霞が関官庁の仰天人事
森友“論功行賞”と
お気に入り抜擢
2017年7月5日 日刊ゲンダイ
中央官庁の幹部人事が4日、一斉に発表された。
菅官房長官は「全て適材適所で配置した」と胸を張ったが、実態は森友・加計疑惑隠しの論功行賞と、安倍首相のお気に入りを周辺に集めたお粗末なもの。
安倍首相にとっての“適材適所”人事でしかない。
論功行賞の筆頭は、森友疑惑で事実確認や記録の提出を拒み続けた財務省の佐川宣寿理財局長(59)の国税庁長官への栄転だ。
年俸も局長級の約2300万円から次官級の約3000万円(いずれも推定)に大幅アップだ。
また、財務省では、菅長官の秘書官だった矢野康治主税局審議官(54)を、組織の要である官房長に据えた。
安倍官邸の意向をより確実に反映させる魂胆だ。
加計疑惑をめぐり、文科省から飛び出した「萩生田文書」について、報道陣の追及を「半年以上も前のことで記憶が曖昧」と突っぱねた義本博司総括審議官(55)があろうことか加計学園の獣医学部新設問題を担当する高等教育局長に出世だ。
財務省にしろ文科省にしろ、よくぞここまで国民をナメてくれたものだ。
首相官邸では、経産省出身の宗像直子首相秘書官(55)が特許庁長官に栄転。
その後任に佐伯耕三内閣副参事官(42)を充てた。
佐伯は、安倍首相の側近中の側近で“官邸の柳沢吉保”といわれる今井尚哉首相秘書官の秘蔵っ子で、第2次安倍政権発足以来、首相演説のスピーチライターを務め、安倍首相の覚えもめでたい。
首相秘書官は本省の局長級が就くのが通例で、課長すら経験していない若手の抜擢は前代未聞だ。
この期に及んでなお、周辺に虎の威を借る狐やイエスマンばかりを集めた安倍内閣の終焉は秒読み段階だ。