7/21(金) 9:00 東洋経済配信
このたび、東洋経済新報社より『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』を出版いたしました。
本記事では「嫌われる人の余計な一言」5つのNGを紹介します。
■「一言多い」ことに、
本人は気づきにくい
「あの人は一言多い」という人っていますよね。
そこは黙っておけばいいのに、つい余計なことをいってしまい、雰囲気を壊したり、嫌われたりする人……。
この記事を書くにあたっていろいろ考えてみたのですが、「一言多い」といっても、いくつかのパターンがあるように思えます。
「了解しながらも相手をけなす一言」を入れてしまうパターンや、「答えを先回りして」言ってしまうパターンなど。
しかし、どのパターンにしても共通しているのは、悪気はないこと、ちょっと自己顕示欲が強めの人が言いがちなことです。
1回1回はささいなことなのですが、積み重なるとイラッとしてしまいますよね。
では、嫌われる人の「余計な一言」はどんなものか、パターン別に紹介しましょう。
まず、よくありがちなのが、つい「相手をけなす一言」を付け加えてしまうことです。
■その一言で
「自分の器の小ささ」が出てしまう
【1】「相手をけなす一言」を付け加えてしまう
「君は人の話を聞いてなさそうなのに、議事録はきれいでよくまとまっているよね」
「君は偏差値のわりには、仕事ができるよね」
「あいつは、人はいいんだけどさ。あれで女性にさえモテればねぇ」
「食欲旺盛でいいけど、食べた分だけ仕事してくれよ」
会議の議事録をまとめてくれる部下に対して、「いつも議事録をきれいにまとめてくれてありがとう」「君は仕事ができるね」と言えばいいだけなのに、つい「人をけなす一言」を入れてしまう上司、いますよね。
しかし、その一言が「人をほめる言葉」になっていれば、どうでしょうか。
「彼は本当に仕事ができるんだ。しかもモテるんだよね」だと、「一言多い」とは言いませんよね。
その場にいる人が不愉快に感じるからこそ、「一言多い」わけです。
人をけなすことで、「自分が優位に立ちたい」という心理が働いているのかもしれません。しかし、これはその人の「器の小ささ」が表れてしまうだけ。逆効果にしかなりません。
【2】答えを「先回りして」言ってしまう
「こないだ長瀞の川下りに行ってきたんだけどさ、意外と……」
「ああ、あれか。結構激流のところがあったでしょう。俺が行ったときは水しぶきでカメラが濡れちゃってさ、焦ったよ」
相手が言おうとしていることを「先回りして」言ってしまうパターンです。
これをやってしまうと、相手は鼻白んでしまい、会話が盛り上がりません。
私が局アナ時代、マラソンランナーにインタビューしたとき、答えを全部先に言って失敗した話は新刊でも紹介しましたが、気をつけていないとついやってしまいがちなことです。
相手の言おうとすることがわかってしまったとしても、まずは最後まで聞いて、自分の話はその後からしたほうがいいでしょう。
大人の会話は、ときには我慢も必要だと思います。
次にありがちなのが、「話が終わりそうなときに、別の話題を仕掛ける」ことです。
■円滑に終わらせるときは
新たな話題は控える
【3】話が終わるころに「別の話題」を仕掛ける
話がひととおり終わり、「では、そろそろ……」となったときに、「そうそう、あの話、どうなった?」「ところで、こないだのあれなんだけど……」と、新たな話題を仕掛けてくる人がいます。
大切な話を忘れていた、というのならもちろんいいのですが、不急不要の話、雑談程度の話を持ち掛けてくる場合です。
あるいは、新しい話題を見つけたのはいいけれど、タイミングが悪かったという場合もあるかもしれません。
その結果、またひとしきりその話をすることになり、話が長引いてしまいます。
時間に余裕のあるときはいいですが、急いでいるとき、余裕のないときは「余計なことを言って……」とまわりが困ってしまいますね。
「その場を円滑に、スッキリ話を終わらせる」というのは、それなりのスキルが必要なもの。
そろそろ話が終わりそうかなと思ったら、「新しい話題」を仕掛けるのは控え、上手に話を収束させていくのがいいと思います。
【4】「疲れていませんか?」
「大丈夫?」を連発する
ことあるごとに「疲れている?」「大丈夫?」と聞く人がいます。
どちらも相手を気遣ったつもりで言っているのでしょうが、相手によっては、よく受け取られない場合があります。
特に女性の場合は、「疲れている?」と聞かれると、「疲れが顔に出ているのかな」「顔色が悪いのかしら」と気になってしまうものです。
不用意には発しないほうがいいでしょう。
また、「大丈夫?」という言葉掛けですが、「準備できましたか?」「出られますか?」などの代わりに使う人がいます。
あまり頻発すると「私に不安があるということ?」「どういう意味なの?」と不快に思われる場合があるので注意したほうがいいでしょう。
最後に、よくある「余計な一言」は、親切心かもしれませんが、上から目線で「余計なおせっかいをしてくる」ことです。
■異なる価値観は押し付けず、
認め合う
【5】「余計なおせっかい」をしてくる
「あなたを思って言うのだけれど……」
「そういう性格は直さないとこれから先、困るぞ」
「結婚したほうがいいよ。独身は、いまはよくても老後が困るぞ」
その人の指導的立場でもないのに、上から目線でアドバイスをしてきたり、自分の価値観を押し付けてきたりするのは、嫌われてしまう大本です。
基本的に、アドバイスは相手に求められてからするべきものだと思います。
人にはいろいろな生き方があるし、それぞれの価値観があります。
人の道を踏み外したり、はた迷惑になったりしないかぎりは、自分と相手との「違い」を認め合い、「言いたいアドバイス」もときには我慢するのも大切ではないでしょうか。
【嫌われる人の余計な一言】5つのNG
・「相手をけなす一言」を付け加えてしまう
・答えを「先回りして」言ってしまう
・話が終わるころに「別の話題」を仕掛ける
・「疲れていませんか?」「大丈夫?」を連発する
・「余計なおせっかい」をしてくる
以上、「嫌われる余計な一言」5つのNGを紹介しました。
人は、話すことでコミュニケーションをとりますが、「口にしないこと、黙っていること」が最良のコミュニケーションになる場合もあると思います。
「自分はいつも一言多い」と自覚している人、人から指摘されたことのある人は、話す前に「これを言って、人は嫌な思いをしないか」を考えるクセをつけるようにしましょう。
どんな「話し方&聞き方」をするかによって、人に好かれたり嫌われたりすることは多々あります。
ほんのちょっと気をつけるだけで、好感度もぐんと上がるので、ぜひ日々の会話で試してみてくださいね。