2016年02月15日

ディズニーR、顧客満足度低下が深刻

小石川シンイチのマル裏経済学 
ディズニーR、
顧客満足度低下が深刻
  露骨な金儲け主義、
  客入れ過ぎで長蛇の列
2016.02.14 Business Journal

 東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドは2月8日、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの入園料金を4月1日から値上げすると発表した。


 今回の値上げは、「パスポート」と呼ぶ入園券15種のうち13種が対象。
1日券は大人(18歳以上)を現行より500円高い7400円とし、中人(12〜17歳)は400円高い6400円、小人(4〜11歳)は300円高い4800円にする。

団体向けや1年間有効の年間パスポートも値上げする。
大人の1日券は2年連続の値上げで、14年の消費増税前から2年で1200円値上がりすることになる。

 オリエンタルランドは「今後も、テーマパーク価値向上により創出されたキャッシュを、ハード、ソフトの両面に投資し、更なるクオリティの向上を図ることで、ここだけでしか体験することができない魅力に満ち溢れた世界で唯一のテーマリゾートを目指し、更なる成長をしてまいります」としている。

顧客満足度が急落するTDR

 そんなオリエンタルランドに関して1月、ある記事が大きな話題となった。
『「夢の国」東京ディズニーリゾートに異変の兆し』と題してYOMIURI ONLINEに小川孔輔・法政大学経営大学院教授が寄稿したものだ。

 サービス産業生産性協議会が実施している日本の小売サービス業32業種・上位企業約400社を対象にした日本最大規模の消費者調査がある。
著者の小川氏が改善・運営委員会の座長を務めるこの調査において、2009年以来顧客満足度(CS)ランキングのトップを劇団四季と争ってきたTDRがトップ10にも入らなかったのだ。

「TDRの顧客満足度に異変が起こったのは、2014年度からだ。
原因のひとつは、入園料の値上げではないかと言われている。
(略)2013年までCSトップのTDRは、知覚価値とロイヤルティーでも上位に位置していた。
ところが、2014年からは、顧客満足と同様に、両方の指標とも低下している。

2014年の入園料値上げにより、TDRのお値頃感が低下してCSが下がったことを推測させる。
なお、同じく値上げを実施したUSJやハウステンボスも知覚価値が低下している」(同記事より)
 小川氏は、TDRのCS低下は値上げ以外に「顧客サービスに対する感動と失望の変化」も要因にあると指摘する。

サービス業では、長期的に顧客満足度を高める要因として、サービスが提供される場(舞台)で顧客が感じる感動(ポジティブ)と失望(ネガティブ)が重要である。
(略)データ分析から重要なことを指摘しておきたい。
それは、サービス施設全体について、2014年から落ち込みの目立つ指標があることだ。
『一緒にいる顧客のマナーの悪さ』に関する指標である。
(略)『一緒の顧客が不快だと思う人』が増えてくると、リピート(再来訪)にマイナスの影響が及ぶことが知られている。

本家ディズニーが開業以来掲げている基本コンセプトは、『雰囲気の良さ』と『清潔と安全』である。
データを見る限りでは、ブランドの基本価値を壊しかねない、ゆゆしき事態が進行している様子がうかがえる」(同)

 売上高を上げようとするがために、いわゆる「ゲスト(顧客)入れすぎ」問題がある。
「売上高=客単価×総客数」が売上高の公式だが、入園料金を上げれば客単価が上がり、ゲストを入れるほど総客数が増える。

TDRは余りにも多くのゲストを招き入れているため、アトラクションのみならず、飲食店やトイレに至るまで園内のあらゆる場所で長い行列が生じている。
 また、ゲストは日本人とは限らない。
円安の影響で外国人旅行客も多くなっており、彼らは集団で行動することから、ディズニーマジックに酔いしれるために来園している多くの日本人客のノリに馴染まないこともあるだろう。

そうなると、心の底から楽しめるはずもない。
雰囲気が悪いうえに入園料金が高いとなったら、リピートしようとは思わなくなるだろう。
リピート率が落ちれば、総客数が減り売上高も落ちることになる。

未成年にも酒を販売して売り上げ確保?

 そのような総客数の減少を補うためか、客単価を上げようと必死になっている。
入園料の値上げだけではなく、「ゲストに酒を売りすぎ」との指摘もそのひとつだ。
オリエンタルランドでアルバイトをしていたという学生は、このように明かす。
「東京ディズニーシー内ではアルコール飲料が販売されますが、学生服のゲストに対して年齢確認を行わずに酒を販売することも平気で行われています」
未成年が飲酒や喫煙をしていても注意することはほとんどなく、そのようなときは雰囲気が悪くなります。
学生服などを着ているゲストでも、最近は仮装をしている場合もあるため年齢確認をしづらい空気になっており、確実に未成年だとわかる場合のみ確認をしているのが現状です」

 非正規雇用のキャスト(従業員)で構成される労働組合のオリエンタルランド・ユニオンも、このように問題視する。
東京ディズニーシーはアルコールを販売するにもかかわらず、年齢や自動車を運転してきていないかという確認を基本的にしないそうです。
また、東京ディズニーランドでも最近は飲食物を持ち込む人が多く、学生服で缶ビールを飲んでいる若者が続出しているそうです。

オリエンタルランドは従業員のコストカットを続けていて、現場のキャストたちはギリギリで回しているために、そこまで対応が行き渡らない。
さらに、面倒を避けたいリーダーや社員も見て見ぬふりをして注意しません。
一方で、入園の際には学生証を提示させ、3歳以下の子供にも直接年齢を聞いています」

 アルコールを求めるゲストには売り上げ確保のために酒を飲ませ、身分証のチェックはしない。
身分証をチェックするのは入場料を割り引きする時だけなのだ。
 アルコールを飲むことで大騒ぎするグループがいても止めないのであれば、ファミリーやカップルは離れていくだろう。

オリエンタルランド・ユニオンは、こう嘆く。
「今回の値上げで、キャストの待遇が良くなることを期待します。
最近でも、ディズニーシーで昼間に行っていた水上ショー(『レジェンド・オブ・ミシカ』)が終了し、後継のショーもなく、スタッフは雇い止めされています。

コストカットはいまだ収まる気配がありません」
 ディズニーランドの創立者であるウォルト・ディズニーは、「家族みんなが楽しめる場所」というのが計画の始まりだったと語っているが、ディズニーランドは「夢の国」ではなく「お金の国」になってしまったのか。
     (文=小石川シンイチ)
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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