2019年07月01日

日本の「野党」が絶望的なほど情けない根本理由

日本の「野党」が絶望的なほど情けない根本理由
個人主義のお子様軍団になっている
2019/06/30 東洋経済オンライン
筒井 幹雄 : 東洋経済 記者
岡田 憲治,専修大学教授

特定秘密保護法成立、解釈改憲、森友・加計学園問題、自衛隊日報隠蔽……。
国家よりも個人を重視し、多様性と経済的再分配をよしとする野党・リベラル陣営は連戦連敗だ。
国政からPTA活動まで、行動する政治学徒が自戒から著した提言の書。『なぜリベラルは敗け続けるのか』を書いた専修大学の岡田憲治教授に詳しく聞いた。

野党の論理は赤軍と同じ
――なぜ必敗なのでしょうか。

与党が圧倒的な議席数を持ってますから。
与野党伯仲なら、審議拒否で定足数未達、開会できずという戦術を採れますが、今は委員会開催の与野党交渉すらできない。与党のやりたい放題で、逆に予算委員会100連休です。

――状況を変えるには「大人にならなければいけない」?

「ちゃんと大人の政治をやろうよ」です。
リベラル陣営の多くは、正しいことがゴール。
例えば、「多様なライフスタイルに寛容になれ」と非寛容に主張する。
政治とは、自分の信条の純度を上げることで、ピューリタン化しちゃう。
究極は「純度の下がった」メンバーを粛清した連合赤軍です。

――連赤まで行きますか。

論理は同じ。
膨大な資金と労働をつぎ込んだ原発の即時撤廃なんて、大人が乗れる話じゃない。
ところが、現実的な話をした途端、「脱原発って言っていたのに、原発ムラに取り込まれたな」(苦笑)。
多くの人が、会社なんかでは大人として振る舞っているのに、政治ではそれができない。
政治的成熟という言葉を聞くと口をぽかんと開けている。
かつての自分です。

――自分の気持ちが大事。

大事にするあまり、選挙で棄権する人もいますね。
棄権は黙認と同じということが、わかっていない。
「マジで安倍とか応援したくないし〜」「だな」「でも立民(立憲民主党)もねえ。
自分に正直に今回は棄権するわ」となると与党は大喜び。
敵の嫌がることをやるという発想がない。
仮に共産党が大嫌いだとしても、与党候補を落選させる可能性があるなら共産党に投票すべき。
鼻をつまんで、よりましな地獄に投票、です。

――参議院選挙が目前です。

立民の枝野代表はパリテ(編集部注:候補者数など政治における男女均等)が争点だと言う。
子どもの学校のPTA会長をやっていて驚くのが、ママたちの能力の高さ。
女性が政治の半分を占めれば、世の中、劇的に変わります。
その意味でまったく正しい。
ただ、「パリテ!」とか「脱原発! 安倍政治を許さない!」と叫んで、参院選の32ある1人区で25勝できるかというと、できませんよ。
パリテが響く人は、それがなくても立民に投票する人です。
仕事上の取材で最近よく地方に行きますが、そこで長年自民党に投票している人に話を聞くと、彼らの関心は「正しさ」にはない。
不安です。 立場が違っても信頼し合う関係がない

――不安? 1人区はほとんどが田舎。

東京の大学出て、大企業に勤め、親のこともあって帰郷した40代。ずっと自民支持、気がつけば商店街は寂れ、このままじゃ地域がダメになるのでは、という不安。
ここで「大丈夫ですよ」と語りかけるのが政治です。
正しいことをいくら言われても安心はできない。
もっと銭金の話をして、こうした人の7〜8%に野党統一候補に賭けてみようと思わせないといけない。

――「経済は社会の下部構造」と唱えた人に近い割に経済を語らない。

戦後、自民党が所得倍増だなんだと言って、企業を通じた所得再分配に成功し、さらに持ち家政策や断続的所得減税で豊かさの底上げがなされた。
野党も貢献しているが、経済政策での成功体験を記憶していないのでしょう。
だから、「消費増税反対、法人増税を」なんて言う。
法人税率が上がるとなったら大企業は租税回避に動きます。
少子化は教育充実のチャンス、消費増税分は国債償還ではなく、特定財源にして教育につぎ込む、くらい言わなきゃ。
田中角栄が日陰の人たちに日を当てたように。

――経験も含めて人材の問題?

政策・即戦力、「看板」が幅を利かすようになって、人材は与野党問わず多様性がなくなってきた。
懐かしい社会党の幹部、久保亘は、苦労人で県教組から参議院議員になり、誠実な人柄ゆえ自民党から共産党まで「くぼたん」と呼んで慕う人が多かった。
立場は違っても信頼し合う関係。今は、全体的にガキになっている。

――首相の大人げない言動も、つとに指摘されるところです。

カミソリ後藤田が残した本が『情と理』。
情、です。
彼がいちばん警戒したのは、人の気持ちに寄り添えない人間。
今、安倍さんに警告を発しているのは小泉、山拓、亀井静香など自民党の爺さんばかり。
政党が大人の集団じゃなくなり、広告代理店と無教養で人の気持ちがわからない学校秀才による政治に見えているのでしょう。
それでも、組織としては自民党のほうが大人。
大臣の失言が続いても、「バカな連中は放置」とせずに、失言防止マニュアルを作っちゃう。
不倫騒動の今井絵理子も、統一地方選の「どさ回り」応援演説にあえて行かせて鍛える。
これで安倍さんが引退して、もっとソフトなリーダーが「脱原発」なんて言ったら、もう永久政権ですよ。
野党は仲間を減らし続けている

――自民党は仲間を切り捨てない。

小異を捨てて大同につき、仲間を増やし、政策を実現するのが政治。
わがリベラル陣営は、政党も支持者もピューリタン化で仲間を減らし続けている。
選挙の際に、野党の党首がひとごとみたいに「皆さんの関心が高まらない」。
そうじゃない、ガチンコの戦いならみんな投票に行きますよ。
権者の選択肢を奪うことは万死に値します。
前回の衆院選で得票数では与党を上回っていたのに、野党は候補者乱立を繰り返している。
自民公認、公明推薦の候補に対し野党候補が複数いたら、最初から勝負あり。
有権者は、勝つ気があるのかと心が折れます。

――ずっと子どものままですか。

自治体の首長経験者には、大人になる必要性を感じている人はいるが、それに費やされる膨大なコストにたじろいでいる。
希望があるとすれば、私が住む東京の世田谷区のようなケース。
社民党出身の保坂展人が直近の区長選挙で自民党支持層の3割をまとめ当選した。
スローガンは「せたがやYES!」とポジティブで、彼は人の話をよく聞くようになった。
世田谷区議選は自公が6人も減らしていますよ。
地方自治は民主主義の学校。
こんなところにヒントがあるのではないだろうか。


***********
岡田憲治(おかだ けんじ)/1962年生まれ。
立教大学法学部卒業、早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。
政治学博士。現在専修大学法学部教授。
専攻は現代デモクラシー論。
『権利としてのデモクラシー』『ええ、政治ですが、それが何か?』など著書多数、多媒体で活発に発言。
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2019年07月02日

私は一度でも麻生太郎を絶賛した人間を信用しない

私は一度でも麻生太郎を絶賛した人間を信用しない
2019年07月01日 SPA!(倉山満)

◆私は一度でも麻生太郎を絶賛した人間を信用しない
 私は安倍内閣を積極的に支持している時から、この人物を重用するのに反対し続けてきた。
「老後2000万円問題」で炎上中の、麻生太郎副総理兼財務大臣である。

 国民は冷静である。
普通の人間は、最初から「年金だけで生活が安泰だ」などと信じていない。
その証拠に、自民党の支持率も下がったが、騒ぎに同調した野党の支持率も下がった。
上から目線の、麻生太郎の態度が反感を買っているのである。

 私は一度でも麻生太郎を絶賛した人間を信用しない。
一時期は「俺達の麻生」という流行語が生まれ、いやしくもプロを名乗る言論人でも絶賛する人間がいたが、正気ではない。  

麻生太郎。
昭和15(1940)年、福岡県の麻生財閥の御曹司として生まれる。
母方の祖父は吉田茂。
吉田の妻は大久保利通の孫娘である。
親戚系図をたどれば皇族にも行きつく。
華麗な閨閥だ。
妻は鈴木善幸の娘である。

麻生が「大久保利通の玄孫」「吉田茂の孫」として生まれたのに本人の意思は関係ないが、「鈴木善幸の息子」だけは自分で選んだ。
ちなみに鈴木善幸は「暗愚の宰相」と呼ばれた首相である。

 麻生の父・太賀吉は、麻生セメントの社長で、吉田茂のスポンサーでもあった。
麻生は庶民とかけ離れた生活を送っており、「麻生の為に小学校が作られた」だの、初出馬の際の第一声が「下々の皆さん」だったとか、逸話には事欠かない。

 吉田の命令でイギリスのロンドン大学に留学したが、初日の授業で国際政治の現実を知った気になってしまう。
その思い出を自民党の学生部に来て滔々と語って、その場にいた学生全員からバカにされた御仁である(その学生の一人が私である。詳細は不毛なので省略)。

 麻生は、昭和54年の総選挙で初当選。
1回の落選を経験しながらも、13回の当選を数える。
派閥は、岳父の鈴木が幹部・領袖を務める宏池会に所属。順調に出世の階段を歩む。
 宏池会の分裂に際しては、加藤紘一を嫌い、分派した河野洋平派に所属。
河野の庇護下で、党幹部と大臣を経験していく。

河野からの派閥禅譲は平穏に行われた。
これでは、麻生も河野洋平にだけには頭が上がらない。
河野の前では、さすがの麻生も直立不動らしい(側近の言)。

◆鳩山由紀夫の民主党でもいいから、麻生太郎の自民党はイヤ  
政治家として飛躍的に力を付けたのは、小泉純一郎内閣の時だ。
小泉内閣5年間で、麻生は常に大臣か自民党政調会長の要職で遇された。
総務大臣でありながら、郵政民営化には反対だったが、郵政解散では唯々諾々と従っている。

 自民党総裁選に挑戦すること4度。
小泉純一郎・安倍晋三・福田康夫に3連敗したが、4度目で勝利した。
なお、安倍・福田の両内閣は内閣改造の1か月後に退陣しているが、その両内閣で幹事長を務めたのが麻生である。
 安倍内閣は参議院選挙で大敗し、福田内閣は、ねじれ国会で苦しんだ。

衆議院の任期切れが迫る中、民主党への負けを最小限に減らそうと、比較的人気のある麻生太郎が自民党総裁(つまり総理大臣)に選ばれた。
麻生も早期総選挙のつもりだった。
 ところが、麻生が首相に就任した直後、リーマンショックが発生する。
日本には何の関係もない事件のはずだった。
ただし、日本以外の主要国の経済を直撃する大事件である。

世界各国はデフレを恐れて金融緩和に走りつつ、日本に財政援助を求める。
日本とて長期デフレに苦しみ、小泉内閣の景気回復も終わっていたので、それどころではなかったのだが。
 通貨発行量を、米国が2倍、中国が3倍にする中、日本は1.05倍しか増刷しなかった。
案の定、円高が進行、デフレが悪化した。

リーマンショックで各国が通貨発行競争をする中、無為無策で世界一地獄を見たのが日本だった。
 それでいて、IMFには1000億ドルもの巨額の資金援助をしている。
これでは「世界のキャッシュディスペンサー」と笑い者になるのも仕方ない。

麻生は後年になっても「金融なんかいくら緩和しても仕方ない(お札を刷っても意味がない)から、世界が驚くような財政出動をさせた」と自慢している。
度し難い…。
 地獄絵図の日本経済の中、麻生は「未曽有」を「みぞゆう」と読み間違えたり、「カップラーメン400円」などと浮世離れした発言をしたり。
自民党の支持率は激落ちし、「鳩山由紀夫の民主党でもいいから、麻生太郎の自民党はイヤ」と思わせるに至った。
当然だ。

 民主党政権は確かに「悪夢」だったが、その「悪夢」を生み出したのは、麻生太郎その人だ。
民主党政権最大の罪は、「自民党の方がマシだ」と思わせたことだ。
いかなる愚か者でも、たとえ犯罪者でも、民主党の悪口さえ言っていれば飯が食える時代が到来した。
そうした時代のヒーローが麻生太郎である。

いわゆる「ネトウヨ」は、「自民党政権を潰したのはマス“ゴ”ミだ!」「マスゴミは、中国・韓国の手先だ!」「マスゴミの謀略で、麻生政権は潰された!」等々、聞くに値しない言説を垂れ流す。

 政界で民主党政権の失政を憂えた人の大半は、安倍晋三の復活を推した。
麻生太郎を担ぐ保守政治家など皆無だった。
だが、孤立無援の安倍晋三は、小なりとはいえ派閥の領袖であった麻生太郎の力を頼りにする。
 幸運にも恵まれ、安倍は首相に返り咲いた。
その論功行賞で麻生は副総理財務大臣の地位を得た。

 安倍内閣は、アベノミクスと言われる金融緩和政策を軸にした景気回復政策を行い、高い支持率で長期政権となった。
ただし、消費増税によりアベノミクスの効果は減殺され、いまだにデフレは脱却できていない。
そして今また、消費増税を行おうとしている。

◆このままだと国民だけが地獄に落とされる  
6年を超えた安倍内閣において、常に金融緩和に反対し、消費増税を押し付けてくるのが麻生である。
なぜ、このような人物を一貫して副総理・財務大臣に据え続けるのか?
 理由は、簡単である。
国民を舐めているからである。

いかなる失政を行おうが、相手が枝野幸男である限り、絶対に選挙に負けないからだ。
ならば、ややこしいが恩人の麻生を切ってまで国民に尽くす必要はない。
 このままだと国民だけが地獄に落とされる。
 その麻生が「老後2000万円問題」で失策をした。
とにもかくにも、麻生を討て! その結果、安倍内閣がどうなるかなど、考えるな! 増税阻止、最初で最後のチャンスだ!

倉山 満】 憲政史研究家
 ’73年、香川県生まれ。
’96年中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程を修了。
在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤職員として、’15年まで同大学で日本国憲法を教える。
’12年、希望日本研究所所長を務める。
同年、コンテンツ配信サービス「倉山塾」を開講、翌年には「チャンネルくらら」を開局し、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交について積極的に言論活動を展開。
ベストセラーになった『嘘だらけシリーズ』など著書多数
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2019年07月03日

子どもに絶対言ってはいけない「全否定3要素」

子どもに絶対言ってはいけない「全否定3要素」
たった一言が何十年も子どもを苦しめる事実
2019/07/02 東洋経済オンライン

親野 智可等 : 教育評論家

何十年経っても忘れられない一言
私は、小学生のときに先生に言われた言葉で、忘れられない一言があります。
ある日の授業で、先生が出した問題に私が手を挙げて答えたときのことです。
それは正解だったのですが、その直後、先生が「隣の○○の答えを見ただろ。お前にそんなことがわかるはずがない」と言ったのです。
この言葉は、50年近くたった今もはっきり覚えています。

先生は、私のことを「隣の子の答えを盗み見て発表するようなずるい子」だと思っているわけです。
これは私の人格を丸ごと否定する言葉であり、忘れようと思っても忘れられない類いの言葉です。

40代の岡田さん(仮名)は、3人兄弟の末っ子です。
中学生だったある日、テレビのチャンネル争いで高校生の兄たちとジャンケンをしたとき、遅いタイミングで出してしまいました。
すると、それを見ていた父親から「お前はホント卑怯だよ」と言われました。
それを聞いた岡田さんは、「自分は父親にそんなふうに思われているんだ」と感じて、非常に落ち込んだそうです。

岡田さんは、「『卑怯』という言葉で、私は自分の性格というか人格というか、とにかく自分自身が完全否定されたように感じました。
それからは父親を避けるようになり、いまだにちょっと関係が難しい感じです」と言っています。

私と岡田さんが言われたような人格否定の言葉は、絶対に言ってはいけない言葉です
たとえ一回でも、言われたほうは深く傷つきます。
一生忘れられなくなる可能性もあります。
現に60代の私も40代の岡田さんも、いまだにはっきり覚えているのですから。
そして、自分が傷つくだけでなく、言った相手に対する不信感も抑えがたいものになります。

このほかにも、人格否定の言葉には次のようなものがあります。
例えば、「宿題やってから遊ばなきゃダメでしょ。お前は本当にずるい」の中の、「本当にずるい」が人格否定の言葉です。「今日も妹を泣かせて。そんなに意地悪なの」の中の「意地悪」

「後でやるって言ったのにやってないじゃん。やっぱりあんたはうそつきだ」の中の「うそつき」

ほかにも次のようなものがあります。

だらしがない。情けない。怠け者。根性がない。
バカ。のろま。気持ち悪い。弱虫。泣き虫。
何度言ったらできるの。あなたは口ばっかり。お前はいつもそうだ。
そんな子に育てた覚えはない。どうしようもないやつだ。
お前には無理だ。お前にできるわけがない。
お前はいつもそうだ。見込みがない。お前は信用できない。
お前はダメだな。だからお前はダメなんだ。

私の妻と高見のっぽさんの2つのケース
次は私の妻の話です。
ある日、妻がネズミの絵を描いていました。
私がそれを見て「うまい」と褒めたら、彼女は「うまくない。だって、私、絵が下手だもの」と言いました。
それで、私が「そんなことないよ。このネズミの絵、すごく上手だよ」と言いました。
すると、妻は「絵のことで初めて褒められた」と言いました。 妻は絵に対してコンプレックスがあるようでした。彼女によると、小学校1年生のころ、担任の先生に「○○さん、絵が下手ね」と言われたそうです。
そのとき、彼女は「あ、自分は絵が下手なんだ」と思い、大人になってからもその思いから抜け出せなかったと言っていました。
絵を描くことについての能力を丸ごと否定されたわけであり、これは能力否定の言葉です。
これに似ているのが高見のっぽさんの話です。

のっぽさんは、1970年から1990年にかけてNHKの子ども番組「できるかな」に出演していましたが、本人は「工作や絵は小さいときから苦手」と言っています。
のっぽさんは、4歳のころ母親に言われた言葉がいまだに忘れられないそうです。
それは、竹ひごを曲げて模型の飛行機を作っていたときのことです。
竹ひごを曲げるのがうまくいかず、たくさんの竹ひごをムダにして、それが山積みになったそうです。
それを見て母親が、笑いながら「あんたみたいなぶきっちょな人は見たことないわ」と言いました。

のっぽさんは、「この一言で、手先の器用さに対する希望をすべて失ったんです」と振り返っています。
手の器用さという能力を丸ごと否定されているわけであり、これも能力否定の言葉です。

人格・能力・存在、どれも絶対に否定的に言ってはいけない
この能力否定の言葉も、絶対に言ってはいけない言葉です。
私の妻も高見のっぽさんも深く傷つき、それ以来ずっと「自分は○○ができない」という思い込みにとらわれ、何十年も抜け出せないでいるわけです。

人格否定と能力否定は重なる部分も多く、この2つを明確に分けるのは難しいようですが、ほかにも次のようなものが能力否定として挙げられると思います。

お前は頭が悪い。お前には無理だ。お前にできるはずがない。
運動神経ゼロだね。算数が苦手だね。字が下手。
音痴。服のセンス悪いね。足し算もできないの?
 お箸もまともに持てないの? こんな字も読めないの? 
パソコンも使えないの? 片付けもできないの? 
妹にできて、なんであなたにできないの? 
弟を見習いなさい。1年生になって、そんなこともできないの?
 もう1度幼稚園に戻りなさい。

ここまで人格否定と能力否定の言葉を見てきましたが、これらと並んで、いやもしかしたらそれ以上にひどいのが存在否定の言葉です。これは、相手の存在そのものを丸ごと否定する言葉です。

30代の長谷川さん(仮名)は、小学6年生のとき、父親に「子どもは2人でよかったんだけど、お前が生まれちゃったんで3人になった」と言われました。
それを聞いた長谷川さんは、「自分は生まれないほうがよかったんだ」と感じて返す言葉がなかったそうです。
存在否定の言葉をぶつけられた人は… その後も、その言葉が気になって、「自分はこの家にいないほうがいいのではないか」という気持ちがつきまとったそうです。

例えば、家族で旅行をしていて電車の座席に全員が座れないときは、「自分がいなければ全員座れるのに」と思ったりなどしました。
家族のみんなと笑っていても、心から笑えていない自分に気づくこともありました。
成人してからも、自分の存在に自信が持てない状態がずっと続いているとのことです。

長谷川さんのように、存在否定の言葉をぶつけられた人は、自己存在の根本に関わる苦悩を持ち続けることになります。
本当に、「自分はいてはいけないのではないか?
 自分は、存在しないほうがいいのではないか?」と感じ続けることほどつらいことはないでしょう。
これでは自己肯定感など持てるはずもなく、自己否定感にとらわれ続けることになります。

ほかにも次のようなものが存在否定として挙げられると思います。

お前なんか本当は産みたくなかった。
産まなきゃよかった。おろせばよかった。
どこかに捨てようかと思ったけど、捨てるところがなかった。
本当は男の子が欲しかったのに……。
3人目は女の子がよかったんだけど……。
お前は橋の下から拾ってきたんだ。

親は、このような子どもの誕生にまつわる存在否定の言葉を、冗談半分で言ってしまうことがあります。
でも、言われたほうは冗談では済みません。
あなたが、何気なく言っている言葉は大丈夫? 存在否定の言葉はまだまだあります。

お前なんか嫌い。顔も見たくない。
お前が側にいるとイライラする。近寄るな。
出て行け。消えろ。死ね。お前なんかいなけりゃいいのに。
そんな子はうちの子じゃありません。そんなことをする子はいないほうがいい。
言うことを聞かない子は要らない。どこかに捨ててくるぞ。もう帰ってこなくていい。

ここまで、人格否定の言葉能力否定の言葉存在否定の言葉がどれだけ子どもを傷つけるか見てきました。
親が軽い気持ちで発した無遠慮な一言が、子どもを深く傷つける可能性があるということを、すべての親たちに意識していてほしいと思います。

とくに気をつけてほしいのは反抗期の子を持つ親です。
子どもの反抗的な態度にイライラして、日頃は気をつけて言わないようにしているひどい言葉を、つい言ってしまうということがありうるからです。

あなたが、子どもに何気なく言っている言葉は大丈夫でしょうか? 
からかい半分の言葉、冗談半分の言葉、いわゆる「ツッコミ」といわれる言葉などは大丈夫でしょうか?

 子どもは笑いながら聞いているように見えても、本当は心の中で傷ついているかもしれません。
今までこういった言葉を発していた人は、今日を限りにやめましょう。
そして、これらとは正反対の言葉を子どもに贈ってあげてください。

いちばんよいのは子どもの存在を無条件で丸ごと肯定する言葉です。

あなたのことが大好き。あなたといると楽しい。
あなたがいてくれるだけで幸せ。今日も一緒にいられてうれしい。
あなたは私たちの宝物。大好きだよ。
ママとパパのところに生まれてくれてありがとう。
おかえり。無事帰ってきてくれてよかった。

こういった言葉を、日頃から繰り返し贈ってあげてください。
そうすれば、子どもの自己肯定感が大いに高まりますし、親子関係も非常によくなります。
それについては、本連載の過去記事『「誕生日アピール」する子どもの切ない心理』も参考にしてください。
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2019年07月04日

19年参院選 将来への不安 目先の損得より持続性を

19年参院選 将来への不安
 目先の損得より持続性を
毎日新聞[「社説」2019年7月3日 朝刊

 参院選があす公示される。
政権を選ぶ衆院選との違いを踏まえ、この国の長期的な課題についてじっくり考える選挙にしなければならない。

 年金や社会保障制度が争点としてにわかに浮上している。
「95歳まで生きるには公的年金だけでは2000万円足りない」という金融庁の報告書が発火点だ。
少子高齢化が進み、社会保障に対する漠然とした不安は以前から国民の間に広がっている。
それに応えてこなかった政治への不信や怒りが噴き出したのだろう。

 国民の不安の原因がどこにあり、政治に何が求められているのか。
長期的な視点で社会の持続可能性について考えたい。
歴代政権のあいまいさ  年金制度は、税財源で運営される生活保護のような「公助」ではなく、働く人が保険料を出し合って老後に備える「共助」のシステムだ。
40年間保険料を払った人は満額の年金を受けられるが、短期間しか払っていない人は低年金になる。

 若い世代からの「仕送り」方式のため、高齢者が増えて現役世代が減り続ければ制度自体がもたない。
 このため世代間の負担のバランスが取れるまで給付水準を下げる仕組みが2004年の改革で導入された。
長期間にわたる制度の持続性を高めた改革である。
 少子高齢化が進む中で給付水準をずっと維持するのであれば、巨額の財源が必要になる。
それには保険料や税を大幅に上げるしかない。
負担増は国民に嫌われるため、どの政権もこの政策は採用しなかった。

 歴代の政権はそれをはっきり言わず、公的年金があれば安心であるかのような、あいまいな言い方をしてきた。
それが国民の間に不安や不信を広げている原因だ。
 野党は国民の不安に乗じて政権批判を繰り返してきた。
年金が参院選の最大の争点と主張するのであれば、具体的な改革案と財源確保策を示すべきである。

消費税10%への引き上げにもこぞって反対しているのは無責任と言わざるを得ない。
 内閣府の国民生活に関する世論調査(18年度)で、人々が感じる悩みや不安のうち最も多いのは「老後の生活設計」である。
 一方、人々が充実感を感じるのは「家族だんらんの時」が最多だ。
「友人や知人と会合、雑談している時」も多い。
家族や隣近所のつながりが薄くなり、孤立感や疎外感を人々にもたらしている。
それが、家族だんらんを求める心理の裏側にあるに違いない。

 高齢者の独居や認知症はさらに増える。
必要なのは安心できる住居や食事、親しい人と過ごすことで得られるやすらぎや生きがいだろう。
 ところが、家族だんらんが少なくなり、家族を支えたり補ったりすべき国家による社会保障の信頼度が落ちている。
そこに国民の不安があるのではないか。

人口減の衝撃に備えて  日本の将来設計を描くとき、最も基礎的な条件は人口減少である。
しかも平均寿命は延び続ける。
この人口構成の大変動に耐えうる社会保障が求められている。
 これからは年金より医療や介護の費用の増加率の方が大きい。

介護分野では人手不足がすでに深刻だ。
 社会保障を持続させるためには、少子化に何とか歯止めを掛け、長期間にわたる財源と労働力の確保に努めなければならない。
 安倍政権は少子化対策として保育所の増設や保育士の待遇改善、幼児教育無償化などを行ってきた。
余裕のある高齢者の介護負担も上げるなど、世代内の支え合いについても着手はしている。
 しかし、人口減少や家族機能の弱体化によって暮らしの地盤は崩落しようとしている。

深刻な現実に対して、場当たり的に制度の補修をしているようにしか見えない。
 少子化対策と医療や介護の拡充を大胆に進めなければならない。
そのためには、政治の強力なリーダーシップが必要だ。
 これまで政府は財源不足を赤字国債の発行で埋め合わせてきた。
そのツケは先細っていく次世代に回る。
 目先のことを考えるだけでは不安は解消できない。
次世代を育てなければ将来の安心は手に入らない。  

参議院は解散がなく、6年の任期が保証されている。
社会保障のような長期課題を考えるのにふさわしい「熟議の府」である。
社会保障を政争の具にすることなく、誠実な議論を選挙戦で重ねるべきである。
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“戦後最悪”の安倍政権が、なぜ一強に見えるのか

“戦後最悪”の安倍政権が、なぜ一強に見えるのか
週刊女性2019年7月16日号
2019/7/4'(青木 理)  

先月26日の国会閉会と同時に事実上の選挙戦がスタート。
誰に入れても変わらないという声が聞こえてくるけれど、たとえ政治に興味がなくても無関係ではいられないのが現実。
そのツケは庶民にこそ降りかかるのだから。

まずは、安倍政権の政治と暮らしへの影響を検証していこう。

参院選の争点は“戦後最悪”の安倍政権
 7月21日に投開票の参議院選挙が間近に迫っている。
2012年12月に安倍晋三氏が内閣総理大臣に返り咲いて以来、3回目の参院選だ。
 選挙直前になって、「年金を支給されても老後は2000万円が必要」という金融審議会の報告書をめぐり批判が殺到、終盤国会は紛糾した。

 テレビの情報番組でコメンテーターも務めているジャーナリスト・青木理さんは「参院選は、政権の中間評価。争点は安倍政権です」と前置きをしたうえで、こう批判する。
いまの安倍政権は、戦後最悪の政権だと僕は思う。
年金制度ひとつをとってみても、いずれこうなることはわかっていたのに、問題を直視せずにやり過ごそうとしている。
無責任です

 年金制度は経済成長を前提にしている。
成長が見込めなくなれば当然行き詰まる。
「戦後は右肩上がりの時代が長く続きましたが、バブル経済をピークに、その時代が終わりました。
本来は産業構造などの抜本的な改革が必要だったのに、できませんでした。
バブル期には、世界の時価総額ランキングのトップ10に日本企業の姿がいくつもありましたが、いまは見る影もない。

 アベノミクスなどと言いますが、現実には金融緩和をしただけで、財政や社会保障制度の改革もできていません。
そのさわりが年金問題です。
このままいけば、貧困で生活できない高齢者が増えていきます。
少子化対策もできていませんから、年金制度で老後を維持できず、生活保護世帯が増大しかねません

 公文書の扱いやデータの改竄も問題になった。
「森友学園問題では政権に不利になるからといって、財務省が決裁文書を改竄しました。
厚生労働省も、毎月勤労統計のデータがずさんで、働き方改革の法案を通したいから都合のいいデータを集めたりもしました。
 防衛省も、(新型ミサイル防衛システムの)イージス・アショアの配備にあたり、調査データの誤りが発覚しましたが、グーグルアースで測定していたことがわかっています。
専門家集団として政治に客観的データを示すのが官僚の役目なのに、一強政権の下で官僚組織が腐り始めています。
これは極めて深刻な事態です

 こうして問題が噴出しながらも、安倍総理の在職期間は伊藤博文を抜いて歴代3位。
参院選を乗り切り、政権を維持できれば、11月には憲政史上最長になる可能性もある。

「いまは選挙で政権にお灸をすえるような流れにはありません。
皮肉を込めて言えば、安倍氏の唯一のすごさは運がいいところ。
1回目の政権は失敗しましたが、戦後初の本格的政権交代となった民主党政権が自滅し、野党は相変わらずバラバラの状態。
自民党内に対抗する派閥もなくなった。
周囲が埋没しているので結果的に一強に見えるのです

バラバラの野党が政権の強行を後押し  
他勢力が埋没しているから、というのは、世論調査でもわかる。
支持率は高いが、積極的支持ではない。
「内閣支持率を見ると、30〜50%の間ですが、その半分は“ほかにいないから”との理由です。
これは選挙制度の問題が大きい。

衆議院は小選挙区比例代表制ですが、獲得票が3割もあれば、過半数を超える議席数を占められます。
 つまり3割の民意で政治の行方が決められてしまうということ。
しかも小選挙区制は政権交代可能な2大政党の存在が前提となる制度ですが、野党がバラバラで、対抗勢力がないのです」  まとまれない野党が政権の強行を後押しする。

沖縄では名護市辺野古の新基地建設をめぐり、政府による埋め立て土砂投入が昨年12月から続く。
辺野古反対を掲げた故・翁長雄志前知事の遺志を継ぎ、玉城デニー知事が新基地を造らせないとの公約で誕生。
今年2月の県民投票でも7割強が反対している。

 しかし安倍総理は、6月24日の「慰霊の日」の挨拶で「負担軽減に向けて結果を出す」と言いつつも辺野古への基地建設を強行、普天間飛行場(宜野湾市)の移設にあたって「辺野古ありき」の姿勢を崩さない。
本当に辺野古に基地を造れるのでしょうか。
軟弱地盤の土壌改良工事が必要になりますが、かつて経験のない深さに7・7万本もの杭を打ち込む工事は前代未聞です。
工事計画の変更にあたっては知事の許可が欠かせないため、玉城知事の在任期間では埋め立てられないのではないか。
 となると(知事の任期である)'22年までは不可能で、そのときに日米の政権がどうなっているのかわからない。
それでも推し進めようとするのは、政権による究極の嫌がらせではないでしょうか

 こうした現状に対し、メディアの担う役割は大きい。
「政権に疑問をぶつけていくのはメディアの役割です。
地方紙の多くは、安保法制の強行などを批判していましたし、イージス・アショアの問題を最初に指摘したのは秋田魁新聞でした。
しかし中央では複数の大手紙が政権の応援団になっていて、系列化されているテレビ局の社員までがそれを忖度しています」  

参院選後も与党の勢力が3分の2を維持すれば、安倍首相の悲願である憲法改正の可能性も出てくる。
実際、自民党は参院選の公約に「改憲の早期実現」を掲げている。
「実際の改憲はそう簡単ではないでしょう。

9条に自衛隊を書き込むといいますが、(改憲に慎重な)公明党をどう説得するか。
仮に発議まで持っていっても、国民投票で過半数の賛成が必要です。
最近の世論調査では憲法改正に賛成が多数ですが、“現政権下で”との条件をつけると反対が上回ります。
現政権の改憲を不安視する人が多く、払拭するのは容易でありません」

 対抗勢力となるべき野党には何を求めればいいのか。
野党がバラバラでは自民党に勝てません。
例えば、前川喜平氏のような著名人が新党を作るサプライズか、最低でも立憲民主から共産までひとつにまとまれば可能性が出てくるかもしれませんが現状は難しい。
前回の衆院選では、野党の票を全部合わせると自民党よりも得票数が多かった。
本当は一強ではないはずです」
      (取材・文/渋井哲也)

《PROFILE》 青木理さん
◎ジャーナリスト。長野県生まれ。
共同通信を経てフリー。
『安倍三代』(朝日新聞出版)、『情報隠蔽国家』(河出書房新社)など著書多数
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2019年07月05日

消費税を廃止しても財政破綻はない! “借金大国ニッポン”の真っ赤な嘘

消費税を廃止しても財政破綻はない!
“借金大国ニッポン”の真っ赤な嘘
2019年07月04日 週刊女性

2019年10月に引き上げが迫る消費税は大きな選挙争点。
10%への負担増を公約に明記した自民党に対し、野党は増税凍結でおおむね一致。

山本太郎代表が率いる政治団体「れいわ新選組」にいたっては、消費税廃止を訴え、旗揚げから約2か月で2億円もの寄付を集めて参院選の「台風の目」となっている。

 '14年、'16年と2度延期された消費増税は今度こそ「3度目の正直」となるのか? 
あるいは、凍結や廃止が可能なのか?
 経済アナリストの森永卓郎さんが解説する。

富裕層は実質的に消費税を払っていない
「口実ができたら消費増税の再延期もありえると思います。
現に、政府にとって好都合な条件がそろいつつある」

 政府は「リーマン・ショック級の出来事がない限り増税する方針」というが、すでにそれ以上の危機にあると指摘。
「リーマン・ショックで低迷が続いたころの世界経済は3・3%の成長率でした。
ところが、国際通貨基金(IMF)が出した今年の世界経済見通しでは3・3%、米中貿易戦争の影響から、もう0・3%下がるかもしれないと言われています。
世界銀行の見立ては2・6%です。
世界的に見ればリーマン後より経済状態が悪化しているのです。

 加えて、五輪バブルがもうすぐはじけます。
東京オリンピックの施設整備が終わり、建設需要のピークは過ぎて、今後は下がる一方。
こうした要因が重なって日本経済は夏以降、急速に落ちていくでしょう。
消費税を上げるには最悪のタイミングです」

 もし消費増税を再延期したとしても、「トランプ大統領と習近平国家主席がケンカしたせい」と言えば、アベノミクスの失敗を問われないですむというわけだ。
 そんな危機の最中に消費税を上げれば、日本経済はさらにデフレ脱却から遠のく。
加えて消費税には、低所得者ほど負担が大きくなる「逆進性」の問題が指摘されている。

「そればかりか、富裕層は実質的に消費税を払っていません。
結婚披露宴まで経費で落としたのはカルロス・ゴーン被告ぐらいでしょうが、彼らはたいてい自分の会社を持っていて、生活費の大部分を経費に計上しています。
仕入れ控除の仕組みを利用すれば、還付金までもらえる。
逆進性どころの話ではありません」

消費税を下げる手立てはある
 そもそも、なぜ消費税の引き上げが必要なのか?
 国は「財政健全化と全世代型社会保障の実現」を理由に上げる。
消費税を社会保障のために使うというのは詭弁です。
社会保障は税金で支えるイメージかもしれませんが、実際には、財源の6割が社会保険料でまかなわれています。
厚生年金と健康保険の負担は労使折半が原則なのに、消費税を払うのは消費者だけ。
しかも増税分は大企業や富裕層の減税に向けられています。

 '05年度には30%だった法人税率は'17年度には23・4%に。
その結果、いまでは446兆円もの内部留保を抱え込み、なおかつ減税まで受けているありさま。

スウェーデンでは社会保険料の個人負担率が日本の半分で、企業負担は日本の2倍です。
日本でも同じようにするか法人税率を元に戻せば、消費税は下げられます」

“借金大国ニッポン”は嘘
 日本は借金大国で、少子高齢化により社会保障費が逼迫し、消費税を引き上げなければ国の財政が破綻する……。
消費税をめぐる議論では、こんな話をよく耳にするものだが、
森永さんは「真っ赤な嘘です。みんな財務省にダマされています」とバッサリ。
 例えば、国債の金利。信用度に応じて金利が決まるのは国債でも同じ。
そのため財政破綻したギリシャでは国債に40%の金利がついた時期もあった。
現在、日本国債はマイナス金利で、これは健全財政の証だと森永さんは言う。

「日本政府は、表向きは1469兆円もの借金をしていますが、一方で986兆円の資産を持っています。
つまり借金と預金を両建てしているような状態。
資産から負債を差し引くと、483兆円のマイナスに。
ただし'16年度のGDPは538兆円なので、国が抱える本当の借金はGDPの9割程度になります。
これは欧米とほぼ同水準で、借金大国ではなく、普通です」

 財政状況が普通なのに、どうして日本の国債は世界一低金利なのか? 
それには、こんな仕掛けがあるという。
「いまの日本では、日銀が国債を買い入れて、その代金として日本銀行券を支払っている状況。
これを金融緩和と言います。
この経済政策を安倍首相はとてつもない規模でやりました。
国債を持っている国民には金利を支払い、10年たてば元本も返済しなければいけませんが、国債を日銀券にすり替えた瞬間に利払いや元本返済の必要がなくなる。
つまり政府の借金が消えてしまうというわけです

 この「消える借金」の累積は現在、450兆円ほどにのぼるという。
前述した国の実質的な負債483兆円と相殺すれば借金は33兆円になる。

「無借金と言ってもさしつかえのない状態。
消える借金を経済用語で通貨発行益と言いますが、これを考慮すれば、日本の財政は健全で、消費税を上げる必要はまったくない。
廃止したところで実は何の問題もありません
(取材・文/渋井哲也)

《PROFILE》
森永卓郎さん 経済アナリスト、獨協大学教授。
三和総合研究所(現・三菱東京UFJリサーチ&コンサルティング)などを経て現職。
各メディアで活躍
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れいわ新選組「決意」に賛同、多くの人に

れいわ新選組「決意」に賛同する
2019.7.5 小だぬき

明治維新が薩長土藩の徳川幕府武力討幕による権力奪取の「維新」であり 
民衆のためのものではなかったこと、
長州藩を中心とした幕府要人暗殺などのテロ行為の横行に対して
京都の武装治安組織として「天皇・御所・京」を守護したのが 新選組とするならば、

山本太郎代表の「れいわ新選組」は、日本史上はじめての国民有権者による「維新」を実現し その中核・実力部隊として国会活動͡に取り組むことを理念とした「国民守護の新選組」と言えると思います。

長州支配に正面から対峙した 旧長岡藩や会津藩のように おかしいことはおかしい、悪法は廃止と「れいわ新選組」は有権者に依拠して選挙戦を戦おうとしています。

今の生活の息苦しさや不条理、不正義などへの怒りを 「投票」することで 無血で未来への希望が開ける可能性が生まれるのです。
国の主人公、主権者として どのグループが 本気で国民生活を考えて行動しているかを判断して投票したいものです。

病気などで投票困難な方はともかく、投票権があり投票できるのに「棄権」をして主権者としての意思表示を放棄することは もったいないと思います。
***********************************
れいわ新選組 HPより  
  
 決 意
日本を守る、とは あなたを守ることから始まる。
あなたを守るとは、 あなたが明日の生活を心配せず、人間の尊厳を失わず、 胸を張って人生を歩めるよう全力を尽くす政治の上に成り立つ。
あなたに降りかかる不条理に対して、 全力でその最前に立つ。
何度でもやり直せる社会を構築するために。
20年のデフレで困窮する人々、 ロスジェネを含む人々の生活を根底から底上げ。
中卒、高卒、非正規や無職、障害や難病を抱えていても、 将来に不安を抱えることなく暮らせる社会を作る。
私たちがお仕えするのは、 この国に生きる全ての人々。
それが、 私たち「れいわ新選組」の使命である。
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2019年07月06日

既成政党がおののく「れいわ新撰組」の実力度

既成政党がおののく「れいわ新撰組」の実力度
「永田町のアウトロー」山本太郎議員は当確か 2
019/07/03 東洋経済オンライン

泉 宏 : 政治ジャーナリスト

7月21日投開票の参院選を前に、掟破りの言動で存在感を発揮してきた山本太郎参院議員(44)が1人で旗揚げした政治団体「れいわ新選組」が注目を集めている。
選挙資金を調達するため、山本氏がネットなどで呼びかけた寄付はすでに2億円を突破し、6月27日の記者会見では「参院選に10人擁立する」と宣言した。

選挙専門家の間でも「人気急上昇で議席獲得確実」との見方が広がっており、既成政党も怯えと警戒心を隠さない。

公認候補として蓮池透氏や安冨歩氏を擁立 国会閉幕直後に都心部の事務所で開いた記者会見には、旗揚げ時を上回る取材陣が殺到した。
れいわは公認候補として7月2日までに、
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)元副代表の蓮池透氏(64)のほか、
「女性装」の東大教授として知られる安冨歩(やすとみ・あゆみ)氏、
自立ステーションつばさの事務局長で、重度の障害のある木村英子氏(54)、
沖縄創価学会壮年部の野原善正氏(59)らの擁立を相次いで発表した。
いずれもユニークな経歴を持つ新人だ。

山本氏は各候補が選挙区と比例代表のどちらで出馬するかなどについてはぎりぎりまで明らかにせず、公示日前日の3日午後に発表する。
それを踏まえて同夜、都内の会議場に候補者が一同に会し、選挙戦に向けて気勢をあげる段取りだ。

山本氏は2013年の参院選に東京選挙区(定数5)から無所属新人で出馬し、66万票余を獲得して4位で当選した。
定数が6に増えた今回も同区に出馬すれば、当選確実とみられている。
しかし、東京選挙区から出馬するかどうかについて、6月27日の記者会見でも「ここまで引っ張ったら、最後まで引っ張らないと面白くないでしょ。
どうぞ、引き続きしびれてください」と述べ、同区の立候補予定者をからかう余裕も見せた。

首都決戦となる東京選挙区は、各党がしのぎを削る最大の注目区だ。
自民の丸川珠代(48)と武見敬三(67)、公明党の山口那津男(66)、共産党の吉良よし子(36)の現職4氏に加え、立憲民主2人、国民民主1人、維新1人など主要各党が有力な新人候補を擁立する構え。

山本氏が同区で立候補すれば、主要野党の新人候補などは一段と苦しい戦いを強いられることになる。
ただ、山本氏が比例代表で立候補すれば、「全国的な集票力で比例2議席も見込める」(選挙アナリスト)との試算もあり、ぎりぎりまで情勢を見極める構えだ。

7月1日の会見では「2013年と違って私1人が当選すればいいというわけではない」と山本氏は述べ、比例にまわって他候補を担ぎ上げる戦略もにじませた。

山本氏は兵庫県出身で高校時代に芸能界入り。
当初はバラエティ番組のタレントだったが、1996年にNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」にヒロインの相手役で出演したことで俳優としてもブレークし、2004年にはNHKの大河ドラマ「新選組!」に出演する一方、NHKトーク番組で司会を務めるなど活動の幅を広げた。

その後、東日本大震災後に反原発運動に身を投じ、2012年12月の衆院選に東京8区から無所属で出馬して7万票余を獲得したが次点で落選した。
しかし、翌年7月の参院選では丸川、山口、吉良各氏に続く4位で初当選した。
当選後、山本氏は政党要件を喪失していた小沢一郎氏(現・国民民主党)の率いる生活の党(当時)に入党し、「生活の党と山本太郎となかまたち」というユニークな党名に変えさせた。
その後、自由党の党名を復活させた小沢氏が国民民主党との合流を決めたことをきっかけに離党、れいわ新選組を立ち上げた。

対立法案には「1人牛歩」で対抗
初当選後の山本氏の活動は「従来の政治家の枠からはみ出していた」(自民幹部)こともあってメディアに取り上げられる一方、さまざまな批判も生んだ。

とくに、2013年秋の園遊会に出席した際、天皇陛下(現上皇陛下)に原発問題などを書き込んだ手紙を手渡そうとしたことで、「常識外れの行動」(宮内庁)などと激しい批判を浴びた。
また、与野党が激突した新安全保障法制審議の最終場面となった2015年9月の参院本会議での採決では、喪服姿に数珠をもって投票。
安倍晋三首相らに焼香する仕草をして、当時の山崎正昭参院議長から「次は議員バッジを外すことになるかも」という厳しい警告を受けた。
2017年3月の参院予算委員会では、安倍晋三首相の昭恵夫人の関与を印象づけるような「アッキード事件」(ロッキード事件のもじり)との表現で森友学園疑惑を追及して安倍首相を激怒させ、委員長からも「不適切な発言」と注意を受けた。

こうした山本氏の過激な言動に永田町では「国会の品格を損なう」「単なる人気取りのパフォーマンス」などの批判が巻き起こった。
しかし、山本氏はまったくひるまず、与野党が対立した2016年12月の環太平洋経済連携協定(TPP)承認案件の参院本会議採決などでは「1人牛歩」で抵抗するなど、独自の議員活動を続けてきた。
このため、山本氏は常にメディアやインターネットでの注目も浴び続け、「永田町のアウトロー(無法者)」とも呼ばれて独特の存在感を広げている。

4月下旬にれいわ新選組を立ち上げたときも、令和フィーバーの最中だっただけに「安易な便乗商法」(自民幹部)などの批判が相次ぎ、「そのうち消える」(同)との見方が多かった。
しかし、旗揚げに合わせて立ち上げたホームページで「どこまで挑戦が可能か。
集まる金額によって、候補者を擁立する規模を決めていきます」と寄付を求めると、山本氏の予想も超えるスピードで寄付金が集まり出した。
「5月31日までに1億円集める」という目標は早々と達成し、7月4日の参院選公示日までには3億円の大台も見込める状況だという。

複数議席を獲得し、政党要件を満たす可能性も
寄付の内訳は1人1000円から10万円単位までバラバラだが、「7月1日現在で約2億2570万円が集まっている」(山本事務所)という。
これについて選挙関係者は「自腹を切って寄付した人は必ず投票するし、周囲にも働きかけるため、現時点でも比例で数十万単位の基礎票が見込める」と指摘する。
だからこそ、山本氏は公認候補10人を各選挙区や比例に振り分け、自らが抜群の知名度を活かして全国遊説を展開すれば、「複数議席の獲得で政党要件を満たすことも可能」と読んだとされる。

確かに、比例代表で100万票以上を集めれば1議席獲得は確実で、総投票数の2%以上という政党要件も満たす可能性が大きい。
もちろん、国政政党を目指す以上、欠かせないのが公約だ。

山本氏が掲げる政策は「消費税廃止」「最低賃金1500円」「奨学金徳政令(返済を免除)」など、「現実味に乏しいものばかり」(立憲民主幹部)ではある。
さらに、参院選でれいわに入る票は「ほとんどが主要野党から流れたもの」との見方も多い。
となれば、山本氏の安倍政権打倒の狙いとは裏腹に野党結集を阻害することにもなりかねない。

それでも山本氏は「もし、われわれが数議席を獲得すれば、政治が変わるきっかけになる」と力説する。
寄付した人の中には「何かを変えたいので、なけなしの金をはたいた」という若者も少なくないとされる。
安倍政権の再登場からすでに6年半を超えるが、アベノミクスは一向に国民の懐を豊かにはせず、各種世論調査をみても「国民の閉塞感が充満している」(首相経験者)のも事実だ。

ネット時代だけに、4割を超えるとされる無党派層が山本氏に関心を持つ可能性は十分にある。
だからこそ、各政党の選挙担当者が山本氏の動きに神経をとがらせるのだ。

公認候補に名乗り出た安冨教授は「新選組はテロリストという意味で、政党のネーミングとしてはありえない」と苦笑しながら、山本氏のこれまでの政治活動は高く評価した。
今回の山本氏の挑戦に、政界では「究極のポピュリズム」(首相経験者)との批判が渦巻くが、過去のにわかづくりの政治団体とは違う勢いが、各政党を怯えさせていることも事実だ。

7月21日の参院選投開票日の夜、山本氏が拳を突き上げて「永田町でのテロに成功した」とガッツポーズする場面がみられるかどうか。
それが真夏の政治決戦の焦点の1つになりそうだ。
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働き方改革、現場は別世界 コンビニ店主「限界」悲鳴 改善は急務

働き方改革、現場は別世界
コンビニ店主「限界」悲鳴 改善は急務
2019/07/06 毎日新聞

 兵庫県姫路市内の国道沿いにある大手コンビニエンスストアでは深夜勤務で、店主の酒井孝典さん(58)が1人黙々と働く。
「トイレに行く時は、脱いだ制服をレジに置いて店内を走る。
お客さんも分かっていて、待ってくれる」と苦笑する。

 コンビニ加盟店の経営は、半導体関連のエンジニアから脱サラ後、退職金をつぎ込んで始めて約15年になる。
先月下旬には、店主業務を午前中3〜4時間、夕方から夜の繁忙時や午前0〜6時にも店頭に立った。
深夜も来客対応はもちろん、揚げ物やコーヒー器具の洗浄、配送トラックからの商品の検品・陳列など多忙だ。  
    ◇  
一般に大手コンビニ加盟店の月々の売上高は、仕入れに当たる売上原価と粗利益からなる。
加盟店は、粗利益の5〜6割前後を契約しているコンビニ本部へロイヤルティー(加盟店指導料)として支払い、さらに人件費などの経費も負担し、残るのが利益という。

24時間営業に必要な人手が集まらなければ、人件費が割高になる深夜を店主が1人で担い、人件費が減ると利益が出る会計構造になっている。
 一方、店主は契約を結んだそれぞれの本部加盟の事業者で、残業時間の上限規制は及ばない。
酒井さんは、数時間単位の細切れ睡眠にも「体が慣れてしまった」。

唯一休まるのは、一昨年から執行委員長を務める「コンビニ加盟店ユニオン」の活動で東京への移動時という。
過去1年間の酒井さんの月間労働時間の記録によると、多くが350時間を超え、380時間前後の月も2回ある。
「命を削っている状態。限界を超えている」。
ため息が漏れるほど「働き方改革」とは別世界だ。

税金などの公共料金の代行収納も増えた。
酒井さんは「公共機関の代わりにどんどんやらされている。
本部とは共同事業者のはずが加盟店は置き去りで進む。
話し合いの場作りが第一だ」と訴える。

 今年2月、東大阪市内の店主が24時間営業の短縮を求めて声を上げた。
長時間勤務が続き、政府が掲げる「一億総活躍社会」「働き方改革」に冷や水を浴びせるような店主の悲鳴に波紋が広がった。
先月28日には経済産業省が設けた有識者会議「新たなコンビニのあり方検討会」の初会合があった。
委員の1人で加盟店の経営と労働に詳しい土屋直樹・武蔵大教授(人事管理論)は「店舗でのサービスが多様化し、最低賃金も上がり、人手も人件費もかかる一方、1店舗あたりの売上高は横ばいなので収益悪化が広がっている。
社会のインフラとして利益配分の見直しなど、負担感の大きい現場への手当てが必要な時期が来ている」と強調した。
         【浜本年弘】
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2019年07月07日

「カロリーゼロ」は嬉しいけれど…体に悪い?

「カロリーゼロ」は嬉しいけれど…体に悪い?
2019/07/04 All About

平井 千里(管理栄養士 / 実践栄養ガイド)

「カロリーゼロ飲料」「ノンカロリー食品」の安全性は?
スーパーやコンビニなどでもよく見かける「ノンカロリー」「カロリーゼロ」表示のある食品・飲料。
人気商品にもなると、砂糖を使用したオリジナル製品とカロリーゼロバージョンの同商品とが並べて販売されていることも珍しくありません。
この場合、「カロリーゼロの方が太らないだろう」と、カロリーゼロ製品に手が伸びる人も少なくないでしょう。

しかし、考えてみてください。
甘い飲み物なのに、カロリーゼロ。
砂糖を使っていたらカロリーはゼロにはならないはずです。
一体、何を使ってあれだけの甘味をつけているのか説明できますか?

あまり知られていませんが、砂糖の代わりに使われる甘味料には様々な種類があります。
それぞれの特徴と安全性について、わかりやすく解説します。

ノンカロリーシュガーとは……
天然甘味料・人口甘味料・糖アルコール
カロリーゼロ商品は、甘味を感じる「非糖質系甘味料」や「糖アルコール」を砂糖の代わりに使用しています。
砂糖が入っていなくてもしっかりとした甘みがあるのはそのためです。
「非糖質系甘味料」には「天然甘味料」と「人工甘味料」があります。

■天然甘味料……
ステビア、天草、羅漢果など ステビア、甘草、羅漢果といった植物から採取される甘味料があります。
ステビアは1gあたり4kcalのエネルギーを持っていますが、甘草、羅漢果から採取される甘味料にはエネルギーがありません。
ステビアは砂糖の300倍の甘さを持っているといわれていることから、1gあたりのエネルギー量は同じでも使用量が減るために低エネルギーが実現するとわれいています。
甘草、羅漢果も砂糖の10〜500倍の甘さを持つといわれており、少量でしっかりとした甘味を感じることができます。

■人工甘味料……
アスパルテーム・スクラロースなど 人工甘味料には、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリンがあります。
いずれも食品衛生法に基づく指定添加物で、カロリーゼロ。
利用方法に制限があります。
詳しくは独立行政法人「農畜産業振興機構」による「砂糖以外の甘味料について」をご覧ください。
甘さにもそれぞれ独特の風味があり、甘さを加える以外にも苦味を抑える効果を持つものもあります。

■糖アルコール……
キシリトール、エリスリトールなど
糖アルコールには、キシリトール、エリスリトールなどがあります。
糖アルコールは「還元基を有する糖類にニッケル触媒を使用し、高温高圧下で水素を反応、還元して製造(接触還元)されたもので、ソルビト−ル(ソルビット)、マルヂト−ル、還元水飴のような鎖状多価アルコールの総称」といわれていますが、一言でざっくり表すならば「糖分とアルコールが化合してできた人工甘味料」といえるでしょう。

人工甘味料ですがキシリトールなどは歯に優しいことも知られていて、ガムなどにも利用されていますね。
これらのうちカロリーを持たないものが、砂糖の代用品になる「ノンカロリーシュガー」として販売されているようです。

ノンカロリーシュガーは健康的か、危険か
ノンカロリーシュガーについての専門家の意見は賛否両論があります。
一例を挙げると、「糖尿病などで低エネルギー食にする必要があるが甘いものが止められない患者さんに、少量使ってもらうのにはもってこいだ」といった肯定的な意見もあれば、
「甘いものはクセになってしまう。低カロリーだと思ってたくさん食べてしまったり、次第に低カロリーのものではガマンできなくなり結局カロリーの高いものを食べてしまうようになる」といった否定的な意見もある、という具合です。

以前は人工甘味料が「血糖値を上げない甘いもの」として期待を集めた時期もありましたが、最近では人工甘味料が腸内フローラに影響を与え、耐糖能異常を引き起こす可能性があるため、注意が必要といわれています。
また、妊婦が人工甘味料を摂りすぎると生まれた子供が肥満になりやすいというデータもあるようです。

これらの様々な意見や報告を受けて、私は患者様に「ノンカロリーシュガーは甘いものがどうしても食べたいとき、1日1本だけコーヒーに入れるくらいはOKです。
ただし、いくらでもどうぞとは言えません」と説明しています。

実際に、私も1日1杯くらいはノンカロリーシュガーを使ってコーヒーを飲んでいます。

食品の「カロリーゼロ」は実はカロリーゼロではない
実は、食品のカロリーゼロもアルコールと同じように、厚生労働省「栄養表示基準に基づく栄養成分表示」で栄養成分の表示方法が厳格に定められています。
この中で、食品100g中5kcal以下(飲料100ml中5kcal以下も可)であれば、「カロリーゼロ」と表示することが可能だと明記されています。

ただ、アルコールの場合、本当に弱い人はほんの少量でも酔ってしまう人がいますが、エネルギー源は数kcal摂りすぎたくらいで、体重増加につながったり体調不良を訴えたりすることは通常ありません。
食品100g中5kcalがどのくらいかと考えてみると、例えば、チンゲン菜1束(100g)で8kcal程度なので、100g中5kcal程度であれば、誤差範囲と考えても差し支えありません。

ノンカロリーシュガーが一般に普及して約10年。
かなり一般に浸透してきたようには思いますが、まだまだ「食歴」として考えると短いです。
現時点では安全性が確保されているからこそ、日本国内でも販売許可が出されているわけですが、
食歴の長さと1回あたりの摂取量を考えると、「ノンカロリーだからいくら食べても大丈夫」とまで安心しきって大量に使ってしまうのは危険な気もします。

甘いものを欲する脳との折り合いをつけて、上手にゼロカロリーシュガーを利用したいものです。
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「これで増税なんて鬼」「戦後最大の好景気って何の話?」 6割の世帯が「生活が苦しい」、厚労省調査が話題に

「これで増税なんて鬼」「戦後最大の好景気って何の話?」 
6割の世帯が「生活が苦しい」、厚労省調査が話題に
2019年07月06日 キャリコネ

厚労省が2日に発表した2018年の国民生活基礎調査の結果が話題になっている。
同日のキャリコネニュースでも伝えたが、特に「生活が苦しい」と答える世帯が4年ぶりに増加し、全世帯の57.7%となったことが注目を集めた。

ネット上では匿名掲示板にいくつもスレッドが立ち、2000以上のコメントが上がったガールズちゃんねるでは、
「こんなんで増税なんて鬼だ」
「税金どんどん上がるのになんで給料増えないのさ?」
「20代で真面目に働いて納税してます。税金がなければ普通の暮らしができるのに」 など、苦労がしのばれる嘆きや怒りの声が相次いだ。(文:okei)

「高齢者も専業主婦も生活が苦しくて働きに出ているのに」
同調査によれば、1世帯あたりの平均所得額は551万6000円で4年ぶりに減少。
昨年より8万6000円下がっている。
中央値は423万円で、平均551万6000円以下の世帯は6割を超える。
厚労省は、相対的に所得の低い高齢者が増えていることが平均所得額を押し下げていると分析しているが、景気の悪い話ばかりで目の前が暗くなる。

消費税だけでなく、給料から引かれる社会保険料などの重さに悲鳴を挙げる人も多かった。
「手元に残らないお金のために働いている。それなのに年金もらえる年齢は上がる一方もうやくざだよ、金の取り方が」と書く人も。
5ちゃんねるでも1000を超えるスレッドが次々に立ち、政策・政権批判も目立った。
「鬼のように社会保険料持ってかれてさらに増税だ?ふざけるな!」
「ひどい下がり方じゃね 消費増税して大丈夫なの?」
「働き方改革でサラリーマンの残業カットされたのが最大の原因」
「アベノミクスで戦後最大の好景気ってのは何の話なの?」 などのほか、

「年金だけでは生活が苦しくて働きに出ているのに、まるで"生きがいをつくってやった"と言わんばかり。
(中略)専業主婦も生活が苦しくなり働きに出ているので、雇用が増えていることになる」など、過去から現在までのこんな政策のせいで倒産やリストラ、非正規雇用が増えた、と呪いのように長文を並べる人も複数見られた。

「地方なんて子持ちで夫婦共働きでも世帯年収300万くらい普通だぞ」
他方、5ちゃんねるには「すいません、高齢者じゃないのに世帯収入が350万ぐらいですが」など、平均所得と比較して自分の低収入を嘆く人も多かった。

「児童がいる世帯の平均所得」が740万6000円であることに「まじで?」とショックを受ける人も少なくない。
「地方なんて子持ちで夫婦共働きでも世帯年収300万くらい普通だぞ740万円なんて嘘だよな 嘘って言ってくれ」
「地方の現実を言うとバカにされる」と書いた人は、周囲には300万円くらいの世帯が結構多いと明かし、「700は嘘だと言って欲しい。格差ありすぎ」と嘆いた。

年収と所得なので単純比較はできないが、同調査によると、世帯所得が一番多い層は「100〜200 万円未満」と「200〜300万円未満」(13.7%)で、
次いで「300〜400 万円未満」(13.6%)だ。

平均所得(551万6000円)を聞くと超えない人が6割なのだから、比べてしまうと落ち込む人は多い。
しかし、あまりに統計の数字を気にし過ぎるのも考えものだ。
それぞれに意味を汲み取り、参考として捉えるほうがいいだろう。

不満の大きい人は参院選での投票を忘れずに。投票日は7月21日だ。
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2019年07月08日

凶悪犯をそんな簡単に保釈してもいいのか

凶悪犯をそんな簡単に保釈してもいいのか
2019年07月07日 PRESIDENT Online
ジャーナリスト 沙鴎 一歩

■神奈川県内で繰り広げられた4日間の逃走劇
神奈川県愛川町で刑務所への収容から免れようと逃走した男が6月23日、公務執行妨害の疑いで逮捕された。
43歳の小林誠容疑者だ。
逃走から4日後に同県横須賀市内で捕まった。
小林容疑者は窃盗や傷害、覚せい剤取締法違反などいくつもの罪に問われ、昨年9月に横浜地裁小田原支部で実刑判決(懲役3年8カ月)を受けた後、東京高裁に控訴した。
高裁は控訴を棄却し、今年2月に実刑判決(同)が確定していた。

4カ月以上も前に実刑が確定していながら、検察は小林容疑者を収容できなかったことになる。
なぜ収容できなかったのだろうか。
小林容疑者は高裁への控訴審中に保釈されていたが、二度目の保釈だった。
一度目の保釈は横浜地裁小田原支部での公判中に行われ、その後に実刑判決で身柄が拘束されたものの、今度は控訴審中に二度目の保釈を受けて"自由の身"となっていた。

一体、保釈制度はどうなっているのだろうか。
保釈のあり方に問題はないのか。
そんな簡単に凶悪犯罪者を保釈していいのだろうか。

■地検と県警の計7人に抵抗して逃走した
6月19日午後1時ごろ、横浜地検の検察事務官5人と神奈川県警厚木署の警察官2人の計7人が神奈川県愛川町の小林容疑者の自宅を訪れた。
しかし小林容疑者は包丁を振り回して抵抗し、車で逃走した。
神奈川県警は公務執行妨害の疑いで全国に指名手配。
その後、防犯カメラの映像などから、髪型を変えたり、服を着替えたりしたうえで、横須賀市内のアパートに知人と一緒にいることが分かった。
23日朝、神奈川県警に身柄を拘束され、横浜地検に逮捕された。
小林容疑者の自宅を訪れた7人はいずれも、防刃チョッキを身に着けていなかった。
警察官は拳銃も所持せず、装備は警棒だけだった。
これでは危機管理ができていないと言われても仕方ない。

■検察は「誠に申し訳なかった」と異例の謝罪
一連の報道によると、小林容疑者は過去にも服役しており、その粗暴さは県警内に知れ渡っていた。
検察事務官が2月に小林容疑者の自宅を訪問した際にも、暴行を受けそうになっていた。
収容時に暴れることは十分に予想できたはずである。
保釈中の実刑確定者を収容するのは、検察の仕事だ。
しかし担当部署の人数は少なく、激しく抵抗する相手を取り押さえる訓練は受けていない。

態勢や装備が不十分であり、今回の事態は予想外とはいえない。
検察は態勢をしっかり見直す必要がある。
小林容疑者の逮捕を受け、横浜地検の中原亮一検事正は23日夕方に記者会見を開き、「地域住民、学校関係者、関係自治体に多大な不安を与え、迷惑をかけ、誠に申し訳なかった」と異例の謝罪を行い、検察の不手際を詫びた。

横浜地検は小林容疑者の逃走後、対策本部を設置した。
だが、逃走に使われた車の通行履歴や小林容疑者の交友関係の捜査などは、すべて神奈川県警に頼ることになった。
これも検察の態勢が不十分だからだ。
検察内部で意思疎通ができていない。
当初は東京高検が収容を担当し、小林容疑者に電話で出頭を要請した。
しかし「横浜地検の小田原支部にならば収容されてもいい」と言われ、東京高検は横浜地検と小田原支部に任せていた。
その結果、逃走事件が起きた。

■ゴーン氏の場合も逃亡と証拠隠滅の恐れを判断
保釈といえば、特別背任罪などの罪で起訴された日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(65)のケースが記憶に新しい。

東京地検は「身柄を拘束し続けて自白を強要する人質司法だ」との海外メディアの批判に屈することなく、ゴーン氏の逮捕、拘留、再逮捕を繰り返して捜査を続けた。
一方、ゴーン氏の弁護士らは東京地検の強硬な捜査に反発し、東京地裁に何度も起訴後の保釈を求め続けた。
その結果、3月6日と4月25日の計2回、保釈が認められた。
東京地裁は保釈の条件として、事件関係者との接触や海外渡航の禁止、住居への監視カメラの設置、インターネット利用の制限などのほか、2回目の保釈では妻のキャロルさんとの接触も禁止にした。
2回合わせて保証金は計15億円に上った。
高額所得者の場合、保釈金は高くなる。
東京地裁は逃亡と証拠隠滅の恐れがあるかを判断したうえで、ゴーン氏の保釈を決めていた。
振り返ると、東京地裁の判断は冷静だったと思う。

■裁判所が保釈を認めるケースは10年で2倍以上に
被告が起訴された後、裁判が終わるまでの間に身柄の拘束を解くのが保釈制度だが、裁判所が保釈を認めるケースは増えている。
裁判所が保釈を認める保釈率は、10年前が15.6%。
これに対し、昨年は32.5%と2倍以上に増えている。
裁判所の姿勢が変化したのは、10年前の裁判員制度の導入がきっかけだろう。
裁判所は被告側にも裁判の準備が十分できるように保釈を進めようとしている。
裁判所が証拠隠滅の恐れなどについて具体的に判断するようになってきたことも影響している。
一方、残念なことに、保釈された被告がその保釈中に事件を起こすケースも増えている。

■ただし保釈中に事件を起こすケースも2倍以上に
法務省によると、そうしたケースはここ10年で2倍以上になっている。
日本の刑事訴訟法では、保釈するかどうか判断する基準に「再犯の恐れ」が含まれていない。
今回の逃走事件のように一度、保釈された被告に対して実刑が確定した後、収容する作業は、検察の呼び出しに素直に応じて出頭するという性善説の考え方がベースになっている。

前述したように保釈が簡単に認められるようになると、それなりの対策が必要だ。
たとえば保釈時にGPS装置を付けることや出頭要請に応じない人への罰則などを新たに整備していく必要がある。

6月21日付の産経新聞の社説(主張)は「保釈のあり方急ぎ見直せ」との見出しを掲げて次のように訴える。
「保釈の認められる要件は逃亡や証拠隠滅の恐れが高くない場合に限られる。
逃亡しているではないか。
保釈を許可した裁判所は不明を恥じ、謝罪すべきである」
「男はこれまで書面による出頭要請に応じず、検察側は自宅を複数回訪れたが、接触できていなかった。
どの時点においても、保釈は取り消されるべきだった」
保釈を許した裁判所に謝罪を求め、さたに「早く小林容疑者の保釈を取り消すべきだった」と主張する。
産経社説らしい、実に分かりやすい主張である。

■保釈制度は「行き過ぎている」と言えるか
ただ、保釈を認める傾向のあるいまの裁判所の姿勢も考察してほしかった。
事件の真相を理解して罪があるか否かを判断する刑事裁判には、検察側と弁護側の双方に一定の時間が求められる。
被告を保釈することによってその時間を与えようとする裁判所の開かれた姿勢は評価できると思う。

最後に産経社説はこう主張する。 「刑事司法の目的は社会の安全や公平性を守ることにある。
行き過ぎた現行の保釈のあり方が、その目的に適っているとはいえまい。
早急に見直す必要がある」

保釈制度が「行き過ぎている」と決めつけるのはどうだろうか。
公器と言われる新聞の社説である以上、もう少し幅を持って主張してほしい。

■「保釈を認める流れを押し戻すな」と朝日
朝日新聞の社説(6月25日付)は「失態踏まえ改善策探れ」との見出しを掲げ、後半でこう主張する。
「気になるのは、男が保釈された事実をとらえて、保釈の制度や運用全般を問題視する言説が、一部のメディアなどに広がっていることだ」
「日本では長期の身柄拘束が当たり前に行われ、人権を過度に制約してきた。
だが近年、いくつもの冤罪事件や裁判員制度の導入を機に見直しが進み、保釈が認められる例が増えている。
この流れを押し戻すような動きに賛成することはできない」
「この流れを押し戻すような動きに賛成することはできない」。

産経社説とは正反対の主張である。
朝日社説の言う「一部のメディア」とは、産経新聞を指すのかもしれない。
人権を重視してきた朝日社説らしさがにじみ出ている。
ただ、「人権、人権」と書きすぎると、読み手はしらけてしまう。
切実な問題であるからこそ、人権という言葉に頼らないでほしかった。

朝日社説は最後に「捜査・裁判上の要請と人権とのバランスをどこに求めるか。
社会全体で冷静かつ着実に、検討を深めていかねばならない」と訴えるが、沙鴎一歩はこの部分には賛成する。
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なぜ日本はこれほど“弱者叩きの国”になったのか

宗教学者と考える
「なぜ日本はこれほど“弱者叩きの国”になったのか」
2019/7/7 週刊女性2019年7月16日号

 原発避難者へのいじめや生活保護受給者へのバッシング、隣国に対するヘイトスピーチなど、近年、日本社会の不寛容さが目立つ。
この空気はなぜ始まり、どうすれば変えられるのか。
宗教学者の島薗進さんに聞いた。
  ◆   ◆   ◆  
「力の支配」に人心や社会がなびいている
 過去にも、ヒロシマ・ナガサキの原爆や水俣病の被害者など、周囲から差別され声を上げにくい状況がありました。
つらい経験や悲しみを口にするには同調圧力に抗わなくてはなりません。
何十年もたって、やっと声を上げられるようになるんです。

 1970年代は、日本の歴史の中でも被害者が政府に抵抗する行動が比較的できた時期です。
'60〜'70年代は民主化の大きな流れがあり、'89年のベルリンの壁崩壊に至るまでは世界的にも自由を目指す雰囲気がありました。
 しかし、その雰囲気は'80年代で終わります。

平成は、日本では戦争がなく平和だったといいますが、自由に向かう空気は弱まり、世界全体が方向性を失ったと思います。  

近年は、産業利益が国の利益と結びついて、強いものが勝つ「力の支配」が横行しています。
市場原理を第一に考える新自由主義・自由競争の中で、民主的であることより経済が優先され、「自己責任」の空気が蔓延しているのです。
そして、選挙で勝てば何をしてもすべて正当化するかのような現政権の印象もあります。

「力の支配」による問題が顕在化したのが2011年の東京電力福島原発の事故でした。
一時は「これでよかったのか」と、社会全体がこれまでを振り返る空気がありました。
 しかし、それに対する断固たる反動がいま、現れている気がしています。

夢も希望も理念も愛もない、被災地に対して思いやりもない。
「力の支配」に人心や社会がなびいてしまっている。

 なかでも原発事故における一部の専門家のふるまいはまさに、「力の支配」を表すものでした。
専門性を振りかざして、被ばくを恐れる女性を無知であるとバッシングする風潮もありました。
かつては、市民の平和や、弱い立場にある個々人のための科学や思想が力を持っていましたが、社会の発展とともに、専門家は競争での勝利を目的とし、市民としての目線を弱めてしまった。

 核開発の歴史ではそれが顕著です。
被爆地の研究者の一部が核開発と協力しはじめました。
そのため、核開発による健康リスクを低くみせる研究が重要になり、それが顕著になったころに'11年の事故が起きてしまいました。

「権威主義」も弊害のひとつ
 その後も、安全をひたすら説く国際的研究者ムラが「健康影響はない」と安全論を発信し、周りの研究者も煽る。
研究者の中には、3・11後に政府に呼ばれ「安全だと発信してくれ」と言われたと、その当人が語っています。
そこに一部のメディアも乗り、発信されてしまう。
 科学が、「力の支配」の担い手として発言するという体制になっているんです。
これは世界的なものだと思います。

 日本は、安倍政権によるむき出しの「力の支配」、本来責任を取るべきことも、内閣支持率や株価が下がらなければ許されるかのような新自由主義が横行しています。
社会主義勢力のような「力の支配」を抑制するものがなくなり、19世紀の貧富の差が大きかった時代に似てきています。
弱肉強食が進歩の源泉という「力の支配」の思想を悪い意味で受け継いでいる。

 市場原理と自由競争を第一に考える新自由主義の影響を強く受けた人々が権力を持つようになりました。
民主主義と国民主権という大切な理念と、「力の支配」とを比べたときに「力の支配」のほうが現実を制する、と。
そして、豊かになった層が自分たちの持つ権力を正当化するんです。

 また、日本では「権威主義」というのが大きい。
強い者の側について、外に敵を見つけるとともに、身近なところでうさを晴らす。
共感意識も減り、原発事故でも、被害者に対して「支援が手厚すぎる」という声までありました。
公害問題にも見られた「自己責任化」に専門家が理屈を補強して正当化する。
科学の批判性の薄さはますます広がっています。
 つまり、科学にも「力の支配」が入り込んでいる。

政府の都合のいい見解だけが生まれ、そこに政府も乗る。
この構造は、科学が「力の支配」とは違う基準でものを見られなくなる、大変おかしい問題です。
それは原発事故以降に強くなりました。
 しかし、人々がこういった理不尽な「力の支配」に納得しているわけではありません。
特に女性が敏感に感じ取っているのではないでしょうか。

 大きな組織ほど人々の痛みに対するセンサーが働かないもの。
例えば、国や県レベルでは人々の痛みは伝わらない。
でも市町村になるとちょっと違う目線になる。
自治体でも女性の目線が加わると、違ってきます。
「力の支配」に抗う、打開していくには、女性の感覚、新しい感覚が必要なのかもしれません。
(取材・文/吉田千亜)


《PROFILE》 島薗進さん 
◎東京大学大学院人文社会系研究科名誉教授、上智大学神学部特任教授・グリーフケア研究所所長。
専門の宗教学をベースに、生命倫理や公共哲学の分野でも積極的に発信している
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2019年07月09日

大荒れの応援演説 安倍首相に「帰れ」「やめろ」の大合唱

大荒れの応援演説 安倍首相に
「帰れ」「やめろ」の大合唱
2019年07月08日 日刊ゲンダイDIGITAL

小雨がチラつく空模様となった7日、JR中野駅前で「国難首相」と「こんな人たち」が再会――。
自民党は今回の参院選でも安倍首相の遊説日程を公表しない“ステルス作戦”に出ているが、7日の中野駅前には首相演説を一目見ようと聴衆が駆けつけた。

大メディアの世論調査は「自民圧勝」を伝えているが、演説の様子を見る限りとんでもない。
有権者の怒りは着実に高まっている。
「かーえーれ! かーえーれ!」「安倍やめろ! 安倍やめろ!」

 7日15時半から中野駅北口ロータリーで始まった自民党候補の遊説。
 開始から20分後、安倍首相が登場した途端、街宣車後方の両サイドに集まった人たちから、一斉に怒声と罵声が入り交じったヤジの大合唱が始まった。
選挙演説の場というよりも、殺気漂う糾弾集会といった雰囲気で、どうみても“ステルス作戦”は大失敗だ。

 日刊ゲンダイの記者がざっと数えたところ、集まった聴衆は1000人ほど(主催者発表は約3000人)。
ロータリーや沿道は人でごった返した。

■支持者に「総理」を連呼させる意味もなし
 マイクを握った安倍首相は早速、お得意の野党批判を開始。
「(憲法改正の)議論をしない政党」などと声を張り上げると、街宣車の前に陣取った支持者から「安倍総理」のコール。
しかし、たちまち「安倍やめろ!」の大合唱にかき消されてしまう。
さらに安倍首相がトランプ米大統領について「話の筋が通っていれば『シンゾー分かった、協力するよ』と言ってくれる」などとニヤケながら懸命にアピールすると、聴衆からは「ただの(米国の)犬じゃねえか」と鋭い突っ込みを食らう始末だ。  

慌てた自民党スタッフらが<安倍総理を支持します>などと書かれたプラカードを掲げたものの、「安倍やめろ!」の迫力に押されてタジタジ。
司会者が「安倍総理コールをしましょう」と呼びかける事態になり、中野駅前は「安倍やめろ!」と「安倍総理」の叫び声が交ざり合う異様な状況となった。

 安倍首相は2017年夏の都議選最終日、ヤジを浴びせる聴衆に向かって「こんな人たち」とブチ切れし、選挙で惨敗。以来、日程を公表せずにゲリラ的に遊説する「ステルス作戦」を展開しているが、コソコソと逃げ回る姿が逆に「こんな人たち」の怒りの火に油を注いでいるようだ。

「6年半の実績をアピールしたいなら正々堂々と有権者に訴えればいいのに、『ステルス作戦』で自民党のセコさだけが目立っています。
安倍首相は新潟で行った演説で、アベノミクスを礼賛する景気のいい話ばかりしていましたが、国民の実感とかけ離れた感覚が『安倍やめろ』コールにつながっているように思います」(ジャーナリストの横田一氏)

 選挙の結果はまだまだ分からない。
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2019年07月10日

傷つきやすい人に"無理しないで"は逆効果

傷つきやすい人に"無理しないで"は逆効果
2019年07月09日 PRESIDENT Online
MP人間科学研究所代表 榎本 博明

嫌なことがあるとひどく落ち込み、なかなか立ち直れない人がいる。
MP人間科学研究所代表の榎本博明氏は「こういった人は、困難な状況にあっても、心が折れずに適応できるレジリエンス(回復力)が低いことが多い。早く立ち直れないのは性格ではなく、記憶の管理法に問題がある」と指摘する――。

※本稿は、榎本博明『なぜイヤな記憶は消えないのか』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■自分が嫌だと嘆くのに気晴らしに逃げている
自分の毎日の生活がパッとしないとか、外で人と一緒にいれば気が紛れるが家に帰ってひとりになると気分が落ち込み憂鬱になるなどと言いながら、何も生活を変えようとしない。
そんな人があまりに多い。

自分が嫌だと嘆きつつ、そんな自分を変えようという動きがない。
これではいつまでたっても憂鬱な毎日から抜け出すことはできない。
そのような人は、自分のことを嘆きはするが、自分と向き合うということがない。
テレビを見たり、音楽を聴いたり、ネットで検索したり、ゲームをしたり、SNSでやりとりしたりと、気を紛らすことをするばかりで、自分と向き合わない。
まるで自分と向き合うことを怖れるかのように、気晴らしに没頭し続ける。

「人間は意味を求める存在である」とし、意味を感じられないことからくる空虚感が多くの現代人を苦しめているとした実存分析の提唱者である精神科医フランクルは、気晴らしによって虚しさに直面することから逃げている人があまりに多いとし、気晴らしの弊害を指摘している。

■「無理しなくていい」という心のケアの決まり文句
家に帰ると、すぐにテレビをつける。
パソコンを立ち上げる。
虚しさに、つまり納得のいかない自分自身に直面するのを避けるべく、ひたすら気晴らしに走る。
スマートフォンの登場が、そうした傾向に拍車をかけている。
電車の中でも、家にいても、スマートフォンを手放せない。
絶えずいじりながら、自分と向き合う瞬間をことごとく避けている。
それによって、自分の中の虚しい思いに直面せずにすむ。
暗黒の裂け目に吸い込まれそうな恐怖を味わわないですむ。

気晴らし的な娯楽の場や道具がつぎつぎに開発されることで、自分と直面する機会が奪われる。
そのせいで自分を変えるチャンスも逃すことになる。
そうした気晴らし的な娯楽に加えて、「そのままの自分でいい」「無理しなくていい」という心のケアの決まり文句が、後ろ向きに開き直る人物を大量生産している。

ありのままの自分を受け入れる、つまり自己受容が、前向きに生きる上で重要な意味をもつのは言うまでもない。
だが、それは、まだ未熟で至らないところもたくさんあり、理想にはほど遠いが、日々一生懸命に頑張って健気に生きている自分を認めてあげよう、まだまだ未熟だからといって責めるのはやめよう、そのままに受け入れよう、という意味である。

■早く立ち直れるかは心の「回復力」次第
そのまま成長しなくていい、今のままでいいというのではない。
そのままでいい、変わる必要ないというなら、いつまでたっても傷つきやすい心を抱えて、事あるごとに酷く落ち込み、いったん落ち込むとなかなか立ち直れず、そんな自分に自己嫌悪して、うつうつとした人生をずっと送り続けなければならない。 それでいいのだろうか。
そんな人生を望むだろうか。

できることなら、ちょっとしたことでいちいち傷ついたり落ち込んだりしないですむように、もっと前向きに生きられる強い心を手に入れたいと思わないだろうか。
そもそも「そのままの自分でいい」「無理しなくていい」という心のケアの決まり文句は、心が酷く傷ついて病理水準にあるときに、こんな状態で頑張れというのは酷だということで、現実生活から緊急避難させて一時的に保護するためのものだ。
それを日常場面に当てはめる風潮が広まったせいで、日頃から努力することも頑張ることもせず、自己コントロール力を高めることもせず、弱く未熟で傷つきやすい自分をそのままに生きている人が目立つようになった。

■落ち込んでばかりいても、状況の改善は望めない
心が鍛えられていないため、ちょっとしたことにも酷く傷つく。
何かにつけて自信がない。
自信がなく不安が強いため、他人の何気ない言葉や態度を必要以上に気にする。
嫌なことがあるたびに大きく落ち込み、前に進めなくなる。
前向きに頑張ることができないため、パッとしない人生になる。
その結果、不満や愚痴だらけになり、自分に嫌気がさしてくる。
心が鍛えられていないためにレジリエンスが低いのだ。

レジリエンスとは、復元力と訳され、もともとは物理学用語で弾力を意味するが、心理学では回復力とか立ち直る力を意味する。
もう少し具体的に説明すると、レジリエンスとは、強いストレス状況下に置かれても健康状態を維持できる性質、ストレスの影響を緩和できる性質、一時的にネガティブ・ライフイベントの影響を受けてもすぐに回復し立ち直れる性質のことである。

要するに、嫌なことがあったときはだれでも落ち込むが、そこからすぐに立ち直れるか、長く尾を引くかは、レジリエンスしだいというわけだ。
どうしたら打開できるかわからないような困難な状況に置かれれば、だれだって心に負荷がかかり、落ち込んだり、悩んだり、絶望的な気持ちになったりする。
でも、そこで諦めて投げやりになったり、落ち込んでばかりいても、状況の改善は望めない。
ますます自分が追い込まれ、悲惨な気持ちになるだけだ。

■「無理しなくていい」を平常時まで多用しない
そこで問われるのがレジリエンスである。
困難な状況にあっても、心が折れずに適応していく力。
挫折して落ち込むことがあっても、そこから回復し、立ち直る力。
辛い状況でも、諦めずに頑張り続けられる力。

このようなレジリエンスが欠けていると、困難な状況を耐え抜くことができない。
そんなときに口にするのが、「心が折れた」というセリフだ。
レジリエンスの高い人は、どうにもならない厳しい状況に置かれ、気分が落ち込むことがあっても、心が折れることはなく、必ず立ち直っていく。
スポーツ選手が大ケガをしたとき、「ケガが治るまでは筋トレや練習のことは忘れてゆっくり休んでなさい」というのは間違っていない。

だが、ケガが治った後や、そもそもケガをしていない選手にまで、「筋トレや練習のことは忘れてゆっくりしなさい」などと言うだろうか。
そんなことを言っていたら力のある選手は育たない。
ゆえに、大切なのは、「そのままの自分でいい」「無理しなくていい」といった緊急時の心のケアのセリフを平常時に適用しないことだ。
そして、レジリエンスを高めるべく、心を強くする工夫をすることだ。
その際に、記憶とのつきあい方が重要な鍵を握ることになるのである。

■すぐに傷つく原因は性格ではなく、記憶システムにある
心のケアのセリフに平常時から馴染んでしまっては、どんどんレジリエンスの低い人間になり、忍耐力、協調性、やる気、感情抑制力などの非認知能力が低下してしまう。
傷つきやすく、何かにつけて落ち込んだり、ヤケになったり、頑張らねばならない局面でもやる気が湧いてこなかったり、すぐに諦めたり、人とうまくやっていけなかったりして、仕事でも私生活でも苦労しなければならない。

実際、軽いうつが、現代型うつなどと呼ばれて、目立つようになっている。
本人はほんとうに落ち込んで辛いのだろうが、多くの人がそれほど反応しないようなことにも過敏に反応してしまう。
それで本人も大変な思いをするが、周囲も迷惑を被る。

ちょっとしたことで傷ついたという心の傷シンドロームともいうべきものも増えている。
他の人なら傷つかないようなことにも酷く傷ついてしまう。
その結果、被害者意識が高まり、自分の受け止め方の過敏さは棚上げして、他罰的になりやすい。
本人が辛いのは事実としても、何気ない言動に傷ついたとされては、周囲も対応に困ってしまい、ときに腫れ物に触るような扱いになる。
いずれにしても、このような落ち込みやすく傷つきやすい心を抱えていては、仕事面でも躓きやすいし、人間関係もぎくしゃくしてしまう。
その結果、自分の世界を狭めてしまう。

その落ち込みやすい心の構え、傷つきやすい心の構えを何とかする必要がある。
そこにも記憶の整理の仕方が関係している。
そこを変えなければ、苦しい心理状況から脱することはできない。
何かと落ち込んだり傷ついたりするのは、他人が悪いわけでもなく、自分が悪いわけでもない。
記憶システムが悪いのだ。
だから、そこを変えれば、タフな心が手に入り、前向きの人生に転換できる。

■人間としての成長機会を奪われていないか
これでわかっていただけたかと思う。
「そのままの自分」ではダメなのだ。
自分の心を鍛えることをしないと、ちょっとしたことにも傷つきやすい人間、いざというときにも頑張ることのできない人間になってしまう。
そうなったら、だれよりも本人が一番辛いはずだ。
同じような目に遭っても、立ち直れないほどに傷つき落ち込む人もいれば、飄々と乗り越えていく人もいる。
できることなら、立ち直れないほどのダメージを負って苦しい世界に足踏みするより、前向きに乗り越えていきたいものである。

「そのままの自分でいい」「頑張らなくていい」式の心のケア文化の中で甘やかされてしまうと、現実においてちょっとした困難にぶつかるたびに苦しむことになり、意味ある人生を切り開く力のないひ弱な人間になってしまう。
それは、一見大事にされているようでありながら、じつは人間としての成長の機会を奪われている。
心地よく前向きに生きていく人生を手に入れるチャンスを奪われているのである。
ここは一念発起して、自分を成長軌道に乗せるべきだろう。
そのためにも、自分をダメにしない発想の転換が必要だ。

■記憶と健康的に付き合えば前向きになれる
そこで必要なのが、自己改造である。
そのための効果的な方法が記憶健康法だ。
改めて念を押しておくが、それは記憶との健康なつきあい方であって、記憶力を高める方法ではない。

記憶健康法とは、記憶をうまくコントロールし、使いこなして、イキイキとした、また安定感のある、前向きで健康な人生を導くための方法である。
ちょっとしたことで傷ついたり、うつ的な気分に落ち込む人が急増している。
いったん沈み込むとなかなか浮上できないという人も少なくない。
そうした徴候も、記憶のあり方に問題があるのだ。

記憶健康法を習得して、記憶を整えることができれば、傷つきにくく落ち込みにくい心が手に入る。
どんなときも前向きの気持ちを失わず、頑張ることができるようになる。
人生とは記憶である。
すでに述べたように、自分に価値を感じるのも感じられないのも、自信がもてるのももてないのも、すべては記憶しだいである。

■「不健康な記憶」に支配されてはいけない
何とかなるさと楽観できるのも、どうにもならないような悲観的な気分に襲われるのも、記憶しだいである。
明るい展望を描くことができるのも、描くことができずに閉塞感に苛まれるのも、記憶しだいである。
他人を信頼できるのも、だれに対しても不信感が拭えないのも、これも記憶しだいである。

何もやる気がしないというのも、人生に前向きになれないというのも、自分に自信がもてないというのも、人を信用できないというのも、すべては不健康な記憶に支配されているのである。
自分の人生は挫折だらけ。自分の人生はどうにもパッとしない、もっと輝きたい。
将来に何も希望がもてない、明るい展望がない。
こんな状態から脱するには、記憶システムを健康なものに変えていく必要がある。
たとえば、記憶を整える必要がある。
そして、記憶へのアクセスの仕方を調整していく必要がある。
今すぐ記憶健康法を実践して、前向きの人生を手に入れよう。

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榎本 博明(えのもと・ひろあき)
MP人間科学研究所代表 心理学博士。
東京大学教育心理学科卒業。
東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。
カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授などを経て現職。
『なぜ、その「謙虚さ」は上司に通じないのか?』、『「忖度」の構造』ほか著書多数。
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山本太郎「消費税を廃止しないとロスジェネ世代が死ぬ!」

山本太郎「消費税を廃止しないと
ロスジェネ世代が死ぬ!」
7/9(火) 日刊SPA!

「争点なき選挙」と言われる今夏の参院選の台風の目になりそうなのが、山本太郎が結成した政治団体「れいわ新選組」だ。
2億円超の寄付金を集め、10人の「当事者」「スペシャリスト」を候補者に担ぎ出した。
山本が考える「争点」とは何か?を聞いた。
***************
消費税廃止は大命題。既成政党を超える政策で国会に殴り込みをかける
 参院選公示の2日前、曇天を突くように、山本太郎は激しく叫んだ。
「消費税という罰金で、みなさんが金持ちや大企業の尻拭いをさせられてるのはおかしいでしょう!」
 新宿駅西口に集まった約1000人の聴衆からは割れんばかりの拍手が巻き起こる。
モニターを使った政策説明や質疑応答など工夫した手法をとる、れいわ新選組の街頭演説は目下、話題沸騰中だ。  

4月から募っている寄付は、すでに2億円を超え、演説時には寄付希望者が列をなす。
ALS患者や、重度の障がいのある女性、創価学会員など、インパクト抜群の候補者たちも話題をさらっており、れいわ新選組は、今夏の参院選における台風の目である。

 そんな選挙の準備で多忙を極める山本太郎氏が、SPA!の直撃に答えてくれた。
まず、れいわ新選組を旗揚げした理由から聞いた。
「自由党で一緒だった小沢一郎さんの『野党共闘しないと自民党に勝てない』という言葉に異論はありません。
ただ、当時は立憲民主党が独自路線を決定するなど、共闘が難しい状況になった。
そのなかで自分にできることは、せめて野党が共通政策を掲げるように、外側からプレッシャーをかけることだと思ったんです」

 野党の共通政策とすべく、山本氏がプッシュするのは、まずは消費税減税、そして最終的には廃止である。
現在、野党は増税凍結で足並みを揃える構えだが、山本氏は「甘すぎる」と一喝する。
「与党が増税を明言したまま選挙に突入するんですから、野党は怖くもなんともないと舐められているのです。
増税凍結は、増税の先延ばしでしかないんですから、多くの困窮した人を変える選択肢にはなりえない。

野党は一致して減税の姿勢を示し、この参院選でねじれを実現して次の政権を窺うべきですが、力及ばずでした」
20年間もデフレ状態の国は世界を見渡しても日本だけ
 このように政局をつくりにいく側面もあるが、山本氏が説く消費税減税・廃止論は単なる人気取りではない。
実際に消費増税が景気に悪影響を及ぼしている。
’14年に消費税を8%に引き上げたときは実質個人消費が8兆円も減り、貯蓄ゼロ世帯が急増したのだ。

20年間もデフレ状態の国は世界を見渡しても日本だけ。実質賃金は下がり続け、人々の生活も地盤沈下している惨状のなか、消費を冷え込ませる消費増税は、国家の自殺行為です。
しかも、税の公平公正という観点からも消費税は間違っています。
金持ちが道楽で買うダイヤモンドやフェラーリにかかる税率と、ワーキングプアが水やパン、紙おむつなど生きるためにかかる税率が同じ。とうてい公平とは言えませんよ」

 確かに、年収によって消費税の負担率に大きく差が出るのは事実だ。
日本経済新聞の調査では、消費税が5%になった’97年は、200万円未満の低年収層は負担率5.5%だったのに対し、1500万円以上の高年収層は1.1%。
税率8%になった’15年では、前者が7.2%に増えたのに後者は1.6%にとどまる。
仮に税率が10%になると、前者は8.9%になるが、後者は2.2%にすぎない。
山本氏が指摘するように、消費税には確かに逆進性がある。

「現在の国民生活は、子供の7人に1人が貧困という状況。
なのに『消費増税による財政再建』とか言う奴は、とんだDV野郎ですよ。
この国の再建を言うなら、まずは最低限の底上げをしないと。
デフレ不況で、日本という同じ船に乗っている人がたくさん死にかけているんです。
それを助けるのが、第一でしょう。
苦しい人への愛とカネが足りない政策が、20年以上も続いたのがこの国の悲劇です」

 今、日本に必要な緊急政策として、山本氏が打ち出す言葉は大胆だ。
消費税廃止はもちろんのこと、最低賃金を1500円へ引き上げてこれによる中小事業主の赤字は政府が補償。
また「奨学金徳政令」と題し、奨学金をチャラにすることも公約している。

当然ながら、こうした政策には財源確保の面で批判も相次いでいるが、山本氏はそれらを一刀両断する。
「財源は税収に縛られるわけではありません。
デフレ時には政府が新規国債を発行して大胆に投資すべきなのです。
こう言うと、財務省が菅直人さんや野田佳彦さんを洗脳した手法、破綻したギリシャのケースを持ち出しますが、あれはユーロ建てで借金をしていたから。
自国通貨の円建てで借している日本とは全く別の話。
問題はインフレの制御のみです」

過去20年で最大の被害者はロスジェネ世代
 最低賃金の伸び率が停滞し、デフレの出口が見えなくなった“失われた20年”。
それを脱するために、国が積極的に投資すべきという考えが山本氏の政策の根底にある。
とくに投資対象として氏が注目するのは、かの20年における最大の被害者である「ロスジェネ世代」だ。
「過去の歴代政権は、ロスジェネ世代に、賃金補償や家賃補助などの施策を打って、家庭を持てる環境を整え、第3次ベビーブームを起こすべきでした。
それがなされなかったため、少子化が進み、年金制度も立ち行かなくなったんです。

ロスジェネ世代は政府の経済政策の失敗で損をさせられたわけですから、政府は賠償政策という意味でも、彼らにこれから投資しなければならない。
家族をつくりたいと思う人には、最大限のサポートをするのが、持続可能な国家づくりだと思いますよ

 もちろん、山本氏の目はロスジェネ世代にとどまらず、若者から老人まで全世代を見据える。
「現在の生活保護は、完全に沈没した状態の人でなければ受けられません。
これを、沈没前に救えるような、全世代を対象とした生活保障制度に変える必要があります。
家賃補助や食費などの生活扶助など、その人が必要としている分野の保護を、切り分けて受けられるようにすべきです」  

セーフティネットの下限を引き上げ、その種類も増やすという点で、税と社会保障のあり方を大きく変える提言である。
「今の与党は、大企業にコントロールされ、法人減税など大企業が得をする政策ばかり行っています。
割を食っているのは庶民です。
逆に言えば、大企業から政治のコントロール権を取り戻せば、庶民は自分たちの生活を底上げできる。

まずは庶民がコントロールできるアイコンとして僕らを国会に送り出すことで、政治家が自分たちのために動くことを実感してほしいんです」
 従来のパワーゲームに楔を打つ第一歩として、山本氏は今回の参院選を位置づけている。
「今回の選挙で政党要件が満たせれば、安倍首相との党首討論や幹事長対談への出席が可能になり、メディアへの露出も増えます。
与党攻撃はもちろん、野党が嫌がることも言っていきます。

なにしろ野党の中にも、与党に反対するポーズだけの議員がいますからね。
僕はそこもしっかり突いていくから、政治に緊張感が生まれて、予定調和ではなくみんなガチンコでケンカするようになりますよ。
そういう“永田町イチの嫌われ集団”を目指していきます」
 今夏、れいわ新選組が振るう剣先は、政権政党に刺さるか。

山本太郎】 ’74年、兵庫県出身。
高校時よりタレント活動をしていたが、’12年、政治活動を開始。
’13年、参議院選挙で東京選挙区で当選。
’19年、政治団体「れいわ新選組」を立ち上げ代表に就任、今夏の参院選に10人の候補者を出す
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2019年07月11日

『上田晋也のサタジャ』が山本太郎の企画をボツに

山本太郎にテレビが触れない理由!
『上田晋也のサタデーJ』も終了直前、
山本太郎現象の特集がボツに
2019.07.08 RITERA編集部

 政権を忖度するテレビ番組やコメンテーターばかりになっているなかで、敢然と政権批判をしてきた『上田晋也のサタデージャーナル』(TBS)が突如、終了した問題。
その裏事情については、先日の記事でもお伝えしたが、ここにきて、もうひとつ、同番組をめぐる不可解な動きが明らかになった。

 きっかけは、政治学者の中島岳志氏が7月5日、こんなツイートをしたことだった。
〈「ファイヤーラジオ」の中でお話ししましたが、6月22日の「上田晋也のサタデージャーナル」で「山本太郎現象」を特集したいと連絡があり、VTR収録の日程を確保したのですが、その後、特集中止の連絡があり、直後に番組の打ち切りが発表されました。
あれは何だったのか?〉

 ツイートにもある通り、中島氏は7月4日放送のインターネットラジオ「ファイヤーラジオ」で、すでにもっと詳しい経緯を明かしていた。
「『上田晋也のサタデージャーナル』という番組が突然終わるということになりましたよね。
突然終わるという話になる数日前に、僕のとこにスタッフの方から連絡があって、実は次の参議院選挙に向けて、山本太郎さんをめぐる社会現象が起きているということを取り上げようと思っている、と。
ついては、先生にVTR出演をしてもらいたいっていうので、日を押さえてほしいって言われたんですね。
あれ土曜日の放送なんですけど、僕、手前の水曜日くらいになんとか時間があったのでじゃあここだったら大丈夫ですよっていう連絡をたぶん月曜日くらいにしたんですよ。

 そしたら翌日、ちょっと雲行きが怪しい電話がかかってきて、実は取り上げられるかどうかもちょっと微妙な部分もあるんですけど、まず先生がどういうお話をされるか教えてほしいって言われるんですね。
僕は、別に応援しているわけでも別にないので、政治運動をやっているわけでもないので、客観的に、政治学者として、山本太郎現象というのはこういう点があるんじゃないかという、だいたいの話をしたんですね。
そしたら、夕方にそのコーナーなくなりましたって連絡があったんですよ。
で、その直後に、ネット上であの番組が終わるっていう、そういう報道が流れたんですよね。僕それ以上何も知らないんですよ。
客観的に言うと、突然終わるという話があって、それの前は山本太郎を大きく取り上げたコーナーをつくろうとしていた、けれども突然なくなった、ということなんですね。
何なんだろうなと思うんですよ。
僕はそれ以上わからないですよ。

だから推測とか邪推するべきではないなと思うんですけれども。しかし取り上げようとするとなかなかそれが難しくなっているというのは、現状ってあるんだろうなって思うんですよね。
大手メディアっていうのが、ますます起きている現象を取り上げられなくなっているんだとすれば、しかもテレビにどれだけ出てるかっていうのが左右しているような現代では、ちょっとそれでいいのかなあというふうに思うんですよね」

 さらに、中島氏は、テレビが山本氏を取り上げる価値があったことをこう強調していた。
「もっと小さく起きていることであれば、社会現象って言い難いことであれば、それはそれほど大きなスペースを割くっていうことにならないっていうのはわかるんですけれども。
たとえば、朝日新聞とかでも、山本太郎現象についてこれまでいろいろ記事は出ているし、どう見ても社会現象として人が集まっていると。
ネット上でもものすごい再生されているというのは、まあもうニュースだと思うんですよね」

 にもかかわらず、『サタデージャーナル』が山本氏を取りあげることをやめてしまったことに、中島氏は違和感をもったということだろう。

しかも、中島氏によれば、『サタデージャーナル』は当初、山本太郎の特集をやろうと取材依頼していたにもかかわらず、数日後、突如、企画を中止。
そのすぐあとに、番組終了が発表されたというのだ。

新聞系ネットニュースも一斉に取り上げた山本太郎現象、でもテレビは…  
当然、この中島氏の発言は大きな話題に。
SNSなどでは『サタデージャーナル』突然の終了は、山本太郎を特集しようとしたことが原因だったのではないかという憶測も流れ始めた。

 そこで、本サイトも『サタデージャーナル』番組終了発表の際、その裏事情を提供してくれたTBS関係者に取材してみた。すると、こんな答えが返ってきた。
「山本太郎さんの特集をやろうとしたから、番組が終わったというのはありえません。
番組終了が決まったのはもう少し前。
ただ、『サタデージャーナル』が当初、山本太郎の特集を組もうと動いていて、途中で企画がボツになったのは事実のようです。
参院選前に、山本氏のれいわ新選組だけを取り上げるのは、批判を受けかねないという判断があったんじゃないでしょうか。

『サタデージャーナル』は、山本さんの企画をやる予定だった6月22日に、例の自民党が配布した野党攻撃冊子の問題を取り上げていますから、官邸の圧力や忖度ということではないでしょうが」

『サタデージャーナル』の場合は“日和った”わけではないかもしれないが、しかし、テレビで山本太郎を取り上げたくても取り上げられないという状況は確実にある。

 中島氏も指摘していたように、山本太郎と「れいわ新選組」には明らかにニュースとして取り上げる価値があった。
 4月の結党以来、話題をふりまき続け、参院選公示日直前には、完全に台風の目になっていた。
クラウドファンディングで2億を超える資金を集め、街宣にも多くの聴衆がつめかけ、ネット上ではSNSはもちろん、出版社系・新聞社系のニュースサイトまでがこぞって“山本太郎現象”を取り上げる状況になっていた。

ざっと振り返っても、以下の通りだ。

・朝日新聞デジタル「山本太郎氏に異例の寄付金 なけなしのお金、託す理由は」
・日刊スポーツ「山本太郎氏の戦略着々「れいわ新選組」は台風の目に」
・スポーツ報知「「れいわ新選組」山本太郎氏、セオリー無視で斬り込むタレント候補いらない」
・東洋経済オンライン「既成政党がおののく「れいわ新撰組」の実力度」
・論座「山本太郎は日本のバーニー・サンダースか」
・日刊スポーツ「山本太郎氏の戦略着々「れいわ新選組」は台風の目に」
・文春オンライン「郵政選挙の小泉ブーム並み!? 山本太郎が枝野幸男の座を脅かす」
・デイリー新潮「れいわ新選組の「山本太郎」 2カ月足らずで1億6000万円の募金を集めたってホント?」
・夕刊フジ「山本太郎氏“仰天”街頭演説ルポ「私を総理大臣にしてください!」

選挙は時に“化け物”を生む…政権批判の左派野党より勢い!?」
 しかも、リベラル系メディアだけでなく安倍応援団メディアまでが山本太郎現象を好意的に取り上げていた。

「放送法違反だから」は嘘!
安倍は辛坊治郎の番組に単独出演  
ところが、これだけ注目を集めているにもかかわらず、テレビだけはまったく“山本太郎現象”を取り上げていないのだ。
民放のワイドショー制作スタッフがその理由をこう語る。
「うちの局やほかの局でも、話題の山本太郎を取り上げようという企画は持ち上がっていた。
でも、どこも“公示日前とはいえ、特定の政治家だけクローズアップするのは、放送法違反になる”などという理由で、ことごとくボツになったようです」

 しかし、これは明らかにおかしい。
たとえば、公示日直前に特定の政党をクローズアップするのが「放送法違反」になるなら、安倍首相を単独出演させた6月22日の辛坊治郎が司会の『ウェークアップ!ぷらす』(読売テレビ)はなんなのか。
言っておくが、このときの番組で安倍首相は「参議院選挙において、憲法改正を審議すらしない政党を選ぶのか、審議をする政党を選ぶのか」と発言するなど、明らかに総理大臣としてではなく、自民党総裁として事前運動発言を連発していた。

 自民党だけではない。野党の場合でも、小池百合子が「希望の党」を立ち上げた際や、「維新」が国政進出した際には、テレビも大きく取り上げて、ブームを盛り上げていた。
 にもかかわらず、なぜ、山本太郎だけは取り上げられないのか。
党首討論に呼ばないのは、政党要件を満たしていないから当然としても、中島氏の言うように、公示前に現象をニュースとして取り上げることはまったく問題ないし、批判的な見方などもきちんと伝えれば、放送法に抵触する恐れはない。

「上層部が言っている『放送法違反』とか『山本はイロモノだから』などという説明は、タテマエ。
本当の理由は、山本太郎氏の主張をそのまま取り上げると、官邸や自民党、安倍応援団の視聴者から一斉に抗議が殺到する可能性があるからです。
加えて、山本氏とれいわ新選組の場合は、スポンサーからもクレームが入る可能性がある」(前出・ワイドショー制作スタッフ)
 そう、山本太郎とれいわ新選組をテレビが取り上げないのは、そのまま、安倍政権やテレビの既得権益に真っ向対立する存在だからだ。

れいわ新選組は候補者じたいが安倍官邸やスポンサータブーに抵触
 実際、れいわの場合は、反貧困、反原発といった政策だけではなく、候補者の人選じたいが、そのまま安倍政権への強烈な批判につながり、テレビのタブーに触れてしまう可能性がある。

 たとえば、最初に候補として発表された蓮池透氏は周知のように、北朝鮮拉致被害者・蓮池薫氏の兄で、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)元副代表だが、元東電社員として原発に関わった経歴も持ち、近年安倍首相の拉致問題に対する姿勢や原発行政について厳しく批判してきた。
安倍首相が蓮池氏の「拉致問題を利用してきた」発言に激昂したこともあるから、官邸が激怒するうえ、大スポンサーの電力会社からも一斉にクレームは入るだろう。

 また、沖縄県知事選で創価学会本部の意向に反旗を翻し、玉城デニー知事を支援した沖縄創価学会壮年部の野原善正氏を擁立したことも、注目を集めたが、野原氏はテレビの創価学会タブーに完全に触れる存在だ。

 また、れいわは、貧困問題や労働問題の当事者である元派遣労働者の渡辺照子氏、
元セブン・イレブンオーナーの三井義文氏を擁立したが、三井氏を取り上げれば、大スポンサーであるセブン・イレブンを怒らせるのは必至だろう。  

さらに、国会内で介助者を認めるなどバリアフリー化が必要となる重度障がい者の木村英子氏、難病ALS当事者での舩後靖彦氏を擁立した。
木村氏の擁立を発表した際、山本氏は「生産性ではなく、いかに存在しているだけで人間は価値があるかとそういう社会を実現するために政治はある」と語ったが、2人の存在は、忘れられかけている1年前の自民党・杉田水脈衆院議員の「生産性」発言を争点のひとつとして強烈に思い起こさせる。

 ようするに、山本氏の主張、政策から候補者まで、あらゆることが、政権とスポンサーを忖度することしか考えていないテレビ局の上層部にとって、恐怖でしかないのだ。

れいわ新選組が多くの議席を獲得すれば、テレビの政権忖度も変わる?
 だが、テレビやマスメディアが無視しても、ネットを中心に、山本氏への支持はどんどん広がっていっている。
それは、山本太郎の「反格差」「多様性」への姿勢が本物であることが、国民に伝わり始めているからだろう。
 一部の野党支持者の間から、こうした山本太郎現象に対して“野党共闘を撹乱する安倍自民党の補完勢力になってしまっている”などという批判の声もあがっているが、選挙戦略をみると、むしろ山本氏は野党共闘の妨害をしないように配慮をし、安倍政権の力を削ぐことを最大目的にしている。

それは、東京選挙区に沖縄創価学会壮年部の野原善正氏を立てたことからも明らかだ。
山本氏は、東京なら、野党候補の票を減らすのではなく、公明党・山口那津男代表の票を削れるという戦略で、野原候補を唯一の選挙区候補として送り込んだのだ。

 本サイトが以前から山本太郎を評価してきたのは、過激なパフォーマンスの裏に、本質を絶対に見失わない姿勢と周到な戦略があったからだ。
その山本が選挙後、リベラル勢力を裏切ることなんてありえない。
れいわ新選組が多くの議席を獲得すれば、むしろ、必ず大多数である弱者の大きな力となるはずだ。
 しかも、今回の選挙報道でもそうだったように、彼らの存在は安倍政権だけでなく、マスメディアの問題点をもはっきりと浮かび上がらせる。

れいわがある程度の影響力を発揮できる議席を獲得すれば、テレビも山本太郎を出さざるを得なくなり、安倍政権への忖度やタブーをぶちこわす突破口となる可能性がある。
 その意味でも、「れいわ新選組」には、1議席でも多くの議席を獲得することを期待したい。
        (編集部)
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2019年07月12日

参院選から見える日本の民主主義の3つの危機

参院選から見える日本の民主主義の3つの危機
2019年07月11日 ニューズウィーク日本版

<与野党の対立軸が見えない、政権イメージと政策が一致しない......日本政治には民主主義を停滞させる問題が根付いている>
新聞やジャーナリズムがよく使う言葉に「民主主義の危機」というフレーズがあります。

具体的には、政権が強権発動をして独裁的になる場合、あるいは選挙の投票率が低迷して選挙結果の権威が揺らぐ場合などに「発動」される言い方です。
ですが、言葉そのものが陳腐化していて、危機だ危機だと言っても危機感の共有にならない現実もあります。

一方で、そうした「言葉にまとわりついた手垢」を洗い落として考えてみると、今回の参院選においては、どこか「民主主義の危機」を危惧させるモヤモヤした感覚が否定できません。

この感覚ですが、表層にあるのはまず政党選びの難しさだと思います。
「長期化した政権には飽きたし、経済や人口問題など将来への不安からすると、参院だけでも与党にお灸を据えたい。
けれども、野党の方はバラバラだし、統治能力が感じられないので投票する気になれない」 という感覚は、おそらく多くの有権者に共有されているのではないかと思うのです。

結果として、投票率が低迷するようなら、確かにメディアの常套句である「民主主義の危機」という表現が出てきそうです。 ですが、危機だと叫ぶだけでは、問題の解決にはなりません。
また、限られた選択肢の中で、何も選択できないことが続けば、それこそ本当に民主主義は停滞してしまいます。

何を対立軸にすればいいのか?
そこで議論を先へ進めるには、危機の中身を整理してみることが必要ではないでしょうか? 
今回は3点、問題提起をしてみたいと思います。

1点目は対立軸の問題です。
リベラル対保守であるとか、大きな政府論対小さな政府論というのは、どうも日本の政治風土には馴染まないのかもしれません。
少なくとも二大勢力を選択肢とする際に有効な軸にはならないようです。
そうであるなら、もっと具体的な対立軸を考えることが必要でしょう。
「都市への集中を許すのか、強制力を使ってでも地方経済を浮揚するのか」
「現役世代へのリターンを増やすのか、年金受給世代の数の力に乗るのか」
「多国籍企業の活動を許すのか、それとも日本のGDPを優先して高付加価値部分の空洞化には歯止めをかけるのか」 といった対立軸は、財政規律とか格差への再分配などと並んで大切な政治的課題になり得るのではないでしょうか。

2つ目は裏返し効果の問題です。
安倍政権は、保守層に支持されているからこそ、令和の元号を1カ月前倒しで発表できたし、結果は潰されましたが朴槿恵(パク・クネ)政権との日韓合意もできたわけです。
また真珠湾での献花も批判を浴びませんでした。
ですが、こうした政策は左派的な性格の政権であったら、保守派が頑強に抵抗して立ち往生した可能性があります。
つまり右派に支持された政権の方が中道左派的な政策を安定的に行えるという「裏返し効果」が生まれたのです。
政治は生き物なので、そうなる理屈は分かるのですが、民意の反映ということでは明らかにねじれています。
これも現代ならではの、民主主義の機能不全の一種だと思うのです。

3つ目は統治能力の問題です。
間接民主制の日本の場合は、総理の一歩手前までは、党内政治だけで登りつめることができますが、総理になった途端に国民との直接のコミュニケーションの場に「引きずり出され」てしまいます。
また、最終的な決断を孤独に下さねばならないことも多くあります。
そこで無能と思われれば、政権は瓦解します。

それでは政界として、あるいは国として、統治能力のある人材をどうやって育てていくのか、これは大きな問題だと思います。
この問題に関しては、野党の人材難だけでなく、与党にも突きつけられています。
「ポスト安倍」に関して、そろそろ真剣に考える時期ではないかと思われるからです。
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山本太郎が参院選に擁立した創価学会員、公明党と学会を批判して“村八分状態”

山本太郎が参院選に擁立した創価学会員、公明党と学会を批判して“村八分状態”
2019年7月12日 デイリー新潮

「私の隣にいるのが、野原善正さん。
沖縄県創価学会壮年部の方です。
なんだ山本太郎、創価学会と手を組んだのか?そうではありません。
今の創価学会の執行部、公明党、やっていること真逆じゃないか。
これは、これまでの教えと違うはずだということに対して、一歩大きく踏み出した。
なにより、この東京選挙区、公明党代表・山口那津男様が立候補されていますので、そこに対して、創価学会の教えを、今、耳を塞いでいる状態の執行部対、これまでの創価学会の心のような存在の戦い。
これは見ものですぞ。その戦いの先頭に立つなんてどれだけ勇気がある方ですか。
この夏の選挙、東京選挙区、選挙に興味のない人も乗っかって欲しい、面白がって欲しい。この聖なる戦いに一歩踏み出してくれた方が、野原善正さんです」

 れいわ新選組の山本太郎代表が7月7日、東京・中目黒駅での街頭演説で、東京選挙区から出馬する野原善正氏(59)を紹介した。
創価学会員でありながら、れいわ新選組から出馬し、公明党や創価学会と真っ向から戦うというのだ。

 山本代表に続いて、野原氏が演説。
野原氏は、沖縄の米軍普天間飛行場を辺野古へ移設する工事が政府によって進められていることは蛮行であると主張。
今年2月の沖縄県民投票で、約72%が辺野古移設に反対だったことを挙げ、日米安保条約のプラス面を肯定する方々は、そのマイナス面を一手に引き受けている沖縄の現状を見て欲しい、きれいな辺野古の海を守るために立候補したと述べた。
そして、今の公明党や創価学会についてこう語った。

「24歳のときに日蓮仏法に巡り合い、創価学会に入信しました。
今年で35年になります。
現在の公明党の政治姿勢、また、公明党を支援する創価学会の社会的姿勢について、私が感じていることを述べさせていただきます。
公明党の立党の精神は、大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいくというのが原点であります。
しかし公明党は自民党と連立政権を組んで以来20年余りの間に、権力の旨みにどっぷりと浸かってしまい、民衆救済という原点というものをすっかり忘れ去ってしまった感じがします

 公明党が安保法制や共謀罪にも賛成したことに触れ、こう批判した。
「立党以来、平和福祉を掲げてきた公明党が、このような戦争を肯定する法案を通す、また、民衆を弾圧するような法案を通すということは、どう考えてみてもおかしいことだと思います。
自民党の歯止め役になるはずだった公明党は、今、自民党と一緒になって暴走しております。
今の公明党は、池田先生の平和思想とは真逆な方向に進んでいると思います。
これは非常に危険なことです。
絶対に止めないといけません」

 さらに、返す刀で創価学会もばっさり切りつけた。
「公明党の最大の支持母体である創価学会は、あいも変わらず、このような間違った方向へ進んでいる公明党を支援しております。
組織の打ち出しに従うことが、また、幹部の打ち出しに従うことが信仰であるかのように勘違いをしております。
創価学会内部で、今の公明党おかしいよね、支援する創価学会おかしいよねと言えば、破門され除名されます。
さらに、デマを流され、あの人は信心がおかしくなった、あの人は危険人物だから近づくな、そう言って完璧に村八分にされます。
(創価学会は)どこが人を幸せにする宗教なんでしょうか」

潰すしかない
「公明党はもう一度、平和福祉という立党の原点に戻ってもらいたい。
権力にしがみついてそれができないのであれば、潰すしかありません。
これは池田先生が掲げていることです。
公明政治連盟という、公明党の前身でありますが、そういう組織を立ち上げたときに、池田先生は、公明党が将来おかしくなって、権力の側になびくようになって、国民をいじめるようになったら、潰しなさいと言われています

 野原氏は浦添市出身。琉球大大学院修士課程修了後、塾講師などを経て昨年から運転代行アルバイトをしていた。
野原氏が公明党に見切りをつけたのは2014年。
安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、公明党が追随したのがターニングポイントになったという。

昨年の沖縄県知事選では、公明党が支援する佐喜眞淳候補の対抗馬となった玉城デニー候補を支援した。
 街頭演説の後、支援者と一緒に記念撮影をしている野原氏に話を聞いてみた。
「1カ月前に、山本太郎さんから直接をいただいたのです。れいわ新選組から参院選に出てみませんかというので、びっくりしました。最初はいたずら電話かと思いました」

 野原氏は、昨年の県知事選で一緒に戦ったメンバーに相談したところ、 「100年に1度の大チャンスと言われて、みんなが出馬を勧めるので、電話のあった3日後に出馬を決めました」
 何故、沖縄ではなく東京選挙区なのか。 「東京には血縁も知り合いもいませんが、学会員が公明党以外で出馬したということでメディアで大きく報じられたので、東京の方が話題になるだろうと思ったのです」

 創価学会から、嫌がらせはなかったか。
「県知事選で玉城氏を応援してからは、もう村八分状態です。
創価学会の会館には出入り禁止になるし、学会員は道で会うと視線を合わせない。
完全に無視されています。
ただ、まだ除名になっていません。
まあ、除名すると、マスコミが騒ぐからではないでしょうか」

 地盤のない選挙戦、どう戦うのか。
「創価学会員の票を切り崩すしかありませんね。
学会員の中には、今の公明党や創価学会に不満を持っている方が多くいると思います。
そういう方たちを説得したい。
学会員には原点に戻って欲しいですね」  と語る野原氏。

池田大作名誉会長についてもこう語ってくれた。
「池田先生は脳梗塞で倒れましたが、今は、私の個人的想像ですが、悪くて寝たきり、良くて車椅子だと思います。
昭和54年4月24日に、池田先生は会長を辞め名誉会長に就任しましたが、これは、学会執行部によって辞めさせられたのです。
ハイジャックですよ。
以来40年間、創価学会は執行部が舵を取り、公明党の集票マシンになってしまった。
池田先生はカリスマとして、執行部に利用されているだけです。

聖教新聞には、公の場に姿を現さなくなって以来、池田先生の写真が掲載されていますが、あれは合成写真ですよ。
池田先生が実権を握っていれば、今のような公明党、創価学会にはならなかったはずです」

週刊新潮WEB取材班 2019年7月12日 掲載
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2019年07月13日

寝ても疲労が取れない人に試してほしい休息法

寝ても疲労が取れない人に試してほしい休息法
2019/07/11 yoga

寝ても取れない疲労を抱えていませんか?
私たちの身体は本来、充分な睡眠を取れば疲れはリセットされ、翌朝にスッキリと目覚められるようにできています。
しかしながら現代人は、『疲れたら、寝る』だけでは抜けない疲労を抱えている場合がとても多いのです。
デジタル技術が進化し、コミュニケーションの速度がひと昔前に比べ格段と早くなり、その早さに対応するべく脳はフル回転。
自然の摂理に沿った生活が難しい現代では、本来備わっている回復の力を発揮しづらいということを、誰もが本能的に感じているのではないでしょうか。

そもそも疲労とは、身体が休息を必要としていることを脳に知らせるためのもの。
疲れを感じることで身体の活動を停止させ、強制的に休息を取れるようになっています。
しかし、興奮したり気を張っていたりすると、疲労というサインを脳が無視してしまう。
その結果、疲労がまだ回復していない状態で活動を続けてしまい、どんどんと疲労が蓄積されていくのです。
この状況下では身体も脳も、覚醒した状態で頑張り続けてしまいます。

特に現代は、脳を覚醒した状態に保つことが多く、脳に疲労が溜まりやすいといわれています。
今回は、この『寝ても取れない疲れ』にフォーカスし、ヨガニードラを使った疲労回復方法、特に脳を休ませる方法をご紹介していきます。

ヨガニードラで現れるリラックスの脳波 『何も考えずにボーッとすれば、脳は休まる』と思われがちですが、ボーッとしているつもりでも脳は活動しているもの。
いくら身体を休めていても、または睡眠中でも、脳は一定の活動をしています。
それでは、そんな『働きものの脳』を、どのように休ませてあげれば良いのでしょうか?
瞑想やヨガニードラといったヨガの練習は、脳の疲労を取り除く方法として優れているということが、最近の研究ではかなり詳しく解き明かされています。

何千年も前から伝わるヨガの練習法の優れた点が、現代の科学によって解明されるというのはとても興味深いことです。
ヨガニードラの分野では特に、その疲労回復効果が脳波の測定によって立証されています。
ヨガニードラの練習中は、脳にアルファ波という脳波が現れやすいといわれています。
アルファ波とは、リラックスした状態のときに現れる脳波の一種です。

理論的に物事を考えている時、また緊張状態にある時には出現しない脳波で、ストレスの緩和にも役立つともいわれています。
また、反対のステータスのようにも感じるかもしれませんが、集中力が研ぎ澄まされているときにもアルファ波が検出されます。
まどろんだ状態でひらめきが生まれやすいのはこのためです。

ヨガニードラの練習中は、なるべくまどろみの状態を保とうと努めるのですが、そのまどろみの状態ではアルファ波が多く出現します。
つまり、ヨガニードラの練習中は、身体も脳も心地の良いリラックスの状態にあり、更にこの状態を保つ練習をしているということなのです。
また、アルファ波を保つ時間が睡眠中よりも長いので、眠るだけでは取れない脳の疲れにも有効的です。

ヨガニードラで脳に意識的な休息を
それでは実際に、ヨガニードラの練習をしてみましょう。
今回はより身近に練習していただけるように、座った状態での練習方法をお伝えします。
声のガイダンスを使った方が練習はしやすいですが、下記のように意識を自分の内側で巡らせるだけでも練習は行えます。

リラックスしながら気軽に試してみましょう。
@環境を整える
・落ち着ける静かな場所を選ぶ
・朝でも日中でも夜でも、好きな時間帯でOK

A座って体勢を整える
・背筋を伸ばし、身体の左右を対象にする
・背もたれや壁を使っても良い
・椅子に座って行っても良い

B呼吸を整える
・口から何回か溜め息をつき、余分な緊張を解放してから始める
・自然な鼻呼吸を繰り返す
・ヨガニードラ中は呼吸をコントロールしない

C身体の細かい部分に意識を巡らす
・手や足など末端から徐々に意識を移行させ、更にその部分が『リラックスした』と感じる

【例】右手の手のひらがリラックスしたと感じる→右手の親指、人差し指、中指、薬指、小指がリラックスしたと感じる→右手の手首、肘、肩、右腕全体、がリラックスしたと感じる→右の肩甲骨の周り、腰、お尻がリラックスしたと感じる→右のももの後ろ側、膝の後ろ、ふくらはぎ、足首がリラックスしたと感じる→右足のかかと、土踏まず、右の背面全体がリラックスしたと感じる→右足の親指、人差し指、中指、薬指、小指がリラックスしたと感じる→右足の甲、足首、すね、膝、ももの前側、足の付け根がリラックスしたと感じる→右のお腹、胸、肩がリラックスしたと感じる→右の前側全体がリラックスしたと感じる →左側も同じように繰り返す

D自然な呼吸を繰り返しながら、呼吸をカウントダウンする
・吸って吐いて11、吸って吐いて10・・・と11から1まで呼吸を数える

E自分がリラックスしている状態を思い描く
あまり難しく考えず、ぜひ気軽にヨガニードラの練習を実践してみて下さい。
練習を繰り返すうちに、リラックスの状態(アルファ波の現れている状態)を長く保てるようになっていきます。
すると次第に、脳の疲労が緩和されていくことでしょう。
そして、眠ることだけでは取れない疲れも緩和されていくはずです。

ライター/井上敦子
15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。
不眠症をヨガで克服した経験を持つ。
リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。
週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。Instagram:@yoga_atsuko.inoue 
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2019年07月14日

松尾貴史が語るテレビで芸人が権力批判できない理由

松尾貴史が語るテレビで芸人が権力批判できない理由
…安倍首相のモノマネに「誰かが号令かけたように苦情の電話が」
2019.07.11 LITERA編集部

「老後は年金に頼るな、2000万円自助で貯めろ」とする金融庁の年金問題で、結局、報告書の受け取りを拒否、国会でも集中審議に応じず争点を隠して参院選に臨もうとしている安倍首相。
相変わらずの強権政治と言わざるを得ないが、テレビではそうした首相の国民軽視を批判するどころか、コメンテーターの芸人やタレントらがお茶を濁してばかりで問題を追及しようとしない。

 そんななか、メディアやSNSで安倍政権へ果敢に苦言を呈しているのが、マルチタレントの松尾貴史だ。
 松尾といえば、俳優としてドラマ『獣になれない私たち』(日本テレビ)での好演が記憶に新しいところだが、最近もTwitterで年金問題について〈都合の悪い報告は拒否するという愚行の方が逆に不安や不信を助長する。
労働統計のイカサマといい、年金財政検証を参院選後に発表するという姑息といい、この政権のなりふり構わぬ足掻きは醜悪過ぎる〉(6月12日)と痛烈に批判した。

 文筆活動でも、毎日新聞の連載コラムでは政治や社会問題を深い教養に裏付けされた言葉で紡ぎ、今年2月にそれをベースにした著書『違和感のススメ』(毎日新聞出版)を上梓。
つねに“多数派”を疑いながら、メディアタブーや政権批判に踏み込んでいる。

 そんな松尾貴史が、最近、スタジオジブリが発行する小冊子「熱風」6月号で、ジャーナリスト・青木理氏との対談に登場。芸能界の内側から“お上にモノを言えない雰囲気”を分析し、日本のマスメディアの問題を深くえぐっているので紹介したい。  

まず、青木氏が、芸能活動に関わっている人たちは、自らの政治的信念などの発言を避ける傾向が明らかに強いと言うと、
松尾は「同調圧力」とは別に、「芸能分野のビジネススタイルの因習」が背景にあると指摘する。
「たとえば江戸時時代の、おそらくは芸者の置屋からきているような気もするんですが、「置屋はんに迷惑かけたらあきまへん」「旦那衆に迷惑かけたらあきまへん」という世界。
置屋や旦那衆に迷惑をかけないよう、行く先々の水に合わせなければならず、だから当たり障りのないような振る舞いをする。

日本の芸能界の場合、大きな芸能事務所が芸人を雇って派遣するという形が長く続いてきましたね。
いわば芸人の元締めのような形で芸能プロダクションが存在する。
そうすると、多くの人気者を抱える芸能プロダクションとしては、さまざまな企業や団体との利害なども考えるようになってくる」
 芸能プロという元締めの存在は、まさにテレビで政権批判がタブーになっていく構造の特徴のひとつだが、他方、欧米の芸能界では俳優やミュージシャンたちが積極的に政治批判をし、それが世間でも大きな話題となっている。

松尾は、それは「自分が自分のエージェントを選んで雇っているから」だとして、さらに、「社会風刺」に対する歴史的な文化の差異を理由にあげる。
「欧米では、宮廷道化師のような存在も歴史的にありました。
その道化師だけは王様に失礼なことをしても許される。
そういう存在が日本にはたぶんなかったんじゃないでしょうか。
力の強い人に対してものが言えないという風潮がものすごく強い

松尾貴史が語る「叩きやすいものを叩く」風潮とその背後にある閉塞感  
政権中枢など力の強い者へは過剰に忖度する一方で、ネット上では、少しでも安倍政権に批判的だととらえられた言論は、確実に安倍応援団やネット右翼から標的にされる。
また、政権の重大不祥事や問題発言が大して批判されないまま、「バイトテロ」や「交通事故の加害者」などはその何百倍もネット上で批判にさらされ、過剰な社会的制裁を受ける。
いわば批判の価値観の転倒だ。

いわば、誰もが叩きやすいものを叩いて溜飲を下げるという風潮の背後にある閉塞感。
ほかに鬱憤ばらしをする場がないから、誰かが少し道を踏み外したら寄ってたかって叩きのめすという気持ち悪いムード。
もともとこの国にはそういう面があったのかもしれません。
たとえば関東大震災の際の朝鮮人虐殺とか、誰もが善良な市民の顔をして普段生きているけれど、誰もがそういう負の側面も持っている。
最近は匿名のネット上で誰かを叩いたり、デマを拡散して溜飲を下げてみたり……」(松尾)

 松尾が言うように、「叩きやすい者だけを叩く」という性質はネットで広くみられるが、それはテレビにも同じことが言えるだろう。
青木氏が、昔のテレビでは政治家のモノマネなどの政治風刺があったが、最近は見られなくなったと指摘すると、松尾は、自身がかつて安倍首相のモノマネをテレビで披露したときに受けた“圧力”についてこう語るのだ。
「まだ政権に復帰する前、自民党総裁選に出馬したころのことです。
そうしたら、そのテレビ局に苦情の電話が、まるで誰かが号令をかけたように大挙して押し寄せたらしいんですね。
で、「次回からは結構です」と言われてしまった。
ひょっとしたら誰かに雇われたアルバイトなのか、あるいは義憤に駆られた人たちが同時多発的に電話をかけたのかは知りませんが、そんなふうにプレッシャーめいたことが起きるようになったのが一因かもしれません」

 たしかに、テレビで安倍首相のモノマネをすれば、すぐさま親衛隊のネット右翼たちが局に“電凸”と呼ばれる抗議を殺到させ、Twitterなどでも炎上に追い込むのは火を見るより明らかだ。

松尾や青木氏も指摘しているとおり、海外では、コメディアンがトランプ米大統領のモノマネなどで強い社会風刺を表現し、それが視聴者にも受け入れられているのに、日本ではそれが「けしからん」として逆にバッシングを受けてしまうのだ。

安倍首相だけが何段も上のレベルでタブー視されている現状
 しかもこの問題は、単に「政治家を笑う」ということ自体がタブー化しているということではない。
現在の政治のなかで大きな力を持たない野党や若手の議員、あるいは地方議員の場合、ワイドショーは彼らの問題発言やトンデモ言行を盛んに取り上げ、普段、政治的話題に触れない芸人やタレントたちも口を揃えて批判に転じるケースがある。
数年前、「号泣議員」としてあらゆるメディアから笑われた野々村竜太郎・元兵庫県議などはその最たる例だろう。

 しかし、これが安倍首相となると話はまったく違う。
たとえば第一次政権の際、任期途中で突然、総理をほっぽり出した無責任ぶりに触れれば、即座にネトウヨたちが「持病をバカにした!」などと言いがかりをつけてくる。
また、芸人やタレントが野党の政治家を批判しても何も言わないが、たとえば、ウーマンラッシュアワーや爆笑問題などが安倍政権を揶揄するネタを披露すれば、狂ったようにいっせいに牙を剥く。
 つまり、「権力・権威を笑う」ことが忌避されるテレビのなかでも、とりわけ安倍首相だけが何段も上のレベルでタブー視されているのである。

当然、そうした“安倍揶揄”に対する炎上攻撃を目の当たりにしたテレビ局や他のタレントたちは萎縮し、「笑い」だけでなく、ちょっとでも政権に批判的なコメントをも封印してしまう。
そうした負のサイクルがすでにでき上がってしまっているのだ。

 もっともこうした現象については、青木氏も「広い意味で政治的な発言ということで言えば、情報番組の司会やコメンテーターをしている芸人やタレントはたくさんいるし、首相をゲストに招いたお笑い番組まであるというのに、そうしたケースでは大した批判が起こらない」と言及している。
これに対して松尾は「要するに、強い者を味方する発言は許されるんです。
逆に、強い者に歯向かうような発言は批判されてしまう(笑)」と述べているが、まさにそのとおりとしか言いようがない。

松尾貴史が政権批判を続ける理由
「収入は半分くらいになったけど、次の世代を考えれば」
 その意味でも、松尾のようにウィットに富んだ政治批判を続けるメディア人は貴重だが、やはり、周囲からのプレッシャーは凄まじいものがあるようだ。
前述した著書『違和感のススメ』では、一億総活躍社会などの政策、森友・加計学園問題をめぐる政府対応などを鋭く批判的に批評しているのだが、芸能の世界でこうした問題提起をする難しさは、松尾自身が身をもって知っている。
それでも松尾を駆り立てているのは、日本を“戦争のできる国”につくりかえている安倍政権への危機感なのだろう。

「収入で言えば、たぶん半分くらいになっているかもしれませんが、子ども世代が戦争でひどい目に遭うかもしれないとか、そういう可能性を考えれば、いま受けているストレスなんてケタ違いに小さいんじゃないですか」(松尾)

 もちろん、政権批判を理由に仕事を干されるということなどあってはならないが、それ以上に、松尾が対談の最後で強調したのは、「権力に対する風刺」を含む権力への批判をためらわないための、積極的な戦略と心構えだった。
「だから一番大切なのは、きちんと批評性のあるものを、時には面白おかしく作ること。
そういう才能のある放送作家だとか、パロディに達者な人たちを集めて情報発信する拠点を作る必要があるかもしれません。ただ、そういう賢い人たちって、賢いから仲間割れをしやすいところもあって(笑)」
「政治の世界だって、政権とか与党っていうのは権力と金を持っているから、放っておいてもたくさんの人が自然に群がるわけでしょう。
一方、批判する側はみんな正しい批判をしているんだけど、誰もが自分は正しいと思っているから、そのうちにだんだん仲間割れを起こして、力が分散してしまう。
最近の選挙の結果ってそういうことでしょう」

 たしかに、ある意味でネトウヨや応援団文化人は下品ではあるが、それゆえに“安倍サマ”の大号令で一致団結している。
一方、メディアにいる気骨のある記者やディレクターは組織のなかで孤立しやすく、政界では野党同士の連携が不十分なのは間違いないだろう。
 しかし、このまま安倍政権を放置していれば、明日が今日よりもまたひとつ悪くなっていくだけだ。

社会風刺の本質は、自らが真剣に「おとなしさ」を捨てることで権力を笑い者にし、それによって立ち向かう流れをつくっていくことではないのか。
政権とその応援団のあまりの傍若無人ぶりにへこたれている人は、是非、松尾貴史のやり方を目に焼き付けてほしい。
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2019年07月15日

日本の職場から「雑談」がなくなるのは危ない

日本の職場から「雑談」がなくなるのは危ない
社員な幸せな会社は業績がいいという事実
2019/07/14 筒井 幹雄 : 東洋経済 記者

幸せに生きるための考え方や行動を「科学的」に検証し、実践に生かすための学問が、幸福学。
幸福度の高い人はそうでない人に比べ、創造性は3倍、生産性は31%、売り上げは37%高いという研究結果もあり、社員と会社の幸福度は比例する。
『幸せな職場の経営学』を書いた慶応大学大学院前野隆司教授に詳しく聞いた。

「ハピネス」ではなく「ウェルビーイング」
──なぜ、ロボットエンジニアが幸福学の提唱者に?

20年くらい前から、人間がロボットを見たときにどう感じるか、といった人間と人工物との触れ合いについて工学と心理学を用いた研究をしていました。
心理学には、ウェルビーイングスタディー(幸福学)という分野があり、さらに医学でも健康と幸せに関する研究がなされていた。
利他的な人は幸せだとか長寿だとかいった研究成果を知って、もったいないと思ったのです。
こんなにすばらしい知見があるなら、それをものづくり、サービスづくり、組織づくり、町づくりなどに応用すべきだと考えたわけです。

──英語で「幸せ」というと「ハピネス」が思い浮かびます。

イギリスの心理学者、ネトルは、地位財による幸せは長続きせず、非地位財による幸せは持続すると言っていて、その意味からすると、ハピネスは短期的な感情から生まれる幸せの英訳と考えるべきでしょう。
私のテーマは持続する幸せなのでウェルビーイングです。

──昇進してハッピー、という感じですね。

地位財、非地位財とは。 アメリカの経済学者、フランクは、他者との比較優位で価値が生まれる財を地位財、それだけで価値がある財を非地位財と分類しました。
前者は社会的地位やモノ、後者は愛情、自由、健康が挙げられます。

──用語は知らなくても、言われれば当たり前という気もします。

外部の研究会や勉強会、あるいは企業の研修などに呼ばれ、経営層から現場まで幅広い層の人と接しているが、こういう話が腑に落ちるのは社会問題に関心のある5〜10%の人というのが皮膚感覚。
高度成長以前を知っている世代は、モノや金があってこその幸せという意識がいまだに根強い。
逆に若い世代は、非地位財の重要性、そんなの当然でしょう、という反応。

──「社員の幸せ」と言われてもピンとこない社長が登場します。

一流企業のトップは、儲けることで出世した人なので、自分の価値観を覆されるようなことを聞くと思考停止状態になる。「言っていることはわかった、でも意味がわからない」みたいな(笑)。
こうしたトップは少数派ではありません。

──「働き方改革」でそんなトップの会社も変わるのでは?

実は「働き方改革」には危うさを感じています。
時短だけを追求すると、職場で会話もせずに定時まで働いて帰るということになりかねない。
そんな職場、楽しいですか?
時短にはなったけれど、“やらされ感”もあって、幸せではない。
結果、生産性は下がります。

周囲とのコミュニケーションが重要
──幸せな職場をつくるに当たり、コミュニケーションの重要性を強調しています。

通り一遍ではない、感情も含めた深いコミュニケーションからすべては始まります。
同僚のことを知れば、どう振る舞えば相手が仕事をしやすくなるかわかり、逆に相手も同じようにしてくれます。
本書で紹介した、幸せな職場のチャンピオン、伊那食品工業では社員が互いを家族だと思ってコミュニケーションを取り、行動します。
会議も書類はほとんど不要、掃除だってサボらない。
手を抜かないので仕事は短時間で終わります。
昔の日本の職場では、だべりながらの仕事が普通でした。
今は、話しかけると相手の邪魔、のような感じになっている。
それで、隣の人にもメールで連絡して終わり。

──コミュニケーションにはいろんな効果がありますね。

周囲とのコミュニケーションを通してやりがいを感じられます。
チームのメンバーに感謝されたり、上司に頑張っているねと言われたりすると、ワクワクしますよね。
ワクワクすると、自己肯定、自己実現、前向きで楽観的な気分が醸成され、仕事に対する好循環が生まれます。
楽観的な気持ちになると、目の前のことにこだわらず、状況を俯瞰できる。
そうすると悩みの解決策も見つけやすい。
結局、いろんな人とコミュニケーションを取ることで、話がいい方向に進みます。

──伝播力が意外と強い。

自分の職場の風通しの悪さに気づいたある30代の女性が、伊那食品の創業者の著書を読んで感銘を受け、講演会や伊那食品にも行って何度も話を聞きました。
それを伝えられた同僚たちも強い興味を持ち、伊那食品に行ったそうです。
職場の風通しがよくなると、業績も向上、上長も関心を抱かざるをえず、伊那食品へ(笑)。
1人の女性の熱意が組織を変えました。
現場を見ていると、声に出してあいさつをするだけで変わります。

「利益と社員の幸せ」は同等に大事
──幸せのボトムアップですね。

一方、トップがすべきことは? 会社の理念に「社員が幸せになる」が入っている会社は結構あるそうです。
問題は、社員に伝えているか。
口に出すのと出さないのとでは全然違う。
ある会社の系列10社中、最も不幸だった会社でトップがそれを口にして、半年後に真ん中、2年後には1〜2位を争うまでになったという例もあります。
また、前述の女性のような人を各職場に配置するという考えもあります。
アメリカにはチーフ・ハピネス・オフィサーという、職場のハピネス、幸せについて考える役職があります。

──小さい組織だからできる、ということはありませんか。

本書には大企業の実践例としてヤフーを入れました。社員数500人程度の伊那食品と同列に論じられませんが、宮坂学・元社長が「利益と社員の幸せ」の両方が大事だと決断したことで、大きく変わりました。
人事制度は会社が内部に提供するプロダクトという考えはその1つで、コンセプトは「社員の才能と情熱を解き放つ」。
大企業でも幸福な職場を目指せるし目指すべきです。

──幸福学が広まったときの幸せ格差の拡大を懸念していますね。

気づき方の差を心配しています。
経済的に余裕がない層には響きにくい。
気づいた順に幸福になっていくと、差が開きます。
企業などお金がある層には自走してもらい、貧困層の子供、高齢者などをがっちり支えて研究活動していきたいですね。
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2019年07月16日

ニセ科学「ホメオパシー」の実践が危険な理由

ニセ科学「ホメオパシー」の実践が危険な理由
毒物の「ヒ素」でさえ薬にしてしまう謎理論
2019/07/15 東洋経済オンライン

名取 宏 : 内科医

今年2月、参議院議員の山本太郎氏が、日本母親連盟を批判する際に取り上げたことでも注目を集めた民間療法「ホメオパシー」。

ヨーロッパ発祥の民間療法の実践が危険な理由とは?

 同療法に詳しい内科医の名取宏(なとり ひろむ)氏が解説する。
みなさんは「ホメオパシー」という言葉を聞いたことがありますか? 
ヨーロッパ発祥の民間療法の一種なのですが、日本では主に妊婦さんや出産後のお母さん方のあいだでホメオパシーが使われています。
助産師から勧められたり 、母親同士のネットワークで広まったりしているようです。
みなさんも子育て中に「自然療法のホメオパシーを始めたんだけど、子どもの免疫力が上がって副作用もなくて、薬にも頼らなくてすむし本当にいいよ。やってみない?」と声をかけられることがあるかもしれません。

ホメオパシーの利用者は、子どもに対しては化学物質を避け、できるだけ安全で安心なものを使いたいと考えている人に多いようです。

「ヒ素」が薬になる独自理論

ホメオパシーには、毒物を薄めると毒を打ち消す薬になり、しかも薄めれば薄めるほど効果が強くなるという独特の考え方があります。
ヒ素が毒物であることは、みなさんご存じですね。
そのヒ素を水やアルコールといった液体に溶かし、10倍や100倍に薄めて振り混ぜることを何十回も繰り返し、最終的にその液体を砂糖玉に染み込ませたものが、ヒ素の毒に効くという理屈です。
この砂糖玉を「レメディ」と言います。
レメディは錠剤に似ていて、いかにも薬という形をしていますが、薬効成分は含まれていません。

物質としてのヒ素は何度も繰り返し薄められているため、ヒ素のレメディには残っていません。
元の成分は含まれていないため、安全だというわけです。
元の成分が残っていないのになぜ効果を発揮するのかというと、ヒ素の情報が水に記憶されているのだそうです。
水の記憶は「バイタルフォース」や「波動」といった一見科学的に思える用語で説明されることもあります。
でも、効果だけあって副作用はないようなよいものであれば、病院でも使われているはずではないでしょうか。

日本でホメオパシーを利用している医師は、きわめて少数です。
「ホメオパス」と呼ばれるホメオパシーの「専門家」がいるにはいますが、民間のホメオパシーの団体が独自に認定した資格にすぎず、国家資格ではありません。
「水の記憶」や「波動」にも科学的根拠はありません。
ホメオパシーの理論で言えば、ヒ素のレメディはヒ素中毒に効くはずですが、実際にはヒ素中毒に対してではなく、不安や焦燥感に使われています。
ヒ素中毒が、不安や焦燥感といった精神症状を引き起こすからでしょう。
よく言えば柔軟で、悪く言えばいい加減です。

ヒ素だけでなく、ほかにもじつに多種類のレメディがあります。
アロエ、ベラドンナ、毒グモ、ヒゼンダニ、犬の乳、亜鉛、硫黄、水銀など。変わったものでは、ベルリンの壁のレメディや般若心経のレメディがあります。

民間療法というより「加持祈祷」のたぐい

般若心経のレメディがいったい何に効くというのでしょうか。
ホメオパシーの理論によると、般若心経のレメディは般若心経によって生じる症状に効くことになりますが、あるホメオパス(ホメオパシー治療を行う者)のブログによれば、成仏していない霊の憑依(ひょうい)や生霊に使うのだそうです。
もはや民間療法というより加持祈禱の類ですね。

生霊に効かすつもりなら、生霊を何度も繰り返し薄めたレメディを使わなければならないはずですが、さすがに材料の生霊が手に入らなかったのでしょう。
また、レメディは結構お高いです。
例えば、小ビンに入った般若心経のレメディはネットショッピングのサイトで税込2052円で売られていました。
ホメオパシーでは症状に合わせてレメディを選んで使うので、多種類のレメディを準備しなければなりません。
よく使う種類のレメディがセットになったものは1万円以上の値段がついています。

ホメオパスに相談すると、これまたお金がかかります。
保険はききませんので全額自費です。
値段が高くても、効けばまだいいでしょう。
でも、これらのレメディに効果はありません。
薬に効果があるかどうかは、その薬と似たニセの薬と比べてみることで証明できますが、臨床試験でレメディに似せたニセの薬と比較したところ、差がないことがはっきりわかっています
※1 Shang A et al. Are the clinical effects of homoeopathy placebo effects? Comparative study of placebo-controlled trials of homoeopathy and allopathy., Lancet. 2005 Aug 27-Sep 2; 366 (9487): 726–32.)。
レメディには薬効成分は残っていませんから当然です。

レメディに特別な効果がなくても、効いたように誤解することはあります。
例えば、不安に効くとされるヒ素のレメディを飲んで、不安がやわらぐこともあるでしょう。
レメディに特別な効果がなくても、単になんだか薬っぽいものを飲んだことが安心感をもたらすのです。
あるいはレメディを使ったあとに風邪が治ったとして、単に自然治癒しただけなのにレメディが効いたと誤認することもあります。

つまり、ホメオパシーは、いわばおまじないのようなもの。
転んで膝を擦りむいた子どもに、「いたいのいたいの、とんでけー」と言ってあげると泣き止むのと同じです。
薬効成分が含まれていないレメディには副作用はありません。
おまじないとしてはよくできています。
ホメオパシーがヨーロッパにおいて伝統的な民間療法として残ってきたのも、こうした理由があるのでしょう。
おまじないですから、ベルリンの壁でも般若心経でもなんでもありなのです。
おまじないとしてだけ使用されていれば、ホメオパシーの問題点は高価であることくらいでした。
しかし、残念なことに、おまじない以上の効果が信じられているせいで、子どもに実害が生じています。

「ワクチンが毒」という謎理論

インターネットでは、さまざまなホメオパシーの体験談が語られています。
例えば、中耳炎の子どもに対して母親がホメオパシーによる治療を続け、2週間以上も高熱が続いたケースでは、祖父母から「孫を殺す気か」と言われて総合病院を受診し入院となりました。
ホメオパシーは単なるおまじないだとわかっていれば、数日も熱が続けば病院を受診するでしょうに。

この事例は、子どもに必要かつ適切な医療を受けさせていないので、児童虐待の一種である医療ネグレクトとみなされます。 ホメオパシーは「ワクチンは毒だ」という主張と結びついていることもあります。
ホメオパシー団体の言い分によると、「ワクチンの成分を薄めたレメディによって病気が治った。
よって、ワクチンは病気の原因に違いない」ということのようです
※2 日本ホメオパシー医学協会の予防接種に対する見解)。

しかし、先に述べたとおり、レメディによって本当に病気が治ることは証明されていません。
レメディを使ったことによる安心感や、レメディが効くに違いないという思い込みから、病気が治ったと誤認しただけだと私は思います。
実際には、ワクチンはさまざまな病気を防ぎます(※3 Facts for Parents: Diseases & the Vaccines that Prevent Them)。

レメディそのものは、ただの砂糖玉なので安全で無害ですが、「ワクチンは毒だ」という考えは有害です。

ホメオパシーの有害な考えが引き起こした死亡事例もあります。
赤ちゃんは出血を予防するビタミンKが不足しがちなため、本来は生後すぐにビタミンKのシロップが与えられます。
しかし、ホメオパシー団体の指導者は、「ビタミン剤の実物の投与があまりよくないと思うので、私はレメディーにして使っています」
「ホメオパシーにもビタミンKのレメディーはありますから、それを使っていただきたい」などと言っていました(※4 由井寅子 『ホメオパシー的妊娠と出産』 ホメオパシー出版)。

2009年、ビタミンK欠乏症による出血で生後2カ月の赤ちゃんが亡くなるという事件がありました。
その赤ちゃんは、ホメオパシー団体に所属している助産師によって、本物のビタミンKではなく、ビタミンKのレメディを与えられていたのです。
ビタミンKのレメディはただの砂糖玉ですから、ビタミンKの代わりにはなりません。

医療関係者でさえ信じていた

ホメオパシーの指導者たちも、助産師もホメオパシーがおまじないであることをわかっていなかったのです。
この事件は民事訴訟になり、助産師側が和解金を払うことで和解が成立しました。
でも、いくらお金をもらっても、赤ちゃんの命は戻りません。
この事件を受け、日本学術会議は「ホメオパシーに頼ることによって、確実で有効な治療を受ける機会を逸する可能性があることが大きな問題」「医療関係者がホメオパシーを治療に使用することは認められません」という会長談話を発表しました(※5 「ホメオパシー」についての会長談話)。

しかし、残念ながら、医療従事者であるはずの助産師の中には、ホメオパシーを使用している人もいます。
日本助産師会は「助産師がホメオパシーを医療に代わるものとして使用したり、勧めたりすることのないよう、継続的な指導や研修を実施し、会員への周知徹底」を図っています。

もしみなさんが、助産師からホメオパシーを勧められたとしたら、その助産師は日本助産師会の指導に反しているものと思ってください。
ホメオパシーを使用していた助産師は、自然な出産にこだわりがあったようです。
ホメオパシーが受け入れられる背景に「自然は安全で、薬や注射は不自然で危険」という思い込みがあると思います。

中耳炎が治らないのになかなか病院を受診しなかったり、ワクチンを否定したりするケースも、そうした考えが背景にあります。

自然が本当に安全なのか、よく考えてみましょう。
医学が発展するまでは、たくさんの子どもたちが死んでいました。
死亡統計がとられるようになった明治時代には、1年間における乳児死亡率は1000人あたり約150人でした。

ホメオパシーが危険なシンプルな理由

現在の日本の乳児死亡率は1年間において1000人あたり約2人。
つまり、1歳になるまでに1000人の赤ちゃんのうち2人くらいが亡くなるということです。
これは歴史的に見ても、現代において他国と比較しても大変少ない数です。

明治時代の日本では、現代の日本と比べて、約75倍もの赤ちゃんが亡くなっていました。
江戸時代には、子どもの半数が成人するまでに死んだといいます。
その死因の多くが天然痘(てんねんとう)や麻疹といった感染症でした。
天然痘も麻疹も、今ではワクチンで予防できる病気です。

本来の「自然」は、多産多死です。
現在の日本の社会では子どもが亡くなることが珍しくなったためか、自然が本来安全ではなかったことが忘れられています。

「自然は安全」という誤解に基づいて適切な医療を遠ざけるからこそ、ホメオパシーは危険なのです。
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2019年07月17日

「人に迷惑」を異常に恐れる日本人の病理

「人に迷惑」を異常に恐れる日本人の病理
2019年07月16日 PRESIDENT Online
精神科医 和田 秀樹 

今年6月、元農水事務次官だった男性が44歳の長男を殺害するという事件が起きた。
精神科医の和田秀樹氏は「元次官は子育ての悩みを誰にも打ち明けていなかったのではないか。
自分ひとりで問題を抱え込むと、やがて心理的視野狭窄となってしまう。
元次官には『甘える勇気』が足りなかった」という――。

■東大法学部→農林水産事務次官→長男殺害の、残念すぎる末路
今年6月、東京大学法学部卒で元農林水産事務次官の熊沢英昭容疑者(76歳)が44歳の長男を包丁で殺害し逮捕された事件は、まだ記憶に新しい。
事務次官ということは、省庁での出世競争に勝ち抜いてトップになったということだ。
東大を出たからといっても必ずしも、官僚のトップには立てるわけではない。
この次官はエリート中のエリートにもかかわらず、なぜ実の息子を殺すなんていうバカなことをしたのか。

このニュースが耳目を集めたのは、息子が中学2年生くらいから家庭内暴力を始め、引きこもりに近い生活をしていたということもある。
ちょうど、「8050問題」が話題になっていた。
5月28日、バス停にいた私立カリタス小学校の児童や保護者ら20人が殺傷された川崎殺傷事件。
犯行後に自殺した岩崎隆一容疑者(51歳)が長年引きこもり生活をしていて、その面倒を80代の伯父夫婦がみていた。
この事件をきっかけに、引きこもりが高齢化して50代となり、親が80代で破綻寸前の家庭がたくさんあるという8050問題についての報道が再燃したのだ。
元次官の息子殺しのケースは7040問題というほうが正確だが、高齢の親が中高年の引きこもりを殺したという点では、家庭の構造は8050問題と同じと言える。

■「息子があの事件の容疑者のようになるのが怖かった」
44歳の長男は元次官の妻である母親に暴力をふるっていたという。
事件当日は、家に隣接する小学校で運動会をやっており、これに対して「うるせぇな。ぶっ殺してやるぞ」と長男は騒いでいた。
ここで口論が起こり、その際、元次官の頭に川崎の事件がよぎり、「息子があの事件の容疑者のようになるのが怖かった」「周囲に迷惑をかけたくないと思った」と供述したという。

多くの引きこもりの子、とくに家庭内暴力をふるう子を持つ親なら、あるいは、想像力のある人なら、この気持ちは痛いほどわかるかもしれない。
とはいえ、人を殺していいわけがない。
裁判では情状酌量を受けるだろうが、殺人で執行猶予がつく確率は高くない。
元次官は、その瞬間、やはりバカになったのだと私は思う。
その心のメカニズムを考えてみたい。

■元事務次官のエリートは「バカ」になったのか
ひとつには心理的視野狭窄がある。
確かに川崎の事件はセンセーショナルなものだったが、引きこもりの子どもの多くはそうした凶悪な犯罪を起こさない。
引きこもりの人は今、全国に100万人くらいはいると推定されているが、8050問題と言われるようなケースであんな大量殺人を起こしたケースはこれまでになかったのではないか。

元次官は農水省トップとして日常の仕事の中で各種統計にも触れていたはずだ。
客観的な「数字」で状況を冷静に分析・判断する。
複数のデータを照らし合わせて、事実を突き詰める……。
息子を殺すという行為にはそうした理知的なものが一切含まれていない。
息子を生かしてはおけない。そんな気持ちに支配され、自分の恐れていることにばかりに目がいってしまう心理的視野狭窄の状況に陥ると、自分の考えや予想は100%正しいと思い込んでしまうことがある。
その結果「殺人」という行動になってしまったのではないか。

■「なぜ周囲に助けを求めなかったのか」
精神科医である私が不可解に思ったのは、元次官が「なぜ周囲に助けを求めなかったのか」ということである。
私のクリニックは主に高齢者を対象とする。
患者の中には、精神障害者の子をもつ親世代の患者もいるが、8050問題に当てはまる人がいるかどうかはわからない。
これまでのところ、そうした事情を吐露する患者はいなかった。

一方、その逆はかなりの人数を診ている。
要するに、老親の介護を抱え込みうつになってしまうようなケースだ。
実際、これは8050問題と比較にならないくらいの悲劇を生んでいる。

介護をする子どもが高齢者の親に対して暴力を働いて殺したりケガをさせたりするケースは少なくないが、それ以上に多いのは、親を世話する子どもの側が介護うつとなるケースであり、中には自殺にまで発展する深刻なケースもある。
幸いなことに、私の患者には「介護殺人」「介護自殺」に関わった方はいないが、介護でうつになった方はかなりの数になる。
とりわけ長年、親を在宅介護していて精神的にも肉体的にも限界にきているにもかかわらず、介護施設に親を預けることに対して強い罪悪感を抱き、自分が無理に無理を重ねダウンしてしまう事例が多い。
また、介護保険を使った介護サービスを利用することにさえ抵抗感をもって、自分ひとりで介護を抱え込んでしまったケースもある。
これまで税金や介護保険料を払い続けてきたのだから、もっと「公」に頼っていいのに、あるいは周囲の人に頼っていいのに、それができなかったばかりにうつになり、共倒れの状況になってしまう。

■誰にもSOSを出せぬまま30年間が過ぎた結果
おそらく、件の元次官も自分が元官僚という立場にあるという世間体や見栄などが災いして、周囲に弱みを見せたり、泣き言を言ったり、あるいは公的なサポートを受けることができなかったのではないか。
ある週刊誌の記事では、農水省時代の同期が、事件を起こす直前の元次官の様子に関するコメントを紹介していた。
「いつも通り、元気そうに見えましたけどね。
息子さんと娘さんがいることは何となく知っていましたが、その時も特に家族の話はしていませんでした」(『週刊新潮』2019年6月13日号)
かなり追い詰められた状況にいながら、人に一切弱みを見せることができなかったようだ。
おそらく相談に乗ってもらう人もいなかったのだろうし、公的機関に相談に行くこともなかったのだろう。
そんな日が、被害者が中学生の頃から30年も続いていたことになる。

■なぜ日本人論の名著『「甘え」の構造』が読まれなくなったのか
これでは心理的視野狭窄が起こってもしかたない。
ただ、これは子が親を看る、親が子を看る介護や面倒の話に限ったことではない。
宗教学者の山折哲雄氏が以前、面白い指摘をしているのを目にした。
それは、戦後の日本を象徴する日本人論の2つのベストセラー『タテ社会の人間関係』(中根千枝著、1967年刊)と『「甘え」の構造』(土居健郎著、1971年刊)のうち、タテ社会のほうは今でも売れ続けているのに、『「甘え」の構造』のほうは2000年を境に読まれなくなったということだ。

要するにタテ社会は今でも続いているが、甘えを基盤とする社会が崩壊したのではないかという指摘である。
『「甘え」の構造』はタイトルから誤解されることが多いが、「甘え」を悪いものと考えるどころか、それができないことによって引き起こされる病理を問題にしたものである。
素直に他人の好意を信じることができないから、すねたり、ひねくれたり、ふてくされたり、被害者意識を高めたりする。

確かに山折氏が指摘するように、2000年になる少し前くらいから、日本型の「終身雇用」や「年功序列」が悪い甘えの象徴とされ、「企業の系列」ももたれあいとか甘えとか言われて断罪された。

■セーフティネット「生活保護」受給者をたたく日本社会
さらに生活保護についても、もともとは不正受給が問題とされるべき議論が、いつの間にか「生活保護の人がワーキングプアの人より収入が多いのはいかがなものか」という論調に変化し、政府に頼る受給者に対するバッシングへとつながっていった。
誰もが生活保護というセーフティーネットの世話になる可能性があるにもかかわらず、生活保護で国に食わせてもらっている人はけしからんという空気が醸成されたのである。

人に甘えることが許されなくなった事例は他にもある。
昔は酒の席では、年齢や肩書に関係なく無礼講で言いたいことを言ってもいいことがあった。
いわば「甘え」を認める文化だったが最近は、無礼講と口では言いつつ、その実、暗黙の了解があり、場の空気を壊す人間をKYなどと言って断罪するようになった。

■逆に欧米では相互依存の重要性が強調されるようになった
皮肉なことに、日本が「甘え」から「自立」を目指す社会や文化に変貌している際に、欧米では相互依存の重要性が強調されるようになってきた。

私が90年代初頭のアメリカ留学中から学び続けているハインツ・コフートの自己心理学は心理的依存の重要性を説くもので、現在アメリカでもっとも人気のある精神分析理論である。
自立を求めてつい無理をしがちなアメリカのエグゼクティブにこれが受けているようなのだ。
また、日本でも一世を風靡した「EQ(こころの知能指数)理論」でも、感情のコントロールと同時に重視されるのは共感能力であり、いい意味で「相互に依存する」ことが人間関係を豊かにする重要性が説かれている。
この応用編の理論の中では、暴君型のリーダーシップは古く、共感型リーダーこそあるべき姿として説かれている。
またハーバードやMITのような名門大学で「共同研究のスキル」を教えるようになったことも紹介されている。

■「嫌われる勇気」以上に「甘える勇気」が大事
これは道徳論ではなく、ひとりの能力では限界があるから、助け合える点は助け合って成果を高めようというアメリカ流のプラグマティズムに基づくものだ。
人に頼ることや救いを求めることが、日本社会ではとてもハードルの高いものになりつつあるが、そこで勇気を振り絞って、人に頼り救いを求めることで展望が開けることもあるはずだ。
少なくともメンタルヘルスの改善を期待することができる。

今回の元次官の事件は、こうした「甘える勇気」の欠如がその根底にあると私は解釈している。
それがないと、賢い人ほどメンタルにどんどん追い込まれ、うつ的症状になって本来の能力が発揮できなくなる。
最終的には心理的視野狭窄を起こして、最悪の判断や行動をとってしまう。

「甘える勇気」があれば、メンタル面で健康度が上がって判断・決断も健全なものになる。
また、人との協働によってパフォーマンスを向上させることができる。

今の日本人に、とりわけ頭のいい人がバカにならないために身に付けるべきなのは、「嫌われる勇気」以上に「甘える勇気」だと私は考えている。
その理論や心の持ち方について詳しく論じた『甘える勇気』(新講社)という本を上梓したので参考にしていただけると幸いである。
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2019年07月18日

競争激化でコンビニ疲弊 オーナー時短提案も本部が拒否

競争激化でコンビニ疲弊
オーナー時短提案も本部が拒否
琉球新報社 2019/07/17

 コンビニエンスストア最大手セブン―イレブンの進出で、競争がより一層激化する県内のコンビニ業界。
既存店のオーナーたちは24時間営業や慢性的な人手不足の問題を抱える中、「そもそもの働き方が問題。本部との契約やコンビニエンスストアを見直してくれないと体が持たない」と悲鳴を上げる。

「まるで小作農だ」と訴えるオーナーもいる。
 「令和になれば働き方も変わると期待したんだけど。疲弊しきってるよ」。
本島中部のあるオーナーは、寝不足で充血した目をこすりながらつぶやく。
人手不足は深刻で、2人の店員がレジと品だしでせわしなく働く。
「小さい子どもがいるが、家族がそろう時間がない。
夫婦で店舗に出るため下の子の朝ご飯は長女が準備している」と話す。

 人手不足を背景に24時間営業の見直しを求めるオーナーは多い。
客の出入りが少ない深夜にアルバイトを置くのは効率が悪いと感じている店舗もある。
人件費を削るため、自ら夜通しで働くオーナーもいる。

  本島南部のオーナーは「深夜営業はオーナーからすると人件費がかかるだけ。
でも本部にとっては一つでも商品が売れたら利益になるから、時短営業をさせてくれない」と話した。

 一方、24時間営業に肯定的な意見もある。
ある店長は「深夜搬入の商品もあり、店の運営を考えると深夜も人がいる必要がある。
店を開けた方が効率がいい部分もある」と話す。

商品の管理上、冷蔵施設や空調は店を閉めている時間帯も稼働させる必要があるため「深夜でも一定数の客入りが見込める店舗では、24時間営業に賛成する声が多いだろう」と強調した。

 ある大手コンビニは時短営業をする場合、本部に支払うロイヤルティーと別に、売上金の数%を払う必要がある。
南部のオーナーは「この数字は僕らにとってとても重い」と語る。

 県内で既存のコンビニ4店舗を経営するオーナーはアルバイトが足りず、店長と共に夜通し働く。
従業員を守るため、「数%を払うから時短にしたい」と相談したが、本部は「セブン進出に一致団結するとき。今は駄目だ」と拒否された。

 別のオーナーは「本部にロイヤルティーとして売上総利益(売上高から商品の仕入価格を除いたもの)から50%を引かれる。
そこから人件費やストロー、レジ袋、水道代などの雑費が引かれるので手元に残るのはわずかだ。
従業員を社会保険に加入させてあげられず、福利厚生を整えられないので人も集まらない」と訴えた。
                    (石井恵理菜、外間愛也)
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お線香を折らずに持ち歩けるライフハック・・・

お線香を折らずに持ち歩ける
ライフハック 粉チーズの
空き容器大活躍
2019年07月16日 おたくま経済新聞(梓川みいな)

 お盆のお墓参りで持っていくお線香。箱のままだとかさばるし、かといって裸で持ち出すとポキポキ折れてしまうし……。そんな時のためのライフハックがツイッターで紹介され、マネしたいという人が続出しています。

 「春にお墓参りに来た義父がパルメザンチーズに線香入れてきてクッソ笑ったので今回ウチも入れてみた。
サイズピッタリだし使いたい分だけ出せるのすごくない?」と、線香入れと化した粉チーズ容器の写真をツイッターに投稿した、ネットユーザーのサチヨさん。

 桜の香りのお線香の箱の横には、粉チーズの容器からちょっと飛び出しているお線香が。程よい感じにお線香が出てくる蓋の部分が、使い勝手がよさそうです。
長さもお線香にピッタリサイズ。

 これを見た人たちからは、「ショートサイズにチョコベビーのプラ容器を使っているけどこれがちょうどいい」とか、「マーブルチョコの空き容器もピッタリサイズで、化粧ブラシもピッタリ」など、実際にリサイクルして使っている人からのリプライが。
 どの容器も、かさばらずにサクッと出し入れしやすい大きさなので、使い勝手がよさそうです。

湿気や衝撃にもある程度強いのも魅力。
しかし、うっかり線香入り容器を食卓の上に置いてしまうと、スパゲティの上にお線香が……という惨事につながりそう。

マーブルチョコの容器なら、まだ開けてみて「チョコ入っていないんかーい」で済まされそうですが。
 粉チーズの容器でも、プラスチック容器なら外装フィルムを剥がすことができるものが多いと思いますので、お線香用など他の用途に転用する場合、外装フィルムは剥がしておくと良いかもしれません。
中身も見えやすくなり、残量確認もしやすくなりますね。
剥がせないタイプなら、大きく「お線香入れ」と書いておきましょう。

 これから本格的なお盆シーズン、今までお線香用の入れ物を持っていなかった人は、こんなリサイクルもいいかもしれませんね。

? <記事化協力> サチヨさん(@sachiyodx2010
posted by 小だぬき at 06:57 | 神奈川 ☀ | Comment(6) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月19日

悪質クレーマーの多くは“かまってちゃん”。どう対応するのがベスト?

悪質クレーマーの多くは“かまってちゃん”。
どう対応するのがベスト?
2019年07月18日 SPA!

悪質クレーマーによる暴言、脅迫、長時間拘束……店員に対して悪態をつきまくる「カスハラ(カスタマーハラスメント)」の問題が深刻化。
理不尽な怒りをぶつけ、不当な要求をしてくる客に堂々と「NO」を突きつける社会はやってくるか!?

◆対抗策の要となるカスハラ加害者の正体
 カスハラに遭遇した場合、スタッフとしてどのように対応したらいいのか。
石崎冬貴弁護士が解説する。
「まずは相手をなだめるためにも『不快な思いをさせて申し訳ありません』と謝ってしまいましょう。
謝罪をしたからといって、法的責任を認めることにはなりません」

 反論はせず、相手の言い分をしっかりと聞くことも重要だ。
その上で店側の見解を相手に提示するが、約束と捉えられることは言うべきではない。
「責任者がいてもその場では回答せず『持ち帰って検討します』と対応します。
相手の勢いにのまれてしまったり、言った言わないの話に発展する恐れがあるためです」
 その後も電話などで執拗に追及してくる場合は「誤解が生じないように、記録が残るメールでやり取りしましょう」と提示するのが効果的。
電話よりもメールは手間がかかるので、面倒になってトーンダウンするケースが多いという。

「カスハラの多くは、誰かにワガママを聞いてほしい“かまってちゃん”なんです。
理屈が通じる相手ではないので、理不尽な要求に対しては『申し訳ありません。できません』という対応を淡々と繰り返すのがベストです。
相手はつまらなくなって、長くても1か月くらいで必ず姿を消します」

 現場任せにするのではなく、企業側がカスハラを想定しておくことも必要だろう。
UAゼンセンの見解を波岸氏は次のように述べる。
「社内でカスハラの対応策や窓口をあらかじめ決めておき、一定の判断基準をつくっておくといいですね。
行き過ぎた迷惑行為などの禁止・処罰規定を定めた“悪質クレーム対策法”の制定も必要でしょう。

サービスを受ける側も与える側も、本来は対等な立場のはず。
啓発活動もしながらお互いが尊重し合える社会をつくっていきたい」
 客商売をしている限り、カスハラは必ず起きるもの。
毅然とした対応で乗り切りたい。

◆<怖がらなくていい! カスハラの脅し文句>
●「ネットに書くぞ!」……「悪評を書く人は何をしても書くと割り切って、星1の評価よりも星5を多く獲得することを目指しましょう」(石崎弁護士

●「訴訟するぞ!」……「理不尽な要求をもとに裁判を起こしても勝てるわけがないので、実際に行動を起こす人はまずいません。たいてい口だけです」(同)

●「消費者センター」に訴えるぞ……「カスハラ対応に慣れている人たちにバトンタッチしてもらえるので、むしろ好都合。こちらは何も痛くありません」(同)

取材・文/西谷 格 ツマミ具依
― カスハラ現場の悲鳴 ―
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(4) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月20日

れいわ新選組・山本太郎氏「世の中変わるなら捨て石上等」

れいわ新選組・山本太郎氏
「世の中変わるなら捨て石上等」
2019/07/18 日刊ゲンダイ

財政規律、財政再建と言う政治家はDV野郎です」
 21日投開票の参院選でもっとも注目されるのが、山本太郎代表が立ち上げた「れいわ新選組」の動向。
テレビ中心に大手メディアが存在を黙殺する中、街頭では大勢が立ち止まり、演説に耳を傾け、寄付をする。
その映像がネットで拡散され、著名人もがSNSで応援する。
かつてない社会現象だ。
 ◇  ◇  ◇
 ――投開票日が迫っていますが、手応えは?

 反応はすごくいいです。公示日は(立候補)届け出がギリギリ、ポスターも張れてない、第一声でのぼりもない、選挙カーもないというスロースタートでしたが、どこへ行っても感触はいい。

 ――12日の品川駅前での街頭演説「れいわ祭」はかなりの群衆で、どんどん膨れ上がっていきました。何が有権者を引きつけていると?  

自分で聞いてみると、退屈な演説だなと思うわけです。
きのう(12日)も映像を確認して吐きそうになったんです。
イケてなさに。
ただ、分かりやすいというのはあるんじゃないですか。
山本太郎でも理解できるんだから、みんな理解できる。
それ以上でもそれ以下でもない。
それと、本気の捨て身って、なかなかないじゃないですか。
僕も野原さん(東京選挙区に出馬した野原善正候補)も、世の中が変わるんだったら、捨て石上等のつもりでやっている
そういうところが伝わっているのなら、面白がる人がいるかもしれないですね。  

――寝ている票の掘り起こしは狙い通りですか。

 今の時点で何とも言いようがないです。
蓋を開けてみないと。
無党派に対して他の政党は伸びしろが少ないと思うんですよ。
そうした中で、伸びしろ「しか」ないのが僕たち。
グラウンド・ゼロから始まっていますから。
(有権者の)視界に選択肢として映ればもっと面白くなると思うんですが、ネットなどの一部のメディアでしか取り上げられない。
強制的に垂れ流すテレビでは、僕らの存在は扱われない。
それは想定済みで分かっちゃいるけれど、大変ですね。

――確かに、テレビではほぼスルーされています。

 政党要件を満たさないので扱われないようなのですが、そうは言っても、国会議員1人が旗揚げしたグループが3億円の寄付を集めて、演説会場はどこよりも盛り上がっている。
ひとつの現象として取り上げられてもいいのでは、と正直思いますね。
もっとも、演説内容はスポンサーサイドにとって好ましくないでしょうから。
テレビは商業主義ですからね。

 ――低投票率が懸念されています。

 ハッキリ言って、みんな政治どころじゃないんですよ。
「立憲主義に基づいた政治を行う」っていくら訴えても、多くの人はそれどころじゃない。
生活が本当に苦しくて、目の前のことで精いっぱいという声をたくさん聞いてきました。
こうした声を私よりも聞いてる先輩はいっぱいいると思うんですよ。
それなのに、消費増税とか、増税凍結どまりとか。
「ナニ寝言言ってんだ」ってことは、与野党に言いたいですね。
(この国の経済状況は)20年続いたデフレから脱却して緩やかなインフレみたいな話になっていますが、いまの状況でプライマリーバランスの黒字化だとか、財政規律だ、財政再建だとか言っている政治家は与野党関係なくDV野郎ですよ。

■「政治に緊張感を生む存在を目指す」
 ――キツイですね。

 ここまで地盤沈下した中で財政規律だの、財政再建だのっていうのは、国民にとって暴力行為です。
殺す気か、という話でしかない。
消費増税を容認する人たちと、消費増税凍結を訴える人たちの未来デザインはほぼ一緒。
消費税廃止を掲げる僕たちとは描く将来像が全く違う。
 凍結では、いずれ解凍されて増税に向かってしまう。
消費税という大きな基幹税制を残し続けるということ。
逆進性が強かろうが、中小企業の首が絞まろうが、消費税を大企業の補填に使い続けていくということ。
違いは時期だけで、消費増税も増税凍結も大きく変わりません。

この国に生きる人への愛とカネが足りない

 ――「れいわ祭」で「政権を取りに行く」と宣言していました。

 万年野党という座を手に入れるために政治団体を旗揚げしたのではないですから。
この参院選ではできれば10人、そこまでいかなくても可能な限りを議会の中に送り込んでいただいて、市民の運動から初めてできた政党としたいんです。
参院選で得た議席によって、政治に緊張感が生まれるような存在をめざす。
仕事をする政党だと認識してもらえれば、次の衆院選で今回より議席を増やし、3年後の参院選とステップを踏んで、その先を狙っていけると思っています。

 ――「政治に緊張感」と繰り返しています。

 国会は結局、与党のリズムで進んでいて、なりふり構わずやってくる。
相手が常軌を逸しているのだから、こっちもトコトン抗わなきゃ野党は甘く見られる。
例えば、委員会の強行採決で委員長を取り囲んでも、脇や後ろにいるだけで前はスカスカ。
要は正面から(カメラに)撮ってもらえば抵抗している感じは出る。
そういう演劇みたいなこと、やめた方がいいですよね。
 ガチンコで喧嘩をしにいく野党に変われば、与党も今のペースで物事を決められなくなる。
有権者の政治に対する見方も変わり、もっと興味を持っていただけるようになる。
他の野党が貴族みたいな戦い方をしていたら、僕たちと温度差が出て、有権者に「どうしてもっと必死にやらないんだ」とバレてしまうから困るわけです。
僕たちの存在が緊張感を生む出発点になれればと思います。

 ――野党は本気の捨て身を見せ切れていないから、有権者の支持が高まらない。

 みんなダメだと言う気はありません。
与党の中にも心ある人がいるし、でもその中で公認を得られなくなるから黙っている人たちがいる。
野党の中にも素晴らしい人たちはいて、とてもじゃないけどかなわないっていう人たちが山ほどいます。
けれど、ここ一番抗うべきという場面で気合が足りないというか。
権力闘争なんだから、権力を奪うということに対してのこだわりや執念が感じられないってことですね。

 ―――それでも国会は「数」が必要。他の野党の仲間もつくらなきゃいけないですよね。

 国会の中はものすごくシンプルで、カネがあるか、票があるか、自分が次も議員でいられるか、が一番重要なんです。
選挙が始まる前に10億円集まっていたら、現職の国会議員が動いていた可能性があると思います。
そうは言いながらも、野党との関係性も重要だとは思っています。
この6年間、政治をぶっ壊してきたのは与党なのですから、野党は1議席でも減らさせてはダメだし、当然、手を組んでいく人々だと思っています。

 ――投票率が低くなりそうなのは、「選挙に行っても何も変わらない」という諦めもあるように思います。

 分野の違う話ですけど、高校野球ってなぜあんなに燃えるのかというと、緊張感ですよね。
1回きりの勝負をガチンコで戦わなきゃ次に上がれない。
そこに磨き抜かれたテクニックを競うプロ野球との違いがある。
700人以上いる国会議員のほとんどがプロの政治家。
そこに高校球児みたいな集団が紛れ込んで、粗削りだけれども「ならぬものはならん」と空気を読まないでやるべきことをやる。
政治が面白くなって、期待感が膨らむと思うんですよね。

――今の政治に足りないものは何でしょう?

 この国に生きる人々を思う気持ちですね。
20年以上もデフレで、圧倒的に日本だけが成長していない。
要は国からの投資がないってことです。
揚げ句の果てに、貧乏になって、生産能力も低くなり、衰退国家の入り口に立っている。
この20年は、この国に生きる人々への愛とカネが足りなかった歴史なんじゃないですか。
衰退が加速しても、形としては国は残る。先に倒れるのは人々ですよ。
 行く末は究極の自己責任社会。
生産性で人間の価値が測られるのですから、将来的に命の選別まで迫られる可能性が高いだろうと思っています。
だからこそ、寝たきり界のトップランナーや重度障害者の方が国会に入ることによって、生産性で物事を語ったりとか、命の選別にブレーキをかける。
それで特定枠を使ったんです。
国会が真剣に取り組まなきゃいけないテーマを突き付けられるということです。
    (聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)


山本太郎(やまもと・たろう) 
1974年兵庫県宝塚市生まれ。
高校在学中に「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(日本テレビ系)の「ダンス甲子園」に出場し、芸能界入り。
俳優として活躍。
3・11後に反原発活動を始め、12年の衆院選(東京8区)に無所属で初出馬するも落選。13年の参院選(東京選挙区)で初当選。
自由党共同代表などを経て、今年4月に政治団体「れいわ新選組」を旗揚げ。
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安倍首相と山本太郎の政見放送動画が異例の130万回再生 「#消費税廃止」が争点に急浮上

安倍首相と山本太郎の政見放送動画が異例の130万回再生 「#消費税廃止」が争点に急浮上
2019/07/19 AERAdot..(西岡千史)

7月21日投開票の参院選が終盤に入った。
各党の幹部議員は、激戦区を中心に全国を飛び回ってラストスパートに懸命だ。

 そのなかで、街頭演説で黒山の人だかりをつくっているのが、れいわ新選組の山本太郎代表だ。
デフレ脱却のための「消費税廃止」を政策の中心に据え、参院選を足がかりに「政権を取りに行く」と訴える。
 ただ、4月に設立されたばかりのれいわ新選組は国会議員5人以上などの政党要件を満たしていないため、テレビや新聞への露出は限られている。
にもかかわらず、SNSを中心にインターネット上では、れいわに関する投稿や動画であふれている。

 なかでも注目されているのが、山本氏の政見放送だ。
ツイッター上では「はじめて政見放送で泣きました」
「全ての政見放送をみて唯一心に響いた」などの投稿が相次ぐ。

『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』の著書があるノンフィクションライターの畠山理仁氏は、こう話す。

「れいわは政党要件を満たしていない『確認団体』なので、テレビ出演や討論会に出ることができませんが、政見放送は“動く候補者”が放送されます。
政党要件を満たさない政治団体にとって広告効果が高く、力を入れる候補者は多い」  

 確認団体の政見放送では「NHKから国民を守る党」(N国)も話題を集めている。
同党の立花孝志代表の動画は、“笑える”政見放送としてYouTubeで270万回を超える再生回数となっている(19日現在、以下同じ)。
 一方で、有権者に向けて一人で日本の課題と政策を語りかける山本氏の政見放送も約84万回の再生回数を記録。
安倍晋三首相が出演した自民党の約13万回や、立憲民主党の枝野幸男代表の約2万回を上回っている。

 7月9日には、山本氏と、安倍首相と三原じゅん子参院議員による自民党の政見放送を比較した動画がツイッターで投稿された。
こちらの再生回数は130万回超、2万回以上シェアされた。
 動画の冒頭は、山本氏の訴えから始まる。

「現在の日本、子どもの貧困、約7人に1人。高齢者の貧困、5人に1人。一人暮らしの女性貧困、3人に1人。このままでは、この国に生きる人々は持ちません」
 ここで、安倍首相と三原氏による政見放送に切り替わる。
三原氏は好景気に沸く日本を紹介する。
「アベノミクスのもとで、経済は好調ですね。
史上初めて47すべての都道府県で、有効求人倍率は1倍を超えています。
地方の観光地に、たくさんの外国人の方々が押し寄せ、にぎわっているという話もよく聞きます。
消費額にして4兆5000億円の一大産業が生まれ、地方経済も明るさを増しています」

 同じ日本の話なのに、まったく違う世界。
動画を紹介したツイッターの投稿でも、こう書かれていた。

<2つを対比すると、まるで日本という国の中に、全く違う別世界が存在するかのように思える。
安倍総理と山本太郎さん。
どちらが言ってることが正しいのか。
もはや日本は完全に分断されてしまったのだろうか?>

 報道機関の情勢調査などではれいわの獲得議席数は1〜2議席と予想されている。
れいわの選対関係者も「インターネットや街頭演説で話題になることと、実際の投票行動は別」と冷静だ。
れいわは今回、比例区で二人の障害者を特定枠に入れているので、山本氏が当選するには、比例区で3議席以上獲得しなければならない。

山本氏の戦略はどこにあるのか。前出の畠山氏は言う。
「山本氏が比例区に回ったことで、れいわ支持者から『何とかしなければ』という気運が高まりました。
一方で、比例区で得票率2%以上を獲得して政党要件を満たせば、山本氏が落選しても、テレビの討論番組に政党の代表として出演できます。
次の国政選挙でも、山本氏の選挙運動が拡大する可能性は高い」

 山本氏が掲げる「消費税廃止」は、ツイッターで投稿されるキーワードのトレンドで上位に入り、参院選の争点に急浮上している。
立憲は消費増税は「凍結」と公約しているが、激戦の選挙区では一歩踏み込んで「廃止」を訴える同党の候補者も注目を集めている。
国民民主党や日本維新の会、共産党なども、消費に悪影響が出るとして、消費増税の中止を訴えている。

 政見放送の比較動画で山本氏と安倍首相が主張した2つの日本。
有権者が見ているのは、はたしてどちらの光景なのか。
そして、どの政党の政策が「課題大国」の日本に有効なのか。
有権者に見えている「日本の現在」が、選挙の行方を決める。
           (AERA dot.編集部/西岡千史)
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2019年07月21日

保守が動けば世の中マシに 安倍一味から日本を取り戻せ

保守が動けば世の中マシに
安倍一味から日本を取り戻せ
2019/07/20 日刊ゲンダイ
適菜収 作家

 参院選が近づいてきた。
今回は政権選択選挙ではないが、これまでの政権運営に対して評価を下すチャンスでもある。
安倍晋三はすでに勝敗ラインを「非改選議席も含めた過半数を、自民党、公明党で確保」とかなり少なく打ち出している。  これをクリアすれば、選挙が終わった後に「国民の皆さまからのご理解をいただいた」などと言いながら、対米隷属憲法への改正など、日本解体の総仕上げにかかる予定なのだろう。

7月10日、トランプがイラン沖などを航行する民間船舶を護衛するために日本政府に協力を打診していたことが判明。
「米国第一主義」の安倍が尻尾を振りながら追従するのは火を見るより明らかだ。

 それでも自民、公明、維新が大敗すれば、これまでのようにやりたい放題はできなくなる。

私は日本の将来に悲観的だが、その一方で前回の選挙に比べて明るい兆しが見えてきたのも事実である。
 遅きに失したとはいえ保守(ビジネス保守・愛国カルト・ネトウヨは除く)も声を上げ始めた。
先日は改憲派の代表的論者、慶応大学名誉教授の小林節が共産党支持を明確に打ち出した。
 右翼団体の一水会も〈今こそ、対米従属・自民党幕府の売国、腐敗を断罪する救国維新派の「処士横議」が重要だ〉とツイート。

 大阪では自民党支持層の一部が共産党の辰巳孝太郎候補支持に流れている。
自民党大阪府連が官邸の意向に屈し、大阪市解体の住民投票実施賛成に寝返ったので当然だろう。
野党は32の1人区すべてに統一候補を擁立した。
保守層や改憲派の票が野党に集まれば、世の中は今よりはマシになる。

「れいわ新選組」は安倍政権の売国政策(TPP、水道法、カジノ法、漁業法、入管法、特定秘密保護法、国家戦略特別区域法など)の一括見直し・廃止を唱えている。
ここまで明確に反構造改革を打ち出しただけでも、高く評価しなければならない。

これはアメリカのサンダース現象に似ている。
2016年大統領選の民主党予備選ではヒラリー・クリントンを強く批判。
格差是正やTPP反対、マイノリティーの権利保護などを訴え、ネット経由で巨額の献金を集めた。
 世界史的地殻変動はすでに始まっている。
日本人は今こそ立ち上がるべきだ。
急進的グローバリズムと決別し、安倍一味から日本を取り戻すべきだ。
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2019年07月22日

九州で大雨、5万7千人に避難指示 佐賀で小学生が死亡

九州で大雨、5万7千人に避難指示
佐賀で小学生が死亡
2019/07/21 朝日新聞社

福岡、佐賀両県は20日から21日にかけて、24時間あたり300ミリを超す記録的な雨量を観測した。
福岡県では一時、計5万7千人に警戒レベル4にあたる避難指示(緊急)が出された。
22日も降雨が予想されることから、気象庁は引き続き土砂災害などに対する警戒を呼びかけている。

 朝鮮半島に進んだ台風5号と太平洋高気圧の影響から、暖かく湿った空気が流入し、大雨をもたらした。

 気象庁は、21日午前5時50分までの1時間のレーダー解析で110ミリの大雨が降った可能性があるとして、福岡県久留米市、佐賀県鳥栖市とみやき町に「記録的短時間大雨情報」を出した。

 21日午後2時10分までの24時間降水量は、鳥栖市で323ミリ、久留米市で306・5ミリにのぼった。
ともに観測史上最多を更新した。
久留米市では、18日の降り始めからの降水量が平年の7月の1カ月分を超えた。

福岡県では、久留米市と朝倉市の一部、筑前町全域の計2万2千世帯5万7千人に避難指示が出された。
 久留米市では、避難しようとした女性(94)が転倒し、胸の骨が折れる重傷。
福岡県によると、4カ所で土砂崩れ、床上浸水4件、道路の冠水などの被害が38件あった。

 久留米市では、冠水した道路の中に車が取り残されたり、水しぶきを上げながら走行したりした。
久留米市に隣接する同県小郡市にある「イオン小郡ショッピングセンター」は、周辺が冠水したことなどから、臨時休業を決定。同店は昨年7月の西日本豪雨で浸水し、2カ月以上休業した。

 九州北部は22日正午までの24時間雨量が120〜150ミリと予想されている。

 また、佐賀県唐津市の県道では、20日午後11時半ごろ、倒れた松の木に軽乗用車が衝突しているのを通行人が発見。
助手席に乗っていた近くの小学生、川崎辿皇(てんこう)さん(11)が病院に運ばれたが、胸を強く打ち死亡が確認された。
運転していた母親の飲食店従業員、明日香さん(37)は軽傷を負った。
 唐津署は、風や雨で松が倒れた可能性もあるとみて調べている。
現場は、国の特別名勝「虹の松原」を走る県道。
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参議院選挙での希望

参議院選挙での希望
2019.7.22  小だぬき
下の動画を見て このような動画を作れる人の感性とチャンネル登録の数に まだまだ「希望」を捨てるのは、早いなと教えられました。
*******************************
たかまつななチャンネル
2019/07/12 に公開
チャンネル登録 2.2万
【たかまつななチャンネル登録お願いします】
チャンネル登録3万人目指しております。
******************************
れいわ新選組の選挙活動をみて 若者から年長者までが自らの意思で街頭演説に参加し 山本太郎氏と立候補者の多彩な人たちと一体となって「世の中 変えよう」という熱気に、そしてボランティア・カンパで一緒に戦う人の多さに 久しぶりに共産党入党した時の「革命の夢」を思いだしました。

共産党離党した訳は 以前書いたのですが、
一番大きな点は 世の中の不条理・貧困を党員として解消したいと決意したから入党したのですが、
労働現場でストライキ態勢を作り いざ突入という直前 「地域、保護者の理解を得て」などと 事実上 永遠に教育労働者のストライキができないような指示。
議会を見ても「悪法に徹底的に反対しました、でも成立しました」の連続。採決に持ち込まれたら負け続けるのは明らか。
支部活動でも職場問題より 赤旗拡大、党員拡大、供託金募金、本部建て替え募金、中央委員会決定の読了運動・・・
何か党活動のために精神的に疲れ 真面目に取り組めば取り組むほど お金が消えていく・・・。
人事も職場分会の状況や私の希望・了解なしに 教職員委員会の決定で組合の要請の形で降りてくる・・・。
離党は「夢を感じられる組織でなくなった」という理由でした。

でも山本太郎氏のれいわ新選組は 「生活での貧困や困難、格差・差別」される90%以上の弱者ために身体を張って その人たちの願いに応える「抵抗勢力」「ガチンコ対決する」政治勢力と位置づけ、「主人公はあなた」「あなたのために耳を傾ける妥協しないめんどくさい人達」を国会に送ってください。と訴え 支持の拡大を助けてください、一緒に闘いましょう。
と、「世の中を変える夢のために共に闘いましょう」と訴え続け、街頭演説も聴衆とともに熱気溢れる場を作り上げていました。

今回の選挙で ほとんどマスコミに無視された状況のなか 日々 熱気溢れる一体感を持ち 「自分たちで 選挙で世の中を変えるんだと勇気と夢が見られる高揚感。

れいわ新選組が 政党要件をクリアーした今、どのような組織にしていくのか 大きな課題です。
緩い連帯と当事者目線の共有、べ平連以来の 目的実現の一点で連帯する運動体が政党組織で可能か 
大いに「夢」がみられるか 利用されたと感じさせてしまうのか 山本太郎と仲間たちの実験が楽しみです。

今回の選挙は 自民党の敗北
改選議員に対して
  自民党 −9   単独過半数割れで
  公明党  +3  連立与党でも−6です。
posted by 小だぬき at 12:40 | 神奈川 🌁 | Comment(6) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月23日

山本太郎の"政権奪取宣言"に中身はあるか

山本太郎の"政権奪取宣言"に中身はあるか
2019年07月22日 PRESIDENT Online

■今回の参院選で唯一の勝者となった「れいわ新選組」
今回の参院選は、勝者なき戦いだった。
自民党は3年前より獲得議席をわずかに増やしたが、安倍晋三首相が執念を燃やす改憲の発議に必要な参院での「3分の2」を失った。
野党・立憲民主党は議席を伸ばしたとはいえ、17議席では野党第1党の迫力には欠ける。

そんな中で唯一の勝者をあげるとすれば、山本太郎氏が率いる「れいわ新選組」だろう。
当初、泡沫政党扱いをされていたがが比例代表で2議席を獲得した。
今後、さらなる飛躍を遂げることはあるのだろうか。

■「小泉フィーバー」や「民主党政権」を超える盛り上がり
「おはようございます。元気やな。もうすぐ(電車の)始発が出ますよ皆さん」

参院選の大勢が判明した7月22日午前4時半過ぎ、山本氏は底抜けに明るい笑顔で記者団に声をかけた。
公職選挙法などで政党要件を持たない「れいわ」は、新聞、テレビなどでは「その他大勢」を意味する「諸派」扱いをされ、ほとんど報道されなかった。
新聞、テレビだけを情報源にしていた人は、存在すら知らなかったかもしれない。

しかしツイッターなどのSNSを介して「れいわ現象」は急速に広がった。
選挙戦最終日の20日夕刻から東京・新宿駅西口で行われた街頭演説は、SNSで知って集まった人で埋め尽くされ異様な盛り上がりとなった。

長年、選挙取材をしてきた全国紙記者は「1989年の参院選での社会党・土井たか子委員長、『郵政選挙』と言われた2005年衆院選での小泉純一郎首相、09年の民主党ブームなどよりも、はるかに大きなうねりだった」と証言する。
それぐらいの「事件」だったという。

■「消費税廃止」に焦点をしぼった訴えが奏功
知名度もなく、マスコミにも無視される中での2議席獲得は大健闘ではある。
ただし、街頭の熱狂は、もっと議席を獲得するのではないか、と予感させるものだった。
比例区に「特定枠」として2人を擁立したため、3議席以上獲得しなければ当選できない立場に身を置いていた山本氏も、議席は得られなかった。
そういう意味では「うれしさも中ぐらい」の結果だった。

それでも山本氏は「10人擁立して10人通せなかったのは私の力不足。
私自身も議席を得られなかったのは残念なことだ。
しかし、一切後悔はない」と前を向いた。

次につながる結果だったと受け止めているのだろう。

なぜ「れいわ」の声は国民に届いたのか。
これは山本氏の存在感と演説に尽きる。
元俳優だけにトーク力の高さは国会質問などで実証済みだったが、今回の選挙戦では「消費税廃止」に焦点をしぼった訴えが分かりやすかった。
他の野党の訴えが「10%に上げるのは反対」などとまわりくどかったのとは対照的だった。

■次の選挙では「100人ぐらい候補者を立てないといけない」
中でも最も歯切れよかったのが「政権を獲る」と宣言したことだ。
今回の参院選で国会に足掛かりをつくり、来る衆院選などを通じて国会で多数派を形成すると断じている。
その実現性はさておき、とにかく聞く者に響いた。

安倍1強といわれる現状に不満を持っていた人たちの受け皿となったのだ。
山本氏は22日未明の会見で「私たちは無視できない存在になっている。
(次期衆院選には)100人ぐらい候補者を立てないといけないだろう。
メンバーもそろえて皆さんの力を借りながら、政権を取りにいく気迫でいきたい。
(自身も候補者として)出るしかないのではないか」と自ら衆院選に出馬する考えも明らかにした。

「れいわ」がイメージするのは、細川護熙氏が代表を務めた日本新党ではないか。
日本新党は1992年の参院選で国政初挑戦し4議席を獲得。
そして翌年の衆院選では35人の当選者を出し、その流れで同年8月、細川氏は首相の座に上り詰める。
まさにホップ、ステップ、ジャンプ。

ゼロからスタートして1年で政権政党に上り詰めた日本新党の再来を、「れいわ」は目指すことになる。
今の政治状況をみると早ければ年内に衆院選があるという予測もある。
遅くとも2021年秋の衆院任期満了までには必ずある。
山本氏も日本新党のことは頭の中にあるはずだ。

■同じ選挙区に野党が乱立すれば、共倒れになるだけ
ただし山本氏と「れいわ」の前途がバラ色というわけではない。
まず難しいのは、野党の枠組みの中での立場だ。

山本氏は、「最も厄介な抵抗勢力」を自任するだけに安易な妥協はできないだろう。
このため立憲民主、国民民主などの野党の中には、山本氏の発言を「人気取りのスタンドプレー」と見る向きもある。
共闘関係が築けなければ、同じ選挙区に野党が乱立して共倒れになる。
そうなれば共通の敵である自民党を利するだけだ。

一方、野党内には「れいわ」との連携に期待を抱く向きもある。
そこで野党共闘を優先して、山本氏が参院選で発言していたことと違うことを口にし始めたとしたらどうなるか。
参院選で山本氏の訴えに熱狂した人たちは一気に冷めるだろう。

■「100人という数字には野党共闘も入ってくる」
山本氏は22日未明の会見では次のように述べ、野党共闘に含みを持たせた。
「消費税廃止は譲らない。
しかし、他党が減税ということで舵を切るならば、話し合いの余地はある。
一番は、この国に生きる人々のために、本気で仕事をする気があるかってこと。
そうなったうえで一緒になれる方とは、一緒にやっていく。

政権をとるならば、衆院選には100人ぐらい候補者を立てないといけない。
この数字には野党共闘も入ってくるので、立てる場所、立てない場所も話し合いで出るだろう」

社会党の土井氏、民主党の鳩山由紀夫氏、希望の党の小池百合子氏……。野党側からは新党や新しい指導者が次々に誕生して時代をつくったが、人気のピークは長続きしなかった。

17年の衆院選でブームを起こした立憲民主党の枝野幸男代表も、今回の参院選では集客力に陰りがみられた。
それらの原因は、選挙では歯切れのいいことが言えても、現実の政治はそう簡単ではないからだ。
過去の新党と同じ轍を踏まないためには、どうすればいいのか。

山本氏が支持を拡大するためには、他の野党との連携を意識しながら「最も厄介な抵抗勢力」であり続ける必要がある。
山本氏の道のりは険しい。
       (プレジデントオンライン編集部 )
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2019年07月24日

歩行の定義から逸脱「大股歩きは体にいい」は間違いだった

歩行の定義から逸脱「大股歩きは体にいい」は間違いだった
2019年07月23日 日刊ゲンダイヘルスケア

 今回の参院選は、「老後のために2000万円貯めておけ」という、年金問題が争点となったが、上がらない給与体系の中、2000万円など到底貯めておくことのできない大部分の庶民は、結局死ぬまで働き続けるしかない。

 だが、歩くことができなくなると、働く方法はかなり限られる。
一部の仕事を除いて、老後も働き続けるためには、自分の足で立って歩ける能力を維持することは、最低条件だと言っていい。
「歩き続ける」は、テレビの健康番組でも定番のテーマだが、そこで長年お馴染みになってきたのが、「大股で歩くのが体にいい」というフレーズ。

ところが、これが大きな間違いだと指摘するのが、「JCHO東京新宿メディカルセンター」(東京・飯田橋)のリハビリテーション士長である理学療法士の田中尚喜氏だ。

「NHKの番組では、必ず大股で歩きましょう、と言っています。
これがどうして始まったか調べると、どうもそれ以前はジョギングブームだったのが、一生懸命ジョギングした結果、心不全で亡くなった方が出たので、今度はウオーキングにしましょう、大股で腕を振って歩きましょう、となったようなんです。
ところが、この歩き方では気分も高揚して速く歩けるが、20分以上経つと疲れて速度が下がってしまう。
長く歩くためには、あまり大股で歩かないほうがいいんです」

 江戸時代の人はどんなに遠くても徒歩でお伊勢参りをするほど健脚だった。
着物だと大股で歩くと裾がはだけてしまうため、当然小股で歩いていたと田中氏は説明する。
 大股で歩くと、足が前に出過ぎて、膝が曲がってしまうため、「大腿四頭筋」という筋肉に負担がかかる。
その反動で、足と太ももは後ろにいかなくなり、本来使用しなければならない「大臀筋」という筋肉を、使わなくなってしまうのだという。

「そもそも、人間の歩行とは、ある目的を達成するために体の中心、いわゆる重心を目的物に近づける行為のことです。
それなのに、足や腕を無駄に大きく振り出すと、重心は後方に下がってしまう。
これでは、歩行の定義から逸脱してしまうのです」

 田中氏によると、ここ30年、つまり平成の間に、大臀筋が萎縮してジーパンの平均的なヒップサイズが小さくなり、ふくらはぎの腓腹筋が肥大化してブーツが太くなった。
そして、一番大きな変化は、歩くだけで疲れてしまう人が急増したことだという。
平成の30年間は、歩く力が失われていった30年だったのだ。

 筋肉には、持久力に優れた遅筋と、瞬発的な力を出す速筋がある。
高齢になると速筋が落ちて遅筋だけで生活するようになるため、これを是正するために、健康番組では、大股で歩く、腕を振るという内容を入れるようになったのでは、ということだが、本来は、歩く際にこんな大げさな動作をする必要はない。
このような激しいウオーキングでは短時間で疲れて、歩くのをやめてしまう。

田中氏は「健康のために歩くなら、小股で長時間、普通に散歩をするのが、一番いい」という。
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島田洋七、吉本の社長会見を痛烈批判「8割くらいウソでしょうね」

島田洋七、吉本の社長会見を痛烈批判「8割くらいウソでしょうね」
2019年07月24日 スポーツ報知

元吉本興業所属の大物お笑いタレント・島田洋七(69)が24日放送のフジテレビ系「直撃LIVEグッディ!」(月〜金曜・後1時45分)に生出演し、闇営業問題をめぐる吉本興業・岡本昭彦社長(52)の記者会見を痛烈に批判した。

 会見の感想を聞かれ「大失敗でしょうね」と切り出した島田は「会社としてヘタやし、(社長の)目はあっち行くし、時々恫喝してましたよね。弁護士呼ぶとき『小林!』…。

あれが本性ですよ、彼の」と続けた。

 さらに「テレビ的には『宮迫クン』とか(社長は呼んでいたが)クン、付けたくなかったと思う。
かわいそうなくらい、きつかったね。
あの会見、5時間半もいらないでしょう。
全部、話すりかえるし、まあ、8割くらいウソでしょうね」と大先輩としてバッサリ切り捨てた。
posted by 小だぬき at 17:24 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月25日

女性非正規の半分がワーキング・プアという、令和日本の悲惨な実態

女性非正規の半分が
ワーキング・プアという、
令和日本の悲惨な実態
2019年07月24日 ニューズウィーク日本版

舞田敏彦(教育社会学者)
法定労働時間で「普通の暮らしができる」かどうか見てみると、女性非正規雇用の厳しい現状は突出している

参院選が終わったが、選挙ポスターで「1日8時間働けば普通の暮らしができる社会へ」と訴えている候補者がいた。
労働基準法では法定労働時間(週40時間)が定められており、これを満たせば勤労の義務を全うしているので当然だ。

しかし現実はまったく違っているので、このフレーズが新鮮に思えてくる。
労働時間と給与は相関するはずだ。
単純労働や肉体労働が減った今では、他の要素が入り込む余地が多いが、普通に働けば普通の暮らしが保障される社会が望ましいのは変わらない。
普通に働く目安が「1日8時間=週40時間」だ。

2017年の総務省『就業構造基本調査』に、週間就業時間と年間所得(税引き前)のクロス表が出ている。
そのデータをグラフにすると、<図1>のようになる。
所得は200万円刻みの4カテゴリーにまとめた。
男女とも週35時間で段差があり、それ以降の所得はほぼフラット(変化なし)となる。
週40時間も60時間も、所得の分布には大差ない。

働く時間よりも、パートタイム(非正規雇用)かフルタイム(正規雇用)かの違いが大きいようだ。
男性の週35〜45時間をみると4割ほどが所得400万円未満で、600万を越えるのは4人に1人だ。
法定の労働時間の対価がこうなのだが、普通の暮らしができるレベルと言えるかどうかは、判断が分かれるところだ。

右側の女性を見ると、こちらは厳しい印象を受ける。
水色と茶色のゾーンが広く、週40時間働いても4人に3人が400万円に届かない。
4人に1人は、200万円に満たないワーキング・プアだ。

女性の場合、長時間働いても600万円を稼ぐのは難しい。
女性を正規雇用と非正規雇用に分けると、もっと悲惨な実態が露わになる図2

正社員であっても、週40時間労働で400万円稼ぐのは並大抵のことではない。
右側の非正規は目を背けたくなる模様で、どれほど働いても半分がワーキング・プア、9割が400万円未満となっている。

非正規はマイノリティかというと、そんなことはない。
女性労働者の4割は非正規雇用だ(実数だと755万人)。
夫の扶養下で就業調整している人が多いだろうが、この超薄給で生計を立てている人もいる。

たとえばシングルマザーだ。
どれほど働いても貧困から抜け出るのは難しい。
母子世帯の困窮は、上記のグラフからはっきりとうかがい知れる

女性は男性に扶養されるべしという考えが続いてきた結果だが、21世紀になってもこうした現状とは驚かされる。
女性の社会進出は、M字カーブの底が浅くなった(出産・育児期の女性就業率が上がった)とか、そういうことでは測れないようだ。
週35〜44時間働く女性に年収をたずねてみると、有業者の下位25%未満という回答は、アメリカやスウェーデンでは数パーセントしかいない(OECD「PIAAC 2012」)。

日本のように、普通に働いても女性の大半がワーキング・プアという社会はあまりない。
女性は男性に養われるべしという考えが強いことが理由だろうが、その考えは時代にそぐわなくなっている。
未婚率、離婚率の高まりで、自身の稼ぎで生計を立てている女性は増えている。

正社員になれればいいが、雇用の非正規化でそれも容易ではない。
となると、<図2>の右側のような蟻地獄でもがき苦しむことになる。

メディアで報じられる母子世帯の悲惨な生活実態は、その可視化に他ならない。

<図2>のデータは、独身者と既婚者が混ざったものだが、夫のいない未婚の非正規女性の所得も出せる。
老後が見え始めているアラフィフ年代(45〜54歳)に注目する。

<表1>は、47都道府県の中央値(median)を高い順に並べたものだ。
全県がワーキング・プア一色となっている。
単身では生活が厳しいと思われるが、これで暮らしている人もおり、子を養っているシングルマザーもいる。
未婚者なので就業調整しているとは考えられない。
独り身を養うべく、フルタイム労働をしている女性が大半だろう。

しかし対価はこの有様。
老後のことなど考えたくもないはずだ(その時間もないかもしれない)。
普通に働けば普通の暮らしが得られる。
この原則に照らせば、上表の実態は違法とも言えるレベルだ。

AIの台頭により,人間が労働から解放される時代が来ると言われている。
それはまだ先だろうが、1日8時間の普通の労働で事足りる時代はすぐそこまで来ているはずだ。
AIとBI(ベーシックインカム)の組み合わせで、普通の労働で普通の暮らしができる社会の実現が望まれる。
<資料:総務省『就業構造基本調査』(2017年)>
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いくら寝ても寝ても眠くなるのは病気!?

いくら寝ても寝ても眠くなるのは病気!?
2019/07/23 All About (坪田 聡(医師))

寝ても寝ても眠い「過眠症」とは
夜はグッスリ眠っているにもかかわらず、日中耐えがたい眠気に襲われる毎日……。
原因は単なる疲労の蓄積かもしれませんし、女性であれば生理前の月経関連過眠症の可能性もありますし、原因は一概にはいえません。
ここでは、睡眠障害の1つである「過眠症」、また日中に眠気を起こす病気について睡眠の専門医が詳しく解説します。

睡眠の評価尺度を用いて、眠気の程度から眠気危険レベルをセルフチェックしてみましょう。

異常な眠気と正常な眠気の違い
・ 眠気危険度セルフチェック
あなたの症状のレベルをチェックできる、「エップワース眠気尺度」をご紹介します。
これは日常生活において感じる眠気について評価するためのテストで、世界中の医療や産業保健の現場で広く使われており信頼性が高いものです。

以下の状況で、ウトウトしてしまったり、眠ってしまうことがありますか?
最近の日常生活を思い出して、0から3のうち、最も当てはまる番号1つに○印を付けてください。
質問の中には、最近あなたが行っていないことがあるかもしれません。
その時には、もしその状況にあったとしたらどうなるかを考えて答えてください。

・座って本を読んでいるとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3

・テレビを見ているとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3

・人の大勢いる場所でじっと座っているとき(会議や映画館など)、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3

・他の人が運転する車に乗せてもらっていて、1時間くらい休憩なしでずっと乗っているとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3 ・

午後じっと横になって休んでいるとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3

・座って人とおしゃべりしているとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3

・お昼ご飯のあとに静かに座っているとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3

・自分が車を運転していて、数分間信号待ちをしているとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3


眠気の危険度を判定……要注意は11点以上
それでは、眠気の判定です。
上記の8つの質問項目の各得点(0〜3点)を、全て足し合わせて総合得点を出してください。
点数が高いほど日中の眠気が強く、逆に得点が低いほど眠気は弱いと判定します。

総合得点が11点以上の場合は、何かの病気が原因で強い眠気が起こっている可能性があります。
早めに睡眠障害の専門医を受診すると良いでしょう。

一方、10点以下であっても、しばらく経ってから再び測定すると高得点になることもあります。
慢性的な眠気を感じているのなら、時期をずらして再評価してみてください。
このテストはあくまでも主観的な眠気を評価するものです。
点数が低い場合でも緊張のため眠気を感じないだけで、目を閉じるとすぐに眠ってしまうこともあります。
睡眠障害の専門の医療機関では、他の客観的な眠気の検査とあわせて、総合的に診断をしてくれます。
心配な方は、一度相談してみましょう。

過眠症の種類・睡眠に関連する主な病気一覧
エップワース眠気尺度が11点以上の人は、どんな病気の可能性があるのでしょうか?
当てはまる病気が見つかれば、早めに睡眠障害の専門医療機関を受診しましょう。

▼1. 過眠症の種類
■ナルコレプシー
・日中の居眠りを我慢できない
・笑ったり驚いたり怒ったりすると、体の力が抜ける
・金縛りにあう ・寝入りばなに幻覚を見る

■特発性過眠症
・日中に眠ると、起こそうとしても1時間以上、目覚めない
・居眠りの後、すっきりした感じがしない
・寝覚めが悪く、ひどく寝ぼける ■反復性過眠症
・3日〜3週間の傾眠状態と、その後の通常の状態が、交互に繰り返される

▼2. 睡眠に関連する病気
■睡眠時無呼吸症候群
・イビキをよくかく
・睡眠中の呼吸が不規則
・朝起きたときに頭痛がしたり、ノドが渇いている
・高血圧 ・肥満 ・顎が小さい

■薬剤性過眠
・睡眠薬や精神科の薬、風邪薬、アレルギーの薬などを飲んでいる

■うつ病、季節性うつ病
・気分がすぐれない、もの悲しい
・不安が強い ・やる気が出ない

■長時間睡眠者、睡眠不足症候群
・夜間の睡眠が不十分
・十分な睡眠をとると日中の眠気がなくなる

■むずむず脚症候群 ・夕方から夜にかけて、脚がむずむず
・ちくちく・ひりひりする
・脚に虫が這うような不快感がある
・家族に脚を動かしていると言われたことがある

■周期性四肢運動障害
・睡眠中に足が動く

■月経関連過眠症
・月経の周期と関連して強い眠気を感じる
・その時期を過ぎると、日中の眠気がなくなる

■睡眠相後退症候群
・睡眠の時間帯が遅いほうにずれて、極端な宵っ張りの朝寝坊

■非24時間睡眠覚醒症候群
・就寝と起床の時刻が毎日1時間ずつ遅くなる

■不規則型睡眠覚醒パターン
・寝ている時間と目覚めている時間がバラバラ 日中の居眠りは大きな事故の原因にもなります。

強い眠気に悩まされている方は、早めにチェックして、病気かどうか確かめてみてください。
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2019年07月26日

国民は安倍晋三首相を信任などしていない

国民は安倍晋三首相を信任などしていない
2019年07月25日 PRESIDENT Online
ジャーナリスト 沙鴎 一歩

■「国民からの力強い信任が得られた」と豪語
参院選は投開票翌日の7月22日、全ての当選者が確定した。
自民、公明の与党は改選定数124の過半数を上回る71議席を得た。
これで非改選を含めた与党の議席は141となり、定数245の過半数も超えた。

今回の選挙は、年金問題や消費増税の是非、憲法改正に向けた議論の有無などを争点に、これまでの安倍政権の在り方や成果を問うものだった。
参院選の結果を受け、安倍晋三首相は7月22日の記者会見で「国民からの力強い信任が得られた」と豪語したが、果たしてそうだろうか。

■6年前の圧勝65議席には全く届かない
安倍首相が総裁として率いる自民党は、今回改選で57議席を確保し、2016年参院選の56議席を1議席上回ったものの、圧勝した2013年の65議席には及ばなかった。
しかも宮城、滋賀、大分など8つの選挙区では現職が落選している。

選挙結果から分かるのは、決して有権者は安倍政権を信任などしていない、ということである。
国民は安倍首相に対し、「大丈夫なのか」と疑問符を付けたのである。
そこを安倍首相は理解すべきである。

選挙の結果を謙虚に受け止め、まずは「安倍1強」から生まれる驕りや傲慢さを反省しない限り、国民の支持は得られないだろう。

■長期政権ゆえの慢心や驕りに厳しい視線
ここで7月23日付の読売新聞の社説を見てみよう。
「与党は、改選定数の半数を超え、一定の信任を得た形だ。
だが、個別の選挙区を見ると、自民党は必ずしも盤石とは言えない」
安倍政権を擁護してきた読売社説らしく、表現は「必ずしも盤石とは言えない」と抑え気味ではあるが、国民の強い信任を獲得したわけではないことを指摘している。
沙鴎一歩の指摘と同じとみていいだろう。

読売社説は「慢心」と「驕り」の問題にも言及し、安倍政権に忠告する。
「32ある1人区のうち、岩手、秋田、新潟などで競り負けた。
防衛省の不手際や副大臣の失言などが響いたとみられる。
長期政権ゆえの慢心や驕りに有権者は厳しい視線を注いでいる」

見出しも「安倍内閣再始動 慢心を排し政策課題に臨め」である。

■アベノミクスは富める者だけを富ませた
「安倍首相は記者会見し『令和の国づくりを進めていく』と強調した。
自民党総裁の任期は残り2年余りだ。
惰性に陥ることなく、政策で成果を出す必要がある」
「日本丸」の舵をとって大波を乗り越えていくのが、首相の役目である。
政策で成果を上げるのは当然だ。

安倍首相の強調する「令和の国づくり」とは、具体的に何を指すのか。
聞こえのよい言葉だけが先走るようでは情けない。
読売社説は内政の舵とりをこう主張する。
「大切なのは、公約で掲げた『強い経済』を実感できる形にすることだ。
景気は回復しているが、家計が潤い、消費が伸びる経済の好循環は生まれていない」

街中の大衆酒場は客の少なさに悲鳴を上げている。
沙鴎一歩には強い経済などほど遠いと感じられる。
アベノミクスは富める者だけを富ませた。
いつになったら、富まざる人々が裕福になるのだろうか。
その兆しはみえない。

■憲法を改正すると、日本の国はどれだけ良くなるのか
さらに読売社説は「消費税率の引き上げで、社会保障の安定財源を確保し、将来不安を払拭することも肝要である」と指摘する。
だが、消費税を引き上げれば、生活苦にあえぐ人々をさらに苦しめることになる。
軽減税率など一時しのぎに過ぎない。
読売社説は私たち国民に背を向け、安倍政権を後押ししようとしている。
読売社説は後半で「参院選で、与党と、日本維新の会などの改憲勢力は、憲法改正の国会発議に必要な3分の2の議席を維持できなかった」と憲法改正の議論について書く。

「首相は憲法に関し、『議論は行うべきだというのが国民の審判だ』と語り、野党に建設的な議論を呼びかけた。
改正のスケジュールにはこだわらない考えを示した。
与野党は衆参両院の憲法審査会を早期に再開すべきである」
読売社説は憲法改正の議論が進まないことに異を唱え、苛立つ。

安倍首相は参院選の結果を「国民からの力強い信任を得た」と強調し、秋の臨時国会で憲法改正論議を求めていく考えを示している。
しかし、憲法9条への自衛隊の明記など、自民党の改憲案のように憲法を改正すると、日本の国はどれだけ良くなるのだろうか。

■朝日は「与野党ともに敗北を喫した」と指摘する
7月24日付の朝日新聞の社説は
「与野党ともに敗北を喫した。そう言われても仕方あるまい」と投票率の低さを指摘する。
「48.80%。今回の参院選の投票率は5割を切り、1995年の44.52%に次ぐ、戦後2番目の低さとなった」
「候補者すべての得票の合計を棄権が上回ったことになる。
議会が民意を正当に反映しているか疑われかねない」

「戦後2番目の低さ」「得票の合計を棄権が上回る」というのは、国民が政治に期待していない表れなのか。
それとも安倍政権を見限っているのだろうか。
安倍政権嫌いの朝日社説は「自民党は選挙区の改選数74のうち5割にあたる38議席を獲得した。

しかし、棄権した人を含む有権者全体に対する絶対得票率は2割を切っている」と指摘し、こう主張する。
「安倍首相は『国民の皆さまからの力強い信任をいただいた』と胸を張るが、与党、野党の別なく、代議制民主主義の基盤を掘り崩す深刻な事態と受け止めるべきだ」
いまの国会は民意を反映しているとはいえない。
民主主義の在り方が問われている。

■低投票率には「民主党の失敗」が尾を引いている
朝日社説はさらにこう書いている。
「投票しても政治は変わらない。投票したい候補者や政党がない。そもそも、政治に関心がない……。
棄権の理由はさまざまだろう。
なかには、現状維持でいいので、わざわざ投票に行くまでもないと判断した人もいるかもしれない」

「まず問われるべきは、有権者を引きつけることができなかった政党、政治家の責任だ」
「政党と政治家の責任を問うべし」という主張には賛成である。

そもそも自民・公明という与党に、野党が太刀打ちできないところに大きな問題がある。
それが分かっているから投票に行かない有権者が多いのだろう。
もっと言えば、自民勢力を抑えて政権を握ったあの民主党の失敗が尾を引いていると思う。
民主党政権が誕生したとき、沙鴎一歩はアメリカのような2大政党が政策を競い合うことを期待した。
だが、その期待はあえなく崩れ去ってしまった。

■与党に反対するだけでは、国民の支持は得られない
「『安倍1強』のもと、多様な民意に向き合おうとしない強引な政権運営が続いていることと無縁ではないだろう」
「強引な政権運営」という書き方は、安倍首相を嫌う朝日社説らしい。
ただし、安倍政権を擁護してきた読売社説も「長期政権ゆえの慢心や驕りに有権者は厳しい視線を注いでいる」と戒めている。
そのことを安倍首相はしっかりと心に留めるべきである。

「今回の参院選にあたっても、国会の論戦を回避し、『老後2千万円報告書』など不都合な現実にはふたをした。
『安定か、混乱か』と、6年以上前の民主党政権をあげつらい、重要な政策課題について国民に問いかける姿勢は乏しかった」 選挙戦で重要な政策課題について訴えなかったから投票率が低くなった、というのが朝日社説の論理だろう。
それもある。

ただ、最大の問題は野党の力不足だろう。
全国32の1人区すべてに統一候補を立てたが、明確な争点をアピールできなかった。
朝日社説は「より多くの有権者を糾合するうねりは起こせなかった」と指摘している。

沙鴎一歩は実力のある2つの大きな政党が交互に政権を握って国を動かす。
そんな2大政党による国家運営を望んでいる。
そのためには、いまの野党では力不足だ。
遅くとも2021年秋までには必ず衆院選がある。
与党に反対するだけでは、国民の支持は得られない。

いまの野党は安倍政権を攻撃するだけでなく、次の選挙に備えて魅力的な政策を準備するべきだろう。
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2019年07月27日

「なかなか決められない人」と決断できる人の差

「なかなか決められない人」と決断できる人の差
あなたが「物事を決断できない」5つの理由
2019/07/26 東洋経済オンライン
柳生 雄寛 : 実践経営コンサルタント

あなたは物事を「すぐに決められる」ほうですか?
それとも、「なかなか決められない」ほうですか?

 「すぐに決められる」という方も、もしかしたら、「決めている」と思っているだけで、本当は「決めていない」かもしれないそうです。
「決められない人」と「決められる人」の違いはどこにあるのでしょうか。

柳生雄寛氏の著書『なかなか自分で決められない人のための「決める」技術』から一部抜粋し、「決められない理由」について解説します。

素早く正しい決断ができるようになれば、これまで無駄に使っていた決断までの時間が短縮され、時間をもっと有効に使うことができるようになります。
さらに、決断力を身につける過程で、あなたなりの価値観の整理もできますので、自分の価値観を再認識でき、自分の価値観に合った充実した人生を送ることもできるようになるでしょう。

ここでは、あなたが決められない理由を5つに絞ってお伝えします。

決められない人、決断できる人の差
1. 決められない人:悪いほうへ悪いほうへと考える
  決断できる人:考えても仕方のないことは考えない

世の中には、あれこれと悩んだ揚げ句に、不安になってしまい、なかなか行動できない人がいます。
わかりやすい例で言うと、憧れの異性がいて、その人と付き合いたいけれど、「告白してフラれたらどうしよう?」などとネガティブなことを考えてしまって、「告白する」という行動がなかなかとれないでいる、というようなケースです。

これと同じようなことは、ビジネスシーンでもたくさんあります。
「営業に行って買ってもらえなかったらどうしよう?」
「あの人に仕事をお願いして断られたらどうしよう?」
「テレアポをしてガチャンと切られたらどうしよう?」
「新しいことを始めて失敗したらどうしよう?」……

このように「うまくいかなかったら、どうしよう?」と悩んでしまって、なかなか行動できなかった経験、皆さんにもあるのではないでしょうか。
このように悪いほうへ悪いほうへと考えてしまって行動できなくなっている人は、本当にたくさんいます。

この原因は単純です。
それは、「考えても仕方のないことを考えてしまっているだけ」ということです。
これに対して、行動できる人は、考えても仕方のないことは考えません。

「告白してフラれたらどうしよう?」
「営業に行って買ってもらえなかったらどうしよう?」
そんなふうに考えることによって成功する確率が上がるのであれば、それは意味のあることでしょう。
しかし実際問題として、「フラれたらどうしよう?」「買ってもらえなかったらどうしよう?」と考えたところで、成功確率は上がりません。
だから、そんなことは考えても意味がない、考えても仕方がないということを、行動できる人は知っているのです。

行動できる人の視点は前向きです。
「うまくいかなかったら、どうしよう?」ではなく、「どうすれば、うまくいくか?」ということに、つねにフォーカスしているのです。

ポイント:ネガティブなことを考えても、成功確率は上がらない 失敗を極端に恐れるのはNGだ

2. 決められない人:失敗を極端に恐れる
    決断できる人:「人間万事塞翁が馬」と思っている

失敗を恐れて行動できない人の話をしましたが、そもそも、失敗を恐れて決断ができない人も多いようです。
皆さんもそんな経験はありませんか? 
しかし、その決断が失敗につながるかどうかは誰にもわかりません。
さらに、たとえ失敗したとしても、それがかえっていい結果につながるということもあります。

「人間万事塞翁が馬」という中国の故事をご存じでしょうか。
簡単にいうと、次のような話です。

昔、中国北方の城塞の近くに占いの上手な老人が住んでいました。
あるとき、その老人が飼っていた馬が逃げ出してしまったため、近所の人たちが気の毒がると、その老人は残念がる様子もなく「このことが幸福につながらないとも限らない」と言いました。
のちに、逃げた馬は野生のすばらしい馬を連れて戻ってきました。
近所の人たちがお祝いを言いに行くと、老人は「これが災いのもとになるかもしれない」と言いました。
すると今度は、その馬に乗った老人の息子が、落馬して足の骨を折ってしまいました。
近所の人たちがお見舞いに行くと、その老人は「これが幸福のもとになるかもしれない」と言ったのです。
それから1年後、隣の国の軍隊が攻め込んできて戦争となり、近所に住んでいる息子の友達であった若者たちはほとんどが戦死してしまいました。
しかし、足の骨を折っていた老人の息子は兵役を免れたため、戦死しなくてすんだのです。

老人の馬は、福から災いへ、そしてまた災いから福へと、老人の運命に変化をもたらしたわけですが、このようなことは長い人生の中ではよくあることです。

「気になる異性に告白したらフラれてしまった。でも、そのおかげでもっとステキな相手に巡り合うことができた」
「仕事でミスをして、違う部署に異動になってしまった。でも、そのおかげで天職と出会うことができた」
といった話もよく聞きます。

つまり、人生というのは、何がどうなるかは予測できないものなのです。
そして、すでに起こった過去の事実も、考え方や捉え方ひとつで、よくも悪くも一瞬でどちらにでもなるのです。
決断ができる人はそのことを知っています。
だから、決断した後に起こる出来事に一喜一憂しません。

その出来事を受け入れ、そのたびに最善と思える決断を繰り返していくのです。
人生は決断の連続です。
しかし、先のことを完全に予測することは不可能ですから、その時点でベストと思える決断をしていくしかないのです。

また、1度決めたことは「絶対」ではありません。
状況や環境が変われば、修正する必要がありますし、変えてもいいのです。
このようなことを知っておくと、失敗を恐れずに「決める」ことができるようになるでしょう。

ポイント:失敗と思っても、それがかえってよい結果につながることもある

決められない人は欲張る

3. 決められない人:あれもこれもと欲張る
    決断できる人:1つに絞り、他の選択肢は捨てる

お昼に何を食べようかと迷ってしまい、なかなか決められなかった経験はありませんか?
とくにレストラン街などに行くと、ラーメン屋、うどん屋、そば屋、寿司屋、焼肉屋、和食、中華、イタリアン、フレンチ、ファストフードなどなど、いろいろなお店がありますので迷ってしまうのも無理はありません。
じつは、この原因は選択肢(情報)が多すぎることにあります。

選択肢が多すぎると、「あれもいい、これもいい」となって、なかなか決められないケースが多いのです。
つまり、ほかの選択肢をすべて捨てきって1つに絞ることができないのです。
仕事も同じです。自分に能力があると思っている人は、能力があるからいろいろな仕事ができると思っています。
だから、1つに絞ろうとしません。

でも、考えてみてください。運動神経のいい人が、プロ野球選手とプロサッカー選手とプロバスケットボール選手になろうと思って、実際に3つともプロになれる人がいると思いますか。

昔、NBAで「バスケの神様」と呼ばれたマイケル・ジョーダン氏が野球に挑戦したことがありましたが、結局、結果は出ませんでした。
「あれもやりたい、これもやりたい」では、結果は出ないのです。
結局どれも中途半端で終わってしまうことでしょう。

何をやるかを決めかねているうちに時間だけが過ぎて、そのうち体力が衰えたり、より能力の高いライバルが出てきたりして、いざ決めたときにはチャンスを逃がしてしまっていた……ということになりかねません。

一流の選手は、最初から、何か1つに絞って集中しています。
決断できる人は、余計なことを考えず、欲張らずに、1つに絞ったら、ほかの選択肢は捨てているのです。

「決める力」は、ズバリ「捨てる力」であるといっても過言ではありません。
「決めきる」とは、「捨てきる」ことができるかですね。

ポイント:何かを決めることは、何かを捨てることである

4. 決められない人:世の中のルールを知らない
    決断できる人:世の中のルールとその意味を知っている

すごく疲れているときに、目の前に上りのエスカレーターがあったとします。
もう一歩も動きたくない気分です。
皆さんはそんなとき、エスカレーターの右側と左側、どちらに乗りますか?
おそらく、多くの人は迷うことなく、じっと立っていられる列(多くの地域では左側)に乗るという決断をすることでしょう。
なぜなら、そちら側に乗れば、エスカレーターの上を歩かなくてもいいというルールを知っているからです。
じつは、世の中にはこのようなルールがたくさん存在します。

「上司と一緒にタクシーに乗るときはどの席に座るべきか」
「エレベーターではどの位置に立てばいいか」
「コース料理のフォークとナイフはどれから使えばいいか」などなど、知っていれば迷わなくてすむことがたくさんあるわけです。

自分の判断基準が確立していないと迷う
したがって、こうした世の中のルールをたくさん知っている人は、すぐに正しい決断ができます。
同様に、自分なりのルールや判断基準が確立している人も、迷わずに素早く決断できます。

逆にいうと、世の中のルールを知らない人や、自分なりの判断基準が確立していない人は、なかなか決められないというわけです。
ただし、ここで注意が必要なのは、ルールというのはあくまで「情報(知識)」にすぎないということ。
つまり、それを一つひとつ覚えていたらキリがないということです。
では、どうすればいいのでしょうか。

それは、「なぜ、そうなのか?」という「考え方」を理解することです。
そのルールの意味、ルールの本質といってもいいでしょう。

例えば、「上司と一緒にタクシーに乗るときは、自分は助手席に乗る」というのは情報です。
それに対して、考え方とは「なぜ、助手席に乗るべきなのか?」、すなわち「目下の者は、行き先を指示したり、会計をしたりといった雑用をするために助手席に乗る」ということです。
表面的な情報を知っているだけでも、決めることはできます。

しかし、それだけでは応用が利かないのです。
これまで直面したことのない場面に遭遇して慌ててしまうのは、考え方を知らないから。
マニュアルに書かれていないイレギュラーなことが起こると対応できない人がいますが、これはまさに考え方を知らない人の典型例といえるでしょう。

ルールをたくさん覚えること、より多くの情報を収集することももちろん重要です。
しかし、正しい決断ができるようになるためにより重要なのは、考え方、すなわち意味や本質を理解しておくことなのです。

ポイント:ルールや情報を知るだけでなく、その背景にある考え方を理解する

5. 決められない人:目的があいまい
    決断できる人:目的が明確になっている

目的が明確に決まっていないために決められない、というケースもあります。
例えば、将来、サッカー選手になりたいのか、野球選手になりたいのかによって、トレーニングの方法は全然違ってきます。だから、仮にトレーニングをしようと思ったとしても、どんなトレーニングをすればいいのかが決められないわけです。

勉強もそうですね。
将来、医者になりたいのか、弁護士になりたいのかによって、勉強すべき内容は変わってきます。
また、目的がはっきりしないから、行くべき大学も決められないわけです。
もっと身近な話でいうと、ダイエットもそうでしょう。ただ漠然と「やせたい」とか「ダイエットしなきゃ」と思っている人は、いつまでたってもダイエットをするという決断ができません。
何のためにダイエットをするのかという目的が明確になっていない人は、なかなか決断できないのです。

目的が決まらないと目標も決まらない

さらにいうと、仮にダイエットをするという決断をしたとしても、「いつまでに、何キロやせる」という目標が明確になっていなければ、どんな方法でダイエットすればいいかを決めることができません。
ちなみに、目標は目的を達成するための通過点ですので、目的が決まらなければ目標も決まらないのです。

もちろん、仕事も同じです。
テレアポの電話を1本かけるにしても、目的が漠然としていては、その場で契約を取るためのトークをすればいいのか、まずは会う約束をするためのトークをすればいいかがはっきりしません。
その際、テレアポの目的が明確になっていれば、自ずとトークの内容も決まってくるわけです。

何かを決断するうえで、目的はとても重要です。
目的が明確になっていれば、その目的に合っているかどうかでその決断の正しさを判断することができるからです。

逆に、目的が明確でない人は、照らし合わせる基準がないため、なかなか重要な決断ができないといっても過言ではないでしょう。

ポイント:目的が明確になっていれば、決断もしやすい

多くの人は「決める」と「思っている」を混同しています。
決めたと思っているだけで、実際には決めていないことが多いのです。

本当の「決める」には、行動が伴います。
「決める」と「やる」はセットなので、行動の伴わないものは、決めたとは言いません。
ただ思っているだけです。

このような「思っているだけ」を「決める」に変え、さらに決めたことを「続けて」いくことで、あなたはあなたの望む幸せと、その先にある成功を手に入れることができるのです。

そして、そのためのノウハウの根幹を成すものが、マーケティングとマネジメントなのです。
「自分の人生の経営者は自分自身」です。
自分の人生を成功へと導くための舵取りをするのは、ほかの誰でもないあなた自身なのです。
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2019年07月28日

動かない警察に"確実に"動いてもらう方法

動かない警察に"確実に"動いてもらう方法
2019年07月27日 PRESIDENT Online

■警告か、逮捕か、してほしいことを明確にする
「警察の敷居は高いものではありません」
そう語るのは、元埼玉県警の警察官で危機管理コンサルタントの佐々木保博氏。

警察は民事不介入だと思う人も多いが、それは過去の話だとか。
警察が民事不介入を理由に動かなかったことが原因で、殺人事件を含む刑事事件に発展するケースもあります。
それを未然に防ぐため、民事でも動くのです

ただし警察に「動いてもらう」ためのポイントはある。

1つは「目的」だ。
「ストーカー被害者に多いのですが、『嫌な思いをしている』と訴えるだけでは警察も動けません。
ストーカーは警察からの『警告』でも効果があることが多い。
警告なのか、逮捕なのか、してほしいことを明確にすれば動きやすくなります」

「時間帯」も重要だ。
夜間や休日に相談に行くのは避けよう。
警察は24時間活動しているが、平日17時以降と休日、祝日は当直体制で人手が足りていない。
当直の警察官の「専門」も、まちまちだ。

「緊急時以外は、平日昼間に警察署に電話予約して行ったほうがいい。
#9110(警察相談専用電話)は夜間も受け付けますが、平日昼間がベター。

夜間はいたずら電話が多くて、110番なのに『話し中』になるぐらいですから」
また、「証拠」を集めることも大事だ。
警察は法的証拠がなければなかなか動けない。
だからといって警察自身が証拠を集めるのも、時間的・物理的に難しい。

そのため、「できる限り自分で証拠を集めることが重要」だという。
ストーキング被害なら、スマホの履歴画面を撮影しておくなど加害者からのメールや電話の履歴をとっておけば、立派な証拠になる。
経緯が明確にわかるように、何時何分に何が起きたのか、事実関係を紙にまとめよう。

「何か言われたのか、後をつけられたのなら、いつ、どんな様子だったのか。
A4で1枚程度でも書いてもらえれば十分です
騒音やゴミ屋敷など近隣トラブルでも証拠がモノを言う

「法律には、騒音なら『社会通念上、相当以上と思われる音』と書かれています。
これではどうにでも解釈されてしまい、『そのぐらい我慢して』と言われておしまいになるかもしれません。
しかし、騒音は継続的に聞くと大きなストレスになることもあります。
その場合は医師の診断書も有効になってくる。
もし、近隣の人も迷惑を被っているなら、仲間を集めましょう。
多くの人からの訴えとなっては、警察も放ってはおけません

■ポイントは“犯罪が誘発される”可能性を示すこと
警察も人の子、親身になりたくなるような「好かれる」被害者を目指したい。

「警察署でパイプ椅子を出したら、『こんなのには座れない』と言った方がいました。
被害者でも、傲慢な態度を示されると、警察も『なんだよ』となります。
『税金泥棒』なんていうのも禁句です(笑)」

では「今すぐ」動いてもらいたいときはどうするか。
「緊急で、本当に『今困っている』なら、遠慮せず110番しましょう。
変な物音がする、子供が泣いている。
友達に助けを求めるような感覚で結構です。

『彼氏にふられた。これから死のうと思う』と110番があったときは、受理している間に警察が到着し、無事救済できました」
動いてもらうポイントは“犯罪が誘発される”可能性を示すこと。

「邪魔なゴミ」では動けないが、「不審物」なら動かざるをえない。
「子供が泣いている」では大変な状況かわからないが、「虐待されているのでは」と通報者が感じた犯罪の可能性を補足すれば、警察は事件性を感じ、必然的に動くという。

            (エディター/ライター 東 雄介 )
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熱中症発生場所、最も多いのは「住居」 女性は台所が危険

熱中症発生場所、最も多いのは「住居」、女性は台所が危険
2019年07月27日 NEWSポストセブン

今年は梅雨が長引き、日照不足が心配されるほど涼しい夏の始まりとなった。
だからといって油断は禁物! 
環境省の公式サイトによれば、24〜28℃と比較的過ごしやすい気温でも、熱中症による死亡事故が発生する可能性があるからだ(公共財団法人日本スポーツ協会『スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(2019)』より)。

 また、熱中症には湿度も関係しており、雨が降って湿度が100%の時は、気温が22℃でも熱中症予防指針が「警戒」を指す(日本生気象学会『日常生活における熱中症予防指針』(Ver.3 2013から)。

 日差しを遮る室内にいれば安心かといえばそんなこともなく、65才以上の女性熱中症患者の約7割が自宅で発症している(国立環境研究所が2016年2月に発表)。
そこで今回は知られざる“室内での熱中症”の恐ろしさについて紹介する。

◆室内の熱中症で特に女性が危険なのは台所
 総務省が発表した「2019年5月の熱中症による救急搬送状況」によると、熱中症の発生場所で最も多かったのは「住居」(29.1%)だった。
「自宅に暑くてがまんできない場所があると思っている人は72.3%おり、特に女性は男性よりも“台所が暑い”と感じている人が多く、3割を超えています」
 こう教えてくれたのは、室内での熱中症対策を研究してきた京都府立大学特任講師・柴田祥江さんだ。

 火を使う台所は、熱と蒸気がこもり、高温多湿になりやすい。
そんな場所に女性は男性よりも長時間いる機会が多いのがその理由だ。

 では、台所などの室内で熱中症になるのを防ぐには、どうしたらいいのか?

「のどが渇いていなくても1時間に1回はコップ1杯程度(約150ml)の水分を摂ること。
気温28℃、湿度55%を超えたらクーラーをつけましょう」(帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長、医師・三宅康史さん)

 女性の場合、家事がひと段落した夜に頭痛や吐き気、倦怠感、足のしびれなどの症状が出る例が多いという。
「夏かぜと勘違いしがちですが、吐き気があって水分が摂れない時は熱中症の可能性が高いので、すぐに病院へ。
意識がはっきりしない場合はかなり危険。救急車を呼びましょう」(三宅さん)

【室内を涼しくするポイント】
◆すだれを活用する
 すだれなどの日よけで室内への直射日光を遮ると0.5〜1℃室温が下がる。
ただしすだれは、室内ではなく家の外側に取り付けること。
窓にかけるのではなく、ベランダ全体を覆うように設置すると、照り返しを防げ、室内に入る熱量が約3分の1に。

◆窓の開け方に工夫を
 一戸建ての場合、1階の南の窓と2階の北の窓を開けるなど、風が室内を横切るよう対面の窓を2か所開けるのがおすすめ。これは、暖かい空気は軽いため、上にのぼって逃げていくからだ。
ただし換気は、日が暮れて涼しくなってから行うこと。

     ※女性セブン2019年8月8日号
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2019年07月29日

得票減少、募る危機感=議席最多も組織力に陰り−公明

得票減少、募る危機感=議席最多も組織力に陰り−公明
2019年07月27日 時事通信

公明党は参院選比例代表で、得票数を2016年参院選から100万票以上も減らし、自民党との連立政権発足以降の国政選挙で最低となった。

支持者の高齢化が進み、盤石を誇った組織力には陰りが見える。
過去最多に並ぶ14議席を獲得したにもかかわらず、党内には危機感が募っている。
 公明党は、候補者を擁立した7選挙区全てで議席を獲得、比例でも7議席を得た。
改選11議席を14に伸ばし、16年に並んだ。

山口那津男代表は25日の党会合で「公明党の歴史でも最高タイ記録だ」と胸を張る一方、「党の発信力をどう強化していくのか、参院選の総括として議論してもらいたい」と幹部に指示した。

 ただ、5割に満たなかった低投票率に助けられた面は否めない。
比例の得票数は653万6336票で、17年衆院選に続く700万票割れ。計画的に準備ができる参院選は750万票超で推移していたが、今回は大幅に下落し、05年衆院選で898万7620票とピークを迎えて以降の減少傾向が鮮明になった。

 原因について、党関係者は「支持者の高齢化で運動量が低下している」と指摘。
一時的な現象ではなく同党が抱える構造的な問題との見方を示した。

集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法の成立など、「安倍1強」の下で党の基本的立場と相いれない政策に協力していることへの支持者の不満もあるとみられる。
 ある幹部は「投票率が下がっただけで100万票も減るわけがない。深刻に受け止めないといけない」と懸念を示したが、党勢回復への妙案を見いだせるかは不透明だ。 
                  【時事通信社】
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JR東労組、大量脱退の背景に何があったのか

JR東労組、大量脱退の背景に何があったのか
タブーに切り込んだ「暴君」著者インタビュー
2019/07/29 東洋経済オンライン(大坂 直樹)

JR東日本で最大の労働組合・JR東労組から2018年春、3万3000人もの組合員が一挙に脱退し、同労組の組合員はあっという間に3分の1に激減した。
いったい、何が起きたのか。

旧国鉄時代から労働運動を牽引し、JR東労組の初代委員長を務めた松崎明氏がJR東日本を支配していく様子を丹念な取材で描いたのが牧久氏の著書『暴君』(小学館)である。
元日経新聞記者として長年にわたり鉄道業界を取材してきた牧氏には、国鉄分割民営化の軌跡を追った『昭和解体』(講談社)という著書がある。
この『昭和解体』が表の歴史だとすれば、『暴君』はまさに裏の歴史である。

松崎氏は“JRの組合のトップ”という表の顔の裏に、極左組織・革マル派の最高幹部の顔を持っていたのだ。
JR最大のタブーともされる組合問題をなぜ真正面から取り上げたのか。
牧氏に聞いた。

マスコミ側に「恐怖心」があった

――JR東日本の鉄道路線を多くの国民が毎日利用しており、同社は就職したい会社としても学生に高い人気があります。
その会社の内部で、しかも現代の日本で、本書に書かれているようなことが起きていたというのが信じられません。
世間が持つJR東日本のイメージと、なぜここまでかけ離れているのでしょうか。
われわれマスコミが正確に報道しなかったからです。
恐怖心がマスコミの側にあったのだと思います。

――恐怖心?

そうです。決定的となったのは、1994年にJR東日本管内のキヨスクの売り場から『週刊文春』が全部排除された問題です。小林峻一氏の「JR東日本に巣くう妖怪」と題する連載記事にJR東日本の労使が激しく反発、キヨスクでの販売拒否という信じがたい行動に出たのです。
あの当時は新聞も雑誌の駅売りの比率が非常に高く、キヨスクで販売できないと経営的には非常に痛い。
キヨスクに『週刊文春』だけ並ばないという状態が3カ月も続きました。
結局文春が「全面降伏」して事態は収束しましたが、こうなるとマスコミの側で自己規制が働き、松崎明氏や異常な労使関係の問題は扱いづらくなってしまいました。

それでも、2006年には『週刊現代』でジャーナリストの西岡研介氏が「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」を連載しました。
しかし、この記事は松崎・組合側から50件もの訴訟を受けたのです。
私も日経新聞の社会部長時代に名誉毀損で3件の訴訟を受けた経験がありますが、当事者として訴訟を受けるのは大変なことはよくわかります。
メディアがこの問題を扱うのはどうしても慎重にならざるをえない。
だからJRの内部で起きていることが世間に伝わらなかったのだと思います。

――では、今回、『暴君』を執筆した理由は?

この年になって、知っていながら書かなかった、書けなかったことへの苦い思いと強い反省の念がふつふつとわいてきたんです。
われわれがやるべき仕事を放棄しているようなものだから。
生きている間に書き残したいという思いもありました。
本が出たら、昔の国鉄記者クラブの仲間や私がお世話になった人たちが、「ご苦労さん会」をやってくれました。
みな新聞記者として、知っているのに書かなかった、書けなかったことを無念に感じていたようです。

「お前はよくぞ書いてくれた」と言ってくれましたよ。

JR東が毅然とした態度をとれなかった理由
――JR東日本の歴代の経営者は、組合に対してなぜ毅然とした態度をとらなかったのでしょうか。

分割民営化に際して、JR東日本の初代社長は元運輸事務次官の住田正二氏に決まりました。
ただ、あのとき、民営化を推し進めた国鉄の若手幹部「改革3人組」の1人、井手正敬氏が住田氏を補佐すると誰もが思っていました。
松田昌士氏、葛西敬之氏、井手氏という3人組の中では井手氏が最年長で、改革派の“総指揮官的な立場”にいたからです。

一方で、松田氏は旧国鉄では珍しい北海道大学出身で企画畑。東大出身者が幅を利かす旧国鉄時代には運輸省に出向していた時期もあります。
住田氏にとっては旧国鉄のエリートコースを走り続けた、やり手の井手氏や葛西氏よりも、運輸省時代に部下として使ったことがあり気心も知れている松田氏がやりやすかったのでしょう。

松田氏自身はJR北海道に行くと思っていたのですが、「JR東日本で住田を助けて、労務をやれ」ということになりました。JR西日本に行った井手氏、JR東海に行った葛西氏は、当時JR東労組の委員長だった松崎明氏の“革マルの本性”を見抜いて、いち早く決別しましたが、松田氏は松崎氏の力量をJR東日本の経営改革に活用しようと考え、積極的に手を握ったと、今回の取材で語りました。

また、松田氏は国鉄時代に手ごわい組合を相手にしてきた経験豊富な井手氏や葛西氏のような労務屋さんではないので、JR東日本で労務をうまくやっていくためには、松崎明氏と手を握らざるをえなかったという側面もあるでしょう。
2012年から2018年まで社長を務めた冨田哲郎氏が、2018年春の賃上げ交渉で会社側がJR東労組と全面対決に踏み切る姿勢を見せたわけですが、松田氏、大塚陸毅氏、清野智氏のJR東日本の歴代社長は労使関係の正常化は時間をかけて軟着陸するしかないと考えていました。
それが2018年の動きにつながったともいえます。

それにしても、ここまで時間をかけなければ変わらなかったというのはやっぱりおかしい。
多くの組合員はじっと見ていた

――昨年、JR東労組から大量に組合員が脱退したのはなぜですか。

発端は春闘での賃上げをめぐってJR東労組がスト権を確立し、ストを構えたことです。
JR東労組は全組合員一律のベースアップや格差ベアの永久的根絶を要求しましたが、実力によって賃金に差を付けることは当たり前で、どこの会社でもやっていることです。
一律の賃上げを会社がのめないのは当然です。

かといって、平成の終わりの時代に昭和のような大規模な交通ストに突入するようなことがあれば、世間の厳しい目が労使双方に向けられるのは必至でしょう。
しかし、ここで会社側は一歩も引かず、JR東日本発足以来、JR東労組との間で結んできた、労使ともに過激な手段に訴えることなく平和的手段で問題を解決するという「労使共同宣言」の失効を宣言しました。

この過程でJR東労組の12の地方本部が、強硬姿勢を崩さない地本と、それ以外の地本に分裂し、組合員の脱退に拍車がかかったのです。

松崎氏が組合を私物化し、当局に業務上横領容疑で送検されるなど失意のうち亡くなったのが2010年末ですから、それから8年経過してのことです。
松崎氏の行動や発言には、彼の革命理論としては正しい部分もありましたが、松崎氏の死後にそれを受け継ぐリーダーは誰もいなかった。
松崎氏は自らの権力を守るため、力のある後継候補を次々と排除したためです。
多くの組合員はそれをじっと見ていたのでしょう。

――JR東日本の組合問題は今後どのような方向に向かうのでしょうか。

ここに至るまで30年もの時間がかかったのですから、JR東日本の経営者も性急に事を進めず、時間をかけて慎重に判断していくのではないでしょうか。

――『昭和解体』と『暴君』で、国鉄からJRにつながる歴史はすべて書き尽くしましたか。あるいは第3弾があるのでしょうか。

昭和解体の前に『不屈の春雷――十河信二とその時代』(ウェッジ)という本を書いています。
これは明治から始まって、十河氏が後藤新平氏と出会い、そして十河氏が新幹線を造るまでの話です。
十河氏は、国鉄内外の誰もが猛反対する中で、当初の建設予算をわざと低く見積もって国会で予算を通した、つまりウソをついてまで新幹線を完成させました。

東京オリンピック直前の開業式のときは国鉄を石もて追われ、1人寂しくその様子をテレビで見ていたんです。
彼がいなければ、その後、高度成長を遂げる日本の「背骨」となる新幹線はこの世に生まれなかったでしょう。

リニアの経済効果を検証すべき

しかしその年(1964年)、皮肉なことに国鉄は赤字に転落し、以降、どんどん赤字が膨らみ、最後に解体され、そして今日、JRができておよそ30年が経ちました。
明治から平成に至る鉄道の物語を書き尽くしたという思いはあります。

今、気になっているのはリニア中央新幹線です。
日本のものづくりという点において、リニアという技術が、ITなど先端分野で後手に回っている日本の起死回生の武器になる可能性はもちろんありますが、リニアがもたらす経済効果についての検証はきちんと行われているのでしょうか。

もはや東海道新幹線開業時のような元気な時代でもないし、むしろ人口が減少期に入っているのは誰の目にも明らかです。
そこに巨額の資金を投入して建設する必要性がどこまであるのか、この点についてメディアはもっと俎上に載せて、議論を盛り上げていくべきではないでしょうか。
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2019年07月30日

改憲発議失敗なら安倍首相退陣も 野党に好機? 自民「山本太郎都知事」警戒

改憲発議失敗なら安倍首相退陣も 野党に好機?
自民「山本太郎都知事」警戒
全国新聞ネット 2019/07/29

 令和最初の政治決戦である参院選勝利を受け、安倍晋三首相は憲法改正をいよいよ政治日程に乗せる。
首相が唱える9条改正が実現すれば、安全保障の在り方は大きく変わる。
だが、改憲に失敗すれば即退陣となるのは必至だ。
それだけに、首相は退路を断ってまでも改憲を目指す覚悟が本当にあるのか、問われるのは間違いない。(共同通信=内田恭司)

 逆に野党からすれば、改憲発議と国民投票は安倍政権打倒の好機となる。
立憲民主党の枝野幸男代表らの決断次第では、政治の風景は大きく変わりうる。
そうした判断ができるのか、野党陣営の気迫も試される。

一方、次期衆院選や東京都知事選で「れいわ新選組」が主役になる展開も自民党が警戒するシナリオだ。
「熱い1年」が始まった。

 ▽「3分の2復活」は見えたか
 「今のメンバーでなかなか動かないとすれば、有力な方を議長に置き、改憲シフトを国会が行うのは極めて大事だ」。
安倍首相側近の萩生田光一自民党幹事長代行は26日夜のインターネット番組で、両院の憲法審査会における改憲論議を推し進めるため、在任期間が4年を超えた大島理森衆院議長の交代の可能性に言及した。

 番組の同席者が、実力者である同党の二階俊博幹事長を衆院議長に起用すべきだと提案したのに同意する形での発言だったが、永田町では「首相周辺に議長交代論があることが分かった」(共産党関係者)と受け止められた。
参院議長には、麻生太郎副総理兼財務相に近い山東昭子元参院副議長の起用が既に固まっている。

 参院選後、安倍首相は24日夕から山梨県の富士五湖で短期間の夏休みに入ったが、秋以降の改憲論議の本格化へ着々と構想を固める。
頭に描く最短のスケジュールは、臨時国会から憲法審査会の議論を加速させ、来年の通常国会の会期末までに改憲を発議し、東京五輪・パラリンピックを挟んで、年末までに国民投票を実施するというものだ。

 参院選で「改憲勢力」は、非改選を合わせ、4議席差で発議に必要な3分の2の議席(164)を確保できなかった。
それでも安倍首相が意気軒昂なのは「3分の2復活がほぼ見えている」(自民党関係者)ためだ。
今回当選した国民民主党議員のうち2人は改憲に賛成で、諸派の1人は国民投票を容認する発言をしている。
10月の参院埼玉補選への出馬が取り沙汰される上田清司知事も改憲派で、当選すれば合わせて4人になるのだという。  

「国民民主党に改憲派はまだまだいる。
安倍首相は秋以降、自民、公明両党と日本維新の会、国民による改憲連合を仕掛けるつもりだ」。
関係者は明かす。
国民が連合に加わらなくても、憲法審査会での議論に応じさえすれば、自民党案の提示までは道筋が見えてくる。
さらに進んで改憲原案がまとまれば、いよいよ発議の手続きに入っていく。  

▽安倍首相は公明党と石破氏を懸念
 しかし、ここに大きなハードルがある。
2016年の参院選以降、3年間も衆参両院で改憲勢力が3分の2以上の議席を占めていたのに、安倍首相は改憲に踏み出さなかった。
なぜなのか。
首相に近い中堅議員が解説する。
「発議に失敗するか、発議できても国民投票で改憲案がつぶされるリスクが高いと、首相も分かっていたからだ」。
 実は、このリスクは安倍政権を3年間ずっと縛り続けてきた。

主要メディアの世論調査で安倍政権下での改憲の是非を問うても、多くの調査で「すべきでない」が「すべきだ」を上回ったように、そもそも改憲の機運が熟しているとは言いがたい状況だった。
こうした中で発議を目指しても、改憲勢力をきちんと賛成でまとめられる保証はない。

 安倍首相が懸念していたのは公明党と、自民党の石破茂元幹事長ら党内で首相と距離を置く議員の動向だ。
公明党は改憲勢力に連なるとはいえ、「9条護憲」を掲げており、改憲論議の促進には慎重だ。
石破氏は、首相が2年前に示した改憲案に真正面から異を唱える。

自民党内には、伝統的に憲法の「平和主義」を重視する「護憲派」もいる。
 彼らがこぞって発議に反対票を投ずれば、安倍首相が政治生命を懸けた発議は不発に終わる。
首相が退陣を迫られるのは必至だ。
発議できても、首相に批判的なメディアや護憲勢力は大々的に「憲法擁護」の論陣を張る。
「倒閣運動」を仕掛けられた中で行う国民投票が、首相の望み通りの結果になる可能性はどれくらいあるのだろう。
 こうした展開が読めたからこそ、安倍首相は改憲を叫びながら、必ずしも本腰を入れてこなかったのだろう。

だが、この先は違ってくる。
長期政権を実現し、残り任期が2年余となった首相は、政治家としての総決算に入る。
今度こそ改憲のために進退を賭けるのではないかとの見方が、自民党内で強まりつつあるのだ。

 ▽憲法調査会の設置決定から20年
 実は立憲民主党など野党にとって、そこにつけ込む隙がある。
立民や共産党、社民党は、今回の参院選で改憲勢力が3分の2を割ったことを踏まえ、「憲法改悪は許すべきではない。
民意は明確だ」(枝野氏)と気勢を上げる。
だが、安倍政権の即時退陣を掲げるなら、改憲発議の提起に応じるという「奇策」も検討対象になりうる。
 立憲民主党の中堅議員は「3分の1超の議席で内閣総辞職に追い込めるなら検討してみてもいい」と前向きだ。
だが、枝野氏に近い党関係者は「一つのアイデアとして話に出たことはあるが、発議も改憲も阻止できなければ、逆に野党は壊滅的な打撃を受ける」として、枝野氏はこの策に乗らないのではないかとの見方を示す。

 ただ枝野氏は、これまでのように抵抗路線で押し通せるのか。
参院選では改選議席を倍近くに増やしたものの各地で候補者を落とし、予想された20議席には届かなかった。
比例代表の得票総数も得票率も17年衆院選を下回った。

野党陣営で脚光を浴びるのは今や、比例代表で99万もの個人票を獲得した「れいわ新選組」の山本太郎代表だ。
 社会的弱者に徹底的に寄り添い、格差解消を前面にSNSの拡散力を駆使して戦う手法は、政治に無関心だった若年層の掘り起こしに成功した。
山本氏は、次期衆院選には100人を擁立すると意気込む。
手法はさらに斬新になるだろう。

来年の最大の政治決戦は都知事選だが、自民党関係者は「山本氏が出馬すると大変だ」と早くも警戒心を隠さない。
 れいわがスポットライトを浴び、立憲民主党の存在感が相対的に薄れた中、枝野氏が徹底抗戦路線にこだわれば、かつての社会党や社民党が歩いた道をたどることにはならないか。

時の政権が改憲を最大の政治テーマに掲げる以上、野党第1党として受けて立ち、党の存亡を懸けてでも改憲発議の提起や国民投票に応じて決着を付ける。
 改憲という重大テーマをいたずらに政局の材料にするべきではないし、安倍首相から「否決されれば退陣する」との言質を取るべきものでもないだろう。

だが、改憲が国政上の課題となり、現在の憲法審査会の前身となる憲法調査会の設置が国会で決まった1999年7月29日から、ちょうど20年の歳月が過ぎた。
枝野氏の政治家としての歩みとほぼ符合する。
枝野氏には、この月日の重みをかみしめ、前に進む判断をしてほしい。
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2019年07月31日

吉本興業を解雇された楽しんごと中堅芸人が語るずさんな管理体制実態

吉本興業を解雇された楽しんごと中堅芸人が語る
ずさんな管理体制実態
2019/7/30 週刊女性2019年8月13日号

「会社のトップが責任取らない会社って、機能してるのかな。
社員の家族もいる。
そして若手芸人の家族、そして生活があるんですよ!
 そしたら、いま吉本興業は経営側、絶対変わらないとダメ。
この状況で、会社が変わらないなら、僕は退社します」

 かつて、その破天荒さから“狂犬”というニックネームをつけられた男は、時折、涙をにじませながら、しかし覚悟を決めたような力強い目で吠えた。
 7月22日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)で、番組MCの加藤浩次は所属事務所を痛烈に批判。
吉本興業における闇営業を端緒とした問題は、登場人物全員が火に油を注ぎ続け、騒動の炎は弱まることを知らない。

 複数の芸人による闇営業問題は、吉本の上層部によるパワハラ問題、そしてお家騒動にまで発展している─。
なぜこのような騒動に  そもそもの発端は、雨上がり決死隊の宮迫博之やロンドンブーツ1号2号の田村亮ら複数の吉本興業所属芸人が、会社を通さない“闇営業”で、反社会的勢力が主催した会合に参加していたことだった。

「宮迫さんや亮さんは当初ギャラを受け取っていないと弁明していましたが、のちにそれが嘘であることが発覚。
2人は過ちを認め、会見を開き正直に話したいと会社に伝えましたが、“静観です”と会見を許されなかった。
 正直に話したいと食い下がった彼らに対し、岡本昭彦社長から“おまえらテープ回してないやろな”“会見してもいいけど全員クビにする”といった明らかなパワハラがあったことが、後日、宮迫さんと亮さんが開いた会見で明らかになりました」(スポーツ紙記者)

 宮迫と亮が7月20日に開いた会見を受け、7月22日に吉本側は岡本社長と藤原寛副社長ら上層部が弁護士を交え会見を開いた。
「宮迫さんと亮さんの会見は、正直に謝罪しながらも、その裏には謝罪を許さない会社の愚策やパワハラがあったことを明らかにし、ある意味うまく自分たちから問題をそらした。
しかし岡本社長は、質問に曖昧に返したり、パワハラ発言は“場を和ませる冗談だった”など稚拙な言動に終始。
そのうえ自身の進退については、“続投”を明言。
ことの重大さに気づいていないその態度に批判が殺到しました」(同・スポーツ紙記者)

現役吉本所属芸人が語る「実態」
 批判の波は、マスコミだけではなく、所属芸人たちにも広がった。
会見で岡本社長が「ギャラは5対5」と発言したこともあり、多くの芸人たちが自身のSNSで、《この会見ですら嘘をつくのか》と批判。
また、吉本に所属する芸人は6000人にものぼりその面倒を見るために十分な社員が吉本にいない管理体制も問題視されている。

現役で吉本に所属する中堅芸人が、匿名を条件にその“実態”を話してくれた。
 賞レースで上位に食い込んだこともある彼だが、吉本を通した“正規”の仕事は少なく、闇営業を頼りに生きている。
「マネージャー1人で100人くらいを担当してて、仕事の案件があると、グループLINEで“こんな仕事がある”と伝えられるだけ。
“100メートル10秒台で走れる人”という条件の仕事がLINEに投げられたりもして。
もし、そんなすごい能力のある芸人がいるなら把握しておいてほしいですよ(苦笑)」

 会見で岡本社長が話したギャラの実態については、 「9対1ですよ。9・5対0・5とかも聞きます。
しかも、それをコンビで分けたり。
それ、もう何対何なんだよって」
 それほどまでに待遇が悪くても、「払われるだけマシ」という現状があるという。

「ごまかしているのか忘れているのか……振り込みがないことなんてよくありますよ。
マネージャーに聞くと“経理に確認します”と言うんだけど、返答はめちゃくちゃ遅い。
2年前のギャラが急に入ったりしますから。
振り込みがないことを伝えたら、“あの仕事か? あれノーギャラやで”とか後で言われたりもしますからね」

 売れていない芸人がこのように声を上げることについて、「嫌なら吉本を辞めればいい」という意見もある。
「嫌なら辞めろって言うけど、事務所が辞めさせないですからね。
“辞めたら圧力かける”って言われた人もいっぱいいる。
だから、やめたくてもやめられないという事情があることもわかってほしい」

 かつて吉本に所属し、現在はフリーのお笑いコンビ『クレオパトラ』の長谷川優貴は、圧力の実態をツイッターで次のように記している。
《今後人前に出ないでください。俳優でも音楽でも全部ダメです。もし人前に出るなら圧力かけます。と言われた》

闇営業で解雇、楽しんごの言い分
 吉本を辞めた芸人は、いま何を思うのだろうか。
「僕は自分の会社を作ってマッサージの仕事とかやってたので、吉本を解雇されても痛くもかゆくもないんです」
 そう話すのは、闇営業が原因で3月末に吉本から解雇された楽しんご。
彼が吉本に所属するきっかけは、’10年に出演したネタ番組『あらびき団』(TBS系)でのブレイク。

「“ドドスコスコスコ、ラブ注入”ってやったら、次の日からヤベーなってくらい仕事が来ちゃって。
それで吉本から“来ないか”と誘われたんです」
 しかし、ブレイク後の’13年、本人が「痴話ゲンカだった」と話す元カレへの暴行疑惑でテレビから姿を消す。

「あの事件を起こして謹慎になったとき精神的にまいっちゃって吉本を辞めようと思ったんです。
でも(現副社長の)藤原さんだけはやさしかった。
“しんごちゃん、辞めないでよ”って引き留めてくれた。
だから、とどまったんです」

 だが、そこから仕事がまったくなくなって“直”の仕事だけで食いつないでいたという。
そのころの吉本には思うところがあるようで─。
「吉本のマネージャーは毎月のように代わって、当たりハズレがすごくある。
最悪だったマネージャーは、僕が“YouTubeの仕事をやりたいです”とかメールしても、“わかりました。
確認します”の返事から、まったくレスがないんです」

 マネージャーに催促すると、“上を通しますね”と言われるが、それでも返事は来ない。
「何週間かかるんだよって感じ。
仕事をくれるという人がマネージャーに電話しても“全然出ないんだけど”と言われたことも。
それで断られちゃった仕事は覚えているだけで10数本あったと思う」

 吉本に関わりのある2人の芸人が話すように、吉本の体制は変わらざるをえないレベルにある。
7月24日には、吉本が所属芸人と契約書を交わしていないことについて公正取引委員会が“問題あり”という考えを示した。  それらを受け25日、吉本は『経営アドバイザリー委員会』を設置することを決定。

芸能事務所の労働環境や契約に詳しい『レイ法律事務所』の河西邦剛弁護士はこう話す。
「これは第三者委員会を作るということ。
経営者側とタレント側の双方から意見を聞いて、中立的な契約書を作るいいチャンスだと思います。
これで芸人のみなさんが不満を抱いていたギャラの分配も明確になりますから」

 しかし、懸念点はある。
「売れていない芸人が多いわけですから、全員に最低限の生活給を支払ってしまうと吉本は赤字になってしまいます。
それを避けるとすると、一部の売れている芸人以外は吉本興業に所属できなくなってしまう。
私はギャラが低くても芸能活動をしたいという芸人の選択肢は残しておくべきだと思います」

 収入の最低保証をすることが、逆に芸人になることの間口を狭めることにもつながる。
「すべての問題を一括解決しようというのは無理なことです。
まずは、独占禁止法に触れる可能性があった契約書の問題をクリアにする。
それが再建に向けての第一歩といえますね」

手を差しのべる? さんまを直撃
 今回、特に吉本上層部の体制に苦言を呈しているのが、冒頭の極楽とんぼの加藤だ。
現実問題として、吉本の体制が加藤の望むように変化することはあるのか。
吉本をよく知る放送作家は、その可能性について次のように話す。
「現行の大ア洋会長の体制を変えるつもりはまったくないですね。
でも、さまざまな番組に引っ張りだこの加藤さんも辞めさせたくないから、大ア体制を維持しつつ、加藤さんも残留させる方法を何とかして考えている」

 加藤を残留させる方法の中のひとつの可能性として、岡本社長を更迭するという形はあるという。
「大ア会長は、自分の言うことを聞いてくれる岡本社長をかわいがってはいたけど、世間から批判を浴びても絶対に残したいかというと意外とそうではない。
自分が会長に残れるなら、岡本社長を辞めさせる可能性は十分にある」

 騒動の発端であり、上層部と揉めてしまった2人については……。
「宮迫さんと亮さんの進退については、加藤さんの問題が終わってからの話し合いということになるでしょうね。
加藤さんが辞めたら、2人も辞める。
 加藤さんが残留したら2人も吉本に戻るのでは。
加藤さんの残留は、あの2人が戻ってきても大丈夫な環境になるよということを意味するので。
その際は、宮迫さんと亮さんは吉本の“本体”に戻すでしょう」(同・放送作家)

 加藤とともにキーパーソンとなっているのが、吉本におけるトップ中のトップである、明石家さんま。
自身のラジオでも「どっかの事務所も狙ってるかわからへんけども、とりあえずウチ(個人事務所)も声かけてみようと思ってるんですよ」とコメントしている。

 実際、さんまの個人事務所には村上ショージやラサール石井らのベテラン芸人が所属しているという。
しかも、7月25日にさんまと大ア会長は直接会って意見交換したとも伝えられている。
 7月26日、ラジオ収録のために自宅を出るさんまを直撃したが、何も語らず車で走り去った。
前出の放送作家は、 「さすがに、さんまさんの個人事務所には入れないと思いますよ。
入れてしまったら“やっぱり自分たちで面倒見たくないから、さんまに預けたんでしょ”ということになってしまうから、再生をアピールするためにも、 吉本に戻すでしょう。
さんまさんも“面倒を見てあげたい”という気持ちに嘘はないと思いますが、リップサービスで言っている部分もあると思いますね」

 やはり、いちばんのキーパーソンは加藤だ。
「加藤さんも大ア会長との会談後“話は平行線”と言っていましたが、その時点で辞めるとは言わなかったので、経過を観察することにしたのでしょう。
 もし加藤さんが吉本を辞めた場合、何人かついていく芸人もいると思いますが、辞めた芸人たちで集まってひとつの事務所を作るようなことはしないでしょう。
さすがに吉本にケンカを売りすぎてますからね。
個人個人で事務所を作ってやっていくことになると思います」

 宮迫と亮に対して現状は、吉本によると「連絡させていただいております」というが、7月27日時点で「ご返事はいただいておりません」とのこと。

今週、開催される予定になっている『経営アドバイザリー委員会』についても、その議事録は「公表の方法は検討中です」との返答だった。
 日本一笑いを生んできた事務所で明らかになった“闇”。笑いという光が差すのはいつになるのか─。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする