2018年06月22日

その共通項は卑劣と破廉恥 安倍晋三と薄っぺらな仲間たち

その共通項は卑劣と破廉恥
安倍晋三と薄っぺらな仲間たち
2018年6月21日 日刊ゲンダイ
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 類は友を呼び、同じ釜の飯を食らうわけである。
 国家戦略特区を利用した加計学園の獣医学部新設を巡る疑惑が国会で審議されるようになって1年余り。

国家戦略特区諮問会議の議長を務める安倍首相と加計孝太郎理事長が2015年2月25日に面会した疑惑が、愛媛県文書の記述によって浮上してから1カ月。
野党や世論が求める説明を拒んできた加計理事長がようやく開いた会見は、釈然としない内容だった。
むしろ、疑惑は深まったと言っていい。

一方で妙に合点がいったのが、あまりに似通った2人の性質だ。
なるほど、2人は“腹心の友”になれるわけである。
 加計理事長は疑惑の面会について「記憶にも記録にもない」と全否定し、愛媛県への“虚偽報告”は「(渡辺良人)事務局長が勝手にやった」と部下に責任転嫁。
モリカケ疑惑から逃げ回る安倍政権のやり口にソックリで、記者の質問を遮る不遜な態度なんかはうりふたつだった。

「嘘を嘘で塗り固めた上に、さらに嘘の上塗りをしたものにほかなりません」
「何が嘘で何が本当だったか、ご本人も分からなくなってしまったのではないでしょうか」
 こう批判したのは、「総理のご意向で行政が歪められた」と告発し、人格攻撃にさらされた前川喜平前文科次官だ。

 代理人弁護士を通じたコメントでは、こうも指摘していた。
「一連の愛媛文書によって、2015年2月25日の面談及びその後の会食の際に、安倍総理と加計理事長が獣医学部新設について話し合っていたことは、決定的に明らかにされており、そうした事実を覆す反証は、何ら示されていません」

■汚いやり方で疑惑に幕引き
 その通りだ。
しかも、汚いやり方だった。
会見を開いたのは岡山市内の加計学園本部。
スタートは19日午前11時。
参加を許可したのは地元の記者クラブ加盟社のみで、通知は開始2時間前。
加計問題を追及する在京記者はどうあがいても間に合わない条件だった。

 そして、死者5人、負傷者400人を超える大阪北部地震の発生翌日。
世間の関心が高いサッカーW杯日本戦を控えていた。
大手マスコミはこの2大ニュースに時間も人手も枠も取られ、扱いが相対的に小さくなるのは必然だった。  

絶妙な設定で気が大きくなったのか、国会招致要請への対応を聞かれた加計理事長は「お待ちしています」と発言。
余計なひと言で挑発するのも安倍を彷彿させた。
 森友学園問題を巡っては「妻や私、事務所が関係していたら総理も国会議員も辞める」と豪語し、加計学園の獣医学部新設計画を「今年1月20日に初めて知った」とうそぶいた。

それで佐川宣寿前財務省理財局長は虚偽答弁に走り、柳瀬唯夫元首相秘書官は記憶喪失になり、加計学園の事務局長は詐欺師に仕立て上げられたのだ。

 元文科官僚の寺脇研氏(京都造形大教授)はこう言う。
「これまでの経緯を見る限り、加計学園に危機管理能力があるとは思えません。
それなのに、加計理事長は巧妙に逃げを打った。
官邸から指導を受けたのではないかと勘繰ってしまいます。
安倍首相の意向が働いた疑惑を裏付ける事実は次々に明るみに出ているのに、1年以上もごまかし続けるノウハウを官邸は持っていますからね。
加計理事長の言動にも呆れました。
補助金などを通じて公金が投入されている学校法人のトップなのに、公的な立場にあるという意識がまるで感じられなかった。
〈お待ちしています〉と口にしたのも、国会に招致されることはないとタカをくくっているのがミエミエでした」

 加計理事長の茶番劇で“腹心の友”の共通項も浮かび上がった。
すべては自分中心
保身のためなら嘘もデタラメも屁のカッパ
悪事がバレると、下へ下へと責任を押し付け、周囲を巻き込む卑劣さ
それを恥と思わない破廉恥

知性、品性、良識、生き様……すべてにわたって、同じレベルの似たもの同士の薄気味悪さがプンプンする。

国を率いるトップリーダー、人材を育成する教育者のあり方とはあまりにも程遠い。

安保法以来の会期延長の目的は
経済界、公明党、参院対策  
20日、会期末を迎えた通常国会は大幅延長した。
32日間の延長で、7月22日まで。
世論が大反発した安保法を強行採決した15年以来の会期延長だ。
モリカケ疑惑の追及から逃れるため、憲法53条に基づく野党の臨時国会召集要求を3カ月以上も無視し、ようやく応じたと思ったら疑惑隠しの国難突破解散を打った安倍が、なぜ首をタテに振ったのか。

働き方改革関連法案、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案、参院合区対策として定数を「6増」する公職選挙法改正案を確実に成立させるためだ。
データを捏造してまでまとめようとした働き方改革は、安倍を支える経済界の悲願で待ったナシ。
カジノ法案は公明党への配慮だ。

選挙戦で集票を担う支持母体の創価学会婦人部がカジノ法案に大反対で、秋の臨時国会へ持ち越すと、来春の統一地方選や来夏の参院選への影響は避けられない。
そして、公選法改正は9月に控える自民党総裁選での3選へ向けた露骨な参院対策だ。

 政治評論家の本澤二郎氏は言う。
「安倍首相は総裁3選実現のためにはどんな手を使ってでも環境を整え、邪魔なものは徹底的に排除しようとしています。
大阪北部地震の発生当日に、ライバルの岸田文雄政調会長を赤坂の高級日本料理店に呼び出し、しゃぶしゃぶに舌鼓を打っていたというのもフザケた話ですが、大方ポストをチラつかせて懐柔を試みたのでしょう。加計理事長がこのタイミングで会見したのも、2人の密談疑惑に何としてもフタをする必要があるからです」

■人気取りにW杯も震災も利用
 地震発生直後のブラ下がりでは、「大阪を中心とする地震については、人命第一、この基本方針で政府一丸となって臨んで対応している」などと意気込んでみせたが、震災対応に配慮した野党が安倍が出席する参院決算委員会の延期を申し入れたにもかかわらず、安倍自民は開催を決定。
モリカケ問題でシドロモドロになっても、地震報道で隠れると踏んだのか。その翌日はW杯日本戦を前にツイッターを更新。
日本代表のユニホームを着てサッカーボールをキャッチする動画をアップし、「日本代表の熱戦が始まります」などと能天気な人気取りに走っていた。

21日の被災地訪問だって、パフォーマンスとの見方がもっぱらだ。
 この男の頭の中には「時機をわきまえる」という考えもなければ、進言するマトモな人間も周囲にいないようだ。
“腹心の友”はもとより、官邸、内閣、党にいる「アベ友」たちもみ〜んな一緒の反知性集団だ。
安倍晋三と薄っぺらな仲間たちは、国益よりも私利優先
国家と権力を私物化して仲間内で甘い汁を分け合うことしか頭にないのだ。
 政権ナンバー2の麻生財務相は居直り、チンピラ気質をますます露呈。

被災した枚方市を「マイカタ市」と呼んで失笑を買った菅官房長官は「総理のご意向文書」を怪文書扱いして疑惑に油を注いだ。
安倍側近の萩生田光一幹事長代行は、落選中に加計学園グループの千葉科学大で客員教授を務めて報酬を受け取り、獣医学部新設過程に関わった下村博文元文科相も加計学園からの200万円の「違法献金疑惑」がくすぶったままだ。
「“アベ友”は安倍首相を絶対に裏切らない。
忠誠を誓うことで恩恵にあずかっているからです。
安倍首相の守ることがすなわち、自分の身を守ることにつながっている」(本澤二郎氏=前出)

 安倍に公認権とカネを握られた自民党議員は借りてきたネコ同然の身。
自浄能力を失い、もはや内部崩壊は期待できない。
反知性首相を引きずり降ろせるのは、世論の力だけだ。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(3) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

国会会期延長 「悪法」を押し通すのか

国会会期延長 
「悪法」を押し通すのか
2018年6月21日 東京新聞「社説」

 国会が三十二日間延長された。
安倍政権が重視する「働き方」や「カジノ」法案などの成立に万全を期すためだという。
国民への影響が懸念される「悪法」ぞろいだ。押し通すのは強引ではないか。

 毎年一月に召集される通常国会の会期は百五十日間。
国会法の規定により一回だけ会期を延長できる。
今の通常国会はきのう会期末を迎えたが、政権側は七月二十二日まで延長することを決めた。

 安倍晋三首相は今年一月の施政方針演説で、長時間労働の解消や雇用形態による不合理な待遇差是正など、働き方「改革」を断行すると強調。
きのうの山口那津男公明党代表との党首会談では「働き方改革国会とうたってきたので、法案成立を図りたい」と、会期延長の理由を説明した。

 国会は国民の代表たる議員同士が、国民の暮らしをよりよくする政策について議論し、行政を監視する場である。
必要なら会期を延ばして議論を続けるのは当然だ。
 しかし、法案に問題点があり、野党がそれを指摘しているにもかかわらず、政権側が強引に成立させるための延長だとしたら、直ちに賛同するわけにはいかない。

 「働き方」関連法案は、年収の高い専門職を労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度(高プロ)の創設を含み、「残業代ゼロ法案」とも指摘される。
 審議でも過重労働の懸念は払拭(ふっしょく)されず、制度導入に向けた厚生労働省による専門職からの聴取のずさんさも明らかになった。
待遇差是正は急務でも、高プロ創設と一括提案した政府の手法には違和感を覚える。

衆院に続いて参院でも採決を強行しようというのか。
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案も同様だ。
刑法が禁じる賭博を一部合法化する危険性や、ギャンブル依存症患者が増える恐れが審議で指摘されたにもかかわらず、与党は十九日、衆院を強引に通過させた。

 共同通信の世論調査では約七割がIR法案の今国会成立の「必要はない」と答えた。
慎重な世論をなぜ顧みないのか。
 自民党が提出した参院定数を六増する公職選挙法改正案は撤回し、与野党間の再協議を求めたい。
「一票の不平等」是正の必要性は認めるが、比例代表に「特定枠」を設けて合区対象県の候補者救済を図るのは党利党略が過ぎるからだ。
 会期延長により、森友・加計両学園をめぐる問題の追及機会は増える。
国政調査権を駆使して事実解明に努めるべきは当然である。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする