2016年02月01日

義家弘介が事故続発の組体操を絶賛!

体罰自慢の義家弘介文科副大臣が
“組体操”を「事故が起きても規制するな」!
 理由は「うるうるきたから」
2016.01.31.LITERRA(水井多賀子)

 口利きの実態が明らかになったにもかかわらず、謝罪もなく辞任で幕が引かれた甘利経済再生担当大臣の現金授受問題。
そんななか、またも安倍内閣の本質が露わになる発言が閣僚から飛び出した。


「組み体操はかけがえのない教育活動で、悪いことではない。それを文科省が規制するのは違う」
 これは1月29日付けの東京新聞が行った義家弘介文科副大臣への取材での発言だ。
組体操による事故は近年増加しており、2013年には8000件以上の事故が発生。
昨年も大阪府八尾市の中学校で6人の重軽傷者を出し、千葉県松戸市では小学6年の男児が開頭手術を受けるほどの事故が起こっている。
しかし、義家副大臣はこのように組体操を“肯定”したのだ。

「危ないのは組み体操だけではない。
何件だから危ない、と線引きすることには慎重な対応が必要」
「事故が起こって問題になったからと上から目線でずばっと何段と切るのは、指導上は不幸なこと」
「事故が起きているのは組み体操だけでない。
柔道、剣道などあらゆるところに規制を出さなければいけなくなり不健全」

 死亡にもつながりかねないと危険性が指摘されているのに、「組体操は悪くない」の一点張り。
どうしてこのような考えになるのか、見識を疑わざるを得ないが、実際、義家副大臣は記者から千葉県松戸市の小学校の事故について問われると、「初めて聞いた」と言っている。
つまり、事故の実態を把握もしないで組体操を擁護しているのだ。

 しかも義家副大臣は、組体操をこう称賛する。
「(組体操は)自分も小中学校で行ったし、小六の息子も去年やった。
五〜六段の組み体操で、息子は負荷がかかる位置にいて背中の筋を壊したが、誇らしげだった。全校生徒が羨望のまなざしで見る中で、「ここまで大きくなった、見事だ」と私自身がうるうるきた」
「仲のいい子、体力がある子同士で組み、余った生徒たちがペアを組まされることがあり得る。最上段にはバランス感覚がいい人間が上がらないといけない」
 組体操は人間の連帯であり、感動を生む。
だから学校教育の場では実践されるべき種目だ──。

義家副大臣はそう胸を張るのだが、この認識こそが組体操の事故を増加させている要因そのものだ。

 組体操事故の実例と背後にある問題を追及している教育学者・内田良氏の著書『教育という病 子どもと先生を苦しめる「教育リスク」』(光文社新書)によれば、組体操は現在、幼稚園から高校までで行われ、年々、巨大・高層化しているという。

しかし、じつは組体操は〈文部科学省の学習指導要領には記載がない〉。
同じように事故のケースが多い跳箱運動やバスケットボールは小学校の学習指導要領に明記されているが、〈組体操だけが学校で教えられるべき事項として位置づけられていない〉のだ。

 組体操は、戦後まもなくの時期には〈小中高すべての学習指導要領に記載があ〉ったが、死亡や重度障害の事例が後を絶たず、訴訟に発展することもあり、〈おそらく組体操の文化は少しずつ、衰退していったものと推測される〉という。

それが2000年代に入ってから組体操は“復活”した。
〈組体操において、子どもたちは痛みや恐怖を感じる。
だが、それは他者のためであり、そのようにして皆で相互に耐えることで1つのものをつくりあげていくという教育的物語が、そこにある〉

 内田氏によれば、組体操を支持する教員たちは「感動」「一体感」「達成感」を口にする、という。義家文科副大臣とまったく同じ理由で組体操を肯定しているのである「感動」「一体感」と引き換えに子どもたちがリスクに晒される。……まるで異常としか思えないが、これは義家副大臣にとっては何の違和感もないのだろう。

というのも、義家副大臣は“親分”である馳浩文科相と一緒に教師時代の「体罰」を堂々と公言、自慢げにこう語っているからだ。
「いじめの指導で放課後四時間教室から(生徒を)出さなかった時は他の教職員がハラハラしながら私の教室の外で見守っていて後で散々言われました。
(中略)口で『いじめはダメですよ』と説くのは誰でもできる。
でもこれはそんな次元で済ましてはダメで態度で示す以外ない。
教室の用具はボコボコになり、最後は加害生徒が泣いて詫びながら二度といじめないことを誓ったので終わりにしましたけど、これは仲間内の教職員から散々に言われました」(産経新聞社「正論」08年6月号対談記事より)

 昨年、本サイトがこの記事を発掘、問題視する記事を掲載した際には、馳文科相は記者会見で事実を認めた上で釈明。
だが義家副大臣の“体罰自慢”はスルーされたまま。
つけくわえると、こちらも既報の通り、義家副大臣は過去に生徒を監禁し暴力を振るう教師をヒーロー仕立てに描いた小説まで文芸誌に発表している。

 しかも、驚くべきは体罰自慢だけではない。
義家副大臣はやはり過去に
「まず第一に、善悪に関する明確な線引きが必要です。
(中略)では、誰が共通の線引きをするのかといえば、私は今こそ国がやるべきだと思っています」(文藝春秋「諸君!」07年3月号)と宣言。

国による思想統制が行われるべきだと隠すこともなく語っているのだ。

 明確な危険があるのに「感動するから」という理由だけで文科副大臣が組体操を是認する。
それは、義家副大臣は子どもは痛めつけてでも言うことを聞かせなくてはならない存在として捉え、思想さえコントロールするべきだと考えているからこそ導かれる回答だ

ようするに義家副大臣は、過去の体罰自慢や思想統制という軍国主義教育的発言を反省するどころか、いまも考えをまったく変えていないということだろう。

 ちなみに義家副大臣は、すでに詳しく本サイトで伝えているように、“安倍チルドレン”にふさわしく、戦前・戦中体制の称揚、マイノリティ差別への加担、日本軍による戦争犯罪の否認など極右思想をことあるごとに開陳。
その思想は安倍首相と同じくするものだ。
そして、組体操問題のキーワードである「感動」も、安倍政権による教育の合い言葉である。

事実、第一次安倍内閣が発足させた教育再生会議(現・教育再生実行会議)では、〈感動を与える教科書を作る〉(07年報告書)などと述べられている。
 今回の義家副大臣による組体操肯定は、今後、きちんと追及を受けるべき発言だ。
しかし問題の本質は、義家氏だけではなく安倍政権の思想にあるということを忘れてはいけないだろう。
                       (水井多賀子)
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2016年02月02日

「風呂は41度以下に」など、安全に入浴する5カ条

あなたの健康百科
「風呂は41度以下に」など、
     安全に入浴する5カ条
2016年2月1日 読売新聞

高齢者の入浴事故防止を呼びかけ―消費者庁

 冬場は脳卒中や心筋梗塞とともに、高齢者の入浴中の事故も起こりやすい季節。
厚生労働省の調査によると、年間約1万9,000人が入浴中の事故で死亡しており、そのうちの約半数が12〜2月の3カ月間に発生しているという。

消費者庁は1月20日、高齢者の入浴事故を防ぐために注意を呼びかけ、「風呂の湯温は41度以下」や「湯につかる時間は10分までを目安にする」など、安全に入浴するための5つの注意点を紹介した。

風呂場でぐったりしている人を見つけたら…  

消費者庁によると、家庭の浴槽で溺死した人はこの10年間で約7割増え、
2014年は4,866人。そのうち、65歳以上の高齢者が約9割を占めている。
65歳以上の溺死者は10万人当たり19.0人になり、フランス(3.5人)、米国(1.5人)、イタリア(1.1人)、英国(0.5人)と、欧米に比べて大幅に多いという。

 そのため同庁は、安全に入浴するための5カ条を紹介した。

1.入浴前に脱衣所や浴室を暖める
2.湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安に
3.浴槽から急に立ち上がらない
4.アルコールが抜けるまで、また食後すぐの入浴は控える
5.入浴する前に同居者へ一声かけ、入浴中に見回ってもらう

 また、意識を失って溺れるなど、浴槽でぐったりしている人を発見した場合の対処法として、以下の6点を挙げている。

1.浴槽の栓を抜き、大声で助けを呼び、人を集める
2.入浴者を出せるようであれば浴槽内から救出し、直ちに救急車の出動を要請する(出せないようならば、風呂のフタに上半身を乗せるなど沈まないようにする)。
3.浴槽から出せた場合は、肩をたたきながら声をかけ、反応があるか確認する
4.反応がない場合は呼吸を確認する
5.呼吸がない場合には胸骨圧迫を開始する。
    胸の真ん中を約5センチ、1分間に100〜120回のテンポで押す
6.人工呼吸ができるようであれば、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返す(できなければ胸骨圧迫のみ)
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たけしがフジとジャニーズに皮肉

ビートたけしが
「フジテレビはジャニーズに毎月、
分裂騒動を起こしてもらえ」
と痛烈皮肉! ベッキーも擁護
2016.02.02. LITERA(林グンマ)

〈「元サヤでめでたしめでたし」なんていってる場合じゃないよな。〉
 芸能界、いや日本中を巻き込む騒動に発展したSMAP解散危機だったが、身内の芸能人たちから出て来る言葉は「解散しなくてよかった」などの無難でどうでもいいコメントばかり。
彼らと親交があった芸能人たちもまるで何かに怯えたように、事の本質から目を背け続けている。
 そんな中、芸能界の重鎮、大物が吠えた。
“世界のキタノ”ビートたけしだ。

 たけしは「週刊ポスト」(小学館)2月12日号の連載コラム「ビートたけしの21世紀毒談」でSMAP騒動を俎上に上げている。
〈ここ最近、ずっと調子が悪かったフジテレビもあの『スマスマ会見』で最高視聴率37.2%を取ったらしいし、新聞や週刊誌だってガンガン売れたんだろ。SMAPさまさまだよ。〉
 SMAP騒動に乗じて商売にするメディアを皮肉るたけしだが、その矛先はフジテレビ、そしてジャニーズ事務所にも向かっていく。

〈だったら、「元サヤでめでたしめでたし」なんていってる場合じゃないよな。
フジテレビはジャニーズ事務所に「毎月、いや毎クールでいいから人気グループの分裂騒動を起こしてくれないか」って交渉しにいったほうがいいんじゃないの。
次は嵐、その次はTOKIO、その後はV6に関ジャニというようにね。
プロレス並みの内紛を仕込んで、ドンドン自作自演で分裂騒動を持ち上げりゃ、CDだって売れるしいいことずくめだよ。〉

 国民的アイドルルグープの解散騒動とはいえ、マスコミに取っては所詮商売のタネ。
謝罪会見を放映したフジテレビにしても視聴率は取れるわ、事務所もCDが売れるし万々歳。
そんな解散騒動なら、どんどんやれ!
 騒動とそれに奔走するマスコミをこんな風に皮肉ったたけしだが、その主張はまさに正鵠を射るものだ。

 本サイトでも何度も指摘しているが、今回の騒動で浮き彫りになったのがメディアの歪な構造だった。
ネットでは「謝罪会見は公開処刑」「SMAPは死んだ」といった声が大きな広がりを見せたが、しかし、テレビやスポーツ紙はジャニーズ事務所の意向を垂れ流し続けた。
特にテレビ局はSMAPをドラマやバラエティ番組に起用するという親密な関係にあるにもかかわらず、独自取材もせず、事務所の意を受けたスポーツ紙や週刊誌の報道を検証することなく、ただただ追随し紹介するだけだ。

 こうした事態に、テレビコメンテーターを務めるデーブ・スペクターや“夜回り先生”こと水谷修が疑問の声を上げたが、しかしマスコミはこれさえも黙殺した。

そんな状況の中、たけしが声を上げたことは大きな“事件”でもある。
しかも解散騒動で最も得をした代表格として、フジテレビを名指しして、だ。

 今回、フジテレビの果たした役割は醜悪ともいえるものだった。
SMAPだけでなくジャニーズ事務所との関係が深いフジテレビは、騒動が勃発する以前からSMAP追い出しの情報を掴み、“SMAP後”ともいえるシフトを組んでいた。
SMAPの飯島三智チーフマネージャーに近い番組スタッフを人事異動で現場から外し、いち早く飯島マネージャー=SMAP切りといえる態勢を整えた。
また騒動が明るみになった13日の翌日、『SMAP×SMAP』収録の後に中居正広が中心になり会見を開こうとしたが、しかしジャニーズ事務所側の圧力から、これを潰した。
 さらに18日の謝罪会見。
『スマスマ』というフジテレビのバラエティ番組の中で緊急生放送を行うのは異例の措置だ。
通常、会見は場所を設定して各社の記者を集めて行われるはずなのに、それをひとつの番組で独占し、質問もさせず、囲い込んだ。
広く情報を共有させることなく独占し、しかも事務所側に最大の配慮をしたのだ。
テレビ局が報道機関としての役割を担う事を考えれば、大きな問題といっていい。
しかし普通なら取材の自由を盾に猛抗議するはずの他メディアはこの異常事態に疑問の声さえ上げていない。

 もちろん、たけしのコラムはこうした問題に正面から切り込んだものではない。
しかし芸人ならではの毒舌、皮肉で一石を投じたのは明らかだろう。

 たけしは同コラムでSMAPだけでなくベッキーの不倫問題についても言及している。
たけしの孫娘はベッキーの大ファンらしいが、騒動についてどう説明すればいいかわからないというのだ。
〈「おじいちゃん、ベッキーちゃんなんで怒られているの?」「何か悪いコトしたの?」 って聞かれたら一体このオイラに何がいえるんだっての(笑い)。〉
〈ベッキーを心の底から責められるニッポン人が何%いるのかってこと考えりゃ、ちょっとこのつるし上げは可哀想だよ。〉

 現在、18歳年下の愛人と不倫同棲中のたけしの言葉だけに、これもベッキーの不倫だけが責められるメディアへの皮肉なのかもしれない。
         (林グンマ)
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2016年02月03日

本当に必要? 「緊急事態条項」

特集ワイド
本当に必要?「緊急事態条項」
毎日新聞2016年2月2日 東京夕刊

 安倍晋三首相は最近、「挑戦」との言葉を多用する。
その胸中をそんたくすれば、最も挑戦したいのは憲法改正だろう。
そして今、永田町では「緊急事態条項」を新設する改憲論が浮上している。

戦争や大災害などが起きた場合、首相に権限を集中させるこの条項は、基本的人権を過度に侵害する危険性もある。
本当に必要なのか。【江畑佳明】

災害も攻撃も「既存法で対応可能」

 安倍首相の発言をたどってみると、昨年より改憲に前向きな姿勢を感じ取れる。
例えば先月19日の参院予算委員会での答弁では緊急事態条項の必要性に踏み込んだ。
「大規模な災害が発生したような緊急時において国民の安全を守るため、国家そして国民自らがどのような役割を果たしていくべきかを憲法にどのように位置付けるかは極めて重く、大切な課題と考えている」

 確かに、沿岸部に壊滅的な被害をもたらした東日本大震災の記憶は今もなお鮮明だし、首都直下や南海トラフなどの大地震も高い確率で発生すると指摘されている。
世界に目を向ければ、収束しないテロや北朝鮮のミサイル問題などがあり、緊急事態条項は必要−−と納得しそうだ。

 この条項を盛り込んだ自民党の憲法改正草案を確認しよう。
条項の概略は、武力攻撃や大災害などが起きた場合、首相が閣議で「緊急事態」を宣言すると
▽法律と同じ効力を持つ政令の制定が可能になる
▽国民には国や公共機関の指示に従う義務が生じる−−というものだ。

 だが「憲法に緊急事態条項を入れる必要性は全くありません」と断言するのは、災害の法律に詳しい弁護士の小口幸人(おぐちゆきひと)さんだ。
小口さんは2010年春、岩手県宮古市へ赴任。
震災後、市職員らに法律の助言をするなかで、災害対策基本法などの法律が効果的に運用されていないと痛感した。
その例が、津波で破壊された家屋の所有者が、行方不明者の捜索を拒んだ時の対応だった。
悩む市職員への助言は「災害対策基本法では、市長の判断で建物の一時使用や収用、除去までできると定めてあります。
必要なら、当然立ち入りもできます。
立ち入り検査に関する条文もあります」。

 また同法は政府が強い権限で災害対応に臨めるよう、首相による「災害緊急事態の布告」を定めている。
国会閉会中でも緊急の必要がある場合、政令を出し物価を抑えたり、債務支払い延期を決めたりすることが可能。
表を見てほしい。一例だが、緊急事態に対応する法律に致命的な不備があるとはいえないだろう。
 小口さんは切実な表情でこう訴える。「憲法に緊急事態条項があったら大震災で起きた数々の悲劇を食い止められたのかといえば、そうではない。
今の法律を十分に使いこなせなかったのが問題。
被害を最小限に抑えるのは、法整備やその周知、訓練などを含めた事前の準備。
大震災を改憲のダシにしないでほしい

 1人の弁護士の意見にとどまらない。
岩手、宮城、福島、新潟、兵庫といった大震災を経験した自治体を含む計17の弁護士会は、緊急事態条項の新設に反対する声明を出している。
被災地は緊急事態条項を求めてはいない。

 テロや武力攻撃を理由に条項の設置を求める意見には、有事法制に詳しい早稲田大の水島朝穂教授(憲法学)が反論する。
「既に警察法や自衛隊法などに過剰ともいえる仕組みが存在し、対応は可能。
例外的権限を憲法に導入すれば、誤用、乱用、悪用の危険が増してくる」

戦前に経験「行政フリーハンド化」

 緊急事態条項がないのは憲法の欠陥だ、という意見も改憲派からはよく聞かれる。
だが、憲法に詳しい弁護士の伊藤真さんは「先人の知恵の産物であり欠陥ではありません」と切り出し、憲法の制定過程を交えて解説する。

 連合国軍総司令部(GHQ)と日本側が緊急事態条項を巡って議論した際、GHQは「憲法に明文を置かなくても、内閣が超憲法的に対応すればよい」という趣旨の主張をしたが、日本側は「緊急事態条項のあった明治憲法以上の弊害が起きうる」と反論。

激論の末、緊急時に衆院議員が不在でも参議院で緊急集会の開催が可能と憲法54条2項に明記された。
参院の改選は定数の半分なので、国会議員がゼロになる事態は起きない。
「緊急時は参院が立法府として対応できる」と伊藤さん。
改憲派は「議員の任期を特例で延長できるよう定めておくべきだ」とも主張するが、その必要はない。

 「明治憲法での弊害」というのは、議会にかけずに発する緊急勅令などが発令された後に起きた不幸な事件を指す。
関東大震災(1923年)では政府が戒厳を布告。
軍や警察などによる無政府主義者などへの弾圧につながった。
日本には緊急事態条項がもたらした苦い経験がある。

 これが念頭にあったのだろうか。
現憲法の制定に尽力した金森徳次郎憲法担当相は46年7月、帝国議会衆院憲法改正案委員会で次のように語った。
「緊急勅令及び財政上の緊急処分は行政当局者にとりましては実に調法なものであります。
しかしながら(略)国民の意思をある期間有力に無視しうる制度である(略)。
だから便利を尊ぶかあるいは民主政治の根本の原則を尊重するか、こういう分かれ目になるのであります」

 伊藤さんは力説する。
「当時の政治家は緊急事態条項が乱用される危険性を認識し、明治憲法下での人権侵害を反省していました。
たとえ一時でも、為政者をフリーハンドにしてはいけません」。
先人の反省は極めて重い。

先進国に例ない「長期の人権制限」案

 安倍首相は「多数の国が緊急事態条項を採用している」とも言う。
だが、前出の水島さんは「『他国にあるから日本も』というのは稚拙な議論。
しかも各国の緊急事態条項は、権力者が暴走しないよう工夫されている」と指摘する。
 例えばドイツ。
68年に緊急事態条項が憲法に入れられたが、政府の判断だけでは発動できず、国会(危急の際は48人の非常議会)の決定が必要。
憲法裁判所の活動は妨げられない。

水島さんは「それに比べて」と、自民党の憲法改正草案に話を移した。
緊急事態宣言の国会承認は事後でも構わないなど政府の暴走にブレーキをかける仕組みが弱い。
宣言が100日を超える場合は国会の承認が必要とあるが、一度にそんな長期間、特別の人権制限を続ける規定は、民主国家では聞いたことがありません」

 緊急事態条項に「NO」を突き付けた上で、語気を強める。
「こんな現実味のない論議よりも、国民生活を安定させる施策に尽力すべきだ」。
国会議員は本業を怠っているという批判だ。

 自民幹部からは「緊急事態条項なら国民に受け入れられやすい」という「お試し改憲論」が聞こえてくる。
繰り返すが、緊急事態条項は一時的にせよ、憲法で定める三権分立を停止して人権を制限しうるのだ。
こんな「お試し改憲」が許されるのだろうか。

◆緊急事態に対応する法律の例
災害対策基本法 
<首相の権限>
・災害緊急事態を布告できる
・内閣は物価の抑制や債務支払い延期などを政令で制定できる
・政令を制定したときは、直ちに国会の臨時会を召集するか、参院の緊急集会を求める

<市町村長の権限>
・居住者へ避難のための立ち退きを指示することが可能
・他人の土地の一時使用が可能

災害救助法
<都道府県知事の権限>
・医療、土木建築工事、輸送関係者を救助の業務に従事させることが可能
・病院やホテルなどの施設を救助のために管理できる
・現場にいる者を救助業務に協力させることが可能

大規模地震対策特別措置法
<首相の権限>
・地方公共団体の長や指定公共機関(日本赤十字、NHKなど)へ必要な指示が可能

原子力災害対策特別措置法
<首相の権限>
・原子力緊急事態宣言の発令をする
・都道府県知事、市町村長に対し、避難のための立ち退きなどの指示
・勧告をする

自衛隊法
・首相は緊急事態に際し、自衛隊の出動を命じることが可能

警察法
・首相は緊急事態に際し、一時的に警察を統制し、警察庁長官を直接に指揮監督する
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2016年02月04日

人間性を欠いた笑顔

香山リカのココロの万華鏡
人間性を欠いた笑顔
毎日新聞2016年2月2日 首都圏版

 東京都大田区で3歳の男の子が同居する男性から暴行を受け、死亡する痛ましい事件が起きた。
男性は「しつけ」と称して虐待を繰り返していたという。
一部の報道によると、男性は男の子を正座させ「笑いながらベランダを指さし、『あっち行け。死んでしまえ』と脅した」という。

 もちろん、虐待はそれ自体許されるものでないが、私がとくに気になったのはこの「笑いながら」の部分だ。
幼い子どもに苦痛を与えながら、なぜ笑えるのか。
その心理は想像もつかないが、同じような“笑い”を何度か見たことがある。

 2004年、イラクのアブグレイブ刑務所で、捕虜や戦犯となったイラク人兵士に対し米国人兵士が虐待していたことが発覚した。
人間性を陵辱するような拷問を行い、捕虜たちと写真に納まる米国人兵士の多くは満面の笑みをたたえていた。

 私は大声で在日コリアンなどへの差別や排除を叫びながら公道を練り歩く、いわゆるヘイトスピーチデモへの抗議活動にときどき出向くが、いつも理解できないのは、デモに参加する人の多くが楽しそうに笑っていることだ。

「差別反対」などと書かれたプラカードを手に抗議する人たちや、不安そうに様子を見ている外国人らしき人たちに笑顔で手を振るデモ参加者もいる。
書くのもはばかられるような差別的な言葉や憎悪の表現を口にしながら、なぜそこまで晴れやかに笑っていられるのか。
その言葉と表情のギャップに、私はいつもめまいがしそうになる。

 虐待、暴力、差別。人間として許されないこういう行為に手を染めるとき、人はどういう表情を作ってよいのかもわからなくなり、思わず笑ってしまうのだろうか。あるいは、人間としての分別も良心も捨てた行為を自分でも止められず、途方に暮れて「笑うしかない」という境地になるのか
被害者は、自分が受けている暴力や差別に傷つき、さらに相手の笑顔に傷つく、と二重のダメージを受けることになるのだ。

 いずれにしても、これほど恐ろしくおぞましい笑顔はない。
私たちは日ごろ「笑顔は人をハッピーにする」と信じている。
しかし、「人間性をかなぐり捨てた笑顔」があることも忘れてはならない。
 不祥事で記者会見を開く政治家は、いまのところかろうじて笑っていない。
もしそういう人たちが「やりましたよ。ハハハ」と笑顔になったら、と考えると、そのときが社会の終わりと考えてよいかもしれない。
         (精神科医)
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2016年02月05日

首相9条発言 ご都合主義の改憲論だ

首相9条発言 
ご都合主義の改憲論だ
2016年2月4日 東京新聞「社説」

 戦力不保持を規定した憲法九条二項の改正は、自民党結党以来の党是なのであろう。
しかし、憲法学者の「自衛隊違憲論」を引き合いに出して改正の必要性を主張するのは、ご都合主義ではないか。

 衆院予算委員会はきのう、安倍晋三首相と全閣僚が出席して、基本的質疑が行われ、二〇一六年度予算案に関する実質審議が始まった。
金銭授受問題が報じられた甘利明前経済再生担当相の閣僚辞任で、数日遅れのスタートだ。

 首相が、稲田朋美自民党政調会長との質疑で言及したのが、九条二項改正論である。
九条は一項で戦争放棄、
二項で戦力不保持を定めている。

にもかかわらず自衛隊が存在しており、「現実に合わなくなっている九条二項をこのままにしておくことこそが立憲主義の空洞化だ」というのが稲田氏の指摘だ。

 これに対し、首相は「七割の憲法学者が、自衛隊に対し憲法違反の疑いを持っている状況をなくすべきだという考え方もある」と、九条二項改正の必要性を訴えた。
 ちょっと待ってほしい。

 集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法をめぐり、多くの憲法学者らが憲法違反として反対の声を上げたにもかかわらず成立を強行したのは、当の安倍政権ではなかったのか。

 自衛隊は、日本が外国から急迫不正な侵害を受ける際、それを阻止するための必要最小限度の実力を保持する組織であり、戦力には該当しないというのが、自民党が長年、政権を担ってきた歴代内閣の見解である。
 自衛隊を違憲とする意見があるのは確かだが、国会での議論の積み重ねを通じて定着した政府見解には、それなりの重みがある。
 安倍政権が憲法学者の自衛隊違憲論を理由に九条二項の改正を主張するのなら、集団的自衛権の行使を認めた閣議決定や安保関連法についても、憲法違反とする憲法学者の意見を受け入れて撤回、廃止すべきではないのか。
 都合のいいときには憲法学者の意見を利用し、悪いときには無視する。
これをご都合主義と言わずして何と言う。
それこそ国民が憲法で権力を律する立憲主義を蔑(ないがし)ろにする行為ではないか。

 憲法改正には国民の幅広い支持が必要だ。
九条二項を改正しなければ国民の平穏な暮らしが脅かされるほどの緊急性が今あるのか。
一九五五年の結党以来の党是だとはいえ、憲法改正自体が目的化していると危惧せざるを得ない。
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2016年02月06日

3段タワーでも重症事故…組み体操「重度外傷」年間84件

3段タワーでも重症事故…
組み体操「重度外傷」年間84件
2016年02月05日 読売新聞

 小・中・高校の「組み体操」中に児童・生徒が頭蓋骨や脊椎、骨盤などを骨折したり、肺や腎臓を損傷したりする「重度外傷」が2014年度で計84件にも上っていることが、千葉県松戸市立病院の庄古知久救命救急センター長が日本スポーツ振興センター(JSC)に公開を請求した資料から明らかになった。

 組み体操でけがをする児童・生徒は年間8000人以上に上るが、そのうち1%が後遺症も心配される重度のけがを負っており、庄古さんは改めて組み体操の危険性を訴えている。

 庄古さんによると、JSCの災害共済給付制度届出データによる全国の組み体操の事故件数(けがや病気)は2011年度から4年連続8000件を超え、14年度は8592件。

 14年度の内訳をみると、骨折が全体の21.7%にあたる1866件。
この骨折の4%は脊椎(頸椎、胸椎、腰椎)や骨盤、大腿骨などの「重症骨折」で計72件。
これに、頭蓋骨骨折やくも膜下出血、脳挫傷、肺や腎臓などの損傷を加えた「重度外傷」が計84件で、全体の約1%にあたる。
なお、13年度は8561件中の101件、12年度は8883件中の87件が重度外傷だった。

 組み体操には四つんばいになって重なる「ピラミッド」や、立った人の肩の上に乗る「タワー」がある。
庄古さんは4年間で28例の組み体操によるけが患者を診察しており、「それほど高さのないタワー3段、ピラミッド5段でも重症患者は出ている。
今後も重傷を負う子が出る可能性があり、学校での組み体操はただちに中止すべき」と訴えている。
     (メディア局編集部 京極理恵)
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2016年02月07日

あなたも毒親? 親が子にやってはいけない“隠れ虐待”行為

あなたも毒親?
親が子にやってはいけない
“隠れ虐待”行為
2016年2月6日 日刊ゲンダイ

 先月、東京・大田区で3歳児が死亡した虐待事件は悲惨の一言に尽きる。
母親と交際中のヤクザの男(20)が、幼子をボウリングのように投げ飛ばし、頭に「かかと落とし」を加えていたというから言語道断だ。
もっとも、程度の差こそあれ、いつの間にか自分も虐待行為に加担しているケースがある。

虐待のひとつ、ネグレクトの温床に“貧困”があるといわれますが、一見、“普通の”とくくられる家庭において、中学生が放っておかれることが増えているように思います

 こう話すのは、「誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち」の著者で、虐待児の取材を続けているノンフィクション作家の黒川祥子氏だ。
以前、中学生による「集団いじめ」を取材した際、加害者となっている側は「親に放っておかれている子供たち」だった。
親は朝まで飲み歩いていて不在。
門限もなく、子供は寂しさから同じような友達と朝までつるんで飲酒。
しかし親は気づいていない、という中学生たちの「日常」が見えてきたという。

 学習支援団体を運営しながら、子供にまつわる問題を広く取材しているライターの大西桃子氏が、「経済的な問題などで、親の努力だけでは対処しきれないケースもある」と断った上で、無自覚な親たちの“隠れ虐待行為”を挙げてくれた(下記参照)。

■大人のストレス発散

「虐待」は「childaduse」という言葉からきており、「子供の濫用」と訳される。

身体的虐待やネグレクトも、決して“子供のしつけ”のためではなく、大人が自分のストレス発散などのために、『子供を使う』ことが共通している。
それは、まぎれもなく子供への虐待なのです」(黒川氏)

 自分のストレス発散のために子供を殴る。
自分の名誉欲のためにいい大学、いい会社に入れようとする。
かなえられなかった自分の夢のために子供に何かを課す――。
思い当たる節はないだろうか?

 黒川氏はシングルマザーとして2人の息子を育てた。
今は大学生である次男が小学校に上がる前、「自分の行為はモラハラ(精神的な暴力)ではないか」と思うことがあったという。
「『どうせ僕は駄目なんだ』
『お母さんがいないと何もできないんだ』と息子を卑屈にさせる、追い詰める叱り方をしていたんです。
気づいて以降、率直な叱り方をするように心掛けました」

 取り返しのつかない結果を招かないために、重要なのは「とにかく気づくこと」。
さらに、大西氏は「社会全体で助け合って子供を見ていくシステムづくりが必要」と述べる。  さあ、あなたはどうだろうか?

【子供にこんなことしてませんか?】
(1)食事が毎回インスタント
(2)受験生の模擬試験代を出さない
(3)家計が困窮しているわけではないのに教育費を払わない
(4)受験に無関心
(5)家に勉強机がない
(6)夜飲み歩く、夜更かしをする
(7)深夜まで携帯電話をいじっていて、子供が寝ないことに気づかない
(8)親が寝坊をする
(9)子供が寝坊をしても気づかない
(10)将来に過度な期待をしたりプレッシャーを与えたりする
(11)着せ替え人形のように扱う
(12)大人がするような美容施術を受けさせる
(13)自分の価値観は押し付けるが、子供の悩みには耳を傾けない
(14)夜どこにいるかを親が把握していない
(15)いざという時も(子供が)携帯を持っているから大丈夫と考えている
(16)携帯電話を子供に自由に使わせている
(17)教育系の講義やイベントに(親が)やたらチャレンジさせる
(18)小遣いを渡して好きに食事をさせる
(19)家の中にプライベートスペースがない
(20)男女のきょうだいが一緒の部屋
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2016年02月08日

お金ないから大学行けない 国立でも授業料年54万円

特集ワイド
お金ないから大学行けない
 国立でも授業料年54万円
40年前比15倍
毎日新聞2016年2月4日 東京夕刊

 「国立大の授業料は安い」というのは、もはや昔の話だ。
2015年度の授業料は年間約54万円で、40年前よりも15倍に値上がりし、私立との差も縮まった。
授業料の高騰は、大学生2人に1人が奨学金を借り、卒業時に数百万円の借金を背負う状況も招いている。
このままでは、大学に行ける層と行けない層が所得で明確になる階級社会が生まれてしまうのではないか。
【石塚孝志】

 「ある学生の話ですが、母親から奨学金をもらっている人と付き合ってはだめと言われたと。
もし結婚したら、相手の借金返済で家計が苦しくなるからというのが理由です」と驚くのは、著書「希望格差社会」のある中央大文学部の山田昌弘教授(社会学)。

「日本は、親があまり裕福でなかったら大学へ行くなという階級社会に確実に向かっています。さらに大学に行っても奨学金受給の有無が学生間に結婚格差までも作り出している」と指摘する。
 経済的な理由で大学進学が困難になっている状況は、幾つかの調査で裏付けられる。
まず、国立社会保障・人口問題研究所が11年に発表した「結婚と出産に関する全国調査」。
その中で「理想の子ども数を持たない理由」の1位は「子育てや教育にお金がかかりすぎる」で、約6割が挙げた。

日本政策金融公庫が昨年2月に発表した教育費負担の実態調査では、高校入学から大学卒業までに1人当たり平均880万円が必要と試算した。
その一方で民間の平均年収は減少。
国税庁によると、14年が415万円で、04年から約24万円も減った。
山田さんは「教育費の工面は厳しく、大学に行かせたい親は子どもの数を絞る傾向がある。
これでは、より少子化を招いてしまいます」と話す。

 文部科学省によると、40年前の1975年度の大学授業料は、国立は3万6000円、私立の平均は約5倍の18万2677円だった。
その後、国私間の差は徐々に縮まり、14年度は国立が53万5800円、私立が86万4384円で約1・6倍になった。

 この授業料の格差是正について、旺文社教育情報センターの大塚憲一センター長は「政府は本来なら私立の補助金を引き上げて授業料を抑えるべきなのに、国立の授業料の値上げで格差を縮めてきた」と指摘する。
将来的にはさらなる授業料値上げの懸念もありそうだ。

 そもそも日本の大学授業料の国際的な水準はどうなのか。経済協力開発機構(OECD)が昨年11月に発表した教育に関する調査では、日本は13〜14年ベースで「授業料が高額で、学生支援体制が比較的未整備の国々」に分類された。

また、大学など高等教育に対する国の財政支出を国内総生産(GDP)比で見ると、12年ベースで日本は0・8%。
OECD加盟34カ国の平均1・3%を大幅に下回り、高等教育に冷たい国の姿勢が際立っている。

 この背景について、教育ジャーナリストの渡辺敦司さんは「自民党や財務省には、教育は個人の利益だから利益を受ける人が払えという『受益者負担』の考えが強くある」と説明する。

対照的な国として挙げたのが北欧諸国。
「授業料が無料か低額で、支援制度が手厚く、教育は社会で支えるという理念がある。
日本は、家族が無理してでも進学させたいという国民性に国が頼っているだけなのです」

給付型奨学金なし、借金重荷に

 では、OECDに「比較的未整備」と認定された、この国の学生支援体制はどうなっているのか。
奨学金問題対策全国会議事務局長の岩重佳治弁護士は「世界で奨学金といえば、返済義務のない給付のこと。
先進国で公的な給付型奨学金制度がほとんどないのは日本だけ」と、お寒い現状を説明する。  

奨学金制度の詳細を知ろうと、独立行政法人「日本学生支援機構」の12年度の「学生生活調査結果」を見ると、大学生の厳しい懐事情が浮かび上がる。
昼間部の学生の過半数52・5%が奨学金を受給。
そのうち9割の学生が受給している同機構の奨学金の内容は次の通りだ。
国公立で自宅通学の学生は無利子で月最大4万5000円、有利子なら同12万円を借りることができる。
返済額は人によって違うが、無利子で4万5000円を4年間借りた場合、卒業後は216万円の借金を背負う。

 岩重さんは「学費が上がり家計が苦しい中で、奨学金を利用せざるを得ない学生が増えている。
将来の仕事や収入が分からずに借りるため、もともと延滞が起きやすい。
しかも非正規雇用ならば収入が安定せず、一生借金漬けになる恐れがある」と警告する。

 政府は16年度には無利子奨学金貸与者や授業料免除者の増員などを予定するが、岩重さんは「規模も小さく、根本的な解決になりません。
政府は貸与ではなく、給付型奨学金や、より柔軟な返済制度を整備すべきです」と訴える。
実は、文科省が給付型制度の創設を要求しても、財務省は財源不足などを理由に認めてこなかった。
先月21日の参院決算委員会でも麻生太郎財務相は「単なる財政支出になる。将来世代からの借金と同じ」と述べている。

 財務省に根強い受益者負担論を崩す一つの解決策として、東京大の小林雅之教授(教育社会学)は「教育にお金を掛けることは個人だけでなく、社会的、経済的効果があることを示す必要がある」と話し、三菱総合研究所が10年に発表した調査内容を挙げる。
概略は、大学生1人当たり約230万円の公的な教育支出により、卒業後に税収の増加、失業給付金や犯罪関連費の抑制などで約2倍の便益がある−−というものだ。

 小林さんも参加する文科省の教育再生実行会議が昨年7月に発表した第8次提言では、7000億円の予算で、大学生の奨学金完全無利子化や、大学・専門学校の授業料の公立高校並みへの引き下げができるとした。
要は、日本の将来を託す若者にお金を掛ける意思があるのかという話だ。

若者よ、声上げよ!

 大学進学時の所得階層差が拡大していると見る小林さんはこう訴える。
「所得の高い層が私立に比べて学費の安い国公立に流れ、所得の低い層がはじき出される傾向が出ている。
大学進学のために必死でお金を工面してきた所得の低い層の無理がそろそろ限界に来ている」。

さらに中学・高校生にも現実を教える必要性を説く。
「この時期から借金を背負うリスクを教えなければいけない。
貧乏だから大学に行けないと言う子には『そんなことはない』と伝える一方で、奨学金に頼る危険性も説明すべきです」。
このような現実を見据えて、小林さんは「教育費の負担軽減は待ったなし」と力説するのだ。  

岩重さんが重要視するのは、若者が声を上げることだ。「大きな声にまとまれば、国も無視できないはず」と指摘する。
 今夏の参院選では初めて18歳からの選挙権が認められる。
若い人にはぜひ、自分たちの問題として考えてほしい。
■OECDによる
授業料と公的補助水準の高低による4モデル

(1)低授業料・高補助  北欧諸国
(2)高授業料・高補助  米国、英国、オーストラリア、カナダ、オランダ、ニュージーランド

(3)高授業料・低補助  日本、韓国、チリ
(4)低授業料・低補助  オーストリア、ベルギー、フランス、イタリア、スイス、スペイン、チェコ、ポーランド、ポルトガルなど
※OECDインディケータ(指標)2015年版
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2016年02月09日

「国産農産物が安全」だと思っているのは日本人だけ!?

「国産農産物が安全」だと
思っているのは日本人だけ!?
2016.02.08 日刊SPA

「日本の農産物は安心・安全」。
常識だと思っていたことが、海外ではまったく違う捉えられ方をしている。
甘い安全基準が不安視されているのだという。
東京五輪やTPPを控え、日本の農産物は大丈夫なのか。

[国産農産物は安全]神話が崩壊する!

 昨年11月23日、無農薬栽培で有名なリンゴ農家の木村秋則氏が、農業関連のシンポジウムでこんな“爆弾発言”をしていた。
「世界70か国の若手農家の集いに呼ばれてイタリアを訪問した際、『日本の農産物は本当に安心なのか。
東京五輪のときには選手団にイタリアから食材を持参することを考えている』と言われました。

日本の農産物が『安心・安全』というのは大間違いです

 司会を務めていたタレントの高木美保さんは「そこまで厳しい評価ですか……」と驚いたが、木村さんの対談相手を務めていた2人のパネリストも同じ見方だった。
歌手のマドンナのプライベートシェフとして有名な西邨まゆみさんが「今回、マドンナも来日するのですが、『日本に安全な食材はあるのか』と言っていました」と内輪話を披露。

 食の安全に詳しい内海聡医師も「東京五輪に向けて『日本の選手村の食の質を高める』というプロジェクトが進んでいます。
そこだけはやるのですが、安全基準は緩いまま。
選手以外の日本人は『危ないものを食べておけ』ということです」と語った。

 国産農産物が安全だと思っているのは日本人だけで、世界ではまったく違う捉えられ方をしているというのだ。
木村氏はこう語る。
「(日本の農産物が危ないと言われて)私は悔しかったから言いました。
『ご指摘の通りです。
でも’20年の東京五輪までには、自然栽培(無農薬・無肥料栽培)を増やして、世界一の食材を提供しましょう』と」


⇒【資料】は コチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1036971
            (主要国の農薬使用量で日本はワースト3)
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2016年02月10日

恋に病気は関係ない 

香山リカのココロの万華鏡
恋に病気は関係ない 
毎日新聞2016年2月9日 首都圏版

 今年もバレンタインデーが近づいてきた。
毎年、何人かの女性患者さんから「はい、先生」とチョコレートを手わたされる。
いまは女性から女性に親愛の証しとしてチョコを贈ることもあるのだ。

 そんなとき、「ありがとう。お目当ての男性にはあげないの?」とついきいてしまうことがある。
軽い雑談のつもりだ。
いつだったか、そう尋ねたら相手の顔が急に曇り、
「先生、私はずっと精神の病を患ってます。彼氏なんか作っちゃいけない人間なんです」と真剣な顔で言い返されたことがあった。
そのけんまくに押され「ごめんなさい」と謝ったが、あとになって「どうして? 病気でも恋人を作っていいんですよ」と言えばよかった、と後悔した。

 今年になって、ある大学病院で去年7月に産婦人科医が重度の知的障害がある20代の患者を診察した際、「あなたは将来、彼氏も結婚もできない」などと言っていたと報じられ、大きな問題となった。
もちろん、これは人権を傷つける差別的な発言だが、私も若い頃、同じような考えを持っていなかったか、と我が身を振り返る。

 20代のとき、担当していた長期入院の女性患者さんがついに退院することになった。
家族がいないので、病院のそばのアパートでひとり暮らしだ。
私も退院まであれこれサポートしてきたので、無事生活が始まったときは本当にうれしかった。  

しばらくして外来受診にやって来たその女性は私に「先生、実は私、結婚することになったのです。お相手は……」と少し前に退院した男性の名前を告げた。
入院しているときに意気投合し、退院したら結婚しよう、という約束になっていたという。

私は不安になり、「まだ症状も落ち着いていないのに大丈夫? もう少し待ったほうがいいんじゃない?」などと言ってしまった。
しかし彼女たちは結婚し、力を合わせてふたりの生活を築いていった。
私は「病気だって恋してもいいんだ。
それが実って結婚するのはすばらしいことなんだ」と心から反省した。

 昨年、東京で春画の展覧会が開催され、江戸時代のおおらかな愛や性の描写を見に多くの人が押しかけたという。
きっと誰もがもっと誰かを好きになりたい、いまのパートナーともっと仲良くしたい、と願っているのだろう。
それは、健康だとか病気や障害があるとかには関係ない。
 さて、私は今年、誰にチョコをあげようかな。そう考えるだけで胸があたたかくなる。
       (精神科医)
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2016年02月11日

問われる任命責任…島尻北方相「歯舞」読めないおバカぶり

問われる任命責任…島尻北方相
「歯舞」読めないおバカぶり
2016年2月10日 日刊ゲンダイ

 小学生以下だ。
島尻安伊子沖縄北方担当相の9日の記者会見が、大問題になっている。
北方領土のひとつ、歯舞群島の「歯舞(はぼまい)」という漢字を読めなかったのだ。

島尻大臣は北方領土の元島民でつくる団体「千島歯舞諸島居住者連盟」が主催する北方領土ネット検定を紹介した際、手元の資料を読みながら「千島、はぼ……ええと、何だっけ」とストップ。
そばにいた秘書官が「はぼまい」と伝えた。
 さらに、島尻大臣は会見でこのネット検定の初級編を3、4年前に受けたことを明かし、「(点数は)恥ずかしくて言えない。これからまた勉強したい」と話したのだ。

島尻大臣の事務所は「ちょっと慌ててしまったのか、度忘れしてしまったのでしょう」と説明しているが、島尻大臣は北方領土返還に向け、国民の世論を喚起する担当相。
笑い話では済まない話だ。

地元紙記者はこう言う。
歯舞群島から根室の納沙布岬までの距離は、わずか3.7キロ。
望遠鏡でも見える距離で、道民は『いつの日か、いつの日か』と眺めながら返還を待っている。北方四島の中で最も日本に馴染みがある島です。

『歯舞昆布』は上質な昆布で最高級のダシが取れることで有名です。
地元では『やはり、沖縄県選出の島尻氏は北方領土のことなんかどうでもいいんだ』という声が漏れています」

 この発言は外交にも大きく影響するだろう。
安倍首相は5月にロシアのプーチン大統領と非公式会談をする方向だからだ。
北方領土も議題に上がるはずだったが、担当大臣がこのレベルではロシアになめられるだけだ。 「現在は5月の会談に向けて、事務方同士が最終調整を行っている最中。
今月15日には次官級協議も予定されています。
そのタイミングでの今回の会見は、ロシアに『交渉する気はありません』というマイナスのメッセージを送っているようなもの。

しかも、今月7日は『北方領土の日』でした。
日比谷公園で行われた全国大会で、島尻氏は最後にあいさつもしている。
安倍首相の任命責任を問われても仕方ありません」(北方領土に詳しいジャーナリスト)
 もともと、沖縄選出の島尻氏を大臣に起用したのは辺野古移設の地元対策みたいなものだ。
慣例で北方領土担当をくっつけた。
高木下着大臣といい、甘利ワイロ大臣といい、丸川おバカ環境相といい、安倍首相の人事はムチャクチャだ。
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“盟友”清原逮捕にペラペラ 桑田真澄の言葉に拭えぬ違和感

“盟友”清原逮捕にペラペラ
桑田真澄の言葉に拭えぬ違和感
2016年2月6日 日刊ゲンダイ

こういうのを、『後の祭り』『下衆の後知恵』というんですよ。
少なくとも私は、聞いてていい感じを受けなかった」  
作家の吉川潮氏がこう言った。

清原容疑者が覚醒剤取締法違反で逮捕されたのを受けて、4日に“盟友”の桑田真澄(47)が会見。
「2人で力を合わせて野球界に貢献できる日を心待ちにしたい」などと話したことに対する吉川氏の感想である。

 4〜5年前から、清原に関する良からぬウワサが耳に入るたび、本人に忠告を続けていたという桑田は、
「小姑のように言い続けた。
それが言えるのがボクだと。
ただ、小言を言われるのに嫌気が差したんでしょうね。
(清原から)『一切、関わらないでくれ』と言われた」とのエピソードを明かし、それが原因で3年前に決別して以来、絶縁状態だったと告白。
神妙な表情で「もうちょっとボクが言い続けた方が良かったのかな」と悔いてみせたのだが……。

「事が起きてから、いろいろ言ったって、意味はない。
清原から、関わらないでくれ、と言われたのだとしても、恩師や他の友人などの力を借りてなんとかするのが、本当の友達ってもんでしょう。
放っておいてくれ、そうか分かった、と手を引いたんじゃ何もやっていないのと同じです。
要するに、実際の2人は友達でも盟友でもなんでもなかったということなんだろうね。
図らずも、それがよく分かりました」(前出の吉川氏)

 そもそも2人は、85年のドラフトでその関係にヒビが入った。
PL学園のエースだった桑田は早大進学を表明。
ところがいざ巨人に単独1位指名されると手のひらを返して巨人入り。
当時の王監督からサインをもらい、巨人からの指名を信じていた清原が涙を流した姿はよく知られている。

このドラフトが清原の人生に最初に影を落としたとすれば、そのキッカケをつくったのが桑田だろう。
 吉川氏は「2人は友達でもなんでもなかった」との印象を持ったと言ったが、実際、清原は13年10月の日刊スポーツのコラムで、桑田への複雑な思いを吐露している。
「ドラフト当時は、桑田に対して思うところはあった。
正直、憎かった時期もある」
桑田が早大を断って巨人に入ったために、PLの後輩は早大進学のルートを断たれた。
(中略)これは動かせない事実だ
「PL野球部が衰退していく契機は、間違いなく、あのドラフトにあった。
その決断に伴う責任はあるはずだ」
「だから桑田の(早大大学院)進学が信じられなかった」
「東大の野球部を指導している場合じゃない」
「桑田はすぐ母校へ飛んでいき、名門復活の手助けをするべきだ」
そう正論を並べ、桑田の偽善や自己中心的な言動を批判している

 桑田は、小言を重ねて清原に煙たがられたと言ったが、むしろ清原が愛想をつかしたのだ。  覚醒剤に手を出した清原に言い訳の余地はないが、それでも清原逮捕の報に接した球界OBや、かつてのチームメートは一様に言葉を選んでいる。
それがかつての仲間へのせめてもの思いやりというものだろう。

「まったくです。
桑田は『みんなで彼を支えることも必要』と清原の更生に力を貸すようなことも言ってましたが、そういうものは報道陣の前で公言してするものではない。
陰から見守り、人知れず手を貸してやるもの。
桑田の言葉からは、自分をいい人に見せようという思惑が透けて見えるようで、残念でしたね」(前出の吉川氏)

 これが、まっとうなファンの感想だ。
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2016年02月12日

日本会議から勧誘の電話!会話を公開

日本会議から
勧誘の電話がかかってきたので
やりとりを全公開!
安倍首相を絶賛、
結婚を戸主の許可制にすべきとトンデモ主張
2016.02.11. LITERA編集部

「もしもし、日本会議です」
 2月9日、ライターAの携帯電話に突然、知らない番号からコールがあった。
出てみると、相手はこう名乗ったという。


 本サイトの読者にはおなじみだと思うが、「日本会議」とは日本最大の右派政治団体。
下部組織の「日本会議国会議員懇談会」には安倍晋三首相をはじめ現内閣のほとんどの閣僚が参加しており、英紙「The Economist」や仏誌「L'Obs」などの海外メディアからも、その戦前回帰的思想の危険性を指摘される極右団体だ。

 いったい、何事かとおもったら、有料会員のお誘いだった。
実は昨年11月、Aは日本武道館で開催されたある集会に本サイトの記者と一緒に参加していた。

それは、「今こそ憲法改正を!1万人大会」という、安倍首相もビデオメッセージを寄せ、改憲への意気込み語った大規模集会だ。
同大会の主催は「美しい日本の憲法をつくる国民の会」なる団体で、Aは同会HPの応募フォームから電話番号や住所などの個人情報を記入していた。
「電話を受けるまで気に留めなかったのですが、前日には自宅にA3サイズの封筒が届いていました。
差し出し人は日本会議事務総局で、“去年の11月の改憲集会の参加の御礼と、日本会議ご入会のご案内”とありましたから、個人情報を流用したのでしょう。
しかし、直接電話までしてくるとは驚きました」
 Aは「ちょっと面白そうなので」会話を録音しておいた。
聞いてみたら、なかなか香ばしいやりとりしていたので、ここに公開したい。
できるかぎり忠実なかたちで再現するために、註釈を入れる場合はカッコで表しているので、ご了承いただきたい。

日本会議 
その節は(「1万人大会」に)どうもご参加ありがとうございました。
日本会議は常日頃、尖閣諸島をはじめとした日本の領土をなんとしても守りながらですね、戦後最大の課題であります憲法改正と教育の正常化という問題に全力で取り組んでるんですがね。

A
 あの、ちょっと、すみません。
今お話されている方は日本会議の……? 日本会議 事務局でございます。

A
 職員のかたですか?

日本会議 
ええ。
あの、この度、待望の安倍内閣によりましてね、これら憲法、教育等の戦後の諸問題の総決算したいというので、日本会議は全力で取り組んでるんですがね。
Aさんには、安倍内閣による憲法、教育、領土に対するこの取り組みをですね、どのようにご覧になってますか?

A
 僕個人がですか? それはあの……。

日本会議
 私はこの安倍内閣で憲法改正が実現しませんでしたらね、日本はまた4、50年間できないんじゃないかと思っております。

A な、なぜですか。

日本会議
 それらしき人材がいないというところでございます。
少なくとも、私は戦後70年というとてつもない長い時間をかけてね、憲法が議論の俎上にあがったのは今回が初めてだと思います。
まあ、歴史的にいえば岸内閣のときにちょっとはでましたけどね。
これもすぐ終わってしまいました。
それから中曽根内閣のときにちょっと憲法議論がでましたけれども、これも終わりました。
すくなくともこれで3年、4年にわたって憲法を改正しようという内閣は今回が初めてだと思いますね。

A
 はあ。あの、それだけ安倍内閣を日本会議は評価しているということなんですか。

日本会議 
評価していますね。

A
 歴代内閣のなかで一番、日本会議の悲願にマッチしているというふうに考えているんですか。

日本会議
 一番マッチしているというよりも、初めてマッチしたということでしょうね。
いままで議論にならなかったわけですよ。
一応いま議題にあがってきていますよね。
それは戦後70年経過して初めての現象だと思います。
いままでにはございません。

 以上は録音の冒頭部分にあたり、電話口の人物が日本会議を名乗った直後のやりとりである。日本会議が安倍内閣を絶賛し、この機を逃すものかと力を込めているのがわかる。しかし、その後の通話では、日本会議は最終的目標を「自主憲法制定」としながらも、具体的に憲法のどの部分を変えるべきなのかについては説明を曖昧にする。

A
 僕もその、憲法改正の大会に興味があったので、参加したんですけども、日本会議さんの憲法改正の一番の目玉っていうのは、やっぱり第1条(天皇条項)なんですか?

日本会議
 最終的にはね、日本の国にふさわしい自主憲法を制定すべきだと思います。

A
 前文も含めて?

日本会議
 前文も含めて。
ただね、いまの安倍内閣で全部それができるかといったら、なかなかそうはいかないですよ。
したがいまして、いますぐに目指すのはですね、たとえば98条ですかね、(衆参での憲法改正の国民投票発議を)3分の2条項を2分の1にするとかですね。

A
 98でしたっけ、96でしたっけ?(実際には憲法96条)

日本会議
 それから、あー、緊急事態条項を加味するとかね。
いうようなところがまず、それも個々の問題ですけれども、いまの安倍内閣にまず期待したいところはですね、70年間開かずの扉の憲法を開けるというところに意味があると思います。
これは開かずの扉で、錆びついてるんですよ。
世界中にこんなものはありませんわね。

 日本会議による「自主憲法制定」への“戦略”が、見事なまでに、これまでの安倍首相の発言と一致していることがわかる。
実際、その後のやりとりのなかではAが「日本会議としてもとりあえず、憲法を変えてみるというところで、国民のアレルギーといいますか、拒否反応をなくしていこうということですか」と聞いているのだが、これに対し日本会議は「そういうことですね」とあっさりと認めている。
“お試し改憲”の先に日本会議が目指すものは何か。通話記録からは、そのひとつとして“家父長制の復活”が垣間見れた。

日本会議
 あの結局ね、教育を本当の意味で正常化しようと思ったら、憲法を改正しないと正常化できないんですよ。
尖閣をはじめ国を守ろうということになれば、いまの憲法のままでは守れないと思います。
だから、憲法に行き着くんですよ。
たとえばいま少子化という問題がありますよね。
これだって憲法に行き着きますよ!
 結婚は両性の合意のみでできるなんてことはね、そもそもこれはね、日本の国にふさわしくないですわね。
その考え方の条文のなかにはね、先祖とか一族とか同族とかという家族といいますかね、そういう思想が抜けてしまったわけですよ。
たとえばね、私はそれに戻れとは言いませんけども、戦前はですね、戸主の認可が必要だったわけです。
両性の合意だけでは結婚できなかったんです。

A
 ああ、戸籍の主、ようするにお父さんとかですよね。

日本会議
 そう、いわばお父さんです。
ですが、いま、戦後はですね、お父さんが反対しようと叔父さんが反対しようと、誰が反対しようと、二人だけがいいって言えば、結婚できるようになっちゃったわけですよ。
だから、そういうものがね、いきつく先が、いまの「結婚をしようがしまいが自由じゃないか」と。
「子供なんか産もうが産ままいが自由じゃないか」と。
自由、自由、自由に基づいてみんな楽を求めてですね、少子化につながってしまった。

A
 はあ、なるほど……。個人的には少子化に関しては、いろいろ経済や福祉の問題が非常に大きいと思うんですけど、まあそれはさておき、ようするにそういった父権的な明治のような戸籍制度が、日本会議としては復活すべきだと、憲法に織り込むべきだと考えているわけですか?

日本会議
 というよりも、家族というものをね、バラバラにしちゃったのが、いまの憲法のなかには、そういう精神があるわけですよ。
マッカーサーの考えでしょうね。
日本を弱体化して、またアメリカに歯向かうようなことがないためにはですね、家族が強固なもので結ばれていたんじゃあそうはいかないということで。
家族解体ですね。

 日本会議はこうした主張をひとしきりぶった後、Aに「このような日本会議の運動にご賛同いただけたらですね、是非、会員としてご協力をお願いしたい」と要請した。
通話時に日本会議は会員の種類と年間費などについても説明。
一番低額なのが、機関誌「日本の息吹」の事実上の定期購読コースである3800円の「支援会員」、
続いてバッジが贈呈される1万円の「正会員」、
3万円の「維持会員」(正会員とはバッジの色が異なる)、10万円の「篤志会員」(同)などがある。
電話での説明によれば、「支援会員」の3800円は「日本の息吹」1年分の実費であるらしく、他の会員の差額分を活動費に充てているという。
その際、こうした電話勧誘は、少なくとも「今こそ憲法改正を!1万人大会」に参加した非会員全員を対象に行っていると説明。
そこで、Aは1万人大会と日本会議の関係を聞いてみた。

A
 確認なんですけど、あの集会って、美しい憲法をっていうあれ(=「美しい日本の憲法をつくる国民の会」)で。
いま、電話をいたただいているということは、あれは日本会議が実際には事務局となってやっているということなんですか。

日本会議
 そういうことですね。
ただ、あえてそういうもの(=別の名称)をつけたのはですね、憲法改正というものはもっと幅広く訴えたいんですわね。
そのために、美しい日本の憲法をつくる会というのを組織したわけです。

 さらに、この日本会議の職員は本日2月11日に明治神宮で開催される集会についても勧誘してきたという。

日本会議 
明後日(11日)の建国記念日にですね、これの中央集会というのは明治神宮でやりますよ。

A
 それは日本会議がやるんですか。

日本会議 
いや違いますよ。

A 
どこがやるんですか。

日本会議
 日本の建国をお祝いする会(=「日本の建国を祝う会」)っていうのがあるんだと思いますね、たしか。
場所は明治神宮のなんとか会館ですよ。

A
 それには日本会議は関係しているんですか?

日本会議
 あのー……応援してますね。
職員を派遣したりとかしてね。

A
 じゃあ、この前の1万人大会と同じような感じで。

日本会議
 そうです、そうです。

A
 つまり、違う名前だけど、日本会議も全面的にバックアップしていると。

日本会議
 そうですね。毎年やってます。

 日本会議は通話の終わり際にも、この建国記念日の集会の正式名称や開催の時間帯を伝えていた。
実際、本サイトが調べてみると、日本会議のHP上にて「建国記念の日奉祝中央式典」の概要と参加を促す旨がアナウンスされていた。
しかも、こうした集会は東京都・明治神宮をはじめ、北は北海道から南は鹿児島まで、全国約40箇所で同時開催される予定となっている。
主催や連絡先はまちまちだが、日本会議の地方本部または支部の名が記載されているケースも少なくない。
その内容は、予定されている講演者の顔ぶれを見れば想像に難くないだろう。
以下、ほんの一例をあげる。

●東京都 「建国記念の日奉祝中央式典」……山谷えりこ参議院議員、八木秀次氏(麗澤大学教授)、石平氏(評論家)/主催・日本の建国を祝う会
●北海道 「建国記念の日奉祝道民の集い」……小川榮太郎氏(文藝評論家)/主催・日本会議北海道本部
●大阪府 「建国記念の日をお祝いする府民の集い」……安本寿久氏(産経新聞編集委員)/共催・日本会議大阪、美しい日本の憲法をつくる大阪府民の会
●福岡県久留米市 「日本の建国をお祝いする市民の集い」……門田隆将氏(ノンフィクション作家)/連絡先・日本会議福岡県南支部

 日本会議側の発言とあわせると、あらためて、日本会議が右派の全国運動において中心的役割を果たしていることがわかる。
しかも、今日の建国記念日に行われる日本会議の集会の多くは入場無料や事前予約不要のようだが、おそらく改憲の署名活動なども同時に行われる可能性が高い。
 そうしたものにうっかり個人情報を書き込むと、今回のAのように、ある日突然、日本会議から電話がかかってくることになるだろう。

 日本会議のダミー団体である「美しい日本の憲法をつくる国民の会」HPでは個人情報の取り扱いについて、こう記載されている。
〈当会の活動を通じて得た個人情報は、当会からの連絡、当会の業務改善のためのアンケート等の送付、当会が主催・共催・後援するシンポジウム・フォーラム等のご案内、当会が発行する刊行物、その他の情報・資料等の発送、当会WEBサイトのコンテンツ制作の参考等に利用し、利用目的の範囲内で適切に取り扱います〉

 どう考えても、この「当会」とは「美しい日本の憲法をつくる国民の会」のことであって日本会議ではないはずだが、しかし、連中はこの“グレーな勧誘手法”について少しも悪びれないどころか、会員にすることで活動費を捻出しようとしているわけだ。
 改憲論議が盛り上がりを見せる昨今、読者諸賢はどうか、こうした日本会議によるダミー団体を使ったオルグにひっかからないよう、くれぐれも注意してもらいたい。
       (編集部)
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2016年02月13日

“ゲス不倫”宮崎謙介議員はセックス依存症? .

“ゲス不倫”で議員辞職の宮崎謙介
「セックス依存症」!?
自爆で「育休取得」の後退に貢献?
2016.02.12.ヘルスプレス編集部

 2月12日、国会議員の「育休取得」を提言しておきながら、妻の出産入院中にタレント女性と不倫をしていたことが報じられ、衆議院議員の辞職の意向を表明した宮崎謙介氏の会見が、各局で放映された。
 「男性が育児参加する入り口として効果的なのが、育児休業だと思います。
世の中がこのことについて議論してくださる機運がだんだんと変わってきた中で、私は大きな期待を抱いておりました」
 「にもかかわらず、自らの軽率な行動によって、水を差してしまったことに対し、言葉にはできないような申し訳ない気持ちで一杯です」

 このように謝罪した宮崎氏。
有権者や当関係者、妻や家族に謝罪し、議員辞職の意向を表明した。

 依然として育児の負担は女性に主に課せられ、多くの女性が育児のために仕事を辞めたり、育児と仕事の両立に苦しんでいるなか、国会議員から率先して男性も育児休暇を取ろうという宮崎氏の主張は、確かにそれなりに意味はあったように思う。
 しかし、その本人が、子育てを手伝うどころか、妻の出産入院中に女性タレントを家に泊めていたのでは、「育休もほかの女性と遊びたいがために取りたかったのか!」と言われても仕方がない。

 もはや、国会議員の育休取得という議論は白紙どころか、当分は俎上にのぼることもなくなってしまうだろう。
事態を進展どころか後退させてしまった宮崎氏の責任は重い。

宮崎氏はセックス依存症?

 それにしても、問題の女性タレントとは1月4日に初めて会って、スキャンダルのネタを掴まれた日は、彼女と会うのが3回目だという。
だが、「関係がなかったとは申し上げられません」というのだから、(つまりは関係したということ)相当に手が早い。

 さらに、「結婚後もほかの女性と不倫関係になったことはあったのか?」という質問に対して、「否定はできないところでございます。申し訳ございません」と答えたのだから、不倫についてはもう常習犯と言える。

 ちなみに、このスキャンダルを報じた『週刊文春』によると、元内閣官房長官・元自民党幹事長の加藤紘一氏の娘で前妻である加藤鮎子・衆議院議員との離婚(2006〜2009年)の原因も、彼の浮気癖だったとか。

 育休を提言中、しかも妻が出産妊娠中という、女遊びなどもってのほかの立場にありながらの行動。
しかも常習的となれば、これは一種のセックス依存症とも考えられるのだろうか。


 「DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)」などにセックス依存症という病名はないのだが、一般的に精神医学の世界では、リスクを承知しているにも関わらず性衝動をコントロールできず、精神的・身体的・社会的な破綻を来たしていれば、性依存症という概念で括っているという。
 そうしてみると、性衝動をコントロールできずに、議員という社会的立場を失ってしまった宮崎氏は、まさに性(セックス)依存症と言えるのかもしれない。

男性が延々と営んできた
   宿命、あるいは本能?

 ただ、歴史的には不倫は病理というよりは、男性が延々と営んできた宿命、あるいは本能だとも言える。
 1993年に刊行され当時広く読まれた『愛はなぜ終わるのか 結婚・不倫・離婚の自然史』(ヘレン・E・フィッシャー 吉田利子訳 草思社)には次のような一節がある。
 「ダーウィニズムからいえば、男性が、本来、性的な多様性を求めることは簡単に説明がつく。
男性がひとりの女性にふたりの子供を産ませると、遺伝子的にいえば、彼はみずからを『再生産』したことになる」
 「だが、ほかの女性とも関係して、もうふたりの子供を産ませたとすれば、つぎの世代への貢献は倍になる。
したがって、生物学的な面から見るかぎり、多様性を求める男子は子供も多く作ることになる」  

つまり宮崎氏も、生物としての本能に忠実に従っただけなのかもしれない!?

 もちろんそんな説明で有権者が納得するはずも、育休を提言しながら妻を裏切った責任が免れるわけもないので“アウト”。
 男性の育児休暇取得という主張自体には、それなりの意味はあっただけに、返す返すも残念である。
           (文=編集部)
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2016年02月14日

乳幼児の虐待死 連携強めて命を救おう

乳幼児の虐待死 
連携強めて命を救おう
毎日新聞2016年2月12日「社説」

 虐待によって幼い命が奪われる事件が後を絶たない。
 埼玉県と東京都で先月に起きた事件の被害者はいずれも3歳児だった。
無抵抗で体も小さい乳幼児の虐待は死亡につながりやすい。
関係機関は全力で対策を講じてほしい。

 埼玉県狭山市では藤本羽月ちゃんが遺体で見つかり、母親(22)と同居の男(24)が逮捕された。
2人は自宅マンションで羽月ちゃんの顔に熱湯をかけてやけどを負わせるなどしたうえ、病院に連れて行かずに放置したとされる。

 東京都大田区の新井礼人ちゃんは母親(22)の交際相手の暴力団組員(20)から暴行されて大けがをしたとされる。
礼人ちゃんは病院に運ばれたが死亡した。

 いずれの事件も、あまりにむごい。
強い憤りを禁じ得ない。

 狭山市では、市の職員は羽月ちゃんや姉が定期的な乳幼児健診を受けていないことから自宅を何度か訪問し、虐待がないかなど様子を確認していた。
 当時、母子は羽月ちゃんの祖母と同居し、祖母に家事を手伝ってもらうなどの支援を受けていた。
その後、母子はマンションに移り、逮捕された男と同居中に事件が起きた。

 マンションでは羽月ちゃんが玄関の前に出されていたり、泣き続けていたりするのを近所の人が気づいて警察に2度通報していた。
しかし、警察官が訪問した際には虐待の形跡はなかったという。

 通報があったことは狭山市には知らされず、市は母子の転居も把握していなかった。
関係機関が情報を共有していれば、家庭への関わりを強められたのではないか。

 大田区の事件では、母親が若い時の妊娠だったため、区は特別の支援が必要な「特定妊婦」として乳幼児健診の時に気をつけていた。
だが、組員との同居は把握しておらず、虐待にも気づかなかった。

もう一歩関わる方法はなかっただろうか。

 厚生労働省のまとめによると、2003年度から13年度に児童虐待で死亡した582人の中で3歳以下が437人と75%を占めている。
うち3歳児は57人、0歳児は最多の256人に上る。

 厚労省の専門委員会が昨年公表した報告書は「虐待のリスクについて妊娠期から着目して支援につなぐことが肝要」と指摘した。
 その場合、妊婦と接する機会が多い産科の医療機関が果たす役割も大きい。
母親本人や家庭の状況から虐待の危険性を察して児童相談所や市町村へ連絡し、出生後のケアを引き継ぐことができるからだ。
 妊娠期から家庭へ継続的な対応ができる体制を整えるとともに、関係機関が連携を強化する必要がある。
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2016年02月15日

ディズニーR、顧客満足度低下が深刻

小石川シンイチのマル裏経済学 
ディズニーR、
顧客満足度低下が深刻
  露骨な金儲け主義、
  客入れ過ぎで長蛇の列
2016.02.14 Business Journal

 東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドは2月8日、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの入園料金を4月1日から値上げすると発表した。


 今回の値上げは、「パスポート」と呼ぶ入園券15種のうち13種が対象。
1日券は大人(18歳以上)を現行より500円高い7400円とし、中人(12〜17歳)は400円高い6400円、小人(4〜11歳)は300円高い4800円にする。

団体向けや1年間有効の年間パスポートも値上げする。
大人の1日券は2年連続の値上げで、14年の消費増税前から2年で1200円値上がりすることになる。

 オリエンタルランドは「今後も、テーマパーク価値向上により創出されたキャッシュを、ハード、ソフトの両面に投資し、更なるクオリティの向上を図ることで、ここだけでしか体験することができない魅力に満ち溢れた世界で唯一のテーマリゾートを目指し、更なる成長をしてまいります」としている。

顧客満足度が急落するTDR

 そんなオリエンタルランドに関して1月、ある記事が大きな話題となった。
『「夢の国」東京ディズニーリゾートに異変の兆し』と題してYOMIURI ONLINEに小川孔輔・法政大学経営大学院教授が寄稿したものだ。

 サービス産業生産性協議会が実施している日本の小売サービス業32業種・上位企業約400社を対象にした日本最大規模の消費者調査がある。
著者の小川氏が改善・運営委員会の座長を務めるこの調査において、2009年以来顧客満足度(CS)ランキングのトップを劇団四季と争ってきたTDRがトップ10にも入らなかったのだ。

「TDRの顧客満足度に異変が起こったのは、2014年度からだ。
原因のひとつは、入園料の値上げではないかと言われている。
(略)2013年までCSトップのTDRは、知覚価値とロイヤルティーでも上位に位置していた。
ところが、2014年からは、顧客満足と同様に、両方の指標とも低下している。

2014年の入園料値上げにより、TDRのお値頃感が低下してCSが下がったことを推測させる。
なお、同じく値上げを実施したUSJやハウステンボスも知覚価値が低下している」(同記事より)
 小川氏は、TDRのCS低下は値上げ以外に「顧客サービスに対する感動と失望の変化」も要因にあると指摘する。

サービス業では、長期的に顧客満足度を高める要因として、サービスが提供される場(舞台)で顧客が感じる感動(ポジティブ)と失望(ネガティブ)が重要である。
(略)データ分析から重要なことを指摘しておきたい。
それは、サービス施設全体について、2014年から落ち込みの目立つ指標があることだ。
『一緒にいる顧客のマナーの悪さ』に関する指標である。
(略)『一緒の顧客が不快だと思う人』が増えてくると、リピート(再来訪)にマイナスの影響が及ぶことが知られている。

本家ディズニーが開業以来掲げている基本コンセプトは、『雰囲気の良さ』と『清潔と安全』である。
データを見る限りでは、ブランドの基本価値を壊しかねない、ゆゆしき事態が進行している様子がうかがえる」(同)

 売上高を上げようとするがために、いわゆる「ゲスト(顧客)入れすぎ」問題がある。
「売上高=客単価×総客数」が売上高の公式だが、入園料金を上げれば客単価が上がり、ゲストを入れるほど総客数が増える。

TDRは余りにも多くのゲストを招き入れているため、アトラクションのみならず、飲食店やトイレに至るまで園内のあらゆる場所で長い行列が生じている。
 また、ゲストは日本人とは限らない。
円安の影響で外国人旅行客も多くなっており、彼らは集団で行動することから、ディズニーマジックに酔いしれるために来園している多くの日本人客のノリに馴染まないこともあるだろう。

そうなると、心の底から楽しめるはずもない。
雰囲気が悪いうえに入園料金が高いとなったら、リピートしようとは思わなくなるだろう。
リピート率が落ちれば、総客数が減り売上高も落ちることになる。

未成年にも酒を販売して売り上げ確保?

 そのような総客数の減少を補うためか、客単価を上げようと必死になっている。
入園料の値上げだけではなく、「ゲストに酒を売りすぎ」との指摘もそのひとつだ。
オリエンタルランドでアルバイトをしていたという学生は、このように明かす。
「東京ディズニーシー内ではアルコール飲料が販売されますが、学生服のゲストに対して年齢確認を行わずに酒を販売することも平気で行われています」
未成年が飲酒や喫煙をしていても注意することはほとんどなく、そのようなときは雰囲気が悪くなります。
学生服などを着ているゲストでも、最近は仮装をしている場合もあるため年齢確認をしづらい空気になっており、確実に未成年だとわかる場合のみ確認をしているのが現状です」

 非正規雇用のキャスト(従業員)で構成される労働組合のオリエンタルランド・ユニオンも、このように問題視する。
東京ディズニーシーはアルコールを販売するにもかかわらず、年齢や自動車を運転してきていないかという確認を基本的にしないそうです。
また、東京ディズニーランドでも最近は飲食物を持ち込む人が多く、学生服で缶ビールを飲んでいる若者が続出しているそうです。

オリエンタルランドは従業員のコストカットを続けていて、現場のキャストたちはギリギリで回しているために、そこまで対応が行き渡らない。
さらに、面倒を避けたいリーダーや社員も見て見ぬふりをして注意しません。
一方で、入園の際には学生証を提示させ、3歳以下の子供にも直接年齢を聞いています」

 アルコールを求めるゲストには売り上げ確保のために酒を飲ませ、身分証のチェックはしない。
身分証をチェックするのは入場料を割り引きする時だけなのだ。
 アルコールを飲むことで大騒ぎするグループがいても止めないのであれば、ファミリーやカップルは離れていくだろう。

オリエンタルランド・ユニオンは、こう嘆く。
「今回の値上げで、キャストの待遇が良くなることを期待します。
最近でも、ディズニーシーで昼間に行っていた水上ショー(『レジェンド・オブ・ミシカ』)が終了し、後継のショーもなく、スタッフは雇い止めされています。

コストカットはいまだ収まる気配がありません」
 ディズニーランドの創立者であるウォルト・ディズニーは、「家族みんなが楽しめる場所」というのが計画の始まりだったと語っているが、ディズニーランドは「夢の国」ではなく「お金の国」になってしまったのか。
     (文=小石川シンイチ)
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2016年02月16日

AKBの食事が貧相な弁当に!

AKBの握手会で出るメンバー用の食事が
20万円のケータリングから貧相な弁当に!
厳しくなってきたAKBの台所事情
2016.02.15.LITERA(新田 樹)

 昨年は、12月9日に発売されたシングル「唇にBe My Baby」の初週売り上げが90万5490枚の売り上げに終わり、11年5月発売「Everyday、カチューシャ」以来21作連続で更新し続けてきた初週ミリオン突破の記録が遂に途切れたことも話題となったAKB48。

 姉妹グループのSKE48とHKT48は紅白歌合戦の出場を逃し、また、レコード大賞の受賞もならなかった。
「AKBブームももう終わり」と毎年のように言われながらも、しぶとく生き残り続けてきたAKBだが、いよいよ危険水域に入ってきている。

 そんな状況下、AKB運営の懐事情が寂しくなってきたことを伺わせる、あるエピソードが話題となっている。
現場で出る食事がケータリングから弁当に変わったのだ。
「なんじゃ、そりゃ?」と拍子抜けした読者も多いと思うが、かねてからAKBグループの握手会現場などでメンバーに提供されるケータリングは豪華なことで有名だった。
過去には、ラジオの生収録の休憩で名店「銀座 久兵衛」の寿司がふるまわれていたこともあり(HPによるとその額なんと8人前で22万円!)、そこまで豪勢でない時でも、ステーキから、焼き鳥やお好み焼きまで、バラエティ豊かな食事が提供されていた。

 それが、先日、2月7日に幕張メッセで行われた写メ会からお弁当に変更。
ランチの時間帯にメンバーのSNSで投稿されるお昼ご飯が、これまででは考えられない貧相なお弁当に変貌しており、ファンからは驚きの声が漏れた。
この昼食の変更は一過性のものではないようで、11日に行われた握手会の舞台上ではメンバー自らケータリング廃止の件に触れ、「経費削減?」との言葉も発せられている。

 実は、昨年12月20日放送の『アッコにおまかせ!』(TBS系)で、2代目総監督の横山由依が「(売り上げ1位になってもボーナスは)ないんですよ。
会社からはまったくないし、なんなら経費削減みたいな感じで」
「最近、切り詰めてAKBやってるので」と発言しており、かねてよりAKB運営の台所事情のまずさは噂されてきてはいたが、その経費削減がついに表にも分かるように出てきたかたちだ。

 このコスト削減の波は、ランチメニューの変更だけにとどまらない。
会場での警備や荷物検査もプロの警備会社の人間ではなく、普通のバイトに変わっているとの情報もある。
14年5月に握手会会場で起きた傷害事件を機に、AKBの握手会では金属探知機が導入されるなど、厳戒な警備体制がとられるようになっている。
しかし、最も重要視すべき安全面でのコストまで経費削減の対象となり始めているようだ。

 そして、コストカットといえば、当然持ち上がってくるのが、リストラの話。
最近、AKBグループでは卒業発表が相次いでいるのだが、この裏にあるのも、その厳しい懐事情だと考えるのが自然だ。
現在、宮澤佐江、高城亜樹といったかつての選抜常連メンバーまでもが近々の卒業を予定しており、年内の卒業が予定されている人の数は2月中旬の現時点でもすでに10人を超える。

特に、本店AKBでは卒業する人がとりわけ多く、通常劇場公演を行うのには16人メンバーが必要なのだが、それだけの人員を確保することができず休館してしまうことが増えた。
しかし、それでもなお追加メンバーオーディションなどは告知されていない。

 AKBグループは、1月10日、新潟を拠点にしたNGT48の劇場をオープンさせたばかり。
AKBグループはこれまで国内4カ所、国外2カ所に姉妹グループを増やしてきたが、人口80万人の新潟市は街の規模としては群を抜いて小さい。
このことから、発足前から採算がとれるのか疑問視されているが、母体の懐具合がこれではなんとも波乱含みのスタートとなる。

 安倍政権と秋元康が近しい関係をもっていることもあり、2020年の東京オリンピック開会式・閉会式では、AKB48が出てくるのではとの話もある。
しかし、この調子では、それどころか、4 年後にはグループそのものが消滅しているかもしれない。
                        (新田 樹)
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2016年02月17日

アマゾンのお坊さん便に中止要請!

ベンツ乗り回すお坊さん、
お布施不明瞭…
アマゾンのお坊さん便に
全日本仏教会が中止要請
2016.02.16 Business Journal
文=中村未来/清談社

 2015年12月8日から、通販サイト「アマゾン」で新たなサービスが始まった。
その名も「お坊さん便」だ。
インターネット上で申し込みをするだけで、法事で読経を行う僧侶を派遣してくれる仲介サービスである。

 明確な金額設定などが「わかりやすい」と好評の一方、「ありがたみがない」「お経は商品じゃない」など批判の声もある。

全国の宗派で構成される全日本仏教会も「宗教行為を商品にしている」と声明を出し、アマゾン側にサービス停止を求める文書を送っている。

実際、現役の僧侶は「お坊さん便」をどう思っているのだろうか。
「僧侶や仏教関係者の一人ひとりに考えがあるため、全員一致の総意ではありませんが」と前置きした上で、「私個人としては『お坊さん便』の“システム自体”は、まったく問題ないと思っています」と話すのは真言宗の僧侶・N氏だ。

 N氏によれば、もともと仏教界には「ポータル的な役割を果たす人が、依頼者に僧侶を紹介する仕組みがある」という。
例えば、普段から懇意にしている寺がない場合、「お経をあげてほしい」となっても、どこに頼めばいいのかわからない。
そうした人たちのために、各都道府県の寺には「支所長」と呼ばれる人が在籍している。
「依頼者が『お経をあげてほしい』と寺に問い合わせると、支所長のいる寺を紹介されます。
そこに連絡すると、あらためて住んでいる地域や宗派を聞かれ、お坊さんを紹介してもらえるという仕組みです。
このシステムだけを見ると、仲介者を通じて僧侶を派遣するアマゾンと、かなり似ていると思います」(N氏)

僧侶の素性や責任が曖昧な「お坊さん便」

 ただし、アマゾンの「お坊さん便」には大きな問題点が2つあるという。
ひとつ目は、どんな僧侶が来るかわからないという点です。
派遣されて来る僧侶が本当に信頼できる僧侶なのか?
 もし問題があった場合、誰が責任を取るのか?
 そのあたりが、アマゾンの『お坊さん便』では曖昧です。
私のまわりに登録している僧侶はいないこともあり、実際にどんな僧侶が来るのか、本当にわかりません。

 もうひとつの問題は、お布施の金額が決まっているという点です。
僧侶があげるお経は本来“商品”ではなく、対価を決めてしまうと、それはもはやお布施とはいえません。
また、お布施とは『喜捨』するもので、『喜んで捨てる』という考え方です。
依頼者が満足した分を僧侶に渡せばいいので、金額を決めたら喜捨ではなくなってしまいます」(同)
「お坊さん便」の料金は、戒名なしで3万5000円、戒名授与で6万5000円となっている。
もちろん、この金額には派遣会社へのマージンやアマゾンの手数料なども含まれているが、本来「喜んで捨てる」はずのお金が企業の収益になるという仕組みには、確かに違和感を覚える。  

しかし、一方では、金額が不明瞭なことから「読経や戒名などに支払われるお布施が、僧侶の利権になっているのではないか」という見方があるのも事実だ。
お坊さんが乗る自動車を見ても、メルセデス・ベンツやアウディといった高級輸入車が多い印象がある。
実際のところ、「坊主丸儲け」の噂は、どこまで本当なのだろうか。

僧侶の約40%は、年収300万円以下?

「確かに、参拝客が毎年何万人と来るような大きな寺の場合、かなりの収入があるでしょう。
それこそ、正月の三が日だけで1年間ご飯を食べていけるくらいの利益を上げると聞きます。
ただ、それはほんのひと握りで、普通の寺はそうはいきません。
僧侶の中には、学校の講師などの副業をしている人も非常に多いです」(同)

 浄土宗の僧侶・鵜飼秀徳氏の著書『寺院消滅』(日経BP社)によると、浄土真宗では年収300万円以下の僧侶が全体の40%強で、経営が厳しい寺も多く存在するという。


「お坊さんがベンツを乗り回しているという話も聞きますが、日本の僧侶は30万人以上いるので、クルマ好きの人も当然いるでしょう。
なかには、檀家さんから譲り受けるケースもあると思います。
『お世話になっているお坊さんに、みすぼらしい格好はさせられない』という心遣いもありますから」(同)

「坊主丸儲け」は、あくまで噂にすぎないというわけか。
N氏は、アマゾンの「お坊さん便」について、「前述の2つの問題点さえクリアできれば、ネットを利用したお坊さんの派遣も悪くはないのでは」と語る。


「本当は、各宗派の総本山がそういったシステムをつくるのがいいと思いますが、まずやらないでしょう。
寺には、『ご縁によって続けることができている』という考え方が強くあります。
良くも悪くも、“面倒くささ”にありがたみを感じる人も多くいるわけです」(同)

 とはいえ、ネットが発達した今、システムとして便利な「お坊さん便」の需要が伸びる可能性はおおいにある。
その時のために、各宗派は今から対策を練っておくべきかもしれない。
           (文=中村未来/清談社)
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2016年02月18日

丸川珠代環境相 古巣・テレ朝をこき下ろし上層部激怒

丸川珠代環境相 
古巣・テレ朝をこき下ろし
上層部激怒
2016年2月17日(水) NEWSポストセブン

 現在の安倍政権が、メディア幹部との会食を重ね、批判的なメディアの牙を抜いたともいわれる昨今、4月1日の番組改編で、テレビの「報道の顔」が大きく変わる。

テレビ朝日「報道ステーション」の古舘伊知郎氏とTBS「NEWS23」の岸井成格氏、そしてNHK「クローズアップ現代」の国谷裕子氏が降板する。
 いずれも“反安倍”と目されていたキャスターだ。

さらには、放送行政の責任者、高市早苗・総務大臣が言論統制の“伝家の宝刀”ともいえる「電波停止」に言及し、放送局に圧力をかけている。  政権批判の牙を失ったテレビ局は政治家にとって怖くない。元局アナ議員からもコケにされている。

 現在、国会ではテレビ朝日のアナウンサー出身の丸川珠代・環境相が講演で原発周辺地域の除染基準について「何の科学的根拠もなく時の環境大臣が決めた」と失言して謝罪に追い込まれ、テレビも大きく報じた。
 しかし、丸川氏が、除染発言の前に古巣のテレビ局をボロクソにこき下ろしていたことは一切報じられていない。
こんな内容だ。
「メディアっていうのは自分の身を安全なところに置いて、批判していればショーが成り立つんです。
私自身もメディアから来たので、内心、本当にイヤだなと思っていました。
だって、自分の言葉に責任持たないんですから
「(自民党の)批判ばかりしていたニュースステーションの久米宏は責任を取りましたか?
 メディアというのは文句はいうけど、何も責任は取らないんです」  ──と言いたい放題。

この発言を聞いたテレ朝上層部は「激怒している」(記者)というが、自局で正面から報じようとはしないからもっと舐められる。

 テレビ朝日「スーパーモーニング」などの報道番組でキャスターを務めたジャーナリスト・鳥越俊太郎氏が語る。
「現状のテレビがだらしないのは事実。
高市発言にしても、放送の命にかかわる問題だから正面切って批判すべきなのに萎縮してしまっている。
いま、テレビ局の社長が定期的に安倍首相と会食している事実があり、それで鋭い政権批判などできるはずがない。
問題の根源はそういう姿勢にある

 メディアのトップが為政者と仲良く会食するなど、欧米ではあり得ない。
それを全く悪びれない時点で、テレビはすでに死んでいるのだ。
※週刊ポスト2016年2月26日号
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2016年02月19日

高市氏の「停波」発言 ホントの怖さ

特集ワイド
高市氏の「停波」発言
 ホントの怖さ
毎日新聞2016年2月18日 東京夕刊

 テレビ局が政治的公平性を欠く放送を繰り返した場合、電波停止(停波)を命じることができる−−。
高市早苗総務相がそう述べたことに、「報道への介入だ」「言論の自由を脅かす」と反発する声が強まっている。
この発言、ホントの怖さとは?
       【小国綾子、葛西大博】

威嚇?
 事の発端は8日の衆院予算委員会。
「放送事業者が極端なことをして、行政指導をしても全く改善されずに公共の電波を使って繰り返される場合に、全くそれに対して何も対応しないということは約束するわけにはいかない」。

高市総務相が、民主党の奥野総一郎衆院議員の質問に対する答弁で、放送局が政治的公平性を欠く放送を繰り返せば、放送法4条違反を理由に電波法76条に基づき停波を命じる可能性に言及したのだ。
 9日の予算委でも「将来にわたって罰則規定を一切適用しないことまでは担保できない」と重ねて答弁。
安倍晋三首相は10日の予算委でこの答弁を追認し、「政府や我が党が、高圧的に言論を弾圧しようとしているイメージを印象づけようとしているが全くの間違いだ。
安倍政権こそ、与党こそ、言論の自由を大切にしている」と主張した。

 高市氏は「従来の総務省の見解を答弁しただけ」と強調する。
だが質問者の奥野氏は「意図的に踏み込んだ発言」とみる。
元総務官僚で放送行政に詳しい奥野氏は「役人なら、ああいう答弁は書きません。
放送法違反で停波することはないか、という私の質問には『仮定の質問にはお答えできません』と答えるのが普通。
しかし高市さんは紙を見ることなく自分の言葉で答弁していた」と振り返る。

 砂川浩慶・立教大准教授(メディア論)は「安倍政権はこれまでもメディアコントロールに積極的だった。
それゆえ今回、従来の政府見解を重ねて示したというが、『停波』への言及は放送事業者への威嚇となり、表現の自由への攻撃になりかねない」と警告する。

萎縮する放送現場

 総務省によると、虚偽報道などを理由とした放送法に基づく総務相や総務省局長名などの番組内容への行政指導は、1985年からの約30年間で36件。
そのうち最初の安倍政権(2006年9月〜07年9月)の約1年では7件に上る。
一方、民主党政権下では一件の行政指導もなかった。

 さらに現安倍政権下でも、衆院選を控えた14年11月、自民党は安倍政権の経済政策について街頭で聞いたTBSの報道が偏っていたとして、在京6局に「公平中立」を求める文書を出した。
昨年4月にはNHKとテレビ朝日の番組内容について事情聴取し、NHKに総務相が行政指導をした。

 「米国で、オバマ大統領に批判的な報道をしたからといって、民主党がテレビの幹部を呼びつけるでしょうか」と砂川さん。
「NHKは国会での自身の予算審議、民放は4月の番組改編を決める今の時期に、何度も『停波』の可能性に言及すれば、夏の参院選報道にも影響しかねない」と危惧するのである。

 国際ジャーナリストでテレビキャスターも務める蟹瀬誠一さんが打ち明ける。
「『停波』発言が出れば現場はどうしても萎縮する。
日本は企業ジャーナリズムで会社の縛りが強い。
放送局の経営者は権力者側に近い面があり、そのような幹部の下では現場にもプレッシャーがかかる
 放送法4条では「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」など放送事業者が番組編集上守るべき規則を定めている。
放送による表現の自由は憲法21条で保障されているため、放送法4条は憲法に抵触しないよう、放送局自身が努力目標として目指すべき「倫理規範」というのが多くの学者たちの解釈だ。

しかし93年のテレビ朝日の「椿発言」をきっかけに、総務省は、罰則を科すことのできる「法規範」とする解釈を採用。
電波法76条では、電波停止命令の権限が総務相に与えられている。

 高市氏が、一つの番組だけでも政治的公平性を欠いたと判断する可能性に言及したことも波紋を広げた。
政府は12日、「一つの番組でなく放送事業者の番組全体を見て判断する従来の解釈に何ら変更はない」との統一見解を示したが、高市氏や安倍首相はその後も「『番組全体』は『一つ一つの番組の集合体』であり、一つ一つを見て全体を判断するのは当然」と述べている。

 蟹瀬さんは「昔ならともかく、多メディア、多チャンネル時代には、一つの番組を見て判断することは意味をなさない」と批判する。
ジャーナリストの江川紹子さんも「さまざまな偏り方をした多様な番組が存在し、放送界全体で公平性が取れている方が国民は多様な情報に触れられます」。
 「一つ一つの番組の中でバランスを取れ、両論を扱えとなると、国民に対する情報提供の範囲は狭まってしまう」と憤るのは砂川さんだ。

自由が侵される

 高市氏は、民主党政権下の10年11月に、当時の平岡秀夫副総務相が同じ趣旨の答弁をしている、とも主張する。
 江川さんが言う。
「議事録によれば、平岡氏は総務省見解を述べた上で、罰則については『極めて慎重な配慮の下に運用すべきもの』と強調しています。
片山善博総務相(当時)も『表現の自由、基本的人権にかかわること』だから『極めて限定的』『厳格な要件の下』で『謙抑的でなければいけない』と答弁している。
高市発言とのニュアンスの違いは一目瞭然です」

 市民団体「放送を語る会」と日本ジャーナリスト会議(JCJ)は「言論・表現の自由への許しがたい攻撃だ」と高市氏に辞任を求める声明を発表した。
しかし、この問題に対する新聞報道には各紙に温度差がある。
 米国のAP通信や「TIME」誌での記者経験のある蟹瀬さんは「欧米メディアならば報道機関が連携し、抗議しているところでしょう。
日本では放送局は許認可事業だからどうしても立場が弱い。
新聞や雑誌が反対運動を展開する必要がある」と語る。

 江川さんは「一般の人々の関心が決して高くない」ことに不安を感じている。
「『政治的公平性を守る』『一方的見解ばかりを取り上げない』といった政府の言い分は一見もっともらしいから」と分析しつつ、「安倍政権は、マスコミ不信という世論を利用し、自分たちの権限を拡大しようとしている。
政府自身が政治的公平性を判断し、気に入らない報道があったら呼びつける、というのでは言論の自由は守れません」と訴える。

 砂川さんは警告する。
「今回の『停波』発言は、決して『高市&安倍VSテレビ局』という構図じゃない。
メディアが規制を受けることは間接的に国民の言論統制につながる。
それは戦前の歴史を見れば明らかです」。

本当に怖いのは、メディアが政治に屈することで、私たちの「自由」がじわじわと侵されかねないという点なのだ。

放送法
第4条 放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
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廃止法案きょう提出 安保の根幹 正さねば

廃止法案きょう提出 
安保の根幹 正さねば
2016年2月19日 東京新聞「社説」

 いくら積み重ねたとしても土台が揺らいでいれば、いつかは崩れてしまう。
憲法違反と指摘される安全保障関連法。
今こそ根幹を正さなければならない。

 昨年九月十九日未明、安倍政権が「平和安全法制」と呼び、採決を強行した安全保障関連法が参院本会議で可決、成立した。
 あれからちょうど五カ月。
政権のおごりか、ほころびか、閣僚や議員の相次ぐスキャンダルで、国会はすっかり政府・自民党の釈明の場と化し、安保法をめぐる議論は隅に追いやられた感がある。

 しかし、安倍政権の安保関連法をこのまま放置し、既成事実化させるわけにはいかない。
他国同士の戦争に参加する「集団的自衛権の行使」を可能にし、多くの憲法学者ら専門家が「憲法違反」と指摘する法律だからである。

 民主、共産、維新、社民、生活の野党五党はきょう安保関連法を廃止するための法案を提出する。
 野党側には安倍政権による安保政策の是非を、夏の参院選で争点化したい狙いもあるのだろうが、あえてその意義を認めたい。

 廃止法案に先立ち、衆院で統一会派を組む民主、維新両党はきのう、安保関連法の対案となる領域警備法案など三法案を提出した。

 安倍晋三首相が「全体像を一括して示してほしい」と野党側に求めていた対案の提出である。与党側は、廃止法案と合わせて、真摯(しんし)に法案審議に応じるのが筋だ。

 安倍政権が成立を強行した安保関連法の最大の問題点は、主に自民党が担ってきた歴代内閣が踏襲してきた、集団的自衛権の行使をめぐる政府の憲法解釈を、安倍内閣が一内閣の判断で変更してしまったことにある。

◆専守防衛、本来の姿に  

おさらいしよう。
 戦後制定された日本国憲法は九条で、国際紛争を解決するための戦争や武力の行使、武力による威嚇は行わないと定めた。
 日本国民だけで三百十万人の犠牲を出し、交戦国にとどまらず、近隣諸国にも多大な犠牲を強いた先の大戦に対する痛切な反省に基づく、国際的な宣言でもある。
 その後、日米安全保障条約によって米軍の日本駐留を認め、実力組織である自衛隊を持つには至ったが、自衛権の行使は、日本防衛のための必要最小限の範囲にとどめる「専守防衛」を貫いてきた。
 一方、集団的自衛権とは、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力で阻止する、国連憲章で認められた国際法上の権利だ。

 歴代内閣は、日本が集団的自衛権を有していることは主権国家である以上、当然だが、その行使は専守防衛の範囲を超え、許されない、との見解を貫いてきた。

 国際法との整合に挑んだこの憲法解釈は、国権の最高機関である国会や政府部内での議論の積み重ねの結果、導き出された英知の結集でもある。
 自国に対する武力攻撃は実力で排除しても、海外で武力を行使することはない。
日本国民の血肉と化した憲法の平和主義は、戦後日本の「国のかたち」であり、安全保障政策の根幹である。
 安倍内閣が二〇一四年七月に行った、集団的自衛権の行使を一転認める閣議決定は、憲法の法的安定性を損ない、安保政策の根幹をゆがめるものだ。
この閣議決定に基づく安保関連法に対して、多くの憲法学者が「憲法違反」と断じるのは当然だろう。

 日本の安保政策を、専守防衛という本来の在り方に戻すには、集団的自衛権の行使を認める閣議決定を撤回し、安保関連法を廃止する必要がある。
 野党側による安保関連法廃止法案の提出を、専守防衛を逸脱しつつある安保政策の根幹を正す第一歩としたい。
与党側も逃げずに、堂々と論戦に応じるべきだ。
安保関連法は三月末までに施行されるが、とりあえず施行の延期を検討してはどうだろうか。

◆無関心が暴走を許す

 憲法を逸脱しつつある安保政策を根幹から正すには、世論の後押しが必要だ。
国会周辺をはじめ全国各地できょうも行われる路上の訴えに、安倍政権はあらためて耳を傾けるべきだろう。

 そして何よりも、専守防衛という戦後日本の国是を守り抜く決意を、国民が自ら選挙で示すことが重要だ。諦めや無関心は、政権の暴走を許すだけだ。
 私たちの新聞が、平和主義を貫こうとする国民の側に立つのは当然だ。
政府の言い分をうのみにせず、自らの判断力で問題提起を続ける。
新聞として当然の役割を、この機にあらためて自任したい。
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2016年02月20日

相次ぐ放言 政治家の軽すぎる言葉

相次ぐ放言 
政治家の軽すぎる言葉
毎日新聞2016年2月19日「社説」

 信じられないような政治家の放言が与野党で相次いでいる。
いずれも「軽率だった」「誤解を招き陳謝して撤回する」だけでは済まされない発言だ。
各党はもっと深刻に受け止め、猛省すべきである。

 まず、自民党の丸山和也参院議員の「今、米国は黒人が大統領になっている。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ」という発言だ。
 憲法のあり方を議論する参院憲法審査会で丸山氏は唐突に「日本が米国の51番目の州となることに憲法上どんな問題があるのか」と提起して「日本州出身が米大統領になる可能性が出てくる」とも語った。
 後に「米国は人種に関係なく大統領になれる国だと言いたかった」と陳謝したが、人種差別的な発言と受け取られるとは当初は思いもしなかったようだ。
しかもオバマ氏は奴隷の末裔(まつえい)ではない。
日本が米国の州の一つになるという話も荒唐無稽(むけい)というほかない。

 一方、民主党の中川正春・元文部科学相の発言も看過できない。
 現金授受問題で閣僚を辞めた甘利明前経済再生担当相が「睡眠障害」のため1カ月の自宅療養が必要と診断されたとの報告を受け、党の会合で「いよいよ攻勢をかけていく時だ。(安倍晋三)首相の睡眠障害を勝ち取りましょう」と呼びかけた。

 冗談のつもりで軽々しく口にしてしまうのが、むしろ問題だ。
睡眠障害で苦しんでいる人や、その家族らはどんな思いで聞いただろう。
 両氏に共通しているのは、自らの発言がどう受け止められるか、配慮や想像力を著しく欠いている点だ。

自分の立場や発言の場もわきまえていない。
その発言の基となる知識も中途半端で、思いつくままに語っているとしか見えない。

 その意味で丸川珠代環境相が除染などによる年間の追加被ばく線量の長期目標について「何の科学的根拠もない」などと語って撤回したのも同じような放言といっていい。

 麻生太郎財務相の答弁も見過ごせない。「軽減税率の導入で廃業する零細事業者が出るのでは」との野党の質問に対し、「そういった例がないとは言わない。一つや二つ、100、1000あったとかいろいろ出てくると思う」と答えた。
これも後に訂正したが、廃業が出ないよう努力すべき担当閣僚として乱暴な答弁だ。

 仮に官僚が同じような発言をしていたら政治家側は直ちに厳しい処分に乗り出すのではなかろうか。
言うまでもなく政治家が最も大切にしないといけないのは言葉だ。
身内の放言に対し、所属政党が毎回、厳しく対処すべきである。
そうでないとますます政治家の劣化は進み、その存在自体が軽いものとなっていく。
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2016年02月21日

介護施設の虐待 職員の数と質の担保を

介護施設の虐待 
職員の数と質の担保を
2016年2月20日 東京新聞「社説」

 特別養護老人ホームなど介護施設の職員による高齢者への虐待が急増している。
介護が必要な高齢者が安心して暮らせるよう、人手不足を解消するための財源措置が求められる。

 厚生労働省によると、介護施設の職員による虐待件数は二〇一四年度、過去最多の三百件に上った。
前年度比35%増となっており、ここ二年間で倍増している。
しかもこの数は公式に虐待と認められたものであり、氷山の一角である可能性が高い。

 被害者数は六百九十一人。
虐待の種類は、最も多かったのが殴る蹴るなどの「身体的虐待」で64%、
次いで暴言や無視などの「心理的虐待」(43%)、
貯金を使い込むなどの「経済的虐待」(17%)だった。

 虐待が起こった理由については、「教育、知識、介護技術の問題」が六割超で最も多かった。「職員のストレスや感情コントロールの問題」も二割だった。

 虐待した職員は三十代以下が四割を超え、若い世代ほど多い傾向にある。
経験不足も背景にあるだろう。
 入所者を転落死させたという容疑で元職員が逮捕された老人ホーム(川崎市)を運営する会社の親会社である介護事業大手「メッセージ」は、系列施設内で起きた虐待や事故など約二千件について自治体への報告を怠っていた。

 事件との関連は別にせよ、一般に介護施設の職員教育の充実や人材の確保は急務にちがいない。
 介護現場における人手不足は慢性化している。
重大な背景の一つに過酷な労働なのに賃金が低いという問題が指摘される。

一四年の施設介護職員の平均月収は、全産業平均を十一万円下回る約二十二万円だ。
離職率は16%を超える。
 職員不足で、一部閉鎖に追い込まれる施設もある。
在宅介護を担う職員には最低限「介護職員初任者研修」が義務付けられているが、施設職員にはそうした規定はない。
採用には無理も出てくる。

 にもかかわらず政府は昨年四月、介護サービス事業者に支払われる介護報酬を過去最大に近い2・27%引き下げた。
これでは現実に逆行する
また、施設は職員研修の費用などを削減する傾向にあるともいう。

 要介護者が安心して施設で暮らせるよう、職員の数と質を担保するため、介護報酬を引き上げることが求められる。
介護を社会全体で担うという制度導入時の意気込みを忘れてはなるまい。
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2016年02月22日

しのぶとさんまが戦争政策を真っ向批判

大竹しのぶが
安倍首相の戦争政策を真っ向批判!
元夫の明石家さんまも
「戦争のために税金を納めてるんじゃない」
2016.02.21.LITERA(水井多賀子)

 失言、不祥事、そして円高・株安で露呈したアベノミクスの限界──。
普通に考えればかなりピンチな状態に陥っているはずの安倍政権だが、当の本人は気に留める様子もなく、昨日はお友だちである辛坊治郎のラジオ番組に出演。
「(いま)民主党の政治家なら(自分は)政治家を辞める」
「民主党は共産党に似てきた」などと野党バッシングに精を出した。

どうやらこの総理、自分の責任が問われる問題を無視し、“何も問題など起こっていない”と決め込むことで政治の異常さを常態化しようとしているようだ。

 だが、こんなままで黙っていられるはずがない。
そう言わんばかりに、あの女優が安倍政権批判を果敢に行った。
私は「ずっと戦後でいいんじゃないの?」と思います。
戦後70年、100年、200年…。
「戦後」が続くことは、日本が戦争しないということだから。
「もう“戦後”じゃないんです」みたいな言葉には、危機感を覚えます」
「戦後レジームからの脱却」なんてしなくていい。
こうはっきり言い切ったのは、女優の大竹しのぶ
本日付けの「しんぶん赤旗」日曜版のインタビューでのことだ。

 大竹といえば、山田洋次や是枝裕和、高畑勲、大林宣彦、岩井俊二らという世界的な監督や、吉永小百合や倍賞千恵子、野際陽子らといった俳優たちとともに安保法案反対アピールを行ったひとり。
また、朝日新聞の連載エッセイでは、参院での安保法案可決の数日前に国会前の反対集会に参加したことを明かし、こんなふうに綴っていた。
〈その中(抗議集会の参加者)の一人に、牧師さんがいらっしゃった。
そして、聖書の言葉を引用して話された。
平和を作りし者は幸いです、平和とは祈るだけではない、作るものなのだ、と。
 この声を、想いを、安倍首相はどのように思っているのか〉(2015年9月18日)

 安倍首相を名指しして平和の意味を問う……。
かなり踏み込んだ政治への言及だが、じつは大竹は、特定秘密保護法案が議論になっていた13年の段階から、かなり強い言葉で危機感を表明している。
いつの間にか、大きな力に巻き込まれていく怖さを感じる。
なんだろう、今聞こえてくる足音は
「あの戦争も、人々が『変だよね』と感じているうちに始まってしまったのではないのか」(共同通信インタビュー、13年12月29日付)
そして、今回の「しんぶん赤旗」での発言。

こうした活発なメッセージの発信について大竹は、「自分の名前を出して意見を提示し、責任を持てる年齢ですから、それはやっていきたいと思っています」(しんぶん赤旗より)と語っている。
 バラエティ番組などで観る大竹は、どこか天然ボケのような、のほほんとした空気を醸しているが、実際はかなりしっかりとした考えの持ち主。
このような大竹の原点には、定時制高校の教師だった父親の存在がある。
大竹が20歳のときに亡くなった父の口癖は、「死ぬまで勉強だよ」「ノーと言える人間になりなさい」だったという。

さらに、大竹が影響を受けてきたのは、劇作家の故・井上ひさしだ。
 たとえば、02年に作家・林芙美子をモデルにした井上作品『太鼓たたいて笛ふいて』に大竹は主演。
従軍作家として戦争に加担したが、戦後はその後悔を胸に反戦を訴えた林の姿を大竹は熱演した。
13年の再演の際にも大竹は、「いつの間にかつくられた物語に、私たちも組み込まれている。
作品で書かれた言葉に真実味が増してきた」
「皆、絶対に戦争をしてはいけないと伝えるため、映画や演劇を作ってきた。そういう思いのこもった作品の力を信じたい」と訴えていたが、同時に、靖国神社へ参拝したばかりだった安倍首相にも、こう苦言を呈している。
特攻隊の人たちは、自分が死ぬことで(戦争を)やめてくれ、という思いだったと思う。
安倍総理は御霊をねぎらうのがなぜいけないのですかということをおっしゃっていた。
しかし、特攻は美しいことではなく、残酷で、二度とあってはいけないこと。
それをもっともっと知らせることのほうが大切なのではないでしょうか

 戦後であることが大事。
今回、インタビューで大竹がそう語ったのは、彼女は戦争を直接知らなくても、数多くの作品で、役としてその時代を生きてきたからだ。
そして、だからこそ、現在の戦争を是認するようなムードに「ノー」と声をあげつづけるのだろう。
 それは、現在の空気をいち早く察知し、警告を発しながら亡くなった井上の意志を引き継ぐことでもある。
大竹は、前述の『太鼓たたいて笛ふいて』を08年に再演したとき、観劇にきていた小学生に井上が話した一言が忘れられない、という。
「「これは昔の話じゃないんだよ。10年後の日本の話だから」って。
その後、再演した時(14年)、高校生になった彼らが来てくれて、「井上さんがおっしゃった意味が、今になってよくわかりました」
「みんなで日本について語りました」と私に話してくれました。
もし先生がいらしたら、すごく喜んだと思います」(前出、しんぶん赤旗)

また、大竹は、憲法改正についても大きな危惧を抱いている。
「国のことを考えるのは、私たちが選んだ国会議員。
みんなの意見の代表のはずなのに、私たちが考えていることとの間に差がありすぎる。
井上さんがずっと叫んでいたように、憲法が変わることは絶対に阻止しなくちゃいけないと思う。

知らないうちに『あれ、ちょっと言葉が変わってない?』みたいなことにならないように」(前出、朝日新聞インタビューより)
〈唯一の被爆国として、ノーベル平和賞の候補にもなった「憲法9条」をこんなに簡単にないがしろにしていいものなのかということも、誰もが思うことだと思う〉(前出、朝日新聞連載エッセイより)

 社会全体が政治的発言に対するタブー視を強めるなか、とくに芸能人は発言を慎みがち。
だが、大竹は沈黙しない。
なぜなら、“自分の意見を口にすることができる世の中”でなければ、平和はあり得ないからだ。

大竹は前述の朝日新聞での連載エッセイに、こう記している。
〈仏陀の説いた個人個人の幸せについて、今考える。
宮沢賢治や井上ひさしさんもおっしゃっていた、そうでなければ世界の平和はあり得ないということについて。
 が、今の日本の状況を考えると少し不安になってくる。

 一人一人が自分の意思を持ち、自分の意見をきちんと言える世の中でなくてはならない。
そして誰もが、金色に輝くあの葉っぱを握りしめる世界でなければならないと強く思う〉(13年12月20日)

 メディアを通して反戦・平和を訴える、この大竹の姿勢をぜひ今後も貫いてほしいものだが、ちなみに、大竹が離婚した明石家さんまは、以前、『さんまのまんま』でこんなエピソードを明かしている。

「ぼくは昔、日本からアメリカに、戦争のためにアメリカに寄付するということがあったとき、さすがに怒って国税局に行ったんですよ」
俺は戦争のためとか、人殺しをアシストするために働いてるんじゃないって。
そのために税金を納めてるんじゃないって言いにいったんです」(14年2月15日放送回)
 離婚はしたものの、戦争を許さない意志という点では、ふたりはいまも通じ合っているのかもしれない。
                   (水井多賀子)
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2016年02月23日

現代ヤクザの置かれた厳しい生活。それでもなぜ、極道を続けるのか?

現代ヤクザの置かれた厳しい生活。
それでもなぜ、極道を続けるのか?
2016年2月22日 9時2分 日刊SPA!

暴力団対策法、暴力団排除条例が全国にあまねく敷かれ、ヤクザは減少の一途。
しかしその「“法”囲網」は彼らの日常生活にも侵食し、生きる権利を脅かすほど過剰だとも。
当事者のヤクザの声に耳を傾けてみた

◆ヤクザの妻はパートも不可。
生活のために離婚届に判

●二宮順次氏(仮名)…49歳。
広域暴力団2次団体組員。
長年、任侠ヤクザとして鳴らしてきた
「大御所たちの逮捕が相次いでいる。
ゴルフは俺を含め、周りもほとんどやめた。
指定団体の構成員のリストが共有されているため、アメリカや同盟国への旅行にも行けない。
銀行にしても、3年前の暴対法改正以前から持っていた口座はなんとか確保しているが、新規開設はダメ。
口座を開いても後に銀行から指摘され、パクられた組員も大勢いるよ」

 現代ヤクザの置かれた厳しい生活を語るのは長年、極道を邁進してきた2次団体の組員・二宮順次氏(仮名)。
ヤクザへの締めつけが加速するなか、最近、長年連れ添った妻の籍を抜いて、高校生の息子と小学生の娘2人を育てているという。
「家計を助けるため、妻がパートに出ることになった。
給与の振込先として必要な銀行口座を作る際、“反社会勢力との関係”を問われたと妻から聞き、今置かれている状況は、もはや自分だけの問題ではないと悟った

 もちろん子供たちには離婚を知らせず、今も変わらず家族の生活は続いている。
離婚すれば、母子手当などが法制上で受けられるメリットもある。
しかし、そうした手当は手にしていないというのだ。
普通なら母子手当をもらうのが賢明なんだろうけど、俺らはお上が不介入のトラブル処理などを生業にしてたから、都合のいいときだけ人権を振りかざし、お上にすがるのは極道に反するとも思うんだよね

 しかし、極道といえども基本的人権はある。
憲法第25条で定めるところの「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有」し、「衣食住」は保障されてもいいはずだ。

 しかし現状は、ヤクザでいる限り「住」の保障は厳しくなってきており、もはや家を借りることも買うことも不可能だと氏は言う。
「知り合いは『嫁の名義で家を借りれば』と言うけど、それは詐欺に当たってしまう。
もちろんそうしてまで家を借りている組員も多数いる。学校や近所に知られないよう、それっぽい服装もしないよう十分気をつけてね」

 二宮氏はヤクザが完全に法に触れない形で生きていくことはもはや不可能になったと嘆く。
「年金や税金などを払わないわけでもなく、よそさまに迷惑かけるわけでもないのに、なにかしらの法に触れてしまうのが今の俺たち。
でも、国家がここまで極道に厳しくしなきゃいけない状況にあるのも理解できる。
この業界は悪い人が9割だからね(笑)。

しかも、今のご時世、俺たちが必要とされる場面は皆無に等しいでしょ……」
 二宮氏はヤクザに「未来がない」ことを実感しているという。
それでもなぜ、極道を続けるのか。
「もう理屈や損得勘定じゃない。
俺らは自分が惚れた人についているだけ。
例えるなら宗教団体の信者。
信者だけど、代紋ではなく親分や兄貴を信仰している。
ある意味、病気なんですよ(笑)」
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年間利息がATM手数料で消える現実!

松崎のり子「誰が貯めに金は成る」
1千万円を銀行預金して
年間利息たった百円、
ATM手数料1回108円…ふざけた現実
2016.02.23 Business Journal

文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

 日本銀行が2月16日から導入を決定した「マイナス金利政策」が、いよいよ我々の財布を直撃し始めた。
 最初こそ「個人の預金の金利がマイナスになるわけではないので、心配無用」という論調だったが、各銀行は次々に預金金利を引き下げ、メガバンクの先陣を切って、三井住友銀行が普通預金金利を0.02%から0.001%に引き下げた。
 これは、1000万円を1年間預けた場合の利息が100円(税引き前)という利率だ。
一度でもATMで引き出して108円の利用時間外手数料を払えば、むしろマイナスになる。
もはや、「金利」と呼べる次元ではなくなった。

 なお、マイナス金利導入の影響で、10年物の日本国債の利回りも低下し、マイナスになる事態に陥った。
国債の買い手である保険会社への影響も避けられず、今後は貯蓄性の高い終身保険や学資保険の利回りが見直され、新規で加入する場合は利回りを下げるか、保険料が値上げになる可能性も出てくる。
早くも、いくつかの保険会社が一時払い終身保険の販売停止を決めたというニュースも流れた。  

証券会社における普通預金的商品だったMRF(マネー・リザーブ・ファンド)についても、「運用がマイナスに転じて元本割れのおそれあり」と言われると、「マイナス金利は、すでに我々の資産にもマイナス影響だ!」と言いたくなる。
「金融機関に預けているだけで、資産がマイナスになる時代が来た」と肝に銘じなくてはいけない。

コンビニATMの手数料を無料にする方法

 普通預金の金利が限りなくゼロになると、意識しなくてはならないのがATMの手数料だ。
 通常の銀行では、預金の引き出しは自行ATMであれば利用時間内は無料でできる。
しかし昨今、銀行の支店は統廃合が進み、お金を下ろしたくても銀行がないということも多い。

そして、その結果、コンビニエンスストアのATMを利用するしか手がなくなる。
 しかし、うかつにコンビニATMを利用すると、利用時間内でも108円の手数料がかかる場合が多い。
飲み会代の5000円を引き出すだけで、2.2%近い手数料を取られるわけだ。
この先、消費税が10%に上がれば、ATM手数料も110円まで引き上げられる可能性がある。  マイナス金利時代に立ち向かうには、まずはこのコンビニATMの手数料を無料にする方法を知ることが不可欠だ。
 手っ取り早いのが、各銀行のサービスを利用することだ。
メガバンクでは、三井住友の「SMBCポイントパック」、三菱東京UFJ銀行の「スーパー普通預金(メインバンク プラス)」みずほ銀行の「みずほマイレージクラブ」などがある。
 インターネット上で現在の口座から切り替えることができ(別途、ネットバンキングの申し込みが必要な場合あり)、給与振込口座への指定や金融資産の残高に応じて、月3〜4回程度、コンビニATM手数料が無料になる。

地方銀行でも同様のサービスを用意している銀行があるので、給与振込口座に設定している銀行で利用できるかどうか、確認してみよう。
 また、自行ATMでも利用時間外は手数料がかかるが、意外にも、その条件は横並びではない。例えば、三井住友は毎月25日・26日は時間外手数料が終日無料になる。
三菱東京UFJは、平日なら21時までは無料で引き出すことができる。
複数の口座を持っている人は、覚えておくといざというときに役立つはずだ。

最強の「終日無料」銀行はどこだ?

 また、無条件で「24時間365日、ATM手数料が無料」という銀行がある。
新生銀行は、セブン銀行やイーネットなど、提携コンビニATMの手数料が終日無料だ。
前述したメガバンクのようなサービス利用のための条件はなく、ただ口座を持っていればいい。  

流通系のイオン銀行も注目だ。
イオングループのイオンやイオンモール、ミニストップ、まいばすけっと、いなげや、ピーコックストアなどに設置されている同行ATMを、やはり終日無料で利用できる。
「これらの新顔銀行にはなじみがなくて……」という人に筆者がおすすめしているのが、ゆうちょ銀行だ。
平日ならほぼ24時間、日曜・祝日も21時まで無料でゆうちょATMから引き出しができる(利用時間帯は、ATMが設置されている店舗・出張所によって異なる)。
 なんといっても、全国約2万4200店舗の郵便局・ゆうちょで利用できるのが強みで、地方出張や旅行先での引き出しにも便利だ。
ゆうちょ同士の送金も無料でできる。
親世代はゆうちょの口座を持っていることが多いので、親とのお金のやり取り用として開設してもいいだろう。
 マイナス金利時代に虎の子の預金を目減りさせないために、「手数料」という地雷から、がっちり身を守ろう。
(文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト)
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2016年02月24日

テレ朝・橋下徹の冠番組は放送法違反

テレ朝「橋下徹の冠番組」こそ
                      放送法違反だ!
私人と“政党の支配者”を使い分ける
ダブルスタンダードを許すな
2016.02.23.LITERA(宮島みつや)

 橋下徹・前大阪市長が4月からのテレビ新番組にレギュラー出演すると発表された。
放送局はテレビ朝日系列、時間は現『ビートたけしのTVタックル』の枠(月曜23時15分〜)で、同じ早稲田大学政治経済学部卒の羽鳥慎一アナウンサーと共演することまでは決定。
一方、タイトルや肝心の内容に関しては「未定」だという。

 橋下氏の8年ぶりの“テレビ復帰”とあって話題になるのは間違いないが、しかし、ちょっと待ってもらいたい。
本当に、この人に冠番組をもたせてもいいのだろうか?

 橋下氏は昨年、大阪都構想の住民投票に敗れた直後に「政界引退」を表明、年末の任期満了を控えた最後の定例会見でも今後は「私人」として過ごしていくと強調したが、周知のように、現在もおおさか維新の会の「法律政策顧問」というポストに就いている。
 言っておくが、これは名誉職でもなんでもない。

事実、報道によれば1月24日、橋下氏はおおさか維新の会の「戦略本部会議」の初会合に参加したが、これは参院選に向けた公約や政策などを話しあうためのもの。
さらに同月30日には、おおさか維新が擁立候補の発掘を目的で設立した「維新政治塾」にも出席、報道陣に非公開で講演を行っている。

 ようするに橋下氏は、「政界引退」どころか事実上の“オーナー”として、国政政党の“院政”を行っているのだ。
しかも、おおさか維新の会代表・松井一郎大阪府知事は、これからも党の方針などについて橋下氏から「さまざまなアドバイスをもらう」と公言している。
つまり、おおさか維新側も、“橋下氏が党の顔”というイメージ戦略を発信しているわけである。  

そんな人物がキー局の冠番組を持つことは、毎週、特定会派の事実上のトップによる番組が全国放送で垂れ流されるということだ。
これは明らかに「政治的公平」に反するだろう。

 昨年10月、橋下氏が率いる大阪維新は、大阪都構想反対の急先鋒であった藤井聡・京都大大学院教授が出演していた情報番組『おはようコールABC』(ABC朝日放送)に対して、政治的公平を定めた放送法4条に違反するとしてBPOに調査を申し立てていた。
 だが、藤井氏はたんなる学者であり、自分の意見を述べたにすぎない。
政治権力の不当な介入を防ぐという放送法の本来の趣旨からすると、橋下が冠番組を持つことのほうがはるかに放送法違反にあたるのではないか。

こういうと、おそらく、橋下氏は「大阪市長を辞めた今はただの私人」などという詭弁を弄するだろう。
橋下氏は昨年末の「引退会見」直後にも、ツイッターで所属法律事務所の名前を持ち出して「これからは私人。
社会的評価を低下させる表現には厳しく法的対処をする」などと宣言、自分への批判に対して露骨な恫喝をしかけている。
 しかし、橋下氏が「自分は私人」と主張すること事態、詭弁でしかない。
自分を守る時だけ私人を騙り、片方で政党の事実上の代表として、政策決定に関与しているというのは、明らかなダブルスタンダードではないか。

 報じられているところによれば、橋下氏の新番組は、まず3月のパイロット版で3つの企画を試みて、そのうえで今後の方針を定めるらしいが、企画候補のなかには「橋下さん!日本のこんな所オカしくないですか?(仮)」なる仮題でゲストの論客らと「日本の未来を考えるトーク企画」もあるという。
ようはこれ、バラエティの皮を被った政治討論番組だ。
おおさか維新の名前はださなくとも、その政策を喧伝することになるのは目に見えている。
 いや、仮に一切、政治的なテーマを扱わなかったとしても、橋下氏が国民に“おおさか維新の顔”というイメージで受け取られている以上、毎週、テレビに出るだけで政党にとって大きな宣伝になる。

おおさか維新の人気はまだ関西ローカルにとどまっており、テレビの全国放送に出ることは、それを一気に全国区に広げることになるだろう。
もちろん、選挙結果へも多大な影響を及ぼすはずだ。
 しかも、その効果は、たんにおおさか維新という一政党の勢力が拡大するというだけにとどまらない。
これは安倍首相が目論む改憲の動きにもつながっていくのだ。

 昨年12月19日、橋下氏は松井代表とともに都内の日本料理店で、安倍首相、菅義偉官房長官と会食を行っている。
その場で、橋下氏が「憲法改正が必要だ」と述べ、安倍首相と見解を同じくしたということは、松井代表も認めている事実だ。
 さらに産経新聞12月21日付は「政府高官によると、安倍首相の政権運営や政治手法などに関しても意見交換した」とも報じている。

おおさか維新が今夏の参院選で議席数を伸ばし、自公と合わせて改憲発議に必要な3分の2の議席を確保すれば、そのまま安倍政権はおおさか維新を連立内閣に迎え入れ、改憲を具体化させていくのは明らかだろう。

 ようするに、テレビ局が橋下氏に冠番組をもたせることは、最終的に安倍政権による改憲に加担することになるのだ。
これは、公権力と徹底して距離を持つべきマスメディアとして考えられない行為。
いったいテレ朝は何を考えているのか。
「橋下さんについては、多くの局がラブコールを送っていましたが、ほとんどは、上層部の『政治色が強すぎる』という判断で、レギュラーは見送られたと聞きます。
そんななかでテレビ朝日だけ上層部のGOが出たというのは、早河(洋)会長はじめ、今のテレ朝のトップが安倍政権の方しか向いていないからですよ。

とにかく、官邸に睨まれることだけを異常に恐れ、それ以外のバランス感覚を完全に失っている。
おそらく今回も『橋下の番組なら官邸も歓迎してくれる、むしろ他の番組への圧力を弱めることができる』と考えたんじゃないでしょうか。
現場もバラエティ班なんで、『まずいんじゃないか』という空気はまったくないですよ。
むしろ、橋下さんが持ってる数字に期待してるんじゃないですか(笑)」(テレビ朝日関係者)  

まったく、報道機関としての矜持もへったくれもない話だが、しかし、これは新聞メディアも“同罪”だ。
今回の橋下新番組に関する報道姿勢を見れば一目瞭然、朝日・毎日・読売は判を押したようなベタ記事で、せいぜい「政界復帰が遠のいたとの見方が広がった」などと加えるだけ。
橋下氏のレギュラー番組が国政に与える影響を批評するものは、ひとつたりともなかった。

 ようするに、橋下人気に乗っかって改憲を後押ししようというテレビ局は論外だとしても、大新聞までもが「私人」を振りかざす橋下氏に対して、すでに萎縮しているのだ。
もはや“権力とメディアの距離”に言及することすら、この国のマスコミには期待できないということなのだろうか。
                          (宮島みつや)
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2016年02月25日

パソナが「リストラ指南書」 裏に竹中平蔵会長と650億円利権

パソナが「リストラ指南書」
裏に竹中平蔵会長と650億円利権
2016年2月24日 日刊ゲンダイ

 安倍政権が国のカネを使って「クビ切り」奨励だ。
人材会社が国の助成金による利益欲しさで、企業に「クビ切り指南書」を伝授している実態が浮き彫りとなった。
クビ切り利権と言える助成規模は第2次安倍政権の誕生以降、150倍もアップ。
拡充に動いたのは産業競争力会議の一員で、人材派遣大手パソナの竹中平蔵会長(64)だ。
本来、労働者を守るカネのロコツな「我田引水」は絶対に許されない。

■人材会社が利益欲しさに「クビ切り指南書」

 本紙の手元に「退職勧奨制度対象者のための面談の進め方」と題されたA4判10枚つづりの文書がある。
パソナグループ傘下で、法人契約の再就職支援シェアトップを誇る「パソナキャリア」が作成したとみられる“指南書″だ。
〈誰が退職勧奨に応じたか、誰にどのようなことを言ったか等の面談の内容に関しては一切伝言しないこと〉
〈面談は1対1が望ましい〉
〈会社に残ることが本人のキャリアのためにならないことを強調する〉――などのノウハウを次々と披露。
〈再就職支援サービスを受けることによって、かなり高い確率で再就職が可能であることを強調する〉
〈パソナキャリアで直接詳しい話を聞いてみるよう勧める〉と、サービスの宣伝も忘れない。  

さらに「面談テクニック」として、
〈「今回の再就職支援の中では、その道のプロが君の適正をしっかり把握して、最もふさわしい場を紹介してもらえると思うよ」〉と、自画自賛の模範回答例まで紹介している。

かつての『追い出し部屋』に代わって、リストラ策の主流は対象社員を個別に呼び出して自主退職を促す手法です。
社内外に非公表で進め、対象が誰かも知らせず、社員同士の団結も分断する。
対象者は誰にも相談できずに孤立し、精神的にさいなまれるケースも増えています」(雇用問題に詳しい弁護士)

 問題の指南書は最新のトレンドに乗った内容だが、人材会社がクビ切り指南書の作成に躍起なのは利権目当て。
 クビ切り指南とワンセットで、雇用保険を財源とする「労働移動支援助成金」の対象である再就職支援ビジネスで儲けるためだ。
「離職する労働者の再就職支援を人材会社などに委託すると、企業に支給される助成金です。
委託しただけで1人あたり10万円、6カ月以内の再就職実現で、さらに委託費用の一部が支給されます。
上限は1人につき60万円。
人材会社にすれば、助成金が企業の委託費を肩代わりし、離職者の数が多いほど、利益も増える仕組みです」(厚労省関係者

■竹中会長の強弁で上積みされた助成金

 怪しいのは、安倍政権によって助成金が桁違いに増えたこと。
2014年度の予算301.3億円は、前年の支給実績の約2億円から実に150倍増。
15年度には349.4億円まで増額された。
2年間で650億円だ。

「13年6月に政府は『産業競争力会議』の議論を踏まえ、『日本再興戦略』を閣議決定。
その中で『行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策転換』を掲げたため、一気に予算が拡充されました」(所管の厚労省職業安定局の担当者)

 政策転換の言いだしっぺは竹中氏その人だ。
13年3月の産業競争力会議ではこう訴えていた。
「今は雇用調整助成金と労働移動への助成金の予算額が1000対5くらいだが、これを一気に逆転するようなイメージでやっていただけると信じている」
 竹中氏が訴えた通り、今や雇用調整と労働移動の助成金の予算規模は本当に逆転。
助成対象の再就職支援は人材企業に利益をもたらしている。
竹中氏の「我田引水」について、パソナグループに見解を求めたが、締め切りまでに回答はなかった。
安倍政権も黙認すれば、クビ切り支援を国是に掲げたも同然となる。
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2016年02月26日

認知症男性JR事故訴訟、家族「再発防止考えて」

認知症男性JR事故訴訟
介護家族「再発防止考えて」
毎日新聞2016年2月25日 21時26分

1日に最高裁判決

 愛知県大府市で列車にはねられ死亡した認知症男性の遺族にJR東海が損害賠償を求めた訴訟の最高裁判決が3月1日に言い渡される。
同様に認知症の人を身内に持つ家族や患者を引き受ける病院などの関係者は、保護する側の監督責任がどう問われるのか複雑な思いで見守っている。
              【銭場裕司】

 山口県下関市の梶山清さん(72)は 昨年5月24日昼、入院していた同市の民間病院「昭和病院」から突然、行方不明になった。
2階の自室を出た後、当直受付の前を通り、1階の正面玄関から外に出たとみられる。
午後1時半ごろは自室にいたが、約20分後にいなくなっていることに職員が気付き、家族と共に必死で捜したものの見つかっていない。

 家屋の設計士として長年働き、妻と共に娘2人を育て上げ、2002年ごろに筋肉がこわ張るなどの症状が出るパーキンソン病と診断されて、11年ごろには認知症も発症。
妻が05年に死去した後は自宅や施設と病院を行き来する生活だった。

 東京都内に住む次女(37)は「パーキンソン病で薬効が切れると体が動かなくなる父が簡単に出て行けたことは疑問です。
二度と繰り返してほしくない」と病院側に安全対策の見直しを強く望む一方、最高裁判決について「父のケースも家で起きた可能性はある」と言う。
その上で「監督責任に白黒を付けたところで(はねられた男性の)命は戻らない。
再発防止のため、判決をどうすれば良いか考えるきっかけにしてもらいたい」と訴えた。

 一方、病院側は患者のリスク管理と人権尊重の両立に悩む。
同病院はベッド数約400床で、入院患者のうち65歳以上の高齢者は9割超。
面会などで行き来しやすい環境を目指すと共に、入院患者の身体抑制をしないよう取り組んできた。
医療安全管理の担当者は「病室を一歩でも出たら押し戻すようなケアはしていない」という。  

梶山さんの行方不明後、対応マニュアルを見直して通報の迅速化などを図り、訓練も行ったが、ジレンマもある。
担当者は「患者さんを制限せず見守ることで職員の理解は得ているが、対策を話し合う中で『鍵をかけたら』という声もあった」という。
最高裁判決は監督責任のあり方に一定の判断を示す見通しだが、「責任を果たそうとするとどうしても制限する方向に行ってしまう」と懸念する。

 看護部長は「現場が不安に思っているのは確か。
認知症で対応が大変でも、鍵はかけられない。
かといってマンツーマンでもみられない」。

最高裁判決には「JRと家族の問題ではなく、国民一人一人が真剣に考えないと解決できない」と語った。
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2016年02月27日

川崎有料老人ホーム殺人事件〜殺意の芽生える土壌〜

川崎有料老人ホーム殺人事件
〜殺意の芽生える土壌〜
労働ジャーナリスト 金子雅臣
2016年02月25日 読売新聞

 川崎市幸区の老人ホームで2014年11〜12月、入所者3人が転落死した事件。
今年2月、元職員の男性(23)が少なくとも1人の入所者を殺害した容疑で逮捕され、安泰な老後を望む多くの人に衝撃を与えた。

介護の現場で何が起こっていたのか。

様々な職場で悩む人たちの声を長年聞いてきた労働ジャーナリストの金子雅臣さんは、「仕事上の思いやりや共感、尽くす気持ちが罵倒され、なじられることで摩滅していく“感情労働”職場」の存在を指摘、そうした職場がはらむ危険に警鐘を鳴らす。

殺意を育む職場

 まさに起きてはならない事件が起きてしまったというのが、川崎の有料老人ホームの殺人事件である。
まだ、全容が解明されたわけではないが、これからの捜査で一体どこまで事実が明らかになるのであろうか、本当にこの事件の闇は解明されるのだろうか。
多くの人たちの関心は、捜査の行方に寄せられていくであろう。

 しかし、一方で、多くの人たちが、こんな事件がいつか起きるかもしれないことをどこかで、なんとなく予想していたことも事実だ。
それは、こうした介護現場ではこれまでも「起きてはならない事件」が幾度か繰り返されてきたし、その都度背景となっている過酷な介護労働の現場についての指摘も何度も何度も繰り返されてきたからだ。
そして、それにもかかわらず、その実態は一向に改善されていないことも知っているからである。

 過去にも、老人に熱湯をかけた事件やストーブに押しつけて火傷やけどをさせた事件、階段から突き落として重傷を負わせた事件など、「ありえない事件」は数々起きており、その都度、過酷な現場でストレスを抱えた職員の発作的な犯行であったことが報告されている。
決して今回の容疑者の行為を肯定するものではないが、今回も、徐々に現場の過酷な労働の実態が明らかになってきており、また彼の抱え込んでいたストレスや闇の部分もいろいろに伝わってくるだろう。

 だから、現場の労働条件を改善し、働く職員のストレスの軽減が図られなければ、こうした事件が繰り返されるだろうという主張にまったく異論はない。
しかし、果たして、これまでも繰り返されてきたこうした紋切り型の原因解明で済ませておいていいのだろうかというのが、私の疑問である。

 私が言いたいことは、介護労働という働き方のなかに殺意が芽生える動機が潜んでおり、そうした働き方を問題にしないかぎり、こうした悲劇は繰り返されるということである。

介護や医療の現場、そして障害者施設などでの患者や要介護者への思いやりを使命感として働く現場の共通した危うさを問題にしたいということである。

自分を殺して働く

 過去の多くの事件でも、「あんなに親切で、思いやりがあり高い使命感をもって働いていた人がなぜ、あのような事件を起こしたのか?」という疑問が繰り返されてきた。
今回の事件がどうかは別としても、「とてもそんなことをするとは考えられない」人が起こしてしまうというメカニズムこそが問題なのである。

 こうした現場で働く人たちの多くは使命感に燃え、人一倍、命や人間の尊厳に敏感で、共感力も高い人たちである。
そして、行為者となってしまう多くの人たちもその例外ではない。
こうした使命感と起こされた事件とのギャップが解明されない限り、少なくとも、この根本的な疑問を取り上げない限り、事件の本質に迫ることはできないような気がするのである。

 つまり、使命感が高い、親切で思いやりのある人ほど、悪意や殺意にからめとられてしまうシステムが働き方の中にあることを解明しないかぎり、解決や対策はありえないと思えるからである

 ケア・ハラという言葉がある。

今回の事件のようにケアをする人たちが弱者である要介護者にハラスメントをすることではない。
その逆で、要介護者からハラスメントを受けるようなことを言う言葉である。
実際、介護などの現場では、要介護者が強者となって介護者との立場が往々にして入れ替わることが起きるという。
 こうした現象は、まさに親切で思いやりがあり、使命感の高い人たちに向けられがちであるという。
つまり、そうした仕打ちにも反撃することなく、何とか相手の怒りを受け止めて、使命感で耐えようとするからエスカレートするというのである。

 一方の要介護者は、まさに社会的弱者としてストレスや不満、そして怒りを抱え込んだ人たちである。
そして、そうした人たちであることを知っているからこそ、親切や思いやりで接することが使命と感じている職員ほど、そのハラスメントに理解を示し耐えようとする関係が生まれることになる。
 そのことによって、いじめと同じ構造で、ハラスメントがエスカレートする事例も多く、こうした繰り返しの中で、職員の多くは、自らの怒りの感情を抑えて働くことになる。
まさに、職員の側は、自らの暴発を防ぐために、自らを守るために感情を日々殺して働くことになり、まさに“自分殺し”をしながら働くことになる。

“感情労働”という心の闇

 寝たきり患者のナースコールを引き抜いてしまい解雇になった女性看護師と面談した経験がある。
その看護師は夜中に何度も何度もコールする患者に悩まされていた。
そして急いで駆け付けても、「遅い」とか「何をしている」などとなじられ続けていた。
 しかし、彼女はそのことに怒りを感じてはいなかったし、そのことへの報復をしたわけでもなかった。
彼女は私に、淡々と「仕事ですから別に憎いとか、悪意とかではないんです。何度も何度もナースコールをされるので、ただ少し静かにしてほしかっただけなんです」と動機を語って私を驚かせた。

 「毎日自分殺しを繰り返しているうちに、感性が摩滅して、自分が何を考えているのかも分からなくなっているのかもしれない
「自分を毎日殺して働いているんですから、そのうち他人も殺せるようになるかもしれません」とも彼女は言っていた。
 こんな彼女の評判は、「よく気がつく優しい人」であり「有能な使命感に燃えたナース」であった。
そんな彼女が「静かにしていてほしい」という単純な動機で患者からすれば生死に関わるホットラインともいえるナースコールを引き抜くという暴挙を行ってしまったことに驚かされた。

 私は、こんな経験から、今回の事件も彼は「ただ、うるさい老人たちに少し静かにしてほしかっただけ」なのかもしれないなどという想像を働かせてしまった。
別の言い方をすれば、彼は燃え尽きてしまって共感性を失い、何も感じられないバーンアウトしてしまっている状態なのかもしれないということである。

 相手を思いやり相手に尽くし続けることは、相手からの感謝やねぎらいの言葉で癒やされてこそ帳尻合わせができる。
しかし、相手が認知症だったり、怒りで充満している老人だったりすれば、そうした期待は裏切られる。
それでも、彼らは自分の精神的なバランスは保ち続けなければならない。

 しかし、思いやりや尽くすことが、罵倒され、なじられる日々の連続になれば、精神的なバランスを保ち続けることや、精神の統合を維持し続けるのは容易なことではない。
こんな働き方を“感情労働”と呼んで警告を発した本がある。

 アーリー・ホックシールドが著した「管理される心―感情が商品になるとき」(世界思想社刊)である。
そこには、感情労働とは「表情と身体的表現を作るために行う感情の管理で、賃金と引き換えに売られ、したがって<交換価値>を有する」労働と表現されている。
 つまり、仕事上の思いやりや共感、そして尽くす気持ちは切り売りされて摩滅して枯渇していくというのである。
また、喜びや悲しみという感情は失われて感情が麻痺まひしていくという。
そして、そうした危機から身を守るためには「もし、あなたが何も悪いことをしていないのに、お客様ががみがみ言うことがあったら、その人が責めているのはあなた自身ではない、と思いなさい」と、解離(自分が自分であるという感覚が失われている状態)や心理麻痺状態になって事態を避けることが推奨されている。

 しかし、そうした手法が行き過ぎた場合には何が起きるのだろうか。
自らに起きていることを、自らのこととして受け止めず、相手への共感性も殺す努力には、他人を殺すことをも許容してしまう感情麻痺の危険性が潜んでいるような気がするが、どうだろう。

“よいホーム選び”幻想

 今回の事件についても、これから様々に行為者の抱えた特殊な事情が語られていくことになると思う。
しかし、これまで述べてきたように労働条件一般や特殊個人的な問題に解消してしまえば、真の原因は見えてこない。

 今回の事件は、介護にかぎらず看護職や福祉職など“感情労働”に関わる全ての人たちへの警鐘である。
職場が殺意を育むシステムとならないようにするには、職員の定期的なストレスチェックや、それに基づく心のケアを用意することが不可欠である。
 運転手が運転前に飲酒のチェックを受けるように、感情労働の現場にはストレスチェックを用意し、その結果については手厚いケアの体制を用意することが必要である。
そのことなしに、こうした事件の再発は防ぐことはできない。

 こんな事件が起きるとまたぞろ「よい老人ホームの選び方」的な解説が増えることも気になる。
皮肉なことに「よい老人ホーム選び」などという言い方や視線が、そこで働く人たちの感情労働へのハードルをまた上げて、ますます追い込む要因になるからである。

プロフィル
金子雅臣( かねこ・まさおみ )  
1943年生まれ。労働ジャーナリスト。
東京都職員として長年、労働相談に従事した経験を生かし、2008年に職場のハラスメント防止を支援する一般社団法人「 職場のハラスメント研究所 」を設立、同所長。
主著に「パワーハラスメントなんでも相談」(日本評論社)、「部下を壊す上司たち」(PHP研究所)など。
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2016年02月28日

大統領選に右往左往の外務省 トランプが勝てばどうなる?

大統領選に右往左往の外務省
トランプが勝てばどうなる?
2016年2月27日 日刊ゲンダイ

 米大統領の候補者選びがヤマ場を迎える。
予備選などが集中する3月1日を目前に、米ワシントン・ポスト紙が25日、「正念場」と題する社説を掲載した。
「思いも寄らなかったことが不可避になりつつある。
不動産王ドナルド・トランプ氏が共和党の指名候補になりそうだ」と危機感をあらわにし、トランプが「選挙戦で女性、ユダヤ人、イスラム教徒、メキシコ人などを誹謗中傷してきた」ことなどを理由に、「良心ある共和党の人々はトランプ氏の指名を阻止するため、あらゆる手段を講じるべきだ」と訴える異例の内容だ。
 それだけ、トランプが強いということである。

「イスラム教徒の入国禁止」
「メキシコ人は強姦犯」などと差別的な暴言を連発するトランプは、当初は完全にキワモノ扱いで、選挙戦の盛り上げ要員程度にみられていたのだが、どうも様子が違ってきた。
 過去6回の大統領選を取材しているジャーナリストの堀田佳男氏が言う。
「多くの人はトランプ氏が支持率トップに躍り出ても、いずれ失速すると考えていたし、今年に入ってもまだ懐疑的でしたが、もはや大本命なのは間違いありません。
彼は暴言を吐くことで支持を上げてきた。
過激な発言によって、現政権への不満や社会の鬱憤を取り込むことに成功しています

■日本に対しても容赦ない“口撃”

 トランプの“口撃”は、日本に対しても容赦なく向けられている。
「日本から雇用を取り戻す」と叫び、「大統領になったら貿易で日本に制裁を科す」と言う。
日米安保条約についても「米国が攻撃されても日本は助けなくていい不平等条約」と批判。
実業家であり、テレビ芸人もやっていたトランプは、極端で断定的な発言が大衆にウケることを肌で知っているのだ。
「共和党の穏健派から支持されていたブッシュ元フロリダ州知事が早々と撤退してしまい、トランプ氏と指名争いをするのはルビオ上院議員とクルーズ上院議員の2人に絞られた。
 2人とも中道右派ではなく、過激右派という点ではトランプ氏と変わりません。
共和党はトランプ氏に引っ張られる形でどんどん右傾化を強めています。

さらには民主党のヒラリー・クリントン氏まで、トランプ氏に引きずられ始めた。
対外的に強気の発言をすることで人気を得る手法で選ばれれば、誰が大統領になっても、必要以上に強い姿勢に出てくることが考えられる。
予想外の展開に日本の外務省は大慌てしているはずです」(元外務省国際情報局長の孫崎享氏)  

ヒラリー・クリントン前国務長官は23日、北東部メーン州の地方紙への寄稿で、中国や日本が輸出拡大のために為替操作を行っていると強く批判。
「関税を含むさまざまな手段で対抗措置を取る」と断言し、TPP反対の立場も明確にした。  

民主党の候補者選びはヒラリーが楽勝のはずだったのに、サンダース上院議員の猛追で見通しが崩れ、対日強硬策に転じたわけだ。
多分にトランプを意識したスタンスでもある。

「安保条約は不平等」の主張で
  何を突きつけてくるのか  

もはや、大統領選がトランプを中心に動いていることは疑いようがない。
だが、本当に「トランプ大統領」なんて、そんなまさかの事態が現実になる可能性はあるのか。ナントカに刃物じゃないが、血の気の多い排斥主義者が世界一の軍事大国のトップに就けば、何をしでかすか分からない。
もちろん、日本も振り回されることになる。
「3月1日には14州で同時予備選が行われますが、世論調査ではテキサス以外すべての州でトランプ氏がリードしている。
下手すれば全勝もあり得ます。
20日に行われたサウスカロライナ州の予備選では、トランプ氏は46ある郡のほとんどで得票数トップでした。
サウスカロライナは全米の縮図のようなところです。
白人、黒人、退役軍人、穏健な保守派、キリスト教福音派など、共和党有権者のあらゆる層からトランプ氏は支持を集めていることが証明されました。
このままいけば、おそらく7〜8割の確率でトランプ氏が共和党の候補者になる。
本選挙がクリントン氏との戦いになれば、現時点では五分五分で、トランプ氏が大統領に選ばれる可能性はあります。
今は過激なことを言っていても、ホワイトハウスに入れば、さすがに現実路線に修正するのでしょうが、日本に対しては厳しい注文をつけてくることが考えられます」(堀田佳男氏=前出)  

トランプ陣営には政策担当者がいないという。
すべて、本人がやっている。
こんな候補者は前代未聞だ。
まぁ実際は政策なんてほとんどなくて、漫談や放言、デマゴーグで支持を得てきた。
だからこそ、もし大統領になってしまった場合、どんな行動に出るか予測のつかない怖さがある。
安保条約が不平等だと言っているわけで、「基地を引き揚げるから防衛は自分でやれ」となるかもしれないし、「日本も米国のために血を流せ」と迫ってくるかもしれない。

 安倍政権は、次期大統領がヒラリーならオバマ政権の継承と甘く見ていたが、彼女は対日強硬策を打ち出した。
共和党候補が勝てば、いわゆるネオコンの戦争屋と協調していけると考えていたはずで、ラムズフェルド元国防長官やアーミテージ元国務副長官に旭日大綬章を贈ったのも、その布石だろう。

だが、異端のトランプが大躍進。
これは日本政府にとって大きな誤算だ。
ブッシュ氏やルビオ氏など共和党の本流なら、自民党政権が温存してきたパイプが使える。
ところがトランプ氏は実業家だし、慌ててパイプをつくろうにもコネがない。
トランプ氏が大統領になれば、これまでの人脈も途絶えてしまう。
外務省も防衛省も頭を抱えていると思います」(孫崎享氏=前出)

■電話会談の内容もまともに解釈できない

 26日の東京新聞「本音のコラム」で、元外務省主任分析官の佐藤優氏が驚くようなことを書いていた。
 北朝鮮のロケット発射を受けて9日に行われた日米電話首脳会談。
その際にオバマ大統領が「なぜ伊勢サミットの前に訪ロする必要があるのか」と懸念を表明した。
その裏側を佐藤氏はこう書いている。
〈安倍首相は訪露の意思を覆さなかったので、最後、オバマ大統領は「アベが日本の国益のために行くというならばそれでいいだろう」と言って電話を切ったという。
これをオバマ大統領による「了解」と受け止めるか、「捨てぜりふで、強い不快感の表明」と解釈するかについて、外務省内で見方が分かれているようだ〉

 そんなもん捨てぜりふに決まってるだろう。
この話が事実ならお笑いだ。
あるいは、安倍が熱望する訪ロを実現させるために、何とかしてオバマの言葉を曲解しようとしているのかもしれないが、そんなヒラメ官僚ばかりで、対日強硬派の新大統領とどう渡り合っていけるのか。

電話会談の場に居合わせれば、口調や微妙なニュアンスで相手の意図は分かるはずです。
どう解釈していいか分からなければ、外交など成り立たない。
現大統領とも正確なコミュニケーションが取れていないようでは、先が思いやられます。
日本にとって強敵になりそうな次期大統領と、まともに話ができるとは考えられません」(元外交官の天木直人氏)

 米大統領選は信じがたい異様な展開になっているが、外務省の劣化もまた、見ちゃいられないレベルだ。
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感謝の「効能」

石川善樹の『続けたくなる健康法』
感謝の「効能」
2016年2月24日 yomi Dr.

 こんにちは。
 予防医学研究者の石川です。
 先日のことですが、とある老人会のみなさまにお話を伺う機会がありました。
一通りお尋ねした後は、お茶を飲みながらの雑談タイムに突入です。
 そこで話題の多くを占めていたのが、「介護の大変さ」です。
たとえば、次のようなことを述べている方がいました。


 「これだけこっちがやっているのに、本人はうんともすんとも言わないから、果たして感謝しているんだろうかと疑問に思うよ」
 それに対して周りの方は、「そうよね、そう思っても仕方ないわよね」とうなずきながら共感されていました。
すると別の方が、次のようなお話をされました。
 「私の家の婆ばあさんは、“あんたが来てくれるだけで元気になるよ、ありがとう“と手を合わせて感謝するもんだから、こっちもなんとか助けになりたいと思うよね
 ……そのような話が延々続いた後、みなさんの中で次のような結論に到達していました。  

年を重ねると、どうしても体は衰え、人様の力を借りる時が来る。
その時にガンコ老人になっていたら、だれも助けてくれない。
介護する方もされる方も、お互いハッピーに過ごすためには、いつも周りに感謝しておく必要がある

 私はその話を聞きながら、目からウロコが落ちる思いでした。
確かに年齢にかかわらず、ふんぞり返って偉そうに振る舞っている人に対しては、なかなか思いやりが持てないと思います。
 日本は世界一の長寿大国ですが、それは裏返すと、世界一介護期間が長い国でもあります。  そのような時代を健やかに生きるためには、「まわりに感謝する」ということが大事なのかもしれません。

 ちなみに感謝の効能は科学的にも実証されています。
ペンシルベニア大学の心理学者セリグマンらは、「感謝の訪問」という研究を行いました。

これはとても面白い研究で、次のようなステップで実施します。  
1)これまで大変お世話になったにもかかわらず、きちんと感謝の言葉を伝えていない人を選ぶ  2)その人に向けて感謝の手紙を書く  
3)郵送するのではなくその人のところまで出向き、目の前で手紙を読む

 日本でいえば、結婚式で新婦から両親に向けて読まれる手紙のようなものでしょう。
セリグマンらは150人の協力者を集め、2つのグループに分けました。

 感謝の訪問をするグループ(80人)
 若い頃の思い出を毎日1つずつ書くグループ(70人)
 そして2つのグループの幸福感を比べたところ、感謝の訪問をしたグループは、もう1つのグループに比べて、その後1か月たったあとでも幸福感が高い状態のままだったのです。 (出典:Seligman M.E.P. et al. American Psychologist 2005;60:410-421.)

 つまり、感謝するということは相手だけでなく、自分自身をも幸せにするという効能があるようなのです。
 生かされていることに感謝し、周りの方にも感謝する。
 そういった当たり前のことをしっかりできる人間になろうと、あらためて気を引き締めましたという今回のお話でした。
posted by 小だぬき at 06:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月29日

改憲派の押し付け憲法論はデマだった

改憲派の「日本国憲法は米国から押し付けられた」はデマだった!
 9条が幣原総理の発案だったとの証拠が明らかに
2016.02.28.LITERA(宮島みつや)
 先日の国会でも「戦力の不保持」を明記した9条2項を含む改憲を示唆した安倍首相だが、彼を筆頭とする改憲タカ派や保守論壇がしきりに喧伝しているのが、“日本国憲法はアメリカから強要された”という、いわゆる「押し付け憲法論」だ。

 安倍首相自身、2012年末にネット番組で「みっともない憲法ですよ、はっきり言って。
それは、日本人がつくったんじゃないですからね」と、現行憲法への敵意を剥き出しにしている。  

また、昨日の『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)でも、安保法制は違憲ではないと主張していた日本会議常任理事の憲法学者・百地章氏が「日本が二度と連合国やアメリカの脅威とならざる、というのがアメリカの占領目的でした。
その一環としてまさにこの日本の憲法はつくられた」と主張していた。

 しかし、彼らが言う「日本人がつくった憲法じゃない」というのは、実のところ、まったくのデマゴギーなのである。

 2月25日放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)が、日本国憲法の成立過程についての特集を組み、この「押し付け憲法論」を反証する新証拠をテレビで初公開した。
それは、今から約60年前、「自主憲法制定」を掲げた岸信介内閣で設置された憲法調査会における“音声テープ”の存在。
元テレビ局報道部出身のジャーナリスト・鈴木昭典氏が国立公文書館で発見したものだ。
 そこには、はっきりと、こんな証言が残されていた。
“憲法9条の提案者は、ときの内閣総理大臣・幣原喜重郎によるものだ”と──。

 まずは軽く時代背景を説明しておこう。
1950年代は、岸らを始め、A級戦犯として公職追放されていた政治家が続々と政界復帰を果たしていたころ。
憲法調査会は英米法学者の高柳賢三氏を会長に発足し、岸内閣から池田勇人内閣まで約7年間続いたが、このなかで最大の議題となったのが憲法制定の経緯だった。


『報ステ』では、若かりし中曽根康弘ら改憲派が「異常な状態でつくられた占領下の憲法」「外国の権力者がつくった憲法でありますから」「もう今日それに引きずられる必要はない」などと弁舌をふるう様が放送された。

その狙いは冷戦下における9条の変更、軍隊保持を明記し、海外派兵を可能にすることだった。
いうまでもなく、これは岸信介の孫・安倍晋三や昨今の改憲論者が論拠とする「押し付け憲法論」や「安全保障の急速な変化に対応」とまったく同質である。

 だが、鈴木氏が発見した音声テープには、こんな証言が記録されていた。
憲法制定当時に中部日本新聞の政治部長だった小山武夫氏による、憲法調査会公聴会での発言だ。
「第9条が誰によって発案されたかという問題が、当時から政界の問題になっておりました。
そこで幣原さんにオフレコでお話を伺ったわけであります。
その『第9条の発案者』というふうな限定した質問に対しまして、幣原さんは、『それは私であります。
私がマッカーサー元帥に申し上げて、そして、こういうふうな第9条という条文になったのだ』ということをはっきり申しておりました」
 つまり、9条はGHQ側による一方的な「押し付け」ではなく、幣原首相がマッカーサーに直接に提言したものだったのだ。

このことは、51年5月の米上院軍事外交合同委員会の公聴会でマッカーサー自身も証言していることだ。
そして、マッカーサーは岸内閣の憲法調査会に対しても「戦争を禁止する条項を憲法に入れるようにという提案は、幣原総理が行ったのです」と書簡で回答していた。

 それでは、幣原はいったいいつ、どのようにして「戦争放棄」を新憲法に組み込むよう、マッカーサーに提言したのか。
64年刊行のマッカーサーの回顧録によれば、〈旧憲法改正の諸原則を、実際に書き下ろすことが考慮されるだいぶ前のこと〉、ちょうど幣原内閣の国務大臣・松本烝治らが新憲法草案作成にとりかかろうとしていた46年1月24日、幣原は私的な挨拶を名目に、マッカーサーの事務所に訪れていたという。
首相はそこで、新憲法を書上げる際にいわゆる「戦争放棄」条項を含め、その条項では同時に日本は軍事機構は一切もたないことをきめたい、と提案した。
そうすれば、旧軍部がいつの日かふたたび権力をにぎるような手段を未然に打消すことになり、また日本にはふたたび戦争を起す意思は絶対にないことを世界に納得させるという、二重の目的が達せられる、というのが幣原氏の説明だった。〉(『マッカーサー大戦回顧録』津島一夫・訳/中公文庫より)
 このマッカーサーの回顧録は長らく議論の的となってきた。
実際、表向きにはアメリカ側が松本草案を明治憲法と大差ないとして突き返し、戦争放棄を含むGHQ草案を作成、そして、これを日本側が調整したものが国会に提出されたというのが通説ではある。

 しかし、9条の基盤についての「幣原説」を裏付けるのは、マッカーサー回顧録だけではない。実は、他ならぬ幣原自身が著書で「押し付け論」を明確に否定していた。


 回顧録『外交五十年』(読売新聞社のち中央公論新社、初版1951年)のなかで、幣原は、総理就任直後にこんな風景を思い出したと記している。
それは、敗戦の日に、幣原の乗る電車のなかで、ひとりの男が「なぜこんな大きな戦争をしなければならなかったのか、ちっとも判らない」などと怒鳴り散らしていたことだ。
述懐はこう続く。 〈これはなんとかしてあの野に叫ぶ国民の意思を実現すべく努めなくちゃいかんと、堅く決心したのであった。
それで憲法の中に、未来永劫そのような戦争をしないようにし、政治のやり方を変えることにした。つまり戦争を放棄し、軍備を全廃して、どこまでも民主主義に徹しなければならん(略)。
よくアメリカの人が日本にやって来て、こんどの新憲法というものは、日本人の意思に反して、総司令部の方から迫られてたんじゃありませんかと聞かれるのだが、それは私の関する限りそうじゃない、決して誰からも強いられたんじゃないのである。〉(『外交五十年』より)

 また、幣原の秘書も務めた元側近議員・平野三郎による証言も残っている。
平野は、前述の岸内閣憲法調査会に対して「平野文書」と呼ばれる報告書を提出したが、それは1951年2月、幣原逝去の直前に、平野が幣原から直接聞き取った言葉を問答形式で記載したものだ。
これによれば、やはり幣原は平野に対し、象徴としての天皇制存続と9条の同時実現というプランをマッカーサーに進言した、と語っている

これを読むと、日本側、アメリカ側、ソ連をはじめとする天皇制廃止を求めた諸外国、そしてマッカーサーその人のさまざまな思惑を見越しての提言だったことが窺い知れる。

 そして、今回『報道ステーション』が報じた、幣原が新聞記者にオフレコで、自身が“9条の発案者”であることを認めていたという証言。
これもやはり、「幣原説」を補強するひとつの傍証である。
こうした証言が複数存在する以上、少なくとも、日本国憲法はじめとした戦後の民主主義、基本的人権、平和主義のすべてをひっくるめて、GHQによる「押し付け」という乱暴な理屈に回収してしまう改憲タカ派の主張は、どう考えても暴論と言わざるをえないのである

 前述のマッカーサー回顧録にはこうある。
幣原から「戦争放棄」を新憲法に盛り込むことを提案された総司令はひどく驚いた。
なぜならば、〈戦争を国際感の紛争解決には時代遅れの手段として廃止することは、私が長年熱情を傾けてきた夢〉だったからだという。
〈現在生きている人で、私ほど戦争と、それが引き起こす破壊を経験した者はおそらく他にあるまい〉とマッカーサー。
彼が戦争を嫌悪する気持ちを吐露すると、幣原は──。
〈私がそういう趣旨のことを語ると、こんどは幣原氏がびっくりした。
氏はよほどおどろいたらしく、私の事務所を出る時には感きわまるといった風情で、顔を涙でくしゃくしゃにしながら、私の方を向いて「世界は私たちを非現実的な夢想家と笑いあざけるかもしれない。
しかし、百年後には私たちは予言者と呼ばれますよ」といった。〉(前掲・『マッカーサー大戦回顧録』より)

 果たして、このふたりだけの“会合”から70年。
それは、この国が、直接的に戦争に参加し、それによって人を殺すことも、殺されることもなかった70年である。
それだけは、確実に言える。
 だが、これからは分からない。
安倍首相は9条の解釈改憲ではあきたらず、いよいよ明確に“軍隊による殺戮”を合憲化しようとしている。
戦争当事者である幣原とマッカーサーは、この日本の現状をどう思うだろうか。残念ながらもう、彼らに訊ねる術はない。
                              (宮島みつや)
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(8) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする