2016年03月01日

野党共闘によって存在感が増している共産党

「民・維合流」で漁夫の利を得るのは共産党だ
野党共闘によって存在感が増している
東洋経済オンライン 2016年02月29日掲載
安積 明子 :ジャーナリスト

民主党の岡田克也代表と維新の党の松野頼久代表は2月26日、両党が3月に合流することを正式に合意した。
午後の党首会談の後、松野代表は満足そうに、「我々の思い通りに行った」と周囲に話したという。
しかし、実際は岡田氏や松野氏の思い通りに進んでいるわけではない。
、野党共闘を、文字通り「思い通り」に主導しているのは、日本共産党である

■野党共闘へ緻密な計算

「2月19日の野党5党首の合意は、情勢の前向きの大激動を作りつつある」
2月25日に開かれた共産党委員長の定例会見は、志位和夫委員長の自信を込めたこの言葉から始まった。
「23日から開始された書記局長・幹事長会談は、いいスタートをきれたと思う。
まずは安保法制廃止と閣議決定の撤回を共通の選挙公約とすることが確認され、政権問題についても協議することが確認され、安保法制以外のさまざまな政策課題についても一致点を探る協議を行うことが確認された」

志位委員長はさらに、「32の1人区の全てで野党共闘が成立し、自公に打ち勝つ体制を作りたい」と述べている。
まさに野党共闘は、志位委員長が昨年9月に提唱した「国民連合政府」そのものの構図となりつつあるのだ。

ここに至るさまざまな段階で共産党のち密な計算が見てとれる。
まずは「国民連合政府構想」の発表のタイミングだ。

志位委員長が国民連合政府構想をぶちあげたのは昨年9月19日で、参院本会議で安保法案が可決され、安保法制が成立したその日である。
そして次期参院選で1人区の候補の原則取り下げを発表したのは、民主党の岡田代表と維新の党の松野代表が合流を決定した2月22日だった。
いずれも野党共闘を共産党がリードしているかのような印象を与えるタイミングだ。

この「1人区原則取り下げ」は共産党にとって大きな目玉としたかったようで、志位委員長はわざわざ党本部で会見を開いている。
日経新聞は2月12日の朝刊ですっぱ抜いたが、小池晃政策委員長が同日の会見で、「このような事実はない」と否定。
日本共産党中央委員会の植木俊雄広報部長が日経新聞社を訪れ、抗議するとともに訂正を申し入れている。

ただこうした厳しい姿勢は「極秘にしていたことを報道機関に抜かれた」という腹立たしさよりも、「話題作りのひとつ」と解するべきかもしれない。
少なくとも共産党の一挙手一投足は、メディアの注目を集めている。

共産党の議席はどうなるのか

それにしても1人区の独自候補の多くを取り下げて、共産党は議席数を減少させないのか。
共産党は組織政党ゆえに比例区選出の議員が多いが、彼らの票を支えるのは選挙区の票だ。
選挙区で候補を立てるか立てないかで、その地域での党名の浸透度が異なり、票数に影響する可能性があるからだ。

だが近時の共産党の躍進で、それを埋めて余りある効果が期待できるとも見てとれる。
共産党は複数区で独自候補を擁立するが、2013年の参院選で議席を獲得した東京、大阪、京都の各選挙区では確実、神奈川、埼玉、愛知の各選挙区でも有望と見られている。

さらに注目すべきは、香川県選挙区だ。 共産党は県常任委員で青年学生対策部長の田辺健一氏を公認。
若さをアピールする34歳の候補擁立は、東京都選挙区の吉良佳子氏、大阪府選挙区の辰巳孝太郎氏を当選させた2013年の参院選の戦略そのものといえる。
しかし田辺氏の場合、吉良氏や辰巳氏の場合よりも積極的な「攻め」に出ている。

現在のところ香川県選挙区では、民主党の公認候補は不在のままだ。
それを奇貨として、田辺氏は県内の連合組織を訪問という「電撃戦略」に打って出た。
共産党の候補が連合の組織に挨拶に行くのは前例がない。
これには民主党の関係者は驚愕したが、「挨拶に来たいという連絡があった。挨拶に来るというのだから断る理由はなかった」と受け入れたという。

これを機に、共産党は次期衆院選でも野党共闘によるいっそうの飛躍を狙っている。
25日の会見で、志位委員長はこう言っている。
「まずは1人区での選挙協力をきちんとした上で、衆院の選挙協力をやっていきたい」
そのやり方は、「総選挙においては、一定のギブ&テイクの原則で選挙協力」するとした上で、「直近の国政選挙の比例区代表の得票数を基準」とする。

狙いは穀田恵二国会対策委員長の京都1区だ。
2014年の衆院選では84歳(当時)の不破哲三共産党前中央委員会議長が演説を行い、穀田氏は5万3379票を獲得した。
共産党の最重点区である。対抗馬は自民党の伊吹文明前衆院議長だが、伊吹氏と同じ二階派所属だった京都3区の宮崎謙介氏が女性タレントとの不倫発覚で議員辞職したため、自民党は補選に候補も立てられない状態だ。

共産党はさらに、生活の党と山本太郎となかまたち(以下、生活の党)や社民党とのパイプも太くしつつある。
私たち日本共産党が社会民主党の大会にご招待いただき挨拶するのは、日本社会党時代を含めて今日が歴史上初めてのこととなりました。
大変嬉しく、また光栄に存じます。
これからますます親しくお付き合いさせていただきたいと思います

社民党定期大会で起きたこと

2月20日に都内で開かれた第15回社民党定期大会で、志位委員長は満面の笑みをうかべてこう挨拶した。
会場からは明るい笑い声と拍手が沸き起こった。
この大会に来賓として出席したのは、民主党から枝野幸男幹事長と維新の党からは今井雅人幹事長。
だが共産党からは志位委員長と生活の党からは小沢一郎共同代表が出席し、社民党との連携に対する意気込みの強さを見せつけた。

さらに会場ではこんな光景も見られた。
来賓として招かれた志位委員長は小沢代表の隣に座っていたが、志位委員長に続き挨拶することになっていた小沢代表が、演説台に向かおうとした時に志位委員長の肩をぽんと叩いたのである
これを見た共産党関係者はこう述べた。
「あれは小沢代表から志位委員長への親しみを込めたメッセージだ」
実際にその隣の席にいた維新・今井幹事長の肩には触れてはいない。

小沢代表が提唱する「オリーブの木構想」は共産党をも含むもので、「国民連合政府構想」と重なるところが多い。
さらにいえば、こうした構想は1998年から存在した。
その中心になったのが小沢代表と不破氏。

小沢代表と不破氏は1969年初当選の同期で、交流があったという。
民主党と維新の党が作る新党に、社民党や生活は呼びかけられているが、共産党は呼びかけられていない。
それでも、野党再編の重要な黒子の役割を共産党は果たすだろう。
党名も変えず、綱領も変えず、議席だけを増やせるのなら、共産党がその恩恵を一番受けることになるはずだ。
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認知症男性JR事故死、家族側が逆転勝訴 最高裁

認知症男性JR事故死
家族側が逆転勝訴 最高裁
毎日新聞2016年3月1日15時08分

 愛知県大府市で認知症の男性(当時91歳)が1人で外出して列車にはねられ死亡した事故を巡り、JR東海が家族に約720万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は1日、男性の家族に賠償を命じた2審判決を破棄し、JR東海側の請求を棄却した。
家族側の逆転勝訴が確定した。

 事故は2007年に発生。
男性が列車にはねられた事故で、JR東海が「電車に遅れが出た」として同居の妻や首都圏に住んでいた長男らに約720万円の支払いを求めた。

 民法は、責任能力のない人が第三者に損害を与えた場合、代わりに親などの監督義務者が責任を負うとする一方、監督義務を怠らなければ例外的に免責されると定めている。
 1審・名古屋地裁は長男を事実上の監督者と判断し、妻の責任も認定。
2人に全額の支払いを命じた。
一方、2審・名古屋高裁は長男の監督義務を否定したものの「同居する妻は原則として監督義務を負う」として、妻には約360万円の賠償責任があると判断。
JR側と家族側の双方が上告していた。
            【山本将克】
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2016年03月02日

救急車の到着時間が年々遅くなっている! 救急搬送される前に私たちにもできること

連載「死の真実が“生”を処方する」
救急車の到着時間が
            年々遅くなっている!
救急搬送される前に
          私たちにもできること
      2016.03.01.ヘルスプレス

一般的に救急車を呼ぶと、適切な応急措置が施され、適切な医療機関に搬送されると理解されています。
しかし、平成24年11月に総務省が公表した資料に、驚くべき数字がありました。

 救急車を要請(覚知)してから到着までの平均時間は、平成23年で8.2分という結果だったのです。
 平成13年は、平均で6.2分ですから、到着までの時間が年々遅くなっているのです。
それに伴って、病院へ収容されるまでの時間も、平成13年には28.5分でしたが、平成23年には38.1分と年々長くかかるようになっています。

 たとえば、心肺停止状態に陥った時、数分間、脳に血液が流れなければ脳死状態になり、社会復帰は不可能になります。
また、外傷で出血した場合には、一刻も早く出血を止める必要があります。
救急車だけに頼っていては命を救うことはできません。

国民の力で助かった

 一般の人による応急手当てが有効であるというデータがあります。
 平成23年にわが国では、約12万7000人が心肺停止状態で救急搬送されました。
そのうち、救急隊が到着する以前に、何らかの応急手当てがなされた人のうち、1カ月後に生存していた人の割合は6.2%でした。
しかし、応急手当てがなされていなかった人では5.1%と低いことが分かりました。

 これは、あらゆる原因の心肺停止者を対象としています。
したがって、救命不可能な激しい損傷を負っていたり、倒れた瞬間の目撃者がいないため、状況が明らかでない例を含まれています。

 そこで、心臓が原因で心肺停止状態になり、かつ倒れた瞬間の目撃者がある例に限ってみます。
すると、応急処置を受けていた人は、1カ月後に14.2%の人が生存していましたが、応急処置を受けていなかった人は8.6%という結果でした。
 救急車が到着するまでの間の応急措置が、いかに大事であるかが分かります。

どのくらいの人が
           応急措置ができるか?

 皆さんは、倒れた人を前に、適切な手当てができるでしょうか。
もちろん、救急隊、看護師、医師のような専門職者ではありませんので、突然目の前の人が倒れたら誰でも動揺してしまいます。
 私は一昨年に、ある大学の学生たち(医療系の学生ではありません)に、「目の前で人が倒れたことがあったか」と調査をしました。
すると、22.6%の人が「あった」と回答しました。

 さらに、その時、「救護をしたか」と尋ねたところ、「救護した」と答えた人は39.1%でした。
「救護しなかった」と答えた人の多くは、「したかったけれど、怖くてできなかった」と回答していました。
39%という数字は、現在の日本の現状をよく反映しています。

 先の総務省の統計によると、搬送されたすべての心肺停止者のうち、応急手当が実施されていた人の割合は43.0%(平成23年)だからです。
 かつて、ある先生が、心肺停止状熊に陥った人の家族に対して、「家族が倒れた時に心臓マッサージをしたか」というアンケート調査を実施したところ、心臓マッサージをしたのは26%でした。
家族が倒れた時でも、適切な応急手当をしていない現状もあるのです。

国民の力が徐々に強くなる

 助けたいけれど怖くて応急手当てができない。
これが多くの人の本音だと思います。
しかし、年々、勇気を出して応急手当てをしてくださる人は増えています。
心肺停止の人が目の前にいる時は、まず通報(119番)することが大事ですが、救急隊到着までの間に胸を押せば良いのです
(胸骨圧迫心臓マッサージ、1分間に100回のペース)。    

AED(自動体外式除細助器)は現在、多くの公共施設などに設置されていますが、心肺停止になった大に対して早期に作動することで、心室細動という致命的な不整脈から救うことができます。
ADEを一般の人が使用した例は、平成17年は92件でしたが、平成23年には1433件になりました。

国民に啓蒙を

 たとえば、事件が発生した場合。
犯人逮捕のために、ビラをまいたり、報道によって情報提供を呼び掛けるなどの地道な啓蒙活助は重要です。
それと同じように、「人の命を助けるためには国民の力が必要です」というような啓蒙活動も行われることを願います。

 米国の学校では、地城の救急関連諸機関との連携を考慮した緊急事熊の行動計画が策定されています。
そこには、学校内で心肺蘇生の訓練を行うことを含まれています。
冒頭でお話ししたように、国民ひとりひとりの意識高揚はもちろんのこと、救命のために地域と連携する必要があると思います。
 先日、私が娘を連れてスポーツ観戦に行った時、会場の片隅で日本赤十字社の方が救命法(心臓マッサージ)を啓蒙していました。
このような地道な地域連携こそが重要だと痛感しました。
私はその場で、娘に救命法を学ばせました。
私の命を救ってもらうために……。

一杉正仁(ひとすぎ・まさひと)
滋賀医科大学社会医学講座(法医学)教授。
厚生労働省死体解剖資格認定医、日本法医学会法医認定医、専門は外因死の予防医学、交通外傷分析、血栓症突然死の病態解析。
東京慈恵会医科大学卒業後、内科医として研修。
東京慈恵会医科大学大学院医学研究科博士課程(社会医学系法医学)を修了。
獨協医科大学法医学講座准教授などを経て現職。
1999〜2014年、警視庁嘱託警察医、栃木県警察本部嘱託警察医として、数多くの司法解剖や死因究明に携わる。日本交通科学学会(理事)、日本法医学会、日本犯罪学会(ともに評議員)など。
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認知症事故訴訟 介護の「過酷さ知って」 誰もが可能性…終わり見えぬ現場

認知症事故訴訟 
介護の「過酷さ知って」
 誰もが可能性…
   終わり見えぬ現場 
産経新聞 3月2日(水)7時55分配信

 ■家族の会「がんばりに敬意」

 責任能力がない認知症男性=当時(91)=が徘徊(はいかい)し電車にはねられた事故。
1日の最高裁判決は、自らも介護認定を受けながら男性の介護を続けていた妻に、賠償責任はないとの判断を示した。
「介護の実態が伝わった」。

高齢者の介護を続ける人々からは喜びの声が上がる一方、判決は介護の現場が抱える課題も浮き彫りに。
高齢化が進む中、誰もが直面する可能性がある認知症介護のあり方に一石が投じられた。

 「介護の大変さ、認知症の実態を知ってほしいと訴えてきた。それが通じたのだと思う」。
公益社団法人「認知症の人と家族の会」(京都市)代表理事の高見国生(くにお)さん(72)は判決後会見に臨み、「本当に良かった」と涙を浮かべた。
 「防ぎきれないものを家族の責任にするのは絶対に認められないと思ってきた」と高見さん。

妻の責任を認めた高裁判決後、死亡した男性の長男(65)から「(2審)判決を残したら、全国で介護しているみなさんに申し訳ない」と言われたと明かし、「がんばってくれたことに敬意を表している。本当に立派だ」とねぎらった。

 徘徊した高齢者が踏切などから線路内に侵入し、発生する事故は今後も起こりうる。
 高見さんは「家族に損害賠償を求めるのは間違っているが、鉄道会社側が損害を負担するのもよくない」と指摘。
全額公費での社会的な救済制度をつくるべきだ」と提言した。                          □  □  □  
介護の現場も今回の判決を注目していた。
 「当たり前の判決。責任問題になること自体、理解がない」。
こう憤る宇都宮市の無職、長野洋さん(70)は、5年前に若年性アルツハイマー病と診断された妻、静江さん(66)の介護を続けている。
 静江さんは現在、「要介護3」の認定。
40年間にわたって住んでいる自宅から約50メートル離れたゴミ置き場に行ったまま戻れなかったり、家の中でトイレが分からなくなったりする。
常に隣にいるよう心がけているが、今回の被告同様、ふと居眠りしてしまうことも。
「終わりの見えない介護の過酷さを分かっていない」と理解を求めた。

 「今回の被告家族はJR東海からスケープゴートに選ばれたような感じがしていた」と話すのは、横浜市港北区の小林俊一さん(75)だ。
認知症を患った妻(69)を6年前まで介護してきた経験を持つ。
 「道路を車が通過する数秒間だけしか目を離してないのに、どこかに行ってしまう」。
外出時には、常に妻の手をつないで歩いた。
「夫婦仲がいいね」。
周囲からはやし立てられると、笑顔を浮かべて対応したが「そんなんじゃないんだ」と心の中で毒づいた。
 その後、小林さん自身ががんになり、妻は特別養護老人ホームに入所。
約7年間の介護の日々は終わり、今は毎日ホームに通う。
 今回の判決を歓迎するものの、「現在の認知症介護は『老老介護』がほとんど。
現状が変わらない限り、同種の裁判は続くのでは」と懸念も示した。                           □  □  □
 一方、アルツハイマー型認知症の母、貴恵さん(78)を自宅で介護する千葉県市原市の無職、上原佐恵子さん(45)は、「介護者の健康状況など条件つきの判決で、全ての患者家族が安心できる内容ではない」と、判決に複雑な思いを吐露する。
 介護の現場では若く体力のある人でも、認知症患者を常に見張るのは無理がある。
患者も家族も、そうした立場になりたくてなったわけではない。
先の見えない介護で精神的に追い詰められる中、高額な損害賠償を求められたら行き場を失ってしまう」。
こう話す上原さんは、改めて周囲の理解や支えが欠かせない家族の実情を訴えた。
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2016年03月03日

「不安の先取り」も大事

香山リカのココロの万華鏡 
「不安の先取り」も大事
毎日新聞2016年3月1日 東京版

 3月になると増えるのが、「転勤や引っ越しが心配」という相談だ。
もちろん、早々に転勤が決まり、「新しいところでやっていけるか」と悩んでいる人もいるが、もっと多いのが「転勤になったらどうしよう」とまだ決定していないのに不安になっている人だ。
 時としては、すでに決まったことよりも、「もしそうなったら」とこれから起きるかもしれないことのほうが、私たちの心を悩ませる。
こういった「不安の先取り」のことを、精神医学では「予期不安」と呼ぶ。

いざとなったらハラをくくってがんばれる人も、予期不安の段階では「いつそうなるのか」「もしなったらどうしよう」と、オロオロしたりソワソワしたり。

 私は、そういう人たちにこんな話をすることがある。
それは予期不安というものですね。
いいでしょう、いまの段階でじっくり予行演習しておいてください。
そうすると実際にそうなったとき“なんだ、予想よりずっとラクじゃないか”と、うまく対処できることが多いんですよ

 すると、たいていの人は
「えっ、取り越し苦労は意味がない、と言われるかと思った」
「この不安の先取りを消してくれるんじゃないですか」と拍子抜けした顔をする。

私はここぞとばかりに「いえいえ、むしろ徹底的に悪い予想のほうがいいですよ。
そうだ、ここでやってみましょう」と促して話してもらう。
 「えーと、突然、異動を命じられて、それもまったく行きたくない離島の支社で、行ってみるとまわりに映画館もコンビニもなくて……。
結局、休みの日は釣りをするしかない」

 ほとんど人は「できるだけ“悪い予想”をして」と言われても、実際にやってみるとそれほどひどい話はできないようだ。
そして、その悪い予想の中にも、何か楽しみや希望を見つけることになる。
人間って、本質的には楽観主義にできているんじゃないか、とときどき思う。
 もちろん、望まない転勤でがっかりする人、住み慣れた町から離れるのがつらい人もいるだろう。
しかし、どんな失望や悲しみの中でも、私たちは必ず何かひとつは得になること、楽しいことを見つけ出す力を持っている。
「転勤はいやだな」という話のはずが、いつの間にか「釣りができる」にかわっていった人は、結局、異動にならなかった。
彼がその報告に来た診察室でぽつり。
「本当はちょっぴり転勤したい気持ちになっていたのに、残念!」
          (精神科医)
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2016年03月04日

忘れないために生きる=近藤勝重

しあわせのトンボ
忘れないために生きる=近藤勝重
毎日新聞2016年3月3日 東京夕刊

 自分に正直に生きたい。
よく聞く言葉だが、ぼく自身はとてもそんなことは言えない。
正直に生きたらどうなっていたかと思うと、ぞっとする。

しかし何のために生きているのか、と自問して、生きるために生きようと思った時期がある。50すぎ、がんを患って以後のことだ。
 当時「サンデー毎日」の編集長だったが、続行したいという思いもかなわず、何くその気概があったのだろう、1年後、みんなと夕刊編集部をスタートさせ、新聞と雑誌の中間を行くデーリーマガジンを目指した。

 今は客員編集委員としてコラムなどを書いているが、そんな自分が年をとってなお、何のために生きているのかと問うて、案外すっと答えが出たのには驚いた。
 忘れてはならないことを忘れないためにも生きよう。

 ある種、義務めいた答えが浮かんだわけだ。
何より忘れてならないのは、この国が戦争で信じられないほど多くの犠牲者を出し、あやまちを二度と繰り返すまいと新憲法で「戦争の放棄」を誓ったことである。
ぼくらは当たり前の誓いと思って戦後を生きてきたが、現政権はその隙(すき)を突くかのように集団的自衛権の行使ができる、すなわち戦争の可能な安保関連法を成立させた。
そこまでやるかの思いと同時に、自分らが護憲のために、さして何もしてこなかったという自責の念にかられたのも確かだった。

 忘れてはならないと思うことで大切なもう一つは、である。
村上春樹氏は「3・11」の原発事故から3カ月後、スペインのカタルーニャ国際賞の受賞スピーチで、我々日本人は歴史上唯一、核爆弾を投下された経験を持つ国民なのに、いつしか核への拒否感をまひさせ、地震の多い狭い日本が、世界で3番目に原子炉の多い国になっていたと現状を憂い、日本人は核に対する「ノー」を叫び続けるべきだった、と述べている
同感だ。
氏が核発電所と呼ぶ原発は次々と再稼働し、あろうことか、本来、40年で廃炉に向かうべきものまで動き出そうとしている。
 人間は忘れるから生きていけるんだ、という人がいる。そうかもしれない。
ただし、それがこの国どころか、地球に人が住めるかどうかに関わる問題だとしたら、決して忘れてはならないだろう。
               (客員編集委員)
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2016年03月05日

セルフネグレクト…心身の病 ごみ屋敷の原因

こころ元気塾
セルフネグレクト…
心身の病 ごみ屋敷の原因
2016年3月3日 読売新聞

背景に高齢、孤立化

家の内外にごみをため込んで近隣住民に迷惑をかける「ごみ屋敷」が各地で問題になっている。

自分自身の心や体の健康を守れなくなるセルフネグレクトが原因とされ、認知症や心の病などが背景となることもあるという。
医療や介護などの支援につなげる試みも始まっている。(野村昌玄)

 東京都北区の住宅街にある2階建ての一軒家。
近隣から集めた廃品類が周囲に置かれ、開けっ放しの1階窓からは衣類や段ボールがあふれ出しそうだ。

 昨年末まで、72歳の男性が独り暮らしをしていた。
廃品類は一時路上も占拠し、苦情を受けた区の地域包括支援センターが1年近く話し合ってきたが、男性は徘徊して廃品を運び続けた。
周辺住民への暴言もエスカレートしていた。

 同センターの連絡を受けた区内の開業医の河村雅明さん(61)は昨年6月、職員とともに男性を訪問した。
髪の毛はぼさぼさで、服も長期間洗っていないのが一目で分かる。
典型的なセルフネグレクトの状態だった。
 「周りは文句を言うが、ごみではない」と繰り返す男性は、支給される年金の管理ができず、電気やガスなどは止められていた。
後日受診した男性から改めて話を聞き、河村さんは精神疾患と認知症があると診断した。
男性はその後、区内の病院に入院。
成年後見制度の手続きが終われば、家屋やごみの処分の方針が決まるという。

 北区は2012年度から、認知症患者の在宅診療に携わる地元医師を非常勤職員にする制度を作り、現在は5人が登録されている。
同センターの要請で問題を抱える高齢者を訪ね、治療や老人福祉施設への入所などの必要性を見極める。
河村さんもその一人だ。
区の担当者は「経済的な理由で受診をためらっていたり、病気の自覚がなかったりする人を早い段階で支援できる」と説明する。

 北区の高齢化率は東京23区で最も高い25%。
高度経済成長期に上京した地方出身者の多い公営団地も抱える。
地縁血縁が薄く、夫婦のいずれかが先立ち孤立する人も少なくない。
セルフネグレクト状態の患者の診療もする河村さんは「行政だけでは解決が難しいケースも多く、医師が関わることが必要だ」と話す。

 「ごみ屋敷」の問題では、東京都足立区や京都市などは、ごみを強制的に撤去できる条例を制定。
東京都世田谷区が今年4月に施行を予定する条例では、医師や社会福祉士らが居住者に接触し、健康状態に応じた医療支援を目指す。
 ただ、原因となるセルフネグレクトへの対応が不十分だと、元通りになる恐れもある。

 この問題に詳しい東邦大教授の岸恵美子さんによると、近隣とのトラブルを繰り返すようなら、認知や判断能力の低下によるセルフネグレクトの可能性もあり、医療や介護などの早急な支援が重要だ。
一方で、当事者に接触しても、医療機関への受診や介護サービスを拒まれ、必要な対策につなげられないことも少なくないという。
 岸さんは「高齢化や孤立化が進み、セルフネグレクトは誰の身近にも起こり得る問題。
自治体の条例頼みではなく、国も法整備を急ぐべきだ」と話す。

 セルフネグレクト
自分を大切にしなかったり、大切にできなくなったりすること。
認知症などの病気による判断能力の低下や、社会的孤立、貧困などで、健康管理ができず、ごみをため込んだり、極端に不潔な状態になっていたりする。
内閣府の2011年の推計によると、こうした高齢者は全国で最大約1万2000人にのぼる。
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2016年03月06日

最新「ゼロクリック詐欺」の傾向と対策

最新「ゼロクリック詐欺」
傾向と対策
2016年3月5日(土)R25スマホ情報局

ここ数年「ワンクリック詐欺」がスマホユーザーを脅かしている。
メールなどに添付されたURL(リンク)をクリックすると、身に覚えのない請求画面が急に表示される詐欺商法だが、これを上回る手口の「ゼロクリック詐欺」が、今年流行の兆しを見せているという。

いったいどんな手口なのか?
 セキュリティソフト「ノートン」シリーズを提供するシマンテックで、セキュリティレスポンスシニアマネージャを務める浜田譲治氏に話を伺った。
ゼロクリック詐欺は、webページが1秒程度表示された後、急に“料金が発生した”と伝えるポップアップ画面が表示されます(実は、1秒程度表示されるwebページには料金に関する文言が書かれている)。
ポップアップ画面には“電話を促す”表示がされており、不用意に電話してしまうと支払いを強要されてしまうんです」

従来のワンクリック詐欺では、「18歳以上ですか? はい/いいえ」といった確認画面に、目立たないように料金発生の文面を記載することで、課金についても承諾したように思わせる仕掛けが施されていた。

しかし、ゼロクリック詐欺は、ユーザーに“ほぼ”料金発生の文面を見せることなく、いきなり“架空請求”してくるわけだ。
「悪質なものだと、ポップアップ画面が閉じられず、ブラウザを操作できなくなる場合もあります。
ポップアップ画面を操作すると、一瞬操作が可能になるので、その間にブラウザのタブを閉じるという手もありますが、操作の難易度がかなり高いです。
この場合は、一度ブラウザのキャッシュを削除するのが良いでしょう。
ブラウザ上の過去情報が消去することで、ポップアップを閉じることができます」

キャッシュの削除方法はOSとブラウザによって異なる。
iPhoneのSafariであれば、「設定」→「Safari」→「履歴とWebサイトデータを削除」と操作。
AndroidのChromeであれば、「設定」→「アプリ」→「Chrome」→「キャッシュを削除」と操作する(ただし、Androidの場合は機種とバージョンによって操作に多少違いがある)。

「ゼロクリック詐欺は現在、スマホ版のアダルト動画の情報サイトでのみ発見されています。
しかし、手口を真似するサイトも出てきており、今後様々なサイトで、ゼロクリック詐欺が横行するかもしれません」

なお、ゼロクリック詐欺は従来と同じように、何かのリンクをクリックすることが“入り口”。
対策としては悪質なサイトをブロックするセキュリティアプリをインストールすることが肝要だという。
それでも、架空請求のポップアップ画面が表示されたら、決して電話をかけることなく、落ち着いてキャッシュ削除の操作を行いたい。
(丸田鉄平/H14)
【関連リンク】
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2016年03月07日

マイナンバー多難 制度運用2カ月 障害頻発

マイナンバー 多難 
制度運用2カ月 
障害頻発、カード交付遅れ
毎日新聞2016年3月6日 東京朝刊

 マイナンバー(社会保障と税の共通番号)制度の運用が今年1月に始まって2カ月がたった。

顔写真付きの「個人番号カード」(マイナンバーカード)の申請数が890万枚に達する一方で、カード作製を担う地方公共団体情報システム機構でシステム障害が相次ぎ発生し、カードの交付には遅れも生じている。
マイナンバーの登録が必要になった証券口座の開設でも一部混乱が起きている。
               【横田恵美】

 総務省によると、昨年10月下旬以降、世帯別に送付された通知カード5866万通のうち約1割が配達できずに各自治体に戻った。
その後自治体が未配達先にハガキで通知したり、簡易書留で再送したりした結果、各自治体に残る通知書は240万通(全体の4・1%、2月26日現在)に減った。

 一方、希望すれば交付されるマイナンバーカードの申請数は、3月2日現在で890万枚。
このうち581万枚が自治体に発送ずみで、91万枚は住民に交付されている。
 カードの交付数が申請数の約1割にとどまるのは、情報システム機構のシステム障害の影響が大きい。

障害の発生は機構が発表しただけでも1月以降7回。
パスワードの設定など、交付のために必要な自治体側の作業ができず、住民への交付作業は遅れがちだ。
障害がない日でも、「システムの画面が重く、よく固まる」(東京23区の担当者)との苦情は多い。

 株式取引では、証券口座の開設にマイナンバーの登録が必要になったことで、口座開設に手間どる投資家も出ている。
ネット証券の場合、通知カードの提示も含め、口座開設の手続きはウェブ上で完結するところが多く、最速だと3日程度で取引が始められる。
ネット証券最大手のSBI証券では、相場が荒れた1〜2月の口座開設は通常月に比べて多めだった一方、記載不備率が1月は通常月の2倍の15%に達したという。

 1月以降、生活保護や児童手当の申請にはマイナンバーの記入が必要になったが、通知カードを持たずに窓口に行く人も多い。

役所が代わりに記入するケースも出ているが、マイナンバー制度に詳しい富士通総研主席研究員の榎並利博さんは「役所任せにすると、間違って自分の情報に他人の番号が結びつく可能性もある。
自分の情報は自分できちんと管理するという意識改革が必要だ」と訴えている。
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2016年03月08日

介護保険カット 創設の理念が失われる

介護保険カット 
創設の理念が失われる
2016年3月7日 東京新聞「社説」

 介護保険サービスのさらなるカットに向けた議論が厚生労働省の審議会でスタートした。
介護を理由とする退職者をゼロにするという政府の目標にも逆行している。
受ける身になって考えるべきだ。

 財政制度等審議会(財政審)や経済財政諮問会議でこれまで、多くの給付削減策が示されている。
厚労省の審議会も、これに基づき議論を進めるとみられる。
 最大の焦点が、「要介護1、2」といった比較的、介護が必要な度合いが低い高齢者向けの掃除や洗濯、調理、買い物といった生活援助サービスの見直しだ。
現在は訪問介護サービスとして保険の対象となっている。
これを対象から外し、原則、自己負担とすることが検討される。

 要介護1、2の人は約二百万人。
中でも要介護1の中では、生活援助サービスのみの利用者が五割を超えている。
財政審は「生活援助は日常生活で通常、負担する費用」と指摘し、自己負担とすることを求めた。

現在、生活援助サービス一回の利用者負担は二百五十円程度だが、それが一気に二千五百円になることになる。
 膨張し続ける介護費用を抑制する狙いがあるが、あまりに乱暴ではないか。
生活援助サービスを受け、かろうじて自宅での生活を維持できる高齢者も多いだろう。
また、定期的なホームヘルパーの見守りが、急な症状悪化の発見につながることもある。
給付カットで家族の負担が重くなり、介護離職者が増えることも予想される。

 厚労省の審議会でも「給付を削減することで重度化のスピードを速め、介護保険財源をますます圧迫する」など慎重な対応を求める意見が相次いだ。

 このほか、昨夏から一定以上の所得者の負担が一割から二割に引き上げられたが、この対象拡大や、毎月の利用料が高額になった場合に一部が払い戻される「高額介護サービス費」の負担上限額を引き上げる案が、議論の俎上(そじょう)に載せられるとみられる。
負担の余裕がある人とそうでない人がいる。
要は、できるだけ当事者の身になって考えることだ。

 介護保険サービスの大幅カットを柱とする見直しは二〇一五年度、施行されたばかり。
改正の影響を検証せずに矢継ぎ早に給付減を打ち出せば、多くの高齢者やその家族を苦境に陥らせかねない。
 介護を家族だけに担わせず、社会全体で支え合う「介護の社会化」という当初の理念が失われかねない。
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2016年03月09日

「保育園落ちたの私だ」

香山リカのココロの万華鏡
「保育園落ちたの私だ」
毎日新聞2016年3月8日 東京版

子どもの保育園への入園を断られた母親が「何なんだよ日本。1億総活躍じゃねーのかよ」と強い口調で抗議の言葉を書いた匿名ブログが話題になった。
国会で野党議員がこれを取り上げ、「言葉は荒っぽいが、本音、本質だ」と待機児童解消や保育士の待遇改善を安倍晋三首相に迫ったところ、議員席から「誰が書いたんだよ」などのヤジが飛んだ。

首相自身は待機児童の問題は重大であることを認めながらも、「匿名である以上、実際起こっているか確認しようがない」とも述べた。

 これを受けてネットでは「保育園落ちたの私だ」というフレーズをつけてこの問題を訴える動きが急激に広がっている。
「特定の誰かのクレームではなく、みんなの問題なのだ」と共有している。
 興味深いのは、この訴えに参加しているのは、実際に子どもの入園を断られた経験を持つ母親ばかりではないことだ。

保育園に入れた人、それどころか子どもを持たない人や未婚の男性までが、「保育園落ちたの私だ」というキャッチフレーズとともに意見を述べている。
これは社会全体の問題だ、という意識のもと、立場の違いに関係なく、誰もが「これは私のこと」として発言している。

 ネット上のこの動きを見て、私は「日本の社会も本当の意味で変わってきたんだな」と感じた。
これまでは、何かの社会的な問題について発言するのは当事者や関係者という雰囲気があったと思う。
私のような精神医療の専門家が、たとえば「東京オリンピックと環境」というテーマで原稿を書くと、「専門外のことに口をはさむな」といった批判が寄せられる。
「日本に住む私にとってオリンピックは人ごとではない」と説明してもなかなか理解されなかった。

 しかし、この保育園の問題などを見ると、直接の当事者ではなくても「これは私のこと」として発言する人が確実に増えつつあることがわかる。
今後、この流れが広がっていくのだろうか。

うつ病ではない人が「うつ病なのは私だ」として心の病への差別に抗議し、大学時代の奨学金の返済で苦しんでいる若者の問題を「奨学金を返せないのは私だ」と高齢者が訴える。

こうして誰もが「人ごとではない、私のことだ」と問題をとらえ、声を上げていけるようになるのは、とてもすてきなことだ、と私は思っている。
 私にも実は子どもがいない。
でも、ここで大きな声で言わせてもらおう。「保育園落ちたの私だ」
            (精神科医)
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2016年03月10日

発熱や痛み、無理に止めると危険!

安保徹「間違いやすい医学の常識」
ケガや病気の発熱や痛み、
  無理に止めると危険!
  治らなくなる恐れも
2016.03.09 Business Journal
文=安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士

 潰瘍性大腸炎、リウマチ、気管支炎などの炎症はつらい症状です。
腫れ、発熱、痛みを伴うからです。
組織には、マクロファージや顆粒球、リンパ球が押しかけてきますし、これらの白血球やまわりの組織から炎症性物質が出されます。

特に重要な働きをしているのが、プロスタグランジンという組織ホルモンです
これのほか、炎症性サイトカインと呼ばれる物質も関与しています。

 プロスタグランジンの産生阻害剤が消炎鎮痛剤です。
アスピリン、メチルサリチル酸、エンドメサシン、ロキソプロフェンナトリウムなど種類が多く、皆さんも耳にしたことがあるでしょう。
消炎鎮痛剤はひとつの薬で、先に挙げた3つのつらい症状を止める力が強いので、消炎剤、解熱剤、痛み止めとも呼ばれています。

 腫れ、発熱、痛みを伴うものに、捻挫、霜焼け、火傷もあります。
これらの病状の共通点は組織の破壊です。
そして、この壊された組織を修復するために血流を増やしたり、発熱して代謝を亢進させたり、再び同じ組織破壊を招かないように痛んで、危険を知らせているのです
つらいからといっていつまでも局部を冷やしていると、症状は軽くなるのですが、修復する期間は延びてしまいます。
極端になると、治る機会を失ってしまいます。

 このように炎症はつらい症状を伴うことから、止めたくなるのですが、治るためのステップとして起こっているので止め過ぎるのは問題です。
霜焼けをもう一度冷やす人はいないし、捻挫をいつまでも冷やし続ける人はいないでしょう。  先に述べた潰瘍性大腸炎、リウマチ、気管支炎でも同じことがいえます。

炎症はやはり治るためのステップなのです。
消炎鎮痛剤やステロイドや生物学的製剤であまり熱心に炎症を止めると治る機会を失います
からだのほうも、治りたいので炎症を繰り返すことになります。
この辺の理解が現代医学に必要なことでしょう。

わざわざ発熱を起こしている

 炎症と発熱をつくるためのエネルギーは、細胞内小器官であるミトコンドリアでつくられています。
人間は真核生物として進化、発展をしてきましたが、真核生物ゆえの組織修復過程が炎症ということができます。

 もう少し真核生物の特徴を述べると、嫌気的(無酸素)解糖系生命体に好気的ミトコンドリアが共生して誕生したのが真核生物です。
このため真核生物は、食べ物からエネルギーを取り出すのに、50%は嫌気的解糖系で、残り50%は好気的ミトコンドリア系で行っています。
ミトコンドリア系が強く働く時は発熱するのが特徴です。

 このような背景から、組織修復のための多くの反応系が発熱を伴うミトコンドリアの力に依存しているのです。
ミトコンドリアは37℃以上の高い体温で働くために、わざわざ発熱を起こしているわけです。

風邪を引いた時も発熱しますが、免疫を司るリンパ球が十分に働くためにリンパ球のミトコンドリアを活性化している反応です。
 氷で冷やしたり、湿布薬で冷やしたり、消炎鎮痛剤やステロイドで炎症を止めにかかると、一時的には楽になりますが、ミトコンドリアが働けなくなるので組織修復が抑制されるわけです。このようなメカニズムを知って我が身を守りましょう。
(文=安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士)
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万引きなし確認も修正せず=誤記録のまま推薦拒否−広島中3自殺

万引きなし確認も修正せず
=誤記録のまま推薦拒否
−広島中3自殺
2016年3月9日(水)時事通信

広島県府中町立府中緑ケ丘中学3年の男子生徒(15)が昨年12月に自殺した問題で、約2年前に同校で行われた会議で、生徒が万引きした事実がないことが確認されたのに、同校が記録を修正しなかったことが9日までに、町教育委員会などへの取材で分かった。

 同校や町教委によると、生徒が万引きしたとする誤った記録があった資料は生徒指導用で、過去の問題行動や直近に行った指導の内容が書かれ、同校職員であればアクセスできるサーバーに保存されていた。

2013年10月に同校で開かれた教諭らの会議でミスに気付いたが、サーバー上のデータは修正しなかったという。

 進路指導に関する生徒と女性担任との面談は昨年11月16日〜12月8日に計5回、教室前の廊下で行われ、担任は間違ったデータを基に「万引きがありますね」などと質問。

生徒は不明瞭な回答をしたが、担任は確認が取れたと誤認し、私立高校への学校推薦は難しいことを伝え、両親と話し合うよう指示したという。 
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2016年03月11日

「保育園落ちた」を自民党 平沢勝栄がヘイト扱い .

「保育園落ちた日本死ね」に
ヤジの平沢勝栄が
さらに「女性の文章なのか」とイチャモン!
自民党ではヘイトスピーチ扱いも
2016.03.10.LITERA(水井多賀子)

「これ、ほんとうに女性の方が書いた文章ですかね?」
「(女性が書いたとは思えないほど)日本語としてちょっと汚い」

 またしても安倍政権が馬脚を現した。
「保育園落ちた日本死ね」ブログに対し、国会で
「一体誰が書いたんだよ、それ!」とヤジを飛ばした張本人・平沢勝栄衆院議員が、本日、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)に生出演。
ヤジの言い訳を延々繰り返した挙げ句、冒頭に挙げたように、待機児童問題で怒りの声をあげている人びとを愚弄する発言を行ったのだ。

 番組を観ていない人のために、本日、平沢議員が何を語ったかを紹介しよう。
まず、平沢議員は、ヤジを飛ばしたことについて「誤解されてるから真意を説明したい」と釈明。
「ヤジを飛ばしたことには心からお詫びを申し上げたい」と言いつつ、すぐさま「ただしですね」とつづけ、ヤジの理由を滔々と説明した。
👂2/29 衆議院予算委員会(小だぬき)
 平沢議員いわく、国会質疑の前に行われた理事会で、民主党・山尾志桜里議員から「保育園落ちた日本死ね!!!」ブログの内容を記したパネルを使いたいと申し出があったが、出所が不明なものは使えないというのはルールであり、これには民主党も共産党などの野党も含むかたちで理事会の回答はNOだった。
なのに、山尾議員は国会質疑で「与党のみなさんがこれをフリップで見せてはいけないと言われた」と発言。
このことに平沢議員は怒ったのだという。

「(フリップを出すのを)止めたのは与党だけじゃない。
民主党含む野党も止めたわけ。
にもかかわらず、与党だってことで攻撃したから、わたしたちはそれは事実とは違うということで、アレしたわけ」(平沢氏)

 つまり平沢議員は、ブログ内容に噛みついたんじゃない、山尾議員の発言にヤジを飛ばしたのだ、と述べたわけだが、それがなぜ「一体誰が書いたんだよ、それ!」というヤジになるのか。

手続き上の問題を問うたと言うなら、「野党も合意しただろ!」「与党だけじゃない!」というヤジになるはずだ。
 この苦しすぎる言い訳に、玉川徹氏も「あのヤジをして何の意味があるんですか?」と尋ねたが、平沢議員は「中身を言ってるんじゃない」「だからヤジはごめんなさいって謝ってる」「予算委員会の長年のルール(を破ったからヤジを飛ばした)」の繰り返し。
ついに業を煮やした玉川氏は、平沢議員に「私が知りたいのは、なぜヤジをしたかなんです」と言い、問題の焦点を突きつけた。

「政治の堕落だと思うんですけど、長い時間かかって国会で待機児童問題ってまだ解決できてないわけですよ。
でも、お母さんたちは切羽詰まった状況です。
それなのに全然解決できていない。
誰に言ったらいい?
 市役所に言ったらいいの?
 国会に言ったらいいの? 
どっかの政党に言ったらいいの?
 誰に言っても解決できない。

『日本死ね』って言い方でしか表現できなかったんだっていうのはわかるって、(国会前に抗議のために集った)みんなおっしゃってますよ」(玉川氏)
 あのブログが共感を呼んだのは、ほかでもない、同じ思いを抱えた人たちが数多くいるからだ。
保育所に入れず職場復帰できない母親、家賃よりも高い認可外保育園に預けるしか道がない家庭、その認可外にすら入れないという現実……。

女性の活躍を声高に叫ぶ一方、何も解決しない現状に「日本死ね」という絶望の言葉が吐き出された、その意味を平沢議員は何も理解していない。

 現に、平沢議員はきょうの放送で、こう述べた。
「とくにこの『日本死ね』というのはですね、自殺とかいじめとかで使われる言葉なんで。『日本死ね』って言葉はあまりにもちょっと、子どもの教育にも影響があるんじゃないかと」
「この『なんとか死ね』っていうことに市民権を与えることがいいかどうかなんですよ」

 自分たちは汚いヤジを国会で飛ばしておいて、この言い様。
母親たちの切羽詰まった怒りをまったく理解していないばかりか、このあと平沢議員は、冒頭のように「これ、ほんとうに女性の方が書いた文章ですかね?」
「日本語としてちょっと汚いなって」と言い出したのだ。

 ようするに、平沢議員はヤジを反省するどころか、何が問題になっているかもわかっていない。
だから「表現がよくない」と問題の本質をずらし、「『死ね』なんて女は言うべきでない」などというジェンダーバイアスがかかりまくった女性差別発言が出てくるのだ。

 そもそも、待機児童問題に苦しめられているのは母親だけではなく、父親も同じ。
実際、保育所を落ちて育休を取ろうとした男性が会社をクビになったケースだって起こっている。
仮にこのブログを男性が書いていたとして何が問題なのか。
ここからわかるのは、平沢議員が、育児を最初から女性だけの問題と決めつけていることだ。  

さらに、呆れたことに平沢議員は、この生出演のあと、ヘイトスピーチの根絶を検討する「差別問題に関する特命委員会」の会合に委員長として出席し、「ブログに『死ね』という言葉が出てきて、表現には違和感を覚えている」と発言。
あたかも「保育園落ちた日本死ね」というのがヘイトスピーチであるかのように語ったのだ。

ヘイトスピーチとは、人種や国籍、性別など変更不可能な事柄を理由に暴力や差別的行為を煽動したりする発言のことであり、当然ながら「日本死ね」という政策批判がヘイトスピーチにあたるわけがない。
これはヤジ以上に悪質な発言だろう。
 ヘイトスピーチの根絶を話し合う場で、しかもその委員長が、政権に都合の悪い発言は全部ヘイトスピーチとして取り上げる……。
平沢議員のヤジの言い訳といい、この問題といい、レベルの低さが明らかになった安倍政権。

だいたい、平沢議員はヤジを飛ばしている模様をカメラにばっちりおさめられていたために特定されたが、国会でヤジを飛ばしたのは彼だけではない。
少なくともあの日、平沢議員の「一体誰が書いたんだよ、それ」以外にも、「やめろよ、やめろよ、もう」「誰が書いたの? 誰が書いたの!」「本人に会ったのか!?」「出典は? 出典! 出典は何だよ、出典は!」「うざーい!」というヤジが飛び交っていた。
一体、何が「うざーい!」なのか、発言者は名乗り出てきて説明すべきだろう。

 そして、もうひとつ。きょうの放送で平沢議員は何度も「待機児童問題は前倒しで、予算もつけてやっている」と強調したが、既報の通り、待機児童は昨年、5年ぶりに増加し、2万3167人も入所できない事態となっている。
こうして「やっている」と言いながら、待機児童問題が遅々として進まず、そればかりか安倍政権の新しい子育て支援によって3人以上の子どもを抱える家庭で保育料が多いところで月3万円も増額されるなどの問題が、なぜ起こっているのか。
その根底には何があるのかを、じつはきょうの放送で玉川氏が平沢議員に突きつけていた。

「もっとはっきり言いますよ。たとえば、結局こういう待機児童問題っていうのもね、女の人が働くからこういう待機児童問題みたいなのが生まれるんだ、と。
逆に言えば、働かないで家を守っていればこんな問題なんかないんだって思いが、根底にありませんか?」(玉川氏)

 この質問に平沢氏は「ないない、まったくないです」と答えていたが、そんなはずはない。
平沢氏は安倍首相が会長をつとめる創生「日本」や、神道政治連盟国会議員懇談会、日本会議国会議員懇談会などの極右思想に傾倒した組織に所属するが、それらの組織の主張は“伝統的家族観を守ること”、すなわち“女の役割は家を守ること”といったものだ。

経済政策が頭打ちであるため、労働力を捻出すべく「女性の活躍」を謳いはじめたものの、根本的には「女は子育てに専念すべし」という価値観であるため、働く母親の声に真摯に耳を傾けることもなければ、平沢議員の「女性の方が書いた文章ですかね?」という発言に明らかなように待機児童問題を母親だけの問題として捉え、具体的政策としては何ひとつ一向に進まないのだ。  

しかも、これは本丸である安倍首相にも言えることだ。
安倍首相は著書『美しい国へ』(文藝春秋)のなかで、少子化対策についてこう述べている。 〈従来の少子化対策についての議論を見て感じることは、子どもを育てることの喜び、家族をもつことのすばらしさといった視点が抜け落ちていたのではないか、ということだ。わたしのなかでは、子どもを産み育てることの損得を超えた価値を忘れてはならないという意識がさらに強くなってきている〉

「子どもを育てることの喜び」や「家族をもつことのすばらしさ」以前に、生活のために子どもを預けて働かざるを得ないこの社会状況を、安倍首相は汲み取ろうとはしない。
しかも少子化の原因は「子どもを産み育てることの損得を超えた価値を忘れているからだ」とは……。
こんな考えで待機児童を含む子育て支援を真剣に取り組むと言われても、眉唾にも程がある。  安倍政権の女性・子育て政策とは、詰まるところ「産めよ殖やせよ」の一辺倒でしかない──。
この本質は、今後もどんどん露呈されていくだろう。
                         (水井多賀子)
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2016年03月12日

いまだに増える「震災関連死」

東日本大震災から5年
〜いまだに増え続ける
「震災関連死」の現状と原因は?
2016.03.11. ヘルスプレス  

2016年2月10日、警察庁は、3.11東日本大震災による死者1万5894人、重軽傷者6152人、警察に届出があった行方不明者2562人と発表した。

 2016年1月4日付け毎日新聞の報道によれば、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故による震災関連死と認定された人は、昨年12月28日現在、福島県2007人、岩手県455人、宮城県918人。
被災3県でも福島県で多発している。
福島県の震災関連死は、地震や津波による死者・行方不明者3835人の半数以上を占めていることが分かる。

 震災関連死とは何か? 
津波や家屋倒壊などの災害の直接的な被害ではなく、長期の避難所生活による過労やストレス、住環境やQOL(生活の質)の劣化などが誘因となり、発病や持病の悪化などによって死亡する非常事態をいう。

 復興庁は、震災関連死の死者を「東日本大震災による負傷の悪化などにより死亡し、災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき、当該災害弔慰金の支給対象となった者」と定義する。
遺族の申請を受けた市町村の審査会が災害と死亡の因果関係を判断して認定している。

震災から5年、なぜ震災関連死は減らないのか?

 復興庁のデータによると、2016年1月14日現在、約17万8000人の避難者のうち、岩手県、宮城県、福島県の3県に約12万8000人、それ以外の都道府県に約5万人が避難所生活を続けている。
 震災関連死の原因は何か? 
復興庁によれば、避難所生活の肉体・精神的疲労が約3割、避難所などへの移動中の肉体・精神的疲労が約2割、病院の機能停止による初期治療の遅れなどが約2割だ。

 また、岩手県、宮城県、福島県の3県の震災関連の自殺者は、2011年6月から2015年11月末現在で154人。
2011年には宮城県で22人、岩手県で17人だったが、昨年には宮城県で1人、岩手県で2人に減った。
だが福島県は、2011年には10人、2014年には15人、2015年には19人と漸増。
3県全体の自殺者の半数以上を福島県が占めている。

 これらのデータを見るまでもなく、津波と原発事故に伴う先行きが見えない避難所生活が被災者の心身に甚大なストレスや悪影響を及ぼしているのは明らかだ。
飲酒に走り、不眠に陥り、うつ病やPTSDに苦しむ被災者が多い

 2016年3月9日、厚生労働省研究班は、宮城県(7755人)と岩手県(2739人)の被災者のメンタルヘルス(心の健康)の状態を5年間追跡した調査結果を発表した。
 心理的苦痛を感じている宮城県の被災者は、18.4%(2011年)から14.3%(2015年)に低下したが、全国平均の10.0%よりも高い。
経済状況や社会的な孤立感が関連していると考えられる。

また、要介護認定者は、6.3%(2011年)から16.2%(2015年)に急増している。
 一方、岩手県の被災者のうち、飲酒量が多くなったと答えた男性は、全国平均の1.69倍(2011年)から1.81(2015年)に増えている。
仮設住宅に住む女性は、メンタルヘルスに問題を抱え、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や不眠を訴える人が少なくない。

PTSD については、別の調査がある。

 2014年2月、東北大学の富田博秋教授(災害精神医学)は、石巻市など宮城県の沿岸6市町に住む特定健康診査(メタボ健診)を受けた成人男女3744人を対象に、PTSDについてのアンケート調査を行なった。
 調査結果によると、うつ症状や不安感が強い人はおよそ7%に上り、厚生労働省が2004年に実施した全国調査より3倍も高い。
およそ5%の人にPTSDの疑いがあることも分かった。

 富田教授は「過酷な被災体験や近親者の死が原因と考えられる。潜在的には、メンタルヘルスの状態が悪化している人は、もっと多い可能性がある」と指摘する。

 さらに、2011年4月から2013年8月までの2年4カ月間にわたって、岩手県の12市町村、宮城県の15市町、避難指示区域となった福島県の15市町村に勤務する自治体職員を対象に行なった1か月以上の長期休職者の調査がある。
 うつ病などのメンタルヘルやPTSのために長期休職した職員は、2011年度は286人、2012年度は254人、2013年度は5カ月で147人。
震災前の2010年度の177人を上回った。

 震災後2年半の県別の休職者数(延べ人数)は、宮城県461人、福島県180人、岩手県46人。市町村別(延べ人数)は、仙台市207人、いわき市101人、石巻市90人だった。
いずれも復興事業の本格化による業務の多忙や職員の精神的・肉体的な負担が原因と考えられる。

 3.11東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から5年――。
避難所生活の長期化で被災者の心身への負担が重くのしかかる。
災害公営住宅の建設、集団移転する高台の造成、帰還困難区域への帰還も進めなければならない。
 ヨウ素131による甲状腺がん、セシウムやストロンチウムなどによるさまざまな放射能汚染の実態は明確ではない。
チェルノブイリ原発事故などから得られた知見に基づいて、急性白血病、糖尿病、心臓病、腎臓病、突然死などの病理学的な解明を急がなければならない。
 いま私たちに問われているのは、真のレジリエンス(精神的な回復力)かもしれない。
                               (文=編集部)
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2016年03月13日

小泉純一郎が安倍の原発政策批判!

小泉純一郎が3.11に際して
安倍首相の原発政策を批判!
元首相を「原発ゼロ」に駆り立てる
本当の理由とは
2016.03.12.LITERA(野尻民夫)

 福島原発事故から5年目。
小泉純一郎は「原発ゼロ」をまったくあきらめる気はないらしい。
3月9日には、福島市公会堂の「ふくしま自然エネルギー基金」設立イベントで講演。
明らかに安倍首相を想定して「原発事故から学ぼうという姿勢がなくなっている」
「汚染水はアンダーコントロールされているとか日本の安全基準は世界一とデタラメなことを言っている」と、手厳しい批判を浴びせた。

「日刊ゲンダイ」によれば、小泉氏は講演後の会見でも、安倍首相に対して「どうしてこんな簡単なことがわからないのか」と苛立ちとも言える言葉まで口にしたという。
 9日の講演だけではない。
2月にも、いわき市の講演で「原発ゼロの社会は夢があるが、空想でも幻想でもない。日本は原発ゼロでも2年間やってきた。
事実が証明してくれる」と熱く語った。

 官邸は小泉氏のこうした反原発への激しい動きの裏にいったい何があるのか、つかみあぐね、困惑を隠しきれないでいるようだが、実は小泉氏には裏も何もなく、「原発ゼロ」実現に対して完全に「本気」らしい。

 そのことがよくわかるのが、最近、出版された『小泉純一郎、最後の闘い ただちに「原発ゼロ」へ!』(筑摩書房)だ。
著者の冨名腰隆氏と関根慎一氏は朝日新聞の政治部記者で、いずれも小泉首相の“番記者”だった。
昨年9月、首相退任以来、メディアの取材に応じていなかった小泉の退任後初の単独インタビューをものにしたことでも知られている。
 そんな小泉氏と近い記者が書いたこの本には、今まで語られてこなかった、小泉氏の反原発の原点が明かされている。

 小泉の「原発ゼロ」姿勢を決定づけたのはフィンランドにある使用済み核燃料の最終処分場「オンカロ」の視察だったことはよく知られている。
2013年夏のことだ。
3.11以降、脱原発寄りの発言を続けていた小泉をなんとか懐柔しようと、三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部が連れ出したのだ。
ところが、その目論見はみごとにハズレる。
オンカロを見た小泉は、核燃料の最終処分の難しさを痛感し、「原発ゼロ」を確信するようになったという。

 それもそのはず。フィンランドが最終処分場に選んだオンカロは地震がめったになく、地層は18億年間、ほとんど動いていない場所だという。
その岩盤を400メートル掘り下げて2キロ四方のスペース(東京ドームの約85倍)をつくり、そこに高レベル放射性廃棄物を保管しようというのだ。
そんな場所はまず日本にはない。
しかも、保存期間は10万年だ。

小泉は言う。
「水が出たら、(有害物質が)外に漏れる可能性がある。
10万年も絶対に外に出してはいけない。
日本にそんな地域がありますか。
400メートル掘れば、水が出てこないどころじゃない。
ほとんどの地域は温泉が出てくるんじゃないか」(2015年5月9日、神奈川県小田原市での講演)
 ただでさえ難しかった最終処分場の候補地選びは福島原発の事故によって絶望的になったとも言う。
さらに、10万年という途方もない歳月について「言葉」の問題はどうするのかと、鋭い疑問を投げかける。
例えば、現代日本人は同じ日本語であっても、たかだか1000年あまり前の古文を読むのに苦労する。
古代エジプトの象形文字は専門家でなければ判読不能だ。
同じように、我々がいま使っている言葉が1000年後、1万年後にどうなっているかすらわからない。
そこに危険な物質が保管されているということを10万年後の人類に正しく伝えられるだろうか、と小泉は言うのである。
確かにそうだ。
 原発は「トイレのないマンション」といわれ、いまだにトイレができる目処すら立っていない。
いまからつくろうといっても絶対に無理だ。
だったら、別のこと(自然エネルギー)を考えたほうが早い、というのが小泉の考えなのだ。  小泉が、この使用済み燃料の最終処分について語るときによく使うたとえがある。

日本では産廃業者が自分で処分場を見つけなければ都道府県知事の許可がおりない。
なのに、原発業者は産廃より危ない核廃棄物の処分場を一つも見つけていないのに認められている。
これはおかしくないか?
新聞はなんでこれを書かないんだ、と。

実は、小泉がこうした「ゴミ問題」に食いつくのにはわけがあった。
 きっかけは、1970年代〜80年代にかけて問題が表面化した瀬戸内海に浮かぶ豊島(てしま、香川県)の産廃不法投棄事件だ。
約6.9ヘクタールの土地に50万トンもの廃棄物が積み上げられ、ゴミの島と化してしまった事件だった。
廃棄物から水銀やPCBなど有害物質が流れ出し、住民は恐怖の中での暮らしを余儀なくされていた。
この問題に正面から取り組んだのが1996年に第2次橋本内閣で厚生相に就いた小泉だった。  

小泉は就任インタビューで、
「豊島の問題はテレビで以前見たが、ひどい。
住民の怒りは当然だ。
十分理解できる」と発言するなど、この問題に強い関心を示していた。
その言葉通り、まずは廃棄物処理法の強化に着手し、不法投棄に対する罰金額を引き上げたり、不法投棄した産廃業者が倒産した場合は排出業者に責任を取らせるようにしたりする。
さらに、首相になった後の2003年6月には、過去に不法投棄された産業廃棄物の撤去費用を国が支援する「特定産業廃棄物支障除去特別措置法」を成立させ、豊島の産廃処理がその法律適用の第1号事業として認めさせた。

 1997年4月の参院厚生委員会ではこんな発言もしている。
廃棄物の問題は、人間社会、どうしてもこれから環境保全ということを考えますと、解決していかなきゃならない最重要課題の一つだと思います。
動植物の世界は見事なリサイクルの世界ですね。
食うもの、食われるもの、生まれるもの、死にゆくもの、これがまさに神の見えざる手で、見事なリサイクル社会を形成している。
ところが、人間社会だけですね、火を使う、道具を使う。
確かに便利になったんですけれども、自らつくり出す文明の利器で、また大きな被害を被っている……」
 つまり、この「廃棄物」問題へのこだわりが、3.11、そして、オンカロへの視察を経て、原発への危機感を生み出したということだろう。
 また、小泉氏にはもうひとつ、原発ゼロを強く打ち出すバックボーンがあった。
それは2002年4月、首相になったった直後に行ったある改革が物語っている。

 小泉改革といえば、ほとんどの人は郵政民営化を想起すると思うが、実は小泉氏が改革の第一弾として5月の閣議で全閣僚に指示を出したのが「すべての公用車を低公害車に切り替えよ」という方針だった。
低公害車は当時の基準では、電気自動車、天然ガス車、メタノール車、ハイブリッド車で、政府は2000年度には公用車の10%を低公害車にする目標を定めていたが、実際は6%程度に留まっていた。
それを一気に100%にしろというのだ。

 当時、ハイブリッド車を生産していたのはトヨタとホンダだけだった。
官邸には「大臣や幹部の移動に使うには狭すぎる」「ガソリン車と比べて割高」といった“抵抗勢力”からの声が続々と届いたという。
環境省の事務次官が「政府の公用車のすべてを低公害車に切り替えるには7年かかる」と説明すると、小泉は「こんなもんじゃダメだ。生ぬるい」と突き返した。
 自動車メーカー首脳と直接会って「低公害車の開発をよろしく」と打診する場面もあった。

国会の所信表明演説でも、高らかにこう宣言している。
「私は21世紀に生きる子孫へ、恵み豊かな環境を確実に引き継ぎ、自然との共生が可能となる社会を実現したいと思います。
おいしい水、きれいな空気、安全な食べ物、心休まる住居、美しい自然の姿などは、我々が住む生活です。
自然と共生するための努力を、新たな成長要因に転換し、質の高い経済社会を実現してまいります。
このため、環境の制約を克服する科学技術を開発・普及したいと思います。
環境問題への取り組みは、まず身近なことから始めるという姿勢が大事です。
政府は、原則としてすべてに公用車を低公害車に切り替えてまいります」

 つまり、小泉氏はかなり前から、地球環境を守り、 自然と共生するための技術開発を新たな成長要因にするということを政治信念にもち、その実現にこだわってきたのである。

 しかし、その小泉氏もエネルギーについては、そういったスタンスをとらなかった。
それどころか、首相在任時は原発の危険性を指摘する声を否定し、その安全性にお墨付きを与えている。
たとえば、2004年のスマトラ沖大地震・インド洋大津波を受け、翌05年1月の参院本会議で民主党の江田五月議員から原発の津波対策について問われた小泉首相(当時)は、こんな答弁をしている
「国内の原子力発電施設について、地震や津波が発生した際に放射能漏れなどの事故を起こすことがないよう設備の耐震性の強化を図っているほか、津波により海水が引いた場合にも冷却水を提供できるような措置を講じております」
 小泉もまた、福島原発事故の戦犯のひとりなのだ。
しかし、だからこそ、小泉は「あの時、自分が総理として、決断していれば、原発ゼロを実現できたし、福島原発の事故は防げた」という強い後悔の念をもっているのだろう。

 実際、小泉氏は朝日新聞(15年9月13日付朝刊)のインタビューでも、「当時は役人や専門家に騙されていた」
政府や電力会社、専門家が言う『原発は安全で、コストが一番安く、クリーンなエネルギー』。
これ全部うそだ」と悔しがり、こう話している。
「かつて原発を推進してきた一人としての責任は感じている。
でも、うそだと分かってほっかむりしていいのか。
論語にも『過ちは改むるに憚ることなかれ』とあるじゃない。
首相経験者として逃げるべきじゃない、やっていかなければと決意した」
 そして、総理として決断できなかったという後悔があるからこそ、「原発ゼロ」は総理の決断ひとつでできると、繰り返し主張しているのだろう

 しかし、安倍首相にはまったくその気はない。
それどころか、原発利権の代理人として、次々に原発再稼働政策を推し進めている。
 小泉氏は冒頭で紹介した講演の後の質疑応答で、小泉氏は記者からの「原発ゼロ」は参院選の争点になるか、の問いにこう語ったという。
「大きな公約のひとつにするべきです。与党はしたくないでしょう。
私は原発ゼロの時代が来るまで粘り強く活動を続けていこうと思っています。
引退したけど、あの事故を目の当たりにして、『こういうものだったのか』という悔しい思いをしている。
他の問題に口を出すときりがないからこれに絞ってやっている。
日本の国民の力は大きいから諦めていませんよ」
 小泉氏の次の一手に注目したい。
                             (野尻民夫)
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2016年03月14日

人が大人になるには・・、いくつかの道の選択で

余録
人が大人になるには
いくつもの分かれ道を
選びながら進んでいく…
毎日新聞2016年3月13日 東京朝刊

人が大人になるにはいくつもの分かれ道を選びながら進んでいく。
子どものころは見えなかった道、聞こえなかった声、それらを自ら吟味して選択を重ねる。
15歳は大人への選択の旅の始まりだ

▲中学からの高校受験と進学、就職はその初めての選択だろう。
親や養育者の保護のもとで暮らしてきた少年少女はそこでじかに社会と向かい合い、自らの力でそれと渡り合う。
中学校での進路指導はその少年少女たちの選択を支援し、勇気づける仕組みのはずである

▲だが広島県府中町立府中緑ケ丘中3年の男子生徒は、その進路指導によって歩もうとした道をふさがれた。
何とその指導に用いられた生徒の資料にはありもしない非行歴が誤って記録されていたのである。
あろうことか生徒は進路指導の後に自ら命を絶ってしまった

▲学校の調査によれば記録の誤りは認識されていたのに、パソコンの元データが放置されていたから天を仰ぐしかない。
担任の教師は廊下での立ち話で非行記録のため志望校への推薦ができないことを生徒に告げたが、生徒はいったいどんな気持ちでそれを聞いたのか

生徒が初めて向かい合った「社会」が身に覚えのない非行記録、理不尽(りふじん)な進路指導、画一的な推薦制度だったのならば絶望の深さは察するに余りある。
ただ悲しく残念なのは、これから未来へと枝分かれしていくすべての道を生徒自らが断ち切ってしまったことである

▲大人への道に立ちふさがる迷路や袋小路には愚かしい過失や怠慢によってもたらされたものもある。
そこで苦しむ少年少女はどうか声をあげてほしい。
声を聞きつける元少年少女は必ずいるはずだ。
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2016年03月15日

広島中3自殺 「なぜ」の徹底的検証を

広島中3自殺 
「なぜ」の徹底的検証を
毎日新聞2016年3月14日 朝刊「社説」

 広島県府中町で昨年12月、中学3年の男子生徒が自殺した。
学校側は進路指導が原因と見られると説明しているが不明確なことが多い。
男子生徒はなぜ自殺に追い込まれたのか。
疑問を払拭(ふっしょく)するための調査を尽くすべきだ。

 学校側の報告書によると、男子生徒が1年生の時、生徒指導の会議資料に万引きをした別の生徒と間違って男子生徒の名前が記載されてしまった。
会議で誤記載に気付いたが、学校の電子データには誤ったままの記録が保管されていた。
担任教諭は誤記載のままの記録に基づき、万引き行為のために志望校への推薦はできないと伝えた。
男子生徒は面談の直後に自宅で自殺した。

 学校の情報管理はあまりにずさんだった。
生徒の万引き行為の報告を全て口頭で済まし、パソコン入力で名前を間違えていた。
資料の修正や閲覧の仕方は、各教員の裁量に任されていた。
非行行為の記録という重要な個人情報の取り扱いについての検証が求められる。

 各教員が進路指導に当たる直前の昨年11月に、校長は私立高校への推薦基準を見直して非行歴の調査対象を3年生時のみから1年生以降に変更した。
担任教諭は10日間ほどで非行歴を確認するよう求められ、当時の担任や保護者にまでは確認しなかった。
進路の選択に重大な影響を与える変更をなぜ入試直前に強行したのか。
解明が必要だ。

 万引きを生徒本人に確認するため担任教諭は計5回面談したが、いずれも廊下で5〜15分程度の立ち話で済ませた。
男子生徒は進路指導をめぐるやり取りで「どうせ言っても先生は聞いてくれない」と保護者に打ち明けていたという。
教師と生徒の信頼関係ができていたのだろうか。
疑問が残る。

 中学校学習指導要領では指導計画の作成に当たって配慮すべきこととして「生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し、指導の過程や成果を評価する」としている。
できるだけ生徒の良い点を見つけ、良くない点が改善していった過程を重要視しようという考え方だ。
現場での進路指導がデータに頼った形式的なものになっていないか、今一度チェックする必要がある。
 学校がまとめた報告書に対し両親は「他の生徒たちにも話を聞く必要がある」と指摘している。
保護者への説明会では批判や質問が噴出した。
学校は保護者や生徒たちの「なぜ」に誠実に答えなければならない。

 町教委は第三者委員会を設けて調査に入る。
文部科学省は緊急の対策チームを設置した。
二度と悲劇を繰り返さないため、不明確な点を徹底的に検証する必要がある。
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2016年03月16日

待機児童300万人 なぜ保育園に入れない @

待機児童300万人
なぜ保育園に入れない @
平均月収20万円…
保育士の待遇が悪すぎる“理不尽”
2016年3月15日 日刊ゲンダイ

「保育園落ちた日本死ね!!!」――
匿名ブロガーの投稿で、保育所不足の深刻さが浮き彫りになった。
待機児童は潜在人数を含めると300万人なんて推計もある。
保育所が足りない大きな要因のひとつが保育士不足だ。

2015年の保育士の有効求人倍率は、全国平均2.18。
なり手がいないのは「待遇の悪さ」が原因だ。
 保育士の平均月収は約20万7000円とされ、全産業平均より9万円以上低い。

昨年8月の厚労省の調査によると、〈保育士としての就業を希望しない理由〉のトップは〈賃金と希望が合わない〉だった。
一方、〈就業を希望しない理由が解消した場合の保育士への就業希望〉については、〈希望する〉との回答が63%に上った。
つまり、待遇さえ改善されれば保育士をやりたい人は多いのだ。

■全国に「滞在保育士」は約68万人

 全国で保育士の資格を持っていながら、働いていない「潜在保育士」は約68万人と推計されるから、単純計算で、約43万人が保育士の仕事に就く可能性がある。

一体、なぜ保育士の待遇は悪いのか。
 待機児童問題に詳しい「認定NPO法人フローレンス」代表理事の駒崎弘樹氏はこう言う。

「『保育士は女性の仕事でしょせんは子守り』との偏見が根強く、社会的に専門性を評価されていないことが原因です。
また、認可保育所は国から補助金が入るので、保育料が安い。
環境もいいので人気が高く、経営も安定しやすいですが、保育料だけが収入源の認可外保育所は、保育料を高くしないとやっていけない。
少しでも人件費を削り、保育料を抑えないと認可保育所に子供を取られっぱなしになってしまいます。
認可外保育所の保育士の多くは、非正規雇用で時給制。
昇給もまず望めません」

 では、保育士の待遇をどう改善すべきなのか。
「私は、全国の保育士の給与を月1万円上げるのに約340億円の財源が必要と推計しています。
月10万円なら3400億円です。
安倍政権発足以降、国と地方の税収は約21兆円増加しました。
3400億円程度の財源は微々たるものでしょう。
子育て支援を拡充すれば、多くの女性が働くことが可能になります。
さらなる経済成長、税収増を見込めるはずです。
未来への投資と考え、保育所への補助金の予算規模を拡大すべきです」(駒崎弘樹氏)

 消費増税を決めた3党合意で、保育士の給与改善のための381億円を含む3000億円の「子育て支援策」が決まっていた。
ところが、安倍政権になって実施はウヤムヤだ。
それを厚労委で問われた塩崎厚労相は「検討したい」と明確な答弁をさけたが、一刻も早く対処しなければウソである。
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2016年03月17日

渡辺恒雄は元共産党員だった!!

ナベツネは「天皇制打倒」の
元共産党員だった!
保守系路線に鞍替えした理由と
スパイ疑惑とは?
2016.03.16.TOCANA (深笛義也)

 読売巨人軍の高木京介投手が野球賭博に関与していたことの責任を取って、渡辺恒雄球団最高顧問が辞任することが、3月8日明らかになった。
だが、代表取締役会長・主筆として、渡辺恒雄氏が読売新聞グループに君臨し続けることに変わりはない。
 読売新聞は保守系と見られるが、1934(昭和9)年生まれの渡辺は戦時下で反軍青年であった。
戦後は「天皇制打倒」の主張に共感して、日本共産党に入党したことがある。

 読売新聞に入社してからの記者時代には、武装闘争路線を掲げていた日本共産党の山岳アジトに単身で乗り込んで取材し、スクープしたこともある。
 日中戦争が深まる1939(昭和14)年、渡辺は開成中学に入学し、哲学書を読みふける日々を過ごす。
軍国主義を吹聴する校長ら教員を、闇夜に襲って殴ったこともあった。

 1945(昭和20)年4月、渡辺は現在の東京大学である、東京帝国大学文学部哲学科に入学する。
太平洋戦争で徴兵され、この時代の軍隊生活の例に漏れず、上官から殴る蹴るの暴行を受けた。  その年の8月、日本が敗戦すると、渡辺は復学。
東大のキャンパスに戻ってみると、保守政党から社会党まで「天皇制護持」だったが、共産党だけが「天皇制打倒」を宣言していた。
軍隊での暴行も、天皇の名の下に行われていた。
「天皇制と軍隊の二つを叩き潰すためにどうすればいいか、それが共産党だ」と渡辺は考えた。  同じ年の12月には、日本共産党に入党を申し込み、下部組織である日本青年共産同盟のメンバーとして活動を始める。
街のビラ貼り、他の学校へのオルグなどから始まり、教員の解雇問題のあった女子校を実力占拠するなど、活躍した。
母校である東京高等学校に行き、インターハイを目指す野球部員に「野球なんてくだらないものをする時ではない」と活動に誘ったこともある。
そして、東大の学生党員約200名のトップに立つまでに至った。

 だが渡辺はある日、「党員は軍隊的鉄の規律を厳守せよ」と書かれたビラを目にして、それまで自分が感じていた違和感にはっきり気づくことになる。
共産党は上意下達のタテ社会であり、軍隊とそっくりだったのだ。
天皇制を否定していた渡辺だが、「報いられることなき献身」を求めるマルクス主義は、神なき宗教だ、と確信する。
「極左主義の克服」を主張した渡辺だが、抗争に敗れ、共産党本部から「警察のスパイ」とレッテルを貼られ、除名されることになる。

 1950(昭和25)年3月、渡辺は東大を卒業すると、読売新聞社に入社した。
 一方、日本共産党は1951(昭和26)年、第4回全国協議会で武装闘争路線を明確にしていた。
農村に“解放区”を作ることを目指す「山村工作隊」や、「中核自衛隊」などの非公然組織が作られ、各地で火焔瓶を用いた交番の焼き討ちなどが行われた。
 1952(昭和27)年、4月1日、奥多摩の小河内村に作られた、山村工作隊のアジトの1つに渡辺は単身で赴く。
その3日前には、小河内工作隊の23名が警察隊に包囲されて逮捕されていた。

 渡辺が訪れたアジトのリーダーは、後に作家となる高史明であった。
その時のことは高の著作『闇を喰む』(角川書店)に記されている。
「昼前だった。向かいの尾根に出ていた見張りから、異常を告げる合図があった。
何者かが、樵小屋に近づいてきたのである。
その知らせは、即座に全員に伝えられた。
私たちは、それぞれに身を潜めて事態に備えた。
遙かな一本路を見下ろしていると、やがて一人の男が姿を現した。一人だけである」
 渡辺は工作隊のメンバーたちに捉えられ、小屋に連れてこられる。
「このまま帰せば、明日にでも、どっと警官隊が押し寄せてくるだろう」
「どうだい、殺った方が安全じゃないのか」
「ここで片付けてしまうんだ! 簡単じゃないか!」の声がメンバーから上がる。

 新聞記者だと名乗る渡辺に、警察の手先ではないかとメンバーたちは訝った。
「俺たちは、あんたに危害を加えようとは思わない。
新聞記者であろうと、なかろうとだ。
俺たちは、ただみんなに俺たちの願いを知ってもらいたいだけだ。
俺たちが、ここにきているのは、自分たちの楽を求めての事じゃない。
それを知ってほしいと思う」
 そう言って、他のメンバーを制して、高はインタビューに応じた。

その時の渡辺のことを、高は次のように描写している。
「若い男の鋭い目の縁にかすかな安堵と喜びが浮かんでいた。
その男もまた、あの戦争と戦後を呼吸してきたに違いなかった」
 その時の気持ちを、高は綴っている。
「熱心にメモを取る男が、私の思いを聞き取ってくれるとは思えなかった。
だが、同じ時間を生きる何者かが聞いてくれていると思えたのだ。
私たちの頭上の空は深く澄んでいた。
すべては、空の深さが受け止めてくれるように感じられた」

 共産党の発行したテキスト「中核自衛隊の組織と戦術」には、地主に虐げられた貧農たちは共産党の味方だと書かれていたが、それとは正反対の現実に直面し、高も虚しさを感じていたようだ。
 渡辺の取材は、4月3日の読売新聞で「山村工作隊のアジトに乗り込む」というスクープ記事となった。これをもって、渡辺は本紙政治部に抜擢された。
読売新聞のトップにまで上り詰める入口に、命がけの取材があったのだ。
                        (文=深笛義也)
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待機児童300万人 なぜ保育園に入れない A

待機児童300万人 なぜ保育園に入れない A
横浜も名古屋も…
待機少なく見せる数字のトリック
2016年3月16日 日刊ゲンダイ

「待機児童ゼロ作戦」を初めてブチ上げたのは小泉元首相だ。
2001年の所信表明演説だった。
あれから15年経っても、保育所入所待ちの子どもたちは一向に減らない。
 そもそも、おかしいのが統計によって待機児童の人数にバラつきがあることだ。
潜在数は300万人ともいわれているのに、厚労省の発表では100分の1以下の2万3167人(15年)。
「保育園を考える親の会」の調べでは5万4739人(15年)だ。

 待機児童に関する厚労省の定義はメチャクチャ厳しい。
認可保育所に入所できなくても、
▼東京都の認証保育所など認可外保育所を利用
▼幼稚園の一時預かりなどを利用
▼育休を延長
▼認可保育所が遠方で入所断念――などのケースは含まれない。

つまり本来、待機児童にカウントすべき子どもたちを除外しているのだ。失業率や就職率が実態を反映していないのと同じパターンだ。

 待機児童ゼロ宣言を出した自治体でも数字のトリックが横行している。
13年の横浜市は
▼認可外保育施設利用
▼育休延長
▼自宅で休職中――を外していた。

14年の名古屋市、15年の川崎市も同じような手を使っている。
国も自治体も待機児童を少なく見せようとしている。
「親の会」の普光院亜紀代表はこう言う。
「私たちの調査は〈認可保育所に入所申請した数〉から〈認可保育所に入所した数〉を引いたものですから、現実に近い数字だと思います。
ただ、保活に疲れて入所をあきらめる親御さんもいますから、潜在的な数字はもっと大きくなるはずです。

待機児童問題をこじらせたのは、都が01年に始めた認証保育制度です。
認可に落ちて認証に入った子どもたちを数えなくなり、実情が見えにくくなってしまったのです」
 認証を導入したのは、石原都知事時代だ。
「認可」と「認証」では、保育料も保育士数も施設もまるで違う。

 日本福祉大准教授の中村強士氏(社会福祉学)はこう言う。
「児童福祉法は〈監護すべき乳幼児や児童が保育を必要とする場合には保育所において保育しなければならない〉としている。
国も自治体も待機児童を解消する責任がある。
待機児童数を正確に把握するには、第1希望の認可に入れなかった子どもたちも数えるべきです。
そうでなければ、保育充実の制度設計なんてできるはずがない」

 数字をチョロマカすのは安倍政権の常套手段だが、少子化対策も1億総活躍社会もマヤカシだということがよく分かる。
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2016年03月18日

「2人産め」校長も…子育て右翼が増殖

「2人以上産め」
校長も安倍首相も…
“子育て右翼”が増殖中!
「子を産まない女は女にあらず」
「保育園に頼らず自分で育てろ」
2016.03.17.LITERA(田岡 尼 )

「女性にとってもっとも大切なことは子どもを2人以上産むこと」
──いま、波紋を広げている大阪市立茨田北中学校・寺井寿男校長による発言。
先日、女優の山口智子が「子どもをもたない人生を選んだ」と告白し大きな共感を呼んだばかりだが、やはりこの国ではいまだ“子を産まない女は女にあらず”と見なす価値観が蔓延っているようだ。
 事実、校長の意見に対し、
ネット上では「真っ当な意見」「これが糾弾されるのはおかしい」「一部を切り取って文句言うな。全文紹介しろよ」などと擁護する声も大きい。


 まったくふざけるな、である。
まだ中学生の子どもたちに校長という立場にある者が
「(出産は)仕事でキャリアを積む以上に価値がある」
「子育てをした後に大学で学べばよい」などと女性の人権を完全に無視した説教を垂れることの、どこに擁護する点があるというのだろう。

女性には、産む・産まないの権利、いつ産むか、何人もつかを決める自由(リプロダクティブ・ライツ)があることを知らないのだろうか。

 しかも、こうした偏狭な空気が流れているのは、校長の暴言問題だけではない。

例の「保育園落ちた日本死ね」にしても、安倍晋三首相や平沢勝栄に同調して「匿名で物を言うな」
「“死ね”はヘイトスピーチだ」と論点をすり替えたり、挙げ句は待機児童解消を訴える署名を手渡した母親たちの抱っこ紐に「あれはブランド品」「保育所に文句つける前に生活切り詰めろ」などと攻撃する者まで登場した。

「少子化だから子はたくさん産め」と言い、産んだら産んだで「国に頼るな。自分たちでどうにかしろ」「保育園なんかに預けず母親が育てろ」と責める……。

こうしたいまの日本に吹き荒れる異常さを、あるエッセイストは〈子育て右翼〉と表現する。『負け犬の遠吠え』(講談社)がベストセラーとなった酒井順子氏だ。
 酒井氏は先日上梓した新刊『子の無い人生』(角川書店)のなかで、以前問題となった「やっぱり女性は家で子育てをして、男性は外で働く方が合理的ですよね」という長谷川三千子・NHK経営委員の発言や、曽野綾子氏の「出産したら(仕事を)お辞めなさい」という発言を引き、こう論じる。
〈昨今、世の中の右傾化が目立つと言われておりますが、これらの意見を聞いていると、子産み・子育ての世界においても右傾化が進んでいる気がするのでした。
右寄りの人々というのはすなわち、保守的な体制を維持しようとする人達。
そしてもし、女性が「子を産む機械」なのだとしたら(中略)世の右側に置いてある機械は、「この国の、そして私の家族の、未来永劫の弥栄のために、私は子を産まなくては。
私個人の自己実現など、大した問題ではない。
体制を維持するために私は、子育てに専念します」と思うことでしょう

 この「子を産む機械」発言をしたのは、第一次安倍内閣で厚生労働大臣を務めた柳澤伯夫氏だが、安倍内閣からは例外なくこうした「子育て右翼」発言が飛び出している。
たとえば2014年には、同じく第一次安倍内閣で外務大臣を務めた故・町村信孝氏が「40代で生まれる子と20代で生まれた子は育ち方が違う」と、まるで出産時の年齢によって発育に差がある、若いときに出産すべきと言わんばかりに発言。

また、昨年には、菅義偉官房長官が福山雅治と吹石一恵の結婚について尋ねられ「ママさんたちがいっしょに子どもを産みたいというかたちで国家に貢献してくれれば」などと言い、“お国のために子を産み貢献しろ”というまさに「子育て右翼」の見本のような発言を残している。

 そして、忘れてはならないのが、第二次安倍政権で導入しようとした「女性手帳」の存在だろう。
〈医学的に30代前半までの妊娠・出産が望ましいことなどを周知し「晩婚・晩産」に歯止めをかける狙い〉(産経ニュースより)だったというが、このときからすでに安倍政権は“体制維持のための出産”と考えていることが明らかになっていたのだ。

 しかも、このような「子育て右翼」内閣は、ただ“産めよ殖やせよ”と叫ぶだけで、
少子化の根本的な問題──非正規雇用や低賃金などの不安定労働の解消、男性の家事・育児参加の推進、出産後の職場復帰・再就職の支援、社会保障の充実、待機児童やマタハラなどの解決──に真面目に向き合うことはない
これは世界的に見ても少子化対策として逆行したものだ。

酒井氏も、このように述べている。
〈出生率が日本のように下がっていない先進諸国は、男女の平等を目指すことによって、出生率低下を食い止めています。
家事や育児を男性も担い、子育て中の女性も働き易い制度と環境を整えることによって、男女ともに「仕事も家庭も」ということになっている。

 子育て右翼の人達の考えを推し進めるということは、日本を昔ながらの家族制度に戻すということですが、そのような手段で出生率を押し上げた国は、今までありません。
日本や韓国のみならず、イタリアやスペインなど、伝統的な家族制度が根強く残る国ほど、出生率は低下していったのですから〉

 そして酒井氏は、前述した長谷川氏について、〈件の、NHK経営委員の女性は、安倍首相と近い思想を持つ人物だということです〉とふれ、安倍首相の矛盾を指摘し、さらに隠された本音をこう想像する。
〈そんな安倍首相は、しかし女性の埋もれた力をもっと活用するという「ウーマノミクス」を推進しようとしているらしい。
 って、いったいどちらに行けばいいの安倍さん。
……と、私が子産み世代であれば、首相に問いただしたくなると思います。
安倍さんは、本当は「女は家で子育てして男が外で働くってことにしておけば話はややこしくならないのに……、ああ面倒臭い」などと思いながら、しかし時流に逆らうことはできないから「ウーマノミクス」などと言っているのではないか〉

 この酒井氏の見立ては、きっと当たっているはずだ。
だから「保育園落ちた」ブログの切実な内容を突きつけられても「実際ほんとうに起こっているか、確認しようがない」と言ったり、肝心な場面で「保育所」をよりにもよって「保健所」と言い間違えてしまうのだろう。

 もういっそのこと、安倍首相には「子を産み家で育てるのが女の仕事。
子育てしながら働かざるを得ないというなら自己責任でどうぞ」と、その本音をぶちまけていただきたいものだが、
もうひとつの問題は安倍的なる「子育て右翼」が跋扈している現状だ。
今後「子産みをせずんば女にあらず」という風にはなってほしくないなぁと、私は思う者。

「女にとって最も重要なことは」とか「男にとって最も重要なことは」といった考えは、多くの人を生きづらくさせるのですから〉
 酒井氏はこう言いながらも、同時に〈極端な少子化の反動として〉今後も〈子育て右翼の発言はさらに増えていく〉と危惧を述べている。
 もしかしたら、大阪の中学校校長のような声がどんどん大きくなって、当たり前になってしまう時代がすぐそこまでやってきているのかもしれない。
                                   (田岡 尼)
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2016年03月19日

待機児童300万人 なぜ保育園に入れない B

待機児童300万人 なぜ保育園に入れない
父母の“点数”で可否
保育園「入園基準」の不合理
2016年3月18日 日刊ゲンダイ

「20カ所の保育所に問い合わせたが、全て“落ちた”」
「入所をお願いしたら、100人待ちと言われ諦めた」
――赤ん坊を抱える母親たちからは、こんな声が上がっている。

原因のひとつに挙げられるのは、「制度の矛盾」だ。
 各自治体は、それぞれの世帯が持つ“点数”の高低で、入園の可否を判断している。
東京・品川区は「保育所等利用調整基準」との名称。
外勤者で〈月20日以上勤務し、日中8時間以上の就労が常態〉だと20点。
内職なら〈月12日以上、日中4時間以上月収2万5000円未満の就労が常態〉で10点と、外で働く時間が長ければ長いほど“高得点”になる。

■裕福な世帯ほど優遇される

 父母の点数を足し合わせ、点数が高い世帯の子供から入園が優先されるが、パート・アルバイトなどの非正規社員の世帯は点数が低くなってしまう。
つまり、経済的に余裕のある世帯の子供の入園が優遇され、収入の不安定な世帯の子供が後回しにされてしまうのだ。
なぜ、こんな状況になっているのか。

待機児童問題に詳しい経済ジャーナリストの治部れんげ氏はこう言う。
「非正規雇用だと仕事に縛られる時間が短いので、役所に『空いた時間で保育できるはず』と見られてしまうのです。
また、自営業の世帯の点数が低く抑えられている自治体もあります。
『自宅と事業所を兼ねているケースが多いので、子供を見ながら仕事ができる』との判断に基づいているようです。
収入が不安定だから子供を預け、仕事をしたいのに、それがかなわない状況になっています」  他にも穴は多い。

「企業は、育休終了の時期を4月に設定するケースが多いので、保育所もそれに合わせて募集をかけます。
すると困るのは、早生まれの子を持つ世帯です。
保育所は、生後4カ月以上の子供を預かるのが一般的。
赤ちゃんの首がすわっていないと危険が多いからです。
早生まれの子供は4月に生後4カ月を迎えられず、預けることができません。
母親が何とか育休を延長しても、4月以外はなかなか空きが見つかりません。
子供が1歳になると、保育所の枠がさらに少なくなります。
0歳の時から利用している子供が優先されるからです」(治部れんげ氏)

 制度の見直しが急務だ。
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2016年03月20日

衆参ダブル 共産党200選挙区擁立見送りで“自公59人敗北”

衆参ダブル
共産党200選挙区擁立見送りで
“自公59人敗北”
2016年3月19日 日刊ゲンダイ

 ノーベル賞経済学者が「消費税10%の見送り」を安倍首相に提言し、17日は自民党の稲田政調会長も増税延期解散は「あり得る」と言及。
永田町で「衆参ダブル選」ムードが急拡大している。

 だが、安倍の描く「ダブルで衆参圧勝」シナリオは甘い。
野党共闘の一環として、共産党は衆院選の小選挙区についても候補者を取り下げる方針で、その数、実に200選挙区。
全295選挙区の7割弱で野党統一候補ができれば、自公はガタガタだ。

「今月上旬の野党5党の幹事長・書記局長会談の場で、共産党が200選挙区で候補者擁立を見送る用意のあることを明らかにした。
公式発表になっていないのは、民主党内のハレーションを避けるためではないか。
『民共共闘』と騒がれ、自公に攻撃材料を与えてしまう。
民主党は表向き共産党との選挙協力に距離を置いていますが、共産党の覚悟は相当のものです。

京都3区補選で民主府連は『共産党とは共闘しない』と宣言しましたが、それでも共産党は候補者を立てなかった。
衆院選でも同様の行動を取ると思う」(野党関係者)

 共産党が200選挙区で候補者擁立を見送れば、「20〜30は容易に結果がひっくり返る」(自民党関係者)というが、2014年衆院選の得票で計算すると、逆転区はそんなもんじゃない。
少なく見積もっても59選挙区で野党5党の得票が自公候補を上回っていた(別表参照)。


 北海道、埼玉、東京、愛知など、もともと民主党が強く、共産党も票の多い地域、各県の1区など都市部で逆転現象が起こる。
自公は多くが当選2期や3期の若手で、あのゲス議員の妻・金子恵美(新潟4区)も敗北だ。

閣僚経験者では、松島みどり元法相(東京14区)や伊藤達也元金融担当相(東京22区)も苦杯をなめることになる。
 5野党の幹事長は15日夜も都内の日本料理屋で会談。
「いい関係が築けている」(前出の関係者)という。

大量落選覚悟で安倍首相は解散を打てるのか。
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待機児童300万人 なぜ保育園に入れない C

待機児童300万人 なぜ保育園に入れない
「整備スピードは2倍に加速」
安倍首相は現実逃避
2016年3月19日 日刊ゲンダイ

 安倍首相は昨年11月6日の「読売国際経済懇話会」で待機児童問題について、「(安倍政権になって)保育所の整備スピードは、これまでの2倍に加速しています」と胸を張っていた。  

確かに、2013年4月時点で228万8819人だった全国の保育所の定員は、14年に233万5724人、15年は247万4554人と右肩上がりだ。

ところが、厚労省調査の15年4月時点の待機児童は全国2万3167人。
これは、300万人ともいわれる潜在人数からかなり条件を絞り込んだ数字だが、それでも前年同期比で1796人も増えている。

「受け皿」が増加しているのに、なぜ待機児童が減らないのか。
 その原因の一端が、17日開かれた「民主党待機児童緊急対策本部」の会合で明らかになった。
保育所が増えても、それ以上に辞める保育士が多すぎて、結果的に受け入れ人数が減ってしまうのだという。
 会合では民主党の議員や厚労省の担当者らに対し、母親や保育士からさまざまな意見が飛んだ。
厚労省の担当者が「各自治体にヒアリングしたが、人手不足で保育所が開けないというケースは聞いていない」との認識を示すと、即座に反論したのが、神奈川県川崎市の認可保育園で保育士として働く平沢舞子さん(33)だ。
「そんなことはないと思います。
保育士の数が定員に満たず、開園が遅れるケースはままあります。
また、保育士が少ない状態で開園し、少しずつ増員せざるを得ない保育所もあるようです」

 会合終了後、改めて平沢さんに話を聞いた。
「認可保育所の場合、開園当初は、まず保育士の定員を満たしています。
しかし、新規ということもあり、未経験の保育士さんが多い。
不慣れな仕事で精神的に参ってしまい、退職するケースも少なくありません。
国や自治体が定めた配置基準で、1人の保育士が受け入れられる子供の人数が決められています。
だから、欠員が出ると急きょ派遣の方にお願いし、次年度から子供の受け入れ人数を減らすこともあります」

 都内の認証保育所で園長を務める女性(28)はこう言う。
「保育士に欠員が出ても、何とか少ない人数でやりくりする認可外保育所もあるようです。
そうなると、保育士1人当たりの負担が増えてしまいます。
体調を崩し、退職せざるを得なくなることもあります

 新規開園時の定員だけ見て「増えた、増えた」と威張っていても、その後の実態は全然違う。安倍首相も厚労省も現場の現実がわかっちゃいない。
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2016年03月21日

待機児童300万人 なぜ保育園に入れない D

待機児童300万人 なぜ保育園に入れない
4人に1人が“認可”全滅
妊娠前から始まる保活事情
2016年3月20日 日刊ゲンダイ

 保活戦線は異常だらけだ。
共働き子育て世代向けサイト「日経DUAL」が2012〜15年に保活した男女736人を対象に行ったアンケートで、厳しい事情が浮き彫りになっている。

 入所の第1希望は認可保育所が88・8%で断トツ。
東京都の認証保育所が6%、認定こども園が1.5%と続き、勤務先などが設ける事業所内保育所はわずか0・8%だった。

認可希望者のうち、第1希望がかなったのは43.1%。
全滅が27.7%もいた。

 待機児童がとりわけ多い都内では、認可の入所倍率2倍超えは珍しくない。
妊娠前から保活を始めるのはもはや常識らしい。
0歳児クラスの4月入園を逃したら、認可にはまず入れないからだ。
申請締め切りは前年の11〜12月が多い。
 都内のメーカーに勤める30代女性はこう言う。
「認可の受け入れはだいたい生後8週以降なので、10月までに産まなければ締め切りに間に合わない。
早生まれなんて話になりません。
私は出産日から逆算して妊活しました。
うちの子は5月生まれで、認可と認可外を合わせて10カ所ほど申し込み、運良く第2希望の認可に入れました。
30カ所申請した、なんて話も聞きますよ」

 前出のアンケートでもその傾向はクッキリ。
入所年齢は0歳児が60.9%を占め、1歳児31.5%。2歳児4.8%、3歳児1.8%と大きくなるほど減っていく。

 妊娠が分かったら、保育所の資料を集めて見学。
役所に足しげく通い、担当者から情報収集するのは当たり前だという。
安静第一の妊婦なのに、ヘタなサラリーマンよりもハードワークを強いられている。

 安倍政権は企業内保育所を奨励しているが、評判はイマイチのようだ。
「託児所のある職場でいいわねとよく言われますが、私は利用していません。
ひとりでもシンドイ満員電車にいつ泣き出すか分からない赤ん坊連れなんてムリ。
妊娠前は夫の実家で暮らしていたのですが、0歳児の認可を狙っていたので安定期に入ってから定員数の多い区に引っ越したんです。
それでもダメで、空きを待って自宅に近い認証に預けています。
保育料が毎月8万円ほどかかるので生活はカツカツです」(都内の総合病院勤務の30代女性)  

育児の助けになる祖父母と暮らしていた方が何かと便利なのに、保活勝者になるために別居を選び、出費もかさむ。おかしな話だ。
入所選考は片親やフルタイムワーカーが有利だ。
それで偽装離婚を企てたり、就業書類を偽ったり、収入をごまかす輩もいるという。
育児のためにウソが蔓延する。
本末転倒だ。
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2016年03月22日

保育士も「制度改善を」 「保育園落ちた」広がる怒り

保育士も「制度改善を」
「保育園落ちた」広がる怒り
2016年3月21日 東京新聞

 子どもの認可保育所の入園審査に落ちた親を応援する集会が二十日、東京・新宿駅前であり、保育士や子育て中の母親らが集まった。

「保育園落ちた日本死ね!!!」と題してブログに書き込んだ母親の憤りから始まった活動は、保育制度全体の改善を求める動きへと広がっている。

 集会は、保育士や子育て中の母親らでつくる「子どもへ手渡す未来を考える保育の会」が開いた。
保育所の審査に落ちた母親らが国会でデモを行った五日にも新宿で応援集会をしており、今回が二回目。

 二歳の長男がいる主婦の諸星牧子さん(40)=東京都武蔵野市=は、職場に産休や育休制度がなく、出産を機に仕事を辞めた。
マイクを握り、「働きたくても働けない女性の思いが爆発したのが国会のデモ。
子どもの未来に周囲が無関心すぎる」と訴えた。

 保育士の佐藤こずえさん(45)=東京都足立区=は「入園が決まった母親が『まだ決まっていない人に申し訳ない』と言う現状はおかしい」と指摘。
保育士の厳しい処遇を挙げ「命を預かる仕事に給料が見合わないから人手が足りない。子どもを預けるほうも預かるほうも共倒れになる」と危機感を募らせた。
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2016年03月23日

防衛大学校:民間挑戦の男子 安保法論じぬ硬直性に違和感

防衛大学校:民間挑戦の男子
安保法論じぬ硬直性に違和感
毎日新聞 2016年03月22日

 防衛大の卒業式で卒業生の帽子が一斉に宙を舞ったその時、任官拒否した男子学生の1人は式場ではなく、校内の別の場にいた。
任官拒否者は式に出席できない。
防衛大学校の卒業式が21日、神奈川県横須賀市の防衛大であった。
卒業後に自衛官への任官を辞退する「任官拒否者」は卒業生419人中、11%にあたる47人に上り、昨年に比べ2倍近くに達した。
男子学生は安全保障関連法が理由で任官拒否したわけではないが、その国会審議を機に組織への違和感が募ったという。

 「同じ釜の飯を食った仲間と帽子を投げたかったが、仕方ない」。
男子学生は肩を落とした。
学校側は任官拒否者の卒業式出席を防大の設置目的と照らして「適当ではない」と2014年春から認めていない。

 入校したのは「流れ」だった。
安全保障に関心はあったが、防大が第1志望ではなかった。
本命の大学より前に防大から合格通知が届き「学費不要」「幹部自衛官」という響きにひかれ入学した。
規律正しい生活に、厳格な上級生との関係。
それでも、同期で国防の任に燃えているのは「10人のうち2人ぐらいの少数派」だった。

 入校した年の夏に陸海空の部隊を訪れて気づいた。
表舞台に立たない任務でも誇りを持つ現場の自衛官に頭が下がる思いがしたが「自己裁量の幅が狭く、自分が考えている仕事と違う」。
任官拒否の思いが芽生えた。

 昨年の安保関連法を巡る国会審議。
自衛隊の任務拡大は賛成だけど、その前に憲法改正して自衛隊の位置付けを明確にすべきだ。順番が違う」と思った。
だが、校内で議論はほとんどなく、学校側から法の説明はなかった。

自分たちの将来に関係することなのに議論する雰囲気がない。
まるで思考停止のようだ」。
安保関連法を機に改めてみえた組織の硬直性。
違和感が増した。

 任官の意思を尋ねる調査は1年目から年数回ある。
今年1月、任官のための宣誓に署名する紙が配られた。
自衛隊は嫌いではない。
だが、民間企業で自分の力を試す決意が固まり、拒否を伝えた。
 担当教官ら延べ10人ほどと面談した。
「就活で絶対に失敗する」「任官して2、3年した後でも民間に行ける」。
そう説得された。
同じく任官拒否した先輩から面談は5人ぐらいと聞いていた。
「安保関連法で任官拒否が増えたと批判を浴びたくないのか、学校側は昨年より必死に食い止めようとしている」と感じた。
ただ、自分の任官拒否の理由は安保関連法による自衛官の危険の増大ではない。
周りでも聞いたこともない。
「景気が良く民間に挑戦しやすいのが一つの要因」だ。

 任官拒否をとりやめた同期も何人かいたが、考えは揺らがなかった。
防大は「就職のための受験、またはこれに付随する行為」を規則で禁止しているため、就活を控えてきた。
だから就職先はまだ決まっていない。
だが仲間の同期は「おまえの道を進め」と応援してくれている。
「税金で学びながら、自衛官にならずに裏切ったという気持ちがある。
だからこそ、防大で培ったことを生かして社会で活躍したい」
                            【町田徳丈】
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2016年03月24日

欠陥マイナンバー 強引な推進は矛盾深めるだけ

欠陥マイナンバー
強引な推進は矛盾深めるだけ
2016年3月22日(火)しんぶん赤旗「主張」

 今年1月から本格運用が始まったマイナンバー(共通番号)制度をめぐり、トラブルが相次ぎ、仕組みの矛盾が浮き彫りになっています。
マイナンバーの通知書を受け取れない世帯が依然として数百万規模で残されているだけでなく、政府が普及に力を入れる「個人番号カード」の発行でシステム障害が繰り返されていることが新たな問題として浮上しています。

問題を放置したまま、制度を推し進めるのは、あまりに乱暴です。

システム障害が続発し

 マイナンバーは、日本に住民登録している人全員に12桁の番号を割り振り、税や社会保障などの個人情報を国が管理する仕組みです。
昨年10月から、対象となる約5600万世帯に番号を通知する簡易書留を郵送しましたが、さまざまな事情で転居届をしていない人たちなどの手元に届かず、200万通以上が返送されています。
自分の番号をいまだに知ることができない人たちがこれだけ残されたままになっていること自体、制度が抱える矛盾を示しています。

 番号通知すら終わるめどがないのに、安倍晋三政権は1月から、希望者が任意で申請する「個人番号カード」の交付作業を開始しました。
「個人番号カード」はいまのところ身分証明くらいにしか使い道がありません。
むしろ、他人にむやみに知らせてはならない番号と顔写真・氏名が一体で記載されているカードを持ち歩くことの方が、紛失や盗難のリスクを高めるものです。

そんな問題にはほとんど触れず、もっぱら「メリットいっぱい」などと宣伝し普及促進にばかり力を入れる安倍政権のやり方は、国民の個人情報の保護に責任をもつ姿勢ではありません。

 重大なのは、政府が普及を促している「個人番号カード」の交付システムでトラブルが繰り返され、希望者への交付手続きが大混乱に陥っていることです。
「個人番号カード」の交付は、市区町村の窓口が行いますが、それを統括している「地方公共団体情報システム機構」(東京)のカード管理システムが断続的に障害をおこし、カードが発行できない事態が続発しています。
遠くからカードを受け取りに来た高齢の人に帰ってもらったり、後で郵送する手続きをとったりと、住民や自治体職員に大変な手間と不便を強いています。

 機構は詳しい原因を明らかにしていませんが、2カ月以上も正常に機能しないというのは、構造的欠陥も疑われます。
個人情報の管理にかかわるシステムを、不具合のまま動かし続けるのは危険です。
せめて原因が解明されるまで、システムを止め、交付作業をストップすべきではないのか。
ずるずる続けるのは許されません。

凍結・中止こそ急がれる

 これまでに「個人番号カード」交付を希望したのは約900万人ですが、それさえ交付完了の見通しは立っていません。
計画自体に無理があることは明らかです。

 安倍政権はいまだに「個人番号カード」普及を宣伝したり、「カード」の民間利用拡大の検討会を発足させたり、と異常な前のめりです。
いまやるべきことは、噴出している問題点の徹底的な検証と制度の見直しです。
個人情報を危険にさらし、国民への国家管理と監視強化につながるマイナンバー制度は凍結・中止し、廃止に向けた議論を行うことが必要です。
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73歳、孫と共に高校卒業 不慣れなパソコン授業、足の骨折乗り越え

73歳、孫と共に高校卒業
 不慣れなパソコン授業、
   足の骨折乗り越え
西日本新聞 3月23日(水)11時38分配信

 足かけ50年の春が来た−。
佐賀市久保田町新田の陣内シヅ子さん(73)が今月、同市の佐賀北高通信制を猛勉強の末に卒業した。
不慣れなパソコン授業でも懸命に学び、足の骨折などのアクシデントも乗り越えた。
孫で同高普通科の沙百合さん(18)と同じ年に門出を迎え、一生の思い出となった。

 6人きょうだいだったシヅ子さんは、15歳で嘉瀬中(現昭栄中)を卒業したが、経済的理由で高校進学を断念。
得意だった洋裁の専門学校に進んだ。

しかし、諦めきれず、洋裁を学びながら1964年、21歳で佐賀北高通信制の門をたたいた。
念願はかなったが、68年に結婚して生まれた2人の子育てに時間をとられ、当時は中途で断念。子どもたちが独立し、2012年4月に再入学していた。

 2度目の高校生活で大きな心の支えとなったのが、同高普通科を今月1日に卒業した孫の存在だったという。
「沙百合と一緒に卒業したい」。
昼間は洋裁の仕事をし、夕食後に3時間ほど勉強して課題を仕上げた。
難問の解き方を教わるため、鳥栖市の長男清治さんを訪ねたこともある。

 学業以外でも壁にぶつかった。
前期試験を控えた12年9月、買い物中に段差でつまずき、左足のつま先を骨折。
しばらく車いす生活を強いられたが、月2回の登校日は次男竜美さんの妻が高校に送迎してくれた。
13年3月には白内障で目を手術。
勉強時間を減らして乗り越えた。
 6日に通信制の卒業式があり、沙百合さんと長男夫婦が駆けつけ「おめでとう」と祝福してくれた。
通信制145人中、最年長の卒業生だった。
とりわけ“同窓生”となった沙百合さんの「おばあちゃん、よく頑張ったね。一緒に卒業できて良かったね」の言葉がうれしかったという。

 21歳から半世紀後、ようやく手にした卒業証書。
シヅ子さんは「うれしい気持ちとほっとした感情が半々」とかみしめている。
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2016年03月25日

待機児童300万人 なぜ保育園に入れない E

待機児童300万人 なぜ保育園に入れない E
周辺住民が拒絶も
知られざる新規開設“反対運動”
2016年3月24日 日刊ゲンダイ

あまり知られていないが、待機児童が減らない原因のひとつに、保育園新設地の周辺住民による「反対運動」がある。
“保育園はいらない”ということで、背景には「騒音問題」(業界関係者)があるというが、それだけではない。

本紙記者が、東京都内「ワースト1」の1182人の待機児童を抱える世田谷区内の新設予定地2カ所を歩いた。

 1カ所目は、東急東横線田園調布駅から徒歩約15分に位置する東玉川の新設予定地。
現在は更地だが、定員60人の認可保育所が2017年4月に開園予定だ。
瀟洒な邸宅に囲まれ、辺りは物音ひとつない静寂に包まれている。
そんな中、異彩を放つのが、周辺の10軒程度の家屋の塀に掲げられた横断幕だ。
黄色地に黒い文字で、〈開設反対!! 住環境の破壊!〉と記されている。

周辺住民の70代女性はこう話す。 「予定地の目の前の道は狭い上、大通りへ抜ける裏道になっており、交通量は意外に多い。
毎年、事故が起きています。
保育所ができれば、親御さんの送り迎えが増え、さらなる事故を招くかもしれません。
それに、この辺りは賃貸住宅を貸しているオーナーさんもいます。
保育園が周辺にあると、『音』を気にして入居者が来なくなってしまう恐れもあります。
保育所の重要性は理解していますが、近所の皆さんの生活がかかっていることでもあるので、余計に開園には慎重になってしまうのです

 2カ所目は、田園調布駅から徒歩約8分で、環状8号から細い路地を入って数メートルに位置している。
こちらも更地で、目の前の道は1カ所目よりさらに狭く、駐停車すれば歩行者の通行もままならない。
もともと、定員161人の認可保育所が来月、開園予定だったが、周辺住民との折衝が長引き、「開園は17年4月以降になる」(世田谷区担当者)という。
周辺に住む50代男性はこう言う。
161人もの子供を抱える保育所となると、それ以上の親御さんが朝夕に送り迎えに来ることになります。
そうなると、交通の妨げになってしまうし、最悪、事故につながるかもしれません。
まだまだ、区との折衝は十分とはいえません」

 現状を世田谷区はどう考えているのか。
「2カ所の予定地の周辺住民と話し合いをした結果、まず周辺に交通指導員を立たせることを決めました。
父兄に対し、園からの注意喚起や警察からの講習会も行いますし、『保育所あり』の標識も立てる予定です。
不満の声は絶えませんので、しっかりと説明していくつもりです」

 世田谷区と住民の声は平行線をたどる。
待機児童が減らない原因が意外なところにあった。
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「議会の多数を得ての革命」の路線は明瞭、政府の「暴力革命」答弁書は悪質なデマ

「議会の多数を得ての革命」の
路線は明瞭
政府の「暴力革命」答弁書は
悪質なデマ
2016年3月24日(木)しんぶん赤旗

 政府は22日の閣議で、鈴木貴子衆院議員の「日本共産党と『破壊活動防止法』に関する質問主意書」への答弁書を決定しました。

このなかで政府は、日本共産党について「現在においても、破壊活動防止法に基づく調査対象団体である」とし、戦後、「暴力主義的破壊活動を行った疑いがある」とか、「現在においても…『いわゆる敵の出方論』に立った『暴力革命の方針』に変更はない」などといっています。

これは党の綱領路線を百八十度ねじまげ、歴史の事実を歪曲(わいきょく)した悪質なデマです。


「敵の出方論」=「暴力革命」が成り立たないことははるか前に決着ずみ

 「敵の出方論」をもちだして「暴力革命」の根拠とする議論が成り立たないことは、政府答弁が引用している1989年2月18日の衆議院予算委員会における不破哲三副議長(当時)と石山陽公安調査庁長官(当時)との論戦でも決着ずみのものです。

 同委員会で不破氏は、国民多数の支持のもとに政権を目指す日本共産党の綱領路線を説明し、「敵の出方論」について、日本共産党など統一戦線勢力が選挙で勝って政権についたとき、これに従わない勢力が暴挙に出た場合に、政府が取り締まることは憲法に基づく当然の権利であることを解明しました。
これに対し、石山長官は、「政権を確立した後に、不穏分子が反乱的な行動に出てこれを鎮圧するというのは、たとえどの政権であろうとも、当然行われるべき治安維持活動です」と答えざるをえませんでした。

 その一方で、石山長官は、「敵の出方論」について、
「民主主義の政権ができる前にこれを抑えようという形で、不穏分子をたたきつけてやろうという問題」もあると答弁しました。
 これに対しても、不破氏は、1970年の第11回党大会決議の「人民の政府ができる以前に、反動勢力が民主主義を暴力的に破壊し、運動の発展に非平和的な障害をつくりだす場合には、広範な民主勢力と民主的世論を結集してこのようなファッショ的攻撃を封殺することが当然の課題となる」との文言を読み上げ、反論しています。

 日本共産党が、かつての一連の決定で「敵の出方」を警戒する必要性を強調していたのは、反動勢力を政治的に包囲して、あれこれの暴力的策動を未然に防止し、社会進歩の事業を平和的な道で進めるためであって、これをもって「暴力革命」の根拠とするのは、あまりに幼稚なこじつけであり、成り立つものではありません。
それは、国会の質疑でもはるか前に決着ずみのことです。

 日本共産党の綱領には、
「『国民が主人公』を一貫した信条として活動してきた政党として、国会の多数の支持を得て民主連合政府をつくるために奮闘する」こと、さらに将来の社会主義的変革についても、「国会の安定した過半数を基礎として、社会主義をめざす権力」をつくるのをはじめ、「社会の多数の人びとの納得と支持を基礎に、社会主義的改革の道を進む」ことを明らかにしています。

 「議会の多数を得て社会変革を進める」――これが日本共産党の一貫した方針であり、「暴力革命」など縁もゆかりもないことは、わが党の綱領や方針をまじめに読めばあまりに明瞭なことです。

党の正規の方針として「暴力革命の方針」をとったことは一度もない

 政府答弁書では、日本共産党が「暴力主義的破壊活動を行った疑いがある」と述べています。  

1950年から55年にかけて、徳田球一、野坂参三らによって日本共産党中央委員会が解体され党が分裂した時代に、中国に亡命した徳田・野坂派が、旧ソ連や中国の言いなりになって外国仕込みの武装闘争路線を日本に持ち込んだことがあります。

 しかし、それは党が分裂した時期の一方の側の行動であって、1958年の第7回党大会で党が統一を回復したさいに明確に批判され、きっぱり否定された問題です。

 日本共産党が綱領路線を確立した1961年の第8回党大会では、日本の社会と政治のどのような変革も、「国会で安定した過半数」を得て実現することをめざすことを綱領上も明確にしました。
これは外国の干渉者たちが押しつけてきた武装闘争方針を排除したことを綱領上はっきり表明したものでした。

 日本共産党は、戦前も戦後も党の正規の方針として「暴力革命の方針」をとったことは一度もありません。
歴史の事実を歪曲した攻撃は成り立ちません。

憲法が保障する結社の自由に対する重大な侵害行為をやめよ

 今回の政府答弁書は、このような使い古しのデマをもとに、今もなお日本共産党を「破壊活動防止法に基づく調査対象団体」だとしています。
 しかし、前述の1989年2月18日の衆院予算委員会での不破氏の追及の前に、石山公安調査庁長官は、当時までの36年間にわたって、「現実に規制の請求を致したことはありません」と述べ、「暴力革命」の「証拠」がそれまでに一つとして見つからなかったことを認めました。  

その後も、27年間が経過していますが、公安調査庁が多額の国民の税金を使い、不当な手段を弄(ろう)して日本共産党への「調査活動」を行っているにもかかわらず、「暴力革命」の「証拠」など、一つもあげることなどできません。

 天下の公党である日本共産党に対して、「暴力革命」という悪質なデマにもとづいて、不当な監視、スパイ活動を行うことは、憲法の保障する結社の自由にたいする重大な侵害であり、ただちにやめるべきです。
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2016年03月26日

やり過ぎか当然か 横浜市“職員たばこ休憩”規制検討の是非

やり過ぎか当然か
横浜市“職員たばこ休憩”
規制検討の是非
2016年3月25日 日刊ゲンダイ

 やり過ぎじゃないか。
横浜市はたばこ休憩を規制しようと躍起で、市議会で議論を重ねている。
市職員には約4000人の喫煙者がいて、全員が1日35分のたばこ休憩を取った場合、年間で総額約15億4000万円の損失になると試算。
費用対効果から勤務時間中の喫煙を規制すべきとしているのだ。

 健康増進法の施行以来、スモーカーは肩身が狭い。
商業施設や公共施設での喫煙は厳しく制限され、大阪市や神戸市は勤務時間中の職員の喫煙を禁止している。
横浜市の規制は健康志向の流れを受けたもので、非喫煙者の多くが「スモーカーがちょこちょこ休むのはズルいから当然だ」と拍手している。

 健康面からたばこがヤリ玉に挙げられるのは時代の流れかもしれない。
しかし、そこに“息抜き”を絡めるのはおかしいだろう。

非喫煙者だって、社内のコーヒーを取りにいくついでに隣の部署の仲間と世間話したり、トイレの個室にこもってスマホをいじったりする。
これだって息抜きだ。

 聖マリアンナ医大神経内科元准教授で、「脳の休ませ方」などの著書がある米山公啓氏が言う。
脳の集中力が持続するのはせいぜい1時間。
それくらい仕事を続けたら、たばこを吸う、吸わないに関係なく、5分程度の息抜きが必要です。
たばこが健康に良くないのは言うまでもありませんが、息抜きを認めない社会はおかしい
適度に息抜きを取り入れた方が、結果的に仕事の効率が上がります

 ニュートンは散歩中に木からリンゴが落ちるのを見て、万有引力の法則をひらめいた。
アイデアが湧いたのは、頑張って仕事をした後の息抜きだった。

一般のサラリーマンが世界的な大発見を生むことはないが、それでもちょっとした息抜きでミスを減らしたり、企画のヒントを思いついたりする可能性は十分だろう。


 そんな息抜きの効果に着目している先進的な企業もある。
大阪に本社を置くIT企業「ヒューゴ」だ。
「創業者の中田大輔社長は、ダラダラと仕事を続けることの効率の悪さを重く見て、2007年から午後1〜4時を昼休みにするシエスタを導入。
その間、社外の電話には『ご連絡は午後4時以降にお願いします』と流れます。
シエスタの使い方は自由で、寝ても外出してもいい。
シエスタを使うと終業は8時ですが、早く帰りたければシエスタ中に仕事をしてもいい。
導入3年後の10年は、売上高が2倍にハネ上がっているので、社長のもくろみ通りです」(経済ジャーナリスト)

 埼玉のリフォーム会社「オクタ」は、社員に1日1回、20分程度の仮眠を認めている。
疲れた体で電卓を打っても計算ミスが増えるが、仮眠すれば一度で済むから結果的には効率が良く、社内の雰囲気も和やかになったという。

福岡県有数の進学校、県立明善高校は、昼休みに15分の午睡を導入したところ、センター試験の平均点がアップしたそうだ。
一服5分の休憩を取るスモーカーも悪くないのだ。
 シエスタ文化を捨てつつあるスペインは、そればかりが理由ではないが、失業率が20%を超えるなど経済がガタガタだ。

日本社会も周りの息抜きを許容できないくらいギスギスすると、スペインの二の舞いになってしまう……。
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2016年03月27日

安倍が自衛隊を私兵扱い、皇軍化計画も

安倍首相が防衛大卒業式で
自衛隊を「私兵」扱い…
裏では任官拒否者の隠蔽工作や
自衛隊“皇軍化”も進行中
2016.03.26.LITERA(野尻民夫)

 さる3月21日、幹部自衛官を養成する防衛大学校(神奈川県横須賀市)で卒業式が行われ、“最高指揮官”である安倍晋三首相が得意満面で訓示した。
 しかし、その内容は「恐怖」さえ感じさせるものだった。

いつものスクランブル7倍増加話や日露戦争賛美に加えて、わずか十数分の話の間に4回も、自らを「最高指揮官」と呼び、こんなことを語り始めた。
「将来、諸君の中から、最高指揮官たる内閣総理大臣の片腕となって、その重要な意思決定を支える人材が出てきてくれることを、切に願います」
つまり、軍人を片腕にすることを宣言したのだが、もっと不気味なのはこんなフレーズだった。

「『事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応える』。この宣誓の重さを、私は、最高指揮官として、常に、心に刻んでいます。
(中略)諸君は、この困難な任務に就く道へと、自らの意志で進んでくれました。
諸君は、私の誇りであり、日本の誇りであります」
「私の誇り」って、自衛隊はあんたの私兵なのか、と思わず突っ込みをいれたくなるではないか。

 しかし、こうした安倍の自己陶酔的演説とは裏腹に、この卒業式では安倍が国民に知られたくない“不都合な事実”も露呈した。
それは、卒業後に自衛官にならない任官拒否者が昨年の倍近い47人も出たことだ。
 防衛大学校の学生は入学と同時に防衛省の職員とみなされ、入学金・授業料約250万円が免除されるほか給料も支給される。
毎年数人の任官拒否者は出るが95%以上は幹部自衛官候補として任官する。
今年は全卒業生419人で任官拒否が47人。
拒否者が10%を超えるのは異例中の異例だ。
しかも、これでも、数字を低く抑えたのだという。

防衛省担当記者が解説する。
「実は、もっと多くの任官拒否者が出ると聞いていました。
ところが、今年の卒業生は『集団的自衛権第1期生』といわれ世間の注目が集まっていた。
任官拒否が急増すると政権批判の材料になりかねないので、官邸からの指令もあって例年に比べて引き止め工作が凄かったんです。
中には教官が10人がかりで説得したという話もあるほど。
もっとも、この段階で説得されて自衛官になってもすぐに辞める可能性が高いので、結果は同じことなんです。
47人は氷山の一角に過ぎません」

 表に数字が出てこないのであまり知られていないが、防大卒業後1年もしないうちに自衛隊を離れ、民間企業に転職する“隠れ任官拒否”も毎年数十人はいるらしい。
それが今年はさらに倍増する見込みだという。
それはそうだろう。
日本の国を守るために危険を顧みない覚悟はできていても、アメリカの戦略にために命を危険に晒したくないと思うのは普通だ。
ましてや「安倍の私兵」になんかなりたくないというのが偽らざる気持ちだろう。

 安倍は「日米同盟は血の同盟」「米兵が日本のために血を流しているのに、自衛官が血を流さないのはおかしい」と真顔で言える人間なのだ。
 そんな安倍を象徴するもうひとつの事実がこの卒業式で垣間見えた。
任官拒否者に対する仕打ちだ。
任官を拒否した学生は正式な卒業生でありながら卒業式への出席が許されなかった(したがって、帽子を放り投げる“ハレの場”に出られなかった)。
私服に着替えさせて、裏門から帰宅させたのだ。

これは、第2次安倍政権の始まった一昨年からの方針なのである。
当日の取材をした防衛大卒の毎日新聞記者で『自衛隊のリアル』(河出書房新社)などの著書のある瀧野隆浩氏がラジオでこう訴えていた。
「私が卒業した30年前からごく最近まで、(任官拒否者も)一緒に帽子を投げたんです。
いまの世の中の雰囲気というんでしょうか。
同じ防大卒業生に線を引いて分断するような。
とても残念で、寂しい。
コソコソ卒業させるというのは、やっぱり違うと思うんです」

 つまり、“最高指揮官”である私(安倍)の支配下に入り、命を投げ出さない者は徹底的にいじめてやろうという魂胆なのだろう。
だが、そんな姑息な手段を使っても「アメリカのため戦わされる」自衛官の流出が止まるとは思えない。
 そこで安倍はとんでもない計画を進行させている。
それはズバリ「自衛隊の皇軍化」だ。
 これはどういうことかというと、自衛隊の制服組トップである統合幕僚長や陸上幕僚長を任官にあたって天皇の認証が必要とされる「認証官」へ格上げしようというのである。

集団的自衛権の行使容認や自衛隊の「国防軍」への転換などを見越して、制服組幹部を国家機構の中枢に位置付ける狙いがあるというのだ。
先の防衛省担当記者は言う。
「これは降って湧いた話ではありません。
安倍さんを筆頭とする右派議員が『制服組の地位向上』として以前から目論んでいたことです。防衛省の内部文書には『国家としてその職責に見合う名誉を付与することが必要』と明記されており、集団的自衛権の行使容認とリンクしていることは間違いありません。

幹部が認証官になることで自衛隊の政府内での権威・発言力が大幅に強まるばかりか、現行憲法下での天皇=象徴、自衛隊=専守防衛の関係を乗り越え、天皇の権威を自衛隊に直結させる非常に危険な思想といえます

 現在、認証官は首相を除く国務大臣、副大臣、内閣官房副長官(政務・事務)、特命全権大使、宮内庁長官、最高裁判事などで、これに陸海自衛隊の最高幹部である幕僚長や陸幕長を加えようという話だ。
実現すれば、防衛大臣と自衛隊幹部が「天皇の認証」という意味で形式上、同格になる。
 軍人と天皇が直結するとどうなるか。
これは大日本帝国憲法下で「統帥権の独立」をたてに陸軍大臣、海軍大臣を無視して陸軍の参謀本部、海軍の軍令部が暴走したのと同じ構図といってもいい。
まさに自衛隊を皇軍(天皇の軍隊)にしようという動きともいえる
このままいくと軍事が政治に優先する危険すらある。

 実は、自衛隊における制服組(軍人)優位の動きは安倍政権下、すでに国民に見えない形で着々と進められている。
自衛隊の運用に関する意思決定についてはかつては内局官僚(背広組)が自衛官(制服組)より優位にあるとされてきたが、昨年6月の防衛省設置法改正で「文官統制」制度が全廃され、背広組と制服組が対等になっている。
さらに具体的な作戦計画策定についても、制服組が背広組に大幅な権限移譲を要求しているという。
安倍が望む“戦前回帰”がすでに現場レベルで進行しているというわけだ。
 幕僚長、陸幕長らの認証官問題はまさにこの流れに沿ったものなのだ。

 軍人の地位を高めるために安易に“天皇の権威”を利用しようとする安倍のやり口は、保育士の地位向上に叙勲を持ち出すのと同じアナクロな精神構造だ。
新安保法制の施行で自衛官の戦死リスクは確実に高まるにもかかわらず、殉職自衛官の遺族に対する経済的補償を充実させるわけでもなく、天皇の政治利用でごまかそうとする。
 こんなことを続けていたら、そのうち、安倍が「私の軍」と思っているその自衛隊の中から安倍批判の動きが出てくるかもしれない。
                              (野尻民夫)
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2016年03月28日

「定員緩和」の落とし穴 保育園に“ブラック化”の恐れ

「定員緩和」の落とし穴
保育園に“ブラック化”の恐れ
2016年3月27日 日刊ゲンダイ

「保育園落ちた」の匿名ブログがきっかけで、待機児童問題が炸裂。
焦る安倍政権は、大急ぎで“対策”をまとめていて、認可保育所より小さい面積で設置が可能な「小規模保育所」の定員枠を緩和する方針だ。
現状では19人と定められている定員を、二十数人まで増やすという。

 枠が広がれば待機児童の減少に一役買いそうだが、落とし穴がある。
 子供1人当たりの保育士の人数まで緩和されれば、保育の質の低下が危惧される。
ただでさえ重労働の保育士の負担がさらに増え、場合によっては保育所の“ブラック化”を招く恐れもある。

「ブラック保育園被害者の会」の田中絵里緒会長はこう話す。
園長の意識が低かったり、人手が不足していたりと、保育園が“ブラック化”する原因はさまざまです。
言うことを聞かない子を床に正座させたまま放置したり、たたくなどの暴力を振るうケースも枚挙にいとまがありません」
 管理が行き届かず、子供を死なせてしまうケースもある。

「2011年に当時1歳だった娘は、保育所の事故で亡くなりました」と語るのは「赤ちゃんの急死を考える会」の阿部一美さんだ。
「娘を預けていた、さいたま市の保育所に聞き取りをすると、娘は睡眠中に亡くなったことが分かりました。
当時、保育士は昼寝中に必須の呼吸チェックをしていなかったことに加え、一度目が覚めてしまった娘をうつぶせにして寝かせていた。
娘が嫌がっているにもかかわらず、無理やりご飯を口に詰め込んだこともあったそうです」

 昨年12月6日には神奈川・平塚市の定員20人の認可外保育所で、生後4カ月の男児が死亡。
原因は不明だが、事故当時、男児は睡眠中だったとみられ、職員はたった1人だったという。
保育園が“ブラック化”してしまう原因を、前出の阿部さんはこうみる。

子供の性格は千差万別で、時間をかけて接しないと把握できません。
しかし、待遇の悪さが原因で、多くの保育士は短期間で離職してしまう傾向にあり、ベテラン保育士が少ない。
新人の保育士では子供との接し方が分からず、ストレスをため、虐待に走ってしまうケースもある。
子供が寝つかなければ抱っこして気を紛らわせる、ご飯を嫌がるのなら無理に食べさせないなど、臨機応変な判断はベテラン保育士でないと、なかなか難しいのです」

 受け皿を増やして、保育所が“ブラック化”しては本末転倒だ。
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2016年03月29日

安倍がヒトラーと同じ手口で共産党排除

安倍政権が共産党を
「破防法の対象」と閣議決定!
露骨なネガキャンと
共産党排除は
ヒトラーと同じ手口だ
2016.03.27.LITERA(梶田陽介 )

 先週3月22日、安倍内閣が日本共産党について、「現在においても破壊活動防止法(破防法)に基づく調査対象団体である」
「『暴力革命の方針』に変更はない」との答弁書を閣議決定した。

無所属・鈴木貴子衆院議員の質問主意書に対する政府の回答だが、これに対し、ネット上では保守派やネトウヨたちが歓声をあげている。
「そんなテロ政党がドヤ顔で政治家やってるのが放置されてる不思議」
「共産党を支持してる人もテロリストw」
「日本から消えてどうぞ」
「そんな連中と組む民進党w」
「なるほど「民共」で暴力革命かw」

 毎度のことながらなんという頭の悪さ。こいつらは破防法というのがどういう法律なのか、まったくわかっていないらしい。
 破防法とは、「暴力主義的破壊活動」を行った団体に対する規制措置などを定めた法律で、たしかに共産党をずっと調査対象にしてきた。
同法とセットで設置された破防法適用のための調査機関である公安調査庁(公安庁)のレポート「内外情勢の回顧と展望」の2016年1月版でも、イスラム国を始め、朝鮮総連、オウム真理教、中核や革マル等の新左翼セクト、一部右翼団体などとともに、現在でも日本共産党について述べられている。
 しかし、この破防法はもとももと東西冷戦下の1952年に共産党を排除する政治的な目的でつくられた法律。
しかしこの間、なんの具体的な成果も上げられず、破防法も公安庁も、自民党や警察関係者にすら「無用の長物」「予算の無駄遣い」と冷笑されてきた存在なのだ。

 長年日本の公安当局を取材している記者が解説する。
「破防法と公安庁に存在価値がないというのは政治的なスタンスとは関係のない客観的事実ですよ。
公安庁はその成り立ちから、共産党を取り締まることを最大目的にしてきたが、この60年以上、なんの破壊活動の証拠も掴むことはできなかった。
途中で、自民党からも『こんなところに膨大な予算をかける意味がないだろう』という批判が出て立場が危うくなっている。
それで、調査対象をシフトして、1995年のオウム真理教事件で初めて団体規制請求をするんだけれど、これも却下されている。

最近も、極左過激派が参加しているなどとして、安保法反対運動、反原発運動、沖縄基地反対運動等までもマークしているが、ほとんど妄想に近いような内偵を繰り返しているだけで、なんの成果も上げられていない。
そうしたなかで『共産党は今でも調査対象か?』なんて主意書が出てきたら、公安庁の連中は自分たちの存在理由を誇示できるから、大喜びで、イエスと答えるだろうね」

 今回の主意書は、公安庁にとって、存在を忘れられがちな自分たちをお上にアピールする絶好の機会だったことは想像に難くない。
 だが、問題は、内閣がそれを閣議決定までして、答弁書として共産党の名前を明示したことだ。
産経新聞は今月23日付の紙面で、政府の答弁書について「政府が調査対象の団体を明示するのは異例」
「極めて異例の対応」などと書いていたが、たしかの過去、口頭の質疑で当時の公安調査庁長官が言及することはあったものの、政府答弁書という形はあまり前例がない。

 産経は「今回の答弁書決定は、いまだに綱領に『革命』を明記する同党への警戒の表れ」などと、またぞろトンチンカンなことをほざいているが、安倍政権がまことに「警戒」しているのは、近年共産党が、安倍首相の強引なやり口に反発する国民の声を吸収して躍進しており、参院選での野党共闘を呼びかけているからに他ならない。

 実際、自民党は「『野党統一候補』=『民共合作候補』」などとするビラまで作成。
「WiLL」(ワック)などの安倍応援雑誌にも、共産党批判特集を掲載させるなど、共産党叩きに躍起になっている。
そこに出てきたのが、今回の“共産党は破防法調査団体”という閣議決定だった。
 これは明らかな安倍政権による参院選対策であり、共産党へのネガティブ・キャンペーンなわけだ。しかも、この主意書の存在自体、“やらせ”である可能性が極めて高い。
というもの、主意書を提出した鈴木貴子議員は、元衆議院議員の鈴木宗男・新党大地代表の娘。最近まで民主党所属だったが、民主が共産党と選挙協力することに反対して先月、離党届を提出(処分は除籍)しており、自民党入りは確実視されていたからだ。
政治部記者が続ける。
「宗男氏は先月24日にも安倍首相と官邸で面会し、夏の参院選での自民党候補支援などを約束したと見られています。
ようは野党の連携を乱すために、『破防法』とか『暴力革命』という言葉で共産党にマイナスイメージをもたせ、自民党への“手土産”にしたということ。
国会で政権与党が政府に質問するようなものですから、ほとんど“やらせ”ですし、そもそも今の時代に“反共キャンペーン”なんて、産経以外の記者は冷ややかに見てますよ(笑)」

 まあ、こんな安倍政権の策謀に嬉々としてひっかかるのは、それこそ冒頭で紹介したネトウヨのみなさんぐらいしかいないと思うが、しかし、歴史を振り返ってみると、笑って済ませられる話ではまったくない。

 たとえば、ナチスドイツが反共を喧伝し、ドイツ共産党などの抵抗勢力を弾圧することで権力を掌握していったのは有名な話だ。
1933年、ヒトラーの首相就任から1カ月後の2月27日、国会議事堂が炎に包まれた。
犯人については諸説あるが、現場に駆けつけた内相ゲーリングは合流したヒトラーの姿をみるや、即座に大声で断言したという。
「間違いなくこれは共産党の仕業ですぞ、首相。議事堂内で最後に目撃されたのは共産党の議員です」。
ヒトラーはこう明言したという。「われわれは鉄拳をもってして人殺しのペストを粉砕しなくてはならなん」(『ヒトラー 権力掌握の二〇ヵ月』グイド・クノップ・著、高木玲・訳/中央公論新社)。
 国会議事堂炎上事件の翌日、ヒンデンブルク大統領の署名のもと、「国民と国家を防衛するための大統領令」を発令。
これは言論や集会・結社の自由など、国民の基本的人権のほとんどを失効させるものだった。
さらに、その日のうちに、ドイツ共産党関係者が逮捕された。
そのなかには、ほとんど共産党とつながりのない作家や芸術家などの知識人もいたという。
続いて、ドイツ共産党とドイツ社会民主党の機関紙がまとめて発禁処分を受けた。
だが事件の夜、ドイツ共産党の武装蜂起と判断できるような動きは警察の記録にも一切存在しなかったという。
そして、翌月、総選挙を経て反対勢力を国会から追いやったヒトラーは全権委任法を成立させた。
国会でドイツ社会民主党の党首からその「迫害」を批判されたヒトラーは、こう反論したという。
「貴君は迫害とおっしゃる。(略)さらに貴君は、批判は有益であるともおっしゃる。たしかにドイツを愛する人であれば、私たちを批判してよいだろう。けれどもインターナショナルを信奉する者に、私たちを批判することはできない!」(前掲書より)

「日本を取りもどす」の御旗のもと、批判する人たちを「反日」として攻撃する、安倍首相の姿そのものだ。
先日本サイトでもお伝えした国家緊急権、すなわち自民党が改憲で新設を目論む緊急事態条項についても同様だが、今回、破防法をもち出して共産党を攻撃したのも、まさにヒトラーの手法と重なる。

 また、現在は、夏の衆参同日選の可能性が高まっている。
ここにきて、安倍首相は一気に9条第2項を争点にするという見方が現実味を帯びてきているという。
「緊急事態条項もそうだし、公明党に配慮した環境権、はたまた発議要件を変更する96条など、安倍首相が在任中に国民投票であれもこれも一気に変えるとなると、さすがに政権は体力がもたない。
だったら、最初からいきなり9条2項の戦力の不保持と交戦権の否定をやってしまおうということみたいです。
実際、首相に近い議員からは、そのプランをしきりに安倍首相に進言していると聞きます」(前出・政治部記者)

 現状、9条の護持をもっとも強く掲げる共産党に対し、露骨な反共キャンペーンを行った理由は、決して安倍首相の頭の中が冷戦時代で止まっているとか、そういう話ではないのだ。名実ともに独裁に突き進む安倍政権。最後に「待て」をかけることができるのは、やはり国民の声しかない。
                             (梶田陽介)
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2016年03月30日

安保法の影響深刻 自衛隊の中核「曹候補生」応募者が激減

安保法の影響深刻
自衛隊の中核「曹候補生」
応募者が激減
2016年3月29日 日刊ゲンダイ

 29日、安全保障関連法が施行され、自衛隊が地球のどこでも「交戦」が可能になったことで、早速、現場に影響が出始めた。
自衛隊の中核を担う曹(下士官)を養成する「一般曹候補生」の応募者が激減しているのだ。  

防衛省によると、15年度は前年度比19.4%減の約2万5000人。
応募者は初めて3万人の大台を割り込み、この5年間で半分に減少した。現場で実務を担う「曹」の激減がもたらす影響はかなり深刻だ。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏が言う。
「昔の軍隊で『軍曹』にあたる曹は7〜8人の小部隊のリーダーとして教育を行い、幹部の補佐もする。
自衛隊を円滑に運用していく上で欠かせない人材ですが、その担い手が減ると、自衛隊の士気に大きく関わってくると思います。

曹の応募者が激減したのは、もちろん安保法の影響でしょう。
施行により任務の危険性と責任が一気に増しました。
これまでは戦闘状態になれば“退避”を命令すればよかったのですが、今後はとっさの状況判断で“反撃”を命じなければならない場面が出てきます。
自分のミスジャッジによって部下が落命するかもしれないし、場合によっては小隊が全滅しかねない。
若者の出世願望が減っているという調査がありますが、曹の応募者激減にも同じようなことが言えます」

 米大統領選の共和党指名候補争いで首位を走るドナルド・トランプは在日米軍の撤退に言及しているから、自衛隊の活動範囲はますます広がるかもしれない。
防衛大の卒業生の任官拒否者も今年は昨年の倍近くにハネ上がった。
徴兵制の復活がどんどん現実味を帯びてくる。
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2016年03月31日

新宿署、痴漢冤罪めぐる証拠隠蔽発覚

新宿署、痴漢冤罪めぐる
証拠隠蔽・改竄工作が発覚…
違法捜査受けた男性は直後に死亡
2016.03.30 Business Journal

文=上田眞実/ジャーナリスト

「原告の訴えを棄却する。裁判費用は原告の負担とする」
 3月15日午後1時10分、東京地裁709号法廷に小海隆則裁判長の抑揚のない声が響いた。
その瞬間、傍聴席は水を打ったように静まり返った。
5年をかけた母親の願いはわずか1分で打ち砕かれた。

 09年12月10日午後11時過ぎ、転職先の職場の歓迎会を終えて帰宅を急いでいた原田信助さん(当時25歳)は東京・新宿駅構内の階段で酔客らにすれ違い様いきなり殴りかかられ、階段から引き落とされる。
さらに男性らは馬乗りになって信助さんの頭を床に打ち付けた。
「階段ですれ違い様に痴漢された。お腹を触られた」という女性の一声で騒ぎに駆けつけた駅員からも暴行を受け、信助さんは警察に助けを求めて110番通報する。
しかし信助さんを待っていたのは、「痴漢の容疑者」としての取り調べだった。

 携帯電話の充電が切れるなどの不運が重なり、信助さんは外部との連絡が取れないまま、新宿西口交番で1時間半にわたり取り調べを受ける。
外部との連絡を認めない取り調べは「逮捕・監禁状態」であり、違法捜査そのものだ。
信助さんは警官から「新宿署へ行けば電話を貸す。あなたの話を聞くから」と新宿署へ連行された。
 しかし、信助さんは新宿署でも徹底的に痴漢の被疑者としての扱いを受ける。
刑事は所持品検査や指紋押捺を行い、信助さんが拒否しているにもかかわらず無理矢理に全身写真を撮るなど、人権を無視した違法捜査を行った。
これらはすべて信助さんが所持していたICレコーダーに記録されている。

被害者が存在しない痴漢事件

 新宿署で「痴漢の被害者」と自称した女性は、信助さんの供述とは違う服装をしており、当日本人が書いた上申書では「人違い」ということで信助さんへの被害届を出さずに立ち去っていた
新宿署には当日の取り調べについて、「痴漢の事実なく相互暴行として後日呼び出しとした」とするメモが残されている。
 新宿署の刑事はその事実を信助さんに伝えていない。
それどころか、ICレコーダーには信助さんが痴漢の容疑者だと誤解させる暴言が記録されている。
信助さんは刑事に「僕はこれから冤罪被害者として生きていかなくてはならないのでしょうか」と問いかけ、「それは相手の出方次第だな」と事もなげに答える刑事のやり取りが残されている。
この時、刑事が痴漢の容疑が晴れたことを伝えていれば、信助さんが将来を悲観する必要もなかったのだ

 結局、翌朝4時に取り調べから解放され、しばらく署で仮眠した後、信助さんは街へ出た。
暴行被害と長時間の容疑者扱いに疲労困憊し、心神喪失していたのか通い慣れた母校、早稲田大学近くの東西線早稲田駅まで歩いた。
 信助さんの帰宅を心配する母親の原田尚美さん(59)に、「息子さんが電車にひかれ危篤だ」と告げる電話がかかってきた。
09年12月11日午後9時3分、病院に駆けつけた尚美さんの目の前で信助さんは息を引き取った。尚美さんが息子の声を聞くために遺品であるICレコーダーのスィッチを押すと、警察署で行われた取り調べの一部始終が記録されていた。
それはもの言えぬ信助さんが遺族に託した「潔白と違法捜査の証言」だった。

 尚美さんは息子の死の原因は警察の違法捜査であると確信。
尚美さんは新宿警察に抗議し事情説明を求めた。
すると新宿署は信助さんの死亡から49日後の10年1月29日に信助さんを痴漢の容疑者として書類送検した(東京都迷惑防止条例違反)。
 被害者が存在しないのにもかかわらず、信助さんが送検されたのはなぜか。
それは、新宿署が尚美さんの提訴を予測して、新宿署に不利な違法捜査の証拠を不開示とするのが目的だといわれている。
被疑者死亡の場合は不起訴処分となり、送致書は不開示扱いとなるのを逆手にとった「証拠隠滅」が目的の送検だったのだ。
これにより、信助さんは社会的に痴漢事件の被疑者として名前が残る事になった。

国家賠償訴訟へ

 尚美さんは11年4月26日、東京都(警視庁)に対して1000万円を求める国家賠償訴訟を提起した。
そして少しでも事件の手がかりをつかもうと新宿駅で目撃者探しを始める。
やがてビラ配りやインターネットを通じての呼びかけに応じて、目撃者の女性が現れた。
尚美さんは事件当日、現場で信助さんが茶髪の若者グループ数人から激しい暴行を受けていたという証言を得る。
信助さんが集団暴行の被害者であることは、記録からも目撃証言からも裏付けが取れたのだ。

「まるで刑事ドラマ。新宿署が裁判対策で『特命捜査本部』を設置」
 尚美さんの弁護を引き受けた清水勉弁護士(さくら通り法律事務所)は、「信助さんが痴漢をしている証拠を出せ、出せないならこの事件は捏造だ」と被告に迫り、仕方なく被告側の弁護士は検察に送致記録の開示を求め、新宿署が検察に送った送致記録は開示された。

これにより新宿署のずさんな捜査方法と信憑性に欠ける証拠物件が次々と明るみになった。
送致書によると、新宿署は信助さんの自殺を受けて09年12月14日に「原田信助さんの痴漢容疑を捜査する」と「特命捜査本部」を設置している。
尚美さんによると、送致書に提出されている信助さんに暴行をふるった若者の写真は、目撃証言とは違う服装をしていた。
さらに自称痴漢被害者の女性は事件当日酩酊しており、信助さんを痴漢扱いしたことについて「人違いでした」という上申書を書いて立ち去ったが、10年1月26日に突然、この女性当人によるものとされるワープロ打ちの被害届が新宿署に提出された。

裁判対策用に信助さんを容疑者に仕立てる証拠品や調書の偽造が「特命捜査本部」で行われていたのは、想像にかたくない。

犯罪立証に目撃者はいらないのか

 敗訴の判決を受け都内で開かれた裁判説明会で清水弁護士は、「痴漢事件など存在しない」と怒りを露わにした。
「防犯カメラの映像は警察で恣意的に使われている」と清水弁護士は監視社会に警鐘を鳴らす。

送致書では信助さんの「犯行現場」は階段から通路へと「移動」されていた。
110通報した信助さんの暴行被害を一切捜査しなかったため、暴行されている場面が映っていない場所へ事件発生現場をずらしたことに、弁護団も支援者も驚きを隠せない。

 清水弁護士は続けて以下のように述べ、国と闘う姿勢を見せた。
「JRが協力して証拠を出したら裁判所は無視した。
暴行の間接的目撃者がいても無視した。
そうなったら、犯罪立証に目撃者はいらないじゃないですか。
警察官が適当に報告書を書けば有罪になる。
そういう事になりかねない。
それは着々と進んでいる。
この問題に気がついた私たちとすれば、このまま済ますわけにはいかないと思います!」 [清水弁護士裁判報告]

 また、元北海道警察の原田宏二さんはこう語った。
警察にとって何が一番重要か、というと組織防衛なんです。
組織を守るということは何よりも大事なのです。
対応方針は変わる。
(国賠に備えて)痴漢はないと言った判断は取り消しです。
判断するのは警察署長です。(当時立延哲夫氏)
現場の警察官の判断はいとも簡単に変わります。
組織防衛のためには(信介さんを痴漢の被疑者として送致したのは)当然の結果だったのです」 [原田宏二氏所感]

 この事件を追い続けるフリージャーナリストの林克明さんは「判決は認められません」と憤る。
裁判所は判決文で新宿署が信助さんに痴漢の容疑が晴れた事の告知と弁護士を呼ぶ権利の告知をする義務はない、としています。
それじゃ、警察はやりたい放題です。そんな判例を認めたら大変です

さらに「信助さんの死後、新宿署がやった事はもっと問題です。
開示された送致書の調書はめちゃくちゃ。
信助さんの痴漢の証拠だと提出された防犯カメラのビデオ映像は改ざんされています」とこの事件の本質は捜査権限を逸脱した「調書偽造事件」だと問題視した。
また、裁判の傍聴に訪れた支援者達は個人が国賠に勝つ事の難しさを口々に訴えた。

 自らも犯罪被害者の家族だと言う50代の女性は、
「国は絶対に非を認めません。死者に法律は冷たいですから。果たして、息子さんを亡くしたお母様の被害を国が認めるのか。

でも、この裁判により『痴漢冤罪という犯罪がある』『女性が虚偽の告発をして男性が被害者になる』という可能性が知れ渡った。これはとても重要な事です

 また法律に詳しい林田力さんは、この判決を「冷血判決」だと切って捨てた。
「この裁判で警察の決めつけ捜査が浮き彫りになりました。
そして、それをごまかそう、なかったことにしようという工作が明らかになった。
裁判所は行政に寄り添って国民の声に耳を傾けない。
消費者が企業を訴える場合も同じ構図です。
弱者の声に耳を傾けない裁判官が法律を扱うから、血の通わない判決になるのです

 この日、涙をたたえて愛息の遺影を抱いた尚美さんは、控訴の意志を弁護団に伝えた。
 尚美さんは筆者の取材に対して裁判を続ける目的をこう答えた。
「息子がなぜ突然いなくなったのか、その理由が知りたいのです。
警察は記録を改竄したりせず、真実を明らかにしてほしい」 [原田尚美さん挨拶]

 警察の仕事は犯罪を捜査し犯人を逮捕するのが仕事だと思われがちだが、実はそれは警察の職務のほんの一部に過ぎない。
「警察法」第一章の2条に警察官の守るべき職務としてこう書かれている。
「警察は個人の生命、身体および財産の保護に任じ」暴行されて怪我だらけの信助さんを前に、痴漢容疑で取り調べした新宿署はこの法令を忘れていたのだろうか?

 たとえ、尚美さんがこの裁判に勝っても、尚美さんの悲しみが癒えることはない。
息子の死後の冤罪に涙する母親に、国はどう答えるのか。裁判の舞台は高裁に移る。
     (文=上田眞実/ジャーナリスト)
posted by 小だぬき at 00:00| Comment(8) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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