2019年01月01日

寝ても取れない疲れ…。

寝ても取れない疲れ…。実はすべての疲労は脳が原因だった!
12/31(月) 集英社ハピプラニュース

毎日ちゃんと寝ているはずなのに、最近、疲れがとれなくなってきた……と感じているマリソル世代の女性は多いはず。
でも“年齢的にしょうがない”とあきらめるべからず。
ちょっとしたコツさえ知っておけば、疲れは効率よく解消が可能。
疲れないための簡単メソッドを実践して元気な心と体を取り戻して!

≪歳をとって加速? どうして疲れるの?≫
まずは、疲れが起こるメカニズムや、年齢と疲労の関係などについて、医学博士の梶本修身先生が詳しく解説。

☆私が解説します!
●医学博士 梶本修身先生
大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授。
東京疲労・睡眠クリニック院長。
『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)ほか著書多数

<疲れは、体でなく脳の自律神経中枢の疲弊によって起こる>
そもそも“疲れ”とはどういう状態 のことをいうのか、最初にその基本的なことから知っておこう。
「日本疲労学会では、疲れとは“運動や労力などの身体作業負荷あるいはデスクワークなどの精神作業負荷を連続して与えた時に見られる身体的あるいは精神的パフォーマンスの低下現象”と定義されています。
つまり心身に負荷がかかることを続けた時に、思考力や注意力が低下したり、動作が緩慢になったり、目のかすみや頭痛、肩こり、腰痛が現れるなどして、パフォーマンスが低下することをさします

 このような症状が出ると誰もが“体が疲れた”と思いがちだが、実は疲れは体でなく“脳”で起きるのだとか。
「運動をして“体が疲れた”と感じても、実際には筋肉や内臓はほとんど疲れていないことが研究によりわかっています。
ではどこが疲れているのかというと“脳”です。

具体的に言えば脳の自律神経の中枢です。
運動をすると呼吸や心拍、体温などを調節しなければならないため、脳の自律神経中枢がフル稼働して疲弊します。
この時、脳の自律神経細胞で活性酸素が発生し、細胞が酸化ストレスにさらされ、その疲れは、体でなく脳の自律神経 中枢の疲弊によって起こる結果、自律神経細胞本来の機能を維持できなくなって生じるのが疲労です」

 運動だけでなくデスクワークなどの頭を使う作業で感じる疲労も、自律神経中枢の疲弊によって起こるそう。
「ご存じのように、自律神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は心身が活動的な時や緊張や興奮状態の時、ストレスがある時に優位になります。
一方、副交感神経は心身がリラックスモードの時に優位になります。
このうち交感神経が優位になっている時は最大のパフォーマンスを発揮できるよう、脳の自律神経中枢はフル稼働状態になります。
つまり交感神経優位の時、自律神経中枢が最も疲弊し、疲れを感じるのです。
仕事で頭を使っている時も交感神経が優位な状態なので疲れやすくなります」

では、疲れと年齢の関係とは?
「自律神経機能は老化が激しく、10代をピークに年々低下し、40代になるとピーク時の半分以下にまで低下してしまいます。
そのため加齢とともに疲れやすくなるのです」

そこで知りたいのが、効率よく疲れをとるコツ。
交感神経優位な状態が疲れの最大の原因なので、交感神経が支配する時間を減らし、副交感神経が優位な時間を増やすことが疲労を減らすコツです。
例えばランニングのような運動は交感神経を優位にするので、疲れたからスッキリしようと思ってランニングをすると、疲労に疲労を重ねるだけで逆効果。
このように間違った方法をとっていると“何をしても疲れがとれない”という事態に陥るので要注意。
正しい疲労解消術を知っておきましょう」

知ってた? ■すべての疲労は脳が原因!
自律神経のうちの交感神経が優位な時は、脳の自律神経中枢の細胞がフル稼働状態。
これが脳を疲弊させ、疲れが生じる。
左のような項目は、すべて交感神経を優位にし、脳を疲れさせ疲労を招く。
疲れている時にランニング、入浴と重ねて行うと、疲れが足し算的に増すことに。

知ってた?  ■慢性疲労症候群
“疲労”は病気ではなく生理的な現象だが、日常生活に支障が出るほどの強い疲労感を長期間感じる場合は“慢性疲労症候群”の可能性が。
日常生活が損なわれる強い疲労感が6カ月以上持続または繰り返し、筋肉痛や発熱、リンパ節の腫れが生じることもある。

Marisol ONLINE 知っていた?
■自律神経機能は年々低下
脳の自律神経機能は加齢とともに急降下。
年齢を重ねるにつれ疲れやすくなるのはこのため。
自律神経機能の低下は食い止められないが脳を疲れさせない生活に改善すれば低下速度が緩やかに。

今すぐチェック!
■あなたの脳のお疲れ度は?

以下の項目で自分が当てはまることをチェック。
1つでも該当したら、脳疲労がたまっている可能性大!

□物事はキリのいいところまで、やり遂げたいほうだ
□職場など長く過ごす空間に、苦手な人がいる
□責任感が強く、遅くまで残業しても苦にならない
□長時間座り姿勢で作業をしている
□何かに集中して没頭するとまわりが見えなくなりがち
□疲れると栄養ドリンクをよく飲む
□疲れると高カロリーのものを食べがち
□長時間のドライブでもあまり休憩をしない
□熱めのお風呂に長湯をするのが好き
□休日は遠くの旅先に足を延ばすことが多い
□いびきをかくと言われたことがあり、日中眠くなる
□趣味などで、つい夜更かししてしまうことがある
□ストレス解消のため習慣的に体を動かしている
□満員の電車やバスに乗って移動することが多い
□屋外で過ごす時間が長い
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年のはじめに考える 分断の時代を超えて

年のはじめに考える 分断の時代を超えて
2019年1月1日 東京新聞「社説」
2019年賀状.jpg
 この年頭に思うのは、分断ではなく対話の時代であれ、ということです。
世界は、そして私たちは歴史的試練に立たされているのではないでしょうか。
 思い出してみてください。

 平成の始まるころ、世界では東西ベルリンの壁が壊れ、ソ連が崩壊し、日本ではバブル景気がはじけ、政治は流動化し非自民政権が生まれた。
 米ソ冷戦という重しがはずれ、世界も日本もあらたな歴史を歩み始めたのです。

◆自由と競争を手中に
 アメリカ一強といわれました。
 政治は自由の広がりを感じ、経済は資本主義が世界を覆って市場経済のグローバリゼーションが本格化した。
 世界は自由と競争を手に入れたかのようでした。
 欧州では共通通貨ユーロが発行され、中東ではパレスチナ、イスラエルの和平合意。
日本では二大政党時代をめざす政治改革。
時代は勢いをえていました。

 しかし、その後どうなったか。
 政治の自由は寛容さを失って自ら窒息しつつあるようです。
 経済の競争は、労働力の安い国への資本と工場の移転で、開発国の経済を引き上げる一方、先進国に構造的経済格差を生んだ。
リーマン・ショックは中間層を縮め失職さえもたらした。
 その根本には人間がいます。

悩み苦しみ、未来に希望をもてない人がでてきた。
 憲法や法律には不公正も不平等もないはずなのに、それらが実在するというゆがんだ国家像です。
 アメリカでは貧しい白人労働者たちを「忘れられた人々」と称したトランプ氏が勝ち、欧州では移民を嫌う右派政党が躍進。
人権宣言の国フランスでは黄色いベスト運動が起きた。
 格差が、不平等が、政治に逆襲したのです。

◆友と敵に分ける政治
 日本は「非正規」という不公平な存在を生みました。
貧困という言葉がニュースでひんぱんに語られるようになりました。
 それらに対し、政治はあまりにも無力、無関心だったのではないでしょうか。

 欧米でも日本でも目下最大のテーマは民主主義、デモクラシーの危機です。
 思い出されるのは、戦前ドイツで注目の政治学者カール・シュミットの政治論です。
 政治学者三谷太一郎氏の簡明な説明を借りれば、国民を友と敵に分断する政治です。

敵をつくることで民衆に不安と憎悪を募らせ、自己への求心力を高める。
 敵をつくるだけで対話も議論もありません。
その結果、多数派が少数派を抑圧し圧殺してしまう。独裁の理論化といわれます。
 ナショナリズムもポピュリズムも同種です。
 排外主義は国民を熱狂させやすい。
ポピュリズムは目的遂行のため事実を隠すことがあります。

 ヒトラー政権が用い、戦前戦中の日本も同じようなものでした。
英米はきらったそうです。
 今、シュミット流の分断政治が内外で進んでいるかのようです。
 多数派の独走。
議会手続きを踏んだふりをして数の力で圧倒してしまう。
実際には国民の権利が奪われているのです。

 では健全な民主主義を取り戻すにはどうしたらいいか。
 分かり切ったことですが、まずうそをつかないことです。
 情報公開がもっと進まねばなりません。
役人が政治家のため、また自分たちのために情報を隠すのなら、主権者たる国民への裏切りにほかならない。
これでは民主主義が成立しません。

 もう一つは、多数派は少数派の声に耳を傾けねばならないということです。
多数の利得が少数の損失のうえに築かれるのなら、それは国民全体の幸福とはいえません。
国民の総意とはいえない。
 自由と競争は必ず不平等を生じさせますが、それを正すのが政治の役割というものです。
 事実にもとづく議論、適正な議会手続き、議員各人の責任感。
 それにより少数派は声が小さくとも守られ、多数派は多数専横の汚名から救われるのです。

◆民主主義は死なない
 むかしシュメールの王様はときどき神官にほおを平手打ちしてもらったといいます。
増長をいましめ、謙虚を思い出すためです。
どこかこっけいなようですが、逆にいうなら権力保持には大いに役立ったことでしょう。
今なら国政の安定ということです。

 民主主義は死んだりしません。
 民主主義とは私たち自身だからです。
 生かすのは私たちです。
危機を乗り越えて民主主義は強くなるのです。
その先に経済も外交も社会保障もあるのです。
 分断を超え対話を取り戻さねばなりません。
posted by 小だぬき at 11:08| 神奈川 ☁| Comment(5) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月02日

「年末年始の連休なんかいらねぇ!」という人たちの深刻事情

「年末年始の連休なんかいらねぇ!」という人たちの深刻事情
2019年01月01日 SPA!

新しい年が明け、例年なら休みも残り僅かだが、この年末年始は三が日をはさみ前後が週末のため、正月休みが「9連休」という幸せな人も少なくないだろう。
 実家に帰るもよし、海外に旅行に行くもよし、思い切って寝正月を満喫するのもよし。
しかし「休み」といえば問答無用で楽しい、うれしいと思うのは我々だけなのかもしれない。
正月休み、大型連休を手放しで喜べないどころか、できれば「連休なんてなければよい」などという人々がいる。

◆大型連休は手取りが減るので困る
「休日があればあるほど生活ができなくなる。
人力飛行機みたいなもので、漕がなければ堕ちてしまう。
派遣社員なんて、そんな生活なんですよ。
9連休もあれば、単純に手取りが5万以上減る。
2月3月は人並みの生活を送れるかどうか不安です」

 東京都下の自動車工場に派遣社員として勤務する内村さん(仮名・40代)は、かつて某大手自動車メーカーの工員として働いていたが、赤字解消のために工場が閉鎖され、職も失った。
それからすぐに派遣社員として別メーカーの自動車製造工場に行くことになったが、年齢的に派遣先の社員に昇格することも厳しく、月給制ではなく日給制で10年以上働き続けている。
「派遣会社のメンバーでも最年長。ほかの派遣社員の労務管理をやったりするので、勤務ごとに数千円の手当てが出るのが救いですが、休日となればそれもゼロ。
最近は残業がダメ、なんて風潮があって、残業で小銭を稼ぐこともできない。
非正規にとって、休みはうれしくもなんともない」(内村さん)

◆収入がある公務員でもツラい
 うって変わって、都内の某省庁に勤務する松井さん(仮名・30代)は、独身かつ高給取りということもあり、さぞかしハッピーな年末年始を過ごすのかと思いきや、現実は甘くないのだとため息をつく。
「緊急事態が発生するといつでも飛んでいかなければならないという仕事柄、年末年始の待機要員に選ばれるのは決まって独身者。
しかも私の場合は実家も都内にあるため、わざわざ正月に帰るなんてこともしない。

実家に帰れば『結婚しろ』と母親が呪文のように言ってくる。
ほとんどの友人は結婚してるし、部下は帰省してるし、実家も帰りづらい。
去年は無理やり仕事を作って登庁し、居合わせた部下と飲みに行きました。
あ、もちろん勤務はつけていません。
みなさんの税金ですからね」(松井さん)
 確かに、年末年始はなぜか「家族や親族で過ごさなければならない」という感覚がある。
この慣習こそが長期休暇を「嫌なもの」にさせている節はないだろうか?

◆家族・親族から根掘り葉掘り聞かれるのがツラい
「アラサー超えてすでにアラフォー。
弟は結婚し、兄である俺の代わりに実家を継ぐことになった。
そもそも弟は、公務員になり嫁も子もいて堅実派。
正月にみんなで集まれば、俺なんて居場所がない。
弟のモノになる予定の実家にはすでに俺の部屋はなく、何でもかんでも弟と比較されて。
正月は本家である実家に集うのが“親族の掟”みたいになっているので、行かなきゃ行かないでうるさい。
9連休もあれば、三泊くらいはしないと、何をやっているんだ、友達はいないはず、仕事もないはず、と根掘り葉掘り聞かれて。
せめて三日間は我慢しないと……

 うつろな目でこう話すのは、都内在住のライター……というか、筆者である。
連休だなんだと浮かれている皆様。
そうではない人も少なからずいるので、理解してもらわなくともいいから“そういう人もいるのだ”と、せめて知っておいていただけると幸いである。
<取材・文/森原ドンタコス>
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月03日

増税による景気後退で「下流2.0」時代到来の可能性

増税による景気後退で「下流2.0」時代到来の可能性
2019/01/01 HARBOR BUSINESS Online

 ’19年10月の消費税増税は、新たな下流社会の幕明け―。
賃金が一向に上がらないままでの増税は、消費が確実に低迷し、企業の収益や税収が悪化、賃金はより下降して、本格的な“デフレ”の再来が懸念されている。
さらに外国人受け入れ問題、急速に活用が進むAI(人工知能)など、誰もが当事者たり得る“下流転落の火種”が忍び寄る
僕らの未来にあるのは希望か絶望か。

◆増税後の景気後退は避けられず世界的不況の波で下流2.0時代へ!
 ’19年の日本経済に訪れる“長い不況”が、データから予言されている。
まず景気を測るバロメーターといわれる「消費者物価指数」の前年比率を見ると、消費税増税のタイミングをピークにし、下降線をたどっている。
増税は物価に直撃し、消費が冷えこみ、’14年時と同じように景気が後退するのは明らかだ。

経済アナリストの中原圭介氏は、「さらに追い打ちをかけるように、’19年は世界的な不況が訪れる」と話す。
「日本企業の利益の多くは、アメリカへの輸出によるものです。
つまり、アメリカ経済の動向は日本経済の要ですが、その雲行きが非常に怪しい。
’17年にはアメリカの自動車ローンの残高が1兆2210億ドルまで膨らみ、学生ローンの残高は1兆3780億ドルにまで増加。クレジットカードローンも前述の2つに匹敵する増加率で、いつ延滞率が上昇し、消費が縮小傾向となってもおかしくない
アメリカの景気後退が始まれば、日本を中心に世界中へ波及、“世界同時不況”となるでしょう。
早ければ東京五輪前の可能性もあります」

 “世界同時不況”が起これば、当然サラリーマンへの影響も大きい。
中原氏が続ける。
アメリカ経済が落ち込むと円高になり、企業収益はさらにマイナスになります。
輸出も減って大企業の収益が落ちると、下請け企業にダブルでしわ寄せがいく。
場合によっては、会社そのものが傾いたり、解雇や賃下げの可能性もあります。
東京五輪までの特需が剥げ落ちる’20年以降は1〜2年の不況が続くかもしれません」

 そうした先行き不透明な経済状況のなか、’19年以降は国民への負担が増える制度の改正が相次ぐ。

2018〜2020年 負担増カレンダー
2018年 1月 配偶者控除の拡大
2018年 4月 介護保険料改定/エコカー減税縮小/タワーマンション課税見直し/妊婦加算開始
2018年 8月 介護保険料の自己負担額引き上げ/70歳以上の高額療養費制度改正
2018年10月 生活保護「生活扶助費」引き下げ/たばこ増税
2018年11月 出入国管理法改正
2019年 1月 国際観光旅客税開始
2019年 7月 定年65歳→70歳に引き上げ/75歳以上の医療費負担引き上げ
2019年10月 消費税10%に引き上げ
2020年 1月 基礎控除改正
2020年 7月 東京五輪開催

◆賃金がほぼ横ばいのなかで国民負担だけが増加
『下流予備軍』の著者で会計士の森井じゅん氏は、「近い将来、一億総下流化の危険性があります」と指摘する。
“取りやすいところから取る”という印象の強い税制などへの変更が予定されています。
介護費や医療費が増え、要介護者やそれをサポートする家族への負担が増大。
さらに消費増税をはじめ、出国税などの新たな税負担も始まります。
’20年には給与取得控除も改正され、基本的に850万円超えのサラリーマン世帯は増税に。
この給与取得控除は年々縮小傾向にあるため、もっと低い年収の人はより苦しくなるでしょう

「男性の所定内給与額の推移」からも、国民の給料が上がってない中で負担が増えれば、中流が下流に落ちてしまうケースは容易に想像できる。

 また、社会学者の山田昌弘氏は、お金だけではなく、“仕事”を奪われる未来を予想する。
「人工知能“AI”による機械の発達が、ホワイトカラーの専門的な仕事を単純労働に、そして低賃金化する流れにある。
また、移民受け入れ拡大で、優秀な外国人労働者が増える。
欧米では上昇意欲の高い2世、3世に仕事を奪われるケースも増えています。
お金の面でも仕事面でも、いつ誰が下流に陥るかわからない、不安が常につきまとう時代がやってきます
 その下流の“ゆがみ”は、すでに国内で表れはじめている。



中原圭介氏】
もっとも予測が当たることで定評がある経済アナリスト。
近著に『AI×人口減少 これから日本で何が起こるのか』(東洋経済新報社)

森井じゅん氏】
公認会計士・税理士。お金にまつわる国家資格を多数取得し、税務申告や企業コンサルも務める。
’17年に初の著書『下流予備軍』(イースト新書)を出版

山田昌弘氏】
社会学者。専門は家族社会学。
「パラサイトシングル」「婚活」の新語を考案。
最新刊に『底辺への競争 格差放置社会ニッポンの末路』(朝日新書) 
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

消費増税反対の内閣官房参与“退職”の裏に官邸の圧力

消費増税に反対した藤井聡・内閣官房参与“退職”の裏に、安倍官邸の陰湿圧力!「赤旗」に出たことで菅官房長官が
2019.01.02 LITERA編集部

 2019年はいよいよ消費税10%への引き上げが実施されるが、その年が明ける4日前、仕事納めの日に安倍政権がなんとも陰湿な言論弾圧人事を行った。
 消費税増税反対を主張する藤井聡京都大学大学院教授の「内閣官房参与」退職を発表したのだ。

 内閣官房参与というのは、首相が各専門分野で直接、専門家に助言をえるために設けられた非常勤のブレーン職。
藤井氏は第二次安倍政権発足と同時に、防災・減災ニューディール政策担当の内閣官房参与に就任し、安倍首相が公共政策の目玉としてぶちあげた「国土強靭化計画」の策定に関わった。

 思想的にも右派で、安倍首相の有力ブレーンのひとりと目されていた藤井氏だが、しかし、一方で増税反対の立場を取っており、以前から様々なメディアで消費増税反対を主張してきた。
安倍首相が2019年10月の10%増税を予定どおり行うと表明してからも、口をつぐむことはなく、むしろ批判を強めていた。

昨年11月には著書『「10%消費税」が日本経済を破壊する』(晶文社)を出版、さらに、共産党の機関紙「しんぶん赤旗日曜版」(11月18日付け)にも登場して、消費増税を批判していた。
 そんななか、いきなり年の瀬に退職が発表されたというわけだ。
当然、これには姑息な裏があった。

 報道では、今回の退職が藤井氏から申し出たということになっているが、実際は完全に建前で、かぎりなく「解任」に近いものだったらしい。
「藤井氏が『赤旗』に出たことを菅義偉官房長官が“政権への背信行為”だと激怒。
杉田和博官房副長官ら官邸幹部もいれかわりたちかわり藤井氏に迫り、辞職に追い込んだようです。
これまで藤井氏をかばっていた安倍首相もこの決定を追認したようですね。

 もっとも、安倍官邸は今回の『赤旗』問題の前から、藤井氏を切ろうとタイミングを見計らっていました。
藤井さんは内閣官房参与であるにもかかわらず、消費増税が貧困化と逆に財政悪化を導くことをあちこちで語っていたうえ、アベノミクスの景気回復に実体がないことを主張するなど、完全に“目の上のたんこぶ”状態でしたから。
それでも、安倍首相が増税を決断しないうちは目をつぶっていたのですが、増税が決定したことで、いよいよ放置できなくなった。

藤井氏に参与のまま自由に発言を続けさせたら“安倍首相の側近で右派の学者までが消費税に反対している”と取り上げられ、政権を揺るがしかねない。
そこで、藤井氏が『赤旗』の取材に応じたことを口実にして、辞職に追い込んだということでしょう」(全国紙政治部記者)  

まったく、安倍官邸らしい陰湿なやり口だが、しかし、不思議なのは、藤井氏がこの事実上の解任の経緯について口を閉ざしていることだ。
藤井氏は12月28日、Facebookで内閣官房参与の辞職願を提出したことを報告していたが、〈学究、とりわけ「言論活動」がこれからますます重要な局面となりますことから、今後の本務への参与職の影響を鑑み、安倍総理ともしっかりとご相談させて頂いた上で、参与職を辞する決意を致した次第です〉と書いただけで、圧力については一切ふれなかった。

「菅官房長官のことですから、藤井氏に対して“余計なことしゃべるな”といろいろ脅しをかけたんじゃないでしょうか。
それで、自分から辞職を申し出たことにするということで落着したんでしょう」(前出・全国紙政治部記者)
 もっとも、藤井氏は辞職の真相については口を噤んでいるものの、消費増税反対の姿勢は崩していない。
むしろ、内閣官房参与という足かせがとれたことで、舌鋒はさらに鋭さを増し、左右の垣根を越えて消費税に反対する勢力と連携を強めているようにも思える。

 本サイトは、藤井氏が「赤旗」に登場した際に、藤井氏の消費増税反対論を紹介したことがある。
政治的には右派の藤井氏だが、経済政策では安倍政権の法人税減税などの格差助長政策に反対する立場をとり、消費増税の問題点を鋭く分析している。
 今回再編集して掲載するので、最悪の格差助長政策を阻止するため、改めて読み返してほしい。

安倍政権の内閣官房参与が「赤旗」に登場して消費増税を徹底批判!
 安倍政権を支える現役の内閣官房参与が、「赤旗」一面に登場し「消費税10%反対」を唱えている。
「私は来年10月の消費税増税は凍結すべきだと思っています。
10%への税率引き上げは日本経済を破壊するからです」 「しんぶん赤旗日曜版」(11月18日付け)で、こう断言しているのは、2012年から安倍内閣で内閣官房参与を務めている、藤井聡・京都大学大学院教授だ。

藤井氏は「しんぶん赤旗日曜版」のインタビューに応じ、景気への悪影響、貧困の拡大、被災地復興への打撃といった観点から、2面に渡って消費増税の危険性を語っている。
 実は藤井氏が消費増税反対を唱えるのはこのインタビューが初めてではない。
先日刊行された著書『「10%消費税」が日本経済を破壊する』(晶文社)においても、〈デフレ状況にある現在の我が国において消費増税を行うことは、 国民を貧困化させ、日本を貧国化させ、そして、挙げ句に日本の「財政基盤」そのものを破壊することにつながると確信する〉と主張。

増税の「凍結」、いや「減税」こそが〈日本経済に最悪の被害がもたらされることを避けるための、最善の策〉だとし、増税の凍結・減税は〈政治の力で変えられるのは、当たり前〉だと述べているのだ。
 そもそも、安倍首相は「日本経済は11年ぶりとなる6四半期連続のプラス成長」「内需主導の力強い経済成長が実現している」などとしきりに景気回復を強調するが、一方で今年9月のJNN世論調査では84%の人がアベノミクスの景気回復について「実感ない」と答えている。
だが、これは当然の話だ。藤井氏によると各世帯の年間消費額は、2014年に消費税を5%から8%に引き上げる直前が369万円だったのに、増税後は一気に下がりつづけ、2017年には335万円にまで落ち込んだのだ。
つまり、〈消費増税のせいで、私達は一世帯当たり年間 34 万円分も「貧しい暮らし」を余儀なくされるようになった〉というわけだ。

 しかも、「景気回復」との掛け声とは裏腹に、2014年の増税後からサラリーマンの給与水準も低いままで一向に回復していない。
中小企業の「景況感」をはかる業況判断指数(DI)も、リーマンショックで「どん底」に落ちて以降はマイナス(景気が悪い)ながらも徐々に回復しつつあったが、2014年の増税によって改善傾向がマイナス領域でピタリと止まったまま。
「消費」「賃金」「景況判断」の客観的データからも、2014年消費増税によって庶民の暮らしは大打撃を受け、依然として深刻な状態にあることがわかる。

何より、日本経済全体の6割を占める「消費」の総額(実質値)は、消費増税前後で14兆円も下落。
その後も消費は冷え込んだままなのだ。

安倍首相の経済ブレーンが「アベノミクスで経済上向き」の嘘を指摘
 では、どうして「アベノミクスで経済が上向き」などという報道が出てくるのか。
これを藤井氏は〈世界経済が好調なおかげ〉にすぎないと喝破する。
実際、GDPは2014年の消費増税前から現在まで約18兆円(実質値)伸びているが、この間に輸出は約15兆円も増加。
輸出の増加がなければ〈一年あたり約0.7〜0.8兆円、成長率にして実に年率平均約0.2%しか伸びなかった〉のである。
また、この4年で、輸出に次いで伸びたのは「民間投資」だが、これも輸出が伸びた結果であると考えられるという。

藤井氏はこう述べている。
〈つまり、世界経済の好況という「他力」がなければ、日本経済はやはり、消費増税によって「衰退」していたのである〉 〈万一、消費増税によって内需がこれだけ弱々しい状況に至っている中で世界的な経済危機が勃発すれば、衰弱した日本経済は恐るべきダメージを被るであろう

 さらに藤井氏は、世界各国の経済成長率(1995〜2015年)に目を向け、
〈日本の20年間成長率は断トツの最下位〉
〈日本の成長率だけが「マイナス」の水準〉であるとし、〈日本はもはや、「経済大国」でないばかりか、「先進国」ですらない
先進国でも発展途上国でもない、世界唯一の「衰退途上国」とでも言わざるを得ない〉と明言。

こうした元凶が、バブル崩壊後の1997年に実施した消費税の3%から5%への引き上げによって「デフレ不況」に突入したためだと説明した上で、〈未だに「デフレ脱却」を果たせていない〉
いまの状態で消費税を10%に引き上げることは〈確実に破壊的ダメージがもたらされる〉と警告を発するのだ。
 その上、2014年の消費増税時は「外需の伸び」という幸運があったが、これは「アメリカ経済の好況」と「安い原油価格」があってのこと。
ご存じの通り、トランプ大統領は目下、安倍首相に自動車の追加関税をちらつかせており、原油価格も上昇。
つまり、〈2019年増税の外需環境は、2014年増税よりも、より深刻な被害をもたらした1997年増税時のそれに類似している〉のである。

 しかも、今回の増税は、安倍首相肝入りの「働き方改革」による〈労働者の所得は8.5兆円縮減される〉という予測や、東京オリンピック投資が縮小に入るというタイミングとぶつかる。
また、「10%」という数字の「キリの良さ」「わかりやすさ」が消費行動にブレーキをかけやすいという心的傾向もあると藤井氏は指摘。
〈日本経済にもたらす破壊的ダメージは極めて深刻なものになるのは「必至」〉であり、それを回避するためにも「凍結」あるいは「減税」こそが求められるというのである。

「消費税でなく法人税を上げるべき」と主張する藤井聡・内閣官房参与
 だが、こうは言っても「国の借金は1000兆円もあるのに放置していいのか」
「消費税を延期ばかりしていたら国の借金で日本は破綻する」という声が必ずや上がるだろう。
しかし、藤井氏はこれを〈何の根拠もない「杞憂」(無用の心配)であり、ただ単に、経済学者や増税推進派が撒き散らかした「デマ」であり「プロパガンダ」(主義の宣伝)に煽られているに過ぎぬもの〉と断言。
「デマ」である根拠を挙げている。

 そのひとつが、1997年や2014年の増税がそうであったように、デフレ不況下で消費税を増税すれば、〈経済が停滞し、かえって税収が減って、財政が悪化してしまう〉ということ。
国の破綻回避を叫ぶなら、税収が減少する増税を止めたほうがいい、というのである。
 さらに、「国の破綻」という曖昧な言葉自体が詐欺的であり、「日本政府の破綻はありえない」ということ。たとえばよく引き合いに出されるギリシャだが、ギリシャの場合は「国の借金が増えた」ことで危機に陥ったのではなく、〈経済が低迷し、失業者が増えてしまったことが「原因」で、税収が減り、借りた金が返せなくなり、「政府が破綻」〉した。

ギリシャの借金は「ユーロ」だったが、日本の場合は基本的にすべて円建ての借金であり、円の通貨発行権もある。自国通貨建ての借金であるために破綻することはあり得ないのだ。
また、ギリシャが破綻危機にあった際は金利が30〜40%だったというが、日本の国債の金利はいま0.1%程度。
だからこそ、市場関係者が「日本政府が破綻する」などと心配している者はいない、というのだ。

 そして、「国が破綻するから消費税」という主張に対し、藤井氏は加えて〈増税する対象として「消費税」を選ぶ必然性など何もない〉といい、消費増税とは反対に税率が下げられてきた法人税を上げるべきだと強調する。
 当然の主張だろう。
第二次安倍政権の発足以降、アベノミクスの成長戦略として法人税率はどんどん引き下げられ、法人実効税率は37%から2016年度には29.97%に減少。
消費税増収分は法人税の減収の穴埋めに使われたようなものだからだ。
実際、藤井氏は過去約30年に遡って現状と比較し、〈金持ちと大企業がかつて支払っていた税金を10兆円以上減らしてやり、その大半を、貧乏な世帯も含めたすべての庶民が肩代わりしてやるようになった
〈消費増税は確実に、庶民の間の「格差」や「不平等」を拡大させた〉と指摘。

法人税のほかにも、“所得税の高額所得者ほど減税の流れの見直し”や、先日、増税見送りが発表された金融所得の税率引き上げ、環境税・混雑税、土地利用是正税なども提案している。

「幼児教育無償化」もインチキ、半分は地方に押し付け
 格差が広がるなか、低所得者であるほど負担が重くなる「逆進性」の消費税を増税するのではなく、法人税や所得税の税率を見直し、不公平な税制を正すべきというのは、至極真っ当な考え方だ。
だが、安倍首相はそれを実行しようとはけっしてせず、世界景気の恩恵を受けているだけの結果を「内需主導の成長」などと嘘をつき続けている。

 いや、それだけではない。消費増税の目的として、安倍首相がぶち上げている「幼児教育・保育の無償化」についてもさっそくインチキが発覚した。
スタートから半年間は国費で払うものの、無償化に必要な8300億円のうち半分以上となる4370億円は市町村に負担させるというのだ。
 昨年9月に解散表明をしたときの大義名分は「消費税の使い方の見直し」であり、安倍首相は「幼児教育の無償化を一気に進める」と大見得を切った。
だが、これも「半分以上は地方でよろしく」とツケを回そうというのである。
しかも、〈自治体によっては無償化の負担が消費税の増収分を上回る〉(朝日新聞11月8日付)という。

 政府は混乱必至の軽減税率を筆頭に「プレミアム付き商品券」だの「キャッシュレス決済でポイント還元」だのと愚策ばかり打ち出しているが、幼児教育の無償化にしても、待機児童家庭はその恩恵を受けられないという問題がある。
その上、待機児童解消のための地方財源が無償化によって削られる可能性まで出てきたのである。
 幼児教育の無償化を「未来の投資だ」と喧伝するばかり。
一方の国民も、政府に言われるがままで「増税しかたなし」と諦めている。

 上述の「赤旗」で藤井氏は「10%への増税は決まったことだから仕方がないと国民が容認すれば、消費税率は15%、20%へとさらに引き上げられる」とも警告。
そして消費税10%への増税中止もあり得るとの見方を示し、
「カギとなるのは国民世論」
「この問題に党派は関係ありません」と国民世論の喚起を呼びかけている。

「やはり増税はおかしい」と、いまこそ国民が声をあげなくては、安倍政権によってほんとうに立ち直れないほどわたしたちの暮らしは破壊し尽くされてしまうだろう。
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2019年01月04日

脚の静脈に謎のボコボコが…立ち仕事やマラソンに注意「下肢静脈瘤」とは

脚の静脈に謎のボコボコが…立ち仕事やマラソンに注意「下肢静脈瘤」とは
2019年01月03日 SPA!

40代を超すと「病気」の話題も増えてくる。
だが、三大成人病などメジャーな病気に注意していても、耳慣れないマイナーな病気に足元を掬われてしまうことも……。
そこで「本当に怖い中年の病気」と題して、真の意味で中年が要注意な病気について紹介していく。

 第一回は「下肢静脈瘤」。
この病気、ご存じだろうか?
◆耳慣れない「下肢静脈瘤」とは?
 脚の静脈の弁が壊れて、血液が逆流してしまう病気。
それが下肢静脈瘤だ。
良性疾患であり、たちどころに命に関わる病気ではない。
しかし、この病気に詳しい北青山Dクリニックの阿保義久院長は、「油断して放置すると大変なことになる」と警鐘を鳴らす。

下肢動脈瘤..jpg
「加齢とともに発症しやすくなる下肢静脈瘤ですが、一度発症すると基本的に自然に回復することはない。
そして、放置するほど他の病気の引き金となるのです」(阿保院長、以下同)
 下肢静脈瘤を発症すると、主に太ももやふくらはぎの静脈がぼこぼこと浮き上がってくる。
「見た目が良くないので、女性の方は割と早期に医者にかかるケースが多いのですが、男性は放置する傾向があります。
しかし、重篤化すると潰瘍化してひどい痛みを伴ったり、血栓になりやすくなるという報告があります」
 そして、稀ではあるが最悪死に至ることも。

下肢静脈瘤になると、静脈に負担がかかり血のかたまりができやすくなる。
この血栓が肺などに詰まると、いわゆるエコノミークラス症候群のリスクが高まり、突然死を招く恐れがあります。
決して放置してはいけません

◆下肢静脈瘤になりやすい特徴とは?
 この病気には“かかりやすい特徴”があると阿保院長。
座り仕事よりも立ち仕事の人。また、マラソン選手やサッカー選手など足を酷使する人も発症するリスクが高いようです。

足の血液は“第二の心臓”ともいわれるふくらはぎや太ももの筋肉の力によって心臓に戻っていきます。
立ちっぱなしでこの筋肉のポンプが機能しないと、足にどんどん血がたまっていく。
すると静脈に大きな圧力がかかり、弁が壊れて血液が逆流してしまうのです」

 予防するには、どのような対策が必要なのだろうか?
足に血液をためないことが大切です。
仕事中も同じ姿勢を取らず、適度な歩行やストレッチを行うことで足の血液の巡りはよくなります。
とくに立ちっぱなしの方は、定期的に遠めのトイレに歩いたり、体操や深呼吸をすることを心がけてください。

病気自体は治療方法がほぼ確立していますし、手術も日帰りで簡単な施術で済むケースがほとんどです」

 かゆみやこむらがえりは静脈瘤の予兆だそう。
早目の診療を心掛けたい。〈取材・文/高橋健太〉


阿保義久氏
東京大学医学部卒。腫瘍外科・血管外科医。
2000年に北青山Dクリニックを設立。
下肢静脈瘤の日帰り根治手術・椎間板ヘルニアのレーザー治療・痛みのない内視鏡検査・進行がんに対する革新的治療などからがん遺伝子治療まで行う。
著書に『アンチ・エイジング革命』、『下肢静脈瘤が消えていく食事』、『尊厳あるがん治療』など
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2019年01月05日

ブラック企業の「休ませない」エピソード「有休1日につき給与1万円減」「体調不良で電話する元気があるなら出社しろ!」

ブラック企業の「休ませない」エピソード「有休1日につき給与1万円減」「体調不良で電話する元気があるなら出社しろ!」
2019年01月04日 キャリコネ

旅行会社のエクスペディアによると、日本人の有休取得率は世界19か国中3年連続最下位だという。
日本では「休むのは悪いこと」という考えが根強く、ことブラック企業では顕著だ。

キャリコネニュースに寄せられたアンケートからもその様子がうかがえる。
管理・事務職として働く30代女性は、月の休みが3日程度で、1日に14時間労働という環境に身を置いている。
残業代が出ないのはもちろん、会社には「有給休暇の概念がない」という。
「休みたいと言うとお前程度の人間が休んだら他の者に抜かれるぞ、と終電が無くなるまで説教。
帰れなくなっても自腹でタクシー帰宅か宿泊となる」
「インフルエンザで休んでも、有給休暇があるのに欠勤で処理される」
従業員が一斉に有休を取得し、事業の運営が難しくなるといった場合などを除き、雇用主は従業員からの有休申請を断れない。
しかしブラック企業は、法律違反などお構いなしといった対応をする。

販売・サービス業に従事する40代女性は、上司に有休の申請をしたときのことを、次のように振り返った。
「有休を使おうとすると届けを返される。
インフルエンザで休んでも、有給休暇があるのに欠勤で処理される。
最高21日間まったく休みがないことがあった」

また技術職で働く40代男性は、朝礼で部長から「有休なぞ取れると思うな」と念押しされた。
「同僚が体調不良で仕事を休みたい旨を電話連絡すると、『電話する元気があるなら、会社に来い』と言われた」

ほかにも病欠が許されない職場エピソードとして、「インフルエンザで休んだら朝礼にて謝罪させられる。残業してる人ほど評価が高い」(30代男性、販売・サービス業)、
「有休使用1日につき給与1万円減額」(20代、管理・事務職)などが寄せられた。
上司「俺が休みたいわ。それくらいで有休とかほざいてんじゃねえよ!」

介護業界で働いていた30代女性は、入社後のオリエンテーリングで上司から「募集要項の中に有休ありってあるけど、これ取る人いないからね」と言われたという。
新入社員たちは首を傾げたが、上司はすぐさま、 「シフト表以外の休みとるなら給料減るよ」 と語気を強めた。
女性は「だから人が続かないんだよ介護業界!!」と嘆いている。

自動車部品工場で働いていた30代女性は、半日勤務後に夜勤に入るなど、繁忙期は長時間労働を強いられていた。
残業代は出たが、疲れが限界に達して有休申請したところ、 「俺が休みたいわ!それくらいで有給休暇取りたいとかほざいてんじゃねえよ!と罵倒された」 と振り返る。

結局、学生時代の友人の披露宴、幼馴染の親の葬儀、祖母の手術、親の入院でも休めなかったという。
女性は最終的にうつ病になり、退職を余儀なくされた。
休みたくても休めない環境に慣れてしまうと、他人の休みに不寛容になるのだろう。
「働き詰めが美徳」という考えは、今すぐにでもなくなるべきだ。
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2019年01月06日

新年早々ウソ連発 安倍首相の年頭会見をファクトチェック

新年早々ウソ連発 安倍首相の年頭会見をファクトチェック
2019/01/05 日刊ゲンダイ

 新年の初めから大ウソ連発だ。
4日、伊勢神宮での安倍首相の年頭会見は「ファクトチェック」が必要なほど虚偽にまみれていた。
「社会保障制度を全ての世代が安心できるものへと改革していく。
本年はその力強いスタートを切る『全世代型社会保障元年』であります」
 こんな大仰な言葉を、社会保障費をカットしまくる政権のトップがよくぞ言えたものだ。

安倍政権は18年度まで6年連続で社会保障費の「自然増分」を削り、その総額は1.6兆円に上る。
19年度予算案でも約1200億円の自然増分を圧縮し、4800億円に抑えた。
16〜18年度の数値目標5000億円を超える削減額を示しておいて、どこが「全世代型社会保障元年」なのか。

 10月予定の消費増税について「全て国民の皆さまにお返しするレベルの十二分な対策を講じる」と表明したが、これもウソ。
 目玉のキャッシュレス決済によるポイント還元は、クレジットカードなどを持たない人には恩恵ゼロ。
自動車・住宅購入支援策で優遇するのもサイフに余裕のある人だけだ。

■「ライバル不在の慢心」
 北方領土問題も「今月下旬にロシアを訪問し、交渉を前進させる」と強がったが、プーチン大統領が返還に応じる気配はない。
むしろ、振り回されっぱなしで1ミリも前進しない可能性が高い。
 安倍首相は日中関係の発展や、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に努める方針を示し、「今こそ戦後日本外交の総決算を行っていく」と息巻いたが、もう聞き飽きた。
過去6年、金正恩委員長にちっとも振り向いてもらえない安倍首相に拉致問題の解決は不可能に近い。

 改憲についても「与党、野党といった政治的な立場を超え、できる限り広範な合意が得られることを期待したい」と訴えた。
唐突に改憲私案を打ち出し、国会論議をまぜ返した自分自身が「広範な合意」を邪魔していると気付いていないのか。

これまで大言壮語で国民をけむに巻いてきたとはいえ、今年も年頭から場当たり発言ばかり。
6年以上も首相の座にいながら、彼の口から日本をどうするのかという大局的見地に立った発言を聞いた試しはない。
政治的ライバル不在の慢心こそが、言いたい放題の原因だと思います」(政治評論家・山口朝雄氏)

 こんなホラ吹き首相が、夏の参院選に合わせた衆参同日選について「頭の片隅にもない」と2度も会見で否定したところで、誰もその言葉を信用しない。
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2019年01月07日

「病院代は非課税」のウソ “隠れ増税”をどうやって取り戻すか

「病院代は非課税」のウソ “隠れ増税”をどうやって取り戻すか
2019.01.06 週刊ポスト

「医療費には消費税がかからない」──そう認識している人は多いだろう。
実際、怪我や病気で入院した際、病院から受け取った請求書を見ても、「消費税」という項目はどこにもないはずだ。
 しかし、本当は見えないところで消費税を取られている。

入院時に個室などを利用すると支払う差額ベッド代や、自由診療の費用は課税対象だ。
ほとんど知られていないが、紹介状なしで大病院にかかったときに窓口で支払う初診料の特別料金5000円にも、しっかり消費税が含まれているのである。
 そのうえ、今度の消費増税と同時に、診療報酬も引き上げられる見込みだ。
厚労省が定める診療報酬や薬価等には、医療機関が設備や薬を仕入れる時に負担する消費税が反映されるため、実質的な“消費増税”と言っていい。

 医療費の自己負担は増えることになり、医者にかかることが多い中高年世代には、これでもかと税負担がのしかかるのだ。  

それに対抗するにはどうするか。
「薬代」という搦め手で医療費を安くあげる“秘策”がある。
やり方は簡単だ。
実は、病院で診察を受けて処方箋を出された後、どこの調剤薬局で薬を受け取るかで、支払う代金が異なってくるのだ。
同じ薬を同じ数だけ処方されるにも関わらず、である。
 一番安いのは、病院と同じ敷地内にある「院内薬局」。
次に安いのは、病院から道を挟んで向かい側などにある「門前薬局」。
そして薬代が最も高くなるのは商店街などにある「個人経営の調剤薬局」だ。

 これは薬代に含まれる調剤基本料が薬局のタイプによって違うことによるものだ。
今まで何も考えずに薬局を選んでいたなら、病院を出た後に周囲を見回し、同じ敷地内の薬局に向かうようにするといい。

※週刊ポスト2019年1月11日号
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2019年01月08日

IWC脱退"共存する可能性すらない"の異様

IWC脱退"共存する可能性すらない"の異様
プレジデントオンライン編集部 2019/01/07

捕鯨支持国はIWCの加盟国の半数近くいた
混乱続きだった2018年の政治は最後にサプライズが待っていた。
日本が国際捕鯨委員会(IWC)から離脱したのだ。
商業捕鯨再開を目指してきた日本の考えは、国際社会の中ではなかなか理解が広がらなかったのは確かだが、日本はいつから、意に沿わない相手と交渉するのを打ち切って協議の席を立つような国になったのか。

日本外交は、唯我独尊的に振る舞うトランプ米大統領に「米国第一」に似てきたようにもみえる。
「異なる意見や立場が共存する可能性すらない」
昨年12月26日、政府は菅義偉官房長官談話を発表した。

談話は「今年9月のIWC総会でも、鯨類に対する異なる意見や立場が共存する可能性すらないことが残念ながら明らかになった」と極めて激しい内容となっている。
IWCでは商業捕鯨を再開したい日本などの捕鯨支持国と、反捕鯨国の間で膠着状態が続いているのは事実だ。
しかし昨年8月段階の水産庁データによると、IWC加盟国のうち捕鯨支持国は日本、ロシア、韓国など41カ国。
反捕鯨国はオーストラリア、米国、英国など48カ国。
反捕鯨国の方が多いが、それでも支持国も半数近くいて拮抗している。

菅氏の談話にあるように、「異なる意見や立場が共存する可能性すらない」というような勢力分布には思いがたい。
それを、あっさり見切って捨てたことになる。

よみがえる「国際連盟離脱」の苦い記憶
日本が国際機関から脱退するケースは珍しい。
日本人なら1933年、日本が国際連盟を脱会したことを思い出さずにいられない。
当時の松岡洋右首席全権が「国際連盟と協力する努力の限界に達した」と発言して総会の会場を去った話はあまりにも有名。その後、日本は坂道を転げ落ちるように戦争への道を進んでいった。

松岡の「努力の限界」発言と官房長官談話の「共存する可能性すらない」。
どこか重なるように聞こえるのは考え過ぎだろうか。

戦後日本は、良きにつけ、あしきにつけ国際協調主義に徹してきたはずである。
時には妥協を重ね米国などに押されっぱなしで「軟弱外交」という批判も受けたが、それによって国際社会の信頼を築いてきた。
その伝統が崩れた。

閣議決定の内容が丸1日間、意図的に伏せられていた
今回の脱退で、もう1つ気になることがある。
政府は脱退方針を25日の閣議で決定していたのだ。
にもかかわらず同日は公表せずに翌日の26日に発表した。
つまり、政府の最高意思決定である閣議での決定内容を意図的に伏せていたのだ。
25日の閣議後、IWC離脱方針を決めたのではないかとの情報を得た記者が「日本はIWCの加盟の是非などを含め、検討を行っていると思いますけれども、現状の検討状況や何か決まったことがあれば」と質問したのに対し、菅氏は「政府の検討状況についてお答えすることは差し控えたいと思います」と答えを濁している。

同じころ吉川貴盛農相は同趣旨の質問に対し「政府としての検討状況は、まだ何も決まっておりません。
お答えすることは差し控えたいと存じます」と答えている。
「何も決まっておりません」は、ミスリードと言わざるを得ない。

菅氏は、閣議決定を1日間公表しなかったことについて「こういう事例は、これまでにある。
脱退にかかる関係国との調整を含め、諸般の事情を総合的に判断した結果」と語った。
しかし、閣議決定の内容を意図的に隠すようなことが頻繁に行われているとすれば、政府が意図的に情報操作していると言われても仕方ない。
安倍政権のナンバー1と2が「偶然にも」捕鯨推進派
日本がIWCを離脱することになった経緯を復習しておこう。

何と言っても二階俊博自民党幹事長の存在が大きい。
二階氏は、古式捕鯨発祥の地とされる和歌山県太地町が地元。
捕鯨推進派議員のドンである。
また太地町と並び、山口県下関市も「くじらの街」として知られる。
こちらは安倍晋三首相の選挙区だ。

今の安倍政権で最高権力者とナンバー2が、「偶然にも」捕鯨推進派なのだ。
二階氏がIWCからの脱退と商業捕鯨の再開を求め、首相官邸に働き掛けて実現したというのが簡単な構図だ。
一方、外務省は慎重論が根強かった。
これまで国際社会で協調的な立場を演じることが多かった「伝統」を守ろうという面もあるが、何よりも脱退により日本外交に影響が及ぶのを恐れた。

今年は大阪で20カ国・地域(G20)首脳会合が、来年は東京五輪が、そして2025年には大阪で万博が開かれる。
反捕鯨国が日本のIWC離脱に反発してボイコットする国が出るようなことがあれば日本外交にとっては大変な痛手となる。
早くもG20にあわせてシー・シェパードなど反捕鯨団体が大規模な抗議行動を実施するのではないか、との観測も出ている。

捕鯨推進議員の悲願の代償はかなり大きい そうでなくても、外交上のダメージは予想される。
反捕鯨国の中には米国、オーストラリア、ニュージーランド、英国などが、日本とのつながりの深い国が多い。
これらの国とぎくしゃくすることになりかねない。
特に今年、貿易協定の交渉が控える日米関係に影を落とすことになれば一大事だ。
また捕鯨支持国側からも、根回しなく日本が単独離脱したことへ不満を抱く国が出てくるかもしれない。

一部の捕鯨推進議員の悲願を実現することによって失うものは、とてつもなく大きくなるかもしれない。
実際、新聞も、普段は政権寄りの論調が目立つ読売、産経の両紙までが批判的な社説を掲載している。

これは「日本第一」外交の始まりか
ここまで読んで、今回の安倍政権の決定が、トランプ米大統領の手法に似ていると気づいた人も少なくないのではないか。

トランプ氏は2016年の大統領選で当選以来、環太平洋連携協定(TPP)から離脱、さらには国際的な気候変動対策の枠組みである「パリ協定」からの離脱も発表するなど、自分の意見と合わない枠組みから次々と去っている。
一連の「米国第一」の外交は、国際社会を混乱に陥れているのはご承知の通り。

安倍氏は、どの世界のリーダーよりもトランプ氏と親しいと自負している。
それ故、外交手法もトランプ氏のようになってきたのだろうか。

国内では「安倍一強」を謳歌し、自分と意見の違う政党や勢力を退けることが多い安倍氏。
外交でも「トランプ化」を進めていくことになれば、安倍政権は新しい道に足を踏み入れることになる。

協調外交を捨てて「日本第一」外交を進むことになれば、「出発点はIWC離脱だった」と、後日語り継がれることになるかもしれない。
posted by 小だぬき at 04:14| 神奈川 ☀| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月09日

「安倍1強」に終止符を打つ方法はあるか

「安倍1強」に終止符を打つ方法はあるか
2019年01月08日 PRESIDENT Online
(ジャーナリスト 沙鴎 一歩

■前代未聞の国会運営に、衆院議長も異例の談話
今年こそ、「安倍1強」に終止符を打とうではないか――。
元日の朝、東京・代々木の明治神宮を参拝して祈願した内容である。
昨年の政治はひどかった。
年末の臨時国会では安倍晋三首相と与党自民党が短い審議時間で強引に外国人労働者を拡大する改正入管法を成立させた。
野党だけではなく、マスコミの大半もこの改正案に強く反対していた。
にもかかわらず安倍首相は迷うことなく、数の力で押し切った。

反対する声に全く耳を傾けず、議論を尽くそうとはしなかった。
前代未聞の国会運営である。
昨年7月には、大島理森(ただもり)衆院議長が
「民主主義の根幹を揺るがす問題だ。国民の負託に十分に応える立法・行政監視活動を行ってきただろうか」との談話を発表した。

森友学園問題で財務省が決裁文書の改竄という大きな“罪”を犯した。
大島氏は政府に猛省を促すとともに、国会の与野党議員にも自覚させようと試みたのである。
確か通常国会の終了後のことだった。
この大島談話も異例だった。

■「安倍1強」が国会の空洞化を生んでいる
森友問題が発覚したのは一昨年2月。
一年後の昨年3月には、安倍首相と昭恵夫人の名前の記された部分などが削除された文書に対し、財務省が改竄を認めた。
驚くのはその1年もの間、国会が改竄文書をもとに審議を行っていたことである。
改竄を認めた後も、財務省トップの麻生太郎氏が責任を取ることなく財務相の地位に甘んじていた。
安倍首相に至っては「私と妻は関わっていない」と主張し続けた。
財務省が改竄を調査してその結果を報告した。

国会でその報告について野党が追及した。
だが、結局のところ改竄の理由や森友学園側に渡った土地の値引きがどうして行われたのかという疑問は残ったままである。

「もり・かけ疑惑」と揶揄され、森友学園問題と並んで追及されてきた加計学園問題。
これも疑惑にまみれたままなのに、いくつもの疑問が解明されていない。

政府も国会も、国民を愚弄している。
大島氏が怒るのも無理はない。
前代未聞の異例な事態、そして驚愕すべき状況。
これらはすべて安倍政権の負の落とし子であり、政権の「安倍1強」が国会の空洞化を生んでいる。

■国防の強化しか念頭にないのではないか
本来、立法・行政・司法が相互に抑制し合うことで国家権力のバランスが保たれなければならない。
それが三権分立だ。
三権分立によって国民の権利と自由が保障される。

だが、首相官邸に権力が集中する「安倍1強」体制が続き、自民・公明の数の論理で国会が軽視されてきた。
安倍首相は憲法に「国会が国権の最高機関」と明記されていることをご存じないのだろうか。
国防の強化しか念頭にないのではないか。
これで憲法改正だというのだから開いた口がふさがらない。

昨年9月の自民党総裁選で安倍首相は3選を果たした。
だからといって私たち国民が「安倍1強」を認めたわけではない。
政治は安倍首相のためにあるのでない。政治は国民のために存在する。
国民が少しでも暮らしやすい世の中を築くのが、政治家の仕事だ。

「安倍1強」に終止符を打つには、野党の力では無理だ。
野党にその力がないからだ。
安倍首相が国民のことを思うのなら、安倍首相自身が「1強」の驕りを自覚し、謙虚になる必要がある。
それには新聞をはじめ、メデイアが安倍首相や安倍政権を正しく批判し、世論を動かすことである。

私たち国民も「安倍1強」のもたらす弊害を認識してきちんと意見を述べるべきだ。
いまはだれもがフェイスブックやツイッターで発信ができる。
SNSを使わない手はない。

お正月の料理を映像にしたり、愚痴を掲載したりするだけがSNS活用ではない。

■「官邸の下請け機関化、翼賛化、空洞化」
さてこんなことを思いながら新聞各紙の2019年元日付社説に目を通した。
元日の新聞にはその新聞のカラーがにじみ出る。
とくにスタンスを明確にして論じる社説がおもしろくなる。

朝日社説は「政治改革30年の先に」「権力のありかを問い直す」との見出しを掲げ、中盤で「弱い国会を強くせよ」(小見出し)と主張している。
官邸の下請け機関化、翼賛化、空洞化――。昨今の国会の惨状を形容する言葉の数々だ」
「ここに、政治改革を通じた権力集中の負の側面が如実にあらわれている」 こう指摘したうえで主張する。

どの機関にどんな権力、権限を配分するのが適正か。
改革の手直しを試みる際、最も大切な視点である
「国会を強くする必要がある」

安倍政権を嫌う朝日社説だけに国会の空洞化を問題にして健全な国会運営を訴えている。
沙鴎一歩の主張と似ている。

■「首相の専権」と仰々しく語られる衆院の解散権
沙鴎一歩も国会を強くすることには賛成である。
前述したように「安倍1強」のもとでは権力のバランスに欠くからだ。

朝日社説は権力分立の重要性を次のように指摘している。
「議院内閣制の下では、内閣とそれを支える衆院の多数与党が一体となっている。
与党は数の力で政府提案を次々通していこうとする」
「一方で国会には、政権中枢や各省庁の活動を監視する役割がある。
行政府VS.立法府という権力分立の構図である

朝日社説は「衆院の解散権」の問題点についても言及している。
「『首相の専権』などと仰々しく語られる衆院の解散権にも、縛りをかけなければならない」と訴え、「安倍政権の不意打ち解散戦略は、改革の眼目の一つだったマニフェスト選挙を台無しにした。
大義も争点も不明なまま、有権者は投票を強いられた」と指摘する。

なるほど、“衆院解散→総選挙”は安倍首相に限らず、国会運営に切羽詰まったときの政権がよく使う手法である。
郵政民営化を訴えた小泉純一郎元首相の郵政解散は記憶に新しい。
古くは吉田茂元首相の「ばかやろう解散」なんていうのもあった。

■参院そのものが十分機能していない
朝日社説は「解散権の乱用問題は古くから論争の的だ。
権力の振り分け方を正すという観点から、そろそろ再考すべきである」と主張し、参院の在り方にまで触れる。

「政治改革後の歴代内閣は、長期安定政権と、『ねじれ国会』に由来する短命政権とに二分される。
その意味で、参院への権力の割り当てと、その役割の見直しも避けて通れない。
『地方の府』にする案をはじめ、議論の積み重ねはある」

ここで朝日社説が指摘する「参院への権力の割り当て」の意味がよく分からない。
解散権の乱用は確かに問題だが、何らかの形で参院に権力を与えたとしても解散権の乱用が是正されるとは限らない。
参院そのものが十分機能していないところに問題があるからだ。
参院廃止論も出ているぐらいだ。
たとえば法案の審議を衆院から始めるのではなく、参院先議といって最初に参院で審議してから衆院での審議に移るやり方をもっと増やして参院自体を活発化させる方法もあるだろう。

■「最も警戒すべきなのは、米国と中国の覇権争いによる混乱」
次に読売新聞の1月1日付の社説を読んでみよう。
30年前の1989年、平成元年までさかのぼって政治の変遷から書き出し、内閣や国会の権力の在り方を論じた朝日社説とは違い、読売社説は米中の対立に対し、日本がどう臨んでいくべきかを主張している。

書き出しはこうだ。
「米国が内向きの政治に転じ、欧州は、ポピュリズムの横行と英独仏の混迷で求心力が低下した。
世界の安定を支えてきた軸が消えつつあるようだ。
こうした中で、最も警戒すべきなのは、米国と中国の覇権争いによる混乱である」

なるほど、中国は世界屈指の消費者数と巨大な産業構造を駆使し、そのGDPは30年間で30倍という飛躍を遂げた。
アジア諸国を巻き込む一帯一路という巨大経済圏構想も掲げている。
南シナ海での人工島建設や日本固有の領土である沖縄・尖閣諸島への進出など軍事力も想像以上に増強している。
ここ数年、宇宙にまで軍事触手を伸ばしている。
IT(情報技術)やAI(人工知能)の開発も目覚ましい。
米国が警戒するのは当然だ。
米国と中国の覇権争いによる深刻な混乱も起きるだろう。

■「米国の同盟国であり、中国と深い関係にある日本」
そんな状況下で日本はどう動けばいいのか。
「世界1位と2位の経済大国の対立は、安全保障や通商、ハイテクなど多岐にわたり、相当長い間続くと覚悟すべきである」 「米国とソ連による冷戦の終結宣言から30年、『新たな冷戦』に怯え、身をすくめていても意味はない。
米国の同盟国であり、中国と深い関係にある日本こそが、地域の安定と繁栄を維持する責務を、粘り強く果たさねばならない」

読売社説はもっともらしいことを主張するが、果たしていまの安倍政権に地域の安定と繁栄を維持することなどできるだろうか。
数の力に頼り切っている安倍首相に中国の習近平(シーチンピン)国家主席を制するだけの大きな器があるとは思えない。
ただ、読売社説の「米国の同盟国であり、中国と深い関係にある」という指摘はうなずける。
いまこそが日本のチャンスなのかもしれない。
安倍首相がそのチャンスに早く気付いて日本の外交に生かすことを期待したい。

■米国と中国の手綱を取る芸当は無理だ
読売社説はさらに日本の役割を指摘していく。
「日本は、各国首脳との会談や、先進7か国(G7)、6月に大阪で開かれる主要20か国・地域(G20)などの会議で、米中対立を緩和させるための議論を主導すべきだ。
孤立しがちな米国と各国の仲介も日本の役割となろう」
「中国の強権的な拡張路線は、曲がり角に来ている。
このままでは行き詰まることを、日本は習氏ら指導部に指摘すべきだ」
「中国が対米関係の悪化で、対日外交に意欲を示す今は、日中が率直に話し合える機会である」

読売社説の指摘は的を射ているだろうが、やはり問題は安倍首相の力量だ
北方領土の返還交渉でロシアのプーチン大統領に手玉に取られ、交渉自体を河野太郎外相に丸投げするようなやり方では国際社会から相手にされなくなる。

基本的に安倍政権を支持するスタンスを取る読売社説としては、安倍首相を持ち上げたいのだろうが、米国と中国の間に入って両国の手綱を取るような芸当は、安倍首相にはできまい。
そのあたりを社説を担当する論説委員たちは、どう考えているのだろうか。
一度、彼らの論説会議を聞いてみたい。
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2019年01月10日

帰省ラッシュで見かけた迷惑客にうんざり…孫をダシに「席を譲れ」と迫る老人も

帰省ラッシュで見かけた迷惑客にうんざり…孫をダシに「席を譲れ」と迫る老人も
2019年01月09日 SPA!<取材・文/山口準>

いよいよ2019年、最後の“平成時代”がスタートした。
年末年始は地元や旅行先で過ごした、という読者も多いはずだが、高速道路を車で移動した人もいれば、遠方まで飛行機や新幹線を使ったという人もいるだろう。
 特に飛行機、新幹線は長い時間を見ず知らずの他人と、かなり狭い空間でいっしょに過ごさなければならないため、他人の言動が気になってしまうことも多々。
それが非常識で不愉快なものであればあるほど、ストレスはたまりやすいものだ……。  
年末年始の移動で嫌な思いをした人たちの声を聞いた。

◆孫をダシに「席を譲れ」と迫る老人
 京都在住のIT関連会社社員・松木さん(30代・仮名)は、正月を故郷の熊本県で過ごした。
熊本といえば、九州新幹線の開通後、新大阪から「さくら」や「みずほ」を使えば一本で行けるようになり、利便性が大いに増した。
松木さんもこの3年ほどは、新幹線を使って京都と熊本を行き来しているという。

「実家から京都に戻る際に切符が取れず、博多から東京行きの“のぞみ”の自由席に乗車しました。
博多を出た時点で、自由席の席は一つも空いておらず、小倉(福岡県)や徳山(山口県)、広島から自由席に乗る人たちは、デッキか車内に立って乗車する感じだったのですが……」(松木さん)
 徳山駅から乗車したのは、関西弁で話す60代ほどの男性と幼稚園生くらいのその孫、幼稚園生の両親らしき男女だった。

男性が松木さんの隣に立った瞬間、車内に響き渡るような大声で次のように言い放った。
「はぁーアカン、いっぱいや! この国は老人と子どもに優しゅうないわ! 腰痛いのに床に座れっちゅーんか? 〇〇ちゃん(孫)ツラいか? ツラいよなー? 大人になったら席を譲るような立派な人間にならなアカンで!」

 松木さんだけではない、その声を聞いた同じ車両の座席に座る全員が、バツが悪そうに下を向いたのである。
「こういうことを10分くらい、真横で大声でしゃべられるものだから、私と私の隣に座っていたお客さんが仕方なく席を立ちました。
しかし、男性は『おお、空いた空いたラッキーや!』といって、私たちに礼も言わない。
祖父さんと孫はその後も席でギャーギャー話しながら、新大阪で降りる間際には、別の老人に席を譲っていて……。
私は京都までですが、隣のお客さんは新横浜まで行く予定だったそうで。
その後もずっと立ちっぱなしだったのかもしれません」(松木さん)

◆空いた指定席を転々とするギャル2人組
 年末年始といえば、飛行機も満席、新幹線に至っては乗車率が100%を超えることも珍しくなく、自由席の席取り合戦に敗北してしまえば、目的地まで立って移動するハメになる。
 一方、そのような状況になっても、いや、人の迷惑を顧みずとも、なんとしても座って移動したい、という迷惑な人々もいるのだ。

神戸の実家に帰省すべく、品川駅から東海道新幹線に乗車した都内在住の会社員・ケンジさん(20代・仮名)は、12月初旬に指定席を予約。
品川から新神戸までゆったり座って移動するはずだったが……。
「品川で乗り込んだのですが、自分の席とその隣に、派手な女のコが2人座っていたのです。
自分のチケットを思わず見返しましたが、そこは確かに自分の席。
気まずいなあと思いつつ声をかけると“チッ”と舌打ちして、真後ろの空いている席に移動したのです」(ケンジさん)

 女2人は悪びれた様子もなく「空いてるんだからいいじゃんねー」など、ケンジさんに聞こえるように囁き合っていたというから、ケンジさんの心境が穏やかでなかったのは言うまでもない。
そもそも、しっかりカネを払い、正当に座っているケンジさんが文句を言われる筋合いはないはずだが……。
しかし、彼女たちはその後も同じような行為をずっと繰り返した。

「新横浜で指定席のほとんどが満席になりました。
移動した女が座っている席にも予約客が来ると、また舌打ちして、渋々と席を移動した。
その後も空いた席を転々としつつ、席で電話したり、何べんもタバコを吸いに立ったり……。
迷惑この上なかったのですが、文句を言うと100倍で言い返してくるのかもしれないと思うと怖くて、誰もなにも言えなかったのです」(ケンジさん)

 車内には「指定席は空いていても、別のお客様が予約されているので座らないように」と何度もアナウンスが響いていたが、まったく聞く耳なしといった女たち。
ケンジさんが新神戸で降車するとき、女らが図々しくもグリーン車の空き席に座っているのを目撃したというから、開いた口が塞がらない。

◆酒の持ち込みが禁止されているLCCで酒盛りする不良たち
 今年、2年ぶりに地元札幌に帰省するため、家族と成田空港から飛行機に乗ったという市川さん(40代・仮名)。
少しでも費用を節約するために格安航空会社(LCC)を使って移動したが、機内で遭遇した迷惑客のせいで後味の悪い思いをした。
「LCCは、一部の航空会社で、機内で飲むための酒類の持ち込みが禁止されています。
今回利用した航空会社も持ち込みを禁止しており、飲みたいなら機内で買うしかありません。
しかし、我々のすぐ後ろに座っていた不良風の3人の男たちは、バッグからこっそりウイスキー瓶を取り出して飲み続け、空港(新千歳)につくまで大騒ぎ。
客室乗務員さんが注意すると、5分くらいおとなしくなるのですが、またすぐに騒々しくなって……」(市川さん)

 同航空会社の関係者に確認したところ、確かに「機内で飲むための酒類」の持ち込みは禁止されているが、土産用の酒類(アルコール度数による)の持ち込みは禁止されていないため、機内で飲むための酒として、こっそり持ち込む客が後を絶たないという。
「男らはケチな会社だと文句を言っていましたが、そもそもLCCに乗っているわけですからね。
札幌や函館は田舎だ、なんて大騒ぎしてました。
おそらく上京して都会人になった気分で、地元に大手を振って帰省する途中、気が大きくなっていたんでしょうね。
ああいうのが本当の田舎者で、北海道の恥だと思いました。
飛行機から引きずりおろせるものなら、そうしたかったですが……」(市川さん)

 他人の目ばかりを気にして過ごせ、ということではないが、せっかく楽しい気持ちでいる他人を不愉快にする愚かさを、取材に答えてくれた“被害者”たちの叫びから、少しでも感じ取っていただければ幸いだ。
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2019年01月11日

痴漢や万引き犯の意外な「実態」

痴漢や万引き犯の意外な「実態」
2019年1月10日 Wedge

『万引き依存症』『男が痴漢になる理由』
斉藤章佳氏インタビュー
本多カツヒロ (ライター)

「痴漢をはじめとする性犯罪の加害者は、非モテで性欲の塊のような男」。
「万引き犯は、生活に困窮した老人」……
世の中には犯罪者に対するステレオタイプなイメージが存在する。
実際のかれらの素顔とはどんなものなのか?

 痴漢や万引きを繰り返す人々のなかには行為・プロセス依存にあてはまる依存症の人たちもいる。
かれらの治療に長年携わり、『万引き依存症』『男が痴漢になる理由』(共にイースト・プレス)を上梓した精神保健福祉士、社会福祉士で大森榎本クリニックの斉藤章佳氏に、痴漢や万引きを繰り返しやめられない人の実態や犯行に至るメカニズムなどについて話を聞いた。
******************************
――痴漢や盗撮、万引きを繰り返す人たちの治療をされています。どんな患者さんが多いのでしょうか?

斉藤
世間では性犯罪加害者について共有されているイメージがあります。
たとえば、痴漢はモテない、女性に相手にされない男性、性欲の強い男性といったイメージです。
しかし、クリニックに通う患者さんたちはまったく違います。

痴漢の場合、一番典型的なのは、四大卒の既婚者で子どももいる会社員です。
盗撮はさらに大卒の割合が高くなる傾向があります。

万引きにしても、年金で細々と生活している高齢者が困窮しやむなくといったイメージがあるかもしれませんが、実は患者さんの7割が女性で、その中の大半が65歳以上の生活レベルが普通より上の人が多い。
ですから、治療対象となる窃盗癖のある人は貧困や転売目的で万引きを繰り返しているわけではありませんし、犯行時にはしっかりと商品を買えるだけのお金を所持しています。

そして執行猶予期間中の再犯など、重大な法的リスクがあるにもかかわらず対象行為に及びます。
この不合理性がこの問題の本質で、それまで万引きとは無縁の人生を送ってきた人たちばかりです。

 性犯罪については、これまで1600人をこえる加害者の再発防止プログラムに携わってきました。
世間の痴漢や万引き依存症者に対し、共有されているイメージと実態があまりにかけ離れているので、この2冊を通してそのイメージを覆したかったのです。
 また、特に性犯罪は加害者像だけでなく被害者像も実際と大きくかけ離れており、それがセカンドレイプの温床にもなっています。
たとえば痴漢にあった女性に対し、派手で露出が多い服装だから狙われたんだ、隙が多いからや被害者から誘っていたんじゃないか、などといった誹謗中傷です。
実際には、痴漢加害者は逮捕されないことが最も重要なので、そうした女性ではなく、警察に訴えでない泣き寝入りしそうなおとなしい女性を狙います。

――はたから見れば、痴漢の場合、既婚で正規雇用、万引きの場合でも生活に困っているわけではないと一見幸せそうな人生を歩んでいるように見えます。
どうして彼らは犯罪に走るのでしょうか?

斉藤
両者ともに共通しているのは過度なストレスです。
誰もが抱えるストレスによって罪を繰り返すことに非難があるのはわかりますが、患者さんたちはシンプルにそう答えるのです。
 痴漢を繰り返す患者さんの場合、自分を抑えながら自宅や会社では従順な夫や社員を演じ、日々の生活を送るなかで、唯一匿名性の高い満員電車のなかだけがストレスを発散できる場所、となっていることが多い。

痴漢をすることで弱い者をいじめ、ある種の優越感や達成感を味わえる。
痴漢には他にも支配欲求や征服感、男性性の確認、ゲーム感覚やレジャー感覚など複合的な快楽が凝縮されています。
こうした快楽は、日常生活ではなかなか味わえないので耽溺してしまう。
 それこそ朝起きてから夜寝るまでの間、彼らはどの路線で痴漢をしようか、警察にマークされていたら、逮捕されたらどうしようかなど考え、痴漢がもはや「生きがい」になっているのです。

――痴漢などの性犯罪について、アダルトコンテンツの影響を指摘する声を耳にすることもありますが、患者さんたちを見ていてその影響はどうでしょうか?

斉藤
痴漢にしても、盗撮にしてもアダルトコンテンツに影響されて始めてしまった人は全体の1割程度しかいません。
ただ、問題行動を繰り返すなかで、そうしたコンテンツが本人の認知の歪みを強化する要因や再発時の引き金には確実になっています。

――万引きの場合は、さまざまなストレスがあるなかでも具体的にどのようなものが目立ちますか?

斉藤
万引きの場合、女性が多いという話をしましたが、代表的なのは性別役割分業による家事労働やケア労働で感じるストレスが多い。
比較的若い世代では、いわゆるワンオペ育児によるストレスや、共働き家庭で子どもがいる場合、子どもの事情で急に会社を早退しなければならないときに、他の社員の理解のなさにストレスを感じながら働き続けているワーキングマザーは多い。

壮年世代の場合は、子どもが巣立つことによる喪失感、夫が亡くなった喪失感や、親の介護によるストレスが大きい。
いずれも夫の協力が得られずみな孤立化しています。
そうしたストレスが引き金となり万引きに走ることが多いようです。

――万引きは、1日に約13億円の被害が出ている非常に身近な犯罪です。

斉藤
そうですね。2010年から警察庁の通達により万引被害は全件通報になりましたが、実際に実行している店舗は半分くらいです。
実はある大手のドラッグストアなどは、万引きの損害額を商品価格に上乗せしているため、結局、罪を犯していない我々が支払っているのです。
これを聞くと万引きは許せませんよね。
ですから、一般の人ももう少し当事者性を持ってほしいですね。

――痴漢も万引きも依存症の人たちの治療をされているわけですが、両者は依存症としてどう分類されているのでしょうか?

斉藤:依存症のカテゴリーは大きく3つにわけられます。

アルコールや薬物、カフェイン、タバコ、摂食障害などの物質依存
セックス依存や恋愛依存などの関係依存
そして痴漢や盗撮を含む性的な逸脱行為、万引き、ギャンブル、リストカットなどの行為・プロセス依存の3つです。

これらの物質や行為、関係により何らかの社会的、身体的、経済的損失が生じているにもかかわらずそれが止められない状態を依存症と呼んでいます。

――話はズレますが、タイガー・ウッズも患ったセックス依存症という病気は本当にあるのでしょうか?

斉藤
セックス依存症という病名はありません。
しかし、不特定多数の人と性的関係を持つことで、社会的、身体的、経済的損失を繰り返すのに止められない人たちはいます。
 昨年から、私が監修をつとめているWeb漫画『セックス依存症になりました。(津島隆太作)』(https://wpb.shueisha.co.jp/comic/2018/12/21/107827/)は、セックス依存症の当事者である作者が描いているので、とてもリアルです。
かれらは性的な欲求だけでなく、とにかくセックスをしていないと居ても立ってもいられない衝動に駆られその制御ができなくなります。

――痴漢や万引きの依存症になると身体のなかでは何が起こっているのでしょうか?

斉藤
痴漢の場合、はじめは満員電車のなかでたまたま手が触れてしまっただけかもしれません。
しかし、そのときに快楽の衝撃が体中に走り、ストレスから解放された感覚を味わい、それから繰り返すようになるケースがあります。

万引きの場合も、もし最初の行為で何度も失敗していれば、それ以上繰り返すことはないでしょう。
しかし、万引きは残念ながら見つからないことも多く捕捉されないこともあるために成功体験を積み重ねやすくその都度達成感や気持ちがスッキリとした感覚を学習し常習化するケースが多い。

 両者とも成功したときには、脳内では快楽物質であるドーパミンが分泌されます。
しかし、お酒や睡眠薬を習慣的に飲み続けていると一定量では足りなくなるのと同じく、痴漢や万引きも同じことを繰り返してもそれ以上の興奮を得られなくなります。
これをドーパミンの耐性といいますが、そうなると、回数の増加やよりハイリスクな環境で行うようになります。

様々な意味での「死のリスク」を伴う行為が人間が耽溺していく要因でもあります。

痴漢や万引きには、「社会的な死」のリスクがありますし、
アルコールや薬物は「身体的な死」のリスクが、
ギャンブルには「経済的な死」のリスクがあります。

依存症と「死のリスク」というのはセットなんです。
人間にとって慢性的に命を天秤にかけ続けるとここそが、実は生きていることを実感できる方法なのです。

――依存症の人たちは、生と死を天秤にかけられないのでしょうか?

斉藤
天秤にかけることはできますが、その物質や行為に耽溺していくうちに優先順位の逆転現象が起きます。
たとえば、著書『万引き依存症』の中に出てくるAさんは、娘の結婚披露宴へ向かう途中に万引きをしてしまい逮捕されてしまいました。
母親として、娘の結婚式に出席するのに当然ですが万引きをしてはいけないと分かっています。
でもそのプレッシャーで前の晩に眠れなかったかもしれませんし、たまたま持ってきたカバンが大きなもので、そしてたまたま空いた時間にスーパーに入ってしまいます。
そして、「今日だけは絶対にしてはいけない」という極度のストレス状況が重なっていました。
そのような状況下で正常な判断ができなくなります。

この日だけは絶対にやってはいけないだろうという日に限ってやる人がいますね。
これも不合理性のひとつです。

――そして認知の歪みを強化していく。

斉藤
そうですね。
 痴漢は代表的な認知の歪みが20個ほどあります。
一番多い認知の歪みが、女性は痴漢をされたいと思っている人もいるという発想です。
他にも「今週は仕事を頑張ったから、痴漢をしても許される」
「女性専用車両に乗っていない女性は痴漢をされたい人だ」と解釈する人までいます。

信じられないかもしれませんが、四大卒で妻子がいてサラリーマンです。

万引きの場合も、「このお店でたくさん買い物をしているのだから、今日くらいは万引きをしても許される」などと子どもが聞いてもおかしいと思うロジックを作り出し時間をかけてはぐくんでいきます。

――ただ、かれらは万引きや痴漢行為に耽溺していますが、我々もたとえばスマホであったり、甘い食べ物であったり程度の差こそあれ何かに依存していますね。

斉藤
痴漢や万引きといった依存症の問題は、被害者が存在するのでまずは被害者のことを第一に考えないといけません。
 しかし、アルコールや薬物、ニコチン、カフェインなどは被害者が存在しない、自己使用の問題です。
そうした依存症の人たちにとって、人生の辛い局面でそれがあったからこそ自殺などせずに生き延びたかもしれないという面はあります。

――クリニックの治療はもちろんですが、社会全体がどうなれば依存症の患者さんたちが回復しやすくなるのでしょうか?

斉藤
依存症になりやすい人の特徴は、真面目で責任感が強く、人に助けを求められない人が多い。
だからこそ、安心して助けを求められる社会になれば依存症になったとしても回復しやすいと思います。
そして依存症への正しい理解を周囲がすることで少しでも彼らに対する偏見を取り除いていくことが重要だと考えています。

――最後にあえて本書をおすすめしたい人たちは?

斉藤
まだ顕在化していない当事者やその家族の人たちですね。
最近、この2冊を読んで電話で相談が来るケースが増えています。
多くの人に読んでほしいのはもちろんですが、まずは、当事者や家族、周囲の人たちに読んでいただいて、結果的に行動変容のためのプログラムにつながれば嬉しいですね。
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2019年01月12日

本番に「強い人」と「弱い人」の大きな違い

本番に「強い人」と「弱い人」の大きな違い
2019/01/09 All About

本番に弱いのはなぜ? 強い人との違いは?
習い事の発表会や就職の面接、大切なプレゼンテーションなどのように、人前で何かを披露する人が決まって感じること、それは「練習では成功していたのに、本番になるとうまくいかないのはなぜ?」という気持ちではないでしょうか。

この現象を知るヒントに、ザイアンスの「動因理論」があります。
この理論によると、人は簡単で得意な単純課題なら、人に見られていた方が適度な緊張感から課題がスムーズにこなせます。その一方で、複雑で苦手な複雑課題は、周りに人がいると緊張から失敗しやすくなります。

たとえば、発表でミスをしてしまった人は、よく「練習では何度も成功していたのに」と言って落ち込みます。
しかし、この理論から考えれば、たしかにそれが簡単なものであれば、発表が成功したのかもしれません。
しかし、完璧にマスターできていないものは、周りに人がいるとミスをしやすくなってしまいます。
したがって、練習では何度も成功していたからといって、本番でも成功できるとはかぎりません。

つまり、「練習で成功していた」という言葉は、残念ながら自分の実力を証明する言い訳にはならないのです。
では、本番に強くなるためには、いったい何が必要なのでしょう?

本番に強くなるには、とにかく繰り返すことが大事
ザイアンスの動因理論に従えば、取り組む行為が簡単だったり得意だったりする「単純課題」であれば、他人の存在がほどよい緊張感につながり、課題がますますスムーズに進む、と考えられます。
つまり、自分が思い描くような完璧な演奏をしたいなら、難易度の高いものは何度も繰り返し練習をして、単純課題にしておくことが大切、ということになります。

たとえば、ピアノの発表に際しては、鍵盤を見なくても指がスムーズに運ぶくらいのレベルになるまで、何回も弾きこなすことです。
面接やプレゼンで完璧な発表をしたいなら、説明が苦手な部分を集中的に何度も声に出して練習し、完璧に話せるようにしておくことです。
こうして、複雑な課題が単純な課題に変わるまで練習しておくと、人前でも自分の思い描くような披露をすることができます。

世界レベルのフィギュア・スケート選手は、大会で大技を披露するためには、その技が練習で簡単に飛べるようになるまで、何度も何度も練習を重ねていくといいます。
このような状態になっていなければ、世界中の人が注目する大舞台で圧巻の演技を披露することなど、できないのでしょう。

「練習で何度か成功できた」という程度のレベルでは、本番で練習と同じような実力が発揮できるはずはない、ということなのです。
複雑で難しい行為を人前でミスなくスムーズに行えるようになるには、その技術が体にしみこむまで、繰り返し繰り返し、練習をしていくしかありません。
千里の道も一歩からです。
さあ、さっそく苦手な課題の「練習」を始めてみませんか?
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月13日

安倍首相“暴走発言”にロシア激怒…北方領土交渉打つ手なし

安倍首相“暴走発言”にロシア激怒…北方領土交渉打つ手なし
2019/01/12 日刊ゲンダイ

 安倍首相のムキ出しの“やっている感”に、ロシアのプーチン政権が激怒だ。
日本の駐ロ大使が、ロシア外務省に呼び出され、猛抗議を食らった。

怒りの導火線は、北方領土交渉を巡る4日の安倍首相の年頭会見など。
夏の参院選に向け、「交渉前進」で人気取りを狙うはずが、いきなり自滅。
“外交のアベ”が聞いてあきれるマヌケぶりだ。

 9日に上月豊久・駐ロ大使をロシア外務省に呼び出したのは、モルグロフ外務次官。
北方領土交渉を巡る安倍首相の発言について、「1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約を加速するとした日ロ首脳の合意の本質を乱暴に歪め、両国の世論をミスリードするものだ」と抗議した。

 安倍首相は年頭会見で「北方領土には多数のロシア人が住んでいる。住民の方々に、日本に帰属が変わるということについて納得、理解をしていただくことも必要です」と語っていた。
この発言がプーチン政権の逆鱗に触れたようだ。
「ロシアにすれば、仮に北方領土の帰属が変わろうと、住民の『理解を得る』のは、自国の役目ということ。
日本政府側が言及すべき問題ではなく、安倍首相の発言は『内政干渉にあたる暴走だ』とプーチン政権は受け止めたのです」(筑波大教授・中村逸郎氏=ロシア政治)

■もがけばもがくほど足元を見られる
 プーチン政権の怒りの矛先は、安倍政権サイドの“リーク報道”にも向かう。
8日付の読売新聞が1面トップで報じた「日露で賠償請求放棄案」のことである。
 読売は〈日本政府は、ロシアとの平和条約交渉で、北方4島に関する賠償などの請求権を互いに放棄するよう方針を固めた〉と報じ、情報源は〈複数の日露交渉筋〉と明記。

記事によると、ロシアへの元島民の賠償請求権について、日本側が見合う額を肩代わりして補償。
仮に2島返還にとどまっても、残り2島の元島民が失う土地などの財産権についても、同様に見合った額を補償することを検討中だという。
 何だか安倍政権が既に4島返還をあきらめているかのような内容だが、モルグロフ氏はこの記事と、今年を平和条約交渉の転機と位置づけた安倍首相の発言に触れ、「平和条約問題に関する雰囲気を故意にあおり、自らのシナリオを他方に押し付ける試み」と断じた。

「旧ソ連時代からロシアは北方領土について、『第2次大戦の結果、合法的に編入した』と一貫して主張。
日本も無条件に受け入れるべきとの立場です。
いくら補償を肩代わりしても、元島民の賠償請求権を認めれば、日本政府がロシアの『不法占拠』を主張したことになる。プーチン大統領も『侮辱』と認識したはずです」(中村逸郎氏)

 ロシアの抗議について、菅官房長官は「引き続き粘り強く対応していきたい」とお茶を濁したが、もはや打つ手なし。
もがけばもがくほど、北方領土は遠のくだけだ。
今回の抗議でロシア側が北方領土の国境を確定しない限り、平和条約を締結する気がないことがハッキリしました。
14日には河野外相がモスクワでロシアのラブロフ外相と会談。交渉を本格化させる予定ですが、このタイミングでロシア側が抗議したのは河野外相に、21日にも訪ロする安倍首相とプーチン大統領との首脳会談をキャンセルし、交渉決裂を伝える布石の可能性もある。

ただ、むしろキャンセルしてくれた方が、日本国民にとっては好都合です。
抗議を受けた直後というマイナス地点から交渉を始めても、態度を硬化させたプーチン大統領に足元を見られ、無理難題を吹っかけられるだけですからね」(中村逸郎氏)

 それでも安倍首相が参院選前の得点稼ぎに焦れば、プーチンにふんだくられる結果となる。
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2019年01月14日

「死に至る中年の病」が増加…NASH、食道胃接合部がんの恐怖

「死に至る中年の病」が増加…NASH、食道胃接合部がんの恐怖
2019年01月13日 SPA!

40代を超すと「病気」の話題も増えてくる。
だが、三大成人病などメジャーな病気に注意していても、耳慣れないマイナーな病気に足元を掬われてしまうことも……。

そこで「本当は怖い中年の病気」と題して、真の意味で中年が要注意な病気について紹介していく。
第2回は「NASH」と「食道胃接合がん」だ。
近年、増加の一途を辿る身近で危険な病気である。

◆予備軍1000万人の「NASH」とは?
 NASHとは「非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis)」のこと。
北青山Dクリニックの阿保義久院長によれば、近年、患者数の増加が著しいという。
「脂肪肝炎というと、過度な飲酒が原因というイメージがありますが、最近ではアルコールが要因ではない脂肪性肝疾患『NAFLD』が増加中。
このNAFLDが重篤化すると『NASH』となります。

この病気は2014年ごろから注目され始め、今ではNASHの予備軍であるNAFLDの患者は日本で1000万人もいると推測されています」
 たかが脂肪肝と放置していると、生命にかかわる事態にまで発展。
「脂肪肝とは肝臓がフォアグラのようにぶよぶよな状態になることです。
この状態から病状が進むと、肝臓の繊維化そして肝硬変につながっていく。
最終的には肝臓がんへと進行するリスクもあります。
肝臓への負担は主に飲酒が原因と考えられがちですが、NAFLD・NASHは飲酒習慣がなくてもメタボリックな人なら誰でも罹患している可能性がある。

肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれているので、自覚症状がほとんどないことも注意を要するポイントです」
「自分は酒を飲まないので肝臓は大丈夫」との思い込みは禁物だ。
「まずは食生活を見直して、暴飲暴食をさけること。
そして、定期的な健康診断を心掛けること。
最近の医学において肝臓の疾患は早期に発見できれば対策は十分に可能です。

中年太りが気になりだしたら、腹回りだけでなく肝臓も気にしてください」
 沈黙の臓器のか細い悲鳴を、聞き逃してはならない。

◆胃がんでも食道がんでもない「食道胃接合部がん」
 国立がんセンターの最新がん統計によると、日本人男性の部位別死亡数の第1位は「肺がん」、第2位は「胃がん」、第3位は「大腸がん」。
がんで死亡する日本人男性の半数近くがこの3部位のがんであるが、前出の阿保院長によれば「近年『食道胃接合部がん』というがんが増加傾向にある」という。

「食道胃接合部がん」とは、読んで字のごとく食道と胃のつなぎ目に発生するがんである。
「胃がんはヘリコバクター・ピロリ菌の感染減により減少傾向にありますが、日本人の食生活の変化により、胃がん以外の欧米型がんが増えてきています。
食道胃接合部がんはその一種。
昔は噴門がんとも呼ばれていましたが、この呼び方になったのは最近のことです」

 このがんが増加中である原因は、食生活が欧米化し、肥満が社会問題化したことと密接に関係している。
食道胃接合部がんの原因のひとつは『胃酸の逆流』。
肥満などにより腹圧が上昇することで胃酸が逆流するのです。

“頸(くび)”“胸”“腹”の3か所を手術するケースが多く、施術の危険性も高い。
リンパ系にも転移しやすく、非常に厄介ながんです」

 なんとも恐ろしいがんだが、予防など対策はあるのだろうか?
「初期に発見できれば対応できるので、内視鏡による早期発見が第一。
このがんにかかわらず、がん対策には定期的な内視鏡検査を強くおすすめします。
日本の内視鏡医療は世界でもトップクラスで、日に日に技術が進歩している分野。
静脈注射によるほぼ無痛の内視鏡検査を行っている医療機関も増えています。

医療関係者の中には、人間ドッグの際にバリウムによる検査をはさまず、直接内視鏡検査に進んでしまう人も多いですよ」  内視鏡大国・日本に住んでいるからには、その利点を生かさない手はない。


【阿保院長プロフィール】
阿保義久
東京大学医学部卒業。腫瘍外科・血管外科医。
2000年に北青山Dクリニックを設立。
下肢静脈瘤の日帰り根治手術・椎間板ヘルニアのレーザー治療・痛みのない内視鏡検査・進行がんに対する革新的治療―がん遺伝子治療まで、質の高い医療サービスの提供に励んでいる。
著書に『アンチ・エイジング革命(講談社)』、『下肢静脈瘤が消えていく食事(マキノ出版)』、『尊厳あるがん治療(医学舎)』などがある。
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2019年01月15日

まず「信念」がなければどんな夢もかなわない

まず「信念」がなければどんな夢もかなわない
2019年01月14日 SPA!

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。
自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。
自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か?
そのヒントをつづる連載第84回  信念は主観的です。

自分の体験に基づいて、「これはこういうものだ」と定義します。
だからそれは必ずしも「正しい」とは言い切れません。
他の人にとっては、そうではない場合もあります。
かといって誤りでもなく、客観的な正誤の天秤では量れないのが信念です。

 時には一人の信念が大多数の常識を覆して、広まることもあります。
それが発明や発見、あるいは夢です。
「人間が空を飛べるはずがない」のに飛行機が生まれ、「ただの神話のはず」のトロイア遺跡が見つかり、「お前がなれるわけないだろ」と馬鹿にされていた人間がミュージシャンになります。

 言葉は事実を表すだけではありません。
赤信号を見て「赤い」と形容するだけでなく、「赤」からりんご、口紅、フェラーリ、あるいは形のない「情熱」などを連想できます。
そして、それが人を動かします。

言葉はラベルの貼られた空き箱です。
「夢」と言えば、そこに自分の夢が入り始めます。
信念が未来を引き寄せるのです。
 もちろんそのためには自分の過去と結びついてなくてはなりません。

信念に客観的な正しさはありません。
たとえ誰かが同意しくれたとしても、全員が同意することはありえません。
だからこそ過去の体験を根拠にすることが、信念の必須条件になります。

ギターを触ったこともないのにいきなりギタリストにはなれません。
漫画を描いたことがないのにいきなり漫画家にはなれません。
投資の経験がないのにいきなり全財産を注ぎ込んだら、その結果は明白です。

 何かを成し遂げるのはとても不安定な道のりです。
上手くいくかもわからないし、上手くいかないかもわかりません。
上手くいくとわかっているなら安心できますし、上手くいかないとわかっているなら諦められます。そのどちらでもないから、人はああでもないこうでもないと悩みます。
いわゆる紆余曲折です。  

その曲がりくねった道を歩む拠り所は、自分の周囲を照らす信念という揺らめくローソクの炎だけ。
それは時に強い風に吹き消されてしまうこともありますが、再び灯すこともできます。
そのためにあるのが自分の信念を発見するメンタルレコーディングです。
「どうすればうまくいくのか?」を考えるのが思考の役割です。
そうした思考も大切ですが、その前に信念をはっきりさせる必要があります。

◆魔法のステッキはいつか夢になる
 初代iPhoneのプレゼンで、スティーブ・ジョブズは「電話を再発明する」と言いました。
電話とカメラと音楽プレーヤーとネット端末を一台に集約するというコンセプトです。
日本では既に同様の機能を持つiモードやezwebが普及していて、「iPhoneは流行らない」と言われていました。
しかし今ではiPhoneが提案したタッチパネル式のスマートフォンがスタンダードになっています。
 ビジネスではこうした例がたくさんあります。

セブンイレブンはおにぎりを売り始めた時、「売れるはずがない」と言われていました。
セブン銀行を始めた時も、「ATM手数料が収入の銀行など成り立たない」と言われていました。
誰かの反対を間に受けていたら、何も始められなくなってしまいます。
自分の行く手を遮るのがロジックとは限りません。

現実は理性よりもむしろ心を折ろうとしてきます。
 ある男の子が木の棒を振りかざしながら、「これは魔法のステッキだ!」と言いました。
それを隣で見ていた女の子は「違うよ」と返しました。
客観的なのは女の子です。
しかし男の子の主観では、それは魔法のステッキだったのです。
そこには幼いながらにして、信念が芽生えています。
人間は嘘を本当にしようとする時に強く輝きます。
それが夢です。

佐々木】 コーチャー。
自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。
カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。
現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」
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戦時中「竹槍ではB29を落とせない」と言った 空気を読まない人はどうなったのか?

戦時中「竹槍ではB29を落とせない」と言った、空気を読まない人はどうなったのか?
2019.1.15 ダイヤモンドオンライン
鈴木博毅
ビジネス戦略コンサルタント・MPS Consulting代表

戦時中、日本では竹槍でアメリカの爆撃機B29を落とそうとする訓練が行われていたという。
物理的に考えれば届くはずがないのに、多くの人はこの竹槍訓練を行っていた。
勇気ある人が「B29には届かない」と言ったとき、その人は一体どうなったのか。
日本国民の多くが竹槍で戦う「空気」に縛られたとき、そこに「水を差す」人に対する恐るべき対応とは?
日本人が次第に「常識」に縛り付けられていく精神性の謎を読み解いた、日本人論の決定版、山本七平氏の『「空気」の研究』をダイジェストで読む。
新刊『「超」入門 空気の研究』から、内容の一部を特別公開。
******************************
水(雨)は、あなたを別の形で拘束している
「空気」は、何らかの不都合な現実に対する対極的な世界観として、日本人を拘束してきました。
 一方で、「水を差す」などの表現にある、現実を土台とする前提の「水」、その連続としての「雨」は、ネガティブな方向、あれもダメ、これもできないという萎縮の拘束です。

 加熱した空気を崩壊させる「水」は、一見したところ私たち日本人を、「空気」の拘束から解放してくれる自由への道具だと思われました。
 しかし、無謀な空気を現実に引き戻す一方で、一般常識や現実的な視点に、私たちを拘束する別の鎖でもある。
これでは、自由を求めていたはずの日本人は、希望を失わざるを得ません。

水はやがて日本人を「常識」に縛り付ける
 水の集合としての雨は、日本の文化的な常識(通常性)とも言えます。
「おじぎ」という奇妙な体型をとれば相手もそれとほぼ同じ体型をとるという作用が通常性的作用(中略)
信号が赤になれば、田中元首相の車も宮本委員長の車も、反射的にとまるであろう。
これが空間的通常性

 しかし、山本氏は恐ろしい指摘もしています。
水と雨が、実は対極であるはずの「空気」を醸成する基盤になっていることです。
 われわれは、非常に複雑な相互関係に陥らざるを得ない。
「空気」を排除するため、現実という名の「水」を差す。
従ってこの現実である「水」は、その通常性として作用しつつ、今まで記した「一絶対者・オール3」的状態をいつしか現出してしまう。
 対極であるはずの水が、その通常性ゆえに、日本人を拘束する「空気」に変容する。
これは一体、何を意味しているのでしょうか。
水は「世の中そういうもの」という通常性をぶつけてくる
「水=現実を土台とした前提」は、通常性を基にして判断させようとします。
理想や夢を高く掲げると、「世の中そんなに甘くない」とすぐに水を差す人が現れます。
これは現実を土台とした否定的な前提を突き付けているのです。

 もし声高に主張すれば、理不尽なことも通ってしまうなら、空気と水はどうなるか。

「この理不尽な前提を受け入れさせてやろう!」=異常性を押し付ける「空気」
「常識的にそんな勝手が通っていいはずがない」=異常性に反論する「水」
「世の中そんなものですよ、残念ながら」=通常性としての「水」

 空気(願望的な前提)に、現実的な視点を提示し続ける(水を差す)と、次第に「これまでどおりで行くべきなのかな」となってきます。
異常性に「通常性で」反論すると、最後は日本社会の慣習的な姿になるからです。

前例主義のように、「水」が現状のゆがみも通常性として引き継ぐ悪循環に陥るのです。
「水を差す」通常性がもたらす情況倫理の世界は、最終的にはこの「空気支配」に到達するのである。

 現実を土台とした前提の「水」は、やがて日本社会の通常性に戻る作用を発揮します。
その一つが「資本の論理」や「市民の論理」など、ムラが複数存在する情況倫理の世界です。
そうなると、ムラが仕切る、伝統的な空気の拘束に日本人は陥ってしまうのです。
水と空気の関係、山本七平.jpg
「竹槍ではB29を撃墜できない」と言った者と現代日本
 竹槍戦術の練習は、現代の日本人には信じがたい戦争中の出来事の一つでしょう。
敗戦直前には、上陸する米兵(人形)を婦人が竹槍で刺し殺す訓練までありました。
 さらに一部には、竹槍でB29爆撃機を撃墜するポーズの練習まであったのです。
B29は米軍の開発した長距離戦略爆撃機であり、竹槍で落とすなど不可能です。
ライフルを持つ米兵を、婦人や子どもが竹槍で殺傷することも、できるはずもありません。

『「空気」の研究』の第2章では、「竹槍で醸成された空気」という言葉が出てきます。
勇気ある一人の人が「それはB29にとどかない」と言ったと山本氏は述べています。
「それはB29に届かない」との指摘は、現実を土台とした前提という意味でまさに「水」です。
現実的な前提である「水」を差されたとき、戦時中の日本ではどうなったか。
 そのような指摘をする者を“非国民”だと糾弾し、物理的な現実を無視させ続けたのです。

 本人がそれを正しい意味の軍国主義(ミリタリズム)の立場から口にしても、その行為は非国民とされて不思議でないわけである。
これは舞台の女形を指さして「男だ、男だ」と言うようなものだから、劇場の外へ退席させざるを得ない。

 ウソを集団に共有させて、現実を指摘した者を、弾圧するか村八分にして孤立させる。
虚構の共有は、舞台のような芸術分野であれば、趣味趣向として意味を持ちます。
しかし高度1万メートルを飛ぶ爆撃機は、人間を殺す爆弾の雨を降らせます。

 にもかかわらず、共同体の情況(物の見方)に現実を投げかけた者を“非国民”と呼びました。
物理的に間違っていることを認めたら、虚構がすべて崩壊してしまうからです。

「非国民」「努力の尊さ」という詐術のメカニズム
「おまえは非国民だ!」の指摘にはもう一つの構造があります。
物理的な問題を、感情や心情的な問題にすり替えていることです。
 こんなにみんなが努力しているのに、お前はそれを笑うのか、という非難は、いつの間にか、物理的な問題を心情的な問題にすり替えていることがわかります。
物理的な視点ではウソがつけないため、集団の情況や心情を持ち出してくるのです。

 また、日本人が好む「人の努力は常に尊い」という発想にも危険があります。
人の努力が尊いとは、正しいことをしている場合に限って言えるはずです。
間違った努力を継続すれば、本人も周囲も社会全体も不幸にするだけです。

 相対化とは、命題が正しい場合と間違っている場合を区分することでした。
努力も絶対化すれば、不幸を拡散させ悲劇を増大させる悪そのものになるのです。
 高高度を飛行するB29を竹槍で落とすポーズは、全滅するまで戦争を継続するという前提から国民を逃がさないための、虚構の一つだったと考えられます。

 もし現実だけを見たら、100%敗戦が予測でき、日本国民は意欲を完全に失います。
しかし、間違った目標に対して意欲を失うことは、本来正しいことでしょう。
 間違いを訂正させないため、物理的な問題を心情的な問題にすり替えて、計測不能にする。
この詐術は現代の日本社会でも、頻繁に見られる大衆誘導の手法です。

 ゆがんだ物の見方をムラに強制して、水を差されることへの防御をしているのです。
 戦争継続の空気に拘束されて、日本人はまったく勝ち目のない悲惨な戦争をだらだらと続けました。
膨大な犠牲を払い、長崎・広島で原子爆弾が45万人の命を一瞬で奪うまで、誰も「敗戦受諾と停戦」を実現できなかったのです。
(この原稿は書籍『「超」入門 空気の研究』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)

鈴木博毅(すずき・ひろき)
ビジネス戦略コンサルタント。
MPS Consulting代表。
1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部、京都大学経営管理大学院(修士)卒業。
大学卒業後、貿易商社にてカナダ・オーストラリアの資源輸入業務に従事。
その後国内コンサルティング会社に勤務し、2001年に独立。
戦略論や企業史を分析し、負ける組織と勝てる組織の違いを追究しながら、失敗の構造から新たなイノベーションのヒントを探ることをライフワークとしている。
わかりやすく解説する講演、研修は好評を博しており、顧問先にはオリコン顧客満足度ランキングで1位を獲得した企業や、特定業界での国内シェアNo.1企業など多数。
主な著書に『「超」入門 失敗の本質』『「超」入門 学問のすすめ』『戦略の教室』『戦略は歴史から学べ』『実践版 孫子の兵法』『実践版 三国志』『最強のリーダー育成書 君主論』『3000年の英知に学ぶリーダーの教科書』などがある。
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2019年01月16日

異例の苦言、野党の体たらくを嘆く衆議院議長

異例の苦言、野党の体たらくを嘆く衆議院議長
1/15(火) JBpress
筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

■ 大島議長の苦言は野党へのエール
 大島理森(おおしま・ただもり)衆議院議長が、1月10日、玉川大学での講演で離合集散を繰り返す野党に対して、「政党の変化があまりにも多すぎる。
政党に対する国民の信頼感がなくなる」と苦言を呈した。

 1997年の新党ブームの際、「今ワシは、何党かねと、秘書に聞き」という川柳が毎日新聞に掲載され国民の失笑を買ったものだが、この当時に負けず劣らず、くっついたり、離れたりが続いている。
こんな野党に期待など持てるわけがない。

 大島議長は自民党の出身ではあるが、昨年(2018年)の通常国会終了時にも、「公文書の改ざんや隠蔽、誤ったデータの提供などが相次いだことについて、民主的な行政監視、国民の負託を受けた行政執行といった点から、民主主義の根幹を揺るがす問題」と与党に対して、厳しい指摘を行なった。

 公正な議会運営に心を配る人である。
衆院でも、参院でもそうだが、多くの場合、議長は、議会多数派である自民党から選出されてきた。
そのため“どうせ自民党に有利に運営しているのだろう”という誤解がある。
現在もそうだが、副議長は衆参共に野党から選ばれている。
これが慣例となっている。
 大島議長は、政権与党に正面から対峙できる野党の存在が民主主義には不可欠である、という当然の考えから、野党にエールを送ったのだ。

■ 河野洋平氏の野党への注文
 1月7日付朝日新聞に河野洋平氏(元衆院議長)と小沢一郎氏(自由党共同代表)へのインタビューが掲載されていた。
なかなか面白いものだった。
 河野氏は、「野党が政権与党に対抗するために何が足りないと思いますか」という質問に対し、「野党の最大の課題は、選挙に弱いことだ」と指摘したうえで、風まかせではなく、「どんな風が吹こうが、議席をしっかりつかんでいる人間をどれだけ持ち、育てるかが、野党の最初の仕事だ」と言う。
 これが一番難しいことなのだが、確かにこのことを抜きにして政権交代など望むべくもない。

 さらに与党と野党では、選挙に対する執念が違うという。
「集票のための執念だ。選挙に対する執念がないと、野党連携の際に『誰と組むのはいいが、誰とは組みたくない』となる」。
 「最大野党の立憲民主党は、参院選では野党共闘よりも党の政策理念を優先しているようですが」という質問には、「ある程度は理解できる」としつつも、理念先行では選挙にならないと戒めている。
 私も立憲民主党の枝野幸男代表が、やみくもな野党共闘に消極的な気持ちは理解できる。
せっかく作り上げた立憲民主党を、また野党間のあれこれの合従連衡(その時の利害に従って、結びついたり離れたりすること)の渦の中に入ってもろくなことはない。
枝野氏がそう考えるのも無理からぬことだと思うからだ。

 ただその立憲民主党にどれほどの理念があるのだろうか。
同党のホームページを開くと、いきなり「立憲民主党はあなたです」という言葉が飛び込んでくる。
草の根の政党だということを言いたいのだろうが、いかにも無理があるし、地に足が着いていない印象は否めない。

 国民民主党が、「対案路線」を掲げていることに対しても、「与党が暴走している時は、とにかく止めることが第一。対案を出してどうするか、じゃなく、それはやるな、という戦いなんですから。
野党は政権党を倒すことが役割。
徹底的に政権党を批判しなくてはいけない」と河野氏は指摘する。
 これにも私は大賛成である。
小さい野党が何を提案したところでそれが国政を動かすことなどあり得ない。
鋭い批判こそが与党を追い詰めるのだ。

 河野氏の提言は、一言で言うと「野党はなりふり構っている場合ではない」ということであろう。
選挙で勝つためにはどうするのか、これこそが野党がもっとも真剣に考えるべきことだと言うことにある。

■ 野党共闘にあきらめムードの小沢一郎氏
 河野氏と小沢氏の考え方には、驚くほど共通点が多い。
小沢氏は、立憲民主党などに「永田町の数合わせ」的な共闘に否定的な見方があることに対して、次のように言い切っている。
 「数合わせを悪いイメージで捉えるのは間違い。
結局、民主主義の基本は数だ。
確かに手間はかかるけども、国民のその時々の意思を反映してやるから、歴史的にも大きな過ちをおかさない」と述べた後、「野党間で“好きだ、嫌いだ”“経緯がどうのこうの”と言って、一緒にやれないというのは幼稚だ。
自民党は極右からリベラルまで一緒にやっている。
公明党も創価学会も安倍内閣とずいぶん違った意見を言ってきたはずなのに、一緒になっている」と小沢氏は言う。
その通りである。

 そして、「野党に足りないものは何か」という質問に対しては、
「執念と志が欠けている。
かつて自民党は、社会党を引っ張り込んでまで政権を取った。
このしたたかさ、執着心が必要だ」。

奇しくも河野氏と小沢氏共に、野党の勝利への執念の欠如を指摘しているのである。
 参院選挙では、32ある定数1の選挙区で野党がどれだけ共闘し、当選を勝ち取ることができるかどうかが、野党にとっての正念場になる。
3年前(2016年)の選挙では、すべての1人区で野党共闘が実現し、野党側から見れば11勝21敗であった。その3年前、2013年の参院選では(当時の1人区は31)、野党2勝29敗だった。
これに比べれば2016年の11勝は大躍進と言って良い。

 ところが小沢氏は、「3分の2取られた。惨敗だ」と言うのである。
ここらあたりは万年野党の共産党との大きな違いを感じる。
 この選挙の直後に行われた党の会議で、志位和夫委員長は、「7月10日に行われた参議院選挙で、わが党は、野党共闘の勝利と日本共産党の躍進という二つの大目標を掲げてたたかいました」
「野党と市民の共闘は、全国32の1人区のすべてで野党統一候補を実現し、11選挙区で激戦を制して勝利をおさめ、初めての挑戦としては大きな成功をおさめました」となるのである。

 共産党のこうした選挙結果についての評価は、政権政党の幹事長を務め、二度にわたって政権交代を実現させてきた小沢氏にとっては、政権を真剣に目指さない能天気なものに映るのではないだろうか。
 小沢氏は言う。「今年は政治的、経済的にこのまますんなりといくという情勢ではない。
政権基盤自体が非常にもろい。
単純に野党が合わさっただけで勝てる。
国民は野党が一つになって、選挙戦に臨んでくれないかなあという思いだろう、ほとんどの人が。(だが現状は)ああそれなのに、それなのに、ということだ」。
 相当なあきらめムードが漂っている。

■ 野党共闘の先行きは真っ暗
 いま日本の政治で野党の存在感は、まったくないと言っても過言ではなかろう。
大島議長や河野氏や小沢氏らが指摘するまでもなく、これは民主主義の危機である。
巨大与党に対抗するには、野党が結束を強めるしかない。

 この結束を妨げているのが、国民民主党(代表は玉木雄一郎氏)のあまりにも低い支持率である。
結党以来、1%前後の低空飛行を続けている。
小池百合子東京都知事の不評を一身に担っているからである。
連合の神津里季生(こうづりきお)会長は、7日の年頭記者会見で
「立憲民主党と国民民主党の支持率に大きな差がある。
統一名簿を目指すべきだ」と訴えたが、立憲民主党は「票が減るだけだ」として、にべもない態度をとっている。
無理からぬ話である。

 普通に考えて、いま野党としての存在意義を示している政党は、立憲民主党と共産党だけである。
ただ共産党との共闘が本当に幅広い支持を結集することにつながるのか、これははなはだ疑問である。
 共産党は、3年前には野党共闘の成功を大騒ぎしたが、早くも途絶えてしまいそうになっている。
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2019年01月17日

週刊誌の秋篠宮家バッシングに義はあるか

週刊誌の秋篠宮家バッシングに義はあるか
2019年01月16日 PRESIDENT Online
元木 昌彦(もとき・まさひこ)ジャーナリスト

■「小室家側に金銭的な保障が必要な可能性もある」
「破談ならカネをくれ」
宮内庁は、秋篠宮眞子さんとの結婚が白紙に戻ったら、小室圭さんが会見を開いて、秋篠宮家とどんなやり取りがあったのか、眞子さんとどんな付き合いをしてきたのかを暴露するのではないかと恐れている。
明治時代、大正天皇の婚約破棄の際に、現在の金額にして7億円にあたる公債証書が贈られた先例があるから、小室家側に金銭的な保障が必要な可能性もある。
こう書いたのはFLASH(1/22号)である。

11月30日、秋篠宮が誕生日会見で、「(現状のままでは)婚約に当たる納采の儀というのを行うことはできません」と発言して以来、週刊誌は鬼の首を取ったように騒ぎ立て、NYのフォーダム大の年末年始の長期休暇が始まり、小室圭さんが一時帰国するのではないかと手ぐすね引いて待ち構えていた。
だが、どうやら帰ってこないとわかると、各誌、“関係者”を総動員して、それぞれが勝手な揣摩臆測記事を書き飛ばしたのである。
いくつか見てみよう。

■秋篠宮夫妻の「怒り」は尋常ではない?
週刊文春(1/3・10号)は、「(秋篠宮の=筆者注)会見では、ご発言の端々から憤怒のお気持ちが滲み出ていました」と宮内庁関係者にいわせ、秋篠宮家関係者には、会見の1カ月ほど前に小室本人から連絡があったが、それは近況報告に過ぎず、「肝心の借金トラブル解決への進展を告げる話は何もなかったようです」と語らせている。

母親の佳代さんの豊かではなかった生い立ちから学生時代、彼女のブランド志向、彼女の知人には、佳代さんは横浜・元町の服屋でアルバイトをしていたことがあり、その店に「アバクロンビー&フィッチ」があったので、圭さんにも、眞子さんとのデートの時、そこのポロシャツを着せていたのでしょうといわせている。

次は女性セブン(1/17・24号)。
「眞子さまのご結婚問題も、依然として解決の糸口が見えてこない。
『今や皇室全体の印象にもかかわる問題になっているのですから、秋篠宮さまがリードする形で収束させるのを、皇族周辺も望まれているはずです。
いつまでも“本人たちの意思を尊重する”とはおっしゃっていられないはずです』(宮内庁関係者)

米ニューヨーク留学中の婚約内定者・小室圭さんは、どう考えているのだろうか。
『年末年始の休みを利用して帰国し、金銭トラブルの釈明をするなど何らかのアクションをとるといわれていましたが、帰国しませんでした。
小室さんの母・佳代さんも年末年始は姿を見かけられなかったので、“一卵性母子”といわれるほど親密な関係の2人ですから、一緒にニューヨークで新年を迎えたのかもしれません。
3年間の留学が終わるまで、小室家は“皇族の婚約内定者”という立場を自ら捨てることはなさそうです』(別の皇室記者)」 週刊誌が伝えたいのは、秋篠宮夫妻の小室圭母子に対する怒りが尋常ではないということのようだ。

■兄弟が仲たがいをして、親である天皇陛下が心配している
だが、秋篠宮の会見で一番重要な発言は、これではない。
兄である皇太子が新天皇に即位する時に行う「大嘗祭」に多額の公費を使うべきではないと何度もいったが、宮内庁の山本信一郎長官は聞く耳を持たなかったというところだったのである。
この発言に対して、天皇陛下が憂慮しているという観測が流れたようだ。

これに早速食いついたのは週刊新潮(1/3・10号)だった。
さる侍従職関係者にこういわせている。
「大嘗祭についての秋篠宮殿下のお考えは、日頃から皇太子殿下も交えて“三者会談”を重ねておられるので、ご発言自体は陛下も想定なさっていました。
ところが、皇室をお支えする組織の長について、あのような直截な表現で、かつ会見という公の場で批判したことには、『ああいうのは、どんなものでしょうか』と、お顔を曇らせておられたのです』

そのお言葉からは、『あのような言い方を、皇族がすべきではない』『皇嗣家の当主たる者の振る舞いとして、適切ではありません』といったお気持ちが強く伺えました」
さらに04年に、皇太子が「人格否定発言」をしたときも、秋篠宮が、せめて陛下と話をしてから、その上での話であるべきではなかったかと「苦言」を呈したことにまでさかのぼり、「まるで新天皇となる兄宮の晴れ舞台に、横槍をお入れになったかのように窺えるのです」(侍従職関係者)と、兄弟が仲たがいをして、親である天皇陛下が心配しているという筋書きになるのである。

■矛先は「将来のお世継ぎ」である悠仁さまにも向く
先日、宮内庁が発表した次代の大嘗祭の予算は19億円だった。
これは平成の時がおよそ22億円だからやや縮小されたのだが、ならばと宮内庁関係者が、皇嗣となる秋篠宮のために、お住まいが3年かけて増改築されるが、予算は実に33億円にもなるのに、ご自身のお住まいの改修費には一切言及しないのは釈然としない、そんな思いが庁内で沸き起こっていると、批判するのである。

批判は秋篠宮紀子さんにまで広がる。
彼女は折に触れ、待遇への不満や改善を口にされ、要求される作業のレベルが圧倒的に高いため、私的スタッフも含めて職員は頻繁に入れ替わり、増員枠が埋まらない状態が続いているという。
宮内庁記者は、「秋篠宮家は従来、庁内では比類なき『ご難場』として知られてきたといっている。

矛先は、将来のお世継ぎである悠仁さんにも向けられる。
現在、お茶の水女子大付属小学校の6年生だが、「個人的に親しくされているご学友が見当たりません」(侍従職関係者)。
そのため、職員がトランプなどのゲームの相手を務めるのだが、「悠仁さまは負けると途端にご機嫌を損ねられ、感情を露わになさいます。
そのため職員は、わざと負けて差し上げることもあるというのです」(同)

天皇陛下も、悠仁さんの教育係がいないこと、さらに両殿下にも帝王学を授ける機会がないことに気をもんでいるというのである。
新潮はこう結ぶ。
「会見での陛下の震えたお声は、こうした現状と無関係ではあるまい。大きいご懸念を孕んだまま、皇室は新時代を迎える――」

■宮内庁関係者、秋篠宮家関係者とはどこの誰なのか
また女性自身(1/15・22号)は、次女の佳子さんも母親・紀子さんへの「反逆進路計画」があると報じている。
女性自身によれば、佳子さんはひそかにダンススクールのレッスンに通っていて、18年9月にそのスクールで行われた公演で、彼女がストリートファッションで身をまとい、マイケル・ジャクソンの『ハートブレイカー』のビートに合わせて、軽快なステップを踏むDVDを入手したという。
私も見てみたいものだ。

秋篠宮の会見で、紀子さんは佳子さんについて、「大学を卒業してからは、宮中行事に出席することも多くなると思います。これからも、公的な仕事を心を込めて大切に果たしていけるよう願っております」と話しているが、当人は「ダンスを単なる趣味にとどまらず、ライフワークとして追究していきたいというお考えなのでしょう」(皇室ジャーナリスト)というのである。

長女は小室圭さんとの問題で、親との対話を拒否しているし、次女は自由奔放と、秋篠宮家の中にも嵐が吹き荒れているようだ。
ここまで書いてきて、ため息が出た。

皇室にプライバシーはないのかと思ったからだ。
宮内庁関係者、秋篠宮家関係者とはどこの誰なのか。
何人もの関係者が次から次へと出てきては、真偽のわからないことを言い立てる。

■あまりにも無遠慮で無神経な書き方が多すぎる
かつては美智子妃バッシングがあり、その後、雅子妃バッシングがあった。
眞子さんと小室圭さんの婚約が公になってからは、圭さんの母親の元婚約者という人間が出てきて、顔も氏名も明らかにしないで、貸し付けた400万円を返せと週刊女性に売り込んで以来、週刊誌は、その人間の話の裏もほとんど取らず、小室母子バッシングを続けてきたように思う。

そして、秋篠宮の「身の丈に合った大嘗祭を」という発言を取り上げ、兄宮に何ということをいうのだ、天皇陛下も心配しておられると、バッシングの矛先を秋篠宮夫妻にも向けた。

週刊誌OBとしていわせてもらうと、皇室物はありがたい売れ筋のネタなのだ。
天皇陛下や美智子皇后への誹謗中傷記事をやらない限り、かなりのことを書いても、皇族が訴えてくることはない。
宮内庁が厳重抗議するか、HPに抗議文を掲載する程度で済むから、週刊誌にとってはリスクの少ない格好のターゲットなのである。

今回の件でいえば、今のところ小室母子がプライバシー侵害や名誉毀損で訴えて来ることもないだろう。
書き得だと多くの週刊誌は考えているのではないか。
FLASHのところでも触れたように、あまりにも無遠慮で無神経な書き方が多すぎると思う。
何度でもいうが、当事者である小室母子や秋篠宮眞子さんへ取材する努力をどれほどしたのだろう。

■どの週刊誌を読んでも、二人が結婚を諦めたという記述はない
いくら声をかけても答えないからだというのは、いい訳にはならない。
芸能人だったらどこまでも追いかけ回し、何週間も張り込むのに、今回、やらないのはメディアとしての怠慢ではないのか。

小室圭さんの父親が自殺していたことまで暴く必要があったのか。
この質問に答えられる週刊誌はないはずだ。
圭さんが10歳の時だったという。
それから母子が味わったであろう言葉に出せない苦労を慮れば、なぜもっと思いやりのある書き方ができないのだろうか。
このまま秋篠宮が2人の結婚を許さず、眞子さんが圭さんと別れれば、各誌の編集部は赤飯でも炊いてお祝いしようというのだろうか。
それとも現代版「ロミオとジュリエット」だと、自分たちが仕掛けたにもかかわらず悲恋物語にして、もうひと商売するのだろうか。
だが、どの週刊誌を読んでも、眞子さんが圭さんとの結婚を諦めた、他に心を移したという記述がないのは、二人の結びつきがよほど強いからではないか。

■皇籍を離脱して、民間人となってから結婚する方法も
週刊女性(1/15・22号)は、眞子さんに残された結婚のための最終手段があると、こんなことを書いている。
「眞子さまが皇籍を離脱して、民間人となってから改めて、小室さんと結婚する方法があります。
皇室を離れてまで小室さんと結婚したいというお気持ちがあることを示すことで、周囲の見方も変わってくる可能性は十分にあると思います」(宮内庁関係者)

皇室ジャーナリストの山下晋司は、「『皇室典範』で定められていますが、15歳以上の内親王と王と王女は、婚姻以外の理由でも、ご本人の意思によって皇族の身分を離れることができます。
ただ、その場合は、皇室会議で承認されなければなりません」と語っている。

周囲が反対すればするほど、恋人たちは燃え上がるものだ。
伊藤整は『女性に関する十二章』(中公文庫)の中で、恋愛についてこう書いている。
「人間は、真心からの約束と性のキズナとを一緒にした恋愛というものを考え出しました。
いいえ、考え出したのではなく、性の現れとしての美しさや魅力や強さが、真心からの約束と一緒になったところの混合物のみを信じたのです」
私は「眞子&圭」の結婚の可能性はまだまだあると思っている。
これだけバッシングを受けた2人だから、結婚したらいい家庭をつくると思うが、ちょっと心配なのは、圭さんのマザコンだな。(文中敬称略)


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元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト 1945年生まれ。
講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。
上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。
主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)などがある。 ----------
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2019年01月18日

橋下徹「天皇制維持のために必要なこと」

橋下徹「天皇制維持のために必要なこと」
2019年01月16日 PRESIDENT Online

天皇陛下のお言葉をきっかけに、多くの国民の支持のもと実現することになった天皇譲位。
しかし振り返れば、保守系の政治家や評論家の間では、天皇譲位を否定するような見解が少なくなかった
大多数の国民の意識との乖離はなぜ起きたのか。
橋下徹氏がずばり読み解く。
プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(1月15日配信)から抜粋記事をお届けします――。

■自称保守インテリは国民大多数が支持する陛下の「人間の部分」を無視するな
NHKが年末年始にかけて放送していた天皇・皇室関連の番組を録画していたものを最近観た。
こういう番組を観ると、受信料の払いがいがあると感じる。
番組では、天皇陛下の国民への想い、大変な「おつとめ」のご様子を観ることができた。
天皇制を国民が受け入れ、支え、これからの存続を願い、そして国民が陛下や皇室を慕っている理由が詰まっていたと感じた。

天皇制に反対する者はどんなことがあっても反対するだろうが、国民大多数の想いは、天皇陛下の真摯に国民を想う気持ちへの相互反応である。
これが日本国憲法下の現代における、天皇制の現実だと思う。

かつては天皇と国民(まだ国民という概念がなかったときから)は身分制度によって明確に分けられたり、天皇は神そのものと位置付けられたりしたこともあった。
このときには、万世一系、脈々と繋がる天皇制の制度自身に強烈な権威が存在した。
そこでは天皇の人間性というものが捨象される。
つまり、天皇から臣民・国民への具体的な想い・行為の中に、臣民・国民が敬慕の念を抱くという明確な関係がなかった。
臣民・国民は、ただただ天皇の権威にひれ伏すだけだった。

しかし今は、陛下のお人柄や「おつとめ」「被災地お見舞い」などの具体的な象徴としての行動が、国民の陛下に対する敬慕の念の柱になっていることは間違いない。
この点、日本の国柄として天皇制をことさら強調する、いわゆる保守政治家・保守論客に限って、陛下のお人柄や具体的行動を無視し、天皇制という制度だけを重視する。

すなわち陛下の人間性を全く無視するんだよね。
そういえば、天皇譲位の賛否が議論されたときには、この保守政治家・保守論客たちは譲位そのものに反対し、「陛下が被災地お見舞いなどの行動が負担となっていると言われるのであれば、そんなことはなさらずに、ただただその地位に就いて下さればいい」など主張していた。

陛下の国民への想いなど不要だと言わんばかりだ。
本だけを読み漁り、頭の中だけで抽象論をこねくり回して、国民の実際を顧みない自称インテリによくあるパターンだ。

国民主権というものを採用した現代日本社会において、国民からの支えを完全に無視した制度など成り立たない。
現代社会を良いか悪いかどのように評するにしても、国民の納得性を無視した天皇制は成り立たない現実を認識すべきだ。

そのような意味で、国民の敬慕の念の発生源である「おつとめ」や「被災地お見舞い」などの「象徴としての行為」を果たすことが困難となりつつある今上天皇が譲位されることは、当然のことであり、本来なら国民の声を基にした日本政府や国会の方から、もっと早くに譲位の制度を設けるべきだったと思う。
頑なに譲位に反対するインテリたちは、陛下の「人間」の部分に全く配慮しない頭でっかちな連中だ。

■保守政治家は本当に「天皇制維持」を第一目標と考えているか?
この日本独特の天皇制は、僕は今後も維持すべきだと思う。
ところが、「日本の国柄の柱は天皇制だ」と強調するいわゆる保守政治家・保守論客の連中に限って、本気で天皇制を維持しようとしているのか疑問だよ。
これは安倍政権も同様だ。
保守政治家・保守論客は「男系男子の天皇」にこだわる。

確かに、今上天皇に至るまで男系男子で繋がってきたのだから、これを今後も守るのは当然だという見解はもっともである。 これまでも8人10代(2人は2度天皇に就く重祚)の女性天皇が存在するが、全て男系男子天皇が即位されるまでのワンポイントリリーフ的な存在で、男系の女性天皇であり、その後男系男子に皇位が継承されている。
ゆえに男系男子による万世一系は崩れていない。
このようなものは日本にしか存在せず、世界に誇れるものだ。

しかし現在、男系男子による天皇制を今後も維持できるかどうかが非常に危うくなっている。
それは男系男子による天皇制を維持するにあたって必要不可欠な「ある大前提」について誰もが口を閉ざしているからだ。
特に、男系男子による天皇制維持を声高に叫んでいる保守政治家・保守論客たちがダンマリを決め込んでいる。

■男系男子天皇制維持と側室制度はワンセットだ
男系男子による皇位継承を維持しようと思えば、とにかく天皇に子供をたくさん作っていただくしかない。
これは天皇制に限らず、男子相続にこだわる「家」の維持や個人事業継承でも同じである。
特に養子を認めず、縦の血のつながりを絶対とする天皇制においては、天皇の配偶者が多産であることが必要不可欠となる。

そうなると必然、複数の配偶者が必要となり、男系男子による皇位継承には側室制度がワンセットとなる。
これは否定しがたい事実である。
歴史を振り返ってみても、天皇に限らず、将軍家や男子の相続にこだわる商家などでは、将軍や家長が側室を抱えるのは当然のことであった。

しかし大正天皇は側室を抱えられなかった。
以後昭和天皇、今上天皇も同じく一夫一婦である。
奥さんが一人で、男児を必ず産む、ましてや複数の男児を必ず産むことを前提にするなんて無理な話である。
僕のところはありがたいことに7人の子供を授かった。
それでも男児は3人。
もちろん妻は一人だよ!
奥さん一人で、男系男子相続を続けるというのはほんと不可能なことを強いることになる。
だからどうしても複数の「奥さん」が必要になる。
ゆえに、男系男子による皇位継承には側室制度がワンセットである。
このことをまずは当然の大前提としなければならない。

ところが男系男子による皇位継承を天皇制の核心と位置付ける保守政治家・保守論客に限って、事実婚というものを認めない。
側室制度というのはある意味、事実婚制度でもあるのだから、事実婚を認めないということは側室制度を認めないことに等しい。
もう完全に矛盾しちゃってる。

もちろん、今の世の中で側室制度を全面的に肯定できる政治家やインテリは皆無だろう。
国民感情はもとより、今後即位される天皇陛下も、側室制度は否定されるだろう。
だからこそ、側室制度を大前提とする男系男子による天皇制の維持が危うくなっているのに、政治家は天皇制維持のための議論を進めない。

男系男子にこだわる政治家やインテリたちは、天皇制を絶対に維持したいと思っているのか。
それとも男系男子が維持できなければ、天皇制がなくなってもいいと考えているのか。
確かに、いわゆる保守政治家や保守論客の中には、さっきも述べたけど天皇制という「制度」だけにこだわる冷徹な者も多く存在し、そこでは陛下の人間性は全く考慮されない。

男系男子による天皇制という「制度」を守ることしか考えず、男系男子による天皇制でなければ、守る価値も意味もないと考えている者もいるだろう。
そのような者は、場合によっては天皇制はなくなっても仕方がないと考えているのかもしれない。
しかし、これは多くの国民感覚と乖離していると思う。
今の国民は、天皇制の「制度」だけに敬慕の念を感じているのではない。
あくまでも陛下自身に敬慕の念を感じている。
(略) (ここまでリード文を除き約2900字、メールマガジン全文は約1万1400字です)

本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.135(1月15日配信)を一部抜粋し、加筆修正したものです。
もっと読みたい方はメールマガジンで!
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2019年01月19日

日本の会議で「多数決」を 正しく機能させる2つの方法

日本の会議で「多数決」を 正しく機能させる2つの方法
2019年01月18日 ダイヤモンドオンライン(鈴木博毅)

日本の会議では、多数決が正しく機能していない。
むしろ多数決原理を誤用し、意思決定が歪められている。
異論を封じ込め、場の空気によって決められた判断は、時に破滅的な道に通じることもある。
では、空気に左右されず、本来の多数決原理に基づく意思決定を行うにはどうすればいいのか?
40年読み継がれる日本人論の決定版、山本七平氏の『「空気」の研究』をわかりやすく読み解く新刊『「超」入門 空気の研究』から、内容の一部を特別公開する。
*********************************
■日本では、なぜ会議室と飲み屋で意見が変わるのか
 会議は、企業を含めた組織、集団の今後の行動を決める重大な場です。
その会議が空気に支配されたら、一体どうなってしまうのでしょうか。
 日本における「会議」なるものの実態を探れば、小むずかしい説明の必要はないであろう。
たとえば、ある会議であることが決定される。
そして散会する。
各人は三々五々、飲み屋などに行く。
そこでいまの決定についての「議場の空気」がなくなって、「飲み屋の空気」になった状態での文字通りのフリートーキングがはじまる。

 本来、合理的な思考を元に決断を下しているなら、どこで考えても結果は同じです。
しかし、空気に拘束されると「あの会議室の空気」で、意思決定が変化してしまうのです。
 山本氏は、空気に支配された議場での多数決と、飲み屋で空気のない状態で自由に議論された末の多数決では、まったく違う結果になるのではと指摘しています。

会議が、空気に支配されると、本来検討されるべき、マイナス面(あるいはプラス面)のどちらかを一方的に無視します。
すると、反対意見や反論、疑義を空気で許さないことで、どんな間違った結論でも、会議の多数決に通ってしまうことになるのです。

■多数決原理をわざと誤用する、日本の会議システム
 多数決による決定は、本来は議題を相対的に判断することを求めています。
 多数決原理の基本は、人間それ自体を対立概念で把握し、各人のうちなる対立という「質」を、「数」という量にして表現するという決定方法にすぎない。
日本には「多数が正しいとはいえない」などという言葉があるが、この言葉自体が、多数決原理への無知から来たものであろう。
 多数決の条件は、議題に「賛成できる部分」と「反対されるべき部分」の両面が確実に含まれていることです。
したがって、「賛成できる部分」と「反対されるべき部分」の両方の十分な吟味と検討が、多数決が正しく機能する一番の前提条件となります。
 ところが、空気の支配はプラス・マイナスのどちらか一方の側面だけを取り上げ、逆側は無視させる圧力を発生させます。

空気は、多数決原理を破壊して、相対化の機能を絶対化に転じる破滅的な影響力を発揮してしまうのです。
 少なくとも多数決原理で決定が行われる社会では、その決定の場における「空気の支配」は、まさに致命的になるからである。
そして致命的になった類例なら、今まであげてきたように、日本には、いくらでもある。

 空気が会議を支配すると、両面をきちんと議論して検討されず、都合の悪い一方を完全に無視させることで多数決を迫ります。
空気に支配された会議では、本来の機能を破壊された形で、多数決が悪用されてしまうのです。

多数決は、マイナス面を無視できる「免罪符」ではない
空気に拘束された日本の会議は、もう一つの非常に大きな危険性を生み出しています。
「多数決で決まったのだから」と、議論で指摘されたマイナス面、反対されるべき部分をすべて無視してもよいという免罪符的な主張があることです。
会議の中で、形式的にでもマイナス面を含めた相対化の議論がされたにもかかわらず、多数決で自分たちの意見が通ると「マイナス面を無視してOK」という認可をもらったと錯覚しているような行動が、日本の組織ではよくあります。

多数決に通ると「みんなで決めたことだぞ!」の一言で、一切のリスクを無視できるかのような、多数決を免罪符であるかのごとくに振り回すのです。
その結果は、無視したリスクの膨張とのちの顕在化による悲惨な失敗です。

多数決で賛成多数であっても、問題のマイナス部分が消えるわけではありません。
単にマイナス面を考慮しながらも、先に進むと決めただけです。
 多数決で決まったのだからとマイナス面を無視するのは、議論と多数決の基本的な条件を無視した悪用です。
空気による絶対化を補強する破滅的な行為なのです。

問題を前に、声を上げる者がいなければ、悲劇は止まらない
根回しは、日本の意思決定の場において特に重要とされています。
一般的に、議論の場の前に、関係者に事前説明や説得を行って、会議の場ではその結果を見るような流れです。
物事をスムーズに進めるには、日本的な根回しは有効に機能することが多いでしょう。

一方で、賛否両論、プラス面とマイナス面が混合しているようなテーマでは、根回しが「過剰に異論を封じ込めて」しまうと、リスクを急拡大させる恐れがあるのです。
問題がなければ異論や指摘は必要ありません。
しかし同時に、なんらかのリスクがあれば「声を上げる人」「そのリスクを明確に指摘する場」が不可欠なのです。

米国の訴訟コンサルタント会社の代表であるフィリップ・マグローは、問題に対して声を上げることの重要性を、端的な言葉で指摘しています。
あなたはこう考えるのではないだろうか。
もし船がどんどん沈み続けたり、どんどん進路から外れたりしてきたら、誰かが最後に立ち上がって、「おい、これじゃダメだってことくらい、誰にでもわかるだろう?」と言うにきまっている、と。

 しかし空気で拘束された場で、本当に「誰かが最後に」きちんと声を上げてくれるのでしょうか。
どんどん船が沈むのに、誰も声を上げなければ、一体どうなってしまうのか。
空気に支配される怖さ、リスクはこの点にあります。
 空気の支配が過剰になると、正しい方向転換、失敗を停止し改善へ向けるための、健全な批判や指摘ができなくなるのです。
明らかな失敗が是正されず、悲劇が拡大しているのに、誰もが口を閉ざした状態が続くなら、行き着く先は、大規模な破たんです。

 多数決という議決方法を日本で有効にしようと考える場合、次の2つの対策が必須となるでしょう。
これを義務付けないと多数決は健全に機能しないからです。

(1)議題のプラス・マイナスの2つの側面を必ず論じる時間を設ける
(2)多数決が通っても、指摘を受けたマイナス部分の対策実施を確実に行う

この2つの対策が求めているのは、議論されている命題を「相対的に扱う」姿勢です。
 正しく見えることも、実際には否定的なデータを無視したことでそう見えているだけかもしれないからです。
空気は都合の悪い現実を無視させる圧力でもあります。

 山本氏は、中東や西欧諸国が歴史の中で周辺の各国や異民族と衝突を繰り返した結果、次のような、空気に拘束されない思考を生み出したとしています。
 対象をも自らをも対立概念で把握することによって虚構化を防ぎ、またそれによって対象に支配されず、対象から独立して逆に対象を支配するという生き方を生んだ  
多数決で賛成可決された問題も、可決されたからマイナスの要素が現実から消えたわけではありません。
単に、参加者の頭の中からマイナスの要素の検討意識が消えただけなのです(これは相対化→絶対化の逆行です)。

 これが日本における多数決原理の最大の誤用であり、日本で会議が空洞化することで生まれる悲劇の元凶なのです。
 本来、議論や多数決原理は、問題のプラス面とマイナス面を両方認識したうえでどちら側に進むかを決めることです。
そのため、マイナス面を無視させる形に多数決を悪用させず、相対化の原則を順守する形で利用する枠組みが必要なのです。


■著者紹介
鈴木博毅(すずき・ひろき)
ビジネス戦略コンサルタント。MPS Consulting代表。
1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部、京都大学経営管理大学院(修士)卒業。
大学卒業後、貿易商社にてカナダ・オーストラリアの資源輸入業務に従事。
その後国内コンサルティング会社に勤務し、2001年に独立。
戦略論や企業史を分析し、負ける組織と勝てる組織の違いを追究しながら、失敗の構造から新たなイノベーションのヒントを探ることをライフワークとしている。
わかりやすく解説する講演、研修は好評を博しており、顧問先にはオリコン顧客満足度ランキングで1位を獲得した企業や、特定業界での国内シェアNo.1企業など多数。
主な著書に『「超」入門 失敗の本質』『「超」入門 学問のすすめ』『戦略の教室』『戦略は歴史から学べ』『実践版 孫子の兵法』『実践版 三国志』『最強のリーダー育成書 君主論』『3000年の英知に学ぶリーダーの教科書』などがある。
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2019年01月20日

「たばこ休憩」を不公平と思う人に欠けた視点

「たばこ休憩」を不公平と思う人に欠けた視点
法律や働き方改革の面から考察してみた
2019/01/17 東洋経済
榊 裕葵 : 社会保険労務士、CFP

労務管理の現場において、たばこ休憩をする社員としない社員の不公平感が話題になることは少なくありません。
また、下記のように、頻繁にたばこ休憩をする社員が懲戒処分を受けたという事例もあります。
大阪府は喫煙のため勤務時間中に職場を繰り返し抜け出したとして、健康医療部の男性職員(49)を職務専念義務違反で訓告処分としたと明らかにした。

2016(平成28)年4月からの2年間で、計約440回、100時間以上に上った。(2018年6月5日付 産経新聞)
職務専念義務は、国家公務員法第101条および地方公務員法第35条に定められた公務員の義務で、公務員は勤務時間には注意力のすべてを職務の遂行のために用いなければならないとされています。

たばこ休憩=仕事していない?
民間企業においては、労働基準法などに職務専念義務は定められていませんが、職務専念義務は雇用契約に付随する社員の義務であると法的には考えられています。
公務員や民間企業社員に職務専念義務があることは大前提として間違いありません。
しかし、昼休みなど会社が定めた休み時間以外に「たばこ休憩」をとることは、本当に職務専念義務違反なのでしょうか。
そして、そもそも勤務時間中にたばこを吸うことは例外なく「休憩」なのでしょうか?

本稿は、喫煙や、たばこ休憩を推奨する意図ではありませんが、「たばこ休憩=仕事をしていない」という社会通念に対し、法的観点や昨今の働き方改革を踏まえ中立的な立場で考察を加えてみたいと思います。

まず、「職務専念義務」に対する解釈ですが、これを厳密に解釈すると、「業務時間中の私的行為は一切許されない」ということになります。
しかし、少なからずの職場で、デスクにコーヒーやジュースを置いてそれを飲みながら仕事をしたり、小腹がすいたときにお菓子を口にしたりすることは許されているのではないかと思います。
むしろ福利厚生としてお菓子や飲み物を提供している職場もあります。

パイロットや鉄道運転士など、一瞬の不注意が乗客の命に関わる職務は別に考えなければなりませんが、一般的なオフィスワークの職場においては、コーヒーやお菓子が黙認されるなど、「職務専念義務」は実務上、多少の「ゆとり」を持って運用されているというのが実情です。
このように「ゆとり」という考え方を前提としてあるがゆえ、コーヒーを飲む社員が職務専念義務違反として懲戒処分を受けたという話は聞いたことがありません。
しかし、なぜ、たばこを吸う社員だけが目の敵にされ、問題視されるのでしょうか。

デスクにいる=仕事している?
この点、たばこ休憩が目の敵にされる理由は、「自席を離れて喫煙スペースに行く」からではないかと考えられます。
コーヒーは自分のデスクで飲むから許され、たばこは喫煙スペースに行くから許せない、というのが多くの人の判断基準になっているのではないかと思います。

ここで冷静に考えていただきたいのは、「自分のデスクにいれば、イコール仕事をしているのか」ということです。
自席に座っていてもコーヒーを飲みながら頭の中はボケーっとしているかもしれません。
逆に、自席を離れて喫煙スペースに行っていても、たばこを吸いながら企画のアイデアを整理しているならば仕事をしているといえます。
一見、たばこ休憩が多く見えても、与えられた仕事をしっかりこなし、成果を出しているならば、雇用契約上の義務は果たしていると考えられ、職務専念義務違反にはならないのではないでしょうか。

もし、成果以前の問題として、社員に業務時間中は整然とデスクに向かうことを求めるのであれば、就業規則で「業務時間中は自分の持ち場を離れてはならない」と定めれば、たばこ休憩であろうが、コーヒーをいれに行くことであろうが、就業規則違反で懲戒処分の対象とすることは可能です。

接客業や製造業など、お客様への対応や、工場全体の生産ラインを効率的に動かさなければならないという合理的な理由がある職種では、「業務時間中は自分の持ち場を離れてはならない」という就業規則は意味があります。
しかし、たとえばスマートフォンのゲームを開発する会社において、全員が整然とデスクに向かうことと、良いゲームが開発されることには、合理的な関連性があると考えることは難しいでしょう。

コーヒーを飲むのもたばこを吸うのも本人の判断に任せ、休憩の回数で人事評価を決めるのではなく、アウトプットの量や質で評価したほうが、伸び伸びと働くことができ、良い製品が生まれてくるのではないでしょうか。
「残業をたくさんしている人が頑張っている」という考え方が正しくないということはすでに多くの人が気づいていますが、それと同様「机に座っていれば仕事をしている」という考え方もつねに正しいとは限りません。

机に座って1通のメールを打つのに何十分も時間をかけている社員よりも、たばこを吸いながらでもスマホ片手にテキパキとメールを返信している社員のほうが、仕事ができる社員であると評価することもできます。

自席でたばこを吸っていた時代
さて、数十年前に時代をさかのぼりますと、当時はオフィスの自席でたばこを吸うことが許容されていた時代でした。
社員のデスクには灰皿が置かれ、コーヒーを飲みながら仕事をする感覚で、たばこを吸いながら仕事をすることに何の問題もありませんでした。
それが分煙化や健康志向の流れから、オフィス内での喫煙が禁止され、喫煙所が設置されたり、屋外の喫煙スペースにたばこを吸いに行かなければならない時代になったわけです。

もちろん、受動喫煙などは望ましくないことですから、オフィスの分煙化が進んだことは社員の健康管理の観点からも非常に良いことです。
しかし、このように過去の時代からの流れで見ていくと、喫煙者が非喫煙者の健康や環境に配慮して、それまで許されていたオフィス内での喫煙をやめて、喫煙所や屋外で吸うというルールを受け入れたという歴史があるわけですから、自席を離れてたばこを吸いに行くことは、単なるサボりではなく、もう少しおおらかに受け止めても良いのかもしれません。

さらに言えば、現在は、喫煙か非喫煙かという局地戦でなく、働き方全体の多様化が進んでいる時代です。
フレックスタイム制、裁量労働制、2019年4月から新たに加わる高度プロフェッショナル制度など、社員側に自由な働き方を認める制度だけでもさまざまなものがあります。
各制度によって特徴に差はありますが、大きくいえば、始業時刻や終業時刻、1日の労働時間を社員本人の判断に委ね、自由な働き方を認めると同時に、労働時間ではなく成果によって社員を評価するという考え方に基づいた制度です。

とするならば、少なくとも上記のような制度が適用されている社員に関しては、1日何時間働くかとか、どのように仕事をするのかが法的に社員に委ねられているにもかかわらず、単にたばこ休憩が多いことで評価を下げたり、ましてや懲戒処分をしたりするということは、適用されている制度の趣旨とも矛盾が生じてしまうということになります。

アウトプットで判断する
ダラダラとたばこ休憩をしていることが成果に結び付いていないのであれば、「たばこばっかり吸ってサボっているから仕事ができてないんだよ!」と頭ごなしに叱責するよりも「裁量労働制だから仕事のやり方は任せているけど、もっと効率的に仕事をしないと、評価はどんどん下がるよ。

たとえば、たばこ休憩とかも多すぎるんじゃないかな」と、アウトプットの少なさを指摘し、改善を促すほうが本人も本質的な問題点に気がつくのではないでしょうか。
逆に、一見たばこ休憩が多いように見えても、たとえば、55分間驚異的に集中して、5分間たばこを吸って気分転換し、また55分仕事をするというのが本人にとって最適のリズムで、会社が求める以上の成果を出してくれているならば何の問題もないはずです。

このように、たばこ休憩自体は、必ずしも法的な意味で「休憩」とは言えないことと、たばこ休憩の多さとその人のアウトプットの質が比例するわけでもありません。
一律にたばこ休憩を目の敵にしたり禁止したりするのではなく、業種や職種に応じて合理的な基準を設定したり、アウトプットに注目したりすることで、喫煙者にとっても非喫煙者にとっても働きやすく、公平な職場環境が構築されるはずです。

たばこ休憩に焦点を当てましたが、最後に総括的なことを申し上げれば、必ずしも「机に向かっている=仕事をしている」ではありません。
アウトプットで評価をする仕組みや社風を構築し、その人の生活環境や嗜好に合った多様な働き方を認めていくことで、多様な人材を引きつけ、そこから新しいビジネスやイノベーションが生まれることにもつながっていくのではないでしょうか。
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2019年01月21日

冬に突然死を招く4つの「危険な生活習慣」

冬に突然死を招く4つの「危険な生活習慣」
2019.1.20 ダイヤモンドオンライン
渡辺尚彦(わたなべ・よしひこ)
聖光ヶ丘病院顧問、医学博士。

いよいよ冬本番。1日の寒暖差が大きくなる季節は、何気ない普段の生活の中に、血圧の乱高下から突然死を招く危険因子が潜んでいるため、要注意だ。
では、具体的には冬場のどのような行動に気をつければいいのだろうか。
30年以上前から携帯型血圧計を装着し、24時間血圧自己測定の世界記録保持者でもある、聖光ヶ丘病院顧問の渡辺尚彦医師が解説する。

「死のスイッチ」を入れる行動は 普段の生活に潜んでいる
 冬になり寒くなると、血管が収縮して血圧が上がりやすくなります。
何気ない生活の中でも、例えば朝ぽかぽかの布団から出て寒いトイレに入る時や、帰宅直後の寒い部屋でコートを脱いだり、寒い部屋のまま着替えたりする時など、寒暖差を急に感じる行為には注意が必要です。

 高血圧は突然死を招く危険な因子です。
減塩など食生活の改善も大切ですが、「死のスイッチ」を入れるのは、実は、普段の行動の中にあります。
 私は、30年以上24時間365日血圧計を装着し、自分の血圧を計測し続け、自身と患者のデータから、血圧の変動と日常生活の行動との関連について分析してきました。
24時間の血圧推移と、起床から睡眠時まで全ての行動、つまり、仕事、電車や車での移動、睡眠、散歩、運動、トイレ、食事、入浴等との関連が特定しています。

 これらの調査の中で、死を招く、特に危険な血圧の乱高下を招いた生活習慣は、4つあります。

危険な生活習慣(1)
熱い風呂に入る
 実は、年間約1万5000人以上が風呂で亡くなっています。
風呂は癒やしの場であると同時にリスクの高い場所です。
その要因が「高温」「長湯」「温度差」という3つのリスクです。
 熱い風呂は、血圧を急激に上げ、脳や心臓の障害を起こしやすくします。
熱い風呂の長湯は、血流を増加させて、のぼせやすくなります。
のぼせると、めまいや失神に至り、溺れれたり、転んだりする事故につながり大変危険です。

 温度差は「ヒートショック」ともいわれますが、寒い脱衣所から熱い浴槽につかる時、または、その逆の時の大きな温度差が身体を襲います。
急激な温度の変化は交感神経を強く刺激するので、血圧が一気に上がり、脳や心臓の障害を招きやすくなります。

 おすすめは39〜40℃くらいのぬるめの入浴。
長湯をするなら、あまり体に水圧のかからない「半身浴」がいいでしょう。
 寒い時期には特に室内と浴室と脱衣所の温度差がヒートショックを招き危険です。
脱衣所にヒーターを置いて部屋を暖めたり、浴室は少し前からシャワーを出して室内を暖めておいたりするのがいいでしょう。
 また、浴槽に入る前にはかけ湯を欠かさないでください。
ポイントは、いきなり肩からかけるのではなく、足元から少しずつ、だんだん体の上の方にかけていくこと。
浴槽に入る際も、いきなりザブンとではなく、ゆっくり足元から入ることが大切です。
こうすることで、血圧の急激な上昇を和らげることができます。

 浴槽から出る時も、急に立ち上がらず、ゆっくりと体を起こしましょう。
そして、風呂から上がったら、体を冷やさないようすぐに服を身に着けるように。
そうすることにとって血圧の急激な変動を回避できます。
 また、入浴に伴う脳梗塞を防ぐためには、「入浴の前後に必ずコップ1杯の水を飲む」ことがおすすめ。
これで、血管のつまりによる心臓や脳疾患の発症を防ぐことができます。

危険な生活習慣(2)
サウナに入る  
サウナは入り方を間違えると自殺行為になります。
 サウナはたいてい水風呂と一緒になっていますが、サウナから出て水風呂に直行、ザブンと水風呂に入り、またサウナに入る――を繰り返していませんか?
これはヒートショック状態を自ら作り出しているのと同じで、非常に危険です。
 以前、私が真冬のアメリカのリゾートホテルに行った時、別棟にあるサウナに徒歩で行き、20〜30分と長めに入ったところ、血圧が150mmHgを優に超えていたことがありました。
心拍数も150をオーバーしており、汗をかいて激しい運動をしている時と同じ数値になり、非常に驚きました。
つまり、サウナは激しいスポーツと同程度の負担を体に強いるものなので要注意です。

 サウナと血圧の変動との関係を調査し続けた結論として、私がおすすめするサウナの入り方は、60℃のサウナに最大15分を限度とし、水風呂は厳禁。
入る前後にコップ1杯以上の水を飲むことです。
 血管がもろくなっている中高年や、糖尿病、高血圧など持病を持つ方にとっては、サウナと水風呂は死に直結する行為なので、特に注意が必要です。

危険な生活習慣(3)
尿意、便意を我慢する
 排便と血圧の変化も密接に関わっていることが、私自身の血圧データと患者さんのデータから明らかになっています。
 排便の際は、いきむので血圧が上昇します。
つまり、便秘気味の人は血圧が上がりがちになるのです。
下痢の場合も、おなかに痛みが生じることにより、体に負担がかかり、血圧が上がるので、こちらも好ましくはありません。

便通はスムーズであることが一番です。
 また、排尿を我慢しても血圧が上がります。
 これも私自身の経験ですが、ビールを飲んで帰宅する際、電車の中で尿意を我慢していました。
駅のトイレで、排尿前後の血圧を調べたところ、排尿前175mmHg、排尿後12mmHg5となり、尿意を我慢しただけで、血圧が50mmHgも上がっていました。

 実は、排尿により急激に血圧が下がると、時に意識がなくなることがあり、これを医学用語で「排尿失神」と呼びます。
倒れてケガをすることもあるので要注意です。
排便を我慢しても排尿同様血圧が上がるので、こちらも気をつけましょう。

 ちなみに、「立ち小便」も血圧を上げる要因になります。
立位が交感神経を緊張させ、さらに排尿の際に腹圧がかかるので、血圧が急上昇します。
洋式トイレで座って排尿すると、立ってする時に比べて、血圧の上昇が幾分和らぐので、自宅では座ってすることがおすすめです。
その際は、便座は暖かくしておくこと。
冬場は冷えた便座におしりが触れるだけでも血圧が上がります。
自宅のトイレが暖房便座であれば、常にスイッチを入れておきましょう。
暖房タイプでなければ、便座カバーをつけるだけでも、血圧の上昇をかなり軽減できます。

危険な生活習慣(4)
イライラする
 年末はいろいろと忙しい季節。また年始では、スポーツ観戦で熱くなることもあるでしょう。
ストレスも高血圧の要因のひとつです。
 これも私自身の体験ですが、以前、患者さんのカルテに張り付けてあったデータが別人のものだった、という大きなミスが見つかり、生まれて初めて、「どうしてこんないい加減なことをするんだ!」と周囲に怒りをぶちまけてしまいました。
すると、その時の血圧は、200mmHg以上に跳ね上がっていたのです。
 もちろん、時々起きる程度であれば問題はないのですが、それが頻繁に起きたり、血圧が高いまま下がらなくなったりすると、さまざまなリスクも高くなります。

 スポーツ観戦も同様です。たまに楽しむ程度なら問題はありませんが、熱中すると血圧が上がってしまいます。
ひいきのチームがある人は、応援が過度にならないようにセルフコントロールをしてください。
あまりに熱中すると、血圧が上がって脳卒中を起こしかねないので注意が必要です。

 高血圧が気になるが、食事の減塩は難しいというのであれば、まずこういった生活習慣に気をつけることから始めてみてはいかがでしょうか。
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2019年01月22日

同調圧力に押し潰されない4つの方法

日本人論の名著『「空気」の研究』が教える
同調圧力に押し潰されない4つの方法
2019.1.21 ダイヤモンドオンライン
鈴木博毅
:ビジネス戦略コンサルタント・MPS Consulting代表

集団に「空気」が醸成され、強力な同調圧力になったとき、その空気を破壊するにはどうすればいいのか。
40年読み継がれる日本人論の決定版、山本七平氏の『「空気」の研究』では、空気を打破する4つの起点が書かれている。
会社、学校、ネット…あらゆる集団に巣食う「日本病」を打破するヒントを紹介する。
15万部のベストセラー『「超」入門 失敗の本質』の著者・鈴木博毅氏の新刊、『「超」入門 空気の研究』から、内容の一部を特別公開する。
*****************************
空気に操られないための「4つの起点」とは?
 これまで見てきたように、日本人の思考と行動は「空気」という見えない圧力によって支配されています。
山本七平氏はそれを「妖怪」と呼びました。
 日本のあらゆる集団に現れ、多くの意思決定を操作しながら、過去には戦争や企業の不正、学校でのいじめなどにも猛威を振るってきました。

 では、集団の空気に操られず、個が空気を壊すにはどうすればいいのでしょうか。
『「空気」の研究』では完全に整理されていませんが、同書で指摘されている空気を破壊するための4つの起点をまとめてみましょう。

【空気打破の4つの起点】
[1]空気の相対化
[2]閉鎖された劇場の破壊
[3]空気を断ち切る思考の自由
[4]流れに対抗する根本主義(ファンダメンタリズム)
 この4つをそれぞれ順に解説していきます。

世の中の「隠れた前提」を見抜く
[1]空気の相対化
 空気とはすなわち「前提」です。
山本氏は、まず空気を相対化せよとしています。
 まず最初に空気を対立概念で把握する“空気(プネウマ)の相対化”が要請されるはずである。

「空気の相対化」というのは、少しイメージするのが難しいかもしれません。
例として、次の文章を相対化してみましょう。

(例文)「水不足のため、この地域では新たなダムの建設が必要とされている」

 この文章には、隠れた前提が複数あります。
例えば、水不足が本当であるか否か、また仮に水不足だとしても、その解決策がダム建設で本当に正しいのかなどが挙げられます。
 しかし、水不足だと判断する条件が不明な上に、事実の確認はなされていません。
また、水不足を解消できる、「他の選択肢」を一切無視した前提だと言えます。
 AならばBである、という前提は、二つの基本的なポイントに疑問を持つべきです。

【疑問 1】「本当に現状はAなのか?」
【疑問 2】「Aの場合でも、B以外の選択肢もあるのでは?」

 先の文章は、成立条件を明示しないのに、隠れた前提が絶対化されているのです。
 空気の相対化は、歴史を学び、歴史観的に物事を判断することでも養われます。
歴史上、AならばBであると一時的に絶対視されたことが、時代の変化で、あっけなく覆っていることが多々あるからです。

「あっけなく覆る」「みんなが一時的に正しいと盲信したことが、実は大きな間違いだった」事例を、数多く学ぶほど、前提を相対化する思考が身に付きます。
 この世界に溢れている、あらゆる前提を健全に疑う習慣を身に付けることです。

○○はAである、といかにも当然のように提示される前提が実際に真実であるか否かを、その前提が成立する条件、しない条件を基に常に考えるべきなのです。

外の光を入れるか、自ら外に出る 
[2]閉鎖された劇場を破壊する
 空気が醸成され、強力な同調圧力となるには、閉鎖された劇場の要素が不可欠です。
多くの人を一つの情況(物の見方)に閉じ込めるとしても、力の範囲には限界があるからです。
 学校のいじめの問題は、クラスという閉鎖空間と固定された人間関係が重要な引き金の一つとなっています。
 また近年、スポーツ界でのセクハラ、パワハラ事件が相次ぎ、大きく報道されています。
これもコーチや上層部が権力を握り、選手の選考などに大きな影響を持ちながら、閉鎖的なネットワークで機能していることが問題を大きくしています。

 このような場合、対処は大きく二つあるでしょう。
一つは、閉鎖された劇場の扉を開けて、外の光を劇場の中に差し入れる。
これにより、閉鎖された場が白日の下にさらされることになり、空気の支配を崩壊させる。  
二つ目は、自らが閉鎖された場を見限り、そこから出て新天地を目指すことです。

 内藤朝雄氏の書籍『いじめの構造』には、いじめ発生の構造に着目した、以下のような対策が提示されています。

【[1]学校の法化】
加害者が生徒である場合も教員である場合も等しく、暴力系のいじめに対しては学校内治外法権(聖域としての無法特権)を廃し、通常の市民社会と同じ基準で、法にゆだねる。
その上で、加害者のメンバーシップを停止する。

【[2]学級制度の廃止】
コミュニケーションを操作するようないじめに対しては、学級制度を廃止する。  

一つ目の「学校の法化」とは、学校内を聖域化せずに、暴力には警察を呼ぶことを当たり前にすることです。
こうすることで、加害生徒が教室の閉鎖性を悪用して「自分たちに都合のいい前提」を構築して支配させないようにする。  加害者が生徒であれ教員であれ、暴力に対しては警察を呼ぶのがあたりまえの場所であれば、「これ以上やると警察だ」の一言で、(利害計算の値が変わって)暴力によるいじめは確実に止まる(中略)、いじめは基本的に「やっても大丈夫」「やったほうがむしろ得だ」という利害構造に支えられて蔓延し、エスカレートしているからである。

2番目の「学級制度の廃止」は、クラスという単位で同じ人間関係を長期間強制される仕組みを変えることで、いじめの発生する根源的な構造を破壊することです。
 学級や学校への囲い込みを廃止し、出会いに関する広い選択肢と十分なアクセス可能性を有する生活圏で、若い人たちが自由に交友関係を試行錯誤できるのであれば、「しかと」で他人を苦しませるということ自体が存在できなくなる。

『いじめの構造』を書いた内藤氏は、大学の教室では「しかと」をする者は、単純に相手から付き合ってもらえなくなるだけだ、と指摘しています。
嫌な相手から去る自由がある場だからです。

 前提に従わない者への同調圧力には、必ず範囲の限界があります。
あらゆる劇場には外側があることを私たちは常に理解し、外の光を入れるか、劇場を見限るべきなのです。

過去の延長線上で考えない 
[3]空気を断ち切る思考の自由
 空気=前提とは、ある種のしがらみであることもあります。
 多くの知識や、過去の経緯などへの理解が、思考の自由を妨げるのです。
ある意味で前提となる古い知識や体験が、創造的な発想や選択を不可能にしてしまう。
 このような拘束は、累積した人間関係でも生み出されます。
関係者が多いプロジェクトほど、失敗が明確になっても撤退が難しい「空気」を生んでしまうのです。

 一方で、山本氏は本当の創造について次のように語っています。
 あらゆる拘束を自らの意志で断ち切った「思考の自由」と、それに基づく模索だけである。

──まず“空気”から脱却し、通常性的規範から脱し、「自由」になること。
 創造的な発想や選択は、拘束としての前提もしくは「水」としての通常性からは生まれません。
これらは、過去の延長線上に、思考を閉じ込めるからです。
 そのため、前提による思考の拘束を消すため、まったくしがらみのない第三者ならば、現状をどう考えるかをイメージすることも効果的です。

 僕らがお払い箱になって、取締役会が新しいCEOを連れてきたら、そいつは何をするだろう?
 上の言葉は、インテルのCEO、アンディ・グローブが、競争力を失った半導体メモリ市場から撤退を決断するとき、自ら掲げた問いです。
 インテルはメモリ生産にすでに膨大な投資をしていました。
そのため、過去の経緯という前提に縛られ続けたら、撤退がさらに遅れて致命傷になっていたかもしれません。
 グローブは、空気の拘束を消す問いをつくり、適切な決断を促すことができたのです。

最も譲れないことは何か? 
[4]流れに対抗する根本主義(ファンダメンタリズム)
[3]は空気=前提をできる限り排除した形で考えることでした。
 一方で、排除できない前提に対して、打破する力を強化することで突破することも、山本氏は提示しています。

『「空気」の研究』第3章では、「根本主義(ファンダメンタリズム)」というキーワードが頻繁に出てきます。
詳しくは次項で解説しますが、これは共同体、集団、民族の最も譲れない原点を基に、現状の拘束に対抗することを意味します。

 15世紀に行われた宗教改革で有名なマルティン・ルター。
世俗の権力すら握っていた当時の教皇の権威に、彼は「聖書」を譲れない原点として抵抗しています。
空気を断ち切る方法.jpg
 根本主義(ファンダメンタリズム)の利用は、集団の「最も譲れない原点」を基に、ある種の前提や既存の流れを打破する行動なのです。
 この根本主義は、個人の人生でも意味を持つ場合があります。
 日常では人生を支える多くのものが「どれも大切」に思えます。

しかし、一大事が起きたとき、あなたは何を最も重要なものと考えるか。
 仕事が重要でも、健康を失えば二度と職場復帰はできません。
何が自分たちにとって一番大切なことか。最も譲ることができない根本は一体何か。
 この問いと、それに続く思考と決断は、人生における些末なことを発見して、さまざまな拘束から私たちを解放してくれる効果を発揮するのです。

(この原稿は書籍『「超」入門 空気の研究』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)
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2019年01月23日

恥を恐れる日本人が「孤独」に陥る納得理由

恥を恐れる日本人が「孤独」に陥る納得理由
どこの国でも男女共が直面する課題だが…
2019/01/22 東洋経済オンライン
岡本 純子
: コミュニケーション・ストラテジスト

恥じらいを忘れた女がオバサンになり、恥をかくのを恐れる男がオジサンになる
筆者は昨年、現代人の宿命ともなりつつある「孤独」について掘り下げた『世界一孤独な日本のオジサン』という本を上梓した。
とくに中高年男性がその犠牲になりやすい、という内容に、賛否両論のご意見を頂戴したが、このテーマについての会話の中で「何歳から、オジサンなの」という問いをよくいただく。
それに対して、冗談交じりに返す答えの1つが冒頭の言葉である。

「恥」という感覚の捉え方の違いが男女の孤独格差につながっているのではないか。
今回はこんな仮説に基づき、「恥と孤独」というテーマについて掘り下げてみたい。
****************************
「ロンリネス」は健康に悪影響を及ぼす
1人の時間を楽しむ「ソリチュード」はいいけれど、誰にも頼ることができず、たった1人で不安で寂しい気持ちを指す「ロンリネス」の孤独は健康に悪影響を与える。
これは無数の科学的研究によって実証され、世界で大きく取りざたされている事実だ。

独身や独居であるといったことが問題ではなく、誰にも頼ることができず、支え合う関係性がまったくない「孤独」の状態が長期間続くことが心身をむしばむことから、海外では、国を挙げて対策に乗り出す機運が高まっている。

日本では、孤独が肯定的に捉えられがちなこともあって、対策はまったく進まず、日本は世界に冠たる「孤独大国」化しているが、アメリカのカイザー家族財団と英誌エコノミストと共同で昨年8月に発表した3カ国調査で、日本人独特の「孤独」に対する意識と問題点が浮かび上がった。

まず第1点目は、日本では、「孤独が自己責任」と考えられているということだ。
その割合は日本では44%とアメリカの23%、イギリスの11%と比べて圧倒的に高かった。

家族や友人と顔を合わせて話をする頻度は…
家族や友人と顔を合わせて話をする頻度を聞くと、米英では約50〜70%の人が「週に数回は話す」と答えたのに対し、日本では10〜20%台と格段に低かったのにもかかわらず、孤独感や孤立感を感じている人は日本では9%とアメリカ22%、イギリスの23%より低かった。
日本人の「我慢強さ」が影響している可能性があるが、そのうち、10年以上孤独を感じている人の割合は35%と、アメリカ22%、イギリス20%より断然、高かった。
引きこもりの長期化などと軌を一にしている可能性もある。

もう1つ特徴的だったのが、男女の孤独格差だ。
アメリカは女性が54%対男性46%、イギリスは女性が55%対男性45%と、どちらも女性が多かったのに対し、日本は唯一、男性が54%に対し、女性が46%と、男性のほうが多かった。
孤独はどこの国でも男女共が直面する課題であるが、とくに男性にとって厳しい現実になりやすい、というのは日本独特の傾向といえる。

女性はどんどん「外向き」になる
高齢者などを見るとこの傾向は顕著で、集会所でも、街中でも、おばちゃん軍団は元気でパワフルに社交を楽しんでおり、夫との死別後はますます意気軒昂という人も少なくない。
そうしたご婦人方に「ご主人は」と尋ねると、たいてい「亡くなった」「家にいる」「たまに図書館に行く」という答えが返ってくる。
年を経るごとに男性は、「内向き」の力が働きがちになる一方で、女性は遠心力が働くように、どんどんと「外向き」になり、つながっていく印象がある。

こうした傾向について、男性更年期など「メンズヘルス」に詳しい順天堂大学の堀江重郎教授は女性セブンで、「(男性は)獲物を追い、自分を認めてもらい、獲物を仲間に与えることで男性ホルモンは活性化する。
狩りは、今の社会で言えば“仕事”。
引退後、その狩りをしなくなると男性ホルモンの分泌は減少し、意欲と筋力が低下し、いつも家にいる」

「女性ホルモンは自分の周囲をケアするように働くが、閉経により減少すると、もともと持っていた男性ホルモンが優位になり、外へと目が向く。
閉経後の女性はどんどん外出し、社交的に振る舞うように設計されている」といった趣旨の解説をしている。
まさに内向き、外向き説はホルモンによっても説明できるということのようだ。

これ以外にも、「オジサンの孤独」には社会的、文化的、生物学的なさまざまな要因が絡み合うが、中高年男性を孤独に向かわせる1つの価値観に、冒頭に挙げた「恥」というものがあるように思う。

恥についての論考はアメリカの人類学者ルース・ベネディクトの『菊と刀』が有名だ。
ベネディクトはキリスト教的な価値観に基づき、自分の内面に善悪の絶対の基準を持つ西洋の「罪の文化」に対し、他者からの評価を基準として行動が律されている「恥の文化」を対比させた。

要するに「自分の良心に照らして、それが正しければ、ほかからどう見られようと気にしない」という西洋の価値観に対して、「他人や世間からどう見られるのか」ということを極度に気にし、それによって行動を制するのが日本の流儀ということになる。

日本企業における「リーダーシップ」とは
筆者は長年、エグゼクティブに対するコミュニケーショントレーニングをなりわいとしてきたが、日本企業における「リーダーシップ」、つまり、「できる男のイメージ像」というものも、この「恥」の価値観に立脚しているところがあると実感する。
正確性、緻密性が何よりも重んじられ、失敗や間違いを極端に恐れる無謬主義、減点主義の風土の中で、間違いを犯してはいけない、弱さを見せてはいけない、恥をかいてはいけない、と自分を律しがちになる。

他人からの視線を気にして行動を制する「恥」の概念は、「恥を知る」といったように、日本人独特の道徳性を支えてきたともいわれる。
しかし、そこにとらわれすぎれば、男女を問わず、人との交友関係を広げよう、何か新しいこと挑戦しようという方向にベクトルは振れにくくなる。

沢田研二と稲葉浩志にみる男性の「恥」
ここに2つのケーススタディーがある。

1人目は、「客席が埋まらなかったため」と昨年10月、開演1時間前に公演をドタキャンしたジュリーこと、歌手の沢田研二(70歳)さん。
もう1人が、日本の代表的ロックユニットB'zの稲葉浩志(54歳)さんだ。
昨年9月に福岡で開かれたライブで、声の調子が悪く、ガラガラ声で数曲歌い、中断する事態となった。
聴衆は「中止か」とどよめいたが、再登場し、何度も観客に謝りながら、「自信はないけど今の自分を見てほしい、どうか厳しい目で見てほしい」
「プロとしては完全に失格だけど、B'zの生きざまを見ていってほしい」
「もしまた聞き苦しい声になってしまったら、その時は必ず埋め合わせをする」といった趣旨のメッセージを訴え、歌い切った。
かっこ悪さをさらけ出す正直さに観客は心を動かされたという。

「恥をかきたくはない」と体面にこだわる人と、恥ずかしい姿をさらけ出せる人。
どちらが共感を集めやすいか、仲間を作りやすいかは火を見るより明らかだろう。

恥や共感の研究で有名なアメリカ・ヒューストン大学のブレネー・ブラウン教授の考察が非常に興味深い。
ブラウン教授はTEDトークの中で、こう指摘した。

「人との関係をこじらせることへの恐れが『恥』」であり、「男性にとって、『恥』とはすなわち、弱く見られたくない。
これに尽きる」と。
一方で、人と心を通わせることのできる人に共通するのは、「自らのもろさや弱さ(vulnerability)をさらけ出すことをよしとしている」点であると述べている。

つまり、弱く、不完全な自分を認め、受け入れ、さらけ出す勇気、恥をかく勇気こそが、人とのつながりの第一歩であるということだ。
「強さを誇示することが本当の強さ」ではない。
「自分の弱さを認める強さ」こそが、孤独や生きづらさを解消する生き方のカギとなるということなのだろう。
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2019年01月24日

“平成最後”『サラリーマン川柳』優秀100選が決定

“平成最後”『サラリーマン川柳』優秀100選が決定
1/22(火) オリコン

 第一生命は22日、昨年9月から10月にかけて、全国の幅広い世代を対象に募集した、第32回『第一生命サラリーマン川柳コンクール』を実施し、全国から寄せられた4万3691句の中から“平成最後”の全国優秀100句を決定した。
 今年の優秀100句には“定年延長”“再雇用”により遠ざかる人生の余暇を嘆く句が多数入選。
第4次安倍内閣では、企業に65歳以上の定年延長、さらに2019年度を目標に70歳定年の原則化を求めるなど、シニア層の活躍推進に力を入れていく。
厚生労働省の調査によると、一律定年制を定めている企業のうち、定年を65歳以上としている企業の割合は2017年に17.8%にのぼり、10年前の2007年(9.1%)の約2倍に上昇した。

 ただ、もうすぐ定年を迎えようとしていたサラリーマンからは「余暇が遠ざかった…」、部下からは「苦手な上司が再雇用された…」など悲痛の叫びが届いた。
 そのほかにも、不要なものはメルカリで「売る」、情報はインスタグラムやLINEで「すぐに共有」などモノや情報を効率的にシェアする様子が、優秀100句にも多く見られるようになった。
一方、「通勤ラッシュ」「無駄な休日出勤・残業」「仕事と家事の両立」に関するサラリーマンの悩みは、今回の入選作でも数多く登場し“働き方の効率化”はまだまだ道半ばの様子が伺えた。

 元年を迎える次回のサラ川では、シェアオフィスや家事代行サービスなど、働き方にも“シェア”を活用した、新しいサラリーマンの姿が見られることにも期待したい。
 また、今回はタレントのDAIGOが特別審査員の20代限定「YWD部門」(YoungのWishでDAIGO部門)や、地方自治体等と協力して実施した「地元サラ川(ジモサラ)」など、初めての企画も用意されている。
 今後、全国優秀100句の中から平成最後のサラリーマン川柳コンクールベスト10を決める投票を実施(3月15日投票締切)。
投票結果は、5月下旬に発表する。

■第32回サラ川優秀100句は以下のとおり
     作品                                        (雅号)
『五時過ぎた カモンベイビー USAばらし』(盆踊り)
『人生の 余暇はいつくる 再雇用』(年金未受給者)
『ご馳走を インスタ用に 作る妻』(なるほどマン)
『ジュエリーを 平成最後と ねだる妻』(ことは)
『新人の 名前が読めぬ 時代来た』(真珠2シャイ)

『再雇用 昨日の部下に 指示仰ぐ』(白いカラス)
『ゴール前 延びる定年 老い越せない』(チコちゃん55歳)
『メルカリで 妻が売るのは 俺の物』(島根のぽん太)
『意見箱 反映されず ただの箱』(下の気持ち)
『妻の愚痴 返す言葉は うん、そだねー』(クズギルティ)

『生産性 語る上司の 非効率』(悦)
『本題を 外れ会議は 活気付く』(安田 蝸牛)
『テレワーク そばに妻いて 緊張し』(あんどらごら)
『母強し いいえ女性は 皆強し』(人生百彩)
『切った後 価値が上がった 株と彼』(しーちゃんのばあば)

『手紙書き 漢字忘れて スマホ打ち』(忘却の人)
『AIも 太刀打ちできぬ 妻の勘』(うみうし)
『飛「車」よりも 健康将棋じゃ 「歩」が強し』(組織の駒)
『子供服 ダンナのこづかい 上回る』(天童のサイトーです。)
『諦める 妻のトリセツ 日日進化』(赤塚不二子)

『朝ラッシュ ランチ満席 夜一人』(生一丁喜んで)
『脱サラし 農業継ぐも 親上司』(くら)
『半端ない 妻の小言は 容赦ない』(さごじょう)
『ジム帰り かいた汗より 重い酒』(おたやん)
『イクメンを 育てる前に 子が育つ』(みつ豆)

『神隠し!? 二次会なると 消える部下』(パスタ)
『会議中 本音と建前 懐疑中』(怪傑もぐり33世)
『「これ優先」 みんな言うけど どれ優先?』(全て最優先)
『間食を もぐもぐタイムと 正当化』(松戸ラガー)
『兄ショック ガンダム以来の アムロロス』(シャアの友人)

『ノー残業 趣味なし金なし 居場所なし』(リトルプー)
『議論無し 「そだね〜」だけの 役員会』(ぴんけろ)
『上司宅 家ではこんなに 動くのか?』(よみ人知らず)
『「前向きに 検討します!」と 後ずさり』(柳川良紗)
『下腹が 気づかぬ内に ひょっこりはん』(のあ)

『手間暇を 掛けてインスタ 冷める飯』(ハルル)
『女子会の モグモグタイム はんぱない』(ゆうこりん)
『何度目だ? 平成最後の 頼み事』(玉ねぎ頭)
『「あの頃は!」 今を語れぬ 我が上司』(カマキリ)
『大安か 上司出張 妻不在』(喜夢多来)

『子におもちゃ 捨てると言ったら 「イヤ、売って」』(しぇありんぐ、え?好みー?)
『俺四番 野球じゃなくて 風呂の順』(ぽん吉)
『いい数字 出るまで測る 血圧計』(とん吉)
『納税で 知らない土地も ふるさとに』(なにわのあっちゃん)
『この先は AI上司に 査定され』(トンケイ)

『顔認証 今では無理な クラス会』(ご同輩)
『今どきの ホウレンソウは LINEから』(しーしーちゃん)
『頼まれる お手すきの時 ありません』(うどんはいから)
『ふところは 年中無休 クールビズ』(逆ペリカン)
『病院へ 来ない仲間を 心配し』(カープひろし)

『趣味探し 定年前の 大仕事』(光男)
『腕枕 乗ってくるのは にゃんこだけ』(また旅)
『「やせなさい」 腹にしみいる 医者の声』(べごちゃん)
『「パパじゃやだ」 それでも送る 保育園』(毎朝大変)
『飲み会の 日程調整 まず妻と』(調整くん)

『「また残業」 俺のツイート 妻いいね!』(仮面夫婦)
『報告後 課長必ず 「メールして」』(ケンシロウ)
『夢を持て そういう上司も 夢見せて』(よみ人知らず)
『夕飯で 分かる明日の お弁当』(じゅん)
『お犬様 俺の四倍 床屋代』(ナナハン親父)

『給料も シニア割され 半額に』(再任用)
『家にいて 娘と会話 ラインにて』(ノア)
『よく切れる スマホの電池 うちの妻』(みらいむ)
『見える化を したのに見えない 小さい字』(リオカウル)
『例の件? ありすぎて困る 何の件?』(まじめ人間)

『叱っても 褒めても返事は 「ヤバイッス!」』(国語辞典)
『やっと縁 切れた上司が 再雇用』(アカエタカ)
『在宅勤 家事もまかされ フル稼働』(紫柳(シリュウ))
『定年が 手招きしつつ 遠ざかる』(マリちゃん)
『再雇用 家にいなくて 最高よ!』(糟糠の妻)

『人事異動 オレの後任 人工知能』(A.I.)
『どう耐える 百年時代 恐妻家』(ゆうちゃん)
『ライバルが 去ってAI 現れる』(ひぐらし)
『来春は 10連休だが 定年後』(蓼喰う虫)
『コインより 仮想に近い 夫婦仲』(仮面妻)

『忖度で ちがう意見が 一致する』(団塊世代)
『大変ねー 気遣うあなたは 再配達』(宅配便)
『伸び悩む パパの出世と 貯蓄額』(甘酒)
『昼休み 上司とランチ 勤務時間』(あやまる)
『休日に 働き方の 打ち合わせ』(きの子)

『組織人 英語で言えば YESMAN!』(NO MAN)
『削減だ 改革起こすと 仕事増え』(一生船乗り)
『そだねーと 妻の返事は スルーパス』(モグたん)
『ストレスで モグモグタイムが エンドレス』(ウエスト半端ねえ!)
『インスタで 妻のランチを 二度見する』(田中十字路)

『詰め込まれ 社に着くまでが 一仕事』(マニョ)
『上司から ともだち申請 見ないふり』(公私混同)
『終業後 家に帰れば 家事始業』(ワンオペ育児)
『効率化 他部署に負担が 移動した』(にしびん)
『ちょっといい? ちょっとで終わった 試しなし』(散らかりカレンダー)

『部下休み 理由知ったの SNS』(小豆)
『マラソンは 靴とウェア−で 勝負する』(嶋 一)
『まえは犬 いまはスマホに 話しかけ』(みっちー)
『オレ正論 妻へりくつで なぜ勝てぬ』(のりちゃん)
『ためている 俺はストレス 妻は金』(紙風船)

『会議終え 本音を言いに 喫煙所』(ほのぼの)
『意見出せ 出したとたんに 担当者』(七色とうがらし)
『効率化 提案会議で 残業か』(疲れる)
『U・S・A 流行りにのれない まあいっさ』(しん)
『参観日 こっそり祖父母も ひょっこりはん』(もりもりタイム)
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2019年01月25日

第2の「消えた年金」問題も発生、年金減額16年の歴史とカラクリ

第2の「消えた年金」問題も発生、年金減額16年の歴史とカラクリ
2019.01.24 週刊ポスト2019年2月1日号

 厚労省の毎月勤労統計の調査不正は、第2の「消えた年金」問題と呼ばれる──。
統計調査の内容やデータを変えて平均賃金を低く見せかけた結果、国民が受け取る失業給付や労災の遺族・障害年金、介護休業給付などが数百億円も減らされ、追加支給が必要になった。
被害者は延べ2000万人にのぼる。

 12年前、2007年の「消えた年金」問題では、厚労省と旧社会保険庁のずさんな年金行政で5000万件を超える年金保険料の納付記録が消され、年金が支払われないままになっていることが発覚した。
それに怒った国民が年金事務所に殺到し、第一次安倍政権を揺るがす事態となった。

 これまでに約3000万件が判明、総額1兆6000億円の未払い年金が追加支給されたが、未だ2000万件の記録が特定されていない。
なぜ、厚労省で巨額の未払いが繰り返されるのか。
実は、「第1」も「第2」も問題の病巣は同じだ。

 厚労省は国民生活に直結する多くの統計調査を実施し、役人がつくりあげた複雑な計算式の数字を少し変えるだけで年金や医療費、失業保険などの社会保障給付、いわば国民に払う“命のカネ”をいかようにも増減できる権限を持つ。
そうした数字の操作こそが、この役所の力の源泉であり、それが「消えた年金」や数々のデータ改竄など数々の不祥事を生んできた。

◆「保険料だけ」上げられた
 今回の統計不正が始まったのは2004年からだ。
当時、失業者は過去最高の110万人を超え、厚生年金の保険料収入は落ち込み、国民年金の未納率は4割に達していた。
失業保険の積立金も底をついて社会保障制度全体が崩壊寸前だった。

 厚労省が失業保険より先に手を付けたのは年金だった。
時の小泉内閣が「100年安心」を掲げて年金改革に乗り出すと、同省は制度を複雑に作り替え、年金の計算式を変更し、データの数字も変えていく。
 前年の2003年には、年金に「総報酬制」が導入された。
それまでサラリーマンの厚生年金の保険料と受給額は月給で計算されていたが、ボーナスを含めた「総報酬」で計算する方法に変更し、年金額を大きく引き下げたのである。

 厚生年金の受給額は〈給料×乗率×年金加入月数〉という計算式で算定される。
この乗率を変えるだけで年金額はどうにでも増減できる。
総報酬制の導入にあたって乗率は1000分の7.125から同5.481に引き下げられ、この年以降の厚生年金加入期間の年金額はなんと25%も減額されることになった。

 暴動が起きても不思議ではないほどの大幅カットだが、政府は同時に保険料率を17.35%から13.58%に引き下げ、国民に「ボーナスを含め計算し直しただけで、保険料も年金額も変わらない」と説明した。
 ところが、その翌年、国民は騙されたことに気づかされる。
総報酬制の実施後、政府はいったん引き下げた保険料を18.3%まで段階的に引き上げることを決めたからだ。
国民が気づいた時には年金減額と保険料アップのダブルパンチとなった。
 味をしめた厚労省では、このタイミングから毎月勤労統計の調査不正を進めてきた。

◆「減らす」ための計算式
 なぜ厚労省は平均賃金を低く見せかけたかったのか。
平均賃金は失業給付だけではなく、年金とも関係している。
年金額は、「賃金スライド」と呼ばれる平均賃金の変化で調整され、賃金の伸びが低くなれば抑えられる。
この計算式も2004年の年金改正で決められた。

 厚労省年金局年金課は、「年金の賃金スライドの計算と勤労統計とは全くリンクしていない。
今回の不正調査問題が年金の保険料や支給額に影響を与えることは全くありません」と言うが、実は、年金額のもとになる平均賃金の算出方法は勤労統計以上の“ブラックボックス”なのだ。

 社会保険労務士でもあり、年金数理に詳しい第一生命経済研究所経済調査部の星野卓也・副主任エコノミストが語る。
「そもそも年金計算における賃金は『前年の物価上昇率』、『実質賃金変動率』、そして『可処分所得割合変化率』という調査の方法も時期も違う3つのデータを組み合わせて算出されています」

 細かい説明は省くが、計算結果を見ると、複雑極まりない算出を施す狙いが浮かび上がる。
 勤労統計では「賃金上昇」が続いていた期間でさえも、「年金額のベースとなる賃金」はなぜかマイナスになっているのだ。
その結果、年金額は低く抑えられていた。

◆今年から「新・減額装置」が発動  
その後も年金改革のたびに減額するカラクリが盛り込まれてきた。
最も大きいのはマクロ経済スライドによる計算式の変更だ。
 これは年金受給者やこれから受給する新規裁定者の年金額を改定する際、年金生活者が困らないように賃金の伸びや物価上昇に応じて年金額を増やす従来の計算式に「スライド調整率」という数値を加味することで、逆に年金額を毎年目減りさせていく仕組みだ。

 2004年の年金改正で導入されたが、物価が下がっている年は年金額を減らさずに据え置かれてきた。
それを厚労省は「もらいすぎ年金」(特例水準)と呼んで批判し、2012年の年金改正で「特例水準の解消」を名目に年金額を2.5%引き下げた。
 さらに2016年の年金改正では、物価下落で発動できなかった年の「スライド調整率」を毎年持ち越し、物価が上昇したときにまとめて精算させて国民の年金をいっぺんに減額(目減り)させるキャリーオーバー制度を導入した。
今年から実施が見込まれている。

 前出の星野氏は、こうした度重なる制度変更の結果、2018年度の年金受給世帯の実質年金給付は2012年度より6%下がる見込みと試算している。
「このうち3%分は年金特例水準の解消による減額と15年のマクロ経済スライドの発動によって年金の実質額が目減りしたものですが、残りの3%分は年金改定の複雑な計算式によるものです。
消費税増税による物価上昇でも年金額が上がらない仕組みがあり、その結果、年金額が実質目減りしていると考えられます」(星野氏)

 とはいえ、これまでは賃金上昇率がマイナスになっても年金の改定率はゼロで据え置かれてきたため、年金の支給額が額面で下がることはなかった。
だが、2021年からは賃金や物価が下がれば、年金額そのものが引き下げられるようになる。
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片山さつき氏に現役秘書が悲鳴 「もうこれ以上、堪えられない」

片山さつき氏に現役秘書が悲鳴 「もうこれ以上、堪えられない」
1/7(月) 文春オンライン

“堪(た)”えているのは国民であり、彼女のために働く秘書やスタッフたちだと言いたい。
こうした空気を読めない彼女の無神経さは、初登院の頃からまったく変わりません」
 片山さつき地方創生担当大臣(59)の事務所関係者は、そう断じる。
    ◆ ◆ ◆
 小誌が報じた「100万円口利き疑惑」など、数々のスキャンダルが露呈した片山氏。
12月14日の会見で、今年を表す漢字を聞かれた片山氏は、「堪」と答えた。

「内閣に入ってからは私も一生懸命『堪えて』頑張っておりますので、皆さん同じ気持ちかなと思っておりますので。
ポジティブな意味を含む方の『堪える』かなと思っています」

 片山氏が財務省を退官し、衆院選で静岡7区から初当選を果たしたのは05年のことだ。
初登院の際、「議員会館に来られた感想は?」と記者から聞かれた途端、片山氏は表情を一変させ、こう言い放った。
「異常に今日も朝から初歩的な質問が多いんですけど、私に聞くんだったら、もう少しお考えになったらどうですか」
 まさに、片山氏の性格を表している発言だというのは、政治部デスクだ。

「大蔵、財務官僚を約23年やっていましたから、とにかく自信たっぷりの態度でした。
当時の口癖は、『私、インサイダーだから』。
他の新人とはレベルが違うとアピールしていました」

 別の事務所関係者によれば、「昔から人を人とも思わぬ態度を取っていた」と語る。

秘書に「みかんの皮」を投げつけた
「ある地方議員のところへ片山氏が選挙応援に行ったときのことです。
選挙事務所に詰めていたボランティアの女性スタッフに向かって、『もっと頑張りなさい』と声をかけた。
『ご苦労様』とか『ありがとう』と言うのが普通です。
すぐに候補者の耳にその話が伝わり、片山氏は出禁となりました」

 かつて片山氏は、秘書にラー油入りの弁当を投げつけたという逸話を持つ。
「片山さんの後援会を静岡に作ろうと秘書が動いていたことがありました。
ところが、その作業が難航。片山氏が静岡入りしたとき、ある秘書が彼女に状況を報告すると、腹を立てた片山氏が、食べ終わったみかんの皮を秘書に投げつけたのです。
 また最近、片山氏が元秘書に対し、『事務所に戻ってこないか』と連絡したことがあった。
問題となった収支報告書を彼が処理していたため、修正作業を手伝わせようと思っていたのです。
しかし、その元秘書が『いま精神的に滅入っている』と返事をしたら、片山氏は『鬱病ね、じゃあ無理ね』とばっさり言い放った。

長年、彼女に仕えた人にも、あんな冷たい態度をとるとは信じられません」(同前)
 冒頭の事務所関係者は言う。
「2019年の年始、ある業界団体が主催する大きなイベントが開かれ、国会議員の1人として片山氏も参加することになっています。
これだけ世間をお騒がせした手前、秘書は、もう大人しく座っているだけでいいと思っていたのですが、片山氏が、『挨拶させてもらわないと困る』などとゴネていた。
結局、挨拶は先方から断られたそうですが、こうしたイベントに参加する度、『挨拶させなさい!』とか、『なんで私が2列目なのよ!』などとうるさくて、いつも秘書が頭を悩ませています」

 とにかく忍耐が必要な事務所のようだが、ある自民党関係者はこう話す。
「度重なる収支報告書の訂正で、彼女の事務所スタッフは疲弊している。
実際、『もう辞めようかな』と悲鳴を上げている有能な秘書もいます。
これ以上、堪えられないのでしょうね」
 19年、彼女の秘書は、さらなる「堪え」を要求される1年になりそうだ。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年1月3・10日号
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2019年01月26日

医師が教える、インフルエンザの知られざる予防法

医師が教える、インフルエンザの知られざる予防法
…罹ったときの間違った対処法
2019.01.25 Business Journal
石原結實
イシハラクリニック院長、医学博士

 38.0℃以上の発熱が突飛に発現し、全身の節々の痛みがあり、「いつもの風邪と感じが違う」と思ったら、すぐ病院で受診して抗インフルエンザ薬を処方してもらう必要がある。
発病して48時間を過ぎウイルスが細胞内に潜り込んでしまうと、薬が効かないからだ。

 ただし、インフルエンザは予防をするほうが大切である。
インフルエンザ・ウイルスの主な感染経路は、「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」の3つである。

よって、予防法としては以下が知られている。
(1)マスクの着用…飛沫感染を防御
(2)緑茶による「うがい」…緑茶に含まれる「カテキン」に抗ウイルス作用がある
(3)手洗い…石鹸で手首、手の甲や手のひら、手指、爪まで入念に洗う。アルコール消毒ならもっと短時間ですむ
(4)ドアノブ、スマホ、パソコン、机の上でインフルエンザ・ウイルスは1〜2日生存するので、アルコールで消毒する

 このほかには、以下などの励行も大切である。
(5)室内に加湿器を設置…乾燥するほどウイルスの感染力が高まる
(6)十分な睡眠…寝不足は免疫力を低下させる
7)ウォーキング、ストレッチなどの心地よい運動…マラソンなどの競技を目的としたハードな運動は免疫力を低下させることがあるが、「心地よい」「うっすらと汗ばむ」程度の運動は免疫力を上げる  

しかし、一般の医学が指摘、指導しない重要な予防法として、「食べすぎを避けること」がある。
 風邪、インフルエンザ、胃腸病その他ほとんどの病気で、「食欲不振」が発現する。
そんなとき一般の人たちも、医師たちでさえも、「体力をつけるために無理してでも食べるように」と、食を強要することがほとんどだ。
 しかし、これは愚の骨頂である。

神様が我々人間をはじめ、動物に与えてくださっている病気を治す方法は究極的には「食べないこと(食欲不振)」と「発熱」の2つしかない。
犬や猫が病気をすると「一切食を拒み、数日すると元気になる」
様子を目の当たりにした人は少なくないだろう。

「食べたくないときは食べない」
 話は旧聞に属するが、米国ミネソタ大学医学部の教授だったM・J・マレイ博士は1975年に飢饉のサハラ砂漠を訪れ、遊牧民に食糧を与えたところ、「しばらくして突然にマラリアやブルセロージス、結核などの感染症が起こってきた」ことを経験したことから「栄養過多が感染症を誘発するのではないか」
「我々が食べる食物中の栄養素は、我々の体の維持よりも、病原菌の分裂、増殖のほうにむしろ利用されているのではないか」と考えるに至った。

その後、種々の実験を繰り返した同教授は「感染症をはじめ、病気にかかったときには食欲不振に陥るが、これは体の防御機構の表現である」という論文を米国臨床栄養学会誌に発表した。

その実験の概要は、次のようなものだ。
 ネズミ100匹を4群に分ける。その4群を何も感染していないネズミと、腹腔内に病原菌を注射して無理に病気を起こさせたネズミの2群に分ける。その2群ずつを、さらに自由に食べさせる群と、チューブを胃に入れて無理に食べさせる群に分けて、死亡率と平均生存日数を観察した。
結果は「表」のようになった。
 種々の病気で食欲のないときに「体力をつけるために」という理由で無理に食べることがいかに悪いか、かえって、病気を悪化させたり、死期を早めたりすることがある、ということを雄弁に物語っている。

 マレイ教授も結論として「食欲不振は自分自身の体の防御反応に重要な働きを果たしている」と喝破している。
 2016年、日本の大隅良典博士に与えられたノーベル医学・生理学賞は同博士の「Autophagy(自食作用)」の理論に対してである。
人体を構成する60兆個の細胞は、年齢を重ねるとともに、その細胞内に「古いタンパク質」「老廃物」「ウイルス」などが蓄積されてくる。
「空腹」のときや絶食すると、こうした「有害物」を細胞自身が処理してしまう現象が「Autophagy」である。
つまり空腹(食欲不振)のとき、細胞に潜り込んだインフルエンザ・ウイルスも「自食」されてしまうことを示唆している。  

よって、インフルエンザの予防や、不幸にして罹患したとき(抗インフルエンザ薬は服用しつつ)にも「食べたくないときは食べない」ことだ。
ただし人体60兆個の細胞は、糖分だけで活動しているのだから、体を温める作用のある熱い紅茶にハチミツや黒砂糖を加え、免疫力増強作用や殺菌・抗ウイルス作用、解毒作用を有する生姜(の辛み成分=ジンゲロン、ジンゲロール)のすりおろし、または粉末を足した「生姜紅茶」を1日3〜4杯飲まれるとよい。

インフルエンザ予防になるし、もちろん、かかったときも早めの治癒を促してくれるはずだ。
 なお紅茶の赤い色素「テアフラビン」には強力な抗インフルエンザ作用があることも確かめられている。 

ニュースサイトで読む:
https://biz-journal.jp/2019/01/post_26394.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
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2019年01月27日

安倍首相は「毎月勤労統計」不正を知っていた?

安倍首相に「勤労統計」不正知りながら予算閣議決定していた可能性が…
真相隠ぺい、根本厚労相に責任押し付けか
2019.01.26 LITERA編集部

 調査報告書の公表から、わずか2日。
「毎月勤労統計」の不正調査問題で、根本匠厚労相は25日、特別監察委員会の聞き取り調査をやり直すと発表した。
特別監察委員会を「第三者委員会」と位置づけていたにもかかわらず、聞き取り調査の一部が身内である厚労省職員だけでおこなわれていたなど「お手盛りの報告書」だったことが、24日おこなわれた衆参厚労委員会の閉会中審査においてあきらかになったためだ。

 この問題は、国とって重要な基幹統計で不正調査がおこなわれ、約2000万人が雇用保険や労災保険などを560億円以上も過少給付されていたという、政府による国民への重大な裏切り行為だ。
だが、その不正調査のための調査で、なおも国民を欺こうとは──。
もはや政府の発表に信頼のカケラも見当たらない。

 しかし、24日の厚労委員会で気になった点は、まだある。
それは、「安倍首相はいつ不正調査について知ったのか」という問題だ。
 根本厚労相の説明では、昨年12月20日に「東京都が全数調査としていたところを抽出になっていた。
そして、それを復元していなかった」という報告を厚労省の大西康之政策統括官から受けた。
だが、根本大臣はそのとき「徹底的に調査しろ」と命じただけ。秘書官を通じて安倍首相に報告を上げたのは12月28日だった……と言うのである。

 全数調査をおこなうべきところを抽出調査しかしていなかったということは統計法違反であり、予算の組み替えも必要になってくる深刻な事態だ。
普通に考えれば、すぐさま安倍首相および官邸に報告する重大案件だろう。

にもかかわらず、約1週間も安倍首相に報告しなかった理由について、根本厚労相はこう述べた。
「12月27日までに……実際の、たとえば雇用保険などの我がほうのもつ統計、あるいは国民経済計算などに影響がある、つまり実際の平均賃金が変わる可能性あるということを、報告を受けました」
「12月27日までに」という曖昧な言い方もなんだかなあと思うが、とにかく、根本厚労相は影響の大きさについて知ったのがさらに1週間後だったため、安倍首相への報告が遅れたというのである。

 しかし、これは明らかにおかしい。
そもそも、12月10日の段階で総務省の統計委員会は〈500人以上の事業所群で不自然な数値の上振れが見つか〉ったとして厚労省に照会(西日本新聞1月12日付)。
13日には、厚労省は同委の西村清彦委員長との打ち合わせの際に東京都での抽出調査を口にし、西村委員長が「抽出調査は重大なルール違反」と指摘している。

 少なくとも昨年12月13日には問題の深刻さを厚労省は把握しており、根本大臣への報告の際にどれほどの影響が出るのかを伝えていなかったということはありえないのだ。
 どうみても、根本厚労相は20日の段階で、影響の大きさを把握していたと考えるべきだろう。

そして、だとしたら、普通に考えて根本厚労相はその日のうちに安倍首相および官邸に報告しているはずだ。
 にもかかわらず、根本厚労相は安倍首相に報告したのは「28日」だったと言うのだ。
12月28日は、朝日新聞が朝刊1面でこの不正調査問題をスクープした日だ。
根本大臣はこんな大事な問題を朝日新聞に報じられるまで一切報告しなかったというのだろうか。

 これについて、永田町周辺では「根本大臣は安倍首相をかばうために嘘をついているのではないか」という見方が広がっている。 」

安倍首相が毎月勤労統計の報告を受けていてはまずい理由
 実は、安倍首相には、根本厚労相から即刻、勤労統計の不正を知らされていてはまずい理由がある。
根本厚労相が不正調査の報告を受けた翌21日、政府は2019年度当初予算案を閣議決定しているのだ。
もし、20日に安倍首相に報告していたと言えば、安倍首相は予算の組み替えが必要な大問題があったことを把握しながら、予算案を閣議決定していたことになってしまう。
そこで、安倍首相に責任が及ばないよう、朝日新聞が報じた28日に報告したということにしたのではないのか。

 安倍首相は、加計学園問題でも、倫理違反や収賄罪に発展する恐れがあることから、獣医学部新設計画について知ったのは「国家戦略特区の事業者に決定した1月20日」だと言い張ったが、これと同じにおいがぷんぷんするのだ。
 しかも、根本厚労相と安倍首相は、かなり親密な関係にある。

90年代に根本氏と安倍氏は、石原伸晃氏や塩崎恭久氏とともに「政策新人類」と呼ばれ、4人の頭文字をとった「NAISの会」を結成。
99年には「『年金なんかこわくない』──政治家なら、こう説得する」なるパンフレットをつくって年金制度改革の旗振り役を一緒に務めた。
そして、第一次安倍内閣が発足すると安倍首相は根本氏を首相補佐官に任命するなど、関係はさらに親密に。

現在発売中の「週刊文春」(文藝春秋)でも、安倍首相が「ポストを取りに来る政治家は数多いるが、譲ってくれる政治家は根本さんぐらい」と言っていたエピソードが掲載されている。
 安倍首相はこうした関係を使って、いつものごとく、自分の責任に頬被りしようとしているのではないのか。

 通常国会では、安倍首相の責任についても徹底した追及が必要だろう。
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2019年01月28日

決断力を磨くためには現場の修羅場も必要だ

決断力を磨くためには現場の修羅場も必要だ
サントリー新浪社長が培った意思決定力
2019/01/27 東洋経済オンライン
常井 宏平 : 編集・ライター

人は誰しも日々大小さまざまの意思決定をしているが、すぐれた決断をするのはなかなか難しいもの。
しかし、決断力は手順を正しく学ぶことで確実に磨かれ、人生を切り拓いていくための糧にもなると、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで意思決定や交渉についての人気講義を担当する印南一路氏は言う。

このほどその本質をまとめた『サバイバル決断力』(NHK出版)を上梓した。
すぐれた決断をするためには、何が必要なのか? 
印南氏の横浜翠嵐高校時代の同級生で、グローバルに展開する企業のトップとしてさまざまな決断をしてきたサントリーホールディングス社長・新浪剛史氏との対談で、その秘訣を聞いた。
***************************
成功の保証はないけど意思決定するのが「決断」

――『サバイバル決断力』では「意思決定」や「決断」の重要性を述べていますが、そもそもこの2つにはどんな違いがあるのでしょうか?

印南意思決定は、ひと言でいえばいくつかの選択肢の中から「判断」して「選択」することです。
判断するために客観的な情報収集を行い、それをもとに成功する確率を計算するなど、さまざまな角度から分析して選択します。
決断は意思決定に含まれますが、中でも不確実性があって成功する保証はないけど、一定のリスクを取って意思決定することを指します。
企業の新規事業への進出やM&Aなどもそうですが、個人でいえば結婚や転職なども「決断」の部類に入るといえます。

新浪君は今までに大きな決断をいくつもしています。
商社時代に留学のための休職制度がない状況下でハーバード大学への留学を決意したこともそうだし、商社を辞めるとき、サントリーの社長に就くとき……etc。
まさに「決断のプロ」だね(笑)。

新浪:いやいや、今でも決断する自信があるかといえばないものですよ(笑)。
そうはいっても経営者の立場にあるから、プロとして日々決断をしています。
今、決断したことが将来正しいかどうかはわからない。
だけど、一度決めたら躊躇せずにいくようにしています。
もちろん、すべての決断が成功してきたわけではないし、失敗することもありました。

でもそれが糧になって次の意思決定や決断につながった部分はありましたね。

印南:『サバイバル決断力』の巻末では、「モタ先生」こと精神科医の斎藤茂太先生(1916〜2006)の「人生に失敗がないと、人生を失敗する」という言葉を紹介しているけど、まさしくその言葉どおりだね。

新浪:僕は若いうちから決断が迫られる立場に立たせてもらったけど、それがよかった。
自分で決断する状況に追い込まれないと、決断力は身に付きませんからね。
早いタイミングだったので、失敗しても取り返しがつく。

決めるときにはいろんな助言や示唆をもらい、毎日スピーディーに決断し、意思決定したときにはそれを論理立てて説明する。
それをずっと積み重ねてきて、今があるのだと思います。
MBA取得のためのビジネススクールでは竹光(竹を削ったものを刀のように見せたもの)は与えてくれるけど、それを本物の刀にしていくには決断を重ねていかないといけない。
だから僕は、決断力というのは現場の修羅場で最も身に付くものだと思っています。
意思決定はトレーニングで鍛えられる

――経営者として意思決定や決断をするうえで、難しいと感じることはどれくらいありますか?

新浪:それはもう、難しいことだらけですよ(笑)。
ときには朝令暮改ならぬ「朝礼朝改」をしたこともありますから。
でもそれは、損失をなくすために行ったものなので、一般的には恥ずかしいかもしれませんが、僕自身は恥ずかしいとは思わなかった。

印南:僕は意思決定などを教える立場にあるけど、そういうメンツにとらわれない決断ができる人は本当に少ないですよね。高校の頃から新浪をみているけど、本当に合理的だし、戦略的。
そして人間が熱い。
大きな決断をするために必要な要素がそろっていますね。
決断するときに悩むことで人間力が身に付く

新浪:よく知っているね(笑)。
でも思うに、決断をしていくうえで悩んでいるから人間力ができていくのかなと思います。
それを避けていたら、いつまで経っても人間力は培われない。

僕は2014年の10月にサントリーの社長に就任しましたが、会長(佐治信忠氏)をみていると、やはり相当大きな決断をしていますね。

印南 簡単にできそうだけど、メンツやプライドがあるから割とできないんですよね。
批判するのは簡単だけど、批判を受けるのを覚悟で軌道修正するのは、なかなか大変です。

新浪:日本の企業はどうしても人間関係を重んじがちになるので、僕は先の第二次世界大戦で軍部や政府が行った決断を、日本人はいまだにしているのではないかなと思っています。
「大本営が決めたことだから仕方がない」という感じで、間違っていると感じていても従ってしまう。
それで失敗しても、誰も責任を感じない。
その辺が日本の弱いところなのかなと思います。

――印南先生は大学で意思決定についての講義を担当していますが、学生もトレーニングで決断力が身に付いていると思われますか?

印南:誰でも意思決定はできますが、すぐれた意思決定をするのは難しいというのが私の実感です。
経験は必要不可欠ですが、経験任せで学べるものでもありません。
『サバイバル決断術』で書いたように、意思決定のフォーマット(フィルター)に従って、どれくらい意思決定が重要なのか、意思決定するための選択肢をどう創り、どう評価するのか、意思決定の結果から何を学ぶのか、などの思考プロセスをルーティン化するよう教えています。
こういう部分はトレーニングで十分鍛えられます。
ただし、最終的に決断するのは本人なので、本当にできるかどうかというのは、実際に決断を求められる局面に立たないとわかりません。
ちなみに、僕が教えている学生は起業志向が強いですが、そういう子は決断力に富むことが多いですね。

人事に根回しは必要ない
新浪:経営を学びたいのであれば、経営学を学ぶよりも自分で起業して実戦の舞台に立ったほうが身に付くし、若い頃に失敗しても傷が浅いからね。

印南:人生は思うようにいかないところがあるけど、1つの決断が予想外の展開を生み、次の決断を呼び込むことがあります。
僕自身も大学受験に失敗し、裁判官を目指して勉強したものの、これも司法試験に失敗。
銀行に就職しましたが、そこから厚生労働省に出向して医療政策に興味を持ち、留学して意思決定分野に関する博士論文を書いたのを機に意思決定論がもう1つの専門になりました。
もちろん、その時点で最善の決断をする努力をすべきですが、いったん決めたら後ろは振り返らず、どういう行動をするのかを考えて実践するのが大事です。
十分計算したうえでのことなら、思い切ってリスクをとるほうが後悔は少ないはずです。

――組織での意思決定で気をつけないといけないことは何でしょうか?

印南:日本の組織だと意見の対立を嫌い、満場一致を好むイメージがありますが、一方で、ユダヤ社会には「むしろ満場一致の意見には気をつけるべき」という鉄則があります。
大きな意思決定になるほど現状認識や将来予測、意見に不一致があるのは当たり前で、どうしてその違いがあるのかを議論して深めていく過程が大事だからです。
そして、意見を戦わせたうえで、最終的に誰かが責任をもって決断するのがベストの意思決定です。

ところが、日本の場合は多数派工作をするために根回しをして、会議が始まるときにはすでに意見の大勢が決まってしまっている。
皆それに逆らうのは怖いから、「心の底でこれはよくない」と思っていても反対意見は言わない。
自己検閲するのです。
意見自体の根拠を深めていないから、その意見に乗っかって集団として大きく失敗することもあります。
もちろん、収めるところは収めないといけないので、根回しが必要な場面というのもありますけれど。

新浪:決断したあとにそれをインプリメンテーション(実践)しますが、現場との間にわだかまりがあると事がうまく進みません。
そのため、現場の方たちとの根回しや腹落ち(納得させること)も大いに必要です。
特に実践に関わる人が反対派だった場合には、より対話に時間をかけないといけません。

一方で、人事に関しては根回しの必要はありません。
人事は組織においてのメッセージだから、妥協したら組織がおかしくなってしまいます。
ただ、どうしてこういう人事になったかというのは、周囲が「明確な理由はないけれども、わかる」と納得できる人事をやらないといけません。

リーダーは組織の成長を自らが担っているという認識を
印南:人間関係が傷つくのを恐れて意見を言わなかったり、いわゆる忖度(そんたく)をしてしまう人もいるけど、リーダーがそんな感じで決断するのは組織にも悪影響を及ぼしてしまう。

新浪:リーダーというのはかっこいいとか全然そんなことはなくて、結構つらいもの。
でも最終的には、組織の成長を自らが担っているという認識を持たないといけない。
自分のお気に入りだけを下に置いておけば楽かもしれないけど、それでは組織がおかしくなってしまう。
嫌がられることであっても、先のことを考えて決断する意識を持つことが、今のリーダーには求められているのです。

――最後に、AI(人工知能)がさまざまな分野で活躍していますが、今後、人間社会でAIはどのような意思決定を担うと思いますか?

新浪:AIはマシンラーニング(機械学習)の部分では有効で、情報整理などには非常に役立つと思います。
ただし、ディープラーニング(深層学習)の部分になると意思決定のプロセスや根拠が見えないブラックボックス化する危険性があり難しい部分でもあります。
とはいえ、まず使ってみるのはいいと思います。

印南:AIは大量のデータがあれば予想の精度が高まっていきます。
基本的には与えられたデータの範囲内での推論は得意としますが、データの範囲外の推論が正しいかどうかはわかりません。AIの判断結果を無条件に信頼するのではなく、AIの判断がどれくらい良いかを恒常的に検証する必要が出てきます。
今後AI時代が到来すれば、AIが判断する場面も増えてきますが、クリエイティブな判断や倫理的な判断は難しいのではないでしょうか。
そのため、最終的に意思決定するのは人間の役目だと思います。

新浪:何でもかんでも機械任せのリーダーじゃ、誰もついてこないからね(笑)。AIは意思決定のサポートにはなるけど、最後の決断は人間が行う。人の組織の上に立つという点では、そうあるべきではないかなと思います。

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新浪 剛史(にいなみ たけし)
/1959年神奈川県生まれ。
慶應義塾大学卒業後、三菱商事入社。
ハーバード・ビジネススクール修了(MBA 取得)。
43歳で三菱商事からローソン社長に転じ、11期連続で営業増益を達成。
ローソン取締役会長を経て、2014年にサントリーホールディングス株式会社代表取締役社長。
高校時代はバスケットボールのスター選手として活躍


印南 一路(いんなみ いちろ)
/1958 年神奈川県生まれ。
慶應義塾大学総合政策学部教授。
専門は医療政策と意思決定・交渉領域。
東京大学法学部卒業、富士銀行(現みずほ銀行)、厚生労働省勤務ののち、ハーバード大学行政大学院、シカゴ大学経営大学院で学ぶ。
シカゴ大学経営大学院助教授やスタンフォード大学留学などを経て、2001 年より現職。
著書に『すぐれた意思決定』(中公文庫)などがある
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2019年01月29日

「ずっと体調悪い人」が知らない調子の整え方

「ずっと体調悪い人」が知らない調子の整え方
大事なのは自分の「調子の波」を観察すること
2019/01/28 アルファポリスビジネス編集部

臨床に携わる一方、TVやラジオ番組でのコメンテーターや映画評論、漫画分析など、さまざまな分野で活躍する精神科医・名越康文氏による連載「一生折れないビジネスメンタルのつくり方」。
エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。
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「身体と心を整える」簡単エクササイズ
仕事がうまくいかないとき、やる気が出ないときに、気分転換をする人は多いと思います。
インターネットで動画を見る人もいれば、マッサージ屋さんに行く人もいるでしょう。
あるいは漫画を読んだり、おいしいものを食べたりと、気分転換の方法は人それぞれだろうと思います。

ただ、数ある気分転換の方法の中でも、私がお勧めするのは、「身体を動かす」ことによる気分転換です。
スポーツジムに行ったり、ジョギングをしたりといった本格的なものもありますが、デスクの周りで手足を伸ばしたり、首や肩、足首などをゆっくり、大きく回すなど、ちょっとした体操やストレッチも効果的です。

なぜ、身体を動かすことがいい気分転換になるのか。
それは、身体と心は「一体」だからです。
不安や怒り、ねたみや焦りを感じているとき、私たちの身体には必ずどこかに、不自然な緊張やこわばり、鈍い痛みなどの違和感が生じています。

逆に、全身がリラックスしているときには、私たちはネガティブな感情にとらわれることはありません。
身体と心が一体であることは、次のような簡単なエクササイズでも確かめることができます。

まず、蹲踞(そんきょ)という姿勢を取ってみましょう。
つま先立ちでしゃがむ、お相撲さんや剣道の人が、試合の前にやっている姿勢です。
やってみるとわかりますが、この姿勢を取ること自体が、西洋式の生活になじんだ現代人にとっては意外に難しいものです。

やり方は極めて簡単、蹲踞の姿勢でどれくらいの時間、安定を維持できるかを試してみるわけです。
年齢によっても違いますが、少しでも心ここにあらず、つまり何かを上の空で考えた瞬間、バランスを崩す人が多いのではないでしょうか。
特に心に不安があったり、心配事があって落ち着きのないときには、10秒もしないうちにバランスを崩し、姿勢を維持することができなくなってしまいます。

心の乱れは、体の乱れにつながる
蹲踞の姿勢を取るとき、私たちは身体の重心を背筋に沿って真っすぐ降ろすことでバランスを取っています。
心が乱れていると、必ず身体の重心の位置も乱れます。
そうするとすぐさま、蹲踞の姿勢は崩れるのです。
つまり、蹲踞の姿勢をどれくらいの時間保てるかということで、そのときの精神状態の良し悪しを、ある程度、測ることができるのです。

また、これは逆も成り立ちます。
つまり蹲踞の姿勢をしばらく維持することによって、心はある程度落ち着くのです。

焦りと不安が「調子を落とす」ことにつながる
特にデスクワークの方にありがちですが、仕事に夢中になっていると、自分の心身の調子の変化に気づきにくくなります。
自分では無理をしているつもりはなくても、疲労をたくさんためて仕事をしている人は少なくありません。
そういう人は、目をつむって、自分の身体を観察してみてください。
呼吸が浅くなっていないか、背中がこわばっていないか、肩に力が入りすぎていないか……。

肩にどれくらい力が入っているか、胃腸に違和感はないか、姿勢が崩れていないか……。
特に身体を観察してみて驚くのは、体の中にはいつもどこかにかすかではありますが、「痛み」や「痺れ」や「気持ち悪さ」というものがあり、それが絶えず現れたり消えたりしていることです。

初めはあまりコツがつかめないかもしれません。
でも何度か試みているうちに、あるときフッと、体の中の動きを捉えられるようになるでしょう。

焦りや不安で精神状態が悪いときというのは、必ず身体のどこかに、その兆候が出ています。
そして、その兆候を、実際に症状が出る前に感じ取れるようになると、不思議なことに、毎日ほんの5分でも目をつむって観察しているだけで、しだいに身体の調子が崩れにくくなり、好不調のブレがなくなり、仕事のパフォーマンスが底上げされてくるんです。

先ほど述べたように、自分の身体を観察すること自体、身体の調子を整える力強い作用があります。
しかしそれだけではありません。
もう1つ、仕事のパーフォマンスを確実に上げる要因があります。
それは、自分の心身の調子をモニタリングすることによって「不安」が軽減されるからです。

調子の悪いときというのは、私たちは「調子の悪い自分」を「自分の実力」だと思い込んでしまいがちです。
「こんな簡単なミスばかりをしている自分は、仕事ができないダメな人間ではないか」
「この仕事には向いていないんじゃないか」
実際、ミスを繰り返したり、仕事の成果も上がっていなければ、こういう不安にとらわれるのも無理はありません。
しかしながら、この「不安」こそが、実は「調子を落とす」最大の原因なのです。

どんな人であっても好不調の波がある
本当は、どんな人であっても、好不調の波があります。
つまり不調は固定したものではなくて、時間の波の一部なのです。
どれほど調子が悪くても、ずっと悪いままではありません。
いつか必ず、いや、案外早い時期に調子は上向いてきます。

ところが、「自分は仕事ができない人間なんじゃないか……」という不安が強すぎると、ちょうど心に悪いイメージの“レッテル”を貼ってしまうような効果が生じて、不調が続いてしまいやすくなります。
また、こういう不安にとらわれているときは「なんとか挽回しなければ」と焦って余計な仕事に手を出し、かえってミスを招き、さらに自信を失ってしまうという悪循環に陥ることも少なくありません。

調子を落としているときに必要なことは「このまま不調が続くのではないか」という不安を払い、「なんとかなるさ」という、ある種の楽観主義を持つことです。
ただし、不安を払うためには「不安はよくないのだ」などと“心がけ”るだけでは、十分な効果は期待できません。

それよりは、ほんの10分ほどでも休憩して、その間に深呼吸を数回する、身体を動かす、お茶やコーヒーブレイクをする、など具体的に節目の時間を持つのがよいのです。

そうして一度でも不安の軽減を実際に経験すれば、再び不調で落ち込んでしまっても、
(1)これは本来の自分ではない
(2)不安から解放された明るい自分に戻ることができる
という2点を、筋道を立てて思い出すことで不安は減少します。

こうして1日のうちで不安に陥る時間が減少していけば、不調に陥る回数自体も減っていきます。
なぜなら、「このままずっと、調子が悪いままだったらどうしよう」という底なしの不安こそが、実は不調を引き起こす、最大の原因だからです。

「いまは確かに調子が悪いけれど、時間が経てば必ず、いい時がやってくるさ」という楽観的な希望を信じる。
その信じる根拠となる鍵が、自分の心身の状態をモニタリングすることなのです。

心身の状態を常日頃からモニタリングしていると、自分の調子の「波」が把握できます。
1日の間の変化はもちろん、1週間、1カ月……、といったまとまった期間の「波」を自分なりに把握することができれば、多少調子を落としたところで、「また調子が上向いていく」ということを信じられるようになるのです。

「調子の波」を捉える練習
自分なりに「調子の波」を捉えておくことは、長期的に仕事のパフォーマンスを高いレベルで保ち続けるためには大切な習慣です。
ただ、調子の波を感じ取るには、ある程度、自分自身を観察する「訓練期間」が必要です。

先に述べたとおり、身体の違和感を手がかりに、自分の調子の変化をチェックすることを日々の習慣のなかに取り入れてみてください。

たとえば1日のうちで、午前中と午後の調子の違いを比べてみる。
お昼ご飯を食べた後すぐと、数時間後の調子はどうか、人と会う前と、会った後ではどう変化しているか……。
あるいは1週間のなかでどう変化しているか、1か月周期でみるとどうか……。

「調子の波」がわかりづらい場合
「調子の波」というのがどういうものかわかりづらい、という人は、風邪を引いたときなど、体調を崩したときにこそ、自分の体調の変化(体の内側の変化)を観察してみてください。

というのも、調子が悪いときというのは、「波」が大きくなり、観察しやすくなるからです。
熱が上がっていくときのだるさ、しんどさ、関節のこわばりの変化を観察してみる。
そうすると病気のときでも、ただ痛みやだるさやしんどさが物質のようにそこにあるのではなくて、たとえばたった5分でも、特にズキンズキンと痛いときと、そうでもなくて少し軽快してぼんやりしているときとが繰り返し訪れていることがわかります。
そうやって自分の身体の状態に生じる「波」を観察することで、だんだんと心身の調子の「波」を感知するセンサーが磨かれていきます。
「苦痛は波を描く」ということを知っていると、それだけでかなり楽になります。

それは結局、「この苦しさが“ずっと続いたら”どうしよう」という不安がいつのまにか軽減するからです。

まずは「睡眠と運動」から
いくら調子の波を捉えても、どうしても調子が低下してしまうことももちろんあります。
そういうときに手をつけるべきことは「睡眠」と「運動」、その次には「栄養」です。
この順番は、大半の日本人にとっては、ということです。

ここでは詳しく述べませんが、3つ目の栄養については、特に野菜嫌いの人は要注意です。
そこだけはチェックしてくださいね。
さて、特に睡眠は何よりも大切です。
質のよい睡眠を取ることさえできれば、たいていの不調は解消されてゆくとさえ言えると思います。
では、質のよい睡眠に必要なことは何か。

いくつかあるのですが、最近、質のよい睡眠のために重要だということがわかってきたのが「午前中の運動」です。
質のよい睡眠のためには、副交感神経優位の状態で睡眠に入ることが必要なのですが、副交感神経を働かせるメラトニンという脳内物質は、運動をした15時間後に分泌されることがわかっています。

つまり、夜23時頃に就寝する人は、朝7〜8時頃に運動しておけば、就寝しやすくなるというわけです。
また、朝、身体を動かしておくことは、その日1日のパフォーマンスを上げるうえでも、重要なポイントです。
朝起きたときに気持ちが沈んでいると、その日1日の仕事のパフォーマンスが低下します。

私自身、朝起きたときに、軽いうつ状態といっていいぐらい、気分がすっかり落ちこんでしまっていることがあります。
人生に対する強い空虚感があって、世界が色あせて見えてしまうのです。
そういうときでも、15分ほど体操をして身体を動かしているうちに、いつのまにか何事もなかったかのように気分がよくなり、調子を取り戻すことができることを実感しています。

ヨガでもピラティスでもラジオ体操でも、自分に合ったものでかまいませんが、朝の運動のコツは、いきなり全身を動かすのではなく、「身体の末端」から少しずつ、順を追って動かすことです。

そういう意味で、私は足助體操(あすけたいそう)という体操を毎朝やっています。
これはとても理にかなっていて、簡単で安全で、体調が整います。
たとえば朝目覚めたら、足首を左回し右回し各10回ほど、ゆっくりと回してみてください。
そうやって少し身体が温まってきたら、次に違うストレッチ系の動きをやってみればよいと思います。

朝からしっかりと身体を動かし、まとまった時間、質の良い睡眠を取ること。そうすれば、心と身体の調子は確実に上向いて行きます。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(3) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月30日

水道事業、種子法、北方領土……。安倍政権が進めた政策から見えてきたもの

水道事業、種子法、北方領土……。
安倍政権が進めた政策から見えてきたもの
2019/01/28 ハーバービジネスオンライン
文/適菜収(作家。哲学者)

この30年にわたり、構造改革による国の解体を急激に進めてきた連中がいる。
 彼らは政治に寄生する形で、自分達の利権を確保してきた。
そして思考停止した社会の中で、複数の宗教団体や外国の力を利用しながら、日本を乗っ取ってしまった。
反日勢力、売国勢力がいつも同じ衣装をまとっているわけではない。
連中もそれほどバカではない。
それに気づかないのがネトウヨや自称「保守」という情弱である。

◆安倍政権がどうみても「売国」である理由
 すでにメッキの皮は剥がれているが、安倍晋三は保守ではなくて、構造改革論者のグローバリストである。
2006年9月26日の第一次政権の総理就任演説では、小泉構造改革路線を「しっかり引き継ぎ」、「むしろ加速させる」と発言。
 2013年7月には、シンガポールで「岩盤のように固まった規制を打ち破る」ために、自分は「ドリルの刃」になると述べ、「規制改革のショーケースとなる特区も、総理大臣である私自身が進み具合を監督する『国家戦略特区』として、強い政治力を用いて、進めます」と発言。
 同年9月にはニューヨークのウォール街で、自分が規制緩和により、障壁を取り除くから、日本を買うなら今だと訴えた。  

2014年1月の世界経済フォーラム年次会議(ダボス会議)では、徹底的に日本の権益を破壊すると宣言。
電力市場の完全自由化、医療の産業化、コメの減反の廃止、法人税率の引き下げ、雇用市場の改革、外国人労働者の受け入れ、会社法の改正などを並べ立て、「そのとき社会はあたかもリセット・ボタンを押したようになって、日本の景色は一変するでしょう」と言い放った。

 この“ファミコン脳”の言葉通り、戦後わが国が積み上げてきたものは、わずか6年で完全にリセットされた。
左翼も麻原彰晃も、安倍の足下にも及ばなかった。
仕舞いには安倍は「我が国がTPPを承認すれば、保護主義の蔓延を食い止める力になる」などと言いだした。 

 外国勢力が放送を乗っ取るようにお膳立てしたのも安倍だった。
放送法4条の撤廃を目指した放送制度改革で、安倍は、外資が放送局の株式を20%以上保有することを制限する規定の撤廃を目論んでいた。
水道事業を売り飛ばそうとしたり、種子法廃止を押し通したり。
ロシアにカネを貢いだ上、北方領土の主権を棚上げ、日韓基本条約を蒸し返して韓国に10億円を横流しした。
「移民政策はとらない」と大嘘をつきながら、国の形を完全に変えてしまう移民政策を推し進めた。
結果、日本はすでに世界第4位の移民大国になっている。

 安倍がやっていることは、一昔前の「保守論壇」が厳しく非難してきたものばかりだ。
 その妥当性はともかく、村山談話・河野談話を踏襲し、 憲法九条第一、二項を残しながら、第三項を新たに設け、自衛隊の存在を明記するという意味不明の加憲論により、改憲派が積み上げてきた議論を全部ぶち壊した。

さらには、震災の被災者の方々に寄り添う天皇陛下のものまねをして、茶化して見せた。
 安倍は、ポツダム宣言を受諾した経緯も、立憲主義も、総理大臣の権限もまったく理解しないまま、「新しい国」をつくるという。
そもそも、「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」などという「保守」がいるはずがない。

安倍信者の中では国益や国辱にこだわる時代も過ぎ去ったのだろうか?
 国会でも外交の場でも安倍は平気な顔で嘘をつく。
漢字も読めなければ、政治の基本もわからない。
自衛隊の日報隠蔽、裁量労働制のデータ捏造、森友事件における公文書改竄……。
政策立案などに使われる「基幹統計」もデタラメだった。

「消費や人口、学校など、いずれも私たちの生活と密接に関わる56の『基幹統計』のうち点検の結果、約4割にあたる22で間違いがあった」(「ロイター」1月25日)。
 財務大臣の麻生太郎は「日本という国の信頼が、そういった小さなところから崩れていくのは避けなければいかん」と言っていたが、なにが「小さなところ」なのか?
 要するに、国家の根幹がデタラメなのである。

◆安倍信者のメンタリティー
 状況を嘆いているだけでは仕方ないので、なぜこのような政権が続いているのかについて述べておく。

 一つは現実を見たくない人が多いからだろう。
「日本を破壊したい」という悪意をもって安倍政権を支持している人間はごく一部であり、ほとんどは無知で愚鈍だから支持している。
左翼が誤解しているように安倍を支持しているのは右翼でも「保守」でもない。
そもそも右翼が4割もいるわけがない。
安倍を支持しているのは思考停止した大衆である

 大事なことは、安倍にすら悪意がないことだ。
安倍には記憶力モラルもない。
善悪の区別がつかない人間に悪意は発生しない。
歴史を知らないから戦前に回帰しようもない。
恥を知らない
言っていることは支離滅裂だが、整合性がないことは気にならない。
中心は空っぽ
そこが安倍の最大の強さだろう。
たこ八郎のノーガード戦法みたいなものだ。そして、中身がない人間は担がれやすい。

 ナチスにも一貫したイデオロギーはなかった。
情報機関は常に攻撃の対象を用意し、社会に鬱積する不満やルサンチマンをコントロールする。
大衆と権力機構の直結。
20世紀以降の「悪」は純粋な大衆運動として発生する。
 空気を醸成するためのテンプレートはあらかじめ用意される。

「安倍さん以外に誰がいるのか」「野党よりはマシ」「批判するなら対案を示せ」「上から目線だ」。
ネトウヨがこれに飛びつき拡散させる。
ちなみにネトウヨは「右翼」ではない。
単に日々の生活の不満を解消するために、あらかじめ用意された「敵」を叩くことで充足している情報弱者にすぎない。

 安倍政権が引き起こした一連の惨状を、日本特有の政治の脆弱性の問題と捉えるか、
近代大衆社会が必然的に行き着く崩壊への過程と捉えるかは重要だが、私が見る限りその両方だと思う。

前者は戦前戦中戦後を貫く日本人の「改革幻想」や選挙制度についての議論で説明できるし、
後者は国際社会が近代の建前を放棄し、露骨な生存競争に突入したことで理解できる。
 いずれにせよ、こうした中で、わが国は食いものにされている。

 対米、対ロシア、対韓国、対中国、対北朝鮮……。
すべて外交で失敗しているのに、安倍信者の脳内では「外交の安倍」ということになっているらしい。
たしかに海外では安倍の評価は高い。
当たり前だ。
安倍の存在によって利益を得ている国がケチをつけるわけがない。
プーチンにとってもトランプにとっても、北朝鮮にとっても中国にとっても、安倍政権が続いていたほうが都合がいいのだ。  

結局、負けたのはわれわれ日本人である。
 北海道のある大学教授が「このままでは国は滅びる」と言っていたが、状況認識が甘い。
日本はすでに滅びているのだ。
これから日本人は、不道徳な政権を放置してきたツケを払うことになるだろう。


適菜収(てきなおさむ)
●1975年山梨県生まれ。作家。哲学者。
大衆社会論から政治論まで幅広く執筆活動を展開。
近著に『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか』(講談社+α新書)他、
『日本をダメにしたB層の研究』『日本を救うC層の研究』(ともに講談社)
『バカを治す』(フォレスト出版)など多数。
山崎行太郎氏との対談本に『エセ保守が日本を滅ぼす』(K&Kプレス)も好評発売中
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月31日

知らないと損する「健康保険」の落とし穴

知らないと損する「健康保険」の落とし穴
2019年01月30日 PRESIDENT Online
原 昌平(はら・しょうへい)
読売新聞大阪本社編集委員 精神保健福祉士

病気やけがで働けなくなったとき、どうやって生活を成り立たせればいいのか。
勤め先の健康保険に加入している人なら、すぐに心配は生じない。
「傷病手当金」という仕組みがあり、最長で1年6カ月間は元の給与の3分の2程度を受け取れるからだ。
ただし申請しなければもらえない。
また、勤めを辞めるときは、退職の時期や休みの取り方によって退職後も受給できるかどうかが違ってくる。
制度の仕組みを解説しよう――。

※本稿は、原昌平『医療費で損しない46の方法』(中公新書ラクレ)の第V章「働き手が病気・けがをしたら」の一部を再編集したものです。

■手続きをしないともらえない「傷病手当金」
公的医療保険には、病気やけがをしたときの医療サービスだけでなく、現金が給付される制度があります。
ただし、自分から手続きをしなければ、もらえません。
条件を満たしていても、制度を知らないと損をするわけです。

なかでも、働き手として、ぜひとも頭に入れておくべきなのは「傷病手当金」です。
病気やけがで仕事を休んだときに、生活費をそれなりに確保できるからです。
傷病手当金は、雇われている人向けの健康保険の加入者が、病気やけがで仕事を休んだ結果、給与が出なくなるか、元の3分の2程度未満に減った場合に支給されます。
労災保険の対象となる業務災害・通勤災害以外の病気やけがで休んだときの所得保障制度です。

以下、健保組合、協会けんぽに加入している人の場合で説明します。
公務員や私学の共済組合でも、だいたい同じです。

■連続して3日休んだ後の欠勤日から支給
傷病手当金は、病気やけがのために労務不能になり、連続して3日間休むと、その次の欠勤日から支給されます。
最初の連続3日の休みは「待期期間」と呼ばれ、公休日や有給休暇も含めて数えます。
早退した場合も、待期期間の1日目にカウントします。

給与がゼロになった場合の支給額は1日あたり、直前の「標準報酬日額」の3分の2です。
雇われている人向けの社会保険(健康保険、厚生年金保険)では、労働の対価の月額を等級区分にあてはめて「標準報酬月額」を決め、保険料の計算などに用いています。

傷病手当金を計算するときは、最初の支給対象日の属する月を含めた以前1年間の標準報酬月額を平均したうえで、それを30で割って「標準報酬日額」とします。
標準報酬月額の平均が30万円の人だと、標準報酬日額は1万円になり、傷病手当金はその3分の2で、1日あたり6667円が支給されます。
公休日の分も支給されます。
休んでいる期間に給与がある程度出た場合も、1日あたりの額が「標準報酬日額の3分の2」より少なければ、差額が支給されます。
その健康保険に加入する前になった病気やけがで、加入後に休んだ場合も給付対象です。

■「就労不能」は医師に認定してもらう
労務不能とは、勤務先でまったく働けないことを意味します。
元の事業所で半日だけ勤務したり、配置転換で軽い仕事をしたりした日は、就労とみなされ、その分の傷病手当金はもらえません。
療養中にときどき出勤した場合だと、出勤日は支給対象外ですが、休んだ日の傷病手当金はもらえます。
休んでいる間の軽い副業や内職は差し支えありません。

傷病手当金を受けるには、加入している健康保険の保険者(保険の運営者)に、支給申請書を提出します。
申請書の用紙は、職場の人事労務部門または保険者で入手します。
協会けんぽの用紙は、ホームページからダウンロードできます。

この制度は、将来の見込みではなく、過去の就労不能について支給されます。
申請書には、本人が書く欄のほか、過去の一定期間に就労不能だったことを認める医師の意見の欄と、事業主による勤務実績・賃金の証明の欄があります。

すめに受診しないと、過去に就労不能だったことを医師に認定してもらえないので、注意してください。
医師に意見を書いてもらい、人事労務部門で事業主の証明を受けたら、保険者に提出します。
医師の意見記入には健康保険が適用され、自己負担は3割負担なら300円。
保険者によっては月単位の書類提出を求めますが、蓄えがあれば数カ月分まとめた申請でもかまいません
支給対象日から2年たつごとに時効になっていくので、その前に申請します。

■支給期間は「1年6カ月目」まで
支給される期間は、最初の支給対象日から数えて1年6カ月目まで。
いったん職場復帰して、同じ病気やけがが治らないまま再び休んだ場合は、待期期間なしで支給が再開されますが、不支給だった途中の期間も含めて1年6カ月で打ち切りになります。
延べ1年6カ月の給付ではなく、カレンダー上で1年6カ月たてば、おしまいです。

ただ、初診日から1年6カ月以上たっていて、その病気やけがによって、ある程度の障害があるなら、障害年金を受けられるかもしれません(障害基礎年金と障害厚生年金のうち、2階部分の障害厚生年金は、厚生年金保険の加入期間に初診日があることが条件なので、在職中に医療機関にかかっておくことが大切)。

一方、同じ病気でも、症状がなくなってから相当な期間がたって再発した場合や、別の病気やけがになったときは、改めて最長1年6カ月間、傷病手当金を受給できます。
なお、病気やけがで休んでいて給料がゼロになったときも、社会保険料や住民税はかかります。
天引きできないので、一般的には会社を通じて自分で払う必要があります。

■会社を辞めてからも、傷病手当金を受けられる
がん、脳卒中、心臓病、うつ病をはじめ、病気やけがをして、しかたなく勤めを辞める人は少なくありませんん。
病気であればなおさら、生活のためにも治療のためにも、収入の確保は大切です。

傷病手当金は、いくつかの要件を満たせば、勤めを辞めてからも、就労できない状態なら継続して受け取れます。
在職中の最初の支給対象日から数えて最長で1年6カ月目まで、元の月給のほぼ3分の2が支給されます。
退職後に元の健康保険に任意継続で加入した場合でも、国民健康保険に加入した場合でも、続けて受け取れます。

初めての支給申請は、退職後でもかまいませんが、退職月までの期間については事業主による勤務実績・賃金の証明が必要です(その後の分は医師の意見だけでよい)。

ただし大事なのは、次に説明するように、休みの取り方や退職の時期によって、辞めてから傷病手当金を継続してもらえるかどうかが分かれることです。
あわてて辞めずに、傷病手当金との関係でどうするのが得か、よく検討してからにしましょう。

連続3日以上休む、健康保険の継続加入を1年以上にする 退職した後も傷病手当金を継続して受け取るには、以下の4つの要件をすべて満たしている必要があります。

第1の要件は「連続して3日、療養のため労務不能で休んだあと、さらに1日以上、欠勤した」ことです。
ポイントは、いきなり辞めないことです。
少なくとも、傷病手当金の受給に必要な待期期間にあたる連続3日間以上(公休・有休を含む)の休みを取った後で、退職に向けた手続きをします。
それに退職日の休みを加えれば、この要件を満たします。

第2の要件は「退職日まで1年間以上、健康保険に継続加入していたこと」です。
現在の健康保険の加入期間が、退職日を含めて1年に足りなければ、傷病手当金の受給中に条件を満たすよう、日程を考えて退職するのが得策です。

欠勤・休職がどれだけ認められるのか、就業規則で確認したうえで、必要なら人事労務部門に相談しましょう。
ここでいう健康保険の加入は、健保組合でも協会けんぽでもよく、転職や転勤で保険の加入先が変わっていても、加入の空白が1日もなければ、継続加入として通算できます。
ただし以前の事業所を退職した後に健康保険に任意継続で加入した期間は、カウントされません。
また、共済組合の加入期間とは、互いに通算できません。

■退職日は絶対に休む、退職後に働かない

第3の要件は「退職の日も、療養のために休んでいたこと」です。
退職の日は絶対に休む。
これは極めて重要です。
勤・休職でも、公休・有休でもかまいません。
職場に出向いて事務手続きや私物の片づけをしてもいいけれど、出勤扱いにはしないことです。
もし退職日に出勤したら、それだけで退職後は傷病手当金をもらえなくなります。
たった1日働いたせいで、その後の権利が消えて大損をしてしまうのです。

第4の要件は「退職後、まったく働いていないこと」です。
退職後の傷病手当金は、1日でも働いて収入を得たら、就労可能とみなされて支給を打ち切られます。
職中と違い、1年6カ月の残り期間がたくさんあっても、支給は再開されません。
ちょっとしたバイトをした結果、打ち切られることがあり、要注意です。

■地域の国保には制度がない
雇われている人向けの健康保険や共済組合と違い、国民健康保険では、傷病手当金の給付事業をやるかどうかは、保険者の任意となっています。
特定業種の自営業者でつくる国保組合の一部は実施していますが、地域の国保では、まったく行われていません。
地域の国保には、自営業者や農業、無職の人のほか、社会保険に加入できない労働者も入っています。
労働時間・労働日数が少ない労働者や、小規模または任意適用業種(飲食・サービスなど)の個人経営で社会保険が適用されていない事業所の労働者です。
そうした労働者は、病気やけがで働けなくなったときに傷病手当金を受けられません。
社会保障制度の「穴」の一つです。


原 昌平(はら・しょうへい)
読売新聞大阪本社編集委員 精神保健福祉士
1959年生まれ。
1982年京都大学理学部卒業、読売新聞大阪本社に入社。
京都支局、社会部、科学部デスクを経て、2010年から編集委員。
1996年以降、医療と社会保障を中心に取材する。
社会福祉学修士。
大阪府立大学・立命館大学客員研究員。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(4) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする