2017年10月01日

定年して「暴走老人」にならないための5原則

定年して「暴走老人」に
  ならないための5原則
年を取ったら
おカネよりも大事なことがある
2017年09月30日 東洋経済

大江 英樹 :
経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表

高齢者の傷害・暴行犯は、
20年前の20倍に激増
「老後の三大不安」と言われるのが「病気」「貧困」「孤独」です。
この3つの中で、万人に共通する最大の関心事は「病気」でしょう。
誰にとっても、何をするにしても健康であることは大切ですから、これについて高い関心があるのは当然です。

次に、貧困の問題ですが、長生きするのはいいけれど、それによっておカネが無くなる不安を、多くの人が持っています。
マスコミ等でも悲惨な老後を送っている人の現実を見せられると、誰もが強い関心を持たざるをえません。
ところが、意外と深刻に考えていないのが、三番目の「孤独」の問題です。

なぜなら、サラリーマンの現役世代の人々は毎日のように会社に通い、多くの人と交わる機会があります。
また、家族や友人もいる人が大半のため、孤独を感じることはあまりないからです。
ところが、定年退職した後に一番深刻になるのがこの問題なのです。

齢を取ってからの「孤独」がいったいどういう事態を引き起こすのか、考えてみましょう。 2016年11月に発表された平成28年版の『犯罪白書』を見ると、犯罪全体の件数は減少傾向にあります。
刑法犯の認知件数は、戦後最多だった2002(平成14)年をピークに13年連続で減少、 2015年は戦後最少を記録しています(前年比9.4%減)。
これはピークの2002年から見ると、4割弱の件数です。
ところが、全体件数は減っているものの、なんと65歳以上の高齢者の犯罪は一貫して増え続けています。
高齢者の犯罪検挙者数は約4万8000人で、20年前の平成8年に比べると3.8倍となっています。

中でも大きく増えているのは「傷害・暴行犯」で、こちらは20年前に比べると20倍に増えているのです。
高齢者自体が増えているのは確かですが、それにしても暴行犯が20倍に増えているというのはちょっと異常です。
確かに「キレやすい老人」が増えているのは実感します。
最近、人身事故などによる列車の遅延がよく起きていますが、駅のホームで「いつ運転を再開するのか!!」などと、駅員に食って掛かったりしているのは若い人よりも、むしろ年配の人のほうが多いように思えます。

老年精神医学を専門とする精神科医の和田秀樹氏によれば、この現象は加齢による人間の感情の変化を考えると、ごく自然なことなのだそうです。
年齢と共に脳の中でもまず先に前頭葉の機能が低下することが多いと言います。
前頭葉が委縮していくと、感情抑制機能の低下や性格の先鋭化といった傾向が強く出てきます。齢を取ると涙もろくなると言いますが、これは感情抑制機能が低下していることの現れでしょう。
性格の先鋭化というのは、それまである程度理性で抑えることができていた、その人の性格の特徴が大きく表に出てくるということです。
ところが、こうした前頭葉の機能低下というのは別に最近起きたことではなく、生物学的に起きる現象ですから、昔からあったはずです。
にもかかわらず、最近になって「キレやすい老人」が増えてきている、そしてそれが犯罪にまでつながっているというのはいったいどういうわけでしょうか。

理由は一つではないでしょうが、私が考えるのはやはり独り暮らしであったり、家族がいてもうまくコミュニケーションがとれなかったりする「孤独」な人が増えてきているというのが、一番大きな原因なのではないかと思います。

昔は多くの人が大家族で暮らしていました。
私が子どもの頃は、おばあちゃんがご飯を作ったり、おじいちゃんが孫の面倒を見たりといったことが大家族の中では日常的に行われていたのです。
人間は極めて社会的な動物ですから、家族という小さな単位の社会であっても、他の人と共に暮らしていくことでわきまえるべきところや我慢すべきところは、多かれ少なかれ出てきます。
そうしたコミュニケーションによる力が前頭葉の萎縮やそれに伴う感情の激化をある程度防いでいたと言っていいでしょう。
ところが核家族化がこの大家族での暮らしをほとんど消滅させてしまいました。
皮肉なことに現在65〜70歳以上の多くが、田舎から大家族での暮らしを捨てて都会に出てきた人たちです。
大都市での地域のつながりも希薄なままに定年を迎えて、孤独な状況に陥ってしまっている人が多くなっているのでしょう。

勤務先以外に
知人や友人を必ず持つ
今さら昔の大家族制に戻るということは不可能ですが、それでも極端な孤独に陥らないようにする方法はあります。
サラリーマン現役時代からできるだけ会社の人間とだけ付き合うのではなく、会社の外に多くの知人や友人を持つことです。
単純なアドバイスのようですが、自然にできない人も意外に多く、意識してやらないといけません。
脳は毎日同じパターンの行動を繰り返していると、劣化していくと言われていますから、会社の中でルーティンの仕事をし、同じ人たちと付き合うだけでなく、できるだけ幅広く新しい人と知り合うことを通じて新しい行動に取り組んでいくことが大切です。
これによっていま勤めている会社という居場所がなくなったとしても、新たな自分の居場所を持つことができると同時につねに人とのコミュニケーションを保つことができるようになるでしょう。
結果として、脳の活性化も維持することができるようになるはずです。

私が考える老後に向けた「新しい友人を作るための5ヶ条」は以下の通りです。

1.50代になったらなるべく会社の人間とはつきあわない   
アフターファイブや休日は会社の付き合いと距離を置く

2.昔の友達(小中高時代)との交流の復活  
⇒SNSとかで比較的簡単にできる

3.新たな趣味にチャレンジする   
⇒趣味を通じたつながりが増える

4.できるだけ人の世話をする   
⇒人の役に立つことで、つながりは非常に強くなる

5.好奇心を持ち続ける  
⇒何事にも興味を持てば人とのつながりも増える

私は会社を定年で辞めて5年経ちますが、元勤めていた会社の人たちとの付き合いは、ごくわずかです。
この5年間の間に知り合って付き合うようになった人たちのほうが圧倒的に多くなってきています。
定年は人生の一つの区切りにしかすぎません。
自分にとって新しい友人等でつながりを拡大していくことが、暴走老人にならないための方法と言えるのではないでしょうか。
posted by 小だぬき at 05:30 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月02日

予知できずとも減災を

週のはじめに考える
予知できずとも減災を
2017年10月1日 東京新聞「社説」

 「地震を予知したら警戒宣言を出す」という虚構がなくなります。
しかし、南海トラフ巨大地震は必ず起きます。
自らの命は自ら守る心構えが大事です。
 東海地震はかつて「明日起きても不思議ではない」と言われました。
予知を前提に一九七八年、大規模地震対策特別措置法(大震法)が施行されました。
予知ができれば、対処の仕方もあります。
警戒宣言が出たら安全な場所に避難すればよいのです。
大震法は警戒宣言が出たら、新幹線、高速道路を止め、学校や銀行などを休みにすると定めています。

◆南海トラフ巨大地震
 当時は中国で海城地震(七五年)の予知に成功。
米地震学者ショルツが地震の準備段階から発生までを統一的に説明した「ショルツ理論」も登場していました。
前兆を捉えられれば、予知もできると考えられたのです。
 観測網が充実すると、前兆らしきものが見えても地震が起きないなど、科学者が考えていた以上に地震は複雑な現象だということが分かってきました。

先週、予知はできないことを前提に、新たな対策を検討することが決まりました。
予知が無理となると、いつ起きてもよい備えが必要です。
 想定する地震も変わりました。
四十年前は静岡県の駿河湾などを震源域とする東海地震でした。
現在、警戒が必要なのは、駿河湾から紀伊半島、四国沖を通って九州の近くまで震源域が延びる南海トラフ巨大地震です。

 南海トラフ地震の想定震源域では四四年に昭和東南海地震、四六年に昭和南海地震が発生。
その時の空白域が東海地震の想定震源域でした。
もう、次の巨大地震が来てもおかしくないというのです。
 発生確率は今後三十年で70%。死者は最悪で約三十二万人とされます。
二〇一三年に南海トラフ地震を対象とする特別措置法ができました。

◆安全な場所を選んで
 気象庁は十一月一日から南海トラフ全域を対象に、前震や地殻変動などの異常現象を観測した場合は「南海トラフ地震に関連する情報」を発表する方針です。
情報が出たらどう行動すればよいのかは、これから検討されます。

 危険度を数値化し、レベル1ならどうする、2ならどうする、といった具体的な行動例を示すことが望まれます。
 私たちはどう備えるべきでしょうか。
参考になるのは過去の経験です。
 東日本大震災では多くの人が津波で亡くなりました。
防潮堤も壊れました。
一方、高所に移転していた集落は無事でした。

昨年の熊本地震では、地盤による被害の差の大きさが明らかになりました。
安全な場所に住むことの重要性を示しています。
 南海トラフ地震に備える高知市でこんな話を聞きました。
 高知市は昭和南海地震で地盤沈下が起き、津波に襲われました。
そのとき水没した地域が今では住宅地になっています。
高知城に近く、便利のよい場所です。
ここにあるマンションに、そうした歴史を知らずに転勤族が引っ越してくるというのです。

 住宅を新築する際や引っ越しのときには、防災面も考慮するようにしたいものです。
通学や通勤のルートも、一度、チェックしてはいかがでしょうか。
例えば、気象庁から「情報」が出たら海岸から遠いルートに変えるといった対策も取れます。  

残念ながら、防災情報を手に入れるのは容易ではありません。
地震、洪水、液状化の危険度や、地盤の強度や標高といったデータは、個別には公開されているものもありますが、収集して総合的に判断するのはかなり難しい。
 IT企業のリブセンスは、先週から不動産業者向けに東京都など一都三県で物件ごとに災害リスクを数値化し、提供するサービスを始めました。
地震や液状化、津波、洪水といった自然災害に対して、どの程度強いのかを数値化しています。見ると、同じ市区町村の中でも大きく違います。

 不動産価格に影響を与える可能性があるので、自治体ではやりにくいのかもしれませんが、防災、減災には重要な情報です。
官民のどちらが主導するにしろ、全国に広がってほしいものです。

◆わがことだと考える
 地震は本震だけではありません。
東日本大震災の後、静岡県や長野県などで大きな誘発地震がありました。
昭和東南海地震でも翌年、三河地震が起き、死者・行方不明者約二千三百人の大災害となりました。
南海トラフ地震が起きたら、被災地から遠くても警戒する必要があります。
いや、発生前から地震が増えるという見方もあります。
どこに住んでいても、大地震は人ごとではなく、わがこととして考えたいものです。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

食品や宅配便…あす(10/1)から値上げするものは? 家計には「逆風の強い秋」に

食品や宅配便…
あす(10/1)から値上げするものは?
 家計には「逆風の強い秋」に
2017.9.30 06:06 Sankei Biz

 10月1日から食品や日用品、宅配便の値上げが相次ぐ。
人手不足や天候不順による原料高が波及する形で家計には逆風の強い秋となりそうだ。

企業の新技術導入などによる人手不足の解消にはまだまだ時間がかかり、今後も影響が広がる可能性がある。
 サービスや外食は人手不足が引き金に。

ヤマト運輸は宅配便の基本運賃を税抜き140〜180円値上げする。
配達するドライバーの負担軽減などに向けて、利用者は荷物の受け取り場所を個人宅ではなく、全国に約4000カ所ある営業所を指定して送ることができるようになる。

 大手居酒屋チェーンの鳥貴族は人件費などの上昇から、税抜き280円均一のメニュー価格を298円に1989年以来28年ぶりに値上げする。

 食品では原料高が価格上昇を招く。
日清オイリオグループは家庭用オリーブオイル5商品の納入価格を10%以上引き上げる。
2日からはサラダ油など家庭用食用油22品目も値上げする。
天候不順などで原材料が高騰した。
にんべんは家庭用のかつお節や削り節などを10〜25%程度値上げ。
東南アジアなどでカツオを使うツナ缶の需要が伸び、調達価格が上がった。

 フィリップモリスジャパンが1日付で「マールボロ」の紙巻きたばこ計32銘柄を1箱当たり10円値上げ。

横浜ゴムが乗用車の冬用タイヤの出荷価格を平均5%上げる。

 一方、法改正や新制度も暮らしに影響を与えそうだ。
悪質商法の被害者救済に向け、消費者団体による業者の財産差し押さえ手続きを国民生活センターが支援できるようにする改正法が1日施行。
安全保障に関わる技術流出の防止強化が目的の改正外為法も施行する。
仮想通貨を扱う取引所の運用では、金融庁に登録済みか登録申請中の事業者以外は仮想通貨取引所として営業できなくなる。
 社会保障関連では、育児休業の取得可能期間の延長や高齢者の一部入院患者の負担増、加入期間不足で無年金だった人への支給開始といった変更が行われる。
posted by 小だぬき at 06:40 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月03日

相手をなぜかイラッとさせる「3つの禁句」

相手をなぜか
イラッとさせる「3つの禁句」
2017年10月02日 東洋経済

大野 萌子 :
日本メンタルアップ支援機構 代表理事

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

相手をイラッとさせる一言
誰かと話をしていて、イラッとすることはありませんか?
あからさまな暴言や蔑むような言葉ならわかりやすいですが、問題なのは、普通のやり取りの中に潜む、心理的な暴力の応酬です。

使うほうと使われるほうの双方が無意識のことも多く、理由がはっきりわからないけれど嫌な感じが残る場合もあります。
そのようなやり取りは、相手との関係性を悪くするだけでなく、たった一言で、相手との関係性を崩壊させてしまうこともあり、注意が必要です。

以下に「3つの禁句」をご紹介します。

1.「知らないの?」
思わず使ってしまう方も多いのではと思いますが、これは、相手を見下している、相手より優位に立ちたい心境の表れとも取れる表現です。
相手が知っているということを前提にした言動で、「そんなことも知らないの!?」というニュアンスが含まれます。

使われた側は、知識の場合は、知らないことへの恥ずかしさ、また、情報などの場合は、その情報が自分に来なかったことへの疎外感を感じることもあり、いずれにせよネガティブな感情につながります。
相手からバカにされているという思いを持ちやすく、よい関係性を築くためには避けたい言葉です。

2.「私なんて」
この言葉に、謙虚な感じを持つ方も多いと思いますが、実は、相手に認めろと脅している承認欲求の表れです。
「そんなことないですよ」「こんなにすばらしいじゃないですか」という言葉を、相手に求めていることに気づくことが大切です。

先日もこんな話を聞きました。
取引先の経営者の「私なんて」という言葉に、今までの功績を挙げて対応していたところ、それでも「私なんて」を連発するので、今までの失敗例を気にしているのかな、とその件を話題に出したところ、激怒されたという内容でした。
どう対応したらよかったのかと悩まれていましたが、対応に取り立てて落ち度はなく、どちらかといえば、その経営者は、ひたすら持ち上げられたかっただけなのではと感じました。
「私なんて」は自己承認欲求を満たすために使ってしまいがちなのです
類似表現で、「私で大丈夫でしょうか」があります
「大丈夫」と言ってもらいたい、もしくは、「あなたが大丈夫と言ったのだから失敗しても責任は取りませんよ」という逃げのようにも感じます。
いずれにせよ、自己顕示欲の強い表現であることの認識が必要です。

3.「あなたとは違う」
これは、相手と自分を差別化する表現で、考え方や仕事のやり方に意見されたときに、使ってしまいがちだと思います。
2008年に福田康夫元首相が退陣記者会見の際に、記者の質問に対して発した「あなたとは違うんです」という言葉が、大きな反響を呼んだのを記憶されている方も多いのではないでしょうか。
その年の新語・流行語大賞にもノミネートされたほど、たった一言で、 強いインパクトを与えてしまう言葉なのです。

また、「あなたにはわからない」という表現もあります。
相手を拒絶する表現ですが、そもそも、その「わからない」相手に話そうと思う根底には、同意してほしいという欲求が強く存在していることになります。
本当にわからないと思っている相手に話を振ることはないでしょうし、話したい気持ちはあるのですから、八つ当たりも甚だしい表現です。
「あなたにはわからない」という言葉を使うくらいなら、その人に話さなければいいわけで、本当にわかってほしければ、わかるように話す努力が必要です。
もし、わかってほしくて使うなら、より一層、相手を遠ざけてしまう表現なので逆効果です。

カウンセリングや相談業務の中では、相談者から、このような言葉を浴びせられることがよくあります。
話を聞いているカウンセラーが、そう発言しているクライアントより苦しい体験をしているとしても、それを相手に伝えることはありません。
嫌な思いをしたとしても仕事の場合は割り切れるかもしれませんが、通常の人間関係では大きなリスクになるでしょう。

自分の言動を振り返ってみる
これらの禁句は、話している表情や声の大きさ、語調からも大きな影響を受けるので、すべての場面で当てはまらないとは思います。
ただ、誰しも言葉の言い回しに癖があります。
不用意にこれらの言葉を使ってしまっているとしたら、知らない間に相手から距離を取られたり、信頼関係を築くうえでの障害になっているかもしれません。

何げなく使っている不用意な一言で、相手をイラッとさせていることがあることを知って、自分の言動を振り返ってみてください。
快適なやり取りの積み重ねが、相手との関係を深め、信頼を育み、ひいては、自分の居場所の確立に役立ち、あなた自身の「生きやすさに」につながっていきます。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月04日

希望の党「政策協定」に滲み出た低すぎる品位

希望の党「政策協定」に
 滲み出た低すぎる品位
第9項目に「公認が欲しければカネを出せ」
2017年10月03日 東洋経済

安積 明子 : ジャーナリスト

「政策協定書にサインする時、まず10回深呼吸した。
そして鼻をつまんで一気に名前を書きあげたんだ」

民進党から希望の党に移る予定の前衆院議員は10月2日、筆者の取材に対して吐き捨てるようにこう言った。
前議員がサインしたのは、希望の党に提出する「政策協定書」。
民進党は10月1日夜、各都道府県連に連絡し、所属の次期衆院選立候補予定者に、この事実上の血判状の提出を求めた。
送付の締め切りは10月3日午前9時。
この政策協定書の提出が、希望の党が午後に発表する公認リストに選ばれるための条件とされる。

政策協定書には、いったい何が書かれているのか。
書かれているのは、以下の10項目だ。

政策協定書の生々しい内容
1.希望の党の綱領を支持し、「寛容な改革保守政党」を目指すこと。
2.現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、憲法に則り適切に運用する。その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する。
3.税金の有効活用(ワイズ・スペンディング)を徹底し、国民が納める税の恩恵が全ての国民に行きわたる仕組みを強化すること。
4.憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること。
5.国民に負担を求める前に国会議員が身を切る改革を断行する必要があること及びいわゆる景気弾力条項の趣旨を踏まえて、2019年10月の消費税10%への引き上げを凍結すること。
6.外国人に対する地方参政権の付与に反対すること。
7.政党支部において企業団体献金を受け取らないこと。
8.希望の党の公約を遵守すること。
9.希望の党の公認候補になるに当たり、党に資金提供をすること。
10.選挙期間が終了するまで、希望の党が選挙協力の協定を交わしている政党への批判は一切行わないこと。

8項目のオリジナル版はもっと露骨だった
ここで奇妙なのは第9項と第10項だ。
「党に資金提供をすること」や、「選挙協力協定を交わしている政党への批判を行わないこと」を約束することが果たして政策協定書に含まれるべき事項なのか。

しかも「政策協定書」には、8項目で構成されたオリジナル版(最終版と比べると第5項と第10項に相当する内容が入っていない)があった。
そのオリジナル版では、第7項に「本選挙に当たり、党の指示する金額を党に提供すること」と記されていた。
「これでは、さすがに表現があまりに露骨で下品」との批判があったことから訂正された経緯があるようだ。

「いったい希望の党は、政党としてきちんと機能するのだろうか」。
冒頭で述べた前議員は、今でも希望の党に疑念を持っていると述べる。
それでも9月28日に開かれた両院議員総会で希望の党に行くことを決した以上、希望の党に行かざるをえないと溜息をついた。

一方で希望の党に参加しないことを表明した枝野幸男元内閣官房長官は10月2日夕方、新党結成を発表した。
枝野氏は同日、民進党へ離党届を提出している。

「私は日本の国民の生活の安心、立憲主義、民主主義、自由な社会、それをしっかりと守っていくために、立憲民主党を結成することを決意いたしました」
ひとことひとこと噛みしめるように、枝野氏は宣言した。

そもそも「立憲民主党」は2016年3月に民主党と維新の党が合流して党名を変える時、最有力候補だった名称。
結果的にはネット投票により維新の党側が推薦した「民進党」に決まったが、その決定過程に不満を持つ関係者は多かった。
よって国会議員の間でも「民進党」の党名はおおむね不評で、党勢の衰退の一因とする人もいたほどだ。
「立憲民主党」の略称は「民主党」。
これは、かつての党名と同じだ。
選挙間近の新党結成ゆえ、長年親しまれた名称にしたのだろう。

そして枝野氏には「積み重ねた民進党の理念や政策は、自信を持っている。
これを国民のみなさんに訴えて、選挙を戦う」と意気込んだ。

つまり、枝野氏には民主党・民進党の正当な後継者との自負がある。
2日午前にはさっそく連合の神津里季生(こうづ りきお)会長と面談し支援を求めた。
「『是非ご支援をいただきたい』と言い、賛同してもらった。
そういうふうに理解している」(枝野氏)。

今回の総選挙の目的は安倍政権を倒すこと。
枝野氏は「それをやらないと先に進まない」と断言する。

続々と立憲民主党に合流
そんな枝野氏の姿を、会見会場の後方で眺める2人のテレビ業界出身の参議院議員がいた。
神奈川選挙区の真山勇一参議院議員と長野選挙区の杉尾秀哉参議院議員だ。
真山氏は筆者の電話取材に対し、「立憲民主党に参加するかどうかはまだ決めていない」と答えた。
真山議員だけではない。他の多くの参議院議員も、今後はまだ未定とのこと。
だがすぐに選挙がない参議院はともかく、選挙が間近に迫る衆議院はそうはいかない。

無所属で戦う宣言をしていた逢坂誠二前衆議院議員は、さっそく合流を表明。
赤松広隆元農水相や阿部知子前衆議院議員なども参加を表明している。
かたや、野田佳彦元首相や岡田克也元副総理は、次期衆議院選では新党に合流せずに無所属で出馬を宣言。
彼らは選挙に強く、独自で勝つ見込みは十分。
よって政党の看板に頼る必要はない。

選挙後のことは明かされていないが、おそらくは立憲民主党に合流するのではないか。
意外と立憲民主党は、大規模なものになるかもしれない。
衆議院で希望の党から排除された人たちに参議院のメンバーを加えると、50名以上は集まる可能性がある。

日本共産党の志位和夫委員長は立憲民主党の結党を受けて、
「共闘の大義に立つ方々の動きを歓迎します。
逆流を乗り越えることができれば、市民と野党の共闘はさらに強く、確かなものになることは間違いありません。
ここが正念場です」とツイッターに記している。

そもそも野党が奪い合うのは浮動票と反自民党の票で、政府自民党・公明党の固定支持票は始めから野党には投じられることはない。
3極となった今、風はどの極に吹くのだろうか。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月05日

所属議員を徹底監視 小池氏が隠し持つ“女ヒトラー”の素顔

所属議員を徹底監視
小池氏が隠し持つ
“女ヒトラー”の素顔
2017年10月4日 日刊ゲンダイ

 “女ヒトラー”の正体が見えてきた――。
希望の党の規約で設置されることになったガバナンス長。
「代表を補佐して党内調整や法令順守を担う」とされているが、さしずめ、党内の特高警察あるいはゲシュタポ(ナチス秘密警察)と言っていい。

「ガバナンス長は、幹事長に次ぐ権限を持ち、国会議員以外も対象。
小池代表が指名し、党に所属する議員や候補者らのメディア対応や、ツイッターなどSNSでの発信まで管理するという。
すでに、都民ファーストの会は、都議への取材制限や、飲み会禁止などが報道されていますが、所属議員の全行動が小池代表の目に届くよう、徹底したいのでしょう」(政界関係者)

 いやはや、有権者の負託を受けた国会議員が、ファミリー企業の社員と同じ扱いである。
これでは自由な議論はおぼつかない。
小池代表に異論を唱える“危険分子”をあらかじめ封じ込めようとする魂胆がミエミエだ。

 あらためて小池代表の思想、信条を振り返ると、それも当然なのかもしれない。
月刊誌「KOKKO」編集者、井上伸氏がまとめた過去の「小池語録」を読むとよく分かる。

<祝日が多すぎるというなら、借り物の憲法記念日5月3日を祝日から外しましょう>
<喫緊の課題は「社会保障」もさることながら、国家の「安全保障」>
<集団的自衛権の行使や国防軍創設にはもちろん賛成です>
<オスプレー配備に反対する沖縄は何をどこから守ろうとしているのか(略)座り込みの1列目は沖縄のおじい、おばあの皆さんだが、2列目からは「県外」からの活動家がずらり>

 ネトウヨのようなタカ派の思想むき出しだ。
希望参加の候補者は、こういうリーダーに“従軍”するのを分かっているのか。

■ヒトラーが行った「禁煙キャンペーン」
 都議選で都民ファが公約し、今の都議会で可決を目指す受動喫煙防止条例も、ナチスの禁煙キャンペーンに通じる。
たばこ嫌いのヒトラーは、健康を旗印に公共交通機関やレストランなどでの喫煙を規制。
たばこ広告も取り締まった。
政治評論家の山口朝雄氏が言う。

