2017年06月09日

「牛歩」はみっともない戦術じゃない

「牛歩」は
みっともない戦術じゃない、
政権の暴走に抵抗する
     当然の手段だ!
 野党は徹底抗戦を!
2015.09.16 リテラ(エンジョウトオル)

*小だぬき→安保法制を「テロ等準備罪・共謀罪」に読み替えてください。
6月8日現在の情報では、日本は6月13日に戦後最大の危機を迎える。
 犯罪を実行していなくても、計画段階で逮捕および家宅捜査することができる「共謀罪(テロ等準備罪)」を、与党はこの日の参院法務委員会で強行採決する構えだからだ。
犯罪を「計画した」「合意した」と判定する権限は警察などの捜査機関が100%持つため、“警察全権委任法”といっていい。
ニュースサイトで読む:
http://biz-journal.jp/2017/06/post_19395.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.

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 参院平和安全法制特別委員会で安保法制が強行採決されるのか。
緊迫の度合いが強まってきた。
地方公聴会と同日に委員会採決を行うことになれば、これは異例中の異例の展開。
菅義偉官房長官は「野党が合意したから強行採決ではない」と言い張っているが、馬鹿を言え。

民意を無視して押し通すなど、これは立派な強行採決だ。
だいたい肝心の法案は、審議によってその立法事実さえ失った状態ではないか。

 たとえば、安倍首相がさんざん繰り返し言っていた「ホルムズ海峡での機雷掃海」も、今月14日の委員会で本人自ら「具体的に想定しているものではない」と前言撤回。
さらに、昨年5月の会見以降、安倍晋三首相が集団的自衛権行使の根拠として触れ回っていた“日本人の母子を守るために”邦人が乗った米艦を日本の自衛隊が防護するという話ですら、8月26日の委員会で中谷元防衛相が「邦人が乗っているかは絶対的なものではない」と発言。
日本人を守る目的がなくても集団的自衛権を行使することを認めた。

だいたい、統合幕僚長と米軍が安保法制の成立を「今年の夏までに」と確約していた内部文書にしたって、はぐらかすばかりできちんとした説明も行われていない。
 一体誰が、こんな状態で納得をするというのか。
挙げ句、「法案が成立し、時が経ていくなかで間違いなく理解は広がっていく」(安倍首相発言、14日)だ? 
主権在民を無視した、このような暴挙は到底許せない。

 この、戦後史上もっとも最悪な独裁政治に抗う方法は、もはやアレしかない。
そう、「牛歩」戦術だ。
そしていまこそ、野党に強く要求したい。牛歩をやれ!と。

 牛歩というのは、強行採決に抵抗するための手段として編み出された方法で、日本においては戦前から受け継がれてきたスタイルだ。
強行採決されそうな議案に対し数の力では負けてしまう野党が、まずは内閣不信任案や問責決議案、不信任決議案などを提出。
投票にまでもちこんで、投票を行う際、わざと牛のようにノロノロと、あるいは足踏みをすることで時間をかせぐことにより、会期末による流会(法案の成立断念)や与党からの留保を狙うのだ。

 今回の安保法制でも野党側はこうした抵抗策を考えており、時事通信の記事(9月16日付)によると、参院本会議採決へと動けば、中川雅治・参院議運委員長の解任決議案、山崎正昭・参院議長の不信任決議案、安倍晋三首相と中谷元防衛相への問責案などを提出することを想定しているという。
また、「新国立競技場の建設計画見直しで責任論が出ている下村博文文部科学相らの問責案」も提出すべきという意見もあるらしい。
とにかく数を打って少しでも時間を引き延ばそうという算段だが、そこで時間かせぎの真打ち(?)たる牛歩の出番となるわけだ。

 ただ、問題なのは、牛歩には悪しきイメージが強い、ということ。
1992年、自衛隊の国連平和維持活動(PKO)協力法案の採決に際して、当時の社会党などの野党がこの牛歩戦術を採用。
31時間も牛歩をつづけ、じつに4泊5日におよぶ徹夜国会で徹底的に抗したが、結果としては自民党をはじめとする与党が数で押し切り、あえなく失敗した。
 しかも、この牛歩は国民から大顰蹙を買った。
メディアはこぞって牛歩を取り上げ、「国民がしらける あんな牛歩で「戦った」とは笑止千万」「低次元の牛歩国会」「生理的苦痛残るだけ」と批判を展開。
国民からも「みっともない」「無駄な抵抗」「潔くない」とブーイングが起こった。

 そのため、今回の安保法制でも、牛歩戦術を野党が取ればこうした世論が生まれる可能性は高い。
牛歩はその名の通り、ビジュアル的にも情けなさが伴う。
ここにつけ込んで、露骨な政権擁護に傾いた読売新聞や産経新聞、フジテレビに日本テレビ、普段は批判を恐れて政治ネタを扱わないワイドショーなどは、ここぞとばかりに牛歩を嘲笑い、“みっともない野党”を印象付けるだろう。
言わずもがな、ネット上ではネトウヨが大挙して炎上祭りを展開することは必至だ。

 だが、牛歩とは、まったくもってみっともない戦術などではない。
これは真っ当で立派な抵抗手段なのだ。
 そもそも牛歩戦術とは、広い意味での議事妨害(フィリバスター)といわれるものだが、おもにフィリバスターというと長時間の演説で進行を妨害する方法(牛歩にならって「牛タン戦術」とも呼ばれる)のことをさす。
2004年の年金制度改革法成立のとき、民主党の森ゆうこ議員が参院厚労委員長解任決議案の演説で3時間1分(戦後最長記録)もかけたが、これがフィリバスターだ。
 また、議事妨害にはほかにも「ピケ」(ピケッティングの略)という方法もある。
ピケットとは「監視員」という意味だが、議場などの入口で与党議員の入場を阻止したりすることをいう。

1996年に住宅金融専門会社処理問題で公的資金を投入するかどうかで与党と対立した小沢一郎率いる新進党が、このピケを行い、22日間ものあいだ委員会室を封鎖。
赤じゅうたんに座り込んで煙草を吸うなどの議員の姿がメディアで紹介された。
しかし、このときも案の定、新進党は大バッシングに晒される結果に。
その後、新進党は求心力を失った。

 一方、アメリカなどの国では、フィリバスターは当然の権利として周知されている行為だ。
その例として、1939年に公開された映画『スミス都へ行く』(監督/フランク・キャプラ)という作品がある。
選挙によって議員となった青年スミスがダム建設に絡んだ不正を知り、それを告発しようとするものの逆に議会で除名のピンチに立たされてしまう。
そこで一発逆転を狙い、フィリバスターを実行して大演説をぶつ──という物語だ。

 もちろん、こうした映画が“民主主義のあるべき姿”“正義のかたち”として支持されているだけでなく、実際にアメリカ議会では1957年にストロム・サーモンド議員が24時間18分にもわたって演説を行い、上院の最長記録として残っているし、「安倍首相と政治手法がそっくり」と評判のジョージ・W・ブッシュ前大統領が独裁的な政治を進めていたときも、フィリバスターによって阻止してきた部分がある。

 数の論理ですべてを決定するのではなく、少数意見にも耳を傾け、合意の道を探る……。
そのひとつの方法が、議事妨害にある。
いま、日本で行われているのは、いくら国民がおかしいと言っても安倍首相が「私は総理大臣なんですから」の一言で押し通そうとする、権力を笠に着た思い上がりの政治だ。
これに抵抗するには、最後まで愚直に抗うこと。
それしかない。
 だから、野党の議員たちよ。
あらゆる手を尽くし、やれることは全部やるのだ。
そしてメディアのバッシングを恐れず、牛歩を実行しろ。
ピケもやれ。
大いにやれ。
それはあなたたちがいまやれる、唯一の仕事だ。

 前述した『スミス都へ行く』では、マスコミは有力議員の言いなりになってスミス議員を猛バッシングするが、そんな逆境のなかでもスミスは23時間ものフィリバスターに挑む。声が枯れ、ボロボロになり、その上、偽物の抗議文書を大量に突きつけられるスミス。
それでも、彼は議会の真ん中でこう声を上げる。
「あきらめません。これしきの事で。
僕はここに立って闘い続けてみせる。
嘘の山に囲まれても!」

 もうすでに「結局、何やっても可決されるんだし」というような諦めモードの議員もいるだろう。
だが、市民は諦めていない。
地方公聴会の会場となった新横浜では、強行採決に反対する人たちがシットインで抵抗した。
警官に蹴られても引き倒されても、反対の意志をしっかり表現するために、この政治に対して懸命に抗った。
次は、あなたたちの番だ。

 わたしたちは見ている。
どこまでやるのか、本気で止めたいと思っているのか、野党の態度をしっかり見ている。そのことを忘れないでほしい。
posted by 小だぬき at 13:09| 神奈川 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

加計学園問題と改憲宣言で追い込まれた政権の自滅への道

永田町の裏を読む
加計学園問題と改憲宣言で
追い込まれた政権の自滅への道
2017年6月8日 日刊ゲンダイ

高野孟ジャーナリスト

 どうも安倍政治が悪い方へ悪い方へと傾いているように思うのだが、と自民党のベテラン秘書に問うと、ズバリ「その通り」という答えが返ってきた。


「森友学園もさることながら、加計学園の方が深刻だ。
前川喜平前文科事務次官の反乱を抑え込もうとして、出会い系クラブ通いをするような卑しい人間なんだという人格攻撃を仕掛けた菅義偉官房長官の小細工が過ぎて、かえって傷口を広げ大失敗。
また安倍晋三首相も、加計学園問題から目をそらせようとしたのか、2020年9条改憲宣言をしたが、これも拙速粗暴に過ぎる。
追い込まれて、焦ってジタバタしてオウンゴールを繰り返すという悪いパターンに入ってきた」と嘆く。

 実際、JNNの6月初旬の世論調査でも、加計学園問題では、政府側説明に「納得できない」が72%、前川前次官や総理秘書官らを「国会に呼んで話を聞くべき」は70%に達する。
7割というのは厚過ぎる世論の壁で、蹴散らして進もうとすれば必ず傷を負う。

 改憲宣言も、一見するとなかなか巧妙に組み立てられていて、9条1項・2項はそのままにして第3項を「加憲」するという形で、護憲派を動揺させ民進党内の保守派を誘い出す一方、公明党を引きつける。
他方、大学授業料無償化を掲げることで維新の会に手綱をかける。
「しかし」とベテラン秘書が言う

あまりに軽々しい。自民党が“党是”として掲げてきた改憲って、こんな話だったっけ? と驚いた党員が多い。
党がまとめた改憲草案と整合しないことも戸惑いの要因。

何よりもまずいと思うのは、党憲法改正推進本部で長年苦労し、衆参両院の憲法審査会を通じて民進党はじめ野党との合意を丁寧に積み重ねることに腐心してきた、保岡興治本部長、船田元同代行、中谷元同代理など我が党の“憲法族”主流を脇に押しのけるような人事をして、首相側近の下村博文を本部長補佐、西村康稔を事務局長補佐、佐藤正久事務局次長などを押し込んだことだ。
『野党との合意などまだるっこしいことを言っていては進まない』という安倍の前のめり姿勢の表れだ」
 この調子でいくと、年内にも自民党として安倍宣言に沿った案をまとめ、来年前半には発議して国民投票を実施するということで突き進むのだろうが、両院の憲法審査会で自民党案を“強行採決”するということができるのかどうか。
安倍も菅も近頃、目が血走っているようで気味悪い。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする