MCコメンテーターの診断書
「下から目線」が目立つ中…
物申す玉川徹氏の存在は貴重
2017年3月13日 日刊ゲンダイ
小田桐誠 立教大学・武蔵大学非常勤講師
「国有財産が不当な価格で売られたのは、官僚の忖度(そんたく)や政治家の関与があったからではないかと疑われている。
保守とかリベラルだからということで批判されているのではない」
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」の玉川徹のコメントだ。
9日、森友学園の小学校開校問題で、安倍昭恵・首相夫人が前日に開かれたイベントに参加して語った「思想的な違いからいろんな批判がある」との発言を取り上げ、こう言い切った。
なぜ、どんな経緯で国民の財産が不当に売買されたのかを解明しないといけないとする、まっとうなコメントだ。
京大大学院修士課程を修了、報道・情報番組などを担当し、政治や経済など、おもに硬派ネタを担当してきた。
「態度が尊大」「上から目線」との批判がつきまとうが、果たしてそうだろうか。
石原慎太郎が築地市場の豊洲移転問題で記者会見した話題を取り上げた6日は、豊洲の地下水モニタリング調査について環境基準の79倍ものベンゼンと猛毒のシアンまで出た9回目の調査に「手順が不適切」との報道がある中、「今回(9回目)の方が正しかったということではないか。調査が注目されている中で、何か(不正)を行う理由はない」と発言した。
会見については「準備不足だったのでは」と歯切れが悪い石原伸晃に対し
「(週3日の出勤で)自分の興味がある問題だけを一生懸命やることが問われなければならない。
尖閣を都有地にするといって日中間にトラブルを持ち込んだ」と隣に座る元都知事の子息にも遠慮なしである。
縦じまスーツに、眉間にシワを寄せて批判する姿を見て「何様のつもりだ」と感じる視聴者もいるだろうが、公人だった人物に批判的に物申す姿勢は重要。
ヒラメのように「下から目線」のコメンテーターが目立つ中ではとくに。