2017年06月13日

死なないための病院の選び方

新見正則「医療の極論、常識、非常識」
医者が教える、
死なないための病院の選び方…
病院ランキングは信用NG?
2017.06.12 Business Journal

文=新見正則/医学博士、医師

今回は病院の選び方に関するお話です。
極論君”は、
「大きな病気に罹り、特に手術を要するような病気になって、それを治療する病院を選ぶことはとても重要なことだから、インターネットや本、週刊誌などの情報を最大限に利用して選ぶ」という主張です。

常識君”が質問します。
「『○○に強い病院』『××疾患ベスト100病院』などという情報を、大いに大切にするということですか?」
極論君の意見です。
「そうです。少しでもいい病院にかかりたいのです。
日本はフリーアクセスですから、アメリカなどと違って保険によって病院が制約されることはありません。
どこの病院にもかかれる権利を持っているのですから、一生懸命によりよい病院を探すのです。自分の命のためです」  

そこで、“非常識君”が質問します。
「何を材料に選ぶのですか」  

極論君のコメントです。
「いい病院として載っている病院から選ぶのです」  

常識君のコメントです。
「日本でもたくさんの病院ランキングが出ています。
しかし、どれも情報量が少ないです。
客観的な資料は手術数ぐらいです」  

非常識君の意見です。
「確かに、何を根拠にいい病院を選んでいるかが明確ではない資料が多いですね。
手術数以外も考慮しているものは、とても少ないです。
手術数が多い病院は確かに少ない病院よりも、その手術に関しては秀でている可能性は高いのです。
しかし、ある程度以上の手術数があればそれで十分とも思われます。
多くの病院が年間に100例以上手術をしている一方で、10例しか行っていない病院で手術を受けたいとは誰も思わないはずです。
誰もが問題外と思うような病院を除いて、その後にランキングすることはとても難しいと思います」

手術数をもとに適当にランキング?  

常識君のコメントです。
客観的な情報でしかランキングは作成できないでしょう。
手術数以外で客観的なことは、手術時間とか、出血量とか、合併症の頻度とか、手術後の死亡率とか、専門医や指導医の数なども実は客観的なデータになります。
また入院日数なども評価項目に入れることも可能です。
しかし、そんなデータをあまり見たことはないでしょう。
 また、病院全体のランキングであれば、医療従事者の数とか、それぞれの医療職の平均在職年数とかも客観的なデータになりますね。
訴訟の数なども実は役立つかもしれません。
そんなデータを元にしてのランキングは、実は存在しないのです。
ある程度問題外の病院を省いて、そしてその後は基本的に手術数をもとに適当にランキングされていることがほとんどでしょう」

極論君の意見です。
「そうであれば、やはり手術数が多い病院を選ぶことが必須ですね」  

常識君のコメントです。
手術数を基本にして選ぶことは間違ってはいないと思います。
しかし一番大切なことは地理的なものだと思いますよ。
つまり自宅から近い病院がやはり最初の選択肢になるはずです
まず、自分が通える範囲を決めて、そこからインターネットや本などでよさそうな病院を見つけてはどうでしょうか」

本当に良い先生  

非常識君のコメントです。
「僕が大切にしているのは、医療従事者が病気になったときにどこの病院を選ぶかです。
医療に詳しくない人がいくらランキングをしても、無意味に思えるのです。
僕はかかりつけ医の意見を最大限に尊重しています。
そして、その先生が同じ病気になったときに選ぶ病院を聞いて、その病院の世の中での評判を知るためにインターネットや本、週刊誌の情報を参考にします」

常識君の意見です。
「確かに医者が、自分が病気になったときに選ぶ病院ランキングなんていう本があると、信憑性が高いかもしれません」  

非常識君の意見です。
「医者といっても、その病気について専門家でない医者が選ぶランキングでは説得力に書けます。
最良のランキングは、専門医がその病気になったときにどの病院に行くかですね」  

常識君の意見です。
セールスの人でも、自分が欲しい商品を売ることができる人は幸せですね。
車の販売でも、本当は他社の車のほうが優れていると思うのだけれども、自社の車を売ることが商売だから致し方なく、それを売っているという光景も目に浮かびます。
本当に何が最良なのかは、実際に携わっている人の心のなかにだけあるようにも思えます。
それを客観的な土俵でランキングするのは、やはり無理があるように思えます」  

非常識君の意見です。
大きな病院の先生が、自分の病院以外を勧めてくれたときは、本当によい先生なのではないでしょうか。
車の販売でいえば、『そのカテゴリーの、そしてあなたの希望に添う車は当社のものではなく、○○の会社の××がいいと思いますよ』なんて言ってくれる営業担当の人は、相当信頼できますよね」  

非常識君が妙に常識的なコメントになりました。 

新見正則(にいみ・まさのり)
1959年生まれ 1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年〜 慶應義塾大学医学部外科 1
993〜1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年〜 帝京大学医学部外科に勤務

幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。
著書多数。
なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院(*小だぬきの内科・精神科通院病院)で受診してください。
大学病院は紹介状が必要です。

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posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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