山本太郎「消費税は5%に減税へ。最終的には0%を目指したい」
2019年02月19日 SPA!
「消費税は5%に減税を!」
2月1日の参議院本会議でそう提言し、「消費税増税はもってのほか」と安倍首相に突きつけた参議院議員の山本太郎氏を直撃した。
「『戦後最長の景気拡大』と言われますが、庶民は決して好景気を実感していません。
’16年の厚労省の調査では、『生活が苦しい』『やや苦しい』と答えた人は、全世帯で56.5%。
悲惨です。
政府がすべきことは減税や給付の下支えであって、消費を冷え込ませる増税じゃない。
こんなことは、山本太郎でもわかる話です」
消費税増税は景気に悪影響しかない。’
14年に消費税率を8%に引き上げたとき、実質個人消費は8兆円も下落し、貯蓄ゼロ世帯が急増したのだ。
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貯蓄ゼロ世帯の割合
20代 61.0%
30代 40.4%
40代 45.9%
50代 43.0%
60代 37.3%
「家計の金融行動に関する世論調査」(単身世帯)によると、
どの世代も3〜4割が、20代では6割以上が貯蓄ゼロだという
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「リーマンショックのときですら、実質個人消費の下落は6.3兆円でした。
消費税は、生きているだけで払わされる“罰金”です。
消費税増税は日本経済全体を冷え込ませることになります」
また、増税された消費税の用途は「全額社会保障の充実と安定化に使う」とのことだったが、「社会保障の充実分」以外の内訳を要求しても出してこない、と山本氏は続ける。
「デフレのときには政府が新規国債を発行して大胆に投資するべきなのに、この20年間、かなり強固な緊縮財政を行ってきました。
IMFの調査では、この20年間の政府総支出の伸び率と名目成長率で世界140か国中、日本は最下位。
つまり、日本は世界で一番人々に投資しないドケチ国家で、経済成長しない衰退国家に成り果てたのです」
一方で、消費税を増税しないと税収への懸念もあるが、これについても一刀両断。
「消費税“減税”をすることで経済成長を促し、それによる税収増分を充てればいい。
それでも足りないなら、税の基本に戻ります。
消費税が導入される’89年以前は、所得税や法人税などで賄っていました。
絶対に増税が必要だというなら、まずは大金持ちからです。
ミリオネアもワープアも同じ税率など論外。
現在、企業の内部留保が膨大な金額に上り批判されますが、これも企業が投資したくなる環境、成長戦略を示せない政府の責任です。
介護や保育など、ニーズはあるが政府がケチってきた部分が成長分野。
加えて少子化対策としてロスジェネ救済へ国が大胆に投資することを宣言すべき。
本気でデフレ脱却しなくてどうするんですか。
現在の野党の弱みは経済政策の弱さ。
消費税増税の凍結など生ぬるい。
次の選挙の統一政策として『消費税5%への減税』を掲げ、最終的には消費税0%を目指したいですね」
【山本太郎氏】
参議院議員。自由党共同代表。
全国289の衆議院・小選挙区の地域住民を対象に「消費税5%への減税」を求める署名活動も実施中
<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!2月19日発売号「消費税増税に反対する3つの理由」特集より