「禁煙は独裁と無関係に見えますが、政府が公共の場所を管理し、表現の自由を制約することで、国民に“禁じられること”を慣れさせる効果があります。
また、希望が掲げる一院制というのも危険です。
今回の騒動を見ても分かる通り、選挙目前の候補者は、理念も何もすっ飛ばして、頭の中はパニック状態になる。
こうして“言いなり議員”が多数を占めると独裁になる。
二院制であれば、暴走を抑えられるが、一院制では歯止めが利きません

 笑顔の下に潜む「本性」を有権者はよくよく考えた方がいい。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(4) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月06日

極右の独裁者2人が“悪魔対決”の醜悪

構図が見えた総選挙
極右の独裁者2人が
 “悪魔対決”の醜悪
2017年10月5日 日刊ゲンダイ

 衆院選は「自民、公明」「希望、日本維新の会」「立憲民主、共産、社民」の3極で争う構図が固まった――。
メディアは当たり前のように書くが、有権者はこれを真に受けると間違える。

小池百合子都知事が代表を務める「希望」は仮面をかぶった“エセ野党”だ。
安倍VS小池の対決なんて、極右同士の主導権争いであり、グロテスクな権力闘争でしかない。
 希望の正体は、公認を望んだ民進党出身者に課せられた「政策協定書」という名の「誓約書」や、きょう(5日)にも発表される公約の骨子でハッキリわかった。

「ダイバーシティ社会の実現」を提唱しながら、排外主義を思わせる「外国人地方参政権の付与に反対」を有無を言わさず約束させた。
憲法の何を変えるのかの項目を一切記さず、「憲法改正を支持」と白紙委任で誓わせた。
安保法制も「適切に運用」と、もちろん賛成だ。
原発ゼロや消費増税凍結など、見せかけの差別化は図っているものの、戦争ができる国づくりへと向かう「国家像」は自民党とほぼ一緒なのである。

 憲法について希望は公約案で、「9条を含めた改憲議論を進める」としている。
自民党は今度の選挙で初めて公約の重点項目に「憲法改正」を掲げ、改正項目に安倍首相が提案した9条への「自衛隊の明記」を記した。
希望の公約は、自民に足並みを揃え、改憲ムードを後押ししようとしているかのようだ。

■悲願達成の環境は整った
 共同通信の最新の世論調査でも、憲法改正に賛成は34%だった。
国民の7割が望んでいないのに、選挙後、自民が勝っても、希望が勝っても、「我々は信任された。憲法改正は公約だ」として、改憲への手続きがどんどん進められていくだろうことは、容易に想像できる。

 政治評論家の野上忠興氏はこう言う。
「安倍首相は以前から『自分と小池は仲が悪くない』と思っています。
それは都議選で自民党が大敗しても変わりません。
2020年に東京五輪があるのだから、国と東京都は協力関係でやっていかざるを得ないというわけです。
そんな小池さんが『希望』という国政政党をつくったことを、安倍首相はありがたいと思っている。

安倍首相の悲願は憲法改正です。
今度の選挙が『VS民進党』という構図なら憲法改正の是非が大きな争点になってしまったかもしれませんが、改憲に賛成の小池新党とは争点になりませんからね。
過去の選挙では国民の反発を恐れ控えてきたのに、今回、自民党の公約に『憲法改正』を書き込み、ついに安倍首相は本性を剥き出しにしました。
安倍首相は自公で過半数という“信任ライン”を超え、希望と維新を加えて3分の2を確保できると踏んでいる。

『改憲の悲願達成への環境は整った』とほくそ笑んでいることでしょう」
 自公に希望と維新で、大政翼賛会へまっしぐら、である。
 4日小池は、希望が「第2自民党」だとの指摘があることについて、「第2どころか第1を目指したい
新しい保守政治という観点だ」と強調した。
自民以上のウルトラ保守を目指すということか。

希望の設立メンバーには極右政党の「日本のこころ」から移籍した中山恭子もいる。
民進党を離党(除名)した松原仁は自民党以上に右寄りで、長島昭久はチャンスさえあれば自民党に入りたいと思っているような人物である。
希望が野党、なんて冗談じゃないのである。

独裁者による
「お友だち政治」という共通項

〈祝日が多すぎるというなら、借り物の憲法記念日5月3日を祝日から外しましょう〉
〈軍事上、外交上の判断において、核武装の選択肢は十分ありうる〉

 これらは過去の「小池語録」の一部だ。
驚愕のタカ派思想剥き出しだが、小池のおぞましさは、これに独裁者という本性が加わることだ。
 希望の党の規約で、政党としては異例の「ガバナンス長」なるものが設置されることになった。
幹事長に次ぐ権限を持ち、所属議員のメディア対応やSNSでの発信を管理するのだという。
いわば、議員を上から押さえつける「言論統制」なのだが、既に同様の規制をかけている都議会の都民ファーストの会では、“恐怖政治”に耐えられなくなった都議2人が離党を表明した。

 そのくせ小池は“身内”を特別扱いする。
これも独裁者の常だが、希望の公認候補に、自分の元秘書2人や元秘書の父親を入れた。
一方で、自分に近い、自民党の石破茂や鴨下一郎、野田聖子の選挙区には、民進党公認で希望へ入党を申請した新人がいたのにもかかわらず排除し、対抗馬を擁立していない。
 代表個人の恣意的な公認選定なんて、“お友だち政治”の安倍と変わらないじゃないか。
「しがらみ政治の打破」が笑わせる。
 石破らに対抗馬を立てないのは、「選挙後に向けて秋波を送っているからではないか」と言うのは政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏だ。
「1994年に8会派による細川連立政権が崩れた後、小沢一郎氏が自民党に手を突っ込み、渡辺美智雄氏に対し、離党と同調者を連れてくることを条件に首班指名を打診した。
渡辺氏は迷ったものの離党しませんでしたが、小池さんはその手法が念頭にあるのではないでしょうか。

選挙後の議席数によっては、『石破さん、野田さん。寛容な保守として、あなたを担ぎますよ』というメッセージ。
自民党を撹乱する作戦です」
 事実、小池はきのう、自民との連携について「どなたが(トップに)なるのか、選挙の結果次第」と意味深だった。
選挙後に向け、何でもアリの駆け引きを仕掛けているのだろう。

■希望の党は「自民党小池派」
 やはりこの選挙は、メディアが言うような与野党の政権をかけた戦いなんかじゃない。
国民不在の大政翼賛会の中での醜悪な権力闘争であり、広い意味での自民党内の派閥抗争みたいなものだ。
「安倍首相が嫌だから」と希望に投票したら、選挙後、有権者は後悔することになる。

 政治学者の五十嵐仁氏がこう言う。
希望の党は、事実上『自民党小池派』ですよ。
小池さんは今は安倍政権を批判し、対決するようなフリをしていますが、選挙が終われば状況によっては連携もあるとにおわせている。
安保法や改憲賛成だけでなく、規制緩和による経済成長など、自民党と共通する政策は多い。
有権者は『小池劇場』に惑わされることなく、政党の立ち位置や本質を見極める必要があります。
疑似餌に引っかからないようにしなければなりません」

今度の衆院選は「排除の論理」や小池が出馬するのかどうかなど、狂乱の中で劇場化がエスカレートするばかりだが、有権者は今こそ一息ついて、冷静になる方がいい。
 何度も言うが、安倍自民VS小池希望は悪魔同士の主導権争いだ。

どの党が本物の野党なのか。
どの党が本当に国民の幸せを考えてくれるのか。
狂騒から一歩距離を置いてみれば、おのずと答えは見えてくるはずだ。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月07日

群馬大学付属病院の事例は医療事故ではなく犯罪に近い

医療事故を起こす医師は「謙虚でない」のか?
群馬大学付属病院の事例は
医療事故ではなく犯罪に近い
2017.10.04 ヘルスプレス

  中村祐輔(なかむら・ゆうすけ)
シカゴ大学医学部内科・
外科教授兼個別化医療センター副センター長。

 ネットニュースを見ていると「下手過ぎる医師の恐怖、病室の惨劇はこうして起きた」というタイトルの記事があった。
群馬大学付属病院で起きた医療事故に関して、首藤淳哉さんという著者がコメントをしていた(JB Press)。
 最後のほうに「医療事故によって医師が業務上過失致死罪に問われるケースはほとんどないと言われる。
だが医師は決して万能な存在ではない。
いま医師に求められているのは、『わたしは間違えるかもしれない』という思いをどれだけ持てるかではないだろうか。
命を扱うことについての畏れ。
そういう謙虚さを持つ医師だけが、困難な手術に挑む真の勇気を手に出来るのではないかと思うのである」と書かれていた。

「自分は絶対に間違いを起こさない」と
       自信過剰の医師などは稀
 群馬大学のケースは、一般的な謙虚さの問題ではないと思う。
手術をした医師本人の問題は否定しようもないが、このまともでない医師をチェックするシステムの欠如が最大の問題である。
また、医療事故といっても、いろいろなケースがあり、医療事故が刑事責任を問われないのは問題であるような論調には賛同しかねる。
 また、「医療事故を起こした医師=謙虚さを欠けている」かのような表現もおかしい。
医療関係者は、真剣で謙虚であっても、医療事故と背中合わせで診療に従事しているのだ。

 日本には「自分が偉い」と勘違いしている医師はたくさんいるかもしれないが、今や「自分が万能だ」と思っている医師など、絶滅危惧種ではないのか? 
「自分は絶対に間違いを起こさない」と自信過剰の医師などは稀だ。
 ドクターXのように「私、失敗しません」などとは、口が裂けても言えず、逆に、「失敗したらどうしよう」「間違いだったら、どうしよう」という不安が、常に心の中を過ぎっているのが実態だ。
診断の難しい病気、治療の難しい病気、リスクの高い手術、難しさに日々苦悶している医師が大半だ。
 同じ病名の患者に同じ薬剤を投与しても、同じように効果が出ると限らないのが、現実世界である。
「どうしてよくならないのですか?」と聞かれても、「効かない人には効かない」と心の中で返答するしかないのだ。
 もちろん、そんなことを口に出して言ってしまえば、怒りだす患者さんもいるだろう。
「どうして失敗したのですか?」と尋ねられても、それがわかっていれば、失敗などしない。
医療に絶対がないにもかかわらず、ミスをすれば、許されない風潮にある。

 そして、困難に挑む勇気を持って臨んでも、失敗すれば、人格を否定するような言葉が返ってくることも少なくない。
失敗することは、患者さんや家族にとって不幸であるが、医師にとっても、後悔と一生の心の負担を背負うことになるケースが多いのだ。

 指紋が個人個人で異なるように、体内の血管の位置も微妙に異なり、それが静脈認証システムに応用されている。
内臓が左右逆転しているなどの極端な違いを含め、本当に多様性に富んでいる。
また、血管が予想以上に脆くなっている場合もあり、いくら経験を積んでも、予測を超える場合もあるのだ。

群馬大学の例は
医療事故ではなく犯罪に近いレベル
 この群馬大学の例は病的に異常なケースであり、これは医療事故ではなく、犯罪に近いレベルであると言っていい。
 交通事故でも、単なる不注意から、死につながる事故もある。
しかし、酒を飲んだり、違法薬物を飲んで事故を起こせば、確実に犯罪だ。

群馬大学の事例は、運転能力がないにもかかわらず、大型車を乱暴に運転したケースと同じようなものだ。
 しかし、交通事故と同じで、日常診療の中では予測できない医療事故のリスクはあちらこちらに存在している。
患者さんの安全を最優先にすることに異論はないが、真っ正直な医師が、ミスを起こし、それに対して過度な批難を浴びれば、その人たちの心が折れてしまう。

 米国の「医師の燃え尽き症候群」は深刻な社会問題になりつつある。
何かが起こると、まるで、医師全体が傲慢で謙虚さの欠片もないような論調の報道が溢れ、魔女狩り状態となる。
そして、謙虚な気持ちで患者さんに接し、日々、心を痛めている医師たちが萎縮し、心が燃え尽きてしまう。

 謙虚な姿勢は、医師に対して求めるだけでなく、すべての職種に必要ではないのか?
 当然、メディアに対しても求められるものだ!

 私はSTAP細胞事件の魔女狩り報道を決して忘れない。
メディアに対しても求められるものではないのか!

(編集部注:
2014年、群馬大学病院第二外科の同一の医師が執刀した、保険適用外の腹腔鏡を使った肝臓手術で、患者8人が術後4カ月以内に死亡していたことが発覚。
その後、腹腔鏡を使った手術だけではなく、開腹手術でも同一の執刀医によって過去5年間に10人が死亡していたことが判明。
2015年3月3日、群馬大学病院は、腹腔鏡手術にて死亡した8人全員について診療に過失があったとの調査結果を公表。
開腹手術後3日目に死亡した患者1人については、死亡後にがんではないと判明したのに、執刀医はその事実を遺族に告げず、虚偽の診断書を作成していたと発表した。

同年4月、2010年12月〜2014年6月に腹腔鏡手術で8人と、2009年4月以降の開腹手術での10人の計18人が死亡したことが分かっていたが、既に発表されている以外にも同じ執刀医による死亡者がいたことが判明した。)

「中村祐輔のシカゴ便り(2017-09-14)」
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月08日

山本太郎「リベラルをひとりも減らすな」

総選挙を前に
山本太郎に直撃!
「リベラルをひとりも減らしちゃいけない」
立憲民主党にもエール
2017.10.07 LITERA編集部

 総選挙を前に、小池百合子都知事率いる新党・希望の党が登場したかと思ったら、前原誠司代表とグルになって民進党を併合しリベラル派議員たちを“排除”、一方の民進党リベラル系の枝野幸男氏が立憲民主党を立ち上げ……めまぐるしく政治状況が動くなか、あの男は何を考えているのだろうか。
 新宿西口で連日“街頭記者会見”を開いていた山本太郎参院議員を、10月2日直撃した。

●解散した28日昼、小沢一郎から
合流の条件“踏み絵”について聞かされた
 山本が所属する自由党も希望の党との合流が噂されていたが、はたして山本はどうするのだろうか。
「自由党は、希望の党に合流しません。
自由党が合流したら、私は辞める以外ありませんが、自由党は合流しません。
 まだ親方(小沢一郎)から直接は聞いていませんが、党からは合流はしないと聞いています」  

参院議員の山本はいま現実的に踏み絵を迫られていたわけではなかったが、 それでも民進党の議員らに先がけていくつかのメディアで「踏み絵は踏めない」
「党が合流するなら、自分は無所属」と表明していた。
「これまで党の方針が決まってなかったので、当然、党全体のことは発言できませんでしたが、自分は合流しないことは前から言い続けてました。
 9月28日、衆議院解散の日に所属議員が揃ってお昼を食べたのですが、その際に親方(小沢一郎氏)から、合流の条件、いわゆる踏み絵について聞かされました。
 その場で、自分の合流はあり得ない旨を伝えました。
 その夜、新宿での街宣で、聴衆の中から質問が出たので、自分は合流しない旨を伝えた、と言う流れです。
 共同代表としては見切り発車の発言とも言えるし永田町的には好ましくない対応なのかも知れません。
自分自身もガマンできないっていうのもありますが、何より、どう考えているのか知りたい人々に対して、伝えることも重要なんで、ちょっと党全体のことについては曖昧な表現にはなりましたが、自分は行かない、ということは伝えていたつもりでした。
 そらそうですよ、実際に、党が合流するっていう話になった場合、行けるはずないんだから。憲法改正、安保法賛成、沖縄新基地OKの踏み絵なんて無茶苦茶です。
排除します、なんて寛容な保守とはかけ離れています。
小池氏と安倍氏は、基本政策に共通点が多いですよね。
 向こうが受け入れる受け入れない関係なしに、党が合流する場合は、そんなもの行けるかよっていう話です」

 同じく、希望の党にNOを叩きつけた枝野幸男氏が中心となって民進党リベラル系議員が立憲民主党を立ち上げたが、この動きについてはどう見ているのだろうか。
「希望の党の破壊工作によって、野党第一党が破壊されましたが、そこからのリカバーは絶対に必要。
 今回の一件は、ある意味、なんていうか、会社が乗っ取りにあったような話で、世間でも同情される部分があると思うんですよ。
これは、プラスだと思います。
『なんなの、それ』『希望の党ひどいねえ』って。
そこで、そのままだったら何も生まれないけれども、旗をあげ直したことで、『がんばれ!』って声が強くなったのは、すごくいいことですよね。
チャンスだと思います。

 だから、いまこそ、本当に、いままで以上に、人々のための経済政策をふくむ政治をやるっていう政策を鮮明に示してほしいなあって思います。
自分の願望でもあるんですけど(笑)」

 ──山本さんも誘われましたか?
    合流することはありますか?
「いいえ。だって他党の人、入ってるんですか?
 今回はそういう枠組みでは考えてないんじゃないんですかね。
まあ僕は、誘われないでしょ、ひとり牛歩やったりするから(笑)。
 でも新しい党を立ち上げるんだったら、大胆に行ってほしい。
それこそ、消費税ゼロがいちばんわかりやすいけど、難しいならまず5%とか。
それくらい大胆に。
 だって、小池さんと維新を繋いだのが竹中平蔵さんと報道にもありましたが、そこに本隊の安倍さんが揃えば、新自由主義のロイヤルストレートフラッシュみたいな話ですから、その勢力と対峙するためには、ヤギのケンカしかないです。
ゴツゴツと頭をぶつけてケンカするやつですね。

 だから、これぞ人々のための政策、というキレッキレッの政策を楽しみにしています!
 今回、党として候補者を出せないので、このように立憲民主党にも感情移入してしまいますね。
選挙が終わった後、別の政党から『そっちに行きたい!』って思ってしまうような盛り上がりが生まれることを祈ってるだけじゃなく、実際に応援します(笑)」

 小池百合子率いる希望の党は「原発ゼロ」公約を掲げている。
しかし民進党前議員がサインさせられた政策協定書からは原発ゼロが消えていた。
原発問題に取り組んできた山本の目から見て、小池百合子の原発ゼロは信用できるのだろうか。

「ゼロ、と言いながら規制委員会がOK出したものは再稼働とおっしゃってる。
安倍さんと一緒。

ずっと原発賛成してきた人が、
ゼロを言い出した理由は何でしょうか?
 小泉さんの助言ですよね。
『原発ゼロって保守が言ったらすごいよ』
『言った人、誰もいないよ』って。
かなり動機が軽い感じがしないでもないですが、よくある政治家の嘘でなければ良いですね。  

信念もって政策を実行するかどうかのチェックの仕方は、かつて自民党が選挙の時にTPP反対と言ったものを、手のひら返して推進した際に、異を唱えたのか? 
過去に自民党が示した政策に対して手のひら返しした時に、ちゃんと異を唱えたかを見ればわかりやすいかも知れません。
 あ、知事になってからどのようなお仕事をされていたかをチェックするのも判断材料の1つになるかもしれません」

改憲はまちがいなく大きな争点、
リベラルはひとりも減らしちゃいけない  
争点としてあまり取り上げられていないが、改憲勢力が2/3を確保するかどうか、改憲は隠された争点だ。
今回の選挙の結果によっては、改憲もかなり現実味を帯びてくる。
どう戦えばいいのだろうか。
「まちがいなく、憲法改正は、小池さんにとっても自民党にとっても大きなイシューですよね。  自民党は党是なわけだし、小池さんだっていまの憲法に納得いかないご様子で、新しい憲法ができるまで、今の憲法を停止すればいい、という趣旨の発言をされています。
 今回の選挙結果は、憲法改正への手続きが可能な状態にもなり得ます。
だとするならば、リベラルは減らしちゃいけない。
現行憲法も守る気概のない輩が憲法改正したいなんて虫が良すぎる。

 本丸は緊急事態条項ですから。三権分立が壊されて1つになれば、どんな事でも出来ちゃう魔法の杖です。
 そう考えたら、今はひとりでも護憲派や、一言一句変えるなとは言わないけど今じゃないよねという改憲慎重派の人たちの数を減らしちゃマズイ。
 国会論戦の場でそういう人たちが中心になって、相手側の矛盾点などを突き崩していく優秀なプレイヤーになりますから。
最低条件は絶対減らさない、ってことですかね。
逆に増やしていくぞっていうつもりでやります、応援に入ります。

 ただ、応援している人たちがいくらがんばっても、数を増やすのは、難しい。
やっぱり各党がぴりっとした政策をあげられるかが、担保されなきゃいけないから。
 憲法や安保法は物凄く大切な問題ですが、選挙では優先順位として関心があまり高くない。
目の前の生活で精一杯の人々にダイレクトに届けるには「人々の為の経済政策」、これしかありません。
与党や新党と差をつけるには消費税5%は最低限言わなければならない政策。

 だから、まずはガッツリ、人々の為の経済政策で政策出してくれ、っていうプレッシャーを、ぜひ各党に投げていただきたい。
もっと踏み込めっていうことを党や所属議員、候補者にもロビイングしていく。
改正に向けてのブレーキっていうのは、自分たちでつくっていかなきゃならない。
改憲を止めるには

安倍&小池のツインピークスに怯まず、
    怖れず、立ち向かう
 ただ、希望の党の登場と民進党の解体によって、改憲勢力が2/3以上を確保する可能性は現実的にかなり高まっている。
「たとえ結果が思うものと違っても、取られたら取り返すしかない。
『どうせ超えられない』なんてことを言っていたら、本当にヤバいことになるから。
 いまから何人仲間を増やせるか、しかありません。
選挙後向かうさきは、国民投票ですから。
政治にまずコミットするとか、政治に関心をもてるような、口説き方をあなたが友だちにできますか?っていう話です。
友だちになりたいとか、恋人になりたいとか、って場合、一生懸命口説きますよね?一緒です。

お付き合いしてもらわなきゃいけない、私の政治の話にお付き合いしてもらわなきゃいけないという意味だから。
あまりに真面目すぎても、ダルがられるし、おもしろみを含みながら、アプローチするってなかなかハードル高いんですけど。
私も正解は見つかっていない状況、模索中ですけど。
 選挙が始まったら、もう選挙終わったも同然とも言いますが、あきらめるわけではなく、ずっと先を見据えて、選挙が終わっても政治に興味を持ってもらうために、自分が何人口説けるか。後々それが先の選挙で結果を変えられる可能性につながります。
全部地続き。1回では変えられない。
2回も、3回もステップバイステップでやっていきながら、いい社会つくるために、まずは目の前の安倍&小池のツインピークスにひいたりせずに、臆せずに。
 あきらめた時点で、終わっちゃう。だから楽しみながらやっていきましょう
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(3) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月09日

安倍首相の土俵に乗ってはいけない 総選挙「本当の争点」

安倍首相の土俵に
乗ってはいけない
総選挙「本当の争点」
2017年10月8日 日刊ゲンダイ

浜矩子 同志社大学教授

 今度の総選挙は当初、安倍首相のご都合主義解散への賛否と、それを自ら「国難突破解散」と名付けたことが最大の焦点でした。
もちろん、安倍首相という「国難」を突破するという意味ではその通りなのですが、そこへ「希望の党」なる不気味な存在が出てきて、どうも有権者がまともな選択をできないような異様な与野党対決の構図になってしまった、というのが現状ではないでしょうか。
アホノミクスの皿も小池さん(希望の党代表)の皿も、いずれも“毒皿”という感じですからね。  

さすがに枝野さんがリベラルの旗を掲げた新党を結成したので、多少は逃げ道というか、正常な受け皿ができたと思っています。

 小池新党の不気味さというのは見ての通りですが、「旧民主党系を排除する」「安保法制と改憲に賛成」「改革保守」などと言って、要は「保守」であることを前面に出しています。
「リアルな外交安全保障」という表現も使っていました。
極めてネオコン的な色彩が濃い。
ネオコンの行き着く先は国粋主義です。

その意味でグリーンモンスターとアホノミクスの大将は非常に似ていますが、前者の方が「粘り腰」がありそう。
パワーアップバージョンの国家主義者に、どうも一段と警戒が必要そうです。
 実際、安倍さんと小池さんの発言には共通点が多い。
両者が連携してしまう可能性もあり、そこに維新が加わったら、国家主義の大同団結ができあがってしまう。
大政翼賛会ですね。
だから“本当の”野党が本当に頑張らなければいけないと思います。

■「国難」を突破できるのか
 こうした状況を踏まえた上で言いたいのは、争点をどう展開していくのかということです。
安倍首相の言う消費税の使い道の変更や少子高齢化などは、すべてが後付け。
北朝鮮の危機対応にしても、だったら選挙をやっている場合じゃないということにもなる。

 ですから、“本当の”野党は安倍さんが設定する議論の土俵に乗らないで、今、この国が直面している「本当の問題」を争点として打ち出していくべきだと思う。
それができれば面白い戦いになる。

 本当の野党が着眼すべき「本当の問題」とは、何か。
それは、まさしく国難突破です。
国粋主義化という名の国難から国民を守り切れるか、ということです。

「国民の上に国家を置く」ことを目指しているのがチームアホノミクス。
グリーンモンスター軍団からも同じ香りがプンプンしてくる。
チームアホノミクスは財政節度の放棄を正当化する方向に向かっています。
その行き着く先は、日銀による財政ファイナンスの制度化です。
そうなれば「経済ファシズム体制」の完成です。
そんなことを許してはいけないという観点から、切り込んでいく必要がある。

「人づくり革命」も国家のために国民を使うという考え方ですから、こうしたテーマを「本当の問題」としてうまく議論のテーブルに乗せられるといい。
グリーンモンスター軍団からも、その辺についてのスタンスを引っ張り出せるといいですね。
緑の衣の陰にどんな鎧が隠れているのか、打倒アホノミクスのついでに暴くことができれば楽しい。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月10日

傍観者でいるとツケ

傍観者でいるとツケ 
ノンフィクション作家・保阪正康氏
毎日新聞2017年10月9日【聞き手・栗原俊雄】

 今回の衆院解散で、安倍晋三首相は「国難突破解散」と述べた。
私は「国民愚弄(ぐろう)解散」だと思う。
森友、加計両学園の問題で何の説明も議論もないまま、臨時国会を平気で冒頭解散した。
以前、安倍首相は国会の答弁で行政府の長である自分を「立法府の長」と述べた。
間違いだが、これまでの国会運営を見る限り、本当にそう信じているのではと思わざるを得ない。

 戦前の軍部独裁は、軍が行政を握り立法と司法を従えたもの。
軍部がない現代でも行政による独裁はあり得る。
私たちはそれを知るべきだ。

 選挙の争点の一つが北朝鮮の問題。
安倍首相は、「必要なのは対話ではなく圧力」ということを強調している。
核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮に圧力が必要だとしても、それだけでいいのか。
相手がどんな国であれ、対話の道も確保しなければならない。

 もう一つは憲法改正だ。
9条に第3項を付け加えると安倍首相は言うが2項との整合性がとれない。
改憲するとしても何をどう変えるのか、またそのプロセスも大事だ。
そもそも自民党が掲げる憲法が国民主権なのか、国家主権なのかを見極める必要がある。
 これまでの自民党長期政権を振り返ると、最後は多数の力で採決するにしても、手続きを踏んで、それなりに時間をかけていた。
今の内閣にはそういう知的な営みが感じられない。
こんな内閣を持っていたら、私たちは50年、100年後の国民に指弾されるだろう。

 与野党の国会議員と話す機会がある。
よく勉強して、社会に通じ、人の話を聞き議論ができる。
国民のことを思う。
そういう議員もいる。
しかしなかなか主流にならない。
要領がよくて風ばかりみている政治屋が多い。

立法府の役割を果たしているのか、と疑問だ。
しかしそういう政治屋を抱えていることは我々の責任でもある。
 前回衆院選(2014年12月14日)の投票率は小選挙区で52・66%、戦後最低だった。
「どこに投票しても同じ」「こんな政治はダメだ」などと傍観者でいるとそのツケは我々に来る。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(4) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月11日

大政翼賛会選挙に加担の大マスコミ

党首討論は目くらまし
大政翼賛会選挙に加担の大マスコミ
2017年10月10日 日刊ゲンダイ

 10日公示された総選挙の結果によって、「戦後日本」が最大の曲がり角に直面するのは間違いない。
 安倍首相と希望の党の小池代表、独裁的なペテン師2人が断罪されない限り、選挙後に現れるのは「自民・公明・希望・維新」による巨大な保守連合であり、安保・外交における「野党」の完全消滅である。
つまり、この国の民主主義は瀕死の瀬戸際に立たされているのだが、そんなことを知ってか知らずか、大マスコミは能天気だ。

 大新聞は9日も、日本記者クラブ主催の党首討論会を詳報。
消費増税や原発政策など各党が掲げる公約の比較に明け暮れているが、実にくだらない。
この選挙には政策ウンヌン以前の「大謀略」が横たわっている。
なぜ、その真相を1行も書かないのか。
奇々怪々である。

 テレビ各局がこぞってあおる「安倍VS小池」の構図もデタラメだ。
いまだ首相指名候補を明言しない小池の発言のうち最も重要なのは、7日のネット党首討論で飛び出した次の言葉だ。

「私は安倍政権のもとにおきまして、NSCの設立などに携わり、かつ防衛大臣に任命をしていただきました。
外交そして安全保障、そういった点で(安倍政権と)違いはございません」

 この一言で「安倍VS小池」という見立ては誤りだと、小池自らが認めたも同然だ。
安倍も希望について、「安全保障の基本的理念は同じ」と語っている。
2人は同じ穴のムジナなのだ。

高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が言う。
トランプべったりの米国隷従外交と違憲の安保法制を容認する時点で、小池代表の新党結成に『大義』はありません。
安倍政権と基本理念が変わらないなら、国政進出は単に『自分が首相になれそう』との理由だけでしょう。
しかも希望の勢いに陰りが出て、小池首相誕生の芽がついえると、『最初から出馬しないと言っている。100%ない』と居直る。
こんな私欲ムキ出しの代表が率いる政党と理念一致の自民党との“八百長プロレス”を、さもガチンコ対決のように見せかけるメディアの罪は重い。
有権者を欺く行為です」

 安倍と小池の党首討論など目くらましだ。
メディアがこの体たらくだから、安倍も小池も図に乗る。
希望から九州比例単独で出馬する中山成彬・元文科相によると、小池は「選挙はテレビがやってくれるのよ」と軽口を叩いていたという。
有権者をナメきった政治家を「劇場型のメディア戦術が巧み」と大マスコミはおだてるのだから、つくづくトチ狂っている。

大政翼賛化を
止めるチャンスは今しかない
 先月25日に解散を表明した安倍と同じ日に新党の代表に就いた小池。
安保外交面は完全一致の両者の“決断”に始まった政界の混乱には、「野党潰し」という謀略の“成果”がみえる。
 民進から希望に移った50人近くの前衆院議員は2年前、国会で安保関連法案の廃止を訴えていた。
前原代表は希望への合流を表明した両院議員総会でも、「憲法違反の法律をつくったら国家の土台が崩れる」と断じていた。
 それでも希望は公認申請した民進出身者に、安保法制容認の「踏み絵」を踏ませ、彼らの安保政策の理念は一夜にして覆った。
解散した安倍と新党結党の小池の連携により、リベラル勢力は死屍累々。
その結果、公示前勢力で実に385人もの前衆院議員が違憲の安保法制容認という恐ろしい事態を生み出した。

 各種の世論調査で安保法への賛否は真っ二つに割れているのに、反対派の前衆院議員は今や2割以下。
ウルトラ右翼の田母神俊雄・元空自幕僚長は今月1日、自身のツイッターに〈希望の党が出来て民進党は解散になる。
小池さんも前原さんも日本の左翼つぶしに是非とも頑張ってほしい〉とつづったが、現状は彼が望んだ通り。
この国の安保問題からリベラル派の影響力は、完全に排除されつつあるのだ。

 これだけ世論とかけ離れた国政の姿に、メディアは静観している場合なのか。
政治評論家の森田実氏はこう指摘する。
「戦後政治は長らく、『日米安保賛成・改憲派』の自民党タカ派、『安保賛成・護憲』の自民党の保守本流、『安保反対・護憲』の革新政党という3グループが、それぞれ約3分の1ずつ議席を分け合ってきました。
この“政治の知恵”の均衡により極端な右傾化と左傾化を防いできたのですが、今や自民の保守本流と革新政党は風前のともしびです。
その要因は2012年の野田前首相の自爆解散と、今回の前原代表の民進解党という2度の“自殺行為”ですが、この先に訪れるのは日本の安全保障における米軍への絶対従属体制です。
多くの国民が今なお改憲や安保法制に反対する中、その声が全く届かなくなる大政翼賛的な国会の出現をメディアは許すのか。
無批判でいられる感覚が理解できません」
 巨大な保守連合が誕生すれば、米国から無理難題を押しつけられるのは明白である。

■メディアは独裁者2人の
   恐怖政治を検証しろ
 米国の軍産複合体は以前から、集団的自衛権とともに「全自衛隊基地の米軍使用」や「核兵器の陸上配備」を日本に求めてきた。
かつて小池は「核武装も選択肢として検討する余地がある」と発言。
彼女の首相指名の“本命”とウワサされる石破元幹事長は、北朝鮮の核ミサイル開発を理由に「非核三原則の見直し」を言及し始めた。

 前出の森田実氏は「北朝鮮危機への対応という名目で、日本が核配備すれば、核大国の中国も黙っていません。
日中間で永遠の軍事対立が生じる危機さえはらんでいるのに、メディアは北の脅威をあおるのみ。
最悪の結末に加担しています」と嘆いた。

 メディアは、この国が危うい道へと突き進んでしまっていいのか。
止められるチャンスは今しかない。
極右の巨大与党が誕生すれば、もう後戻りできないのである。
 大マスコミは、約5年に及ぶアベ政治への国民の審判という視点も放棄している。
特定秘密保護法、安保法制、共謀罪……。振り返ると安倍政権は国会を軽視し、ひたすら「壊憲」に邁進。
反対意見に安倍は耳を傾けず、「レッテル貼りだ」「印象操作だ」とわめき散らしてきた。

 幹部官僚の人事権を内閣人事局に一元化し、政権の意に沿わない官僚を要職から外す。
見せしめ人事に霞が関は震え上がり、気づけば国税庁長官に出世した財務省の佐川宣寿氏のような“ヒラメ役人”だらけである。
 もり・かけ疑惑では行政をゆがめて“お友だち”を優遇したのに、そのゆがみを前川喜平・前文科次官が告発しようとすると、事前に「出会い系バー通い」の醜聞をリークするという言論弾圧のおぞましさ。
こうしたナチスさながらの暴力政治に加担してきたのもまた、安倍応援団の大マスコミなのだ。

前出の五野井郁夫氏はこう言った。
「金田前法相がデタラメ答弁の限りを尽くし、委員会採決省略の『中間報告』なる禁じ手を使って、安倍政権が共謀罪を成立させたのは今年の通常国会でのこと。
あの暴挙から、まだ4カ月しか経っていないのに、メディアは“遠い昔”のような忘却ぶりです。

市民社会を萎縮させ、国民監視を強める安倍政権の独裁的な本質が表れているのに、まるで検証しません。
小池代表はさらに輪をかけた独裁者気質です。
彼女が率いる都民ファーストの内情は議員個人の自由な意見を封殺し、議員同士の飲み会すら反乱抑止のため禁じる。
ブラック企業も真っ青の締め付けぶりです。
メディアは安倍・小池コンビの民主主義とは程遠い『恐怖政治』の実態を掘り下げ、有権者に提示すべきです
 むろん、今のメディアに謀略選挙の真相究明を期待するだけムダだが、有権者まで今度の選挙の真相を見誤ると、恐ろしい未来が待っている。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月12日

日産も、神鋼も組合はなにも出来なかったのか

日産も、神鋼も組合は
なにも出来なかったのか
2017年10月10日
大西宏
ビジネスラボ代表取締役

日本の労働組合が、ベア交渉をしたり、議員さんを国会に送り出すために選挙を手伝う以外に、どんな役割を果たしていのかはよくわからないのですが、そもそもは、組合員の方々、また属している会社とは運命共同体にあるはずです。

今回の日産の資格を持たない社員が検査していた問題にせよ、神鋼のアルミと銅製品の性能データの改ざんについても、現場が関わっていると思われるので組合員の方々はわかっていた問題だと思います。

現場から、トップへのコミュニケーション回路のいずれかが機能していなかったか、トップが容認していたということですが、発覚すればあまりにも大きな損失が発生するので、トップが容認していたとは考えにくいところです。

日本の企業の多くが、経営トップというよりは、現場のトップ、またミドルマネジメントが実質的な権限を持っています。
とくに大企業は、そんな現場が支えるお神輿経営のスタイルが多いのではないでしょうか。
それが裏目にでた典型だと思います。

現場のトップやミドルが大きな権限を持つと、自分たちを責任を背負っている、目の前の事業、そして業績だけしか見えなくなるということも起こってきます。
不正があっても、波風を立てないように、見逃そうということもおこってきます。
とくに成長性を失ってくると、守りの意識が強まり、問題が発覚さえしなければ波風を立てないでおこうとなります。

しかし考えれば、不正問題が発覚した際のリスクは大きく、株価下落で株主が不利益を被るだけでなく、業績にも影響してくるので、社員の人の所得にも影響します。
つまり、労働組合から見れば、現場の組合員さんも影響を受けるのです。
しかも、ミドルマネジメントで問題がにぎりつぶされているとすれば、組合と経営トップのコミュニケーションパイプをつかって現場の声を届ける役割を担ってもおかしくないはずです。

問題を初期に見つけ、対処すれば、リスクの小さいうちに問題解決がはかれ、会社、組合員双方によしです。
日産や、神鋼の労働組合がどんな役割を担っているのか、またどれくらい力があるのかは全く知りませんが、ベアは、いまや安倍内閣からも要請がでるような時代で、ほんとうに組合の力が必要なのかはよくわからない時代になってきています。

組合運動よりも、雇用の需給関係、雇用市場状況のほうが組合運動よりも影響しているのかもしれません。
いずれにしても、「組合員ファースト」の組合であるなら、いったいなにが組合員の方々の職業人生にとって大切で、組合として組合員の方々になにが貢献できるのかという視点で組合活動を見直していれば、将来に影響する今回のような不正を見逃すということを絶対しなかったはずです。

組合がどうあれば、働く人のほんとうの利益につながるのかを再考するためにも、産業別、企業別の組合でいいのかも疑問です。
いつまで工業化社会の時代の組合の延長線にいれば、とうぜん組織率も下がってきます。
もし、組合が組合員ひとりひとりの利益の代理人として存在するなら、今回のような不正の早期発見、また会社へのアドバイスも行うべきでしょうし、また成長性が低く所得の伸びが期待できない企業から、より成長性が高く、より高所得が望める企業への移籍を斡旋できる機能などをも追求すべきでしょう、
とうぜん労働組合にかんする法改正も必要だと思いますが、日本の左翼って、そんなビジョンも役割も持っていないところが悲しいところです。

日本は労働組合に限らず制度疲労してしまったシステムもなかなか改革できないままです。「保守」だ「革新」だという意味のない旗印で政党ファーストの政治が続いてきた当然の結果ではないでしょうか。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 🌁 | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月13日

大手メディア衆院選情勢調査の結果は

テレビ・新聞の衆院選情勢調査結果を入手!
自民が270を超える一人勝ち、
改憲勢力も8割超えの恐怖
2017.10.11 LITERA編集部

 衆院選公示日から早くも3日が経過したが、この週末から週明けにかけて、マスコミ各社は一斉に「情勢調査」を行った。
「情勢調査」とはマスコミ各社が公示日前後に行なっている調査で、数字は公にされないが、新聞紙上などで情勢の予測の根拠として用いられているものだ。
 そんななか、本サイトは、NHKのものと思われる衆院選の「情勢調査」を入手した。
情報提供者によると、8、9、10日にわたって実施した調査の結果だというが、そこには、おそるべき数字が並んでいた。

自民党…………270
希望の党………50〜59
公明党…………35
立憲民主党……30〜36
日本維新の会…16
共産党…………24
社民党…………2
無所属…………20〜25

 ご覧の通り、自民党の一人勝ちである。
依然として単独過半数を大きく上回り、国会運営を安定させる絶対安定多数を超える数字だ。
改選前と比べれば14議席減だが、今回の選挙で定数が475から465へと10議席減ることを考慮しても、間違いなく大勝と言える。
自民党内からも批判の声はあがらず、安倍総裁体制は完全に勢いを取り戻すだろう。

 さらに、連立を組む公明党は現状維持で、自公だけで憲法改正の発議要件3分の2(310議席)に肉薄。
そこに維新や無所属の改憲勢力が足並みをそろえれば、3分の2はゆうに超えることになる。  

一方、希望の党は明らかな惨敗だ。
230人以上の候補者を立て、その4分の1も議席を取れなかったとなれば、小池百合子代表や党中枢の責任問題が噴出するだろう。
 実は、すでに先週末には、自民党による独自情勢調査の数字がマスコミのなかで出回っており、それによれば、自民は40議席以上失い、希望の党は100議席近く獲得するとされていた。
ところがNHKの情勢調査では、自民はほとんどダメージなく、逆に希望の党が全然議席を取れないという結果がでたわけだ。
自民独自調査とNHK調査の数字を比べてみれば一目瞭然だが、これは希望の党が獲得するとされた議席のほとんどが、自民に流れていったかたちだ。

「先週末の自民党の情勢調査では、党内を引き締めるため、わざと厳しく見積もったと言われています。
おそらく、自党を少なめにして、そのぶんを希望に上乗せした、ということではないでしょうか」(永田町関係者)
 実際、自民党圧勝の結果をはじき出しているのは、NHKだけではない。
共同通信も週末に情勢調査を行なっており、こちらは詳しい数字は入手できていないが、なんと自民党単独で290を超える可能性もあるとの結果が出たといわれている。
 まさに、小池劇場に踊らされ、安倍批判をまともにやらなかったこの間のマスコミ報道が招いた結果と言えそうだが、しかし、恐ろしいのは選挙結果が情勢調査どおりになったあとの展開だ。

 まず、民進党の希望の党への合流によって改憲に反対する勢力が一気に減ったことは指摘されていたが、このうえに自民党と公明党が圧勝すれば、改憲勢力は8割を超えることになる。
立憲民主党や共産党は健闘しているが、リベラル護憲勢力は完全に端っこに追いやられてしまうだろう。
 そして、惨敗した小池百合子と希望の党は、選挙後、自分たちの存在感を示すために、安倍自民党の改憲シナリオに積極的に協力していくはずだ。

 だが、選挙戦はまだ序盤だ。マスコミは選挙公示期間中というのを理由に一切の政権批判を封じるだろうが、今はネットがある。
悪夢のような改憲シナリオを止めるためにも、最後の最後まで安倍政権の問題点を批判していく必要がある。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月14日

電通、人の命が失われても罰金50万円

電通の過労死裁判、
「人の命が失われても罰金50万円」
が象徴する日本の現実
2017.10.13 Business Journal

文=深笛義也/ライター

 労働基準法違反罪に問われていた電通に対して、東京簡易裁判所は10月6日に求刑通りとなる罰金50万円の判決を言いわたした。
 電通では2015年12月に新入社員だった高橋まつりさんが長時間労働の末に自殺しており、違法残業の問題が取り沙汰されていた。
9月22日に開かれた初公判では、同社の山本敏博社長が出廷し、起訴内容について「間違いありません」と認めて謝罪したことも話題になっていた。

 この判決について、ブラック企業被害対策弁護団代表を務める弁護士の佐々木亮氏は以下のように語る。
労基法違反の場合、裁判の形式は略式で法廷に経営者が呼ばれることもなく、書面上のみで行われるケースが多いです。
しかし、今回の電通のケースでは正式裁判として行われ、また山本社長が出廷しました。
これは、非常に大きな意味を持つことだと思っています。
 電通の事件を発端に、長時間労働や過労死の問題に対して社会的に非難が集まりました。

そして、裁判所が『これは大きな問題だ』と考えて正式裁判にしたということですから、歓迎すべき流れではあります。
 しかしながら、電通では高橋さんが自殺に追い込まれているため、『1人の命が失われたのに罰金50万円は安すぎる』という声が出るのは当然かもしれません。
直接、刑事事件に問われれば違っていたのかもしれませんが、あくまで労基法違反の裁判であるため、これは法律の構造上は仕方のない面もあります。

 ただし、企業にとって罰金刑を食らうというのは大きなことであり、大企業であればあるほど恥ずかしいことでもあります。
電通という大企業が罰金刑で有罪になったという事実は、金額としては小さいかもしれませんが、社会に大きな影響を与えたと思います」(佐々木氏)

「会社に命を捧げる必要はない」
 現在、政府は「働き方改革」を推進している。
この判決は、日本企業の働き方や政府の政策にも影響を及ぼすのだろうか。
「高橋さんの自殺の原因が労災、つまり『業務上の問題である』と認定されたことが政府に与える影響は大きいと思います。
今、厚生労働省は勤務と勤務の間を9時間以上空ける『勤務間インターバル』の導入を推奨しています。
 これは、残業で遅くまで勤務した場合は翌日の出勤時間を遅くするというものです。
ただし、現在は法的制度ではなく、単に推奨しているにすぎません。
また、政府が用意している労基法改正案でも、これは努力義務にとどまっています。

 そして、この労基法改正案では、残業時間の上限についても新たに定めるとされているのですが、1カ月平均で80時間、単月で100時間未満まで容認するという内容のため、『完全に過労死をなくす』というところまでは踏み込めていないと思います」(同)
 ブラック企業や長時間労働の問題に対しては、いまだ働く側が自衛する努力が必要ということだ。
では、働く人々はどんなことに気をつければいいのだろうか。
過労が続いてうつ状態に陥ったまま働いていると、『辞める』『逃げる』などの選択肢を取ることすらできなくなってしまいます。
そのため、元気なうちに、自分の状況を把握するために労働時間を正確に記録しておいたほうがいいでしょう。

 職場の環境や働き方が少しでもおかしかったら、『自分で変えていく』という意識も必要です。
労働組合があったり同じような状況の仲間がいたり、変えられる環境があるのであれば、職場の状況を変えていくのが一番いいでしょう。
 変えられない場合は、何も会社に命を捧げる必要はないので、転職などを検討すべきです。
病気になったときは、普通の企業であれば休職の制度があるため、そういった制度についてあらかじめ知っておくことも大事です。

 健康保険組合などから、傷病手当金として一定の金銭を得られることもできるので、当面の生活を維持することもできます。
また、労災申請をして認められれば労災給付金が支給されます。
おおまかにでもいいので、そういった制度や手続きについて知っておくといいでしょう」(同)

「労災認定が難しい」
裁量労働制に潜む危険
 長時間労働や過労死をめぐる問題は、後を絶たない。
 最近も、13年に死亡したNHK記者の佐戸未和さんが14年に過労死認定されていたことが発表された。
佐戸さんの死亡前1カ月間の時間外労働時間は過労死基準を大幅に上回る約159時間、休日は2日間だったという。
NHKは記者に事業場外みなし労働時間制を適用していたが、今年4月からは裁量労働制を導入するなどの対策を講じている。
「裁量労働制では、労働時間の記録がおろそかになり労災の認定が難しくなるケースがあります。
また、会社側が社員の労働時間を記録していないケースも多いです。
会社には健康配慮義務があるので、本当は記録しないといけないのですが……。
特に裁量労働の場合は、自分がどういう状況にいるのかを客観的に知るために、自ら労働時間を記録しておいたほうがいいでしょう」(同)
 仕事によって命を奪われないためにも、まだまだ自分で自分の身を守ることが大切だ。

ニュースサイトで読む:
http://biz-journal.jp/2017/10/post_20934.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月15日

山本太郎、改憲翼賛体制とどう闘う?

山本太郎が街頭で叫ぶ!
「この政治状況でも闘う方法はある!!」
改憲翼賛体制にどう抗うのか?
2017.10.14 LITERA編集部

 今回の総選挙の結果によっては、改憲勢力が改憲に向けた動きをさらに本格化させてゆく可能性も高い。
目の前の選挙はもちろん、その先の憲法をめぐる戦いに向けて、インタビュー前編で「今から、何人仲間を増やせるか」「正解は見つかっていない」と語った山本太郎参院議員。
そこに向けた活動のひとつが、夏につくったという「今さらきけない憲法ってなに」という小冊や連日おこなっている“街頭記者会見”だろう。

その日も街頭で街ゆく市民の質問を受けながら、2時間ノンストップでしゃべり続けていたが、話題の中心は憲法と経済政策だった。
山本太郎がいま、市民に向けて語りたいこととは何か。
街頭でどんなことを語っているのか、
最近の演説、街頭記者会見も含めてその内容をダイジェストで紹介したい。

●権力側が「憲法を変えろ」「憲法を変えたい」って言い出すって、図々しいにもほどがある 〈憲法改正、これ、自民党の党是だそうです。
安倍さんが超改憲やりたいんです。
自民党は「憲法をこう変える」という内容の改憲草案を出していますが、その中身は人々の権利制限の塊。
そして、東京都知事である小池百合子さんが党首を務める希望の党。
その党の方針も、憲法改正で知る権利を入れたいと。
都政では築地・豊洲の意思決定さえもブラックボックスですから、知る権利って何ですか?の世界です。

 で、山本太郎の方針はどうか?
 憲法を一字一句変えるべきではない、とは思っていません。
ただ、議論にかなり時間が必要だと思います。
「オリンピックまでに憲法改正を」など言ってる輩がいますが、これはただの火事場泥棒です。詐欺の一種と思ってもらって問題ないです。

 この国に生きる人々の多くが憲法とは何か、どうするべきか、を街中でも議論する様な状況にならなければ憲法は変えられません。
だから時間をかける必要がある訳です。
 国民の側が、「憲法を変えてくれ!」とお願いしている訳ではありませんから。
人々は、年金や経済、労働環境、税制について、何とかしてくれ!の声は多いですが、憲法についてすぐに変えろ!と言うスタンスの人々はほんの一握り。
 憲法を一番変えたがっているのが、政治家です
本来憲法で縛られるべき存在の権力者が、憲法を変えろと言ってる時点で、怪しいと感じなければなりません。

 日本の憲法は硬性憲法、しょっちゅう変えていいもんじゃない。
 でも、国のあり方を180度変える場合なら、話はべつです。
極端な例で言うと、自衛隊を軍隊にする、天皇制を廃止する、くらいに国のあり方が大きく変わる場合は改正が必要な話になります。
 憲法ってなんですか?というと、皆さんご存知の様に、憲法98条でこの国の最高法規であることが書かれています。
この最高法規、憲法の考え方に合わない法律や命令は無効だよ、って内容です。
 では、憲法は誰を縛るんですか? については、憲法99条に書いてあります。
憲法を尊重し擁護する義務を負う者は、「天皇、国務大臣、国会議員、裁判官、その他の公務員」、とある。

 国民の中から憲法を変えるべきだ!っていう声が多数にもなっていないにもかかわらず、憲法を尊重擁護する義務を負った権力側が「憲法を変えろ」「憲法を変えたい」って言い出すって、図々しいにも程がある。
 おまけに憲法改正の国民投票では、最低投票率が決められていないので、投票率がビックリするほど低くても憲法が変えられてしまう可能性が生まれる、無茶苦茶です。〉

憲法を変えるなら、
まず国民ひとりひとりが憲法について意見を言えるくらいの状況にしないと
〈もう一度言いますが、私自身は、憲法を一字一句変えてはならない、とは思いません。
時代が大きく変わりフィットしないものがあるのであれば、議論するべきでしょう。
 ただし、しっかりとした議論の中身を国民の側が隅々まで理解できなければなりません。
それだけじゃない、国民ひとりひとりがこの憲法についてどうしていくべきなのかって意見を言えるくらいの状況にしなきゃいけない。
ということは、今年中、来年中、この5年、無理ですよ。
10年、20年、かかるって話なんですよ。
 皆さんにお聞きしたいんです。憲法はもちろんのこと、政治について、この国のあり方について、学校でどれくらい教えてもらいました?
 公民や現代社会の授業などで、少し教わった程度じゃないですか? 
 例えばですけど、いま多くの人が長時間労働、低賃金で仕事に、会社に使い潰されるしんどい労働環境に置かれていて、過労死や過労自死が増えている事はもちろん、過労による労災の申請も桁違いに増えていますが、恐らくそれは氷山の一角です。
申請にまで行き着かず、今もこの瞬間も、心や身体を壊され続ける人々、一体どれくらいいるんでしょうか。

 私が総理大臣なら学校の教育で、あなたが社会に出るとき、社会に出て困ったときには、こういう法律に頼れる、加重労働から身を守る為のスキルを学校教育に取り入れます。
労働法であるとか数々の救済措置、もし不条理なことがあったときにはこういうものに頼れるんだ、っていう教育がされるべきなんです。
 これがなされずに、いきなり社会に出て働けっていうのは、泳いだことのない者をいきなり海に突き落とし、溺れながら泳ぎを覚えろと言ってるに等しい。

 身体で覚えろ? 身体でわかる頃には心まで壊されてんだよ、って話です。
結果、サービス残業当たり前になってるじゃないですか。
会社の中で、パワハラ、セクハラ、当たり前じゃないですか。
それで、どれくらいの人たちが壊れていっていますか。
 基本的な法律やこの国のあり方ってものさえもほとんど誰からも何も教えてもらってない。
これって憲法についても同じことが言えませんか?
 この中で、私は憲法について、詳しく語れる、という方、どれくらい、いらっしゃいますか?  ありがとうございます、お一人手があがりました。

憲法とは何か、みんな、いまいちよくわかっていないじゃないですか。
少なくとも、私はそうでした。
みなさんは違うかも知れませんが。
でも、私は正直そうでした。
大人になって、原発が爆発して、これはヤバいって思ったところから、憲法の大切さを少しずつ知っていった。
私みたいな、間抜けな人間は少ないのかも知れませんが、1人もコボレることなく、憲法改正の議論について来られる状態を担保しなければ国民投票などやってはいけない、権力側の鎖を緩める行為を政治が先走ってやるべきではない、もっと下準備が必要だと言いたいのです。〉

「生きてて苦しいのは、がんばってないから」そんなふうに感じさせる政治は、憲法違反だ
〈みなさん、生きてて苦しくないですか? 
不安抱えてないですか? 
みなさんにお聞きします。
「自分には生きている価値がある」と胸を張って言える方、どれくらい、いらっしゃいますか?  ありがとうございます。
ほとんど手があがりませんでした。
 何も生み出していない者は生きる価値などない、と思い込まされていませんか?  生産性が低い者は生きる価値などない、と思い込まされていませんか?
 生活が苦しいのは、不安を抱えているのは、あなたが頑張らなかったから、と刷り込まれていませんか? 
 すべて大きな間違いです。
あなたは生まれて来ただけで価値がある、そう思える社会を作るのが政治の役目です。

あなたが抱える生活の苦しさは、そのほとんどは、人々の生活を少しでも向上させられる社会的基盤を政治が築いてこなかったことが原因です。
 “2人に1人”に迫る勢いの非正規労働、失業前提の働き方です。
1年後の自分イメージできますか? 
無理ですよ、1年後同じ仕事を続けていられるかもわからない。
そんな不安な気持ちを抱えるような働き方がスタンダードになってる時点で、もうすでに憲法すらも守れていない、ということです。

「あなたが苦しいのは、あなたががんばってないからじゃないか」とあなたに感じさせる、「自分の足で立て」っていうような考え方。
そういう政治は、すでに憲法違反です。

「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」
 私が1番好きな憲法の条文です。
憲法25条を見ていただきたいんです。
この通りの社会を実現していくことを考えなきゃならないのが、政治なんです。
 では現在、日本はどうなっているか?厚生労働省の「国民生活基礎調査」を見ると、生活が苦しいと感じている人の割合、6割近いですよね。
この国の貧困はどれくらい? 6人から7人に1人が貧困だと。
もちろん食料さえない、といった途上国などに見られる絶対的貧困とは違います。
相対的貧困はザックリ言うと、他の人と同じような普通の生活ができない状況。
たとえば、新しい年を迎えるにあたって下着を買い替えられない人たち、たとえば、給食が1日のなかで非常に重要な栄養源になっているので夏休みになったら痩せちゃう子どもたち。
外から見たら貧困かどうかはわからない。
でもたしかに“健康で文化的な最低限度の生活”はできていないという人たちが、6人か7人にひとりは存在している。
 これ、憲法違反じゃないですか?
 この状況を見て、憲法25条守られてると、みなさん感じますか。

 国民のみなさんが守らなくてはいけないのは、法律。
権力者が守らなくてはいけないのは、憲法。
その憲法25条さえずっと反故にされていないですか?〉

多くの方々がギリギリの生活を送っている。
どうしてこんなことになる? 
日本にはお金がないわけじゃないんです。
 企業の利益は過去最高益です。
あのバブルの時より儲かっています。

企業の利益が莫大になったのは、コストを2つカットしたからです。
1つ、法人税減税が大きく寄与している。
あともうひとつは、あなたです、働く人びとです。
 労働環境を不安定にして、働く人々の賃金を下げて、もっと長時間働けるようにしてしまえば、企業は儲けが増えます。
それを誰がやったか。
全て政治の場で実現しているんです。
なんですか、この裏切り。あり得ないでしょ。
この国の政治は、誰のためにあるんですか。
 この国に生きる人々のため、すべての人々のためにある。
でも、今の政治は一部の奉仕者になっちゃってるんです、憲法15条違反です。
大企業や富裕層、自分たちのお仲間、お得意さま、応援してくれる人のためだけに、税金を安くしたり、補助金を出したり、そういうことを続けていった結果、日本の国富がどんどんけずられていく、その分、みなさんの税金はどんどん増えている。
あまりにもあり得なくないですか。
完全な背信行為。

この国に生きる一人ひとりに人生があるにもかかわらず、そこに光をあてようとしない。
これは、国家の私物化です。
それは森友問題を見ても、加計問題を見ても、明らかじゃないですか。〉

税金は、ないところから取るな!
 お金持ち・大企業から取れ!
 それでも足りなければ、金を刷れ!
〈ここからは、私が総理大臣だったら何をするか、という形でお話しします。
税金は、ないところから取るな、あるところから取れ!
 それでも足りなきゃ金を刷れ! 簡単です。
 あるとこから取るは、徴税の基本のキ、です。
やればできます。
だって、毎年毎年、税金の取り方は変えられるんだから。
やるかやらないか、だけの話なんです。
 金を刷れ!はアベノミクス第1の矢と同じですね。
ただこれだけやっても効果は薄い。
金利が下がって、円安になる程度。
金利が下がっても先の需要が期待できない先細りの国、少子化対策などほぼ放棄してきた結果を見て、設備投資など活発になるわけがありません。
大企業は銀行からも余計に借りないし、持ってるお金は置いておきたいと思うでしょ。

 1番重要なのが、大胆な財政出動です。
安倍政権は異次元の金融緩和でお金刷っても、使う先は旧来の公共事業だった。
それでどうやって景気拡大できる?
 やるべきは大胆な財政出動を介護・保育・教育・少子化対策を中心に、人々の為の経済政策をやれば、景気は上向きますよ。
奨学金をチャラにする、公的住宅の整備、など少子化の原因を克服する施策も必要です。
デフレ不況から脱出したいんでしょ?
 デフレ脱出給付金で1人月三万円、って手もあります。
年40兆円位。
インフレ目標が2%に達成した時点で終了するフリーマネー施策もデフレ脱却には有効です、消費が上向き景気は良くなります。
 インフレ2%で引き締めするルールですからその時にはお金があるとこから増税です。
過去最高益の企業から。法人税率を1990年頃に戻します。
既に税率通りに納税する企業は1つもない、と財務省から言質を取ってます。
これは80を超える法人税の大割引サービス、租税特別措置が原因です。
これを廃止します。
一方で、設備投資、雇用、賃上げに寄与する企業には減税を実施します。

 金融資産の所得は分離課税で税率が低く抑えられています、金持ちになればなるほど所得税率が低くなる理由です。
金融資産はこの4年で200兆円も増えてます。
そこからの所得は当然、所得税として総合課税にする、為替取引に薄く課税するなどなど、やれることはイッパイあります。

 増税すれば企業は海外に逃げるって話もありますが、2014年の経済産業省の「海外事業活動基本調査」の中で、企業が海外進出を決定した理由で67.5%と1番多かったのが、「現地の製品需要が旺盛又は今後の需要が見込まれる」でした。
企業が求めるのは需要です。
「税制、融資等の優遇措置がある」から海外進出すると回答したのは、8.7%で1割にも満たないとハッキリしています。

 この国が持続可能か? 需要があり続けるような状態がこの国に望めるか?を冷静に企業が判断した場合、商売をしていく上で日本は終わっている、という判断を現在、企業側がしているとも言えます。
だからこそ、需要が生まれる状況を作らなければならない、景気を良くして、コンスタントに商売を続けて貰える状況を。
 だとしたら、国が今まで手抜きをしてきた、放棄しようとしていた分野が1番伸びしろがある成長分野になります。

今こそ人々の為の施策が必要な訳です。
 誰のためにやるか。この国に住む多くの人のためにやる。
なぜならば、この国の政治はこの国に生きる人びとのためにあるんだから。
 何より、景気回復を謳いながら、景気回復を阻害する、消費の冷え込みを一気に進める消費税を上げるなど愚の骨頂。
10%になれば、景気は当然冷え込みます。
今より不況になります。
GDPの6割が消費ですから当然の話です。
 消費に関係するすべてに影響が出ますから。
消費税はすぐに5%に下げて、その先どこまで下げるのかという議論を始めるべきです。

 財務省や政治家が消費税を10%に上げたがる理由は、3つ。
1つ、法人税を下げた分税収が減るので、それを消費税で補填する為。
1つ、輸出企業に対する消費税の還付金を増やす、その結果、役人の天下り先や献金、組織票を確保できる。
加えて、中身のない軽減税率。
この対象にする事を約束すれば該当する業界団体から同じような見返りを確保できるでしょう。  

最後の1つ、森友学園問題から全力で総理を守った財務省に対しての御礼。
増税できなきゃ、財務省も隠してる情報使ってネタバラシやるんじゃないですかね、この役立たず、ってことで。〉

総理大臣なんて、えらくない。
この国でいちばんえらいのは、
主権者である国民だ
〈そろそろ憲法25条が守られる政治をやりませんか?
 今ある憲法も守らないような者たちに、憲法なんて変えさせちゃだめだっていう話です。
9条がとか、戦争法がとか、共謀罪がって言ったって、政治に興味のない人にはよくわかりません。
 ちゃんと説明するにはそれぞれ30分はかかる。
周りの人たちが興味のない事柄にわざわざ時間割いて聞いてくれますか?
 多くの人々は時間の余裕もないですよね?
 仕事や生活で疲れきってて、ゆっくりしていたいですから。
 でも伝えなきゃいけないこともある。
だったら、いちばん生活に直結した部分で憲法とは何かってことを話していかなきゃ、理解深まらないです。
自分ごとにならないです。
 まず、ずいぶんと長いあいだ、この国に生きる人びとは、この国で働く人びとは、憲法違反状態にさらされ続けている。
それを取り戻せるのは政治だって話なんです。
あなたが取り戻すんだって話です。
力を合わせてやりません?
 どうでしょう? 夢見すぎ? 
いちばん現実的だと思いますよ。
金がないわけじゃない。
企業は過去最高益をあげている、たくさんの金融資産もある。
あるところから取ればいいじゃないか。

ないところから取るな、
あるところから取れ、
なければ金を刷れ!
 追いつめられてるんですよ、ひとりひとりが。
もっと余裕がもてるように、“健康で文化的な最低限度の生活”ができるように、憲法が定めているんだから。
そういうような経済政策をするべきだと思うんですよね。
憲法を変えるんだったら、それからだって話だと思いません?
 私はそう思います。
 夢見てんじゃないんですよ、全有権者の2割、その票を集めた自民党が2012年、政権をとってるんですよ。
投票に行ってない人たち、どれくらい?
 40%くらいの人があきらめてる。
みんな、苦しい思いしてるんだったら、ゆるくつながろうよ。
それで変えられるんですよ。

 総理大臣、何もえらくないです。
国務大臣、何もえらくないんです。
政治家、何もえらくない。
期間限定の代理人にすぎません。
総理大臣なんて、雇われ店長と一緒です。
 じゃあ、この国でいちばんえらい人、誰ですか。
そう、みなさんですよ。
主権者、国民です。
 この国の株主、オーナーは、みなさんおひとりおひとりなんですよね。
そのオーナーが、雇われ店長がやっている店の運営、そこをチェックしなくなったら、好き放題やります。
 店、つぶれちゃいますよ。
もう1度オーナーとして、株主として、この国のあり方をぜひチェックしていただきたいと思います。
もうすでに、みなさん、そういうことされていると思いますけど、もう1度チェックを。〉

憲法の問題は、当事者でもあるにかかわらず、自分が当事者だと気づけるまでに時間がかかる  

憲法は権力者を縛るもの、権力者は憲法を守れ。
憲法に則った政治で、国民の生活を守れ。
街頭で山本太郎は何度もそう叫んでいた。
 なぜ憲法を経済政策とセットで語るのか。
それは、改憲の動きが本格化する一方、多くの国民のあいだでは本当の意味で憲法に対する認識や議論が広まっていないという危機感があるからだろう。
山本は本サイトのインタビューにこう語っていた。
「今年の夏に、『今さら聞けない!憲法ってナニ?』のチラシを作ろうと思ったのは、憲法改正は必ず来ると思ったから。
時間がない中でもにみんなに、話し合ってもらいたいっていう思いで作った。
みんなが興味あるのは、お金の話とか働き方の話だから、それに絡めた憲法のチラシにしました。
 原発や放射能の問題だったり、安保法や秘密保護法の問題、そして憲法の問題も、多くの人たちにとってはイメージするしかない話です。
イメージが現実化するまで、答え合わせできるまで時間がかかるということ。
実際にそういう大きな問題が自分の周りで起きて、目に見えてはじめてわかる。
 たとえば、健康被害が出る可能性がある案件があったとしても、実際それを身近に感じる状態になるまでは考えられない、イメージするしかない将来的な危険要因に警鐘を鳴らしても、どこか他人事ですよね。
戦争にしても、起こっていないものを騒がれてもピンとこない。
たとえ起こっていたとしても、第二次世界大戦を多くの人々が自分ごとに感じられたのが、全国が被害を受けた空襲だったといいますよね。

 最初は日本から離れた遠くの国でやっていて、いまいちリアリティを感じるのが難しかったということ。
当事者であるにもかかわらず、当事者であるってことを意識するまでに、すごく時間がかかる。そういう言ったイメージしなければヤバさが解らないイシューは説明も時間がかかり、広がりづらい。
 生活に密着したイシューのほうが広がりやすいのは当然です、毎日、進行形で自分の身に降りかかっていることですから。

 政治に興味をもってもらうなら、人びとのための金融政策と財政政策をやっていくんだという本気の旗をあげなきゃ。
反緊縮、消費税ゼロ、それくらい大胆に。
じゃないと、たとえ議席を確保できたとしても、政権交代も難しい、太刀打ちできないです。  

あっちは「アクセルをもっとふかして、アベノミクスのエンジンをクルクル、クルクル回していきます〜」みたいな、よく解らないけど、わかった気がする、キャッチフレーズ戦略です。
話の聞き手がカロリー使わなくて済むんですよね。
 聞き手は考えるのにも体力いりますから、いかにわかりやすく、人々のための政治をやっていくかを、選挙期間が終わっても、みんなで伝えていきながら、先々ひっくり返す。
直近では安倍さんと小池さんのグループと、維新、公明もいて連立もできるし。
楽勝で吹き飛ばされます、それを見据えなきゃいけない。

一回の選挙では変えられなくても挫けない。
今まで何年かかってぶっ壊されてきましたか、この国は?
 一発で決まる話ではありません。
破壊されるスピードは加速していて、時間との戦いでもありますが、根気強く拡げていきます、ステップ・バイ・ステップで」

年収100億の人も、
ワーキングプアの人も、
  同じ一票をもっている
 一見、過激で極端なパフォーマンスばかりしているように誤解されている山本だが、実はかなりシビアに現実を見つめ、そのうえで少しでも今の酷い状況を変えるために何ができるか、その戦略を必死で考えていることがよくわかるだろう。
 それは、民進党が希望の党に合流し、リベラル勢力が一気になくなってしまった問題でも同じだ。
山本は選挙公示後の演説で、こんなことを語っていた。
この国は変えられる。
どうやって? 選挙で。
年収100億円の人も、ワーキングプアの人も、1つだけ平等です。
同じ一票があります。
10月22日に投票です。
それぞれ皆さんに深く考えていただいた上で、お誘い合わせの上、投票に行って欲しい。

 立憲民主党、共産党、社民党、非常に魅力的で素晴らしい仕事をされている皆さんです。
もっと注目して頂きたい。
それに加えて、無所属で出ている候補者にも注目をしてほしい。
私は今回、こういった方々の応援に全国廻ります。

 一方で、小池さんの希望の党は、安倍自民党と、中身はほぼかわりません。
 今から言うことは矛盾しているように感じるかも知れませんが、皆さんにも考えて頂きたいんです。
民進党の衆議院全員が希望の党に行けるはずだった、けど半分が選別、排除された。
辺野古新基地、改憲、安保法に賛成しろ、と言う踏み絵をふまされたからです。
 その瞬間、自分を殺して踏み絵を踏んだ、本当は心ある議員も希望の党にはいるはずです。
踏み絵は踏まない、そう判断して無所属から出た人は選挙が強い人、勝算がある人でしょう。
踏まずに立候補すれば、刺客を立てられ、結果落選する。
小池新党で党首の言いなりになる新人などが当選してしまえば、それこそ地獄、今後党内でのブレーキにも、党を割るメンバーにもなり得ません。
今回、踏み絵は踏んだが、ひっくり返してやると、心に決めている人もいるはずです。

 何が言いたいか?
 あなたの選挙区の候補者がどのような仕事をしてきたのか?
 しっかりとチェックして下さい。
できることなら、直接本人と話して下さい。
 好きなスポーツチームやアイドルグループを応援することとは当然違います。
グループとして最悪だから選択肢からまず外す、のではなく、その中で、今後、そのグループの中でブレーキを掛ける、割る心意気がある人なのか、ということを今までの仕事を含めてチェックして慎重に誰に投票するかを検討してほしいのです。
全ての候補者をあなたのリストから外す前に必ずチェックして頂きたいのです。
本当の意味で、戦略的投票が求められている選挙です。
 そして何より、今後、党や団体からの応援がなくても、市民の力で国政に自分たちの代理人を送りこめるだけの票を市民側が握っている、ということが可視化できれば、今回のような選別・排除などがまた行われても、候補者は正々堂々と無所属でも立候補できるでしょう。〉

「一回の選挙では変えられなくても、くじけない」
「根気づよく、ステップ・バイ・ステップで拡げていく」と語る山本。
目の前の選挙もあきらめない。
でも、その先の改憲、国民投票も見すえて、何人仲間を増やせるか
山本太郎の新しい戦いは、もう始まっている。
     (取材/編集部)

※文中に出てくる山本氏が制作した小冊子「今さら聞けない!憲法ってナニ? その1」は、次のURLでも読むことができます
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月16日

衆議院選挙が始まった 本当に「3極」の争いなのか

松尾貴史のちょっと違和感
衆議院選挙が始まった 
本当に「3極」の争いなのか
2017年10月15日 毎日新聞(松尾貴史)

 衆議院選挙が始まったが、テレビでいまだに「3極の争い」「三つどもえの戦い」と解説されている。
この「3極」という言葉に、少々違和を感じる。
「極」の意味は一つではないかもしれないが、「ごく」と読む場合を除いては、一方の端、という意味だろう。
極が三つもあるというのはどういう状況だろうか。
北極と南極、極右と極左、積極と消極、イメージは2方向への対立だろう。
3者が争うというけれど、「1等賞には乗用車をプレゼント」というような場合には使っても、3人が喧嘩(けんか)をすれば、往々にして2対1の関係になりがちだ。
政権の場合は3者がある程度の力を持てば、政権運営から考えて、それはそのうち2者が組んで、結局2対1になるのではないだろうか。

 三つどもえとは、もちろん3者が拮抗(きっこう)して鼎立(ていりつ)し争っている様を表す言葉なのだから、今回の選挙は「連携する」「協力する」と公表している団体の集団を分ければ三つどもえと言ってもいいだろうけれども、公表されていない想定を懐に持っている集団を「対立している」と短絡していいのか、すこぶる悩ましい。
公開すべき情報を明かさないで事を進めて後出しジャンケンのような行動に出る現象を、私たちは多く見過ぎた。

 しばしば「現政権」との対決は口にすれど、政権党との対決自体を明言しない勢力は、果たして対立していると解釈してもいいのだろうか。
それも、長い間政権の助け舟、補完を努めてきた別の集団と連携しているわけだから、選挙が終わればどう行動するか不確定要素が多い。
選挙が終わった途端に、いい意味ではないサプライズをするスタイルだということは、直近の地方選挙でまざまざと見せつけられた記憶が新し過ぎる。

 日本を2大政党制にしたいという人たちは多いが、それはなぜなのだろう。
わかりやすさを求めているのだろうか、それとも例えばそのスタイルが定着しているアメリカに対する憧れ、またはコンプレックスからだろうか。

有権者にとってみれば、買い物をする場所や職場や病院や金融機関など、選択肢が多いことの方がいいことだと私は思っているのだけれど、政党に限っては(特に党議拘束が横行する政治では)少ない方がいいということが理解できない。

 かつての最大野党は、一度は政権を取ったけれども、そのプロセスで党勢を拡大することばかりを優先し、考えの一致しない人たちも何でもかんでも内包し過ぎて無理がきてしまったのではないか。
今回の合流だ、排除だという騒ぎの中で、雨降って地固まるというわけではないかもしれないが、少しではあるけれども考え方の「純化」が行われたのではないか。
「排除」された人たちの中から、まとわりついていた、足を引っ張る要素がなくなったのではないかと有権者も感じたからこそ、急激に支持を伸ばしている勢力も出てきた。

 今回は特定秘密保護法、「戦争法」(安全保障関連法)、「共謀罪」法などが強引に「成立」させられ、このまま行くと国民が本当の「一丁上がり」になってしまう瀬戸際ではないかと危惧する。
もちろん、それが国民の本望、総意であれば仕方がないけれども、従来の低投票率で事が進んでしまうのであれば残念極まりない。
 毎度、国政選挙のたびに似たことを言うけれども、「俺が1票入れたところで変わらない」と言うゆがんだニヒリズムは、自分たちの首を絞めるだけだ。

「入れたい人がいないじゃない?」と言う「白馬にまたがった王子様」を待っている人には、永遠にその対象は現れない。
王子がいないから狡猾(こうかつ)で老獪(ろうかい)で尊大で醜悪な人に自分の生命や生活を預けることをよしとするのは、あまりにもばかげているではないか。

 期日前投票も手軽すぎて拍子抜けするぐらいだ。
投票日当日も、手間というほどの手間ではないので、今の気分ではなく、子どもたちの将来のためにも、意思表示をしていただきたい。
(放送タレント)
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月17日

にんげんだもの?=福本容子

ウラから目線
にんげんだもの?=福本容子
毎日新聞2017年10月16日 東京夕刊

 今年こそ彼氏を見つける。
痩せる。お金をためる……。
新年の抱負は大きく、はかない。
実行できないばかりか、今ごろになると何を誓ったかさえ思い出せない。
 元は同じ自分の銀行口座なのに、クレジットカードで払う買い物は、お財布から現金を出す場合より、太っ腹になってしまう。
 どちらもよくある話なのだけど、こうした人間の行動や心理を経済学と結び付けて、きちんと分析したアメリカの経済学者、リチャード・セイラーさんが、今年のノーベル経済学賞を受賞することになった。

 伝統的な経済学は、人が常に合理的に行動すると想定する。
二日酔いになって後悔したりなどしない。
汗水流して稼いだ1万円も宝くじで当てた1万円も同一の価値なのだ。
 現実は違う。
特にインフレとかでなくても、2年後に2万円もらえる選択肢と今1万円もらえる選択肢では、半分しかない1万円の方を取ったりする。
目先の得に惑わされ、きつい努力が嫌い。
不完全な人間ならではの行動だ。

 そんな人間を上手に正しい道へ促す方法として、セイラーさんは「ナッジ」という考え方を生み出した。
つべこべ言わず、そっと背中を押してあげる優しい誘導策である。

 例えば、野菜が健康に良いことを科学的根拠を並べて説明するより、売り場やレストランで、いかにも選んでしまいそうな場所に野菜を並べた方が食べてもらえる。
 そんな政策があればいいな。
でも現実は、政治家自身が将来より目先を優先し、他人のお金、借りたお金を痛みを覚えることなく使う、というセイラーさんの世界の不合理な人間を地でいっている気がする。

 さて、セイラーさんは相田みつをさんの大ファンだって。
「日経ビジネス」誌が8年前に掲載したインタビューにある。
好きな言葉は、「にんげんだもの」。
 コンピューターのようにはいかないし、失敗を繰り返しては立ち止まる。
人の心を愛しているところが、彼の行動経済学と通じるようだ。

 とはいっても、国をリードする指導者が言い訳に使うというのはいけない。
公約に書いたけど実行できない。
「にんげんだもの」。
財政再建は、「そのうち そのうち べんかいしながら日がくれる」。
             (論説委員)
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月18日

自民党がテレビを恫喝しネトウヨ煽動!

安倍自民党の
あくどすぎるメディア戦略!
広報副本部長に抜擢の和田政宗が
テレビ番組を名指しで恫喝
ネトウヨ煽動
2017.10.17 LITERA編集部

 自民圧勝が伝えられる衆院選。
調子に乗った自民党がまたぞろ、テレビ報道に報道圧力を加え始めた。
2014年の解散総選挙では、安倍首相の側近である萩生田光一衆院議員による在京キー局への「圧力文書」の送付が発覚したが、今回は、自民党のネトウヨ議員・和田政宗参院議員がその先兵役をになっている。

 和田議員は選挙を間近に控え自民党広報副本部長に就任したばかりだが、連日、テレビ局や番組名を名指しするかたちで、こんなツイートを繰り出しているのだ。

〈テレ朝社員でモーニングショー出演の玉川徹氏の印象操作が酷い。
今日は日本人を馬鹿にするような発言も。
「自民堅調」との世論調査に対し「安倍総理はやめなくていいんだ」。
「森友加計問題は日本人は関係ないんだ」という発言をいずれも嘲笑しながらコメント。
論評の域を超え印象操作に近い発言が続く〉
〈12日の報道ステーション、45分間の党首討論は何だったのだろうか。
森友問題、前川問題(加計学園獣医学部新設について)に30分を割き、憲法9条改正について15分で全て終了。
何か意図があるのだろうか。
9条改正は必要だとしても、北朝鮮問題や経済政策など国民に直結する課題を全く議論させず〉

〈報道のTBSは完全に死んだ。
総理の生出演。
キャスターは質問で課題を明らかにする力の発揮のしどころであったが、そもそも質問力すらなかった。
星浩キャスターの外れたイヤホンから強い口調のディレクターの指示。
総理の話を遮りまくり〉
〈TBS サンデーモーニング。
森友問題・前川問題(加計学園獣医学部問題)を取り上げ争点にしようと必死。
安倍総理の地元で「厳しい批判にさらされている」とコメントしたが根拠が希薄、印象操作に近い。〉

 和田議員のこうしたツイートはいずれも、「保守速報」や「netgeek」などのネトウヨサイトで大きく取り上げられ、ネトウヨの間で拡散。
テレビ局への「電凸」などを引き起こしている。

 ようするに、現役の国会議員が名指しでテレビ番組を恫喝し、ネトウヨを煽動しているのだ。これだけでも報道の自由の侵害行為としか思えないが、さらに唖然とするのは、和田議員のメディアバッシングの内容のデタラメぶりだ。

当たり前の報道を
「印象操作」と叫ぶ和田議員  

たとえば、12日放送『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)の玉川徹氏に対するクレーム。
実際の放送での玉川氏は、毎日新聞の選挙序盤情勢調査の結果、自民党が圧勝するという数字が出たことについて言及するかたちで、「安倍総理はやめなくていいんだな(といふうに自民党内でなる)」と述べたたうえで、こう言ったに過ぎない。
「そうすると、たとえば森友・加計問題とか、いろんな問題がありましたよね。
あれで支持率が下がったりしましたけど、『日本人、全然関係ないんだね、そこ』っていう。
そういうふうなのが第一印象ですね」

 つまり、森友・加計問題であれだけ疑惑が膨らみ、安倍首相が説明責任を果たさないことへの不満が支持率の低下で表れたのに、選挙ではそれらの問題とは無関係に自民党が議席を伸ばすらしいという逆転現象が、国民の意識と乖離しているのではないかと指摘したのだ。
和田氏はこれを「印象操作」「日本人を馬鹿にする」などと言っているが、意味不明にもほどがあるだろう。
「日本人」云々と言う前に、日本語読解力をもっと鍛えたほうがいいのではないか。

『報道ステーション』(テレビ朝日)の党首討論に対するクレームも、てんで見当違いだ。
森友・加計問題に時間を割いたのは、それが間違いなく国民の関心ごとだからにほかならない。実際、マスコミ世論調査では、これまでの安倍首相の説明が十分でないと思う国民が8割近くにのぼっているし、この間、依然として安倍首相は「丁寧な説明」を放棄。
そのうえ、本来、新証拠が出てきて野党から追及を受けるはずだった臨時国会を冒頭解散で消しとばしたのだから、代わりにメディアが議論の水を向けるのは当然の行為だ。

 さらに呆れるのは『NEWS23』(TBS)に対するいちゃもんである。
これは9月25日の安倍首相の生インタビューのことだが、そこで星浩キャスターらから森友・加計学園について突っ込まれた質問をされた安倍首相は、「籠池理事長は詐欺で逮捕され起訴された人物」と何度も繰り返し、追及を逃れようとするのがやっとで、疑惑の本丸である国有地売却問題には一切答えられなかった。
にもかかわらず、和田議員は鬼の首をとったかのごとく、星キャスターのイヤホンからディレクターの指示が漏れていたことをあげつらう。
 だからなんだというのか。
質問に答えず好き勝手にPRだけしようとする首相を、番組側が話を戻そうと努力するのは当然のことだ。
むしろ、国民が聞きたい話を「遮りまくり」だったのは安倍首相のほうである。

「批判者をTBSは至近距離で撮影」
「子どもは動員」
…ネトウヨばりの妄言を連発
 しかも、和田氏がトンデモなのは、こうしたメディアの放送内容に対する恫喝めいたクレームだけではない。
ツイッターではほかにも新聞社や安倍政治に反対する市民に対して、ネトウヨばりのいちゃもんをこれでもかと飛ばしている。

〈日本記者クラブでの党首討論。
一部の質問者はジャーナリストとして大丈夫かと疑問を感じた。
本来は厳しい質問で詰将棋をしていくのだが朝日や毎日の質問者は自分の主張に基づきやりこめようという質問の仕方〉
〈安倍総理が柏駅前で街頭演説。
菅野完氏がメルマガで集結を呼び掛けたこともあり、大声を張り上げ批判している人達がいたが10人程度。
それにしても、ごく一部しかいない批判的な人達を、TBSはなぜ至近距離で撮っているのだろうか?
我々は批判の声にも真摯に向き合い、やるべき政策を実行し続けます〉
〈添付したリンクの写真をご覧ください。
動員されマスクをした子供が写っています〉

「我々は批判の声にも真摯に向き合い」が聞いて呆れる。
一応補足しておくが、7日のJR柏駅前での安倍首相の演説では、批判する市民たちがプラカードを掲げながら「安倍やめろ」のコールをあげたが、和田議員はTBSがそこにカメラを向けたことを批判し圧力をかけることで、その声をなかったことにしようとしているのだ。
しかも、産経新聞はこの和田議員のどうしようもないツイートをそのまま記事にしたが、和田議員はさらに産経がアップした写真にひとりの子どもの姿があったことを大げさに取り上げて「動員」などとぬかしている。

 バカを言え。
動員というのは普通、組織的に呼びかけて日の丸を振るような支持者を街頭演説の場に集めてきた自民党のようなやり方のことを言う。
批判者の近くに子どもがいただけで、それが「批判勢力は子どもまで組織動員している」かのように喧伝するのは、悪質なデマゴギー以外の何ものでもない。

 そもそも和田議員といえば、前述したとおり“ネトウヨ議員”として知る人ぞ知る人物だ。
元NHKアナウンサーで、2013年の参院選でみんなの党から出馬しネットを駆使した選挙運動を展開して当選。
憲法9条や天皇を国家元首にする改憲を訴え、教育勅語を絶賛したり、慰安婦問題等でも歴史修正主義をぶつなどバリバリの極右で、ブログやSNSなどでネトウヨに大向こう受けする発言を連発し、ネトウヨ向けネット番組『報道特注(右)』にもレギュラー出演している。

 そんな和田議員は、みんなの党の分裂後、極右政党である次世代の党(現・日本のこころ)に籍を移して党要職に務めていたが、昨年離党して自民党会派入りを宣言。
今年9月に正式に自民党へ入党した。
そういう意味ではネトウヨ議員らしい煽動ともいえるのだが、問題なのは、このネトウヨ議員がひとりで好き勝手に安倍政権に批判的なメディアを叩き、悦に入っているというわけではないということだ。

安倍首相にも密着…
メディアバッシングは
党ぐるみの「広報戦略」か
 和田議員は、自民党正式入党直後の9月27日に〈私は、党の選挙広報戦略チームに入りました〉とツイートしていたが、上述したように、なんといきなり自民党広報副本部長にも抜擢されていたのだ。
この自民党広報本部は、戦略局や報道局、新聞出版局、ネトウヨを組織化した別働隊・J-NSC(自民党ネットサポーターズクラブ)、そして和田氏のいう「選挙広報戦略チーム」を統括する部署。
つまり、自民党は、こんなネトウヨむき出しでメディアバッシングを繰り返し、報道圧力をかけまくっている議員を、あろうことか選挙の広報の中心人物に抜擢しているのである。
 それだけではない。たとえば首相動静によれば10月2日と6日と、ただの一年生議員、それも入党直後にもかかわらず、異例といえるほど安倍首相と面会している。
また、和田議員のツイートによれば、上記の2日以外も安倍首相に密着し、党首討論や街頭演説、ネット番組への出演にも同行しているらしい。

 ようするに、前述のようなメディア批判ツイートやデマゴギーも、ただのネトウヨ議員のたわごとではなく、党ぐるみの「広報戦略」=メディア対策だと思われるのだ。
いや、和田議員が安倍首相と行動を共にしていることを考えれば、直接、その悪質なネットでの発言も、安倍首相や幹部と相談のうえでやっている可能性もあるだろう。
 安倍首相は『NEWS 23』の党首討論で、加計問題の情報の開示を求めた星キャスターに対し、「イヤホンちょっと大丈夫ですか」というネトウヨまがいの皮肉をぶつけたが、これも前述した和田議員の入れ知恵ではないかとさえ言われている。
 いずれにしても、和田議員のネトウヨ丸出しのデマ攻撃、ネトウヨを使った報道の自由への侵害行為はたったひとりの議員の問題ではない。
自民党、そして安倍政権の体質なのだ。
 自民党がJ−NSCの総会でネトサポに他党叩きをアドバイスしていたことについては本サイトでもお伝えした (http://lite-ra.com/2017/10/post-3499.html)が、本当にこんな政党にいつまでも政権を担当させていいのか。
このままいくと、ロシアや中国のような言論弾圧社会になってしまうのは確実と言っていいだろう。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

小林よしのり「希望の党はもう見捨てよう」 世論調査受け「一に立憲民主、二に共産」

小林よしのり
「希望の党はもう見捨てよう」 
世論調査受け
「一に立憲民主、二に共産
10/17(火) J-CASTニュース

 希望の党に期待を寄せていた漫画家・評論家の小林よしのり氏が、世論調査の結果を受けて「希望の党はもう見捨てよう」とブログで発言した。
 希望の党が立憲民主党の政党支持率を下回ったためで、小林氏は、「一に立憲民主党、二に希望の党」との姿勢を「二に共産党」に変えたと表明している。

■「実質的な野党第一党は立憲民主党になる」
 TBS(ウェブ版)は2017年10月16日、JNN(TBS系の民放ニュースネットワーク)が14〜15日に実施した世論調査(回答1171人)の結果を発表。
政党支持率は自民党が32.8%で独走したが、次点は立憲民主党の7.3%で、希望の党の5.2%を上回った。
これに公明党3.8%、共産党3.2%、日本維新の会1.8%と続いた。
 希望の党は衆院選で235人の公認候補を擁立。
民進党の前職50人以上を含み、「台風の目」と目されたが、苦戦が浮彫りとなった。
なお立憲民主党の公認候補者は78人。
 また時事通信は15日、都知事である小池氏のお膝元、東京23選挙区で「全敗する恐れすらある」と報じた。
 こうした結果を受け、小林よしのり氏は16日のブログで希望の党に「あきれた」と落胆。
「公示前の57議席を減らしてしまうのは確実だ。
立党した意義を失ってしまった」と嘆いた。

 一方で公示前勢力15議席の立憲民主党には「50議席はとってほしい」とエール。
「実質的な野党第一党は立憲民主党になる」との見方を示し、「わしは以前、投票するなら、一に立憲民主党、二に希望の党と言ったが、考えが変わった。一に立憲民主党、二に共産党だ」 と表明した。

共産党の議席減は「良くない」
 さらに小林氏は「共産党は立憲民主党と選挙協力をして、自党の議席を減らすダメージを負いそうになっている。
これは良くない」と案じ、「希望の党はもう見捨てよう」 と述べた。

 小林氏は翌日17日のブログでも「希望の党は壊滅する」と切り出し、「小池百合子が敗戦濃厚になると、街頭演説で森友・加計問題を追及する手法に変わってきた」とその選挙戦に疑問。
改めて「投票コードは一に立憲民主党、二に共産党、これでいい」としている。

 小林氏は、枝野幸男氏が2日に立憲民主党を結党すると、3日のブログで「『立憲民主党』に期待する」と支持を表明。
だが、希望の党に結党当初は期待を寄せていた。
9月28日に「本気で安倍政権を倒したいなら、野党は『希望の党』で一本化するしかないだろう」、同日の別の投稿では「クールに言えば、『希望の党』が失敗したら、自民党に戻せばいいだけだ」と政権交代も見据えていた。
posted by 小だぬき at 19:04 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月19日

何をやっても続かない!? 「いつも三日坊主」の解消法3つ

何をやっても続かない!?
「いつも三日坊主」の解消法3つ
2017年10月18日 Googirl

何となく恥ずかしいし、もしかすると人によってはちょっとだらしないと思われてしまうこともあるかもしれない……というような理由から、わざわざ口にはしないけれど「何をやっても続かない」とか「いつも三日坊主なの」という人も実はけっこう多いのではないでしょうか?

実は筆者も……わりと続けられないタイプなんです(やはり声を大にして言ったことはありませんが)。
ゲームも、家計簿をつけるのも、挙げ句の果てには資格試験の勉強まで――どれもこれも、わりとすぐ飽きてしまいます。
日記なんていうものは、5日と続けられたためしがありません。
こういうタイプの人は、もしかしたら“続けるのが下手”なのではなく、“取り組み方が下手”なだけである可能性が高いかもしれません。

続けられない人のリアルボイスと解決策
(1) 目標設定が高い場合
「まず、これから毎日コツコツ行っていくための目標設定を行います。
しっかりしたもののときもあれば、そこまでピシッとしたものでないときもありますが……。
でも目標を立てても、それだけで終わってしまうような場合も多いです」(受付/28歳/女性)

▽ コツコツやれたためしがないからこそ、目標を立てておけば大丈夫だと思うんですよね。
この場合は、目標設定がやや高すぎるということも考えられるので、少し低めに設定し直すことでだいぶ続けやすくなります。

(2) 何でも完璧に
   こなそうとしている場合
「忙しくてじゅうぶんな時間が確保できなくて、それでやめてしまうことが多いですね」(不動産/30歳/女性)

▽ “しっかりと行うことがベスト”だと思ってしまう完璧主義の考えが強い人は、70%くらいしかできないときには行動できない(したくない)ことも多いようです。
でも完璧にやり続けるということは、そう簡単なことではありません。
だったら、完璧にやれなくても良いじゃないんですか? 
最初のうちは完璧にやらないことが気持ち悪く感じるかもしれませんが、我慢して続けていくうちにだんだんと慣れていき続けられるようになっていくはずですよ!

(3) 続けることが
そのうち億劫になる場合
「最初は、今回こそは続けられると意気込むのですが、そのうち面倒くさくなってしまって……けっきょく続けられないんですよね〜。情けない」(ネイリスト/28歳/女性)

▽ これは、飽きっぽい性格の人に多く見られる傾向かもしれませんね。
続けること自体が面倒くさくなりがちだというようなタイプの人は、“とりあえず1か月だけ続てみよう”というような短期の目標に切り替えてみるといいかもしれません。
もしかしたらその頃にはそれがすっかり定着して、生活の一部になってしまっているということもあり得ますしね!

いかがでしょう、当てはまることや思い当たる節はありましたか?
 ルーティン作業には向き不向き、得手不得手があると思います。
続けることが苦手な人は新たな興味関心を見つけやすいという長所があったりもしますし、別にそこまで気にすることもないのではないかとも思います。
しかし「何をやっても続かないのはイヤ! 絶対に三日坊主を直したいの!」という人は、この機会に自分の思考や行動を見直してみてもいいのかもしれませんね。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月20日

 中原昌也「安倍応援団はあまりに下世話」

「安倍を支持している人たちが
あまりにも下世話で耐えられない」
中原昌也が語る
安倍首相や安倍応援団への憤り
2017.10.18 LITERA編集部

 マツコ・デラックスが10月2日放送『5時に夢中!』(TOKYO MX)で発した「無神経、馬鹿じゃないと総理大臣ってできないと思うのよ。
安倍ちゃんなんて馬鹿の象徴じゃない?」という言葉や、
「小学8年生」第4号(小学館)に掲載された安倍首相の風刺マンガなど、政権側の人間を茶化した表現がネトウヨたちの手により次々と「名誉毀損だ!」などと炎上させられている昨今。

 どちらも至極真っ当な風刺であり、時の為政者を茶化す表現が名誉毀損などであるはずがないのだが、そんな間抜けな論法をゴリ押ししてくる安倍応援団の下劣さにはほとほと呆れ返るばかりだ。
 同様の感覚は真っ当な人なら誰もがもつもの。
小説家、ミュージシャン、映画評論家の中原昌也もそのひとりだ。

彼は「SPA!」(扶桑社)17年10月10日・17日号に掲載された評論家の坪内祐三との対談で「安倍を支持している人たちがあまりにも下世話で耐えられない」と語っている。
「何だろう、別に思想的なことを言いたいわけじゃないんですよ。
ただ、安倍を支持している人たちがあまりにも下世話で耐えられないってだけなんですよ」

 中原が揶揄するのは安倍信者だけではない。
安倍首相本人に対しては〈繊細さに欠ける〉と切り捨て、そして、安倍首相も含めた権力者に対しては〈言葉がわからない外国の人たちの気持ちのほうがわかる〉とまで徹底的にこきおろす。

「政治家になりたい人のマインドがそもそもわからないってこともあるんですよ。
ただ、安倍は酷すぎる。
あんなにも繊細さに欠ける人が総理大臣になるってことは、そういう時代なのかもしれないですね
「安倍たちに比べたら、言葉がわからない外国の人たちの気持ちのほうがわかる気がする。
言葉が通じなくても、まだその人たちの気持ちのほうがわかるなって感じですね」(前掲「SPA!」17年10月10日・17日号)

 強権的に物事を押し進め、国会ではまともに議論もせずに強行採決の連続。
マスコミに対する対応でも、真っ正面から質問に答えようともせず、はぐらかしと嘘の連発。
森友・加計学園問題で叩かれ支持率が急落した時期は、一瞬だけしおらしくなって「丁寧な説明」などと言い始めたが、いまやその言葉もどこかへ雲散霧消してしまったのはご存知の通りだ。
「言葉が通じなくても、まだその人たちの気持ちのほうがわかる」と言い放った中原昌也の言葉はまさにその通りとしか言いようがない。
なにしろ、むこうには自分たちと意見の違う人の考えに耳を傾けようという気などいっさいなく、そんな人間は権力で押さえつけて黙らせてしまえばそれでいいと思っているからだ。

中原昌也「権力があれば何を言ってもいいだろうという、あの驕りが嫌ですね」
「SPA!」17年9月19日・26日号では、その強権的な姿勢についても、このように喝破する。

「ナチスもいいことをしたとか、どうのこうの言うヤツって、もはや嫌がらせで言ってるだけでしょ。何も考えてねえだろって」
「本当に堪え難いです。道徳的とかってことを超えて、権力があれば何を言ってもいいだろうという、あの驕りが嫌ですね」

 1から10までその通りなのだが、あの中原昌也の言っていることがここまで真っ当に響くというのも、まさに「時代」といった感がある。

 中原昌也といえば、音楽では暴力温泉芸者やHair Stylisticsといった名義でノイズミュージックを突き詰め、小説でもバイオレンスとブラックユーモアをふんだんに混ぜた世界観を構築。世俗的な作風とは距離をとり、アングラでハードコアな、独自の芸術世界をつくりあげている作家である。
 それでも彼は、自分の芸術や発言が現実世界から遊離することを良しとしない。
それは、昨今ではだんだんと失われつつある感覚である。
 昨年6月、SEALDsの奥田愛基氏がFUJI ROCK FESTIVAL’16に出演したことをきっかけに巻き起こった「音楽に政治をもち込むな」の炎上騒動が典型だが、ここ最近では芸術が社会的なトピックに踏み込むこと、特に、権力者を批判するような表現をすることに対するアレルギー反応がある。

 それは、芸術の受け手側だけではない。
つくり手側にも共通して当てはまる傾向である。
中原は「SPA!」10月3日号にて、ある文学賞で出会った不愉快極まりない逸話を語っている。
 付き合いで出席したその文学賞のパーティーでスピーチを頼まれた彼は、受賞者に「SFは管理社会に対する批判として出てきたものだけど、現実世界はそれを都合よく管理社会に利用したところがあって、そういうことについてどう思いますか?」という質問を投げかけた。
それに対する反応は、「YES」でも「NO」でもなく、
「そんなことより自分の生活が楽しいほうがいいかなと思います」という、なんとも次元の低いものだった。
これに対し、彼は怒りをぶちまける。

文学が反体制的である必要はないけど、何かを考えるヒントにならないと意味がないだろうと。
別にエンタメが悪いとは申しませんが、自己肯定的な表現ばかりになるのは本当に害悪だと思いましたね」

「いまは『体制に従っていればいいんだ』
という人ばっかり」と中原昌也は嘆く
 現実の社会との関わり合いや軋轢を避け、エンターテインメントや芸術に集中するその受賞者のような態度は一見、文化芸術に殉じているようにも見える。
 しかし、そういった姿勢は、翻って、自分たちが大切にしている文化や芸術を傷つけることになるのだ。
作家、ミュージシャンのいとうせいこうは「音楽に政治をもちこむな」的な言説に屈する表現者に対して、「そういう発言やアプローチが出来ないと、自分たちの制作や創造、流通自体が締め付けられるような事態が起こった時に、それに抗せない」(「BRODY」2016年10月号/白夜書房)と警鐘を鳴らしているが、
本当にアートを理解し、表現活動の自由を担保することの重要性を理解している者は「文化に政治をもちこむな」などとは言わないし、そのような声に負けることもない。
表現の自由などというものは時の権力者によってたやすく奪われてしまうものであり、それを守ることができるのは、他ならぬ表現者たちだからだ。

 無論、中原もそのような考えをしっかりともっているひとりだろう。
前掲「SPA!」10月3日号で彼は、社会との軋轢を忌避し、唯々諾々と権力に従う表現者に対し、こんな痛烈な言葉を浴びせかけている。
今はもう「体制に従っていればいいんだ」って人ばっかになっちゃいましたね。
つまんない自己肯定のために本なんか読むんだったら、オナニーでもしてたほうがマシですよ。オナニーの時間を割いてまで本を読むのはなぜかってことですよね」

 自らの殻にこもり、社会に対し何の波風も起こさないような毒にも薬にもならない創作物はオナニー以下。
非常に痛快な言葉だ。
アーティストにまで同調圧力を強いるような社会になって久しく、その傾向は日に日に強くなっているが、中原のような気骨ある表現者が一人でも増えてくれればと切に願う。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(3) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月21日

 平野、ケラ…作家たちが安倍政権にNO

<投票は 主権者の権利>
<比例代表は「日本共産党」>
*小だぬき

島田雅彦、平野啓一郎、
ケラリーノ・サンドロヴィッチ、
山本直樹…作家・文化人たちが続々と
安倍政権に批判の声
2017.10.20 LITERA編集部

 衆院選の投開票日まで残すところあと数日。
国会で森友・加計問題を追求されることから逃げるための大義なき解散なのは誰の目にも明らかであり、こんな無駄なものに600億円もの血税がドブに捨てられるのかと思うと暗澹とした気持ちになるが、
それはともかく、今回の選挙は、政治を私有化し、強権的な国会運営で独裁的な政治を行い、富める者はますます富み貧しい者はますます貧しくなる社会をつくり、自らの野望のために対米隷属して北朝鮮危機を煽りたてる安倍政権へNOを突きつける選挙である。

 この選挙を機会に多くの人々が安倍政権へ憤りの声をあげ、本サイトでは先日も中村文則や中原昌也らの怒りの言葉をご紹介したが、そのほかにも安倍政権へのアンチテーゼを掲げる有名作家は数多い。

 たとえば、島田雅彦氏は2017年10月10日付け東京新聞のインタビューに応え、希望の党を中心とした政治家たちの右往左往を、「公示前の政局は北野武監督の映画『アウトレイジ』を見ているようでした。
「全員悪人」」と皮肉る。
時は折しも『アウトレイジ 最終章』封切り直前で、ツイッターにも『アウトレイジ』風にデザインされたポスターに小池百合子や前原誠司らの写真を当てはめたパロディ画像も多く出回っていた。
同じように感じた人は多かっただろう。
 そして彼は、安倍首相がこれまで総理大臣を務めた期間のことをこのようにまとめる。
対米隷属以外の選択肢を持たず、異論を排除し、対話に応じない密室政治を続ける政権も「国難」には対処し切れないでしょう。
安倍政権の五年間は単に対米隷属と独裁が強化され、景気回復も税金で株価を上げただけでした
 まったくもってその通りだろう。
ただ、安倍政権がもたらした暗部はこれだけにとどまらない。
とりわけ大きいのは、自らをかたくな肯定し、外国人や障がい者など少数派に属する人々を悪し様に罵って排斥するような「自称「保守」」を大量に生み出したことにある。

島田氏はインタビューで現在の悲嘆すべき状況をこのように語っている。
「自称「保守」の極右たちは市民の味方であるリベラルを「反社会勢力」として排除し、おのが権力欲に任せて「仁義なき戦い」を仕掛けています」

平野啓一郎やケラリーノ・サンドロヴィッチが憤る首相の強権的姿勢
 このように感じているのは島田氏だけではない。
平野啓一郎氏は「週刊女性」(主婦と生活社)17年10月31日号でのインタビューで、安倍政権下に入り激化した弱者叩きの構図をこのように語っている。
「安倍政権下では弱者への言説のあり方も変わりました。
以前は、金持ちは頑張っているのだからという文脈で、低所得者を放っておくような否定の仕方だった。
それが今は、生活保護バッシングのような、社会保障費で迷惑をかけているという積極的な否定になっている。
新自由主義から全体主義へと変化したと思います

 平野氏は今回の選挙について、「政治の「まともさ」をめぐる闘いだと思うんです」と語る。すなわち、安倍政権は「まとも」ではなかったということだ。

安保法制や共謀罪での審議でたびたび繰り返された、立憲主義をないがしろにし民主主義を破壊する国会運営など、私たちはこれまで歴史の教科書でしか見たことのなかったような独裁的な政治が堂々と行われるのを目の当たりにしてきた。
 そんな絶望的な状況を用意したのは、安倍政権が自分とは異なる意見をもつ者に対し、まともに対話をしようという姿勢を見せず、嘘とはぐらかしと権力でねじふせようとしてきたことにある。

 劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチ氏は、17年10月12日付け東京新聞の連載コラム「風向計」のなかで、公示前に行われたいくつかの党首討論を見た感想を綴っている。
 党首討論では森友・加計問題について疑問が飛んだが、首相の言葉は「私はこれまで予算委員会や閉会中審査で丁寧に説明を重ねてまいりました。
委員会の中で、私が関与したと言った方は一人もいない、ということは明らかになっています」という、もはや耳にタコができた「答えになっていない答え」だった。
「丁寧な説明」もなければ、政治の私有化に関する疑惑を払拭するだけの回答が得られていないから、何度も同じ話を問い質すことになるのだが、結局は党首討論の場でも核心に迫った話を聞くことはできなかった。

ケラ氏はこのように綴る。
〈それで終わり。これは討論とは言わない。
国民の多くが、誰もくい下がらないのを不思議に感じているに違いない〉
 これは、昨日今日始まったことではないし、森友・加計の話題になって出てきた現象でもない。
安保法制のときも、共謀罪のときも同じ。
遥か昔からもうずっとそうだった。
ケラ氏は続けてその憤りをこのようにぶちまける。

〈国会では「それでは答えになっていません」という言葉がよく聞かれたものの、やはり多くはそこで終わりだ。
「答えになってない」ということしか、わからない。
私たちが知りたいのは「答え」だ

山本直樹「総選挙の最大の争点は憲法。憲法を変えられては困る」
 今回の選挙では結局はっきりとした政策上の争点は明示されることはなかった。
当たり前だ。
始めから安倍首相の保身のために始まった選挙なのだから。
 しかし、それでもはっきりしているのは、今回の選挙結果が憲法改正論議に大きな影響を与えるということだ。
そして、そのことは昨年の参院選同様に争点隠しにされている。

17年10月15日付けしんぶん赤旗日曜版で漫画家の山本直樹氏はこのように語る。
〈総選挙の最大の争点は、憲法だと思います。
僕は、インターネットのアイコンに、「憲法護持」という写真を掲げています〉
 山本氏が「憲法護持」を掲げるのは、安倍政権の希望通りに憲法を変えさせることは「表現の自由」の死を意味するからだ。
自民党憲法改正草案において、表現の自由に関する条文には「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」という文章が新たに付け加えられ、権力が国民の表現の自由を大きく制限することができるようになっている。
だからこそ、憲法改正には反対の声をあげる。

山本氏はこのように述べている。
〈漫画を描く上で、好き勝手描けなくなってしまうから、憲法を変えられては困るんです〉
 強きを助け、弱きをくじく。弱者は排斥され、多様性も失われた全体主義国家へ──安倍政権下でどんどん強くなってきたこの傾向を今回の選挙で止めなくてはならない。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月22日

延命治療は愛情? 家族のエゴ? 残酷な最期を強いる「長生き地獄」の現場

延命治療は愛情? 家族のエゴ?
残酷な最期を強いる
「長生き地獄」の現場
2017年10月21日 13時00分 週刊女性

文/松原惇子ノンフィクション作家

 日本人の寿命が延び続けている。
2016年9月、厚生労働省は「100歳以上の高齢者が全国に6万5692人に。
46年連続の増加」と発表した。
医療の発展や栄養・衛生・環境状態などの向上から、わたしたちの寿命は延び続けている。
しかし、心から喜べないのはなぜか。
 最近、よく聞かれる「長生きなんかしたくない」という声。
高齢者のみならず、20代の若い人まで長生きを恐れている。
仕事の不安、結婚して生活できるかの不安、年金の不安などで、長生きが幸せにつながらないという背景があるようだ。
 いま、実際に長生きの現場では何が起きているのか? 

 ノンフィクション作家・松原惇子さんは、著書『長生き地獄』(SB新書)で、延命治療、在宅医療、有料老人ホーム、孤独死など、さまざまな長生きの現場を徹底取材し、その実態を書いた。
松原さんは現場取材から、日本には“死にたくても死なせてもらえない高齢者”が大勢いることを知り、愕然(がくぜん)としたと言う。
そんな松原さんが見た“死ねない現場”とはーー。  
 ◇   ◇   ◇  
「死なせてくれ!」の声なき叫び 
 和男さん(仮名)の父親は80歳のとき、脳出血に見舞われ、救急搬送された。
ICUに運ばれ、すぐに手術が行われたが、父親が一般病室に戻ってきたときは、意識のない状態だった。
 現在は、日本尊厳死協会にも加入し延命治療の知識もある和男さんだが、当時は延命に関する知識もなく、自分の無知さに腹が立つと話す。
「親父が倒れたことだけで、わたしたち兄弟は動転してしまい、すべての判断は医師任せでした」
「先生! 親父を助けて! 助けてください!!」。
兄弟そろって、医師にそう懇願した。

まさか、父親が植物状態のまま生かされ続けることになるとは……。
 父親の鼻から入れられたチューブは、2年後の死ぬときまで外されることはなかった。
鼻からの栄養注入だけでなく、腕には点滴も行われ、和男さんはそのときの様子を思い出し顔を伏せた。
点滴は延命治療と捉えにくいが、実は点滴も延命治療の一つなのだ。
父親の手は2年間に及ぶ点滴の針のせいで、真っ黒でまるで炭のようになり、針を刺す1点の場所もなく、ついには最も神経過敏で痛い場所、手の甲や足の甲にまで刺したと言う。
 皮膚は真っ黒、日に日にやせていく父親の残酷な姿に、息子の彼は、ただそばにいて声をかけるしかなかった。
父親の反応はまったくなかったが、「早く死なせてくれ!」と言っていたに違いないと振り返る。

 さらに、恐ろしいことがある。
和男さんの家は資産家で病院に顔が利いたため、3か月しかいられない病院に2年置かせてもらったのはいいが、病院側としては、点滴するだけでは長く置くことができないため、3か月に一度、なんらかの手術を試みたというのだから驚く。
ちなみに2年間で病院に支払った金額は、約2500万円である。

 声も発せず、ただ生きているだけのようだった父親。
家族の延命に対する無知と病院にお任せしたとことによる、父親の悲惨な最期と言わざるをえない。
もし、自分が逆の立場だったら? こんな最期を望むだろうか。
良かれと思って頼んだ延命治療が、父親を苦しめた。
生きていてほしいと家族が望んだこととはいえ、残酷な最期を父に強いてしまった。
愛情のつもりだったか、家族のエゴだったのか……。

 この話を聞いたとき、元気なうちに、自分の意思を家族にきちんと伝えておくことと、家族にも尊厳死について勉強してもらうことが必要だと、わたしは強く思った。
 つまり、たとえ尊厳死協会に入っていたとしても、病院に運ばれてからでは遅いのだ。
延命治療をなされないためには、日頃からの家族とのコミュニケーションが不可欠なようだ。

オランダには
「延命」という言葉さえない
 現場取材から、日本の延命治療に疑問を感じ、2015年春、わたしは福祉の先進国であるオランダへ飛んだ。
高齢者住宅の視察に行き、そこで得た言葉に度肝を抜かれた。
「延命治療についてお聞きしたいのですが、どのようにされているのですか」と聞くと、対応してくれた方は笑いながらこう言った。
「延命ですか? オランダには延命という言葉さえありません」
 つまり、延命をしないのが当たり前。
オランダでは延命措置は患者が選ぶものでも、医者が選択するものでもなく、存在しないものなのだ。
回復の見込みのある患者に、一時的な措置として胃ろう(腹部に小さな穴を開け、直接、胃に栄養を入れる方法)をすることはあるが、延命のために、胃ろうをすることはないと言い切る。
延命をしない、これは、オランダだけではなく、欧米でのスタンダードな考え方になっている。

欧米には寝たきり老人はいないのだ。
年を取ると寝たきりになるのは、日本だけの現象なのかもしれない。

 終末期医療に詳しい、宮本顕二医師と宮本礼子医師は、スウェーデンを視察した際に、日本との終末期医療の差に愕然としたと、その著書のなかで語っている。
欧米には寝たきり老人がいないと言われているが、その理由について、医師らはこう示している。
 その理由は、高齢者が終末期を迎えると食べられなくなるのは当たり前で、(中略)延命を図ることは非論理的であると、国民みんなが認識しているからでした。
逆に、そんなことをするのは老人虐待という考え方さえあるそうです。
 日本のように、高齢で食べられなくなったからといって経管栄養や点滴はしません。
肺炎を起こしても抗生剤の注射もしません。 (『欧米に寝たきり老人はいない』より引用)

 日本と欧米の医療現場の差と患者側の知識の差に、わたしは腹立たしくなった。
 日本人は欧米人とは真逆だ。
自分の命なのに、医師にお任せ、家族にお任せ。
「先生にこんなこと言ったら失礼だ」と、自分の希望を言わない。
先生の言いなり。
自分の命を守るのは自分でしかないはずなのに。
つまり、生死の勉強をしていないから自分の意見がなく、言えないのだ。

延命治療の知識は、医師のものではなく、私たちが学ばなくてはならない大事なこと。
勉強して自分の意見を持たないと、自分も家族も苦しむことになるのだ。

良い死のためにすべきこと10
 自分が寝たきりにさせられないために、そして家族を寝たきりにさせないためにも、今の元気なうちに勉強しておく必要があるだろう。
良い死に方を考えること。
それは、超高齢社会を突っ走る、わたしたち日本人一人一人に突きつけられている大きな課題だ。
『長生き地獄』の5章に書いた「良い死に方を考えるための10のポイント」は、「良い死」を考えるきっかけになるはずだ。
良い死に方とは、つまるところ、良い生き方に通ずるのだ。
「良い死に方」とひと言で言っても、具体的に何をどうすればよいのか、健全な判断ができる今のうちに、きちんと考えておく必要があるだろう。
「そのとき」になってからでは遅い。

ここでは、「良い死に方」のために考えておきたい10のポイントをわたしなりにまとめてみた。

●延命治療をするか、しないか(尊厳死を望むか)
●リビングウイル(※)を書く
●家族や友人に自分の意思を伝えておく
●救急車を呼ぶか、呼ばないか
●孤独死を望むか、望まないか
●最期は自宅か、施設か
●あなたの地区に訪問医はいるか、いないか
●生死について話せる友達がいるか、いないか
●自分なりの死生観を持っているか、否か
●今を楽しんでいるか

(※)編集部注:自分で意思を決定・表明できない状態になったときに受ける医療について、あらかじめ要望を明記しておく文書。
 皆さんもこれを参考に、自分なりに考えておくことをお勧めする。

<プロフィール>
松原惇子(まつばら・じゅんこ)
◎1947年、埼玉県生まれ。
昭和女子大学卒業後、ニューヨーク市立クイーンズカレッジ大学院にてカウンセリングで修士課程修了。
39歳のとき『女が家を買うとき』(文藝春秋)で作家デビュー。
3作目の『クロワッサン症候群』はベストセラーとなり流行語に。
一貫して「女性ひとりの生き方」をテーマに執筆、講演活動を行っている。
NPO法人SSS(スリーエス)ネットワーク代表理事。
著書に『「ひとりの老後」はこわくない』(PHP文庫)、『老後ひとりぼっち』(SB新書)など多数。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(3) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月23日

「吐いてでも給食を食べさせる」熱心な教育の恐ろしさ

「吐いてでも給食を食べさせる」
熱心な教育の恐ろしさ
2017年10月21日 15時56分 SPA!
週刊SPA!連載
「ドン・キホーテのピアス」
<文/鴻上尚史> ―

じつに切ないニュースを見てしまいました。
 岐阜市内の小学校の先生が給食を完食するよう児童に指導した結果、去年と今年7月までの間に、小学生5人が吐いていたというのです。
 去年、1年生の学級担任だった時は4人に偏食をなくすために給食を残さず食べるように指導、4人が計8回、吐きました。
 今年は、2年生の学級補助担任となり、7月に体調不良の児童に給食を食べるよう指導し、児童は吐きました。
保護者は学校に児童の体調不良を連絡していましたが、この先生には伝わっていませんでした。  

市の教育委員会は「配慮にかけた指導だった」として女性教師に口頭で厳重注意処分を出しました。
 先生は「子どもに負担をかけてしまい反省している」と話しているそうです。
 最初、僕はこのニュースを知って、「ああ、若い真面目な先生なんじゃないだろうか。
この人は、自分が学生時代、先生の言ったことや校則に対して、まったく疑問に思わないで従ってきた人なんじゃないかな。
だから、こんなムチャをしたんだな」と思いました。

 ところがよくニュースを調べると50代の女性だと分かりました。
 ということは、この先生は、この指導をずっと熱心にしてきたと考えられます。
つまり、今まで、完食して吐いてしまった児童を見てきたはずです。
でも、その指導をやめなかった。
今回はたまたま匿名の情報が教育委員会に入り、問題になっただけなのです。

 市の教育委員会は、この問題を受けて、「楽しく食べ物に感謝して食べる食育指導を職員に徹底する」とコメントしました。
 けれど「楽しく」より「食べ物に感謝して」という部分を真面目に受け取れば「食べ物を残すことは食べ物に対して失礼です。
全部、食べなさい」という指導にすぐにつながります。
それが徹底されたら、吐いてもしょうがない、となるのです。

◆指導することと
指導を徹底することは違う
 僕は肉の脂身が苦手です。
牛肉はまだなんとかなりますが、豚肉はまったくダメです。
小学校の時、給食で豚肉の料理がでた時は、本当に地獄でした。
 給食用の安い豚肉だからか、いつも脂身がたっぷりありました。
もちろん、小学校時代の先生は、給食を残すことを許してくれませんでした。
 僕はまず、豚肉の脂身だけを残して給食を食べ終えました。
そして、残った脂身を小さくスプーンで切り、一切れずつ口に含み、牛乳で一気に飲み込みました。
 苦行のような時間でした。
 あまりに多い時は、一気に口に含んでそのままトイレに直行しました。
 今でも、その瞬間を覚えているのですが、トイレに行く途中、豚肉の脂身の臭いに我慢できなくなって、側溝に一気に吐いたことがあります。
 汚い話で申し訳ないのですが、ぶわっとまき散らすように吐き出しました。
本当に泣きたい気持ちでした。

 たぶん、偏食をなくすために「給食は残さない。完食する」と指導されていたのでしょう。
無理に食えば、偏食はなくなるという理論は誰が決めたのでしょうか。
そういう理論を提出した人がいたら、会ってみたいものです。
 僕はいまだに、豚肉の脂身が食べられず、でも、肩こりは激しいですが、すこぶる健康に生活しています。

 その後、「三角食べ」という、主食(パンやごはん)、おかず、牛乳という三種類をまるで三角形をなぞるように順番に食べる食べ方を指導され、「何をどの順番で食べるぐらい自由にさせろ!」と小学生ながらものすごく憤慨しました。

 ツイッターで、この悲しいニュースをつぶやいたら「食育は大切です」とか「最近の女子小学生はごはんを残すのです。
ご存知ないのですか?」とか、いろいろツイートが返ってきました。
 偏食をなくそうと「指導すること」と、「指導を徹底すること」は全然違います。
「あなたの健康を考えてあなたのためにやっているのです」という「正義と善意」を進めることと、徹底することは全然違います。

「熱心な教育」「完全な善意」「徹底した指導」は、目の前の人間が苦しんで吐くことを無視できるのです。
 感じなくなるのです。
それはなんと恐ろしいことなのでしょう。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

共産党は伸び悩み 志位委員長「大局的には野党共闘は成功だった」

共産党は伸び悩み 
志位委員長
「大局的には野党共闘は成功だった」
10/23(月) 6:35配信 THE PAGE

 共産党の志位和夫委員長は、22日に投開票された衆院選の大勢が判明した23日未明に東京都内の党本部で会見した。
野党共闘した立憲民主党が躍進し、共産党は解散時より議席を減らす情勢について「大局的な見方では野党共闘は成功だった」と語った。

 今回の衆院選を振り返り、「沖縄1区で赤嶺政賢候補が勝ったことは喜ばしいが、比例区では伸びを欠き、現有議席を割った。
ひとえに力不足だったと思う。捲土重来を期したい」と述べた。

 共産党は伸び悩んだ一方で、立憲民主党は大きく議席を伸ばした。
共産党は野党共闘のために67の選挙区で候補者を取り下げたが、「候補者を一本化した選挙区では29もの立憲民主党もしくは無所属の候補が小選挙区で勝っている。
結果的に野党共闘が実った成果だと言えるだろう」との見方を示した。

 そして、共産党が憲法改正の阻止に絡め、「今回の総選挙は市民と野党が協力して戦うことができた。
共産党の議席は減ったが立憲民主党が議席を伸ばしたことで野党第一党を確保した。
自民党も野党第一党の合意がなければ改憲を進まないと言っている。
大局的な見方では野党共闘は成功だったと言える。
野党共闘に悔いはない。
今後も、野党共闘を発展的に進めて、安倍政権の暴走を食い止めたい」と強調した。

 党勢拡大に向けて、これまでは「ほかに入れるところがないから共産党という消極的な支持も多い」と分析した上で「これからは積極的に共産党に入れる層の拡大を図りたい」とした。

 それまで野党で進めてきた共闘を、民進党の前原代表が反故にして、事実上の希望の党への合流を決めたことには
「背信的な行為だ。そうした行為に怒り心頭している」
「希望の党ができて、民進党が合流することで野党が分断されてしまった。
共産党は大きな負担を負わされた」と不満を述べたが、「民進党には参議院議員も残っており、考え方が合えば連携できる部分はあるかもしれない」と語った。
posted by 小だぬき at 07:26 | 神奈川 ☔ | Comment(4) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月24日

リテラが躍進の立憲民主党に注文!

衆院選結果を受けて
リテラが悲嘆にくれながらも社説を書きました!
自民圧勝でも光はある!
立憲民主党は
共産党や山本太郎と連携して
ネトウヨに対抗する
草の根リベラルを育てよ
2017.10.23 LITERA編集部

 総選挙は、自民・公明で3分の2を超える圧勝に終わった。
安保法制、共謀罪をはじめ度重なる強行採決、森友・加計問題に象徴されるお友だち優遇の国家の私物化……こんなひどい政治をやってきたあげく、600億円以上の費用もかけてまったく大義のない解散をした安倍政権が、ここまで勝ってしまうとは、まさに信じがたい。

 ただ、国民は安倍政権の横暴を忘れたわけではなかった。
実際、テレビ朝日の調査では政権交代をのぞむ声は50%を超えていたし、近々の各社の世論調査でも軒並み不支持率が支持率を上回っていた。

 にもかかわらず、自民単独でも過半数を超えるどころか280も超えほぼ公示前に迫る大勝。まったく民意を反映していない選挙結果になってしまっている。
 従来から、多様な意見の排除、得票率と獲得議席数の乖離など問題点が指摘されてきた小選挙区制だが、あらためて民意をまったく反映しない欠陥制度であることが明らかになった。
 さらに、台風も安倍自民党に味方した。
マスコミ各社の終盤調査では、自民党、公明党の獲得議席数は30を下回るといわれていた。
それがこんな数字になったのは、台風のせいで投票率が伸びず、安倍政権に批判的な無党派層が思ったほど選挙に行かなかったことが大きい。
 台風直撃によって、投票日を前日に前倒しにした地域や、通常の20時を大きく前倒して投票を締め切る選挙区が続出。
多くの国民の投票の権利が奪われるのがみすみす放置されたが、その台風は同時に、安倍自民党を大勝させる要因にもなったのだ。

 しかし、こんな結果をつくりだしてしまった最大の原因はメディアの姿勢だろう。
解散後のメディア報道はほとんど犯罪的と言ってもいい。

安倍政権の問題点を報じず、
小池百合子劇場に
踊り続けたメディアの罪
 今回の解散は、野党からの国会の開催要求を何カ月も無視しつづけたあげく、招集したとたん国会議論を一切しないままの冒頭解散という暴挙。
森友・加計疑惑隠しが目的の解散であることが明らかなのはもちろん、解散権の濫用、国会の否定という、民主主義の破壊行為だ。
そして、この選挙はこの大義なき解散に象徴される、安倍政権の独裁政治そのものが問われた選挙だった。

 だとしたら、メディアは本来、安倍政権の問題点、そして改憲の是非についてもっと報じるべきだった。
 しかし、メディアは希望の党の登場と小池百合子劇場に踊りつづけた。
前半は小池劇場を煽るだけ煽り、失速後はバッシング。
希望の党に民進党が合流することになり、一気に過半数、政権交代も視野に入ったかに思われた9月末までならまだしも、排除発言と立憲民主党の登場で小池人気が失速し、候補者数からも政権交代はほぼ不可能であることが確定的となってからも、相変わらず、小池劇場一色。
どのみち政権交代はできないという大勢は変わらないのに、毎日のように小池百合子の出馬確率が何%か、希望の党の首班指名が誰なのかをぐだぐだ報じつづけた。

そして、たまに小池百合子の話題じゃないと思ったら民進党のゴタゴタ批判。
選挙戦終盤にいたっては、『ひるおび!』(TBS)や『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)といった安倍応援団番組は、国内の選挙について報じず、中国の共産党大会についてえんえん報じていたほどだ。
 この報道で誰が得をしたのかといえば、むろん安倍政権だ。
安倍首相はこのまま国民を眠らせたまま、選挙を盛り上げず、投票を迎えることを狙っていた。殊勝な顔をして議席だけとってしまえば、あとはなんでもやれる、と。
結果はまさに、その狙い通りとなったわけだ。

 昨日、各局の選挙特番に出演した安倍首相は空気を読んで猫をかぶっていたが、これから確実に牙を剥いてくるだろう。
昨日の記事でも指摘したように、大企業による労働者使い捨てがやりたい放題になる働き方改革、いわゆる「残業代ゼロ」と「定額働かせ放題」法案。

子育てを家庭とりわけ母親だけに押し付け、公権力が家庭に介入し戦前戦中のように家族を国家の下請け機関に位置づける、家庭教育支援法案
そして、憲法改正も確実にやってくるだろう。

 しかも、それは自衛隊の9条明記にとどまらない。
トランプ大統領が年明け、北朝鮮への軍事行動を準備しているという見方が強いが、これに乗じて、国民の権利を制限する緊急事態条項の創設や、9条2項の削除だってもち出しかねない。  

さらに、言論や報道への圧力も再び強めていくだろう。
安倍首相はすでにこの選挙前から、ネトウヨ丸出しの和田政宗参院議員を自民党広報副本部長に据え、ツイッターでテレビ局への恫喝をさせていた。
これから、加計問題を追及してきた朝日や毎日新聞、TBSやテレビ朝日に対して、卑劣な報復を開始。
この国から言論、報道の自由をさらに奪うような政策や圧力を展開するはずだ。

枝野総理、小池晃官房長官、
山本太郎財務相の
シャドウキャビネットを
 まさに、絶望しかない政治状況。
ただ、ひとつだけ希望はある。
それは、立憲民主党が野党第一党になったことだ。
改憲・自民補完勢力である希望の党ではなく、立憲民主党が野党第一党となったことで、自民党の改憲への動きにも一定のブレーキ役を果たすことができるだろう。

 もちろん立憲民主党の議員たちのメンツだけを見る限り、どこまで信用できるのかという問題はある。
本サイトとしては、野党としてなら、立憲民主党より共産党にこれだけの議席があったほうがはるかに頼りになったとも思う。  
 しかし今回の立憲民主党躍進の立役者は、元SEALDsメンバーを含む市民連合であり、さすがに彼らを裏切ることはしないだろう。
選挙戦途中、枝野幸男代表が二大政党制を肯定するような発言をしたり、野党共闘を組む共産党をないがしろにするような態度をとった際などは、市民たちが批判の声をあげ、枝野代表もそうした声を受け軌道修正してきた。
 消費税増税については、民進党時代よりも市民に寄り添った政策を打ち出した。
沖縄の辺野古新基地についても、基本的に民進党時代は是としつづけていたが、立憲民主党は辺野古新基地建設は立ち止まり辺野古以外の選択肢も検討するとした。

 枝野代表は昨晩も、これまでの拙速な政権交代を目指しての数合わせの権力ゲームに対する反省を語ったり、憲法改正、対米従属に関連して、日米関係は重視するとしながらも、これまでの親米タカ派の人脈とはちがう、ハト派のアメリカとの人脈形成を模索したいと発言するなど、対米・外交においてもオルタナティブな路線を志向しているようだった。

 いずれにしても、今回の選挙結果によって、いま、多くの国民がリベラル勢力を求めていることが明らかになった。
本サイトは、民主党、民進党の時代から、党内保守を切り捨て、明確にリベラル路線を打ち出したほうがはるかに支持を集められると主張してきたが、その正しさが証明されたわけだ。
 そういう意味では、立憲民主党は、希望の党に寝返った連中や無所属の保守派ともう一度野合してはならない。
むしろ、いまこそ連中を“排除”し、山本太郎や共産党など、発信力をもったリベラルと強く連携し、具体的な政権構想を打ち出すべきだろう。

 たとえば、枝野総理、小池晃官房長官、山本太郎財務相という布陣のシャドーキャビネットを立てたっていい。
これはギャグで言っているわけではない。
共産党らしからぬ柔軟性と高い説明能力をもった小池を官房長官に、
マクロ経済を懸命に勉強して国民への再分配の方法を模索している山本を財務相に立ててリベラルな政策を打ち出していけば、“旧民進党の仲間”といった内輪で固まっているより、はるかに強度と影響力をもてるはずだ。
 それは、国会という枠のなかでのことだけではない。自民党が下野時代にネトウヨを組織化し、たんに自民支持を広げるだけでなく、嫌韓ヘイト、弱者叩き、ミソジニーといった反人権・反民主主義的な価値観を煽っていったが、こうした動きに対抗して、草の根でリベラルな価値そのものを広めていくような戦いが求められる。
民進党時代のように極右勢力の左派叩きに過剰反応して、ネトウヨ的世論に迎合して保守ぶるのではなく、正面からリベラルな価値を訴え、裾野を広げる戦いをすべきなのだ。

海外でも移民排斥やトランプ現象が盛り上がる一方で、サンダースやコービンが高い支持を集めている。
世界的に見れば、これもひとつの大きな潮流なのだ。
 従来、その頭の良さ、能力の高さの割に政治勘がないと言われていた枝野代表だが、今回の選挙を機に、本当に大事なものは何か、もっとも頼りになる味方が誰か、ということを強く認識してほしい。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(4) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月25日

病的な浪費癖の悲惨な末路…

病的な浪費癖の悲惨な末路…
借金ふくらみ仕事も友人も失う、
絶対治る方法?
2016.06.15 Business Journal

文=青柳直弥/清談社

 給料が振り込まれた途端に買い物や飲み食い、ギャンブルなどに無計画にお金を浪費し、給料日から一週間もたたないうちに生活費をすべて使い果たしてしまう……。
あなたのまわりにも、こんな「浪費癖」のある人がいるのではないだろうか。

 なかには、給料だけではなく、クレジットカードのキャッシングや周囲に借金をしてまで浪費を繰り返す人も少なくない。
ここまでいくと、もはや「癖」では済まされないレベルとも思える。
 こうした浪費癖は、いったい何に起因するもので、改善することは可能なのだろうか。
臨床心理士の山名裕子氏に話を聞いた。

見極めが難しい「浪費癖」と「依存症」
 浪費癖とまではいかなくても、お酒が入った時などに後先を考えずに持ち金を使ってしまい、翌日に激しく後悔するというのは、誰でも一度ぐらいは経験があるはずだ。
しかし、こうしたことを何度も繰り返す人は、浪費癖を疑ったほうがいいかもしれない。

「一口に浪費癖といっても、それが単なる『癖』なのか、何かに依存してしまっている『依存症』なのかによって、対処法も変わってきます。
まずは自分が浪費癖なのか、依存症なのか、自分の浪費のレベルがどの程度なのかを把握する必要があります」(山名氏)
 しかし、山名氏によると、「浪費癖」と「依存症」の見極めは非常に難しいという。
 例えば、ブランド物を買い漁ったりパチンコにお金をつぎ込んだりする人がいても、それだけで「買い物依存症」「ギャンブル依存症」であるかどうかは判別できない。
境界線となるのは、日常生活に支障をきたしているかどうかだ。

「例えば、仕事をせずにギャンブルをやったり、嘘をついて借金を重ねたりするなど、もはや自分でコントロールできず、どんどん深刻な状況になっていくのは『依存症』です。
 一方、浪費『癖』は、他人に迷惑をかけることもそれほどなく、生活に支障をきたすギリギリのラインで生活できている。
困った状況ではあるけれど、なんとか生きていけている状態の人を指します」(同)

自信家や完璧主義、
孤独な人は浪費癖に陥りやすい
 山名氏によれば、浪費癖や依存症には、以下のチェック項目に当てはまる傾向を持つ人が多いという。

(1)心の居場所がない人(家庭や職場で、孤立感や孤独感を抱えている)
(2)過去になんらかのトラウマを持つ人(親のDV、家庭不和など)
(3)人付き合いがよく、見栄っ張りな性格の人
(4)上昇志向が強く、自己満足度が低い人
  (「俺はこんなもんじゃない」という思いが強い)
(5)自信家、完璧主義の人
(6)家族や交際相手に金銭的サポートを受けている人
(7)幸せに対する感受性が低く、小さな幸せを見つけることが苦手な人

 このうち、ギャンブル依存症に比較的多いのが、(5)の「自信家、完璧主義の人」だ。 「ギャンブル依存症には、『いつか、自分は勝てる』という根拠のない自信を持つ人が多い。
これまでも逆境をなんとかすり抜けてきたという経験が次第に癖になり、少額では満足できず、どんどん賭け金が吊り上がっていくんです」(同)

 一方、アルコール依存症に多く見られるのは(1)の「心の居場所がない人」だという。
寂しさを埋めるためにお酒に走ってしまう傾向が強いので、アルコール依存症の場合は、心のすき間を埋めるための別の趣味をつくることが大切です」(同)

自己満足度の低さも浪費の原因に
 実をいうと、筆者自身、一人暮らしの部屋に帰りたくないために毎晩のように飲みに行き、浪費を繰り返している「問題のある大人」の一人だ。
 とはいえ、寂しいという自覚はそれほどなかったが、山名氏は「おそらく現状に対する自己満足度が低く、それがお酒に走らせている原因では?」と指摘する。
心の居場所がないだけではなく、自己満足度の低さも、浪費の一因になっているというのである。
「そういうタイプの人は、なるべくお金のかからない趣味、それも家でできるものと外でできるものの両方持つことをおすすめします。
さらに、『サードプレイス』というのですが、自宅や会社・学校以外に、3つ目の自分の居場所を持つことも有効です。
孤立感を埋めるのが目的なので、できればスポーツジムなど、人との関わり合いがある場所のほうが効果的です」(同)

 ジークムント・フロイトやカール・グスタフ・ユングと並ぶ心理学の巨人の一人で、哲学者でもあったアルフレッド・アドラーも「人は、人に貢献することで居場所をつくれる」という言葉を残していたという。
では、浪費癖はどうやって改善させればいいのだろうか。

「『癖』の人の場合は、もう『お金が入ったら使う』という習慣や流れができています。
給料が10万円でも100万円でも、同じように使ってしまう。
使い切るという脳になっているわけです。
専門の認知行動療法では、環境、行動、体、感情、考え方(認知)、この5つはすべて影響し合っているとされていますが、自分を変えたいのであれば、この5つのどれかにアプローチすることが必要でしょう」(同)

周囲が借金を返している間は
絶対に治らない!
 例えば、「行動」にアプローチするなら、どこでお金を多く使っているか、何に無駄に使っているかを知るために、小遣い帳をつけるのも有効な方法だという。

「今なら、家計簿アプリの『マネーフォワード』を使うといいと思います。
銀行口座やクレジットカードとも連携できるので、自分の全財産が一目でわかり、かなりブレーキがかかります。
私自身、これまではわりと後先を考えずに洋服などを買ってしまうほうだったのですが、このアプリを使うようになってから、カードの明細も見るようになり、少しずつお金が貯められるようになりました」(同)
 また、「環境」へのアプローチでは、結婚や引っ越し、転職などでガラッと生活が改善するケースも多いそうだ。

「浪費する人は、『これまで、意外となんとかなってしまった』という人が多い。
ただし、依存症レベルの人は、その人の借金を親などが返してしまっている間は絶対に治りません。
周囲がよかれと思って助けることが、さらなる悪化につながっていきます。
『コントロール障害』といって、自分の意思ではどうにもできないほど厄介なのが依存症です。しかし、浪費癖であれば、絶対に治すことができます」(同)

 浪費癖のある人は、自分や周囲になんらかの言い訳をして変わろうとしない人が多い。
しかし、前述のアドラーは「変われない」という人を指して「変われないのではなく、変わらないという選択を自分でしているだけだ」とも言っている。

 気がついたら仕事も友人も何もかも失っていた……などということにならないために、筆者を含め、身に覚えのある人は自分を変える努力をしたほうがよさそうだ。
(文=青柳直弥/清談社)

ニュースサイトで読む:
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15496.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月26日

「ビフォー・アフター」原則禁止に=美容医療トラブルで広告規制−厚労省方針

「ビフォー・アフター」原則禁止に
=美容医療トラブルで広告規制
−厚労省方針
2017.10.25 時事通信

 「プチ整形」や「脂肪吸引」といった美容医療サービスの誇大広告などをきっかけに消費者トラブルが相次ぐ事態を受け、厚生労働省は25日、医療機関の広告規制を見直し、「ビフォー・アフター」として効果をうたった術前術後の写真掲載を原則禁止する方針を固めた。

学会などが掲載する写真は、消費者への誘引性がないとして規制の対象外とする。
省令に新たな広告禁止事項として定め、来年6月までに適用したい考え。

  医療法は虚偽・誇大広告を禁じているが、術前術後の写真は加工や修正が施されていても、立証や見分けが難しい。
写真を見て美容外科を受診し、トラブルになるケースが後を絶たないため、内閣府の消費者委員会が広告規制の見直しを求め、厚労省が有識者検討会で議論してきた。 

  この日の検討会では一部の委員から、必要な情報が患者に届かない恐れがあり、規制は現行通り虚偽・誇大広告に限るべきだとの意見も出た。

  しかし消費者団体の委員は「ホームページのビフォー・アフターの写真がトラブルのきっかけになっている」と指摘。
他の委員からも「患者への十分な説明と同意を省き、写真に飛びつく人を待ち構える医療機関の規制が目的で、適切な情報を提供することに何ら影響はない」との声が相次ぎ、広く規制すべきだとの意見が大勢を占めた。(了)
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"安倍圧勝"が示す日本人の憂慮すべき「矛盾」

"安倍圧勝"が示す
日本人の憂慮すべき「矛盾」
安倍首相は奇妙な立場に身を置くことになる
2017年10月24日 東洋経済

ダニエル・スナイダー
: スタンフォード大学教授

安倍晋三首相は、再び批評家たちの予想を退け、戦後の政治家の中で最も優秀な1人であることを証明した。
支持率を揺るがすスキャンダル、そして政権与党である自由民主党の内部からの長期にわたるリーダーシップへの批判に直面し、安倍首相は先制攻撃を選んだ。
相手の攻撃態勢が本格化する前に、解散総選挙に打って出ること、そして北朝鮮をめぐる切迫した危機感を利用することで、国全体および与党内において、彼は見事に自分の権力を再構築したのである。

日本の有権者の意識には
    矛盾がある
そうなった今注目すべきは、この新たな権力を安倍首相がどう使おうとしているかだろう。
途方もない野望にも見える、憲法改正という生涯の目標に利用するのだろうか。
それとも、戦時期に端を発するもう1つの歴史的アジェンダにけりをつけ、ロシアと平和条約を締結するのだろうか。

まもなく来日する、アメリカのドナルド・トランプ大統領が引き起こすきりのない混乱に、どう対処し続けていくつもりなのだろうか。
そして、実際のところ、北朝鮮で何が起こるのだろうか。
何よりも重要な問いは、国民に約束した経済成長戦略を成功させられるのか、ということだ。

「政策という面では、総選挙の効果は限定的だろう」と、テネオ・インテリジェンスの日本専門アナリストである、トビアス・ハリス氏は予測する。
「連立政権の勝利は安定と持続をもたらしただけだ」と、彼は開票結果直後に書いた。
そうであれば、補正予算から一般予算、そして日本銀行の独立性をめぐる重要な決定といった、対内政策にまず着手することになるのだろう。
優先順位において、憲法改正は後ろに追いやられる可能性が高いと、ハリス氏は考えている。

もっとも、安倍首相は外交安全保障政策を、自分の功績の中心に据えるような首相だから、上記の問題は彼の意識の最前方にあるに違いない。
しかし、これらを深く掘り下げる前に、今回の選挙で何が起こったのかを理解することが重要である。
出口調査で再び明らかになったことだが、日本の有権者の意識には矛盾がある。
自公連立政権の存続は支持したが、政策はおろか安倍首相という人物さえも支持していない。
憲法改正、税制、そして想像の域を出ない北朝鮮の脅威に対する対応という点では、国民の過半数が安倍首相の政策に反対、あるいは全面的には賛成していない。

むしろ、安倍首相は25年以上前に制定され自民党を下野させた選挙制度を、ものの見事に逆手に取ったといえる。
1人区を設けた目的は2大政党制度の実現を促すことで、これは有権者がどちらかの政党を選ぶという、米国式の政治形態だ。
2009年の選挙では、民主党(当時)が中道左派の受け皿となったことでこの制度が機能し、根こそぎ票をさらった。
しかし、民主党執行部の崩壊で野党が分裂し、この選挙制度はいまや皮肉にも、自民党候補者に利をもたらすものになっている。
得票数が過半数に届かなくても、ほとんどの1人区で苦もなく勝つことができるのである。

国民から
支持を得ているわけではない
民進党の無力さを穴埋めし、自民党に代わる本格的な中道政党の選択肢を確立するために動いた、小池百合子東京都知事に、安倍首相は多少の恐怖を感じた。
が、解散総選挙に持ち込むことで、安倍首相は小池都知事を油断させた。
そして、選挙運動で、小池都知事自身の傲慢さと、国政を担う政党としての未熟さが露呈した。

皮肉にも、小池都知事の新政党立ち上げは、身動きが取れなくなった民進党を分裂させ、よりまとまりのある政党に生まれ変わらせた。
しかしそれは、憲法改正反対で結集するには効果的かもしれないが、かつての社会党のように、単独で政権を握ることができない政党である。

今回の選挙結果で安倍首相は、「奇妙」ともいえる立場に身を置くことになる。
絶大な権力が手中にある一方、自分の意に沿ってそれを行使するのに必要な、国民の支持がないのである。
外交安全保障政策、特に日本の唯一の同盟国である米国との関係性についていえば、同じようなジレンマが存在している。
安倍首相は、米国との、ほかの国との間にはない、親密な関係に満足している。
安倍首相の上級顧問たちは、トランプ大統領の影響力を利用するよう進言さえしている。
しかし、2人の良好な関係は、トランプ大統領の政策に安倍首相が、意識的に反論しないことが前提である。
いざ反論する否や、2人の関係は冷めるだろう。

日本の政府関係者におけるトランプ観は、さまざまな会話の中で筆者の耳にも入っているとおり、極めて実利的だ。
トランプ大統領が民主主義を脅かしていることについて、道義的な反応はまったくない。
むしろ、安倍首相の顧問の1人が筆者に述べたように、東京では基本的に2つの結論が出ている。

1つは、トランプの外交安全保障政策は、その内容においても政権内で専門的な知識が欠如していることにおいても、めちゃくちゃだということ。
このような体制を率いるトランプ大統領は、日本を含め、他国の主権をまったく尊重していない。
しかしながら、われわれはトランプとうまくやっていかなければならない、それ以外の選択肢はないのだから、と彼は言葉を継いだ。

トランプ大統領が短期滞在で来日する11月5日に、このような日米の関係性が明るみに出るだろう。
ゴルフに始まりプライベートな夕食会、天皇謁見(えっけん)、自衛隊と米軍施設の訪問に至るまで、その目的は良好な関係を視覚的に立証するためだけではなく、貿易のように神経を逆なでする問題を避けるためでもある。
両国の役人は、訪問の成功を確実なものにしようと超過勤務で働いているのだから、うまくいかないと考える理由はないだろう。

日本の官僚たちが憂慮していること
穏やかな水面下には、北朝鮮という氷山が漂っている。
ワシントンで耳にする機会が多くなった戦争の可能性――それが北朝鮮のミサイルに対する防衛的な攻撃であれ、紛争に発展する筋書きであれ――とは対照的に、日本の政務官たちは、軍事オプションは現実的な選択肢には入っていない、と自信満々に言い続けている。

米国が軍事行動に出るという脅しは、1つには中国を動かすため、もう1つはグアムの米軍基地に向かってミサイル実験をするような、挑発的な行動をこれ以上北朝鮮に起こさせないための道具だと、彼らは考えている。
日本のある官僚によれば、彼らが本当に憂慮しているのは、日本を犠牲にしてトランプ大統領が北朝鮮と駆け引きをすることなのである。

彼らが描く米国の譲歩案らしきものでは、北朝鮮に米国本土に到達する長距離ミサイルの実験と開発をやめることと引き換えに、米国が北朝鮮への制裁を解除し、おそらく自国の軍事演習を縮小することだ。
これは、米国を守る取引であり、自分が仕掛けた圧力という政策が功を奏した結果だと、トランプ大統領は公言できるだろう。
しかし、この内容では、北朝鮮の核による脅迫と威圧に、日本と韓国が今にも増してさらされることになってしまうのである。
とはいえ、日本の官僚の一部は、トランプ大統領が軍事オプションを選択し、日本が北朝鮮の報復対象になる不安はあると認めている。
これが現実になったとしても、そのときに安倍首相がトランプに盾を突く可能性はほぼない
このことを心配する日本人の政策立案担当者もいる。

「日本は自国の責任において、何らかの行動を起こさなければいけない」と、ある元外務政務次官は言う。
もっと自らで行動し、トランプ大統領の政策で日本を破壊させることは許されないと、彼に理解させるべきだ」。
日米安全保障条約の範囲内では、より強力な日本の自主性を模索する動きが出てきている。
日本はTPP11と呼ばれる「環太平洋パートナーシップ協定」に署名した国々が集まる話し合いで、リーダーシップを発揮した。

スパイダーマンは言っている
日本からのネゴシエーターはTPP11で合意に至ることを願っており、それができれば、来月のアジア・パシフィック・サミットで、合意内容を発表できる。
日本は米国がTPPのテーブルに復帰することを願っているが、その一方で、話し合いを引っ張る現在の立場にますます満足している。

安倍首相はまた、長らく延期になっている、日中韓の首脳会談を12月に招集したい意向だ。
これに加え、長期にわたって模索しているロシアとの平和条約を締結し、千島列島の領土問題を解決する道をいまだに探っている。
しかし、条約締結には安倍首相が譲歩して、1956年の「日ソ共同宣言」の内容を受け入れる必要がある。
しかし、安倍首相が憲法改正に力を注ぐときが来れば、日本のリーダーシップ確立に向けた試験的な歩みがすべて無駄になりかねない。
そのときとはつまり、祖父の岸信介に倣って、米国に強要された憲法とその中にある平和条文には、本質的に日本の自治権が欠如しているという議論を、憲法改正によって、少なくとも象徴的に、解決する目的で権力を行使するときである。
自身が望む第9条の内容よりも、はるかに骨抜きの書き換えを提示することを余儀なくされてきた安倍首相だが、この状況にあって、自民党がもともと画策していた全文差し替えという野望に立ち返ることを選ぶかもしれない。
しかし、強硬に憲法改正を推し進めることは、北朝鮮問題の当事国である中国と韓国との間に、新たな緊張を引き起こすことは明らかだ。
また、政治体制は言うまでもなく、日本国民が、長い間手を触れていない、そして、国際秩序における戦後の日本の役割について大きく意見が分かれる可能性がある、この議論を始める心の準備ができているのかどうかは、はなはだ怪しい。

今回の選挙で安倍首相は再び、揺るぎない権力を手に入れた、少なくともこの瞬間は。
しかし、スパイダーマンがこう言っている、「大いなる力には、大いなる責任が伴う」。
posted by 小だぬき at 00:29 | 神奈川 ☔ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月27日

習思想:理念なき「強国」路線を個人崇拝の看板で飾ったもの

筆洗
理念なき「強国」路線を
個人崇拝の看板で飾ったもの
2017年10月26日 東京新聞

 ソ連でスターリンへの個人崇拝が盛んだったころ、人々は彼を称賛するプラカードを手に集会に参加した。
ある老人が書いたのは、こんなひと言。
「同志スターリンに感謝! あなたのおかげで我々の子どものころは、とても幸せでした」

▼それを見た共産党の役員がとがめた。
「おい、あんたが子どものころは、同志スターリンはまだ生まれてもいなかったじゃないか」。老人はにやりと笑い、「まったく、その通りで」

▼個人崇拝を皮肉った古い政治小噺(こばなし)を思い出させるのが、今の中国だ。
五年に一度の中国共産党大会では、毛沢東、〓小平の指導理念と並び、「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」との看板が掲げられた

▼とはいえ、「政権は銃口から生まれる」と革命戦争を闘った毛氏や、「白猫であれ黒猫であれ、ネズミを捕るのが良い猫だ」と改革・開放を進めた〓氏と肩を並べるほどの理念とはいかなるものか、「習思想」とは…と現地からの報道を読んでも、さっぱり分からぬ。
要するに、理念なき「強国」路線を個人崇拝の看板で飾ったものらしい

▼冷戦時代、社会主義国では、皮肉たっぷりの、こんな言葉も生まれた。
<資本主義は腐っている! だが、何といい匂いがするのだろう>

▼「習近平の新時代の社会主義」から漂うのは、どんな匂いか。個人崇拝のかび臭さか、「強国」のきな臭さか。
 ※〓は登におおざと
ファシズムの初期症状.jpg
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(4) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月28日

「ギリギリの生活」さえ許されない生活保護引き下げの悪夢

「ギリギリの生活」
さえ許されない
生活保護引き下げの悪夢
2017.10.27 ダイヤモンド・オンライン

みわよしこ
フリーランス・ライター 

憲法改正と比べて
あまりにもたやすい
生活保護制度の「改悪」
 2017年10月22日の衆議院総選挙は、自民党・公明党が3分の2を超える多数となった。
世の中の注目は改憲に集中しているが、私が最も気になるのは生活保護制度の今後だ。
 国の最高法規である憲法は、容易に変更されてよいものではない。
このため、変更にあたっては、非常に“面倒“な手続きが定められている。

しかし、生活保護世帯それぞれに給付される金額である生活保護基準は、厚労大臣が決定する。運用や施行のあり方は、厚労省の通知・通達・規則類で定められる。
憲法に比べると、あっけないほど簡単に変更できてしまうのだ。
 2013年以後、止まることを知らない勢いで進む生活保護基準の引き下げは、生存権を定めた日本国憲法第25条の「実質改憲」「解釈改憲」なのかもしれない。

それでは今、生活保護基準と生活保護制度に、何が起ころうとしているのだろうか。
 今回は、社保審・生活保護基準部会と同・生活困窮者自立支援及び生活保護部会の多岐にわたるトピックの中から、特に重大と思われるものを独断と偏見で厳選して紹介する。

 内容は以下の3点だ。
(1)「健康で文化的な最低限度」の生育や教育とは?
(2)一般低所得層の消費実態は、どのように参照されようとしているのか。
(3)医療扶助「適正化」のために医療費自費負担を導入してよいのか。

 その前に、2013年以後の生活保護費の削減を振り返っておきたい。
 2013年以降の生活保護基準削減は、私には「複数の子どもがいる生活保護世帯を狙い撃ちした」かのように見えてならない。
下のグラフは、2013年1月に厚労省が公開した資料「生活保護制度の見直しについて」の5ページの表から作成した、
都市部での生活保護費の生活費分の引き下げ幅を、世帯構成別に高いものから低いものへと並べたものだ。

◆2013年〜2015年 
生活扶助引き下げ率(都市部・%)  左側、つまり引き下げ率が高かった側には、子どものいる夫妻・母子世帯・比較的若い単身者が並ぶ。
私は当時から、この人々に対する「費用が足りなくなっても、働けばなんとかなるでしょう?(働けないとすれば、あなたの努力不足)」というメッセージを感じとってしまっている。

 なおこの他、2人以上の世帯に対しては家賃補助(住宅扶助)の引き下げ幅が大きい。
さらに、世帯の人数が多いほど引き下げ率が高まる形での「見直し」多数も行われている。

「働けるはず」の人々を狙い撃ち
2013年以後の生活保護基準削減
 子育て中の親は、年齢で言えば「働ける」とされる20〜65歳であることが多い。
とはいえ、子どものいる生活保護世帯の親は、「心身とも健康で、“雇われ力”が高く、求職活動に励めばすぐ就労できる」とは限らない。
生活保護費が削減されてどうにもならなくなったら、「だから働く」という成り行きにはならず、働けないまま厳しい生活の中で活力を失うことになりがちだ。
子どものいる世帯では、「お金が足りない」ことの影響が直ちに子どもに影響するだろう。

 長年にわたって東京都内の生活保護の現場で働いてきた社会福祉士の田川英信さんは、2013年以後の引き下げの影響を現場で見ていた。
「生活保護の職場にいて、引き下げの影響が多大過ぎることを痛感していました。
生活保護利用者は、家電製品が壊れたり、冠婚葬祭などで思わぬ出費があった際に、余力がないから困り果てる方が多くいます。
また交際費が工面できず社会的に孤立している方も多いです。
かつかつの生活で、ただ死なないだけ、楽しみがない』ともよく言われました」と語る。

「それなのに」なのか、あるいは「それだから」なのかはわからないが、生活保護基準部会で現在進んでいるのは、「子どもの健全育成に必要な費用は?」という検討だ。
 私が最も気になる動きは、「『健康で文化的な最低限度』の生育や教育とは?」に関する検討だ。
 生活保護基準の計算は、1984年に現在と同じ「水準均衡方式」が導入されて以来、最初に標準3人世帯(30代・20代の両親+4歳の子ども)の「最低限度」の生活費を計算するところから始まる。
このとき、一般低所得層の「消費実態」が「参照」される。
一般低所得層とされてきたのは、所得の低い方から世帯数で10%まで。
財務省は、この「10%」をさらに低所得側の「2%」などに変更することを厚労省に要請しつづけてきたが、厚労省は抵抗してきた。

 生活保護基準以下の所得で暮らす世帯の「消費実態」を「参照」するという、冷静に考えてみると意味を理解するのに苦労する方式には、当時の生活保護関連審議会の委員たちの精一杯の抵抗が含まれている。
「今よりも高くしてほしいと言える状況ではないけれども、せめて下げさせないように」ということだ。
 この「10%」は、大ざっぱに言うと「ギリギリだけど社会生活を営める」ラインとして設定された。
下着や食物など、他人から見えない何かを節約することで、「おつきあい」が辛うじて維持できるということだ。
さらに所得が減っていくと、とりあえずの生命維持、「まだ死んでいない」という状態を維持するために、他のあらゆるものが犠牲になる。

 今年度以来、生活保護基準部会で厚労省が進めているのは、「一般世帯との均衡だけではなく、子どもの貧困対策の観点から生活保護制度において保障すべき子どもの健全育成にかかる費用の範囲及び水準」を、生活費を含めて検証することだ(下線は筆者による。資料2ページ)。  現在までに、「子どもの健全育成にかかる費用」に加え、親が2人の場合と1人の場合で必要な費用に差はあるのかどうかという検討も行われている(資料1ページ)。

 子どもの貧困対策の観点から見れば、子どもの育つ家庭の貧困を解消することほど確実な対策はない。
子どもの学力と家庭の経済状況には密接な関係がある。
最も貧しい層の最も勉強する子どもは、最も豊かな層の最も勉強しない子どもより学力が劣ることは、2013年にお茶の水女子大学の研究が明らかにした。
 役所文書を読み慣れすぎている私には、どうしても「生活保護制度において保障すべき子どもの健全育成」の意味は「貧困状態にある家庭は貧困のままにしておいてよい」、「子どもの貧困対策」の意味は「生活保護世帯の子どもが、成人後に生活保護世帯をつくることを避ける」と解釈するのが最も自然に見える。

生活保護世帯の
子どもの生育と教育は
「この程度でよい」のか?
 正直なところ、私は資料を読んだだけで目眩を覚える。
傍聴すれば、基準部会の委員たちが厚労省の示した政府方針に強く抵抗する姿を時間いっぱい見聞した後、厚労省を出た途端に涙が止まらなくなる。
また出張が多く東京に不在のことも多いため、本年7月以後は傍聴していない。

 しかし、厚労省の作成した資料を見る限り、「健康で文化的な最低限度」の生育と教育のラインを設定するという“こだわり”は現在も維持されている。
所得階層が10%刻みではなく20%刻みになっており、
「生活保護世帯と、主に生活保護以下の所得階層を比較する」という検討がされていないのは、せめてもの救いだ。
これは、基準部会の委員たちが、おそらくはその比較をさせない目的で、所得階層を細かく分割することに抵抗した結果だ。

 傍聴した方々の話によると、基準部会の委員ほぼ全員が、
「生活保護世帯の子どもの生育と教育はこの程度でよい」という考え方に強い抵抗を示し、所得が下がるごとに子どもが「剥奪」されるものが何なのかを検討すべき、という意見もあるようだ。
政権が「引き下げる」と決めれば、台風の中で舞い散ってしまう木の葉のような抵抗ではあるが、最後まで希望を捨てずに成り行きを見守りたい。

一般低所得層の消費実態が
「物価偽装」されている危惧
2点目の危惧は、「一般低所得層の消費実態は、どのように参照されようとしているのか」である。
 2013年1月、突如として厚労省独自の物価指数「生活扶助相当CPI」が提示され、物価下落を最大の理由として、大幅な生活保護費用の生活費分(生活扶助)引き下げが実施された。
中日新聞編集委員の白井康彦氏は、「生活扶助相当CPI」が引き下げを導くためにつくり出されたものであることを直後に見抜き、著書において「物価偽装」と述べている。

生活保護基準引き下げに抗議する「いのちのとりで裁判」では、今、全国各地の地方裁判所において、この「物価偽装」が争われているところだ。
 本年は、2012年に予定されていた生活保護基準見直し(実際には2013年)の、予定されていた5年後の見直しにあたる。
厚労省は、全国消費実態調査の2009年・2014年データを比較することで見直しを行おうとしている。
しかし、傍聴した方々によれば、委員たちは厚労省に対し、
「なぜ高齢女性世帯が多い全国消費実態調査を使うのか」
年間3ヵ月だけの全国消費実態調査より、通年の家計調査のほうが信頼度が高いのに
「サンプルサイズが小さすぎる」
「男女格差の影響は」と鋭い質問の数々を発したという。

 現在、「いのちのとりで裁判」を事務局員として支える田川英信氏は、「厚労省は、過去にも、生活保護基準部会などの委員会が出した報告書を尊重せず、”良いとこ取り”で重大な決定を下してきました。

委員の多くは、厚労省に不信感を抱いています。
また委員の中からは『消費水準の比較では無理。生存権保障としてふさわしい保護基準を厚労省が示すべき』という意見も出ています」と語る。
私も、ぜひそうしてほしい。
生存権が保障されたとき、どういう生活ができるのか。
「生活保護だから無理」「生活保護ならこの程度」はどこまで許されるのか。
厚労省の責任で示してほしい。

 私から見れば、生活保護基準は現在すでに「低すぎる」といってよいレベルだ。
これ以上下げるのであれば、時間をかけて「ツッコミどころ」のない検討をしてほしい。
この他、「高齢単身世帯」を新たに生活保護費計算の基準に含めることにより、高齢でない単身世帯に対して大きな引き下げが行われる可能性など、懸念の種は数え切れない。

医療費自費負担への懸念
受給者と医療をめぐる偏見
 最後に、懸念の3点目である「医療扶助『適正化』のために医療費自費負担を導入してよいのか」について述べたい。
この検討は、生活保護基準部会ではなく、生活保護法の再改正を前提に設置された社保審・生活困窮者自立支援及び生活保護部会で行われている。

 生活保護費総額のおおむね半分は、医療費で占められている。
この背景には、精神科長期入院(生活保護費全体の約12%)もあれば、がんや難病などに罹患している医療ニーズの高い人々が多いこともある。
また、「貧困ビジネス」化している一部医療機関の問題もある。

 しかし、「医療費の自己負担がないからといって、不要な医療を欲しがる生活保護受給者」という都市伝説は根強い。
この都市伝説を背景に、「窓口での自己負担を導入すれば、生活保護受給者が不要な医療を求めることはなくなるのでは」という検討が行われている。
 しかしもともと、「無料だから」と安易に医療機関を利用する生活保護の人々(頻回受信者)は多かったわけではない。
さらに対策が行われた結果、現在は過去の半分以下になっている。

このことは、他ならぬ同部会の厚労省資料の4ページに、
「未だにやめられない人は、精神面の疾患・障害を抱えていたり、社会的な居場所がなかったりする場合も」
「生活保護世帯の子どもの受診率は一般世帯より低い」という事実とともに示されている。
「無料だからといって安易に医療を使う生活保護の人々」が都市伝説であることは、厚労省も認めているのだ。
 この自己負担は、いったん立て替えるだけで、手続きをすれば後で戻ってくる形にすることが検討されているのだが、生活保護で暮らす人々は、そのような作業を問題なく行えるとは限らない。
むしろ、事務作業・証票の取り扱い・文字の読み書きなどに困難を抱えていることが珍しくない。
立て替え分の返戻の手続きが問題なく行えるとしても、一時的に「健康で文化的な最低限度」の保護費からの持ち出しが行われることになる。
 もしもこれが制度化されたら、医療を受ければ「健康で文化的な最低限度の生活」が損なわれることを、国が堂々と認めて制度化するということになる。
もはや生活保護制度による憲法の無効化、「壊憲」ではないだろうか。

 生活保護という希望の制度に、今後も希望を持ち続けたいけれど、明るい材料は何ひとつ見つからない。
しかし本年2017年は、小田原市で開催された「生活保護行政のあり方検討会」に、生活保護で暮らした経験を持つ和久井みちる氏が有識者委員として参加するという、史上初の快挙があった記念すべき年でもある。
生活保護という経験を評価されて公的機関の有識者委員になった人は、過去にいなかったのだ。

2013年以後に行われた、過去最大規模の生活保護基準引き下げで当事者の生活がどうなっているのかを知るために、まず当事者の声を聞き、困窮実態を理解し、それから決定してほしいです」(田川氏)
 現在約220万人の生活保護受給者たち、人数でいえば最大のステークホルダーを置き去りにして、生活保護に関する物事が決められたり進められたりしてよい理由はない。
とりあえず私は、障害者運動の世界統一スローガン「Nothing with us without us(私たちのことを私たち抜きに決めるな)」を心の中に煮えたぎらせながら、成り行きに関心を寄せ続け、泣きながらでも関連部会の傍聴を再開しようと思う。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月29日

安倍首相、国会も選挙結果も無視の暴挙

安倍首相、
独裁の本性がさっそく全開!
国会を開かず議論からトンズラ、
全世代の社会保障をカットする公約破り
2017.10.27 LITERA編集部

 予想通り、選挙に勝った安倍首相がさっそく暴走をはじめた。
特別国会が11月1日に召集されるが、野党から要望が出ていた臨時国会には応じず、特別国会では所信表明演説もおこなわないというのだ。
このままでは、実に半年以上も国会議論がなされないことになってしまう。

 安倍政権は安保法制を強行採決させた2015年にも、憲法53条に基づいて野党から要求されていた臨時国会召集を無視。
臨時国会が開催されなかったのはこのときが2005年以来だったが、05年は特別国会が約1カ月おこなわれている。
それが今回、安倍首相は臨時国会を召集しないばかりか、実質、数日間の特別国会では所信表明も代表質問も拒否しようというのだから、国会軽視の横暴そのものだ。
 だいたい、安倍首相は解散することを発表した記者会見で、森友・加計学園問題について「国民のみなさまに対してご説明もしながら選挙を行う」と言っていた。
それが街頭演説ではものの見事にスルーし、挙げ句、党首討論では「国会で説明する」と言い出した。
そして、今度は「臨時国会は開かない」……。
どこまでも森友・加計学園問題の追及から逃げおおせようと必死だが、これは国民への背信である。

 しかし、安倍首相が選挙中と選挙後で手のひらを返したのは、これだけではない。
選挙戦で訴えていたことを、投開票から1週間も経たないうちに安倍首相はどんどん反故にしようとしているからだ。

 その最たるものが、社会保障の問題だ。
25日に開かれた財務省の財政制度等審議会で飛び出したのは、社会保障費をカットする見直し案。
たとえば、75歳以上の患者の自己負担の割合を現在の1割から2割へと段階的に引き上げるという案や、介護報酬および診療報酬の引き下げ、所得が高い世帯への児童手当支給廃止などが提案されたのだ。
 一体どういうことだ。安倍首相は今回の選挙で
「子育て、介護。
現役世代が直面するこの2つの大きな不安の解消に大胆に政策資源を投入する」
「社会保障制度を全世代型へと大きく転換します」と宣言していたが、これでは全世代に身を切らせるものではないか。

憲法改正でも、
立憲民主党との合意にはこだわらず、
数の力で押し切ると宣言
 とくに深刻さを増す介護問題では、安倍首相は「介護人材の処遇改善」「介護職員の賃上げ」を謳っていた。
だが、前回の介護報酬引き下げによって介護事業者の倒産が相次いだように、さらに引き下げれば処遇改善もままならず、人材の確保がより難しくなるのは間違いない。
また、75歳以上への自己負担額増が実施されれば、受診抑制が起こり病気が重症化する危険が懸念される。
命にかかわる重大な問題だ。

 選挙では聞こえがいい話を並び立て、実行しようとするのは国民の生活を顧みない逆をゆく政策……。
安倍首相が社会保障を削減する一方で防衛費を過去最大に注ぎ込んできたことを考えればハナからわかっていたことだが、あまりにも酷い。
 しかし、もっとも今後の安倍政権の強権性を露わにしたのは、やはり憲法改正についてだ。  安倍首相は森友・加計問題と同様、街頭演説において憲法改正にはついにふれなかった。

だが、選挙結果が出た翌日23日の記者会見で、改憲についてこう言及した。
「合意形成の努力は(野党)第1党であろうと、第2、第3、第4党であろうとおこなわなければならない。
しかし、政治なので当然、みなさんすべてに理解いただけるわけではない」
 選挙中の党首討論では「憲法審査会のなかにおいて各党が案をもち寄り、建設的な議論が進んでいくことをぜひ期待したい」と述べていたのに一転、「野党の合意が得られなくてもやる」──。

これは野党第一党であり、違憲の安保法制を追認する憲法9条の改正に反対している立憲民主党を意識した発言であることは明白であり、早くも改正反対派の主張には「耳を貸さない・取り合わない」と宣言したも同然だ。
 同じ会見で「謙虚」という言葉を何度も口にしながら、その言葉とは裏腹に「傲慢」さを全開にした安倍首相。
しかも、今月中に出される見通しだった加計学園の認可について文科省大学設置審議会による結論は台風の影響で来月に延期されたが、国会審議から逃亡する安倍首相は、トランプ大統領の来日および横田早紀江さんとの面会によって加計の話題を消し、支持率を高めることを企てている。
 だが、国民は選挙で安倍首相の政治の私物化を認めたわけではけっしてない。
安倍首相がまやかしを、その都度、俎上に載せていかなくてはならないだろう。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月30日

自殺者の4人に1人が予告している

自殺に関する5つの誤解〜
中高年の<自殺者の4人に1人>が
周囲に「意思」を……
2017.10.28 ヘルスプレス 

 長らく自殺大国と言われてきた日本だが、平成15年をピークに自殺者数は減少傾向にある。
警視庁の統計によれば、平成28年の自殺者数は2万1897人となり、対前年比2128人(約8.9%)減。
平成10年以来、14年連続して3万人を超える状況が続いていたが、昨年は22年ぶりに2万2000人を下回った。
 しかし、諸外国の現状と比べるとまだまだ自殺は多い。
政府の『平成28年度自殺対策白書』によると、世界各国の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)の中で、日本は19.5人でワースト6位だ。
 ちなみにワースト1位はリトアニアの30.8人。
次いで韓国の28.5人、スリナムの24.2人、スロベニアの20.5人、ハンガリーの19.5人となっている。

 政府は今年7月に、国の自殺対策の指針となる新たな「自殺総合対策大綱」を閣議決定。
自殺者は減少傾向にあるものの「非常事態はまだ続いている」と指摘し、自殺死亡率を「今後10年で30%以上減らす」との数値目標を掲げている。

自殺者の多くが
「パートナー」や「家族」に
SOSを出していた  
 たとえ自分自身が一度も「死にたい」と考えたことがなくても、自殺問題は他人事ではない。もし大切な家族や友達が突然命を絶ってしまったら……。
身近な自殺を防ぐために何ができるのか?  
そのヒントとなる新たなデータが、アメリカでの研究で明らかになった。
『American Journal of Preventive Medicine』(10月3日オンライン版)に掲載された論文によると、アメリカの「50歳以上の自殺者の約4人に1人」が、事前に周囲にその意思を打ち明けていたことが分かった。
 この研究は、米テキサス大学オースティン校老年学部長のNamkee Choi氏らが実施したもの。
2005〜2014年に発生した傷害死データを分析した結果、「50歳以上の自殺者の23.4%」が自殺をする前にその意思を周囲に打ち明けていた。
 なかでも「抑うつ」を抱えている人や健康上の問題を抱えている人は、自殺前に予告する確率が高く、それぞれ1.57倍と1.56倍だった。
また、メンタルヘルス関連のケアや薬物またはアルコール乱用の治療を最近受けていた人も、自殺する前に誰かにその意思を打ち明ける確率が高かった。

 さらに高齢になるほど、<自殺を予告>する傾向があることも分かった。
50〜59歳以下の自殺者と比べて、70〜79歳は1.13倍、80歳以上の自殺者は1.28倍、自殺する前にその意思を打ち明ける可能性が高いことが示されている。

そして自殺前に「死にたい」気持ちを打ち明けた相手として最も多かったのは、パートナーやそれ以外の家族だったという。
 Choi氏は「自殺の意思を事前に誰かに打ち明けるということは、自殺を予防するチャンスがあるということだ。
医師や周囲の人は、自殺リスクの高い人を見つけ出し、支援できるようにしておく必要がある」と話す。
 また、抑うつや健康上の問題などがあると事前に打ち明ける確率が高いことがわかったため、「これらの問題に対して必要なサービスを提供することで、自殺を予防できる可能性がある」と指摘する。

「自殺に関する5つの誤解」  
 自殺をする人は事前に周囲の人に「何らかのSOS」を出すケースが少なくないことを、今回の研究は改めて裏付けた結果となった。
そして、メンタルや健康に問題を抱えている人ほど、その確立は高くなる。
 わが国でも自殺動機の約半数を、うつ病をはじめとする健康問題が占めている。
リスクの高い人が発する「SOSのサイン」を周囲が見逃すことなく受け止め、対応していくことが自殺防止の鍵となる。

 そこで「妨げ」となりやすいのは「自殺に関する誤った認識」だ。
日本は自殺が非常に多い国であるにもかかわらず、一般人の間で自殺に対する理解が深まっておらず、ともすれば目を背けることも起きやすい。

 東京都福祉保健局・東京都立中部総合精神保健福祉センターのウェブサイトでは
自殺に関する5つの誤解」として、
以下の「5つの誤り」をあげている。
@「死ぬ・死ぬ」という人は、本当は自殺しない
A自殺の危険度が高い人は死ぬ覚悟が確固としている
B未遂に終わった人は死ぬつもりなどなかった
C自殺について話をすることは危険だ
D自殺は突然起き、予測は不可能である

まずはしっかり向き合って
話ができる環境を整える
 自殺した人の多くは、実際に行動に及ぶ前に何らかのサインを送ったり、自殺する意思をはっきりと言葉に出したりして誰かに伝えている。
 そして自殺リスクの高い人でも「死にたい」「助けて欲しい」という気持ちの間で揺れ動いており、それが自殺行動にも反映される。
そのため自殺未遂に及んだ人は、その後も同じ行動を繰り返し、結局は自殺によって命を落とす確率が高い。
 また自殺を話題にしても、「自殺の考えを植え付けることにはならない」。
救いを求める気持ちに真剣に向き合うことができれば、「自殺について率直に語り合うこと」は、むしろ危険を減らすことになる。
 そして、自殺が突然のように見える場合でも、実は自殺に至るまでには長い苦悩の道程があるのが普通だという。
 このように、自殺をほのめかす人の気持ちを正面から受け止めることができれば、命を守る手立ては残されている。
最終的には治療にまで結びつけることが理想だが、身近な人がそうした「苦しみ」を口にするようになったら、まずはしっかり向き合って話ができる環境を整えたい。
         (文=編集部)
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月31日

若い世代の“自民党支持“、「リベラル」の問題点が背景に?

若い世代の“自民党支持“、
「リベラル」問題点が背景に?
10/30(月) 15:50配信 AbemaTV

 自民党の圧勝に終わった衆院選。
ANNの出口調査では、18歳、19歳の47%、20代では49%が自民党を選択していたことがわかった。
 28日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した自民党の平沢勝栄・衆議院議員は「昔は若い人=革新というのが定説だったが、それが逆転したのは意外だ。
実は選挙権年齢引き下げの議論の中で、自民党の中には選挙で不利になるのではないかという意見もあった。
生活が安定しているということが大きいのだと思う」と話す。

 アイドルの桜雪は「若い人たちは、社会に出て様々な苦労も経験していないので、今のままで良いと思ってしまうのではないか。
また、野党に関しては“ブレーキ“と言うイメージが強い。
技術革新が世界で進む中、日本は中国などにリードされていると感じている。
憲法や法律を今に合ったものに変えるとか、新しい時代に適応することにブレーキをかけてしまうのではないかという感覚があるのでは」とコメント。

国際ジャーナリストの七尾藍佳氏も「新卒の就職率も安定しているので、このままで行ってほしいという気持ちがあるのだろう」と話す。

 また、コラムニストの吉木誉絵氏は「民主党政権時代の就職率の悪さのイメージが残っているのだろうし、やはりこの世代はテレビ見る時間よりもネットを見る時間がの方が長い。
どの媒体を通して政治を見ているか、ということで、自民党への支持率が違ってくるのではないか」と指摘する。

 「自民党を支持している東大生へのアンケートでは、国が好きということに右も左もないのに、好きだと言った瞬間に右と言われたり、外交・安全保障はリアリズムに基づかなければいけないのに、国会で非現実な議論が多いと感じているという回答があった。
リベラルの中でも社会保障の充実や格差是正など、福祉国家擁護論は支持を得ていると思うが、非現実的な護憲主義は支持を失っている。
旧民進党は、それに引っ張られすぎた印象があるので、党内では非主流派と呼ばれた、現実的な改憲論を唱えられてきた渡辺さんたちが希望の党に行き、立憲民主党と分かれたことで有権者にとっては選択しやすくなったと思う」(吉木氏)

 吉木氏の指摘を受け、希望の党の渡辺周氏は「自分の選挙区で、子どもに“どうして安倍政権を倒さないといけないのか聞かれ、答えようがなかった“とあるお母さんに言われたことがある。
就職氷河期を経験している人たちに比べ、子どもたちは“家族の仕事が安定している“ということをなんとなく感じているのだろう。
そこに我々野党が、なぜ政権を変えないといけないかというところまでアプローチできていない」と話した。

 「かつて永田町の外から小池さんや前原さん、枝野さんが参加して『日本新党』が生まれ、永田町の中からは自民党を出た若い人たちが『新党さきがけ』を作って、合流した。
政官業の癒着のような古い保守政党ではない、新しい保守政党を作ろうと国民も熱狂したが、誕生した細川連立政権はなかなかうまくいかなかった。
当時は湾岸戦争もあり、国際貢献をどうしたらいいかというテーマに対しても、自民党・社会党の55年体制ではないところから回答を模索した。
今、改めて非自民・反共産党で、外交・安全保障は観念的平和論ではなく、問題に現実的に対応できる政党つくりを理想として、今も理想として政界に入ってきた」(渡辺氏)。

 また、民進党を離党、無所属から立候補した江田憲司氏は「20代は保守化している、安定志向。戦争から遠く、あまり体験も聞いたことが無い。
そういうことも影響しているのではないか」と述べた上で、「リベラルは日本で誤解されている面がある。
左派とか右派ではなく、寛容や自由を重要視し、多様な価値観や生き方を認めるのがリベラル。
自民党はどちらかといえば伝統的な価値観や生き方を重視する。
そういう対立軸での二大政党制があるべき姿だろうと思う」と指摘した。
(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする