。
たいがい詐欺や悪質商法と思しきが電話がかかってくれば、「結構です」「いりません」とはっきりと断れば、多くの人は撃退できると考える。
確かに、この言葉は、詐欺や悪質商法を追い払う「切り札」となりうる。
しかし、「しっかり断ったので、大丈夫」と安心している気持ちを崩されると、一気に動揺してしまう。
すなわち、ワルたちは私たちの「切り札」を崩すことで、冷静な判断ができない状態に追い込むのだ。
もし、切り札を切ったとしても、もうひとつの切り札を予め準備しておく。
そんな準備が私たちには必要なのだ。
とりわけ、ひとりで暮らしている老親などには。

もうひとつの切り札。
それは、先の名義貸しの電話を受けた女性の場合でいえば、「断る」という切り札だけでなく、警察などに通報しておき、今後のアドバイスを受けておくだろう。
もし、再び電話がかかってきても、その助言で対応するという、別な切り札を準備しておけば、動揺して騙されることもなかったはずだ。
不審電話があった時点で、被害に遭わなかったとしても警察などに通報することは大事なのである。
       ルポライター 多田文明=文
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posted by 小だぬき at 13:25 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

欧米では使われない日本の湿布薬

来年から湿布薬の処方枚数に制限
〜欧米では使われない不思議な薬
2015.12.28. ヘルプレ

 昔から日本人には馴染みのある「湿布薬」。
捻挫や打撲、肩こり、腰痛などで用いられる、日本ではポピュラーな薬だ。
日本人なら誰もが一度は使ったことがあるのではないだろうか。

 そんな身近に処方されてきた湿布薬(鎮痛消炎貼付剤)が、2016年4月の診療報酬の改定を機に、処方枚数が制限されるという。
厚生労働省は、1回で70枚以上処方される患者は延べ約30万人/月いるとして、今回の制限によって国費ベースで年間数十億円の医療費削減につながるとみている。

 市販の湿布薬を買うと全額自己負担だが、医師が処方すると原則1〜3割の負担ですむ。
「湿布薬は何枚あっても困らない」と多めに処方してもらい、余ったものをストック、家族などに譲渡するケースは少なくない。
患者に必要以上の枚数が処方されるという無駄が問題視されてきた。

 そもそも、湿布薬の効果や副作用について十分な知識をもたず、安易に使用していないだろうか。

温熱効果や冷却効果はない!

 湿布は、開発の経緯から大きく「第一世代」と「第二世代」に区分けされる。

第一世代は、消炎鎮痛成分(サリチル酸メチルなど) に加え、刺激成分が温感・冷感を与える。
その後、鎮痛効果の高い非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs) を含んだ貼付剤が登場した。
これが現在、主流となっている「第二世代」である。

いずれも、肩こりや腰痛の原因である「筋肉の凝り」を取ってくれるわけではない。
あくまで「痛み止め」「炎症を抑える」ための薬だ。

冷湿布を貼るとヒンヤリする冷却効果は、配合されているメンソールによるもので、実際には「冷却」されているわけでない。
一方、温湿布も、トウガラシエキスなどによって温かく感じているだけだ。
実際に冷やす・温めるという効果は期待できないということを覚えておこう。

欧米ではほとんど使われていない湿布

 ところで、日本ではとても普及している湿布だが、欧米ではほとんど使われていない。
痛み止めといえば飲み薬が一般的で、湿布のような貼り薬はあまり使われない。
また、保険が適応されない国も多い。
文化や習慣の違いなのかもしれないが、「薬」として“認めていない”場合が多いのだ。

 湿布はその手軽さから、「薬物」のイメージは薄いが、保険診療で採用されている、れっきとした薬。
たとえば、ハガキ大のサイズの湿布薬を10枚ほど使うと、血中の鎮痛成分の濃度は、飲み薬1日分と同じくらいになるという研究結果がある。

湿布の多用、連用で副作用に見舞われることも

 すべての薬には何らかの副作用がつきものだが、湿布も同様だ。
安易に使っていると思わぬ副作用に見舞われることがある。

特に高齢者に多いのが、多用、連用によるものだ。
 たとえば、痛みや炎症を抑える医療用貼り薬「モーラステープ」に含まれる「ケトプロフェン」という鎮痛成分には、「光線過敏症」という副作用がある。
貼ったまま紫外線を浴びると、貼った部位に発疹腫れかゆみ水ぶくれなどの症状が表れる。

 厚生労働省の発表によると、妊娠後期に使用した後、胎児の心臓につながる胎児動脈管が収縮し、胎児に肺高血圧症などが起きたケース、妊娠中期の使用で羊水が少なくなる羊水過少症も報告されている。

 また、インドメタシンには、筋肉を萎縮させてしまう副作用があり、ほかにも喘息を患っている人には用いてはならないという欠点がある。

そのほかにも、アレルギー反応を引き起こしたり、胃の粘膜を刺激して胃腸炎になったりしたケースが報告されている。
 今回の湿布の処方枚数の制限策が、医療費削減の面だけでなく、適切な使用に基づく効果や副作用への喚起を呼ぶことに期待したい。
    
   (文=編集部、監修=三木貴弘)
posted by 小だぬき at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする