2017年08月27日

なぜチェ・ゲバラは革命を続けられたのか

なぜチェ・ゲバラは
革命を続けられたのか
2017年08月27日 11時15分 PRESIDENT Online

今年7月、労働者の立場がいかに不安定かを思い知らされる出来事が起こった。
日本労働組合総連合会(連合)はこれまでの態度を覆し、“残業代ゼロ法案”とも言われる「高度プロフェッショナル制度」を含む労働基準法改正案に、条件付きながら賛成すると表明。
民進党や、多くの労働者が大反発し、連合を相手にする異例のデモまで巻き起こった。
すったもんだの末、連合は再転向。政府は連合の要請を受けて、改正案を修正することになった。

人々を搾取から救うため、フィデル・カストロとともにキューバ革命を成し遂げたチェ・ゲバラ。
没後50年となる現在においても、世界中の人々に広く知られる革命家は、現在の日本を見て、何を思うだろうか。
チェ・ゲバラ研究所に勤める息子、カミーロ・ゲバラ氏に話を聞いた。

■目の前だけでなく
       世界に目を向けよ
キューバ革命を成し遂げたチェは、革命政権の幹部として重責を担い、勉強や仕事に明け暮れる多忙な日々を過ごしていました。
彼は67年、ボリビアでの革命闘争中に処刑されますが、ともに過ごした時間は短く、私にはチェ本人との記憶がほとんどありません。
ただ、チェはキューバを旅立つ前に、フィデルや私たち家族に宛てた手紙を残していきました。その手紙は文学的にも評価され、キューバの教科書に掲載されています。
教室で自分宛ての手紙を読むというのは、ちょっと居心地が悪かったかな(笑)。

チェが目指していたのは、不公平で、不均衡な世界を、調和があり、すべての人間が公平に扱われ、満ち足りた状態で仲良く暮らせる世界に変えることでした。
その思想は時代が変わっても、古くなることはありません。

チェはなぜ圧倒的な情熱を持って
革命に取り組むことができたのか。
彼は若い頃からいろいろなことに関心を抱き、ラテンアメリカ諸国を回りました。
ボリビアでは革命を目の当たりにし、自主独立の機運が高まるグアテマラでは米国が介入するのを目撃しました。
幅広い知識、異文化に対する理解、そして人道的な問題に対する感受性の高さ。
それらすべてを持って生まれたのではなく、旅と、そこで見たものを通じて、チェは身につけていった。
生まれたときから革命家だったのではなく、段階を追って、徐々に変わっていったのでしょう。

チェは「世界に問題があるならば、それに対して反応し、行動することが大事だ」と言いました。
しかし、日本社会の特性もあるでしょうが、会社の細かいルールに従うことばかりに注意が向いてしまうと、視野を広く持つことはできません。
世界に目を向ければ、貧困に苦しみ、悲惨な状態で生きている人がたくさんいる。
栄養不良や不治の病で亡くなる人も何十万人といます。

日本のオフィスで働いている皆さんも、目の前の仕事だけでなく、そういう世界的な問題にも関心を向け、少しでも不公平で不公正な現状を変える方法を考え、行動してほしい。

■「プロレタリアートよ、団結せよ」
歴史的に見て、世界は段々といい方向に向かっていると思います。
けれどもまだまだ世界には多くの困っている人たちがいるのです。
その思想は時代が変わっても、古くなることはありません。

私は今回初めて日本に滞在し、8月6日には広島平和記念式典にも参加しました。
広島・長崎の原爆はキューバ人にとっても、心を揺り動かされる出来事です。
罪なき人たちが住んでいる場所に、あれだけひどい被害を及ぼす兵器を投入することにどんな意味があるのか。
「これだけすごい兵器を造り出した、誰も米国に敵わないのだ」とアピールしたかったのでしょう。
戦争はやってはいけないことであり、戦争を起こさないためにキューバ人は日々、“戦い”を続けています。
戦場は違いますが、日々戦っている日本の労働者にこの言葉を送ります。
「プロレタリアートよ、団結せよ」。
             
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カミーロ・ゲバラ(Camilo Guevara)
モスクワ大法学部卒。
1962年に革命家チェ・ゲバラの長男としてキューバに生まれる。
ボリビアに向かった父と3歳のときに別れたという。
弁護士資格を持つが、現在は母が所長を務めるチェ・ゲバラ研究所のコーディネーターとして、父の思想を世界に広めている。
革命家になる前の父が撮影した写真の展覧会を8月27日まで東京で開いている。
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(ジャーナリスト 唐仁原 俊博 )
posted by 小だぬき at 16:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

検査を受けても異常なし? 不調が続く「自律神経失調症」とは

検査を受けても異常なし?
不調が続く
「自律神経失調症」とは
2017.8.25 All About

体の機能をコントロールする自律神経
風邪でもないのに微熱があったり、朝から疲れを感じたり、動悸が激しくなったり……。
そんな症状が続いて病院で検査を受けても、これといった原因が見つからない場合、「自律神経失調症」と診断されることがあります。
ちなみに「自律神経失調症」は病名ではなく、このような症状につけられる診断名です。

自律神経失調症を理解するためには、まず「自律神経」のはたらきを知る必要があります。
自律神経とは、循環器、消化器、呼吸器などの体の機能をコントロールしている神経のことです。
交感神経と副交感神経の2つからなり、24時間休みなくはたらいています。

交感神経は、仕事や勉強、運動、家事など、主に昼間に人が活動しているときにはたらきます。このとき人間の体は心拍数が上がり、筋肉は緊張し、血管は収縮します。
これは人間が活動しやすいように体の状態を維持しているということで、何か外的な刺激にすぐに反応できるのは、交感神経のはたらきによるためです。

一方の副交感神経は主に夜間、体を回復させてリラックスしているときにはたらき、睡眠時がピークとなります。
心拍数は落ち着き、筋肉はゆるみ、血管は拡張しています。
このとき体内では、胃や腸などの消化器官が活発にはたらき、栄養の吸収や老廃物の排出を促進しています。
疲労回復や新陳代謝を行なうことで、体の元気を取り戻していると考えれば分かりやすいでしょう。

自律神経が正しくはたらいているときは、交感神経と副交感神経が互いにバランスを取りながら体の状態を調節しています。
しかし、この2つのバランスが崩れて、さまざまな身体的症状が現れることがあります。
それが自律神経失調症です。

自律神経失調症の
原因と症状はさまざま
自律神経失調症になると、疲労感やだるさ、頭痛、耳鳴り、めまい、便秘や下痢のほか、不眠や手足のしびれが現れたりします。
また体調の不良だけではなく、イライラしたり、憂鬱になったり、理由の分からない不安感に襲われたりなど情緒不安定な状態になることも多く、仕事や勉強に対するやる気も起きません。

自律神経のバランスが崩れる原因には、感染症や内分泌疾患などの病気もありますが、多くはストレスや疲労、不規則な生活による睡眠不足などです。

また生まれつき自律神経が過敏な人や、ストレスに弱い性格の人もいます。
女性の場合は、更年期障害によるホルモンバランスの崩れが自律神経失調症のきっかけになるともいわれています。

病気でもないのにこのような状態にあると、周囲からは「だらけている」と見られがちです。本人は何とかしたいと思っても、原因が分からないだけに、さらにストレスを溜め込むことになってしまいます。
また、慢性的にストレスが生じる環境では自律神経に不調が生じるだけでなく、うつ病や不安障害など心の病気を引き起こす可能性も高くなります。

自律神経失調症の治療法は?
対症療法と生活習慣改善
原因が特定されなければ、自律神経失調症と診断されても、根本的な原因を取り除く治療は難しい場合もあるでしょうが、問題になっている症状への対症療法としての薬物治療や行動療法などがあります。
更年期障害の女性の場合、ホルモンバランスを整えるためのホルモン剤が投与されることもあります。
しかし、いちばんの治療法は、生活習慣の改善とストレスを自分でコントロールできるようにすることです
夜は副交感神経をはたらかせるために、十分な休養をとるようにします。
夜更かしが慢性的になっているのなら、少しずつ寝る時間を早めて、朝すっきり目覚められるように生活リズムを変えていきましょう。
食事も栄養バランスを心がけて、規則正しくとるようにしてください。

社会生活を送っていれば、ストレスをまったくなくすことは不可能ですが、上手につきあうことで減らすことは可能です。
ストレスを溜め込みやすい人は、完璧主義や責任感が強い傾向があります。
自分の小さなミスが許せず、気に病んでしまう……。
そうした考え方を一旦やめてみることです。
また、自分だけの楽しい時間をつくり、趣味や好きなことに没頭することもストレス軽減になります。

自律神経失調症は、生活改善をはじめても、効果があらわれるまでには時間がかかりやすいものですが、まずはできることから始めましょう。
気長に生活を改善し、ストレスを減らしていくことが、症状改善にはいちばんの近道だといえるのです。
関連する情報として
「春にざわめく胸騒ぎ、これって病気なの?」
「42℃から効果が真逆に?お風呂で自律神経を整える方法」などもあわせてご覧ください。
(監修:今村 甲彦)
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする