2019年05月24日

「生活保護で大学進学なんてゼイタク」本音を包み隠す厚労官僚の“良識”

「生活保護で大学進学なんてゼイタク」
本音を包み隠す厚労官僚の“良識”
2019/05/24 ダイヤモンドオンライン(みわよしこ )

「生活保護での大学進学は認めない」
厚労省が国会で公言した内容とは
 厚労官僚による「生活保護での大学等への進学は認められない」という国会答弁が、大きな波紋を引き起こしている。
理由は、生活保護法の「最低限度の生活」が大学進学を含まないからだそうだ(2019年5月21日、参院・文教科学委員会)。
まるで「生活保護での大学等への進学は法で制約されている」と言わんばかりだが、その解釈は無理筋だ。

 とはいえ現在、生活保護のもとでの大学等への進学は、事実として認められていない。
生活保護世帯の子どもたちは、高校以後の教育を受けるためには、学費と生活費を自弁する必要がある。
手段の多くは、学生支援機構奨学金の借り入れやアルバイトとなり、疲労と不安でいっぱいの学生生活を送ることとなる。  

学費免除や給付型奨学金を獲得するためには、多くの場合、低所得でも貧困でもない家庭の子どもたちと同じ土俵で、より優れた成績や業績を示す必要がある。
それは苛酷というより、現実離れした「無理ゲー」だ。
しかも、浪人もできない。
「受験勉強ができるのなら、働いてください」ということになるからだ。

 その子どもたちと接してきた、現場の心あるケースワーカーたちは、黙って座視してきたわけではなく、子どもたちの生活や学業を支え、勇気づけてきた。
そして、声を上げてきた。
生活が生活保護によって支えられているだけで、彼ら彼女らの学生生活は好ましい方向に激変する。
中退によって奨学金という名の借金だけが残るリスクは激減する。

 生活保護世帯や貧困世帯で育った子どもたちも、支援者たちも、もちろん心ある国会議員など政治家たちも、「生活保護で生活基盤を支えられた学生生活を認めるべき」という声を挙げてきた。
そして政府は、生活保護世帯からの大学進学に対する一時金(自宅内進学の場合、10万円)を制度化した。
ほんの少しずつではあるが、期待できそうな動きが現れてきていた。

 しかし、それらの積み重ねに寄せられた期待を、一気に打ちのめす国会答弁が行われた。
その内容は、「自助努力と自己責任で高校卒業後の学びを獲得できない子どもたちは、高卒や大学中退で世の中に放り出されても仕方ない」と解釈できるだろう。
この発想は、どこから来るのだろうか。

 実は、「劣等処遇」という用語1つで、おおむね説明がついてしまう。

日本人は身分制度が好きなのか
医療にも見え隠れする「劣等処遇」
「劣等処遇」は、生活保護制度の中に包み隠されてきた考え方の1つだ。
厚生省・厚労省の官僚たちの良識に封じ込められた場面も、間接的に存在が察せられた場面もある。
2013年と2018年の生活保護法改正は、「劣等処遇」を丸見えに近づけた。

 現在の生活保護法にクッキリ現れている「劣等処遇」は、後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品だ。
生活保護法では、2013年改正で「後発医薬品を優先」することとなり、ついで2018年改正で「後発医薬品を原則」とすることになった。
背後に、「生活保護という“身分”にふさわしい医療」という発想、すなわち「生活保護なら劣等処遇」という考え方があったとすれば、2013年に「優先」、2018年「原則」と明確化されてきたことは、全く迷いなく理解できる。

 もちろん厚労省も、厚労省の方針を大筋のところで強く定めている財務省も、「劣等処遇を強める」とは言っていない。
あくまでも、国としての課題の1つは医療費の増大であり、医療費を抑制することが必要だ。
そのために、医薬品をジェネリック医薬品に置き換えたい。

しかしながら、生活保護受給者でのジェネリック医薬品の選択率は、一般よりも低い。
それどころか、医療費自費負担がないため、不要な治療や検査や医薬品を求める生活保護受給者もいる。
だから、生活保護ならジェネリック医薬品を強制しなくてはならない。
これが、大筋のストーリーだ。

 忘れてはならないのは、生活保護世帯の少なくとも70%が高齢者・障害者・傷病者世帯であり、一般より医療ニーズが高いことだ。
傷病者の中には、がんなどの難病に罹患したことが契機となって職業と収入を失い、生活保護以外の選択肢を失った人々も含まれる。
必然的に、先発医薬品しかない疾患の罹患率も高い。
だから、生活保護受給者にジェネリック医薬品を選べない場面が多くなるのは自然だ。

 しかし、政府が劣等処遇をしたいと考えているのなら、「医療費がタダだから、ご近所さんの分まで湿布薬の処方を受けて配る生活保護受給者の高齢女性」といった例に世間を注目させ、「許せない」という世論を喚起し、抵抗を受けずに「後発医薬品を優先」「後発医薬品が原則」という条文を法律に含めるだろう。

これは、2013年と2018年の生活保護法改正の直前、実際に見られた現象だ。

「生活保護でも大学へ」という動きは、「劣等処遇」があからさまになっていく時期に、並行して行われた。
とはいえ厚労省としては、堂々と「生活保護なら大学に行かないでほしい」とは言いにくかったはずだ。
 その「口にチャック」は、ついに壊れてしまったようだ。

高校進学と何が違うのか 大学進学はもうゼイタクではない
 ここで改めて考えたいのは、「大学等への進学はゼイタクなのか」ということだ。
 かつての大学進学は、能力または環境や経済力に恵まれた、一部の子どもたちの特権だった。
しかし現在、大学等(短大や専門学校を含む)への浪人を含む進学率は、すでに80%を超えている。
もはや「行くのが普通」と考えるべきだろう。

 生活保護の過去の歴史の中には、全く同じシチュエーションがあった。
1970年、生活保護のもとでの高校進学が、厚生省の通知によって認められたときだ。
この年、高校進学率は80%を超えた。
高校進学が当然に近くなると、若年層の就職は高卒が前提となる。

「自立の助長」を目的とする生活保護法が、高校進学を認めないままでいると、自立を阻害することになってしまう。
その観点からだけでも、進学は認めざるを得なかった。
このとき、高校進学を認めた委員会の議論には、「高校まででは物足りない気もするけれども」といった文言もある。
そして、高校進学を認める通知が発行された。

 それなのに、なぜ、2019年、厚労官僚は「できない」と明言することになるのだろうか。
厚労省の通用門の前で待ち構え、官僚本人を質問責めにしても、納得できる回答は得られないだろう。
おそらく本人も、「今、この立場にいる以上は、そう言わざるを得ない」という状況にあるはずだ。
しかし、背景に「劣等処遇」があるとすれば、理解はたやすい。

 現在は、医薬品を最前線として、生活保護を「劣等処遇」の制度へとつくり変える動きが進行中だ。
2013年と2018年に生活保護法が改正されただけではなく、数え切れないほどの生活保護費の引き下げや締め付けが行われている。
少なくとも現政権や財務省の意向が激変しない限り、厚労省としては、大幅な脱線はできない。
だから、「教育だけ劣等処遇の対象から外します」とは言えない。
まことにわかりやすい話だ。

 ここで文科省が厚労省に強く反発すれば、状況は変わるかもしれない。
しかし現在のところ、そういう期待を持てる状況ではない。

貧困の解消と教育は 地球規模の問題解決のカギ
 生活保護制度の「劣等処遇」化によって、日本は国際社会からの数多くの期待を裏切ることになるのだが、その1つに気候変動と地球温暖化がある。

 地球温暖化に関しては、まず「温暖化を抑止する」という合意があり、「産業革命以前プラス1.5℃」という数値目標がある。
そして、二酸化炭素排出量など国レベルで達成すべき目標がある。
しかし実際に実行するのは、各国の国民1人ひとりであり、各地域のコミュニティだ。

 森林に恵まれた国が、「森林の面積を減らさない」という目標を掲げたとしよう。
その森林の持ち主に補償金を支払えば、維持してもらうことは可能だ。
しかし、いつまでも補償金を支払い続けることは、現実的な選択肢ではない。
 その森林を維持することで、その地域で暮らす人々の現在と将来の生活を安定させることが可能になると、事情は異なってくる。

人々は、まず自分のために、そして自分の地域のために、森林を維持し、地球の他地域に貢献することになる。
貢献された地域からの経済的な見返り、いわば「先進国税」の試みも、既に現実となっている。
 このような好ましいサイクルを、将来にわたって維持するためには、明日のために、今日、森林を伐採せざるを得なくなる貧困の解消と、すべての人々の生涯にわたる教育機会が必要だ。

先進国の都市部でも、貧困と不十分な教育は環境負荷の増大につながる。
少なくとも国際会議においては、これが当然の前提だ。

生活保護「劣等処遇」によって 日本はどれだけの損を被るか
 生活保護のもとでの大学進学は実現しないという今回の厚労省見解を、私は心から残念に思う。
何をどうすれば実現できるのか、アイディアは何も思い浮かばない。
しかし、科学とコンピュータをルーツとする者の1人として、提案したいことがある。

 生活保護への「劣等処遇」を強め、大学進学は認めず、貧困を解消せず温存することによって、日本は世界の国々や人々の期待をどれだけ裏切ることになるだろうか。
たとえば地球温暖化と貧困について、世界で妥当とされている計算方法を用いた場合、2010年代の生活保護政策が維持されると、どれほどの問題を生み出すことになるだろうか。

日本の今後500年間の国益に対して、何百兆円の損害が生じるだろうか。
 数値と計算と統計のプロフェッショナルである財務省をはじめ、専門家集団であるはずの官僚の皆さんに、ぜひ、ごまかしなく計算していただきたい。
  (フリーランス・ライター みわよしこ)
posted by 小だぬき at 13:14| 神奈川 ☀| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

サラリーマン川柳ベスト10−第一生命

サラリーマン川柳ベスト10−第一生命
時事通信社 2019/05/23  

第一生命保険は23日、サラリーマン川柳コンクールの優秀作品のうち、一般投票で選ばれたベスト10を発表した。
1位は「五時過ぎた カモンベイビー USA(うさ)ばらし」。
「カモンベイビー」を連呼する歌詞が印象的な、ダンスユニット「DA PUMP」のヒット曲「U.S.A.」をもじった句が幅広い年代に支持された。  

2位の「いい数字 出るまで測る 血圧計」は60代以上の、
3位「メルカリで 妻が売るのは 俺の物」は20〜50代の共感を、それぞれ集めた。

 全国から寄せられた4万3691句の中から第一生命が選んだ優秀作品100句について、1〜3月にホームページなどで人気投票を実施した。  

◇サラリーマン川柳ベスト10
1 五時過ぎた カモンベイビー USAばらし
2 いい数字 出るまで測る 血圧計
3 メルカリで 妻が売るのは 俺の物
4 ノー残業 趣味なし金なし 居場所なし
5 「やせなさい」 腹にしみいる 医者の声
6 やっと縁 切れた上司が 再雇用
7 手紙書き 漢字忘れて スマホ打ち
8 下腹が 気づかぬ内に ひょっこりはん
9 U・S・A 流行りにのれない まあいっさ
10 叱っても 褒めても返事は 「ヤバイッス!」。 
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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