若者ら怒り
NHKが“テレビなし世帯”から
受信料徴収を画策
2017年6月30日 日刊ゲンダイ
NHKが「TVなし世帯」から“ネット受信料”を徴収しようとしている。
NHKは今年2月、2019年のネット同時配信開始を見据えて「NHK受信料制度等検討委員会」を設置。
今月27日、その中間答申案がまとまり、テレビがない世帯を対象とする別の受信料契約を新設することが盛り込まれた。
「すでにNHKはワンセグ機能付き携帯電話もテレビ受信機と見なして、受信料契約を求める訴訟を起こしています。
“テレビ離れ”でスマホしか持たない若い世代に受信料を払わせようとしているのは明らかです。
検討委ではネット視聴用アプリをダウンロードした人を受信料徴収の対象にする案が出ているようですが、“過去のNHK番組見放題”といったキャンペーンを打てば、思わずアプリをダウンロードしてしまう若者も出てくるでしょう。
“テレビなし世帯”の囲い込みに成功したら、次は受信料の支払い義務化に踏み切ると思います」(放送ジャーナリストの小田桐誠氏)
料金については、現行の地上波放送と同額(口座振替2カ月払いで2520円)とする案が浮上。
スマホを持っているだけで毎月1260円の支払いは若者にとってかなりの負担。
これに対し、ネットでは怒りの声が続出。
「ネットまで対象にするのか」
「い・や・で・す」
「早くスクランブル放送を導入しろ」といった声が相次いでいる。
市民団体「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」の共同代表で東大名誉教授の醍醐聰氏がこう言う。
「NHKは徴収対象を広げる前に、なぜ受信料を払いたくない人がいるのか、胸に手を当ててしっかり考えるべきです。
文科省の前川前次官をNHKが最初にインタビューしたとされるにもかかわらず、いまだに報じないのはなぜか。
国会中継を満足に放送しないことに不満を感じている視聴者もたくさんいます。
まず視聴者の要望と疑問にしっかり応え、その上で、なぜ“ネット受信料”が必要なのかをきちんと説明すべきです。
ゴールデンタイムに討論番組を用意し、賛成派と反対派が議論を戦わせてもいいでしょう」
「NHK受信料制度等検討委員会」は座長の安藤英義専修大学大学院教授をはじめ、委員はわずか5人。
しかも、どうやってNHKが委員を決めたのか「選考過程については公表しない」(NHK広報部)という。
不透明なことが多く、このままだと、受信料を払わされることになるネット民から猛反発を招きそうだ。