2017年03月05日

「共謀罪」政府原案、見かけばかり変えてみせても

「共謀罪」政府原案
見かけばかり変えてみせても
2017年3月4日(土) しんぶん赤旗「主張」

 安倍晋三政権が早期の国会提出を狙う「共謀罪」法案について、自民・公明の与党が政府原案の事前審査を続けています。
政府は、今回の法案では「共謀罪」という呼称を使わず「テロ等準備罪」だから「共謀罪とは違う」と述べ、新たに「組織的犯罪集団による」ことと、「準備行為を行った」ことの二つを要件に加え、対象とする犯罪を減らしたと主張しています。
しかし、犯罪の共謀という合意を処罰対象にするという共謀罪の本質には何ら変更はありません。見かけのパッケージを変えて国民の目をくらまそうとする安倍内閣の悪質な“イメージ戦略”です。

普通の人も口実つければ
 見かけをごまかす政府・与党の小細工ぶりは、「テロ等準備罪」といいながら、政府案の本文に「テロ」の文字が全くないではないかとの批判を受けると、あわてて「組織的犯罪集団」の形容詞として「テロ」の文言を入れようとしていることにも示されています。
 政府案は、「共謀」という言葉を避け、「(犯罪の)遂行を2人以上で計画した者」という表現を使っていますが、法的には全く同じ意味で、「共謀」を処罰する性格は変わっていません。
今度は、「共謀=2人以上による実行の計画」だけでなく、犯罪の準備を行う点を入れた、組織的犯罪集団の行為に限って罰するとしたから、一般の人は巻きこまれないといっているのもごまかしです。

ここでいう「準備」として政府案が例示したのは、「資金」「物品」の手配、「下見」など、普通の人が犯罪とは無関係に行う行為です。
「その他の準備行為」との規定とも相まって、どのような口実で犯人に仕立て上げられるか分かりません。
 さらに組織的犯罪集団といっても、特段の定義があるわけでなく、労働組合や市民団体であっても性格が「一変」すれば該当すると政府も認めています。
正当な行動であっても捜査当局が「性格が変わった」と認定すれば捜査の対象になることは明らかです。
対象になる犯罪数を減らしたといっても、取り締まられる対象は法文上「テロの共謀」ではなく、277の該当犯罪すべての「共謀」ですから、憲法が保障する思想や内心の自由を脅かす危険は避けられません。

 法案には「国連の国際組織犯罪防止条約を実施するため」との目的を新たに書き込むとしています。
しかし、この条約そのものは「テロ防止」とは全く違い、国境をこえておこなわれる麻薬取引などにかかわる経済犯罪を防止するものです。
条約の締結のために、どうしても共謀罪を設けなければならないということはありません。


国会提出やめよの声広げ
 安倍政権の意図は、「共謀」を犯罪行為とすることによって、相談や準備などを取り締まるとして、これまでの犯罪捜査方法を拡大しようとするところにあります。
 すでに電話盗聴(傍受)の範囲は法改定で広げられており、室内盗聴導入も狙われています。
現に警察は、令状によらないGPS捜査を進めながら、その使用を秘密にすることを指示するなど深刻な人権侵害が放任されています。

 国会論戦では、政府は法案の必要性などについて答弁不能に陥っています。
人権抑圧の「共謀罪」法案の提出阻止へ、多くの団体、市民とともに、世論と運動を広げることが急務です。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする