2017年02月17日

入国禁止令に在米日本人「戦中の強制収容所が頭よぎる」

入国禁止令に在米日本人
「戦中の強制収容所が頭よぎる」
2017年2月16日 日刊ゲンダイ

【NY現地リポート】
ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐々木香奈

 ニューヨーク市内では、ほぼ毎日のようにどこかでトランプ政権への反対運動が展開されている。
2月11、12日の週末は、ワシントンスクエアパークが「反トランプ集会場」と化し、警察の許可の下、平和的なプロテストが終日展開された。
午前は中絶の違法化反対。
午後から夜にかけては移民政策への反対運動だった。

イスラム7カ国からの入国を事実上拒否する大統領令(連邦高裁が違憲を理由に却下)ほか、一連の移民措置は、現時点での反トランプの目玉トピックだ。
 トランプなりの短絡的なイスラム過激派テロリスト対策なわけだが、世界中からの移民で構成されるニューヨークのような街の住民にとっては、さすがに違和感満点だ。
平和的なイスラム教徒とテロリストをごっちゃにしている。
例えるなら、かつての日本赤軍(!)と日本国民全体が一緒くたにされているようなものではないのか。

 今回の移民措置は、直接日本人コミュニティーに脅威をもたらすものではない。
が、在米日本人はいい気はしない。
状況は異なるものの、第2次世界大戦中の日系人強制収容所のことがどうしても頭をよぎるからだ。
イスラム系諸国に対して同様の措置が起こりうるのかといった不安の声も皆無ではない。

 移民政策は、移民の国アメリカにとっては永遠の課題だ。
ただ、不法移民もこの国の経済に貢献してきたことは無視できない事実。
アメリカ人がやりたがらない仕事というものがあるのだ。

 見えないところでは、精肉業界での家畜の処分業務、日常的に目にするところでは、レストランでの電話・オンライン注文の配達業務などだ。
トランプとて建設業で不法移民の安価な労働力を利用しただろうことは、選挙中もしきりに指摘された。

 不法移民を全て強制的に国外追放したとして、誰が彼らの仕事をカバーできるというのか。
困るのはアメリカ人なのだ。
 ニューヨーク州知事、ニューヨーク市長らはその辺の事情をよく分かっている。
はっきり「ニューヨークは移民を守ります。
違法滞在している人も心配しないで」と呼びかけた。

アメリカへの不法移住を推奨はしないが、現実として多くの不法移民がここで家族を持ち生活を営むわけで、彼らを無理やり引き裂くような政策は、州も市も取らないはずだ
 地方自治体指導者によるこうした表明は、移民コミュニティーにとって心強い。
アメリカは大統領だからといって、鶴の一声で何でもゴリ押しできる国ではない。
そのために議会があり、法廷がある。
「そのうちトランプのイライラが募るだろう。
それが見ものだ」との声で持ちきりだ。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする