2018年07月02日

 嘘とへつらう者たちよ

 嘘とへつらう者たちよ
  2018年7月1日 東京新聞「社説」

「バレている嘘(うそ)をぬけぬけと−」
「国家の破滅に近づいている」。
二人の元首相の嘆き節です。
嘘とへつらいに満ちた権力周辺にはうんざりです。

 NHKの大河ドラマ「西郷どん」はまだ幕末です。
西郷隆盛は明治維新の後、一八七七(明治十)年に西南戦争を起こし、鹿児島で自刃しました。
その頃「西郷星が見える」という評判が起こります。
赤い火星のことでした。
 望遠鏡でのぞくと、西郷が陸軍大将の姿で見えると新聞で報じられたりしました。
今風に言えば、罪のないフェイク(嘘)・ニュースでしょう。
もう一つのフェイク・ニュースがありました。

◆西郷隆盛は生きている  
「西郷隆盛は死んでおらず、シベリアに渡って、ロシア兵の訓練をしている」という流言です。
九一年にはロシア皇太子・ニコライが来日予定で、西郷が一緒に帰国するとも。
虚か実か、不明なまま各地に伝わりました。

 さて、今の日本でも虚か実かの問題が覆っています。
いや嘘がまかり通っています。
森友学園と加計学園の問題です。
あえて疑惑と書きます。
政府側が嘘をつき、国会や国民を欺いたからです。

 森友学園では国有地の取得で約八億円もの値引きがされました。
国会でさんざん追及されました。
そのたびに当時の理財局長が「森友学園との交渉記録はない」「総理夫人の話はなかった」などと答弁をしました。
真っ赤な嘘でした。
 決裁文書が何と約三百カ所も改ざんされていました。
交渉記録などもありました。
その結果、二十人の職員が処分されました。

 嘘はもっと深い所にあるかもしれません。
例えば財務省記録の中に二〇一五年十一月に首相夫人の安倍昭恵氏付きの公務員が、財務省側と電話した記録です。

◆「首相も議員も辞める」
 昭恵氏は子どもが教育勅語を暗唱していることに「感動した」とありました。
名誉校長にも就きました。
土地の値引きに、どんな力学が働いたのか。
安倍晋三首相は「私や妻は土地の払い下げに関与していない」と言います。
 なら、なぜ財務省文書は改ざんされたのでしょう。
「わからない」。
これが麻生太郎財務相の答えです。
嘘でしょう? 

安倍首相は「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と述べています。
これが契機かと問えば、麻生氏は否定します。本当ですか? 
嘘ではないの?
 加計学園の疑惑では、愛媛県から決定的な資料が出ました。
一五年四月に首相官邸で当時の首相秘書官と愛媛県などの担当者が面会した際の備忘録です。
「本件は首相案件となっており」と明記された文書です。
中身は一口で言えば、加計学園へのサポートです。
実際にその通りに国家戦略特区での獣医学部開設が実現しました。

 愛媛文書は安倍首相と加計学園理事長との会食で獣医学部の新設が話題になったと記しています。
首相が「いいね」と語ったとも。
 でも、安倍首相が学部開設を知ったのは「一七年一月二十日」と国会答弁しています。
どちらかが嘘をついている−。
そんな状況の中、加計学園幹部が「県への説明は嘘だった」と謝罪しました。
そして、加計孝太郎理事長も突然、記者会見をして追認しました。
それにしても県に対し嘘とは。

 虚偽で自分の名前を使われ、安倍首相は怒りを感じないのでしょうか。
しかも嘘によって税金を獲得したとも言えるのです。
でも、六月二十七日の党首討論で首相はそれを聞かれて「あずかり知らない」と答えるのみでした。
税の行方なのに

 さて、西郷隆盛の話に戻ります。
ロシア皇太子の来日の際、滋賀県で大津事件が起きました。
巡査の津田三蔵がニコライをサーベルで切り付けたのです。
動機は何か。
ロシアの強硬姿勢への不満とされますが、異説もあります。

作家吉村昭の「ニコライ遭難」にこう記述されています。
 「西郷モ共ニ帰ル由。
西郷ガ帰レバ、我々ガ貰(もら)ツタル勲等モ剥奪(はくだつ)サルベシ。
困ツタコトダ(調書)」

◆明治の国難は嘘から
 ニコライ来日前に親類宅で語った言葉です。
津田は西南戦争で戦い勲章を受けました。
西郷生存説という嘘を信じ、勲章の剥奪を恐れたのでしょうか。
 強国ロシアの報復が予想されました。嘘が明治の国難を生んだのです。

現在の二つの疑惑でも、嘘は必ず民心を腐らせ国難となるはずです。

冒頭の「バレている嘘をぬけぬけと」は小泉純一郎元首相が週刊朝日に、
「国家の破滅に近づいている」は福田康夫元首相が共同通信に語った言葉です。

 権力にへつらう者たちが見ざる・聞かざる・言わざるでいる限り、国は滅びの道です。
posted by 小だぬき at 06:00| 神奈川 ☀| Comment(4) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヤクザ排除で外国人の犯罪天国に?

「危険な貧困ヤクザ」を量産した
暴排条例で日本の治安悪化…
海外犯罪集団が跋扈
2018.07.01 Business Journal編集部
 今、正業に就けず生活に困窮する「貧困ヤクザ」が急増している。
6月30日付記事『貧困ヤクザ、社会問題化…スーパーで万引き、日本各地でナマコ密漁、幼なじみ恐喝』では、そんな暴力団の事情について、アウトローに詳しい作家の宮崎学さんに聞いた。

 宮崎さんによると、末端のヤクザにまでカネが回っていたのは1980年代のバブル期の話で、そもそもヤクザはそんなに裕福ではないという。
そして、最近の貧困ヤクザが手を染めるのが、違法薬物、詐欺、密漁といった非合法の「三大シノギ」だ。  このままヤクザの貧困化が進むと、社会はいったいどうなるのか。

宮崎さんは「日本が外国人による“犯罪天国”になる」と警鐘を鳴らす。

大量の「貧困ヤクザ」を
生んだのは警察官僚?
 行き場のないヤクザが食うためにより非合法のシノギに手を出している状況について、宮崎さんは「称賛はしないが、仕方がない」という立場を取る。
「こうした状況は、(92年の)暴対法(暴力団対策法)施行のときから想定はしていました。
ヤクザを排除すれば、必ず地下化し、食うためにより“悪い存在”になるのはわかっていましたから」(宮崎さん)

 暴対法施行をめぐっては、当時は『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)などのテレビ番組や新聞でも問題点が議論され、現役の“極妻”たちが反対の声をあげて銀座でデモ行進をしたこともある。
「それでも当時は十分に議論されたとは思えませんでしたが、2011年までに全国の自治体で施行された暴力団排除条例については、そこまでの議論すら行われませんでした。

しかし、実際にはヤクザを規制する暴対法よりも、『ヤクザと付き合う市民』まで排除する暴排条例のほうが破壊力がありました。
考えたのは警察官僚ですが、天才ですね。
いや、本当に(笑)。
暴排条例によって、ヤクザはもともと細っていた正業を失い、より非合法のシノギに手を出していくことになりました」(同)

 つまり、多くの「貧困ヤクザ」を生み出し、彼らを犯罪に走らせ、市民生活により悪い影響を与えるきっかけをつくったのは、警察ということになるのだろうか。
「少なくとも、私はそう思っています。
暴排条例がヤクザを追い詰めたことで、生活に困ったヤクザの犯罪が増えたのです」(同)

 排除されるのが嫌なのであれば、「ヤクザをやめる」という選択肢もあるのではないだろうか。
「やりたくてやっているヤクザなど少数です。
やめたところで、5年は『みなし暴力団員』とされますし、5年たっても『元暴力団員』のレッテルは一生ついて回ります。
正業に就けることはまずないでしょう。
やめても行くところや仕事のあるヤクザは、とっくにやめています」(同)

ヤクザのいない日本は
外国人による犯罪天国?
 宮崎さんは、暴排条例の廃止、特に「5年ルール」の廃止は急務だと語る。
多くの暴排条例には、排除の対象となる「暴力団員」について、「暴力団員でなくなったときから5年を経過しない者」も含めるとしているのだ。
この5年間を、どう生きろというのでしょう? 
刑法に触れるようなことがあれば、ヤクザでも元ヤクザでもカタギでも、法に従って対応すればいいだけのことです」(同)
 このままヤクザの貧困化が進むと、いったいどうなるのだろうか。

「密漁などイタチごっこの犯罪もなくなりませんが、新しいタイプの犯罪も増えるでしょうね。
たとえば、16年に全国の約1700台のATMから18億円あまりのカネが一斉に引き出される事件がありました。
犯人たちはアフリカの銀行の顧客管理システムに侵入して偽造カードをつくり、無料通信アプリ『LINE』を使って連絡を取り合っていたといいますが、全容はわかっていません。
国内外のハッカーとアウトロー、その周辺者が連携した新しい犯罪です」(同)

 覚せい剤など違法薬物の密輸は、以前から他組織間のつながりが指摘されていたが、多額の不正引き出し事件は聞いたことがなかった。
「16年の事件には、いったい何人がかかわっているのでしょうか。
以前なら考えられませんでしたね。
人数が多ければ多いほど秘密の保持が難しくなりますし、取り分をめぐって必ずもめます。
おそらく、全体を把握しているのは数人でしょう。
それを可能にしているのがテクノロジーですが、『LINE』などの通信アプリは足がつきやすいとの話もあります。
いずれにしろ、“より悪い事態”にしかなりません」(同)

 同時に、古きよき町の顔役としてのヤクザは消えてしまうのだろうか。
「消えますね。
もはや絶滅危惧種です。
表立って任俠を掲げるメリットはありませんから。
それで、今後はどうなるかというと、私は外国人による犯罪の増加を懸念しています。
海外の犯罪集団やマフィアなどの無秩序な勢力を抑え込む力は、日本のヤクザには残っていません」(同)  

20年の東京オリンピックを前に増加する外国人観光客によるトラブルは想定内ではあるが、より人数が増えればトラブルも増えるということだ。
「前回の1964年のオリンピックのときは、ヤクザの親分衆が子分たちに『人相の悪い者はうろつくな』と指示していたほどですが、ガラの悪い日本のヤクザ以上に質の悪い外国人の犯罪者グループが跋扈するでしょう。
外国人にとっては、ヤクザのいない日本は犯罪天国です」(同)
 報道されることこそ少ないが、増え続ける外国人観光客による万引きや無銭飲食、器物損壊などのトラブルは各地で後を絶たないという。

「特に置き引きや車上荒らし、性犯罪は激増するでしょうね。
カフェなどの飲食店では、荷物を置いたまま離席できなくなりますよ。
コインパークや自動販売機は荒らされ放題です。
女性が深夜に出歩くのも今以上に危険ですし、落とし物は間違いなく戻ってこなくなる。
かつての日本が誇った『平和』は、もう取り戻せなくなりますよ。

 ヤクザは“悪い存在”ですが、存在しているのにはそれなりの理由があるのです。
その理由を鑑みずに排除したところで、“より悪いもの”しか出てこないということです」(同)

 貧困ヤクザの問題は、ただ「食えない暴力団員が増えている」というだけでは済まない事態となりそうだ。 (文=編集部)

宮崎学(みやざき・まなぶ)
1945年京都生まれ。
ヤクザや国家権力に関する著書が多く、独自の視点は定評がある。
『週刊実話ザ・タブー』と『月刊日本』で時評も連載中。

ニュースサイトで読む:
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