2018年04月01日

食品、相次ぎ値上げ=非正規は無期雇用転換も−4月から暮らしこう変わる

食品、相次ぎ値上げ
=非正規は無期雇用転換も
−4月から暮らしこう変わる
2018年03月31日 05時22分 時事通信

4月から暮らしに関わる商品の値段や制度、サービスが変わる。
納豆やヨーグルト、ワインなど食品・飲料の値上げが相次ぎ、家計の負担が増す。
また、パート従業員など非正規労働者の有期雇用契約は要件を満たせば無期契約に転換できるなど、生活の安定につながる制度が本格導入される。

 食品・飲料を値上げするのは、原材料費や物流費が高騰しているためだ。
タカノフーズ(茨城県小美玉市)は「おかめ納豆」5品目の出荷価格を1〜2割引き上げる。
明治は「ブルガリアヨーグルト」2品目の容量を減らし価格を下げる。100グラム当たりの価格は上がるため、実質的な値上げだ。
ワインや低価格たばこも高くなる。

 外食も価格改定に踏み切る。
松屋フーズは原材料費や人件費の上昇を理由に、牛丼「牛めし」など一部メニューを10〜50円値上げする。
ビール大手は飲食店で提供する業務用ビールの出荷価格を引き上げる。
これを受け、居酒屋チェーンの養老乃瀧(東京)は「養老乃瀧」店舗の大半で生ビール大ジョッキを22円引き上げ778円にする。

 診療報酬と介護報酬の改定で、全体では診察・入院料や介護サービス料が上がり、利用者の負担が増す一方、薬代は安くなる。
生命保険各社は長寿化を踏まえ、死亡保険の保険料を下げる。

 有期契約が同じ会社で通算5年を超えた場合、定年まで働ける無期契約に転換できる。
給与など待遇が改善されるとは限らないが、将来不安は軽減される。
経済的に厳しい世帯の大学生に返済不要の奨学金を月2万〜4万円支給する制度も本格的に始まる。

 この他、中古住宅の取引拡大に向け、耐震性など一定の要件を満たした中古物件を「安心R住宅」と広告表示できる制度がスタートする。

 4月1日付で三菱東京UFJ銀行の名称が「三菱UFJ銀行」に変わる。
近畿大阪銀行(大阪市)と関西アーバン銀行(同)、みなと銀行(神戸市)の関西3行は経営統合し、昨年11月に設立した「関西みらいフィナンシャルグループ」の完全子会社として始動する。 【時事通信社】
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跋扈する「道徳自警団」が、日本を滅亡させる 他人の不道徳が我慢できない人たち

跋扈する「道徳自警団」が、
        日本を滅亡させる
他人の不道徳が
        我慢できない人たち
2018/03/31 東洋経済オンライン(古谷 経衡)

 ここ5年間ほど、「道徳的か否か」を善悪の判断基準として、相手を徹底的に攻撃する人々の動きが目立つ。
攻撃対象は刑事罰の対象となる犯罪者ではない。
マナーが悪いとか、不倫をした、といった程度の人を犯罪者のように扱い、社会的生命を失うまでバッシングする。

 私は現代日本社会に跋扈するこのような人々を、「道徳自警団」と名づけた。
犯罪ならば警察官が取り締まるが、不道徳行為は犯罪ではないので、取り締まらない。
警察に代わって不道徳者を取り締まるので、道徳自警団だ。

相手が犯罪者でなければ、警察は何もしない。
そこで道徳自警団は、自分たちでテレビ局や政治家の事務所に抗議の電話をしまくって、相手が謝罪したり、辞任したりするまで”合法的に”追い込む。
犯罪者を摘発するのではなく、不道徳者を目の敵にするのが、道徳自警団の特徴だ。

不倫も、飲酒も、公私混同も許せない
 道徳自警団は週刊誌がかぎつけた「不道徳」ネタを、ネット上で拡散し、騒動を大きくする。それをテレビが取り上げて不道徳者を追い詰める。

私が最もショックだったのは、AKB48のメンバーである峯岸みなみ氏が坊主になった事件だ。

2013年1月には、峯岸氏が某男性ダンサーのマンションに泊まっていたことが、週刊誌にすっぱ抜かれた。
だから何なんだといったレベルの話だが、「アイドルとして許されない不道徳な行為」との批判が巻き上がった。
道徳自警団の発生である。

 峯岸氏はYou Tubeに謝罪動画なる動画を投稿。
自分の頭を自ら丸坊主にして「AKB48を辞めたくない、今回のことは私が全て悪かったです」と涙ながらに謝罪した。
第2次世界大戦でパリが解放されたときに、ナチスに協力したフランス人女性が丸坊主にされたことを思い起こさせる、異常な出来事だった。

 若い女性が同世代の男性と恋愛するのは自然なことだが、男性ファンからは「丸刈りにして当然だ」との意見が少なくなかった。
彼らはファンを名乗った道徳自警団である。

 最近では、ミュージシャンの小室哲哉氏が不倫騒動で音楽の世界から引退を余儀なくされたが、引退する必要があったとは思えない。
あの程度で引退しなければならないならば、ミュージシャンは全て引退しなければならないのではないか。
不倫で彼の音楽まで否定されるのはおかしなことだ。

 道徳自警団は重箱の隅をつついて、微罪をあげつらうようなこともする。
あるテレビ局がパラオのプールで、若い女性タレントがカクテルを飲みながら「恋バナ」をする、という番組を企画した。
撮影まで終了したのだが、急遽放送しないことになった。
なぜか? 出演者の中に20歳の女性がいたからだ。
実はパラオの法律では、飲酒は21歳からとされている。
厳密に言えば、この日本人タレントはパラオの法律に違反したことになる。
 もしオンエアしてしまうと、道徳自警団が「パラオの法律に触れている」などとクレームをつけてくる可能性があったので、テレビ局はこの可能性を”忖度”して、放送を取りやめたのだ。

昔ならばこんなことはありえなかったが、現在はささいなことでクレームを恐れる息苦しい時代だ。
 政治家の舛添要一氏は、公費で私物を購入したことが批判されて、東京都知事を辞任した。
公費で購入した「クレヨンしんちゃん」の漫画本など、全巻そろえても3万円程度のものだ。
たしかに公私混同はよくないが、辞任する必要があったのだろうか。

 舛添氏が無駄遣いをしたというのならば、日本政府が年間約7000億円も負担している、在日米軍の駐留経費はどうなるのか。
米軍将兵は沖縄や横須賀で豪華な住宅を無料で使用し、高速道路代が免除され、自動車税が日本ユーザーよりも優遇されている。

 道徳自警団は在日米軍の特権のような、巨大で複雑なものを対象にするのではなく、生活感覚で理解できるわかりやすい微罪を糾弾する。
実は道徳自警団にとって、舛添氏がファーストクラスやスイートルームを頻繁に使用したり、公費で漫画本を買ったりすることなど、どうでもよかった。
この時期、話題に飢えていた道徳自警団は、いろいろな理由をつけて舛添氏を叩くことに、カタルシス(浄化)を感じていただけだ。

教育を受け、そこそこカネもある人たち
 1日は24時間であり、テレビ番組やラジオ番組の放送時間は限られている。
新聞や雑誌の紙幅も限定されている。
ウェブニュースの容量は無限に近いと言えなくもないが、社会問題を正確に指摘できる記事の本数には限界がある。
 こうした限られたリソースの中で、私たちは深刻な社会問題に取り組んでいかなくてはならない。
それなのに、道徳自警団がどうでもいい問題で横やりを入れ、そのたびにネット世論が沸騰する。

 ネット世論の沸騰を見て、ウェブニュースが取り上げ、話題に飢えたテレビがそれを引用することで、この沸騰ネタはネット世界だけのものではなくなる。
まるで解決すべき最優先事項であるかのように認識されるようになる。
そして、国防や震災復興、貧困問題といった、重要なニュースを取りあげる時間がなくなってしまう。
道徳自警団によって、国民は本当に見るべきものを見られなくなっている。
これは大きな社会的損失だ。

 道徳自警団になるのは、日々の生活に困るような人たちではない。
テレビ局に電話して1時間以上もクレームに費やす余裕があるのだから、すごい金持ちではないが、そこそこおカネを持っているミドルクラスの人たちだ。

また、どの会社がどの製品を作っているのか、誰が何を書いたかなどを知っているので、ある程度の教育は受けている。
政治学者の丸山眞男氏が「日本型ファシズム」の担い手と指摘した、”亜インテリ”な人たちだ。

具体的には零細自営業者、教員、工場監督者などで、ネット右翼と多少かぶっている。
 こうした人たちは好景気で、毎年生活水準が上昇する時代には、不道徳ネタに興味を示さない。
景気がよければ「週末はどこへ行こうか」「今度何を買おうか」などと考えて過ごす。
しかし、景気低迷が続いて収入が増えず、時間をもてあます中で、不道徳叩きを始めるのだ。  

不況や停滞期に人間の関心は、不道徳に向かいやすい。
中世において経済成長はほとんどゼロだった。
技術革新がなかったので、生産性が向上しなかった。
人々は迷信を恐れ、西欧では根拠なき魔女狩りが発生した。
現世の人間の不道徳によって、疫病や不作といった、「神の罰」が下されると考えた。

 現在の日本は、経済停滞が20年以上も続き、ゼロ成長が延々と続く「平成という中世」と言える。
経済が拡大せず、自分の収入が増えず、将来の展望が見えないとなれば、人々の関心は中世と同様、不道徳に向かう。
景気低迷が道徳自警団を発生させたのだ。

 だから道徳自警団というやっかいな人々は、経済成長によって自然消滅する。
経済成長している社会では、個人はみずからの所得を拡大させることを最優先し、いかにして高価な耐久消費財や不動産を購入するか、知恵を絞る。
簡潔に言えば、カネさえ増えれば他人の不道徳などどうでもよくなる、というのが人間の本性だ。

貧乏でも幸せ、は間違っている
 あまりにも長く経済停滞が続いたため、資本主義は終わったとか、貧乏でも幸せだといった、デフレを肯定する言説が蔓延している。
しかし、こんなことを言う人に限って、経済的な成功者であったりする。
こういった連中の無思慮な言説に騙されてはいけない。

貧乏でも幸せ、というのは間違っている。
カネがなくて不幸だから、あるいはデフレが進行する中でカネが増えないという窒息感があるから、他人の不道徳や微罪が我慢できず、怨嗟が増幅するのだ。

 仮に年収が400万円であっても、経済が3%成長し、年収がそれにリンクするとすれば、翌年に412万円、翌々年には424万円に上昇する。
こうした社会では未来への希望が生まれ、それを実現するために行動するから、他人の不道徳など気にならない。
「一定のカネがあれば、たいていのことは解決する」という、資本主義社会の前提に立ち返れば、道徳自警団は自然と駆逐されるだろう。
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日本人に多いという「もやもや病」 いったいどういう病気?

日本人に多いという
「もやもや病」
いったいどういう病気?
2018/03/27 Mocosuku

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ

シンガーソングライターの徳永英明さんは、2001年に「もやもや病」を発症したといいます。 翌年症状が落ち着いて歌手活動に復帰しましたが、2016年、もやもや病による脳梗塞発症予防のため手術をしました。
徳永さんのもやもや病との闘いは、この病気が一般の人に知られるきっかけとなりました。

もやもや病は、脳に血液を送る血管が徐々に詰まり、脳の血液不足や出血を起こす難病。
日本で最初に見つかった疾患です。
今回はこの「もやもや病」について、解説したいと思います。

もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)とは
脳に血液を送っている血管で「内頚動脈(ないけいどうみゃく)」という太い2本の動脈があります。
内頚動脈は、心臓から出た大動脈から枝分かれし、首から頭へ上がってすぐに二股に分かれます。
左右の内頚動脈は、それぞれ左右の大脳半球へと走って酸素や栄養を送っています。
この内頚動脈の終末部にあたる二股に分かれる部分に狭窄(すぼまって狭くなる)や閉塞が起こるのが「もやもや病」です。

それとともに「側副血行路(そくふくけっこうろ)」という、大脳半球に血液を届けようと異常な血管が網の目のように形成されます。
側副血行路は「もやもや血管」とも呼ばれていますが、本来の太さ以上に拡張して多量の血液を送るので切れやすく、頭蓋骨のなかで出血を起こすこともあります。

もやもや病は血管が細くなると道路のロータリーのような血管の環状交差点ができます。
これを「ウィリス動脈輪」というため、もやもや病は別名「ウィリス動脈輪閉塞症」とも呼ばれます。

日本に多い「もやもや病」
もやもや病は、1957年に東京大学の研究グループによって初めて報告されました。
その後、1960年代終わりに東北大学の研究グループによって「もやもや病」と命名されました。
当時の解像度の低い脳血管造影写真では、側副血行路(もやもや血管)がタバコの煙のように「もやもや」と見えたことから名づけられたといわれています。
現在では世界的に通用する正式名称となっており、英語では「Moyamoya disease(モヤモヤ・ディジーズ)」と表記します。

「もやもや病は、前述のとおり脳の血管が徐々に詰まってしまう病気ですが、加齢による動脈硬化の進行で脳が詰まるのとは違い、子どもや若い世代にも発症します。

現在、最も多く診断されているのは日本で、国内には16,000人ほど患者さんがいます。
韓国や台湾など東アジアや黄色人種に多い病気とされています(人口の多い中国では正確な統計がありません)

発症年齢は5歳ころと30〜40歳ころの二回山があり、男女比は1:1.8で女性に多いという傾向がわかっています。

もやもや病の症状
もやもや病によって、内頚動脈や大脳半球の後半部に血液を送る「後大脳動脈(こうだいのうどうみゃく)」が狭くなる患者さんもいます。
こうして脳血管が詰まることで脳に血液不足が起こり、手足のまひや言語障害などを起こすのが「虚血型もやもや病」です。

また、側副血行路に長年負担がかかり続けて血管が切れ、脳出血を起こすタイプが「出血型もやもや病」です。
虚血型は小児に多く、出血型は成人の半数を占めています。

脳虚血 内頚動脈が細くなることで「もやもや血管」が発達しますが、それでも大脳は血液不足状態に陥ります。
そうすると「一過性脳虚血発作」や「脳梗塞」が起こります。

一過性脳虚血性発作は、手足が動かしにくい、手足や顔面がしびれる、うまくコトバが出ないなどの症状が突然起こり、数分から数時間で回復する症状です。
小児では過呼吸からこの発作が起こりやすいといわれています。

また、ラーメンやうどんなどを「フーフー」と吹き冷ましながら食べる、リコーダーやハーモニカを吹く、などの動作が引き金になったり、歌ったり大声を出したりすると発作が起こることもあります。
一過性で自然に治まりますが、脳梗塞の前兆発作という面も指摘されていますから要注意です。

脳梗塞
血液が不足して脳の一部が死んでしまうのが「脳梗塞」です。
起こった場所によって「手足の運動障害」「言語障害」といった症状が後遺症として残ります。

そして、もやもや病で起こる脳梗塞のきっかけは、側副血行路にかかる負担によって発症する「脳出血」です。
しかも、いったん出血すると何度も繰り返すようになることも指摘されています。

その他の症状
もやもや病の患者さんには頭痛を訴える人が多く、拍動性の痛みや吐き気をともなう場合もあります。
また、頻度は高くないのですが「ひきつけ(けいれん)」発作で検査を受けてもやもや病と診断されるケースもあります。

国立循環器病研究センター病院には、2012年から「もやもや病専門外来」が開設されました。

ほんの10年前までは原因がまったく不明の病気でしたが、日本がリードして研究を進め原因や検査、治療法などが解明されてきている疾患といえるでしょう。

【参考】
・国立循環器病研究センター病院『もやもや病専門外来』(http://www.ncvc.go.jp/hospital/section/moyamoya/)
・京都大学『もやもや病感受性遺伝子の特定とその機能についての発見』http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2011/110721_1.htm

<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ) 保健師・看護師。
株式会社 とらうべ 社員。
産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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