2019年03月01日

山本太郎氏、日本母親連盟を支持者の面前でぶった斬り!

山本太郎氏、日本母親連盟を支持者の面前でぶった斬り!
2019.02.28 ハーバービジネスオンライン
藤倉善郎(やや日刊カルト新聞総裁)

 2月26日、くにたち市民芸術小ホールで開かれた日本母親連盟西東京地区主催の講演会に参議院議員の山本太郎氏が登壇。

同連盟の関係者の非科学的な言動や、ニセ科学と指摘されている「ホメオパシー」との関係、右派団体「倫理法人会」や「日本会議」等との関係などを指摘し、今夏の参院選において同連盟からの支援は受けないと断言した。

 日本母親連盟は、昨年設立された政治団体。
代表者の阪田浩子氏は、神奈川県倫理法人会・女性副委員長。
日本会議代表委員を務める加瀬英明氏を会長とする「国家ビジョン研究会」のメンバーでもある。
顧問の医師・内海聡氏は、宗教団体「サイエントロジー」とともに反精神医療運動を行うほか、反ワクチン運動やホメオパシーにも関わる。

 山本氏は講演で、いわば「敵地」に乗り込んで右派とニセ科学・ニセ医療の人脈・思想が交錯する日本母親連盟の実情を面と向かって指摘し、自らとの立場の違いを突きつけた形だ。
ネット上では、「正しいカルトの叩き方」などと称賛の声も挙がっている。

◆日本母親連盟はネトウヨ?
 日本母親連盟は、昨年8月に前出の内海氏がブログで設立を表明した。
〈目先の目標としては47都道府県に一支部、一地方議員(市議会議員や町議会議員や県議会議員)とし、来年にある統一地方選挙および参議院選挙での議席獲得を考えます。〉
 Facebook等で「目標1000万人!メンバー募集中」と宣伝し、所在地や代表者などを明確にしないまま全国に支部を設立したと称して多数のFacebookページを開設。
同連盟のメールマガジンによれば、今年1月時点で41支部が開設されている。

 日本母親連盟は、「薬に頼らない医療の推進」「ワクチン及び検診強制の禁止」「近代史教育の強化」「原発稼働ゼロおよび原発廃炉の推進」「生活保護システムの見直しと不正受給の徹底調査」「外国に依存しない国造りの推進」「憲法改正および憲法9条問題については議論を深める」といった内容の「マニフェスト」を掲げる。
これらを「ネトウヨ的」と指摘する声もあった。
 この点はわかりにくいかもしれないが、それを明確にして見せたのが、今回の山本太郎氏の講演だった。

◆日本母親連盟流「反原発」の正体
 2月26日の講演会は、前半が、山本氏の政治活動を描いたドキュメンタリー映画『BEYOND THE WAVES』(アラン・ドゥ・アルー監督)の上映会。
後半が、約2時間にわたって山本氏が会場との間で政治や政策について質疑を行うという構成だ。
 午後7時10分頃から始まった質疑で山本氏は、フロアからの質問や話題提供を受ける形で貧困対策や経済政策を語り、安倍政権を批判した。
特に消費税をめぐっては、消費税の減税や撤廃ではなく税率の凍結を主張する野党の戦略も批判し、野党に消費税減税を政策とすることを求める署名活動を呼びかけた。

 クライマックスは、質疑の残り20分というタイミングで唐突に訪れた。
フロアの男性のこの質問。
「山本太郎さんは日本母親連盟から選挙に出るんですか」

 山本氏が「日本母親連盟に入られている方、どれくらいおられますか」と問いかけると、ほぼ満員となった定員270席の会場では来場者の3〜4割が挙手。
半数以上が、会員ではない人々だ。
「お話を聞きたいと言われる方は、スケジュールが合えば行きます。考え方が違う人とでも話はしようと思います。ですが、いまお尋ねがあったのは、選挙も一緒にやるんですかということなんですが、(日本母親連盟と)選挙を一緒にやるというのは難しいなというのが私の見解です」(山本氏)

 山本氏は、もともとこの講演で日本母親連盟について話すつもりでいたようだ。
「日本母親連盟と山本太郎の考え方の相違」
 そんなタイトルがスクリーンに映し出される。
続いて、こんな文章が前提として示される。
政治的な主張や思想信条等は、いかなるものであっても、個人の自由。
たとえ、それが論理的な矛盾、非科学的なものであっても、究極的には『それを信じる』ことは自由。
それ自体を批判しているわけではなく、個人を攻撃する意図はありませんという前提条件を最初にご了解下さい」

 ここから、日本母親連盟が掲げる政策や関係者の発言などを具体的に指摘し批判する、怒涛のスライドショーが始まる。

「(『原発稼働ゼロおよび原発廃炉の推進』という政策は)これだけ読めば山本の考えとズレはないと思うんですけども、一方で、今年2月の母親連盟神奈川県支部の発足集会で母親連盟の顧問(杉田穂高氏=歯科医)の発言を見てみると、こうです」
 スライドで、その発言が映し出される。

〈311福島大震災、あれはやられたんです。
(略)福島からはるか離れた海洋上にいた空母があるんです。
アメリカの。個々の乗組員もすごく被爆して、みんなガンになってるんです。
(略)海底に核爆発を起こして、みんな被曝したから〉

 これについて山本氏は、東日本震災の新元が宮城県の東南東130km付近であり、地震発生時にその空母(ロナルド・レーガン)がいた位置が日本の東方約1500キロの西太平洋だったことを指摘。
「ちょっと、話がよくわかんないといいますか……」(山本氏)

 ここで再び、先程の前提条件を読み上げる山本氏。
政治的な主張や思想信条等は、いかなるものであっても、個人の自由。
たとえ、それが論理的な矛盾、非科学的なものであっても、究極的には『それを信じる』ことは自由(以下略)。
けれども、そういう方が顧問にいるところと一緒に選挙をやるというのは、なかなか考えづらい

 次に、母親連盟の顧問ではないが、顧問である人(内海聡氏)を応援している由井寅子氏の発言が紹介される。

〈放射能に対してどのように振る舞うべきなのかが、理解されるでしょう。
(略)放射能を信頼することです。
(略)そしてその自信の中で病原体や放射能に撒けない免疫力を取り戻すことができるのです。
そしてそのときに病原体がその存在意義を失い消滅するように、原発も核兵器も消滅していくと思うのです。(略)〉

「なんか信仰か何かなのかなあと一瞬、思っちゃうんですね。
これ、安倍昭恵さんとも同じような主張なんですよね」(山本氏)
 安倍昭恵氏のFacebook投稿が紹介される。
〈私は放射能に感謝の気持ちを送ります。ありがとう・・・〉
 会場からは笑い声。
「考え方は自由なんですよ」(山本氏)

 話は由井寅子氏に戻る。
病気の原因とされる物質を極限まで希釈した水を砂糖玉(レメディー)にたらし、それを飲むことで病気が治るとするホメオパシーの主張を山本氏が説明。
由井氏が代表を務めるホメオパシー医学協会のウェブサイトにある由井氏の文章が示される。
〈今回の原発事故は私たち日本人が敗戦と共に失ってしまった民族の誇りと愛国心を取り戻す大きなチャンスでもあるのです。
そのためにはウラニウムのレメディーとプルトニウムのレメディーが必要でありホメオパシーは必要なのです〉

「で、実際にこの由井さんの団体が商品化されているものが、福島の土を採取して作られたホメオパシーレメディなんですね。
それって、まあ、いいんですけどね。
選びたい人は選んで、選びたくない人は選ばないっていうのはアリなんですけど、ちょっと理解に苦しむ部分があるなというのが、私の気持ちです。
で、この母連の代表の阪田(浩子)さんという方と東京支部長も、由井寅子氏に協力を仰いでいたと」(山本氏)

 母親連盟東京支部長のブログが示される。
〈ホメオパシーの基本キットが全国に行き渡るように…というのが、寅子先生の願いです。私たちも賛成!〉

「政治的な主張や思想信条等は、いかなるものであっても、個人の自由。
たとえ、それが論理的な矛盾、非科学的なものであっても、究極的には『それを信じる』ことは自由(以下略)」(山本氏)

◆倫理法人会、日本会議、歴史修正主義……
「で、その(日本母親連盟代表の)阪田さんという方は、倫理法人会の関係の方であると。
阪田氏の現在の肩書で気になるのは、『神奈川県倫理法人会・女性副委員長』の経歴であると。
倫理法人会は、一般社団法人「法人倫理研究所」が企業経営者向けに展開する自己啓発セミナーのこと。
倫理研究所は、あの日本会議の有力構成団体である。

これ、歴史修正主義に詳しいジャーナリストの上杉聰さんのお話。
倫理研究所の活動から、日本会議の運動に目覚めた中小企業経営者は多く、その最たる事例が、倫理法人会が主催する『早起き会』で愛国運動に目覚め、日本会議にのめり込んだ籠池泰典夫妻(菅野完氏にょる調査)」
 安倍昭恵氏と並んで写る籠池夫妻の写真が映写される。

 続いて山本氏は、日本母親連盟の「マニフェスト」への批判に移った。
対象となったのは、「メディカルゴールド免許制度の実施」「近代史教育の強化」「児童相談所のシステム見直し」「生活保護システムの見直しと不正受給の徹底調査」「水と土地を外国に渡さない施策」「憲法改正及び憲法9条問題については議論を深める」。

「メディカルゴールド免許制度」は、健康維持に取り組み病院に1年間通わなかった人の保険料を減額するシステムだ。  「自ら健康な状態を維持することには異論はないが、一方でこれは『保険の自己責任化』の主張にも繋がりかねない。弱者切り捨てのために利用される恐れがある」(山本氏)

「近代史教育の強化」については、日本母親連盟は、歴史の指導要領を改定し、国が一部費用を負担して「近代史の専門家」を学校に外部招聘するとしている。
「『南京大虐殺はなかった』『従軍慰安婦はデマ』といった歴史修正主義的な主張を展開する、日本会議系の保守系諸団体は、近年、そのような主張をする『保守系論壇人』を『近代史の専門家』と名乗らせ、行政内部や学校現場に派遣する活動を活発化させている。
政策の『近代史の専門家』がどのような人々を指すのか判然としない」(山本氏)

 山本氏は、ウェブメディア「トカナ」に掲載された前出の杉田氏(日本母親連盟顧問)のインタビュー記事を示した。
〈連合国側は500年も続いた欧米による支配の歴史を知られたくなかったし、それを覆そうと試みた日本の貢献を封印し、何もかも日本軍が悪かったという洗脳をしたかったのです。
(略)日本バッシングはまだまだ続きます。
昨今、日韓関係において問題になっている慰安婦問題や南京虐殺をめぐる歴史にも、見直されるべき点が多数ある。
(略)自ら真実を主張することを固く禁じられた状態が、70年以上経った今も継続している。
これはもう、人々がウソの歴史に徹底的に洗脳されていることにほかなりません〉

「政治的な主張や思想信条等は、いかなるものであっても、個人の自由。たとえ、それが論理的な矛盾、非科学的なものであっても、究極的には『それを信じる』ことは自由ですけどね、はい」(山本氏)

「児童相談所のシステム見直し」は、児童相談所が児童虐待を防止する役割を果たせていないため改革するというのが、日本母親連盟の主張だ。
山本氏は、この主張については否定しなかったが、代わりにこんな問題を指摘した。
「この母親連盟の内海さんの著書には、親の体罰を肯定する記述というのもあるんですね。
『児童相談所の怖い話』の中には、ケツバットだけで5年間、(子供と)完全隔離というケースがあると。
『体罰の是非はどうあれアザが出るほどケツバットすることの是非が問われることはあるかもしれないが、親の非を挙げるとすれば、それだけである』と。
十分じゃないですか? ありえないでしょ?
 ケツバットしてケツにアザができるほどやるというのは。

この本では、内海さんと『体罰の会』の会員と、この事例の父親が対談したと。
児童相談所に問題があることは確かだけど、その問題と体罰を肯定することとは全く別問題です」(山本氏)

「体罰の会」は、「子供には体罰を受ける権利がある」と主張する団体で、会長は日本会議代表委員・加瀬英明氏。加瀬氏は、日本母親連盟の阪田浩子代表がメンバーとなっている「グローバル政策研究所」の会長でもある。

 日本母親連盟の「水と土地を外国に渡さない施策」は、水道民営化に反対するというもの。
山本氏はこれについて「全く異論なし!」と言い切ったが、その後にこんな話が続く。

「けれどもですね、日本母親連盟の神奈川県支部の集会での神奈川県市部長の水道民営化反対についての発言を聞いてみると、ちょっと首を傾げてしまう部分がありました」(山本氏)

 スクリーンに、その発言内容が映し出される。
〈今日、私はお水を持っているんですけど、これは『マザー・ウォーター』と呼ばれています。
どんなお水かと言うと、多分、7、8年くらい前に南極に世界の長老たちが集められたことがありました。
『グレート・シャーマン』と言われるような人たちですね。
彼らが南極に集められて、地球のために儀式をしたんです。
その儀式をしたときに彼らが受け取ったメッセージが、『地球の水の波動をもとに戻しなさい、波動を原初のものに戻しなさい』ということだったそうで、地球の波動を原初のものに戻すために造られたのが、このマザーウォーターなんです。
(略)私はこのマザーウォーターと水道民営化ってたいへんつながっているなあって思うんです〉

 会場から、クスクス笑い声が起こる。

〈水というのは情報を記憶する媒体でもあるので、水に記憶されている情報自体がダメだから、リセットしなさいという話なんですね。
(略)ある日突然、品川区の水質が下がったことがあったんですが、ちょうど湾岸戦争が起こった日だったんですね。
人間活動の中で一番ダメなことは戦争なのですが、その戦争という周波数を水が吸い込んで、それが一気に広がったんですよ。
なぜなら世界は水でつながっているから! 
そういうこともあって、水の波動をもとに戻しなさいという長老たちのメッセージを受け取っておるわけですけれども、そんなことまで含めて母連としてはやってきたいな、というふうに今、思っています〉

「じゃあ、湾岸戦争以降に起こった戦争を見てみましょう。アフガン戦争、イラク戦争、レバノン戦争、シリア内戦、リビア内戦、クリミア紛争、グルジア紛争、シエラレオネ紛争、コンゴ内戦、エチオピア紛争、スロベニア内戦、クロアチア内戦、コソボ紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦(『防衛ハンドブック』から)……。これもう、品川の水飲んだら死にますよ(笑い)」(山本氏)

 さらに、この「水の記憶」という主張は安倍昭恵氏が信じるオカルトやスピリチュアリズムのひとつでもあると山本氏は指摘した。

「生活保護システムの見直しと不正受給の徹底調査」については、一刀両断だ。
「今までの話は、まあ自由ですからいいですけど、この主張には賛同できません」
 高齢者や障害者などの生活を支える唯一のセーフティネットを見直すべきではないとした上で、不正受給は世帯にして2%、金額では0.45%しかないことを提示。
この政策に限っては、その主張を支える背景や「裏の論理」ではなく政策自体を批判した。

 そして最後に憲法問題。
日本母親連盟は、憲法9条について明言を避けると「マニフェスト」に記載している。

「ちょっと待ってください。いままで、どういう主張をされてましたっけ?
 『食、医療、環境、教育、保育などの問題を広く社会に投げかける、啓蒙活動を行い、子どもたちの未来のために母親や女性たちの力で健康な社会を生み出す』という主張があるにもかかわらず、憲法のところになると、なんで9条なんですか?
 今のままの憲法でいいならこんなこと書かなくてもいいし、どちらかと言うと考え方からしたら憲法13条(個人の尊重、幸福追求権、公共の福祉)だったりとか25条(生存権とそれを実現するための国家の義務)であったりとか
そういうところに行きそうだけども、そういうところに触れないで9条以外触れないということは、9条に本当は興味があるんじゃないの?という見え方をしてしまうんですよ。

で、会員募集時に『憲法9条については言明しない』といって会員を集めるのは、日本会議系諸団体の常套手段です(菅野完氏の調査による)」(山本氏)
「善良な意図で母親連盟に接近した人が、スピリチュアルな運動や右派の改憲運動、愛国運動に動員されるのであれば、それは、あの『日本会議』がやっているのと同じこと。
母親連盟の極端な主張を知った餓えで信じて賛同するならそれは皆さんの自由ですが、山本太郎の政治活動とは接点を持ちません。という話でした」(山本氏)
 会場からは大きな拍手。

「みんなが実際に自分がやっている運動に関して了解した上でやるって、これ基本中の基本なんですけども、やっぱり、私もうかつなこと結構いままであったんですよね。
よくわからずに『一緒にやろう』みたいな話で『やりましょう!』ってやってったら、『ちょっと、ちょっと待って、え〜っ!?』みたいなことがあったから、一人ひとりがどういう団体と関っていくのか、どういう人とつながっていくのかということも含めて、世の中を一緒に変えていけたらなあという風に思います。
団体からの応援は一切受けないです。
東電の応援も受けません。
東電が応援してくれるかは知りませんよ。
すべての団体の応援は受けません。
ただ、団体ではなく、人として応援してくださる方は拒みません。個人で応援してくださる方の応援は拒みませんが、団体からの応援は受け付けないんです。
という話でずっとやってきている状態なので、(日本母親連盟と)一緒にやるということはないです。
すいません、こんな答えになっちゃって。ありがとうございます」(山本氏)

 会場からの「山本太郎さんは日本母親連盟から選挙に出るんですか」という一言の質問に、30分近く費やして答えた山本氏。
最後に改めて、消費税減税への理解を求めて、講演を締めくくった。
 会場からは、改めて大きな拍手が贈られた。

◆日本母親連盟代表に直撃インタビュー
 山本氏が舞台を降りた後、日本母親連盟の阪田浩子代表がマイクを持って壇上に。笑顔ではあるが、照明のせいか目がうつろなように見える。
「ちょっと一言よろしいでしょうか。
まず、みなさんこんばんは。
今、名前が出ました日本母親連盟の代表をしております阪田浩子と申します。
今日はたくさんお集まりいただきましてありがとうございます。
今直接あの、いつも山本太郎先生、お忙しくてすぐ出られてしまったので、直接お話しできないのは残念なんですけれども、山本太郎先生、ホントによく勉強されて私たちのこともよく調べてくださったと思うんですけれども、たくさんの誤解があります」(阪田氏)

 しかし、具体的に何がどう誤解であるのかについては、一切言及がなかった。
「今までのような金権利権そして派閥党派そういったものを全部越えなければ日本を変えられないと思っています。
今までと同じようなやり方では変えられないと思っています。
だから立ち上がったんです。
ぜひ、そのところは理解していただきたいと思っております。
今日は本当にありがとうございました」 と、抽象的な言葉で取り繕うだけだった。

 会場から大半の来場者が消えた後、ジャーナリストの鈴木エイト氏が阪田氏に直撃インタビュー。
それが終わるのを待っていた筆者の耳には、直ぐそばで立ち話をしている日本母親連盟関係者たちの会話が聞こえてきた。
まずは、鈴木氏による阪田氏へのインタビュー。

――今日の山本さんの話はいきなり裏切られたみたいな感じですか?
阪田氏:「そうですねぇ」

――まさかそんな話になるとはと?
阪田氏:「なんか、話してくださいと言ったのに、話受けてくれずにこういう風なところでやるというのはどうなのかなっていうのはちょっと思いますけどね」

――前もって(こういう話をするよという)話はなかったんですか?
阪田氏:「何回も話してほしいって、話をさせてほしいっていうことを何回も言ってたんですけど受けてくれずに、受けてくれないでこれかぁみたいな感じなので、ちょっとがっかり」

――じゃあ(山本議員から)前もって最後に批判的なことを話しますよということは前もってなかったんですか?
阪田氏:「なんにも仰っていただけなかったんですよ」

――じゃあいきなりびっくり仰天みたいな?
阪田氏:「いきなりびっくり。そうバッサリやられましたね。
黙って、結局、国会でもほら通告しないで切り込むじゃないですか、それとおんなじだと」

――やられたと?
阪田氏:「そう思います」

――これ、なんか報復じゃないけど(何かやりますか?)
阪田氏:「これ否定に否定は否定を生むだけなので、否定をすることは私たちは絶対しない、それよりもそれを一旦受け容れてどうしたらいいかというのをちゃんと考えていきたいと思います」

――参院選や統一地方選は(候補者を)出すんですか?
阪田氏:「私たちの中から出すっていうことはまず難しいんじゃないかと思うので、出せばいいってもんじゃなくて例えば5人10人出したところで何にもならないし、中途半端な野党になって次の年には誰もいなくなっちゃったというのでは何の意味もないので」

――山本太郎を推薦したかったとかそういうのはありますか?
阪田氏:「推薦していいのかどうかというのはちょっと私たちも逆に考えていたので、どういう風に・・・」

――今日のことでもう完全に無いなと?
阪田氏:「まあ、団体の応援は受けないということだったので団体として支持するということは、きっとないと思うんですけれども、でも協力しあえることはたくさんあるかと思うので、逆に私たちの力を使ってくださったらいいのになという風には思っていたんですけれど」

――普段医療系の取材もしていて日本母親連盟がワクチンに反対というのが(マニフェストに)出ているので僕もちょっと批判的な目では見てるところはあるんですよ。今後も注目して見てはいきますので。
阪田氏:「ありがとうございます。(中略)こういうふうに突っ込まれると逆にそういうところで突っ込まれるんだみたいなビックリ。
逆に勉強になったみたいなところもあるので」

――とりあえず一野次馬として観ている分にはすごく面白かった。
阪田氏:「そうなんですか(笑)いろいろまた教えてください是非」

――最後に慌てて阪田さんが私たちはこうですと挽回したのもまあそういうことなんだなと。
阪田氏:「これで黙ったままで(講演会を)終わらせるわけにはいかないなと思って」

――ぜひ第2弾やリベンジ企画を。
阪田氏:「ぜひしたいと思います」

◆錯乱する会員たち
 一方、そのすぐそばでは関係者同士が、こんな会話を繰り広げていた。
「ぼくヒーラーとかやってるんで、ああ(山本)太郎さん、そこ斬っちゃったって思いながら聞いてたんですよ」
「非科学な部分でも結果が出るものはいいと思うんですよ」
「選挙に勝つという意味では、太郎さんがバッサリ斬ったのは、リアリストとして素晴らしいなと思った」
「うんうん、でも早い時期にこういう斬られ方してよかった」
 とりあえずポジティブ。

 別の一群からは、中年女性同士のこんな会話が聞こえてきた。
「ショックが……ショックが……」
「え〜こんなのショックとか思ってたら変えられない。
こんなの鼻くその屁のウンコですから!」
「アハハハハ!」
「笑うんですよ、こんなことぐらい全然大丈夫です」
「そうやって強くなっていくんですよね」
「なので、今日スピ系って言われましたけど、申し訳ないけどスピ系の人の票持ってるんですよ。
今、日本全国、世界的にスピ系の信者ってどれだけいると思ってますか。
私スピ系の代表に全部会ってきて票もらいます」
「スピ系は、できるって洗脳されてるから、言えばやるんです。三次元は動かなきゃ変わらないと、彼ら(スピ系)もわかってるんです。
じゃあ、動いてよ。
票ちょうだいよ。
私、スピ系と倫理法人会どっちもつながってるんで、どっちからも票取ってきます!」

 スピ系の人が聞いたら「私たちを何だと思っているんだ」と怒り出しそうだ。
「実は、財閥の会長が、いま私達が考えていることに協力してくれるという人を知っている人と一緒にやってるんですよ。
財閥ですよ。
何個しかないからわかってますよね。
その会長が日本を変えたいんだと。
頭がいいんで、わかるんですよ。
だから私はもう財閥の力でやりますよ。
お金ですよ。あと力ですよ」

 ついさっき阪田代表が壇上で「今までのような金権利権を超えなければならない」と言っていたのに、立ち話をしているメンバーは財閥だのカネだの力だのと……。
「こんなこと気にしてて! 特攻隊で亡くなっていった子どもたちのこと考えてください!」

 もはや何を言っているのかさっぱりわからない。
 山本太郎氏は「信じるのは自由だ」と繰り返し強調し、日本母親連盟のスピリチュアリズムの側面も右派的な側面も全面否定することはしなかった。背景を可視化し、事実関係を示し、「自分が目指すものと違う」という立場を表明しただけだ。  それだけのことなのに関係者たちがここまで錯乱し、人目もはばからずわけのわからない言動を重ねる。
山本氏のおかげで、日本母親連盟の背景や人脈だけではなく、活動現場におけるメンバーたちの体質まで可視化された。

<取材・文/藤倉善郎(やや日刊カルト新聞総裁)
・Twitter ID:@daily_cult3 
取材協力/鈴木エイト
Twitter ID:@cult_and_fraud>

ふじくらよしろう●1974年、東京生まれ。
北海道大学文学部中退。在学中から「北海道大学新聞会」で自己啓発セミナーを取材し、中退後、東京でフリーライターとしてカルト問題のほか、チベット問題やチェルノブイリ・福島第一両原発事故の現場を取材。
ライター活動と並行して2009年からニュースサイト「やや日刊カルト新聞」(記者9名)を開設し、主筆として活動。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月02日

「普通の家庭の子」の精神が追い詰められるワケ

「普通の家庭の子」の精神が追い詰められるワケ
7年間、うつを経験した医師が語る実際
2019/02/28 東洋経済オンライン
宮島 賢也 : YSこころのクリニック 院長

最近、小中学生の間で、うつなど「心の不調」が増えているようだ。
ネットやSNSの普及による情報化が進んで、対人関係に代表される「大人と同じストレス」に遭遇しやすい世の中になったことに、その一因があるとも考えられている。
この記事では、今の小中学生を取り巻く生活環境をふまえながら、新刊『うつぬけ精神科医が教える 心が折れない子を育てる親の習慣』を著した精神科医・宮島賢也氏に、子どもの心を守るために「親はどう行動すべきなのか」を教えていただく。
この宮島医師自身、かつて7年間うつを患っていたという経験を持つ。
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「ごく普通の家庭」で育っているのに…
「うちは子どもに愛情を注いで育ててきたつもりだ」
「自分で言うのもなんだけど、わが家はいい家庭だと思う」。
お子さんのことで悩みながらも、このように考える親御さんは少なくありません。

では、虐待があるわけでもない、夫婦ゲンカが絶えないわけでもない、いわゆる「ごく普通の家庭」で愛されて育ったお子さんでも、「心が折れてしまう」ことがあります。
いったいなぜでしょうか。

「母原(ぼげん)病」という言葉があります。
これは、母親の育児が原因で、子どもの病気や問題を引き起こしてしまうことを言います。
もちろん、お母さん方を責めるつもりはありませんが、子どもを愛しているのは事実でも、子どもを「囲ってしまう」ような愛し方に問題があるのです。

これは知り合いから聞いた話ですが、客船に乗っていた際、日本人の親と外国人の親の、子どもへの接し方の違いに驚いたと言います。
日本人の親は、子どもが船上で遊んでいると、危ないところに行かないようつねにそばにいる。
一方、外国人の親は、子どもを自由に遊ばせ、本当に危ないときにだけ、さっと駆けつけるのだそうです。
私は、子育てもこれに近いと思っています。

本当に危険なときは当然守るべきですが、危ない目や嫌な目に遭わないようにいつも先回りしたり、問題が起きたときに親のほうで解決したりすると、「生きる力が弱い子」にもなりかねません。

親自身が「親に愛されていなかった」
痛い思いや失敗を経験して、人は「生きる力」を育んでいきます。

例えば、公園で子ども同士が遊んでいてケンカをしても、最近はすぐ親が介入してしまいます。
おもちゃを取った取られたという程度のことでも、すぐに親が「謝りなさい」と言ったり、「だめでしょ!」と注意したりする。
なかには子どもに代わって謝ってしまう親御さんも。

もちろん、事の状況次第で解決策も変わるでしょうが、親の過度な介入は、子どもの「心の成長」の機会を奪うことになります。
では、本当に親御さんの育て方に問題があるのかというと、そうではありません。

実は「親御さん自身の育てられ方」に問題の根源があったりするのです。
クリニックで親御さんに話を聞くと、ご自身が「親に愛されていなかった」という方が多いと私は感じています。
愛されていなかったといっても、虐待や放任などだけではなく、親に育てられていくなかでそう思い込んでいった、というものです。

例えば「母はいつも兄ばかりかわいがっていた」とか「父はいつも怒ってばかりいた」というようなこともそうでしょう。
一言でいうと、親御さん自身も忘れている「過去の記憶」が、自分自身の子育てに影響しているのです。

過去の記憶は、コミュニケーションにおける1つのパターンになっていきます。
無意識に自分が親にされていた接し方を繰り返していることもあれば、逆に、親にされたことが嫌だったから、自分は子どもに同じことをしたくないと思っている場合もあります。
でも、どちらのパターンも親御さんが自分の親から影響されていることに変わりはなく、過去の記憶が蓄積した結果です。

親を反面教師にしている場合も、親にされたことをひっくり返しているだけ。
一見、愛にあふれているような子どもへの接し方も、実は、親御さん自身の「過去の記憶」の影響を受けているのです。

子どもを追い詰める「ダブルお母さん」
ところで最近、「2人のお母さん」がいるご家庭が目につくようになりました。
これまでは、「教育ママ」という言葉もあるとおり、子どもの塾や受験について調べたり、勉強に干渉したりといった、いわゆる「教育熱心」なのは母親がメインだったと思います。
私自身、母親が教育熱心すぎて、子どもの頃に苦しんだ経験があるのでよくわかるのですが、最近は「教育熱心な父親」も増えてきました。
それが「ダブルお母さん」現象です。

家の中に口うるさいお母さんが2人いる、そんな状態です。
子どもが家にいるとき、母親だけでなく父親もあれこれ干渉してくるとなると、子どもは家での居場所を失っていきます。

子どもに選択の余地がない状態にさせている
家に帰りたくないお父さん「フラリーマン」も最近話題になっていますが、フラリーマンは、家に居場所がなくても職場や外に居場所があります。
でも、子どもは家にも外にも居場所はなく、心が満たされない状態が続きます。

「ダブルお母さん」がいるご家庭は、両親が子どもによく接している分、周囲からは「いい家庭」に見えることもあります。それどころか、親御さんも「わが家はいい家庭」だと思っている。
でも、肝心な「子どもの心」は置き去りです。
子どもは親の「言葉以外の部分」を察している 「過保護」の親とその娘をユニークに描いた『過保護のカホコ』というテレビドラマがありましたが、親の過保護が「過干渉」までいくと、子どもの決定権はほとんどなくなってしまいます。

親が先回りしてなんでも決めてしまう。
あるいは、それしか選択できないような提案をしている場合も。
「こうしなさい」とは言わなくても、「こうしたほうがいいよね」「そっちがいいんじゃない?」と提案しているようでいて、結果的には子どもに選択の余地がない状態にさせていることがあるのです。

もちろん、「親の言うことを聞いてよかった」というお子さんもいますが、なかには自分の気持ちを押し殺し、ため込んでしまうお子さんもいます。
でも、たまったものは、いつか爆発します。
自分自身で爆発する子もいれば、ため込んだまま大人になり、自分自身の子育てのとき、そのお子さんのトラブルとなって爆発する場合もあります。

子どもは言葉以上に、親の言葉以外の部分を感じ取っています。
「私はなんでも子どもに決めさせている」と言う親御さんもいますが、「自分で決めていいんだよ」と子どもに言いながら、目つきや雰囲気で「選択肢はこっちしかない状態」にしていることもあるのです。
言葉に出さなくても、子どもは敏感に「こっちを選んでほしいんだろうな」という親の思いを読み取ります。

親が想像する以上に、子どもは親の気持ちを察しているのです。

親子の関係は、短く見積もっても10〜15年はあります。
その間、子どもは親の背中を見て育っていく。
ですから、口では言わないことも無意識のうちに感じ取りますし、すべて子どもの「潜在意識」の中に入っていきます。
子どもが何歳であっても、過度な干渉はおすすめしません。

小さい頃から干渉しすぎると、一見しつけはうまくいくかもしれませんが、親の顔色をうかがう子どもになってしまいます。どんなに小さな子どもでも、何もわからない人として扱うのではなく、生きる力を持っている1人の人として、自分の人生を自分で決めていくためのサポートをしていくことが大切だと私は思います。
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2019年03月03日

リアル告発"総理を支配する闇集団"の実態

リアル告発"総理を支配する闇集団"の実態
2019年03月02日 PRESIDENT Online
東京新聞社会部 記者 望月 衣塑子

■安倍政権を支える闇集団を描いた92%の現実
総理を支配する闇の集団を描いたリアル告発ノベル『官邸ポリス』が霞が関界隈で話題だ。

ストーリーは「どこまでが本当なのだろう」と引き込まれる。

政権中枢に派遣された警察庁出身者からなる「官邸ポリス」の準備組織「エイワン」。
主メンバーの官房副長官・瀬戸弘和は東日本大震災の対応で混乱する民政党政権を見て、暗澹(あんたん)たる気持ちに駆られる。
瀬戸らは「合法的な手段を駆使して、政権を支えて日本を導く
唯一無二の存在になる」という思いを抱き、
エイワンメンバーを率いて情報収集し、指示を出す。

総理宣伝本の出版を計画していた、東日本テレビ山本巧基記者の強姦容疑をめぐっては逮捕状の執行取り消しに動く。
文科省の総括審議官前田裕兵の「恋活バー」通いを尾行して新聞にリークしたり、総理の名前のついた小学校を建てようとした幼稚園理事長門池康正夫妻を逮捕するよう指示したり。

第二次安倍政権下で実際に起きた疑惑を下敷きに、モデルとなった人たちをからめたストーリーが次々と展開する。
帯のコピー「92%の現実」、つまり残り「8%のフィクション」のさじ加減が絶妙だ。

■「では、安倍総理の代わりは誰がいるの?」
著者の幕蓮氏は、元警察庁職員。
震災後の政権の混乱を見ながらメモを書き溜め、10人ほどの官僚たちに取材。
1年を費やして書き上げた。

幕蓮氏は「安倍政権がベストと思ってないが『モストベター』。
野党やマスコミはいろいろ批判するが、『では、安倍総理の代わりは誰がいるの?』と思う」と語った。
霞が関ではマジョリティだろう。

一方で「政権礼賛本のようにも言われるが、現政権に満足しているわけではない」
「地道に政権を支える警察官僚たちの姿を描きたかった」。
葛藤や理不尽さに耐えつつ、職務を遂行する警察への素直な思いがこもる。

第二次安倍政権は、内閣人事局長に杉田和博氏、内閣情報調査室長の北村滋氏、国際テロ情報収集ユニット初代トップの瀧澤裕昭氏をはじめ、枢要ポストに警察庁出身者がかつてないほど多数、就任している。
幕蓮氏は「彼らは政権維持のため裏方に徹し、うまくやっている」と評価するが、
内閣人事局の権限が強すぎて、官僚が人事に縛られ、ものが言えない空気も蔓延している
安倍一強が続く中、統計不正はじめ、各省庁で次々と起こる不祥事にふがいなさを覚える」とも指摘する。

「『官僚たちの夏』のような自由闊達な議論が中であるのではなく、目の前のことに忙殺され閉塞感も漂っている」。
本書はそんな官僚たちへ「もう1度、気概を持て」というエールも込められている。

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幕 蓮
東京大学法学部卒業。
警察庁入庁。その後、退職。
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2019年03月04日

日本人の給料がほとんど上がらない5つの要因

日本人の給料がほとんど上がらない5つの要因
90年代以降の平均上昇額はわずか7万円程度
2019/03/02 東洋経済オンライン
岩崎 博充 : 経済ジャーナリスト

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」に対する不正調査の問題が、相変わらず国会で審議されている。
問題の本質は、官僚が統計を操作してでも「賃金上昇」を演出しなければならなかったことだ。

なぜ、日本の賃金は上昇しないのか。
周知のように、1990年代以降の日本の賃金はほとんど上昇してこなかった。
バブル崩壊による景気後退の影響があったとはいえ、欧米の先進国と比較して日本の賃金が低迷を続けていることは明らかだ。

その原因はどこにあるのか。

27年間で上昇した年収はわずか7万円?
実際に、日本の賃金上昇の推移を見てみると、平成の30年間で上昇した賃金はわずかしかない。
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、

1990年の平均給与は425万2000円(1年勤続者、以下同)。
1990年以降、平均給与はしばらく上昇するのだが、
1997年の467万3000円をピークに下がり始める。
その後、ずるずると下がり続けて、2017年は432万2000円となる。

1990年からの27年間で、上昇した平均給与はわずか7万円ということになる。
実際に、日本の実質賃金の下げは国際比較をしてみるとよくわかる。

1997年=100とした場合の「実質賃金指数」で見た場合、次のようなデータになる(2016年現在、OECDのデータを基に全労連作成)。
・スウェーデン……138.4
・オーストラリア…… 131.8
・フランス……126.4
・イギリス(製造業)……125.3
・デンマーク……123.4
・ドイツ……116.3
・アメリカ……115.3
・日本……89.7

1997年から2016年までの19年間で、先進7カ国のアメリカやドイツでも1割以上上昇しているにもかかわらず、日本は1割以上も下落している。

安倍政権は雇用環境の成果に胸をはるが
安倍政権は、史上最長の好景気によって有効求人倍率を大幅にアップさせ、新規雇用者数も増加させたと胸をはるが、それが本当であれば、実質賃金の下落は説明できない。

「労働組合」の弱体化と「非正規雇用」の増加?
日本の賃金が上昇しない原因については、さまざまなシンクタンクやエコノミストが分析しているが、大きく分けて5つの段階に分けて考えればわかりやすいかもしれない。

次の通りだ。
@労働組合の弱体化
A非正規雇用者の増加
B少子高齢化の影響
C内部留保を貯め込んで賃金を上げない経営者
D規制緩和の遅れがもたらした賃金低迷

順に見ていこう。
<@労働組合の弱体化>
日本はバブル崩壊によって1990年代以降、景気後退を余儀なくされた。
欧米のように、景気低迷に対しては人員カットで対応するのではなく、雇用を維持しながらも賃金で調整する、という方法がとられた。
労働組合も、クビにされるよりも給料を下げることに同意し、ここで日本特有の労使関係ができあがったといっていい。

周知のように、アメリカでは景気が悪くなれば20年勤続の従業員であろうと、即座に人員をカットする。
欧州もアメリカほどではないが、必要とあれば労働組合も整理解雇を認めるというスタンスだ。
日産自動車を救ったカルロス・ゴーン元会長が、コストカッターとして数多くの従業員のクビを切ったように、日本とは違って欧米諸国は「問題を先送りにしない」という姿勢を持っている。

要するに、日本の労働組合は自分たちの組合員を守るために、戦う牙をなくし、会社側=経営陣に忖度し、会社側の要望を聞き入れる体質になってしまった側面が否定できない。
こうした背景には、労働組合の構造的な問題があるといわれている。
日本の労働組合は、企業ごとに組合が設立されている「企業内組合」が一般的であり、欧州などの「産業別労働組合」とは異なる。
企業内組合の場合、どうしても経営陣との交渉の中できちんとした行動を起こせないという構造的な弱点がある。
業績が悪化すれば、素直にベースアップの減額にも応じてしまうのだ。

<A非正規雇用者の増加>
小泉政権時代に行われた「労働者派遣法の改正」によって、日本の雇用形態は大きな変革を迫られた。
企業は賃金の低い非正規雇用者を雇いやすくなった。
実質賃金低迷の原因の1つとして、見逃すことはできない。

これには人件費を削減して、業績悪化から企業を守った面はある。
しかし、今となっては日本企業があの時期にもっと海外にきちんと進出していれば、日本企業はもっと成長できた可能性はあるし、グローバルな企業に成長していたかもしれない。

日本の製造業のシンボル的な存在だった家電業界も……
携帯電話などの製造拠点は部品のみになり、日本の製造業のシンボル的な存在だった家電業界も、東芝やシャープは海外企業に買収され、シェアは海外企業に奪われてしまった。

少子高齢化、低賃金で放置されたパートタイマー
<B少子高齢化の影響>
日本の少子高齢化の影響は、重大であり、未来に大きな後悔を残すかもしれない。
内閣府がまとめた「データで見るアベノミクス」(平成31年1月25日)は、成果を大きくアピールしている。
例えば、雇用環境の成果として次のような項目が列記されている。

●完全失業率……4.3%(2012年12月)→2.5%(2018年11月)、25年ぶりの低い水準
●有効求人倍率……0.83倍(同)→1.63倍(同)、1974年1月ぶりの高水準
●正社員の有効求人倍率……0.50倍(同)→1.13倍(同)、データ収集以来初の1倍
●就業者数……6271万人(2012年)→6522万人(2017年)251万人増、5年連続で増加 さらに、「所得環境」も大きく改善されたとしている。
●名目雇用者報酬……252.7兆円(2012年10-12月期)→282.7兆円(2018年7−9月期)30兆円増
●賃金改定でベースアップを行った企業の割合(一般職)……12.1%(2012年)→29.8%(2018年)。2.5倍、春闘の賃上げ率は5年連続で今世紀に入って最高水準
●最低賃金(加重平均額)……749円(2012年度)→874円(2018年度)125円増
●パート時給(前年比)……0.6%(2012年)→2.4%(2017年)1.8%上昇、9年ぶりの高い伸び

安倍首相と菅官房長官の力が最も強い内閣府がまとめたものだが、マイナス材料はほぼひとつもない「アベノミクス礼賛」のレポートだ。
実際に、プラスにならない実質賃金や目標に達していない消費者物価指数はスルーしている。
新規雇用者数の伸びは、人口減少に対応するために非正規雇用や女性のパートタイマー従業員を増やした結果であり、完全失業率の低下や有効求人倍率の上昇は人手不足の表れといっていい。

外国人労働者を受け入れる枠を拡大したことで、政府もすでに人手不足が深刻であることは認めている。

さらに、近年の特徴として挙げられるのが、かつては60歳もしくは65歳でリタイアしていた高齢者が、ここにきて60歳で低賃金の雇用者に格下げされ、本来なら65歳で完全リタイアだった高齢者が、格安の賃金でいまだに働き続けている、という現実がある。

とりわけ、自営業や中小企業の従業員だった人は…
とりわけ、自営業や中小企業の従業員だった人は、低賃金のまま働き続けることを余儀なくされている。
ここでもまた実質賃金の伸びは抑えられてしまう。

経営者や行政の怠慢が招く賃金低下?
<C内部留保を貯め込んで賃金を上げない経営者>
人手不足といわれる業界は、サービス業など生産性が低迷している業界に多い。
例えば、コンビニ業界で24時間営業の見直しが進められているが、粗利益の6割も取るような高いロイヤルティーは、従業員の低賃金や人手不足問題の要因であろう。

競争が激化しているコンビニ業界にとって、ロイヤルティーの引き下げは難しい課題だが、日本の少子高齢化の流れから見て、いずれは人手不足で改革を迫られる可能性はある。

バブル崩壊以前は、社員こそ最大の資源、という具合に会社も賃上げに積極的だった。
優秀な人間は、一生をかけてでも育て上げていく、というのが日本企業の大きな特徴だった。
それが、バブル崩壊以後は雇用さえ確保しておけば、賃上げなんていう贅沢は言わせない、という雰囲気に変わってきた。

そうして労働組合が弱体化したのをいいことに、企業は内部留保を貯め込んだ。貯めた内部留保で、人口減が予想される日本を飛び出して、新たなビジネスを求めて海外に進出すればよかったが、そうしなかった企業も多い。

いまや日本の内部留保は2017年度の法人企業統計によると、企業が持つ利益剰余金は446兆4844億円(金融業、保険業を除く)に達しており、金融、保険業を含めれば507兆4454億円となり、初めて500兆円の大台を超えている。
1年分のGDPに匹敵する余剰金だ。

<D規制緩和の遅れがもたらした賃金低迷>
通信や交通エネルギーなどの公共料金分野は、規制緩和の遅れで現在も新規参入を阻害し価格の抑制や引き下げが遅れてしまった。
価格が上がらなかったことで顧客満足度が増し、製品やサービスの価格が低く抑えられたまま日本経済は推移している。
そのツケが、従業員の賃金の上昇を抑えてきたといっていい。

スーパーやコンビニ、スマホ(通信)、宅配便、外食産業といった業種では、価格が低く抑えられてきたために、賃金がいつまでたっても上昇しない。
企業経営者や行政の怠慢によって、適正な価格競争が起こらなかった結果といえる。
私たちの生活に根付いているスーパーやコンビニ、スマホ、宅配便、外食産業といったサービスは、極めて便利で安価なサービスなのだが、その背景にあるのが低賃金で働く従業員でありパートタイマーというわけだ。

以上、ざっと日本の賃金が上昇しない原因を考えてきたが、日本国民は極めて素直で、従順な民族だから、政府が一定の方向性を示すと素直に従う習慣がある。
キャッシュレスもここにきて一気に拡大することでもわかる。

実質賃金が上昇しない背景には、過去の雇用政策や法改正が大きな影響を与えている。
賃金より雇用という大きな流れの中で、我慢し続けている国民がいるわけだ。
日本の景気回復は、まだまだ道半ばといえる。
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2019年03月05日

「別れ」は「成長」をもたらす。変化を嫌がってはいけない

「別れ」は「成長」をもたらす。変化を嫌がってはいけない
2019年03月04日 SPA!

◆「別れ」を成長に変えるには、変化を嫌がってはいけない
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。
自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。
自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か?
そのヒントをつづる連載第91回

 3月といえば別れの季節です。
卒業や転勤で今の人間関係から離れる人も多いと思います。
自分ではなく、親しい相手が去っていくこともあるでしょう。
別れは切ないものですが、だからこそ、そこに貴重な学びがあります。

 その学びとは「自覚」です。
自覚は異質に触れることで芽生えます。
学校にしろ会社にしろ、コミュニティは同質な者の集まりです。
そして同じ者同士で集まっている間は気づけません。

外国に行くと、自分の国のことがそれまでよりもわかるようになるのと一緒です。
 たとえば学校を卒業して友人と離れ離れになるのは、それぞれの進路が異なるからです。
自分とは異なる道に進む人間に触れた時、私たちに「あいつはああする。では、自分はどうするのか?」という問いかけが生まれます。

 先日、祖母が入院したという知らせがあって、実家に戻りお見舞いに行きました。
祖母は認知症が進み、数年前に私のことがわからなくなっています。

「見知らぬ人が来るとかえって混乱する」という事情もあって、祖母が暮らすグループホームからも足が遠のいていました。  その日も会話ができる状態ではなかったのですが、ふと、じっと視線が交わる時間が長く続きました。
それから私が軽く手を振ると、祖母も手を伸ばし、私の手を握ってくれました。
 祖母が私のことを自分の孫だとわかっていたのかは定かではありません。
ただ、手を握った時の感触はきっと一生忘れないと思います。

その時、私は自分が元気なうちにやるべきことがあると思いました。
そう思ったのは生と死という、もっとも根本的な別れの予感に触れたからです。
 幸い、祖母はまだ入院中ですが持ち直してくれました。
ただ、それは結果論です。

もしお見舞いに行かなかったら、私と祖母が手を握ることも、こうして祖母から何かを受け取った気持ちになることもなかったのかもしれません。
前日の夜遅くに母から連絡があり、早朝の新幹線に乗って面会し、翌日には帰る慌ただしい日程でしたが、会いに行ってよかったと心から思いました。

 生と死に限らず、別れはいつか必ずやってきます。
自分も相手も否応なしに変わっていきます。
その変化が別れをもたらします。
自分が普段当たり前だと思っていることは、実は全然そうではないのです。
それこそが自覚という学びです。

環境が変わっているのに、心が変わっていなかったら、上手く適応できません。
 別れの後には新しい出会いがあります。
私たちは別れと出会いを繰り返し、変わっていきます。
それを成長にできるか、停滞になるかは、「変わっていく」という自覚があるかどうかで決まります。
変化を嫌がり留まろうとする。
それが停滞だからです。

 3月は別れの季節です。
もしあなたに別れが起きたなら、ぜひ相手について考え、そして自分について考えてみてください。
相手も自分も変わっていく。
その思考が変化と成長をもたらします。

佐々木】 コーチャー。
自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。
現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」
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2019年03月06日

早稲田を出て2カ月で警察官を辞めたワケ

早稲田を出て2カ月で警察官を辞めたワケ
2019年03月05日 PRESIDENT Online
総合格闘家 青木 真也

「みんなと一緒」で通用する時代は終わった。
ぬるま湯に浸かって群れているだけでは、目標達成や自己実現などできない。
総合格闘家の青木真也氏は「自分の信念を持ち続けるために、創造できる自由だけは絶対に手放してはいけない。
警察学校にいた2カ月間は何もできなくてつらかった」という――。
※本稿は、青木真也『ストロング本能』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■信念さえあれば豊かに生きられる時代
日々、与えられた仕事をこなしているのに、達成感を得られない。
忙しく働くだけで、成長はしていないように感じられる。
……そんな悩みがあるとしたら、人に流されている可能性が非常に高いと思っていいでしょう。

僕は「人に流されない覚悟が、レベルの高い自己実現を可能にする」と信じて、ここまでやってきました
何かやりたいことがあっても、人に流されるとどんどんつらくなっていきます。
反対に、人に流されなければ、どんどん成長していきます。

以前の右肩上がりの社会では、人に流され、「みんなと一緒」であることが優遇される風潮がありました。
しかし、いまの世の中で「みんなと一緒」はババを引く可能性が大きいというのが僕の意見です。
そもそも「人に流される=思考がもうそこにはない」といえます。

思考停止状態のぬるま湯に浸かってなんとなく群れているだけでは、目標達成や自己実現はできません。
人に流されていると、「何のためにやっているのか」という信念の濃度も薄まっていきます。
これが実によくない。

いまは、信念さえあれば勝てる時代です。
大勝ちはできなくても、豊かに生きられる時代なのです。
だからこそ、人に流されることは避ける。
そして、とにかく「自由」だけは手放してはいけません。

■公務員のように欲を禁じられるのはつらい
たとえば「1億円やるから格闘技を辞めろ」と言われても、僕は辞めません。
お金のために自由を手放したくない。
何にも縛られず、自由に好きなことをやっていたい。
僕は、自分で選択できて、自分でクリエイティブに創造できることの価値と喜びを知っています。

それに、何もできなかった警察学校の2カ月も知っている。
だから、自由の価値を本当に素晴らしいと、より強く感じているのです。
僕は、基本的に自由の身ですから、どんな仕事でも受けることができます。
格闘技の枠に縛られることもありません。
「おまえ来いよ」「行きます」でOKなわけです。

行きたくなければ、「行かないよ」と言える自由はやはり最強だと思っています。
自由だからこそ、ときには欲望をむき出しにすることもできます。
欲をかくことはとても大切です。
公務員は、まったく欲をかけません。
「欲をかいてはダメだ」という教育を受けるのです。
副業もダメです。

そうなってくると、「自分の立ち位置を上げよう」とか「ここでひと山当てよう」みたいな山師的感覚がなくなってしまう。欲は、僕が思考の中心に据えて大事にしている本能をドライブするエナジーです。
そのエナジーを禁じられてしまうのはつらい。

■エナジー爆発、アントニオ猪木の生き方に学ぶ
公務員的な生き方と対極にあるのがアントニオ猪木です。
「やりたい」「したい」「食べたい」「気持ちよくなりたい」というエナジーが人一倍あります。
おいしい話が大好きで、揉めごとも大好き。本能で生きている状態です。

10年ほど前、必要最低限の物を持って生活する「ミニマリスト」が流行りました。
いまでも実践している人がいるかと思います。

しかし、僕は、「とにかく物を捨てる」「物を持たない」という行為が目的化することに、ものすごく違和感を覚えるのです。
ミニマリストは、なりたくてなる存在ではなく、あくまでも気づいたら自然にそうなっていたというものであるべきではないでしょうか。
そもそも自分に必要がなくなり捨てていくから、ミニマリストになるわけです。
それが憧れのアイコンとなり、形から入るからおかしなことになるというのが僕の意見です。

完全に本質からズレているのです。
あくまでもミニマリストは手段であり、目的ではありません。
手段が目的になってしまうと「ミニマリストになったはいいけれど、そのあと何すればいいんだ?」となるでしょう。

ミニマリストは「生き方」「ライフスタイル」であるべきです。
本当は「持ちたい」のですが、たくさん持っている人の「こんなに持ってるぜ」というスタイルがいやだから、流行に乗って「ミニマリストになる」と宣言し、そっちに振り切ろうとする。
そんな自称ミニマリスト程度の覚悟では、本当の意味での自己実現はできません。

■後輩に「かんばってきたね」と声をかけた理由
大切なのは、人に流されず、「自分だけのものさし」を持つことです。
自分だけのものさしとは、信念と言い換えてもいいでしょう。
そして、人は信念があるから、がんばり続けることができます。

先日、「格闘代理戦争」というテレビ番組で、後輩選手の試合が終わったあとに、多くの人が「がんばったね」と言うなかで、僕は「がんばってきたね」と言いました。
後輩がその言葉をどう理解したかわからないけれど、「がんばってきたね」と言ったのは、番組出演が決まって、何とかして上に行きたいとあがいてきたその試合までの経緯を知っていたからです。

僕は試合のことではなくて、後輩が信念を抱き、がんばり続けたことに対して、声をかけました。
言葉をどう相手に伝えてあげられるかは、みんなあまり深く考えないのですが、僕としてはもっと考えてほしいと思っています。

「きた」の2文字を入れるか入れないかで、言葉の意味がガラッと変わります。
人間は言葉をしゃべる生き物です。
言葉がなくなると、大きなものを失ってしまいます。
言葉をどう伝えるか、どうやって言ったら伝わりやすいか。

逆に、どうやって言ったらカドが立つか、どこまで伝えたらいいかは、やっぱり大事にしていきたい。
そのため、僕はそのことばかりを考えています。

■言葉を持っている人はかっこいい
僕はプロレスが好きだったから、格闘技をやる前から「言葉の力」というものを意識していました。
昔、武藤敬司がケガ明けで試合をしたときに「リングが冷たく感じたよ」と発言したことがありました。
復帰したばかりで慣れていない感じを「冷たい」と表現した。

そのとき僕は中学生だったのですが、この言葉に衝撃を受けたのです。
武藤敬司は言葉のあるレスラーなので「うわ、こいつ、かっこいい」と素直に思ったのです。
ずっと、アーティストやアスリートが発する言葉に魅了されてきました。
ボクシングの畑山隆則が坂本博之と戦ったときに、
「相手のほうがパンチがある。
僕は顎が弱い。
彼は顎が強い。
僕はパンチがない。
だから、僕が勝つんだ」と言っていて、畑山も言葉があってすごいなと思いました。

2018年は、言葉の逸材が出てきました。
僕のなかで、いちばんおもしろかったのは至学館大学の谷岡郁子学長です。
ボクシングの「男・山根」もよかった。
僕は、ああいう人が出てきたときに「すごい逸材が出てきた!」とその才能を喜ぶのですが、それに対して本気で怒っている人がいるのは、ありがたくもあり、何かつらくもあり、非常に複雑な気持ちになります。

■ジャンルをスライドさせて自分の言葉に落とし込む
ああいった才能を根絶やしにしちゃったら、日本にとってマイナスになってしまう、それが僕の意見。
それこそ「白か黒か」というつまらない世界になってしまいます。

ジャンルをスライドさせて自分の言葉に落とし込む言葉を持っている人か持っていない人かというのは、教養の差によるものです。
物語を知らないと、言葉を持つことはできません。
教養や物語がないのはやっぱりさみしい。
「言葉を持っている」というのは、ある種の宗教みたいなもので、信じる言葉があるということです。
信じる言葉がある人は自分を騙せます。
迷ったときに、言葉にすがることができるのです。

つらいのは、結局、世の中が「損得」とか、わかりやすいものに流されていってしまうことです。
僕はストーリーが見える選手になりたいと思っています。
ちゃんとストーリーがあるというのは、その人が戦う意味があるということです。
そして、僕は言葉でもストーリーを表現したい。
普通にいまから言葉を勉強しても、賢い人には競り負けてしまうのがわかっています。
よって、僕は格闘技とリンクさせてしゃべるようにしています。
そうすると、自分にしかないオリジナルになる。

ビジネスの話を格闘技に持ってきたり、格闘技の話をビジネスに持っていったりするのは有効です。
この「横移動」ができると、だいぶ強くなります。
大事なのは、人に流されることなく、自分の言葉でしゃべることなのです。
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2019年03月07日

虐待サバイバーが語る「児童相談所は私を助けてくれなかった」

虐待サバイバーが語る「児童相談所は私を助けてくれなかった」
3/5(火) 文春オンライン(渋井 哲也)  

今年1月24日、千葉県野田市の小学4年、栗原心愛さん(10)が自宅で死亡した。
父親の勇一郎容疑者(41)と母親のなぎさ容疑者(32)が傷害容疑で逮捕された。
この事件では、柏児童相談所の不適切な対応が問題となっている。

 柏児相は心愛さんを一時保護していたが、一時保護を解除して預けていた親族宅から自宅に戻すかどうか判断する際、父親から「お父さんに叩かれたのは嘘」などと書かれた手紙を見せられた。
しかし真偽については十分に確かめず、自宅に戻した。
市が合同委員会を設置。再発防止策を検討することになっている。

 児相のあり方が問われる中、過去に両親から虐待され、児相と関わった2人に話を聞くことができた。

「死ぬならここにしようと決めている」
 今年2月某日、明穂(27、仮名)から無料通信アプリLINEのメッセージが届いた。
「死にたいと思って、気がついたら更地にいた。
震災前、ここには児童相談所があった。
死ぬならここにしようと決めている」

 東日本大震災9年目の取材で筆者は被災地にいた。
そのことをツイッターで知ったという。
さっそく連絡を取り、会うことにした。
明穂の自宅は津波被災をしたため、一旦、仮設住宅に住んだ。
現在、実家は建て替えた。

 明穂はよく父親からこう言われて、体罰を受けながら育った。
“なぜ叩かれたのか。理由を探しなさい”

100点を取っても、「こんな簡単なテストで喜ぶな」
 例えば、幼いころは親戚に挨拶をするタイミングが遅いという理由だったり、小学生のときは成績が理由だったりした。100点以外は許さないが、100点を取っても、「こんな簡単なテストで喜ぶな」と言われた。

そのためか、小1の頃から自殺を考えていたという。
「1年のころは飛び降りれば死ねると思って、自宅の2階から飛び降りたことがあった。
2年のときからはリストカットをしたり、頭をぶつけるようになった」

 勉強するモチベーションが上がらず、5年の頃には100点を取れなくなっていた。
「友達を家に呼ぶと、父は『君はどこの大学に行くの?』と聞き、答えられないと家にあげなかった。
次第に友達が来なくなった。
でも、授業参観にも父親がくるので、熱心に思われていた」

児童相談所に行き、家で虐待されたと訴えたが……
 母親も明穂を虐待した。
「もっと叩いて育てればよかった」と言っていたほどだ。
晩ご飯前後には、外に締め出されたことも多かった。
近所の人に見られない時間帯でもあった。

小3からは「死にたい」と強く思う。
父親から性的虐待を受けるようになった時期だ。
「週末に、中2までされていた」

 中学では、学校の先生に家のことを話すようになった。
「性的虐待のことは、されなくなってからも、すぐには話す気になれなかった」
 中3のとき、明穂は自分から児童相談所へ行き、家で虐待されたと訴えた。

一旦は「保護する」という話になったが、連絡が行った母親の反対で、実現しなかった。
当時は、親権が強かった。
「児相に夢と希望を持ちすぎた。何かが変わるという期待があった。
児相が介入してくれると思ったのに、それ以上のことはしない。
骨折でもしないといけないのか。
このとき母親も性的虐待のことを知ったけれど、家に帰ると、ケーキが用意され、なかったことにされた」

 明穂はずっと親に殺されると思ってきた。
震災の時は無職でも避難所などで役に立ったことから、「無職を責められず、よかった」と振り返る。
家族との関係は変化しないが、両親は年をとったこともあり、暴力は受けていない。
そして、無職ながらも一人暮らしをしている。

「今も死にたいと思っている。
高校生までは早く死にたいと思っていた。
なぜなら若いうちはニュースに取り上げられるはず。
しかし、そのタイミングを逃した。
一回しか死ねないので、ここぞという時に死にたい。
(家の)系譜を断ちたい」

30代の男性とラブホテルから出たところを補導
 那美(20、仮名)は16歳のとき、池袋駅北口で警察に補導された。
30代の男性とラブホテルから出たところだった。
「警察官とラブホテルで現場検証をした。
生々しい感じで、『こんなことをしたのか?』とか『相手は全部吐いたよ』とか言われたりして、私は『たぶん、そうだと思います』と受け答えした。
何をしたのかをしゃべらせようとしていた」

 東京都青少年健全育成条例(淫行)違反事件となった。
那美は援助交際もしていたが、このときは、金銭のやりとりはなかった。
いわゆる素行が悪いとされたため、神奈川県内の児童相談所に送致され、児童福祉司と話すことになる。

「めちゃ、性格が悪い人だった。“そんなこと(援助交際等)をした人はゴミ”と言うように、冷たい人だったので、2、3回行って、ばっくれようと思った」
最初の担当には「あんたとは話したくない」
2回目は性格検査をした。臨床心理士が対応した。

「優しい人だった。話しやすかったし。
そのため、最初の担当には『あんたとは話したくない』
『心理士となら喋っていい』と言った」

 カウンセリングされるようになると、自分の家族のことも話した。
「母はマンションを買うために借金をした。
そのことをきっかけに父親は私にも暴力をふるうようになった。
離婚して母親と暮らしたが、おじいちゃん、おばあちゃんから掃除機の尖った部分で殴られたりした。
自分の殻に閉じこもる性格で、読書で集中していると、返事をしないからでしょうね」

 中学の頃は、母親の彼氏と一緒に住むこともあったが、その男から暴力を受けた。
その後、父親と暮らすようになるが、父親からも暴力を受ける。
自傷行為を繰り返すようになり、何度か病院に入院するが、PTSDの診断を受けた。

「虐待のニュースは自分の心が死んじゃうので……」
「母親と暮らしたときは明確な虐待だと思う。
でも、どこからが虐待なのかわからない。
例えば、高校生のときは父親と暮らすが、手をあげられたり、物を壊されたり、部屋のものがなくなっていた。
作った食べ物は捨てられ、皿ごと捨てられていたこともある」

 殴られたりすると、泣き叫ぶ子もいるだろうが、那美は殴られてもフリーズし、泣かなかった。
「だから近所の人にもわからないし、父親は外面がいいので、発覚しない。
心理士の人からは『家を出た方がいい』と言われたが、児相は初めてだったし、万引きもタバコもしてないので、非行だと思っていない。
保護されるレベルでもない」

 児相は虐待自体には介入しなかった。
高校卒業後、就職した那美。
会社の寮で暮らしているため、しばらく父親とは会ってない。
ただ、成人式を迎えたために手紙とお金が送られてきた。
「どうしたらいいのかわからないので、(お金は)使ってない」

 心愛ちゃんの事件について、那美はニュースを見聞きするのを避けていたという。
「ニュースは見ないようにしていた。虐待のニュースは自分の心が死んじゃうので……」
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2019年03月08日

公立小中に4万人いる常勤講師の差別待遇

公立小中に4万人いる常勤講師の差別待遇
2019/03/07 プレジデントオンライン(田中 圭太郎 )

全国の公立の小中学校には、「常勤講師」と呼ばれる非正規の教員が約4万人いる。
仕事内容は正規の教員とほとんど同じ。
だが正規教員の給与が年700万円程度なのに対し、非正規では最高でも年400万円未満と少ない。

N県で19年間、常勤講師として勤務し、昨年4月に正規教員となった男性に、「差別待遇」の実態を聞いた――。

「常勤講師の制度は差別でしかない」
「私は19年間講師として働いてきました。
45歳になってようやく正式に教員に採用されましたが、いま改めて感じているのは、常勤講師の制度は差別でしかないということです」

こう話すのは、N県の公立小学校などで長年講師として働き、2018年4月に45歳でようやく教員に正式採用されたAさん。
N県では教員採用試験の受験資格が40歳未満だったため、それまでに合格できなかったAさんは一度は採用の道が閉ざされた。
それが16年になって、教員不足などを背景に受験資格が45歳未満に引き上げられたことから、何とかギリギリで合格を果たすことができた。
Aさんは採用の道がいったん閉ざされて以降、臨時教員の待遇改善を訴えてきた。
教職員組合に「臨採部(臨時採用教職員部、の意味)」を立ち上げたほか、正式採用された現在も、研修会に招かれ、講師の勤務実態や改善策などについて講演している。

教職から離れて3年後、「離島で勤務しないか」と誘い
Aさんは大学を卒業後、他県の公立中学校で2年間講師として働いた。
1年目はいきなり3年生を担任。
2年目は2年生を担任したが、自分の無力さを感じて、一度は教職から離れた。
地元に戻り、祖父母を頼って一緒に暮らしていた。
すると教職から離れて3年がたった頃、地元の教育事務所から「離島の小学校で勤務しませんか」と連絡があった。
産休・育休で教員に空きが出たということだった。

講師の誘いを受けたことで、この機会に再度教員の道を歩んで、正採用を目指すことを決心。
祖父母に伝えようと思った矢先、祖父はその日に倒れ、そのまま他界してしまった。
「心配をかけた祖父に、安定した仕事に就くことを報告して、安心してもらおうと思ったのですが、知らせることができませんでした。
間に合わずに、悔いが残っています」

祖父の葬式が終わって、Aさんは離島へと出発した。
しかし、そこから長く続く講師としての生活は、安定とは程遠いものだった。

仕事内容は正規の教員とほとんど同じで、担任もする
Aさんは離島で2年間勤務した後、地元で引き続き講師をすることになった。

島を出てまもなく結婚し、4人の子どもを育てていく。
講師は基本的に、ほぼ1年おきに職場が変わっていく。
その過程で、さまざまなデメリットがあることにAさんは気づいた。
仕事内容は正規の教員とほとんど同じで、担任もする。
新採用の教員であれば研修が用意されているが、講師には何もない。
県教委や現場からは即戦力を求められるが、誰のサポートもなく、いきなり授業を動かさなければならないのだ。

労働時間も正規教員と変わらない。早朝から夜7時くらいまでは学校にいることも多かった。
研究校に指定されている場合は、会議などで夜8時、9時まで勤務することも当たり前だった。
学期末などは仕事がさらに増えていく。

講師が荒れているクラスの担任をする、というケースもよくある。
荒れているクラスを受け持つことを他の教員が拒否して、講師に任せるというのだ。
「講師の仕事面での負担は、むしろ正規教員よりも大きい場合がある」というのがAさんの率直な思いだ。

3月末から4月上旬までの空白期間は無職
こうした状況にもかかわらず、待遇面では正規教員と大きな差がある。
任期は3月の修了式までで、3月の給料は日割りになる。
そのため、3月だけは厚生年金から国民年金に切り替えなければならない。
もし3月に亡くなった場合には遺族年金にも大きな差が出てしまう。
同じように健康保険も社会保険をいったん抜けて、国民健康保険に1カ月だけ加入しなければならない。
しかし、3月中は保険証が届かず、その期間に病気になった場合は、窓口で10割全額を負担しなければならなかった。

さらに、Aさんが働き始めた当時は4月2日採用で、4月も日割りだった。
日割りになった3月と4月は手当もつかず、給料も少ない。
日割り計算によってボーナスも満額は出ない。
退職金は1年ごとに支給され、その金額は年間12万〜13万円ほど。
日割りになっている月の生活費に消えてしまう、といった状態だった。

3月末から4月上旬までの空白期間は、無職である。
この時期の平日、子どもの行事などに参加すると、保護者から「先生は春休みがあっていいですね」と言われるのが常だという。
しかし、実際は無職の状態だったAさんは「みじめな思いで、一人で落ち込んでいた」と話す。
教員を精神的に追い込む不安定な採用システム 待遇面に加えて、不安定な採用システムが、教員を精神的に追い込む。
3月の修了式の時点で、次の勤務先はおろか、4月から臨時教員として引き続き働けるかどうかもわからないのだ。

各県で異なるかもしれないが、Aさんが経験した採用の流れは次のようになる。
3月上旬、次の職場がある場合は1回目の通知がくる。
人事異動発表後、2回目の通知で勤務予定の学校を知らされるが、自分から学校には連絡しないように、とくぎをさされる。

4月に入って学校長から連絡があり、4月2日(その後、1日付け採用となる)から働けると言われた場合は勤務が確定になる。
ところが、そうはならないケースもある。
学校によっては、始業式まで人数が確定せず、予定より少なかった場合はクラスを減らす「危険学級」が設定される。
勤務する可能性のある講師は始業式の日に呼ばれ、校長室で待機する。
無事、人数がそろえば、その場で採用となるのだ。

何年働きつづけても給料は月額約24万円のまま
ところが、当日校長室で待機していたのに、児童数がそろわずに不採用になったという人も出てくる。
Aさん自身は経験していないが、不採用になった知人は教員の道を諦め、他の仕事に就いたという。
何年か講師をやっていればそのうち正採用になるだろう、とまわりからは言われるものの、いつまでたっても身分は不安定のまま。

さらに、この理不尽さは年数がたつにつれてひどくなるということが、後からわかってきた。
講師にも昇給はあったが、それが8年で止まるとAさんが知ったのは、昇給が止まる直前だった。
N県の場合、講師の給料の上限は月額約24万円。扶養手当もつかない。
正式に採用されなければ、この先何年働きつづけても給料はこの金額のままだ。

昇給が止まったとき、Aさんは39歳目前だった。
当時のN県では前述の通り、40歳未満、つまり39歳までしか採用試験を受けられない。
当時、Aさんの子どもは、上の子が中学2年生で、一番下の子はまだ4歳。
これから子どもたちにお金がかかることも目に見えている。
何としても正規教員になりたかった。
しかし、採用試験は常に狭き門で、Aさんは最後のチャンスをものにできなかった。
結果は不合格だった。

「どんなにがんばっても、この給料でやっていくしかない」
「自分は家族を支えられないという現実を突きつけられ、人生で初めて、目の前が真っ暗になるってこういうことなんだ、と思いました。
不合格がわかった日は、家族の前に顔を出すことができず、夜中に近くの川べりに座って酒を飲んでいましたね。
どんなにがんばっても、ずっとこの給料でやっていくしかないんだと、絶望的な気持ちになりました」

どん底に突き落とされたAさんは、ボクシングと出会う。
他県にいた頃に一時経験があるが、近所にボクシングジムがあることを知り、ボクシングを再び始める。
何とか自分を保つために、Aさんが選んだ方法だった。
やり場のない怒りとか、いろいろなものが襲ってきて、自分がぶっ壊れてしまいそうでした。
ボクシングにぶつけることで、何とか平静を保つことができました」

Aさんはボクシングをすることで、仕事に再び打ち込むことができた。
そして考え方も前向きになった。
講師の待遇を改善するために行動しようと、教職員組合に臨採部を立ち上げて、交渉の先頭に立つことを決心した。
教員不足などを受けて、全国的に受験資格年齢の上限を引き上げる、もしくは撤廃する県が出てきたのはこの頃。
するとN県も突然、上限の引き上げを発表した。
45歳未満に引き上げられたのだ。

給料に「ここまで差があったのか」と愕然とした
Aさんが45歳未満への引き上げを知ったのは5月。
チャンスは、その年の7月と、翌年の試験の2回しか残されていなかった。
時間はなかったが、7月の試験では1次試験に合格。
2次試験の結果は「B」で、「成績優秀だけど不合格」というものだった。

Aさんは頭にきて通知書を捨ててしまった。
ところが、「B」の不合格者は、この通知書を持っていれば翌年の試験で1次試験が免除されることになっていた。
幸いにも、妻が捨てられていた通知書に気づき、保管していたため救われた。

Aさんは翌年、2次試験に全てをかけた。ピアノ教室にも通い、満点を取るという気迫で臨んだ。
結果は合格。
組合で臨採部などを立ち上げたことで、周囲からは合格は難しいのではないかと言われたが、そんなことはなかった。
最後まであきらめなかったことで実を結んだ。
しかし、採用されてからAさんはまたも愕然とした。

いままでと仕事内容は同じなのに、手当や福利厚生なども含め、給料にここまで差があったのかと、初めて知ったのだ。

年収は正規の教員になったことで1.5倍以上に
講師の時の月給は約24万円で、年収は400万円弱だった。
それが、採用された年は月給が約36万円で、扶養手当が約3万円。年収は、講師の時の1.5倍以上となった。
「こんなに差があることは、正規の教員になって初めて知りました。

確かに私の仕事は、いまの給料なら納得できます。
しかし、講師の場合は生涯賃金で比べるとかなり少なくなります。
この不利益の理由を、国や教育委員会は説明できるのでしょうか。
これは差別以外の何物でもありません」

待遇以外にも、臨時教員への差別を感じることがある。
ある日、Aさんの目の前で、子どもが講師に向かって「本当の先生じゃないくせに」と言われていた。
Aさんが「違うよ、先生だよ」と言うと「試験に受かってないやろ」と子どもは返す。
「受かっていなくても免許は持っているから先生なんだよ」と説明しなければならなかった。
講師という肩書のために、子どもや保護者からも「本当の先生ではない」と言われてしまうのだ。

教員の7%が「常勤講師」として働いている
文部科学省によると、全国の公立小中学校で働く常勤講師の人数は、17年5月現在で4万2792人。
教員の定員に占める割合は7.1%となっている。
これは産休や育休による代替講師を含まない数だ。

教員が不足する中で、講師は教育現場では必要な存在になっている。
しかし、いまのような待遇の差を放置すべきではないとAさんは訴える。
講師は、初任者のような研修も受けることがないまま、正規の教員と同じように質の高い指導を求められます。
“即戦力”などと言う人もいますが、それは都合のいい言葉でごまかそうとしているだけでしょう

Aさんは現在、講師の待遇改善について、教育委員会との交渉にあたっている。
これまでに厚生年金や社会保険の継続について改善を取り付けた。
昇給の上限については、都道府県別では17年現在で北海道、千葉県、石川県、大阪府、岡山県、沖縄県で撤廃されている(文部科学省の調査による)。

しかし、N県は8年で上限になる制度のままだ。
Aさんは上限の撤廃を強く訴えている。
講師は業務に見合うだけの賃金の保証がなく、不当な扱いを受けています。
これは単なる差別です。
講師に対する差別をなくすために、これからも訴え続けていきたいと思います

正規の教員は残業代ゼロだが、常勤講師はもっと厳しい
正規の教員も、労働条件はいいとは言えない。
教員には給与月額の4%相当が支給される代わりに、時間外手当が支給されないことが給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)で定められている。

教員の働き方改革が検討されるなか、中央教育審議会は去年12月、教員の残業を原則月45時間以内、繁忙期でも月100時間未満とするガイドラインを了承した。
しかし現状では多くの教員がこのガイドラインを超える残業をしている。
ガイドラインには罰則がないので、実効性があるのかと疑問視されている。
また中央教育審議会は、給特法の見直しには踏み込まなかった。
このように正規の教員も、厳しい労働条件下にある。
しかし、講師は同じ仕事をしながら、もっと厳しい立場と待遇で働いている。
講師の労働環境を改善することは、現場にも、教育を受ける子どもたちにとっても、プラスに働くのではないだろうか。「もっと多くの人に講師の実態を知ってほしい」とAさんは話している。

**************************
田中圭太郎(たなか・けいたろう)
ジャーナリスト 1973年生まれ。
早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。
大分放送を経て2016年4月からフリーランス。
警察不祥事、労働問題、教育、政治、経済、パラリンピックなど幅広いテーマで執筆。
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2019年03月09日

「死者の忘却」が民主主義を危うくする

「死者の忘却」が民主主義を危うくする
2019年03月08日 NHKテキストビュー

オルテガは過去から受け継がれてきた人間の英知や、自分とは異なる考え方を持つ人を受け入れる寛容さを「リベラリズム」と定義し、それを身に付けている人を「貴族」と表現しました。
これは「大衆」の対極にある存在です。

「貴族的精神」が大衆社会の中でどんどん失われていると考えたオルテガは、そのことによって民主制そのものが非常に危うい状況になっていると指摘しました。
この問題を考えるときにオルテガが重視したのが、「死者の存在」です。
評論家で東京工業大学教授の中島岳志(なかじま・たけし)さんが、『大衆の反逆』から該当箇所を引いて解説します。
             * * *
オルテガは、リベラリズムに基づいたデモクラシーを徹底して擁護した人物です。
そして、その実現のために彼が重要視したのが、「生きている死者」の存在です。
独特の言い回しですが、私が昔からとても好きな言葉でもあります。

われわれ現代の人間は、突然、地上にただひとり残されたと、つまり、死者たちは死んだふりをしているのではなく、完全に死んでいるのだ、もうわれわれを助けてはくれない、と感ずる。
伝統的な精神は蒸発してしまった。
手本とか規範とか規準はわれわれの役にたたない。

過去の積極的な協同なしに、われわれは自分の問題──芸術であれ、科学であれ、政治であれ──を、まさに現代の時点で解決しなければならない。
すぐ隣に生きている死者もなく、ヨーロッパ人は孤独である。

ここでオルテガが言っているのは、人間は二度死ぬということ。
つまり、単に心肺停止によって死ぬだけではなく、忘却によって真の死を迎えるというのです。

そして、それまでヨーロッパ社会の秩序を支えてきたのは、「生きている死者」とともに歩むという感覚だった。
死者は身体が失われたあとも私たちのそばにいて、この世の中を支えてくれていると考えられていたのですね。
そうした感覚が共有されていれば、社会で多数派を占めているからといって、その人たちが勝手に何でも決めたり、変えたりしていいということにはなりません。

過去の英知や失敗の蓄積の上に現在があるのだから、いま生きている人間だけによって、既存のとり決めを何でもかんでも変えていいわけがない。
いくら多数決が民主制の基本とはいえ、そうした「限界」はもっていなくてはならない。
ところがそんなことはお構いなしに、革命なるものが次々に起き、歴史的に構成されてきた世界を改変しようとしているとオルテガは感じていました。

それが彼の言う「超民主主義」ですが、そうした過去からの教訓や制約に拘束されない民主制は非常に危うい、過去と協同せず、現在の多数派の欲望だけから解決策を求めようとすると必ず間違える、というのが彼の考えだったのです。
これは、立憲主義と密接にかかわる考え方だと思います。
簡単に言えば、いかにいま生きている人間の多数派が支持しようとも、してはいけないとり決めがあるというのが立憲主義の考え方なのですが、そのことをオルテガは踏まえている。

そして、現代が死者を忘却してきたことが、民主制の危うさにつながっていると指摘するのです。

■『NHK100分de名著 オルテガ 大衆の反逆』より
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2019年03月10日

「私が向き合う」の仰々しさ 場当たり首相の北朝鮮利用

「私が向き合う」の仰々しさ 場当たり首相の北朝鮮利用
2019/03/09 日刊ゲンダイ

 この6年間、まったく何もしてこなかったくせに、よくもヌケヌケと口にできたものだ。
 先月27、28日に行われた2回目の「米朝会談」の後、拉致被害者家族と官邸で会った安倍首相が、「次は、私自身が金正恩委員長と向き合わなければいけない」と豪語したことに、国民は呆れ返ったに違いない。

 このフレーズをよほど気に入っているのだろう。
 ご丁寧なことに、首相官邸のホームページにも、同じ言葉をデカデカと載せている。
 昨年6月、最初の「米朝会談」が行われた時も、同じように「直接、北朝鮮と向き合い、2国間で解決していかなければならない」と語っていた。

 しかし、いまさら「私が向き合う」とはお笑い草である。
これまで支持率が下がるたびに北朝鮮の脅威をあおって支持率を回復させてきたくせに、“米朝接近”によって北の脅威を利用できなくなった途端、「私が向き合う」と方針転換し、また拉致問題を政権浮揚に利用しているのだから度し難い。
 いったい、いつまで拉致を政治利用するつもりなのか。

“拉致の安倍”をウリにして総理にまでのし上がったが、
「圧力」から「対話」へカンタンに方針を変えるとは、本気で解決する気があるとは思えない。
人気取りのために利用してきただけなのではないか。
もし、本気ならとっくに北朝鮮と向き合っていたはずである。

拉致被害者家族会の事務局長だった蓮池透氏はこう言う。
「日本は拉致問題の当事者ですよ。
なのに、安倍首相はトランプ大統領頼みなのだからどうかしています。
やる気がない証拠ですよ。
金正恩委員長にまで『なぜ日本は直接言ってこないのか』と指摘される始末です。
拉致被害者である田中実さんの生存情報がもたらされても知らんぷりを決め込んでいます」

■日本だけが北朝鮮に相手にされていない
 そもそも「次は私が金正恩委員長と向き合う」と大言壮語しているが、どこに北朝鮮とのパイプがあるのか。
 トランプ大統領も、習近平主席も、文在寅大統領も金正恩と会談しているのに、安倍だけ相手にされていない。
できもしないのに「次は私が向き合う」と堂々と口にするとは、この男の大言壮語ぶりは、ほとんどビョーキだ。

 朝鮮半島問題に詳しいジャーナリストの太刀川正樹氏がこう言う。
「北朝鮮の労働新聞は、安倍首相のことを罵倒しています。
さんざん北朝鮮への憎悪をあおり、圧力をかけるべきだと攻撃してきたのだから当然です。
安倍政権が続く限り、北朝鮮は日本との対話に応じないと思う。
ここまで日朝関係がこじれたら、中国か韓国に仲介してもらうしかないでしょう。
トランプ―金正恩の会談も、韓国の文在寅大統領が間に立って動いたことが大きかった。
でも、安倍首相は中国とも韓国とも対立している。いくら“次は私が向き合う”と力んでも、糸口さえない。
もっとも安倍首相は、日朝会談の実現はどうでもよく、“やっている感”さえ出せればいいと考えている可能性があります

 北朝鮮が日本を相手にしないのは、どうせ日本はアメリカの言いなりだと見られていることも大きい。
「アメリカと合意できれば、日本は必ずアメリカについてくる、と北朝鮮はタカをくくっています。

もし、日本がアメリカの意向を気にせず独自外交をするつもりがあるなら、日本との交渉に応じるかも知れない。
でも、安倍首相は、アメリカの意向に従って、対北朝鮮政策さえ“圧力”から“対話”に百八十度変えてしまった。
金正恩委員長は、安倍首相を相手にしても意味がないと考えているはずです」(太刀川正樹氏=前出)

 相手にされていないのに、いったい、どうやって北朝鮮と向き合うつもりなのか。
政権浮揚だけが目的の最悪外交 「次は、私自身が金正恩委員長と向き合わなければいけない」と、“やっている感”を演出しているが、安倍政権のままでは絶対に拉致問題は解決しない。
 さすがに、拉致被害者家族も不信感を強めているのだろう。
横田早紀江さんは「日本政府を信じてきてよかったのか」と漏らし始めている。

 外交官出身の天木直人氏はこう言う。
「外交が成功するかどうかのカギは、リーダーにリスクを負う覚悟があるのかどうか。
国益のために、国民に嫌われる覚悟があるかどうかです。
小泉訪朝によって拉致被害者5人が帰国したのも、小泉さんがリスクを取ったからでしょう。
拉致問題が解決しないのは、安倍首相にリスクを取る覚悟がないからです。
日本政府は、“拉致被害者全員”の帰国を要求しています。
でも、すでに亡くなっている被害者がいるなど、最悪のケースがあるかも知れない。
恐らく、国民の中から『死亡したというのは嘘だ』『そもそも拉致被害者はもっといるはずだ』と強い反発が出るでしょう。それでも、退陣覚悟で拉致問題を進める覚悟があるかどうかです。

一国のリーダーは皆、リスクを取って外交をしている。
韓国が南北融和に動き、アメリカを説得して“米朝会談”を実現に動いたのも、リスクがあったはずです。
でも、安倍首相は、政権浮揚のために拉致問題を扱っているようにしか見えない。
これではモノは動きませんよ」

 北方領土の返還が進展しないのも、覚悟が足りないからではないか。
ロシアは北方領土に米軍が駐留することを極端に嫌がっている。
トランプ大統領と対立するリスクを覚悟し、「米軍は駐留させない」と約束すれば、領土返還は進展する可能性があるはずだ。

■安倍政権の6年間で拉致解決は遠のいた
 いい加減、安倍は拉致の政治利用をやめたらどうだ。
 そもそも「地球儀を俯瞰する外交」などと利いたふうなことを口にしているが、ひとつでも成果があったのか。
 この6年間で50カ国以上の国を訪問したと自慢しているが、気前よく国民の税金をばらまいただけのことだ。
カネをもらえば、どの国だって歓迎するのは当たり前なのに、安倍本人は“外交の安倍”を気取っているのだから、どうしようもない。

 安倍外交が失敗に終わっているのは明らかだ。
中国、韓国、北朝鮮の隣国とは、対立したまま。
必死になって中国包囲網をつくろうとしたが、それも失敗に終わっている。

 北方領土も1ミリも動かない。
むしろ後退している。
日本は4島返還が大前提だったのに、いつの間にか2島の返還は諦め、歯舞、色丹の2島が返還されても、主権はロシアに残されたままになる、という話さえ流れている。

 もちろん、拉致問題は一歩も進んでいない。
「この6年間、日本は貴重な時間を無駄にしてしまった。
この先、人口が減り、高齢化が進む日本の国力はどんどん落ちていくでしょう。
とくに2020年の東京オリンピック以降は急降下する恐れがある。
やはり外交は繁栄している国が力を持ちます。
日本にとってこの6年間は、外交力を発揮する最後のチャンスだったかも知れない。
なのに、安倍首相には長期的な外交戦略がまったくなかった。
対北朝鮮政策も“圧力一辺倒”から、いきなり“対話路線”に振り子が振れている。
かつては『経済支援が欲しいから北朝鮮は話に乗ってくる』という見方があったが、いまでは中国と韓国からの支援をあてにして、日本からの支援を急がなくなっている。
安倍政権の6年間でますます拉致問題の解決が難しくなっている格好です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 いつまでも拉致の政治利用が許されると思ったら大間違いだ。
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2019年03月11日

 有名なことわざに存在した「科学的根拠」6選

言語学博士が解説! 有名なことわざに存在した「科学的根拠」6選
週刊女性2019年3月19日号 2019/3/9

 先人の知恵であることわざには、世代を超えて納得してしまう含蓄がありますよね。
そんなことわざは、迷信でもただの言い伝えでもなく、社会における人間の行動原則を端的に表しているという、科学的根拠があるものもあったんです。
いにしえの教えと最新科学が融合する!? 驚きのレポートですよ!

立証その1・笑う門には福来る
■教育やプレゼンはユーモアによって信頼度が上がる
─アリゾナ州立大学 クーパーらの研究

 ユーモアのある話には自然と笑顔がこぼれるもの。
アリゾナ州立大学の研究によれば、教育やプレゼンの現場でも効果抜群だとか!
 1600人以上もの学生からアンケートを取った結果、99%の学生がユーモアのある授業を好意的に評価。
 さらに研究を進めると、ユーモアがあることで49.4%の学生が授業に対してより聞く耳を持つようになり、21.4%が記憶の助けになったと回答。
7.8%の学生にいたっては、「ユーモアがあると、難しい内容や情報をより時間をかけて処理できる」と報告しているほど。

また、笑顔にはストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールを軽減する効果があることも立証ずみ。
 しかも、表情筋を笑顔にするだけで効果があるため、作り笑いでもOK。
まさに、笑っているだけでよいことづくしというわけ。

立証その2・豚もおだてりゃ木に登る
■人の可能性を信じて期待すると、期待された本人も応えようとする
─ハーバード大学 ローゼンタールの研究

 信用するなら、おだててみると効果アリ!
 ローゼンタールは、知能テストを行い、その結果と関係なく、各クラスの20%にあたる生徒の名前をランダムに挙げ、「この生徒たちは、知能テストの結果、急速に知的能力が伸びると予測された生徒です」と伝える、ちょっと意地悪な(!?)実験を行った。
 その8か月後に再び知能テストを行ったところ、「伸びる」と告げられた生徒たちは、そうでない生徒たちに比べ、著しく成績がアップしていたというからビックリ! 
「自分にはそんな才能があるんだ!?」と思い込むことで、自分の潜在能力を解き放ってしまったというわけ。
けなすよりも、ほめることが大事なのだ!

 ただし! 別の研究では、結果をほめるのではなく、プロセスをほめないと逆効果とも。
「〇〇ちゃんは90点を取って偉いね」ではなく、「毎日30分欠かさず勉強した〇〇ちゃんは賢い」とほめると◎。
じゃないと、木に登るどころか、“猿も木から落ちる”になってしまうかも。

立証その3・後悔先に立たず/思い立ったが吉日
■やらなかった後悔は長期にわたって、さらに大きな後悔を生み出す
─コーネル大学 ギロビッチの研究  

心理学者でもあるギロビッチは、「なぜ人は、判断を間違えてしまい、あいまいな信念のもと、合理的とは言いがたい行動を選択するのか」といったことをテーマに研究を行い、さまざまな形で老若男女からデータを集めた。
その結果、人はやらなかったことに対する後悔をより強く覚えているということを突き止めたという。

 彼はこういった事象を「行動非行動の法則」と呼び、行動したことによる後悔と、行動しなかったことによる後悔であれば、後者の後悔のほうが大きくなるとしている。

 おまけに、ドイツの心理学者エビングハウスの研究によると「人間はやらなければならないことを後回しにするようにできている」というから恐ろしい。
 だからこそ、後回しにして後悔しないように、“思い立ったが吉日マインド”が大切。
林先生の「今でしょ!」は、人間の本質を突いていたから大ブレイクしたのかも。

立証その4・類は友を呼ぶ
■類似性の多い人ほど、好感度が高くなる
─テキサス大学 バーンとネルソンの研究

 科学の世界では、「類似性の法則(対人魅力と態度の類似性)」と呼ばれているように、“類は友を呼ぶ”にもエビデンスがあった!
 人は、自分の趣味嗜好に近い人ほど親近感を覚えてしまい、逆に遠い人ほど反発しがちになる、というから妙に納得。
 この傾向は、男女の恋愛のケースにも当てはまるといい、“おしどり夫婦”が、“似たもの夫婦”になっていくことも、科学的に見れば自然な流れというわけ。
 ただし、研究を行ったバーンとネルソンは、「自分と同じ、または似たような考え方を持つ相手は、自分の考え方が正しいというひとつの証明になることから好意を抱きやすい」とも言及。

自分が正しいと主張したいがために、類似性の高い人とつながることを求めるのは黄色信号。
自分の成長を止めてしまいかねないので、ときには自分と異なる性質の人と触れ合うことも大事!

立証その5・嘘つきは泥棒の始まり
■偽物のブランド品を身につけていると誠実性がなくなっていく
─ハーバード・ビジネス・スクール ノートンらの研究

 85人の女性を対象に、本物のブランド品のサングラスをかけさせたAグループ。
本当は本物なのに「偽物」とあえて伝えて同じサングラスをかけさせたBグループ。
何も伝えずにサングラスをかけさせたCグループ。  

3つのグループに、正解率に応じて報酬がもらえる数字を使ったテスト実験を行い、その正解数を自己申告制にしたところ、なんとBグループの71%が、ウソの正解数を報告! 偽物を身にまとっていると感じると、言動も嘘っぽくなることが示唆された!
 この実験、「偽物のブランド品を身につけていると批判的になる」という無慈悲な続報まで提唱していて、偽物ブランドをつけてまで見栄を張るような人は、他人の行動を「不誠実だ」、「ウソくさい」などと評価する傾向が強いと指摘。
 言葉のウソ以外に、所持品やアイテムも偽物で固めていると、不誠実な人間になってしまうなんて怖すぎる! 
泥棒はないにしても、嘘つきは詐欺師の始まりかも!?

立証その6・早起きは三文の徳
■無理をして早起きをするとストレスが増加する
─ウエストミンスター大学 クロウらの研究

 ことわざの中には、逆に「そうとも言い切れない」ものもあるみたい。
例えば、“早起きは三文の徳”は、その最たる例。
 ウエストミンスター大学は、2日間にわたってさまざまな睡眠リズムを持つ42人の被験者の唾液を1日8回分析したところ、早起き傾向にある人は起きるのが遅い人に比べて、より多くのコルチゾールが検出された……
つまり、早起きする人ほどストレス値が上がる可能性があると論及したのだ。

 また、サクロ・クオーレ・カトリック大学の研究では、夜更かしタイプのほうが、創造性や柔軟性に富んでいるという結果が明らかになっているとか。
「早起きして朝活や運動をしないと、良識ある社会人やデキるビジネスパーソンになれない」なんて、過度に考える必要はないみたい。
 結局、朝型であろうと夜型であろうと、自分のペースを崩さずに時間配分ができ、上手に時間を使える人が“三文の徳”をゲットするってこと。  寝不足こそいちばんの大敵!

無理して朝活はしないように。
「私たちが普段している行動が、実は心身の健康にも有効だということが科学的に証明されているとわかれば心強いですよね?
 同様に、私たちにとって身近なことわざに、実は科学的な根拠があるとわかれば、その教えを実践したり、より強い説得力を持って受け入れられたりできるはず! 
先人たちの知恵に科学的根拠が加われば、まさに、ことわざの“鬼に金棒”状態です。
ぜひ試してみてくださいね♪」

教えてくれたのは……
堀田秀吾先生◎ほった・しゅうご
 熊本県生まれ。
明治大学法学部教授。
言語学博士。
言語とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学など、さまざまな学問分野を融合したアプローチで研究を行う。
本誌で大人気連載中!
『このことわざ、科学的に立証されているんです』 (主婦と生活社刊/税込み1404円)
先人の知恵である「ことわざ」を、科学的根拠から検証。
人間の行動原理を踏まえた、よりよい人生を送る道しるべとして解説した一冊。

(取材・文/我妻アヅ子)
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東日本大震災、賠償金を「もらった原発被災者」と「もらい損なった津波被災者」の格差

東日本大震災、賠償金を「もらった原発被災者」と「もらい損なった津波被災者」の格差
日刊SPA! 2019/03/11

 東日本大震災から8年。

被災地では復興に向かい協力し合う姿がクローズアップされがちだが、美談だけではない。
原発から30キロのラインを境に問題が起こっているという。
賠償金を手にすることができるのは、この圏内に住んでいた人たちだけなのである。
わずかでも外に出れば、一切、賠償金は支払われない。

 そんななか、「賠償金によって被災者の間に生まれた格差が暗い影を落としている」と話すのは、いわき市の元大手住宅メーカー営業マンで、『震災バブルの怪物たち』(鉄人社)の著者である屋敷康蔵氏だ。

今回は、着々と復興に向かっているように見える被災地で、東電からの莫大な賠償金に翻弄され続ける住民たちの実情を語ってもらった。

◆被災地におけるお金の話題は一種のタブーだった
 栃木県出身の屋敷氏は1995年から大手消費者金融で10年間、不動産担保ローンの貸付けと回収業務に携わった後、2005年より不動産業界に転身。
2010年代に大手住宅メーカーに入社し、いわき市内の営業所で働く住宅販売の営業マンとして、東日本大震災以降は多くの被災者に住宅を販売してきた。

「住宅メーカーの社員はお客さんの所得証明を見る機会が多く、東電からの賠償金をもらった人とそれ以外の被災者との格差を感じる機会が多かったですね」

 屋敷氏の身内にも実際に被災者がおり、震災前後の被災地で住宅メーカーの社員として働くなかではもちろん、同業者から賠償金の話を聞かされることも多かったという。

 17年以上にわたり福島県で暮らす屋敷氏だが、現在は同社を退職。
自宅のリフォームや修繕をメインに扱う会社に勤務している。
人のお金に対する執着や欲望に当てられ、半ばノイローゼになりながらも、実情を明らかにすることを決意した。
 原発事故の賠償金を手にした人のなかには、働くことをやめてしまったり、派手に遊んでいたり、パチンコをしながら悠々自適に暮らしている人もいたそうだ。
そんな姿に憤りを感じることもあったというが……。

「ぶつけようのない怒りのような衝動で『震災バブルの怪物たち』を書いたようなところもありますが、被災者すべてが賠償金で派手な生活をしていると思われるのは、また新たな誤解を生むことになる。

賠償金の額の多寡に関わらず、ほとんどの方は賠償金をもらいひっそりと慎ましく暮らしています。
ただ、地元でも気心の知れた仲間内ならともかく、あまり公に賠償金の話をすることはありません。
被災地におけるお金の話題は一種タブー視され、メディアでもあまり大々的には取り上げられてこなかった。

それだけに、私も福島県から一歩県の外に出ると、福島県というだけで被災者として相当お金をもらっていると勘違いされることもあり、多くの県民の実状と乖離を感じていました」

◆「もらった原発被災者」と「もらい損なった津波被災者」
 そもそも被災地に縁遠い人なら、原発避難者と津波被災者の支援が一緒くたに考えられている向きもあるが、東電の賠償金の対象者は原発〜20キロ圏内と20キロ超〜30キロ圏内の住民だけ。
前述のとおり、この30キロラインからわずかでも外に出れば自主避難区域となり一切、支払われない。

 東電による賠償金が平均的な4人世帯で約6300万〜1億円超という莫大な金額である一方、
逆に津波被災者の場合、被災者全てが対象の「生活再建支援金」しか基本的には存在しないのが現状だという。

「生活再建支援金は数百万円単位で、家や暮らしを本当に再建するにはとても足りない。
あとは代替地といって津波で流された代わりの土地を安く買えたり、好条件で融資が受けられたりする程度。
東電の賠償金の額もバラツキはありますが、東電からの賠償金をもらえる人ともらえない人では、特に大きな差がある。
少なくとも津波被災の方は相当複雑な感情を抱いていると思います。
生活していた家を失ったという意味では、原発避難者も津波被災者も同じわけですから」

 しかも、いわき市は東日本最大級の津波被災地。
いわき市沿岸部の薄磯地区の津波被害は死亡者115名(2017年7月いわき市調べ)と甚大だ。
 原発避難者も数多く移り住み、いわき市は境界線の内側と外側とで東電からの賠償金を「もらった原発被災者」と「もらい損なった津波被災者」が多く住むことも、事態を複雑にしているようだ。

「どこで線引きしても結局同じような問題は起きただろうと思いますが、単純に原発を中心とする同心円状の線引きは、どこまで科学的な根拠に沿ったものか疑問です。
田舎なので大家族も少なくないですが、世帯一人当たり月10万円というどんぶり勘定で、7人家族だと毎月70万円も援助される。
加えて就労不能損害の補償では震災前の年収も保証され、たとえ、新しい仕事に就いたとしてもその収入分が補償から差し引かれるだけ。
それで働けという方が無理な話かもしれませんが、中にはお金の使い方が露骨にハデな人も一部で見かけます」

 また、東電社員の所得証明を見た際、震災直後の“ボーナスカット”でも震災前と遜色ない年収だったという点にも屋敷氏は苦言を呈する。
実際に政府から東電に資金が流れている以上、寄らば大樹の陰とも言うべき状況もあるようだ。

◆原発御殿が一等地に建設される一方で…
「いわきには広大な土地があるにも関わらず、ほとんどが農地を推奨している調整区域という土地で、住宅に使える市街化区域という土地は本当にわずか。
調整区域を解除して宅地造成すればもう少し状況は変わったかもしれませんが、住宅として使える土地は調整区域の3分の1もない。
調整区域は4年に一回解除の見直しができますが、結局解除しても民間の宅地造成業者や不動産業者が間に入る。
そうすると地権者の方も土地が不足している中で、なるべく高く売ろうとするのが普通です」

 平成27年度全国直上昇率ベスト10では、そのすべてをいわき市が独占しているが、宅地不足に伴う土地の値上がりよって、住宅事情は一変。
様々な形で市民生活に影響を及ぼしているという。
 賠償金でパチンコをしようが何をしようが、当人の自由であることは強調しておくべきだが、莫大な東電からの賠償金の影響をモロに受けるいわき市の地元住民たちの心情がざわつかせるのも無理からぬことだろう。

 原発御殿が一等地にどんどん建設され、「警戒区域の自宅は別荘として思い切りリゾートっぽくリフォームしたい」と要望する人も、一人や二人ではないそうだが、家賃補助などの賠償金もないいわき市民は家賃の高騰で同居もままならない新婚カップルも続出したそうだ。 「私も持ち家ですが、震災前に900万円で買った土地を査定に出してみたらいま1500万円でした。住宅メーカーは所得証明から、その人にあった土地を提案しなくてはいけません。 現金のある原発被災者の方は自然と高台のいい土地に集まり、いわき市民の方はそうしたいい土地は手が届きにくくなってしまった。

避難解除に合わせて補償も徐々に打ち切りになってきていますが、土地の値は急激に下がることはなく、賃貸価格もピーク時からほぼ横ばい。
一度火のついた部分はなかなか元には戻らないですね。
避難解除で戻るとしても高齢者の方が多く、8年も経つと特に子供がいる世帯はもう避難先での生活があります。
特に小さい子供がいる場合、いくら除染しているとはいっても、あえて戻ろうとは考えにくいでしょう」

「川の流れの澱みに浮かんでいる水の泡は一方では消え、一方では生じて、長いあいだそのまま留まり続ける例はない」とは方丈記の一節だが、数千万円単位の賠償金によるバブルの影響は、そう簡単には消えないようだ。

             <取材・文/伊藤綾>
posted by 小だぬき at 11:15| 神奈川 ☔| Comment(3) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月12日

<被災地の今>被災の痕跡は消えても人影はない、本当の復興はいつなのか

<被災地の今>
被災の痕跡は消えても人影はない、本当の復興はいつなのか
2019年03月11日 週刊女性

2万人近くの死者・行方不明者を出した未曽有の災害から8年。
被災地のがれきは除去され、新たなインフラ設備も整いつつある。
 今回、週刊女性が訪れた岩手県宮古市の田老地区では、津波で崩壊した巨大防潮堤が整備され、太陽光発電パネルも設置されて、被災の痕跡はなくなっているように。

 しかし、付近を歩く人はまばらで活気は感じられず……。
 津波で160人前後が亡くなったとされる同・釜石市鵜住居(うのすまい)地区防災センター跡に建設中の「うのすまい・トモス」も、犠牲者を悼む「釜石祈りのパーク」、防災学習拠点などからなる立派なメモリアルパークが完成間近。

ただ、近辺に人影は少なく寂しさが漂っていた。
 一部を除き避難区域から解除された福島第一原発近くの飯舘(いいたて)村も、放射性廃棄物が入った土のうが無数に積み上げられていて、人が近づきがたい状況になっている。

あの日から8年  
2万人近くの死者・行方不明者を出した未曽有の災害から8年。
被災地のがれきは除去され、新たなインフラ設備も整いつつある。
 今回、週刊女性が訪れた岩手県宮古市の田老地区では、津波で崩壊した巨大防潮堤が整備され、太陽光発電パネルも設置されて、被災の痕跡はなくなっているように。
 しかし、付近を歩く人はまばらで活気は感じられず……。

 津波で160人前後が亡くなったとされる同・釜石市鵜住居(うのすまい)地区防災センター跡に建設中の「うのすまい・トモス」も、犠牲者を悼む「釜石祈りのパーク」、防災学習拠点などからなる立派なメモリアルパークが完成間近。
ただ、近辺に人影は少なく寂しさが漂っていた。

 一部を除き避難区域から解除された福島第一原発近くの飯舘(いいたて)村も、放射性廃棄物が入った土のうが無数に積み上げられていて、人が近づきがたい状況になっている。

 犠牲者や移住を余儀なくされた住民も多いので、人口減少は当然だが、施設ばかりが立派になっただけでは、被災地の復旧は進んでいるとはいえないはずだ。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(4) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

術前検査・パソコンを初期化してしまうミス

3月になってから 私のミスが目立ちました。
その報告をさせて下さい。

1日 頸椎外科で腰・首・股関節などのCT撮影。股関節の状態悪化で 手術担当医の予約

2日 築51年目の我が住居ビルの窓改修工事
   下見の時は、荷物移動なしということで 当日の改修に臨みましたが、PCをいじくりながら 作業を見ていると なんとベランダ側のサッシ工事は テーブル等の移動が必要ということで協力してもらい動かしました。するとなんと処分しなくてはいけない小物(ゴミ)が隙間からどっさり。
改修が約8時間かかり、原状回復の荷物・家具移動。

3日 カーテンを洗濯、なんとどのカーテンも汚れていて洗濯槽の水が真っ黒に、終了したとき こんなにも明るいカーテン色とレースだったのかと感激。
   1日中 洗濯とゴミの整理。
   カーテンなどの取り付け時、椅子から転落、腕・足に酷い打撲あとが・・・。

4〜5日 ダウンし爆睡。

6日 テーブル周りの片づけ、写真やバック 小銭などが出てきました。

7〜10日 最大のミス、PCが調子が悪く 復元で戻そうとしたら ボーっとしていて PC初期化にクリック、慌てて止めようとしてもダメ。
 ダウンロードしていたファイルの復活のための悪戦苦闘。
何せ IDとパスワードの設定したものを忘れていて いちいちメールで問い合わせて
復活作業。
一瞬の復元ミスで自力回復に時間を取られました。

11日 紹介された整形外科医の診察と術前検査
  予約表を見ていなかったためか 以前通っていたクリニックに、受付の看護師が
「大変です。このクリニックではなく 別のクリニックの予約ですと地図と相手先に遅れの連絡をしてくれました。
移動だけでクタクタに。
術前検査で 私が以前から苦手にている「肺機能検査」、くわえる筒からの空気漏れが改善されず 低数値。
結果は 25日の診察でとのこと。検査に合格できれば 4/4 入院、4/5手術と決まりました。

12日 退職互助会・退職共済会に継続手続きの用紙郵送日と〆切日の確認電話
    共済会へ「障害老齢年金」の診断書発送と〆切の問い合わせ。
    歯科・内科の診察日変更、定期購入の「温泉水」の4月分の停止

 3月でいろいろなことが・・・、
選挙入場券が入院時までに届かないと 期日前投票が出来なくなり 病院での投票に。
ざっと 思い出しても いろいろな出来事に翻弄されている私がいます。
posted by 小だぬき at 22:50| 神奈川 ☀| Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月13日

マスコミの原発批判激減の裏に電力会社の広告漬け復活が! 関西電力、九州電力は広告費3倍増に

マスコミの原発批判激減の裏に電力会社の広告漬け復活が!
関西電力、九州電力は広告費3倍増に
2019.03.12  LITERA 編集部

 いまだ廃炉の目処すらたっていない福島第一原発の事故は、それまで安全神話を垂れ流してきたマスコミや御用学者による“人災”でもあった。
 周知のように、3.11以前、東京電力をはじめとする電力各社やその司令塔・電力事業連合会(電事連)は新聞、テレビ、週刊誌などのマスコミに広告を大量出稿することで、原発に批判的な論調を封じ込めてきた。
しかし、東日本大震災で未曾有の原発事故が引き起こされると、安全神話を作り出してきたマスコミ、そして広告に出演していた芸能人や学者たちにも批判が高まった。

 ところが、どうだろう。
事故発生から数年は、あれだけ放射線の問題や原発のリスクを追及してきたマスコミも、いまや、ほとんどとりあげなくなった。
今年3月11日も、福島原発の事故を本格的に扱った番組はほとんどなかった。
 だが、実は、こうした原発をめぐる言論状況の変容は、時が経ったことによる「記憶の風化」が原因ではない。

 本サイトが2016年3月11日の記事で詳報(https://lite-ra.com/2016/03/post-2054.html)したように、事故発生から3、4年がたった頃から、メディアでは“原発広告”が完全に復活。
さらに、原発再稼働政策を推し進める安倍政権と歩調を合わせるように、電力業界は広告費を増やし、再びマスコミを“カネ”で漬け込んで“原発タブー”を作り出しているのだ。
 実際、電力業界の広告宣伝費は総じて右肩上がりだ。

日経広告研究所が毎年発行している『有力企業の広告宣伝費』によれば、大手電力10社のうち、東京電力ホールディングスこそ福島原発事故以降の広告費は下降基調だが、他9社は全体として上昇の傾向にある。

 たとえば、関西電力は美浜、大飯、高浜の3原発を擁するが、年間広告費は2015年度の31億円から翌16年度に92億円と実に3倍増。
2017年の大飯、2018年の高浜再稼働とリンクしていると考えられるだろう。

 川内原発、玄海原発を持つ九州電力も露骨だ。
専門家から火山のリスクなどが散々指摘されながら2015年に川内原発を再稼働し、昨年は玄海原発も続いた。
前後の年間広告費を見てみると、14年度に12億円だったものが、17億円(15年度)、30億円(16年度)、41億円(17年度)と3年で3倍に膨れあがった。

 また、浜岡原発をかかえる中部電力は2014年度に36億円まで下がったが、15年度は76億円と倍以上伸ばし、16年度が約80億円、17年度が76億円。これは福島原発事故前の2010年度(80億円)と同じ水準まで広告費を回復させたことを意味している。
 他にも、東北電力は16年度に66億円、17年度に64億円と2年連続で60億円台を記録(10年度=85億円)、
中国電力は17年度に35億円(10年度=42億円)、
四国電力は17年度に24億円(10年度=30億円)まで上昇しており、いずれも福島事故前の水準に迫ろうという勢いだ。  

非公開の電事連や原子力発電環境整備機構(NUMO)など関連団体の広告予算もかなりの水準で上昇しているのは間違いない。
事実、新聞や雑誌の広告だけでなく、すこし前からはテレビでも電事連のCMがごく普通に垂れ流されるようになっている。

復活した原発広告が駆使する「エネルギーミックス」という詐術
 有名なのが、石坂浩二が出演するシリーズCMだ。
これは「エネルギーミックス」や「エネルギーの現実問題」を謳って、2、3年ぐらい前から地上波でも定期的に放送されている。
内容は、石坂浩二が
「私たちの使っている電気の約8割が火力発電」
「火力の原料のほとんどは輸入に頼っている」
「一つに頼るよりもいくつかに分散したほうがいい」などと言って、原発、火力、太陽光などの再生可能エルギーのミックスが必要だと強調するものだ。

エネルギーミックス」は電力業界が福島事故以降、安倍政権と手を取り合って猛烈にプッシュしているロジック。
全ての原発が停止したなかでも電力が足りていたことや、事故や汚染リスクなどについては完全にネグりながら、原子力発電を温存させようという策である。

 このCMでは、石坂が「あなたはどう思いますか?」と視聴者に語りかける形をとっており、かつてのゴリゴリの電事連CMと比べれば一見ソフトに思えるかもしれないが、実際には、安倍政権は原子力発電を火力発電と並べた「重要なベースロード電源」と定めており、電源構成における原発比率を1%(2017年度)から20〜22%(2030年度)まで高めようとしている。
比率をこれだけ上げるためには実に30基程度の稼働が必要と見積もられている。
つまり、電事連のCMはベテラン俳優のソフトイメージを使って、安倍政権の既定路線=国策を告知し、国民に再稼働を自然に受け入れさせようとしているのだ。

 他にもこういうパターンがある。
たとえば、月刊誌「中央公論」(中央公論新社)2018年1月号には「生活者の視点から、電力を考える」と題された、ぱっと見た感じ普通の対談記事のようなものが掲載されている。
 登場するのは、読売新聞編集委員の近藤和行氏と文筆家の神津カンナ氏。
このなかで神津氏は
「メリットの多い再生可能エネルギーは大いに使っていくべきだと思います」と言いつつも
「常にバックアップの電源設備を待機させる必要がある」
「二重投資になるので不経済」
「天候によって、私たちが必要とする電力量を超えて、余剰電力を発電してしまうこともある」などとデメリットを強調。
結論として
「電力供給システム全体の整合成を十分に考えていかないと、いろいろなところにひずみが現れてしまう」
「技術は一旦、諦めてしまうと階段を転げ落ちるように失われてしまいます」などとする。

原発広告を読売、産経に集中させ、批判的なメディアに見せしめ
 もうおわかりだと思うが、これ、電事連が「協力」との形でつくりだしているパブ記事、エネルギーミックス=原発温存に誘導する原発広告である。
3.11以降、原発広告は「原発は安全・安心」「原発は安い」「放射能物質の危険性は大したことない」という趣旨のモロ出しのものから、学者やタレントが討論している風に擬態し、イデオロギー色を薄めながら、結果として原発を再稼働の方向へと向かわせるような内容に変貌を遂げた。
だが、もちろんこれは原子力ムラが出演者(や所属する会社)にギャラを払って言わせていること。
騙されてはいけない。

 また、3.11以降の原発広告の特徴としては、出稿主がメディアを選別しながら、社員である編集委員や記者を抑え込んでいることだ。
福島事故以降、原子力ムラが主に出稿するのは、読売、産経、日経そして「週刊新潮」(新潮社)などのメディアであり、それ以前は掲載されていた朝日や毎日系からは姿を消す傾向にある。
これは原発推進派の“身内”の関係性をより強固なものにしながら、巨額の広告出稿料を一部メディアにだけ集中させることで、電力会社や原発政策に批判的な報道をするマスコミに対して、ある種の“見せしめ”効果を狙ったものだ。

 こうした電力業界の戦略について、本サイトは3年前の記事ですでに指摘していた。
だが、いま、あらためてマスコミを見渡せば、現在でも放射性物質や健康被害の問題を扱っているのは『報道ステーション』(テレビ朝日)などごく一部で、ほとんどは姿を消してしまった。
その意味では、連中にとってこの作戦は成功しているのだろう。

 安倍政権と一心同体である原子力ムラのメディア戦略は、今後もどんどん巧妙化し、マスコミも再び一体化していくだろう。
だが、ゆめゆめ忘れてはならない。
3.11まで散々吹聴されてきた「原発は安全」というのは、まったくの嘘だった。
そしてこのあまりに大きな代償を払った嘘は、電力業界だけではなく、カネに目がくらんだマスコミと文化人たちが共犯して作り上げたものだったのだ。
 本サイトでは今後も“原発とメディア”の問題を定期的にレポートしていくつもりだ。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月14日

菅官房長官と対決! 東京新聞望月記者はなぜ違和感を持たれるのか

菅官房長官と対決! 東京新聞望月記者はなぜ違和感を持たれるのか
2019年3月13日 デイリー新潮編集部

記者会見場における菅官房長官と東京新聞の有名記者、望月衣塑子氏との対決が注目を集めている。
特に菅官房長官が発した「あなたに答える必要はない」という言葉が一部からは厳しく批判されているのだ。
 この間、長官側が問題視してきたのは、望月記者が従来から「事実と異なる質問」をしてきたことや、質問というよりも意見や主張をぶつけてきたことだ。
「事実と異なる質問」というのは、日本語としてちょっとヘンなのだが、言いたいのは「質問の前提としていることが事実と異なる」ということだろう。

 この件ではメディアの中でも望月氏を応援する人もいる一方で、その取材ぶりに批判的な人や違和感を表明する人もいる。  

たとえば池田信夫・アゴラ研究所所長は、ツイッターで「望月記者の暴走を止められなかった記者クラブの自業自得」と述べている。
安倍政権に対して日頃は厳しいコメントをすることが多いジャーナリストの江川紹子氏も、同じくツイッターで、「政権批判者から、官房長官会見でわーわー言ってるヒマがあったらネタを追え、という声が出ないのが不思議。
ここを主戦場にするのは違うと思うよ」という見方を示している。

 官房長官という「権力側」と対峙するというのは、ジャーナリストとしては真っ当な仕事ぶりのはずである。
にもかかわらず、望月氏に批判的な見方が少なくない理由の一つは、その質問がよくわからないものが多いからだろう。
文字に起こした場合に、日本語として成立していないことが多いのだ。

たとえば「あなたに答える必要はない」という発言が飛び出した会見での質問も、 「東京(新聞)望月です。関連で……あ、関連じゃない。官邸の東京新聞への抗議文の関連です……」  といういささかとっちらかった感じでスタートしている。  

望月記者の場合、こういう感じの日本語をかなりの早口で、なおかつ長文で言うので、そもそも何を聞きたいのかが、官房長官ならずともわかりづらい、というあたりは不評の原因の一つである。
 加えて「権力の監視」という点での資質を問う見方もある。

確かに望月氏は現政権には厳しいスタンスで「監視」をしているように見える。
しかし、たとえば昨年の週刊誌での対談記事で望月氏は、警察や特捜検察の担当記者時代を振り返りつつ、こんな驚くべき発言をしている。
「特捜と国会は向かうところが違う。
特捜の場合は、取材対象と記者は事件解決という同じ目標物に向かう。
 だから取材対象に対して、必ずしも批判性が前面に立つわけではありません」(「サンデー毎日」2018年4月8日号)

この発言がジャーナリストとして特異なのは、本来、警察や検察の担当記者の仕事は、検察という「権力の監視」であって、一緒に事件を解決することではないからだ。

 警察や検察は強大な権力を持つ。
だから冤罪を生むこともある。
それをチェックするのはメディアの大きな仕事である。
メディアと検察が結託して、“事件解決”に突き進むことは危険だ、というのが本来のジャーナリズムの常識のはずだ。

「実際には、日本の場合、特に記者クラブの記者の多くは、警察や検察と手を組んで、事件報道をしています。
リーク情報の垂れ流しはその典型ですよね。

でも、それは『権力の監視』という原則の正反対でしょう。
この発言を見た時には、目を疑いました」(週刊誌記者)

 また、江川氏が指摘しているように、政権を追及するにしても、そもそも記者会見の場が「主戦場」でいいのか、というのも論点の一つだろう。
 会見の場で「悪いことをしていませんか?」と聞いて「はい、やっています」と答える人はまずいない。
独自に取材したネタを一対一でぶつけるのが本道だ、というのもまたジャーナリズムにおける常識だ。

 元朝日新聞記者で、現在はフリージャーナリストとして活躍する烏賀陽弘道氏は、著書『報道の脳死』の中で、「記者会見」について次のように述べている(以下、引用は同書より)。
「告白しておくと、私は『記者会見』の取材をこれまでほとんどやったことがない。
それでも取材して書くという仕事は何一つ不自由なく成立した。
私が書いてきた種類の記事や本に、その必要がほとんどなかったからだ」
 烏賀陽氏は新聞のほか、週刊誌記者の経験もある。フリーのみならず、週刊誌記者も往々にして記者クラブによって記者会見からは排除される。

「それで官庁や企業取材が不自由だったかというと、実はまったく不自由も不便も感じたことがない。
記者クラブが仕切る『会見』に出席しなくても、取材も原稿執筆も何一つ不自由なくできた。

 ではどうするか。直接『担当部署』に行って、『担当者』に話を聞くのだ。
まず広報・報道担当セクションに電話をする。
簡単に取材の用件を説明し、担当者の氏名、メールアドレス、ファクス番号を聞く(略)
『朝日』『元朝日』の肩書きがあったから可能だったのではない。
アエラ時代もフリー記者になってからも、取材を断られたことはほとんどない。
特に中央官庁はほとんど断らない。
取材慣れしていない地方の市町村役場では断られることはあるが、直接出向くとまず間違いなく対応してくれる」

 そして、記者会見ではなくこうした個別取材をする理由をこう述べている。
「私の個人的な実感では、記者会見で質問をして答えさせるより、実務担当者に対面して取材するほうが、はるかに成果が多い。
取材相手1人〜数人とこちら1人(原則)なので、取材時間を独占できる。
最大数の質問ができる。
答えを聞きながら再質問し、不明点をその場で解決していける。
取材の密度が高まる。
声や顔の表情、手の動きを近くから観察して『言外のニュアンス』を察することができる、など」

 もちろん、官房長官クラスの大物となれば、簡単に個別取材には応じないだろう。
しかし、それでも記者会見に過大な期待をするのはお門違いのようだ。
「記者会見で特ダネなど出ない。他社も聞いているから特ダネになりようがない。
衆人環視のなか、腹を割ったやり取りなどできるわけがない。
会見の外の取材のほうが断然実りが多い。

新聞社やテレビ局に務める同業者たち、特に官庁の記者クラブにいる記者にとって、記者会見を記事にする作業は、どちらかというと退屈で、やりたくない仕事に入る」
 ある意味で、そんな退屈な記者会見に注目を集めた点は、望月氏の功績と言えるかもしれない。

あとは政権が震え上がるような「ネタ」をつかめるかどうかが、評価の分かれ道になるというところだろうか。
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2019年03月15日

道徳を「教科化」してもいじめは減らない!? きれい事ばかり並ぶ残念な中身

道徳を「教科化」してもいじめは減らない!?
きれい事ばかり並ぶ残念な中身
3/14(木) ダイヤモンドオンライン (福田晃広)

2018年度から小学校で教科化された「道徳」。
文部科学省は、道徳教科化の目的として、いじめ問題の対応を第一に挙げているが、はたしてどのような効果が期待できるのだろうか。
著書『誰が「道徳」を殺すのか』(新潮新書)がある、教育評論家の森口朗氏に話を聞いた。(清談社 福田晃広)

● 道徳の「教科化」 きっかけは壮絶ないじめ事件
 道徳が教科になったとはいえ、授業時間は1年生から6年生までずっと、週1時間であることに変わりはない。
では、これまでと何が違うのかというと、大きく2つある。  

1つ目は、文部科学省の検定を受けた教科書を使って、授業が行われるようになること。
これまで道徳は、教科外の活動とされていたため、各学校で内容がバラバラだった。
そこで、学校現場でしっかりと学習指導要領に沿った内容の教育を行なうことが義務づけられたというわけだ。  

2つ目は、通知表で評価が付くようになることだ。
ただ、評価といっても、数値化するのではなく、生徒1人1人の道徳性の発達を見て、記述による積極的評価を付けることになっている。
 なぜ教科外だった道徳が、このタイミングで教科化することになったのか。森口氏はこう説明する。  

「2011年10月11日、滋賀県大津市立皇子山中学校で2年生の男子生徒が自殺した事件が直接のきっかけです。
この事件は、男子生徒の手足をハチマキで縛り、口を粘着テープで塞ぐほか、トイレや廊下での暴行、万引の強要、ハチの死骸を食べさせるなど、あまりに凄惨ないじめだったため、社会的に大きな注目を集めました。

この事件で明らかになったのは、教師や教育委員会がいかに信用できないのかということ。
その表れが道徳の教科化に結びついたというわけです」(森口氏、以下同)

● 道徳教育を本格化させても いじめの認知件数は増える理由  
森口氏は、学校現場がまったく信用できないからこそ、国は道徳を教科化することに踏みきったと語る。
ただ、いじめに関する行政の統計データがデタラメであるため、道徳教育といじめ問題を関連づけて、効果を論じることは難しいとも指摘している。  
学校から報告を受けたデータを積み上げているだけ。
教育行政も『いじめは本来あってはならないものだが、起きたらしょうがないからきちんと報告しなさい』というスタンスから、『いじめは起きるものだから、気づいたらすぐ正直に報告しなさい』と、考え方をシフトしたため、報告しやすくなっている。
つまり、これから道徳教育を開始しても、いじめ認知件数は増えていく可能性が高いのです」

 2015年度の統計によると、小中高の児童生徒1000人あたりのいじめ発生数が最も多かったのは京都府で96.8件。
反対に最も少なかったのは香川県の5.0件と、約20倍の差が出ている。

 森口氏の言うように、文科省が公表するいじめ認知件数は、学校の正直度を表す調査にすぎないともいえるのだ。

● 道徳教科書は大丈夫か!? 具体性を欠く内容
 とはいえ、道徳教育が無意味だというわけでは決してない。
森口氏も、むしろ今回の教科化には大賛成だという。
ただ、現在採択されている教科書の内容には問題があると指摘する。

 たとえば、森口氏が問題とするのは、小学校6年生向けの道徳教科書に掲載されている。『青の洞門』という物語だ。

 簡単に物語のあらすじを説明すると、
ささいなことをきっかけに主人・中川四郎兵衛を殺してしまった武士・福原市九郎という男がいた。
罪滅ぼしのために僧になり、名を禅海と改め、何か村人の役に立てないかと交通が不便だった場所に洞門(トンネル)を掘り始める。
 25年間も掘り続けたある日、禅海が殺した中川四郎兵衛の息子・実之助が、父の敵を取るために姿を現す。
すると、禅海は「洞門を掘り終わるまで待っていただけないだろうか」と懇願。
ボロボロになりながらも、必死に頑張る姿に心を打たれた実之助は了承してしまう。
 それから5年後、洞門がついに完成。
禅海が「もう思い残すことはない。さぁ、お斬りなされ」と首を差し出すと、実之助は固く握手を交わしただけで、その場を去っていくという話だ。

森口氏は、この物語を道徳の授業で扱うことに苦言を呈す。
 「常識的に考えれば、『人を殺すことは絶対にやってはいけないこと』とまず教えないといけないはず。
ですが、この話は人殺しよりも高い道徳があることを教えているようなものです。
これははっきり言って、反道徳教育と言い切ってもいいでしょう」

 森口氏によれば、道徳の教科書の内容は、物語中心になっているが、その前に、たとえば「なぜ人を殺してはいけないのか」、「なぜ人をいじめてはいけないのか」など、人として誰もが守らなければならない道徳律(ルール)をまずは教えなければならないはずと、強調する。
 ほかにも、「なぜ法律を守らなければいけないのか」といった順法精神や、現実に起こったいじめの事件を教材に取り上げることなど、現状の道徳教育の内容はまだまだ改善の余地があると、森口氏は語る。

 2019年度からは中学校でも同様に、道徳教科化がスタートする。
道徳教育がどのような成果を上げるのか。長い年月がかかるが、しっかりと注視する必要があるだろう。 
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2019年03月16日

ペテン政権が6年も安泰 この国を覆い尽くす絶望と諦め

ペテン政権が6年も安泰 この国を覆い尽くす絶望と諦め
2019/03/15 日刊ゲンダイ

「(宿の)部屋のテレビが朝からつけっぱなしだったので、聞き流しておりましたが、すごいですね。
もう1時間近くピエール瀧の話だけしかしてません。
この国のメディアもう気が狂っているみたいです」

 14日朝、そうツイートしたのは思想家で神戸女学院大名誉教授の内田樹氏だ。
朝だけでなく、お昼も午後も民放の情報番組は、瀧のコカイン逮捕の話題一色。
必ず1時間ほど引っ張り、続いて元モー娘。のゴマキの不倫の話題が延々と続く。
他に伝えるニュースがないのかと錯覚しそうなほどだ。

 瀧の肩を持つわけではないが、薬物犯罪は被害者なき犯罪という側面もある。
ゴマキの不倫に至っては家族内で片づけるべき問題だろう。

ちょうど昨年の今ごろ、財務省が森友文書の改ざんを認めたが、その顛末はどうなった。
告発された財務省幹部ら38人は全員、不起訴。
責任者の麻生財務相は今も辞めず、デカイ面だ。
安倍首相夫妻の関与疑惑も晴れないまま、ウヤムヤである。

 行政府の信用を根底から揺るがす前代未聞の大事件のはずが、こんなモヤモヤ決着でいいのか。
それを司法は許すのか。
芸能スキャンダル報道に血道をあげる前に、メディアはやるべきことがあるはずだ。
改めて内田樹氏に聞いてみた。

「普段はテレビを見ない生活で、旅先で相部屋の友人がつけたから、たまたま知りましたが、異様ですよ。
ワイドショー的関心事としてピエール瀧の事件を15分程度、伝えるならまだしも、あそこまで報道資材を集中して1時間も伝えるのは、明らかにおかしい。

 それでいて政策の成否をゴマカした統計不正という重大ニュースはほぼ扱わない。
政権側の不当な介入があった疑いが濃くなっても、芸能スキャンダルだけを伝える目くらましです。
こうした番組だけが情報源の人は、統計不正を知らなくて当然。

ひと昔前の新聞やテレビは国民的合意形成のプラットフォームとなり得ていましたが、今は違う。
既存メディアに頼り切りの人々は、政治の見え方も異なってしまう。
そのことが非常に怖いのです」

 難しいテーマだから数字を稼げない、と視聴者をナメているとしか思えないが、いくら野党が統計不正を批判しても、メディアが取り上げなければ国民の共感を得られない。
政権与党が資料提出や参考人招致を徹底的に拒むこともあり、今や世論におもねって野党の追及は沙汰やみ。
この調子だと、モリカケ問題同様に政権の逃げ切りを許す、毎度おなじみの情けなさだ。

批判を毛嫌いして深刻化する日本社会の病巣
安倍1強への忖度は、役人だけではない。メディアも不当な圧力に屈し、政権に批判的なコメンテーターは総パージ。
その後のユルくてヌルい情報番組に慣れきったのか、この国にはタレントの政治発言すら許されない風潮がはびこっている。

「ひとつの政権がこれだけ長く続くと、政治に異論を唱える人は浮いてしまいがち。
3.11以降の『絆』の同調圧力や、近ごろは怒りの感情を制御する『アンガーマネジメント』がもてはやされていることもあり、野党議員が国会で声を荒らげて政権を批判すると、今や単なる面倒くさい人扱い。
誰もが政治に異議を挟むだけで、葬式にアロハで参列したように奇異な目で見られかねません。
昔と違って政治発言が、思想よりも大人としてのマナーの問題で片づけられるようになってしまったのです。
若者ほど角を立てる人を毛嫌いするのは、この6年で政治発言をタブーにしたメディアの影響だと思います」(コラムニスト・小田嶋隆氏)

 まるで恐るべき洗脳だが、嘘も方便のペテン政治が6年も続けば、国民の理性もマヒしてしまう。
12日付の朝日新聞のコラムで原真人編集委員も指摘したが、何しろ安倍は「有効求人倍率」や「国民総所得」など都合のいい統計データだけを並べ立て、「成果」や「果実」だと喧伝する。

何度も繰り返すうちに、国民の意識に「アベノミクスは成功している」とすり込まれていく。
 雇用統計好転の主因である生産年齢人口(15〜64歳)が直近6年間で480万人も減ったという不都合な真実には、フタをして国民をあざむく。
これだって恐るべき洗脳だ。

■政治的関心を失わせるのがアベ政治の本質
 こんなマヤカシ政治も一皮むけば、隠蔽、改ざん、偽装、捏造のオンパレード。
自分たちの都合に合わせて公文書も基幹統計もデッチ上げる悪辣さ。
そのクセ、野党の質疑とかみ合わない論点ずらしの答弁や、意味なく冗長な背景説明にあけくれ、国会を愚弄する。

統計不正の追及にも首相自ら「だから何だってんだ」「選挙に5回勝っている」とヤジを飛ばし、居直る始末。
誠実さのカケラもない政治姿勢も、大手メディアが報じず沈黙を決め込めば多くの人には伝わらない。
国家的危機だってなかったことになってしまう
政権とメディアが一体となった洗脳の恐ろしさだ。

 こうした政治状況への絶望が、この国を覆い尽くしている証拠だろう。
財務財務省が公文書改ざんを認めた直後、昨年4月の共同通信の世論調査で内閣不支持率は52.6%に達したが、今年3月は40.9%と11.7ポイントもダウン。
朝日の調査も同様に不支持率は昨年4月の52%から、直近の今年2月は38%と14ポイント減だ。
 この下落幅には嘘も100回繰り返されれば怒る気力も失せるという国民の諦めがにじむが、それこそペテン政権の思うツボだ。

高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言った。
「沖縄県民投票への冷淡な対応が象徴的ですが、安倍政権の特徴は民意をとことん踏みにじること。
そして東京新聞の望月記者のように歯向かう者は徹底的に潰し、一方的に“ヤバイやつ”とのレッテルを貼ることです。
そうして、何をやってもムダと有権者の気力を奪い、政治的関心を薄め、投票所から遠のける。
そして2割足らずの利権に絡む人々とネトウヨ的支持者を固め、小選挙区のマジックで政権の座を守る。
それがアベ政治の本性で、幅広い一般国民の支持などハナから求めていないのです。

ところが、反政権派の捌け口となるべき野党は互いにいがみ合って四分五裂。
メディアも右と左で分裂状態です。
本当に暗澹たる気持ちになります」

■国民の方から効率的な独裁を望むおぞましさ
 野党もメディアも一枚岩とならず、頼りにならない状況だから、自民党の二階幹事長は言いたい放題だ。
安倍の党総裁4選を問われ、「十分あり得る」と明言。
「余人をもって代え難いというときには、何ら問題はない」とは恐れ入る。
ペテン首相の4選を「余人をもって代え難い」として容認するなら、モーロクしているとしか思えない。

前出の小田嶋隆氏はこう言う。
「ただでさえ、連続2期までだった党則を変えて3期に延ばしたのに、再び安倍首相の延命のため、好き勝手に党則を改めるのだとしたら、もはや完全な独裁体制です。
ところが、世論の反応は鈍い。
そればかりか、私がツイッターで政権の独裁化を指摘しても、
『何も決められないグダグダで非効率な合議制より、まっとうな独裁の方がマシ』
『悪人が独裁するからヤバいだけで、賢人による賢明な独裁はむしろ歓迎』なんて反応が返ってくる。

ねじれ国会による『決められない政治』の印象が強いのか、政治に効率化ばかりを求め、会社経営との違いをわきまえず『民間じゃあり得ない』という言説がまかり通る世の中です。
世間も霞が関の役人と同じように、下の人間から進んで首相に身を投げ出す独裁体制に、慣れきってしまったのでしょうか」  

ペテン政治の6年で進行した日本社会の病巣は余りにも根深い。
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2019年03月17日

睡眠薬で便秘、胃薬でうつ悪化… 注意すべき薬の副作用

睡眠薬で便秘、胃薬でうつ悪化… 注意すべき薬の副作用
3/16(土) NEWS ポストセブン

「良薬は口に苦し」とはよく言ったもの。
しかし、どんなによい薬でも、あまりにも多くのんだり、組み合わせを間違えたりすれば苦いだけでなく、毒にも変わる。
多くの薬を飲みすぎた結果、害になってしまう「多剤弊害」も問題となっている。

 薬の持つ副作用について、プロであるはずの医師ですらよく知らないまま、処方している場合もある。
医療問題に詳しいジャーナリストの村上和巳さんはこう話す。
「例えば循環器や血圧を専門にしている医師に、睡眠薬系の知識がないというのはよくある話。
よくわからないから、『とりあえず名前を知っている有名な薬を出しておこう』と処方することもままあるのが現状です。  

一例を挙げるならば睡眠薬では便秘の副作用があるものが少なくありません。
もし睡眠薬で便秘の副作用が出たら、睡眠薬が本当に必要なのか否か、服用量は適切なのかの再検討が必要です。
ところが睡眠薬に詳しくない医師は、睡眠薬の副作用で便秘が出ても、体調変化が原因と判断してしまい、単純に便秘薬や整腸薬が追加され、多剤併用の泥沼に陥ってしまいます」

 実際に、薬ののみ過ぎが原因で病状が悪化した例も少なくない。
新田クリニック院長の新田國夫医師が言う。
「例えば、一部の胃薬に含まれるH2ブロッカーという成分は、胃酸の分泌や胃の不快な症状を抑える半面、脳にも影響を及ぼし、その結果、うつ病や認知症を悪化させることがあります。
 そうした副作用を胃薬が原因だとは思わず、認知症が悪化したと判断し、向精神薬を投与すると、レビー小体型認知症の場合には手足が震えるパーキンソン病のような症状が悪化する。
ひどい場合は幻視が出現する話はよく聞きます。

こういった場合、すべての薬を一旦やめると、症状がおさまるということもあります」
 在宅医療や訪問診療に取り組むたかせクリニック院長の高瀬義昌さんも声をそろえる。
「認知症を発症した80才の男性患者が、不眠やめまいを訴えたところ、抗不安薬を複数処方された。
しかしその後だんだん怒りっぽくなり、夜中に大声を出して暴れて、ついには妻を突き飛ばして骨折させてしまった。
 診察してみると、認知症の薬のほかに抗不安薬が2種類、胃腸薬4種類、降圧剤3種類など、合わせて17種類もの薬をのんでいました。
そこで薬を見直し、4種類に減らしたところ、怒りっぽさが消えて穏やかな性格に戻りました。
抗不安薬や抗認知症薬の中にはイライラしたり怒りっぽくなったりする副作用があるものもあり、併用したことで症状が出やすくなったのではないかと推測されます」

※女性セブン2019年3月28日・4月4日号
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手術数が多くて口コミが悪い病院はアリか

手術数が多くて口コミが悪い病院はアリか
2019年03月17日 PRESIDENT Online

年齢を重ねると増えてくる体の変調。
突然のそのとき、どこの病院に行き、どんな医師を訪ねるべきなのか。
9つのポイントで検証した。
第4回は「クチコミvsランキング」――。
※本稿は、「プレジデント」(2018年12月31日号)の掲載記事を再編集したものです

■よい病院が見つかる、情報収集術とは
病気になったとき、どの病院を受診すればよいのか。がんなどの重い病気の場合、生死にかかわるだけに特に頭を悩ませる。病院ランキングのほか、身近な人のクチコミやネット上にも多くのクチコミ情報があふれている。

何を基準に病院選びをするのがベストなのだろうか。
「クチコミとランキングにはそれぞれメリットとデメリットがあり、症状の種類によって使い分けるとよいでしょう。
ただ、ネットのクチコミ評価には十分な注意が必要です
こうアドバイスするのは、医師であり、クリニック向け診療支援ウェブサービスを提供するメディ・ウェブ代表取締役会長の楊浩勇氏だ。

「ネットのクチコミ評価は匿名性が高く、医師や病院に強い不満を持っている人ほど積極的に書き込みをする傾向が見られます。
私たち医療者から見ると、難しい病気や症状を扱って患者さんが多く混んでいるクリニックや、とても真面目な先生ほど、そんな批判的な書き込みに悩まされがちです。
というのも、情熱のある先生は、患者さんに丁寧に食生活や運動などの生活習慣の指導をします。
しかし、そういうことに慣れていない患者さんは、不満を感じやすいのです。
上から目線で指図されたと感じてしまい、それでネットに批判を書き込みます。
だからネット上のクチコミ評価が低いというのは、必ずしもアテになりません」

これはグルメサイトのクチコミ評価と似ている。
店のよしあしと星の数は必ずしも一致しない。
食事ならまだしも、医療の場合、患者がそうした評価に左右されるのは大きな問題といえよう。
クチコミに関して、患者と専門医、医療機関をつなぐサービスを提供する、医療ITベンチャー企業のリーズンホワイの塩飽(しわく)哲生氏は次のように指摘する。

「クチコミは誰がどういうデータに基づいて発信しているのかという情報源が重要です。
患者さんは自分が経験したことが一番印象に残ります。
がんでもステージや治療法が異なり経験値が違うので、気をつけるべきです。
逆に利点はデータではない部分、ドクターの説明がわかりやすいとか、人となりなどの印象、スタッフの対応などがわかるのはクチコミのいい点だと思います

医師やスタッフの感じ、院内の様子などはクチコミ評価が参考になるのは確か。
ただし、あくまでも患者の主観だということを認識したうえで、鵜呑みにせずうまく利用したい。

一方、ランキングについてはどのように活用すればよいのだろうか。
ランキングが役立つのは、難しい診断や手術が明らかに必要な重い病気です。
がんの場合、胃がんならどの病院、肝臓がんはどこが得意といったランキングは、ある程度参考になると思います。
大きな病院ではDPC(診断群分類別包括評価)データを公開しているところが多いので、手術件数や患者数などの数字は嘘をつきません。

手術数が多いと経験値も高まるほか、看護師など周りのスタッフのスキルも高いので医療ミスが起きにくい。
また、医療機器への投資もしやすく、最新の設備が整っているなどのメリットは大きいでしょう」(楊氏)

塩飽氏も「ランキングのいい点は、やはり数字でわかるところです。
データの取り方が適切であれば数字は嘘をつきません」と客観的データの有効性を評価する。

ただし、ランキングの注意点についても指摘する。
「手術件数が多いほうが経験値が高いのは確かですが、例えば整形外科だと、リハビリに力を入れている病院なのか否かによって、再手術率が変わってきます。
再手術率が高いと手術件数も多くなる。
ですから、データの読み方にも注意する必要があります

■AIで、患者と専門医がつながる
また最近は、ランキングにも用いられる前述のDPCデータや論文データと人工知能(AI)を活用して、自分に合った医師を探すことができると塩飽氏は語る。
「AIのおかげで、がんに関し、厚生労働省が公表している病院のDPCデータベース(疾患および術式別患者数)と、約20万人の医師による40万件の論文データに基づき、先生の専門領域と患者さんを結びつけることができるようになりました。Findme(ファインドミー)というサービスの中で利用できますが、機械学習によりその精度は高まっていきます」

このように口コミやランキング、AIを使って理想的な病院や医師を見つけることができたとしよう。
しかし、それを最大限に生かすために、忘れてはいけない大切なことがある。

医師や病院との良好な関係づくりだ。
前出の楊氏は次のように話す。
「私の経験からも言えるのは、患者さんにはよい患者さんと残念な患者さんがいるということです。
よい患者さんは、上手に医者の力を引き出すことができます。
賢くて受診リテラシーが高い。
そういう患者さんにはこちらも積極的に情報提供し、治してあげようという気持ちになる。
逆に、態度の悪い横柄な患者さんもいます。
医師が偉いとかそういう問題ではなく、残念ながら、モンスターペイシェント(患者)を含め、人として当たり前のことができていない患者さんが増えています。
それでは医療者側もやる気が失せ、患者さんにとっても損になります」

クチコミやランキングなどで患者が病院を選ぶ時代ではあるが、患者が偉くなったわけではない。
医師の力を引き出すためにも、そこを勘違いしないよう、患者側として肝に銘じておきたい。

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楊 浩勇
医師 メディ・ウェブ代表取締役会長。
医療法人健究社理事長。
慶應義塾大学医学部卒。
著書に『上手な医者のかかりかた』。

塩飽哲生
リーズンホワイ代表取締役社長
東京大学工学部、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。
著書に『病院選びの前に必ず読む本』。
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(ジャーナリスト 田之上 信)
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2019年03月18日

柏児童相談所、驚愕の酷い対応

私が柏児童相談所に通報して驚いた、あまりに酷い対応…
小4女児死亡事故はなぜ起きたのか
2019.03.17 Business Journal
文=林美保子/フリーライター  

2月19日、千葉県野田市では、虐待の恐れなどがある子どもについて関係機関が情報を共有する会議を行った。
1月に父親から虐待を受けていた小4女児が死亡した事件の対応について初めて検証する場ではあったが、このケースを担当していた柏児童相談所は、事件について話し合う前に退席したという。

「この事件について野田市と向き合う担当者が決まっておらず、調整できなかった」というのが理由だそうだ。
 1月にこの事件の第1報を聞いたとき、担当したのが柏児童相談所と知り、「さもありなん」と、私は思った。

自分自身、柏児童相談所へ通報をした経験から、「あそこは、あてにならない」と思っていたからだ。
 そして、このニュースである。
調整できなかったという内部事情を理由にすること自体、職員が逃げ腰であることを露呈しているわけで、少なくとも当事者機関の責任として誰かが、誰もいなければ所長が代表として出席するべきだろう。

学校も児相も効力なし
 私が柏児童相談所に通報したのは、近所に住む女性の息子への虐待だった。
 2009年、A子一家が引っ越してくると、半年もたたないうちから、息子B男(小2)への虐待が始まった。
昼夜を問わず母親A子の怒鳴り声と息子の泣き声が聞こえてきた。
「死ね、おまえ、ドン!(すごい音)、やれよ、ホントにボケ! ドン!」
 母親はちょっと感情が高ぶったという範疇を超えて、いつも半狂乱状態になっていた。

「早く! 早く! 早く食え! 早く! 早く! 早くせーよ!」と、延々20分も怒鳴りつけながら食事を急かしていたこともある。
しばらくして父親が単身赴任となり、母子2人になると夜もお構いなしに怒鳴り声が聞こえるようになった。
 もっとも多いのが23時から25時の間。とても小学生へのしつけとは思えない時間帯だ。
我が家は比較的早く寝るので、こんなときには決まって起こされてしまう。
どうも、その頃になると母親の感情の抑制が利かなくなるらしい。  

B男がかわいそうでたまらなくなり、まずは、同居する高齢の母への定期訪問に訪れた民生委員に相談した。
民生委員が小学校に報告すると、学校がB男の同級生から聞き取りをして虐待が明らかになった。
校長と担任による自宅訪問が行われ、児相からの指導もあったと聞く。
しかし、学校や児相の指導も効力はなかった。

 13年のある日、真夜中にA子の怒鳴り声やB男の泣き声で目が覚めた。
ドンドンガタガタガタンとひどい物音もする。
もしかしたら、A子は身体的な虐待も始めたのではないかと心配でたまらなくなり、翌日意を決して、「これから、相談に行きたい」と柏児童相談所に電話をした。

ところが、切羽詰まった私の思いとは裏腹に、「予約でいっぱいなので、来てもらっても対応できません」と女性職員に断られた。ほかの案件で手がいっぱいなのか、それとも、A子親子のことはある程度把握しているからなのかわからないが、非常に不愛想でそっけなかった。
 必死に訴える私に、「それでは、今、電話で説明してください」と渋々といった感じで尋ねてきた。
そして、「連絡をするかもしれない」と言って電話を切り、その後の連絡は一切なかった。

ついに、警察に通報する
 その頃、交番の巡回訪問を受けた。
「何かお困りのことはありませんか?」と警察官に聞かれたときに、A子のことを相談すると、「いつでも通報してくれれば、現場に駆けつけます。
遠慮なく連絡してください」と言ってくれた。

 数カ月後、A子の家から激しい物音が続いた。
その数日前、B男が泣きながら、「殺せよ!」と発した声が聞こえていたこともあり、意を決して交番に通報すると、すぐさま男性警察官1名と女性警察官2名がA子宅に駆けつけた。

 15分ほどA子親子とやり取りした後、我が家にそっとやってきて報告をしてくれた。
「身体を見せてもらったところ、身体的虐待の兆候はありませんでした。
おかあさんは、『受験勉強でちょっと親子喧嘩をしただけ』と言っていましたけれども、また何かあったら連絡ください」  

警察の出動にはさすがのA子も驚いたのか、かなり効力があった。
半年くらい静かになったのだ。  
その後、A子のヒステリーは減ったものの、B男が中学生になると、今度はB男が家庭内暴力を振るうようになった。
それに対してもさまざまな手段が講じられ、A子宅の問題は通算8年以上の歳月を経て、やっと小康状態になっている。

遅れている日本の対応
 小4女児死亡事件を受け、児相の負担が大きいこと、必ずしも経験豊かな専門家が配置されているわけではないこと、他の機関との連携がなされていないことなど、今、盛んに議論されている。

私自身の経験からも、児相や学校レベルではなかなか解決が難しいため、警察との連携は必要だと思う。
 児相や教育委員会が父親の恫喝に怯んでしまっては、プロとは言えない。
父親の望むとおりにしたら女児がどんな不利益を被るかを考えれば、自分がどんなに恐怖感を覚えても、いや恐怖感を覚えるような父親ならなおのこと、そこのところを死守するのが専門家だと思う。

聞けば、児相の職員は2〜3年で別の部署に異動になってしまうのだという。
専門家といえるようになるには経験も必要である。
柏児童相談所の対応のまずさは、数、質両方の力不足から来ているのだろう。

 以前、虐待していないのに誤解され親子が引き離されてしまう米国映画を見たことがある。
それだけ米国ではずいぶん前から児童虐待が深刻で、そのための対策が徹底しているそうだ。
 米国では、裁判所が虐待する親から子どもを保護し、その親へのカウンセリングなどを命じる体制を整えている。
一方、日本では経験豊かな児相の相談員が育っていないにもかかわらず、児相が虐待介入も家族の支援も両方の仕事を担っているのが実状だ。
 これ以上の犠牲者を出さないためにも、児童虐待に対応する制度や組織を早急に整備することが求められる。

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2019年03月19日

医師"20分で眠れなければベッドを出る"

医師"20分で眠れなければベッドを出る"
2019年03月18日 PRESIDENT Online

「日中眠くなる」「朝早く目が覚める」。
春にはそんな悩みがよく聞かれる。
精神科医で早稲田大学准教授の西多昌規氏は「春は体内時計が昼の長さにまだ慣れていない。
年度の切り替わりによる心身の不調、花粉症の鼻詰まりなど、睡眠の質を下げる要因も多い」という。
医師が教える「睡眠の5つのコツ」とは――。

■季節の変わり目には睡眠の悩みが増える
3月に入って日の光もまぶしくなり、暖かい日も増えてきました。
就職、進学から異動、転職など、新生活を控えている人も多くなる忙しい季節です。

春は、日中にウトウトと眠くなるイメージがあります。
夏目漱石は、小説『草枕』のなかで、「春は眠くなる。猫は鼠を捕る事を忘れ、人間は借金のある事を忘れる」と書いています。
「日中どうしても眠くなる」「朝早く目が覚める」「すっきり起きられない」など、季節の変わり目には睡眠の悩みが増える印象があります。
秋は「ぐっすり寝た気がしない」という相談が多い一方で、春は日中の眠気や朝早く目覚めてしまうという悩みが多い印象があります。
漱石も感じていた春の眠気ですが、日中に眠くなるメカニズムが、人間には備わっているのでしょうか。

春になると眠気が強くなるのは、科学的にも確かにあることだとわたしは考えます。
理由は一つに絞られるものではなく、体内時計といった生物的要因から、新生活に向けた緊張など心理的要因がミックスしていると考えられます。

■睡眠時間は「一年間同じ」ではない
わたしたちの睡眠時間は、一年通じて一定ではありません。
日の長い夏には睡眠時間は短くなり、夜の長い冬には長くなります。
春は、夏至のころほど昼の時間は長くありません。
ただ、寝室の中に光が差し込む時刻は、冬の頃と比べて徐々に早くなってきるのを実感します。
明け方にまだ眠っているようでも、人間の脳は網膜を通じて日の光を感知し、覚醒を始めるのです。

睡眠時間は、春よりも夏の方が短くなります。
しかし、眠気と言えば、夏よりも春という方が多いでしょう。
温度や湿度などの環境が、猛暑の夏と比べて穏やかな春のほうがウトウトしやすいのはもちろん、冬の長い夜に慣れていた体内時計が、長くなりつつある昼にまだ慣れてきていないのが理由です。
5月の連休ごろになれば、体内時計は昼の長い一日に慣れてしまうのです。

■アラームが鳴る前に目が覚めてしまう理由
春になると眠くなるのは、日本だけではありません。
中国は「春眠暁を覚えず」という有名な漢詩を生み、英語にも「Springtime sleepiness」「Springtime lethargy」という、春の眠気やだるさを表す言葉があります。
サマータイムを導入している国では、3月から夏時間となり体内時計が乱れる影響もあると思われます。
ただ諸外国の年度は、9月開始が一般的です。
学校の新学期も、秋から始まります。

日本は、学校も会社も4月で年度が切り替わります。
3月4月は、どんな人にとっても多かれ少なかれ環境の変化を経験する人が多くなり、それだけストレスや緊張を感じることも多くなります。
「新しい部署で大丈夫かな……」「新しいクラスになじめるかしら……」など、3月になると、4月からの新しい環境に対する不安が増してきます。
4月から新生活が始まれば、慣れない仕事や人間関係など、緊張の毎日が続きます。
翌朝に早く起きなければならないとき、アラームが鳴る前に目が覚めてしまった経験はないでしょうか? 
これは「注意睡眠」と呼ばれる現象です。
心理的緊張も、睡眠を浅くしてしまうことは言うまでもありません。
春は体内時計によって、朝早くから目覚めやすくなるうえに、心理的要因からも、睡眠の質が下がります。
結果的に、日中に眠気やだるさに襲われやすくなるのです。

■「花粉症」と「低気圧」も眠気の原因になる
春に見られる睡眠の問題で侮れないのは、花粉症などのアレルギー症状です。
鼻詰まりや喉のまわりの炎症は、寝ている間の空気(=酸素)の通り道を狭くしてしまい、「睡眠時無呼吸症候群」に近い状態にしてしまう場合もあります。

花粉症の眠気と言えば、抗アレルギー薬による眠気で日中は頭がぼうっとしてしまうことをイメージしますが、夜も鼻詰まりで睡眠の質が低くなっている可能性があるわけです。
春が過ぎれば治るとはいえ、きちんと対処をしないと、睡眠不足の状態が続いて体調を崩してしまいます。

そのほかに、気候の変化もあります。
太平洋側では、3月に入ると乾燥した冬と違って、低気圧に覆われる機会が増え、雨の日が多くなります。
低気圧による心身の不調のメカニズムは、まだ明らかではないですが、現実生活ではよく見る現象です。

科学が発達しても、日の出を人為的に遅くしたり、4月始まりの新年度制度を勝手に変更したりすることはできません。
できる範囲で、睡眠を保つ工夫と努力をしていく必要があります。
朝早く明るくなるのが一因だからといって、寝室を完全に真っ暗にして暗室にしてしまうと、今度はちゃんと目覚めて覚醒することが難しくなります。
心理的要因も睡眠を悪くしますが、ストレスを一発で消し去るスイッチがあるわけでもありません。
慌ただしい春に、できる範囲で健康的な睡眠を保つ実践的なコツを考えてみました。

1.「少しだけ」早く寝る
次の朝早いので、いつもよりも早くベッドに入ったはいいけれども、かえって眠れなくなった経験はないでしょうか。
人間は、いつもの就寝時刻より早く寝つくこと、つまり体内時計を早回しにすることは、非常に苦手です。
特に夜型傾向の強い10代後半〜20歳代の男性にとっては、いつもより早く寝なさいというのは、厳しい注文かもしれません。
たしかに、平素より1時間以上も早く寝つきなさいというのは、やや無理があります。
しかし、3、4月は「明け方」の睡眠が浅くなっていることを思いだしてみてください。
30分くらいならば、いつもより早く寝ることはできないでしょうか。
夜更かしをやめる、という漠然とした目標よりも、数値化した現実的なスケジュールを考えるべきです。

2. 休みの日の寝坊は2時間までOK
朝起きる時刻も、夜眠る時刻も、一定にするのが体内時計にとってはいちばん望ましい生活です。
しかし、人間である以上、このような実験動物のような生活をすることは100%不可能でしょう。

3、4月のこの時期は、睡眠時間が冬に比べて短くなり始め、体内時計がそれに追いついていない状態です。
かつ、周囲の変化もかなりあり、心理的負担も大きくなっています。
平日の睡眠不足は、当然のものとして考えなければなりません。
特に新生活が始まった人にとっては、週末は貴重です。
ゆっくりできる週末を楽しみに、忙しい新生活をしのいでいる人も少なくないはず。
週末ぐらいは、1、2時間ぐらいの寝坊は、むしろ取った方がいいとわたしは思います。

スウェーデンの研究でも、平日は睡眠時間が5時間未満であっても、週末に8時間以上眠っている人の場合、死亡リスクは上昇しないという結果が発表されています。
この結果を見ると「3時間以上の寝だめでもいいじゃない」と思われるかもしれませんが、わたしはそうは思いません。
休みの日、たとえば土曜日に昼過ぎまで眠ってしまうと、当然ながらその日の夜は寝つくのが遅くなります。
深夜にようやく寝て、次の日曜日はもっと遅く起きる。
そして日曜の夜はずっと寝つけず、月曜は寝たか寝ないかわからないまま出勤……。
おそらくその一週間は、睡眠リズムの乱れを引きずったまま、調子の上がらない一週間になる可能性大です。
週末の寝坊は、2時間まで、多く取ったとしても3時間までにしましょう。
逆に、平日と同じ時間に起きることはないと思うと、気持ちが少しは楽になると思います。

3. 寝具やパジャマを、こまめに調節
春は寒暖の差が激しく、蒸し暑い初夏のような日があるかと思えば、冬に戻ったような寒い日もあり、熟睡をさまたげる気温の変化が起こりやすくなります。
いつまでも冬と同じ寝具では寝苦しいですし、かといって夏のような寝具では、肌寒いことも。
人の身体は思いのほか気温の差に敏感ですから、寝具やパジャマを調節して、熟睡できる環境を整えましょう。
翌朝の天気予報で気温をチェックしておく、交換できる布団をベッドのわきに置いておく、などの準備ができればいいでしょう。

4. とりとめのないお喋りでストレスの「言語化」を
3月、4月は、環境の変化も伴うため、精神的にも多大なストレスがかかります。
緊張や不安、不満、気疲れ……。
薬や注射ですぐに解決とはいかないところが、ストレス対策の悩ましいところです。
わたしがいちばん大切だと考えているのは、新生活についてなにげないことでも他人に話す機会を持つことです。
小難しい用語を使えば、ストレスの「言語化」です。
「今日はソフトの使い方なかなか覚えられなくて大変だった」 「さっそく上司に注意されちゃった」 と、言葉にできる機会は貴重です。

逆にひとりでストレスを抱えて悶々としている姿を想像してください。
精神的に不健康であることは、言うまでもないでしょう。
特に孤独に陥りがちな男性の場合は、毎日お喋りしなさいとはいいませんが、せめて月に一度は家族なり友達なりパートナーに、なにげないことを話す機会をもちたいものです。
人間は誰も見ていないところでは、苦しみになかなか耐えられません。
話を聞いてくれるのがごくたまにであっても、ちゃんと見守っている人の存在があれば、頑張れるものです。

5. ベッドに入って20分眠れなければ、寝室から出る
眠れないときは、無理して眠ろうとしないことが大切です。
ベッドに入ってから20分たっても眠れない場合は、寝室から出ましょう。
部屋の明かりも暗めに調節、ノンカフェインのお茶でも飲みながら、ゆっくり過ごします。
そして眠くなったら再びベッドへ戻ります。
時計やスマホを見るなど眠れない不安を強くしてしまう、あるいはアクション系など刺激の強い動画を見てしまうなどの行動はNGです。

眠くなるのは、「退屈」「単調」という、刺激の乏しい環境です。
現在の不眠治療では、眠れないときに無理にベッドに居続けると、苦痛の記憶が刻まれて寝室が苦行の場になってしまうので逆効果とされています。
どうしても眠れないときは、「今夜の寝不足で次の夜は眠れる」と、受け入れるのがベターです。
ただ、連日にわたって不眠が続くならば、生活習慣では限界の可能性もあるので、睡眠医療の出番であることも知っておいてください。
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西多 昌規(にしだ・まさき)
精神科医 医学博士。早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授。東京医科歯科大学卒業後、スタンフォード大学医学部客員講師などを経て現職。
『テンパらない技術』(PHP文庫)、『自分の「異常性」に気づかない人たち: 病識と否認の心理』(草思社)、『休む技術』『眠る技術』(ともに、大和書房)など著書多数。
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2019年03月20日

田崎スシローが望月衣塑子記者を「トンチンカン」と攻撃

田崎スシローが望月衣塑子記者を「トンチンカン」と攻撃し菅官房長官を露骨擁護で、官邸の代弁者丸出し
2019.03.19 LITERA編集部

菅義偉官房長官の定例記者会見における東京新聞・望月衣塑子記者への“恫喝・排除”文書問題は、いまなお官邸が撤回しないばかりか、さらに望月記者への攻撃が激化している。
 先週14日には記者への弾圧に反対する抗議行動が官邸前でおこなわれ、記者を含む約600人が「記者いじめやめろ!」と声を上げたが、一方、翌15日の記者会見で菅官房長官はこう言い放った。

「事実に基づかない質問を平気で言い放つことは絶対に許されない」
 何度でも言うが、「事実に基づかない」言いがかりを付けているのは官邸のほうだ。
問題の発端となった昨年12月28日に内閣記者会に提示した“恫喝”文書では、同月26日の記者会見で望月記者が辺野古の新基地建設工事について質問したなかで「琉球セメントは県の調査を拒否している」と述べたことを「事実誤認」とし、菅官房長官も「琉球セメントは県の調査は拒否していない」と言い張っているが、実際には、赤土混入の疑いが強いことに対して沖縄県が求めている立ち入り検査は岩屋毅防衛相が1月22日に「現時点で必要ない」と拒否したように、いまなお実施されていない。

「事実に基づいて」いない理由をでっち上げて記者を平気で排除しようとする官邸こそ、絶対に許されないものだ。
 だいたい、菅官房長官は加計問題で「総理のご意向」文書の存在が報じられた際には「怪文書みたいなもの」と述べたが、その後の再調査で怪文書などではなく文科省で作成された文書であることが確認されるにいたった。
記者の質問のなかに間違いがあれば官房長官がその場で訂正すれば済むが、政府が嘘の説明をおこなうなど、言語道断の行為。
しかも、「怪文書」などとあきらかに信憑性にケチをつけて貶めようとしたのだ。
 官房長官が「事実に基づかない説明を平気で言い放つ」という事実こそ大問題なのだが、しかし、この鉄面皮の官房長官を、またもあの人が必死で擁護した。

「安倍政権の代弁者」である田崎“スシロー”史郎氏だ。
 田崎氏は16日に放送された『上田晋也のサタデージャーナル』(TBS)に出演。
同番組では望月記者の排除問題と、前述した官邸前抗議行動の模様を大きく取り上げ、さらに例の赤土混入疑惑をめぐる調査拒否の質問をした日の会見の様子も紹介。
質問をしはじめてたったの8秒で「簡潔に」と望月記者が妨害を受け、菅官房長官も望月記者に対して「あきらかに不快な顔」を見せている場面を放送した。
 これには司会のくりぃむしちゅー・上田晋也も「菅官房長官、不快感を露わにと言いましょうか、もう喧嘩腰と言ってもいいような態度でしたね」と言い、
コメンテーターの千秋も「あんな態度悪くしていたら、全部流れて、あとで何か言われるの、わかっていますよね?」「気にしないんですかね?」と疑義を呈した。

 だが、ここで田崎氏が「それは気にはしていますよ」と菅官房長官の心情を代弁した上で、こう述べたのだ。
「やっぱり、あの記者(望月記者のこと)の質問の仕方、内容が、トンチンカンであるという気持ちが強くて、はっきりモノ言っておこうと」
「2〜3年前からずっと菅官房長官と女性記者のやりとりはつづいているんですね。
だからいま起こったことじゃなくて、ずっと積もり積もったことがあって、そこで『いいかげんにしてくれよ』という気持ちだっただろうと思いますね」

官邸の圧力文書を「目くじら立てるものじゃない」、田崎はそれでも元記者か
 質問内容がトンチンカンも何も、さっきも述べたようにこのときの望月記者の質問内容には間違いもないし、要点を押さえた簡潔なものだった。
しかし、田崎氏は「望月記者はいつもトンチンカンなことばかり質問している」かのように印象付けたのである。
 また、田崎氏は、望月記者のことをこうも評した。
「記者本人のあり様として、ちょっと記者本人が目立ちすぎるなって感じがするんですね。
僕らは訊き質すが仕事ですから、やっぱ相手から訊き出さなければならないときに、自分が目立っちゃうというのはどうかな、と」

 望月記者が会見のなかで“目立つ”のは、まわりの記者とは違い物怖じすることなくストレートにズバズバと政権の問題に切り込むからで、むしろ問題なのは、望月記者が浮いてしまうくらい官房長官会見が“空気を読む場”になってしまっていることのほうだ。
そもそも、安倍首相の“スポークスマン”となっている田崎氏が「僕らは訊き質すが仕事ですから」とは……。
 だが、「訊き質すが仕事」と胸を張る一方、田崎氏は唖然とするようなことも口にした。

問題の発端となった官邸が出した申し入れ書について、内閣記者会が「事実上無視している」点や、いまも望月記者が会見に出席している点を挙げて、「だから、目くじら立てるほどの文書か、とも思いますよ。
はい」と述べたのだ。
 言っておくが、田崎氏は曲がりなりにも時事通信社で政治記者を経験した人物である。
そして、官邸が出した申し入れ書は、事実上“望月記者に質問させるな”“あいつをどうにかしろ”と官邸記者クラブに圧力をかける内容だった。

つまり、都合の悪い質問をする記者は許さないという官邸からの恫喝にほかならないのに、それを「訊き質すが仕事」と自認する元記者が、「目くじら立てるほどのものじゃない」などと言ってのけたのである。

元TBS政治部長の龍崎孝は菅官房長官の姿勢を「権力の思い上がり」と批判
 さらに、スタジオトークでは、望月記者に対する質問妨害について“ほかの記者にも発せられているのか”と質問を受けると、田崎氏は「ほかの記者にはしていないと思う」と言い、こうつづけた。
「官房長官、非常にお忙しいですから、にもかかわらず記者会見は時間制限なしでやっているんですよ。
それが決まりになっているんですよ。
それで、その行為に、あの〜、乗じて何かをしようとすると、こういうふうな軋轢が起こってくるってことですね」
 忙しいなか時間制限なしで質問を受けてくれているというのに、それにつけ込んで空気も読まずに質問を浴びせるから軋轢が生まれるんだ、と田崎氏は言いたいらしい。
ようするに、「お上に楯突くな」というわけだ。

 よくもまあこれでジャーナリストを名乗れるものだと呆れるほかないが、一方、同番組では元TBS政治部長の龍崎孝氏が「記者が質問することのどこが問題なのかと。
私は問題なんてものはないと、なんでも訊いていいんだと(思う)。
それを問題だと決め付けることが、権力の思い上がりに近づいていく」と指摘。

また、この問題の見え方が〈権力に臆さない記者vs突き放す政府〉というものと、〈非常識な記者vs冷静な政府〉というものに分かれていると言及した。
 この〈非常識な記者vs冷静な政府〉という図式こそ、菅官房長官が筆頭になってつくり出し、産経新聞が煽り、そして今回、田崎氏がこの放送で必死に広めようとしたものだ。
だが、最初にも述べたように「事実に基づかない説明」で記者を排除しようとしているのは菅官房長官であり、〈非常識〉なのは官邸のほうなのだ。
 しかし、〈非常識な官邸〉の実態を大きく取り上げるメディアは少なく、とくにテレビは掘り下げることもなくほとんどスルーしている。
そうやって、「知る権利」という権利意識が国民のなかから薄れ消えてゆくのを、安倍政権は待っているのだろう。
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2019年03月21日

人間の合理性こそが人間を失敗に導く

人間の合理性こそが人間を失敗に導く
2019年03月20日 PRESIDENT Online

■不正や非効率が、はびこる原因

【佐藤】菊澤先生のご著書である『組織の不条理――日本軍の失敗に学ぶ』は、防衛大学校(以下、防大)の教授陣が中心となって書かれた『失敗の本質――日本軍の組織論的研究』と同じく、大東亜戦争における日本軍の失敗をテーマに扱いつつ、切り口が違います。
『組織の不条理』を読むと世界の見え方が変わってきます。そういう意味で必読書だと思っています。

【菊澤】この本は約18年前、私が防大の教授になりたてのころに書いた本です。
私は経営学を専攻していますが、赴任当時の防大では経営学は民間の学問ということで敬遠されていました。
そのため、私は経営学も意外に役に立つということを証明しなければならないと思い、すでに出版されていた『失敗の本質』を意識しつつ書いた本が『組織の不条理』なのです。

【佐藤】私は、良い本を読むと人の手に届けたくなります。
昔の記憶をざっと整理してみただけでも、『組織の不条理』を単行本で二十数冊、文庫で30冊、私自身で購入して配っています。

 菊澤】ありがとうございます。
『失敗の本質』は、組織論の立場に立ち、大東亜戦争における日本軍の失敗の事例を分析します。
そして、日露戦争以後に形成された白兵突撃・艦隊決戦・短期決戦志向という枠組みのもとで、制度や技術や兵器が相互に補完的に強化されすぎたために、大東亜戦争という新しい環境に直面したときに、日本軍は枠組みを変革できずに失敗したという結論に至ります。
この本は、私自身も納得する点の多い名著なのですが、基本的なスタンスとしては、合理的なアメリカ軍組織に対して非合理な日本軍組織という構図があって、日本軍の組織はより合理的であるべきだったという流れになっています。

【佐藤】しかし、当時の日本軍も実は合理的に行動していた。
ご著書の『組織の不条理』では、そのような見方で分析されていますね。

【菊澤】はい。この本のタイトルにもある「不条理」とは、人間の合理性こそが人間を失敗に導くということです。
つまり、大東亜戦争での日本軍の失敗は、非合理だったから起きたのではなく、むしろ、合理的に行動したからこそ、失敗に導かれたということです。
では、なぜ不条理が発生するのか。
それは人間が限られた情報の中で判断するしかないからです。
このことを「限定合理性」と呼びます。
そして、人間が限定合理的であれば、相手の情報の不備につけこんで、利己的利益を追求しようとする機会主義的な人が現れます。
その結果、人間同士で交渉・取引をすると、騙されないように駆け引きが起こり、多大な時間や労力というコストが発生します。
このコストを考慮すると、現状が非効率だったり不正な状態でも改革することなく維持したほうが合理的という不条理が生まれるのです。

【佐藤】人間の合理性を限定的に見ることで、まったく違って見えてきます。
『組織の不条理』が良い本だと思うのは、「限定合理性」という補助線を引くことでシャープや東芝といったビジネスの失敗事例の本質が読み解けることです。

【菊澤】日本企業はバブル崩壊以後、アメリカ化、すなわち、科学的な経済合理主義をずっと進めてきました。
この経済合理主義は徹底した損得計算で成り立っています。
しかし、そうやって科学的に損得計算ばかりしていると、いつかどこかで必ず不条理が生じるのです。

例えば、安全性を高めることは正しいことですが、そうするにはコストがかかるので、初めから手抜きをすることが経済合理的となります。
イノベーションも、失敗したときに想定されるコストが高いので、挑戦しないほうが合理的となります。
経済合理性は、必ずそんな不条理を生むものなのです。

■不条理を回避するヒント

【佐藤】合理性を追求したところに、不条理があり、企業に大きなマイナスをもたらすリスクがあるということに、気づいておかないといけない。
菊澤先生は、本居宣長に関心をもった批評家の小林秀雄が晩年に繰り返し述べている「大和心(やまとごころ)」をもとに、マネジメントについて論じていますね。

【菊澤】そこに、不条理回避のヒントがあるのではないかと思っています。
昔は、最新の科学的知識が中国から入ってきたため、科学的知識のことを「漢心(からごころ)」と言い、その反対語が「大和心」でした。
それは、非科学的な価値判断に関わることであり、ある状況を見たときに、良いか悪いか、もし悪いとすれば、何をすべきか。
ある人が悲しんでいる。
それを無視することは良いかどうか。
良くないなら、何をすべきか。
まさにこれは人間としての誠実さ、真摯さに関わることであり、これを非科学的だと恐れるべきではないと小林秀雄は言っています。
つまり、小林秀雄の「大和心」は、業績や成果が高いかどうかという観点から科学的に従業員を評価するだけでなく、さらにそのうえで従業員が誠実かどうか、正しい行動を行おうとしているのかといった非科学的な点にも注意し、誠実な従業員を高く評価するマネジメントとしても解釈できます。

【佐藤】私が外交官時代、尊敬していた上司で、外務省の元欧亜局長だった東郷和彦さんという方がいます。
お祖父様は東郷茂徳元外相、お父様は東郷文彦元外務事務次官で、駐米大使もされた方です。
そんな東郷さんがお父様からこう問われたことがあるそうです。

「世の中には4通りの外交官がいる。

能力が高くて士気も高い外交官。
能力が高くて士気の低い外交官。
能力が低くて士気の高い外交官。
能力が低くて士気も低い外交官。

そのうちのどれが一番悪いと思うか」と。そのとき東郷さんは「能力が低くて士気も低い外交官だ」と答えた。
すると、お父様は「そうではない。能力が低くて士気も低い者は何もしないから、邪魔にはならない。
むしろ、能力が低くて士気の高いのが一番悪い」と言ったそうです。
当時は反発したそうですが、仕事を重ねるうちにお父様のほうが正しいことがわかったと言っていました。

これは「能力」と「士気」を二項対立として立てたわけですが、もし「能力」と「忠誠心」で立てれば、おそらく一番危険なのは、「能力が高くて忠誠心の低い人」です。
誠実な人をいかに評価するか。それが組織にとって重要だと言えるのではないでしょうか。

【菊澤】まさに企業も一緒でしょう。
例えば、ビジネスでカネ儲けするのは非常にうまいけれど、不正をするかもしれないという部下は一番危険な人物です。
利己的利益を追求する人たちばかりが増えると、いつかどこかで、正しいことを無視して効率性だけを追求する不条理に陥ってしまうでしょう。

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佐藤 優(さとう・まさる)
作家・元外務省主任分析官
1960年、東京都生まれ。85年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。
在ロシア日本大使館勤務などを経て、作家に。『国家の罠』でデビュー、『自壊する帝国』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。

菊澤研宗(きくざわ・けんしゅう)
慶應義塾大学教授 慶應義塾大学商学部・大学院商学研究科教授。
慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。
防衛大学校教授などを経て現職。
専門は組織の経済学、戦略の経済学、比較コーポレート・ガバナンス論。
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2019年03月22日

きょうから統一選 地方自治を「わがこと」に

きょうから統一選 地方自治を「わがこと」に
2019年3月21日 東京新聞「社説」

十一道府県できょう知事選が告示され統一地方選が始まる。
私たちが暮らす地域の大切な選挙だ。
候補者の主張に耳を傾けて、投票所に足を運びたい。

 大阪府知事と大阪市長がそろって辞職し、立場を入れ替えて立候補する「大阪クロス選挙」が加わった統一地方選は神奈川、三重、福井、大阪など十一道府県の知事選がきょう告示される。
 二十四日には相模原、静岡、浜松、大阪など六政令指定都市の市長選、二十九日に四十一道府県議選と十七政令市の市議選が告示され、いずれも統一選の前半戦として四月七日に投開票が行われる。

◆投票率の低下著しく
 後半戦の四月二十一日には、二百十三市区町村の首長選、六百八十六市区町村の議員選で審判が下る(自治体数は二月一日現在)。
 四年ごとの統一地方選は一九四七年四月に第一回が行われ、今年が十九回目。
選挙をまとめて同じ日に行うのは、有権者の関心を高めるとともに経費を節減することが目的だが、全地方選に占める統一選の割合を示す「統一率」は、市町村の広域合併や任期途中での首長辞職、東日本大震災に伴う選挙延期などにより、27%台前半にまで落ち込んでいる。

 統一率の低下よりも深刻なのは投票率低下と候補者不足だ。
 第一回統一選で道府県議選の投票率は81・65%だったが、前回二〇一五年は45・05%にまで落ち込んだ。
ほかの首長選や議員選も同様の傾向で、統一選に限らず地方選の投票率低下が著しい。
 首長選での主要政党「相乗り」による選択肢の不足、自治体議会の活動内容が分からないという情報不足、不祥事が相次ぐ議会に対する忌避感、そして、どうせ投票しても地方行政は変わらないという諦めが、有権者の足を投票所から遠ざけているのだろう。

◆議員なり手不足深刻
 しかし、有権者の負託があってこその住民代表だ。
投票率の低さは首長、議員にかかわらず、正統性への疑問を生じさせかねない。
 たびたび引用される格言に、英国の歴史学者で政治家のジェームズ・ブライス(一八三八〜一九二二年)の「地方自治は民主政治の最良の学校、その成功の最良の保證(ほしょう)人なり」(岩波文庫『近代民主政治』)がある。

 投票率を上げる即効薬はないとしても、私たち地域住民の一人一人が地方自治を「わがこと」と考え、参加意識を強く持ち、一票を投じることがまずは必要だろう。

 地域のことは地域の住民が決める。
その当事者意識こそが、地域活性化や再生の力になる。

 とはいえ、少子高齢化や都市部への人口集中は地方自治の基盤を確実にむしばんでいる。
その影響は特に、議員のなり手不足に表れている。
立候補者が定数に満たなければ無投票当選となり、有権者は選択の機会を奪われる。
 統一選の四十一道府県議選の場合、定数に占める無投票当選者の割合は四年前の前回、21・9%で過去最高だったが、共同通信の今月九日段階の集計では、今回の統一選ではさらに上昇し、29%に達する見込みだ。
定数の少ない農村部で無投票が目立つという。

 都道府県議に限らず議員のなり手不足は深刻だ。
町村では定員割れの議会も出ている。
無投票当選した議員本人の責任でないとしても、政策や主張を戦わせず当選した議員が、住民の意見を尊重し、緊張感を持って行政を監視できるだろうか。

 本社加盟の日本世論調査会が昨年十二月に実施した全国面接世論調査で無投票当選を「問題」「どちらかといえば問題」と答えた人を合わせると81・3%に達する。
 議員のなり手不足への対応では総務省の研究会が小規模市町村の議会の在り方として現行制度に加え、議員の兼業・兼職制限を緩和して多数の非専業的議員が夜間・休日を中心に運営する「多数参画型」と、少数の専業的議員で構成し、重要議案審議には住民から選ばれる議会参画員も加わる「集中専門型」の議会創設を提言した。
 議員の厚生年金加入や、報酬引き上げを求める意見もある。

◆地域の課題にも目を
 研究会の提言には行政監視機能を低下させ、二元代表制に反するとの指摘がある。
議員待遇をよくすることには反発もあるだろう。
 一朝一夕に打開策は見つからないにしても、手をこまねいていれば議員のなり手がいなくなり、地方自治の形骸化と地域の衰退を招きかねない。
そのつけを払うのは結局、地域に住む私たちだ。
 統一選は私たち一人一人が地域の課題にも目を向けて、地方自治について深く考え、知恵を絞る好機だ。
多少面倒でも候補者の主張に耳を傾け、投票所に足を運ぶ。
その小さな一歩が、地域の暮らしをよくする大きな力となる。
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2019年03月23日

大阪入れ替えダブル選挙の暴挙に出た維新。橋下徹も政界復帰か?

大阪入れ替えダブル選挙の暴挙に出た維新。橋下徹も政界復帰か?
2019/03/22 ハーバービジネスオンライン

◆「選挙の私物化」。ダブル選挙に踏み切った松井知事
 大阪府知事・市長のダブルクロス(入れ替え)選挙の構図が確定した。
維新と公明が決裂した大阪都構想法定協議会の翌3月8日、松井一郎・大阪府知事(維新代表)と吉村洋文・大阪市長(維新政調会長)が記者会見。
松井知事が市長選に吉村市長が府知事選に入れ替わりで出馬することを表明した。

 4年前の大阪府知事・市長の公約である大阪都構想の再住民投票が、公明党の方針変更で実現困難となったとして「このままでは死んでも死に切れない」松井氏は強調。
公明党に騙された」と批判しながらダブル選挙に踏み切ったのだ。

 これに対して自民党は、府知事候補に小西禎一・元大阪府副知事、市長候補には今夏の参院選候補だった柳本顕・元大阪市議を擁立。
公明党も府本部レベルながら両候補を推薦すると、立憲民主党も3月16日に自主支援の方針を決定。
共産党も支援を検討している。

◆菅官房長官と松井知事の「蜜月関係」
 今回、自民党と野党が連携して維新と対決することになったが、辺野古新基地阻止のために保革が手を結んだ沖縄県知事選に似た「中央(官邸)」対「地方(自治)」という構図ともいえる。
地元記者は「菅官房長官と松井知事の“蜜月関係”がカギ」とこう解説する。

「1月中旬に原田稔・創価学会会長と佐藤浩副会長と谷川佳樹主任副会長の3人が大阪入りし、会合を持って大阪都構想をめぐる対応について話し合いをしました。
 菅義偉官房長官と親密な佐藤氏は維新との対決、つまり法定協議会での決裂に否定的だったようです。
しかし谷川氏は『決裂やむなし。維新と戦うべき』と主戦論を訴え、原田会長も同調したと聞いています。
 そして3月1日に公明党府本部と創価学会の幹部が大阪で会合を開いて決裂容認の方針を確認、大阪ダブルクロス選に突入することになったのです」

◆「終わった話」を蒸し返す愚
松井知事が橋下徹・前大阪市長と面談を重ねる菅官房長官と、公明党に影響力を持つとされる佐藤副会長の2人は、去年2月の名護市長選6月の新潟県知事選や9月の沖縄県知事選などの重要選挙に関わってきたが、大阪でも動いた可能性があるというのだ。
地元記者はこう続けた。
「これまで菅官房長官は公明党と維新の両方に寄り添いながら、飼い慣らしてきました。
創価学会の組織力を有する公明党と国政選挙や地方選挙で連携する一方、維新からも与野党対決法案での国会審議や改憲論議での協力を引き出してきたのです。
 公明党が妥協して住民投票が実現した2015年と同様、今回も菅長官・佐藤副会長コンビが維新と公明の決裂回避に動いたのは間違いないでしょう。
しかし、今回は決裂回避とならなかった。
 前回は橋下市長(当時)が『総選挙に鞍替えをして、公明党現職の選挙区から出る』と啖呵を切っていましたが、今は政界引退中で維新のパワーダウンは否めない。
国政選挙でも議席を減らし続ける落ち目の維新に対して、公明党府議や市議が主戦論に傾いて『いま維新と手打ちをしたら統一地方選が戦えない』と妥協を拒否したようです」

 2015年は中央の菅官房長官と佐藤副会長の思惑通りに決裂回避で住民投票実現となったが、同年11月に「否決なら辞任」と明言していた橋下市長が辞任(政界引退)、維新のパワーダウンで地元の公明党を抑えきれなかったというわけだ。
「しかもダブル選挙の大義名分である大阪都構想への住民の関心も低くなってしまった。
2015年の住民投票で一度否決され、『大阪都構想はもう終わった話』と冷めた目で見ています」(地元記者)
 それでも2017年のダブル選挙で再度の住民投票実施を掲げて当選した松井知事と吉川市長は、諦めようとしていない。
法定協議会で、府議会と市議会での過半数確保のカギを握る公明党が消極的姿勢に転じたのを見た維新は、住民投票への協力を記した「密約」を暴露したが、逆に公明党の態度硬化を招いて全面対決に至ってしまったのだ。

◆大阪万博&カジノ誘致を餌にしたい維新
 そんな維新が追い風にしようとしているのが、2018年11月23日の2025年の大阪万博開催決定だ。
博覧会国際事務局の総会が開かれたパリで開催決定を祝った松井知事は11月25日に帰国した際、「吉村市長と僕だからできた。
これを制度にするのが大阪都構想だ」と大阪都構想実現に意欲を示した。

 しかし開催決定の翌24日、共産党の辰巳孝太郎参院議員(大阪選挙区)は、ツイッターでこう批判した。
「これで大阪は万博を口実にした、カジノのための巨額インフラ投資等を行おうとするだろう。
カジノ企業は高笑い。
カジノ単体では巨額インフラ整備等を正当化するのは無理があるからこそ万博の誘致があった。
万博オフィシャルパーにカジノ企業5社が名を連ねている事が全てを語っている」

 地元住民の関心が薄れた大阪都構想を、万博誘致の熱気で蘇らせようとする松井知事。
これに対して辰巳議員は「万博はカジノ関連の巨額インフラ投資の口実」と指摘した。
実際、大阪万博では会場整備に1200億円超(国と大阪府市と民間が負担)、運営費に800億円、交通インフラ整備も700億円以上と試算されている。

 松井知事と吉村市長は2017年9月1日、トランプ大統領の大口献金業者で米国カジノ大手の「ラスベガス・サンズ」のアデルソン会長と非公開で面談。
カジノ面積上限規制に懸念を表明したと報じられた。
 すでに吉村市長は「(カジノ建設候補地である)夢洲への鉄道延伸費用200億円負担がカジノ業者選定の条件」という方針を打ち出している。
これには、甘いカジノ規制(面積上限撤廃や貸金業規制法の特区扱いなど)と引き換えに海外カジノ業者に200億円ものインフラ整備費を負担してもらおうとする狙いが透けて見える。
否定的な見方もある万博開催を拠り所にして大阪都構想実現を正当化することに対しては、当然、賛否が割れても不思議ではないだろう。

◆橋下氏がお得意の前言撤回で政界復帰の可能性も!?
 そこで筆者は3月8日の記者会見で松井知事に対して、カジノと一体の大阪万博のマイナス面について質問したが、「そうならないように対策を講じる」と回答した。
また「菅官房長官とどんな話をしたのか」とも聞くと「一国の官房長官と大阪都構想のことについての話はしていない」と働き掛けを否定した。
 さらに政界復帰が取り沙汰される橋下氏への「支援依頼はしない」と強調する松井知事に対して、「大阪都構想について、橋下氏と最後にいつどういう会話をしたのでしょうか。
橋下氏も公明党への怒りを露わにするコメントをしていましたが」とも聞いたが、松井知事は「橋下氏は私人」「今年に入って食事をしたり、話をしたりしているが、大阪都構想について最後にどんな話をしたのかは覚えていない」と具体的内容を話すことは控えた。

『文藝春秋』1月号で赤坂太郎氏は「大阪万博誘致成功も橋下の背中を押す。もしダブル選挙となれば、ミクロの『大阪万博』とマクロの『改憲による統治機構改革』を掲げて戦う名分が立つからだ。

橋下の持論である『強い野党』を、もう一度つくり直す好機が到来するのだ」と政界復帰の可能性が高まりつつあるとの見立てを紹介していた。
 大阪ダブル入れ替え選挙だけでなく、官邸からしてみれば「御用野党」として動いてくれる都合の良い存在であり、日本の政治になぜか影響を与える橋下氏の動向が注目される。

<取材・横田一> ジャーナリスト。
小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。
その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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2019年03月24日

自衛隊の「武器・弾薬・燃料・人員」は十分か?

自衛隊の「武器・弾薬・燃料・人員」は十分か?
2019年03月23日 SPA!(小笠原理恵)

◆防衛予算は外側を増加させ中身は常に削減
 アメリカの軍事力評価機関であるグローバル・ファイヤーパワー(Global Firepower)社が発表した最新の世界各国の軍事力比較(2019 Military Strength Ranking)によると、
ランキング1位は米国、2位がロシア、3位が中国となり、我が国は昨年の8位から順位を上げて6位となりました。
この比較は装備品を中心とした比較であり、実際に装備体系や作戦遂行能力で比較すれば、自衛隊のレベルはもっと上だと考えられます。

 確かに日本は世界有数の軍事大国であり、対中国やロシア相手では厳しくとも、北朝鮮や韓国には引けを取らない強い軍隊を持っているような気がします。
我が国の自衛隊も自衛官も優秀なのです。
 しかし、この数字を見て安心してはいけません。
実はこの数字に全く反映されていない重大な要素があるのです。
それが武器・弾薬・燃料・人員といったロジスティクスの問題です。

 旧日本軍も零式艦上戦闘機など当時としては長大な飛行能力を持ち、優れた機動力を持った装備品を多く保持していました。
旧軍では前線の搭乗員は交代がないため疲弊し切ったまま戦わざるを得ず、物量・要員・休養において十分な米軍機に圧倒されてしまいました。
結果として優秀な装備品や訓練された優秀な人材を失い、多大な損害を出しました。

 このようにわずかしかいない人材に休養を与えず、無理な運用を続けるやり方は、現在の自衛隊にも引き継がれているように思えます。
自衛隊も武器・弾薬・燃料・人材が足らない状態を長年我慢してきました。
 かつて旧日本軍は「断じて行えば鬼神も之を避く」と檄を飛ばしましたが、実際の現場では食料、弾薬、基地を構築するための資材を渇仰していました。
後方支援がなければ壊滅することは明らかだったのです。

根性や努力という精神論では戦争には勝てないことは前の大戦で証明されていますが、兵站や人員・後方支援を軽視する我が国の姿勢は今も変わっていません。
 あれほど手痛い敗戦を経験したにも関わらず、自衛隊に対する予算の充当は、正面装備の調達を重視せざるを得ないため、今なお弾薬・燃料や修理費等については必要最小限とされています。
「そんなんじゃ、ツライ!」と思います。

 現政権になってから防衛予算は少しずつ増えてきており、銃砲弾薬類の不足については、価格も安く大量生産可能なのでかなり改善されました。
しかし、問題は魚雷やミサイルなどの高額の弾薬です。
以前この連載で「自衛隊員の実弾射撃訓練の回数は、クレー射撃の選手よりも少ない」という悲しい現状をレポートしたことがありますが、ミサイル攻撃や魚雷発射などの訓練についてはさらに回数が限られます。

◆武器弾薬人員めぐる惨状  
月刊『正論』4月号に元一等海佐の星山良一氏が「防衛予算増やせども・・・武器弾薬人員めぐる惨状」という驚くべき内容の記事を寄稿しています。
その中で「訓練弾すら十分に充当できない現状を考えれば実弾が十分に満たされているかについては疑念を抱かざるを得ない。
仮に充足されていたとしても、ミサイルや魚雷などは定期的に分解整備する必要があり、その分を含めた予備弾が確保されていなければならない。

現政権になって防衛関係費は増額されているものの、F-35やイージスアショアなど正面装備にかかる経費が増えているため、艦艇修理費などの後方経費は毎年削減されている。」と記されています。

 さらに、「弾薬庫における保管数には、換爆量と保安距離等に関する規則による限度がもうけられている。
弾薬庫の数が昔と大して変わらない現状からは、必要十分な弾薬が備蓄されているとは考えにくい」という具体的な恐ろしい現実も書き記されていました。
 実際に、弾薬庫建造については多数の計画はあったものの、政府の予算削減・合理化の流れの中で計画は次々中断されています。
また、予定地候補にできそうな防衛省の土地建物もどんどん売り払われています。
このまま国の土地の売却が続けば、基地や駐屯地との補給ラインが整った場所が残っているでしょうか。
我が国には「国有地を売却して、国庫の黒字化に努めるべき」という感覚がありますが、それは一方で国家存亡の危機に国防や救助に使える候補地を減らすことにもつながっているのです。

◆「火薬類取締法」という厳しい法律
 また、我が国には弾薬保管に関し「火薬類取締法」という厳しい法律があります。
自衛隊もこの法律に則った弾薬備蓄庫を作らないといけません。
つまり、相応する広さの土地と予算がなければ弾薬数を増やすための保管場所すら作れず、入れ物がなければ備蓄する弾も買えないということです。
 たとえば、宮古島に陸上自衛隊が配備されましたが、弾薬庫建設に対して反対運動が起こっています。
住民への同意を得て弾薬庫を作るにはかなりの歳月がかかります。
いくら自衛隊が優秀でも備蓄する弾薬庫がなく、弾が無ければ何もできません。

国防力には十分な備蓄が不可欠なのです。
 なお、この「火薬類取締法」は自衛隊の弾薬輸送時にも適用されます。
高速道路などで自衛隊車両が「火薬類取締法」で定められた危険物のしるしをつけて弾薬を運んでいる姿を見かけますが、平時には問題ないでしょうが、有事にはこれは敵にとっては絶好の「マト」となります。
テロリストが我が国を狙っているなら、このことには気づいているはずです。

◆テロの危険性も高まる
 天皇陛下の譲位に伴う行事や東京オリンピックなど、我が国には外国の賓客をお迎えする行事が目白押しです。
それらは重要な国家行事であり、経済効果とともに外交上の大きな進展をもたらすことが期待されますが、反面、テロ等の危険性も高まるでしょう。
 自衛隊の「武器・弾薬・燃料・人員」の問題は簡単に解決できるものではなく、毎年毎年備蓄できる環境と相応の予算を積み重ねて初めて可能になるものです。

 旧日本軍の悪しき伝統であったロジスティクス軽視を、今も我が国が引きずっていることを悲しく思います。
朝鮮半島情勢はなお流動的であり、在韓米軍の機能が日本に移ってしまうことも十分あり得るのです。
対馬海峡が防衛線となったその時、我が国は自国を防衛できるのか、そのための後方支援がこんな有様でいいのかととても不安です。
 歴史を振り返って反省し、学ぶことはいつの時代にも必要です
我が国が次の御代を迎え、さらに繁栄するためには私たちの子供達が暮らす我が国を守らなくてはなりません。
考えてないといけない課題はまだまだ山積しているのです。


小笠原理恵】 国防ジャーナリスト。
「自衛官守る会」顧問。関西外語大学卒業後、報道機関などでライターとして活動。
キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)を主宰
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2019年03月25日

孤独死の現場に見える「生きづらい現代」の断面

孤独死の現場に見える「生きづらい現代」の断面
日本で「特殊清掃人」が増え続ける重い意味
2019/03/23 東洋経済オンライン
菅野 久美子 : フリーライター

特殊清掃、略して"特掃"――。
遺体発見が遅れたせいで腐敗が進んでダメージを受けた部屋や、殺人事件や死亡事故、あるいは自殺などが発生した凄惨な現場の原状回復を手がける業務全般のことをいう。
そして、この特殊清掃のほとんどを占めるのは孤独死だ。

拙著『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』の中から、近年増え続ける孤独死の特殊清掃の一部をご紹介したい。
関東近県の某市――。
特殊清掃人の上東丙唆祥(じょうとう ひさよし・46歳)は、肩のあたりまでうず高く積もった大量のごみの山と格闘していた。

あまりにも悲惨な「孤独死」
現場 2階への外階段を上り、奥まった部屋の玄関を開けると、まず鼻をついたのは、あまりにも暴力的なアンモニア臭であった。
室内は、湿り気を帯びていて薄暗く、視界が悪い。
床を見ると、4リットルの特大の焼酎のペットボトルが、いたるところに無造作に転がっていた。
ペットボトルの中身は、どれもが淡黄色に輝く液体で並々と満たされていた。
その一部には、キャップが空いているものもある。
そこから思わず吐き気をもよおすほどの強烈な異臭が漏れ出ていた。

特殊清掃業者にとって、孤独死の最も多く発生する夏場は書き入れ時だ。
中には1日何現場もこなし、年間利益のほとんどを稼ぎ出す業者もいる。
この特殊清掃需要の背景にあるのが、右肩上がりで増え続けている孤独死である。

孤独死とは、家でたった1人、誰にも看取られずに亡くなることだ。
私が同行した2018年夏は、異常気象が続き、孤独死の特殊清掃の数が、ケタ違いに増えていたのだ。
特殊清掃業者が手がけるのは、もちろん孤独死だけではない。火事現場、自殺現場、殺人現場など多岐にわたる。
しかし、その中でも近年圧倒的に多いのが、孤独死である。

孤独死と特殊清掃業者の数は、関連が深い。
特殊清掃業者は、孤独死と比例するかのように、年々その数を増やし続けているからだ。

ペットボトルの正体は「尿」
2018年5月14日付の毎日新聞によると、5000社以上が加入している特殊清掃の業界団体である「事件現場特殊清掃センター」が、民間資格である「事件現場特殊清掃士」の認定制度の施行を始めた2013年から、5年で15倍に膨らんでいるという。
孤独死が発生すると、近隣住民はその強烈な臭いに慌てふためき、大騒ぎとなる。
また、マンションの管理会社や大家はその資産価値の下落を恐れ、すぐに臭いを消してくれと、彼らに出動を依頼する。

上東は、乱雑に転がっていたペットボトルの異様な臭いを放つ液体が、この部屋で1カ月前に亡くなった住人の男性(65歳)の尿だというのにすぐ気づいた。
そう、男性はこの焼酎のペットボトルに、何十本、いや、何百本も自らの尿をためこんでいたのだ。
こんもりとしたゴミの山の中から、尿入りペットボトルがニョキッと斜めに頭を出していた。
そして、どこにもエアコンはない。

部屋の様子には人間性が現れる
上東によると、この部屋を借りていた住人はもともと糖尿病の気があり、65歳で心臓発作で亡くなり、死後1日で勤務先の上司によって発見された。
「何らかの持病があったにせよ、この人の死因は暑さが関連してるだろうね。
これだけの暑さだと、ゴミも相当な熱を持つからね。
サーモグラフィーで見ればわかると思うけれど、この部屋は夜でもかなりの温度だったと思う。
よく、火事にならなかったよね。

部屋ってその人のすべてが現れるの。
心疾患系にかかった人は、まずリビングから汚れてくることがほとんどだね。
リビングって、いわば心臓部分ですべての部屋につながるでしょ。
逆に精神が病みだすと、キッチンとか水回りが汚くなってくるんだ」

高温注意情報が連日流れる暑さの中、男性は凄まじい尿臭に包まれたゴミの山の中に、エアコンもなく、ただ体を横たえていた。
上東は顔から滝のような汗を滴らせながらも、和室の壁際にあるタンスに目をつけ、上段に手をかけ、中のものを引っ張り出していく。
孤独死の遺族は、保険証券、現金、通帳、不動産や土地の権利証など、金銭にまつわるものを求めることが多い。
故人と家族はとうにつながりが切れていることの表れだ。
もし親交があれば、写真や手紙といった思い出の品が望まれることもあるが、孤独死した場合はまれだ。
このように孤独死したケースは、遺品のすべてに臭いが付着していることが多く、ほとんどはゴミとして処分せざるをえなくなる。

上東は尿の入ったペットボトルのキャップをすべて開けると、キッチンに持っていって、ドボドボドボドボとシンクに流す。 上東が手前のドアを開けると、黒ずんだ便器が見えた。
男性は、トイレが詰まって使えなくなると、ペットボトルに自らの尿をためていったのだろう。

孤独死の原因は、生きづらさ
大家の話によると、男性は若い頃に地方から上京してきたものの、人間関係を築くのが下手で、仕事が長続きせず、アルバイトで食いつないでいたらしい。
「孤独死した人は、みんな恐らく根はいい人なんだと思う。
人をだましたりとかは絶対できない人。
だから、同時に自分にウソがつけなくてすごく苦しくなってしまう。
悩んでそれが物凄いストレスになっちゃう。
自分はこれでいいのかという、罪悪感を抱えているの。
ずるくないから悩むんだよね。
きっと世渡りは上手じゃない。
その分、人に正直だと思うし、自分に正直でありたいと思っている。
でも、社会を優先させなきゃいけないところがあったり、人を立てなきゃいけないところってあったりするでしょ。
それに矛盾を感じてしまって、自分を許せてない人じゃないかなって思うよ」

真面目な人間だからこその、生きづらさ 男性もきっとそうだったのではないかと、上東は考えている。
「世の中、みんな華やかさを求める人が多いじゃない。
成功とか、お金とかさ。華やかさを求めない人は変わった人ってレッテルを貼られる。
俺も変わってるって言われるんだけどさ。
自己肯定感のない人って多いよね。
想像だけど、男性は社会に苦しんでたと思うよ。

家ではゴミ屋敷で、ルールも守らなくて、やりたい放題じゃん。
他方で、社会に一生懸命合わせようとするから、すごく生きづらかったんだと思う。
何もかも世の中に合わせなければという発想を捨てれば、もっと楽な生き方があったんじゃないかって思うんだよね。
でも、男性も僕も、そうなるか、ならないかは、紙一重だったと思うよ」

上東自身、過去に生きづらさで苦しんだことがあり、うまく人間関係を築けない人や生きづらい人の気持ちに寄り添うことができる。
そして、そこに共感できる優しい人柄の持ち主だ。
だから特殊清掃という仕事に携わっているのだと私は感じた。
「特殊清掃をやっていてきついのは、その人の内面がわかっちゃうこと。
ペットボトルひとつからでも、その人の苦しみが見えちゃうんだよね」

上東は、そう言って静かに微笑む。
孤独死の現場を長年取材してきたが、生きづらさと孤独死は、密接な関連があると感じることが多い。
孤独死の現場を取材していると、離婚や死別、パワハラなど、人生の重要な局面で力尽き、立ち上がれなくなった人の姿を目の当たりにする。
その結果、周囲から孤立し、孤独死しているケースが多いのだ。

特殊清掃業者たちは日本を侵食する、孤立という病の犠牲者たちを、1人また1人と見送っている立会人のようである。
増え続ける立会人は、日本が世界的な超孤独死社会へと歩を進める転換点にいることを自覚している時代の証言者といえるかもしれない。
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2019年03月26日

世界から愛される「イチロー流」コミュ力とは

世界から愛される「イチロー流」コミュ力とは
「人の痛みを想像する力」が示す人間の器量
2019/03/25 東洋経済オンライン
岡本 純子 :
コミュニケーション・ストラテジスト

世界中の野球ファンが、一時代の終わりを感じたかもれない。
「野球界のレジェンド」イチローの引退は世界のメディアに大きなニュースとして伝えられた。
彼の引退会見や数々のエピソードから見えた「世界に愛されるイチロー流コミュ力」について、ひも解いてみたい。

「後にも先にもイチローはイチローだけ。
彼は野球選手であり、ロックスターであり、国際的なセレブリティーであり、そして、もし彼がジェームズ・ボンドの映画の中に出てくるようなスーパースパイだったとしても驚きはしない」。
MLBのサイトに3月22日に掲載された記事にこう記されている。

同じサイトに掲載された「イチローは史上、最も愛される野球選手なのか」という別の記事には
「彼には敵がいなかった。誰も彼を嫌わず、ブーイングをすることもなかった」
「人生をとことん楽しむ姿、研ぎ澄まされたユーモア、そして、強烈で、ほとんど神秘的なほどの 世界から愛される (野球への)献身が、人々の心をとらえて離さなかった」
「彼の生き方はあらゆる年代、国境を越えて、共感された。
彼は何百万人という人に野球の魅力を気づかせた。
こういった、そしてもっと多くの理由から、イチローが野球史上最も愛された選手であると信じている」とある。

ファンを魅了したのは野球の技法だけではない
打撃や守備など野球の技法・技術、輝かしい実績だけではなく、試合前の儀式的なルーティーンや求道者のようにストイックな鍛え方に至るまで、彼の生き方そのものの高い精神性、神秘性が世界の野球ファンを魅了し続けてきた。
  今、ツイッターなどソーシャルメディアは、多くのメジャーリーガーやチーム、世界の野球ファンの、イチローの功績をたたえ、引退を惜しむコメントであふれかえっている。

海を越え、国境も言葉も越え、まさに世界に愛された不世出のプレーヤーということだろう。
日本で9年、アメリカで19年の計28年の選手生活を締めくくる引退会見にはそうした彼の魅力が、ほとばしり出ていた。
特に印象に残ったのは、つねに自然体な受け答えと、記者を気遣い、対話をしながら、話を進めるコミュニケーションスタイルだ。
「え、おかしなこと言ってます、僕。大丈夫です?」
「聞いてます?」など、一方的に話を進めるのではなく、つねに記者の反応を確認しながら、聴衆を巻き込んでいく。

「おなか減っちゃったよ〜」「眠いでしょ、皆さんもね」などと子どものように茶化すイチロースタイルのユーモアも随所にうかがえた。
「イチローは面白い。
愉快。
一言でバシッと決めるし、ちょっと小ばかにするようなコメントでも笑いを取る。
自分を笑い者にする方法も知っているし、ほかの人たちを笑いの輪の中に巻き込む」(MLB.com)。

会見やインタビューでは通訳をつけ、英語で話すことはあまりないが、日頃のチームメートとのコミュニケーションでは英語で軽口をたたくことも多く、インタビューでチームメートの口真似で冗談を言い、爆笑を誘ったこともある。
オールスターに出場した時期には、試合前に、クラブハウスで、アメリカンリーグの選手たちを前に、「放送禁止用語」を連発するクレイジーな英語スピーチを毎年行い、伝説となっていた。
キャンプで着用した奇抜なメッセージやイラスト入りのTシャツの数々が話題になるなど、その独特で皮肉の効いたユーモアとウィットはよく知られるところだ。

「禅と迷信と徹底したこだわりの交差点に住んでいる」(ESPN)と称されたイチローの魅力は「自我」や「私欲」を超越した、たたずまいにもある。
会見の中で、彼はこう言っている。
「ある時までは自分のためにプレーすることがチームのためにもなるし、見てくれている人も喜んでくれるかなと思っていたんですけど、ニューヨークに行った後くらいからですかね、人に喜んでもらえることがいちばんの喜びに変わってきたんですね。
その点でファンの存在なくしては自分のエネルギーはまったく生まれないと言ってもいいと思います」

「二グロリーグ」との接点
アメリカでは、ボランティアや人助けをすることに積極的な人が極めて多い。
これはあらゆるスポーツチームや選手のDNAにも埋め込まれており、チャリティーや寄付などの習慣が根強く、スポーツ選手の社会貢献欲も非常に高い。
こうした環境に身を置くうちに、自分のための野球から、ファンに喜んでもらうための野球という「利他視点」に変わったのではないだろうか。

彼のこうした側面を伝えるエピソードがある。
1920〜1950年まで存在していたアフリカ系アメリカ人で構成された「ニグロリーグ」の伝説的プレーヤーで、のちにメジャーリーグのコーチともなったバック・オニール氏と親交を結んだイチローはカンザスシティーに遠征するたびに、その経験談を聞き、交流を深めた。
オニール氏が設立に一役買った同地にあるニグロリーグ野球博物館にも足を伸ばし、熱心に展示を見学。
その1年後に再訪した時、おもむろに小切手帳を取り出し、博物舘史上最も高額な寄付をしたのだという。

アメリカで差別や偏見と闘い、苦労を重ねた黒人選手と、小柄で決して体格のよくないアジア人選手である自分の苦闘を重ね合わせたのかもしれない。
会見の中ではこうも話している。
「外国人になったことで、人の心をおもんぱかったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。
この体験というのは、本を読んだり、情報を取ることはできたとしても、体験しないと自分の中からは生まれない」。

「自分だけがよければ、人のことなどどうでもいい」
「人のことなど構う余裕はない」
「間違いを犯した人間は徹底的にたたくべき」――。

そんな寛容性のない空気が重く漂う日本社会において、イチローのこうした「人の痛みを思いやる想像力」がことさら尊く感じられる。
会見には終始一貫、彼の野球に対する徹底した「愛」がにじみ出ていた。
「(イチロー選手が貫いたもの、貫けたものは、との問いに)野球のことを愛したことだと思います。
これが変わることはなかった」
「自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つけられれば、それに向かってエネルギーを注げる」と表現したように、まさに「我を忘れる」境地に達した人こそが無双の力を発揮できることを証明した。

「おにぎりを3000個握らせたかった」
「僕はゲームの前にホームのときはおにぎりを食べるんですね。
妻が握ってくれたおにぎりを球場に持っていって食べるのですけど、その数がですねぇ、2800個くらいだったんですよ。
だから3000いきたかったみたいですね。
そこは3000個握らせてあげたかった」と、大切な仲間や妻、愛犬への感謝も、もちろん忘れてはいなかった。

「人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。
あくまでも、はかりは自分の中にある。
それで自分なりにはかりを使いながら、自分の限界を見ながら、ちょっと越えていくということを繰り返していく。
そうすると、いつの日からかこんな自分になっているんだ、という状態になって。
だから少しずつの積み重ねが、それでしか自分を越えていけないと思う」

85分の会見に、何気ないようで、実に奥深い言葉をこれだけ積み込める彼のコミュ力はやはり神がかっている。

「言葉にして表現することというのは、目標に近づく1つの方法ではないかなと思っています」というように、言葉の力を知る彼だからこそ、一言一言を無駄にしない。
大切にする人やモノがあり、愛するそれらのために「自我」を超越し、「我を忘れる」という生き方。

そんな彼の生きざまはまさに「幸せな人生」の見本であり、多くの人の憧憬の的となる理由なのだろう。
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2019年03月27日

物忘れを防ぎ記憶も定着する、一番簡単な記憶法とは


物忘れを防ぎ記憶も定着する、一番簡単な記憶法とは
2019.3.26 ダイヤモンドオンライン(高島徹治)

覚える力、考える力を維持できれば、人生後半は素晴らしく幸せなものになります。
生活習慣のちょっとした工夫と努力で、「覚える力」と「考える力」は簡単に高めることができるのです。
このたび新著『図解 10歳若返る!簡単に頭を鍛える法』を上梓した能力開発コンサルタントの高島徹治氏が、頭を簡単に鍛えるコツを紹介していきます。
今回お教えするのは、効果てきめん「声出し記憶法」です。

ものを探す時間は人生のムダ 1年で5日分の損!?
「ケータイはどこに置いたっけ?」 「メガネはどこだ?」
 ──1日に何度も、こんな騒ぎに時間を割いていませんか?
 それぞれ決まった置き場を決めていても、無意識のうちに別の場所に置いてしまい、あとで見つからなくなることがよくあります。  
でも、探しものだけで、1日に何十分もかけるなんて、まるで人生のムダ!
 1日20分かけたとしても、1ヵ月で10時間、1年で120時間をロスするのです。
年に5日間も探しものをしている計算になります。
 そこで、そんなムダを今日からなくせる、素晴らしい記憶法を紹介しましょう。
 それが「声出し記憶法」です。
 これは、忘れてはならない動作をするときに、ハッキリと声に出すというもの。
たとえば、携帯電話をテーブルに置きながら「ケータイをテーブルに置いた」と、口に出すわけです。
 こうすれば、置き場所を忘れることはありません。

 なぜなら、置き場所を忘れるのは、無意識のうちに行動したのが原因だからです。
声に出したり体を動かして、行動を意識化すれば、ハッキリと置き場所を頭に残せるようになります。
これほど確実な方法はありません。じつは、私は、この「声出し記憶法」をしばしば実行するのですが、家族には「みっともない」とよく言われます。
ですが、やめるつもりは毛頭ありません。

 人生の大切な数十分をムダにすることを思えば、他人からどう見えるかなんて些細な問題にすぎませんから。

声出し記憶法によって スイッチ押し間違えもなくなった
「声出し記憶法」は、ものの置き場所を探すとき以外にも活用できます。
 わが家の階段の脇には、照明のスイッチが上下に並んでついています。
 上のスイッチは室内の照明で、下のスイッチは階段の照明。
これを私はよく押し間違えるのです。
 階段の照明をつけようとして、うっかり上のスイッチを押してしまう。
そのたびに室内の照明を消してしまい、家族からひんしゅくを買っていました。

 これではいけないと、あるとき「階段は下」と声に出しながらスイッチを押してみました。
すると不思議なことに、それ以後は、二度と間違えなくなったではありませんか!
 これも、「声出し記憶法」によって、行動を意識化できたおかげです。
 このように、上と下、右と左というように、いつも選択に迷っているような場合にも、「声出し記憶法」は役に立ちます。  

ちなみに、「階段は下」と覚えるだけではもの足りないからといって、「室内は上」という情報を加える必要はありません。階段が下なら、室内は上に決まっているからです。
 覚える内容はなるべく少なくする、というのもまた、記憶法の大事なセオリーです。

俳優は長くて難しいセリフを どうやって覚えるのか  
俳優さんは、どうやってセリフを覚えているかご存じですか?
 かねてから私は、年配の俳優が、長いセリフをよどみなく口にするのを見るたびに、「よく覚えられるなぁ」と不思議に思っていました。
 すると、知り合いの俳優がこんなことを教えてくれたのです。
「セリフっていうのは、台本を読むだけではなかなか覚えられないものだよ。
でもね、実際に声に出して、身振りと組み合わせると、どんなに長くて難しいセリフでも忘れないんだ
 なるほど、と私は納得しました。

 書いてある字をただ目で追っただけでは、よほどの天才でない限り、そう簡単に覚えられるものではありません。
 でも、声を出して体を動かせば、脳にしっかりと刻まれます。
 まさに「人間の脳の働きにかなった覚え方」と言ってよいでしょう。
 この事実は、私たちの記憶力強化にも応用できます。

音読することで 感覚器官を通じて脳を刺激  
そもそも、なぜ声を出したり、体を動かすと記憶に定着するのでしょうか。
 それは人間の持っている感覚を最大限に利用するからです。
 人間には、「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」という5つの感覚が備わっています。
いわゆる5感です。
それぞれ、目、耳、鼻、口、皮膚という感覚器官を通じて脳を刺激しているわけです。
 これらの感覚を、できるだけ多く活用したほうが、効率よく記憶できます。
 たとえば、新聞を読むときは、目で追うだけではなく、声に出して読んでみると、自分の声で新聞の内容が確認できるうえに、その情報が耳を通して脳に伝えられます。
 このとき、目、口、耳という3つの感覚器官を使っています。
 こうして脳が多方面から刺激を受けると、より活発に動くようになるわけです。
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2019年03月28日

進まない野党結集、見えぬ「最後の小沢政局」

進まない野党結集、見えぬ「最後の小沢政局」
笛吹けど踊らず、剛腕にも昔日の面影なし
2019/03/27 東洋経済オンライン
泉 宏 : 政治ジャーナリスト

統一地方選の前半戦が本番を迎える中、7月の参院選を前に安倍政権打倒を狙って小沢一郎自由党代表が仕掛けた野党総結集の動きが、遅々として進まない。
総結集への第一歩となる国民民主党と自由党の合併構想が国民内部の「反小沢感情」などから大詰めで足踏みし、野党第1党である立憲民主党の枝野幸男代表も「数合わせにはくみしない」とかたくなな姿勢を崩さないからだ。

「笛吹けど踊らず」の厳しい現状に、長らく「剛腕」と恐れられてきた小沢氏にも昔日の面影は消えつつある。

帰ってきた「政界の壊し屋」
「政権交代可能な二大政党制」の実現を目指して1993年6月の衆院選を機に自民党を離党した小沢氏は、非自民8党派連立政権(1993年)、民主党政権(2009年)と、二度にわたって非自民政権樹立の立役者となった。
その一方、小沢氏の手腕によって2大政党の一翼を担った旧新進党や旧民主党を、路線対立などで分裂させたことで「政界の壊し屋」の異名もとる。
このため、「帰ってきた小沢政局」と呼ばれる今回の野党再結集でも、中核となるべき旧民主・民進系議員に小沢嫌いが根強く残り、衆院在職50年の節目を迎える政界最長老としてこれまでに築いてきた「小沢神話」の限界も露呈している。

「(安倍政権は)平気でうそをつき、まったく責任を取らない。
こんな政治がはびこるのは野党がだらしないからだ」。
安倍政権打倒に執念を燃やす小沢氏は、行く先々で野党総結集を訴えてきた。
「過去のいきさつや恩讐を乗り越えるべきだ。
私も股をくぐれと言われれば、いくらでも股をくぐる。
個人的な経過や感情にとらわれている場合ではない」と旧民主、民進両党の分裂に伴う相互不信の解消を呼びかける。

小沢氏が当面最大の戦いの場と位置付けるのは、7月に予定される参院選だ。
「一緒の政党になるのが難しければ、『オリーブの木』(各政党の選挙協力で政権の受け皿をつくる構想)でもいいから、一つのグループとして選挙を戦おう」と比例代表での統一名簿などを提起。
「5月くらいまでに野党の一体化を実現し、7月の参院選で自民党を過半数割れに追い込み、安倍内閣を退陣させる」との目標を掲げて突っ走っている。

国民民主、自由党合併を仕掛けるが 小沢氏がまず仕掛けたのが、国民民主党と自由党の合併だ。
2017年秋の衆院選の直前に小池百合子東京都知事が立ち上げた希望の党(当時)への合流をめぐり、民進党(同)が大分裂。
選挙で生き残った希望合流組が結成したのが国民民主党だ。
選挙では合流から排除された枝野幸男氏が立ち上げた立憲民主党の後塵を拝したが、党資金や地方組織などは民進党の遺産を受け継いでおり、「温存した選挙資金は約150億円」(旧民進党幹部)とされる。
ただ、国民民主の政党支持率は結党以来1%前後に低迷したままで、「このままでは、資金と組織が宝の持ち腐れになり、参院選で惨敗すれば党は壊滅」(国民若手)との声も広がる。

同党の玉木雄一郎代表も党壊滅への強い危機感から立憲民主などとの再結集に強い意欲を見せており、「渡りに船」と小沢氏の仕掛けに乗ったのだ。
昨秋から小沢氏と接触してきた玉木氏は、まず両党の統一会派結成で合意し、それを受けて小沢氏と親しい同党の平野博文幹事長を交渉役に早期合併に向けた政策協議を続け、3月1日に合併後の新党が国民民主党の基本政策を踏襲することで正式合意にこぎ着けた。
これで小沢、玉木両氏が目指す「国由合併」は一気に進展するようにみえた。
しかし、国民民主党内から「党を乗っ取られる」(若手)、「小沢氏とは一緒にやれない」(ベテラン)などの反発が出て難航。
当初の目標だった統一地方選前の合併を断念して5月連休前後まで決着を先延ばしする方向だが、「現状ではまったくゴールが見えない」(幹部)のが実態だ。

国民民主党内で「解党論」も浮上 しかも、ここにきて国民民主党内部の混乱に付け入るような立憲民主党側による切り崩し工作も表面化した。
一部メディアが、1月に衆院会派「無所属の会」を解散して立憲会派入りした岡田克也元外相や安住淳元財務相ら旧民進ベテラン議員らが、去就に迷う国民民主党の若手議員に離党と立憲会派入りを打診したと報じたからだ。
岡田氏はすぐ、自らのブログで「誤報だ」と否定したが、国民の若手議員の一部は「立憲を中心に大きな固まりをつくろうと説得された」ことを認めている。

こうした動きに玉木氏は「もう足の引っ張り合いは終わりにすべきだ。
政策以前に、すぐ喧嘩する人たちだと思われる」と反発したが、国民内部には「国由合併も進まないのだから、国民を解散して立憲に合流するしかない」(若手)との解党論すら出始めているとされる。
こうした状況について、小沢氏は「野党の内部でごちゃごちゃ言っても、何も変わらない。

自民党は権力のためなら対立を乗り越えて一緒にやる。
野党とは大人と子供みたいな違いだ」と指摘。
「野党はもっと権力奪取に執念を燃やすべきなのに、野党内の主導権争いに終始している」と苛立ちを隠さない。
ただ、小沢氏の率いる自由党は国会議員5人という「政党要件」をかろうじて満たしているだけの小政党だ。
それだけに、合併協議でも小沢氏は国民代表の玉木氏の意向を尊重せざるをえず、機会が増えた2人そろってのテレビ出演などでも、玉木氏を前面に立てて自らは控え目な発言に終始している。

「親と子」のように映るツーショット
しかし、旧民主党が政権奪取した2009年衆院選で初当選し、現在当選4回の玉木氏と、当選17回でほぼ半世紀の議員歴を誇る小沢氏では「議員としての経歴が違い過ぎる」(自由幹部)ことは否定しようがない。
「優男」(やさおとこ)の玉木氏と「強面」(こわもて)の小沢氏は容貌の対比も際立つため、国民内部には「ツーショットでの出演では親と息子にみえ、玉木代表が小沢氏に操られている印象が広がるばかり」(若手)との不安も広がる。
もちろん、玉木氏も「国由合併に失敗すれば、代表辞任どころか政治生命が終わる」(国民幹部)とされるだけに「背水の陣で臨んでいる」(同)のは事実だ。

ただ、大蔵省(現・財務省)出身のエリートだが、気の弱いお人よし」(同)と評されるだけに、「合併協議の土壇場でみせる逡巡」(国民若手)にパートナーの小沢氏も苛立ちを募らせているとされる。
「もう一度政権交代を見るまで死ねない」 政権交代を実現させることで「選挙の神様」とも呼ばれた小沢氏は、「野党が総結集すれば、絶対に自民党を倒せる」と繰り返す。

比例代表での統一名簿についても「反自民で結束して統一名簿で戦えば、獲得議席は必ず自民党を上回る」と力説する。
たしかに、2017年秋の衆院選での立憲民主と希望(現在の国民)両党の比例選での得票数を足せば、自民の得票数を数百万上回るのは事実だ。
ただ、枝野氏は「分裂して競い合ったことで票が伸びた。
政策や理念を置き去りにして一緒に戦えば票が減るだけ」と小沢氏の提案を拒否している。

父・佐重喜氏の急逝で、1969年12月の衆院選に旧岩手2区に出馬、27歳で初当選した小沢氏は、以来、17回連続当選を重ねてきた。
1969年当選同期には森喜朗元首相(現・東京五輪組織委員会会長)や羽田孜元首相(故人)がいるが、小沢氏はキングメーカーに徹し、自民党幹事長時代は「ポスト海部」に名乗りを上げた宮澤喜一(元首相・故人)、渡辺美智雄(元外相・同)、三塚博(元蔵相・同)らを「面接」するなど、「党最高実力者」として権勢をふるった。

今年12月で衆院議員満50年となる小沢氏だが、在職50年を超えるのは「憲政の神様」と呼ばれた尾崎行雄元司法相、三木武夫元首相、原健三郎元衆院議長(いずれも故人)らに続く6人目となる。
5月には喜寿(77歳)を迎える政界最長老だが、今でも「もう一度政権交代を見るまで死ねない」と3度目の政権交代実現に執念を燃やす。

このため、次期衆院選以降も現役を続ける決意もにじませるが、玉木、枝野両氏も含め立憲、国民両党幹部の多くは「小沢氏のすごさや怖さを知らない次世代の政治家」(首相経験者)だ。

中堅・若手議員からは、40年以上前の流行歌の「昔の名前で出ています」などと揶揄されている小沢氏だが、「最後の戦い」にどう挑み、どのような結末を迎えるか、なお見通せない。
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異常な疲労感、眠気

昨日は 午前中に精神科受診と薬局だけのつもりでいたのですが 吹き出物が出たために切開してもらうために外科も受診、体が動くので 午後 区役所に行き 障害者バスフリー券を更新してきました。
でも 身体は正直なのか 普段の運動量を超えていたことの警告か、帰宅時のバスでは 下半身が重く、今日も睡眠過多。
これを書いている20時段階でも 眠気が襲ってきます。
少しずつリハビリしていかなくては 毎日コンスタントに動けないことを痛感させられました。

明日は 歯科定期健診。
明後日は 「不在者投票」
その後、入院準備に入ります。

4月4日入院、5日股関節人工骨へ置換手術
後はリハビリ10日の予定です。

お詫びですが、いつも楽しみに巡回させていただいたブログの訪問が 難しくなっています。
私が 更新を休止している間、過去の記事を読んで頂けると嬉しいです。
記事一つ一つが ミニ論文のようになっており 小だぬきは どこに共感して その記事を選んだのか 想像していただけると 嬉しいです。

眠気が また襲ってきました。
明日は 朝から 起きれるといいなと願いながら ベットにはいります。
お休みなさい。
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2019年03月29日

髪型の理不尽な校則、あった?「男は坊主」「ポニーテールNG」etc.

髪型の理不尽な校則、あった?「男は坊主」「ポニーテールNG」etc.
2019年03月28日 SPA!

「#この髪どうしてダメですか」
――ヘアケア製品ブランドのパンテーンが、こんなハッシュタグを合言葉にした広告キャンペーンを展開し、大きな反響を呼んでいる。
 パンテーンが全国の現役中高生400人、卒業生200人、現役中高教師400人に“髪型校則へのホンネ調査”を行ったところ、現役中高生&卒業生は13人に1人の割合で、「生まれつき茶色い地毛を、学校から黒染めするよう促された経験がある」というのだ。
3月18日に朝日新聞に掲出された広告には、
「水泳で髪が茶色くなった子も、黒く染めなきゃいけないんですか?」
「茶色く染めちゃダメなのに、黒染めはいいんですか?」
「留学生の金髪はいいのに、どうして私の茶色の地毛は証明書が必要なのですか?」  

……といった、髪型校則の矛盾を突くようなクエスチョンがずらり。

 ここでは一例として髪の明るさが争点になっているが、ほかには髪の長さや結び方を指定したり、パーマを禁じたりしている学校も多々あるだろう。
しかし、そもそも学生にとってどのような髪型がふさわしいのかという明確な答えがない以上、学生の髪型を校則で制限することはナンセンスなのではないか。
 そこで今回は、髪型にまつわる理不尽な校則エピソードを、20〜50代の男女に教えていただいた。

◆“地毛証明書”が効果を発揮しなかったケースも  
まずは、6人の男女による学生時代の体験談である。
「私の出身中学では、男子は丸刈りが原則でしたね。
高校野球なんかを見ていると最近も丸刈りの学生はいますし、爽やかで似合っていると思いますが、私自身は文化部だったため、全員が全員丸刈りにする意味って何だったのかなぁ、と(苦笑)。
特に冬場は、寒くてしんどかったですよ」(53歳男性・メーカー)

「私は子どもの頃から、眉毛が薄いのがコンプレックスでした。
高校では化粧が禁止だったので、せめて前髪で眉毛が隠れるようにしていたんですね。
そうしたら先生に『長すぎるからピンで留めろ』って言われて、やむを得ずに従ったら、今度は『眉毛、剃ってないか?』って不良だと疑われる始末……」(24歳女性・サービス業)

「2年くらい前、ポニーテール禁止の学校があるってTwitterで話題になっていましたけど、私のところもそうでした。
理由は知りませんし、当時は違和感なく受け入れていたのですが、数年後に就活したときはポニーテールが定番の髪型だったので、中高生だからって取り締まるのは『?』じゃないでしょうか」(36歳女性・不動産)

「高校の頭髪検査はとにかく憂鬱でした。
例えば、もみあげが耳の穴の高さより長いとアウトで、友達は坊主なのに引っかかっていましたから(笑)。
あと、教師のお気に入りっぽい生徒は少しの違反なら見逃されていて、不公平感が半端なかったです」(25歳男性・飲食)

「中学時代、クセの強い天然パーマをクラスの男子にからかわれていたので、夏休みに思い切って縮毛矯正をかけたところ、2学期の初日に先生に呼び出されました……。
正直に理由を話したら『でも、一応そういうのは禁止だから』という返事。
私はそれ以上お咎めナシだったからいいものの、髪型のせいでいじめられているような子の場合、もっと融通が利けばいいのにと思います」(41歳女性・商社)

「染髪禁止の高校だったので、生まれつき髪が明るい僕は、入学時に“地毛証明書”を提出したんですよ。
それなのに情報が充分に共有されていないのか、廊下ですれ違った先生に『染めてるの?』と肩をつかまれたことがあって、かなりムカつきましたね。
こんな面倒事は二度とごめんなので、就活では染髪禁止の企業を徹底的に避けました」(30歳男性・IT)

 地毛証明書に関しては2017年、教育評論家の尾木直樹氏が『週刊文春』にて苦言を呈しており、「『疑われないために出しておいたほうがいい』という意見もあるけど、そんな“管理される方が安心”という感覚を子どもたちに持たせるなんて情けない」とのこと。
地毛証明書は学生を守るためのものなのか、もしくは縛るためのものなのか、まだまだ議論の余地がありそうだ。

◆実は教師の側も、髪型校則の妥当性を理解できていない?
 一方、現役の高校教師の男性からも、次のようなコメントが寄せられた。
「自分が教えている高校ではツーブロック不可です。
髪がスッキリして快適なので、自分もツーブロックにしたいくらいなんですけど、生徒に禁止している手前、一緒にガマンするしかないという(笑)。
『ツーブロックは学生らしい髪型ではない』というのが理由なのですが、果たして学生らしさとは何なのか、教師の立場でも正直わかりません」(29歳男性・教師)

 冒頭で取り上げたパンテーンの調査によれば、70%の中高教師は「勤務している学校の髪型校則に疑問を感じている」と回答。
さらに87%の中高教師は「時代に合わせて、髪型校則も変わっていくべきだと思う」とも回答しており、この現状を「おかしい」と認識しているのは、決して学生だけではないのだろう。

 これについてパンテーンは、「学生・先生ともに髪型校則に対して疑問や課題を持ちつつも、双方で対話をする場がない」と推察している。
今回のキャンペーンが問題提起となって、世の中はどう変わっていくのか。
                        <取材・文/A4studio>
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2019年03月30日

拉致問題に苦しみ続ける横田夫妻41年間の戦い

拉致問題に苦しみ続ける横田夫妻41年間の戦い
被害者家族たちの高齢化も進み、猶予はない
2019/03/29 東洋経済オンライン
佐竹 正任 :
フジテレビ「前略 めぐみちゃんへ」取材班

この家族たちは、いったい、どれだけ涙を流さなければならないのか。
北朝鮮による日本人拉致が相次いでから実に40年以上が経過した。
だが、2002年に5人の拉致被害者が帰国しただけで、それから17年、またも事態は膠着したままになっている。
2月末には、2回目の米朝首脳会談が開かれ、1回目に続いてトランプ大統領が日本人拉致問題を提起したというが、「全拉致被害者の即時一括帰国」という家族たちの一致した願いに向けた具体的な道筋は見えない。

拉致問題解決に一刻の猶予も許されない
しかも、拉致被害者の親で生存しているのは、横田めぐみさんの父・滋さんと母・早紀江さん、有本恵子さんの父・明弘さんと母・嘉代子さんの4人だけになってしまった。
拉致被害者家族たちを高齢化の波が襲う中、もはや一刻の猶予も許されない。

にもかかわらず、かつて日本人が北朝鮮による拉致という卑劣な犯罪の餌食になっていたことさえも、この国で忘れ去られようとしている。
幸せに暮らしていた家族が、わが子を突然奪われ、何の情報もなく泣き暮らしていたこと。
わが子が北朝鮮で生きていると知らされ、取り戻すために奔走しても誰も動いてくれず無力を思い知らされること。
ようやく世論と政府が動いても、十分な確認もせずに「もう死亡した」と伝えられ、死亡確認書や遺骨を見せられてしまうこと。

もしわが身にふりかかれば、立っていられるかどうかわからないような深い悲しみの淵で、数十年戦い、涙を流し続けてきた家族たちの心中を察するには余りある。
そんな思いから、横田夫妻の41年間にわたる涙と苦闘の日々を描くドキュメンタリードラマ「独占取材 北朝鮮拉致 前略 めぐみちゃんへ〜横田夫妻、最後の戦い」(3月30日(土)15時30分〜フジテレビで放送)を企画した。

この中で、めぐみさんの北朝鮮における生活について貴重な証言をしてくれたのが、2人の拉致被害者、曽我ひとみさんと蓮池薫さんだった。
取材班は、佐渡島に住む拉致被害者、曽我ひとみさんから手紙をいただいた。
そこには、合わせておよそ8カ月間、北朝鮮で一緒に暮らした横田めぐみさんについて、思い出せる限りのことが記されていた。
「バドミントンの部活帰り、友達と別れ家の近くの曲がり角まで来たところで襲われたと言っていました」(曽我ひとみさん)
1977年11月15日午後6時半頃、部活が終わって下校中、あともう少しで家に到着するという所で北朝鮮の工作員に襲われ、新潟の海から北朝鮮に連れ去られた横田めぐみさん。
当時、まだ13歳だった。
その9カ月後の1978年8月12日、新潟県の佐渡島から買い物帰りに拉致されたのが曽我ひとみさんだ。
一緒に拉致された母、ミヨシさんの行方は今もわかっていない。

曽我ひとみさんは拉致されて6日後に、ある招待所に連れて行かれる。
招待所とは拉致被害者や工作員を住まわせるための施設のことだ。
そこで待っていたのが、14歳になっていた横田めぐみさんだった。
そのときの状況をこう振り返る。
「招待所の玄関で私を迎えてくれました。
どんな人がいるのだろうと、とても緊張していたのですが、私を見てやさしく微笑んでくれたので、緊張がほぐれホッとしたことを覚えています。
反面、妹と同じくらいの子が『どうしてこんなところにいるんだろう?』と疑問に思いましたが、そのときは何も聞きませんでした」

めぐみさんとひとみさんは、1978年から1980年にかけて、招待所を転々としながら合わせておよそ8カ月間、一つ屋根の下で支え合って暮らしていた。
「(めぐみさんは)勉強は特に熱心に取り組んでいました。
先生から教えてもらうとすぐに理解していました。
どんな勉強でも同じでした。
北朝鮮では後輩にあたる私は、めぐみさんから多くの事を教えてもらいました」

ひとみさんを支えためぐみさんの優しさ
横田めぐみさんと言えば、桜の下で寂しげな表情をしている写真を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。
実はあの写真は、水疱瘡(みずぼうそう)が治ったばかりで気乗りしないめぐみさんを、父親の滋さんが連れ出して撮った写真のため、笑顔で写っていない。
だが本当のめぐみさんは、いつも笑顔で底抜けに明るく、家でも学校でも冗談を言ったり歌ったり、まさに太陽のような存在だった。

曽我ひとみさんも、つらい監禁生活の中、めぐみさんに救われたと振り返る。
「『もみじ』や『ふるさと』などは(監視に聞かれないよう)小さな声で一緒に歌いました。
(めぐみさんは)絵がとても上手で、私の手をモデルに鉛筆で書いてくれ、それをプレゼントしてくれたこと。
丁寧に押し花を作り、それをしおりにしてプレゼントしてくれたこと。
一緒に卓球をしたこと。物品の少ない店に行ってお菓子や雑貨を選んだこと。

小さな出来事でしたが、2人にとってはとても楽しくうれしいことでした」
一緒の部屋で顔を見合わせて寝ながら、ヒソヒソと日本の思い出について話していた2人。
めぐみさんから、家族の話題が出ることもあった。
「(めぐみさんの)お父さんはとてもやさしく、お母さんはいつも香水のにおいがしていたと。
そして双子の弟はとても可愛いのよ、といつも話していました」

1980年、曽我ひとみさんは、元アメリカ兵、チャールズ・ジェンキンスさんとの結婚を機に、めぐみさんと離れて暮らすことになった。
そのときの忘れられないエピソードがある。
「めぐみさんの持ち物全部を覚えているわけではありませんが、いつも大切にしていた赤いスポーツバッグは忘れたことはありません。
私が別の招待所に移ることになったときもらいました。
いつかどこかで会えることがあったら、今も大切に使っているところを見てもらいたいと思い、買い物に行くときはいつも持って行きました」

蓮池薫さんが見ためぐみさんの苦悩
曽我ひとみさんと別れためぐみさんが、1984年頃から同じ集落で暮らすようになったのが、蓮池薫さん・祐木子さん夫妻、地村保志さん・富貴恵さん夫妻だった。
今回、蓮池薫さんが、めぐみさんとの北朝鮮での暮らしについてインタビューに応じてくれた。

「めぐみさんは、韓国から拉致されてきた金英男さんという方と結婚しました。
その後は、われわれと、地村さんと、横田さんのご夫妻と、3軒がお互いに行き来するような環境の中で暮らすようになりました。
お子さんも生まれましたし、お互いに祝日とかですね、お正月とかになると一緒に食事をしたり、時々一緒に出かけるようなときもありました。
日曜日などは、遊んでいる子どもたちを見ながら話したり、カード遊びなんかしたりしました。
閉じ込められた軟禁状態のつらさの中で、そういったことが唯一の気分転換でした」

自由のいっさいない生活の中で、同じ拉致被害者たちとの時間を通じて、なんとか気持ちを維持しようとしていためぐみさん。
それでも、抑えきれなかったのが、日本や家族への思いだったという。
「めぐみさんは、日本から持ってきたバドミントンの道具を本当に大切にしていました。
そして新聞があれば日本の記事を探していました。
とにかく、日本に対する思いが、非常に強かったのです。
だからその思いを糧に、耐えてほしい。
救いの手が届くまで、健康に注意しながら耐え抜いてほしい、家族に会える日を待ち続けてほしい、そう祈るだけです」(蓮池薫さん)

蓮池薫さん・曽我ひとみさんが考える、めぐみさんの今
では蓮池薫さん、曽我ひとみさんは、めぐみさんの現在について、どう考えているのか。
「おそらく、北朝鮮はめぐみさんを徹底的に管理しています。
日本で拉致問題の象徴のようになっているめぐみさんを、いつかは日本との交渉上、他の拉致被害者と一緒に返すことによって、局面を変える必要が出てくることも予見しつつ大事に隠している、そういう状況だと思います」(蓮池薫さん)

「(北朝鮮が伝えてきた)『死亡』ということを私は信じていません。
何らかの理由があって『死亡』と伝えたのだと思いますが、私はこれからもずっと信じることはないでしょう。
(めぐみさんは)どこかの招待所で元気に暮らしていると思います」(曽我ひとみさん)

取材班が曽我ひとみさんからいただいた手紙は、めぐみさんに向けたメッセージで締めくくられている。
「お父さん、お母さん、弟さん、そして日本国中が一日も早く帰ってくることを願っています。
だから元気でいてください。
絶対に助けに行きます。諦めずに待っていてください」
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2019年03月31日

2019年防衛大卒業式で大量の任官拒否が出た理由

2019年防衛大卒業式で大量の任官拒否が出た理由
卒業生の約1割が自衛隊に入らずに民間へ
 この責任は誰が負うべきか
3/30(土) FRIDAYデジタル

制服に学帽姿で、記念撮影をする若者たち。
卒業証書を片手に、スマホで自撮りをする女子学生の姿もある。
バラバラと正門前に現れ、保護者と挨拶を交わしてキャンパスに戻っていった彼らの顔は、一様に晴れやかだった――。

3月17日、神奈川県横須賀市にある防衛大学校で卒業式が開かれた。
安倍晋三首相(64)による訓示の後、学帽を一斉に宙に投げて卒業生が退出するという例年通りの式となったが、実はその裏で、今年の防衛大には前代未聞の”異常事態”が発生していた。
49人――。
478人の卒業生のうち1割を超える学生が、任官拒否をしていたのだ。

任官拒否とは文字通り、防衛大を卒業しても自衛官にはならないこと。
過去、最多の任官拒否者が出たのは、バブル景気と湾岸戦争を巡る自衛隊派遣議論が重なった’91年の94人だが、49人はそれ以降で最多の数字である。
冒頭の場面は、17日の卒業式ではなく、その前日の16日。

任官拒否者は卒業式本番への出席を許されていないため、前日に卒業証書授与と簡単な式を行ったのだという。
「例年、任官拒否者に対しては、卒業証書授与だけの状態が続いていたと聞いています。
今年になって急に式を開いたのは、学内でのイジメ問題が取り沙汰されている状況を鑑みて、イメージアップを図ったのかもしれません」(防衛大関係者)

言わずもがな、防衛大は自衛隊の幹部候補生を養成する機関である。
学生は学費免除であるだけでなく、約11万円の月給とボーナスも年2回(約38万円)、税金から支給される。
「それだけに、防衛大からすれば任官拒否は大きな痛手です。
任官拒否を表明した49人には、防衛大の教授らが必死になって翻意させようと説得に当たった。
外部から識者まで呼んで、世間がいかに厳しいかを説いたみたいです。
しかし、彼らの決意は固かった」(同前)

任官拒否の理由は、「民間企業へ行きたいから」
「自衛隊には向いていないと思った」などだったという。
だが、彼らがそう考えるに至ったのは、こんな社会的な背景があるのかもしれない。
政治アナリストの伊藤惇夫氏が語る。
「安倍政権への不安があるのは間違いありません。
今年の卒業生は、’15年に安倍首相が強引に安保法案を成立させた過程を見てきた世代。

『当事者』として、危険地域へと派遣される可能性と直面し、熟慮の末、任官拒否という道を選んだのでしょう」
あんな最高指揮官のもとでは働けない――。
現政権が続けば、任官拒否者はますます増えそうだ。
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