2017年07月12日

公安警察大国・日本の誕生…共謀罪で国民への監視・盗聴拡大、でっち上げで誰でも逮捕可能

公安警察大国・日本の誕生…
共謀罪で国民への監視盗聴拡大
でっち上げで誰でも逮捕可能
2017.7.11 Business Journal  
構成=編集部

「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設した改正組織犯罪処罰法が7月11日に施行された。
同法が成立した6月15日から1カ月に満たないスピード施行だが、反対派が危惧する「監視社会」がスタートすることになるのか。

 そもそも、法案審議で安倍晋三政権は「中間報告」という“飛び道具”を使い、委員会審議を打ち切って成立させた。
だが、これには世論も強く反発。
たとえば、フジテレビ系のFNNが6月19日に発表した世論調査では、内閣支持率は8.5%下落して47.6%となり、1年ぶりに5割を切った。
 同社の世論調査では「中間報告で採決に踏み切ったこと」の是非を問う項目もあり、「妥当だとは思わない」の回答は64.8%。
「妥当だと思う」の26.4%を大きく上回った。

 一方で、テロ等準備罪そのものの賛否を問うと、賛成49.6%に対し、反対は41.9%。10人のうち5人が賛成、4人が反対というわけだ。
国論はいまだに二分していると考えていいだろう。
 それにしても、捜査の現場はこの状況をどう受け止めているのだろうか。
テロリストの一網打尽に燃えているのか、新たな業務が増加したことを嘆いているのか、どちらだろうか。

 そこで、警察官僚OBに話を聞いた。
現職でないとはいえ、公安警察の現場を熟知するベテランであることは間違いない。
 インタビューのなかで、元官僚は「今回の法整備で公安警察の力は増大します。
戦前の特別高等警察の悪夢を思い出しますよ」と明かすが、元捜査のプロは何を問題視し、何に警鐘を鳴らすのか。

そもそも警察は
「個人の権利」を無視する組織?
──あらためて、今回の法改正の意義と駆け込み的な成立について、どのように受け止めていますか?

元警察官僚(以下、官)
 警察の任務とは、第一に犯罪を未然に防ぐこと、第二に発生してしまった犯罪を捜査して立件すること。
この2点に尽きます。
となれば、警察という組織が「人を見たら泥棒と思え」的な体質となるのは、当然といえば当然なのです。
 そのため、警察は取締規定の拡大を常に求めています。
強い武器=法律を使って、効率的に犯罪を取り締まりたいわけです。
すると、対立するのが「公共の利益」と「個人の人権」です。
警察は前者の「公共の安全と秩序の維持」を優先しますし、だからこそ実力組織として機能しているわけです。

 確かに、警察法第1条は、「この法律は、個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持するため、民主的理念を基調とする警察の管理と運営を保障し、且つ、能率的にその任務を遂行するに足る警察の組織を定めることを目的とする」と記しています。
 しかし、率直にいって、この部分は警察官に行われる各種教育では重視されていないのです。

もっとはっきり言いましょう。
警察官は「職務に際し、個人の権利と利益をどう守るか」という視点の教育は行われてはいますが、やはり表面的なものです。
本当に重視するのは「個人の権利と利益は、どこまで合法的に侵害可能か」という技術であり、それを叩き込まれるのです。

──警察がこのような法律を手にすることに対して、漠然とした不安を感じている人は少なくありません。そこで、「個人の権利」を無視する組織と聞けば、さらに恐怖を感じるのは間違いありません。

官 
当然ですが、今回施行されたテロ等準備罪は取締規定の拡大に寄与します。
おまけに、準備段階で取り締まることが可能なのですから、非常に強い武器だといえます。
 強力な武器を手にすれば、使って力を誇示したくなる。
これは、個人も組織も変わりありません。
この法律を根拠とした公安警察の調査活動が活発化することは、確実だと思われます。

 では、国会における議論を現場の警察官僚や警察官はどのように受け止めていたのか。
「反対勢力に対しては、何をどう説明しても絶対に理解は得られないし、納得するはずがない」というのが本音でしょう。
 価値観の違いは埋めようがない。
議論を尽くしても意味がないと感じている。
さらに、審議が長くなるほど金田勝年法務相の答弁が迷走するのは間違いないですから、強行採決のほうがリスクは少ないと判断したのです。


街頭の署名活動、
安易に参加で公安の監視下に?
──その国会議論では、「我々一般人も狙われるかどうか」が議論されました。
有権者にとっては不満の残る議論でしたが、現場を知る方からご覧になって、今回の法改正で、私たちは本当に「何も気を付けなくていい」のでしょうか?

 国会で議論は尽くされませんでしたし、今も批判が多い法改正ですから、さすがに、今すぐテロ等準備罪を適用するようなことはないでしょう。
 しかし、警察官の現場では、どんな法律であれ新しい法律の初適用は捜査した都道府県警の部署にとって、何よりの名誉となります。
常に“ネタ”を探すであろうことは想像に難くありません。

 では、現場で何が起きるのか。
公安警察とは、警視庁を例にすると、
共産党や新興宗教団体を担当する「公安総務課」、
極左暴力集団の「公安一課」、
革マル・大衆運動の「公安二課」、
右翼の「公安三課」、
ロシア・戦略物資の「外事一課」、
中国・北朝鮮の「外事二課」、
国際テロ・イスラム団体の「外事三課」といった部署から成り立っています。

 まず、各課はそれぞれが対象とする団体・組織の監視を強化し、関連団体やシンパなどの実態把握を徹底するところから始めるでしょう。
 今回の法改正は、組織犯罪が眼目です。
「組織である」と結論付けるためには、その団体・組織の構成員と、賛同者など関連者の動向をしっかり把握しておかなければなりません。
そのためには、まず盗聴や盗撮を容易に行えるような仕組みを考えるのではないかと思います。  

そうした公安警察に対して、一般市民の方々は何に気を付けるべきか。
それは、上述した団体・組織の構成員、賛同員として把握されないようにするということです。  もっとも現実性の高いシナリオは、街頭での署名活動でしょう。
安易に署名したところ、その署名活動を公安警察が監視対象とする団体が行っていたというケースは決して珍しくありません。
最悪の場合、署名しただけで団体の構成員やシンパに認定されてしまうことが懸念されます。

捜査当局が犯罪をでっち上げ、
                     冤罪発生の危険も
──テロ等準備罪が施行されたり国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結したりすると、本当に東京オリンピックのテロ対策になるのですか?

官 
現在の国際テロはイスラム過激主義者による自爆テロが主流ですが、それらがどのように実行されているかを考えてみましょう。
 日本を舞台に考えれば、IS(イスラム国)の戦闘員が日本に潜入し、海外の資金で自爆テロを敢行するシナリオも、理論上は考えられます。
しかしながら、実際のところ可能性は非常に低いでしょう。


 より現実性が高いのは、過激主義者がインターネットなどを利用してターゲットにした日本人を洗脳。
その日本人がテロを実行するというシナリオです。
これを、専門的には「ホームグロウンテロ」と呼びます。
 TOC条約は国際的な犯罪組織の連携を絶ち、国際社会が一致して封じ込めるというのが目的です。
ところが、「ホームグロウンテロ」は資金などを海外から支援するわけではないので、対象外となります。
 さらに、組織に属さない単独テロ犯を「ローンウルフ」と呼びますが、このタイプはテロ等準備罪の適用対象外となります。
 最新のニュースを思い出していただきたいのですが、今のテロリストは乗用車やトラックなどの車両を群衆に突っ込んで死傷させるなど、これまでの常識では考えられない犯行手段を編み出しています。
 乗用車など、日常生活で普通に活用されているものを武器として悪用した場合、それを捜査機関が防ぐのは無理と言わざるを得ません。
だからこそ、フランスやイギリスでテロが起きてしまったのです。
 つまり、単独のテロリストが“犯行の下見”のためにレンタカー店を訪れたとしても、テロ等準備罪で逮捕することは不可能なのです。

──今後、捜査当局が法律を乱用するとして、
     どのようなケースが考えられますか?

官 
前に説明しましたが、テロ組織とする要件に基づき、監視対象の組織・団体を認定する作業を行います。
このとき、テロ等準備罪を根拠法令として、GPS追跡などの執拗な尾行、個人をターゲットにした盗撮や盗聴が行われる可能性があります。
 これが常態化すると、現場の捜査員は「あそこは警察に批判的な組織だ→反体制組織だ→革命やテロを企てようとしているに違いない」といったロジックで思考し、「ストーリーありき」の情報収拾活動を行い、監視を強化します。
そして、ターゲットとした組織の悪質性を立証しようとして、でっち上げなどの冤罪が起きてしまう危険性があると考えます。

テロ等準備罪で
共産党が追い詰められる可能性は
──2016年3月、政府は共産党が公安の調査対象団体であることに言及し、先日は公明党がこの件を蒸し返しました。
テロ等準備罪の施行により、共産党が捜査の対象になることは考えられますか?

官 
共産党は、先に述べたように警視庁なら公安総務課が視察対象としています。
その理由は、共産党がかつて「革命遂行の時期が来た」として暴力的破壊活動を敢行し、社会を混乱させたという“前科”があるからです。
 少なくとも公安警察は、「共産党は思想の拠り所として、マルクス・レーニン主義に基づく暴力革命論を堅持している」と考えています。
そのため、現在は破壊活動防止法の適用を念頭に入れた視察活動を行っているわけです。
テロ等準備罪が施行されたとなると、適用法令に追加し、共産党が革命蜂起した際に備えようと判断することはあり得ると思います。

 実のところ、公安警察は極左暴力集団によるテロ・ゲリラが活発であった頃は警察内での影響力も強く、予算や人員も相当数を確保していました。
 ところが、極左暴力集団も高齢化が進み、左翼運動も過去の遺物となった今、当時に比べてかなり弱体化した組織になっています。
国際テロの脅威を根拠に外事三課を創設し、予算と人員を確保したものの、我が国でテロが発生していないことから、ますます存在意義が問われています。

 そういう意味で、今回のテロ等準備罪施行によって、「公安警察の起死回生のためにも、おおいに期待できる」と現場が燃えていることは想像に難くありません。

しかし、ここで私が最初に申し上げたことを思い出していただきたいのです。
 公安警察に限らず、警察という組織は警察官全員に対して「個人の権利と利益は、どこまで合法的に侵害可能か」を叩き込むのです。
そのため、私のようなOBでも、公安警察が権限を増大させていくほど、かつての特高警察の悪夢が蘇ります。
 私が「テロ等準備罪が“パンドラの箱”を開けてしまうのではないか」と不安を感じているのは、まぎれもない事実です

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posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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