2017年11月27日

教師への暴力:警察対応の秩序か生徒の将来か 苦悩の現場

教師への暴力:
警察対応の秩序か
生徒の将来か 苦悩の現場
2017.11.27 毎日新聞  

学校で生徒が教師に暴力を振るって逮捕される事件が後を絶たない。
福岡市では9月、男子生徒が教室で男性講師に暴行する様子を撮影した動画がインターネット上に流出し、男子生徒が逮捕される事件もあった。

文部科学省は学校内で暴行などの犯罪行為があれば警察と協力して対応するよう指導するが、教育現場は生徒の将来と校内秩序をてんびんにかけて苦悩している。
 福岡市の私立高校では9月、1年の男子生徒が授業中に新任の男性講師から注意されて激高し、講師の背中を数回蹴ったり胸ぐらをつかんだりする暴行を加えた。
その一部始終を同級生が撮影した動画がインターネット上に流出したことで事件が発覚。
高校は被害届を出し、福岡県警が傷害容疑で男子生徒を逮捕する事態となった。

 校長は、記者会見で「暴力が限度を超えていた」として警察に通報したことに理解を求めた。県教委には「学校の対応は当然」「逮捕までするのはやりすぎだ」などと賛否の電話が多数寄せられた。

 10月には福岡県内の中学校で、2年の男子生徒が男性教諭の顔を殴ったとして傷害容疑で逮捕された。
男子生徒は授業を抜け出し、男性教諭が連れ戻そうとした際に暴行した。
校長は「校内で解決するか警察に通報するかは常に葛藤している。
今回はこれまでにも問題行動があったため通報した。
男子生徒が学校に戻れば進路相談を含めてこれまで以上に支えたい」と話す。

 文科省は2007年、全国で校内暴力が相次いでいることを受け、校内暴力などで犯罪行為の疑いがあれば学校だけで抱え込まずに警察の協力を得るよう指導した。
しかし、実際に“警察ざた”になるケースは多くはない。
同省によると16年度に全国の小中高校で発生した対教師暴力は8022件だったが、警察庁の統計では16年に全国の警察が教師への暴力事件として補導、検挙したのは399件にとどまる。

福岡市の中学校で生徒指導を担当する中堅教師は「どの先生もできれば教育の中で生徒を立ち直らせたいと思っているはずだ」と打ち明ける。

教師も生徒と同じ目線で…
「学び合い教育」で信頼築く
 教育現場は問題行動を起こす子供たちとどう向き合っていくべきか。
そのヒントになる取り組みをしている中学校が福岡市にある。

 同市博多区の市立東光中はかつて「市内有数の荒れた学校」だった。
元主(もとぬし)浩一校長(60)が教頭として赴任した7年前は生徒が廊下を自転車で走ったり、校舎のガラスを割ったりするなど手がつけられない状態だった。
教師への暴力事件で生徒が逮捕されたこともあったが、4年前に導入した「学び合い教育」をきっかけに落ち着きを見せ始めたという。

 「学び合い教育」ではすべての授業で教師が生徒に課題を出し、生徒同士が分からないことを教え合う。
教師は自分の考えを押しつけずに生徒たちを見守る。
当初は授業が成立しなかったが、半年ほどすると素行が悪かった生徒も授業に加わりだした。
生徒にクラスへの帰属意識が芽生えて自発的な学習につながり、クラス全体の成績が上がって校内暴力はなくなっていった。

 「かつては力で生徒を抑えつけることも必要だと思っていたが、間違いだった」。
さまざまな背景を持つ生徒と向き合った末に元主校長の考えは変わったという。
抑えつけようとするから生徒は反発する。教師も生徒と同じ目線で一緒に学ぶ仲間という姿勢が、教師と生徒の信頼関係を築く近道だと思う」【柿崎誠】

 教育評論家の尾木直樹
法政大特任教授(臨床教育学)の話
 暴力は絶対に許されないが、指導力不足から教師への暴力につながることがある。
反抗的な生徒に寄り添って気持ちを聴き、場合によっては別の生徒や教師にサポートを求めるなど適切な指導体制が必要だ。
公立校ではベテラン教員が新任教員の授業に同席して指導方法を教える仕組みがあるが、私学では各校に委ねられる。
私学を含めて充実した研修体制が求められている。  

「夜回り先生」として知られる
水谷修・花園大客員教授の話 
暴行の程度が許容の範囲を超えているのなら、法律に従い警察が介入するのは当然だ。
問題行動を学校の中だけで解決しようとして、いじめや体罰がなくならなかった経緯もある。
ただ、暴力をさせないことが教育であり、暴力があれば教育の負けでもあるということを、学校側は重く受け止めなければいけない。
逮捕された生徒がやり直せるよう支援をすることも重要だ。
posted by 小だぬき at 10:56| 神奈川 ☀| Comment(2) | 教育・学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

国民負担は5300億円 安倍政権「増税ラッシュ」のデタラメ

国民負担は5300億円
安倍政権
「増税ラッシュ」のデタラメ
2017年11月21日 日刊ゲンダイ

 一体、いくらむしり取るつもりなのか。
選挙で勝った途端、安倍政権が“消費税以外の”増税メニューを次々と繰り出している。
このままでは国民生活が立ち行かなくなりそうだ。

 ギョッとするのは、これまで聞いたことがない「新税」構想が相次いでいることだ。
その一つが総務省が創設しようとしている「森林環境税」。
森林整備の財源とするため、年間1人あたり数百〜1000円を住民税に上乗せして徴収する案が浮上している。
対象は住民税を納めている約6000万人。
仮に1000円上乗せされたら600億円の増税になる。

 立正大客員教授で税理士の浦野広明氏がこう言う。
「日本人は“環境保全のために使う”などと言われると増税に納得してしまいがちです。
しかし、名目が何であれ森林環境税は住民税増税そのものです。
徴税額が一律となれば、消費税と同じように低所得者にとって重い負担になる税金となります。しかも使途を限定する特定財源は、役所が税収を使い切ろうとするため、ムダなバラマキにつながりやすい側面があります

一方、観光庁は約4000万人の旅行者を対象に1人1000円を徴収する「出国税」(観光税)の創設を打ち出した。
航空チケットなどに上乗せし、19年度にも導入する見通し。観光庁はこれで400億円の税収増を見込んでいる。

 また、財務省は喫煙者を狙い撃ちにする「たばこ増税」を画策。
来年10月から4年間かけて1本あたり3円増税しようとしている。
実現すれば1箱(20本入り)60円の増税となる計算だ。
たばこを毎日1箱吸う喫煙者は年額2万1600円の負担増。
JTによると現在の喫煙人口は2027万人。
増税した分、喫煙者は減るかもしれないが、ザッと4300億円の増税になりそうだ。

森林環境税、出国税と合わせて5300億円もの大増税である。

■年収800万円世帯は
 年5万6800円+a
 トドメはサラリーマン増税だ。
財務省は会社員の給与収入から差し引く給与所得控除を縮小する一方、フリーランスなどの全納税者に適用する基礎控除を引き上げようとしている。
今は38万円の基礎控除額を50万円程度にアップし、給与所得控除を最大220万円から188万円程度に引き下げる案が有力視されている

 前出の浦野氏が財務省案を基に試算したところ、年収800万円のサラリーマンは年5万6800円、年収900万円の人は年6万1700円の増税になるという。
国税庁の「民間給与実態統計調査」によれば、15年度の年収800万〜1000万円未満の給与所得者は216万人いる。
計1200億円の増税だ。

「増税ラッシュは今後ますます加速しそうです。
財務省は“高所得者が優遇されている制度を改正する”という理屈でサラリーマンの給与所得控除を縮小するつもりのようですが、だったら累進課税を強化すればいいだけの話。
給与所得控除縮小に目をつけた財務省は、まず年収800万円世帯の増税で様子を見て、国民から大きな反発がなければ年収600万円、年収500万円……と段階的に引き下げるつもりでしょう。
いずれ控除を全廃し、今は低所得で非課税の世帯からも税徴収しようとするはずです」(浦野広明氏)

 東日本大震災の復興増税でも、バラマキが批判された。
役所が予算を増やして焼け太るための便乗増税を許してはいけない。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする