2018年10月01日

10月からの変化…図柄ナンバー、たばこ値上げ 、生活保護改悪

10月からの変化…
図柄ナンバー、たばこ値上げ
読売新聞 2018/09/30

10つきから変わるくらし.jpg
c 読売新聞 (写真:読売新聞)

 10月から、暮らしに関わる制度や価格が変わる。
 年金関係では、納め忘れた国民年金の保険料を後払いできる期間が2年以内となる。
これまでは、5年以内の特例制度があった。介護保険でも制度の変更がある。
ヘルパーが介護の必要な高齢者宅を訪ねて、掃除や調理を行う「生活援助」について、基準を上回る頻繁な利用を市区町村がチェックし、不適切と判断すれば是正を促す仕組みが導入される。
 生活保護では、食費や光熱費などの「生活扶助」の支給額が見直され、受給世帯の67%が減額される。
 働き方を巡っては、都道府県別の最低賃金(時給)が順次引き上げられる。
 自動車関係では、全国41地域で、ナンバープレートに地域の特産品や名所などのイラストを入れる「図柄入りナンバー」の交付が始まる。
 たばこの値上がりもある。
日本たばこ産業(JT)は、加熱式たばこなども含めて150銘柄を10〜100円値上げする。
フィリップ・モリス・ジャパンなども価格を引き上げる。
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生活保護 あすから削減
年10万円以上減の世帯も
2018年9月30日(日) しんぶん赤旗

 安倍政権は生活保護のうち、食費や光熱費など日常生活費に充てる「生活扶助」の支給基準を見直し、10月から生活保護利用世帯の約7割で生活扶助の引き下げを強行しようとしています。

生活保護 10月改悪後.jpg

 2018〜20年の毎年10月に段階的に生活扶助が引き下げられ、全て実施されれば、予算規模では国と地方合わせて年210億円が削減されます。
都市部の高齢単身世帯や子どもが多い世帯に特に影響がおよび、減額幅は最大5%。都市部の「40代夫婦と子ども2人(小・中学生)の世帯」の場合、最終的には受け取る生活扶助費が年10万円以上も少なくなります。(影響=表)

 安倍政権は12年末に発足以来、生活保護削減を相次いで強行、すでに削減額は年1270億円にのぼります。
 生活保護の基準は、最低賃金を決定する要件や学用品・給食費などを補助する就学援助など低所得者向けの各種制度の基準にもなっており、その引き下げは国民全体の暮らしに影響を与えます。

 今回の生活保護費の削減をめぐっては、17年末に厚生労働省が削減計画を決定すると利用者らは強く反発し、撤回を求める運動が広がりました。
「審査請求」広く  生活保護費削減の強行が迫るなか、13年からの生活保護基準引き下げは違憲だと訴える裁判を支援する「いのちのとりで裁判全国アクション」などは14日、記者会見を開き、全国の生活保護利用者に、行政の決定に不服がある場合に行う「審査請求」運動を呼びかけました。

 会見で全国生活と健康を守る会連合会(全生連)の安形義弘会長は、裁判の原告が、誤解や偏見に基づく生活保護バッシングもあるなかで葛藤をしながら立ち上がっていると紹介。
裁判とともに「今度の審査請求を、生活保護利用者だけの問題ではなくて、国民全体の貧困を考える運動として取り組みたい」と力強く話しました。
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2018年10月02日

ついに"死に体"と変わった安倍政権の憂鬱

ついに"死に体"と変わった
安倍政権の憂鬱
プレジデントオンライン編集部 2018/10/01

安倍晋三首相の運気が、下降線を描いている。
9月20日の党総裁選では3選を果たしたが、敗れた石破茂元幹事長の善戦ばかりに注目が集まった。
26日の日米首脳会談では、貿易問題で大幅な譲歩を迫られた。
そして「総裁選より重要」と言われた30日の沖縄県知事選では、自民、公明両党が全力を挙げて支援した候補が惨敗。
一連の「不都合の連鎖」は、与党連携にも影を落としつつある――。

自民・公明は
沖縄県知事選で屈辱的な惨敗
9月30日午後、東京都内で開かれた公明党大会。
来賓として出席した安倍氏はあいさつで「私たちは5回連続、国政選挙で勝利することができました。
その意味において、山口那津男代表は私にとって必勝のパートナーです。
この勢いをかって来年の統一地方選挙、参院選挙も力を合わせていきたい」と力説すると、会場からは拍手が起こった。

だが、ちょうどそのころ、自民党幹部や首相周辺のもとには、投票が進む沖縄県知事選の出口調査結果が伝わっていた。
出口調査とは、投票所の出口に報道機関の関係者が陣取り、投票を終えた有権者に「どちらに投票されましたか」と聞く調査。
質問を受けた経験のある人も少なくないだろう。

報道各社の調査は、多少の誤差はあったが、いずれも20ポイントほどの差で、国政野党を中心にした「オール沖縄」が推す玉城デニー氏がリード。
自民・公明両党らが支援する佐喜真淳候補の苦戦が伝えられていた。
投票の結果は玉城氏が39万6632票佐喜真氏は31万6458票
出口調査の傾向とほぼ同じだった。

玉城氏の得票は、沖縄県知事選では過去最多。
メディアによっては投票が締め切られた午後8時に玉城氏の当確を打つところもあった。
自公にとっては屈辱的な惨敗。
皮肉にも昼に「必勝のパートナー」を確認しあった日の夜、「必勝」シナリオが崩壊してしまったことになる。
安倍氏は結果が判明した後、自民党幹部と電話で話し「残念だが仕方ない」とつぶやいた。

自公支持層の2割から3割程度が
玉城氏に投票
各社の出口調査を分析すると興味深い傾向が見えてくる。
自公支持層の2割から3割程度、玉城氏に投票しているのだ。
徹底した組織選挙を行った両党としては容認し難いデータだ。

知事選では、大量の自民党幹部や秘書軍団を連日投入する物量作戦で組織固めの選挙戦に徹した。
その過程で、佐喜真氏を推す勢力が、事実ではない玉城氏のスキャンダルを流したとも報じられた。
そういった、なりふり構わぬ姿勢に、本来であれば自公側を支持する県民も違和感を持ったのではないか。

知事選の結果は、党総裁選の地方票の出方と通じるところがある。
安倍氏は徹底的な引き締め選挙を行い、圧勝を目指した。
その結果、国会議員票は8割を超える票を得たが、地方票は55%にとどまり石破氏に迫られた。
総裁選の結果、「自民党は(安倍支持)1色ではない」(石破氏)ことが証明された。

総裁選で石破氏に迫られたことと、沖縄県知事選での敗北は、「安倍1強への違和感」という共通項でつながる。
崩れ始めた安倍政権の金看板 3選後の安倍氏は、あまりいいことがない。

9月26日、ニューヨークで行われたトランプ大統領との首脳会談では、2国間で「日米物品貿易協定(TAG)」の通商交渉を始めることで合意。
2国間交渉を回避することを最重視していた日本政府としては、米国に押し込まれた印象は否めない。

10月1日、日銀が発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)では、景況感は、3期連続して悪化した。
トランプ大統領との蜜月関係を謳歌し、アベノミクスの推進による順調な経済に支えられていた安倍政権の金看板が期せずして同時に崩れ始めている。

そしてもう1つ安倍政権にとって不安材料がある。
公明党の動向だ。
安倍氏は残る任期3年の間に、悲願である憲法改正を実現させたい。
そのために今月召集の臨時国会で、自民党の案を提出し、併せて公明党との与党協議を始めたいと考えている。
ところが、この方針に山口氏が難色を示している。

改憲論議で
公明党は「下駄の雪」返上か
山口氏は党大会の席上、地方組織代表の質問に答える形で「憲法改正に前向きな政党ではなくて、幅広い政党、あるいは政治家の合意を作り出す努力がまず必要だ」と語った。
普通の法案なら、政府の方針を支えるために与党で合意形成するのは当然だが、憲法改正の場合、国会で発議した後に国民投票にかけられる。
だから、与党だけで事前に議論するべきではないという理屈。
要は、改憲問題では自公2党だけで議論するのは勘弁願いたい、という宣言なのだ。

「平和の党」を標榜する公明党は、安倍政権下では、特定秘密保護法、安保法制など、なかなか賛成しづらい政策課題についても自民党との協議に応じ、最終的には法成立に協力してきた。
どれだけ踏み付けられても自民党にくっついていくという意味で「下駄の雪」とやゆされることもある。

しかし、憲法改正論議だけは「下駄の雪にはならない」ということなのだ。
与党協議に入れず、改憲論議の入り口でつまずくことになれば、安倍氏にとっては大きな痛手となる。

疑心暗鬼が生まれる
きっかけになりかねない
公明党大会では山口氏は代表続投となり、幹事長は井上義久氏から斉藤鉄夫氏に交代することになった。
安倍氏と山口氏は、ケミストリーが合わない。
これまで両党首の隙間を埋めて連絡調整役を担っていた老練な井上氏が幹事長から退くことも、与党関係を不透明にしている。
沖縄県知事選の敗北も両党関係に微妙な影響を与える。
直ちに関係が大きく揺らぐことはないだろうが、来年の統一地方選、参院選に向け、中長期的には疑心暗鬼が生まれるきっかけになりかねない。
安倍1強の限界が見え、与党の一枚岩にもひびが見える。
後に検証するとき「2018年秋」は、安倍政権がレイムダック(死に体)し始めた時という評価が下されるのかもしれない。
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2018年10月03日

貴乃花退職で「協会は試練をクリアした」 相撲記者発言に貴闘力「見てる方は嫌」

貴乃花退職で
「協会は試練をクリアした」
 相撲記者発言に
貴闘力「見てる方は嫌」
2018/10/ 2 JCASTニュース

東京相撲記者クラブ会友の記者・大見信昭氏が2018年10月2日放送の「スッキリ」(日本テレビ系)で、貴乃花親方の退職決定を受けて「相撲協会は大きな試練をクリアした」と発言する場面があった。
両者の見解の相違が払拭されないままの引退劇だったにもかかわらず、一件落着とでも言うような言葉だったため、インターネット上で疑問の声があがった。

「クリアでいいのかな...」 1日の臨時理事会で正式に決定した貴乃花親方の退職。
これで貴乃花部屋は消滅し、「平成の大横綱」は角界を去ることとなった。
貴乃花親方と協会側は最後まで平行線をたどった。

「5つある一門いずれかに所属しない親方は部屋を持てなくなる旨の決定が理事会でなされた」
「告発状の内容を事実無根と認めなければ、一門の所属が認められないと要請を受け続けた」と主張した貴乃花親方に対し、芝田山広報部長はいずれについても「そのような事実は一切ない」と否定。

こうした見解の相違が浮き彫りになったものの、八角理事長ら協会幹部は貴乃花親方と直接話をする機会がないままだった。

このような結末を迎えた中で、相撲取材歴50年の大見氏がゲスト出演した「スッキリ」で述べたのが、 「こういう形になりましたけど、相撲協会はこれで一つの大きな試練をクリアしたわけですから」 という言葉だ。

MCの加藤浩次さんは思わず「クリアでいいのかな...」と首を傾げた。
同じくゲストの、貴乃花親方の兄弟子で元関脇・貴闘力氏も「こういうこと言われると、見てる方は嫌ですよね...。
『クリアした』とか」と直言。
すると大見氏は、 「いやいや、『経験を踏んだ』と言い直しましょう、じゃあ。これを次に生かしてほしいですね」 と言い換えた。
それでも加藤さんは「結局ゴールにたどり着いていない感じがして、僕はモヤモヤしたものが残っているんですけどね」と腑に落ちていない様子だった。

「記者クラブなくしますか」に苦笑い
協会側と貴乃花親方の言い分が食い違ったままでありながら、協会側の対応を前向きに捉えたような大見氏の発言には、ツイッターやネット掲示板でも、
「試練をクリア 本音が出やがった」
「『クリアした』 清々しい気持ちなんだろう」
「大見さん思わず本音『これでひとつの問題をクリアした』
 厄介者をうまく追っ払ったってことだよね
 これって八角理事長はじめ執行部の意向そのまま」 といった反発が広がった。

また大見氏は、大相撲界のこれからの仕組みづくりの話題になると、「番付社会ですから、下の声がなかなか上に届かない。親方も、です。
下の若い声が上に反映されるような、風通しのいいシステムを考えないといけない」と提言。

しかし、加藤さんが「まず記者クラブをなくしますか?」と聞くと、 「それはまずいですよ。
私の行くところがなくなるじゃないですか。
やっぱりね、記者クラブは記者クラブで残してほしい」 と苦笑いして拒否した。

すかさず、番組コメンテーターの箕輪厚介氏(幻冬舎編集者)は「今のご発言に象徴されると思いますが」と切り出し、
みんな居心地がいいから変えたくない。記者クラブも相撲協会も。
強い人が強い権力をもっていたら変わるのが嫌ですから、仕組みは第三者が中立的に作らないとダメですよね」と反論するように見解を述べていた。
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2018年10月04日

玉城デニー陣営で創価学会の三色旗を振った男性、孫思う自民党支持者の思い 沖縄県知事選

玉城デニー陣営で
創価学会の三色旗を振った男性、
孫思う自民党支持者の思い
沖縄県知事選 10/3(水) 琉球新報

 投開票日の9月30日午後9時半すぎ、玉城デニーさん当選確実の報道を受け、歓喜に包まれる沖縄県那覇市の会館で、創価学会を象徴する青、黄、赤色の三色旗が揺れた。
「ウチナーンチュのチムグクルが辺野古新基地建設反対の意思を再び示した」。
野原善正さん(58)は、体いっぱいで喜びを表すかのように、旗を大きく振り続けた。

「学会員が集票マシンに…」 危機感
 学会が支持する公明党は今回、辺野古新基地建設問題の賛否を明言せずに政府の支援を受ける佐喜真淳さんを推薦した。

「学会員が集票マシンとして使われる。
ウチナーンチュの魂を見せなければ」。
危機感に駆り立てられた。
 約15年前、布教を巡って組織と対立したことがあった。
反逆者と言われ、職も失った。
「本当につらかった。
今回も正直、怖かった」と振り返る。

今回、親戚からも運動をやめるよう諭されたが、告示日から10回、玉城さんの演説場所で三色旗を振った。
同志に深く考えてほしかった。
 野原さんは創価学会の池田大作名誉会長の文章をよりどころとした。
沖縄に思いをはせた池田名誉会長は著書の中で「人類史の悲劇がこの小さな島に集約された。ゆえに人類史の転換をこの島から起こすのだ」とつづった。

転換とは新基地建設阻止のことだと思った。
同志にも物事の本質を深く考えてほしかった。
正しいことをやって叱られるのが法華経の行者だ」。
教えが支えになった。

 結果を受けても気は休まらない。
国はまた沖縄を締め付けるだろう。
玉城さんは屈せず、最後まで翁長雄志知事の遺志を継いでほしい」と期待を込めた。
「信仰心を疑われるのも怖かった」

 県出身で東京都在住の住友(旧姓・国吉)ヒサ子さん(66)は「このままでは古里の自然が壊されてしまう」といても立ってもいられず沖縄に来た。
「白い目で見られたりするのも信仰心を疑われるのも怖かった」と語る。

だが、青く澄んだ辺野古の海が埋め立てられるのが許せず、玉城さんの陣営で運動し、県内の学会員を説得して回った。
 住友さんは、公明党が集団的自衛権の行使容認の閣議決定に賛同したころから党の方針に違和感を抱いていたが、思いは公にしてこなかった。

だが、池田名誉会長は「人間革命」の中でも沖縄に心を寄せ、核廃絶を含め平和を訴えていた。
現在の公明党にはこの平和思想に反する。真実を見抜いて投票してほしい」と街頭でも同志に訴えた。

 石垣市出身の安里善好さん(82)=浦添市=は学会に加入して59年。
8歳の時、沖縄戦では、マラリアで両親を亡くした。
自身も発病したが九死に一生を得た。
基地建設は戦争につながる。
目をつぶってはいけない」と語気を強める。
 40年間基地で働いたが、「基地建設による経済効果は土台がなく、いつか崩れる」と断じる。
日本の安全保障を理由に基地建設の正当性を主張する人もいるが、「本土が沖縄に押し付けたいだけ」に映る。
沖縄戦からの差別の歴史が続くことに我慢ができず、党の方針に従わなかった。

「国は県に寄り添わず、新知事が苦しい思いをするだろう。
でも、県民がついている」と力を込めた。
「孫が大きくなった時に沖縄はどうなっているのか」

 従来と違う投票行動をしたのは公明党支持層だけではない。
これまで自民党の推薦する候補者に投票し続けてきた新垣政栄さん(77)=浦添市=は、この数年で「孫が大きくなった時に沖縄がどうなっているのか」と考え始めた。
 70歳近くになるまで建設業界で働き、自民系候補に投票しないと公共工事が受注できなくなると思い、遊説や集会にも足を運んでいた。
だが、9人の孫を抱くうちに気持ちが変わった。

 安倍政権が強硬に基地建設を進めるやり方にも怒りを覚えた。
今回の選挙は人生で初めて自民党推薦でない候補に票を投じた。

 本紙と共同通信の出口調査によると今知事選で、自民党支持層の24%、公明党支持層の27%が玉城さんに投票した。
共通するのは「辺野古に新基地を造らせてはいけない」とウチナーンチュの尊厳を大切にする気持ちだった。  
   (’18知事選取材班)
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片山さつき氏入閣で限界露呈 安倍政権“自滅”は時間の問題

片山さつき氏入閣で限界露呈
安倍政権“自滅”は時間の問題
2018/10/03 日刊ゲンダイ

 2日の内閣改造と党役員人事で、安倍政権の限界がハッキリ見えた。
どんなに立派に見える家でも、屋台骨にガタがきているのに放っておいたら、内側から崩れ落ちるのは必定だ。
ガラクタ素材で補強したところで、どうにもならない。

 改造人事について、安倍首相は「しっかりとした土台の上に、幅広い人材を適材適所で」と言い続けてきた。
「土台を固める」という方針で、政権の屋台骨である菅官房長官と麻生財務相、二階幹事長の留任を真っ先に決めたのだ。

「ただでさえ二階は79歳、麻生は78歳と高齢で、この2人が踏ん張っているかぎり、党内の世代交代が進まない。
しかも、政権の“花形ポスト”である官房長官と財務相は第2次安倍政権発足時から一度も交代がなく、お鉢が回ってこない待機組の不満は爆発寸前でした。
それでも政権が力を持っていれば誰も文句を言えなかったのですが、今回は空気が違う。
相変わらずのオトモダチ重用人事に、党内で怒りの声が渦巻いています」(自民党の閣僚経験者)

■腐った屋台骨をガラクタで…
 今回、初入閣が決まったのは、お騒がせ議員の片山さつき氏、安倍首相の首相補佐官や総裁特別補佐を務めてきた茶坊主の柴山昌彦氏極右仲間の桜田義孝氏スマホ向けゲームの「あべぴょん」を開発したという平井卓也氏……。
その他は、組閣のたびに名前だけは挙がる宮腰光寛氏や原田義昭氏、吉川貴盛氏ら滞貨一掃組がズラリだ

「総裁選で主要5派閥からの支持を取り付けた結果、各派閥の意向を尊重せざるを得なくなった。
特に党内第2派閥を束ねる麻生さんと、総裁3選の道筋をつけた二階さんには格別の配慮をしています。
この2人の不興を買って反安倍に回られては、たまらないですからね。

がんじがらめに縛られた結果、当選回数を重ねた大臣待機組の“在庫一掃”に協力し、新鮮味は出せなかったのです」(官邸関係者)

 主要閣僚は代わらず、新入閣組はオトモダチとくたびれた滞貨ばかり。
こんな改造内閣に期待しろという方が無理だ。
屋台骨を中心にしてオトモダチを要所に配し、残りを派閥に論功行賞で配分するという内向きの論理だけで、まったく有権者の方を向いていない人事です。少なくとも麻生財務相は交代させなければおかしい。何度辞任してもおかしくないほどの暴言を繰り返してきたし、公文書改ざんという大問題を起こした組織のトップが責任を取らずに続投なんて、あり得ません。
麻生財務相や菅官房長官、二階幹事長を交代させて、若返りで人心一新すれば支持率アップも望めたかもしれませんが、この布陣では難しい。
延命第一で小幅改造にとどめたことが裏目に出て、党内の不満に足をすくわれることにもなりかねません」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
 守りを固めるつもりが、肝心の屋台骨が腐っていれば、あっという間に家は傾く。
干された石破派が暴れるまでもなく、自滅は時間の問題だ。
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2018年10月05日

安倍政権で研究費ジリ貧 日本からノーベル賞が出なくなる

安倍政権で研究費ジリ貧
日本からノーベル賞が出なくなる
2018/10/04 日刊ゲンダイ

基礎研究をシステマチックかつ長期的な展望でサポートして、若い人が人生を懸けてよかったと思えるような国になることが重要だ」――。
ノーベル医学生理学賞の受賞から一夜明けた2日、京大の本庶佑特別教授はそう語った。

 現状はどうなのか。
研究開発費の推移を調べると、お寒い状況が浮き上がった。
 経産省が今年2月にまとめた調査によると、日本の官民合わせた研究開発費総額は、2007年度以降、17兆〜19兆円で推移している。
つまり、10年以上横ばいで増えていないのだ。

企業の儲けは内部留保に向かい、研究開発に投じられていないことがよく分かる。
 さらに驚くのが、研究開発費の政府負担割合だ。
日本はわずか15.41%で、主要国から大きく引き離されて最下位(別表)。
日本の基礎研究.jpg
しかも、安倍政権発足前は16%超だったのに、発足後の2013年から右肩下がりなのだ。
目先のことしか頭にない安倍政権は、研究開発とりわけ、基礎研究の重要性をまったく理解していません。
一方で、軍事強化につながる基礎研究には力を入れています」(経済評論家・斎藤満氏)

 安倍政権は2015年度から「安全保障技術研究推進制度」を導入。
国の防衛分野の研究開発に役立つ基礎研究を民間企業や大学に委託、カネを出す制度で、“研究者版経済的徴兵制”といわれている。
軍事目的のための科学研究を行わない方針の日本学術会議は反発しているが、16年度予算6億円に対し、17年度は110億円に急増している。

「本庶さんは今年、ノーベル賞を受賞しましたが、何十年か前に、基礎研究にしっかり取り組めた環境があったからです。
現在の安倍政権のような基礎研究に対するスタンスでは将来、ノーベル賞受賞者が出なくなるだけでなく、もはや日本は技術立国とは言えなくなってしまいます」(斎藤満氏)
 技術立国から軍事大国へ――早く、安倍首相を引きずり降ろさないとそんな国になってしまう。
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2018年10月06日

片山さつき地方創生・女性活躍相 タマ不足で紅一点初入閣

片山さつき地方創生・女性活躍相
タマ不足で紅一点初入閣
2018/10/05 日刊ゲンダイ

 政界入りから13年。
凄まじい猟官運動が実を結び、紅一点の初入閣。
出たがり屋にはピッタリの舞台だ。
取材殺到につけまつげでキメたが、盛り過ぎてポロポロと落とし、記者の失笑を買った。
抜擢理由は女性候補のタマ不足。

女性活躍を掲げる政権がオールおっさんではカッコがつかないからだ。
激震が走ったのが古巣の霞が関。
組閣前日に初入閣の一報が流れると、「どこだ」「まさかウチか」の大騒ぎで、国会担当の官僚らが確認に追われたという。

●「模試4度制覇」「聖子ちゃんカット」  
1959年、埼玉県浦和市(現さいたま市)生まれ。
東京教育大付属中・高に進み、代々木ゼミナールの全国模試で4度トップ。
東大法学部卒業後、大蔵省入りし、女性初の主計官に。
同期はセクハラ辞任の福田淳一前財務次官、公文書改ざんで引責辞任の佐川宣寿前国税庁長官ら。
独特のくるくるヘアは東大の頃からで、「聖子ちゃんカット」の亜流。
2005年の郵政選挙で衆院静岡7区に刺客として立ち、初当選。
09年の衆院選は土下座行脚で支持を訴えるも惨敗し、10年の参院選で比例代表にくら替え。

 安倍首相が「超人的なガッツの持ち主」と言う通りで、その馬力は並の男では太刀打ちできない。
安倍の行く先々に出没し、「赤坂自民亭」でも至近距離をキープ。
総裁選対策にいそしむ安倍との写真をツイッターで拡散させて大ヒンシュクを買った。
脇の甘さも折り紙つきだ。

●前夫と現夫  
27歳で東大助教授だった舛添要一(69)と見合い結婚。
DVを受け、複数の愛人をつくられて2年3カ月で離婚した。
「浮気に激怒した片山さんはバッグに包丁を忍ばせ、舛添さんが過ごす愛人宅に乗り込んだといいます」(週刊誌記者)と、“武勇伝”もケタ外れ。
再婚相手の片山龍太郎氏(61)は、産業再生機構で執行役員マネージングディレクターなどを歴任した実業家。
 エライ人にはすぐ取り入るが、弱者には冷たい。

NHKが16年8月、母子家庭育ちの女子高生を紹介。
経済的事情で進学が難しく、パソコンを購入できずにキーボードで練習する苦境をリポートしたが、自室に高額嗜好品が並んでいたため、ヤラセ疑惑が浮上した。
 片山はバッシングに乗っかり、〈NHKに説明を求め、皆さんにフィードバックさせて頂きます!〉などと連投ツイートして大炎上。
生活保護受給を巡り、「次長課長」の河本準一の母親らを攻撃して総スカンを食らっても懲りなかったようだ。
「片山さんは衆院選落選で大きな挫折を味わったようです。
参院比例は10万票で当選圏内。
大多数に煙たがられても10万人のコアな支持を得ればバッジは約束される。
常軌を逸した振る舞いは計算し尽くされている」(自民ベテラン議員)

 辞任第1号の筆頭候補か。
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2018年10月07日

常識の欠如に無自覚な人たちが増えている

常識の欠如に
無自覚な人たちが増えている
「杉田水脈擁護」の
ドグマが蔓延する深刻理由
2018/10/06 東洋経済(天野 妙 )

 スポーツ界の不祥事が続いている。
レスリング、バドミントン、アメフト、ボクシング、そして体操と、週刊誌やワイドショーだけでなく、NHKのニュースでも大きく取り上げられた。
セクハラやパワハラは線引きが難しいという人もいるが、前述のものは誰が聞いてもおかしいと感じる事案が多い。

 なぜ加害側も被害側も長期間、そのおかしさに気が付かないのだろうか?
 筆者は「エコーチャンバー現象」(自分と同じ意見の人だけが集まるコミュニティで議論をする中で偏った意見が増幅・強化されていく現象)に入ってしまっているからだと考える。

以前の記事(「高齢男性による政治」が日本の諸悪の根源だ)でも論じたが、端的に言うと、自分の言動が世間とズレていることに気づくことができないのである。
 その意味では、「LGBTは子どもを成さないから生産性がない」と断じた杉田水脈衆院議員の論文を擁護する月刊誌『新潮45』の特集記事は、ズレの極みといっても言い過ぎではないだろう。

不協和状態は居心地が悪い
 LGBTの人口は13人に一人いるとされ、左利きの人より多いといわれている。
左利き専用のハサミやマウスなどが世には流通しているが、それらを否定する動きがあるだろうか。

 子を成さない=生産性がないとするなら子どもを持たない夫婦も生産性がなくなるし、さらに言えば、子を産み終えた人も生産性がないということになる。
この言説を正とすると、この世の人口の半分以上が生産性なしということになってしまう。

 しかし、杉田議員の主張や彼女を擁護する記事を支持する一定の層がある。
それは、自分の認知が正しいのだという心理が働き、より強固な信仰をもっているようにみえる。

 たとえば、喫煙者の肺がん発症率が高いといった多くのエビデンス(証拠)があるにもかかわらず、喫煙者はタバコをやめることが難しい。
これも認知のズレ=認知的不協和が生じているわけだが、その不協和状態は居心地が悪い。
 そして、この不協和を修正するために「喫煙者にも長寿の人はいる」「煙草をやめるストレスの方が、がんのリスクが高まる」などと新たな認知を作りだす。
 さらに、その認知をより強固にさせるため「交通事故の方が死亡率が高い」とし、認知的不協和を解消させ、より強固な「喫煙信仰」を深めていくのに似ている。
 このような心理行動を「認知的不協和状態の解消」という。

これを提唱した社会心理学者のレオン・フェスティンガーは、「人は自らが信じていること(認知)と異なることが起きたとき、人はその不協和を解消させようと、行動をとる」とし、この世の終末を予言した宗教団体に潜入した稀有な学者だ。  

フェスティンガーの著書『予言がはずれるとき』によると、この世の終末を予言した宗教団体はすべて予言を外したが、信仰を続けて団体に残る人が必ずいるという。

「新潮45」も認知的不協和に陥った
 そこでフェスティンガーは、信仰から離れる人と、信仰を続ける人の違いを探るため、終末を予言した宗教団体に複数の研究者たちと潜入した。
その結果、信仰を続けた人たちには大きな共通点があることがわかった。  

1つは、信仰のために家族や友人、財産など多くを捨ててきていたこと。
もう1つは、予言が外れた後も信仰していた者同士で過ごしたことであった。

少しおかしい……」と思い始めても、隣に座る人の信仰を聞けば、また信仰に戻るのだという。
つまり、同じ小部屋に居続ければ教祖がどんな間違ったことを言っても信仰は続くのである。

 このことを踏まえると、不祥事を起こした各スポーツ界の重鎮たちも、「小部屋」に入り込んでしまったと言える。
『新潮45』編集部がとった行動もまた然りである。
 ただ、ともすると多くの人が似たようなものかもしれない。

筆者の身近には、「働き方改革」と世間でいわれているのにもかかわらず、「毎日20時以降はサービス残業にするのが組織全体の習慣として根付いている」という人々も存在する。
 当人に聞くと「まわりの人たちがみんなやっているから」「うちの業界ではそれが当たり前だから」と、世間とのズレを認知しているにもかかわらず、その「小部屋」から出ようとはしない。
さらに「残業が多いと評価が下がるから、サービス残業する方がいい」と言い、強固な残業信仰を手放そうとしない。

 その他にも、本当は自己顕示欲を満たしたい上司が、「部下の成長のため」と表して「部下育成」という名の下で行われるパワハラや、無償奉仕前提にもかかわらず毎日学校へ行かざるを得ない過重労働のPTAなど、挙げたらきりがない。

 このように「小部屋」に入る前はおかしいと思っていたのに、いざ入ってしまうと同調圧力に押され、気が付くと周囲と共に同じ行動をとってしまう自分に出会うことがないだろうか。

総裁選の結果に世間とのズレはないか
 9月20日に実施された自由民主党総裁選挙における安倍晋三首相、石破茂元自民党幹事長の支持比率は、議員票82:18と党員票55:45となり、議員の支持と党員の支持との間に大きな差が見られた。
この結果を見て「議員感覚」と「自民党員の感覚」(=世間に近い)との間に大きなズレを感じた読者も多いのではないだろうか。
 安倍首相を支持した議員たちは、その道を信じてきたので安易には変えられないし、今さら引き返せない。
そして同じ境遇の議員たちと安倍首相支持を共有することで、信仰にも似たより強固な支持となっているのではないだろうか。
 自民党議員の皆さんに、今回の結果を踏まえ、世間(正確には自民党員)とのズレが生じているかもしれないことを認知してほしい。
自らとの認知的不協和を恐れず、「小部屋」の扉を開けて「世間の空気」を吸ってほしいと願うばかりだ。
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2018年10月08日

シドロモドロ答弁必至 桜田五輪相“辞任ドミノ”第1号に浮上

シドロモドロ答弁必至
桜田五輪相
“辞任ドミノ”第1号に浮上
2018/10/07 日刊ゲンダイ

 “お友達”、滞貨一掃、派閥均衡――。
ロクでもない大臣が顔を揃えた2日の新内閣発足で支持率は下落。
醜聞探しに走るメディア関係者からは「的が多すぎて絞り切れない」との声が上がるほどのヒドい顔ぶれだが、2020年東京五輪の経費拡大問題の発覚をきっかけに、早速「辞任第1号」に急浮上したのが、桜田義孝五輪担当相だ。

 東京五輪の経費を巡って、もともと国の費用負担は1500億円と想定されていたものが、実際は既に約8000億円を支出していたことが、会計検査院の調べで4日に発覚。
全体の経費は3兆円規模になり、今後も拡大する可能性がある。

 早速、ネットでは「こんなデタラメな五輪なんか、もうやめて!」「冗談じぇねえ」と批判が噴出。
国民の税金がかかっているのだから当然だが、今月末に召集予定の臨時国会で、野党がこの問題を追及する可能性が高まっている。
その標的は間違いなく、初入閣した桜田五輪相だろう。
 ベテラン野党議員は「当然、今後の大会経費のあり方などについて、所管の桜田五輪相をただしていく必要がある」と息巻いている上、自由党の小沢一郎代表の事務所も、「国会で徹底的に追及しなければならない」とツイートしている。

 厳しい追及にさらされれば桜田氏はシドロモドロになり、答弁に窮するだろう。
官邸からも答弁を不安視されているといい、5日の朝日新聞によると、桜田氏は2日夜の就任会見に際し、安倍首相と菅官房長官から「最初は棒読みでもいい」と、官僚が用意した要領通りに受け答えするよう指示されていたという。

■桜田氏以外にも問題を抱えた大臣が
 そもそも桜田氏は、福島第1原発事故で生じた放射性廃棄物の処分について、「人のいない福島に置けばいい」と放言した男だ。
東日本大震災について、「まだ東北のほうだからよかった」と放言してクビを切られた今村雅弘前復興相じゃないが、問題発言の桜田を五輪相に就けること自体、どうかしている。

政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「桜田氏は所管大臣である以上、誠実な答弁を求められるのは当然です。
お粗末な答弁になれば、野党の追及は厳しくなるでしょう。
そもそも今回の組閣は、レームダック化を防ぐため安倍首相は各派閥の推薦を優先せざるを得なかったのです。
すると、『身体検査』もおろそかになる。
桜田氏の過去の失言について、しっかりと把握しきれなかった可能性があります。

そういう状況ですから、桜田氏以外にも、問題を抱えた大臣がいてもおかしくありません」  
柴山昌彦文科相は教育勅語の一部を礼賛する発言で炎上中。
片山さつき地方創生相も舌禍が不安視されている。

桜田氏への追及をきっかけに、他の大臣にも波及し、早々に“辞任ドミノ”が始まっても不思議ではない。
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2018年10月09日

前歯治療には自由診療か保険診療か・・・・。

意外に知らない…
前歯治療は保険が利かない
といわれる理由
2018年10月05日 日刊ゲンダイ

 あなたは前歯の虫歯治療のため歯科医院を訪れた際、
「保険診療だと使える素材も限られるし、長期間使うと色が変わる場合もあります。
自由診療でどうですか」と言われたことはないだろうか?

 改めて費用を計算してもらうと数千円がウン十万円に。本当に保険で前歯を治療するのと自由診療で行うのとでは出来栄えに差があるのか?
 自由診療専門の歯科医師で「八重洲歯科クリニック」(東京・京橋)の木村陽介院長に聞いた。

 歯の治療を保険のみで行うか、自由診療で行うかの違いはたくさんある。
保険診療では、治療に使える素材、やり方など細かく制限されている。
一方、自由診療では詰め物・かぶせ物の素材を歯科医が選択し、患者の状態などに合わせた提案が可能となる。

その中で患者がよく聞かされるのが素材の違いだ。
「前歯の治療を保険だけで行う場合、かぶせ物や詰め物の材料は白い硬質レジンが使われます。
レジンとはプラスチック製樹脂のことで、強度がある半面、吸水性があるといわれます。
そのため『プラークが付きやすく、口臭が出やすい。
使っているうちに着色して変色したり、すり減って内面の金属が露出して歯ぐきが黒くなる場合があります』などと説明される患者さんは少なくありません」

 一方、自費診療の場合はプラスチック以外にもさまざまな材料が使われる。
例えば、セラミックだ。
かぶせ物をする場合、通常は金属で補強する内面をジルコニアで製作し、その上にセラミックを使うオールセラミックが可能になる。
これについて「金属を一切使わないので金属アレルギーは出ないし、長年使っても変色や変形、腐食、吸水による口臭が出にくい」などとそのメリットを強調した説明がなされる場合が多い。

 しかし、どちらも保険診療から自由診療へ誘導するための常套句だと木村院長は言う。
保険診療での前歯の治療が、自由診療のそれと比べて機能的に大きく劣るわけではありません。
歯科医師の腕さえあれば見た目もそれなりに満足できるものになるはずです。
そもそも前歯の虫歯は目立つため、かぶせ物が必要となるほどひどいケースはあまりないはず。

保険診療でも使われるレジンでも丁寧に詰めればどこに埋めたか分からないよう治療することは可能で、大体は長期的に問題なく過ごせます。
むしろ、かぶせ物をすると歯は大きく削られてしまい、歯の寿命を短くしてしまう。
慎重でなければなりません」

 ただし、前歯なしは見た目が悪いため、できるだけ短期間ですべてを終えなければならない。
そのため歯科医師は、ある程度の腕が必要となるという。
「どんな歯も、再治療となれば削らなければなりません。
しかし、他の歯に比べて小さい前歯は何度もやり直しはできません。
どの歯もできるだけ短期間で根管治療、修復治療、かぶせ物、ブリッジ治療を終えることが基本です。
しかし、審美的に前歯はそれがより強く求められるのです。
歯科医師は短期間の治療を可能にするさまざまな知識と経験と、技術、治療・検査の装置など総合力が必要とされます」

■費用の違いは何の差なのか?  
むろん、歯科医師の多くはこうした腕は持っているだろうが、問題はそれを丁寧に行うのに必要な時間をかけられるか、だ。

「私は自由診療で歯科診療をしています。
そのため、ひとりの患者さんの診療に半日から1日かけることも珍しいことではありません。
しかし、『この治療は保険点数〇点◯◯円』と国によって金額が決められている保険診療ではそうはいきません。
限られた時間と予算の中でできる範囲でしか治療を行えないのです。
その結果、とにかく患者さんの数をこなすという場合もあり、満足のいく治療ができないケースも出てくるでしょう」

 つまり、患者から「前歯を保険診療の範囲内でやってください」と言われて、「自由診療での治療はどうですか」と提案する保険診療の歯科医院の中には、暗に「歯科医院としても満足できる治療を行うためには、それなりの治療時間を確保するための費用が必要」と言っている場合もあるのだ。
「いまや歯科医院の数はコンビニエンスストアより多いとされており、競争が激化しています。そうした中、

患者さんは
@評判が良くて混んでいる保険診療の歯科医院の10分診療を選ぶ
A評判がイマイチで患者が少ないが、時間をかけて治療はしてくれる保険診療の歯医医院を選ぶ
B費用はかかるが、制約がないため十分な時間と患者の状況に沿った素材を使う自由診療専門の歯科医院を選ぶ
――から選択しなければなりません。

そうした中で、中高年の患者さんが満足のいく前歯治療を受けるには、必要とされる治療レベル、歯科医院の経営状況のバランスを知ったうえで治療場所を選ぶ必要があります」
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2018年10月10日

「湿気がひどくてマグロにカビが生える」開場目前の豊洲市場に不安の声が高まる

「湿気がひどくて
マグロにカビが生える」
開場目前の豊洲市場に
不安の声が高まる
10/9(火) 文春オンライン(石井 妙子)

「本当に市場として機能するのか」、「死亡事故が起こりはしないか」、「魚の安全性は保てるのか」――。
 豊洲移転が目前に迫る今、改めて市場関係者の間で不安が高まっている。
総工費6000億円以上をかけた「最新設備」を誇る豊洲市場が開場するのは10月11日。

本来なら、希望に満ちた華やぎに満たされていてもいいはずだが、市場関係者の表情は一様に固い。
これが築地での「最後の日々」になるのか。
「築地に残りたい」という声は根強い 

地盤沈下によって
引き起こされた巨大な「ひび割れ」

「ここにきて、移転推進派だった人たちまで、顔を曇らせていますよ」(仲卸業者・男性Aさん)

 一体、何がそこまで不安視されているのか。
築地市場に赴き、人々の声を拾った。
「築地を離れることの寂しさ、というような情緒的な話ではないんです。
いい話がまったく聞こえてこない」(同前)
 豊洲市場はこれまで土壌汚染問題が、度々、取り上げられてきたが、その汚染状況も改善されない中、ここへきて、建物そのものに対する問題が持ち上がっている。

 そのひとつが、深刻な地盤沈下だ。
 9月上旬、仲卸棟西側で、横幅約10メートル、段差約5センチという「ひび割れ」が発見された。
地盤沈下によって引き起こされた巨大な「ひび割れ」である。
「豊洲の店舗にダンベ(魚や水産物を入れる業務用冷蔵庫)を入れたら、それだけで床が沈んでしまった、という話もあります」(仲卸業者・男性Bさん)
 豊洲は、もともと地盤が非常に緩い。
その上に重厚長大な建物を作った。

先日は、工事を請け負った業者から、「地中に打ち込む杭が十分に支持層(固い地盤)に届いていない」という内部告発もなされている(『週刊現代』2018年9月1日号)。

「豊洲の床耐荷重は本当に、
                    大丈夫なのか」  
緩い地盤、偽装工事……。
ただでさえ不安が募る中、9月下旬になって、突如、豊洲市場内に貼り出された紙が、業者の人々をさらに驚愕させた。

「貼り紙に、『2.5トンフォークリフト、800kg』と書いてあります。
2.5トンフォークリフトといったら、2.5トンの荷を積めるリフト、という意味なんです。
それなのに、800キロまでって。
一度にそれしか運べないのでは仕事になりません」(仲卸業者・女性Aさん)

 この貼り紙は、「豊洲の床耐荷重は本当に、大丈夫なのか」という不安を改めて市場関係者に与えることになった。
ターレ(運搬車)は本体だけで800キロ、荷を載せれば2トン近くになる。
フォークリフトはさらに重く、荷物を載せれば6トンに近い。
築地は1階部分だけが売り場だったため心配する必要がなかった。
だが、豊洲の場合、中卸棟の売り場は4階まである。
床が抜けたりしないか、十分な重みに耐えうる設計になっているのか。不安の声は尽きない。

「とても臭くて白濁していたそうです」
 9月23日には、汚染水がマンホールから噴き出すという、信じ難い出来事も起こった。
仲卸業者のひとりで、「築地女将さん会」会長の山口タイさんが語る。
「仲卸業者が移転の準備のために、豊洲に行っていた時、偶然、見つけたんです。
水は、とても臭くて白濁していたそうです。
たまたま彼らが発見したから明るみに出ましたが、そうでなければ、都はこれも隠蔽したんじゃないでしょうか」

 東京都は、地下水の上昇を抑えるために地下水管理システムを導入。
地下水の水位が上昇した際には、速やかに浄化して、外に排出できると説明した。
だが、そのシステムが機能せず、浄化前の地下水が、そのままマンホールから噴き出したのである。
 地下水は言うまでもなく、汚染されている。

 東京都は、この件に関して「地下水を汲み上げて排水施設に送るための送水管の空気弁に付着物が挟まったことが原因」として、「過去に同様のケースはなく、今後は再発防止に務める」との見解を示した。
だが、この説明では仲卸業者の不安は少しも解消されない。

マグロの身にカビが付着したら……
 湿気とカビは、より深刻な問題である。
「とにかく豊洲市場は湿気がひどいんです。
地下水が水蒸気になって上がってくるのに、建物が密閉型で窓ひとつない。
温度を冷暖房で常に25度になるよう設定しているので、特に夏場は、ダクトを通じて室内にも水滴が生じる。
開店すれば、店内に冷凍庫やダンベといった冷蔵機器を入れ、冷凍食品を扱うわけだし、水も流す。
益々、湿気が出るはずです。

 開場前の今現在で、空調を24時間フル稼働にしても、湿度が70パーセント。
高い時は90パーセントを超える。
だから、ものすごくカビが出るんですよ。
カビは生ものに付着して繁殖する。

一番、心配なのはマグロです。
マグロの身にカビが付着したら、3、4日後に発生する。
豊洲で売る時は目に見えなくても、小売店に渡ってからカビが出ることも……」(仲卸業者・男性Bさん)

 都も、ここまでの湿気とカビの発生は想定外だったのだろう。
開場を目前にして、至るところに、大型の除湿機を断りもなく設置した。
仲卸業者の女性が、憤慨しつつ語る。
「最近になって、突然、巨大な除湿機が無造作に通路にボンボン置かれたんです。
カビ対策なんでしょうね。
でも、こんなものがあったら、危なくてターレを走らせられない

 湿気を除去する根本的な手段がなく、この巨大な除湿機を都は置いたのだろうか。

豊洲では「買い回し」ができない  
市場機能を無視した構造上のミスをあげる声も数多く耳にした。
豊洲は築地のようにコンパクトにまとまっていない。
だだっ広いばかりで、まったく動線を考えて作られていないんです。

これでは、仲卸棟で魚を買って、青果棟で野菜も買う、という『買い回し』ができません。
それに、鮮魚は新鮮さが命。
時間をかけないように機能的に運ばなくてはならないのに、築地の何倍も時間がかかる」(仲卸業者・男性Aさん)

 卸、仲卸、青果棟と、これまでは三つの機能がワンフロアに集約されていた。
階段やエレベーターとは無縁だった。
 だが、豊洲は3か所に建物が分かれており、しかも、それぞれが幹線道路によって分断されている。
また、仲卸棟の積込場や店舗は1階から4階まである。
「それなのに、エレベーターは6基のみ。
4階まで買いに来てもらえるのか。
本来、市場は築地のような平屋が理想なんです」(仲卸業者・女性Aさん)

「あれでは、ターレから荷が崩れ落ちてしまう」
 漁港から大型トラックで運ばれる魚や水産物は、まず、大卸(水産卸)に持ち込まれ、セリや相対取引を経て、仲卸の各店舗に運ばれる。
1日に扱う鮮魚や水産加工物は2016年度で1628トン、青果は1021トンにのぼる。
「築地では、すべての売り場が繋がっていたけれど、豊洲では、卸棟と仲卸棟は別の建物。
地下道で荷物を運ぶことになる。
ところが、その地下道は3本しかない上に、傾斜がきつく、ひどいヘアピンカーブ。
あれでは、ターレから荷が崩れ落ちてしまう。
それに、道幅が狭くて接触事故を起こしそうです」(仲卸業者・Aさん)

 こうした初歩的な設計ミスは、いたるところで指摘されている。
 大型トラックは、大卸のトレーラーヒットに横付けされ、横面扉が開いて、荷を下ろす。
だが、豊洲の設計者は、コンビニなどを回っている一般的なトラックのように、縦付けして、後ろの扉を開き、荷を下ろすものと思い込んで設計していた。

 また、排水溝が設計ミスで浅く、詰まりやすいという声もあった。
「大量の水で魚の血や鱗を洗い流すことができないようでは衛生を保てないのに……」(仲卸業者・男性Bさん)

 市場の命は水だ。
築地では真水と海水で流し清め、排水し続け、食の衛生を守ってきた。
だが、豊洲は水を大量に使えば、構造上の不備で排水は詰まり、さらにはカビが出てしまう。
大変なジレンマだ。

駐車場の数が圧倒的に足りない
 アクセスの点でも、問題は広がっている。
 最寄り駅はゆりかもめの市場前だが、始発でも競りの時間には間に合わない。
 東京メトロ有楽町線の豊洲駅からでは、徒歩で20分。
自動車を使う場合も、駐車場からの距離が遠く、さらには、駐車場の数が圧倒的に足りないことが判明し、追加工事が急遽行われた。
開場すれば、約1800台のトラックやバスが早朝から押し寄せることになるはずだが、周辺の道路環境は整っておらず、橋を渡らなければならないため渋滞が懸念されている。
「豊洲は時間がかかるだけだと敬遠されて、誰も来なくなってしまうのではないか。
市場の機能を理解せずに設計して、手直しもできないという状況だ」(仲卸業者・男性Aさん)

「このまま開場したらパニックになる。
ターレの激突や床の陥没も心配だ。
死亡事故が起こるんじゃないかと心配です。
何より食品の安全性が保てるのか」(仲卸業者・男性Cさん)

 こうした状況を受けて、一部の業者は9月19日、「移転差止請求」を東京地方裁判所に出した。
「よもや都知事が『安全宣言』を出したり、農水省が認可を下ろすとは思えなかった。
私たちは最後の手段として司法に訴えたんです。

都知事は2年前に移転延期を決めた。
それから状況は何も改善されていないのに、今度は何の説明もなく強引に移転を決めた」(「築地女将さん会」会長・山口タイさん)
 豊洲市場が抱える多くの問題を、どう捉えているのか。
今、この状況で市場を開場することは正しい判断といえるのか。
小池都知事は説明を求める市場関係者と真摯に向き合うべきである。
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2018年10月11日

うつ病は「心のかぜ」ではなく「心のがん」

一色伸幸さん
うつ病は「心のかぜ」ではなく
「心のがん」
2018年10月09日 日刊ゲンダイ

ボクが2007年に「うつから帰って参りました」というエッセーを上梓したのは、うつの患者本人より、その家族や友人や周りで関わる人たちにうつの人の内面をわかってほしいと思ったからです。
病人を支える家族は「第2の患者」と言われるほど大変です。
それなのに、誰からもいたわられない。
うつの人の心の中が具体的にどうなっているのか、少しでも知ることができたら何かのお役に立つのではないかと……。

そのエッセーをさらに見やすく漫画にしたのが近著「さよなら、うつ。」です。
 うつの正体は、実際のところわかりません。
でもひとつだけ言えるのは、「気の持ちようなどではない」ということ。
個人的には「心のかぜ」ではなく、「心のがん」だと思ってます。

がんと同じ「病気」です。
がんなら1〜2年闘病することを誰もためらわないでしょう。
でも、うつだとなかなかそうはいかない。

わかってほしいのは、治療しないと死を選んでしまうこともあるし、治りきらないまま仕事に復帰すると再発を繰り返す可能性があるということです。
 ボクは幸い、丸2年間、すべての仕事を休んで療養に専念できました。
そのおかげで復帰から20年以上経ちますが、とても元気です。

 うつ病になったのは、2人目の子供が生まれ、脚本家として切れ目なく仕事をしていた30代前半です。
自分で言うのもなんですが、わりと生真面目なタイプで、書き始めると昼夜を問わず仕事にのめり込んでしまう生活でした。そしてなぜか“死”や“無になる”という思いにとらわれ始めてしまったんです。

 映画やドラマがヒットしても、大きな賞を受賞しても手放しでは喜べず「もっとできたはずだ」と自分を追い込んでいました。
眠れなくなり、睡眠導入剤を常用するようになりました。
ボクはお酒を飲まないのですが、サラリーマンが仕事帰りに一杯やるくらいの気持ち良さがその薬にはあったのです。
気づけば1日何十錠も飲んでいました。
 そのうちに何も書けなくなり、階段から転げ落ちたり、家のコンセントカバーを全部外したり、家の廊下で見えない人に道を譲ったり、意味不明なことをするようになっていたようです。

 見かねた妻に引っ張られて精神科医の元へ行ったのは34歳のときです。
母親の同級生のご主人で、子供の頃からよく遊びに行っていた病院でした。
幼い頃のボクを知る顔見知りの先生だったことが治療にもいい影響を与えたと思います。

 じっくりとしたカウンセリングで「うつ病」と診断された後は、4〜5種類の薬を使い、組み合わせや割合を変えて2〜3週間ずつ試していきました。
自分に合う組み合わせになったのは半年後ぐらい。
昼間の眠気が減り、夜眠れるようになったんです。

■生きていることが退屈な映画そのもの
 一番うつがひどいときは、布団から出られませんでした。
なんのやる気も起きません。
幼いわが子が話しかけてくれても何も感じないんです。
 うつは、脳と心をつなぐ糸が切れてしまった状態だと思います。

たとえばジョークが笑えるのは、「こんな発想で、こんなゴロ合わせで今この人は笑いをつくった」と脳が理解して、それが心につながって、「面白い!」と感じるからです。
でも、糸が切れていると脳で理解したものが心まで届かない。
食事をしても、出汁の風味や鮮度の良さは十分わかるのに、それが「おいしい!」につながらない。
とてもキレイな女性が耳元で色っぽい言葉をささやいても、ウキウキもムラムラも起きないのです。
 うつの最中は、うれしいとか楽しいとか、悲しいとか憎たらしいとか、そういった“心の揺らぎ”がひとつも起こりません。  想像してみてください。

心がまったく動かない退屈な映画を。
うつ病の患者にとっては、生きていることが退屈な映画そのものなのです。
景色や音楽、ストーリーやセリフに感動も驚きもない。
そんな映画を延々と見させられたら、映画館を出て行きたいと思いませんか?
 それがつまりうつの「希死念慮(死にたい気持ち)」です。
決して自殺願望ではなく「その映画館を出たい」だけなんです。

 ボクは2年間寝ていました。
その選択は正しかったと思います。
脳と心をつなぐ糸を修復する一番の薬は「時間」なんじゃないかな。
今でも気分が沈むことはありますが、そんな日は仕事をやめちゃう(笑い)。
少し無責任になって休めば治るからです。
そうでなくても、夕方4時には仕事を切り上げて近所を走ったりします。

心掛けているのは気持ちの切り替え。
でも、決め事はなるべくつくりません。
気分転換が義務になったら本末転倒ですから。


▽いっしき・のぶゆき 1960年、東京都生まれ。
1982年に脚本家デビューし、87年の映画「私をスキーに連れてって」で一躍脚光を浴びる。
映画「僕らはみんな生きている」「病院へ行こう」で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。
うつ病療養から復帰後も精力的に作品を書き続け、2013年には東日本大震災後の女川を舞台にしたNHKドラマ「ラジオ」で数々の賞を受賞。
近年は小説も次々と出版している。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(7) | うつ病について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月12日

クレーマー対策5カ条…

クレーマー対策5カ条…
飲食店専門弁護士
「NOと言う勇気を。
心配しなくて大丈夫」
2018年10月11日 弁護士ドットコム

飲食業界で、客から理不尽なクレームを受けるケースが後を絶ちません。
精神的なショックから従業員の士気が低下したり、離職を招いたりすることもあり、その影響は甚大なものです。
では法的にはどんな対応ができるのでしょうか。

飲食店専門の石崎冬貴弁護士は「客に、NOと言う勇気をもって欲しい。
クレーマーは恐れなくて大丈夫です」と話します。
石崎弁護士に、クレーマーの実態と対応策について聞きました。

●理不尽な要求、誠意を見せろ…
      様々なクレーマー ーー
そもそも「クレーマー」は最近になって増えたのでしょうか。
それとも以前からの問題だったのでしょうか
インターネットの普及によって、誰もがクレーマーとなり得るようになり、かつ可視化されるようにもなったので、社会問題化しているのだと思います。

特に、大きな注目を集めたのが、ある1件の顧客クレーム処理に端を発する『東芝クレーマー事件』(1999年)です。
世論の動かすきっかけとなったのは、当事者の顧客がネットを使って情報発信をしたこと。
これにより、ネットでは大きな問題提起ができるとわかり、今に続く『(要求に応じなければ)ネットにアップする』といったクレームにつながっています」
ークレームと言っても、明確な要求がないケースもあるそうですね。

石崎弁護士の著書「なぜ、飲食店は1年でつぶれるのか」(旭屋出版、2018年)によると「最初から納得する気がない人」「堂々巡りを繰り返す人」はクレーマーの場合が多いということです
「そうですね。『お詫びに100万払え』などと無理な要求を押し付けてくるタイプ(理不尽要求型)と、『誠意を見せろ』など判然としない要求をしてくるタイプ(要求不透明型)があります。
いずれも特に中高年の男性が多いですね。
自己評価が過剰に高いタイプの人たちです」

●クレームの「理不尽な要求」
「不透明な要求」 ーー
理不尽要求型の「無理な要求」として、どのようなものがあるのでしょうか
「飲食店が入る宿泊施設で、コンタクトを忘れたと主張する客が『清掃係が間違えて捨てたに決まっているから損害賠償しろ』と6カ月分の枚数を要求してきました。
購入時の領収書を送ってきたので薬局に確認したところ、コンタクト6カ月分は返品済みということでした。
詐欺の可能性が高く、調査内容を伝えて納得できないならば裁判を起こしてほしいと伝えると、連絡が途絶えました」

ーーただ理不尽であっても、明確な要求のある「理不尽要求型」に比べ、
要求不透明型」は堂々巡りになりがちで、対応がより難しそうです
「難しいですね。理不尽要求型には『無理です』ときっぱり断り続けることができます。
しかし要求不透明型は、こちらが掘り下げて、具体的な要求を引き出さないといけません。

『要求不透明型』の例として、ある高級レストランに現れたクレーマーの話があります。
この客は、1晩で数万円使ってくれるような上客でした。
しかし、来るたびに店員に対して『海外の本店ではこうだった』とか『店の教育はどうなっているのか』などと説教する困った癖がありました。
しかも、具体的な要求はありません。
店員が対応に疲弊してしまい、店全体の士気が低下しました。
そこで私が間に立ち、来店お断りの旨を伝えることになりました。
すると『某大手法律事務所に相談して裁判を起こそうと思っている』などと、なぜかフランス語を交えてメールで返信してきましたが、次第にトーンダウンをし、お店に来ることもなくなりました」

●ストーカーとなった「常連客」 ー
店員に対して、一方的に恋愛感情を募らせてトラブルに発展することもあるようですが、実際にそのような相談もあるのでしょうか
「従業員に対するストーカー事例も時折、寄せられますね。
ある商業ビルに入る喫茶店の若い女性従業員に、客がつきまとうようになり、私のところに相談が寄せられました。
常連の男性客が毎日のように来店し、プライベートな質問をしつこくするようになったため、店側はその従業員を現場に出さないようにしました。
すると、そのことに腹を立てた男性客がクレームを繰り返し、最後には『店の商品、気をつけろよ』と食品に異物を混入するかのような発言をしたのです。
そこで男性客に、ビルの警備員立会いの下、書類を渡して『入店お断り』とこちらの本気度を示す対応策をとったのです。
この客は素直に応じ、以後の接触はなくなりました」

●「クレーム」か
「正当な苦情」かの判断を ーー
クレーマーに対しては、どのような法的な解決策があるのでしょうか
「クレームがひどい場合には、業務妨害や恐喝にもなりえますので、損害賠償請求や警察への通報も検討することになります。
過去には、コンビニで店長らに因縁をつけ、理不尽な要求の上、土下座させたクレーマーが、恐喝罪で有罪が確定した裁判がありました。
ただ、ほとんどの事例では、実際に民事訴訟や刑事告訴に発展することはほとんどありません。
やりとりの中で『訴訟を起こす』とクレーマーが言ってくる場合もありますが、堂々巡りで終わる場合がほとんどです。
飲食店側が『弁護士を出す』とクレーマーに告げる時点でだいたい相手側から引き下がります。
裁判となるとクレーマー側も費用がかさみ、尻込みしますから」 ーー

クレーム対応に必要なのは 「その内容が飲食店にとって『クレーム』なのか、それとも『正当な苦情』なのかを判断し、取捨選択するノウハウが必要です。
例えば『店の教育がなってない』『誠意を見せろ』といった判然としない要求を、クレームなのか正当な苦情なのかを見分けるには、お客様の意見をしっかり聞く必要があります」

●「クレーマー対策5カ条」
ーークレーム被害は実際に裁判には至らない、あるいは弁護士が交渉にあたると沈静化する事例が多いということですが、店側はどんな対策を普段からとるべきでしょうか」

クレーマー対策5カ条を私は提案しています。
(1)まずはとにかく「謝る」、
(2)感情的にならない、
(3)録音かメモを取る、
(4)遮らない・反論しない、
(5)その場で回答しない、この5つです。

その上で必要なのは、毅然と『NO!』という勇気です。
それに尽きます。
本来であればクレーム対応専門の部署を置くべきですが、飲食店の場合は小規模だと難しい。
小さい飲食店でのクレーム対策はまだまだ始まったばかりです。
顧問弁護士を置くことや、損害保険会社に加入することでリスクに備えることで対応することも考えられます」

ーー「NO! というのは難しい」という声も聞こえてきそうです
「逆に、何を恐れているのか、考えてみてはどうでしょうか。
お店が恐れるのは、
(a)ネット・風評被害、
(b)訴訟かと思います。

(a)のネットに何か書かれるのではないかと心配する人は多いですが、書く人はどうせ書きます。
下手に対応すれば、そのことも書かれてしまいます。
(b)の訴訟は、先ほど申し上げたように、裁判になることを望むクレーマーはほとんどいません。」
        (弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
石崎 冬貴(いしざき・ふゆき)弁護士
神奈川県弁護士会所属。
フードコーディネーターなど食品・フード関係の資格も持ち、飲食店支援サイトを運営するなど、食品業界や飲食店の支援を専門的に行っている。
事務所名:弁護士法人横浜パートナー法律事務所
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2018年10月13日

改憲を隠れ蓑に進行 「人生100年」という弱者切り捨て

改憲を隠れ蓑に進行
「人生100年」という
  弱者切り捨て
2018/10/12 日刊ゲンダイ

「人生100年時代」を生き残れるのは、老後資産に余裕のある一握り。
大半はヨボヨボになるまで働くか、サッサと死ぬほかない――。
安倍首相が掲げる「全世代型社会保障改革」。
改革とは名ばかりで、壮絶な庶民イジメ社会を目指す悪魔的青写真が見えてきた。

 政府税制調査会は10日、今年度初めての総会を開催。
人生100年時代を見据え、老後に備えた資産形成を支援する投資減税の検討に着手した。
具体的には、少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金「iDeCo」など、それぞれ利用可能な額が異なり複雑な長期投資向けの優遇税制を整理。
公的年金の先細りを念頭に、「資産形成による自助努力」を一段と促すというが、本末転倒も甚だしい。

 政府税調は曲がりなりにも安倍首相の諮問機関。
年金の枯渇を庶民の「自助努力」とやらで補完させる前に、やるべきことがある。
 年金財政の不安が広がる中、安倍が年金積立金の株式運用比率を拡大したのは、株価連動支持率内閣の株高維持のためだけ。
まず税調は年金私物化首相に「これ以上、虎の子の老後資金を“鉄火場”につぎ込むな」と迫るぐらいしてみろ。
11日の世界同時株安で平均株価が一時1000円超も急落し、どれだけ大事な老後資金が焦げついたか知れたものじゃない。

 経済ジャーナリストの荻原博子氏が言う。
投資優遇税制を整理しても恩恵を受けるのは投資に回すだけの余裕がある世帯のみ。
いくら『自助努力』を促したところで、多くの家庭はその余裕すらないのが実情です。
しかも投資は儲かる人がいれば、必ず損する人も出る。
金融庁のデータによると、銀行窓口の投信購入者の実に46%が損しています。
それでも『老後資産の自助努力』で投資を促すのは、より多くの国民に株を買わせ、株価を維持したいのでしょう。
『投資』はイメージが悪いのか、政府税調は今年から『資産形成』と言い換えました。
こんな言葉遊びで、国民に“全員野球”で株を買い支えろとは、もうムチャクチャです

 本気で老後に備えた資産形成を国民に促すなら、より多くの働く人に適用される所得減税が先だろう。
ウソとゴマカシだらけの政権は、投資に回すカネのない貧乏人に渡す年金はない、と言っているに等しいのだ。

真相は「死ぬまで」
働かせて大幅歳出カット
 邪なペテン政権の庶民イジメ策は、もっとある。
厚労省は10日、75歳以上の後期高齢者の医療費負担を見直す議論を始めた。
現役世代と同じ3割を自己負担する「現役並み所得」の対象範囲を拡大。
通常1割を自己負担する後期高齢者の数を減らし、国の医療費をケチるというのだ。
 現行の「現役並み」の基準は夫婦世帯で年収520万円以上。
実際の給与所得者の平均収入約420万円とのギャップを埋めるため、「現役並み」の基準が引き下げられる見通しだ。

 後期高齢者の医療費の半分は公費だが、「現役並み」の医療費は患者本人と保険者のみで賄う。それだけ公費の支出は減るが、減った分を肩代わりするのは、保険料を支える現役世代だ。
健康保険組合連合会の試算では「現役並み」の後期高齢者が1%増えるだけで、保険者の負担は500億円も増える。
 増加分を補うには、現役世代の保険料を上げるしかない。
将来の窓口負担も保険料もアップとは、踏んだり蹴ったりである。
揚げ句に同じ日には年金受給開始年齢を引き上げる議論まで始めたのだから、ドケチ政権は血も涙もない。

 現行は60〜70歳の間で開始年齢を選べるが、70歳を超えても受給を遅らせることが可能な仕組みに変えるのは決定済み。
焦点は上限にする年齢だが、厚労省の社会保障審議会が意識するのはナント、後期高齢者となる75歳なのだ。
 今でこそ選択制の議論だが、過去の支給引き上げの経緯を見れば、いずれ受給開始年齢が75歳に延びかねない。
そうなれば「今の高齢者は元気。
昔の65歳は今の75歳と同じ」とか言って、後期高齢者の対象年齢も引き上げるに違いない。
 国にすれば年金も医療費も出費が減る一石二鳥だが、庶民はたまらない。

75歳まで年金はもらえず、窓口負担も増えれば、オチオチ医者にもかかれなくなる。
高額で知られる夢のがん治療薬オプジーボは、まさに「夢のまた夢」の薬となる。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。
ただでさえ、安倍政権は社会保障費を散々抑えてきたのに、まだケチるとは恐れ入る。
トランプ米大統領に言われるがまま大量の兵器を購入し、防衛費を拡大させる一方で、今年度の社会保障費は自然増分を1300億円もカット。
来年度予算は自然増分を従来の5000億円を下回るレベルに抑え込むつもりです。
さらに予定通り来年10月には庶民に消費増税を押しつけながら、内部留保を貯め込み大儲けの企業の法人税は引き下げる。豊かな人々を助け、貧しき者からふんだくる。
アベコベ政策の数々はデタラメの極みです」

■孫を抱いていたはずの老人に
   強制労働を課す
 安倍政権は継続雇用年齢の65歳以上への引き上げを検討中だが、定年後に雇用が延びても、給与は現役時代の半分から3分の1程度だ。
雇用延長が終われば、70歳になっても年金がもらえない以上、いくら老いぼれたって働きに出るしかない。
 安倍政権は本来なら孫を抱いていた年寄りに“強制労働”を課す一方で、AI化と外国人雇用の受け入れ拡大を進めている。生涯働く老人と化す今の現役世代はこの先、AIに仕事を奪われ、外国人労働者と雇用を競い合うハメになる。

老人が徹夜で警備員や道路工事の誘導係をつとめるか、座して死を待つしか選択肢はなくなるのだ。
 大体、アベノミクスがまともな政策ならば、こんな社会にはなっていない。
安倍は「250万人の新たな雇用を生み出した」と威張るが、うち211万人は65歳以上の高齢者だ。

今だって年金をアテにできない高齢者が渋々働きに出ているのに、「死ぬまで働く社会」になれば、さらに増加の一途。
それでも安倍は「雇用を生んだ」と胸を張るのか。
そりゃあ、来日したIMFのラガルド専務理事に「政策の見直しが必要」とダメ出しされるのも当然である。

異次元緩和のマイナス金利で、融資の利ざやが激減した金融機関の経営は火の車です。
安倍政権が全国民に投資を勧めるのは、もはや投資で稼ぐしかない金融機関への“ガス抜き”策でもある。
ここにもアベノミクスの破綻は表れています」(荻原博子氏=前出)

 邪悪な政権にここまでやられて、なぜ国民は黙っているのか。
それは大マスコミが、年金、医療、税金と、にわかに動き出した「全世代型社会保障改革」の実態をちっとも伝えないからだ。
 11日の主要6紙は、自助努力を促す投資減税こそ5紙が伝えたが、朝日は超ベタ記事扱い。
後期高齢者の医療費3割負担の拡大検討にいたっては、取り上げたのは日経1紙のみだ。
何も真相を知らされなければ、国民だって怒りようがない。
全世代型社会保障改革の正体は、全世代型の貧困化です。
いくら小泉元首相らに『できっこない』と批判されても、安倍首相が改憲に意欲を燃やしているのも、実は隠れ蓑かもしれません。
できもしない改憲を騒ぎ立て、国民の危機感を引き付けているうちに、『本命』の総貧困化による財政支出削減を着々と進めるという目くらましです」(五十嵐仁氏=前出)

 来年には改元を控え、再来年には東京五輪が開催される。
この2大フィーバーに国民が浮かれていたら、イカサマ政権の思うツボ。
アベノミクス破綻の責任を誰も取らず継続するだけだ。
人生100年の裏で悪魔的青写真を描く政権が、あと3年も続けば「豊かな老後」は完全に死語となる。
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2018年10月14日

運用停止のF35は147億円 日本が買う“欠陥品”はさらに33機

運用停止のF35は147億円
日本が買う“欠陥品”は
さらに33機
2018/10/13 日刊ゲンダイ

米国防総省は11日(現地時間)、先月28日に起きた最新鋭ステルス戦闘機「F35」の墜落事故を受け、国内外で展開する全てのF35の運用を一時停止すると発表した。
航空自衛隊三沢基地(青森県)に配備されている同機も12日、検査が行われ安全確認が終了した。

 F35は日本で次期主力戦闘機に決定しており、現在、9機が三沢基地に配備され、最終的には42機の取得が計画されている。
この後、33機も追加されるわけだが、このまま同機を大量購入して大丈夫なのか。
 米国では、数年前からF35の安全性が危惧されており、今年6月には米政府監査院(GAO)が同機には約1000件の欠陥が見つかったことを報告している。

 F35が抱える問題はそれだけでなく“価格高騰”だ。
最初に採用が決まった2012年度の契約額では1機当たりの価格は96億円だったのに対し、17年度には147億円と大幅に上昇。

 値上がりの理由を防衛省は円安としているが、価格の検証が難しい有償軍事費を隠れみのに、米国の言い値で取引が行われているという指摘もある。  
F35の購入について、国際ジャーナリストの春名幹男氏はこう言う。
「F35はこれまでも欠陥について問題視されてきました。
日本は米国製の武器への信頼感が過剰。
安全性について冷静な目で見る必要があります。

安倍首相がトランプ大統領に強く要請されて、米国主導の取引になっていますが、自衛隊の装備品はそうした圧力で買うものではありません」
 トランプのご機嫌取りに、これ以上、高価な粗悪品を買うなんてもってのほかだ。
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2018年10月15日

小学校の「道徳教科書」はこんなにも危ない

小学校の「道徳教科書」は
こんなにも危ない
70年前に書かれた高校野球の話も題材に
2018/10/14 東洋経済(筒井 幹雄 )

送りバントの指示に背き、決勝二塁打を放って甲子園出場に貢献した星野君。
しかし、監督の裁断は星野君の甲子園大会出場停止だった(6年生の教科書に掲載された「星野君の二塁打」)――。

今年度から教科となった道徳で使われている教科書における問題について『危ない「道徳教科書」』を書いた京都造形芸術大学の寺脇研客員教授に聞いた。

教科書を使うと座学になりがち
──安倍政権下で道徳が国語、算数などと同じく教科になりました。
 道徳の目的は子どもたちに公共のことを考える心を持ってもらうこと。
公共も時代とともに変わる。
 日本は人口減少により、今の子どもたちは社会に出ると高齢者、障害者、外国人と働くことが当たり前で、さらにAI(人工知能)も加わる。
新しい社会の規範を考えるうえで、道徳教育は重要だ。
運動会など行事の準備に充てられ、従来の「道徳の時間」はコマ数を確保できなかった。
教科化で年35時間が必須となったことは評価できる。  

──ただ、裏腹な問題があります。
 教科になると、学習指導要領に書いてあることを網羅した教科書を授業で使う義務が生じる。
ところが、道徳教育が目指すものは教科書を読むより、体験によって身に付くことが多い。

4年生の教科書の「しょうぼうだんのおじいさん」は、消防訓練に励むパン屋のおじいさんを見て感謝の気持ちを抱くという話。
これなら、実際に地域の消防団に話を聞きに行ったほうが効果は大きい。
子どもたちに実物を見せ、自分の頭で考え、自分の言葉で語れるようにするのが大事なのに、教科書を使うと教室での座学が主体になりがちだ。

押し付けられたことはすぐに忘れる。
──しかも、その教科書の中身が練られていません。
 「星野君の二塁打」は2社の教科書に掲載され、うち1社はタイトルのそばに「よりよい学校生活、集団生活の充実」と表記されている。
これを前提に子どもたちに議論させれば
「監督の指示は絶対。それを守らなかった星野君が悪い」といった意見が大半になるだろう。
 いかなるときも監督の指示は絶対なのか、という疑問は出にくい。

道徳の教科化を打ち出した首相直属の教育再生実行会議ですら、押し付けではない、考え、議論する道徳と言っているのに、これではそうならない。
むしろ、監督に不正行為を命じられた、日大アメフト部「宮川君のタックル」のほうが「集団の中での自分の役割」を考える教材に適している。

──原典がかなりはしょられているそうですね。
 初出は1947年で、その後国語の教科書や教科化前の道徳の副読本にも掲載されている。
書かれた時期やカットされた場面を考えると、「みんなで決めたことは意見が違っても守ろう」という「民主主義の原理」を伝えることが作者の意図だったと思うが、教科書ではそうした部分が省略され、自己犠牲の必要性が強調されてしまった。
そもそも、70年も前に書かれた高校野球の話を小学6年生の教材とすることに無理がある。

 逆に新しいニュースを盛り込んで不適切な内容になったのが、ある教科書の補充教材「下町ボブスレー──町工場のちょう戦──」だ。
下町ボブスレーをジャマイカチームが冬季五輪で採用と書き、乗り込んだ安倍首相の写真まで入れたが、実際は使われなかった。

教科書を使うほうが「楽」  
──なぜこんなことに。
 道徳の授業時間数を確保するための手段にすぎない教科化を急いだからだ。
検定教科書は編集開始から採択までにほぼ3年かかる。
道徳は新しい教科なので5年は必要だったが、授業の開始を急いだため、2020年度の新学習指導要領実施から2年前倒しになり3年しかなかった。
 結果として過去の副読本などからの流用が多い。
小学校の教科書を作る会社の全社が採用した話はすべて、2014年に文部科学省が公表した『私たちの道徳』に掲載されている。  

──小学校では教科化されて1学期が過ぎました。
 現場で聞くかぎり、教室で教科書を読むのが主体だ。
楽だからね。
少なくとも、すばらしい授業ができたという話は聞かない。  

──2019年4月からは中学校でも教科としての道徳が始まります。
今ある教科書の使用を前提にした軌道修正は可能でしょうか。

 教科になった以上、使用義務があるので教科書を無視はできないが、算数と違って網羅的に教科書の内容を教える必要はない。
なので、その中から教師が汎用性の高い、子どもたちの議論が深まりそうな話を選んで授業をすればいい。
そして、それ以外は地域の人に手伝ってもらう。
学校に招いて地域の昔話をしてもらうとか、反対に学校を出て話を聞きに行くとか。

 子どもとおじいさんが架空の町を散歩し、いろんな出会いや発見をする話を読んで、はたして「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」が養われるだろうか。
地域の伝統を教え、愛着を持ってもらいたいなら、学校を出てどの地区にはどんな店が多いか調べ、それがなぜかを考えたほうがずっといい。
実際、文科省も教科書以外の教材、地域に密着している教材、映像教材、体験の利用を提唱している。

美意識や善意の判断基準を育むには  
──週2時間の「総合的な学習の時間」との連携も提案しています。
 中学生の多くはこの時間に職場体験をしている。
たとえば、お店でお客さんの対応を任されたとする。
質問され、よくわからなくても何か答えたほうがいいのか、待たせてでも調べて答えたほうがいいのか。
これを道徳と結び付けると責任感に考えが及ぶ。

 日本の技術のすごさだって、地域の職人さんに話を聞き、実際に技を見せてもらえばいい。
岐阜県の小学校では総合的な学習の時間を使って鵜飼いについて学んでいるが、鵜匠だけでなく伝統技術の粋である鵜飼い舟を作る舟大工にも話を聞きに行っている。  

──ただでさえ疲弊している教師の負担が増しませんか。
 外の人と一緒にやるのは確かに大変だ。
ただ、教師というのは「この子たちはこうやれば腹落ちするんだ」とわかればそれくらいの努力はするし、学校全体で取り組めば個々の負担増は薄まる。
 これは小中学生の子どもがいる、いないに関係ない、すべての人にとって大事な話だ。

「法に触れなければ何をしてもいい」と考える人が増えればどうなるか。
また、「なぜ人を殺してはいけないのか」と子どもに聞かれ、どれだけの大人がちゃんと答えられるのか。
美意識、善悪の判断基準、節度といったものは上から強制できない。
それを育むことができるのは教育なのだ。
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2018年10月16日

もはや壊憲…憲法審査会の与党筆頭幹事は“ウルトラ右翼”

もはや壊憲…憲法審査会の
与党筆頭幹事は“ウルトラ右翼”
2018/10/15 日刊ゲンダイ

「すべての自衛隊員が誇りを持って任務を全うできる環境を整えることは、今を生きる政治家の責任だ」――。
14日、自衛隊の観閲式でこう言った安倍首相。

憲法改正という名の「壊憲」に改めて意欲を示したのだが、演説内容はハッキリ言って支離滅裂だった。
 そもそも、安倍首相は観閲式で「今や国民の9割が、敬意を持って自衛隊を認めている」と強調していた。
現状認識で「国民の9割」が自衛隊に敬意を持っているというのであれば、改憲する必要は全くないではないか。
自衛隊員だって十分、今のままで「誇り」を持って任務に当たっているだろう。

にもかかわらず、なぜ「環境を整える」ために改憲する必要があるのか。
まったくワケが分からない。
 そんなパラノイア状態の安倍首相は、今回の内閣改造で改憲を訴える右派思想の「日本会議」のメンバーを9人も入閣させたが、さらなるウルトラ右翼を衆院憲法審査会の与党筆頭幹事に送り込む。
新藤義孝元総務相だ。
 この男の右寄りのオツムは群を抜いている。

 2012年5月に開かれた「創生『日本』東京研修会」。
安倍首相のほか、稲田朋美筆頭副幹事長や下村博文元文科相ら“アベ友”がズラリ並ぶ中で、長勢甚遠元法相は「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」という平和憲法の根幹を批判し、「この3つをなくさないと本当の自主憲法にならない」と発言。
この研修会で登壇した新藤氏も「自民党の基本は『家族』」「尖閣を有人利用しよう!」などと言っていたから、頭がクラクラする。
こんな男が憲法審の与党筆頭幹事なんて、常識的に考えてあり得ない人選だ。

 政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「PKO法成立の前後、自衛隊員を子息に持つ与党支持者から政府に対して、『子どもを戦場に行かせないでくれ』との陳情が殺到したといいます。
安倍政権は、その事実を無視して『自衛隊の誇り』を叫び、壊憲に突き進んでいる。

自公連携が崩れた沖縄県知事選の敗北で、もはや改憲は“幻”ということに、なぜ気付かないのか」
 ウルトラ右翼をそろえれば何とかなると思っているのであれば大間違いだ。
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2018年10月17日

「全員一致」で終わる会議が心底危ない理由

「全員一致」で終わる会議が
心底危ない理由
ドラッカーは「常識こそ疑え」と教えた
2018/10/16 東洋経済

ウィリアム・A・コーエン :
カリフォルニア・インスティテュート・オブ・アドバンスド・マネジメント(CIAM)創設者兼学長

ピーター・ドラッカーの名前は、誰もが一度は耳にしていると思うが、その実、彼の著書を読了した人はどれくらいいるだろう。
経営学の父として知られるドラッカーだが、彼の考え方は決して古典などではない。
相手が生徒であれ、コンサルティングを行う顧客企業であれ、決して答えは教えず、適切な問いで本人自身に答えを見つけさせるのがドラッカー流だった。
このいつの時代にも通用する普遍的な「考え方の考え方」ともいうべき思考法こそが、ドラッカーの神髄である。

今回は『ドラッカー全教え』の中から、「みんなが知っていることは、たいがい間違っている」という教えを紹介したい。

「みんなが無効だと思っていること」は
     本当に無効か
ドラッカーは、大事なこと、価値のあること、さらにはしゃれたこともたくさん語り、また、書いており、マネジメント分野の思想家として彼以上に引用されている人物はいないのではないかと思われる。
だが、教室や私的な会話では何度も繰り返されたとはっきり覚えているし、私はそれを何冊もの本に書いて説明もしたというのに、ドラッカーが書いた本には登場していない言葉がある。
「みんなが知っていることは、たいがい間違っている」だ。
彼は、よくそう言っていた。

言い続けたのは、そうだと確信していただけでなく、重要なポイントだと思っていたからだろう。
矛盾を含むとしか思えないこのシンプルな言葉は、驚くほど正しく、ビジネスやマネジメントの決断や分析にとても役立つ。

なぜなら、本当はそうじゃないかもしれないのに、「みんなが無効だと知っているから使えない」と思ってしまう選択肢が選べるようになるからだ。
ドラッカーはいつも、「仮定はすべて疑ってかかれ、それがどこから出てきた仮定でも、一見どれほど不可能に思えようとも、すべて検討すべし」と説いていた。
特に検討しなければならないのが、大半の人が知っていること、つまり、何も考えずにみんなが前提条件としていることである。
こういったたぐいの「知識」は疑ってかかり、じっくり検討してみるべきだ。

そうすると「真実だと知られている」情報が実は間違っていたり、不正確だったり、あるいは、ある条件においてのみ正しかった、などといった事実が判明することが実に多い。
逆に、検討しなければ、すばらしく価値のある選択肢を見逃したり、不出来な提案やそれこそまちがった提案をしてしまったりする。
この一文は、彼の仕事でとても大事な役割を果たしていたものと思われる。

ドラッカーのこの考え方は、実は何千年も前から正しかった。
その実例が、大昔イスラエルにあったサンヘドリンという最高法院だ。
今の最高裁判所にあたるが、その力ははるかに強い。

満場一致で有罪の場合は、無罪放免に
このサンヘドリンでは、重要案件が審議され、死刑に至るまでの処罰が科される。
しかし、この法廷には検察官も弁護士も登場しない。
いるのは裁判官のみで、被告人、告訴人、さらにはどちらかが呼んでいれば、証人についても、審理が行われる。
なお、サンヘドリンでは、王を含むあらゆる人の審理が行われており、無罪は1票差の多数で決定できるが、有罪は2票差以上の多数でなければならない。

このあとが本題だ。 サンヘドリンは2000年以上も昔の制度だが、そこではドラッカーの考え方が法的手段として規定されていた。
つまり、71人の裁判官が満場一致で死罪と判断したら、被告人は「無罪放免」となるのだ。
サンヘドリンの裁判官は賢い人々のはずだ。
であるのに、どうしてこういう規定になるのだろうか。

サンヘドリンの審理において、被告の弁護をする人はいない。
だが、どれほど重大な犯罪であっても、あるいは証人や証拠にどれほど説得力があっても、弁護の余地は必ずある。
そう古代イスラエルの裁判官は知っていた。
だから、被告人の主張にも一理あると認める裁判官が1人もいないという状態は、何かおかしなことが起きている、裁判に間違いが起きている証拠だと考えるのだ。

被告人と敵対している人の中に、カリスマ性のある人や、口のうまい人がいるのかもしれない。
政治的圧力や汚職によるかもしれないし、大司祭や王など「上の意向」があるのかもしれない。
満場一致になったという事実だけで、本当のところ被告は無罪である可能性が高いし、これは有罪を示唆するその他すべてに勝る大事なポイントである、と彼らは考えるのだ。

裁判官は、みな、経験と判断力を買われて任用されているわけだが、その彼らが全員、「間違いなく正しいと知っていること」があれば、それはおそらく正しくない。
だから被告人は放免となる。

これは、心理学的な研究でも確認されている。

どうしても周りの意見に流されてしまう
たとえば、写真を見せ、どの人が魅力的かを被験者に選ばせる実験を行うとしよう。
ただし、本当の被験者は1人だけ。
残りは実験チームのメンバーで、すべての写真セットについて、誰をいちばん魅力的だとするか、事前に示し合わせている。そうして実際に写真を選ばせると、真の被験者もほかのメンバー全員が選んだ写真を選びがちになる。
メリットの有無や自分の感覚にかかわらず、「みんなが選んでいるから」と選んでしまうのだ。
いわゆる社会的証明というやつである。
これは、みんなが事実だと思っている場合、それは事実でもなんでもない、あるいは特定の条件でしか事実になりえないという、ドラッカーの考え方を立証していると言える。

著名ブランドが存続の危機に 面白いストーリーを1つ紹介しよう。
「みんなが知っていることは間違っている」と示すと同時に、大企業CEOの個人的な真摯さが表れたストーリーだ。

はじまりは1982年9月29日の朝だ。
12歳の少女、メリー・ケラーマンが、パラセタモールをベースとした解熱鎮痛薬、エキストラストレングス・タイレノールのカプセルを飲み、直後に死亡。
その後、同じくシカゴ地区で死亡事故が相次いだ。
誰かがシアン化合物を混入していたのだ。
全米がパニックになった。
とある病院には、問題の製品を飲んでおかしくなった気がするとの問い合わせが700件も殺到。
入院した人も数知れない。

アメリカ食品医薬品局(FDA)が乗り出し、混入のおそれがあるとされた270ケースについて調べを行った。
結果、たちの悪いいたずらがされていたケースはいくつかあったものの、大半は根拠のないヒステリーにすぎないことが判明する。
このようなパニックが起きたこと自体、ドラッカーの考え方が正しいと示すものではあるが、それ以外にも、ビジネスパーソンにとって重要な教訓がこの事件には含まれている。

このとき、タイレノールは発売から30年近くも経過しており、消費者に信頼されていた。
が、この信頼は一夜のうちに吹き飛び、売り上げは急落。
販売元のジョンソン・エンド・ジョンソンは1億ドルをかけてリコールを実施するとともに、製品の販売をすべて中止する。
さらに、事態が解決されるまではタイレノールを買ったり使ったりしないでくれと広告で訴えた。
ジョンソン・エンド・ジョンソンとその会長ジェームズ・バークには、「正しいことを真摯に行った」と称賛が集まった。
だが、ジョンソン・エンド・ジョンソンがいたずら防止パッケージの開発に成功し、昔の名前で販売を再開すると発表したことに対しては、失敗を予想する声しか聞かれなかった。

「タイレノールは終わった」
    誰もがそう思ったが…
ニューヨーク・タイムズ紙では、「あの名前ではもう売れないと思う……自分ならなんとかできるという広告人がいて、その人物を見つけることができたら、私が雇いたいくらいだ」という、有名広告人の言葉が報道された。
タイレノールは、圧倒的な市場シェアを誇る製品だった。
だが、それはもう過去のことだと「誰もが知っていた」。

2カ月後、販売が再開されると… ウォール・ストリート・ジャーナル紙も、「残念ながら、この製品はおしまいだ、生き返ることはない、これを否定するのは夢物語としか言いようがない」と報じた。
世論調査も、どういう安全対策が取られようと、どれほど安全だと言われようと、買う気はないという声ばかりだった。

1981年には純益の17%をたたき出したこのブランドが復活することはないと、ほぼ全員が考えていた。
さて、どうなったのだろうか。
2カ月後、販売が再開された。
いたずら防止パッケージ製品がお店に並べられ、あちこちに広告が展開される。
12億ドルの鎮痛薬市場で37%から一時期7%まで落ち込んだタイレノールのシェアは、その1年後、「みんなが知っている」予想を裏切り、30%まで回復した。
さらにその後タイレノールは、完全復活を果たし、事件から30年以上後には56%という史上最高のシェアを獲得する。

30年もの長きにわたり、広告や実績、信頼を積み重ねて築いたこのブランドを捨てていたらどうなっただろう。
タイレノールに匹敵するブランドを新たに立ち上げようとしたら、いったいいくらかかっただろうか。
いや、そもそも、できたのかどうかもわからない。
このようなことができたのは、ドラッカーが言うように、「みんなが知っていることは間違っていることが多い」と、ジョンソン・エンド・ジョンソンの幹部が考えたからだ。

彼らは、専門家や消費者まで含めて、「誰もが知っている」ことに挑戦し、タイレノールを復活どころか昔以上の成功に導いたのだ。
ドラッカーは、「みんなが知っていること」にとらわれず、よく考えて成功に至る自分の道を切り開けと教えてくれた。
つまり、常識とは、仮定にすぎないことを理解しなければならないのだ。
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2018年10月18日

田原総一朗「メディアに中立なんていらない」 「中立を掲げることは一種の逃げだ」

田原総一朗
「メディアに中立なんていらない」
「中立を掲げることは一種の逃げだ」
2018/10/17 東洋経済(成相 裕幸 )

新聞をはじめとするマスメディアは、きちんと機能しているのだろうか。
「メディア不信」「マスゴミ」といった言葉が珍しくなくなった昨今、その存在意義が問われ続けている。
60年以上最前線で取材活動をしてきた田原総一朗氏は、多くのマスメディアが掲げる「中立公平」がメディア自身の行動を縛っているという。
これからの目指すべき方向性を聞いた。

−−メディアが抱えている問題は
       どのようなことがありますか。
 テレビの1番の問題はコンプライアンス。
視聴者からのクレームが怖い。
昔は電話でかかってきたクレームに対して、担当プロデューサーが謝れば収拾がついた。
今はクレームがネット経由で番組の編成管理やスポンサーにいって、スポンサーがおりることにも発展する。
すると制作側もなるべくクレームがこない無難な番組をつくろうとする。
そういう番組が多くなったのが大問題だね。

 安倍晋三内閣になって、そちらからの圧力が(テレビ局に)かかったという事例も聞いているけど、それよりもクレームが怖い。
テレビ局上層部も無難な番組をつくろうとするし、権力からにらまれたくないというのがある。

 もう1つは政治に関する番組や特集をやっても視聴率が取れない。
ワイドショーもほとんど取れないし、今視聴率が取れるのは台風などの自然災害。
それから体操、ボクシング、アメフトとかのパワハラとかそういう種類のニュースだね。

マスコミは事実を追求せよ  
−−新聞についてはいかがですか。
 日本の新聞社には言論の自由はない。
どこもそうだ。
読売新聞、産経新聞は安倍内閣応援団で、安倍さんの批判はできない。
朝日新聞や毎日新聞は安倍批判の新聞だから、安倍さんのいいところをいいとは言えない。

朝日新聞や毎日新聞で安倍さんのいいところを書いている記事を読んだことありますか?
 この前、日本経済新聞の幹部に言ったんだ。
「今は完全に借金財政。日本銀行の(金融緩和の)出口戦略もまったくない。
東京オリンピック後の不況ははっきりしてる。
どうしてそのことを日本経済新聞は書けない?」って。

その幹部は「おっしゃるとおりで……」ってそれっきりだったね。
要するにあたりさわりのない記事ばっかり。
新聞社のカラー以外の記事を書けないんだね。
マスコミは事実を追求しなきゃいけないよ。
 昔、朝日新聞の幹部に、マスメディアは権力批判、権力監視でいいけど、朝日新聞ならば批判だけではなく、対策を考えるべきだと進言したことがある。
そしたらその幹部は、対策をまともに考えようとしたら研究所をつくらなければいけない。
お金も時間もかかる。
何よりも労力が必要になる。
でも批判だと何もいらない、と答えたよ。

 朝日新聞についてはもう1つある。
少し前に、文芸評論家の小川榮太郎氏が朝日新聞を批判する本を出したでしょう。
本文にいくつか誤りがあったのは事実。
だけど朝日新聞は小川氏を告訴した。
言論の自由なんだから、朝日新聞を批判することは自由。
朝日は言論で対抗しなきゃいけなかった。
そのことについて、朝日新聞の幹部やOBは彼らに反論する自由はないと言っていたね。  

−−メディアの内部的な問題に
      起因するということですか。
 政治にも問題がある。
野党が弱すぎる。
今の野党は政権を奪取しようという気持ちがまったくない。
自民党議員も選挙制度が変わって安倍さんのイエスマンになってしまった。
以前は自民党の主流派と反主流派の論争や転換が非常にダイナミックで迫力があった。

 これまで自民党の総理大臣があんなに変わったのは野党との闘いに負けたからではない。
自民党の反主流派に負けたんだ。
岸信介、田中角栄、福田赳夫、大平正芳、宮澤喜一、みんなそうだよ。

自民党内部に緊張感がないのではないか
 ところが小選挙区制に変わり、1つの選挙区から1人しか出られなくなった。
だから自民党の議員で立候補するためには執行部に推薦されないと公認されない。
だから安倍イエスマンになっちゃう。
 自民党のなかにも緊張感がないな。

森友問題も加計問題でも昔なら自民党の内部から異論が出るよ。
今はまったく出ない。
第1次安倍政権のときに石破茂幹事長に「自民党の内部がだらけているよ」と言ったんだ。
 石破さんは「おっしゃるとおり」と応えた。
中選挙区制に戻したらいいと提案したら、それは反対した。
中選挙区制は1回の選挙で1億数千万円かかる。
どうしても表に出せないお金が必要になる。
つまり金権政治だよ。
それに比べたら小選挙区制はお金がかからないからね。

 自民党議員も幹部も大臣も、この国をどうするか責任をもっていない。
僕は野党の幹部に「どうやって自民党から政権を奪い取るか真剣に考えろ」と言っている。
時間をかけて言っているのに、今一つ真剣ではない。
立憲民主党も野党第一党で満足してる。
 この前は枝野幸男代表に「次の衆院選では少なくとも100議席はとらなきゃいけない」と言った。
野党がもっと強くならないと政治が緊張しない。
民進党の玉木雄一郎幹事長代理にも共産党の志位和夫委員長にも言ってるよ。  

−−メディアには中立公平、
不偏不党が求められると言われますが。
 中立なんかないし、くだらないものと思っている。
一種の逃げだよ。
特定秘密保護法、集団的自衛権、共謀罪が国会で成立する前後に、僕は反対する7、8人で抗議声明を出した。
そのときに新聞やテレビも一緒に出そうと声を掛けたけど、マスコミは中立不偏だといって参加しなかった。
 メディアに公平・中立などありえない。

僕がテレビ東京でディレクターをしてきたときに、学生運動のなかで全共闘・全学連と機動隊が対立した。
そのときカメラはどちらから撮るか。
全共闘の後ろから撮ればヘルメットをかぶった機動隊が、厳重な装備でガス弾を投げつけてくる権力の暴力装置に見える。

中立とはどこを指すのか、非常に難しい
 ところが機動隊の後ろから撮ると、ヘルメットをかぶった学生が覆面でゲバ棒をもって、石を投げてくる過激な暴力主義に見える。
そこでメディアが中立に立つというのは、どこに立つことを言うのか。
 三里塚闘争のときもそう。初めのころ、メディアは土地を接収された農民の側から取材していた。
空港設置反対の世論がとても強かった。
でも次第に、機動隊の力が強くなって、農民の側にいると取材する身に危険が及ぶ。
実際に何人ものけが人が出た。
だから機動隊の側から撮るようになる。
 すると、農民と思われた人たちは皆武装していて、バックには過激な暴力集団の中核派がついている。
彼らはグルだという流れになり、だんだん世論も成田空港賛成派が多くなっていった。
中立とはどこを指すのか、非常に難しい問題だよ。  

−−なぜメディア自身を
疑うようになったのですか。
 僕は戦争を知っている最後の世代。
終戦のときは小学5年生だった。
その1学期まで「アメリカ、イギリス、フランス、オランダの植民地にされているアジアの国々を独立させ、解放する正義の戦争。
天皇陛下のために名誉の戦争をしよう」という教師の言葉を信じていた。

 でも夏休みに玉音放送があり、占領軍が日本に入ってきたら教師もマスコミも180度変わった。
「あの戦争はやってはならない、間違った戦争だった」と言った。
次々に戦時中の要職者が逮捕された。
ラジオも新聞も、彼らは逮捕されて当然で、いかに悪いことをしたかを言い立てていた。
ほんの1カ月前には褒めたたえていたのに。

言論の自由は命を張って守る
 それを見たことが僕の原点。
えらい大人たちの言うことは信用できない。
マスコミもまったく信用できない。
国は国民をだます。
だから自分の目で確かめたいと思って、ジャーナリストになった。
あの戦争に突入したのは言論の自由がなかったから。
だから僕は言論の自由は命を張って守る。
日本を絶対に戦争させない。
自分と違う考えの人も認めるし討論する。  

ーー自らの意見を発表する
          媒体は選んでいますか。
 ちゃんと自分の伝えたいことを発言できるメディアであれば、どこでもいいと思っている。
紙かウェブかで分けているわけじゃない。
僕はすべて一次情報をとっている。
だから取材したことは事実であるという自信がある。
 もう1つは、なぜこの特集をやらなきゃいけないか、プロデューサーにも報道局長にも、場合によってはテレビ局の会長にまで言う。
「朝まで生テレビ」は始まって31年。
毎回タブーに挑んでいる。
会長から「どうぞ自由にやってください」と言われている。  

ーーメディアで働く
      後進に伝えたいことは。
 とにかく言論の自由を守る。
権力は徹底的に監視する。
日本を戦争しない国にする。
デモクラシーを大事にする。
そして中立なんてことはありえない。
このことだけは伝えておきたい。
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2018年10月19日

新基準導入で日本人の半数が「高血圧患者」になる時代

新基準導入で日本人の半数が
「高血圧患者」になる時代
2018年10月18日 NEWSポストセブン

 上が135、下が85。
──健康診断のためかかりつけ医を訪れたとある中高年男性は、少し高めだがいつもと変わらない血圧に安堵した。
だが医者が口にしたのは想定外の言葉だった。
「135ですか……。降圧剤を飲みましょうか」

 これまで「140に届かなければ心配ないですよ」と言われていたのに、なぜいきなり……。
驚いたが、担当医の指示だから仕方ない。
その日から降圧剤を飲み続けることとなった──。
半年後にはこのような「高血圧にされる人」が急増するかもしれない。

 今年9月に開催された日本高血圧学会の総会で、来年4月に改訂される高血圧治療ガイドラインの方針案が示された。
 これまで高血圧の治療を受ける患者が目標とする血圧は、75歳未満の成人で「140/90(75歳以上だと150/90)」だった。
だが今回の方針案では、「130/80(同140/90)」未満に下げることとなったのだ。
「今後、日本医学会や日本内科学会などが草案を査読し、パブリックコメントを集めたうえで2019年春をめどに改訂ガイドラインを公表します」(日本高血圧学会事務局)

 背景にあるのは、昨年11月、米国心臓病学会(ACC)が「140/90」だった高血圧の診断基準を「130/80」に引き下げると発表したことだ。
米国ではこの基準変更を受けて、推計7220万人だった高血圧患者が一夜にして1億330万人に激増した。
 診断基準とは「あなたは高血圧であり、治療が必要です」と医師が診断するラインを指す。
アメリカではこれを「130/80」に引き下げたため、高血圧患者が一気に増加したのだ。

この流れを受けた日本では、前述した9月の総会で日本高血圧学会は現在の「140/90」という診断基準を変更しないことを表明する一方、治療目標を引き下げることになった。
 これは何を意味するのか。診断基準についての研究を行なう東海大学名誉教授の大櫛陽一・大櫛医学情報研究所所長が解説する。
「診断基準をいきなり変えると治療現場に混乱が生まれかねないので、治療目標だけを変えるのでしょう。
治療目標はあくまで“目標”で、必ずしも厳守すべきものではないはずですが、現場の医師たちはそうは考えていません。
患者のリスクを少しでも減らすために治療目標まで厳格に下げようとするケースが多い。

 今回の変更によって、例えば上が135の74歳以下の患者の場合、基準では140未満だから『高血圧』ではないはずが、『目標の130まで下げましょう』といわれる可能性が高くなります」
 高血圧患者に対する治療が厳しくなる中で、「ゆくゆくは診断基準の改訂に繋がるかもしれない」(高血圧の予防治療を専門とする新潟大学名誉教授の岡田正彦医師)という指摘もある。

 現在、日本の高血圧患者(140〜/90〜)は4300万人と推計されている。
滋賀医科大学と厚労省がまとめた『NIPPON DATA2010』からその内訳をみると、
血圧「140〜159/90〜99」では60〜69歳の37.2%、70〜79歳の41.0%、80歳以上の42.9%。
血圧「160〜179/100〜109」だと60〜69歳の13.1%、70〜79歳の18.0%、80歳以上の13.3%。
血圧「180以上/110以上」で60〜69歳は5.4%、70〜79歳の4.0%、80歳以上の5.1%を占めている。

 現在の基準では高血圧に分類されない、血圧が「130〜139/80〜89」の人は、60〜69歳の24.6%、70〜79歳の20.9%、80歳以上では23.5%を占め、2000万人いるとされている。
だが、もし将来的に「診断基準」まで変更された場合、その人数は6300万人となる。
実に日本人の半数が“高血圧患者”となってしまう。
60歳以上に限れば8割以上が「治療が必要」と見なされることになる。

    ※週刊ポスト2018年10月26日号
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2018年10月20日

公立校教員の過酷な労働環境

公立校教員の過酷な労働環境
「時間内に仕事が終わらない」が8割超、
過労死ライン超えも半数以上
2018年10月19日 キャリコネニュース

連合は10月18日、教員の勤務時間に関する調査の結果を発表した。
調査は全国の公立学校に勤める教員1000人を対象に実施した。
月曜日から金曜日の学校内での労働時間は、平均で52.5時間だった。
校種別では、小学校で52.6時間、中学校で56.5時間、高等学校で49.4時間だった。
週60時間以上働き、過労死ラインを超える人は29.7%に上った。

自宅での労働時間は、0時間が44.5%に上ったものの、2時間以上4時間未満が14.7%、10時間以上が10.3%で、平均は2.8時間だった。
土曜日と日曜日の学校内での労働時間についても、51.9%の人が0時間と答えているが、10時間以上という人も10.3%おり、平均は3.2時間だった。
過労死ラインを超えて働いている人は全体の53.4%に上った。

管理職に早く帰るよう言われるも
「持ち帰り仕事が増えた」が約半数
仕事量について「時間内に仕事が処理しきれない」に「とてもそう思う」と答えた人は54%、「まあそう思う」は28.8%で、合わせて82.8%の人が「そう思う」と答えている。
年代別では、20代の91.7%、30代の91.1%が「そう思う」としている。

20〜30代ではほとんどの教員が、時間内に仕事が終わらないと感じていることがわかった。
働き方改革が推奨される中、2018年度に管理職から早く退勤するように言われたという人は60.1%に上った。
しかし、「持ち帰り仕事が増え、自宅での仕事を入れると総勤務時間は変わらない」という人が46.4%もいた。
仕事の量が減らない限りは、労働時間を減らすことができないのが現実だ。

現在の仕事は働きがいのある仕事だと思うかどうか聞くと、「とてもそう思う」が37.3%、「まあそう思う」が50.5%で、87.8%の人は働きがいを感じている。
しかしいくら働きがいがあっても、勤務時間が長ければ、心身に披露が溜まる。
9月以降にひどく疲れていたことが「ときどきあった」人は39.1%、「しばしばあった」は27.4%、「ほとんどいつもあった」は24.6%だった。
9割以上の教員がひどく疲れていたことがあったと答えている。

またイライラしていることが「ときどきあった」は46.8%、「しばしばあった」は22%、「ほとんどいつもあった」は8.9%だった。
教員には、十分な休息を取って、穏やかな心で生徒に接してほしいものだ。

授業準備や成績処理を「業務」とする
ような制度の見直しに約9割が賛成
現在の勤務時間に関する制度では、授業準備・成績処理・調査報告物の作成などは、勤務ではなく教員による自発的な行為とされている。
これらの業務を勤務とするような制度の見直しに「賛成」する人は64.6%、「まあ賛成」という人は21.6%だった。
また教員にも残業代を支払うように制度の見直しを行うことについては「賛成」が64.1%、「まあ賛成」が22.2%だった。
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2018年10月21日

在日米軍地位協定、異常な特権なくす抜本改定を

在日米軍地位協定
異常な特権なくす抜本改定を
2018年10月19日(金)しんぶん赤旗「主張」

 沖縄県で米海兵隊普天間基地(宜野湾市)所属ヘリの不時着が相次いだのを受け、防衛省が機体整備の状況を確認するため求めていた自衛官派遣に米軍がいまだ応じていないことが分かりました。
9カ月近くたっても派遣を受け入れない米軍とこれに毅然(きぜん)と対応できない日本政府の責任は重大です。
同時に、こうした事態は在日米軍に異常な特権を与える日米地位協定を抜本的に改定する必要性を改めて浮き彫りにしています。

自衛官立ち入りできず
 防衛省が自衛官の派遣を求めたのは、1月に普天間基地に所属するヘリが立て続けに不時着したためです。
その前月(昨年12月)にも同基地所属ヘリが保育園や小学校に部品や窓を落下させる事故があったばかりで、県民の批判の声が高まっていました。

 当時の小野寺五典防衛相は、米側から不時着を繰り返したヘリ(AH1Z)の同型機全ての追加点検や抜き打ち検査をしたとの説明があったとしつつ、「これを私どもはそのまま受け取るわけにはいかない」とし、「今後速やかに自衛隊の専門的・技術的な知見を活用して確認・検証を行う」と自衛官派遣を表明していました(1月29日、衆院予算委員会)。

 ところが、2月1日に予定されていた派遣は「米側からさらなる準備が必要となり、延期したいとの旨の連絡があった」として行われませんでした。
日本共産党の赤嶺政賢議員は同23日の衆院予算委分科会で、政府は主権国家として恥ずかしくない態度で米側と交渉し、事故調査に参加できるようにすべきだと強く求めていましたが、今に至るも実現していません。

 しかも、防衛省が派遣「延期」の理由を「相手国との関係もあり、答えは差し控えたい」(今月12日、岩屋毅防衛相)として明らかにしていないのも大きな問題です。
 自衛官派遣に米軍が応じないこととの関係で、改めて焦点となっているのが日米地位協定です。

 日米地位協定は米軍に基地の排他的管理権を認め、日本側の立ち入り権を明記していません。
 日本とは対照的に、ドイツでは、NATO(北大西洋条約機構)諸国との取り決めで、政府や州、地方自治体による基地の立ち入り(アクセス)とともに、緊急時の事前通告なしの立ち入りも規定しています。
イタリアでは、米国との取り決めで、自国司令部の下に米軍基地が置かれ、自国司令官は機密区域を除き全ての区域に自由に立ち入ることができると定めています。(国立国会図書館・調査及び立法考査局「レファレンス」8月号の論文)

 沖縄県が行ったドイツ、イタリアの地位協定に関する調査でも同様の結果が報告されています。
日本の実情はあまりにも異常です。

知事会が一致して要求
 全国知事会は7月、翁長雄志沖縄県知事(当時)の要請を受けて採択した「米軍基地負担に関する提言」で、日米地位協定を抜本的に見直し、航空機の安全航行を目的にした航空法をはじめ日本の国内法を米軍にも原則適用することや、事件・事故時の自治体職員の迅速・円滑な立ち入りの保障などを明記するよう求めています。

 日米地位協定の抜本改定は独立国として当然の要求であり、政府に実現を迫る運動と世論を広げることが必要です。
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片山さつきの訴訟恫喝に非難殺到

片山さつきの訴訟恫喝に非難殺到
菅義偉官房長官や稲田朋美らも
同じ手口で疑惑封じを
2018.10.20 LITERA編集部

 今週発売の「週刊文春」(文藝春秋)がスクープした、片山さつき地方創生担当相の「100万円口利き」疑惑。
すでに大きく報じられているが、会社経営者X氏が青色申告の取り消しを免れようと片山氏側に相談。
私設秘書である南村博二氏に指定された口座へ100万円を振り込み、片山氏本人もX氏の目の前で国税関係者に電話をかけ、X氏に「じゃあやっておきますよ。任せてもらえれば、大した問題じゃないから」
「うまくいったら、百万円なんて決して高いものじゃないわよね」と述べた、というものだ。

 この報道を受け、18日、片山地方創生担当相はインタビューで「特定の企業への税務調査に口利きをしたことはないし、100万円を受け取ったこともまったくない」
「非常に事実誤認かつ不正確な内容」と否定し、「可及的、速やかに名誉毀損で訴える準備を進めている」と言い、訴訟を起こす構えをみせた。
 だが、メディアの取材に応じた南村氏は、100万円を受け取ったことを認め
「通常業務に対する正当な報酬」「片山氏が国税当局に電話したのかどうかも知らなかった」と強調する一方、受け取った100万円が片山氏側に渡ったかどうかについては「帳簿や通帳を確認してからでないと回答できない」などと発言。

片山氏の私設秘書としてではなく税理士として仕事を請け負ったのなら、片山氏に100万円を渡す必要はない。
にもかかわらず、「確認しないとわからない」というのはおかしい話だ。
 いや、それ以前に問題なのは、片山大臣の態度だろう。
 そもそも、18日のインタビューにしても、自身に浮上した疑惑について説明するために開かれたのではなく、大臣就任を受けてメディアのグループインタビューに応じるという、もともと予定されていたもの。
しかも、一方的に主張を述べたあとは「もう訴訟準備に入っており、弁護士から細かいところは止められている」などと言うだけで、質疑はたったの約4分で終了。
片山大臣の言う「事実誤認」「不正確な内容」というのはどの部分なのかは一切説明せず、「訴訟」を理由にして口を閉ざし、逃げてしまったのだ。
 片山氏は国会議員、しかも大臣である。
そんな公人中の公人が、「訴訟準備中」「弁護士に止められている」なんて理由で自身の疑惑について説明を拒むようなことが許されるわけがない。

 実際、この片山大臣の姿勢には、批判も続出。
18日夜放送の『NEWS23』(TBS)で星浩キャスターは「片山さんは名誉毀損で訴えると言うんですけど、このやり方が認められれば、スキャンダルが報じられたときに全部名誉毀損で訴えて、詳細は説明しないということになる。
これはいくらなんでも閣僚として通じない」と批判。

19日放送の『バイキング』(フジテレビ)でも、司会の坂上忍が「やってないんだったら、説明責任があるんじゃないですか?って僕は単純に思っちゃう」と言い、コメンテーターの東国原英夫も「常套手段ですよね」「政治家は、訴追は訴追、訴訟は訴訟で置いておいて、国民の代表としてつまびらかに国民に説明する義務がある」と疑義を呈した。
 まさに批判のとおりだろう。

現に、片山大臣だけではなく、安倍政権の閣僚や中枢を担う議員たちは、これまで自身のスキャンダル報道に対し、「訴訟を起こす」とメディアを恫喝すると同時に、国民への説明責任から逃げてきたからだ。
 最たる例が、菅義偉官房長官の「3000万円迂回献金」疑惑だ。
これは2015年5月に「週刊ポスト」(小学館)が、菅官房長官が日本歯科医師連盟(日歯連)から2013年に3000万円の迂回献金を受け取っていた疑惑を報じたものだ。
既報に詳しいが(https://lite-ra.com/2015/05/post-1111.html)、この疑惑は当時東京地検特捜部が捜査しており後に逮捕者も出た日歯連迂回献金疑惑の本丸とも目されるものだった。
 だが、菅官房長官は定例記者会見で「事実無根」「報道した『週刊ポスト』に法的手段を考えている」と述べ、すごまれた新聞やテレビは一切この問題を報じず、そのまま沈黙してしまったのだ。

菅官房長官、下村元文科相も
訴訟ちらつかせ、説明責任から逃亡 
 さらに、先日の自民党役員人事で憲法改正推進本部長に抜擢された下村博文・元文科相も昨年6月末、加計学園から200万円の“闇献金”を受け取っていた疑惑を「週刊文春」が報道した。
しかし、下村元文科相は会見で「記事は事実無根」とがなり立て、「名誉毀損に当たるとして告訴の準備をしている」と明言。
「都議選が終わったら丁寧にお答えします」などと言っていたが、いまなお「丁寧にお答え」などしていない状態だ。
 ちなみに、菅官房長官も下村元文科相も、その後、当該記事をめぐって週刊誌を訴えたというニュースはまったく報じられていない。
ようするに、マスコミを黙らせ、説明から逃げるために訴訟をちらつかせたにすぎないのだ。  いや、ちらつかせるだけではなく、実際に告訴した議員もいる。

そのひとりが、やはり先日の自民党役員人事で筆頭副幹事長となった稲田朋美・元防衛相だ。
 稲田元防衛相は、まず「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と近い関係にあると報じた「サンデー毎日」(毎日新聞出版)を告訴。
さらに、地元で「ともみの酒」なる日本酒を会費代わりなどで配っていたという疑惑を報じた「週刊新潮」(新潮社)に対しても、会見で「これはもはや表現の自由と呼ぶに値するものではありません」と言い、その後、記事中で「弁護士バカ」と書かれたことで名誉を傷つけられたとして稲田氏の代理人弁護士である夫・龍示氏が訴訟を起こした。
 だが、「サン毎」記事では、1審、2審と稲田元防衛相が連敗し、最高裁で敗訴が確定。
レイシスト団体との蜜月を報じた記事の正当性が認められたかたちに。
夫が訴えた「週刊新潮」記事のほうも、昨年、最高裁で上告が退けられ、敗訴が確定した。

 国民の「知る権利」を代行する記事に対して訴訟を起こし、ことごとく敗訴するとはみっともないにもほどがあるが、そもそも「週刊新潮」のほうは、前述したように公職選挙法にあたる稲田氏の日本酒贈呈疑惑を追及する記事だった。
しかし、その第2弾の記事のために稲田氏側に取材を申し込んだ際、龍示氏がファクスで訴訟を予告して記事掲載を阻もうとしてきたという。
そして「週刊新潮」が第2弾でこの恫喝文章を記事にすると、「(このファクスが)恫喝だと気づかないのなら、世間を知らない弁護士バカ以外の何ものでもない」と書いたことを理由に提訴したのである。
つまり、記事を潰すために訴訟をちらつかせた挙げ句、その行為を晒され批判されたことに逆ギレして告訴したのだ。

高市元総務相に訴えられた
「週刊ポスト」編集長が更迭  
訴訟を起こすと恫喝したり、実際に告訴することでメディアの動きを封じる──。
その象徴的な事例が、2015年4月に「週刊ポスト」が掲載した、高市早苗総務相(当時)の大臣秘書官をつとめる実弟が関わったとされる「高市後援会企業の不透明融資」問題だ。

 この問題が報じられると、高市氏の実弟は「週刊ポスト」の三井直也編集長(当時)や発行人、担当編集者、ライターまでを被告にして名誉毀損で訴えた。
さらに、警視庁への刑事告訴までおこなうという高圧的手段に出て小学館をゆさぶったのだ。
これが要因のひとつとなり、小学館上層部が三井編集長を就任わずか1年で交代させるという異例の人事に結びついたと言われている。
 いまでは信じがたいが、三井編集長が就任してからの「週刊ポスト」は、それまでの軟派路線とはうって変わって反安倍政権の姿勢を鮮明にし、前述した菅官房長官の3000万円迂回献金疑惑など、毎号のように政権批判が特集されていた。
ところが三井氏の後任編集長は軟派路線で政治的にも保守的で知られる人物だった。
ようするに、訴訟によって疑惑の追及を断たせたばかりか、批判することそのものまで鈍らせることに“成功”したのだ。

 本サイトでは繰り返し強調してきたが、政治家など公人の疑惑や思想、支持勢力について報じ、論評することは、権力の監視が責務のマスメディアとして当然のことだ。
訴訟をちらつかせて事前に記事を潰そうとしたり、実際に告訴して黙らせようとする行為は言語道断であり、完全なる報道圧力だ。
 だが、これこそが、東国原が言うように、安倍自民党の「常套手段」なのだ。
衆院選の立候補中に過去の経費私的流用疑惑が報じられた青山繁晴議員は、記事を掲載した「週刊文春」を刑事告発。
また、国会で財務省の太田充理財局長(当時)に「アベノミクスをつぶすために、安倍政権を貶めるために、意図的に変な答弁をしているんじゃないですか?」などとトンデモ質疑した和田政宗議員は、この質疑を取り上げて批判的なコメントをした『とくダネ!』(フジテレビ)での柿崎明二氏のほか、『ひるおび!』(TBS)で事実誤認の発言があった“安倍応援団”の田崎史郎氏にまで法的措置をとると息巻いた。

 安倍政権による報道圧力体質と、国民への説明責任放棄。片山地方創生担当相はまさにいま、それを実行していると言っていい。
しかし、「訴訟を準備中」などという理由で逃げること自体が、大臣としての資質をまったくもちあわせていない証拠だ。
しかも、対する「週刊文春」は、「記事には絶対の自信がある。
次号以降でさらに続ける」と宣言。

今回の疑惑について2016年からキャッチし取材を進めてきたという「週刊文春」の満を持したスクープなだけに、さらなる続報が待たれるところだが、片山大臣のこの無責任極まりない態度には、もっと批判が浴びせられて当然だろう。
posted by 小だぬき at 12:40| 神奈川 ☀| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月22日

それ本当?「塩」にまつわる健康情報 意外と少ない!?「塩の致死量」 海水と経口補水液の違いとは……

それ本当?
「塩」にまつわる健康情報
意外と少ない!?「塩の致死量」
海水と経口補水液の違いとは……
2018/10/21 withnews

 健康にまつわる情報でよく出てくるのが「塩」です。
暑いときは多めにとるようすすめられ、普段の生活では「減塩」が体にいいと言われます。
「塩水ダイエット」など間違った情報が広まることも。遭難しても海水を飲んだらダメだけど、経口補水液はOKな理由。
体臭が気になる人におすすめの活用法。
体内でのはたらきや、涙や鼻水の浸透圧の違いなど、正しい知識で向き合いたい塩の話をご紹介します。(薬剤師ライター・高垣育)

体内での「塩」の役割  
そもそも塩は体のなかでどのような働きをしているのでしょうか。
 塩は食事を通して私たちの体のなかに入ると水に溶けてナトリウムイオンと塩素イオンという形になります。
 そして細胞内外の水とミネラルのバランスを整えたり、筋肉を収縮させたり、体中に張り巡らされた神経を通して体のすみずみまでスムーズに情報を伝えたり。
私たちが生きていくうえで欠かせない大切な働きをします。

 たとえば熱中症になったり、激しい下痢や嘔吐(おうと)を繰り返すとけいれんの症状が現れることがあります。
これは筋肉を収縮させる役割を果たすナトリウムイオンなどが大量に失われたために起こります。

塩とりすぎるとダメな理由
 熱中症の対策では、塩分をとることがすすめられています。
 一方、厚生労働省が生活習慣病を予防する目的で掲げた塩分摂取の目標量は1日あたり男性8グラム未満、女性7グラム未満です。
 もし、普段の食事で摂取する1日10グラムを超えるような塩を単品あるいは濃縮されたかたちで過剰摂取した場合はどうなるのでしょうか。

 神奈川県済生会横浜市東部病院の医師・谷口英喜さんは「血液中のナトリウムイオンが水を引き込み臓器が大きなダメージを受ける」と説明します。

 「血液中のナトリウムイオン濃度が急激に上昇すると、血液中のナトリウムイオンが体中の水を血液の中に引き込み血管内が水浸しになります。
肺の血管内が水浸しになると肺水腫、心臓だと心不全となり心臓や肺に大きなダメージを与えます。
命にかかわるような病態です」
  だから塩を単品あるいは、醤油のように濃縮された形で短時間に摂取するのは危険なのです。

意外と少ない?致死量
 では、塩による致死量はどのくらいなのでしょう?
 体重60キログラムの人だと食塩30グラムほど。
大人に比べて体が小さな子供の場合、体重10キログラムでは小さじ1杯5グラムほどの食塩で死に至ることも。
 体重1キログラムあたり、塩は0.5〜1グラムが致死量と言われています。

 ここで心配なのが夏場にお世話になった人も多い経口補水液です。
 熱中症やおなかの風邪による激しい下痢・嘔吐で脱水状態になった際に活躍する経口補水液には500ミリリットルのペットボトル1本あたりおよそ1.5グラムの塩が含まれています。
 谷口さんは「たとえば同じ塩1.5グラムを摂取するにしても、経口補水液や食事としてとる場合と、海水のように濃縮された状態でとるのとでは安全性が異なります」と言います。

海水飲んだらダメな合理的理由
 例えば、映画などでしばしば見かける海で遭難したシーン。
 遭難した人たちはどんなにのどが渇いても周りに大量にある海水を飲みません。
なぜだろうと不思議に思ったことはありませんか?

 実は、海水には経口補水液の10倍にもおよぶ塩分が含まれています。
 仮に500ミリリットルのペットボトル1本分の海水を飲んだとしたら、その塩分量は15グラム。
 この量だと、谷口さんが説明してくれたように、血液中のナトリウムイオン濃度が急激に上昇し、命に危険が及ぶ深刻なダメージを体が受けることになります。
 「海で遭難したら海水を飲まない」は遭難者が生き延びるために理にかなった行動だったのです。

海水と経口補水液の違いって?
 それに対して、経口補水液は薄まった状態なので「ペットボトル1本分を飲んでも急激に血液中のナトリウムイオン濃度を上昇させる心配はなく安全」と谷口さんは説明します。
 ただし安全に飲めるからといって経口補水液を何日間も漫然と飲み続けるのは禁物です。
 食事に加えて経口補水液からも塩をとると過剰摂取となり、高血圧になったり、腎臓に負担をかけたりすることになるためです。

体臭に効く塩
 使い方を間違えると健康に悪影響を及ぼすだけでなく、命を危険にさらすおそれがある「塩」ですが、怖いだけではなく良い面もたくさんあります。

 季節を問わず気になる体臭。
脂っぽい加齢臭にも、酸っぱい汗臭さにも「塩」で対処する方法があります。
 五味クリニック院長の五味常明さんは「ニオイのもとになる余分な脂やあかなどの汚れを塩によって上手に取り除くことができます」と言います。
 「私たちの皮膚の表面には潤いを保つ皮脂や皮膚の免疫を保ちバリアーの役割をする常在菌が存在しています。
これらは私たちの体に必要なものですが、洗浄力の強い洗剤を使うと取り過ぎになってしまいます。
塩なら体に必要な油分や常在菌は残しつつ、汚れをきれいにできるのです」

手軽な「塩風呂」
 体臭をおさえる塩の使い方として、おすすめなのが塩風呂です。
 一般的な家庭用の浴槽に塩ひとつかみ30〜50グラムを入れるだけ。
お湯の温度は38〜39度、入浴時間はトータルで15〜20分くらいを目安にして湯船につかってください。
 できれば精製塩ではなく天然塩を用意するのがおすすめです。

 注意点は「肌にひどい傷がある場合はしみるおそれがあるのでお休みする」ということ。
もうひとつは、浴槽のタイプによっては塩が浴槽の故障の原因になる場合があるということです。
 自宅の浴槽で塩風呂を行っても大丈夫かどうかよく調べてみてください。

 もし塩を使えない浴槽の場合は洗面器などにはったお湯に塩を溶かした「塩湯」を作って体を洗います。
そのあとシャワーで塩を洗い流せば浴槽を傷めることはありません。

「塩水鼻うがい」
 水で鼻うがいをするとツンとして痛い。
これは鼻の粘膜の細胞と水の浸透圧に差があるためです。
 そこで登場するのが塩水です。

 鼻のクリニック東京の院長、川野健二さんは「鼻うがいに使う“塩水”は体から常に分泌されている涙や鼻水と同じ浸透圧になるように調整したいわば鼻水や涙の代用のようなもの。
だからツンとしないし痛くありません」と話します。

「入り口」だけを洗うこと
 塩水鼻うがいに用意するのは「塩」およそ2グラム(小さじ2分の1ほど)と体温に近い37度くらいのぬるま湯コップ1杯分(およそ200ミリリットル)です。
そして、基本的には鼻うがい用の専用容器を使用することを川野さんは勧めています。
 「鼻の入り口だけを洗うこと」「洗うときは心持ち顔を下に向けて洗いたい鼻の穴を高くするように顔を傾けること」を意識し、朝晩1日2回行います。
 鼻の奥まで洗おうとして水を勢いよく鼻の奥へ送り込もうとするのは禁物。
水の勢いによって鼻の粘膜が刺激を受けて、かえって鼻づまりを招くこともあります。
鼻うがいは「鼻の入り口」をやさしくすすぐだけと覚えておきましょう。

 注意点は「黄色い鼻水」が出ている時、すなわち「カゼ」や「副鼻腔(ふくびくう)炎」などのなんらかの感染症がすでに起こっている場合にはお休みするということです。
 川野さんは「入り口だけを上手に洗えれば良いのですが、洗う勢いが強すぎて、うがい液が耳へ流れ込むと、一緒にウイルスなども運ばれて中耳炎などの別の感染症を起こすリスクがあります」と指摘します。

当たり前の存在だからこそ
 私たちにとって身近な塩。
健康に役立てるためにと思ってても、使い方を誤るとかえって悪影響になることがあります。
 「塩水ダイエット」など、誤った情報が広がりやすいのも、それだけ当たり前のような存在であるからかもしれません。  

正確な情報できちんと塩に向き合うことが大事です。
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消費税10% カードを使わない人にポイント還元なしの無慈悲

消費税10% カードを使わない人に
ポイント還元なしの無慈悲
2018/10/22 NEWSポストセブン

安倍晋三首相は閣議で消費増税実施を発表し、「経済に影響を及ぼさないよう特別の措置を講じる」と指示した。
補助金の拡充やポイント還元制度の創設などが検討されているというが、複雑怪奇な“弥縫策”に、現場では混乱が広がっている。
それがどんな影響を及ぼすかを知っておけば、消費者が取るべき行動が見えてくる。
 前回(2014年4月)の消費税率5%から8%への引き上げ後は、消費が一気に冷え込み、景気悪化で給料は下がり、国民生活は一段と苦しくなった。
「特別の措置」が必要なのは、来年の増税ではそれ以上の負担と混乱が予想されるからだ。

 本誌・週刊ポスト前号では、消費税が10%に上がる前に、「買っておくもの」「買わなくていいもの」を仕分けした。  増税と聞けば「買いだめ」に走りがちだが、前回は増税後の消費の冷え込みで投げ売りされて値段が大きく下がった。
増税前の駆け込み消費で高値掴みさせられたケースも少なくない。

 生活防衛のためにはどうすればいいか。
 保存のきく医薬品は増税前に買い置きするメリットがあるが、増税後も特売対象になりやすいトイレットペーパーや洗剤など日用品は慌てて買う必要がない。
家電なら冷蔵庫や洗濯機など値崩れしにくい「白物家電」は増税前、モデルチェンジが早く値崩れしやすいテレビやパソコンは“待て”というのが節約術の専門家の指摘だ。
また、高額商品の自動車や一生の買い物になる住宅は、増税後に住宅減税や自動車減税が実施されれば、急いで買うのが得策とはいえない。

◆現金払いは「悪」なのか!
 経済ジャーナリストの荻原博子氏が指摘する。
政府の増税対策のメニューにあるのは、物をどんどん買うなら還元するという景気対策。
高齢者や低所得者など、消費増税の影響を最も受ける層の負担を軽くするものではありません

 安倍首相が目玉に掲げたのが「ポイント還元」だ。
中小の小売店で商品を購入した客に、税金を原資に価格の2%分のポイントをつけるというもので、ためたポイントは商店やネット販売の代金支払いや値引きに使える。
だが、対象になるのはクレジットカードや電子マネーで購入した場合だけ。
現金払いだと“戻し税”の恩恵を受けられない。

前出の荻原氏が語る。
「政府の家計調査によると、65歳以上の世帯(2人以上)の食費を除いた1か月の平均消費支出は約18万円、年間約216万円です。
2%のポイントがもらえないと約4万円を失うことになる
 政府はポイント制を「中小零細商店対策」と説明しているが、商店街の飲食店経営者はこういう。
「うちはカードも使えない小さな店ですから対応できない。
それにもともとポイント還元商売は大手チェーンが得意としているし消費者にもそのイメージが強い。
お客さんの足が遠のいてしまうのではないか」

 税理士でもある立正大学教授の浦野広明氏が政府の狙いを指摘する。
中小商店にまで電子決済を導入させ、税務当局が店の売り上げから客が何を買ったかの資産状況まで正確に把握して課税できるようにするのが狙いでしょう
 ポイントをもらえる人も喜んでばかりはいられない。

  ※週刊ポスト2018年11月2日号
posted by 小だぬき at 11:18| 神奈川 ☀| Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月23日

68歳の「過労死」 高齢社会を直視しよう

68歳の「過労死」
 高齢社会を直視しよう
2018年10月22日 東京新聞「社説」

 六十八歳のシニア社員が勤務中に亡くなった。
休憩も取れないほどの長時間労働だった。
政府は高齢者の就労促進を掲げている。
だが、人手不足を補う役割を押しつけては働き過ぎを防げない。

 男性は、警備会社の社員として私立高校の警備を担当していた。
今年二月、夜間勤務中に急性心筋梗塞を発症し二カ月後に亡くなった。
遺族は長時間労働による過労が原因だとして労災申請をした。

 驚いたのはその長時間労働の実態だ。
代理人の川人博弁護士によると、同僚が一人休職となり男性ともう一人の二人で交代勤務をしていた。
帰宅せず三日間の連続勤務もあった。
仮眠は規定より短くしか取れず休憩時間もわずかな時間しかなかったようだ。

 男性は年金が月十四万円ほどで家賃も払う必要があった。
家族もおり生活のために六十五歳以降も引き続き働く道を選んだ。
 しかし、この働き方は高齢者に限らず過酷だ。
男性は生前、人員を増やすよう会社に要望していたという。
それだけに改善がされなかったことは悔やまれる。

 総務省の八月の労働力調査では、働く六十五歳以上はパートなどを含め八百七十二万人で就業者の13%を占める。
高齢者の四人に一人が働いており、社会を支える重要な働き手だ。
 高齢者の職場は人手が不足している業種に多い。
この男性のように生活のためにフルタイムで働く必要から労働条件に問題があっても我慢せざるを得ないケースもあるだろう。
いきおい過重な労働を強いられかねない。

 川人氏は「とりわけ六十代後半から七十代前半の過労問題の相談が増えている」と話す。
高齢者は人手不足の穴埋め人材ではない。
 発足した第四次安倍改造内閣は六十五歳以上への継続雇用年齢の引き上げなど高齢者の就労促進を掲げた。
活躍の場を広げることは重要だが、やりがいを持って健康に働けることが前提になる。

 体力が落ちる年代。
持病を抱える人もいるはず。
企業は短時間勤務や週二日勤務など働き方に配慮してほしい。
政権も経済成長に前のめりになるあまり過労死を放置することは許されない。
 もうひとつ気になることがある。男性は朝の時間帯に保護者からの電話応対もしていた。
多い日は一時間で三十件もあったという。
本来は教職員の業務だが、教員の多忙が背景にあるようだ。
働き方は連鎖する。
その見直しは社会全体で取り組むべきだ。
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2018年10月24日

共産党はいつまで牽強付会な総括を繰り返すのか

共産党はいつまで
牽強付会な
総括を繰り返すのか
10/23(火) JPPRESS
筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

 私も30年以上、籍を置いていたので熟知していることなのだが、日本共産党の選挙総括や運動の総括は、本当に牽強付会なものが多い。
牽強付会とは、言うまでもなく「道理に合わないことを、自分に都合のよいように無理にこじつけること」である。

 日本共産党の第5回中央委員会総会が、10月13、14日の2日間にわたって行われた。
志位和夫委員長は、この会議で来年の統一地方選挙、参議院選挙の方針を決めることを第一の課題だと述べたが、それだけではない。
 6月19日付の本欄(「率直に表明された共産党・党勢拡大運動の悲惨な現状」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53349)でも紹介したことだが、同党は6月11日に緊急の第4回中央委員会総会を開き、6月11日から9月30日の約4カ月間を「参議院選挙・統一地方選挙躍進 党勢拡大特別月間」に設定し、その成功のために邁進してきたはずである。
その結果がどうだったのかを総括することも、この会議の重要な課題であるはずだ。

 ところが、約1時間40分もかけた志位氏の報告では、党勢拡大についての報告がなかなか出てこなかった。
最後になってやっとほんの少し出てくるのである。
これだけを見ても上手くいかなかったことが分かる。
万が一にも目標を達成していたなら、冒頭からこれでもか、これでもかというぐらい自慢話が続いたことだろう。
だが、そんなことは微塵もなかったのである。

■ 絶望的なまでに実現不可能な目標設定
 志位氏は報告で、この「4カ月で、新たな入党承認で4355人、『しんぶん赤旗』読者は、日刊紙で844人増、日曜版で6691人増、電子版(日刊紙)が2000人を超えて新しい層に広がり、あわせて約1万人の読者が増え」た。
「『特別月間』の目標は、全党的には達成できませんでしたが、党勢の連続後退から前進へと転ずることができたことは貴重な成果であります」と述べている。

 本当に「連続後退から前進へと転じた」のか。6月に立てた目標は、新聞読者も党員も1.4倍にするというものだった。
これは党員で12万人、「しんぶん赤旗」は45万部以上増やすという、できるはずもない目標だった。
目標自体が絶望的なまでに実現不可能な不真面目なものでしかなかったのだ。

 しかも実態は、前進に転じたどころではないことは、ベテラン党員なら誰でも知っていることだ。
入党承認4355人というが、これだけ党員が増えたということではない。
だから志位氏も「増」とは言っていないのだ。
ここから亡くなった党員や離党した党員の数を引いて、はじめて純増が何人ということになる。
それを言わないということは、ほとんど純増はなかったということである。

 また読者が1万人増えたというが、大半は10月には解約になっているはずだ。
多くは「9月末までお願いします」と言って購読してもらっているからだ。
 私は前述の6月の拙稿で、「志位氏や小池晃書記局長の発言を見ても、なぜ40年以上も『月間』『大運動』が成功してこなかったのか、失敗したのか、その原因についての分析が皆無なのである。

話を病気に例えてみよう。なぜ病気になったのか、その原因も究明せず、適切な治療法が見つかるわけがないではないか。

『病は気からだ。ともかく頑張れ』と言っているのに等しいのが、今回の共産党の『党勢拡大特別月間』なのである」と指摘しておいた。
 そのうえで、「今回も、絶対に失敗すると断言して間違いなかろう」と指摘しておいたが、その通りになった。
だが、こんなことは、自慢することでも何でもない。
少し気の利いた共産党員なら誰でも同じことを思っていることだろう。
ただ声を上げないだけである。

■ 党幹部が一番危機に
        感じるべきことは何か
 共産党にとっての一番の危機は、党員が増えないことでも、「しんぶん赤旗」が増えないことでもない。
 志位氏は、相変わらず今度の会議でも、「3割増以上の党勢拡大を」という檄を飛ばしている。
そして、強く大きな党をつくる大道があり、その鍵が3つあるそうだ。

 第一、支部を直接指導・援助する地区委員会活動を強化する。
 第二、「楽しく元気の出る支部会議」を広げ定着させることです。
 第三、労働者階級、若い世代のなかでの党づくりという点では、党機関とその長が、いかなるときでもこの課題を握って離さない断固たるイニシアチブを発揮することが決定的に重要であります。

 地域の支部では、平均年齢が60代、下手をすれば70代の支部が地域ではほとんどだ。
10数年、20年前からそうだ。
ここで「楽しく元気の出る支部会議」ができるはずがない。
地区委員会は財政が窮乏しているため、専従活動家が減らされてきた。
地区の専従活動家は、「しんぶん赤旗」の配達や集金の激務もこなしている。
ほとんどの地区委員会は、その激務に悲鳴を上げているのだ。

 「労働者階級や若い世代のなかでの党づくり」などというのは、無責任な戯れ言に過ぎない。
それが何十年もできなかったから、今日の党勢の減退があるのだ。
こんなことは、「大道」でも「鍵」でも何でもない。
何も言っていないのと同じである。
 問題は、「月間」もそうだが、こんな馬鹿げた方針に党内からいささかも異論が出ないことだ。
真剣に今の共産党の危機を考えている党員がいるのなら、異論の声を上がるはずだ。
それがないことこそが、共産党にとっての最大の危機と言うべきだろう。

■ 「おもしろい」どころか
       役に立たない党綱領
 共産党のホームページで開くと7月に行われた党創立96周年記念講演会での志位氏の講演が飛び込んでくる。
演題が「いま日本共産党綱領がおもしろい――激動の情勢のもとでの生命力」となっている。
共産党には大変申し訳ないが、「おもしろい」というのは、興味をそそるという意味ではなく、その頓珍漢さに笑ってしまうことかと思った。

 例えば志位氏は、この講演で
「私たちの綱領では帝国主義論を発展させました。
すなわち、21世紀の新しい世界にあっては、『独占資本主義=帝国主義』とはもはや言えなくなっている。
その国が帝国主義かどうかは、その国の政策と行動のなかに侵略性が体系的に現れているかどうかで決まる。
そういう立場から、私たちの綱領では、いまの世界で唯一、帝国主義といえるのは、アメリカだと判定しました」
「同時に、そのアメリカであっても、戦争と平和の力関係が変化するもとで、いつでもどこでも帝国主義的行動をとることはできなくなっているという分析もあわせて行ったのです」と語っている。

 この程度のことが自慢なのである。
分析と言えるような代物ではない。
もともと「独占資本主義=帝国主義」と機械的に位置付けてきたのは共産党自身である。
それを変更しただけの話しであって、第三者から見ればひとり相撲を取っているだけである。
理論的な「発展」でも何でもない。
実際、日本共産党綱領では、日本の現状を「日本独占資本主義」だと規定している。
だからといって日本が帝国主義国と言えないことは自明であり、何を今さらなのである。

 具体的な政策と行動によって判断するというのであれば、プーチンのロシアや習近平の中国はアメリカ以上に帝国主義国と言えるのではないのか。
だが、共産党の綱領はこのことにも何らの回答を与えていない。
これでは「おもしろい」のではなく、むしろ「役立たず」と言ってよい。

 党の体質についてもそうだ。
党の役員や大会などの代議員の選出で、実質的な選挙を行っていない主な政党は日本共産党だけである。
規約では、選挙によって役員を選出することとなっているが、そもそも立候補を認めていない。
立候補できないような選挙制度は、選挙とは言わない。
共産党が党内で選挙と称しているのは、世間や民主主義の常識に照らせば、到底受け入れられないものである。

 志位氏は、「『人間の自由で全面的な発展』――これこそがマルクス・エンゲルスが、若い、最初の時期から、晩年にいたるまで、一貫して追求し続けた人間解放の中心的内容であり、私たちの綱領が未来社会の最大の特質としていることです」と述べている。
上意下達、閉鎖性、窮屈きわまりない組織の共産党がこんなことを言っても何の説得力もない。
「隗より始めよ」という言葉があるが、党内選挙、自由な発言など、共産党内の自由と民主主義をこそ確立すべきである。
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2018年10月25日

安田さん解放に「英雄として迎えないでどうする」 テレ朝・玉川徹氏、「自己責任論」を批判

安田さん解放に
英雄として迎えないでどうする
 テレ朝・玉川徹氏、
「自己責任論」を批判
10/24(水) JCASTニュース

 3年に渡ってシリアの武装勢力に拘束されていたフリージャーナリストの安田純平さんが解放されたとの情報を受け、安田さんをめぐる「自己責任」の議論がインターネット上で再燃している。
だが、テレビ朝日解説委員の玉川徹氏は「釘を刺しておきたい」として自己責任論を強く否定した。
 玉川氏は2018年10月24日の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で、紛争地帯に飛び込むフリージャーナリストの役割の大きさを力説。
安田さんを「英雄として迎えないでどうするんですか」と主張した。

■「フリーのジャーナリストは
   命を懸けてやっているんです」
 安田さんが解放されたとの情報は23日深夜、菅義偉官房長官が緊急会見を開いて発表。
トルコ南部の入管施設で同日に保護されたとの知らせが、カタール政府から届いたという。
安田さんであると確認されれば、近く日本に帰国すると見られる。

 安田さんは15年6月、トルコ南部からシリアに入国したことを知人に伝えた後、消息を絶った。
シリア取材中にアルカイダ系の武装組織「ヌスラ戦線」(現・シリア征服戦線)に拘束され、何度か映像がインターネット上にアップされてきた。
18年7月には2人から銃を突き付けられた状態で、安田さんとみられる男性が「私の名前はウマルです。韓国人です」「助けて」などと話す動画が公開された。

 安田さんをはじめ、紛争地帯で取材するジャーナリストに関する新情報が報道されるたびに、自ら現地に入っていったのだから「自己責任」だとする声がインターネット上では噴出する。
だが、こうした風潮に、政治や社会問題などを30年取材している玉川徹氏は「モーニングショー」で、「自己責任論というのを僕は否定しておきたい。釘を刺しておきたい」と反論。
「そもそも、ジャーナリストは何のためにいるんだ。民主主義を守るためにいるんですよ」として力説した。  

 「民主主義といっても国や企業で権力を持っている人たちは、自分達の都合のいいようにやって隠したいんですよ。
隠されているものを暴かない限り、私たち国民は正確なジャッジができないんです。
それには情報がいるんですよ。
その情報をとってくる人たちが絶対に必要で、ジャーナリストはそれをやっているんです。
フリーのジャーナリストは命を懸けてやっているんです。
一番危ないところに行かれているんですよ、安田さんは。
そういう人を守らないでどうするんだ」

「兵士は国を守るために命を懸けます」
 さらに、「たとえて言えば、兵士は国を守るために命を懸けます。
その兵士が外国で拘束され、捕虜になった場合、解放されて国に戻ってきた時は『英雄』として扱われますよね。
同じことです」と、「兵士」を引き合いに出し、安田さんが解放されて帰国するとなった場合について、   
民主主義が大事だと思っている国民であれば、民主主義を守るために色んなものを暴こうとしている人たちを『英雄』として迎えないでどうするんですか」 と主張した。

 その上で改めて「何ですか自己責任論って。国に迷惑かけたって何ですか。
その人たちは民主主義がいらないんですか。
僕は敬意をもって迎えるべきだと思います」と、「自己責任」と突き放す風潮を批判した。

 玉川氏は「解放されて国に戻ってきたら『良かったね。命をかけて頑張ったね』と声をかけますよ」とも述べている。
安田さん解放情報を受け、同様の考えを表明しているジャーナリストは少なくない。

 戦場ジャーナリストの志葉玲氏は24日未明、ツイッターで「安田純平さん、これまでの水面下の動きでの経緯から考えて、身代金を日本政府が払った可能性は極めて低い。
なので、バッシングしないでね」とし、「あと、報道各社も取材したいのは同業者としてわかるけど、まずは安田さんやそのご家族を休ませてあげて」と労いの言葉を投稿した。

 ジャーナリストの布施祐仁氏は23日深夜、ツイッターで「あぁ本当によかった。それしか言葉が出ない。2004年4月の時のことが蘇る」と投稿。
当時、イラクで武装勢力によって日本人が立て続けに拉致され、そのうちの1人は安田さんだった。
布施氏は続けて、   
ジャーナリストは生きてこそ取材したことを伝えられる。
安田さん、生きていて本当によかった」 と安堵している。
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2018年10月26日

麻生太郎財務相がまた「医療費の税負担あほらしい」と暴言

麻生太郎財務相がまた
「医療費の税負担あほらしい」と暴言
医療自己責任論と弱者排除を
ふりかざす醜悪体質は昔から
2018.10.23 LITERA編集部

 この男は一体何回国民を傷つけたら気が済むのだろう。
本日おこなわれた閣議後の記者会見で、またも麻生太郎副総理兼財務相が看過できない暴言を吐いたのだ。

「飲み倒して運動も全然しない(で病気になった)人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしくてやってられんと言っていた先輩がいた。
良いことを言うなと思った」(共同通信より)
 不摂生して病気になった人間の医療費を払うのは「あほらしい」などという発言を取り上げ、「良いことを言う」と褒めあげて自分の意見として述べたのである。

 麻生氏がこのような暴言を吐いたのは、これがはじめてではない。
総理大臣だった2008年11月20日に開かれた経済財政諮問会議でも、「67歳、68歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる」と言い、「こちらのほうがはるかに医療費がかかってない。
毎朝歩いたり何かしているからである。
私のほうが税金は払っている」と主張すると、こう述べたのだ。
「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」

 さらに、第二次安倍政権で副総理兼財務相に就くと、2013年4月24日の都内会合でも、このように発言した。
「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで糖尿になって病院に入るやつの医療費は俺たちが払っているんだから、公平じゃない」
「こいつが将来病気になったら医療費を払うのかと、無性に腹が立つときがある」
 麻生財務相はたまたま大病していないだけで、「愛人」だと報じられた女性がいるバーで1回約180万円も使っているほか、高級フレンチだの高級寿司店だのに通うという、まさに「飲み倒し」の豪遊生活を送っている。
しかも、麻生財務相は政治活動費で豪遊しており、国民のほうが「腹が立つ」と言いたいくらいだ。
こうして政治資金で「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで」いる麻生財務相が、いつ自分が重い病気にかかるかはわからないというのに、「健康なおれが医療費を払うのはあほらしい」などと言うことを「良いこと」などと言い放ったのである。

 そして、この暴言は、2016年に問題となった長谷川豊氏の「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」
「自堕落な生活で人工透析患者になったハナクソ同然のバカ患者」という自己責任論とまったく同じものだ。
いや、麻生氏は財務相という医療費を検討する行政のトップであり、長谷川氏以上に発言への責任は重い。

 過去にも指摘したが、麻生財務相が「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで」と槍玉にあげてきた「2型糖尿病」の原因は、麻生財務相の言うような「贅沢病」などではなく、むしろ「貧困病」だという指摘がなされており、全日本民主医療機関連合会の調査でも〈患者は低学歴で非正規雇用が多く、貧困や労働環境の悪化が糖尿病の発症を早めていることが推測されます〉とまとめられている。
コレは日本に限った話ではなく、世界的にも経済的・社会的格差によって「健康格差」が生まれ、なかでも糖尿病はそうした健康格差の代名詞となっているのである(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2016/11/post-2661.html)。

 つまり、政府に求められるのは、健康格差の是正のための政策をしっかりおこない、早期発見・治療のために、厚労省が中心となって自治体、企業、地域などで食生活の改善や医療機関への受診の促進をさらに進めていくことにほかならない。
 にもかかわらず、麻生財務相はこうした問題点をまったく理解しようとせず、一方的に「自分で健康を維持できない人間の医療費を健康な人間が支払うのは不公平」などと日本の医療制度を否定し、自己責任論を煽動しているのだ。

麻生財務相は高額医療にかかる
高齢者にも「さっさと死ねるように」と暴言
 ようするに、麻生財務相が繰り返し暴言を吐いてやろうとしていることは、人工透析患者をはじめ“原因は自堕落な生活にある”と誤った認識を社会に広げると同時に蔑視感情を植え付けるという偏見・差別の拡散であり、患者やその家族に恥の意識をもたせることで医療費抑制につなげようという、極悪非道の“政策”なのだ。

 しかも、麻生財務相がターゲットにしてきたのは、糖尿病患者だけではない。
2013年11月21日に開かれた政府の社会保障制度改革国民会議では、麻生財務相は高齢者の終末医療にかんして、こんな暴言を放っている。
「政府のお金で(高額医療を)やってもらっていると思うと、ますます寝覚めが悪い。
さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろ考えないと解決しない」
 つまり、麻生財務相は、高額医療にかかる高齢者は「さっさと死ね」と言っているのだ。
その上、このとき麻生財務相は患者のことを「チューブの人間」と表現した上、「私はそういうことをしてもらう必要はない、さっさと死ぬからと(遺書に)書いて渡している」と述べたという(毎日新聞2013年11月22日付)。

 自分の死生観を勝手に国民に押し付けるなと言いたいが、こうやって麻生財務相は国民の医療を受ける権利、いや、国民の生きる権利を軽んじ、奪おうとしてきたのだ。

 これは糖尿病や終末医療を受ける高齢者だけの問題ではない。
麻生財務相の物言いは、あらゆる障がいや後天性の重病にいつ刃が向けられてもおかしくはないものだ。
そして、こうやって自己責任だと国民に押し付けることで、社会保障費の抑制をはかろうという頭しか、この無能な大臣にはないのである。

 多くの国民が麻生氏の暴言に慣れすぎて、「また失言か」などと見過ごすかもしれないが、こんな男をのさばらせつづけるのは、はっきり言って異常であり危険だろう。
これは大袈裟ではなく、私たちの命の問題がかかっている。
即刻、辞任するべきだ。
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2018年10月27日

任意団体 入退会は個人の自由<PTA会長になった記者リポート>

任意団体 入退会は個人の自由
PTA会長になった記者リポート
熊本日日新聞社 2018/10/25  

PTAは任意団体です」−。
荒尾市の小学校のPTA会長に就任した今年4月の総会のあいさつで、そう触れた。
「任意団体」という説明を口頭で伝えることは、役員内での申し送り事項になっていた。
そのきっかけとなったのが、「PTA会費返還訴訟」だ。

 熊本市の小学校に子ども2人を通わせていた自営業の男性(62)が2014年、PTAに入会の意思を示していないのに会費を徴収されたとして、同小PTAに会費返還などを求めて提訴。
昨年2月、福岡高裁で成立した和解条項には「PTAが入退会自由な任意団体であることを十分に周知」することなどに努める、と記された。
 任意団体であるPTAが訴えられれば、代表者である会長個人も被告となる。
こうしたリスクを抱える以上、慣例的ではなく、問題を理解した上で対応すべきではないか。
そんな思いから、PTAを提訴した男性と連絡を取り、話を聞いた。  
  ◇      ◇
 男性の2人の子どもは09年、熊本市の小学校から同市の別の学校に転校した。
父子家庭で、輪番制の登校の見守りなどは参加したが、バザーの手伝いは「忙しいので」と断った。
すると、ある保護者から「みんなやっているのにずるい」と言われたという。

 「当初はPTAと、地域や学校の活動との区別がはっきり分からず、批判に後ろめたさも感じたが、何となく違和感も覚えていた」
 ある時、ふと目にしたPTAの決算書に驚いた。
学校の周年行事に向けた積立金など多額の繰越金があった。
「誰のために使われているのか」。
会費の使途に、疑問を抱くようになった。

 PTAについて調べるうち、1954年に文部省(当時)が策定した「『父母と先生の会』第二次参考規約」に関する新聞記事を見つけた。
参考規約には「会員になることも、会員にとどまることも、自覚に基づく個人個人の自由であって、いささかも強制があってはならない」とあった。
 「この時、PTAが入退会自由な団体という確証を深めた」。
男性は退会を申し出た。
PTA側は当初、案内冊子の文面を基に「会則の配布をもって入会の了承をいただいた」とし、「子どもが学校に在籍する限り退会できない」などと説明。
その後、謝罪して、退会を認めた。

 退会を申し出る前、長男が進学した中学校PTAでは、会費が減免されることを知る。
長女の小学校PTAにも経済的な理由などで減免を求めたが、対応が進まなかったという。
訴訟は男性がPTA側の一連の対応に不信感を募らせた結果だった。
 訴訟の意義について、男性は「入会届の提出義務付けまでは和解条項に盛り込めなかったが、PTAは入退会自由ということを公に示せた意味は大きい」。  
  ◇      ◇
 うちのPTAの会則には会員は「本会の主旨に賛同する者」とあり、入会は自由意思に任せるという趣旨は示されている。予算も「会員の拠出金による共同財産」という認識は当然持っている。
私も最初は驚いたが、先輩役員らは、お茶のボトルを1本買うにも「会員の理解を得られるか」と確認している。
 ただ、男性の話を聞きながら、会則や予算の説明を十分に尽くしているのか、あらためて考えさせられた。
 PTAの事業についても、単独の研修会を廃止するなど見直しが進んでいる。
それでも、「過重な負担」を感じている保護者がいるなら、役割分担のあり方も含め、さらなる検討が必要だ。

 男性に「PTAは不要と思いますか」と投げかけた。
すると「存在自体を否定するつもりはない」と返ってきた。
会長の一人として、子煩悩な普通の男性と、被告となった当時の会長が2年半余りも法廷で争った事実の重みをかみしめた。(荒尾支局・原大祐)
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2018年10月28日

アベノミクス無惨な幕切れ 全てが暗転で東証株価は奈落へ

アベノミクス無惨な幕切れ
全てが暗転で東証株価は奈落へ
2018/10/27 日刊ゲンダイ

 東証株価の下落が止まらない。
25日に前日比822円安と大幅に下げた日経平均は、26日も続落。
下げ幅は一時200円を超え、2万1000円の節目も一時割り込んだ。

 今月2日の取引中に年初来高値の2万4448円07銭をつけた際には、「1991年11月以来、約26年10カ月ぶりの水準で、バブル崩壊後の最高値圏」と大メディアは大ハシャギだった。
ところが、ホンの3週間ちょっとで3000円以上も暴落したのだ。

 大メディアは株安の理由をどうのこうのと伝えているが、答えはひとつだ。
東証株価の大幅下落は、アベノミクスの無残な幕切れを意味する。
 世界同時株安といえども、東証の下げ幅が飛び抜けているのが、何よりの証拠だ。

25日の日経平均は前日比3.72%も下落した。
アジアの株価指数の下落幅は台湾が2.4%、韓国が1.6%。世界同時株安の“震源地”である米ダウ平均の下落幅も2.41%にとどまり、東証の下げ幅は際立っている。

 アベノミクスの株高はもともと、輸出頼みの官製相場だ。
黒田日銀が異次元緩和で円安を演出し、自動車産業など輸出大企業をバックアップ。
さらに、日銀のETF“爆買い”や年金基金の株式運用比率引き上げ、郵貯マネーの株買い支えなど、国民の“虎の子”のカネを鉄火場の株式市場に湯水のようにブチ込み、株価を水増し続けた。

 その結果、日銀のETF残高は直近データ(20日時点)で約22兆円に到達。
3月末時点で、東証1部上場企業の2064社のうち少なくとも710社で公的マネーが「筆頭株主」に躍り出た。
日本を代表する大企業の3社に1社の筆頭株主が、“親方日の丸”に握られるという異常事態である。

経済評論家の斎藤満氏が言う。
「輸出頼みの官製相場は、しょせん“砂上の楼閣”。
米中2大経済大国の景気に陰りが見えれば、もろいものです。
米中貿易戦争の激化というトランプ大統領の『米国第一主義』の“毒”が回り、中国のGDPは約9年半ぶりの低水準。
一方の米国も対中制裁関税の影響による原材料価格の上昇にFRBの利上げが重なり、住宅販売不振など消費の減速が顕在化してきました。
イタリアの財政不安や記者殺害を巡るサウジアラビアと欧米諸国との対立など、国際情勢を巡る不安が今後も株価の重しとなり、加えて日本はトランプ大統領のINF条約破棄で、核大国の米ロに挟まれる地政学的リスクも背負ってしまった。
安倍首相が『過去最高の企業収益』を強調しても、トヨタ株はPBR(株価純資産倍率)が1倍を切る割安水準まで売り込まれているのです。
アベノミクスは全てが暗転し、上がり目なしです」

 東証株価が奈落に向かうのは必至の情勢だ。

国民の虎の子資産を
焦げつかせる悪魔の所業  
これまで大手証券などは「日経平均は年末に2万5000円に到達する」と、強気な予想を示してきたが、さすがに悲観論に傾いている。
 ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次氏は「先行きについて強気の材料がないため、2万円割れを意識せざるを得ない」と毎日新聞に語っていたが、市場でも「日経平均2万円割れ」を予想する声が目立つ。

 それなのに、黒田日銀は懲りていない。
負けが込んだギャンブラーのように、きのうまでの10月の19営業日全てでETFを購入。
特に25日までは5営業日連続で毎日715億円も買ってきた。
19営業日でETF購入に投じた額は7961億円にも上る。
この調子だと、株価が奈落に沈むうちに、公的マネーがどれだけ焦げつくのか、知れたものじゃない。

「アベノミクスは結局、輸出企業の濡れ手に粟の大儲けとデッチ上げ相場の株価維持のために、国民をダマして大事な資産に手をつけ、吸い上げてきた詐欺的政策なのです。
国民から召し上げたカネは大企業の巨額の内部留保に姿を変え、円安政策は原材料費高騰を招き、庶民の暮らしは値上げラッシュで火の車。

過去5年間(13〜17年)の労働者の実質賃金を分析すると、『1世帯当たりの平均所得』は毎年15・8万円もダウン。5年の累計で79・2万円も減ったのです。
国民を貧しくしただけのアベノミクスは既に限界を迎えているのに、安倍政権と黒田日銀は終わった政策にすがりつき、国民の資産を暴落相場に今なおつぎ込んでいる。
まるで悪魔の所業です」(経済アナリストの菊池英博氏)

 アベノミクスが無残な幕切れを迎えるのは勝手だが、国民の虎の子の資産まで溶解させるなんて冗談ではないのだ。

■日米FTA交渉で
  さらなる大暴落の危険性
 しかも、株価は上がり目なしの状況下で、安倍首相は来年10月に予定通り消費税率を10%に引き上げると表明したのだ。
とても正気の沙汰とは思えない。
「来年10月の消費増税は最悪のタイミングです。
その頃にはちょうど東京五輪の開催に向けた公共事業の需要がピークアウトする。
増税が重なることで消費は凍り付き、ただでさえ、脆弱な内需にトドメを刺すことになります。
安倍政権は増税に伴う消費低迷を回避するため、クレジットカードに増税分をポイント還元する愚策しか出せない経済無策です。
ますます日本経済は絶望的です」(斎藤満氏=前出)

 さらに年明けには日米貿易交渉が本格化する。
安倍は「TAG」なる造語を作ってまで否定するが、日米FTA交渉であることは隠しきれない。
トランプ大統領のポチ首相が「シンゾー、言うことを聞けよ」と恫喝され、無理難題を吹っかけられる姿が今から目に浮かぶのだ。
前出の菊池英博氏はこう言った。
「日米FTA交渉におけるトランプ政権の最大のターゲットは、円安で儲け過ぎている日本の自動車産業です。
アベノミクス開始直前の2012年をベースにすると、円の対ドル相場は平均約40%の円安水準で推移。
その恩恵を最大限に享受してきたのが自動車産業で、対米輸出額はこの間53%も増えました。
トランプ政権が自動車への高関税措置をチラつかせているのも、『円安で儲けた自動車輸出の利益を米国に吐き出せ』という意思の表れ。

安倍政権は自民党最大のスポンサーである自動車産業を窮地に陥れるわけにいかず、『農産物の輸入自由化で勘弁して下さい』と懇願。
ボロ儲けの自動車産業を守るため、日本の農業を差し出すとは売国の極みです。
その上、それでトランプ大統領が満足する保証はなく、自国の貿易を有利にする通貨切り下げに報復措置を行える『為替条項』を突きつけられる恐れもあります。
安倍首相がトランプ大統領にシッポを振って、その条件をのんでしまえば超円高が到来し、たちまち株価は大暴落。
ゆうちょ銀の保有株が焦げつき、債務超過に陥るなど、日本経済はクラッシュしかねません」

 経済無策、庶民イジメ、トランプ言いなり政権がこれ以上続いたら、国民生活は間違いなく破綻する。
インチキ相場の維持のため、大事な資産を巻き上げたペテン首相に、国民はもっともっと怒りをぶつけ、政権の座から引きずり降ろさなければいけない。
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2018年10月29日

ネット「なりすまし」 被害者だけがいつまでも苦しむ理不尽

ネット「なりすまし」
被害者だけが
いつまでも苦しむ理不尽
2018/10/28 NEWSポストセブン(森鷹久)

 世界で何億人もの登録があるフェイスブックに、ある有名女優が数百人いると話題になったことがある。
もちろん、すべてが「なりすまし」だったので運営会社が地道に削除を繰り返している。
有名人なら「なりすまし」によるネット上の言動を誰も信用しないが、一般人の「なりすまし」はそうもいかない。
「なりすまし」によって人生と生活を奪われ、今も苦しむ人たちについて、ライターの森鷹久氏がレポートする。
 *   *   *
「娘はもう自宅にはいません…。
救済措置なんて何にもありませんでしたし、とにかく“自分を知る人がいないところへ行きたい”と、今は海外で生活しています」
 東北地方某市に住む川北祐子さん(仮名・50代)は、今から約4年ほど前に「ネットなりすまし」の被害者にあった女性の母親だ。
もうかなり時間がたったとはいえ、今思い出しても腹立たしく、あの時に感じた恐怖によって眠れなくあることもある。
それは本当に突然の、予期せぬ出来事だった。

「下の子(被害者の弟)がある日、姉ちゃんが変な書き込みをしている、と大慌てでやってきました。
息子が見せてくれたパソコンの画面には、あるSNSに娘の名前で女性の裸などがたくさん投稿されており、ワイセツな言葉、男性を誘うような言葉が書き込まれていたのです。
すぐ娘に問いただしましたが、全く知らないようで、画面を見ると泣きだしました。
でも、プロフィールには娘の通う高校名やクラス名も出ている。
情けないですが何が起きたのかわからず私もパニック状態で、もしかしたら私たちの知らない娘の違う一面なのかもと、あろうことか疑ってすらいたのです」(川北さん)

 学校と警察に相談しつつ、父親がSNSの運営側に連絡を取り、娘の名を名乗るアカウントは二〜三日後には消えた。
そしてさらに数日後、学校から驚くべき「報告」が川北さんの元に届いた。
「娘と同じクラスの男子生徒が、娘の名前を騙り“悪ふざけ”でやったことだとわかったのです。
男子生徒とその親御さん、担任と教頭、校長が自宅に来て謝罪がありました。
同時に、男子生徒にも将来がある、と事件にはしないでほしいと男子生徒の両親が土下座をして、賠償金の話までされました。
冗談じゃない、娘の将来はどうなるのかと悔しい気持ちでいっぱいでしたが、警察や弁護士に相談しても"事件化しても得られるものはない"と言われるばかりで、本当に泣く泣く、私たちは我慢するしかなかったのです」(川北さん)

 こうして“真犯人”が判明しても、川北さんの娘をめぐる状況は、少しも良くならなかった。
学校だけでなく、近所中からも好奇の目にさらされ続けたのだ。
かたや男子生徒は「反省した」と言いながら、事件の顛末を面白おかしく友人らに吹聴して回り、何事もなかったかのように東京の大学に進学した。
一方、川北さんの娘はそうした環境に耐えられず、不登校気味になり学校を辞めたのである。
 彼女はその後「私の事を誰も知らない場所に行きたい」と言って海外に留学し、現在も海外で生活している。
成人式ですら地元に帰ってこなかったのだという。

「なりすまし被害にあった側はやられっぱなしで、一度コトが起きてしまうと、もうどうすることもできない。
賠償金を使い、弁護士さんに頼んで娘に関するネット記事を消してもらったりしましたが、探せば未だにネット上に娘の名前が出てくる。こんな理不尽なことがあるでしょうか?」(川北さん)
 ネットで「なりすまし」にあうと、被害者はどうにもできない。泣き寝入りをするしかない──。

 同じような被害にあい、今もひっそりと暮らさざるを得ない男性がいる。
「警察に言っても“無視しな”と言われるだけ。
弁護士を雇うお金もありませんし、もうネットも見ていない。
泣き寝入りするしかないんですよ」

 筆者が訪ねたのは、東京某所のターミナル駅近くにあるアパートで家族と暮らす大河原啓介さん(仮名・42歳)。
大河原さんの名前を検索すると、今もフェイスブックにツイッター、ブログやユーチューブやニコニコ動画のアカウントがズラリと表示されるのだが、一つとして“本人が管理している”ものはない。
それらはすべて、第三者が大河原さんを貶めるために開設した「なりすまし」アカウントなのだ。

「私が以前、生活保護を受けながら就労支援施設に入っていた頃、施設で知り合った女性から彼氏に関する相談を受けたのがきっかけなんです。
彼氏は女性に食事をおごらせたり金品をたかったりしていたので、私が間に入ろうと女性にアドバイスをしたんです。
まあ、先方は“邪魔された”と思ったのかもしれませんが、それ以降から、ネット上に私の名前を騙るアカウントがたくさん開設され始めたのです。
成りすましアカウントは、彼がやっているに違いありません。

 女性とはその後、疎遠になりましたが、私の名前を騙るアカウントは引き続きひどい投稿を続けて、様々な人のアカウントを攻撃していた。
本当に嫌な気持ちになり警察に相談しましたが“ほっとけ”と言われるばかり。
弁護士に頼むだけの金銭的、時間的余裕だってない。
そもそも、相手の名前が何となくわかるだけで、居住地などの詳細な情報は知らないんです」(大河原さん)

 有名な漫画家が亡くなった際に、漫画家のツイッターアカウントに大河原さんを名乗るアカウントが不適切なツイートを飛ばし、炎上したこともある。
何も知らない他のツイッターユーザーからは「大河原啓介」はとんでもない奴だとの声が相次ぐ。
 大河原さん本人が以前、SNSにアップしていた写真、居住地などの個人情報まで「なりすまし」の第三者が悪用していたものだから、ネット上では「なりすまし」のアカウントが本当の「大河原啓介」として受け取られ、大河原さんの人格が悪い方向に独り歩きし続けたのだった。

 なりすまし犯はあまりに執拗で、大河原さんの写真を使った動画を作成し、海外のポルノサイトにアップしたり、大河原さんの名を騙り開設したブログでも、無関係の他人を攻撃したり、わいせつな言動を書き込んで、大河原さんをどこまでも貶めた。
「家族からも“こんな書き込みしてるのか?”と疑われたこともありました。
病気だったし本当に大変で、社会復帰しようとしていた矢先の出来事でしたし…。
成す術もなく、とにかくネットを見ないようにしてやり過ごし、やっと体調も良くなってきたところです」(大河原さん)  

なりすまし犯からネット上で、住所に関する情報を暴露されたり、近所の動画をアップされたこともあってか、大河原さん一家は引っ越しし、息をひそめて生活せざるを得なくなり、病気を克服しようとしていた大河原さん本人もまた、社会復帰への道を閉ざされた。

 普通の状態で、このように単純な「逆恨み」が発端の嫌がらせを受けた場合は、その相手と戦う気持ちがわいてくるモノだろう。
ところが、すでに怒りの感情を抱かせないほど、被害者は「なりすまし」によって徹底的に痛めつけられている。
 ネットでの「なりすまし」そのものは、確かに犯罪ではない。
IDやパスワードを盗用した場合や、「なりすまし」によって権利侵害を犯した場合にのみ、名誉毀損や業務妨害などの罪が発生する。

大河原さんのように、明らかに人格を貶められたり、生活が困難になるほどの面倒ごとに見舞われれば、本来なら捜査と摘発の対象だろう。
ところが現実には、彼の被害はいまも野放しだ。
本来なら罰せられるべき「なりすまし」犯たちを、このまま放置してよいのか。

 さらに、ネット上で炎上してしまったことで、なりすまし犯以外のネットユーザーらも面白おかしく騒動に加担している。「なりすまし」犯よりも無責任と言えるかもしれない彼らは、誤った情報を拡散し、大河原さんの人格を攻撃する。
大河原さんを名乗る「成りすましアカウント」は、本稿執筆時点でも未だに更新され続けている。
すでにトラブルから十年経っているにも関わらず、である。
彼らは無罪だろうか?
 いや、そんなはずはない。

 たとえば、芸人のスマイリーキクチ中傷事件で逮捕された人物たちは、いずれもネット上の情報を鵜呑みにし、拡散していた。
最近では、ツイッターのリツイートは、名誉毀損だと認められる可能性が高いと見る専門家もいるほどだ。
これらに関わる加害者たちは、ネットではない場所では、同じような言動はしないだろう。
リアルの世界で憚られる人を貶める行為は、ネットであろうとやっていけないのは当然だ。
数が多すぎて対策が間に合っていないのが現状だが、技術の進歩によって、ネットの世界をならず者の世界にしないための方法は生まれるだろう。
「今も私の名前で検索すればたくさん情報が出てくるんですか?…もういいんです。
無視するしかない…」

 柔和で温厚、人のよさがにじみ出るような風貌の大河原さん。
視線を落とすと力なくうなだれたが、右手はしっかり、強く握られていたのを筆者は見逃さなかった。
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2018年10月30日

安田純平バッシングの背景 不気味に甦る教育勅語と戦陣訓

安田純平バッシングの背景
不気味に甦る
教育勅語と戦陣訓
2018/10/29 日刊ゲンダイ

 心ある国民はウンザリしているはずだ。
また、不当な「自己責任論」が噴出しているからだ。
 シリアで武装勢力に拘束されていたフリージャーナリストの安田純平さん(44)に対し、凄まじいバッシングが起きている。
 解放が伝えられた先週23日夜から、安田さんのツイッターのアカウントには、非難、批判、悪口が次々に書き込まれている。
「どれだけ国に迷惑をかけたのか」
「日本政府の言うこと聞けないなら外国に行かないでくれ」
「国民に謝れ。土下座でわびろ」
 待ち構えていたようにバッシングしているが、一体どういうつもりで悪口を書き連ねているのだろうか。

 安田さんは、いつ命を奪われてもおかしくない過酷な生活を3年4カ月も強いられ、命からがら帰国したのだ。
しかも、夫人を通じて「大変お騒がせとご心配をおかけしました。
おかげさまで無事帰国することができました。
可能な限りの説明をする責任があると思っています」とメッセージも発している。

もちろん、物見遊山で戦地に行ったわけではない。
ジャーナリストとして現地の状況を伝えるためにシリアに入国したのだ。
なのに、執拗にバッシングする必要があるのか。

 有名人まで尻馬に乗って批判しているようだが、ジャーナリズムの役割を分かっていないのではないか。
法大名誉教授の須藤春夫氏(メディア論)はこう言う。 
「かつてベトナム戦争が終結したのは、現地の悲惨な状況と、若いアメリカ兵が次々に亡くなっていることが伝わり、反戦運動が起こったからです。
米国政府は追い詰められ、ベトナムから撤退した。
もし、ジャーナリストが現地の状況を伝えていなかったら戦争は続いていたでしょう。
戦地取材では、多くのジャーナリストが命を落としています。
 でも、誰かが伝えなければ、誰も戦争の実相を知ることができない。
なぜ、安田さんが批判されるのか分かりません」

 ちょうど48年前の10月28日は、報道写真家の沢田教一さんがカンボジアで取材中に銃撃され、34歳でなくなった日だ。
ピュリツァー賞を受賞した、戦火から逃げる母子を撮った「安全への逃避」は、世界中が戦争について考えさせられた一枚だった。

■解放されたスペインの
ジャーナリストは敬礼で迎えられている
 そもそも、取材のために戦地に行ったジャーナリストが批判されるのは、世界中で日本くらいのものだ。
 安田さんが拘束されていたのと同じ時期、スペイン人ジャーナリスト3人も拘束され、その後、解放されて帰国しているが、バッシングされるどころか、スペインの軍関係者は敬礼して3人を迎えている。
 2015年にフリージャーナリストの後藤健二さんが殺害された時も、日本では「自己責任論」が沸き上がったが、オバマ大統領は「勇敢にシリア国民の苦境を世界に伝えようとした」と称賛した。
 日本人は世界のスタンダードから大きくズレている。

前出の須藤春夫氏がこう言う。
「驚くのは、安田さんを批判する書き込みの多くが、<日本政府の言うこと聞けないなら外国に行かないでくれ>などと、なぜ政府のルールに従わないのかと訴えていることです。
本来、ジャーナリズムは、権力を監視するものですよ。
サウジアラビアのカショギ記者が殺害されたのも、権力と対立したからでしょう。

取材の可否を国家の裁量に委ねたら、情報統制につながってしまいます。
戦前、大本営発表しか報道できなかったことを考えれば分かるはず。
なのに、また<自己責任論>が噴出している。
政府が渡航を止めたのにシリアに行った安田さんは、何があっても自己責任だと批判している。
しかし、政府のルールに従えとなったら、官製報道ばかりなってしまいますよ」

「教育勅語」と「軍人勅諭」を
       否定しない異常  
安田純平さんへのバッシングでよく分かったのは、「全体主義」が猛烈な勢いで進んでいるということだ。
「どれだけ国に迷惑をかけたのか」
「日本政府の言うこと聞けないなら外国に行かないでくれ」
「国民に謝れ」――と、全体のルールを守らないやつは許すなという風潮が急速に強まっている。
 どうやら、この国では、国民は国に尽くすべき存在であって、迷惑をかけてはいけないらしい。

「自己責任という単語は、権力者にとって、非常に都合のいいフレーズです。
貧困や病気など、本来、政府が面倒を見るべき問題も、自己責任論が強まれば、政府は手当てをしないで済みますからね。
と同時に広がっているのが、政府が決めたルールに従わない者は、自己責任でやってくれというムードです。
それもこれも、生活が苦しく、将来が見えず、社会が不寛容になっているからでしょう」(立正大教授・金子勝氏=憲法)

見逃せないのは、安倍政権は、意図的に「全体主義」を強化しているフシがあることだ。
それは、2人の大臣を見れば明らかだ。
 教育行政のトップである柴山昌彦文科大臣は、「教育勅語」を道徳の授業で使えると明言したのだから信じられない。
 さらに、なぜか大手メディアは報じないが、岩屋毅防衛大臣は、戦前の「軍人勅諭」について、記者会見で何度問われても、最後まで是非を明らかにしなかった。
「教育勅語」と「軍人勅諭」は戦前、国民を国家のために死ぬように洗脳したシロモノである。
国民をラクに支配するために考えられたのが「勅語」と「勅諭」だ。
その2つが甦ろうとしているのだから、異常だ。

■個人の独立性より集団の一員が大事
 もう、この国は相当ヤバイところまで来ているのではないか。
 何しろ、文科大臣と防衛大臣が戦前の「教育勅語」と「軍人勅諭」を否定しないのだから、恐ろしい話だ。

教育勅語」は、親孝行しろなどともっともらしいことを教えながら、「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」と命じている。
危急の際は皇室を助けろということだ。
軍人勅諭も、日本に生まれた者は軍人に限らず国に報いる心を持てと教えている。
 いずれも、国民に自己犠牲の精神を植えつけ、国家に殉じる国民をつくるための道具だった。

 以前、前川喜平元文科次官が、
<カルト集団の教義みたいなものが「教育勅語」だったり「戦陣訓」だったりしたわけで。
そういうカルトの教義みたいものを今から復活させるというのは非常に問題があると思うんです>と危惧した通りに進んでいる。
 前川喜平氏は、安倍政権が進める道徳教育について、サンデー毎日でこう語っている。
問題は、個人の独立性よりも集団の一員であることを重視している点だ。
個人の尊厳とか精神の自由を貴ぶのではなくて家族の一員、集団の一員、国家の一員など、大きい集団の中の一部であると自分自身を位置づけている

 前出の金子勝氏がこう言う。
「やはり安倍首相は、この国をアメリカと一緒に戦争がやれる国にしたいのだと思う。
戦争をするためには、自衛官は黙って国のために命を捧げ、国民は一つになる必要がある。
心配なのは、国民の方が、安田純平さんを『自己責任だ』とバッシングするなど、自ら政府との一体化を進めているように見えることです」

 明治維新を礼賛する安倍政権下で戦前思想の毒が不気味に広がっている。
そろそろ国民は目を覚まさないと大変なことになる。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月31日

稲田朋美が“代表質問”でトンデモ連発!

安倍の贔屓で復権した
稲田朋美が“代表質問”に立ち
トンデモ連発!
「民主主義は聖徳太子以来の我が国の伝統」
2018.10.30 LITERA編集部

ついに、あの人物が安倍首相の“喜び組”として息を吹き返した。
昨日29日、衆院本会議で安倍晋三首相の所信表明演説への各党代表質問がおこなわれたが、自民党の代表質問に立ったのが、あの稲田朋美議員だったのだ。
 代表質問とはその名の通り、政党や会派を代表する人物が首相の施政方針演説や所信表明演説などに対して質問をおこなうもので、今年1月と昨年1月の代表質問では二階俊博幹事長が、昨年11月の代表質問では岸田文雄政調会長が立った。

一方、稲田議員は先日の内閣改造で、筆頭副幹事長兼総裁特別補佐に引き上げられたばかりだが、まさか、さっそく代表質問に立たせるとは……。
 しかも、その質問の中身というのがもはや笑うしかないくらい酷いシロモノだった。

 まず、稲田議員が口にしたのは「(自民党は)失敗しても、いつからでもどこからでも、何回でもやり直せる社会を目指してきました」
「安倍総理は再チャレンジ、そして一億総活躍社会の実現を掲げ、保守の理念を政策分野においても実行されてきました」というセリフ。

「何回でもやり直せる社会」とか「再チャレンジできる社会」とか、一体こいつは何を言っているのか?
この国でそんなことが許されているのは、防衛相としてあんな失態をさらしながら、1年ちょっとで代表質問に立つほど復権したしたアンタをはじめ、安倍首相の周りの政治家だけだろう。
それとも、これは自分を見捨てず復権させてくれた安倍首相への感謝の言葉なのか。

 などと思いながら聞いていたら、稲田議員のトークは唐突に「明治維新150周年」の話にスライド。
そして、こんなことを言い出したのである。
「明治の精神ともいうべき五箇条の御誓文は改革の集大成」
「歴史を遡れば、聖徳太子の『和を以て貴しとなす』という多数な意見の尊重と、徹底した議論による決定という民主主義の基本は、我が国古来の伝統であり、敗戦後に連合国から教えられたものではありません」
「民主主義は我が国古来の伝統」って、一体いつから国会は歴史の珍説発表会になったのか。

これだけでも呆れるが、稲田議員はさらに、 「さる10月23日、政府主催の明治150年記念式典が開催されました」と述べると、「明治以降の150年は、欧米から学び、欧米と戦い、欧米と協力して自由世界を築いてきた150年であったと思います」と発言。
ものの見事に侵略の歴史を無視してみせたのである。

「飛鳥時代から民主主義だった日本スゴイ!」というトンデモ歴史観と合わせ技で繰り出される、都合の悪い事実はなかったことにする修正主義──。
これが党を代表する人物のレベルであると見せつけるとは、ある意味、安倍自民党の実態がよく理解できるというものだが、ここから稲田議員は安倍首相への猛烈なヨイショをはじめたのだ。

「安倍内閣は着実に外交の成果をあげ、国際会議の場では、安倍総理と話そうとする各国首脳が列をつくる状況もみられ、この6年間で世界における日本のプレゼンスは格段に向上しました」
 北朝鮮をめぐっては完全に蚊帳の外に置かれ、トランプやプーチンにはコケにされて金だけむしり取られてばかりなのに、「着実に成果をあげている」とは、果たして稲田議員はどの異世界の話をしているのだろう。

 ところが、稲田議員はこの後も「総理は、これまでのところ指導者のなかで、トランプ大統領との個人的信頼関係の構築にもっとも成功されておられる」
「安倍総理はプーチン大統領との個人的な信頼関係に基づいて、日露関係を力強く牽引してこられました」と、もう倒れてしまった「外交の安倍」なる看板を周回遅れで喧伝。

先の日中会談を受けて、「自民党は日中関係の改善に最善を尽くしてきました」などと口にしたのである。

安倍首相の外交を礼賛し続けた
稲田の支離滅裂な世界情勢認識  
まったくよく言うよ、だろう。
日中関係の悪化は、第一次安倍政権以降、安倍首相が無用に中国を刺激しつづけてきた結果ではないか。
稲田議員自身も、防衛相だった2016年に靖國神社を参拝し、中国から猛反発を受けている。
それが、いざ安倍首相が日中関係の見直しに動くと「最善を尽くしてきた」と言うのだから、開いた口が塞がらない。

 しかも、これまでさんざん中国脅威論を振りまき、憎悪を煽ってきた張本人であるのに、安倍首相が日中会談に臨んだ途端、中国については口をつぐみ、その分の憎悪を北朝鮮と韓国に向け始めた。
北朝鮮に対しては「核廃棄の見通しは立たず、日本海を隔てたすぐそこに我が国を射程に入れた数百発もの弾道ミサイルを、いつでもどこでも発射できる状況だ」と煽りに煽り、韓国に対しては、先の海上自衛隊の旭日旗掲揚問題や、30日、韓国の大法院で判決が言い渡される徴用工問題、さらに竹島への議員上陸問題を立てつづけにもち出し、韓国を非難したのだ。

「外交の成果」とやらを強調する一方で、外交の足を引っ張っているとしか思えない、侵略の歴史を顧みない一方的な韓国への避難……。
その上稲田議員は「総理の掲げる秩序による平和と繁栄の理念は、確実に世界に拡がっているのです!」などと外交成果を誇っていたにもかかわらず、舌の根も乾かないうちに、アメリカと中国の名をあげて「我が国を取り巻く安全保障環境は急速に厳しさを増している」と言い出し、挙げ句、「いまこそ自分の国は自分で守る気概をもつべきです」と声高に叫んだのだ。  稲田議員の頭のなかの世界情勢がどうなっているのか、さっぱり意味がわからないが、ともかく、稲田議員が過去に発言した
「自分の国を守るためには、血を流す覚悟をしなければならないのです!」という考えはまったく変わっていないらしい。  

だが、もっとも強くツッコまずにいられなかったのは、憲法改正に話題が及んだ際の発言だろう。
稲田議員は9条への自衛隊明記という安倍改憲論に対し、こんなエピソードを口にしたのだ。
「私も防衛大臣時代に南スーダンを視察しましたが、気温50℃を超える灼熱の地で黙々と道路や施設を補修する自衛隊員の姿は、現地の人びとから、世界から、称賛されていました。
自衛隊の、現地の方々に寄り添った、誠実で、丁寧で、親切な活動は、まさに日本らしいものとして誇りに感じます」
 南スーダンをめぐっては、自衛隊の宿営地も危険に晒されていたことが報告されていたのに、それを隠蔽し、新たに駆けつけ警護の任務に就かせたのは稲田防衛相だ。
なのに、そんな事実はなかったかのように自衛隊の現地支援だけを取り出し、「日本らしい」「誇り」と美談に仕立て上げてしまうとは。
恥知らずとはこのことだろう。
安倍首相が御法度の改憲論を語るための出来レース質問も  しかも、稲田議員はこの無茶苦茶なエピソードを披露したあと、「自衛隊を、誰からも憲法違反などとは言わせない。
そのためにも憲法改正は急務だと思いますが、総理のご所見を伺います」と述べたのだ。

 大前提として改憲案について行政府の長である総理大臣がどうこう言っていること自体がアウトなのに、その安倍首相に憲法改正について述べよ、って、三権分立の原則を稲田議員は理解していないのだろうか……。
そもそも、こんなことを「総理として」訊かれたほうも困るだろう。
 そう思っていたのだが、実際は違った。

安倍首相は「憲法改正の内容について、私が内閣総理大臣として、この場でお答えすることは差し控えたい」と言いながら、こうつづけたのだ。
「お尋ねですので、あえて私が自民党総裁として、一石を投じた考えの一端を申し上げたい
 おいおい、結局、言うのかよ──。
こうして安倍首相は「自衛隊を合憲と言い切る憲法学者は2割にとどまり、多くの教科書に合憲性に議論があるとの記述がある」という、いつもの主張をはじめたのだ。
 ようするに、この質問、安倍首相に改憲論をぶたせるために、安倍と稲田の間であらかじめシナリオができあがっていたのである。
いや、改憲の話題だけではない。
安倍首相の答弁をみていると、前述したトンデモ歴史観や世界観にもとづく質問も、安倍首相のお墨付きや指示があったとしか思えなかった。
 安倍首相の寵愛を受けて防衛相にまで駆け上がり、引責辞任しても再び“自民党の代表”としての立場を与えられた稲田議員。
今回の代表質問で、あからさまな安倍首相の「ともちんラブ」ぶりを久々に見せつけられた格好だが、今後、憲法改正に向けて、こうした気持ちの悪い連携プレーが展開されていくことは間違いないようだ。
           (編集部)
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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