麻生太郎財務相がまた
「医療費の税負担あほらしい」と暴言
医療自己責任論と弱者排除を
ふりかざす醜悪体質は昔から
2018.10.23 LITERA編集部
この男は一体何回国民を傷つけたら気が済むのだろう。
本日おこなわれた閣議後の記者会見で、またも麻生太郎副総理兼財務相が看過できない暴言を吐いたのだ。
「飲み倒して運動も全然しない(で病気になった)人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしくてやってられんと言っていた先輩がいた。
良いことを言うなと思った」(共同通信より)
不摂生して病気になった人間の医療費を払うのは「あほらしい」などという発言を取り上げ、「良いことを言う」と褒めあげて自分の意見として述べたのである。
麻生氏がこのような暴言を吐いたのは、これがはじめてではない。
総理大臣だった2008年11月20日に開かれた経済財政諮問会議でも、「67歳、68歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる」と言い、「こちらのほうがはるかに医療費がかかってない。
毎朝歩いたり何かしているからである。
私のほうが税金は払っている」と主張すると、こう述べたのだ。
「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」
さらに、第二次安倍政権で副総理兼財務相に就くと、2013年4月24日の都内会合でも、このように発言した。
「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで糖尿になって病院に入るやつの医療費は俺たちが払っているんだから、公平じゃない」
「こいつが将来病気になったら医療費を払うのかと、無性に腹が立つときがある」
麻生財務相はたまたま大病していないだけで、「愛人」だと報じられた女性がいるバーで1回約180万円も使っているほか、高級フレンチだの高級寿司店だのに通うという、まさに「飲み倒し」の豪遊生活を送っている。
しかも、麻生財務相は政治活動費で豪遊しており、国民のほうが「腹が立つ」と言いたいくらいだ。
こうして政治資金で「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで」いる麻生財務相が、いつ自分が重い病気にかかるかはわからないというのに、「健康なおれが医療費を払うのはあほらしい」などと言うことを「良いこと」などと言い放ったのである。
そして、この暴言は、2016年に問題となった長谷川豊氏の「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」
「自堕落な生活で人工透析患者になったハナクソ同然のバカ患者」という自己責任論とまったく同じものだ。
いや、麻生氏は財務相という医療費を検討する行政のトップであり、長谷川氏以上に発言への責任は重い。
過去にも指摘したが、麻生財務相が「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで」と槍玉にあげてきた「2型糖尿病」の原因は、麻生財務相の言うような「贅沢病」などではなく、むしろ「貧困病」だという指摘がなされており、全日本民主医療機関連合会の調査でも〈患者は低学歴で非正規雇用が多く、貧困や労働環境の悪化が糖尿病の発症を早めていることが推測されます〉とまとめられている。
コレは日本に限った話ではなく、世界的にも経済的・社会的格差によって「健康格差」が生まれ、なかでも糖尿病はそうした健康格差の代名詞となっているのである(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2016/11/post-2661.html)。
つまり、政府に求められるのは、健康格差の是正のための政策をしっかりおこない、早期発見・治療のために、厚労省が中心となって自治体、企業、地域などで食生活の改善や医療機関への受診の促進をさらに進めていくことにほかならない。
にもかかわらず、麻生財務相はこうした問題点をまったく理解しようとせず、一方的に「自分で健康を維持できない人間の医療費を健康な人間が支払うのは不公平」などと日本の医療制度を否定し、自己責任論を煽動しているのだ。
麻生財務相は高額医療にかかる
高齢者にも「さっさと死ねるように」と暴言
ようするに、麻生財務相が繰り返し暴言を吐いてやろうとしていることは、人工透析患者をはじめ“原因は自堕落な生活にある”と誤った認識を社会に広げると同時に蔑視感情を植え付けるという偏見・差別の拡散であり、患者やその家族に恥の意識をもたせることで医療費抑制につなげようという、極悪非道の“政策”なのだ。
しかも、麻生財務相がターゲットにしてきたのは、糖尿病患者だけではない。
2013年11月21日に開かれた政府の社会保障制度改革国民会議では、麻生財務相は高齢者の終末医療にかんして、こんな暴言を放っている。
「政府のお金で(高額医療を)やってもらっていると思うと、ますます寝覚めが悪い。
さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろ考えないと解決しない」
つまり、麻生財務相は、高額医療にかかる高齢者は「さっさと死ね」と言っているのだ。
その上、このとき麻生財務相は患者のことを「チューブの人間」と表現した上、「私はそういうことをしてもらう必要はない、さっさと死ぬからと(遺書に)書いて渡している」と述べたという(毎日新聞2013年11月22日付)。
自分の死生観を勝手に国民に押し付けるなと言いたいが、こうやって麻生財務相は国民の医療を受ける権利、いや、国民の生きる権利を軽んじ、奪おうとしてきたのだ。
これは糖尿病や終末医療を受ける高齢者だけの問題ではない。
麻生財務相の物言いは、あらゆる障がいや後天性の重病にいつ刃が向けられてもおかしくはないものだ。
そして、こうやって自己責任だと国民に押し付けることで、社会保障費の抑制をはかろうという頭しか、この無能な大臣にはないのである。
多くの国民が麻生氏の暴言に慣れすぎて、「また失言か」などと見過ごすかもしれないが、こんな男をのさばらせつづけるのは、はっきり言って異常であり危険だろう。
これは大袈裟ではなく、私たちの命の問題がかかっている。
即刻、辞任するべきだ。