2017年09月05日

北朝鮮ミサイル発射 「完全に把握」ならなぜ広範囲に警報?

松尾貴史のちょっと違和感
北朝鮮ミサイル発射 
「完全に把握」なら
なぜ広範囲に警報?
2017年9月3日 毎日新聞

 Jアラートとは何だろう。
イタリアの氷菓のような響きだ。
あるいは、「三代目Jアラート・ブラザーズ」か。
知人の作家は「ジャニーズのグループ名みたいだ」と言っていたけれど、このポップな感じに危機感や差し迫った脅威が連想されない。
正式には全国瞬時警報システムというらしい。
テレビニュースの街頭インタビューで「アラート」を「アラーム」と間違えている人もいたが、この通称はどうだろう。
日本語の方がいいのではないか。

 内閣官房が察知した攻撃情報などを、地方自治体に伝達して警報を鳴らさせるということだが、今回北朝鮮が発射したミサイルについて出した警報で、東日本、北日本が大騒ぎになったようだ。
政府は「正確に把握していた」と言っているが、その割には結構な広範囲の自治体(12道県)に発令したようだ。
迎撃システムが働くと聞いているが、この精度で本当に可能なのだろうか。
 この警報が作動した数分後には、すでにミサイルは日本のはるか「上空」を通過してしまっていたわけだが、これで「頭を手でかばって」「地下に逃げ込め」と言われてもどうしようもない。
地域によっては作動しなかったり、「訓練です」というメッセージが送られたり、いろいろな意味で混乱していたようだ。

 小野寺五典防衛大臣は、「自衛隊の各種のレーダーで発射を確認したが、我が国に向けて飛来する可能性はないと判断した」と言っているのに、
安倍晋三総理は「日本に発射しました」と緊急事態のように不安と恐怖を煽(あお)るコメントをしている。  
「日本の上空」を通過したと言っているが、この表現も印象操作があるような気がする。
地上から550キロの大気圏外であり、400キロのところに浮かんでいる人工衛星よりもさらにずっと上を通過したわけだが、「上空」と言われると、まるで地上から見えるぐらいのところをかすめて行ったような感じを受ける。

 いつもは私邸に帰る総理が、この前日の夜は珍しく公邸に泊まっていたそうだが、これは偶然だったのだろうか。
虫が知らせたのだろうか。
そして不思議なのは、東京圏はこの警報の対象にされなかったことだ。
あらかじめ全国をいくつかのエリアに分けているというが、北海道から、東京のすぐ近くの栃木や群馬、そして東京より西の長野にも発令しておきながら、なぜ東京圏は省いたのだろうか。
経済を混乱させるほどの危機ではなかったということだろうか。
深刻な危機ならば東京にも発令すべきだと思うが、「本気」ではなかったということなのか。

「すべて把握していたから迎撃態勢はとらなかった」と言っている。
それなのに警報を発令して、新幹線などの交通機関を止めて混乱だけはさせたということか。
もちろん自己責任だろうけれど、このアラートに気を取られて交通事故も起きていたようだ。
しかし、原子力発電所が何か対応したということは聞かない。

 安倍氏は「政府としてはミサイルの動きを完全に把握していた」と言うが、ならばなぜ恐怖を煽るようなことをしたのか。
北朝鮮が日本にミサイルを撃ち込む気などないということも「完全に把握」しているのではないか。
この勢いで「我が国にミサイルを発射した」と総理大臣が発言してしまうことが、逆にリスクを高めることになってしまうのではないかと恐怖する。

国民を守る気持ちがあるのなら、本気の外交でそういう危機のリスクを下げるべきではないかと思うのだが、そうはしてくれない様子だ。

 私のようなひねくれ者は、この問題を利用して国民の目を加計学園問題からそらす意図があるのではないかと勘ぐる。
 遠い遠い北朝鮮の「かまってかまってミサイル」に反応するより、実際に見えるぐらいの日本の国土の上を飛び回る、米軍のオスプレイが近づいた地域にアラートを鳴らしてもらった方が、よほど役に立つのではないか、とすら思ってしまう。
(放送タレント、イラストも)  
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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